内閣委員会

2016-03-31 参議院 全117発言

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会議録情報#0
平成二十八年三月三十一日(木曜日)
   午前十時二分開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         神本美恵子君
    理 事
                井上 義行君
                上月 良祐君
                相原久美子君
    委 員
                石井 準一君
                岡田  広君
                岸  宏一君
                酒井 庸行君
                山東 昭子君
                世耕 弘成君
                二之湯武史君
                福岡 資麿君
                風間 直樹君
                藤本 祐司君
                牧山ひろえ君
                山本 香苗君
                田村 智子君
                江口 克彦君
                山田 太郎君
                山本 太郎君
   衆議院議員
       内閣委員長    西村 康稔君
       内閣委員長代理  田村 憲久君
       内閣委員長代理  大口 善徳君
       内閣委員長代理  河野 正美君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(少子化
       対策))     加藤 勝信君
   副大臣
       内閣府副大臣   高鳥 修一君
       厚生労働副大臣  竹内  譲君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        高木 宏壽君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤田 昌三君
   政府参考人
       内閣府子ども・
       子育て本部統括
       官        武川 光夫君
       厚生労働大臣官
       房審議官     吉本 明子君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    石井 淳子君
   参考人
       全国保育団体連
       絡会事務局長   実方 伸子君
       独立行政法人都
       市再生機構理事  伊藤  治君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○子ども・子育て支援法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○成年後見制度の利用の促進に関する法律案(衆
 議院提出)
○成年後見の事務の円滑化を図るための民法及び
 家事事件手続法の一部を改正する法律案(衆議
 院提出)
    ─────────────
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神本美恵子#1
○委員長(神本美恵子君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 子ども・子育て支援法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣府子ども・子育て本部統括官武川光夫さん外二名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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神本美恵子#2
○委員長(神本美恵子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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神本美恵子#3
○委員長(神本美恵子君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 子ども・子育て支援法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に参考人として全国保育団体連絡会事務局長実方伸子さん及び独立行政法人都市再生機構理事伊藤治さんの出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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神本美恵子#4
