法務委員会

2011-04-26 衆議院 全180発言

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会議録情報#0
平成二十三年四月二十六日(火曜日)
    午後一時開議
 出席委員
   委員長 奥田  建君
   理事 滝   実君 理事 辻   惠君
   理事 橋本 清仁君 理事 樋口 俊一君
   理事 牧野 聖修君 理事 稲田 朋美君
   理事 平沢 勝栄君 理事 大口 善徳君
      相原 史乃君    井戸まさえ君
      大泉ひろこ君    笠原多見子君
      金子 健一君    川越 孝洋君
      京野 公子君    熊谷 貞俊君
      黒岩 宇洋君    黒田  雄君
      桑原  功君    階   猛君
      橘  秀徳君    中島 政希君
      野木  実君    三輪 信昭君
      水野 智彦君    森岡洋一郎君
      山崎 摩耶君    横粂 勝仁君
      河井 克行君    北村 茂男君
      柴山 昌彦君    棚橋 泰文君
      長島 忠美君    馳   浩君
      森  英介君    坂口  力君
      園田 博之君    城内  実君
    …………………………………
   法務大臣         江田 五月君
   法務副大臣        小川 敏夫君
   厚生労働副大臣      小宮山洋子君
   法務大臣政務官      黒岩 宇洋君
   最高裁判所事務総局家庭局長            豊澤 佳弘君
   政府参考人
   (法務省民事局長)    原   優君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           石井 淳子君
   法務委員会専門員     生駒  守君
    —————————————
委員の異動
四月二十六日
 辞任         補欠選任
  野木  実君     森岡洋一郎君
  水野 智彦君     金子 健一君
  北村 茂男君     馳   浩君
  柳本 卓治君     長島 忠美君
  漆原 良夫君     坂口  力君
同日
 辞任         補欠選任
  金子 健一君     笠原多見子君
  森岡洋一郎君     野木  実君
  長島 忠美君     柳本 卓治君
  馳   浩君     北村 茂男君
  坂口  力君     漆原 良夫君
同日
 辞任         補欠選任
  笠原多見子君     水野 智彦君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 民法等の一部を改正する法律案(内閣提出第三一号)
 民事訴訟法及び民事保全法の一部を改正する法律案(第百七十六回国会閣法第八号)(参議院送付)
     ————◇—————
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奥田建#1
○奥田委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、民法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として法務省民事局長原優君、厚生労働省大臣官房審議官石井淳子君の出席を求め、説明を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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奥田建#2
○奥田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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奥田建#3
○奥田委員長 次に、お諮りいたします。
 本日、最高裁判所事務総局豊澤家庭局長から出席説明の要求がありますが、これを承認するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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奥田建#4
○奥田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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奥田建#5
○奥田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。井戸まさえ君。
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井戸まさえ#6
○井戸委員 民主党の井戸まさえでございます。
 きょうは、総括質疑ということで、質問の機会をいただきました。ありがとうございます。
 まず、今回、民法の一部改正案に、離婚後の親子の面会交流や監護費用の分担の明示がされていることについて、子の福祉のために行うのだということを明確にするためにも、再度質問させていただきたいと思っています。
