財政金融委員会

2016-05-12 参議院 全165発言

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会議録情報#0
平成二十八年五月十二日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月十日
    辞任         補欠選任
     阿達 雅志君     岡田 直樹君
     高橋 克法君     岩城 光英君
     田城  郁君     白  眞勲君
     柳田  稔君     前川 清成君
 五月十一日
    辞任         補欠選任
     堀内 恒夫君     伊達 忠一君
     礒崎 哲史君     櫻井  充君
 五月十二日
    辞任         補欠選任
     岩城 光英君     島田 三郎君
     岡田 直樹君     山下 雄平君
     中西 健治君     柘植 芳文君
     山谷えり子君     井原  巧君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         大家 敏志君
    理 事
                愛知 治郎君
                石田 昌宏君
                長峯  誠君
                大久保 勉君
                西田 実仁君
    委 員
                井原  巧君
                島田 三郎君
                伊達 忠一君
                柘植 芳文君
                中西 健治君
                中西 祐介君
                宮沢 洋一君
                山下 雄平君
                山谷えり子君
                山本 一太君
                尾立 源幸君
                大塚 耕平君
                櫻井  充君
                白  眞勲君
                竹谷とし子君
                大門実紀史君
                藤巻 健史君
                中山 恭子君
                平野 達男君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        麻生 太郎君
   副大臣
       内閣府副大臣   福岡 資麿君
       総務副大臣    土屋 正忠君
       財務副大臣    坂井  学君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        牧島かれん君
       財務大臣政務官  中西 祐介君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野 伸一君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       土生 栄二君
       金融庁総務企画
       局総括審議官   小野  尚君
       金融庁監督局長  遠藤 俊英君
       総務省統計局統
       計調査部長    千野 雅人君
       文部科学大臣官
       房審議官     義本 博司君
   参考人
       日本銀行総裁   黒田 東彦君
       日本銀行副総裁  岩田規久男君
       日本銀行政策委
       員会審議委員   櫻井  眞君
       日本銀行理事   雨宮 正佳君
       日本銀行理事   櫛田 誠希君
       日本銀行理事   武田 知久君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○財政及び金融等に関する調査
 (日本銀行法第五十四条第一項の規定に基づく
 通貨及び金融の調節に関する報告書に関する件
 )
○情報通信技術の進展等の環境変化に対応するた
 めの銀行法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ─────────────
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大家敏志#1
○委員長(大家敏志君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、高橋克法君、阿達雅志君、田城郁君、柳田稔君、礒崎哲史君及び堀内恒夫君が委員を辞任され、その補欠として岩城光英君、岡田直樹君、白眞勲君、前川清成君、櫻井充君及び伊達忠一君が選任されました。