○委員長(神本美恵子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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神本美恵子#5
○委員長(神本美恵子君) 子ども・子育て支援法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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藤本祐司#6
○藤本祐司君 おはようございます。民進党・新緑風会の藤本でございます。
 今日は二十分間質問させていただくことになろうと思いますが、質問通告四問出していますけれども、基本的には質の高い保育とは何ぞやと、そこが一つのテーマで質問をしたいと思っております。
 まず、大臣にお聞きしますが、保育所、まあ保育施設、保育園ですね、この保育園は誰のためにあるものなんでしょうか。
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加藤勝信#7
○国務大臣(加藤勝信君) 二つの要素がもちろんあるわけでありまして、一番大事なことは、我が国の将来を担う子供さん方に対して、まさに大変、人間形成にとって極めて重要な時期に、いわゆる養護、子供の生命の保持及び情緒の安定を図るために行う援助や関わりをベースとして、そして教育、すなわち子供の発展過程に応じて基本的な生活習慣、愛情と信頼感、協調性、道徳性、興味や関心、豊かな感性や思考力、表現力を養うため発達支援を行うものであります。そして他方で、やはり働く方がまさに育児とそして働き方を両立する、それを支援する、そういう機能も当然担っているわけでございます。
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藤本祐司#8
○藤本祐司君 分かりました。
 それでは、小学校とか中学校とか義務教育、これは誰のためにあるんでしょうか。
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加藤勝信#9
○国務大臣(加藤勝信君) 直接のあれではございませんけれども、もちろん基本的にそこにいる子供さん方、まさに日本の未来を担う子供さん方の健全な発展、そして社会人として必要な素養を身に付けていく、そうした機能を果たしていると、こういうふうに思います。
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藤本祐司#10
○藤本祐司君 今のお答えで大体分かるんですが、保育所については、子供のためのみならず、働く女性だけではなく、家族といいますか、その方々のためにあるという、小学校、中学校あるいは高等学校等々はその本人のためなんだけれども、保育所はそれにプラス家族のためでもあるんだよという、そういうことなんだろうと思います。
 そういうお答えだったんだろうと思いますが、ちょっとそれを中心にお聞きしたいと思いますが、本当は、実は当初、この法案の改正のそのもののところだけに焦点を絞って、二十分ですので質問しようと思ったんですが、先般の二之湯委員の質問、非常にすばらしい指摘があったかと思いましたので、それに触発されまして、ちょっと観点を変えて、もうちょっと大きなところから質問をしていきたいというふうに思います。
 いろいろなところで今、質の確保、質の高い保育という話が出るんですが、ずばり、質の高い保育というのはどういう保育を指しているんでしょうか。悪い保育、普通の保育、良い保育ともし分けた場合に、良い保育というのは何がどう違うんでしょうか。
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加藤勝信#11
○国務大臣(加藤勝信君) 質の高い保育、先ほど保育の意味するところは申し上げたところでございますけれども、やはり一つ大事なことは、事故がなく、安全で安心な整備、環境の下、そうした環境がきちんと確保された下で高い専門知識やスキルと意欲を持った人材が行うことによって実現されていくものだと、こう思っております。
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藤本祐司#12
○藤本祐司君 分かりました。
 質の高い保育、教育は大事だということは概念的には非常によく分かるので、それについて少しお聞きしたいと思っていますが、お手元に資料を配付させてもらっているかと思います。
 これは、今年の一月七日に開催されました社会保障審議会児童部会保育専門委員会で使用された資料でございまして、その一部を今日はお配りをしたんですが、この資料の意味するところ、これは何を意味しているのか、ちょっとお答えいただけますでしょうか。
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吉本明子#13
○政府参考人(吉本明子君) お答え申し上げます。
 御指摘の資料でございますが、これは保育所保育指針、保育の内容ですとかその運営に関する指針でございますが、これは十年ごとに改定をしておりまして、その改定に向けた議論を行っております専門委員会におきましてお出ししたものでございます。当日の議論のテーマは、乳児保育及び三歳未満児の保育を議題とした際の資料でございまして、OECDなどで用いられているというものでございます。
