厚生労働委員会
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会
会議録情報#0
平成二十九年五月二十三日(火曜日)
午前十時開会
─────────────
委員の異動
五月十九日
辞任 補欠選任
東 徹君 片山 大介君
五月二十二日
辞任 補欠選任
馬場 成志君 渡辺美知太郎君
五月二十三日
辞任 補欠選任
渡辺美知太郎君 和田 政宗君
川合 孝典君 浜野 喜史君
片山 大介君 石井 苗子君
─────────────
出席者は左のとおり。
委員長 羽生田 俊君
理 事
島村 大君
そのだ修光君
高階恵美子君
足立 信也君
山本 香苗君
委 員
石井みどり君
小川 克巳君
太田 房江君
木村 義雄君
自見はなこ君
藤井 基之君
三原じゅん子君
宮島 喜文君
和田 政宗君
渡辺美知太郎君
石橋 通宏君
川合 孝典君
川田 龍平君
浜野 喜史君
牧山ひろえ君
熊野 正士君
谷合 正明君
倉林 明子君
石井 苗子君
片山 大介君
福島みずほ君
薬師寺みちよ君
国務大臣
厚生労働大臣 塩崎 恭久君
副大臣
厚生労働副大臣 橋本 岳君
厚生労働副大臣 古屋 範子君
事務局側
常任委員会専門
員 吉岡 成子君
政府参考人
厚生労働省社会
・援護局長 定塚由美子君
厚生労働省社会
・援護局障害保
健福祉部長 堀江 裕君
厚生労働省老健
局長 蒲原 基道君
厚生労働省保険
局長 鈴木 康裕君
参考人
東京大学大学院
法学政治学研究
科教授 岩村 正彦君
日本ケアマネジ
メント学会副理
事長
NPO法人渋谷
介護サポートセ
ンター事務局長 服部万里子君
三菱UFJリサ
ーチ&コンサル
ティング株式会
社社会政策部長
・上席主任研究
員 岩名 礼介君
三重短期大学非
常勤講師 村瀬 博君
─────────────
本日の会議に付した案件
○地域包括ケアシステムの強化のための介護保険
法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議
院送付)
○政府参考人の出席要求に関する件
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この発言だけを見る →午前十時開会
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委員の異動
五月十九日
辞任 補欠選任
東 徹君 片山 大介君
五月二十二日
辞任 補欠選任
馬場 成志君 渡辺美知太郎君
五月二十三日
辞任 補欠選任
渡辺美知太郎君 和田 政宗君
川合 孝典君 浜野 喜史君
片山 大介君 石井 苗子君
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出席者は左のとおり。
委員長 羽生田 俊君
理 事
島村 大君
そのだ修光君
高階恵美子君
足立 信也君
山本 香苗君
委 員
石井みどり君
小川 克巳君
太田 房江君
木村 義雄君
自見はなこ君
藤井 基之君
三原じゅん子君
宮島 喜文君
和田 政宗君
渡辺美知太郎君
石橋 通宏君
川合 孝典君
川田 龍平君
浜野 喜史君
牧山ひろえ君
熊野 正士君
谷合 正明君
倉林 明子君
石井 苗子君
片山 大介君
福島みずほ君
薬師寺みちよ君
国務大臣
厚生労働大臣 塩崎 恭久君
副大臣
厚生労働副大臣 橋本 岳君
厚生労働副大臣 古屋 範子君
事務局側
常任委員会専門
員 吉岡 成子君
政府参考人
厚生労働省社会
・援護局長 定塚由美子君
厚生労働省社会
・援護局障害保
健福祉部長 堀江 裕君
厚生労働省老健
局長 蒲原 基道君
厚生労働省保険
局長 鈴木 康裕君
参考人
東京大学大学院
法学政治学研究
科教授 岩村 正彦君
日本ケアマネジ
メント学会副理
事長
NPO法人渋谷
介護サポートセ
ンター事務局長 服部万里子君
三菱UFJリサ
ーチ&コンサル
ティング株式会
社社会政策部長
・上席主任研究
員 岩名 礼介君
三重短期大学非
常勤講師 村瀬 博君
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本日の会議に付した案件
○地域包括ケアシステムの強化のための介護保険
法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議
院送付)
○政府参考人の出席要求に関する件
─────────────
羽
羽生田俊#1
○委員長(羽生田俊君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、東徹君及び馬場成志君が委員を辞任され、その補欠として片山大介君及び渡辺美知太郎君が選任されました。
