厚生労働委員会

2015-08-20 参議院 全378発言

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会議録情報#0
平成二十七年八月二十日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 八月十九日
    辞任         補欠選任
     辰巳孝太郎君     小池  晃君
 八月二十日
    辞任         補欠選任
     羽田雄一郎君     森本 真治君
     小池  晃君     辰巳孝太郎君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         丸川 珠代君
    理 事
                大沼みずほ君
                羽生田 俊君
                福岡 資麿君
                津田弥太郎君
                長沢 広明君
    委 員
                赤石 清美君
                石井みどり君
                木村 義雄君
                島村  大君
                高階恵美子君
                滝沢  求君
                武見 敬三君
               三原じゅん子君
                石橋 通宏君
                西村まさみ君
                白  眞勲君
                牧山ひろえ君
                森本 真治君
                山本 香苗君
                川田 龍平君
                小池  晃君
                辰巳孝太郎君
                行田 邦子君
               薬師寺みちよ君
                福島みずほ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   塩崎 恭久君
   副大臣
       厚生労働副大臣  山本 香苗君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       高階恵美子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小林  仁君
   政府参考人
       厚生労働省医政
       局長       二川 一男君
       厚生労働省労働
       基準局安全衛生
       部長       土屋 喜久君
       厚生労働省職業
       安定局長     生田 正之君
       厚生労働省職業
       安定局派遣・有
       期労働対策部長  坂口  卓君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       安藤よし子君
   参考人
       東洋大学法学部
       教授       鎌田 耕一君
       一般社団法人日
       本経済団体連合
       会労働政策本部
       長        高橋 弘行君
       日本労働組合総
       連合会副事務局
       長        安永 貴夫君
       全国コミュニテ
       ィ・ユニオン連
       合会事務局長   関口 達矢君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労
 働者の保護等に関する法律等の一部を改正する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
○政府参考人の出席要求に関する件
    ─────────────
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丸川珠代#1
○委員長(丸川珠代君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告をいたします。
 昨日、辰巳孝太郎君が委員を辞任され、その補欠として小池晃君が選任されました。
    ─────────────
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丸川珠代#2
○委員長(丸川珠代君) 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は、本案の審査のため、四名の参考人から御意見を伺います。
 御出席をいただいております参考人は、東洋大学法学部教授鎌田耕一君、一般社団法人日本経済団体連合会労働政策本部長高橋弘行君、日本労働組合総連合会副事務局長安永貴夫君及び全国コミュニティ・ユニオン連合会事務局長関口達矢君でございます。
 この際、参考人の皆様方に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多忙のところ当委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
 参考人の皆様から忌憚のない御意見をお述べいただきまして、本案審査の参考にさせていただきたいと存じますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
 次に、議事の進め方でございますが、まず、参考人の皆様からお一人十五分以内で順次御意見をお述べをいただき、その後、委員からの質疑にお答えをいただきたいと存じます。
 なお、参考人、質疑者共に発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず鎌田参考人にお願いをいたします。鎌田参考人。
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鎌田耕一#3
○参考人(鎌田耕一君) ありがとうございます。
 東洋大学の鎌田と申します。よろしくお願いいたします。
 細かな内容に入る前に、検討に当たって基本的な観点について私の方からお話ししたいと思います。
 私は、労働者派遣制度の法政策を考える場合、三つの観点から見る必要があると思っております。
 一つ目は、労働市場における労働者派遣事業の意義についてであります。労働者派遣事業は我が国の労働市場においてどのような役割を果たしているのか、検討する必要があります。
 二つ目は、我が国の雇用制度における派遣労働の位置付けであります。派遣先における派遣労働者の受入れは、その企業の労働者にとって常用職場を削減するという面があります。そうしたことから、伝統的な雇用制度との調和が課題となります。派遣法は、制定当初から常用雇用代替防止を基本原則としてまいりました。
 第三は、派遣労働者の保護の観点です。派遣労働は間接雇用ですから、派遣労働者の処遇は派遣先、派遣元の労働者派遣契約に制約されます。こうした構図を踏まえた上で、どのように派遣労働者の処遇や雇用の安定を図るかが問われるわけであります。
 いずれも労働者派遣制度の基本問題であり、労働者派遣法はこれら課題を解決する仕組みと申してよいでしょう。
 ところが、この三つの問題を解決しようとする場合、相互に対立する側面があり、複雑なルールが派遣法の歴史の中で導入をされてまいりました。また、近年では裁判例において、派遣労働者の雇い止めについて、雇い止め法理の適用に慎重な判決が続いております。こうしたことが派遣法を、現状を取り巻く環境と申します。
 改正案について、冒頭、簡単にその意義を述べたいと思います。
 今回の改正法案は、今申しましたような複雑なルールを分かりやすいシンプルなルールに置き換えていること、派遣労働者の雇用安定措置を導入していること、そして派遣労働者のキャリアアップを促進する措置を義務付けているという点で評価したいと思っております。
