法務委員会

2015-05-14 参議院 全214発言

⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

会議録情報#0
平成二十七年五月十四日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月十三日
    辞任         補欠選任
     柳本 卓治君     馬場 成志君
 五月十四日
    辞任         補欠選任
     有村 治子君     二之湯武史君
     馬場 成志君     柳本 卓治君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         魚住裕一郎君
    理 事
                熊谷  大君
                三宅 伸吾君
                有田 芳生君
                真山 勇一君
    委 員
                猪口 邦子君
                鶴保 庸介君
                二之湯武史君
                馬場 成志君
                牧野たかお君
                溝手 顕正君
                柳本 卓治君
                足立 信也君
                江田 五月君
                小川 敏夫君
                矢倉 克夫君
                仁比 聡平君
                田中  茂君
                谷  亮子君
   国務大臣
       法務大臣     上川 陽子君
   副大臣
       法務副大臣    葉梨 康弘君
   大臣政務官
       法務大臣政務官  大塚  拓君
   最高裁判所長官代理者
       最高裁判所事務
       総局総務局長   中村  愼君
       最高裁判所事務
       総局人事局長   堀田 眞哉君
       最高裁判所事務
       総局民事局長
       兼最高裁判所事
       務総局行政局長  菅野 雅之君
       最高裁判所事務
       総局家庭局長   村田 斉志君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        櫟原 利明君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      久保田 治君
       警察庁長官官房
       審議官      露木 康浩君
       総務大臣官房審
       議官       時澤  忠君
       法務大臣官房司
       法法制部長    萩本  修君
       法務省民事局長  深山 卓也君
       法務省刑事局長  林  眞琴君
       法務省人権擁護
       局長       岡村 和美君
       外務大臣官房審
       議官       岡田  隆君
       外務大臣官房参
       事官       鈴木 秀生君
       国税庁課税部長  藤田 博一君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○法務及び司法行政等に関する調査
 (人種差別に対する法規制に関する件)
 (子供のDV被害情報の収集体制に関する件)
 (通信傍受法におけるメール受信に関する件)
 (裁判官の人事評価に関する件)
 (外国人等の土地取得問題への対応に関する件
 )
○裁判所職員定員法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
この発言だけを見る →
魚住裕一郎#1
○委員長(魚住裕一郎君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、柳本卓治君が委員を辞任され、その補欠として馬場成志君が選任されました。
    ─────────────
この発言だけを見る →
魚住裕一郎#2
○委員長(魚住裕一郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 法務及び司法行政等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府大臣官房審議官久保田治君外五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →
魚住裕一郎#3
