厚生労働委員会

2015-07-30 参議院 全346発言

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会議録情報#0
平成二十七年七月三十日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 七月十五日
    辞任         補欠選任
     足立 信也君     白  眞勲君
     難波 奨二君     石橋 通宏君
    渡辺美知太郎君    薬師寺みちよ君
 七月二十九日
    辞任         補欠選任
     白  眞勲君     浜野 喜史君
 七月三十日
    辞任         補欠選任
     石橋 通宏君     相原久美子君
     浜野 喜史君     白  眞勲君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         丸川 珠代君
    理 事
                大沼みずほ君
                羽生田 俊君
                福岡 資麿君
                津田弥太郎君
                長沢 広明君
    委 員
                赤石 清美君
                石井みどり君
                木村 義雄君
                島村  大君
                高階恵美子君
                滝沢  求君
                武見 敬三君
               三原じゅん子君
                相原久美子君
                石橋 通宏君
                西村まさみ君
                羽田雄一郎君
                白  眞勲君
                浜野 喜史君
                牧山ひろえ君
                山本 香苗君
                川田 龍平君
                小池  晃君
                行田 邦子君
               薬師寺みちよ君
                福島みずほ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   塩崎 恭久君
   副大臣
       厚生労働副大臣  山本 香苗君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       高階恵美子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小林  仁君
   政府参考人
       厚生労働大臣官
       房統計情報部長  姉崎  猛君
       厚生労働省労働
       基準局長     岡崎 淳一君
       厚生労働省職業
       安定局長     生田 正之君
       厚生労働省職業
       安定局派遣・有
       期労働対策部長  坂口  卓君
       厚生労働省職業
       能力開発局長   宮川  晃君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    鈴木 俊彦君
       厚生労働省保険
       局長       唐澤  剛君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労
 働者の保護等に関する法律等の一部を改正する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
○委員派遣承認要求に関する件
    ─────────────
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丸川珠代#1
○委員長(丸川珠代君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、渡辺美知太郎君、難波奨二君及び足立信也君が委員を辞任され、その補欠として薬師寺みちよ君、石橋通宏君及び浜野喜史君が選任されました。
    ─────────────
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丸川珠代#2
○委員長(丸川珠代君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省職業安定局派遣・有期労働対策部長坂口卓君外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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丸川珠代#3
○委員長(丸川珠代君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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丸川珠代#4