─────────────
この発言だけを見る →委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、東徹君及び馬場成志君が委員を辞任され、その補欠として片山大介君及び渡辺美知太郎君が選任されました。
─────────────
羽
羽生田俊#2
○委員長(羽生田俊君) 地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
本日は、本案の審査のため、四名の参考人から御意見を伺います。
御出席いただいております参考人は、東京大学大学院法学政治学研究科教授岩村正彦君、日本ケアマネジメント学会副理事長・NPO法人渋谷介護サポートセンター事務局長服部万里子君、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社社会政策部長・上席主任研究員岩名礼介君及び三重短期大学非常勤講師村瀬博君でございます。
この際、参考人の皆様方に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多忙中のところ当委員会に御出席いただき、誠にありがとうございます。
参考人の皆様から忌憚のない御意見をお述べいただきまして、本案の審査の参考にさせていただきたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。
次に、議事の進め方でございますが、まず、参考人の皆様からお一人十五分以内で順次御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。
なお、参考人、質疑者共に発言は着席のままで結構でございます。
それでは、まず岩村参考人にお願いいたします。岩村参考人。
この発言だけを見る →本日は、本案の審査のため、四名の参考人から御意見を伺います。
御出席いただいております参考人は、東京大学大学院法学政治学研究科教授岩村正彦君、日本ケアマネジメント学会副理事長・NPO法人渋谷介護サポートセンター事務局長服部万里子君、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社社会政策部長・上席主任研究員岩名礼介君及び三重短期大学非常勤講師村瀬博君でございます。
この際、参考人の皆様方に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多忙中のところ当委員会に御出席いただき、誠にありがとうございます。
参考人の皆様から忌憚のない御意見をお述べいただきまして、本案の審査の参考にさせていただきたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。
次に、議事の進め方でございますが、まず、参考人の皆様からお一人十五分以内で順次御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。
なお、参考人、質疑者共に発言は着席のままで結構でございます。
それでは、まず岩村参考人にお願いいたします。岩村参考人。
岩
岩村正彦#3
○参考人(岩村正彦君) 岩村正彦と申します。東京大学大学院法学政治学研究科教授を務めておりまして、社会保障法と労働法等を研究しております。
本日は、参考人としてお呼びをいただきまして、誠にありがとうございます。
私は、社会保障審議会の介護保険部会の部会長代理を務めております。本日この委員会で議題となっている政府から提出されました法案は、この部会の報告書の内容を踏まえたものと理解しております。本日は、部会での議論も御紹介しつつ、この法案に関する私の意見を述べさせていただきたいと存じます。
まずは、今回の制度改正の背景について触れておきたいと存じます。
介護保険制度は、その創設から御承知のように既に十七年がたちまして、今や高齢者の皆様の生活を支える制度としてなくてはならないものとなっております。しかし、二〇二五年にはいわゆる団塊の世代全てが七十五歳以上となり、二〇四〇年にはいわゆる団塊ジュニア世代が六十五歳以上になるなど、人口の高齢化は更に進展するということが見込まれております。こうした将来を見通しますと、財源と人材とをより重点的、効率的に配分し活用する仕組みというものを構築しまして、介護保険制度の持続可能性を確保することが重要と考えます。