    ─────────────
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大家敏志#2
○委員長(大家敏志君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣審議官土生栄二君外四名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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大家敏志#3
○委員長(大家敏志君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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大家敏志#4
○委員長(大家敏志君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に参考人として日本銀行総裁黒田東彦君、同副総裁岩田規久男君、同政策委員会審議委員櫻井眞君、同理事雨宮正佳君、同理事櫛田誠希君及び同理事武田知久君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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大家敏志#5
○委員長(大家敏志君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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大家敏志#6
○委員長(大家敏志君) 財政及び金融等に関する調査のうち、日本銀行法第五十四条第一項の規定に基づく通貨及び金融の調節に関する報告書に関する件を議題といたします。
 日本銀行から説明を聴取いたします。黒田日本銀行総裁。
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黒田東彦#7
○参考人(黒田東彦君) 日本銀行は、毎年六月と十二月に通貨及び金融の調節に関する報告書を国会に提出しております。本日、我が国経済の動向と日本銀行の金融政策運営について詳しく御説明申し上げる機会をいただき、厚く御礼申し上げます。
 まず、この度、熊本地震によって犠牲となられた方々に哀悼の意を表するとともに、被害に遭われた方々にお見舞いを申し上げます。
 日本銀行は、熊本支店を中心に現金の供給など決済インフラの維持に努めております。また、先月末の金融政策決定会合では、熊本地震の被災地の金融機関を対象に、復旧復興に向けた資金需要への対応を支援するため、総額三千億円の被災地金融機関支援オペの導入を決定しました。この措置が、被災地の復旧復興を後押しすることを期待しています。
 次に、我が国の経済金融情勢について御説明申し上げます。
 我が国の経済は、新興国経済の減速の影響などから輸出、生産面に鈍さが見られるものの、企業・家計部門共に所得から支出への前向きの循環メカニズムが作用する下で、基調としては緩やかな回復を続けています。先行きについては、当面、輸出、生産面に鈍さが残ると見られますが、国内需要が増加基調をたどるとともに、輸出も、新興国経済が減速した状態から脱していくことなどを背景に、緩やかに増加すると見られます。このため、我が国経済は、基調として緩やかに拡大していくと考えられます。
 物価面を見ますと、生鮮食品を除く消費者物価の前年比はゼロ%程度となっています。もっとも、生鮮食品、エネルギーを除く消費者物価の前年比は、三十か月連続でプラスを続け、最近では一%を上回る水準で推移するなど、物価の基調は着実に改善しています。先行き、生鮮食品を除く消費者物価の前年比は、エネルギー価格下落の影響から、当面ゼロ%程度で推移すると見られますが、需給ギャップの改善や中長期的な予想物価上昇率の上昇を背景に物価の基調は着実に高まり、物価安定の目標である二%に向けて上昇率を高めていくと考えています。原油価格が現状程度の水準から緩やかに上昇していくとの前提に立てば、二%程度に達する時期は、二〇一七年度中になると予想しています。
 次に、金融政策運営について御説明申し上げます。
 日本銀行は、一月の金融政策決定会合においてマイナス金利付き量的・質的金融緩和を導入しました。本年入り後、原油価格の一段の下落に加え、中国を始めとする新興国、資源国経済に対する先行き不透明感などから、金融市場は世界的に不安定な動きとなりました。こうした状況の下で、企業コンフィデンスの改善や人々のデフレマインドの転換が遅延し、物価の基調に悪影響が及ぶリスクが増大していました。マイナス金利付き量的・質的金融緩和の導入は、こうしたリスクの顕在化を未然に防ぎ、二%の物価安定の目標に向けたモメンタムを維持するために行ったものです。