○委員長(魚住裕一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
この発言だけを見る →
魚住裕一郎#4
○委員長(魚住裕一郎君) 法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
この発言だけを見る →
有田芳生#5
○有田芳生君 おはようございます。民主党・新緑風会の有田芳生です。
 今日は、日本の人権状況について、国際基準からどのような現状にあるのかということを中心に質問をさせていただきたいというふうに思います。
 もちろん、法の厳格な解釈、執行を基本としながらも、大臣、副大臣そして政府参考人の皆さんには、人間的に率直なお気持ちについても吐露していただきたいというふうにお願いを最初にしておきたいというふうに思います。
 一番最初にお聞きをしたいのは、昨年の十一月十一日のこの委員会でも質問をいたしましたけれども、北海道の北星学園大学の教師をやっている元朝日新聞の記者とその家族に対する異常で異様な脅迫がいまだ続いているということについてお聞きをしたいというふうに思います。
 昨年の質問では、インターネットを通じてその元朝日新聞記者の娘さんに対して異様な記述が頻繁に書き込まれていました。家族についても、例えば、お父さんは売国奴です、お母さんは密入国朝鮮人の売春婦です、その後に娘さんの名前あるいは写真までが掲示をされて、こいつ死ねばいいのに、この餓鬼にも塗炭の苦しみを与えないとな、一族、血を絶やすべき、自殺するまで追い込もうと、そういうものが去年の十一月に問題としてこの委員会でも問うたわけですけれども、それがいまだ続いている。
 さらには、脅迫状が、例えば一月三十一日の消印で北星学園大学学長宛てに、自筆で全部、脅迫文が来ておりまして、その冒頭には北星学園大学学長並びに教職員一同ということで、非常に長い文面が送られてきました。
 まず、警察庁にお聞きをいたします。この一連の脅迫行為というものは、例えば白い粉がこれまで送られてきたり、あるいは脅迫文が送られてきたり、あるいは検挙者が出たりという経過があったと思いますが、まとめてこれまでの事実をお示しください。
この発言だけを見る →
露木康浩#6
○政府参考人(露木康浩君) お答えいたします。
 お尋ねの件でございますけれども、昨年の五月から今年にかけまして、複数回にわたりまして元朝日新聞記者の方が非常勤講師を務めておられる大学に対して、その元記者を辞めさせなければ危害を加えるなどの脅迫文が送られた事案でありますとか、あるいは昨年十月には、同じような内容の脅迫電話が大学に掛かってきたというものを認知をいたしております。
 脅迫電話の件につきましては、大学の業務を妨害したといたしまして、威力業務妨害罪で北海道警察が被疑者を逮捕いたしております。
 また、その他の脅迫状の件につきましては、北海道警察において現在捜査を進めているものと承知をいたしております。
この発言だけを見る →
有田芳生#7
○有田芳生君 最初にお聞きをしました一月三十一日付けの消印の入っている脅迫文、これについてはどのように認識されていますでしょうか。
この発言だけを見る →
露木康浩#8
○政府参考人(露木康浩君) お答えいたします。
 今委員御指摘の件につきましても、北海道警察において現在鋭意捜査を進めているものでございます。
この発言だけを見る →
有田芳生#9
○有田芳生君 脅迫文、これまで以上にエスカレートしていると私は考えております。脅迫文の最後のところにはこう書かれております。国賊、その下に元新聞記者のお名前があります、の娘である、その下に娘さんのお名前、十七歳ですけれども、その名前があります。必ず殺す、期限は設けない、何年掛かっても殺す、どこへ逃げても殺す、地の果てまで追い詰めて殺す、絶対に殺すと、こういう異常、異様なことがずっと続いている。確かに、一人検挙はされているわけですけれども、こういう事態に対してやはり厳格に、検挙にまで結び付けていただきたいと強くお願いをしたいというふうに思います。
 この脅迫状が来たときに学校もびっくりしました。そして、この元新聞記者もびっくりしました。娘さんに果たして伝えていいものかどうか大分悩んで、伝えていなかった。だけれども、娘さんが学校から家に帰ろうとすると何か自分の近くに変な雰囲気がしたので、じっと観察してみると、パトカーがずっと付いてきている。それでびっくりしてしまって、家に帰ってからお父さんにこういうことがあったんだということを伝えたところ、もうこの脅迫状について語らざるを得なかったという状況があるので、以前、昨年の委員会でも、二人の娘さんがいらっしゃる上川法務大臣、こういう事態についてどのようにお感じになるかということを聞いたところ、大臣は、そのままにおいていてはいけないという思いだと、これは新しい人権侵害であるというふうに答弁なさいました。