 以下で、個々の論点につきまして意見を述べたいと思います。
 まず、労働者派遣事業の意義についてでございます。
 労働者派遣制度が職業仲介、マッチングに一定の役割を果たしているということについては、大方の意見が一致しているところではないかと思います。職安法四十四条が労働者供給事業を禁止している中で一九八五年に労働者派遣制度が法的に容認された理由は、この労働力の需給調整機能を評価したからだと思います。また、ILO百八十一号条約が一九九七年に労働者派遣事業が果たしている役割を肯定的に評価し、諸外国が労働者派遣事業を法的に受け入れた理由はそこにあったと思います。
 では、労働者派遣事業にどのような意義があるのでしょうか。それは、一九九九年の派遣法改正により派遣事業の対象業務が原則自由化したことを踏まえますと、臨時的、一時的な労働需要とこれを希望する労働者を仲介する機能を評価したと申せましょう。
 しかし、労働者派遣事業の役割はこれにとどまりません。そもそも派遣制度を法的に容認する理由の一つは、派遣元の雇用責任を明確にする点にありました。ところが、派遣法の立法者は労働者派遣事業を一般労働者派遣事業と特定労働者派遣事業に分け、特定は常用労働者だけを派遣するということで、届出制という緩やかな規制にとどめました。これは、後から考えると、適切な選択ではなかったのではないかと思います。なぜなら、常用労働者といっても、そこには有期契約労働者が多く含まれ、派遣元の雇用責任を十分果たすものではなかったからであります。
 今度の改正案が特定労働者派遣事業を廃止し、全ての労働者派遣事業を許可制の下に置いたことは、派遣元事業主の雇用責任、その信頼性を高めるという意味で非常に大きな前進ではないかと思っております。
 次に、常用代替防止等について話を移したいと思います。
 常用代替防止は派遣法制定当初からの基本政策でありますが、これをめぐっては、廃止すべしとする意見と維持すべきという意見が対立してまいりました。今回の改正案は、常用代替防止の政策を維持する立場に立つものだと思います。私も、現状においては常用代替防止を維持すべきだと考えております。その理由は、新卒一括採用、定年までの雇用保障、勤続年数に応じた昇給、企業内教育訓練、柔軟な職種の転換といった雇用慣行は依然として我が国の雇用制度の中核を成していて、就業形態が多様化する中でもこれを損なうような仕組みは取るべきではないと思っておるからであります。
 問題は、常用代替防止をどのように実現していくかであります。
 現行法は、これについては業務の専門性に着目した規制方式を取っています。まず、いわゆる専門二十六業務の派遣には派遣期間制限はありません。これを常用代替防止の例外としております。他方で、二十六業務以外、非二十六業務について派遣先の業務単位での期間制限をしています。御存じのように、この専門二十六業務と非二十六業務の区分に基づく規制が実務では混乱をもたらしております。その過程の中で、平成二十四年の国会の附帯決議において、より分かりやすいルールをという指摘がされたところであります。
 改正案は、専門二十六業務の区分を廃止し、全ての派遣に受入れ期間制限を設けました。私は、改正案のこの立場を評価したいと思います。その理由は、まず、専門的業務と申しましても、技術革新、職務内容の変化が目まぐるしい現代において、何が専門的業務なのか判断が難しいこと、仮に個々の専門業務を指定しても、その範囲を確定することが困難だということにあります。
 こうした問題がある中で、専門二十六業務には期間制限がなく、非二十六業務では三年を上限とするというドラスティックな効果の上での差を設けていますので、大きな混乱をもたらすのもある意味では当然と申せましょう。
 次に、派遣期間制限の話に移ります。
 現行法は、派遣先の業務単位で最大三年に限定しております。しかし、業務単位といっても、明確な業務区分がない我が国ではその境界は曖昧です。業務単位の期間制限ですと、一人の派遣労働者が二年間派遣就業すると、次の派遣労働者は一年しか働けないということになります。派遣労働者の視点でいえば、それだけ雇用機会が制限されるということになります。
 改正案は、個人単位と派遣先事業所単位の二つの期間制限を導入しました。個人単位の期間制限を設けますと、先ほどのような問題は起こりません。一定の雇用期間を保障するということができるからであります。
 ただ、三年を上限とするのですから、もっと働きたい人にとっては不満が出てくるところであります。そこで、改正案は、雇用安定措置として派遣元に幾つかの措置を義務付けることといたしました。これは、現在の裁判例の動向を見ますと、派遣労働者保護にとって重要な前進と言うことができます。
 次に、個人単位で期間制限を置きますと、個人を替えれば恒常的に派遣受入れができることになるのではないか、それでは常用代替防止の原則から見て問題がある。そこで、改正案は、派遣先事業所単位で三年上限の期間制限を導入しております。ただ、このように上限は設けていますが、過半数組合又は過半数代表者の意見を聴取した場合、更に派遣期間を延長することができることになります。
 さて、このような期間制限に関する改正案をどのように評価するかであります。
 私は、業務ではなく事業所単位での派遣受入れ期間を設けたこと、そして、期間延長について反対意見を述べたときは対応方針について説明する義務を派遣先に課しているなど、労使のコミュニケーションを生かすような制度を導入した点で評価できると思っております。
 これに対しては、事業所単位の期間制限については、意見聴取では歯止めにならないという指摘がございます。そうした懸念も分からないではありませんが、派遣先が意見聴取を行わずに期間を延長した場合、これは期間制限違反となり、派遣先による労働契約申込みみなし制度が適用となりますので、意見聴取はかなり重たい手続であるというふうに理解しております。ですから、企業は相当に慎重な対応を迫られることになるのではないかと思っております。
 さて、最後に、派遣労働者の処遇の問題であります。
 まず、処遇改善を考える場合、派遣労働者の特殊性を考慮しなければなりません。派遣労働者の処遇を決定するのは派遣元事業主でありますが、それは派遣先、派遣元の労働者派遣契約によって影響を受けます。そして、派遣先、派遣元の関係は民事契約関係であり、最低賃金、解雇規制等の労働法令の適用はありません。こうした仕組みの中で派遣労働者の処遇を改善するにはどうしたらよいのでしょうか。
 現行法は、派遣先の社員との均衡を考慮して待遇を決定すべきだとしています。これに対して、均等待遇原則の導入を求める意見があります。私は均等待遇原則を否定するものではありません。しかし、ヨーロッパのような職種別労働市場であれば均等待遇を図る上で一定の社会的インフラがあると申せますが、日本は内部労働市場が発達し、職能給中心であります。これを直ちに導入することは困難があるというのも事実でございます。そう考えますと、現状では、均衡配慮というやり方をより実効的にしていくことが大事ではないかと考えております。
 そのために、改正案は派遣先に幾つかの配慮義務を課しております。また、派遣元がどのように均衡配慮したのか派遣労働者に対して説明しなければならないという規定を置いています。これによって、派遣労働者個人が均衡の有無についてチェックすることができるようになっております。
 さらに、改正案は派遣元に対してキャリアアップ措置を義務付けています。派遣労働者はキャリアアップが難しい面があります。これまでは派遣元企業各自の自主的な判断に委ねられていたところでございますが、改正案は派遣元事業主にキャリアアップ措置や段階的、体系的な教育訓練を義務付けております。私は、派遣労働者の能力に見合った職業生活の確保をする上で、改正案のこうした措置は大きな意義を持つものと期待をしております。
 以上、簡単ではございますが、派遣元事業主の信頼性の確保、分かりやすいルールの導入、そして派遣労働者の雇用の安定化とキャリアアップの点で大きく前進しているということで、私は改正案を評価したいと思っております。
 以上であります。
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丸川珠代#4