 四月十五日の法務委員会でもお聞きをいたしましたが、法制審の児童虐待防止関連親権制度部会で水野委員の方から、面会交流の明示を提案される際に、「条文の中に書き込むということがもし幾らかでも奪い合い紛争を緩和する要素がある力を持つことができるのだとすれば、必要な改正だと思います。そして児童虐待防止のための親権に関する制度の見直しという今回の改正とも、関連はある提案であろうと思って発言をさせていただきました。」と、離婚後の親子の面会交流、監護費用の分担の明示のことに関しまして、あくまで子の利益を中心とした、子の権利というところから述べられるべきだったんですけれども、ここのところが児童虐待防止とかそういったところの関連で出てきてしまっているということについて、私の方からは多少の違和感があるということもお伝えもさせていただきました。
 父母の離婚後、同居をする親だけでなくて、別居している親との関係をできるだけ維持することが子供の福祉にかなうことだという視点がきちんと議論がされないままここで法改正されることについては、やはり私は問題があったのではないかと思います。
 その後、四月二十日の法務委員会でも、駿河台大学副学長の吉田恒雄参考人からも、今回の改正内容というのが九六年の法制審答申の内容のまま変わっていないことについて、「その後の状況の変化、社会の変化もあれば学界における変化もあるわけで、それらの点についての十分な議論がなされたのかどうか」と懸念が表明もされております。
 家族法学者や弁護士の方々も、面会交流などの明示が、親権制度部会の最終回まで議論が全くなく、九六年の法制審答申のこの部分だけを切り取って、切り離して唐突に提案されたことに大変驚かれ、十分な議論が行われなかったことについて、そしてさらには、残された家族法の改正がどのような扱いになるのか、そこへの影響も懸念をされていました。
 大変重要なことなので、再度大臣にお伺いをさせていただきたいと思います。
 子の監護について必要な事項として、離婚後の親子の面会交流及び監護費用の分担を明示した趣旨、また理念をお聞かせください。
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江田五月#7
○江田国務大臣 審議の経過等について、委員の方からの御懸念を示されましたが、もともと面会交流あるいは監護費用分担というのは、離婚の際、七百六十六条第一項の、監護について必要な措置、これに含まれているというものであります。実務でもそのような解釈、理解の上でいろいろな話し合いを裁判所がリードしたりしていると思いますが、しかし、それでも明確でなかったということで、面会交流や監護費用の分担についての明確な定めなく離婚というのが成立してしまうということも多々ございました。
 そこで、その点を明確にするということで、監護についての必要な事項に含まれるということを明示したということでございまして、これは、別れても父と子、母と子、この関係が変わるわけではないので、そして、別れた後も、監護親だけでなくて非監護親ともいろいろな面会交流があることが子の福祉にかなう、子の利益にかなうという観点からこういうものを明示したということで、だれの権利だというと、それはいろいろな理解があるかと思いますが、子の福祉というのを第一に考えているということだと思っております。
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井戸まさえ#8
○井戸委員 今、子の福祉を第一に考えてのこの改正に至ったということ、理念も含めて御答弁をいただきましたけれども、その理念というのを具体的に実現していくためには、やはり円滑な面会交流、これを促していくような社会的な支援制度というのが大切だという認識は法務省も持っておられて、先般の御答弁の中でも、委託で面会交流支援の実態調査を行っているという御答弁がありました。おまとめになった調査報告書がどのように反映されているのか、これには注視をしていきたいと思っています。
 前回の質問でも触れましたけれども、離婚件数から考えても、面会交流は民間だけではとても間に合いません。公的な支援体制をつくっていくことが重要だということは指摘したとおりでございますけれども、広く支援を受けていただくためにも、今ある女性センターなど公的な機関の有効活用などもされたらいいのではないかと思います。また、人材の確保については、全国には弁護士会さんなんかもありますので、弁護士の活用など、今ある施設や人材の活用も検討されたらいかがでしょうか。これは原民事局長に御答弁をお願いしたいと思います。
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原優#9
○原政府参考人 委員今言われましたとおり、面会交流が適切に実行されていくためには、当事者任せということではなくして、行政もそれをサポートする体制をつくっていくことが必要だと考えておりますので、法務省としましても、厚労省等関係省庁と協力して、そういうサポート体制の構築に向けて努力をしてまいりたいと考えております。
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井戸まさえ#10
○井戸委員 今、厚労省や関係のところとの連携をしながらという御答弁があったんですけれども、例えば、社会的な支援制度の充実、そして民法改正の今回の趣旨を実現するためには、まさにその関係する機関との役割分担、そして連携というものが必要だと思います。
