内閣委員会

2007-10-26 衆議院 全273発言

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会議録情報#0
平成十九年十月二十六日(金曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 中野  清君
   理事 江崎洋一郎君 理事 岡下 信子君
   理事 櫻田 義孝君 理事 萩生田光一君
   理事 村田 吉隆君 理事 大畠 章宏君
   理事 平岡 秀夫君 理事 田端 正広君
      赤池 誠章君    赤澤 亮正君
      遠藤 武彦君    遠藤 宣彦君
      近江屋信広君    大塚  拓君
      加藤 勝信君    木原 誠二君
      河本 三郎君   戸井田とおる君
      土井  亨君    中森ふくよ君
      永岡 桂子君    長島 忠美君
      西村 明宏君    藤井 勇治君
      御法川信英君    山本  拓君
      泉  健太君    市村浩一郎君
      吉良 州司君    楠田 大蔵君
      佐々木隆博君    西村智奈美君
      石井 啓一君    吉井 英勝君
    …………………………………
   国務大臣
   (地方分権改革担当)   増田 寛也君
   国務大臣
   (内閣官房長官)     町村 信孝君
   国務大臣
   (国家公安委員会委員長)
   (食品安全担当)     泉  信也君
   国務大臣
   (規制改革担当)
   (国民生活担当)
   (科学技術政策担当)   岸田 文雄君
   国務大臣         渡辺 喜美君
   国務大臣
   (経済財政政策担当)   大田 弘子君
   国務大臣
   (少子化対策担当)
   (男女共同参画担当)   上川 陽子君
   内閣府大臣政務官     加藤 勝信君
   内閣府大臣政務官    戸井田とおる君
   内閣府大臣政務官     西村 明宏君
   政府参考人
   (内閣府大臣官房審議官) 西川 正郎君
   政府参考人
   (内閣府大臣官房審議官
   兼大臣官房遺棄化学兵器処理担当室長)     西  正典君
   政府参考人
   (内閣府計量分析室長)  齋藤  潤君
   政府参考人
   (内閣府政策統括官)   丸山 剛司君
   政府参考人
   (内閣府政策統括官)   柴田 雅人君
   政府参考人
   (内閣府男女共同参画局長)            板東久美子君
   政府参考人
   (内閣府公益認定等委員会事務局長
   兼大臣官房新公益法人行政準備室長)      戸塚  誠君
   政府参考人
   (内閣府地方分権改革推進委員会事務局次長)    松田 敏明君
   政府参考人
   (警察庁長官官房長)   米村 敏朗君
   政府参考人
   (警察庁生活安全局長)  片桐  裕君
   政府参考人
   (警察庁刑事局長)    米田  壯君
   政府参考人
   (警察庁交通局長)    末井 誠史君
   政府参考人
   (警察庁警備局長)    池田 克彦君
   政府参考人
   (総務省大臣官房審議官) 高橋 正樹君
   政府参考人
   (法務省民事局長)    倉吉  敬君
   政府参考人
   (外務省大臣官房参事官) 伊原 純一君
   内閣委員会専門員     杉山 博之君
    —————————————
委員の異動
十月二十六日
 辞任         補欠選任
  大塚  拓君     赤池 誠章君
  河本 三郎君     永岡 桂子君
  高市 早苗君     山本  拓君
  中森ふくよ君     近江屋信広君
同日
 辞任         補欠選任
  赤池 誠章君     大塚  拓君
  近江屋信広君     中森ふくよ君
  永岡 桂子君     御法川信英君
  山本  拓君     高市 早苗君
同日
 辞任         補欠選任
  大塚  拓君     長島 忠美君
  御法川信英君     河本 三郎君
同日
 辞任         補欠選任
  長島 忠美君     大塚  拓君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 内閣の重要政策に関する件
 栄典及び公式制度に関する件
 男女共同参画社会の形成の促進に関する件
 国民生活の安定及び向上に関する件
 警察に関する件
     ————◇—————
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中野清#1
○中野委員長 これより会議を開きます。
 内閣の重要政策に関する件、栄典及び公式制度に関する件、男女共同参画社会の形成の促進に関する件、国民生活の安定及び向上に関する件及び警察に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 各件調査のため、本日、政府参考人として内閣府大臣官房審議官西川正郎君、大臣官房審議官兼遺棄化学兵器処理担当室長西正典君、計量分析室長齋藤潤君、政策統括官丸山剛司君、柴田雅人君、男女共同参画局長板東久美子君、公益認定等委員会事務局長兼大臣官房新公益法人行政準備室長戸塚誠君、地方分権改革推進委員会事務局次長松田敏明君、警察庁長官官房長米村敏朗君、生活安全局長片桐裕君、刑事局長米田壯君、交通局長末井誠史君、警備局長池田克彦君、総務省大臣官房審議官高橋正樹君、法務省民事局長倉吉敬君、外務省大臣官房参事官伊原純一君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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中野清#2
○中野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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中野清#3
○中野委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。赤澤亮正君。
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赤澤亮正#4
○赤澤委員 おはようございます。自由民主党の赤澤亮正でございます。本日は質問の機会を与えていただきまして、まことにありがとうございます。