 この資料は、就学前の時期、特に三歳未満の時期が子供の発達、ここに四つほどの発達に関する中身が取り上げられておりますが、言語、感情コントロール、対人スキル、数的知性、このいずれを取りましても感受性という意味で重要な意義を有するという、そういう脳機能の発達の観点を示すものとして、御参考としてお示しをしたものでございます。
 保育所保育指針は、子供の健康、安全の確保、併せてその発達の保障の観点から保育所が行うべき保育の内容等を定めたものでございまして、専門委員会における議論が充実したものになるよう、引き続き努めてまいりたいと思っています。
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藤本祐司#14
○藤本祐司君 これが全てとは言いませんが、このグラフを見ると、やはりゼロ歳から三歳、四歳というのは非常に重要だということが分かるんですね。
 エモーショナルコントロール、簡単に言えば、分かりやすい言葉で言えば、多分我慢する力みたいなところがあるんだと思います。感情をどう抑制するのかということとか、あとはピア・ソーシャル・スキルズ、仲間たちとうまくやっていく、社会性を身に付けていくそういう力、これが多分ゼロ歳から三歳、四歳で非常にピークを迎えて、あとはだんだんなだらかということになりますと、ちょっといろいろ関係者に聞いたところ、二十歳になってこれを一生懸命付けようとしても実は間に合わないんだという、そういう話があるわけで、そういう意味で、非常に保育というのは重要な、人間形成の中で重要な位置付けになっているということが認識できると思うんですね。あと、言語とか数とか音楽とか運動とか、この脳の臨界期というのはゼロから八歳から九歳までと言われていますけれども、その辺りをやっぱりちゃんと捉えながら、保育の在り方、幼児教育の在り方というのを考えていかなければいけないんだろうというふうに思っております。
 そして、保育所の問題というのは、今言いましたように、子供の成長あるいはこれからの社会の成長に非常に大きく関わってくるわけなんで、ゼロ歳から三歳でもうこの能力が備わってくるということを考えると、これ長期的に見ると、二十年後の日本を支えるこの子供たちはゼロ歳から四歳の間がとっても大事なんだということを考えると、保育というのは子供の成長、今、日本の成長戦略、今すぐ成長というのではなくて、将来的な意味の成長戦略という意味で非常に重要なんだろうというふうに思っておりますが、その辺りの認識はどうなんでしょうか。
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加藤勝信#15
○国務大臣(加藤勝信君) 委員御指摘のありました先日の二之湯委員でも、ペリーの就学前計画の話が出てきたわけでございます。
 こうした一種の統計というか調査、非常にアメリカの場合等々は四十年にわたる分析をし、やはりきちんとした幼児教育プログラムを参加した者は、成人以降において学校の良い成績あるいは良い収入につながったという指摘がなされているわけでありますし、またそうしたことを踏まえて、OECDのこれは事務局のレポートということではありますけれども、幼児期の質の高い教育、保育は、より良い子供の福祉、生涯学習の基盤となるより良い学習効果、そしてより公平な子供の発育、こうした子供に関することのみならず、貧困の縮小、あるいは世代間での社会階層の移動の増加、そしてより多くの女性の労働市場への参加、さらには出生率の増加、加えて社会経済的な発展などの利益、こういったことがもたらされると、こういうふうにも指摘をされているわけでありますので、今委員御指摘のように、その時期にしっかりとした、これは家庭内も含めてだと思いますけれども、しっかりとした教育をし、保育所においてもそうしたことが行われるということは将来における日本の育成を大きく左右することにつながるんだろうと、こう思います。
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藤本祐司#16
○藤本祐司君 ありがとうございます。
 長期的には本当にその理想的なスタイルというのはこういうものだというのがやはり出てくるんだろうと思いますが、そうはいっても、今目の前の課題にやはり我々は解決していかなきゃならないというのも政治の役割の一つなんだろうと思いますが、今問題になっているのは、待機児童の問題は非常に都市部を中心に問題になっているんですが、若干懸念されるのは、待機児童を解消するということを数字上で解決するために保育所の定員を増やしましょうよという安易な発想が恐らく出てきてしまうのではないかなという懸念が一つある。あるいは、介護施設を利用して保育施設を拡大して、待機児童がいかにも少なくなったかのような形にしてしまうとか、いろんなやり方が出てきてしまうのではないかなというちょっと懸念はあるんですよ。