 さらに、このように脅迫がエスカレートしているという状況の下で、これは単に刑法二百二十二条の脅迫に当たるというレベルではなく、やはり人間的な感情問題として、十七歳の少女がどれほど社会的に追い詰められていっているかという極めて重要な人権問題だと思いますが、大臣、もう一度お気持ちを、法務大臣の立場として、母親の立場として、お考えを述べていただければと思います。
この発言だけを見る →
上川陽子#10
○国務大臣(上川陽子君) ただいま御質問をいただきました案件ということで、今捜査中という状況もあって、進行しているというそうした事態ということに対して法務大臣としてということでございましたけれども、個別の案件ということになりますとなかなかお答えがしにくいところではございますが、若いこれからの方が今のような形で執拗な脅迫を受けているというようなことについては、これはあってはならないことであるというふうに強く感じるところでございます。
 今の日常生活の中で突然そうした事態に追い込まれたときに、それぞれの方がどんなふうに思っているのかということ、そういう事態に遭遇しないとなかなか分かりにくいことではありますけれども、今お話をいただいた事態については、大変残念なことでもあるし、また、こうしたことがあってはいけないというふうに思うところでございます。
 そういう意味で、こうしたことについて、さらに人権擁護の観点から申し上げましても、絶えず皆さんに寄り添う形で対応していくということが大事であるということを強く感じているところでございます。
この発言だけを見る →
有田芳生#11
○有田芳生君 こういう卑劣な行為に対しては、やはり検挙をするということが抑止力になると思いますので、警察当局の更なる厳正なる捜査をお願いしたいというふうに思います。
 今のケースは個別、元新聞記者、あるいはその御家族、あるいは大学当局の関係者に対する脅迫でしたけれども、しかし一方で、この委員会でも何度もお聞きをしてきましたけれども、いわゆるヘイトスピーチ、差別扇動というのは、特定個人ではなく、集団に対する差別と扇動がずっと行われてきました。
 もう何度も繰り返しますけれども、例えばここ二年、三年前の東京新大久保では、殺せ殺せ朝鮮人、首つれ毒飲め朝鮮人、あるいは新大久保を更地にしてホロコーストをやるぞ、あるいは大阪の鶴橋では、鶴橋大虐殺をやりますよ、十四歳の少女が叫ぶ、大人たちがそれに、そのとおりだと言って唱和する、共感をする、そういうことが続いてきたわけですけれども、それが社会的な批判が広がりつつある、法務省の啓発なども含めて努力をしていただいているということは十分に承知をしているんですけれども、ずっと続いているんです。この五月十日には神戸で同じようなデモがありました。そして、五月十七日、今度の日曜日には秋葉原でそういう集会、デモが準備をされております。
 皆様方にお示しをした資料の写真の下を見ていただきたいんですけれども、「ヘイトスピーチ、許さない。」これは、法務省の啓発の中でポスター、リーフレットを作ってくださり、さらには神戸の法務局では建物にこれだけ大きな「ヘイトスピーチ、許さない。」という垂れ幕が掲げられて、神戸に住む外国人あるいは差別と扇動に反対する人たちには物すごく大きな励みになっているわけですけれども、まず人権擁護局長に伺いたいんですけれども、こういう取組、これは神戸の法務局の独自の努力ということで理解してよろしいんでしょうか。
この発言だけを見る →
岡村和美#12
○政府参考人(岡村和美君) 神戸の地方法務局が、独自に創意工夫で地域の実情に応じた啓発活動として提案したものであります。
この発言だけを見る →
有田芳生#13
○有田芳生君 じゃ、人権擁護局長あるいはその周りの方々から、こういう形でこれからも進めていこうよという、そういう提案されたというわけではないんですね。
 それから、そういった独自のイニシアチブでヘイトスピーチ許さないというものを広げていってもらうという、そういう方針をお出しになる予定はないでしょうか。
この発言だけを見る →
岡村和美#14
○政府参考人(岡村和美君) 常日頃から地域の実情に応じた啓発活動を工夫するように法務省から各法務局、地方法務局には指導しているところですが、今回の件につきましては、「ヘイトスピーチ、許さない。」というポスターを作り、各地で工夫してその地での啓発活動に力を入れるようにと指示をしたところですので、法務局の外壁に掲示するという提案については、神戸の地方法務局からこういうことをやりたいという連絡がありまして、法務局の考えどおりにやってくださいということで、各地でそれぞれ工夫して啓発活動は進めております。
この発言だけを見る →
有田芳生#15
○有田芳生君 五月十七日、千代田区ですけれども、秋葉原で午後やはりヘイトスピーチデモが準備をされております。その目的というのは、秋葉原地域というのは、今御存じのように中国人の方々が観光客としていっぱい来ていらっしゃる。そこで外国人排斥というデモが準備をされております。