 私は、現代の若者というのは、一昔前の若者と比べて明らかに、学校、就職、そして家庭、子育ての、三つのいずれの分野においても見通しのきかない、いわば若者視界ゼロ社会とでも呼ぶべき困難な状況に置かれているというふうに考えております。
 きょうは話題を絞っていきますけれども、基本的にやはり普通科教育中心、職業教育や職業適性といったものを判断できる、そういう機能を教育がなかなか発揮していない中で、働く準備のできていない若者が大量に卒業して、加えて就職の場では、企業は失われた十年を経て即戦力を求める、能力がなければ大量に雇っておいて次々首にするといいますか、リストラをするといったような状況、そんなことから多数ニートやフリーターが生まれているといったことは否定できない事実だろうと思います。さらに、家庭、子育てにおいても、決していい社会的経済状況に若者が置かれているとは言えないように思います。
 いずれの分野においてもしっかりとした対策を講じて、若者の暮らしに将来の見通しを取り戻すことが必要であるというふうに考えます。若者対策を充実することは、我が国全体の活力をアップさせるとともに、都市と地方の格差の是正にも大いに貢献するものだというふうに信じるところでございます。
 本日は、その中で、家庭、子育て、少子化対策といったことについて上川大臣に質問させていただきますので、よろしくお願いをいたします。
 現在、少子化社会対策会議のもとに設置をされた子どもと家族を応援する日本重点戦略検討会議において、本年末の最終取りまとめを目指して、重点戦略の全体像の議論が進められているというふうに承知をしております。少子化対策については、過去、平成六年のエンゼルプラン、平成十一年の新エンゼルプラン、平成十六年の子ども・子育て応援プラン、さらには平成十八年の新しい少子化対策、次々と打ち出されておりますけれども、今回の子どもと家族を応援する日本重点戦略の新しさ、新味、あるいはこれまでの対策と比べた場合の特色について教えていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
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上川陽子#5
○上川国務大臣 一九九〇年に、合計特殊出生率が一・五七ということで、一・五七ショックが全国を大変な驚きとともに走ったわけでございます。
 ただいま委員御指摘のように、それ以降、エンゼルプラン、新エンゼルプラン、少子化社会対策大綱、子ども・子育て応援プラン、また新しい少子化対策についてということで、随時、計画やプランが発表されながら、それに基づいて全力で施策の推進をしてきたところでございます。
 こうしたさまざまなプランに基づきまして、総合的な少子化対策に取り組んだところでございますが、ややもすれば、こうしたプランや対策は、あらゆる、やれるべきことをできるだけ盛り込んでということで、やや網羅的に示してきたのではないかというふうに思っております。
 今回、御指摘の重点戦略ということでございますが、それは、昨年の末に将来推計人口の大変厳しい見通しが出されまして、そのことを踏まえまして、特に結婚と出産に対する国民の希望と実態の乖離、この乖離はどういう要因によってギャップがあるのかということに焦点を当てまして、そして国民の皆さんが希望どおりに結婚をし、また子供を安心して産んで育てることができるようにするには何が必要であるのかということに焦点を当てて、そして効果的な対策の再構築とその実施を図ることをねらいとしたものでございます。
 ことしの六月に中間報告が取りまとめられまして、その中で、少子化の急速な進行の背景にあるのは、働き続けることと結婚して子供を持つこととの二者択一を迫られている状況があるということ、また長時間労働や多様な働き方を選択できないなど、働き方をめぐるさまざまな課題が存在しているということが明らかにされ、そしてそれを踏まえて、重点戦略の方向性として大きく三つの視点が打ち出されているところでございます。
 一つは、ワーク・ライフ・バランスの実現のための働き方の改革を最重点の課題としていくこと、二番目としては、多様な働き方に対応できるように子育て支援策を再構築していくということ、そして第三に、少子化対策の財源については、実効ある制度の再構築とあわせ、制度の持続可能な運営に必要な財源の効果的な投入を検討することとしているところでございます。
 現在、これら三つの方向性を中心に具体的な施策の検討、検証を進めておりまして、年末までに重点戦略の全体像を取りまとめていきたいというふうに思っております。
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赤澤亮正#6
○赤澤委員 今の御説明で、今我が国においては子育て世代が、特に女性が、働き続けるか、子育てを選択するかという二者択一を迫られている状況だという認識のもとに、今回の子どもと家族を応援する日本重点戦略の中間報告においては、ワーク・ライフ・バランスを初めとする三本柱がポイントであるという御説明でございました。
 そこで、ワーク・ライフ・バランスについてお尋ねをいたします。
 現時点において、一般的に日本の企業や国民の多くは、ワーク・ライフ・バランス実現のための取り組みは、いわば金がかかるけれども企業の生産性、業績を悪化させるというふうに考えているように思います。ところが、欧米の先進的な取り組みを行っている諸国においては、ワーク・ライフ・バランス実現のために熱心に取り組んだ企業ほど生産性や業績は向上するというのがむしろ常識となっており、客観的な統計によってもそのことが裏づけられているというふうに承知をしております。
 そこでお尋ねいたしますが、我が国においてワーク・ライフ・バランスの実現を目指す上でのかぎというのは、その取り組みが企業の生産性、業績を向上させるんだということを客観的な指標によって広く企業、国民に周知することであるというふうに考えますが、この点についての御認識、さらには、どのように取り組むお考えかを教えていただきたいと思います。
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柴田雅人#7
○柴田政府参考人 お答え申し上げます。
 ワーク・ライフ・バランスの推進と生産性の向上という御質問でございました。
 今の時点で、ワーク・ライフ・バランスを進めることと、それから生産性の向上がどう結びつくかというところは、なかなかまだ定量的な評価は難しい面もあると思いますけれども、まず、生産性の向上自体につきましては、ことしの基本方針二〇〇七でも、イノベーションなどの観点から成長力強化策を講じるということで、労働生産性の伸び率を五年で五割増しにするというような目標が立てられております。