 ですから、今までの定員を増やして、一人ずつ定員、あるいは二人ずつ増やせば大分、二千五百とか五千人減るじゃないかとか、そういう議論が出てしまうのは非常に問題があるんだろうというふうに思いますし、この間の二之湯委員の質問の中にも子預けになってはいけないんだという、子預けを更に進めて詰め込みになってしまってはやっぱりいけなくて、詰め込みにすることによって待機児童数は減るけれども、現実的には質のいい保育を確保できなくなってしまうと、そういうことはやってはいけないんだろうということが私は考えますけど、大臣はどのようにお考えになりますでしょうか。
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加藤勝信#17
○国務大臣(加藤勝信君) 委員御指摘のように、先ほどから申し上げている、また申し上げていますように、保育というのはまさに次の時代を担う子供さん方にとって非常に大事な時期に対して行われるそうしたものでありますから、当然、そこにおいては適切な環境というものが整備をされていく必要が当然あると思います。
 ただ、先般の政府あるいは厚生労働省における対策においては、別に今の基準自体を切り下げろとしているわけではないというふうには承知をしておりますけれども、ただ、いずれにしても、そこで預かるということだけではなくて、今申し上げた保育という、あるいは幼児教育という側面があるということはしっかり認識をして対応していかなければいけないんだろうと思います。
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藤本祐司#18
○藤本祐司君 今回の改正で事業所内保育所の設置に対する支援ということがうたわれているんだろうと思いますが、これ、一義的に言えば、先ほど保育所は誰のためにありますかという中で、働く人のためというのが一部あるという話がありましたが、この事業所内保育所の設置というのは、むしろその働く人のために、それが便利になるための措置であるということが第一義的に出てきてしまうんじゃないかなというふうに思いますが、そういう解釈でよろしいんでしょうか。
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加藤勝信#19
○国務大臣(加藤勝信君) もちろん、今委員御指摘のような側面も当然ございますけれども、やはりそこにおける保育の質の確保という意味においては、既にある子ども・子育て新支援制度における小規模保育等、そういった基準を踏まえて行われるということにしていくつもりでございますし、また、そういう中で保育の質というものにもしっかり配慮していきたいと思います。
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藤本祐司#20
○藤本祐司君 同様に、延長保育もありますよね。この延長保育というのも働く女性を支援する措置で出てきているんだろうというふうに思いますが、事業所内保育にしても、間違ってしまうと事業所内保育所の設置が拡大する、あるいは延長保育が拡大することによって女性が活躍する場は増えるかもしれないけれども、一方で女性の長時間労働が助長されてしまうという懸念も当然出てくるんだろうと思いますね。あと二時間働けるんだからもうちょっと働いてよみたいなところになってしまうと、余計に長時間労働で子育ての時間が阻害されてしまうと。子育ての時間が阻害されてしまうということになると、先ほど、子供の能力というのがゼロ歳から四歳で育まれるんだということを考えたときに、若干の問題等が当然出てくるんじゃないかなというふうに思うんですね。
 だから、女性の活躍を推進する、これはそのとおりなんだろう、それはいいことなんだと思いますが、その結果として、例えば今でいえば待機児童が増えてしまう、その待機児童を解消するために詰め込み保育などをやって、あるいは延長保育をして、女性が働く時間が長時間になってしまうということになってくると、これが少子化対策という究極の目的に貢献するのか否かというところになると、甚だ疑問なところが出てくるんですが、むしろ、私も保育園の関係者の方々にお聞きすると、延長保育になれば余計に働いて疲れてしまって、少子化対策には逆行する可能性もあるんではないかというような意見もあるんですが、その件についてはどうでしょうか。
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加藤勝信#21
○国務大臣(加藤勝信君) 議員御指摘の懸念というのは、ある意味ではそういう部分もあるんだろうというふうに思いますが、ただ、今回の企業主導型のこの保育事業につきましても、様々な、多様な働き方に対して対応していくということでありますし、また、延長保育も、やむを得ない事情で長時間労働等が避けられない場合の言わばセーフティーネットということでございます。
 やはり、むしろ長時間労働そのものは、そうした保育の環境から規制していくということではなくて、むしろ長時間労働そのものをやっぱり正面から取り組んでいく必要があるんではないかなと、こう思います。
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藤本祐司#22