○委員長(丸川珠代君) ありがとうございました。
 次に、高橋参考人にお願いをいたします。高橋参考人。
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高橋弘行#5
○参考人(高橋弘行君) 本日は、改正法案に対する考え方を述べさせていただく機会を頂戴いたしまして、誠にありがとうございます。
 本日は、改正法案をめぐって様々に指摘されている事柄のうち五つの点につきまして、私の個人的な考え方を述べてまいりたいと存じます。
 一点目は、改正法案の成立によりまして、企業は正社員を減らす結果、派遣労働者が急増するのではないかという指摘についてでございます。こうした指摘の背景には、派遣という働き方を望ましいものではなく規制を強化すべきであるという考え方があるように感じております。
 御承知のとおり、我が国は労働力人口が減少し続けております。その中で、様々な制約を抱えた労働者などが増えておりまして、労働者の価値観も一様ではなくなっています。労働市場におきまして多様な働き方の選択肢を増やしていく必要がございまして、派遣という働き方を利用しにくいものとすることは望ましいものではありません。
 重要なことは、優良な派遣事業者のみが事業を行う基盤を整備するために、派遣業界の健全化を進め、派遣労働者の保護を高めることであると考えています。その点、改正法案では、届出だけで事業を営める特定労働者派遣事業を廃止し、全て許可制とします。これは、今回の改正において最も評価すべきであると考えております。
 その上で申しますと、そもそも雇用は経済の派生需要でありますので、景気変動によって雇用量は増減いたします。また、働く労働者の意向によっても大きな影響を受けます。したがって、経済情勢など様々な要因を切り離して、法改正のみに基づく派遣労働者数の増減を正確に予想することは困難です。
 参考までに、これまでの我が国の派遣労働者数の推移を見ると、最も多かった二〇〇八年当時で見ても雇用者全体の三%弱にとどまっており、非正規雇用労働者に限っても八%弱にすぎませんでした。労働市場全体で見れば、元々派遣労働者数自体が少ないですから、労働者数の数字だけを見ていけば将来的に増加率が高まることがあり得るかもしれませんが、派遣労働者数が大幅に増加し非正規雇用労働者数の過半を占めるといった事態は生じないと考えております。なぜならば、自社の正社員と、臨時的、一時的な需給変動への対応として活用するケースが多い派遣労働者では、企業として期待する役割や成果がおのずと異なるからです。
 改正法案では、派遣労働者全体の八割を占める有期雇用派遣労働者について、個人単位の三年の期間制限が課されてまいります。人件費を単なるコストと考えて、正社員の代わりに派遣労働者による常用代替を追求すると仮定した場合でも、三年ごとに人が交代することになりますから、ノウハウの継承などもスムーズに行われにくくなります。そのような限界があるにもかかわらず、派遣労働者の方に自社の基幹的な業務をどんどんと任せていきますと、企業競争力の維持強化が困難なだけでなく、日常的な業務運営にも支障が生じかねません。現在は人手不足で労働市場が逼迫していますので、急な労働力の確保のために派遣労働を活用する企業が増えるかもしれません。しかし、自社の従業員と派遣労働者との入替えを積極的に行うことは企業の持続的発展にはつながりませんし、企業経営の観点から現実的ではありません。
 第二に、事業所単位の期間制限につきまして、過半数労働組合等からの意見聴取だけでは常用代替の歯止めにならないという指摘について申し上げます。
 日本企業の強みの一つは、良好な労使関係の構築に向けて個別企業労使が互いに努力し続けている点であります。そうした努力の継続によって築かれた信頼関係が、経営環境の変化に対して柔軟かつスピーディーな対応を可能とする競争力の源泉であるというふうに考えています。
 改正法案では、事業所単位の期間制限への対応として、派遣労働者の受入れについて過半数労組等からの意見聴取を義務付けています。これは、我が国で重視されております労使自治の原則を最大限尊重し、労使慣行の実態を踏まえた制度と言えます。
 現在は、自由化業務に従事する派遣労働者について一年から三年までの延長の際に意見聴取が行われていますけれども、対象を有期雇用派遣労働者全員に拡大いたしまして、企業労使の話合いを促す仕組みとしていますので、企業側としては現行制度以上に様々な対応が求められてまいります。この仕組みの導入によりまして、派遣労働者の活用を中心に、自社の人事管理などについて労使で話合いを重ねる機会が増えてくると考えられます。そのような場が定着することで労使の信頼関係が更に深まり、企業の競争力強化につながることを願っております。
 第三に、過半数労組等から反対意見が出された場合に、改正法案の仕組みでは歯止めにならないという指摘について申し上げたいと存じます。
 先ほども申し上げましたとおり、企業経営におきましては良好な労使関係の構築が何より重要です。労務管理の観点から申し上げますと、改正法案が成立した場合に、日頃から様々なレベルでの労使の話合いの場などを通じまして、派遣労働者の活用を含めた自社の人事労務管理につきまして労働組合等の理解を得ていくことが基本になっていくというふうに考えております。
 個別企業における労使関係の状況にもよりますので一般論として申し上げるのは難しい点もございますけれども、良好な労使関係が構築されている企業の場合、数度の話合いを重ねても、常用代替の観点からこれ以上の有期雇用派遣労働者の受入れはすべきでないと過半数労組等から強い意見が出された際に、特段の事情が存在する場合を除けば、反対意見を押し切ってまで有期雇用派遣労働者を受け入れ続けようとするところはほとんどないというふうに考えております。あくまで、現場のことは現場に任せるということが大変大切ではないかと考えている次第でございます。
 第四に、専門二十六業務で長く働いている派遣労働者の雇用が失われるという指摘について申し上げます。
 改正法案が成立すれば、いわゆる二十六業務は廃止され、有期雇用派遣労働者の場合、同一の事業所の同じ課で継続して働けるのは三年までとなります。このため、改正法案では、改正法の施行日前に締結した労働者派遣契約につきましては、それが終了するまで旧法が適用されるという経過措置を設けていますので、直ちに雇用が失われるということは少ないと思います。
 また、改正法案は、派遣元に対しまして、雇用安定措置の実施に加えまして、キャリアアップを希望する派遣労働者を支援するための計画的な教育訓練やキャリアコンサルティングの実施を義務付けています。その結果、ステップアップを希望する派遣労働者が様々なチャレンジを行うことが可能となってまいります。
 同じ派遣先に長く派遣されている派遣労働者は、派遣先だけでなく、派遣元からも評判が高いと思います。現在は労働市場が逼迫しておりますので、双方のニーズがマッチすれば、派遣先で直接雇用されるか、派遣元で無期雇用されるケースが十分期待できると考えております。
 二十六業務の廃止をめぐる問題につきましては、何より平成二十二年に行われました専門二十六業務派遣適正化プランが大きな影を落としました。適正化プランの下で、制度自体は何ら変更していないにもかかわらず、二十六業務に関する行政解釈が突然大きく変更されました。
 例えば、有名な事件でございますけれども、派遣労働者の方が一緒に働く派遣先の従業員の電話を取っただけで専門業務とは認められず自由化業務とみなされるといった極端な行政指導がなされたことによりまして、企業現場では大変な混乱が見られました。こうした突然の行政解釈変更は、制度を不安定にしただけでなく、行政に対する不信も高めました。
 そもそも、専門性自体が時代につれて変化する中にあって、各地の労働局が業務の専門性に着目して二十六業務に該当するかどうかを判断することには無理があります。実際は、自由化業務を行っているかどうかをチェックして判断するのが実態と言えると思います。このような仕組みは大変分かりにくいものであり、法を遵守する側から、問題が大きく維持不可能と言わざるを得ません。
 第五に、派遣元が講じる雇用安定措置のうち、派遣先への直接雇用の依頼について申し上げます。