 それから、今なかなか難しい面もあると申し上げましたけれども、個別の企業で見てみますと、ワーク・ライフ・バランスを一生懸命やっているところでは、例えば製品の不良品流出率が大幅に低下しているとか、そういうデータはございます。そういう意味で、仕事の質の向上に寄与したというような事例があるということは、私どもも承知しております。
 このワーク・ライフ・バランスを進めることは、一人一人の労働者がやりがいや充実感を感じながら生き生きと働くことができる、そういうふうになれば、要するに質のいい労働力の確保ということにもつながりますし、それから労働者の活力にもつながるということで、仕事の質が向上して企業の生産性の向上にもつながるということについては、今現在行われておりますこのワーク・ライフ・バランスの指針の策定作業部会でも議論されているところでございます。そういうところでは、今先生おっしゃったように、生産性の向上につながって将来の投資につながるんだということを強調すべきだというような議論も行われております。それから、目標をどうするかということについても議論は行われているところでございます。
 先生御指摘の視点も踏まえまして、今後の憲章とか行動指針の取りまとめ、そういうところでもまたいろいろ議論していただくようにしていきたいというふうに思っております。
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赤澤亮正#8
○赤澤委員 期待したほどすっきりした答えではなかったわけでありますけれども、やはり、営利企業は当然のことながら利益追求ということで、ワーク・ライフ・バランスに取り組めば利益につながると思ったときに、最も効果的に、しかも最大限取り組むということだと思います。その点は非常に重要だと思いますので、引き続き、指摘の趣旨を踏まえて、ぜひ前向きによろしくお願いをしたいと思います。
 ワーク・ライフ・バランスの取り組みの先進国と言える英国におきましては、政府の財政的な支援を受けて、かなりの手間暇をかけて、さまざまな指標について、詳細な従業員のインタビューも行いながら、ワーク・ライフ・バランスに関する取り組みをできる限り客観的に評価をして企業のランキングを行うというふうに承知をしております。そのランキングを掲載した雑誌は有料でも飛ぶように売れると言われておりまして、日本においても、ワーク・ライフ・バランスに取り組む優良企業の顕彰制度を導入することが有効であるというふうに考えますけれども、いかがでしょうか。
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柴田雅人#9
○柴田政府参考人 お答え申し上げます。
 まず、イギリスの制度は、先生、今お話ございましたので、もう重複して紹介は申し上げませんけれども、一言で言いますと、従業員の声を重視した審査を行っているというところが非常に特徴になると思います。
 それで、我が国におきましても、既に次世代育成支援対策推進法という法律がございまして、ここで、行動計画をつくって一定の具体的成果を上げた企業に対しましては、認定マークとして、おくるみからきているんですけれども、くるみんというものを、そういう次世代認定マーク制度を実施しております。それを商品などに使用することを認めている。そういうことによりまして、企業の子育て支援の取り組みに対するインセンティブとなることを期待しております。
 ワーク・ライフ・バランス、結局は、まず企業で取り組んでいただきますが、そういう企業の子育て支援を社会全体が応援していくということが大切であると考えておりますので、先生おっしゃったようなことも含めまして、今後、諸外国の制度も参考にしながら、この進め方ということについて考えていきたいというふうに思っております。
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赤澤亮正#10
○赤澤委員 くるみん企業の認定というのも、大変私はすばらしいことだと思います。ただ、一歩進んで、イギリスの場合、我が国で言う就職したい企業ランキングに当たるようなものが恐らくこのワーク・ライフ・バランスについてのランキングになっているんじゃないかというふうに思います。まだ、前途、かなり長い道であるというふうに思いますので、引き続き、ぜひ前向きの取り組みをお願いしたいと思います。
 企業や国民の意識改革、さらには優良企業の顕彰制度は、今すぐにでも着実に取り組んでいくべきだというふうに考えますけれども、諸外国においてはもう少し強力なインセンティブを行う企業があることも御紹介をしたいと思います、場合によっては義務づけもあると。
 具体的に申し上げれば、例えば育児休業の取得は、社員の時間管理能力、これを飛躍的にアップさせるから社員の能力が向上するはずだという考えに基づいて、育児休業を取得した者の給与をアップするという企業は諸外国においては結構ある。さらには、育児休業期間中、周囲の同僚たちの給与にも上乗せをするという例もあるように承知をしております。
 そういった企業への税制上の支援でありますとか、あるいは、かなりこれは強力なあれでありますけれども、社員が取得しなかった有給休暇の失効分には企業が給料として支払うことを義務づけるとか、やり方は、もう選択肢は多数あるように思います。
 ワーク・ライフ・バランスの実現のために、効果は当然認められると思いますけれども、この辺の選択肢、手法については、どのようにお考えになりますでしょうか。
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柴田雅人#11
○柴田政府参考人 まず、現在の状況を申し上げますと、例えば、育児休業取得者などに対して企業が独自で給付を行っている事業主に上乗せの助成をするとか、あるいは育児休業取得者の代替要員を確保する、あるいは現職に復帰させたときの事業主に対する助成、こういうような支援策は既に始めているところでございます。
 これからワーク・ライフ・バランスを進めていくという上では、先生おっしゃるように、いろいろな手法が必要になってくると思います。もちろん法律の枠組みの中でやっていくということもあるでしょうし、それから、いろいろな財政措置で誘導していく、財政や税制の措置で誘導していくというようなこともあると思います。いろいろな外国の例も参考にしながら、もちろん、我が国の制度をどう変えていくかというのがまず基本でございますけれども、積極的に取り組むような企業に対しての支援ということは考えていきたいと思います。