○藤本祐司君 そうですね。やはり長時間労働をなくしていくというか、時間外勤務というのをいかに少なくしていくかというところが根本のところなんだろうと思いますが、それと併せてその辺りに注意をやっぱり払っていかないといけないんだろうというふうに思います。
 今日、二十分なので余り細かいところまで質問できなかったんですが、子供の、先ほどのお配りした資料からも分かるんですが、これ、ゼロ歳から三歳、四歳で能力が備わるというのは、この間、二之湯委員も指摘をされて霊長類の話まで行きましたけれども、実は、ホモサピエンスとネアンデルタール、まあネアンデルタール人をホモサピエンスに分類する場合もありますけれども、何が違うのかというと、この間たまたまNHKでもやっていましたが、私もその前からいろいろな方から聞いてみると、ホモサピエンスがなぜ生き残ったかというと、子供を一緒にコミュニティーで育てるという、そういうことがあって、感情抑制力、我慢する力が身に付いて、人とうまくやっていく力が身に付いていくという、これが生き残った一つの理由であるというふうに言われているんですね。
 だから、母子関係の中でのアタッチメント、愛着ということは、基本的には何か不安に思ったり心配になったときにどこかに駆け込むところがある、それが基本的にアタッチメントと言われるところなんだろうと思いますが、それだけではなくて、人間関係というのはやはり多様性の中で築かれていくというような説が最近有力になっているというふうに思います。
 大臣と私は多分一学年違いだと思いますが、ほぼ同じ世代で、私たちの親の世代というのは、さらに兄弟が五人だ六人だ、七人だ八人だは当たり前、三世代居住も当たり前、周り、近くへ出るといっぱい同じような子供たちがいることによって多様性の中で子供が育ってきた。そういう時代と今の時代は全く多分違うんだと思うんですね。
 今の時代は、もう本当に都会は隣に誰が住んでいるかも分からないというようなそういう時代の中で、正直、お母さんとだけ、あるいは国交省が三世代居住を進めるというふうに言っていますが、あれも親が、面倒見てくれる人がいればいいな的な発想だとすれば、おじいちゃん、おばあちゃんだけが面倒を見ていると、多様性の中で暮らしていく、ゼロ歳から四歳の子が生きていくということがほとんど不可能な時代になってしまっているわけなんです。
 ですから、そういう意味では、例えば公園デビューをしましたよといっても、自分の子供を抱えただけでお母さんが話をする、それはお母さんの不安とかストレス解消にもなるのかもしれないけれども、さっき言ったように、ゼロ歳から四歳が大事だというのであれば、本当は子供たちが子供たち同士で、あるいはいろんな人との関わり合いの中で暮らしていかないといけないということを考えると、非常に難しい、今の時代、すぐにというのは難しいと思うんですが、質の高い保育というのは、基本的には子供同士のコミュニケーションによってエモーショナルコントロール、感情抑制力とか社会性を身に付けていくということを考えると、子供を預けるというだけではなくて、やはり保育所というのは子供のためにあるんだよということを考えておかないと、お母さんやお父さんのためにあるんだよという発言が最初ありましたけれども、それは現実的にはそうかもしれないんだけれども、基本的には子供のためにあるんだというところを、小学校は親のためにあるわけじゃなくて子供のためにあるという大臣のお話がありましたけれども、まさにそこのところの基本を崩してはやっぱりいけないんではないかなと。
 だから、理想的に言えば、よく言われますが、待機児童問題が解消して、はい、この問題は終わりですよという話ではなくて、それはそれでおしまいじゃないと思うんです。理想的に言えば、働いて、専業主婦で子供の面倒を見れる人でも保育所に三時間、四時間ぐらいは預けて子供の中で生きていくような、そういう仕組みが本当は必要なんだろうと思うんですね。
 そうなってくると、やはり社会の目として、保育士さんの位置付けというのは物すごい意味があって、大変な仕事で、能力が高くなければできない仕事で、社会的に意味のある、価値のある仕事なんだということをもっともっとみんなが見ていかないといけないんではないかなという、そういう哲学の中でこの子ども・子育てというのを考えていくべきだろうということを申し上げまして、質問終わりにしたいと思います。
 ありがとうございました。
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田村智子#23
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 今日は、保育の現場を知る方に是非お話を伺いたいということで、全国保育団体連絡会事務局長の実方伸子さんにお越しいただきました。
 まず、実方参考人にお聞きをいたします。
 安倍内閣は、待機児童解消加速化プランの柱として、この法案で企業主導型保育事業を新設し、五万人の受皿にするとしています。それでは、今保育所に入れずに困っている保護者の方の要求にこれは応える施策だとお考えかどうか、お願いいたします。
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実方伸子#24