 これについては、派遣元から依頼があっても直接雇用する派遣先は少ないのではないかとの指摘があります。
 派遣先企業としましては、意欲と能力の高い方であれば採用したいと考えるのが自然であります。二〇一三年十月十日の労働政策審議会に提出されました厚生労働省の資料によりますと、現行制度におきましても、派遣期間制限の抵触日が到来した対応として、五割以上の派遣先が直接雇用をしています。したがいまして、雇用安定措置を通じたマッチングが成立することは十分期待できると思います。
 他方で、派遣労働者の方が必ずしも派遣されている先で就業したいと希望されるわけではありません。引き続き派遣労働者として就業したいと希望される方もおられますし、中小企業などの場合ですと、是非うちで働いてほしいと申し入れても、派遣労働者の方から遠慮したいと断られるケースも多いと聞いております。
 もちろん、派遣労働者が派遣先での直接雇用を希望した場合に、必ずその希望が実現するわけではありません。派遣労働者と派遣先の間で雇用契約が成立するかどうかは、派遣先と派遣労働者の双方のニーズが合致するかどうかで決まるからです。ただし、派遣元が派遣先に直接雇用の依頼をしたとしても、断られるだけであって意味がないとするのはいささか偏った見方ではないかと感じております。
 最後になりましたが、参考人関連資料にございますとおり、経団連は、七月十四日に、日本商工会議所、経済同友会との連名で、「労働者派遣法改正案の早期成立を求める」という要望書を出させていただきました。経済三団体の一員として、現行制度の改善に資する改正法案の早期成立を是非お願いしたいと存じます。
 簡単ではございますが、今回の改正法案への指摘に対する考え方を中心に申し上げました。
 御清聴、誠にありがとうございました。
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丸川珠代#6
○委員長(丸川珠代君) ありがとうございました。
 次に、安永参考人にお願いをいたします。安永参考人。
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安永貴夫#7
○参考人(安永貴夫君) ありがとうございます。
 日本労働組合総連合会、連合の副事務局長をさせていただいております安永でございます。
 本日は、このような機会を与えていただいたことに感謝申し上げます。
 私は、加盟組合員約六百八十二万人はもとより、全ての働く人たちの雇用と暮らしを守る取組を日々行っております立場から発言をさせていただきたいと存じます。
 まずは、基本的な見解を申し上げます。
 本法案は、労働者派遣制度の二つの世界標準であります臨時的、一時的業務に限ること及び均等待遇の両方を満たしておりません。したがって、派遣労働者の低処遇を放置したまま常態的間接雇用法制を実質的に導入するものであります。このことは、企業にとって安くて使い勝手の良い派遣労働を一層拡大させようというものであり、我が国の雇用の在り方に重大な悪影響を与えることから、反対であることをまずは申し上げます。
 衆議院の審議におきましても、雇用安定措置について実効性が全くないこと、また、現在、専門二十六業務に従事している派遣労働者が既に雇用打切りを予告されていることなどの実態が明らかにされております。
 雇用労働者のうち非正規労働者が四割近くになってしまっている実態の中で、これ以上、低賃金、不安定雇用の労働者を増やすことはGDPの約六割を占める個人消費の低迷につながり、経済の好循環にもブレーキとなることは明確であります。今取られるべきは、一人でも多くの労働者を安定した雇用に誘導する政策であるということを申し上げて、資料を使って具体的内容について述べたいと思います。
 それでは、私が提出しております資料の右下の番号に沿って御説明をさせていただきたいと思います。
 まず、スライド一以降の労働者派遣の現状と問題点について申し上げます。スライド二を御覧ください。
 釈迦に説法の点も多くございますが、話の流れもございますので御容赦をお願いしたいと思います。
 労働者派遣は、元々、労働者供給事業を禁止しております職業安定法四十四条の例外として認められたものです。戦後長らく禁止されていたことの例外なのです。その考え方の下、一九八五年の制定時には、専門知識等を必要とする十三業務に限定されておりました。その後、一貫して規制緩和の流れで法改正が行われ、一九九九年には対象業務を五つの業務を除き全て自由化するという抜本的改正が行われ、二〇〇三年には製造業務も解禁されています。まさに、小さく産んで大きく育てられてきてしまったわけでございます。
 スライド三です。今申し上げた規制緩和によって労働者派遣が拡大しましたが、二〇〇八年、リーマン・ショックの影響などで、いわゆる派遣切りが派遣労働者を直撃しました。日比谷公園に年越し派遣村ができました。僅か六年半前の話です。このような社会状況の中で、二〇一二年に初めて派遣労働者の保護の方向にかじを切った法改正が行われました。
 この背景には、二〇〇八年の自民党、公明党による与党新雇用対策に関するプロジェクトチームが取りまとめた提言がベースにあり、その後の民主党政権下で自民党、公明党との修正協議を経て実を結んだものでございます。
 スライド四のとおり、前回の改正により、派遣労働者の雇用安定と処遇改善に向けた取組が一定の前進を果たしております。
 スライド五です。左の逆三角形が派遣です。派遣という働き方は、雇用責任、使用者責任が曖昧になり、派遣労働者の保護に問題が起きやすい実態がございます。労働者の権利も行使しづらく、私どもへ、生活費を賄う収入を得られない、せめて通勤費を支給してほしい、派遣というだけで社会に認めてもらえないといった切実な声が多く寄せられております。
 スライド六です。リーマン・ショックのときの状況を見てみましても、雇用が不安定であることは明確でございます。派遣先との派遣契約が中途解約された場合では、派遣元での雇用が継続したのは僅か一〇・九%しかなく、離職が八三・四%、うち解雇が八六・二%にも上ったのでございます。
 しかも、スライド七で明らかなとおり、派遣元で無期雇用であっても解雇されております。合理的な理由と社会的相当性が必要とされる解雇事由に該当しない違法な解雇が横行しました。雇用が不安定であることと、そういう処遇が低いということは、無期雇用であろうが有期雇用であろうが関係がないというのが実態でございます。
 スライド八に問題点をまとめてみましたので後に御覧いただければと思いますが、雇用の不安定、低い処遇を中心に多くの問題点がございます。以下、個別に申し上げます。
 スライド九は、処遇の低さを示しています。一番上の正社員は年齢や経験とともに処遇が上がっていくいわゆる賃金カーブを描いていますが、派遣労働者はカーブを描かず低空飛行、一直線になっております。しかも、ボーナスはおろか、通勤費さえもほとんど支給されていません。
 スライド十は派遣労働者の賃金の分布でございますが、七五%が年収三百万円以下であるとともに、無期雇用だろうが有期だろうが水準は変わらないことが分かります。
 スライド十一は、派遣料金と賃金の関係を示しております。Mとしておりますのは、派遣料金と派遣労働者の賃金とのギャップ、マージン率でございます。派遣労働者の賃金は、外部労働市場における派遣料金に大きく影響を受けます。特定労働者派遣、いわゆる常用雇用でも、平成十六年と十九年を比較すると、派遣料金も賃金も二割程度減少しております。しかしながら、マージン比率は一定の割合で取り続けております。
 スライド十二はアンケートの結果で、派遣労働を選んだ理由を聞いておりますが、四割近くが正社員として働きたかったが職が見付からなかったためとしており、最初から不本意という状況でございます。
 スライド十三は、同じアンケートでの今後の働き方についての質問ですが、派遣労働者の六割以上が正社員として働きたいと答えております。②の方は事業所経由で調査したもので、したがって、バイアスが掛かっていると疑われる調査結果ですが、それとて四割以上でございます。
 スライド十四以降に連合の考え方を示しました。
