安全保障委員会

2008-04-25 衆議院 全246発言

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会議録情報#0
平成二十年四月二十五日(金曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 嘉数 知賢君
   理事 今津  寛君 理事 北村 誠吾君
   理事 武田 良太君 理事 仲村 正治君
   理事 山口  壯君 理事 渡辺  周君
   理事 赤松 正雄君
      安次富 修君    赤城 徳彦君
      上野賢一郎君    大塚  拓君
      瓦   力君    木原  稔君
      木村 太郎君    坂本 哲志君
      篠田 陽介君    薗浦健太郎君
      寺田  稔君    浜田 靖一君
      細田 博之君    山内 康一君
      川内 博史君    神風 英男君
      津村 啓介君    長島 昭久君
      田端 正広君    赤嶺 政賢君
      辻元 清美君    下地 幹郎君
      西村 真悟君
    …………………………………
   防衛大臣         石破  茂君
   総務副大臣        谷口 隆義君
   国土交通副大臣      松島みどり君
   防衛副大臣        江渡 聡徳君
   外務大臣政務官      宇野  治君
   防衛大臣政務官      寺田  稔君
   政府参考人
   (内閣官房内閣参事官)  浅利 秀樹君
   政府参考人
   (内閣法制局第一部長)  山本 庸幸君
   政府参考人
   (警察庁長官官房審議官) 井上 美昭君
   政府参考人
   (警察庁刑事局長)    米田  壯君
   政府参考人
   (法務省大臣官房訟務総括審議官)         貝阿彌 誠君
   政府参考人
   (法務省大臣官房審議官) 始関 正光君
   政府参考人
   (外務省大臣官房長)   林  景一君
   政府参考人
   (外務省大臣官房審議官) 新保 雅俊君
   政府参考人
   (外務省大臣官房参事官) 小原 雅博君
   政府参考人
   (外務省北米局長)    西宮 伸一君
   政府参考人
   (外務省中東アフリカ局長)            奥田 紀宏君
   政府参考人
   (外務省国際法局長)   小松 一郎君
   政府参考人
   (国土交通省大臣官房総括審議官)         桝野 龍二君
   政府参考人
   (国土交通省航空局次長) 小野 芳清君
   政府参考人
   (防衛省防衛参事官)   小川 秀樹君
   政府参考人
   (防衛省大臣官房長)   中江 公人君
   政府参考人
   (防衛省防衛政策局長)  高見澤將林君
   政府参考人
   (防衛省運用企画局長)  徳地 秀士君
   政府参考人
   (防衛省人事教育局長)  渡部  厚君
   政府参考人
   (防衛省経理装備局長)  長岡 憲宗君
   政府参考人
   (防衛省地方協力局長)  地引 良幸君
   安全保障委員会専門員   板垣 芳男君
    —————————————
委員の異動
四月二十五日
 辞任         補欠選任
  山崎  拓君     篠田 陽介君
  馬淵 澄夫君     川内 博史君
同日
 辞任         補欠選任
  篠田 陽介君     坂本 哲志君
  川内 博史君     馬淵 澄夫君
同日
 辞任         補欠選任
  坂本 哲志君     上野賢一郎君
同日
 辞任         補欠選任
  上野賢一郎君     山崎  拓君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 国の安全保障に関する件
     ————◇—————
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嘉数知賢#1
○嘉数委員長 これより会議を開きます。
 国の安全保障に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣参事官浅利秀樹君、内閣法制局第一部長山本庸幸君、警察庁長官官房審議官井上美昭君、警察庁刑事局長米田壯君、法務省大臣官房訟務総括審議官貝阿彌誠君、法務省大臣官房審議官始関正光君、外務省大臣官房審議官新保雅俊君、外務省大臣官房参事官小原雅博君、外務省北米局長西宮伸一君、外務省中東アフリカ局長奥田紀宏君、外務省国際法局長小松一郎君、国土交通省航空局次長小野芳清君、防衛省防衛参事官小川秀樹君、防衛省大臣官房長中江公人君、防衛省防衛政策局長高見澤將林君、防衛省運用企画局長徳地秀士君、防衛省人事教育局長渡部厚君、防衛省経理装備局長長岡憲宗君及び防衛省地方協力局長地引良幸君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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嘉数知賢#2
○嘉数委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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嘉数知賢#3
○嘉数委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。今津寛君。
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今津寛#4