 マイナス金利付き量的・質的金融緩和の導入によって、国債のイールドカーブは大幅に低下しており、これを受けて貸出しの基準となる金利や住宅ローン金利もはっきりと低下するなど、金利面では政策効果は既に現れています。今後、その効果は、実体経済や物価面にも着実に波及していくものと考えています。
 もっとも、金融政策の効果の波及にはある程度時間が必要であるほか、現状では、国際金融市場において新興国や資源国の経済の先行きに関する不透明感などから不安定な動きが続いている下で、前向きな変化が現れにくい状況にあります。このため、先月末の金融政策決定会合では、政策効果の浸透度合いを見極めていくことが適当であると判断し、現行の政策運営の方針を維持しました。
 もとより、世界経済の不透明感が強く、金融市場の不安定な動きが続く下で、我が国の経済、物価の下振れリスクは引き続き大きいと考えています。今後、毎回の金融政策決定会合において、経済、物価のリスク要因を点検し、物価安定の目標の実現のために必要と判断した場合には、ちゅうちょなく、量、質、金利の三つの次元で追加的な金融緩和措置を講じます。
 日本銀行としては、マイナス金利付き量的・質的金融緩和の下で、二%の物価安定の目標の早期実現を図ってまいります。
 ありがとうございました。
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大家敏志#8
○委員長(大家敏志君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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愛知治郎#9
○愛知治郎君 おはようございます。自民党の愛知治郎でございます。
 まず、冒頭でありますけれども、この度の熊本地震によってお亡くなりになられた皆様方に心から御冥福を申し上げますとともに、被災された皆様方に一日も早い復旧復興を成し遂げられるように、またお見舞いを申し上げる次第であります。
 我々も、東日本大震災で全国から本当に多くの皆様方の御支援をいただいた、そのことを忘れておりません。こういうとき、大変なときこそ力を合わせてこういった問題を乗り切っていかなければいけないと、そう考えております。
 また、黒田総裁におかれましては、被災地に対する支援、先ほどおっしゃってくださいました。しっかりと取り組んでいただきますようによろしくお願いを申し上げます。
 時間も限られておりますので早速質問に移りたいのですが、今日は黒田総裁と議論をさせていただきたかったんですが、その前に一問だけ財務省に質問をさせていただきたいと思います。パナマ文書についてであります。
 日本は、この分野に関して、これまでBEPSを始めとして国際的な議論をリードしてまいりました。ただ、正直なところ、各国の足並み、まだまだ積極的にやらないところもあったと思うんですけれども、今回パナマ文書という事件が起きましたが、ある意味でいうと大変なチャンスであるとも思います。徹底的にやってほしいと期待をしているところであります。
 特に、基本的にはこういった問題は適法だと主張されている方々は大勢いらっしゃるんですけれども、適法ならば全部公開してほしいというふうに私は思います。なかなかそれは、しっかりと最終的に全て公開というのはハードルは高いかもしれないですけれども、少なくとも税務当局はその情報をしっかりと把握できるような体制をつくるというのは大事だと思います。
 その上で、来週末に仙台でG7財務大臣会合が行われますが、日本が議長国としてこの問題について議論をリードすべきだと考えますが、見解を伺いたいと思います。
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中西祐介#10
○大臣政務官(中西祐介君) 愛知治郎先生にお答え申し上げます。
 御指摘のいわゆるパナマ文書に関連した国際的な課税逃れ、これが事実であるとするならば、課税の公平性を損ない、納税者の信頼を揺るがす大きな問題であるというふうに考えておるところでございます。
 先生御指摘のとおり、こうした国際的な課税逃れを未然に防止するためには、国際的な協調の下で各国が対策を実施をしていくということとともに、税務当局間での情報交換、これを充実させることが御指摘のとおり重要だろうというふうに考えております。
 こうした観点から、これまでも国際的な連携を取ってきておりまして、このG20での議論を受けまして、麻生財務大臣も答弁をさせていただいておりますけれども、二〇一二年に、浅川議長を中心としてOECDの租税委員会の中でこのBEPSプロジェクトによって多国籍企業の租税回避を防止するための対策が講じられてきております。
 海外の金融機関を通じた脱税への対処については、非居住者に係る金融口座情報を各国税務当局間で自動的に交換するための国際基準、これも策定をされたところでございまして、先日、ワシントンで行われたG20の財務大臣・中央銀行総裁会議において、このいわゆるパナマ文書に関連し、課税逃れや不正資金の流れの対抗策について議論が行われたところでございます。