これにつきまして、介護保険部会の報告書におきましては、介護保険の保険者である市町村の保険者機能の強化でありますとか、利用者負担の在り方、保険料負担の在り方につきまして、世代内、世代間の公平などをより一層図るための見直しの必要性を指摘しております。
今回の政府提出法案は、今御紹介をいたしました介護保険部会の考え方に沿っているものでありまして、適切な内容と考えております。
続いて、法案の具体的内容につきまして、私の考えを三点につきまして述べさせていただきたいと存じます。
第一点は、自立支援、重度化防止に向けました保険者機能の強化に関してでございます。
高齢化の状況は地域によって異なっておりますし、そのため介護需要も地域によって違いがございます。また、要介護認定率、一人当たり介護費用、施設サービスと居宅サービスの割合などにも地域差が見られます。
こうした地域差がある状況の下で地域包括ケアシステムを推進するための取組をより一層進めるためには、特に市町村に対してどのような方策を提供していくべきかについて、介護保険部会で議論をいたしたところでございます。
その結果としまして、まず出発点として、各市町村がそれぞれの地域の実態把握、課題分析を行い、次いで、その把握、分析の結果を基に地域の共通目標を設定し、関係者間で共有するということとともに、その目標達成に向けた具体的な計画を作成する。そして第三として、こうして作成した計画に基づいて、地域の介護資源の発掘や基盤整備、多種職連携の推進、効率的なサービス提供も含め、自立支援や介護予防に向けた様々な取組を推進し、最後に、これら様々な取組の実績を評価した上で計画について必要な見直しを行うというサイクル、いわゆるPDCAサイクルを回す仕組みの構築が必要であるという取りまとめとなりました。これは、今回の法案にも盛り込まれているところでございます。
こうした形で保険者機能の枠組みを法律で整備することにより、市町村は、自立支援、重度化防止のための効果的な取組を実施できるようになるということでありまして、有用な政策と評価できると考えております。私としては、法制度の整備を受けて、今後、市町村レベルで着実にPDCAサイクルを回していくためには、例えば分析ツールの充実であるとか組織的な取組体制の構築などが重要と考えております。
加えて、忘れていけないのは、中心的な役割を果たすのは保険者である市町村ではありますけれども、市町村の規模などによっては十分に対応できないというところがあるという点であります。ですので、そうしたところは都道府県や国が重層的に支援をするというところが重要となります。今回の法案におきましては、これについても目配りをしているというところでありまして、都道府県や国による市町村支援も併せて制度化をしておりまして、適切なものと考えております。
保険者機能の強化につきましては、それを促す財政的なインセンティブ付与の問題があり、介護保険部会におきましても議論をさせていただいたところでございます。部会の意見では、自治体ごとに人材やノウハウ、地域資源などに大きな違いがあり、自治体間の格差の拡大につながらないように留意しつつ、丁寧な議論を行うことが適当としているところでございます。私見では、ポイントは財政的なインセンティブの付与に適した指標の設定にあります。適切なサービス利用を阻害しないように、また市町村間の高齢化率や部会意見で指摘された地域資源などの違いに留意をしつつ、公正な指標を設定するよう検討するのが適切と考えております。
以上が保険者機能の強化についてでございます。
第二点は、介護保険制度の持続可能性の確保についてでございます。
介護保険制度は、御承知のように、二〇〇〇年の創設以来、高齢者の介護サービスの充実に大きな役割を果たしてきておるところでありまして、高齢者の生活を支える不可欠の制度と現在においてはなっております。
ところで、今後の見通しでございますけれども、高齢化の進展がもたらす介護サービスの増加に伴いまして、二〇二五年度には保険料の全国平均は八千円を超えるという予想でございます。現役世代の保険料についても同様の見通しとなっております。介護保険制度は、このように保険料負担の増加という問題に現在直面しております。そのため、世代間での負担の公平ということも含め、今後どのように制度を支え、持続させていくかというのが喫緊の課題となっております。
そこで、介護保険部会では、高齢者に対する自立支援や要介護状態等の軽減、悪化の防止といった制度の理念を堅持しつつ、必要なサービスを提供するとともに、給付と負担のバランスを図りながら、制度の持続可能性を高めるための保険料、公費、そして利用者負担の適切な組合せを考えるという、そういう考え方を出発点といたしまして利用者負担や費用負担の在り方につきましての検討を行ったところでございます。