○今津委員 護衛艦「あたご」と漁船の衝突、イージスシステムにかかわる特別防衛機密流出、また前事務次官の不祥事など事案が発生いたしておりまして、これらの再発防止への取り組みが喫緊の課題となっております。
 不祥事については深刻に受けとめて、防衛省・自衛隊員としての自覚をしっかりと持って、気の緩みが生じないように努め、それぞれの責任を明確にし、再度不祥事が起きないよう体制、管理面の不備を改善する必要があると思います。また、こうした事案を起こさないためにも、抜本的な防衛省改革が必要だと思うのであります。
 その防衛省改革につきましては、石破防衛大臣が日ごろ積極的に取り組んでいただいているところでございまして、私たちは、石破防衛大臣の防衛省改革への姿勢を大きく評価するとともに、ぜひ頑張っていただきたいと激励を送るものでございます。
 さて、名古屋高裁で、イラクへの自衛隊派遣について、まことに理解しがたい判決が出ました。主文ではなくて傍論であったとしても、これは日本の国のあり方に対して大きく影響を与えるものでありますので、この際、私は、大臣のお考えを聞かせていただきたいと思っているわけであります。
 自衛隊のイラク派遣に反対する市民グループのメンバーが国を相手取って、派遣が憲法違反だとの確認などを求めた訴訟の控訴審判決が、十七日、名古屋の高裁でありました。青山邦夫裁判長は、一審名古屋地裁判決と同様に、違憲の確認や派遣差しとめの訴えは不適法などとして原告側控訴を棄却いたしましたけれども、航空自衛隊の活動について、戦闘地域であるバグダッドへ多国籍軍の武装兵員を空輸するのは、他国の武力行使と一体化した行動である、イラク復興支援特別措置法と憲法九条に違反をすると述べて、違憲判断を示した。私は、このことをニュースで聞きまして、全くびっくりしたわけであります。
 イラクには、陸自がサマワに行って大活躍をして、そしてイラクの国民からしてみたら、要するに残っていてほしい軍への一番大きな評価をいただいたこのイラクへの自衛隊の復旧支援の参加でありますけれども、今、空自がアリ・アルサレム基地からバグダッドへ物資を運んだりなどして、テロとの闘いに貢献をしているわけでありますが、それを憲法違反と断ずるのは、私は、あの過酷な土地で非常に厳しい条件で努力をされておる自衛隊諸君のみならず、我々にしても全く受け入れられない判断だというふうに思いますが、大臣の所見をお伺いしたいと思います。
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石破茂#5
○石破国務大臣 私は、今津委員と認識を全く一にするものでございます。
 御指摘のように、これは傍らの論であって、自衛隊のイラク派遣は違憲であるというロジックを挟むことが結論を導き出す上に必要であったかといえば、どう読んでも、必要であったとは思えない。却下もしくは棄却すべきものであり、それを導くのに必要な論ではないということです。
 また、私どもは、バグダッド空港は非戦闘地域だというふうに申し上げておりますが、バグダッド全体について非戦闘地域であるかどうかという判断はいたしておりません。そこのところは、議論としていかがなものかなというふうにも思います。
 また、一体化論のお話でございますが、一体化しないために非戦闘地域という概念をわざわざ設けている、そしてまた憲法九条第一項に抵触しないように、そこは用心して用心して、憲法の趣旨を体現するために法律を書き、そしてまた、仮にそういうような事態が現出したとすれば、それは中断とか撤収とかそういうことになるわけであります。そこのところがよく御理解をいただけていないのかなという気はいたします。
 いずれにしても、国側全面勝訴の判決でございます。私どもとしては、判決は判決として認識をいたしますけれども、この航空自衛隊の活動というものは、委員御指摘のように、国際の平和と安全に寄与する、私ども日本国としての責任を果たすべきもの、そして日本の国益を確保すべきものというふうに考え、今後とも隊員の士気がいささかなりとも落ちることがないように、政府として努力をしてまいりたいと考えております。
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今津寛#6
○今津委員 大臣は明確に、この判決は理解できない、間違っているのではないか、こういう御発言をされた。私は、やはり大臣が公の場所できちっと自信を持って発言するということが、国民も安心しますし、また自衛隊諸官もほっとするというか、違憲なことをさせられているのか、こういうことを思わせてもかわいそうですから、そういう面できちっとしていただきたいと思います。
 そこで、バグダッドは戦闘地域なのか、そうでないのかということですね。アルカイダというのは、国もしくは国に準ずる者という規定からいうと、違いますよね。だから、国もしくは国に準ずる者であるというふうに思えばいささか疑義が出てきますけれども、我々はテロと闘っている、自衛隊はテロと闘っている、その相手はやはりアルカイダを主体としたテロ集団だということになると、この判決、バグダッドはイラク特措法に言う戦闘地域に当たるというのは、私は間違っている解釈だというふうに思いますが、大臣、いかがでしょうか。
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石破茂#7
○石破国務大臣 おっしゃるとおりだと思っております。
 私どもは、バグダッドというものを指して非戦闘地域かどうかということは申し上げておりません。バグダッド空港というものに限定をして申し上げているわけでございますが、そこに、国または国に準ずる組織の間において国際紛争が行われているか、武力の行使がなされているかといえば、それは違うだろう。