 これは、今現実に作業部会での議論でもそういう議論というのがかなり中心的に行われているところでありますので、今後、私どもも、どういうふうにやったら具体的に進むのかということをよく頭に置いて検討していきたいというふうに思っております。
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赤澤亮正#12
○赤澤委員 ありがとうございました。
 私が理解している以上に進んでいる部分もあったようでございまして、その点は積極的に評価をいたします。ぜひ前向きに、あらゆる手段を駆使してこの重要な問題に取り組んでいっていただきたいというふうに思います。
 現時点においては、圧倒的に女性の割合が高い育児休業取得でございます。育児休業終了後に安心してもとの職場あるいは過去勤めていた業種に復帰できるようにサポートすることも、ワーク・ライフ・バランスの実現のためには大変重要であるというふうに考えるところでございます。
 復帰の大きな障害の一つは、育児休業中に専門的な知識、技能が古くなる、あるいは衰えることで、復帰後十分力を発揮できない、そういった心配であると思います。例えば私の地元でも、看護婦さんの不足というのは非常に問題になっておりますけれども、看護婦さんの場合、新しい薬の名前とか、そういったことについて知識が欠けてしまうと、怖くて、患者さんの安心、安全を考えたときに戻れないようなこともよくあるようでございます。
 こういった心配にきちっと対応するという意味で、例えばテレワークの活用などによって育児休業期間中に自宅において最新の専門的な知識に触れ、知識を更新し、技能を衰えないようにサポートするような取り組みを行う企業に支援を行うといったことも有効であるというふうに考えますけれども、その点については、お考えはいかがでしょうか。
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上川陽子#13
○上川国務大臣 女性が出産をした後に復職を希望しているという方は大変多いというふうに思っております。そうした面で、今御指摘のように、復職の障害になるものを取り除くということについては、大変大事な視点だというふうに思っております。
 そこで、そうした状況を踏まえますと、母親が出産、子育てをしながら継続して働き続けることができるような施策とともに、子育てが一段落した女性が再就職することができるような支援ということで、短時間勤務制度の促進とか御指摘のテレワークの推進というような形で、柔軟な働き方を選ぶことができるような環境整備ということは大変大事なことであると思います。そして、そういう制度を率先してつくっていただく企業側に対してのインセンティブについても、御指摘のような課題も、それぞれほかの国々でも行われているということですので、そうした面で参考にしながら取り組んでいくことが大事ではないかというふうに思っております。
 現在、マザーズハローワークの拡充ということで、女性の再チャレンジ支援プランということで進めておりますが、さらにそうした取り組みにつきましては拍車をかけていきたいというふうに思っております。
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赤澤亮正#14
○赤澤委員 ありがとうございました。
 ワーク・ライフ・バランスについてのお尋ねはこの程度にとどめまして、少子化対策の基本的な考え方について少しお話をさせていただきたいと思います。
 出発点は、我が国の若い子育て世代が理想とする、あるいは予定する子供の数については、過去何十年来、大幅に変化はしていないということであります。常に二人を超えている。三十年前、四十年前も国民は二人子供を持ちたいと思っていた、今もそれは変わっていないということであります。国民は一貫して二人以上の子供を持ちたいと希望しているにもかかわらず、我が国の合計特殊出生率がほぼ一貫して急速に下がり続けてきた、これは重く受けとめる必要があると思います。逆に言えば、その点にこそ出生率回復の希望が見えるとも言えると思います。
 現在の少子化対策は、以上の認識に立っており、換言すれば、年金制度の持続性を高めるなど国策上の観点から産めよふやせよという発想で進めているのでは決してないということであります。現在の日本において、さまざまな社会的、経済的障害のために国民が希望どおり出産、子育てができない、こういう状況を打破することによって国民の希望がかなった場合の合計特殊出生率、政府の試算によればおおよそ一・七五ということのようですが、これを実現するというのが基本的な考え方であるというふうに理解をしております。
 そこで、このような基本的考え方に立って施策を講じることにより、我が国と同様、一たび合計特殊出生率が低下したにもかかわらず、その後は我が国と大きく異なって見事に出生率を回復した、それに成功したフランスなどの諸外国から、少子化対策の決め手となった施策についてどのような教訓が学べるのかについてお尋ねをいたします。
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上川陽子#15
○上川国務大臣 日本と同じように一たび出生率が下がったにもかかわらず、さまざまな施策を積み重ねることによって出生率を回復した国として、御指摘のようなフランスなどヨーロッパの国々が日本にとっての教訓ということで、学ぶべきことは大変多いというふうに思っております。
 近年の諸外国の家族政策を見てみますと、九〇年以降、家族手当などの経済支援中心の施策から、育児休業や保育サービスの充実などの仕事と子育ての両立支援を目指したサービス支援ということで、そうした政策の転換が共通して見られるところでございます。
 少子化対策の成功例、フランスやスウェーデンでは、働き方につきましても、長時間労働が非常に少ないということ、また、多様な働き方の選択が可能であるということから、こうした多様な働き方に合わせた形で、さまざまな柔軟なサービスをそれぞれの家族に応じて選択することができるように整備しているということでございます。
 また、家族政策関連の支出ということでございますけれども、我が国のマクロ的な指数として、GDP比が〇・七五%ということでございます。アメリカは〇・七ということでありますが、欧州の国々では、おおむねGDP比の二から三%の財政投入をしている。これはいずれも事業主の拠出も含む数字でございますけれども、そうしたところに特徴があるのではないか。
 こういうことも踏まえながら、我が国の少子化対策の、逆に言うと特徴というものを見てみますと、まだまだ質、量両面のサービスの基盤整備が不足しているのではないかということでございますし、また働き方の改革に向けた取り組みについては、先ほどの企業の中の御指摘もございましたけれども、弱いということでございます。