 スライド十五で、派遣労働は臨時的、一時的な労働力需給調整であるとの位置付けを堅持して、実態として常用代替を防止すべきです。そのためにも、専門業務は今日的な内容に絞り込んだ上で、業務区分による期間制限を維持すべきです。また、同時に、均等処遇の実現、実効あるキャリアアップ措置などの派遣労働者の保護を図る派遣法とすべきでございます。派遣労働者を保護することは、低賃金のまま派遣を続けられるようにすることではありません。
 スライド十六及び十七で詳細を記述しておりますので、後に御覧いただければ幸いでございますが、臨時的、一時的であることは、それから均等待遇であることは、EUを始め韓国、中国でも法で定められており、言わば世界標準でございます。経営者の皆さんからよくイコールフッティングを言われますが、こういうときは余り言われないのが不思議でございます。
 スライド十八では、均等処遇をイメージ図で示しております。EU型と韓国型の説明もしておりますが、本来、労働力の需給調整のメリットを享受することが目的であるとすれば、それに伴うコストは派遣先が負うべきであり、均等待遇一〇〇にマージンを例えば三〇を上乗せすることにより、必然的に、派遣を活用すれば直接雇用よりも高く付く、一三〇になって当然だという考えになります。労働者派遣法の制定はそういうイメージで議論をされてできたはずですし、実際にEUなどはそのようになっております。それでも派遣先にとっては労働力の需給調整のメリットはあるはずでございます。
 十九スライドでは、実効あるキャリアアップ措置をまとめております。また、派遣先の団体交渉応諾義務の明確化でございますとか、派遣先労働組合等がしっかり関与できる仕組みの構築を求めております。
 二十スライドからは、これまでの問題点を踏まえた上で、今回の改正法案についての評価です。
 まず、派遣は臨時的、一時的な働き方という原則が骨抜きになっております。文言では考慮するとしながらも、従来設けられておりました最長三年の期間制限を撤廃しております。雇用安定措置は実効性が全くありません。特に②の新たな就業機会の提供は、労働市場での需給調整機能を担っている派遣会社なら当然の本来業務でございます。処遇改善策も、配慮義務では全く実効がありません。均衡を考慮したことを労働者に説明するだけでは私が妻に言い訳するのと同様でございまして、しかも均等でなく均衡です。バランスを取ることも配慮義務でしかありません。この条文から、どうしたら労働者の処遇改善につながるのでしょうか。
 二十二スライドは、期間制限が撤廃されることを説明した図でございます。これについては省略をさせていただきます。
 二十三スライドは、問題点の続きです。登録派遣のままで、キャリアアップ措置も派遣元、派遣先共本気でやるかどうか疑問です。正社員化の促進も、教育訓練の内容が大きく後退していることや、直接雇用申込義務が削除されており、促進するという根拠がありません。
 立法のプロセスにも問題がございました。労政審の論議に使用者側のオブザーバーとして出席をされた直接の利害関係者である派遣業界団体の方が使用者側意見の五割以上発言されるという異例な事態でございました。派遣業界団体が当時の厚生労働大臣に要請して出席がかなったと聞いております。
 それから、今回の閣法提出に当たって、自公の政調会長合意に基づく修正内容については労政審の論議を経ていないことも問題でございます。また、過去の改正が施行日から最低でも五か月ありましたが、今回は、業務区分を廃止するという派遣法制定以来の大改正にもかかわらず、施行日まであと十日しかありません。新聞情報では修正案の記述もございますが、それとて僅か一か月でございます。
 二十四スライドは、十月一日施行される労働契約申込みみなし制度でございますが、時間の関係で説明は省きたいと思います。
 以上、本法案の問題点について申し上げました。
 最後に、本法案は、臨時的、一時的及び均等待遇の両方を満たしておらず、生涯派遣で低賃金の労働者を増やし、経済成長、少子化、社会保障などなどに悪影響をもたらすものであることを御指摘申し上げ、再度反対の意を表し、連合としての意見といたします。
 ありがとうございました。
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丸川珠代#8
○委員長(丸川珠代君) ありがとうございました。
 次に、関口参考人にお願いをいたします。関口参考人。
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関口達矢#9
○参考人(関口達矢君) よろしくお願いいたします。全国コミュニティ・ユニオン連合会、通称全国ユニオンの事務局長をしております関口と申します。
 本日は、このような発言の機会を与えていただき、ありがとうございます。
 私からは、今回の法案の反対という立場の下に、私どもの労働組合、ユニオンに寄せられている相談事例、あるいはNPO法人の派遣労働ネットワークが行った調査などを基に、現在派遣労働者が置かれている現状についてお話をさせていただきたいと思います。
 私の方で用意させていただきました資料、一枚表紙をめくっていただきたいと思います。
 これは、派遣労働者の労働契約期間と通算の就労期間について尋ねたものです。就労期間が一年未満という派遣労働者は二七%。その一方で、ほとんどが一年以上就労しています。三年以上という長期の勤続者も三割近くいます。しかし、その一方で、現在の労働契約期間を見ると、三か月から六か月未満というのが三〇%で最も多くなっています。実際に必要な期間よりも契約期間を短くする、いわゆる細切れ雇用が多くなっているということが分かると思います。
 なぜ、仕事が長期間なのに契約期間は細切れ化するのか。これについては、更に一枚めくっていただきたいと思います。
 派遣労働ネットワークの調査では、派遣で働いていて今後も契約が継続すると思っていたにもかかわらず、突然雇い止めをされたという経験がある派遣労働者が三一%というデータになっておりまして、その原因は派遣先にあると回答した回答が、こちらにあるとおり、七六%になっています。
 この数字を見たときに、私は、以前、全国ユニオンに加盟する派遣ユニオンで交渉に参加した派遣先の担当者の言葉が思い浮かびました。この担当者は、その交渉の場で、なぜ派遣労働者を増やすのですかという質問に対して、派遣はいつでも切れるから増やすんだということをおっしゃったと言います。これは多くの派遣先の企業の本音であるというふうに解釈せざるを得ません。
 その他のユニオンにも多くの相談が寄せられております。二ページめくっていただいて、相談事例、こちらは、私、日常的に仕事をしております東京ユニオンに寄せられた最近の相談事例を御紹介させていただきました。
 ①から⑤までは雇い止め、解雇の事例になります。解雇通告を忘れていたというような事例もあるほか、あるいはセクシュアルハラスメントやいわゆるマタニティーハラスメントに該当するような事例もあります。生理休暇、有給休暇など、法律で保障されているはずの権利を行使したことをきっかけにして仕事を失っているというようなケースも多数あります。まさに物扱いをされている現状が浮かび上がってくると思います。
 さらに、労働者派遣法が強く疑われる事例もあります。この中の⑨ですね、これは事前面接が行われた事例です。
 こちら、一ページめくっていただいて、本来であれば事前面接は法律で、派遣法で禁止されているはずなのですが、非常に多くの場合でこの事前面接が行われている実態にあります。
 さらに、こちら、事例の中の④のように、紹介予定派遣の悪用というんですかね、脱法的に使っているというようなケースも相談の中にはありました。
 しかも、事例の⑩、⑪で見られるように、いわゆるワーキングプアであり、さらに、こちら資料戻っていただいて、時給平均はダウンというような形で表題を付けさせていただいておりますが、平均時給は、私どもの派遣労働ネットワーク、NPO法人の派遣労働ネットワークの調査ではダウンをし続けているというような状況になっております。
 もう少し詳細に事例を御紹介させていただきたいと思います。最後のページを御覧ください。