 具体的に、関係省庁担当者連絡会議などの設置を検討いただければと思うのですが、これはいかがでしょうか。これは大臣にちょっとお伺いをしたいと思います。
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江田五月#11
○江田国務大臣 おっしゃるとおり、いろいろな関係機関が、官民ともに面会交流が円滑に実施できるように協力してサポートしていくことは大切だと思っております。関係府省庁等との連携、これも必要不可欠であると考えておりまして、法務省としても可能な対応について考えていきたいと思います。
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井戸まさえ#12
○井戸委員 これは当然法務省だけではできないので、きょうは小宮山厚生労働副大臣にもお越しをいただいていますけれども、厚生労働省としてはどのようにお考えで、どのような対処を検討していくおつもりなのか、伺ってもよろしいでしょうか。
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小宮山洋子#13
○小宮山副大臣 厚生労働省では、平成十九年から養育費相談支援センターを設置しまして、ここで、養育費だけではなくて面会交流の相談にも応じています。平成二十一年度は、面会交流の相談を百三十四件ここで受けています。
 また、都道府県等を単位に設置されました母子家庭等就業・自立支援センターで、専門の相談員を配置しまして、養育費や面会交流の相談支援に応じています。平成二十一年度、こちらでは面会交流の相談を三百九十四件受けています。
 今後とも、専門の相談員を配置していない母子家庭等就業・自立支援センターに配置を進めるとともに、相談員の人材養成のための研修や関係機関との連携など、面会交流に関する相談支援体制の充実を厚生労働省としてもしっかり図っていきたいというふうに思っています。
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井戸まさえ#14
○井戸委員 今、面会交流の相談、百三十四件だとか三百九十四件という数字を伺って、やはり愕然とする思いです。監護が必要な子供たちの離婚というのが、年間ですよ、一年間に十四万件あるのに、今までやっていた相談の数というのがこの三百九十四件だとか、もう圧倒的に少ない。これがなぜうまくいかなかったのか、その原因というのを、小宮山副大臣、もう一回御答弁いただけますでしょうか。
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小宮山洋子#15
○小宮山副大臣 なかなか難しいところですけれども、離婚に至るのにやはり両親の間にいろいろな確執があるかと思いますので、その中でやはり子供のことを第一に考えるという視点が、当事者もそうですし、それをサポートする体制がなかなか整っていなかったということもあるかと思いますので、これからこういう法改正があることも踏まえて、ここは本当に、おっしゃるように省庁横断的に、ぜひ、子供を守る、子供の権利をちゃんと守るという意味から、しっかり取り組まなければいけないテーマだと私自身も思っています。
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江田五月#16
○江田国務大臣 今、小宮山副大臣の言われたことだと思いますが、私など、かなり以前になりますが、民法を勉強したときには、やはり離婚の際に、監護親に子のすべての監護の権限を集中した方が、子供に対する監護、介護、教育、この軸がぶれなくてその方がいいんだというような、そういう理解があったと思うんですね。それが社会一般に、非監護親もやはり親、そして親子の関係は子供の成長に大事なんだ、そういう理解がなかなか広がらなかった根本だったのではないかという気がいたします。
 しかし、考えてみて、今、夫婦のあり方、これはもうさまざま、別れ方もさまざま、そんな中で、確かに、お互いどなり合いながら別れるというのでは、これは葛藤がずっと残って、会わせたくない、あるいは連れ去られる心配をする、そういうことがあると思いますが、そこはこれから、別れ方ももっともっと、スマートな、上手な別れ方というのがだんだんできてくるので、そうすると、非監護親と子との関係というのも、ずっと社会の理解も変わってくるのではないか。そうした社会の新しい理解を広めていく必要が今あるんだと私は思っております。
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井戸まさえ#17
○井戸委員 スマートに別れるというのは非常に難しい、体験者は皆さん思っていらっしゃることだとは思うんですけれども、やはりこれだけ件数が少なかったというのは、離婚するときに、例えば監護の費用のことだとか、また面会交流について、決めなければいけないことだという認識自体がなかったと思うんです。だからこその今回の民法の一部改正につながっていると思うんです。
 先般も、大臣いらっしゃらないときに、私は、協議離婚のときに、離婚届の中に、それを決めたかどうかというチェック欄をつくったらいいんじゃないかということも御提案をさせていただいたんです。そうすれば、そのとき、それが決まっていることが離婚するための要件では当然ないんですけれども、しかしながら、やはりこれは決めていかなければいけないことだということの認識、そして周知徹底というのをきっちりと図っていくべきだと思うので、ぜひともまたそれも御検討いただきたいと思っています。