 このG20が推進したBEPSや非居住者の金融口座の自動的情報交換をより多くの国が着実に実施をすることの重要性が確認されたところでございまして、日本といたしましては、この国際的な課税、租税回避あるいは脱税の防止に積極的に取り組むということと同時に、来週、五月の十九日から愛知先生の御地元で開催をされます、仙台で開催されるこのG7の財務大臣・中央銀行総裁会合の場において、議長国としてこの分野においての国際的な議論をリードしていきたいと考えておるところであります。
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愛知治郎#11
○愛知治郎君 ありがとうございます。
 大変期待しておりますので、頑張っていただきたいというふうに思います。
 では、早速、今日の本題であります金利について議論をさせていただきたいと思います。
 金融庁に参考までに現状についてお伺いをしたかったんですが、私がこの世界に入ったのは二〇〇一年なんですけれども、それ以降、家計の金融資産はどのように推移してきたのか、簡単に説明いただきたいと思います。
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小野尚#12
○政府参考人(小野尚君) お答え申し上げます。
 二〇〇一年末に千三百八十八兆円であった家計金融資産は、二〇〇六年末には千六百十兆円まで増加いたしました。しかし、その後、リーマン・ショック及びそれに続く世界的な不況の影響で一旦減少しましたものの、二〇一三年以降再び大きく増加に転じまして、二〇一五年末には千七百四十一兆円に達しているところでございます。
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愛知治郎#13
○愛知治郎君 ありがとうございます。
 余りにもすごい数字なのでぴんとこないんですが、ちなみに、この間の家計の金融資産の増加、随分増えていると思うんですけれども、三百五十兆円程度ですか、これは何が寄与していると考えておられますか。
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小野尚#14
○政府参考人(小野尚君) 御指摘ございましたように、全体では三百五十三兆円、二〇〇一年から二〇一五年まで増えておりますが、現預金が七百七十一兆円から九百二兆円、株式、投信が百二十三兆円から二百六十五兆円、年金、保険は三百七十八兆円から五百十兆円となっておりまして、伸び率で見ますと、株式、投信が一一五%と倍以上増加しておりまして、これまでの貯蓄から投資への取組につきましても一定の成果があったと言えるのではないかと考えているところでございます。
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愛知治郎#15
○愛知治郎君 ありがとうございます。
 お取組、成果として出ているのは喜ばしい限りではありますが、一点、私自身がまた驚いたのが現預金についてなんですが、これは伸び率は一七%ということでありますけれども、現在九百兆円もあるんですね、現預金が。この間、二〇〇一年以降、預金金利がほぼゼロで推移してきた中で、現預金がこれだけ、多いのもすごいんですけれども、増加をしてきた、これはどういった理由だと考えておられますか。
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小野尚#16
○政府参考人(小野尚君) 愛知先生御指摘のとおり、家計が保有する現預金は、預金金利が低位に推移してきた中におきましても安定的に増加を続けております。この背景につきましてはいろいろな要因が考えられるところでございまして、確たることは申し上げることはできませんが、例えば、団塊の世代の方の退職に伴い家計に多額の退職金が流入しましたことや、相続に伴う資産の現金化が進んだ可能性などが指摘されているところでございます。
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愛知治郎#17
○愛知治郎君 ありがとうございます。
 確かにそのとおりだと思いますが、細かくしっかりと分析をしなくてはいけないなと思いますので、それは今後の議論に譲りたいと思います。
 ここで、皆さんにこの現預金についてのお話をしたかったんですが、資料を見ていただきたいと思います。なかなか変わった資料、こういう資料を私も使うことは初めてなのですが、「殿、利息でござる!」という、これ映画の話なんですが、今週末に封切られる映画なんですけれども、実は、これは私の地元宮城県の大和町吉岡という場所においての実話を基にした映画であります。