 まさしく、アルカイダというのはそういうような認識。つまり、国または国に準ずる組織というときに国の要件というのは幾つもありますが、領土があって、そしてアイデンティティーというか同一帰属意識を持った国民のようなものがいて、統治機構があってというのが国の要件というふうに大体言われるわけですが、ではアルカイダというのがそれを満たしているか。アルカイダの領域というものがあり、私はアルカイダ国民であるというような、そういう帰属意識を持った人たちがおって、そこに統治機構があるかといえば、それは全部否定的に解すべきではないだろうか。そうすれば、国際紛争の主体たり得ないということになるのであって、戦闘地域というのは、国際紛争が行われておるところという概念であって、危険なところという概念とは質的に異なるものでございます。
 危険か危険じゃないか、国際紛争が行われているか行われていないかというのは、現実としてクロスするというかオーバーラップすることはございますが、これは、民航機も就航しておる、だから危険度というのはそれほど高くない。しかし、それだけで非戦闘地域という判断にはならないのであって、そこにおいて国際紛争が行われていますかといえば、私どもはそういう評価はしておらないということでございます。
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今津寛#8
○今津委員 国の防衛の最高指揮官がきちっと、この判決については考え方が全く違うという御発言をされたということは、私は非常に大きいというふうに思います。
 それで、なぜこういう議論がいつも出るかということなんですね。そういう国は日本だけでないでしょうか。自衛隊が国際貢献をする、テロと闘う。そのときに、いや、法律に適しているのか適していないのかと。同盟国と一体となって行動しなければならないのに、一体となれない。また、憲法の問題が出てくる。これは我が国だけの特殊事情だというふうに思うんですね。それを我が国は言いわけにするわけですけれども、しかし外国から見れば、何と都合のいい国だなということを恐らく思うと思うんですね。
 大臣、やはり我々は、日本人として誇りのある評価というものを受けたいとすれば、例えば安全保障基本法、それから恒久法、これをやはり早急に野党の方々と議論をして、理解をしてもらって、そして縦横無尽に隊員の方々に頑張ってもらうということと、特に集団的自衛権の解釈ですね。これもいつも問題になってくるわけであります。要するに、日本が何かあったときにはアメリカが武力行使をして、命をかけて守ってくれるけれども、しかし、同盟国アメリカに向かうであろう某国から撃たれたミサイルを落とせる能力があったとしても、その集団的自衛権という物の考え方の中で、そこのところが非常にいろいろな議論があるという国は、恐らく我が国だけではないかというふうに思うのであります。
 この安全保障基本法、恒久法、集団的自衛権の解釈、これについての大臣の御見解を聞きたいと思います。
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石破茂#9
○石破国務大臣 現在、政府といたしまして、集団的自衛権に対する考え方、つまり集団的自衛権というものは、独立国家である以上保有しているのは当然であるが、その行使は、自衛の必要最小限度を超えるので憲法上許されない、大意そのようなことであったかと記憶をしておりますが、それを変更するという考え方は有しておりません。
 他方、国連憲章に定められた固有の権利というものを保有しているが行使できないというのは、これは一体どういうことですかという議論。そして、私がやられたら助けに来てね、あなたがやられても助けに行かないけれどもあしからずねというようなことを公然と主張しているのは、これは我が国だけであって、そのことがどうなのかという議論。さらには、集団的自衛権の定義をどう考えるか。つまり、我が国においては、我が国が攻撃されていないにもかかわらずという、普通の国際法の教科書には出てこないことが書いてあるわけで、そこのところをどう考えるのか等々の議論は、私は今津委員とともに、自民党の防衛政策検討小委員会で随分と長い間議論をしてまいりました。そこにおいてすごく精緻な詰めというのが必要なんだろうと思っております。冒頭申し上げましたように、政府として、この考えを変えるという立場にはございません。それは念のため申し上げておきます。
 恒久法の御議論もございましたが、私は、安全保障政策というのは、どの党が政権をとったとしても、がらっと変わるということがあってはならないことなのだと思っております。そこにおいて共通認識を持っておかないと、政権党がかわったから安全保障政策が百八十度変わりましたというようなことがあっていいのか。それは、そうだとは思いません。恒久法の議論も、テロ特の延長あるいは補給新法において、与党からもそして野党の先生方からも恒久法を制定すべきだというお話がありました。その方向性において一致するとするならば、問題は中身なんだと思います。
 縦横無尽というお言葉をお使いになりましたが、やはり我が国が、本当にそれが国際の平和の実現のためであれば、自衛隊というものを派遣するということがよりフレキシブルに行われていいということはあるのでしょう。しかし、そのときに、国連の決議との関係をどうするか、あるいは議会における文民統制ということで、事前承認なのか事後承認なのか、あるいは数をどうするのか等々の議論、それはやはり行われなければいけないのだと思っております。