 そして、今回、児童虐待の絡みでここで面会交流のことについて出てきたことについて、先ほども、十分な議論がなかったということも御指摘をさせていただいたんですけれども、前回聞きましたけれども、父母との面会交流だけでなくて、子供がその離婚後、例えば一緒に暮らしていない側の親の祖父母ですとか、または別れ別れになってしまった兄弟姉妹、あるいは子供と相当期間一緒に暮らした親族や里親などについて、諸外国の例を挙げて、検討するべきなんじゃないか、これに関しても面会交流の機会というものをきちっと制度化していくべきじゃないかということを質問させていただきました。
 その際に、原民事局長から、「昨今、我が国では小家族化、少子化が進んでおりますし、離婚や再婚も増加しているということでございますので、祖父母とか兄弟姉妹などが子供と面会交流をしたい、その面会交流を認める必要があるのではないかという議論が高まってきていることは承知しておりますので、この問題につきましては、議論の行方を見ながら検討してまいりたい」と、前向きに御答弁はいただきましたけれども、具体的には、どのような場でこうした議論が行われるのでしょうか。多くの当事者の関心もあるところなので、ぜひそのプロセスも明らかにしていただきたいと思います。原民事局長、お答えをお願いいたします。
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原優#18
○原政府参考人 現段階において、具体的に、どの場で議論し、どういうスケジュールでやるということは、まだ確たるものは持っておりません。
 この家族法の民法の歴史を見ますと、昭和二十二年に日本国憲法の制定を受けて大改正がされ、その後、個別的な部分については見直しがされておりますけれども、家族法全体についての見直しというのは今までされていないわけでございます。
 家族法の部分について、婚姻、離婚法制につきましては平成八年の二月に答申が出ましたけれども、この答申自体についていろいろな御意見があって、その改正もまだされていない。親子法制全体につきましても全体的な見直しがされていないわけですので、やはりこういった家族法全体についての見直しというのは今後重要な課題だと思っておりますので、その中で、親と子だけではなくして、子に対して愛情を注ぐ祖父母あるいは兄弟との面会交流という話も、当然検討の対象にはなってくるのではないか、こういうふうに考えております。
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井戸まさえ#19
○井戸委員 家族法全般については後ほどまたお聞きをしたいと思っているんですけれども、その前に、懲戒権の規定が今回削除されなかったことについてお尋ねをさせていただきたいと思います。
 今回の改正で、懲戒場に関する記述は削除されましたけれども、懲戒権の規定は残ってしまいました。委員会でも参考人から、この条項を削除すべきではないかという発言がありました。大臣の御答弁は、子に対する親のしつけのあり方には多様な意見があるとして、しつけとの境界線が非常に難しいという御趣旨の答弁だったかと思います。
 細かな法律論をここで論じるつもりはないんですけれども、規定を削除した場合に関しては、児童虐待の防止をするんだという強いメッセージを出すことになって、これは虐待防止に資すると思いますし、残ればその逆で、子供のしつけと称して行われる体罰や虐待というのは許されるのだという誤ったメッセージを出してしまう可能性もあったのではないかと危惧しています。
 将来的にはどのようにすべきだと大臣はお考えなのか、改めて伺いたいと思います。
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江田五月#20
○江田国務大臣 懲戒についてはいろいろな議論がございます。懲戒という規定を削除するとしつけもできなくなるといった誤った受けとめ方があるという主張もあるし、そんな受けとめ方はないという主張もあるし、なかなかこれはエビデンスでもって証明することが極めて難しいところでございます。
 今回は、懲戒場は、もちろんこれはどこから見たって時代おくれに決まっているので削除しましたが、懲戒という言葉自体は残しました。しかし、私は、今はこういう立場ですが、民主党の担当の仕事をしていますときに、懲戒という規定を削除する法案をまとめたこともございます。これは、私がその担当ではないんですが、しかし、法務ネクスト大臣という立場で、民主党の提案としたこともございます。
 今回の改正の状況を見ながら、今後検討していく課題だと思っております。
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井戸まさえ#21
○井戸委員 ありがとうございます。また今後いろいろな議論をさらに深めていければと思っています。
 それでは、家族法の全般についてまたお伺いをしたいと思います。
 民法改正は、法制審議会が一九九六年二月に民法改正法律案要綱を答申して、ことしで十五年になります。しかしながら、いまだ実現をしていません。
 今回の改正では、九六年答申の一部が改正されるわけですけれども、ある意味、ちょっと釈然としません。子の福祉、子の利益であるならば、民法九百条四号ただし書きの、婚外子への相続分差別の撤廃こそ行われるべきだったのではないか。これを行わずに子供のためと言われても、本当にそうなのかということを思わざるを得ません。