 これは、ある四十代の派遣労働者がある集会の場で発言したときの内容の抜粋になります。正社員であったときに比べ賃金は下がり、交通費、ボーナス、退職金も支給されません。契約書では専門の二十六業務のOA機器操作とされていましたが、実際の業務は、確かにコンピューターは操作しますが、いわゆる専らコピペと言われるような作業と読み合わせの校正という形で、全く専門性はありませんでした。派遣先は、言わばこのような形で専門性を装うことで、原則一年、最長三年を超えて長期間にわたって派遣労働者を使用し続け、七年後に都合が悪くなった途端に職場から排除するということを行ったわけです。
 実は、この間に、この七年間の間に適正化プランが実施されておりますが、この適正化プランを言わばごまかすために、仕事は全く変わっていないにもかかわらず、契約書などはその適正化プランに対応するような形で書き換えるというような、極めて脱法的、違法性の高いことをやっている、そのような相談の事例も私どものところには多く寄せられているところです。
 ちなみに、この派遣労働者は東京ユニオンに加盟しまして、派遣先に対して団体交渉の申入れをしました。しかし、派遣先は、直接の雇主でないということを理由に、私ども労働組合が求めた団体交渉を拒否しました。残念ながら、多くの場合、派遣労働者を雇い入れることも排除することも派遣先が決めているにもかかわらず、派遣先に対する団体交渉権は極めて限定的にしか認められない傾向にあります。
 このような現在の派遣制度は、多くの問題点と矛盾を抱えています。改正が必要であるということに異論はありません。しかし、今回提出されている改正案は、現状の問題点に応えていないだけでなく、むしろ問題点を助長し、増幅し、矛盾を拡大するものだというふうに言わざるを得ません。そもそも改正案では、常用代替を防止すると言いつつ、制度を分かりやすくするということで有期と無期で扱いを分けていますが、いずれも派遣先は期間の定めなく派遣労働者を受け入れることができる、使用することができるということで共通しています。
 このように、期間の定めなく派遣労働者を受け入れることができることと、臨時、一時的ではなく、期間の定めもなく派遣労働者を受け入れることができること、常用代替を防止すること、この二つは相入れずに矛盾するものです。正社員から派遣労働者への置き換えがより促進されていく、その置き換えることに対する制限が全くなくなっていく、必然的に正社員がどんどん派遣労働者に置き換わっていってしまうということが懸念されます。
 また、改正案では、濫用の歯止めとして三年ごとに派遣先の過半数労働組合又は過半数労働者の意見を聴くとしています。しかし、いつの時点でどのように意見を聴くのか、聴いた意見の結果、派遣労働者を始めとしてどのようにその職場の中で開示されていくのか、そういったことに対する不明な点が多く、非常に実効性に疑問が残ると言わざるを得ません。
 一部では、労働契約法の五年を超えたときの無期転換権が発生するということをもって結果的に無期になるじゃないか、派遣元であるけれども、結果的に派遣労働者は無期になるんだから雇用の安定はするんじゃないかというような意見も聞かれるところではありますが、私ども全国ユニオンが厚生労働省と意見交換を行ったときに、この労働契約期間の無期転換権が発生するということを理由にして雇い止めを行った場合、それは労働契約法に違反するんだということの趣旨を明確にしてほしい、通達なりで明確にしてほしいということをこの意見交換会のときに厚生労働省に申入れをしたのですが、厚生労働省の担当者はできないというふうに回答しています。これは、無期転換権が発生すると面倒なので三年で雇い止めにしますと現在の派遣労働者が言われたとしても、それは違法にはならないと厚生労働省が言っているに等しいものです。これでは雇用の安定にはなりません。
 また、改正案では、派遣期間終了時の派遣労働者の雇用安定措置として、派遣先への直接雇用の依頼、あるいは新たな派遣先の提供、派遣元での無期雇用などを挙げています。しかし、派遣先への依頼ということでは極めて弱く、私どもの相談の中では、派遣先が派遣労働者を直接雇用したいということで申入れをしたら高額な紹介手数料を取られて、結局その派遣先に雇用されるという話自体がなくなってしまったというような事例も相談の中では寄せられています。
 さらには、こちら参考資料の中にもありましたが、派遣労働者を正社員にするという制度があるという派遣先は一三・〇%、さらに、実際に派遣労働者を正社員にしたというのは一・三%しかありません。
 ちなみに、先ほど紹介しました三か月の契約を更新し続けて七年間働き続けて雇い止めになった派遣労働者に対しても、派遣先は新たな就業の機会を確保しております。紹介はしました。しかし、紹介されたのは倉庫内でのピッキングですとかこん包などのいわゆる力仕事がメーンになるような仕事でした。彼女は事務で三か月の契約を更新して七年間働いていたにもかかわらず、このような仕事を紹介しているわけです。
 今回の改正案では、このような言わば適性やキャリアを無視した派遣先の提供についてどう判断されるかということが全く分からず、歯止めになりません。
 また、改正案では派遣元での無期雇用も挙げています。しかし、先ほど来の資料でも御紹介されております、参考資料の中の三百二十四ページから三百二十五ページでも紹介されておりましたが、リーマン・ショック後の稼働者数は特定派遣労働者でも多く減少しており、派遣元での雇用の無期化はそのまま雇用の安定につながるという保障は全くないと言わざるを得ません。参考の資料の三百五十二ページ以降でも御紹介をされておりますが、七割の派遣労働者が雇用の不安を抱えていて、また、三百五十四ページの中では、八割以上の派遣労働者が正社員で働くことを希望しております。にもかかわらず、皆さん派遣で働いている。これは言わば多様な働き方ではなくて、多様な働かせ方になっているとしか考えられません。
 残念ながら、今回の改正案は、こうした派遣労働者の声に応えていないだけではなくて、現在の様々な問題点を放置し、さらには増幅し、増加させていく、新たな問題を更に生み出す可能性すらあるというふうに考えています。さらに、派遣労働者の排除を決めたはずの派遣先に対して、本来憲法で保障されているはずの団体交渉権すら極めて制限されている、この状況については全く放置されたままです。
 残念ながら、今回の改正案は、派遣労働者を無視して、派遣元と派遣先のためだけに改正しよう、変えようとしているとしか考えられません。真の意味での派遣労働者のための改正を実現していただくことを切にお願いしまして、私のお話は終了させていただきます。
 どうもありがとうございます。
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丸川珠代#10
○委員長(丸川珠代君) ありがとうございました。
 以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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羽生田俊#11
○羽生田俊君 自由民主党の羽生田でございます。
 今日は、四名の参考人の方々、天候も悪い中、この委員会に来ていただきまして、大変ありがとうございました。
 それぞれの立場からいろいろな意見を聞かせていただいて、大変参考になったというふうに思っております。
 まず初めに、いわゆる労働派遣法のポイントというのは、派遣元があって、派遣先があって、そこに派遣労働者というものがどういう位置付けになるかということが一番の問題であろうというふうに思うわけですけれども、今回の改正について、今いろいろなお話も既に出ましたけれども、改めてこの三者の関係から今回の改正案について一言ずつ御意見をいただければというふうに思いますので、鎌田先生からお願いをいたします。
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鎌田耕一#12
○参考人(鎌田耕一君) 今委員御指摘のとおり、労働者派遣制度というのは、派遣元、派遣先、派遣労働者の三者の関係から成り立っておるということで、大変そういう意味では特徴的な雇用関係と申せると思います。その中で、この三者をそのまま三者関係として法的に取り扱うわけではなくて、派遣元と派遣労働者の労働契約、そして派遣先と派遣元の労働者派遣契約という二つの契約関係で構成をしております。