 私たちは、国民の財産であります自衛隊というものをいかに国益のために活用するか、あるいは国際社会のために活用するか、そのためにどうすればいいかということは、これは与党も野党も同じ認識の方が多いのだと思います。そこの幾つかの論点というものについて考え方の違いがございますから、そこのところを、なぜそうなのかというお話をきちんとするということが必要なことではないかと考えております。
 政府におきましても、一般法も念頭にはございますが、それをどうするかというスケジュール観は、今申し上げられるような段階にはございません。自由民主党において一般法における議論がなされておるというふうに承知をしておりますし、あるいは各党においてそういう議論がきちんとされる。期限が来たから慌ててばたばたというようなことは、私は、だれのためにもならないのではないかというふうに個人的には考えておるところでございます。
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今津寛#10
○今津委員 大臣のお話は非常に明快でありまして、私は、大臣の国防に対する熱意そして情熱、そういうものに日ごろから敬服をいたしておりまして、さらに、声にはなってもならなくても、とにかく応援部隊が大臣に対しては多いですよということを申し上げて、ひとつ頑張っていただきたいと思います。
 それで、党派を超えて、この間も若手の議員が集まりまして、今大臣が言われた趣旨で勉強を重ねていこうということでありまして、渡辺先生もこの間来ておられましたよね。ぜひ頑張りましょうと申し上げておきたいと思います。
 今、官邸でもあるいは防衛省でも、それから私たち与党として自民党も、防衛省改革にどうあるべきかということで取り組んでいるんですが、党の方は今、浜田靖一先生が委員長で、取りまとめを終わり、きのう記者さんにお話をしたところでございます。まだ党内手続は残っているわけでありますけれども、いろいろな改革を積極的に今やらなければだめだということで提案させていただいているのでありますが、その中には、参事官制度を廃止して補佐官、そしてその補佐官も、制服であったりあるいは民間人からもというようなことで、非常に今までの防衛庁、防衛省とは違う、やはり一つの見識というものを示す内容になっておりますので、ぜひ他の野党の方々もそれに御注目をいただきたいと思うんです。
 時間がもうないのでありますが、一つだけお聞きをしたいというふうに思います。国家安全保障会議、日本版NSCのことでございます。
 小池大臣のときに私ここで筆頭理事をやっていまして、官邸が非常に熱心に、何としてもこれを提案して、そして議論をしてほしい、こういうお話がありました。時期的にどうかな、タイミングもどうかなという感じはあったんですが、大臣は非常に熱心で、ところが、この間の議会で、継続審議でなくて廃案になってしまったんですね。
 浜田委員会でそのことを取り上げて、アメリカとは同じでもない日本型のNSC、これをつくることが日本国国家の安全につながる、こういう認識で御提案をしているのでありますが、これが最後の質問になってしまいましたけれども、日本版NSC、国家安全保障会議を大臣の手元で推進していただきたいと私は思いますけれども、大臣のお考えはどんなものでしょうか。お聞きをしたいと思います。
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石破茂#11
○石破国務大臣 小池補佐官、あるいは小池大臣のときにNSCというものが強力に主張され、法案化まで至ったということはそのとおりでございます。
 ただ、これは法律の形としてはどういう形をとるかというと、安全保障会議設置法を改正する法律案という形で出てきているわけですね。そうすると、安全保障会議とは何ですかというと、これは諮問機関でございまして決定機関ではございません。そこをどう考えるか。今でも安保会議というのはあるわけで、これの機能をいかに充実させるべきかというお話。片や、防衛省設置法の目的には何と書いてあるかというと、防衛省と自衛隊というのは当然組織的同一性を有しているわけでございますが、そこにおいて、防衛省は自衛隊を管理し運営する、こう書いてあるわけですね。
 そうすると、この国の安全保障政策というものはだれがどのように決めるのか、諮問に答えるという形ではなくて決めるのか、そういうところからそもそも論をやっていかなければいかぬのではないかと思います。その形として、NSCというものも一つのアイデア、安保会議というものをさらに充実強化するというのも一つのアイデア、また今の内閣で行っておりますように三大臣会合というもの、官房、外務、防衛、これを頻繁に行う、いろいろなやり方があるんだろうと思います。
 認識は、まさしく委員のおっしゃるとおりだと思いますが、それを形にするときに、それぞれの設置法をどのように変えていくかという議論、私は、防衛省設置法と安全保障会議設置法というのはかなり密接な関係があるような気がしているのです。そこまで詰めて、どうするのかということをぜひ政治の場において、こうではないかという御提言を政府に対して賜り、また政府としてもそれを受けてといいますか、それを見ながらいろいろな議論を深めてまいりたい。
 いずれにしても、そういうような事柄の必要性というのは、これもまた私は委員と認識を一にするものでございまして、いつまでもだらだらと議論をしておっていいというものではないと思います。日本がそういうことができるまで世界の安全保障環境の変化は待ってくれないということは、私は強く認識をしておるところでございます。
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今津寛#12
○今津委員 わかりました。