 実際に起こったことというのは、大和町吉岡という宿場町があるんですが、以前、そのときの事情なんですが、今でいうと交付金、交付税交付金のような補助金ですね、これがある事情によって吉岡には一切払われなくなった、もらえなくなった状況にありました。そこで、町がもう滅びる寸前まで大変困窮をしまして、何とかしなくちゃいけないというときに、町の有志が力を合わせてお金を出し合って、それを伊達の殿様、この映画では羽生結弦選手がやっているんですけれども、この殿様にお金を貸し付けて、当時ですと、当時の多分標準なんでしょうけれども、年率一割、一〇%程度の利息をいただいて、それを町の皆さんに配って活用してその危機的な状況を乗り越えたという歴史、実話に基づく映画だそうですけれども。
 なかなか面白いなと思ったんですが、今日議論したかったのは九百兆のその預金ですね。今は利息というものがほとんど付いていない状況なんですけれども、利息というのはこれだけ活用方法が昔からあるんだなというのが一つ。それと、昔、どなたか、イギリスのリーダーだったかが言ったんですけれども、日本はこれだけゼロ金利で推移して利息が付かない状況の中で、よく高齢の方々が暴動を起こさないななんて話をしていたんですけれども、高齢者の皆さんの収入って限られているんですよね。年金収入か、あと預貯金を持っていればその利息というのが大変重要な収入になると思います。
 消費動向、個人消費をどうにかして活性化させていかなければいけないんですが、個人消費の動向を見ると、六十五歳以上の方々は可処分所得のほとんどを消費に回すというデータも出ております。そう考えてみますと、例えば九百兆円に数%の金利が付いたら相当な収入になると思いますし、その多くが消費に回るとなると、これは経済にも随分プラスになるんじゃないかと思います。
 私自身もここの委員会で随分議論させていただきました。こっち側でも、そちら側にいたときもあるし、またこっちに戻ってきてずっと同じことを言っているんですが、例えば一千万円の貯金があって三%の預金金利が付いたとしたら三十万円ですね。五十万、百万使うのは人間の心理だと思います。それが一切付かないと十万円を使うというのもためらわれてしまう。今どういう状況になっているかというと、私の支援者の方々も大勢いるんですが、結構貯金持っているんですね。預貯金あるんですけれども、結局、生活は年金の範囲でしかしない、老後が不安だから使えないという方が非常に多いんですね。そういった意味でも、利息活用を考えるのもこれは一つプラスの面で大いに議論されるべきだと思います。
 また、ちょっと違う話なんですが、以前私、財団法人を運営することがありまして、回していって、公益法人なんですが、やっていたんですけれども、金利が付かなくなってしまいましたので、利息が得られなかったので収入がなくなっちゃったんですね。営利法人ではないですから、商売するわけにもいかず、結局清算をすることにしました。運営ができなくなったんですね。そういったところは山ほどあると思うんです。
 今回、なぜこのような問題を取り上げさせていただいたかというと、利息、これは大いに大いに活用できる範囲だと思いますので、是非プラスの面にもしっかりと着目をして、これからまた議論をしていかなければいけないというふうに思います。
 改めて総裁に伺います。この点についてプラスの効果、多分認識をされていると思います。今のマイナス金利については、デフレ脱却のためにあらゆる手段を講じるということで、それは頑張っていると思いますし、是非積極的にいろんな政策、取り組んでいただきたい、それは評価したいと思いますが、ただ一方で、それも認識されていると思いますけれども、余り長期にわたるとこれは負の面が出てきてしまいますので、可及的速やかに大胆な政策を行い、そして可及的速やかに正常な状態というか、先ほどの利息についても健全な状態に戻していかなければいけない、そういうふうに考えておりますが、総裁の見解を伺いたいと思います。
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黒田東彦#18
○参考人(黒田東彦君) 御指摘のとおり、金利、この収入というものは貯蓄者にとって一つの重要な収入であることは事実でありまして、それが金融緩和の中で金利が低下し、利息の収入が減少してきたということが消費に一定の影響を与えてきたということは事実だと思います。
 他方で、委員御指摘のとおり、デフレから脱却し、持続的な安定的な成長経路に乗せるということがやはり何よりも必要なことであり、そのために日本銀行としてもできるだけ早期に二%の物価安定目標を実現するべく量的・質的金融緩和を進めてまいりましたし、この一月の金融政策決定会合においてマイナス金利付き量的・質的金融緩和というものを導入して、早期達成に全力を挙げているわけでございます。
 非常な低金利が長く続くということはいろいろな問題を引き起こす可能性があるということはそのとおりでありますが、他方で、デフレから脱却できなければ、結局のところ、もちろん金利も上がりませんし所得も増えないということになりますので、ここは低金利の様々な影響を考慮しつつも、できるだけ早期に二%の物価安定の目標を達成すべく、今後とも引き続き全力を挙げてまいりたいというふうに考えております。