 また、施策間の整合性や連携の欠如、政策の一元性、サービスの一貫性の欠如ということで、例えば産休、育休明けの年度途中の保育所入所ということについては、どのお母さんもお父さんも大変困っていらっしゃるということでございます。
 また、税制や年金、医療等の他の社会保障制度をも視野に入れた対策ということについての取り組みも弱いということでございます。
 手厚い家族政策を支える国民負担についての国民の皆さんからの応援、合意ということについても、これからさらに充実しなければいけないということでございまして、こうした課題に対して、ワーク・ライフ・バランスの憲章あるいは行動指針を中心に、これまで取り組んできたさまざまな施策の再構築と、また実現に向けて取り組んでいくことが大事ではないかということでございまして、これは子どもと家族を応援する日本重点戦略の中に総合的に取りまとめをしていきたいというふうに思っております。
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赤澤亮正#16
○赤澤委員 ありがとうございます。
 おっしゃった点、私なりの受けとめを若干申し上げますと、まず、GDP比でフランスなどは非常に多くの予算を投入している、資源を集中的に投入しているということ、それから、家族手当といった経済支援から保育サービスの充実にかなり予算の配分をシフトしたということ、あるいは、多様な働き方に対する柔軟なサービスを行っている、意識の点でも大分違うんじゃないか、こういったようなことだったと思います。
 フランスにおいて、今申し上げましたとおり、家族手当、すなわち、若い子育て世代への経済的支援から保育サービスの充実といった政策転換を行ったことは非常に有効であった、これは指摘としては非常に説得力がありますが、私は、ここで注意しなければならない点があると思います。というのは、経済的支援と保育サービスの充実、両方が決定的に重要であって、要は、そのバランスだということでございます。
 我が国の場合、都市と地方では少子化の理由が大きく異なっているように私には思えます。都市の場合、比較的若い子育て世代は経済力はあるけれども、夜間保育や病児保育など保育サービスの決定的な量的、質的な不足といったことが、働きながら出産に踏み切るということをちゅうちょさせる。一方、地方においては、保育サービスとかは、割と近いところに親が住んでいたり何とかできるんだけれども、若い子育て世代の経済力が圧倒的に少ないといったような問題があります。
 きめ細かく対策を違えていく、都市と地方でも違うし、その地域地域でも違うかもしれません、その辺の視点が欠かせないと思いますが、お考えを伺いたいと思います。
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上川陽子#17
○上川国務大臣 ただいま御指摘をいただきました、まず一点目につきましては、やはり経済的な支援についても十分ではないし、また同時に、制度面で、働き方を中心としたワーク・ライフ・バランスということについても、そのバランスの上で取り組まなければいけないという日本の置かれている状況ということについては、御指摘のとおりだというふうに思っておりますので、そうした方向に向けての重点戦略の策定をしていきたいと思います。
 そして、二番目の点でございますが、都市と地方との子育てのニーズに差があるということでありまして、これはいろいろな取り組みの違い等のデータを見ましても、大変大きな違いがあるというふうに私も理解をしております。
 実は、十一月の十八日に、今度新しく家族の日ということで、富山の方に行きますが、富山では待機児童はゼロ人でございますが、逆に東京の方では待機児童が大変多いというようなことからも明らかなとおり、そうした地方間の格差というか支援の間の違いというものについては、十分に丁寧に声を聞きながら施策の方への反映に努めてまいりたいというふうに思っております。
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赤澤亮正#18
○赤澤委員 大臣は次の予定があられるかと思いますが、最後にもう一つだけコメントをさせていただきたい点がありまして、これは、我が国においてはどうも高齢者関係に予算を使い過ぎているかなと。
 というのは、これは額的にという意味ではなくて割合の問題であります。諸外国、フランス、スウェーデン、イギリスなど、出生率が反転をしたり少子化の問題をある程度克服している国は、高齢関係と家族関係の予算の割合がほぼ三対一から二対一の間という現状でありますが、我が国は、高齢者の数が多いんだから多くそこに予算をかけようといったような考え方で、高齢関係と家族関係の予算の割合が何と十対一ということです。割合という意味でいうと、高齢関係に予算をかけ過ぎている。その結果、若者が非常に苦しい状態、少子化も進む、翻れば高齢者対策の予算も捻出しづらくなる、こういう矛盾でありますので、ぜひその点に力を入れていく。そういった中で、財源を手当てしていくには、私は、相続税など資産課税の見直しとか新たな財源を手当てして、しっかりと対策に集中投入していくということが必要だろうと思っております。
 もしお時間であればもうこれで結構でございますが、その点、コメントがあれば。では、指摘にとどめさせていただきます。ぜひ、この少子化対策、新たな財源を見つけて集中的に投入する、フランスの教訓なども生かしながら積極的に取り組んでいただきたいと思います。どうもありがとうございました。
 それでは、もう一つ伺わせていただきたいのは、増田大臣にきょうお出かけをいただきまして、本当にありがとうございます。
 新聞報道で、これは一つ、八月三十一日の日経新聞であります。この中で若干気になったことがあるので一問だけお尋ねをいたしますけれども、大臣のインタビューのお答えが、格差是正のためには、どうも公共事業には余り効果がなかったので頼らない、ほかのやり方でやりたいんだという御趣旨の発言があったように記憶している。これは新聞だけですので、私がどこまで正しく理解しているかという問題はあります。ただ、若干私は違和感を覚えたところがあって、地元の事情も御説明し、もし大臣からコメントがあればいただきたいというふうに思います。
 鳥取県の場合、私の地元の米子市、これは、鳥取市、県庁所在地から百キロしか離れていないのに、高規格道路の整備がおくれて二時間半かかるといった状態であります。地元に企業誘致に成功した企業に聞いても、道路整備がおくれていることによる物流コストが高いという問題は大いに深刻で、場合によっては私の地元に来ない場合もあり得たという話もよく聞くところであります。