そこで、まず利用者負担についてでございます。
検討の前提といたしまして、事務局から前回の制度改正で導入された二割負担の施行の状況について報告がございました。この報告によれば、二割負担導入前後の対前年度同月比で見たサービスの受給者数の伸び率は、マクロ的な傾向で見たところでは顕著な差はないとのことでありました。引き続き受給者数の動向を注視し分析を行う必要はもちろんございますけれども、こうした前回改正後の動向も踏まえた上で介護保険部会で議論をいたしたところでございます。
利用者負担の見直しには、積極、消極の両方の立場から様々な意見が述べられたところであります。しかし、事務局から提示のありました現役並み所得がある方の利用者負担割合を三割とすることにつきましては、賛同又は容認する意見が多く出されたところと理解しております。そして、負担能力に応じた負担をしていただくように見直していくという方向自体については、おおむね意見の一致を見たと言ってよろしいかと存じます。
私個人の考え方といたしましても、介護保険制度を今後とも着実に維持していくためには、負担能力に応じた負担という形で制度を見直していく必要があると考えております。そして、今回の見直し案は、現役並みの所得がある方に限って三割の負担をしていただくというものでございますので、適切なものと考えております。
今回提案されております利用者負担の引上げに対しては批判的な御意見があるということは、私も承知しているところでございます。それでも、介護保険部会におきましては、それぞれ立場の違いはあるものの、それぞれの委員の皆様は、世代間、世代内の公平性を確保しつつ、介護保険制度の持続可能性を高めるためには何らかの見直しをすることは避けられないということについて、一定の共通理解に至ったように私には思えております。
以上が利用者負担についてでございます。
最後の第三点は、費用負担、具体的には四十歳から六十四歳までの方が加入する医療保険の保険者が負担する介護納付金についてでございます。
介護保険部会では、被用者保険の保険者が負担する介護納付金の額を各保険者の総報酬額に応じて定めるようにすること、つまり、総報酬割の導入の可否というものが議論となりました。この総報酬割の導入は社会保障と税の一体改革でも検討が求められていた事項でございまして、前回の制度改正のときでも部会で議論をいたしたところでございます。今回の部会におきましても活発な議論が行われたところでございます。強く反対する意見も相当数あったところではございますが、介護納付金は、負担能力に応じた負担とするために総報酬割の導入が適当であるということで、多くの委員から賛同を得たと理解しております。
私個人といたしましても、この後に申し上げるような理由から、従前から総報酬割を導入するのが適切であると考えております。
第一に、現行の介護納付金の負担方法には逆進性がございまして、これを解消する必要がございます。第二に、現行の介護納付金の仕組みでは、被用者の医療保険内部で見ますと、多くの人について負担率が高止まりしているという状況にあり、これを改めるべきだと考えています。
総報酬割の導入によりまして逆進性が解消されますし、被用者医療保険内部におきましても、より多くの事業主や被保険者につきまして介護納付金の負担率が下がって負担減ということになります。他方で、負担増になる方もいらっしゃるわけでありますけれども、全体としては負担減になる方の方が多いということになっております。これは、こうした負担の在り方というのは被保険者内部の連帯の在り方としても望ましいと言えますし、負担の能力のある方に負担をしてもらうという考え方にも整合的と言えると考えております。
言うまでもなく、総報酬割の導入の際には、負担増になる被保険者や企業への配慮というものが必要でありまして、段階的な導入や負担の増加する健保組合への支援などの激変緩和措置も必要と言えます。法案が予定する総報酬割の導入は、こうした措置も伴っておりまして適切なものと考えております。
以上、法案の具体的内容につきまして、三点私から意見を述べさせていただきました。意見陳述を終えるに当たりまして、私としては、政府から提出されました法案の確実な実施というものは、二〇二五年を見据えた地域包括ケアシステムの構築と制度の持続可能性を高める上で必要不可欠なものであるということを再度強調させていただきたいと存じます。
以上で発言を終えさせていただきます。御清聴ありがとうございました。
この発言だけを見る →本日は、参考人としてお呼びをいただきまして、誠にありがとうございます。