 子供を嫡出でないと法で差別する国というのは非常に珍しくて、国連の各種委員会からたびたび勧告も受けています。子どもの権利委員会では、嫡出でない子という差別的な用語を改めるということも求められています。
 法改正をしないということは、法律による差別が解消されないだけでなくて、経済や財政ばかりを政治の中心ととらえて、人権を軽視し続けているのではないかと、この国のあり方というものも問われてしまいます。
 くしくも、九六年の法制審の審議を最も御存じのお二人、原局長と小宮山副大臣がいらっしゃるわけですけれども、お伺いをしたいと思います。
 まず、原民事局長に伺います。
 法制審議会から法律案要綱として答申されて、たなざらしとなっているものが、この九六年の民法改正法律案以外にあるかどうか、このことをお伺いしたいと思います。
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原優#22
○原政府参考人 私が記憶している限りは、ほかにはないんだと思います。
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井戸まさえ#23
○井戸委員 十五年間たなざらし、そして、ほかにはそうしたものはないというようなお答えだったんです。
 今のお答えですと、まさに権威がある法制審議会の答申でも、民法改正というのは非常に困難な部分というのがあるということでしたけれども、例えば、九六年の法制審の答申というのは、そのままにしていくのか、それともどのようにやっていくのか。今度は大臣、今のお考えをお聞かせください。
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江田五月#24
○江田国務大臣 これは、本当にみんなで十分に議論して合意をつくっていかなきゃいけないと思いますが、今回は、児童虐待の防止という観点から検討を加えて、そして、今委員お話しのとおり、中間報告になかったものを、パブリックコメントなんかで出てきたテーマとして、離婚のときの面会交流などが入ったというようなこともございますが、全般的な見直しではございません。
 今おっしゃる、平成八年の通常国会に提出すべく折衝を行った内容のもの、これは私はやはり必要なことだと思っておりますので、さまざまな御意見があることを踏まえながら、精いっぱい検討してまいりたいと思います。
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井戸まさえ#25
○井戸委員 特に、面会交流にしても監護権の問題にしても、十五年たっているわけですから、まさに今の段階でもっといろいろと、先ほどの父母の面会交流の話だったりとか、多分、今パブリックコメントだとかいろいろなところで聞いたらば、十五年前とは全然違うような、またさらに問題がいろいろなことが出ていたりとか、非常にいい議論というのもできたと思うんですね。だから、今回それがなかったまま民法の一部改正につながってしまったというのは本当に残念にも思います。
 子の福祉のためというのであったならば、その議論、前回の質問のときにも言いましたけれども、研究会のそうした研究のこともこれから出てくるといいますけれども、そういったことを踏まえた上での国会での審議とか、または法制審でまた新たにそうしたことを諮問していくだとか、そうした方法がとれた方が、子供の福祉のためという点からすれば、よりはっきりし、わかったのではないかなというふうに思っています。
 それでは、小宮山副大臣にお伺いをしたいと思っています。
 今回の、まさに今話したことなんですけれども、離婚後の面会交流の明示等については、九六年の法制審答申の一部を、親権制度部会の最終回の終盤で水野委員から提案されたものでした。提案のされ方も非常に唐突だったんですけれども、その際の委員の発言というものが問題ではなかったのかなというふうに思っています。
 ここで会議録の抜粋をちょっと読ませていただきたいと思います。
 この水野委員の発言なんですけれども、
 民法について法制審議会を通さないで改正をされるという可能性について、私はかねてより非常に危惧をしておりまして、もし万一そういうことになると民法の体系性と安定性が危うくなると思います。民法の改正は、議員立法で簡単になされるのではなく、是非法制審議会の民法部会を通していただきたいと思っております。もちろん本当はここできちんと議論をした上で改正をしていただきたいと願っておりますけれども、でも、もし、そういう必要性があるようでしたら、議員立法でされるよりはここでちょっと瞬時、お考えいただいて、かつ平成八年の段階でいったん答申が出ておりますので、その可能性を含んでお考えいただければと思います。
というような発言があります。
 家族のあり方や価値観というのが多様化する中で、家族に対する法や制度は、少しずつではありますけれども見直されてきました。しかし、変化のスピード、また法改正が追いつかないで、そのために法や制度のはざまに落ちて苦しむのが、子供や、また女性、そして少数の方々でした。自分も法のはざまに立って非常に苦しんだ経験を持っています。