 いろいろな意味で、首長さんの努力で、自立して地方は競争するんだ、企業誘致競争の時代なんだ、こういう話もあるんですけれども、道路整備のおくれといったようなものは、これは競争条件の大変なハンディになっているというふうに感じます。現に、高速道路の整備率と有効求人倍率との間には、明確な相関関係が認められるように思います。要は、道路が整備できれば企業が誘致できて、雇用もふえて、自治体の税収もふえる、行政サービスもよくなる、さらにまた人が来てくれる、企業も来てくれる、こういったような好循環に行くか、全く逆な悪循環に陥るかといったような感じであります。
 いろいろな意味で、競争から逃げる気もありませんし、いろいろなハンディを負ったまま、地元の首長さんたち、地方の首長さんたちは大いに努力をしておられる。少しずつ成果は上がっていると思いますが、各地方において真に必要な道路、県内の主要都市を結ぶ高規格道路や県内外の主要都市を結ぶ高規格道路、これはしっかりと国の責任で整備をしていただきたい、これこそがまさに格差是正そのものじゃないかと私は感じるところであります。
 この辺、高規格道路の整備など最低限の競争条件についてはそろえてほしいという地方の切実な声にはどうお答えになりますでしょうか。よろしくお願いいたします。
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増田寛也#19
○増田国務大臣 今先生お話がございましたとおり、鳥取は高速、高規格道路の整備が大変おくれている地域でございますし、企業誘致などでも、企業側もそうした基盤整備について大変強い関心をお持ちになっている、そのあたりが決め手になる場合が大変多いわけでございます。
 社会資本整備、公共事業について、当然、その意味合いというのは大変大きいものがございますし、私が新聞のインタビューで申し上げましたことは、前後いろいろあるんですけれども、やはり知事時代の経験から踏まえましても、ずっと、平成四年ぐらいからですが、景気対策も含めて大変大きな量の事業を実施したことが財政を非常に疲弊させた。したがって、これからまたもう一度、それだけの量を繰り返しやるだけの実質的な財政的な体力が今はないということも事実でございますので、その点は十分に踏まえる必要があるという趣旨でお話をいたしました。
 私も、今先生の方からお話がございましたとおり、地域再生、地方再生の中で、こうした公共事業や社会資本整備の意味合いというのは大変重要な部分があると思っておりますので、今お話ございましたとおり、真に必要なもの、こうしたものにはきちんと対応した上で地域再生を図っていく必要がある、このように考えております。
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赤澤亮正#20
○赤澤委員 安心いたしました。ぜひ地方再生に力を入れていただきたいと思います。
 これで終わります。どうもありがとうございました。
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中野清#21
○中野委員長 次に、大塚拓君。
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大塚拓#22
○大塚(拓)委員 自由民主党の大塚拓でございます。
 本日は、国民生活という観点から、経済財政を中心に、後ほど増田大臣にも御質問をさせていただきたいと思っております。
 最近、与党・政府あるいは新聞紙上の議論を見ていましても、税収を幾らふやすか、こういう議論が大変かまびすしくなってきているのかな。前提として、二〇一一年のプライマリーバランス達成ということは揺らぎがない。十四・三兆円の歳出削減も、これはきっちり達成をしていくという条件の中であっても、やはり社会保障の伸びというものがどうしても吸収し切れないところがあるんではないか、こういう議論だというふうに認識しておるわけでございますけれども、ちょっと最近聞こえなくなってきて残念に思っておりますのが、経済成長に関する議論でございます。
 経済成長率をどういうふうに置くかという前提によって、当然、所要増税額というものが変わってくるということでございますから、この経済成長という観点はぜひ忘れずに、これは、ただ黙って見ていればいいというものではなくて、努力をしなければ成長率は伸びていかないという側面があると思いますので、しっかりそういう観点を忘れずにやっていただきたいなと思っておるところでございます。
 成長率といいますと、これまで主に潜在成長率というところが論点になってきたんだろうと思います。資本ストック、労働力人口、それから技術進歩と、なかなか短期に成果の上がりにくい課題も多い中で、二〇一一年にプライマリーバランスを達成しなければいけないということだと思うんですが、潜在成長率という中でも、確かにサービスセクターの生産性の向上とか、まだ論点が残っているところもあると思うんです、議論を詰める必要があるところもあると思うんですが、きょうはもうちょっと目先の話で、消費というところに着目して議論をさせていただきたい。
 景気というと、まず設備投資ということが出てくるわけでございますけれども、設備投資というものは、このところ若干弱含んでいる側面もあるものの、おおむね順調に推移をしてきている。ただ、気にしておりますのが、その設備が、なかなか消費の方に火がついていかない、回っていかない。
 図をお配りしておるわけでございますけれども、この資料の一ページ目、一番左上の図でございます。これは月例経済報告、内閣府の十月の報告のコピーでございますが、消費総合指数、昨年からずっと横ばいが続いてきている。そういう中で、このまま消費が本格回復しないで、そのまま景気回復が終わってしまうということになるというのが一番懸念をしているところでございます。
 そこで、まず最初に、最近、消費税を増税しなければいけない、こういう議論がまた再び出てきているわけでございます。与党の議員の中で、未来永劫消費税を上げなくて済む、こういうふうに思っている議員は恐らく一人もいないんではないのかな、こういうふうに思うわけでございますけれども、恐らく問題は、どのタイミングでどれだけ上げるのか、そういう問題なんだろうと思うんですね。潜在的な経済のポテンシャルを最大限に引き出して、所要増税額というものを最小限に抑えていく、そういうタイミングはどこなのかな、こういうことを見出していかなければいけない、そういう議論なんだろうと思っております。上げるのか上げないのか、決してこういう議論ではないはずであると思っております。