○参考人(実方伸子君) 本日は、このような機会をいただいて、有り難いと思っています。全国保育団体連絡会の実方と申します。
 今、田村議員からもありましたように、この問題は連日マスコミをにぎわしていますが、三月二十八日に厚生労働省待機児童緊急対策を公表しました。小規模保育所の定員基準の緩和や国の基準以上で保育をする自治体の基準を国基準並みに引き下げること、つまり今以上に受持ち人数を増やすように自治体に要請するなど、規制緩和策が中心になっています。この間話題になっている保育士の処遇改善には全く触れられておらず、現場の保育士からは、次は保育士は死ねということかとの落胆の声も上がっています。
 しかし、その中で示された企業主導型保育事業の積極的展開については、二〇一六年度予算において既に八百億円近くが措置されています。残念ながら、その位置付けや内容が関係者に十分説明されているとは言い難く、利用者である保護者や現場で働く保育士から疑問や不安の声も多数上がっています。現場の声あるいは保護者のニーズであるというふうには私たちは考えておりません。
 今、果たして企業主導型保育が今求められる待機児童対策として十分なものなのか、今緊急の課題とされている保育士の処遇改善よりも優先されるべきものなのか、以下の点について十分な検討、審議をお願いをしたく、この場をお借りして意見を申し述べさせていただきたいと思います。
 まず第一に、企業主導型保育事業は認可外施設であり、新制度の実施主体である市町村が関与しないという問題があると思います。
 子ども・子育て支援制度は保護者にとって最も身近な市町村が中心となって進めることになっており、これが保護者がこの制度に信頼を寄せるゆえんでもあります。現在、都市部で待機児童が問題になっていますが、市町村に保育の実施責任があるからこそ、保護者は市町村に対して認可保育所入所を、待機児童の解消を求めるのであって、市町村が責任を持つということの意味は大変大きいものです。
 しかし、企業主導型保育事業は、補助金の管理、事業の執行を内閣府が行い、都道府県が指導監督し、事故等があった場合は設置運営の主体者が責任を負うという、保育に対する責任の所在が多元化しているため、非常に中身が分かりにくくなっています。また、認可外施設であるために、災害共済給付制度の対象にはならないということも保護者の不安を大きくしています。これも保護者のニーズではないということの証左であると思います。
 二つ目に、企業主導型保育事業の基準の問題です。
 企業主導型保育事業は、夜間、休日勤務あるいは短時間勤務、一時預かりなど、柔軟に対応できるということになっていますが、登園、降園時間が異なる子供、短時間しかいない子供、毎日登園しない子供、様々なニーズの子供たちを一緒に保育し、かつ、先ほど藤本先生からもありましたように、一人一人の発達を保障するという、そういう保育をするということは、毎日同じ時間帯に毎日同じ子供が保育される一般的な保育所とはその内容も保育の組立ても大きく異なり、通常の保育以上に高い専門性が必要になります。特に、夜間や短時間などは特殊な保育であるために、柔軟な対応ではなかなかできません。明確かつ日常の保育以上に安全を担保できる基準が必要です。
 ところが、ここで想定されている保育の基準は小規模保育のB型、保育士の資格者は二分の一でいいということで、これは認可保育所の基準より低くなっています。こういうことも保護者の願いには応えるものにならないというふうに思います。
 私たちは、事業所内保育所が果たす役割を否定するものではありませんし、そういう役割は十分承知しておりますが、仕事と子育ての両立を願う多くの保護者は、できれば家の近くで就学まで安心して預けられる保育所で保育を受けたいと考えており、地域で保育施設が整備されることを願っていると思います。だから、地域の認可保育所に入れてほしいということで市町村に保育所の増設を求めています。地域の保育所の整備以上のニーズが企業主導型の保育事業、事業所内保育の整備にあるとは思えません。
 私は、国におかれましては、こうした保護者の切実な願いを踏まえて、二年目に入る子ども・子育て支援新制度など既存の制度が更に改善されて、市町村が保育に責任を果たせるように、財政も含めて御支援をいただけるようにお願いをしたいと考えています。
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田村智子#25
○田村智子君 今大きくお答えをいただきました。
 それで、少し踏み込んでお聞きをしたいのは、一つは、実はこれまでの法案審議の中でも、例えば毎日満員電車に揺られて、そこに乳幼児抱えて通うなんていうのは大きな負担になるじゃないかと、こういう指摘も他党の議員からもされました。
 そこで、地域での子育て、今お触れになりましたけれども、この地域での子育てという観点から見たときに企業主導型保育をどのように評価をされますか。
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実方伸子#26
○参考人(実方伸子君) 多くの保護者は地域での子育てを望んでいるということをお話ししましたが、経験されている方はもう御存じだと思いますけれども、幼い子供を抱えて通勤をするというのはちょっと大変厳しいことだと思います。
