法務委員会

2015-05-21 参議院 全98発言

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会議録情報#0
平成二十七年五月二十一日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月十五日
    辞任         補欠選任
     二之湯武史君     有村 治子君
 五月十八日
    辞任         補欠選任
     足立 信也君     羽田雄一郎君
 五月十九日
    辞任         補欠選任
     羽田雄一郎君     足立 信也君
 五月二十日
    辞任         補欠選任
     足立 信也君     羽田雄一郎君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         魚住裕一郎君
    理 事
                熊谷  大君
                三宅 伸吾君
                有田 芳生君
                真山 勇一君
    委 員
                猪口 邦子君
                鶴保 庸介君
                牧野たかお君
                溝手 顕正君
                柳本 卓治君
                江田 五月君
                小川 敏夫君
                羽田雄一郎君
                矢倉 克夫君
                仁比 聡平君
                田中  茂君
                谷  亮子君
   国務大臣
       法務大臣     上川 陽子君
   副大臣
       法務副大臣    葉梨 康弘君
   大臣政務官
       法務大臣政務官  大塚  拓君
   最高裁判所長官代理者
       最高裁判所事務
       総局民事局長
       兼最高裁判所事
       務総局行政局長  菅野 雅之君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        櫟原 利明君
   政府参考人
       警察庁長官官房
       審議官      露木 康浩君
       警察庁長官官房
       審議官      塩川実喜夫君
       警察庁生活安全
       局長       辻  義之君
       総務省自治行政
       局長       佐々木敦朗君
       法務省民事局長  深山 卓也君
       法務省人権擁護
       局長       岡村 和美君
       法務省入国管理
       局長       井上  宏君
       公安調査庁次長  杉山 治樹君
       外務大臣官房審
       議官       下川眞樹太君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○法務及び司法行政等に関する調査
 (犯罪捜査におけるDNA型鑑定の信頼性に関
 する件)
 (子の福祉の観点を重視したDV事件への対応
 に関する件)
 (入管特例法上の特別永住者に対する特例の趣
 旨に関する件)
 (グーグルマップの改ざん事案等に対する公安
 上の対応に関する件)
○裁判員の参加する刑事裁判に関する法律の一部
 を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
    ─────────────
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魚住裕一郎#1
○委員長(魚住裕一郎君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、二之湯武史君及び足立信也君が委員を辞任され、その補欠として有村治子さん及び羽田雄一郎君が選任されました。
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魚住裕一郎#2
○委員長(魚住裕一郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 法務及び司法行政等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、警察庁長官官房審議官露木康浩君外八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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魚住裕一郎#3
○委員長(魚住裕一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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魚住裕一郎#4
○委員長(魚住裕一郎君) 法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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有田芳生#5
○有田芳生君 おはようございます。民主党の有田芳生です。
 法務省のある方から、今日の質問はヘイトスピーチではないんですかということを言われました。近く、人種差別撤廃基本法、仮称ですけれども、提出する予定でおりますので、その機会に改めてそのテーマについては質問をしたいと思います。
 今日はDNA鑑定についてお聞きをしたいというふうに考えております。
 犯罪捜査においてDNA鑑定が重要な役割を果たすということは、もう既に皆さん御承知のとおりです。最近でも印象に残っておりますのは、例えば足利事件、菅家利和さんが冤罪であったということが明らかになりました。あるいは、東電OL殺人事件についてのDNA鑑定、あるいは再審が行われる袴田事件についてもDNA鑑定が決定的な意味を持っております。
 今日は総論的なことで、特に警察庁の方に専門的な説明ではなく分かりやすくお聞きをしたいんですが、まず、DNA鑑定というものはどういうことなんでしょうか、教えてください。
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露木康浩#6