 大臣のお話を伺っていますと、もう少しちゃんと日本の現状の中で考えてみよう、アメリカはアメリカだし、ドイツはドイツだし、フランスはフランスだ、日本の場合はどうかということの中で日本版NSCを考えてみようということでございますので、私たちもその議論に参加をしたいと思いますので、よろしくお願いします。
 ありがとうございました。
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嘉数知賢#13
○嘉数委員長 次に、赤松正雄君。
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赤松正雄#14
○赤松(正)委員 おはようございます。
 私の方からは、きょういただいた時間二十分で、今自衛隊・防衛省を取り巻く問題のうち、いわば大臣を頂点にして、手足としての最前線の自衛隊員の現状とそれから頭脳としての防衛研究所の問題に絞ってお話を聞いてみたいと思います。
 さきの防衛計画大綱の見直し、さらに中期防の決定に当たりまして、大臣、当時大臣じゃない状況の中で、私も一緒に参画をさせていただいていろいろ議論をした。その結果として、あのときは人数、自衛隊の総枠といいますか、その辺の話に集中しましたけれども、一つ大事な問題として、十七年度から二十一年度にかけての中期防の中身の中で「防衛力の基本的な事項」というくだり、「人的資源の効果的な活用」というところにちょっと注目をしたいわけですが、一つは、先ほど言いました手足としての最前線の隊員の抱えているさまざまな課題、ここでは「人事・教育訓練施策の充実」という形で挙がっています。もう一つは、「安全保障問題に関する研究・教育の推進」ということであります。
 先に防衛研究所の方、頭脳の方から行ってみたいと思うんですけれども、防衛研究所のくだりを正確に読みますと、「防衛研究所の安全保障政策に係る研究・教育機能の充実を図るとともに、安全保障分野における人的交流等により人的基盤を強化する。」こういうふうに、「安全保障問題に関する研究・教育の推進」というくだりの中で明確に書かれております。私も当時、こういう規定ぶりにつきまして非常に期待を持ったといいますか、防衛研究所の中身を充実していくということについて強い関心を持った次第でございます。
 この問題について、この約四年間の中で防衛研究所がどのように、当初ここに掲げたような研究、教育の推進について進展を示してきたかということについて、まず「研究・教育機能の充実」という前段部分についてどのように進展をしてきたのか、努力をしてきたのか、この点につきまして高見澤局長の方から御答弁願いたいと思います。
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高見澤將林#15
○高見澤政府参考人 お答えいたします。
 防衛研究所は、防衛省のいわばシンクタンクに当たる機関でございまして、先生御指摘のとおり、中期防におきましても、そういった研究機能を強化していく、特に政策、戦略の立案をバックアップしていくというような観点から、政策サイドからの要請に応じた調査研究の実施、そういったことを充実させていくということでございます。そして同時に、教育もやっておるということでございます。
 中期防期間中におきまして具体的にどのような施策をやってきたかといいますと、一つは、諸外国の研究機関や研究者との共同研究を充実させていこうということでございます。平成十七年度以降、ロシア、中国、インドネシア、シンガポール等との共同研究を実施しております。
 それから、教育面におきましては、防衛省、それから防衛省だけではなくて関係省庁の幹部職員にも来ていただきまして教育をやっておりまして、いわゆる一般課程というものがございますけれども、そのカリキュラムの見直しを行っております。具体的には、事例研究を導入したりセミナーを充実させるということで、諸外国の最新の研究機関でもやっているような手法を取り入れてやっているというところでございます。
 それから、今年度でございますけれども、諸外国の研究者の招聘事業というのを新たにまた実施していきたいというふうに考えております。
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赤松正雄#16
○赤松(正)委員 今言われたことに加えて、「安全保障分野における人的交流」、この後段の部分で「人的交流等により人的基盤を強化する。」これはどういう意味合いを持つというふうに理解すればよろしいでしょうか。
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高見澤將林#17
○高見澤政府参考人 お答えいたします。
 人的交流といった場合には、まず防衛研究所の方からいろいろな諸外国の研究機関に対して積極的に研究員等を派遣して、さらに研さんを積むというようなこともあると思いますし、それから外国の、例えば駐在武官として日本に来る予定になっているような人たちをできるだけ幅広く受け入れて、日本国内でいろいろな研究をする、あるいはできるだけ新しい国からそういった者を招聘するというようなことも含まれているかというふうに思います。
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赤松正雄#18
○赤松(正)委員 今高見澤局長の答弁を聞いていまして、これは防衛研究所始まって以来の流れの中で当然やるべきテーマというか取り組み課題、そんなふうに思うんですね。