○委員長(丸川珠代君) 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取をしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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津田弥太郎#5
○津田弥太郎君 民主党の津田弥太郎です。
 いよいよ、呪われたこの派遣法改正案の本委員会における実質審議が本日からスタートすることになりました。この法案につきまして、私たち民主党は、我が国の雇用現場を崩壊させる危険性を認識をしており、衆議院においては様々な問題点を指摘をしてまいりました。今月の八日には、私自身も本会議で質問させていただきました。残念ながら、政府から納得のいく答弁はございませんでした。誠に遺憾であります。いずれにしましても、本法案については、参議院らしさも出しながら、本日以降、慎重かつ充実した審議を行う必要がある、そのように考えているところでございます。
 さて、振り返ってみますと、本法案が衆議院本会議で可決をされ、参議院で受理したのが六月十九日でございます。本日が七月三十日、それから既に一か月半近くが経過をしているわけであります。
 法案の九月一日施行を死守したいという思いから、政府・与党は六十日ルールを使うかもしれない、そのような声も聞こえてまいります。確かに、八月十七日の二十四時、すなわち事実上八月十八日以降に衆議院でみなし否決を行うことは制度上可能であります。しかし、そもそも本法案の実質審議がここまで遅れた原因、これは、九十五日間もの会期の大幅延長であり、本法案の衆議院における強行採決、また同様に安全保障関連法案の強行採決でありますし、さらには年金情報流出問題の発生と日本年金機構の水島理事長の虚偽答弁、加えて本委員会における自民党議員の議運理事会決定違反であります。
 塩崎大臣は参議院議員も経験をされているわけですが、参議院無用論につながりかねない六十日ルールの発動など本法案に関してはあり得ないというふうに断言していただきたいと思いますが、いかがでしょう。
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塩崎恭久#6
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回、労働者派遣法改正法案につきまして御審議を今日から実質的に始めていただくということで、委員会におきまして、大変有り難く思っております。
 本委員会におきましてしっかりと議論していくことが大事だというふうに思っておりまして、政府としては、早期の成立をしっかりした審議の後にお願いを申し上げたいというふうに考えているところでございます。
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津田弥太郎#7
○津田弥太郎君 しっかりした審議が前提でございます。
 それでは、法案に対する質問を行います。
 先ほど申し上げましたように、現在、厚生労働行政をめぐっては、年金情報流出問題を始めとして大変重要な問題が現在進行形で発生をしております。そのような中で、なぜ、派遣法改正案の成立を急がなければならない理由、この九月一日施行問題を除いて一体何があるんだろう。我々は法案に反対ですから、そういうことからそう思うのかもしれないんですけれども、仮に百歩譲って法案に賛成の立場としても、なぜ派遣法の改正にそんなに緊急性があるのか、ここが疑問であります。
 ちなみに、大変議論になった厚生労働省が作成したいわゆる一〇・一ペーパー、これ、このような記載がございました。労働者派遣法が改正されずに今年の十月一日を迎えた場合、労働契約申込みみなし制度が施行されるため、二十六業務に該当するかどうかをめぐり訴訟が乱発する、その結果予想される問題として、十月一日を前に派遣先が、全体の四二%を占める二十六業務の派遣の受入れをやめる可能性があり、大量の派遣労働者が失業する、こういうペーパーを作ったわけでありますが、これは塩崎大臣が謝罪をされて、これは間違っているというふうにおっしゃったわけでありまして、この件は既に今回の派遣法を改正をしなければいけない理由ではなくなったというふうに認識をしているわけであります。
 だとするならば、それでもなおかつ派遣法の改正案の成立を急がれる理由というのがそれ以外に何があるのか。もし最大にそれ以外にあるものがあるとすれば、一つ、大臣、あるとすれば何でしょう。
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塩崎恭久#8
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回の改正法案を早期に成立していただきたい最大の理由というのは、今回の改正案が、派遣で働く方々について正社員への道が開かれるようにするとともに待遇の改善というものを図るということであって、これらの早期実現のために、法案に定める施行期日のとおりに施行することが必要ではないかというふうに考えているところでございます。
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津田弥太郎#9
○津田弥太郎君 大臣のその最大の理由は後ほど議論していきたいと思うんですが。
 私は、派遣法改正を急ぐという必要は全くないと。もしあるとするならば、九月一日という現時点での施行日にターゲットを定めて、一部のあしき派遣会社がビジネスチャンスの拡大に血道を上げている、その後押しをするかしないか、これが最大の理由ではないかというふうに思うわけであります。