 そこに、派遣労働者の保護という観点から申しますと、幾つかの問題が出てくるわけであります。なぜかと申しますと、労働者派遣契約は民事契約でありますので直接には労働法の適用はないという中で、ところが、これが労働契約関係にも影響を与えるということでございます。こういった制度の特徴を踏まえながら、どう派遣労働者の雇用の安定を図って、そして処遇を改善していくかということで、様々な工夫をしているわけでございます。
 今回、キャリアアップの措置を強化をするということで、本来、キャリアアップというのは個々の事業主の判断とそれから労働者の希望に沿ってやるものでありますけれども、そうしたところを非正規の中で、特に派遣については難しい問題があるということで非常に様々な法的な義務を課しているということから、一定の前進があるのではないかというふうに思っております。
 以上です。
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高橋弘行#13
○参考人(高橋弘行君) この三者の関係を包含する労働者派遣法につきましては大変分かりにくい複雑な法体系となっておりまして、元、先、派遣労働者にとりましても非常に分かりにくい制度となっております。
 今回の改正法案は、専らこの分かりにくい複雑な制度を分かりやすい制度へ変換する、改正するという観点から形作られたと考えておりますので、三者双方にとりまして利益の多い内容となっているというふうに考えております。
 以上でございます。
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安永貴夫#14
○参考人(安永貴夫君) ありがとうございます。
 派遣という働き方は、先ほどの説明でも申し上げましたが、雇用者と使用者が違うということで、雇用責任と使用者責任が曖昧になりがちでございます。しかも、実際に働いている人と雇用している人、それから使用している人の関係が希薄になりやすい。派遣先で、名前で呼ばれるのではなくて派遣さんと言われているような実態も派遣労働者の皆さんから訴えられているところでございます。
 したがって、私どもとしては、これは例外的な働き方、臨時的、一時的な働き方であるということにすべきだというふうに思っておりますし、一方で、そういう機能を持っておりますので、全ての派遣ということを否定しておるわけではございません。ただし、それらについては均等原則でやるべきだというふうに思っております。
 以上です。
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関口達矢#15
○参考人(関口達矢君) 言わば派遣元にとって派遣先というのはお客様であります。非常に立場的に派遣先の方が強くなっている。様々な無理無体が言われたとしても、派遣元はそれに対して言わばノーとすごく言いにくい状況になっている。その中で、そういった矛盾を派遣労働者に全て押し付けられているというような実態もあるというふうに思っております。
 派遣先に対する規制をもっと強化していかない限り、この三者の関係というのはこのような形で極めてゆがんだ状況の中で放置されていくというふうに考えざるを得ないというふうに思っております。
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羽生田俊#16
○羽生田俊君 ありがとうございました。
 今回の改正というものが、十分ではないけれども前進が見られるというようなことも今のお話の中にもございましたけれども、最後に関口参考人からは、派遣元に対して派遣先はお客さんであるということからいろいろ問題が起きるというようなお話もありましたけれども。
 一つ高橋参考人にお聞きしたいんですけれども、マージンのことについて、これがどのようになっているのか。先ほどマージンのお話がちょっとありましたけれども、いわゆる派遣先からマージンを全然、別に上乗せした形で払うということであれば労働者に対してのマージンの問題がないというふうに思うんですけれども、現実はそうでないというふうに思うんですが、このマージンというものがどういうふうになっているのか、その辺のマージン率に関する説明責任、こういったものをどのように果たしていくべきなのかという点について少しお話しいただければというふうに思います。よろしくお願いいたします。
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高橋弘行#17
○参考人(高橋弘行君) 御質問ありがとうございます。
 まず最初に申し上げたいことは、マージンという言葉について一部誤解が見られるのではないかというふうに考えております。ともすると、マージンというとピンはねされたものというような誤解がありまして、すなわち派遣会社の利益だと、契約料金から派遣労働者に対する賃金を引いたものは全て丸々派遣会社の利益であるというような誤解があるように感じております。
 マージンの中には、これから改正法案で強化されてまいりますキャリアアップ措置に対する費用も含めまして、あるいは福利厚生費用、あるいは派遣労働者の育休代替者のための必要な経費など、様々な経費なども含まれたものであります。そうしたものでございますので、丸々派遣会社の利益ということではないというふうに思います。ちょっと正確な数字は失念いたしましたけれども、日本人材派遣協会の加盟会社の統計では、いわゆるマージンの中に占める派遣会社の純粋な利益部分というのは非常に些少なものであったというふうに記憶しているところでございます。
 また、今回の改正法案が成立した場合は、派遣会社といたしましては、計画的な教育訓練の実施、様々なキャリアアップに資する制度などを許可要件としてまいりますので、様々な費用が今後発生してまいります。そうした費用も含めまして、派遣契約料金の中でそうした必要な経費も賄っていくということでございますので、是非その辺り、企業規模とか派遣会社の規模とか、雇用される派遣労働者によってマージンは異なり得るものでありますので、一概にこのようなものであるというふうな説明は非常に難しゅうございますけれども、是非その辺り御理解いただければと思います。
 以上でございます。
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羽生田俊#18
○羽生田俊君 ありがとうございました。
 二十四年の法律改正でもその割合というものを公表しなければいけないというふうになっていると思うんですけれども、その辺がどのくらい実行されているかどうかというところもあると思いますので、その辺は十分、いわゆる派遣労働者の方々にやっぱり周知をしていかなければいけないというふうに思っているところでございます。
 時間が来ましたので、以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
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津田弥太郎#19
○津田弥太郎君 民主党の津田弥太郎です。
 本日は、四人の参考人の皆様、御多忙の中、国会にお越しいただきまして、ありがとうございました。
 早速、連合の安永参考人にお尋ねをさせていただきます。
 これまで本委員会の議論におきまして最も大きな論点が、職場への派遣労働者の受入れに関して労働組合の関与が意見聴取のみにとどまっているということ、これでは実効性がないのではないか、先ほど皆さんも御指摘をされましたが、これが大きな論点でございます。連合というまさに労働組合の当事者の立場として、この点に関する見解をまずお聞かせいただきたいと思います。
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安永貴夫#20
○参考人(安永貴夫君) ありがとうございます。
 私どもは、常用代替防止という観点から臨時的、一時的だということを御主張させていただいておりますし、いずれ直接雇用にするための契機というか、そういうチャンスが制度の中に必要だというふうに考えております。したがって、派遣先の労働組合の役割、責任というのは重たいというふうに思っております。