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愛知治郎#19
○愛知治郎君 改めて頑張っていただきたいと思います。
 鶏が先か卵が先かという話がありますけれども、我々の経験のしたことのない経済状態でもありますので、だからこそ異次元の緩和というものを大胆にやられたと思いますけれども、これからも一つの政策に固執することなく、あらゆる可能性、あらゆる角度から検討して柔軟に対応していってほしいと思います。正解は一つではありませんので、そして絶対全てが正しく一〇〇%の結果をもたらさなければならないというわけでもないと思います。試行錯誤の上でいろんな面にチャレンジしていってほしいと思います。
 今日はもっともっと議論をしたかったんですけれども、時間が限られてしまいましたので今日はこの辺で終わらせていただきたいと思いますが、改めて、総裁、今後とも頑張っていただきたい、そのことを申し上げまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
    ─────────────
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大家敏志#20
○委員長(大家敏志君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、岡田直樹君が委員を辞任され、その補欠として山下雄平君が選任されました。
    ─────────────
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櫻井充#21
○櫻井充君 おはようございます。民進党・新緑風会の櫻井充です。
 ちょっと通告になかったんですが、この報告書の概要説明の中のところで、大体通告している内容と同じようなことなのかもしれないので、まず黒田総裁に質問させていただきたいと思いますが。
 二ページ目のところに、物価安定目標である二%に向けて上昇率を高めていくと考えていますと、これは目標を定められているからこれはこれでいいんですが、原油価格が現状程度の水準から緩やかに上昇していくとの前提に立てばと、そう書かれています。
 しかし、私は、総裁が日銀の総裁の候補として名前が挙がって、あれは議運の委員会で質問させていただいたときに、三つのルートがあるんだという説明をしていたかと思います。三つのルートで物価を上昇させていくと。一番は何かというと、デフレ期待を脱却させて、要するにこれから物価が上がっていくんだから個人消費について喚起していくんだと、これが一番物価上昇の原点だというお話だったわけですよ。二つ目は、企業がですね、企業が金利が下がることによって更なる設備投資を行っていくこと、企業活動が活性化されて物価が上がっていくと。これは私は真っ当な意見だとは思いますが、しかし本当に気に働きかけて消費が増えるのかどうかについては、あの当時、私は相当懐疑的でございました。
 問題は何かというと、副作用である円安に誘導されて輸入物価が上がってくることによって物価上昇をさせていく、もう今やこの副作用の三つ目しかないと言わんがばかりのような内容になっていますよ。そうすると、真っ当な形で物価を上昇させるのではなくて、いわゆる円安に誘導した副作用によってのみ、もうこれはここにしか頼りにならないんだという言い方をしているということは、はっきり申し上げて方向が間違っているんじゃないですか。
 今のやり方そのものが根本的に間違っていると私は思いますけど、この点についていかがですか。
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黒田東彦#22
○参考人(黒田東彦君) この二%の物価安定目標に向けて上昇率を高めていくということは、冒頭で申し上げましたとおり、需給ギャップの改善や中長期的な予想物価上昇率を背景にして物価の基調が着実に高まっていき、物価安定の目標である二%に向けて上昇率を高めていくというふうに考えていると、これは政策委員会でも議論して、展望レポートでもお示ししている考え方でございます。それに加えまして、原油価格が現状程度の水準から緩やかに上昇をしていくとの前提に立てば、二%程度に達する時期は二〇一七年度中になると予想しているという、これも政策委員会で議論して、展望レポートで示したところでございます。
 原油価格が一昨年の夏以来七〇%を超える下落がありまして、それが生鮮食品を除く消費者物価の上昇率を引き下げて、現状ゼロ%程度で推移していることは事実でありますけれども、展望レポートでもお示ししたとおり、原油価格が現状程度の水準から緩やかに上昇していくと、これは特別に日本銀行としての見通しを立てているというよりも、原油価格、先物価格の動向を踏まえてこのような前提を立てて、二%程度に達する時期について予想をしているわけでございます。