 まして、登園、降園をする保育所の送り迎えというのは、大きな荷物があったり、それから汚れ物があったり、非常に負担が大きいです。子供が二人、兄弟がいたりすると更にそれは大きなものになります。ですから、ただ子供を連れて出勤するということではなくて、いろいろな付随するものを持って、荷物を持って出勤する、またその荷物を持って帰っていくというようなことを考えると、とても保護者のニーズには合っていないのではないかなというふうに思います。
 そして、保護者にとっては、ゼロ、一、二、あるいは三、四、五のところだけの子育てがあるのではなくて、その後、地域で小学校、中学校まで見通した保育あるいは子育てというのを展望しているわけで、企業の保育所、事業所内保育所に入ってしまうと、例えば保護者、両親が同じ職場である場合はいいですけれども、多分夫と妻は違う職場にいるんじゃないかと思います。そうしたときに、どちらの職場の事業所内保育所に子供が入るかということになって、片方だけに保育の負担が掛かってしまうのではないかと、そういうことを懸念されている特にお母さん方がたくさんいらっしゃいます。
 そうしたことを考えるときに、保育はもう働く保護者にとっては生活の一部というふうになっていますので、できるだけ家庭の近くで、そして何かあったときに地域のコミュニティーの中で、両親が迎えに行けないときは、地域の子育てネットワークを幼いときから形成して、そして近所の方も含め、あるいは保育所の子育て仲間も含め、子育てが支え合えるようなそういう状況をつくっていくという上でも、やはり地域での子育て、地域の保育所での子育てというのが非常に重要になってくるのではないかと思います。
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田村智子#27
○田村智子君 もう一点、最初に指摘のされた質の問題で、私も、企業主導型保育が、保育士の有資格者、これは保育をする人の半数でも構わないと、こういう基準になっていることを大変危惧していますが、この点についてもう一度お願いできますか。
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実方伸子#28
○参考人(実方伸子君) 保育の専門性、先ほど保育の質というお話もありましたが、保育というのは集団の子供たちを集団で保育するというのが特徴です。一対三とか一対六というのがありますけれども、多くの保育所では、クラスに十人の子供がいて、そこで複数の保育者が保育をするというふうになっています。日常的にはそのクラスの子供たちというのは変わらないということになっていますが、ここで想定されている企業主導型保育は、短時間の子供だとか、あとは二十四時間の開所なども想定されています。
 今、多くの保育所で一時保育など突発的な保育の受入れもしていますけれども、子供にとっては初めての場所で知らない人に保育をされるというのは非常にストレスがたまりますので、そういう子供を受け入れるということは保育者の専門性が非常に問われます。大体、子供は大泣きします、初めて行った場所で。そういう子供たちが毎日入れ替わり来る、それに対応するというようなことはやはり相当の専門性がないとできないというふうに思います。それが資格者が二分の一でいいとか保育士の資格がなくてもいいということになると、これは子供にとってもストレスですし、その子にもストレスですし、そういう子供に手が掛かるということになると、周りのほかの子供たちに対して目が向けられない可能性も出てくるということで、全体として保育の質の低下が招かれるのではないかというふうに思います。
 ですから、普通の保育以上に保育士の配置を手厚くするということの方が私は必要だと思いますので、資格者が二分の一というのは非常に安全性の面からも、あるいは保育の質を担保する面からも問題があると思われます。
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田村智子#29
○田村智子君 こういうお声を聞いてから、私は是非法案を作っていただきたかったというふうに思います。
 政府にお聞きします。
 事業所内保育事業というのは、児童福祉法に規定をされて、厚生労働省令によって保育を行う人の配置基準、設備基準など最低基準の定めがあります。これとは別に企業主導型保育事業を行うとなれば、保育士など人の配置や保育室の面積など施設の基準がどうなるのかと。
 実は、施行日はあしたなんです。ところが、昨日までも何度聞いても、内閣府はこれから考えると、これから決めるんだという答弁で、余りに無責任だとまず言わなければなりません。
 これまでの答弁では、現行の事業所内保育事業の小規模保育B型に準じて考えるのだと言います。これだと、今指摘あったとおり、保育を行う人のうち保育士資格を持つ人は二分の一以上、つまり半数でもよいということになります。小規模A型は全員保育士という基準になっています。わざわざ低い方の基準に準ずるということにしたということですね。
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