 民法というのは部分的に見直していくのではなくて、継ぎはぎであれば、必ずそこにまた穴に落ちてしまってはい上がれない人たちが出てきてしまう。抜本的に見直されることが望ましく、そのためにも、家族法学者や現場を知る実務家、あるいは当事者を入れて、法制審議会でじっくりと議論されることが望ましいと思います。それもかなわないために、私自身も、議員立法に望みを託したからこそこの場所にいるわけでありますけれども、そうしたことへの取り組みから、小宮山副大臣も議員立法にずっと取り組まれてきたのだと思います。
 今回、国の唯一の立法機関である国会あるいは国会議員を軽視するような発言が親権制度部会の委員の中から出てきたことは、本当に極めて残念であります。また、このような形で法改正されたことというのは、今後の法改正の手続面についても、各方面から懸念がされているところです。
 政府や与党に対する厳しい意見というのは、女子差別撤廃委員会からのフォローアップ期限を前に、ますます厳しい目を向けられておりますけれども、議員立法を出し続けてこられた小宮山議員として、副大臣の御見解を伺いたいと思います。
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小宮山洋子#26
○小宮山副大臣 おっしゃるように、副大臣というよりも、この民法改正にずっと努力をしてきた議員としてお答えをさせていただきたいと思います。
 今、井戸委員がおっしゃいましたように、やはりこれだけ家族のあり方が変わっていて、それで十五年前にきちんとというか、法制審議会から答申が出されたのに、先ほど法務省の御答弁もありましたように、それが国会で審議をされてこなかった。その間にどんどん家族は変化をしてきているので、やはりこれは、腰を据えてしっかりと家族法の改正について法制審議会でも審議をしてもらうし、議員の中でも、それから国民的にも議論を深めていく必要があるというふうに考えています。
 今回は、虐待防止法をずっと議員立法でつくってくる中でも、何とか今回の親権の一時停止、一部停止を、前回の改正のときから早くやってくださいと法制審に申し上げる、それがとれる文章をきちんと法文の中にも入れましたけれども、それで進まないので、今回、虐待を受けた子供の親権に関してという限定をつけて、やむなくそういう形でやったという形だと思っていますので、今回、子供のためにはこれが一歩前進ですけれども、基本的には、やはりきちんとした家族法の改正の議論が進められていかなければいけないのではないか、そのように考えています。
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井戸まさえ#27
○井戸委員 これは江田大臣にお聞きをしたいんですけれども、先ほど私が紹介しましたように、法制審の中で、例えば議員立法の軽視だとかというような発言があったことに対してのコメントというか、お聞かせをいただければと思います。
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江田五月#28
○江田国務大臣 法務省に責任を持っている私としては、やはり民事であれ刑事であれ、基本法を変えるというときには、これは内閣が責任を持って行う。その前提として法制審はきっちり通すということが必要だと思っております。
 ただ、今委員御指摘の十五年前の提案ですが、これはもう既に法制審を通っているわけでございまして、そういう意味では、立法の玄関までもうたどり着いているものでございます。それがなかなか、当時、政府の方、内閣の方で対応できなかったということで、当時野党であった我々の方が、議員立法でやるんだ、こういって取り組みを進めてきたので、議員立法ももちろん軽視をするつもりは毛頭ありませんが、やはり基本法中の基本法ですから、しかも法制審も通っているので、これが国会の御理解をいただけるようになるように、私どもも努力をしますし、議員の皆さんにおかれても御努力いただきたいと思います。
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井戸まさえ#29
○井戸委員 まさに、先ほど、法制審の答申がたなざらしにされているというのはこの問題だけだということだったので、玄関までは来ていますけれども、その至るまでの間には、十五年ですから相当変わっているんですよ。その場で変わっているんだったらば、また新たに例えば答申を出して、また法改正ということもできたと思うんですけれども、一回答申が出ているのでそのままになっちゃっているので、実際には、本当に今、私たちが生きる、そして離婚に関しての状況なんかも変わる、子供の虐待の状況も変わっていく中では、非常に手続的にはもったいないことをしているなという印象も私は持ちます。ぜひとも、この辺も含めて、さらに前進するために何が必要なのかということを、議論を深めていただければなというふうに思っています。
 私も〇九年の政権交代で当選をしてまいりましたけれども、多くの方々から、人権の面ではいまだに政権交代を実感できずにいると厳しいお声もいただいています。チルドレンファーストを掲げているわけですから、例えば、先ほど言いました婚外子差別を行うことは絶対許されませんし、国連中心主義を掲げながら、国連からの勧告に背いて差別を続けるのであれば、国際社会で名誉ある地位というものも占めることなどは到底できません。私も人権に関する政策を軽視していると仕分けられないようにしっかりと取り組みたいと思います。
 質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。
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