 この法案は、与野党で合意をして重要広範議案に指定したわけでありますから、じっくり時間を掛けた審議を行わなければならないわけであります。
 そこで、私は、今年の三月に、大臣所信で塩崎大臣にこのようにお尋ねしました。大臣は記者会見で、今回の派遣法は言ってみれば抜本的な規制強化であるというふうに発言をされましたが、本当にそう考えているのですかと私が尋ねたところ、大臣は、今回の改正法案は全体として派遣で働く方の保護の観点から必要な規制の強化を図るものであるというふうに答弁をされて、本法案が規制強化であるという姿勢を変えませんでした。世間では、誰も今回の法案を規制強化などと考えている人はおりません。
 また、皆様にお配りしている読売新聞の記事、マーカーがありますけれども、これを見ていただいてもお分かりのように、安倍内閣が岩盤規制の改革に位置付ける派遣法改正案というふうに書いてあるわけでございます。大臣が抜本的な規制強化であると明言された本法案は、安倍内閣の下では岩盤規制の改革に位置付けられているという。これ、非常に分かりにくい。一体どっちなんだと。
 安倍総理は、昨年九月二十九日の本院の本会議で次のように発言しました。「この二年間で、あらゆる岩盤規制を打ち抜いていく。」。この二年間の今、真っ最中であります。打ち抜いていく岩盤規制の内容が規制強化って、どうしても理解できないわけであります。
 大臣、本法案が規制緩和である、これはやはりちゃんと認めた方がいいんじゃないでしょうか。
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塩崎恭久#10
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど、私の三月の答弁を御引用いただいたわけでございますが、基本的には私は、この規制を強化というか、派遣での働く方々の立場と権利を守るという側面が極めて強いと私は今でも思っているわけであって、今回の改正案では、労働者派遣事業について、現在約四分の三が届出制でありますけれども、これを全て許可制にするということで業界の健全化と義務の履行の確保を図るということを目的としておる規制であるわけであります。
 その上で、雇用安定措置とかあるいはキャリアアップ措置を新たに義務付けるといった派遣会社の雇用責任を義務付けによって強化をするということを図っているわけでありまして、派遣で働く方々の保護の観点から必要な規制の強化を図っているところでございます。
 一方で、労働者派遣の期間制限につきましては、現行の期間制限はいわゆる二十六業務に該当するかどうかが分かりにくいとの指摘がある中で、今回の改正は期間制限の在り方を分かりやすいものに見直すということとしておりまして、それによって安心して派遣を受け入れることが可能となるために派遣が活用される側面があるということも考えられるところでございます。
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津田弥太郎#11
○津田弥太郎君 一番最後のところは、これまさに規制緩和なんですよ。派遣会社とか派遣先はいいかもしれないけど、派遣労働者はどうなるかという点で見れば、これは大変な規制緩和。ここが非常に大きなウエートを占めていると私たちは見ているわけです。
 安倍総理は、この岩盤規制について、ドリルで穴を空ける、すごい表現でおっしゃっているわけであります。労働法制についてドリルで穴を空けるというのは何をしたいのか、こういうふうに見ていきますと、例えば、解雇の金銭解決ということになれば気に入らない労働者の解雇を容易にするためになるわけだし、残業代ゼロ法案は労働者をより安くより長く働かせたい、当然そうなるわけです。そして、今回の派遣法でいえば、正社員を少なくして派遣社員に置き換えたい、これが言ってみれば率直な、ドリルで穴を空けるこの空け方、空けた結果をこういうふうにしたいというふうに見るのが普通の見方になるわけであります。
 私たちはこれまで一貫して、この派遣法改正案は大幅な規制緩和である、その結果正社員が減って派遣労働者は増えていくということを昨年からずっと言い続けてまいりました。しかし、政府は一貫してこの点については口を閉ざし、私の本会議の質問に対しても安倍総理は逃げの答弁に終始をしたわけであります。
 もう一回、今日は大臣にお聞きをしたいと思います。ちょっと聞き方を変えます。
 派遣社員と正社員の単純な人数の増減ではなくて、もし本法案が成立したならば、我が国の企業における総業務量の中で派遣労働者の担う割合は増加するんじゃないんですかという私の質問に大臣はどう答えます。
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塩崎恭久#12
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回の改正によってキャリアアップ措置というのが導入を改めてされるわけでありまして、派遣で働く方の能力が高まるということが結果として起きてくるわけであります。企業が即戦力を求めて派遣を利用するという側面は想定をされるのかなというふうに考えられるわけであります。
 一方で、今回の改正では、派遣会社に対しまして、派遣先への直接雇用の依頼を含む雇用安定措置の義務付け、そして派遣先に対して正社員募集情報の提供の義務付け、こういったことも盛り込まれているわけでございまして、派遣から直接雇用への移行ということも想定をされるわけでございます。