 私は、昨日、千代田区役所に行って、こういう差別扇動デモについては厳格な対処を毅然として行っていただきたいという申入れを行いました。そのとき、千代田区役所に行きますと、この「ヘイトスピーチ、許さない。」というポスターが大きく貼られていて、やはり物すごく目立つんですよね。だから、そういう方向はもっと強めていただきたいということが一点。
 そして、もう一つ、この千代田区というのは、自民党から公明党さん、それから民主党、全会一致でヘイトスピーチ対策の検討を求める意見書というものが三月十一日に採択されました。それは安倍晋三内閣総理大臣宛てと上川陽子法務大臣宛てに送られているというふうに思います。
 そこでも明らかになっておりますように、やはり日本は、昨年八月、スイスのジュネーブで行われた人種差別撤廃委員会の日本勧告、それに基づいてもっと差別問題について対処すべきだということが一点。さらには、京都朝鮮学校襲撃事件についての最高裁の決定が行われましたから、そういうものを踏まえて、我が国の品位と名誉が傷つくことのないように、国においても法整備を検討することを求めるという意見書なんです。こういう意見書は、全国各地、東京の国立をきっかけにしまして広がっておりますけれども、今、百近くの地方自治体で国に対して新しい対応をすべきだという意見書が採択をされました。
 そこにありますように、人権擁護局長にお聞きをしたいんですけれども、ヘイトスピーチについては現行法では対処できないですよね。ならば、どのようにこれから対処されようということをお聞きしたいと思うんです。
この発言だけを見る →
岡村和美#16
○政府参考人(岡村和美君) 御指摘のような、ヘイトスピーチと言われるような言動への対応としては、現行法の適切な運用を行うとともに、社会全体にこのような言動が許されないとの認識を醸成することが重要であると考えております。
 こうした観点から、法務省の人権擁護機関では、平成二十六年十一月からヘイトスピーチに焦点を当てた啓発活動を開始しているところですが、今後も状況を注視しながら、引き続き、粘り強くかつ地道な啓発活動を着実に実施してまいる所存でございます。
この発言だけを見る →
有田芳生#17
○有田芳生君 特定集団に対する殺せとかそういう差別の扇動というのは現行法では対処できないんですよ。それを前提に次の問題をお聞きしたいというふうに思います。
 一番大事なのは、今ヘイトスピーチについてお尋ねをしましたけれども、問題はヘイトスピーチだけではないんですよね。人種差別撤廃委員会の日本勧告、二〇〇一年、二〇一〇年、そして二〇一四年に行われましたけれども、そこにおいては日本政府に対して実態調査をせよということが求められております。
 一つはマイノリティーの構成はどうなっているのか、もう一つは就業や教育状況はどうなっているのか、経済的、社会的な指標について明らかにするべきだということがもう二〇〇一年から一四年まで十三年間行われているんですが、これも人権擁護局長にお聞きをしたいんですけれども、この日本において差別についての実態調査というのはこれまで行われましたでしょうか。
この発言だけを見る →
岡村和美#18
○政府参考人(岡村和美君) 人権擁護に関する国民の方々の意識を把握することを目的として内閣府が実施した人権擁護に関する世論調査というものがございまして、その結果を今後の人権擁護の施策の参考としているところであります。なお、この調査は、直近では平成二十四年八月に実施しております。
この発言だけを見る →
有田芳生#19
○有田芳生君 それは日本人に対する調査ですよね。
この発言だけを見る →
岡村和美#20
○政府参考人(岡村和美君) はい、そのとおりでございます。
この発言だけを見る →
有田芳生#21
○有田芳生君 日本人に対しての調査をやっても、日本で暮らしていらっしゃる外国人の人たちがどのような思いをしているかというのは分からない。
 そこで、お示しをしたいんですけれども、実は川崎市で、一九九六年、ですから平成八年ですか、外国人市民代表者会議というものがつくられました。そこにおいていろんな調査を行って、その外国人市民代表者会議による調査が二十一年ぶりに川崎市で実施されました。これは、川崎市で今住んでいらっしゃる外国人というのは三万人を超えて人口の二%に達していると。そして、川崎でも、この委員会でも何度か質問をしましたけれども、ヘイトスピーチデモというものが頻繁に行われている。そういう状況の下で一体どのような実態があるのかということについて調査がありました。結論だけ言いますと、入居差別の問題もありますけれども、差別を経験したことがある人は四〇・九%に上っております。この一年以内にも一九・七%の方々が差別を感じているということを調査結果として出ております。