 ただ、この手続として、組合が何度反対しても受入れを止めることができないということは非常に悔しいといいますか、残念な内容であるというふうに思います。ドイツでは、受け入れる前に、事業所委員会の労働者側の反対によって派遣労働の受入れを拒否できます。労政審においても私どもはドイツ方式を主張いたしましたが、中小企業ではハードルが高いとか経営権の制約になるとかいって全く取り入れていただけませんでした。
 派遣が臨時的、一時的であるという考えであれば、せめて、例えば意見聴取で二回にわたり続けて反対すれば受入れを止めるなどの仕組みを入れるべきだ、そのように思っておりますし、それから、残念ながら私どもも努力の足りないところもありまして、組織率が低いというところでありますと過半数代表者の三割は事業主が指名をしている、それから一割強が社員会、親睦会の代表者というような状況でございますし、そのようなことを考えても、単なる意見聴取ということでは私どもは足りないというふうに思っております。
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津田弥太郎#21
○津田弥太郎君 大変重要な指摘をいただきました。私はこの点が今法案の最大の欠陥だというふうに考えております。
 続けて安永参考人にお尋ねをします。
 今回の改正案において政府が最大の目玉としてPRをしているのが、全ての派遣会社を許可制にするということでございます。連合は、登録制の廃止について、率直にどういう見解をお持ちでしょうか。
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安永貴夫#22
○参考人(安永貴夫君) 許可制については賛成でございます。
 そもそも届出制の特定事業の方は、資産要件がないといったことに併せて、雇用管理経験三年以上とか派遣元責任者講習を三年以内に受講するとかいう派遣元責任者についての要件が掛かっていません。そのため、派遣法でありますとか労働法全般の枠組みがよく分かっていらっしゃらない経営者が参入する可能性が高いということでございまして、行政処分件数を見ても、改善命令件数が一般に比べて四倍というふうになっている状況もございます。したがって、許可制への全面移行は、事業者の適格性を厳しく考えていくという趣旨と理解をしておりまして、賛成でございます。経過措置などを付けて特定労働者派遣事業が全てそのまま許可制業者になれるようなことなどはあってはならないというふうに思っております。
 また、事業規模を問わず資産要件を一律とすべきでございますし、労働者派遣事業の初回の許可の有効期限を現行の三年から短縮して、例えば一年として、その後の更新に当たっても労政審でしっかりと審議をして厳格な審査を行っていくべきだというふうに考えております。
 以上でございます。
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津田弥太郎#23
○津田弥太郎君 適切な指摘、ありがとうございました。
 もう一問、安永参考人にお尋ねをいたします。
 平成二十四年、私どもが政権のときの改正の目玉でありました労働契約申込みみなし制度が本年十月一日に施行されようとしているわけでございます。この制度は労働者保護に極めて大きな意味合いを持つものでありますが、連合としてどのような点に留意をすべきとお考えでしょうか。
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安永貴夫#24
○参考人(安永貴夫君) ありがとうございます。
 私がお示しをしました、説明をしませんでしたが、二十四スライド、最終ページがございます。ここに心配な点について書かせていただいております。
 この制度は、違法派遣であった労働者の雇用安定を図る制度として、今先生御指摘のとおり、労働者保護を強化する重要な制度でございます。ただ、この制度には、違法派遣が行われていてみなし制度が適用される状態にあることを本人が知らないという可能性が出てまいります。それを本人以外の同僚がそのことを訴えて、それで勝ったとしても、労働契約期間が終了してしまう可能性がある、知らないまま終了してしまう可能性があるという問題があります。したがって、派遣労働者に対して同制度の適用となることを通知する義務を派遣先に負わせなければこれが実効あるものにはならないんではないか、そのように思っておりますし、それから、現在の派遣元との契約の属性が継承されなければ意味がないというふうに思います。派遣先との労働契約が成立しても、短期間で雇い止めにされたのでは元も子もないということになりますので、派遣元で契約していた属性が継承される仕組みにしなければならないというふうに思っております。
 以上です。
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津田弥太郎#25
○津田弥太郎君 ありがとうございました。
 次に、関口参考人にお尋ねをしたいと思います。
 私は参議院の本会議で安倍総理に対して、今回の派遣法改正案について派遣労働者に直接話を聞いたかということを彼に質問しました。総理の答弁は、四人の方から厚生労働大臣がヒアリングを行い、そのうち二人から賛同のコメントを得たというものでございました。四人に聞いて二人が賛成したということですから、政府としては派遣労働者の五割は今回の政府案に賛成しているのだということを暗に示しているのだというふうに思うわけであります。
 関口参考人は、派遣労働で働く当事者に寄り添い、日々支援を行っておられるわけですが、派遣労働者の五割が法案に賛成しているという安倍総理の答弁に対し、そのような実感を日々の活動の中でお持ちかどうか、お聞きをします。
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関口達矢#26
○参考人(関口達矢君) 全くそのようには思えません。ある意味何も、つつがなく派遣労働者、派遣として働いている人も中にはいると思います。しかし、派遣労働者の保護ということについては、現状の制度、改正案も残念ながらそういう内容になっておりますが、非常に脆弱な制度ですので、何か事があったときに全く自分が保護されていない状況なんだということを改めて皆さん知るわけですね。とか、いろいろな今回のような改正の内容が出てきたときに初めてそういうのを知って非常に愕然とするというような状況になっているのではないかというふうに思っております。
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津田弥太郎#27
○津田弥太郎君 ありがとうございました。
 高橋参考人、ちょっと嫌なことを聞きます。
 労働者派遣法の生みの親といえば信州大学の高梨名誉教授でございます。高梨教授が二〇〇九年一月のインタビューでこのように申されています。労働側との財界側の窓口であった日経連が経団連に統合されて日本経団連になって駄目になる、日経連には労働問題をやっていたプロパーの方がいたんですが、統合でそういう人は日本経団連に残りませんでしたから、財界に労働問題の理解者がいなくなってしまったんですと、こういう発言を高梨名誉教授はされているわけであります。
 経団連御出身の高橋参考人としては耳が痛いわけでありますが、率直にその生みの親の高梨先生の指摘をどのように受け止めておられるか、お聞きをしたいと思います。
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高橋弘行#28
○参考人(高橋弘行君) 御質問ありがとうございます。
 その高梨先生の御指摘は正しくありません。私は今労働政策本部の本部長をさせていただいておりますけれども、私の部下は一名を除いて全て旧日経連の出身でございまして、ほかにも旧日経連の職員は多数まだ残っておりますので、その指摘は全く当たっておりません。
 以上でございます。
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津田弥太郎#29
○津田弥太郎君 終わります。
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