 さきの中期防決定時における我々の状況認識というのはもう少し角度が違っていて、要するに通常日本の直面する東アジアにおけるさまざまな国際政治の中における安全保障的課題というものに加えて、やはり時代背景の変化、さまざまな事態がここ二十一世紀前段から今日に至るまで起こってきているわけですね。サイバー攻撃あるいはハイジャックテロだとか、いわゆるイラク、アフガンの事態に関連するようなさまざまな新しい事態に対して防衛研究所がどう対応するかという観点。つまり、伝統的な安全保障分野におけるさまざまな課題に対応する姿勢というものは、さっき高見澤さんが言われたことで尽きているだろうと思うんですが、そこではすくい切れない、つかみ切れない課題というものに対して防衛研究所がしっかりと対応していく、そういう体制をとるべきだという意味合いを込めて当時私たちはこのくだりを入れた、そんなふうに理解をしているわけなんです。
 同時に、ちょっと角度が違うかもしれませんが、やはり防衛研究所というのは非常に地味な役割で、石破大臣御自身のさまざまな御努力、あるいはまた石破さんだけではなくて防衛省にかかわる皆さん、また与野党を通じて安全保障に強い関心を持っておるみんなの総意によって、このところ、安全保障にかかわるこういう理念的な議論にかかわるさまざまな知的基盤というのは相当に充実してきた、こんなふうに思うんです。そういう状況の中で、私は、まだまだ防衛研究所が果たす役割というものが余り見えてこないところがあると思うんですね。
 例えば、国会で何か安全保障にかかわる識者の意見を聞くといった場合にも、防衛研究所は政府の機関でありますから、なかなかそういった部分に顔を出すというのは難しいかもしれませんが、せっかくさまざまな研究をしている機関であるのに、言ってみればそこの研究の所産が生かされていないというのは非常に残念だ。特定の、政治家でいえば石破さんになるわけですけれども、評論家とか安全保障問題の専門家でも極めて特定の人がいつも出てくるという事態があるんですね。ほかに人はいないのかという感じがするわけですけれども、そういった部分で、今申し上げたような防衛研究所についてのさまざまな課題というのは、きょうは時間が短いので大枠のことしか言えませんけれども、相当ここに力を注ぐ必要がある、こんなふうに私は思うんですね。
 一方で、私、従来PKOの教育センターという話を常にしてきましたけれども、おかげさまで、皆さんの御尽力もあって、防衛研究所の中にこのPKO教育センター、名前はまだ仮称でありますけれども、そういったものができる。こういうことを機縁にして防衛研究所ももっとしっかりとしたてこ入れをする必要がある、こんなふうに思うんですけれども、大臣のお考えを聞かせていただきたいと思います。
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石破茂#19
○石破国務大臣 一二〇%同感であります。二〇〇%と言っても、幾らでもいいのですが。
 私は思うのですけれども、我々の組織におけるそういう研究というものは防研がやっていて、もう一つ防衛大学校というのがあるわけですね。そこの人的な配分をどうするか。片方は研究機関だ、片方は教育機関だ、こう言っちゃえばそれまでなんですが、そこにおける人材の活用をどうするかということが一点。
 もう一つは、防衛研究所紀要という論文集があるのですが、これは実におもしろい。実におもしろいが、余り人が読んでいない。結局、学者というのは、一生懸命研究すればいいのですが、同時にそれがいかに政策に反映されるかということも、学者の生きがいというんでしょうか、そういうところがある。ほかの大学と違うところはそこだと思っているのですよ。私は、防研でいろいろと研究されたものがどれだけ政策に生かされているかということは、ちゃんと検証してみなきゃいかぬのじゃないかと思っております。
 私どもの中で防衛政策局というのがあって、高見澤局長がおるわけですが、そこと防研との間で確かに交流もしている、人も来ている。しかしながら、それがもっと生きるような形にならないだろうか。防衛政策局に限らず、内局はみんなそうなのですが、とにかく朝から晩まで日々の仕事に追われて、本当に深くじっくり研究する時間があるかというと、それは十分だとは言えないと思う。そこへどれだけ防研の人、成果を入れていくか。
 私、委員が御指摘いただきましたので、もう一度省内において、防衛省改革の中において防研の位置づけをどうするかということを真剣に考えてみて、ビフォー・アフターというか、これがこう変わったというものを防衛省改革の中できちんと出したいと思います。
 あわせて、人材をどう確保するか。やはり、防研である程度の実績を積んだらば、どこかへスカウトされて助教授になり教授になりということもあるわけですが、私はむしろ、防研という位置づけから考えれば、防研でずっとそういう成果を生かし提言をし続ける、そういうものをもっとさらに定着させたいというふうにも思っておるところでございます。
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赤松正雄#20
○赤松(正)委員 ありがとうございます。非常に前向きの、また私が思っていることの方向性に沿った御答弁をいただいて、非常に意を強くいたしました。
 今、防衛研究所のことについて、非常にいい研究という話がありました。私も実は、リデル・ハートの生い立ちから始まって非常におもしろい本を今読みかけておりまして、こういった研究をしている人がいっぱいいるのに、当安全保障委員会等にも、その研究の所産を聞いたり、そういう人を交えていろいろ議論をするというような機会もあっていいんじゃないのかという気もします。そういうこともないということについて、先ほど防衛省改革に伴って云々ということをぜひ俎上に置いていただいて、しっかりとこの防衛研究所の問題について取り組みをしていただきたい、こう思います。