○政府参考人(露木康浩君) まず、DNAでございますけれども、DNAとは、人間の細胞の中に核という物質がございますけれども、この核の中に、ひも状の物質でございまして、その二本のひもが二重らせん構造をもって組み合わさっている、こういうものをDNAと呼んでおります。遺伝子であります。
 この二重らせん構造の二本のひもは四種類の有機化合物が、言わば模式的に言いますと縦一列に配列するという構造になっておりまして、その中にある特徴的な配列が何回も繰り返されている部位がございます。
 DNA型鑑定でございますけれども、今申し上げた配列の繰り返し、この繰り返しの数に個人差がございますので、繰り返しの数を数えまして、例えば繰り返しが一回であれば一型、二回であれば二型というふうに、それを型として検出した上で、対照する二つの資料の中のDNAにその型が一致するものがあるのかどうかということを判定するものがDNA型鑑定でございます。
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有田芳生#7
○有田芳生君 なぜ今日こういう質問をするかといえば、恐らく来月、DNA鑑定をめぐってある事件で冤罪だったということが明らかになる、私はそのように確信をしておりますので、重大な問題ですし、お聞きをしたいということと、後で時間を掛けてお聞きをしますけれども、日朝交渉の中でこれまで、横田めぐみさんの遺骨をめぐって北朝鮮側が偽の遺骨を出してきた、それが国際的にも論争になったということがありますので、今後の日朝交渉の行方も踏まえて、あえて今日DNA鑑定についてのことをお聞きしたいというふうに思っております。
 まず、足利事件ですけれども、菅家利和さんが幼女殺害事件の罪に問われ、そしてそれはDNA鑑定が根拠となった初めての事件だと、そういう理解でよろしいでしょうか。
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露木康浩#8
○政府参考人(露木康浩君) 犯罪捜査でDNA型鑑定を活用いたしましたのは、今お尋ねの足利事件が初めてではないというふうに承知しております。
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有田芳生#9
○有田芳生君 DNA鑑定を最大の根拠として有罪となったのは足利事件、菅家さんのケースではなかったでしょうか。
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露木康浩#10
○政府参考人(露木康浩君) お尋ねの足利事件においてDNA型鑑定の結果が重要な証拠の一つとして位置付けられていたのはそのとおりでございますけれども、この事件につきましても、例えば菅家さん御自身の自白というものも同じように重要な証拠として位置付けられておりましたので、相対的に何が一番重要であったかという、なかなかそういう評価が難しいということもございまして、それが一番であったかどうかというのはなかなかちょっとお答えするのは難しいというふうに思います。
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有田芳生#11
○有田芳生君 足利事件の菅家さんの取調べ状況というのは、菅家さんが詳しく証言されておりますように、威迫の状況の下で自白をさせられた、これはもう既に明らかになっていることであって、それを今このDNA鑑定の問題について詳しくお聞きすることはいたしません。
 しかし、この問題というのも、また別のテーマで時間を掛けてやりたいんですけれども、実は足利事件が冤罪で、菅家さんが犯人ではなかったと、ということになれば、足利事件の真犯人はどこにいるのかというのが問題になるんですよね。これも今日のテーマではありませんけれども、足利事件の前に、その周辺で、十年ぐらいでしたが、四人の幼女が誘拐、殺害されている。あるいはいまだ行方不明のままである。その真犯人を求めるための警察の捜査というのは私たちずっと要求をしておりますけれども、そういうことにも関わってくるんで、この足利事件のDNA鑑定というのは非常に今も重大な意味が真犯人追及の面からあるというふうに私は考えているんです。
 じゃ、お聞きしますけど、菅家さんが有罪になった、その重要なきっかけとしてのDNA鑑定、これはどういう方法で行われたんでしょうか。
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露木康浩#12
○政府参考人(露木康浩君) お尋ねの菅家さんの事件におきましては、平成三年十一月でございますけれども、科学警察研究所におきまして、被害者の犯行現場に遺留されておりました半袖の下着に付着しておりました精液に対しまして、DNA型鑑定として、当時、MCT一一八型検査というものを実施したというものでございます。
 このMCT一一八型検査法とは何かということでございますけれども、先ほども申し上げたような、DNAの中の四種類の有機化合物の配列の中にある特徴的な繰り返しの部位でございますけれども、MCT一一八と呼ばれる部位がございます。この部位の繰り返し回数に個人差があることを利用して、その繰り返しの数を数えて型として検出をした上で行った鑑定法でございます。
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有田芳生#13
○有田芳生君 菅家さんについて、その冤罪は裁判史上初めてDNA型鑑定の再鑑定で証明されたと、そういう理解でよろしいですか。
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露木康浩#14
○政府参考人(露木康浩君) 初めてであったかどうかは正しく今承知をしておりませんけれども、再審公判で再鑑定が行われて、その結果、捜査段階の鑑定結果が覆されたということであったことは間違いございません。
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有田芳生#15
○有田芳生君 そうすると、一九九〇年に菅家さんが逮捕され、そして有罪判決を受けることになるんですが、その逮捕のきっかけとなったMCT一一八型のDNA鑑定というのは間違っていたと、そういう理解でよろしいわけですね。
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露木康浩#16