 展望レポートの中では、御指摘のその為替レートについて特別に大きな記述はしておりません。
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櫻井充#23
○櫻井充君 済みませんが、答弁、もっと短くしていただけないですか。
 私が聞いているのは、方向は間違っていないのかと聞いているんです。これについてどうお考えですか。
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黒田東彦#24
○参考人(黒田東彦君) 方向は間違っておりません。
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櫻井充#25
○櫻井充君 じゃ、改めて、二%の物価目標という方向は間違っていないと、仮にそこは百歩譲ったとしても、今のやり方そのものは間違っているとはお考えじゃないんでしょうか。
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黒田東彦#26
○参考人(黒田東彦君) 考えておりません。
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櫻井充#27
○櫻井充君 それでは、じゃ、もう一度お伺いしておきますが、なぜそうすると目標は達成できないんでしょうか。目標が達成できていないということは、やり方がどこかで誤っている、最初の想定とは違っていることが起こっているからこそ、今のようになっていないんじゃないですか。
 私は、一番申し上げておきたいのは、気に働きかけるというところが、ちょっといいですか、総裁、聞いてくださいよ、ちゃんと。気に働きかけるというところが根本的に間違っていたんじゃないですかと私は思っているんですよ。
 どうして皆さんが物を買っていくのかどうか、デフレ期待がなくなった時点で。それは、例えば大型の物を買う場合には、来年、物が下がると思っていたら買わないかもしれない。例えばテレビとか車とか、そうかもしれません。典型的な例を申し上げれば、消費税が導入されるときには駆け込み需要というのが起こってくるので、物価が上がると思えばそれはみんな買うんですよ。ですが、日常生活品はこれから物価がどんどんどんどん上がっていきますということになったら、皆さんは無駄な支出を抑えようとしてくる。これ実際、総務省の統計はそうなっているんですよ。
 ですから、物価が上がってくると、これは日銀の国民生活調査の中で国民の皆さんがそう感じていらっしゃって、ですから、この先は物価が上昇するであろうという、もう皆さんはそう感じているんですよ。だけど、消費は上がってこないということは、それは、気に働きかけるんだという、そこの考え方そのものが根本的に間違っていたということじゃないんですか。
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黒田東彦#28
○参考人(黒田東彦君) この点につきましては、物価の上昇率を決めるものは何かというものについては、政策委員会でも長く議論しておりますし、様々なエコノミストの議論もございますけれども、やはり基本的に、予想物価上昇率と足下の需給ギャップ、この二つが非常に大きく影響する。もちろん、原油価格の動きであるとか為替の動きであるとかいうことも影響することは間違いないんですけれども、中長期的に見た物価動向を決めるものというのは、やはり予想物価上昇率と需給ギャップであろうと。そういったものに両者に働きかけていくという形で金融政策が物価に対して影響を与えていくということでございます。
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櫻井充#29
○櫻井充君 結局、需給の方が僕は強いと思うんですよ。例えば、被災地で、これで説明になるかどうか分かりませんが、例えば生コンなんかは一立米七千円で取引されていたわけです、震災前は。だけど、公共事業が増えて生コンの需要が増えて、今は宮城県で一万五千円前後で取引されているんです。
 ですから、需要が高まれば物の値段が上がってくるというのは、これは経済原理として当たり前のことだと思っているんですよ。つまり、消費が喚起されないから、だからこそ物価が上がってこないということに尽きるんだと思っているんです。
 それは、ここは総裁と私の考え方の根本的な違いだと思いますが、繰り返しになりますが、物価が上昇してくるということになれば庶民は買い控えするんですよ。だから消費が落ちると、私はそう思います。そこが、庶民の気持ちが総裁は分かっていないから誤っている政策をこのまま正しいと言い続けられているんじゃないかと思いますが、改めてお伺いしておきます。総裁は、このままの政策でいいとお考えなんですね。
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