 次の課題、もう時間がなくなってしまいましたけれども、手足としての最前線の防衛省・自衛隊の皆さんのことでありますが、実は私、どこのだれとは事の性質上言えないんですけれども、最前線で苦労している自衛隊のメンバーの話をしっかりと聞く機会がありました。要するに、非常にこれは大変だなという思いを強めたんですね。
 私は、日常的に、防衛省・自衛隊の皆さんを外から、遠いところから見る機会はしばしばあるんですけれども、個別に今業務の中でどういうふうに苦労しているのかという話を聞く機会が余りなかった。このたびしっかり聞いてみて、陸上自衛隊なんですけれども、要するにこの十数年の人員削減、いわゆるコンパクト化、集中合理化するという状況の中で、残っている最前線の自衛隊の皆さん、残っているというか、人員がいろいろ整理されている中でずっと従来の仕事についている人たちに、減った分、がっとさまざまな課題が集中的に起こってきている。
 彼らは、そのうめき声というか嘆きを上げるんだけれども、なかなかそれが上層部に伝わっていない。恐らく、制服の方面総監ぐらいまでのあたりにはある程度は伝わっているんだろうと思うんですけれども、そういうことが伝わって、では、現場の自衛隊員にとって、訴えている、感じている窮状というものが何か解決しているのかというとしないで、精神面で頑張れという感じでとどまっているというふうな印象を強く持ったんですね。
 だから、これは石破大臣に言ってやるから、こう言ってありますので。多分、大臣あるいは副大臣、そういう最前線の隊員の意見をしっかり聞く機会は、そこまで行くまでにいろいろなことが今あるから、なかなか聞く機会は恐らくなかったんだろうと思うんです。一つ二つあるかもしれませんが、ないだろうと思うんですね。
 今残された時間の中で、まず今申し上げたような、事態の認識状況を示していただくとともに、どうすればいいかと思っていることについて御意見をお伺いしたいと思います。
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石破茂#21
○石破国務大臣 おっしゃるとおりで、私にしましても副大臣にしましても、現場に行く時間がまずないということがあります。また国会のお許しがいただけるような状況になれば現場に行きたいなと。やはり自衛隊の基本は現場ですから、部隊ですから。市ケ谷じゃないと思っていますので。
 そこの、人が足りないのをどうするか。
 私は、防衛省改革の中でいろいろな組織いじりが目的では全然ございませんで、防衛省改革の一つの眼目は、部隊にきちんと人を置こうということだと思っているのです。どんなに中央が立派でも、現場が、非常に人が足りない、困った困ったと言うと、何を言うんだ、足らぬ足らぬは工夫が足らぬのだみたいな話で、精神論でおっつけちゃうとろくなことにならぬと思っておるのです。
 そこで、一つありますのは、例えば予算をつくるということにおいても、現場が、あれが足りない、これが欲しいと言いますよね。ずっと現場から上がり、陸なら陸、海なら海、空なら空の幕僚監部に上がって、そこでいいとか悪いとかいろいろな話がずっとあるわけですよ。これで、陸幕はこれ、海幕はこれ、空幕はこれというふうに出てくる。これがまた内局に上がって、いいだの悪いだのという話になって財務省に行くわけですね。私は、そこの過程というものがもう少し合理化できないか、効率化できないかというふうに思っている。
 もう一つは、陸海空の最適化はなされるが、全体としての最適化の作業は一体どこで行われているのだという思いがありまして、これも防衛省改革の中できちんと論ぜなければいけないことだと思っています。それが二点目。
 三点目は、私も副大臣も心がけておるところでございますが、これは政務官の方々にも御尽力をいただいているのですが、なかなか現場に出るということはできませんけれども、市ケ谷にもいわゆる曹の代表のような方、曹士クラスの代表の方、先任伍長という言い方を海ではしておりますけれども、そういう方々がおられて、委員まさしくおっしゃるように、星をいっぱいつけた人、桜をいっぱいつけた人の話だけ聞くのではなくて、現場はどうなのということを、我々統制する側が聞く機会というのはふやしたいなというふうに思っておるのでございます。
 いずれにいたしましても、我々が論ぜねばならないことは、何のために、どのようなものを、どれだけ、どこに置くか、そしてそれはいつまでに行うのかということを明確にすることが必要なんだと思っておりまして、あれも欲しいこれも欲しいと言えば切りがないのでありますが、何のために、どのようなものを、どれだけ、どこに、そしてそれをいつまでにということを政治の意思として、最終的に予算を決めるのは政治ですから、そこがきちんとした意思を示すという姿勢を持つこと、それがまた現場にも反映していく、現場で一番苦労している人たちの気持ちをきちんとしんしゃくするということにもつながるのではないかなと思っております。
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赤松正雄#22
○赤松(正)委員 大臣、余り口にしたくない話ですが、大変に残念な事件がありましたね。あるいはまた、自殺者も多いとか、要するに自衛隊・防衛省の最先端で今非常に心配なことが起こっているわけですね。だから、そういったことをしっかりとつかまえるためにも、先ほど来おっしゃったような、要するに現場です。本当に現場が大事なもので、その辺の意見を早急にしっかり吸い上げる努力をしていただきたい、こう申し上げて終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
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嘉数知賢#23
○嘉数委員長 次に、長島昭久君。