○政府参考人(露木康浩君) 足利事件の再審公判におきましては、MCT一一八型検査法自体の信用性が否定されたわけではないというふうに承知をしております。ただ、当時行われた鑑定のそのやり方について疑いを差し挟む余地があるということで、その証拠能力が否定されたということでございまして、その点については重く受け止めております。
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有田芳生#17
○有田芳生君 疑いを差し挟む余地があったということは、間違っていたということじゃないんですか。正しかったんですか。
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露木康浩#18
○政府参考人(露木康浩君) その事件の中で行われた具体的な鑑定の方法については疑いを差し挟む余地があったということでございますので、そういう意味では誤りであるというふうに認識をしております。
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有田芳生#19
○有田芳生君 となると、当時行われていたMCT一一八型のDNA鑑定、ここに問題があるんではないかと当然誰が考えても思うわけですけれども、当時、このMCT一一八型のDNA鑑定でどれだけ有罪判決が出ておりますか。
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露木康浩#20
○政府参考人(露木康浩君) 科学警察研究所と、あと都道府県警察に置かれております科学捜査研究所におきまして、平成元年から平成十五年までの間に行ったMCT一一八型検査法の事件数は百四十一件ございまして、そのうち、その鑑定結果が証拠として採用されて有罪判決が確定したものは八件八人でございます。この八人の被告人の有罪確定事件においては、判決理由中にその鑑定が証拠として用いられたということがその中で確認をできたというものでございます。
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有田芳生#21
○有田芳生君 足利事件でMCT一一八型のDNA鑑定に問題があったということが明らかになって、それ以降、この有罪になった八件について再鑑定というものは行われておりますでしょうか、あるいは再検討というものは行われていますでしょうか。
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露木康浩#22
○政府参考人(露木康浩君) それぞれの事件については確定判決がございますので、警察としてその再鑑定をするということはいたしておりません。
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有田芳生#23
○有田芳生君 確定している中では例えば福岡で起きた飯塚事件、そのMCT一一八型DNA鑑定によって有罪判決、そしてもう既に死刑の執行が行われているという事件もあります。この飯塚事件の死刑を執行された人物は、ずっと自分は無罪であると言い続けておりました。家族の方も今でもそう思っていらっしゃいます。
 しかし、この有罪判決を受けて死刑執行された飯塚事件について、足利事件で問題になった、菅家さんが冤罪ということが証明された、そのMCT一一八型のDNA鑑定であった。飯塚事件をここでこれ以上取り上げるつもりはありませんけれども、じゃ、そのMCT一一八型のDNA鑑定の方法というのは、いつ始まって、いつ終わったんでしょうか。
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露木康浩#24
○政府参考人(露木康浩君) 最初に行ったのは平成元年からであるというふうに承知をしておりますけれども、いつまでかというのはちょっと今調べております。
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有田芳生#25
○有田芳生君 それでは、MCT一一八型によるDNA鑑定は今は行われていない。では、今はどういうDNA鑑定が行われているんでしょうか。
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露木康浩#26
○政府参考人(露木康浩君) 現在警察で行っておりますDNA型鑑定の方式は、先ほどのMCT一一八型は、MCT一一八と呼ばれる一つの部位についての有機化合物の配列の繰り返しの数を数えるというものでございましたけれども、現在は、STR型検査法と申しまして、十五の部位について同じようにその繰り返しの回数を数えるという、そういう方法でもって行っております。これによりまして個人識別精度が向上いたしまして、日本人でいえば最も出現頻度が高いという場合の型を組み合わせた場合でありましても、約四兆七千億人に一人という確率でしか同じ型の人が現れないというものとなっております。
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有田芳生#27
○有田芳生君 菅家さんの冤罪が証明された、MCT一一八型のつまり誤った鑑定のときは、たしか私の記憶では、そのMCT一一八型法で一致するDNA鑑定というのは二百人に一人ぐらいだったという記憶があるんですけれども、それに比べると、今、STR型というのは物すごく精度が高まっている。非常にこれからの裁判においても重要な意味合いを持ってくるというふうに思います。
 そこで伺いたいんですけれども、これまで大学の法医学教室と警察との連携でDNA鑑定が行われていたと思いますけれども、その役割分担というのはどういうことだったんでしょうか。
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露木康浩#28
○政府参考人(露木康浩君) 私ども警察、科学警察研究所と都道府県警察にある科学捜査研究所、科学捜査研究所は四十七あるわけでございますけれども、これら四十八の機関で実施することが技術的に難しいDNA型鑑定につきましては、大学の法医学教室などの外部機関に委託して行うことがあるということでございます。
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有田芳生#29
○有田芳生君 足利事件において再鑑定が行われたのは筑波大学の本田克也さん、その下で再鑑定が行われて、MCT一一八型の菅家さんの鑑定は間違っていたという判断が下されたという、そういう理解でよろしいですか。
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