 いずれにいたしましても、企業における働く方々の雇用形態の構成ということについては、事業の今後の見通しなどを考慮した上で経営判断が行われるわけでございまして、それによって決まってくるものでございます。
 我が国の企業における今先生御指摘の総業務量、この中でどうなるのかということでございましたが、派遣で働く方の担う割合がどうなるかは、やはりこれは一概にお答えすることはなかなか難しいのではないかというふうに考えているところでございます。
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津田弥太郎#13
○津田弥太郎君 一貫してそういう答弁をされるわけですよね。
 確かに、規制強化の内容が本法案にあることは、先ほど大臣が冒頭おっしゃったようにあると思います。しかし、唯一実質的な効果をもたらす規制強化というのは、全ての派遣会社の許可制、さっき大臣もおっしゃいました、ここは恐らく規制強化だろうと思うんです。これによって一部の極めて悪質な派遣会社は淘汰をされるかもしれません。
 派遣労働者は、しかし、他の派遣会社にシフトするだけですよね。その悪質な派遣会社で働いていた派遣労働者が正規雇用されるわけじゃないんですよ。ほかの派遣会社に行くだけなんです。問題はだから全然変わらない。派遣労働者の担う割合の減少につながる法改正にはこれはならないわけです。
 一方で、現行法の下では、各企業においてコアとなる業務を派遣労働者に任せることができるのは専門二十六業務だけだったんです。だから、悪質な派遣先は、それ以外の一般業務についても二十六業務に偽装することを繰り返していたんです。これが大変大きな問題だった。
 しかし、本法案が成立すれば、今後はその必要性がなくなるわけです。間違いなく相当数の企業において、これまで直接雇用の労働者に委ねていた多くの業務が派遣労働者に委ねられることになるでしょうし、スタッフサービスもそれを狙って今営業活動をやっているわけです。
 各企業の人事労務の担当者にこの本法案の内容を説明した上で、今まで直接雇用の労働者に任せていた業務を派遣労働者に任せようと思いますかという質問を是非していただきたいんです。大臣、これ非常に重要なポイントになるところなので、是非そういう調査をしていただけませんか。
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丸川珠代#14
○委員長(丸川珠代君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
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丸川珠代#15
○委員長(丸川珠代君) 速記を起こしてください。
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塩崎恭久#16
○国務大臣(塩崎恭久君) まず第一に、この法律を出してくるに当たって、労政審を含めて様々な意向確認もしながら法律を作ってきた、建議の下で作ってきたということでございますが、今後どのような使われ方を成立後するのかということについては、当然これは節目節目で私たちはそれを検証するというのは当然やっていかなければいけないことでございますので、そういう意味では、先生今お話しのように、事前的にどうなるのかということはともかく、少なくとも法律が施行されるときにどのように使われていくのかということは、節目節目でやはり調べていって、いろいろな問題が起きないかどうか、これは今回、前回よりも修正を加えた中にも、労働市場の在り方、雇用慣行の在り方などを絶えず見続けていくということを入れているわけでございまして、そういう意味では、やはり労働市場でどういう変化が起きるのか、雇用慣行にどういう変化が起きるのかということについては、絶えず見ていかなければいけないというふうに考えております。
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津田弥太郎#17
○津田弥太郎君 あやふやながらもそういう必要性については認めていただきました。
 ここで、大臣、やっぱり衆議院と違って参議院ではもうちょっと本音の議論を私はした方がいいと思うんです。
 私は、これまで労政審の重要性というのを繰り返し指摘をしてきました。職場のルールは、立法府が無理やりに決めても、実際に個々の現場で守れなければ意味がないわけです。そこで、当事者である労使の代表が議論に参画をし、お互いに譲り合い納得をした上でルールメーキングを行うという点で労政審には大きな意味があるわけであります。
 また、そのことによって、ワークルールが時の政権の思惑だけで決められることを防止をする、混乱を招くような急激な変化ではなくて、職場に対応した漸新的な改革が実現をすることになるわけであります。まあ、その点、我が民主党の与党時代、少し急ぎ過ぎたという側面はあるかもしれません。
 そしてまた、その一方、反動で、これでは会社がもたないという使用者の声が安倍政権の元に届いているのかもしれません。特に、今回、法案の主要な内容が、二年前の七月に、業界団体である日本人材派遣協会と日本生産技能労務協会が連名で当時の田村厚生労働大臣に提出した要望書に沿う内容で今回改正が提案されているということから見れば、私はそういう経過だったということになるだろうと思うんです。