 そこで、大臣にちょっとお伺いしたいのが、消費がずっと横ばい続きである、こういう消費が弱い中で消費税を不用心に上げてしまうと消費に水を差すんではないか、こういうことなんでございますね。消費税の増税というものが消費に与える影響というものをどういうふうに見ていらっしゃるかというのをちょっとお伺いしたいと思います。
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大田弘子#23
○大田国務大臣 先生御指摘のように、消費が昨年の夏からやや落ちておりまして、ことしに入って少し持ち直したんですけれども、まだどうも天候要因に左右される弱さを持っておりまして、六月、七月、落ちました。八月、持ち直しましたけれども、六月、七月を取り戻すまでには持ち直してはおりません。その背景に、なかなか雇用者所得が伸びないというようなことがありまして、強さを欠いているという状況がございます。
 お尋ねの消費税増税との関係でございますが、消費税を引き上げたときの経済に与える影響というのは、先生も御指摘のように、そのときの経済状況によって変わってまいりますので、なかなか一概には申し上げられません。
 内閣府のモデルの中では、消費税を上げることで手取りの所得が減る、実質可処分所得が減ることで影響を与えるという構造になっております。ただ、先生の御質問は、恐らく足元でどういう影響があるんだろうかと。
 足元で見ますと、消費税増税の前の駆け込み需要があり、その後の反動減があるということがこれまでの経験では出てきておりますので、そこは、きめ細かく足元の動向を見ながら判断していく必要があると考えております。
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大塚拓#24
○大塚(拓)委員 ありがとうございます。
 懸念しているのは、せっかくいい循環で来ている経済のサイクルがぱたっと途切れてしまうんではないのかなということであるわけでございます。
 今、御答弁の中で、雇用者所得がなかなか伸びない、こういうことがございました。なぜ雇用者所得が伸びないのかな。
 これも配付している資料にちょっと載っておるわけでございますが、一ページ目の下段の真ん中、実質雇用者所得でございますね。これも昨年、そのまた前からずっと横ばっているという感じなんだろうなと思っておるわけでございますけれども、一方で、こういう資料を見てみますと、失業率というのは若干微増してきたけれども、八月でも三・八%、そこそこタイトであると言えるんだろうと思います。また、経団連の調査、これは大企業に偏っているという説もあるかもしれませんが、初任給などは上昇をしっかり続けてきている。パート労働者の賃金なんかも実は伸びているんだろうと思うんですね。
 したがって、雇用者所得が上昇してもいいような要素というのがいろいろ出てきている。ただ、その中で、全部足し上げて総合的に見ると伸びていない。この要因がどこにあるんだろうかということをちょっとお伺いしてみたいんですが、私は、昨年あたりから始まっていると言われている団塊の世代の大量退職、これが、全体で見たときの雇用者所得が伸びていないという要因になっているんではないのかな、一つの要素になっているんではないのかというふうに考えております。
 すなわち、やはり年功序列型の賃金体系をとっている企業が日本の中で非常に多いわけですので、高齢者、年齢の高い従業員ほど高給取りであるという一般的な構造がある。その中でボリュームゾーンの団塊の世代が高給取りになって、それが退職していく。そのあいた分を若年労働者が埋めていったとしても、平均の一人当たりの賃金で見ると、恐らく下がっていく、こういうことがあるんではないのかなというふうに考えておるわけです。
 この人口動態要因というものを、大臣、どのように見ておられるか、お聞かせください。
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大田弘子#25
○大田国務大臣 御指摘のように、昨年の夏から賃金が伸び悩んでおります。これが消費伸び悩みの背景にもなっておりまして、私どもも、なぜ賃金が伸びないのかというのは幾つかの角度から分析を試みております。
 先生御指摘のように、労働需給は割と逼迫しておりまして、人手不足感も一部には出てきておりますし、初任給も上がってきている。しかし、賃金にはね返りません。その背景として、御指摘のように、団塊世代の退職、団塊世代が二〇〇七年で六十歳になり始めておりますので、リタイアが始まっております。この影響はあるだろうと考えております。
 実際、分析しましても、その影響が出てきております。賃金が高い状態の団塊世代がリタイアして、若い従業員に置きかわることで、平均賃金が下がっていく。団塊世代がそのまま継続雇用をされたり、別のところに再就職というケースはあるんですけれども、決して少なくはないんですが、やはり賃金は下がっておりますので、その影響は確かにあると、分析しても出ております。
 ただ、これですべてを説明できるわけではありませんで、もちろん、全体として非正規雇用がふえているといった要因もございます。労働需給が逼迫しておりますので、これが次第に賃金にはね返ってくるという、このルートは切れていないと見ておりますけれども、今後の賃金動向は十分に注意して見てまいりたいと考えております。
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大塚拓#26
○大塚(拓)委員 確かに、団塊要因だけで全部説明することはできないんだろうと思うわけですけれども、非正規雇用についても、非正規雇用の従業員の賃金自体は恐らく伸びてきているところがあるんだと思うんですね。それから、労働市場全体でのパイも膨らんできている。それから、正規と非正規、どっちの方が伸びるペースが速いかというのはあるかもしれませんけれども、非正規雇用が正規に順次移り変わっていくというような動きも一部では見られるんだろうと思いますので、そのあたり、しっかり関係性を分析してやっていっていただければなと思っておるわけでございます。
 次に、団塊の世代が大量に退職をしていく、そうすると、労働市場から出た人というのがどんどんどんどんこれからふえていくわけですけれども、その退職者というのがどういう消費行動をとっていくのかな、こういう議論をちょっとさせていただきたいと思っております。
 退職者は、基本的にこれまで、お給料をもらって、その中で生活を組み立てるという行動パターンだったのが、仕事をやめると、これまでの貯蓄、それから一時金でもらった退職金、プラス毎年受け取っていく年金、こういうものの中で生活を組み立てていくということに消費行動が変わるんだろうというふうに思いますが、特に最近、やはり年金とか介護とか、老後の生活に対する不安が高い。制度に対する信頼感が低下しているというのもあると思いますけれども、こういうところへの不安が非常に高くなってきている中で、とらの子の貯蓄、退職金というものをできるだけ取り崩さないで、ぎりぎりまで、老後資金、幾らかかるかわかりませんからとっておこう、こういうふうに考えるんだろうと思うんですね。