 こうしたことをやはり、今の日本の人権状況からして、調査を国レベルでも今後検討しなければいけないというふうに私は考えておりますけれども、人権擁護局長はどのようにお考えでしょうか。
この発言だけを見る →
岡村和美#22
○政府参考人(岡村和美君) 外国人の人権問題に関する今後の施策を検討するに当たっては、委員御指摘のような調査を実際に行おうとする場合に、調査の対象者をどのように選ぶか、調査の項目を具体的にどのようなものとするか、調査の方法をどうするかなどの問題がございます。
 こうした点を踏まえまして、調査の実施の要否について見極めつつ、適切に対処してまいりたいと考えております。
この発言だけを見る →
有田芳生#23
○有田芳生君 私も去年、人種差別撤廃委員会の日本審査に出席、傍聴をいたしまして、日本で感じている以上に、海外から今の日本の状況を見たときに、人権問題というのはかなり遅れているという数々の指摘があったことに驚きを持って受け止めました。
 いろんな調査がありますけれども、それも資料としてお示しをいたしました。移民統合政策指数による各国の定住外国人に対する差別撤廃の取組評価順位、上の方のグラフですけれども、これは移住政策集団といいまして、ヨーロッパの国際NGOで、研究者たちとともに調査をした二〇一〇年版の指数の結果です。これは、差別撤廃の取組が各国でどのように行われているか。見ていただいて分かりますように、そこには三十九か国ありますけれども、日本は突出して最下位なんですよね、一番下にある。本当に、先進国日本であるにもかかわらず最下位にあるという数字が出ている。それは、差別禁止の包括的な法や制度が欠如していることからこういう結果になっております。
 もう少し具体的にお示しをしておきますと、日本は、差別撤廃分野の三十四の評価項目があるんですけれども、三十四の項目のうち二十七項目で百点満点中のゼロ点なんですよね。三十四個の評価項目のうち二十七項目でゼロ、つまり取組をやっていないということなんです。こう結論が出されております。日本は致命的に取組が遅れており、改善の動きもない僅かな国の一つだという現実です。
 参加国の平均点が七十点以上の項目のうち日本が零点となった項目、つまり多くの国で取組をやっているんだけれども、日本で何もやっていないというのが何かというと、三点指摘されております。一つは差別を禁止する法律がないということ、それから差別の加害者を罰する多様な仕組みがないということ、三点目に差別の被害者を救済するための制度がない、その三点が指摘をされて、非常に低い位置に結果として残念ながら出ていってしまっているわけですけれども、これは確かに一つのヨーロッパの国際NGOの調査の結果なんですけれども、しかし海外から日本がこう見られているということに対して、副大臣、どのように率直にお感じになられますでしょうか。
この発言だけを見る →
葉梨康弘#24
○副大臣(葉梨康弘君) この調査、資料を見させていただきまして、私自身もちょっと詳細をよく承知をしていないということで誠に申し訳ない限りですが、よく勉強をさせていただきたいと思います、インターネット等を通じて資料を見まして。
 その上でですけれども、やはり海外に対しては、まず国内でその人権状況を、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックに向けて外国人の人権問題というのを、先ほど局長からも答弁があったように、国内の啓発というのをしっかりやると同時に、国際的にも日本はこういうような取組をしているんだよということをしっかりと理解をしていただくような努力というのが併せて必要なのかなというような率直な感じを持ちました。
この発言だけを見る →
有田芳生#25
○有田芳生君 今日の新聞各紙に記事が出ておりますけれども、昨日の午後、日弁連、日本弁護士連合会が記者会見を行いました。国に対する意見書を発表したわけですけれども、人種等を理由とする差別の撤廃に向けた速やかな施策を求める意見書、これは五月七日付けなんですが、昨日の午後、記者会見が行われまして、昨日の記者会見の前に、衆参両院の議長、それから各政党、内閣府、そして法務省にも郵便で送られておりますから今日到着するというふうに思います。
 この日弁連の意見の趣旨というのは、大きく言うと二点あります。
 これ、昨日大臣にも既にお届けをさせていただきましたけれども、一点は、国に対して、人種差別を理由とする入店・入居拒否などの差別的取扱いや、人種的憎悪や人種的差別を扇動又は助長する言動、ヘイトスピーチですよね、それらの人種差別に対する実態調査を行うことをお願いしたい、それが一点。二点目に、国に対して、人種的差別禁止の理念並びに国及び地方自治体が人種的差別撤廃に向けた施策を実施するに当たっての基本的枠組みを定める法律、基本法、その制定を求めるという、大きく言って二点なんですよね。実態調査、それから基本法、理念法を日弁連としても国に求めたいという内容です。