 与党の皆さんも、支持団体の声にやっぱり耳を傾けなければいけないし、厚生労働省の旧労働部局も、数少ない天下り先、こういうことでもある。当然、この法案を規制強化なんといってこそくな説明をするんではなくて、素直にそうした事情をお認めになって、その上で、規制緩和に伴う問題点はどこにあるのか、あるいは、その場合の労働者保護はどのように行うか、この議論を行うのが当厚生労働委員会の大きな任務ではないのかなと私は思うわけです。そういう本音の議論をしなきゃいけない。改めて、建前だけで今答弁をしている厚労省の姿勢に猛省を促したいというふうに私は思います。
 議論を進めますが、今回の法案で私が最大の問題と考えているのは、この臨時的、一時的という派遣法の大原則が根底から覆されるという点であります。このことは代表質問でも指摘をさせていただきました。
 昨年一月二十九日に出された労政審の建議においても、派遣労働の利用を臨時的、一時的なものに限ることを原則とするとの文言が盛り込まれました。この文言は、派遣労働が現実に臨時的、一時的なものとして利用されるという結果までも担保をするものなのか、それとも、派遣労働法のスキームにおいて、派遣労働の利用が臨時的、一時的なものとなる可能性があればよいというものになるのか、これ、非常に大きく違う点になるわけでありますが、大臣、いかがでしょう。
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塩崎恭久#18
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回、第二十五条で、臨時的かつ一時的なものであるという、派遣就業につきまして書き込んでいるわけでありますけれども、今回の改正案におきましては、派遣先に対して、同じ事業所における継続的な有期雇用の派遣で働く方の受入れは三年までという事業所単位の期間制限を課すことといたしまして、三年を超えて受け入れようとする場合には過半数労働組合等からの意見聴取が義務付けられるということになったわけでございます。この事業所単位の期間制限は、過半数労働組合等の意見を聴いて延長することは可能でございますけれども、その延長後の受入れは改めて三年間の期間制限が課せられるというものであるわけであります。
 このように、三年ごとに現場をよく知る労使により常用代替の観点から問題がないかどうかということが判断される仕組みとなっておって、これによって臨時的、一時的なものとなっていると考えているところでございます。
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津田弥太郎#19
○津田弥太郎君 今回の法案は、業務単位の期間制限を廃止することで、専門性もなく特別な雇用管理も必要としないあらゆる一般業務について、事実上企業は派遣労働者を使い続けることが可能となったんですよ。
 大臣いろいろおっしゃったんだけれど、この臨時的、一時的という公労使の合意は完全に空文になっているんです、今回の改正で。私が本会議で指摘したように、極端な話でいえば、社長以外の全員が派遣社員という企業が生まれかねないんです。私の質問に対して総理は、今回の法案の第四十条の、今も大臣がおっしゃいましたけど、過半数組合等からの意見聴取の義務付けと反対意見があった際の対応方針の説明、さらに意見聴取の記録を周知する義務付けを歯止めとして示されたわけであります。これでは、多くの場合において実際に派遣労働が臨時的、一時的な利用となることを担保するには、これは無理なんです。
 大臣、お聞きしますが、臨時的、一時的というこの言葉が意味する意味、社会通念上最も長くてどのぐらいの期間でしょう。
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塩崎恭久#20
○国務大臣(塩崎恭久君) これは、先ほど先生にお答えを申し上げたとおり、今回の改正案におきましては、派遣先に対して同じ事業所における継続的な有期雇用の派遣で働く方の受入れは三年ということで事業所単位の期間制限を課すということとした上で、三年を超えて受け入れようとする場合には過半数労働組合等からの意見聴取を義務付けるということ、その延長後の受入れは改めて三年間の期間制限が課せられると、こういうことでございまして、今回の改正案におきます臨時的、一時的という言葉の意味としては、やはりこれは三年を想定をしているということでございます。
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津田弥太郎#21
○津田弥太郎君 それでは確認します。同一の事業所において、上限三年の派遣労働者の受入れを九回延長して都合三十年間に達することは、制度上ですよ、制度上あり得ないのですか、これは。イエスかノーでお答えください。
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塩崎恭久#22
○国務大臣(塩崎恭久君) 現場をよく知る日本の労使の間で実質的な話合いというものが行われる仕組みによって、派遣期間の延長についてそれぞれが判断をしていくということになるんだろうというふうに思うわけで、先ほどの私どものお答えのとおり、やはり基本はこれ三年ごとに労使によって常用代替の観点から問題がないかということを判断をしていく、そういう意味で臨時的、一時的なものとなっていると考えるべきだというふうに私どもは思っているところでございます。
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津田弥太郎#23