私は、社会保障審議会の介護保険部会の部会長代理を務めております。本日この委員会で議題となっている政府から提出されました法案は、この部会の報告書の内容を踏まえたものと理解しております。本日は、部会での議論も御紹介しつつ、この法案に関する私の意見を述べさせていただきたいと存じます。
まずは、今回の制度改正の背景について触れておきたいと存じます。
介護保険制度は、その創設から御承知のように既に十七年がたちまして、今や高齢者の皆様の生活を支える制度としてなくてはならないものとなっております。しかし、二〇二五年にはいわゆる団塊の世代全てが七十五歳以上となり、二〇四〇年にはいわゆる団塊ジュニア世代が六十五歳以上になるなど、人口の高齢化は更に進展するということが見込まれております。こうした将来を見通しますと、財源と人材とをより重点的、効率的に配分し活用する仕組みというものを構築しまして、介護保険制度の持続可能性を確保することが重要と考えます。
これにつきまして、介護保険部会の報告書におきましては、介護保険の保険者である市町村の保険者機能の強化でありますとか、利用者負担の在り方、保険料負担の在り方につきまして、世代内、世代間の公平などをより一層図るための見直しの必要性を指摘しております。
今回の政府提出法案は、今御紹介をいたしました介護保険部会の考え方に沿っているものでありまして、適切な内容と考えております。
続いて、法案の具体的内容につきまして、私の考えを三点につきまして述べさせていただきたいと存じます。
第一点は、自立支援、重度化防止に向けました保険者機能の強化に関してでございます。
高齢化の状況は地域によって異なっておりますし、そのため介護需要も地域によって違いがございます。また、要介護認定率、一人当たり介護費用、施設サービスと居宅サービスの割合などにも地域差が見られます。
こうした地域差がある状況の下で地域包括ケアシステムを推進するための取組をより一層進めるためには、特に市町村に対してどのような方策を提供していくべきかについて、介護保険部会で議論をいたしたところでございます。
その結果としまして、まず出発点として、各市町村がそれぞれの地域の実態把握、課題分析を行い、次いで、その把握、分析の結果を基に地域の共通目標を設定し、関係者間で共有するということとともに、その目標達成に向けた具体的な計画を作成する。そして第三として、こうして作成した計画に基づいて、地域の介護資源の発掘や基盤整備、多種職連携の推進、効率的なサービス提供も含め、自立支援や介護予防に向けた様々な取組を推進し、最後に、これら様々な取組の実績を評価した上で計画について必要な見直しを行うというサイクル、いわゆるPDCAサイクルを回す仕組みの構築が必要であるという取りまとめとなりました。これは、今回の法案にも盛り込まれているところでございます。
こうした形で保険者機能の枠組みを法律で整備することにより、市町村は、自立支援、重度化防止のための効果的な取組を実施できるようになるということでありまして、有用な政策と評価できると考えております。私としては、法制度の整備を受けて、今後、市町村レベルで着実にPDCAサイクルを回していくためには、例えば分析ツールの充実であるとか組織的な取組体制の構築などが重要と考えております。
加えて、忘れていけないのは、中心的な役割を果たすのは保険者である市町村ではありますけれども、市町村の規模などによっては十分に対応できないというところがあるという点であります。ですので、そうしたところは都道府県や国が重層的に支援をするというところが重要となります。今回の法案におきましては、これについても目配りをしているというところでありまして、都道府県や国による市町村支援も併せて制度化をしておりまして、適切なものと考えております。
保険者機能の強化につきましては、それを促す財政的なインセンティブ付与の問題があり、介護保険部会におきましても議論をさせていただいたところでございます。部会の意見では、自治体ごとに人材やノウハウ、地域資源などに大きな違いがあり、自治体間の格差の拡大につながらないように留意しつつ、丁寧な議論を行うことが適当としているところでございます。私見では、ポイントは財政的なインセンティブの付与に適した指標の設定にあります。適切なサービス利用を阻害しないように、また市町村間の高齢化率や部会意見で指摘された地域資源などの違いに留意をしつつ、公正な指標を設定するよう検討するのが適切と考えております。
以上が保険者機能の強化についてでございます。
第二点は、介護保険制度の持続可能性の確保についてでございます。