 これ、先ほど申しましたように、大臣には昨日お届けしてありますけれども、ざっとお読みになって、どのような感想をお持ちになりましたでしょうか。
この発言だけを見る →
上川陽子#26
○国務大臣(上川陽子君) 昨日いただきまして読ませていただきまして、今御指摘いただきましたとおり、実態調査をするということ及び基本法を制定するようにと、こうした趣旨の内容であったというふうに思っております。背景としては、様々委員が先ほど来御指摘になったようなこと、あるいは条約に係ることにつきましても踏まえた上でというような内容であったというふうに思っております。
 実態調査について、先ほど川崎の事例がございました。川崎の場合には、二%という人口の中で外国人の方を対象にして、共生していくという中で、差別のところについては一項目ということで、様々な、教育とか厚生とか、いろんなレベルについての質問がございまして、恐らく全国の中の多文化共生に取り組んでいらっしゃるところ、特に外国人の方が集中しているような地域につきましては、こうした同種のもしかしたらアンケート調査等を含めた実態調査をしているのではないかというふうに思うところでありますので、そういった面につきましては早速に情報収集をしてまいりたいというふうに思っているところでございます。
 また、基本法のところにつきましては、これは新たな立法措置ということになるわけでございまして、ただいま各党におきましての検討が進められているということでもございますので、そうしたところの動きにつきましては十分に注視しながらまいりたいというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、人権擁護、こうした行政にあずかる法務省といたしましては、ヘイトスピーチという形の中で、今回特に力強く進めていこうということで、先ほどポスターのお話も触れていただきましたけれども、しっかりと取り組むということの姿勢の中で今全国で頑張っているところでございますけれども、なお様々な施策のことがあるかもしれませんけれども、そういったことにつきましても幅広く取り組んでまいりたいというふうに考えております。
この発言だけを見る →
有田芳生#27
○有田芳生君 昨年の四月に、超党派で人種差別撤廃基本法を求める議員連盟というものができました。小川敏夫会長で発足をいたしました。そして、自民党の中にも御承知のようにヘイトスピーチ問題についてのプロジェクトチームができ、あるいは公明党にもそういうプロジェクトチームができ、検討を進めていただいております。
 私たち議員連盟も、昨年の秋に人種等を理由とする差別の撤廃のための施策の推進に関する法律案というものを作りました。それで、今国会での提出というものを準備しておりますけれども、そのように、やはり日弁連も含めて、あるいは立法府も含めて、今の日本の現実を少しでも前に進めていって、二〇二〇年、あと五年後の東京オリンピック・パラリンピックまでにやはり外国人を排除するというような日本の現状というものをなくしていく、そういう努力を更に強めていかなければならないというふうに思っております。
 この人種等を理由とする差別の撤廃のための施策の推進に関する法律の中では、先ほど質問させていただきました実態調査についても、内閣府に新しい組織をつくって、つまり具体的には人種等差別防止政策審議会というようなものをつくって更に進めていくべきだという法律案の形になっております。
 今後、各党の間でもいろんな協議がなされていくと思いますけれども、屋上屋を架すようになるかも分かりませんけれども、もう一度、大臣、最後に、こうした各党の取組が行われている現状の下で、いわゆるヘイトスピーチについては現行法では対処できないんだということを踏まえて、今後の法務省の対応についてもう一度お答えいただきまして、質問を終わりたいと思います。
この発言だけを見る →
上川陽子#28
○国務大臣(上川陽子君) 人種等を理由といたしました差別的取扱いの問題ということで一連の御指摘がございましたけれども、やはり法務省の今取り組んでいる人権に対しての様々な取組につきましては、これを更に充実させていくべく努力をしていかなければいけないというふうに考えております。
 また、東京オリンピック・パラリンピックの二〇二〇年という、そうした時期の中で、この間、外国からのたくさんの皆様もお迎えをするということでございますので、そういった状況の中で、この偏見とか差別の解消ということにつきましては大変大事な視点だというふうに思っております。
 新たな立法措置につきましては、先ほど申し上げたとおり、各党の御議論ということを注視してまいりたいと思いますし、また国民的な議論ということにつきましても注視してまいりたいというふうに思っておりますので、そうした流れの中で考えてまいりたいというふうに考えております。
この発言だけを見る →
有田芳生#29
○有田芳生君 終わります。
この発言だけを見る →
← 戻る