○津田弥太郎君 さっき本音で話しましょうと言ったじゃないですか。制度上はあり得るんですよ。今大臣がおっしゃったように、いろいろ歯止めは掛けています。しかし、制度上はあり得るんですよ、三十年間。これは認めてください。
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塩崎恭久#24
○国務大臣(塩崎恭久君) 今お話がございましたように、この仕組み自体が意見聴取をするということで次の三年ということが決まってくるわけでありますから、先生おっしゃるように、制度の上からはそういう話合いの下で続いていくということはあり得るということでありますけれども、しかし、そこで配慮されるべきことは、やっぱり労使の実質的な話合いというものが、どのようにきちっと労使自治が行われるかということが大事だというふうに思うわけでございます。
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津田弥太郎#25
○津田弥太郎君 歯止めを掛けていると強くおっしゃるんだけど、制度上は三十年間でも四十年間でもあり得るわけです。歯止めがないんです。
 この点、昨年、臨時国会の衆議院の厚生労働委員会の審議において大臣が誤った答弁を行って、本当は誤っていない答弁であったらよかったなと私は思うんだけど、あのとき大臣は、労働組合が反対すれば駄目だとおっしゃったわけですよね。そういうふうになっていないんですよ、現実は。そこが大きな問題になるわけであります。
 実際問題として、各企業は過半数組合等の意見をどれだけ取り入れるのかということで私はお尋ねしたいと思うんです。
 労働法の世界では、過半数組合等からの意見聴取といえば就業規則の変更が思い浮かぶわけでありますが、過半数組合の賛成を得ずに就業規則の変更が行われた例、過去三年間の平均でおよそ何%でしょうか。また、過半数組合の賛成を得ずに就業規則の変更を過去三年間に行った事業所がそれ以前の直近の就業規則変更の際にも過半数組合等の賛成を得ていなかった例は何件ありますか。
 高階政務官、いかがですか。
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高階恵美子#26
○大臣政務官(高階恵美子君) 就業規則の作成を行う場合あるいは変更を行う場合にはその届出をいただくことになっておりまして、その届出件数については、労基署の方で書類が添付されてございますので、総数をここで報告させていただくことができます。
 まずはそれをお話ししたいと思いますが、平成二十四年の総件数は四十四万六千六百八十五件、二十五年が五十九万六百七十五件、そして二十六年が五十一万七百五件となっておりまして、この三年間の総計で百五十四万八千六十五件となってございます。
 ただ、過半数組合等の賛否ということになりますと、実はこの添付書類の中でその賛否を判別するというふうなことにはなってございませんものですから、お尋ねの数値につきましては、直ちに何%とこの場で御説明申し上げることが困難でございます。
 就業規則の届出内容を個別に当たっていく必要がございますために、現時点では、ただいま申し上げましたとおり、詳細お答え、難しい状況でありますが、今後、調査の方法も含めまして内部で検討させていただきたいと思います。
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津田弥太郎#27
○津田弥太郎君 この問題は、大臣が言うところの歯止めが掛かるかどうかということを判断するに当たって大変重要な件です。この件がはっきり内容が分からなければ、この法案の採決を行うなんということはあり得ません。私は、この法律の審議に三回ぐらい質問に立つ予定ですので、私の次の質問までに、今私が聞いたことについての結論を出していただきたいと思います。
 委員長、よろしくお願いします。
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丸川珠代#28
○委員長(丸川珠代君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議をさせていただきます。
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津田弥太郎#29
○津田弥太郎君 本来、良好な労使関係を構築をしている経営者であるならば、過半数組合等が反対をした場合は、派遣労働者の受入れの延長を断念するんですよ。しかし、私が質問したのは、過半数組合等が反対したのに、それを押し切って派遣期間の延長をしようとする悪徳事業主の問題なんです。この悪徳経営者に対して、延長した場合の対応方針の説明を義務付けたところで、過半数組合等は反対しましたが経営の必要性から延長を行いましたという説明があるだけで、歯止めにならないんです。過半数組合等からの意見聴取の記録を周知する義務を課したところで、この悪徳経営者は確信犯ですから、当然痛くもかゆくもないわけです。
 私は、経営者に一定の裁量を与えることについて必ずしも否定はしない。しかし、派遣労働者の受入れ期間の上限に達した際、過半数組合等が反対したにもかかわらず受入れを延長した場合、更にその先の再延長については過半数組合等の賛成を条件とする、せめてそうした形で労使のバランスを取ることが私は不可欠であるというふうに考えるわけであります。大臣、いかがですか。
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