介護保険制度は、御承知のように、二〇〇〇年の創設以来、高齢者の介護サービスの充実に大きな役割を果たしてきておるところでありまして、高齢者の生活を支える不可欠の制度と現在においてはなっております。
ところで、今後の見通しでございますけれども、高齢化の進展がもたらす介護サービスの増加に伴いまして、二〇二五年度には保険料の全国平均は八千円を超えるという予想でございます。現役世代の保険料についても同様の見通しとなっております。介護保険制度は、このように保険料負担の増加という問題に現在直面しております。そのため、世代間での負担の公平ということも含め、今後どのように制度を支え、持続させていくかというのが喫緊の課題となっております。
そこで、介護保険部会では、高齢者に対する自立支援や要介護状態等の軽減、悪化の防止といった制度の理念を堅持しつつ、必要なサービスを提供するとともに、給付と負担のバランスを図りながら、制度の持続可能性を高めるための保険料、公費、そして利用者負担の適切な組合せを考えるという、そういう考え方を出発点といたしまして利用者負担や費用負担の在り方につきましての検討を行ったところでございます。
そこで、まず利用者負担についてでございます。
検討の前提といたしまして、事務局から前回の制度改正で導入された二割負担の施行の状況について報告がございました。この報告によれば、二割負担導入前後の対前年度同月比で見たサービスの受給者数の伸び率は、マクロ的な傾向で見たところでは顕著な差はないとのことでありました。引き続き受給者数の動向を注視し分析を行う必要はもちろんございますけれども、こうした前回改正後の動向も踏まえた上で介護保険部会で議論をいたしたところでございます。
利用者負担の見直しには、積極、消極の両方の立場から様々な意見が述べられたところであります。しかし、事務局から提示のありました現役並み所得がある方の利用者負担割合を三割とすることにつきましては、賛同又は容認する意見が多く出されたところと理解しております。そして、負担能力に応じた負担をしていただくように見直していくという方向自体については、おおむね意見の一致を見たと言ってよろしいかと存じます。
私個人の考え方といたしましても、介護保険制度を今後とも着実に維持していくためには、負担能力に応じた負担という形で制度を見直していく必要があると考えております。そして、今回の見直し案は、現役並みの所得がある方に限って三割の負担をしていただくというものでございますので、適切なものと考えております。
今回提案されております利用者負担の引上げに対しては批判的な御意見があるということは、私も承知しているところでございます。それでも、介護保険部会におきましては、それぞれ立場の違いはあるものの、それぞれの委員の皆様は、世代間、世代内の公平性を確保しつつ、介護保険制度の持続可能性を高めるためには何らかの見直しをすることは避けられないということについて、一定の共通理解に至ったように私には思えております。
以上が利用者負担についてでございます。
最後の第三点は、費用負担、具体的には四十歳から六十四歳までの方が加入する医療保険の保険者が負担する介護納付金についてでございます。
介護保険部会では、被用者保険の保険者が負担する介護納付金の額を各保険者の総報酬額に応じて定めるようにすること、つまり、総報酬割の導入の可否というものが議論となりました。この総報酬割の導入は社会保障と税の一体改革でも検討が求められていた事項でございまして、前回の制度改正のときでも部会で議論をいたしたところでございます。今回の部会におきましても活発な議論が行われたところでございます。強く反対する意見も相当数あったところではございますが、介護納付金は、負担能力に応じた負担とするために総報酬割の導入が適当であるということで、多くの委員から賛同を得たと理解しております。
私個人といたしましても、この後に申し上げるような理由から、従前から総報酬割を導入するのが適切であると考えております。
第一に、現行の介護納付金の負担方法には逆進性がございまして、これを解消する必要がございます。第二に、現行の介護納付金の仕組みでは、被用者の医療保険内部で見ますと、多くの人について負担率が高止まりしているという状況にあり、これを改めるべきだと考えています。
総報酬割の導入によりまして逆進性が解消されますし、被用者医療保険内部におきましても、より多くの事業主や被保険者につきまして介護納付金の負担率が下がって負担減ということになります。他方で、負担増になる方もいらっしゃるわけでありますけれども、全体としては負担減になる方の方が多いということになっております。これは、こうした負担の在り方というのは被保険者内部の連帯の在り方としても望ましいと言えますし、負担の能力のある方に負担をしてもらうという考え方にも整合的と言えると考えております。