 同時に、とらの子の貯蓄ですけれども、金利が非常に低い、低金利がずっと続いております。そうすると、昔であれば、退職金の利回りだけでもある程度、レジャーとかそういうところに回す余裕もあったのかもしれませんが、今退職金をベースに、使ってしまうとそのまま元本が減っていってしまう、こういうことになっているんだと思うんです。そうすると、自然、人間、毎年のフローですね、年金、この中で何とか生活費は抑えていって、とらの子の預金は、不安も将来ある中、ずっとできるだけとっていこう、こういう消費行動になっているんではないのかな。これが消費を抑制している要因としてあるんではないか。
 そしてまた、退職者がどんどんふえていくということを考えますと、この要素が経済全体に占める比率というのはどんどん高くなっていくんじゃないのかな、こんなふうに思っておるんですね。
 そこで大臣にお伺いしたいのは、低金利、金利が低いということによって、消費者が消費を抑制する、こういうところについてどのように見ておられるかというところをちょっとお伺いしたいと思います。
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大田弘子#27
○大田国務大臣 今先生御指摘の、将来不安ですとか金利が低くて貯蓄がなかなかふえていかない、そういうこれからの見通しが消費にどういう影響を与えるかというのは、経済データの限界で、経済データではなかなかとらえ切れない点はございます。
 団塊の世代も、これまでのところは、旅行ですとか交通、通信などで消費の伸びを支えてはおりますが、今リタイアが始まったところですので、今後の動きは十分に注意して見ていかなくてはいけないと思っております。
 特に、金利ということでいいますと、高齢者は主に貯蓄を取り崩して生活する要因が大きいですので、金利が低いということの影響は、当然消費に影響を与えてくるだろうというふうに見ております。その点は、これからも十分見ていかなくてはいけないと思っています。
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大塚拓#28
○大塚(拓)委員 ありがとうございます。
 恐らく、低金利というのは消費にはマイナスに働いているんだろうと思うわけです。大臣も、なかなか定量的には出てこないところもあるのかもしれませんけれども、そういう御見解であると。
 そうすると、この低金利というのは、経済全体にどういう影響を与えているのかな。今、消費という面で見るとマイナスだとお話しになったわけですけれども、一般的に、金利が低いということは企業経営にはプラスだろう、こういうふうに見られることが多いだろうと思っております。当然といえば当然で、お金を借りて経営をしている会社が多い中で、支払い金利がそれだけ安い、金利負担が少ない、そういう経路を通じて、企業経営にはプラスに低金利が働いているんだろうと思われるわけです。しかしながら、では金利が低いということが企業経営にとってマイナスに働く要素はないんだろうかということをちょっと考えてみたいと思っておるわけです。
 すなわち、金利が低いということは、相対的に諸外国に比べて金利が低いわけですから、円が安くなる、円安に働く、こういう作用があると思うんですね。金利が低いことによって円安になる。円安になると、原材料等を調達している製造業等は、調達コスト、海外から原料が入ってくる、材料が入ってくる、資材が入ってくる、そのコストが、円安によって、円ベースで見ると高くなってくる。そういう資材調達コストが上昇してくる。こういうコスト面からの圧迫が当然派生的に出てくるんだと思うんですね。
 全体として見たときに、そういうプラスの要素とマイナスの要素、どっちが大きいと見るかということなんですけれども、少しブレークダウンして見てみますと、恐らく、輸出企業にとっては、一時ほど円安が企業収益のアップにつながるという状況ではなくなってきていると言われておりますけれども、さはさりながら、円安であれば、輸出促進という意味でプラスになってくるのかなと思うんですね。
 ただ、そこに納入している下請業者、直接輸出をしているわけではない例えば中小の下請業者、こういう下請業者というのは、最終価格がなかなか上がらないという、これはグローバルにそういう構造になっていると思いますので、なかなか最終の価格が上がらない中で、下請業者は当然、納入価格にも転嫁がなかなかできない。その中で、原材料コストだけがどんどん下から上がってくる。
 こういう形で、中小の下請といったようなところを中心にしわ寄せが行っているんではないのかな、低金利が円安という経路を通じて中小企業の経営にマイナスに働いているんではないのかなというふうに思っておるわけですけれども、そのあたりをどのように見ているか、経済全体としてもどうかというところをちょっとお伺いしたいと思います。
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大田弘子#29
○大田国務大臣 一般的に、先生も御指摘になりましたように、円安のメリットとしましては、輸出関連企業にとっては売り上げや収益を増加させるというメリットがございますが、一方で、内需関連企業にとりましては、コストを増加させて、それが収益を圧迫させるという効果を持ちます。
 今回の景気回復局面で見ましても、企業の業況判断を見ますと、輸出関連企業では、中小企業も含めて比較的好調である、高い水準で業況判断が推移しております。この背景には、御指摘の為替が円安方向で推移したということがあると考えております。
 一方で、それ以外の業種では、業況判断が比較的低い水準にございます。この背景は、やはり先生御指摘のように、円安のもとで原材料価格をなかなか販売価格に転嫁できないということがあると考えております。特に、最近の原油高、それから素材価格の上昇、これを最終価格に転嫁できないということが、最近、中小企業の収益圧迫要因として徐々に顕在化してきております。
 為替レートの影響は、業種ですとか企業規模によっても異なりますので、なかなか全体を一言では言えませんけれども、為替レートの動向等、それが業種別、企業規模別にどういう影響を与えるかはつぶさに見ていきたいと考えています。
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