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長島昭久#24
○長島(昭)委員 民主党の長島昭久です。
 きょうは防衛省改革に対する一般質疑というふうに認識をしておりますが、大事な問題なので、先日の名古屋高裁で出ましたイラク派遣に関する違憲判決というものについてまず最初に幾つか質問をさせていただいて、その上で、防衛省改革の一つのポイントであります新たな任務、国際平和協力活動のあり方について議論をさせていただきたいというふうに思います。
 先ほども今津委員の方からお話がありましたように、それからまた衆参の同僚議員の中からも既にこの違憲判決については何度か質問があったというふうに認識しておりますが、違憲判決が出たけれども政府としてどうなんだという観点が主だったような気がいたしますので、私はあえてもう少し違う角度からお話を伺いたいと思いまして、きょうは法務省の方にもお見えをいただいています。
 まず最初に、事案の概要ですけれども、これは名古屋にお住まいの住民の方千百名、その中には外務省のOBの方も若干一名入っておられたように記憶しておりますが、イラク特措法に基づいてイラクに自衛隊を派遣したことが違憲ではないか、こういうことで、三つ求めていますね。一つは、派遣の差しとめ、もう一つが、派遣が憲法九条に反して違憲であるということを確認しろということ、そして三番目は、派遣によっていわゆる平和的生存権というものが侵害をされた、したがって損害賠償を請求する、この三つが争われた事件であります。
 本判決は、三つのことについていずれも、却下、却下、棄却ということでございまして、まず第一に、差しとめ請求については、行政訴訟として具体的な権利性がない、具体的権利の侵害がないということで、原告適格を欠いてこれは不適法、したがって却下、門前払い。それから違憲確認請求についても、原告の権利義務に関するものではないので権利の利益がなくて、これも不適法、したがって却下、これも門前払い。さらに、損害賠償請求については、派遣によって控訴人らの具体的な権利あるいは法的保護に値する利益というものが侵害されたとは認められないので請求棄却。こういうことで、原判決をすべて支持いたしまして、国としては勝訴。
 しかし、ここで一つトリッキーなことがありまして、本判決、いわゆる主文ではないところで、現在イラクにおいて行われている航空自衛隊による輸送活動というものが憲法第九条に違反する活動を含んでいる、いわゆる違憲判決を主文ではないところで判示した、こういうことになっています。
 一つ、率直に疑問を感じるのは、先ほど紹介いたしましたように、主文のところで、違憲確認請求をしていて、それは権利義務に関するものではないからといって却下をしているわけです。これは一審も同じように却下をしています。したがって、どうして却下をしなきゃならないのかという理由を述べるならばもちろんいいわけでありますが、違憲確認は却下をしておきながら、実は違憲でしたということを判決の中で述べているわけでありまして、第一の疑問は、この違憲判断をした部分というものが本判決の中でどのような位置づけになっているのか。つまりは、今言った違憲確認請求を却下するという結論を導く上で必要があったのかどうか、ここが第一の疑問なんですけれども、お答えいただけますでしょうか。
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始関正光#25
○始関政府参考人 お答え申し上げます。
 今、委員から判決の事案の内容を御説明いただいたわけでございますけれども、その御説明にもありましたように、この違憲判断の部分は、判決の主文、結論であります主文を導き出すのに必要なものではなくて、いわゆる傍論と言われるものであろうと理解しております。
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長島昭久#26
○長島(昭)委員 もう少し明確にお答えいただきたいんですけれども、といいますと、結論を導くには必要だったんでしょうか、必要なかったんでしょうか。
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始関正光#27
○始関政府参考人 必要でなかったというふうに理解をしております。
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長島昭久#28
○長島(昭)委員 一般的には、裁判所というのは、結論の判断にかかわらないような事柄について判決理由に書き込むことが通例なんでしょうか、そうでないんでしょうか。
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始関正光#29
○始関政府参考人 お答え申し上げます。
 民事訴訟の判決書には、主文と理由を書かなければならないと定められているわけでございますけれども、その理由をどのように書くべきかということについては特段の規定はございませんで、解釈問題ということになるわけでございます。一般に、民事訴訟の判決理由には、判決の結論である主文を導くために必要な争点について、論理的整合関係に従って判断を示すのが適切であるというふうに解されております。
 しかしながら、裁判所は、当該紛争の抜本的な解決、当事者の納得等の観点を考慮いたしまして、判決の結論を導くために論理的には不可欠でない事項、いわゆる傍論でございますけれども、それについても、必要と考える範囲で判断を示すことは可能だという考え方が一般的のようでございます。
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