言うまでもなく、総報酬割の導入の際には、負担増になる被保険者や企業への配慮というものが必要でありまして、段階的な導入や負担の増加する健保組合への支援などの激変緩和措置も必要と言えます。法案が予定する総報酬割の導入は、こうした措置も伴っておりまして適切なものと考えております。
以上、法案の具体的内容につきまして、三点私から意見を述べさせていただきました。意見陳述を終えるに当たりまして、私としては、政府から提出されました法案の確実な実施というものは、二〇二五年を見据えた地域包括ケアシステムの構築と制度の持続可能性を高める上で必要不可欠なものであるということを再度強調させていただきたいと存じます。
以上で発言を終えさせていただきます。御清聴ありがとうございました。
羽
服
服部万里子#5
○参考人(服部万里子君) 日本ケアマネジメント学会で副理事長をしております服部でございます。
お手元にカラーの本日の参考人の資料を配らせていただきましたので、それに沿って説明をさせていただきます。
実は、申し訳ないんですけれども、ちょっとミスがありますので、先に訂正をお願いいたします。一枚開いた三ページというところの上のところなんですけれども、そこに赤の文字で金額が書いてあります。そこの単位が百億円となっていますけど、億を万に変えていただきたいんです。右と左と両方、百億円の億を百万円の方に変えていただきたいと思います。
それでは、私は、現場で利用者と向き合っている視点から意見を申し上げます。
まず、一ページ目に戻っていただきまして、介護保険の現在の受給者約五百二十万人で、それに関して、その年齢を見ていただきたいと思うんですけれども、四十歳から介護保険は使えます。でも、実際、四十から六十四歳で使っているのは全利用者の中の三%です。八十歳を超える方が利用者の七三%、三分の二は八十歳以上、八十五歳以上が半分という超高齢介護保険というのが実情でございます。
次のページをお願いいたします。
まず、介護保険の一人当たりの受給額というのは下がっているということをお話をさせていただきます。これは厚生労働省の介護給付費実態調査からですけれども、介護保険が始まった二年後、平成十四年の一か月十六万七千九百円から右の平成二十七年十五万七千円まで、一人当たりの利用金額が増えているわけではありません。人数が増えているわけです。この人数の増える割合は厚生労働省の想定内であって、想定以上に高齢化が進んでいるわけではありません。
そして、その下を見ていただきたいんですけれども、介護保険は今国が公表している十五年間ではずっと黒字が続いております。平成十二年の歳入の三兆八千億に対して歳出の三兆五千億、一番下に参りまして平成二十六年度、歳入の九兆六千億に対して歳出の九兆四千億という形で、ずっと一貫して黒字であります。
特に、平成十八年度を見ていただきたいんですけれども、赤丸が付いているところでございます。このときに介護保険は地域支援事業という、今まで介護保険のサービスというのは介護が必要になった人のサービスに使っておりました。それを介護が必要になる前の全六十五歳以上の方の介護予防に介護保険の財源を広げたものであります。このときは目的外使用であるということが随分言われましたけれども、このときの一千十八億円から平成二十六年の一千八百四十九億円まで、いわゆる介護保険の対象がここまで広げられているということであります。介護保険の財源が足りないと言われながら、このような使われ方をしているのが実態であります。それでもなおかつ介護保険は黒字が続いております。
次に、三ページの上を見ていただきたいと思います。
もう一つ注目すべきところは、先ほど財源のお話が出てまいりましたけれども、上の資料は、介護保険が始まって一年たったときの介護保険の使われ方の内容を、従来の老人福祉であった介護保険、介護福祉から移ったものと、従来医療保険で払われていた財源が介護保険で替わったものを比べたものでございます。
老人福祉で払われたものは左です。これの一千七百四十一億円から、また右は、今までは医療保険で払われたものです。それを介護保険に財源を付け替えたもの、これが一年たって一千五百十四億円です。つまり、介護保険の財源の四六・五%は、介護サービスで増えているのではなくて、医療保険から介護保険に財源を付け替えたということで介護保険の財源が増えているものであります。この内容をしっかり熟知した上で財源論を展開すべきであると私は思います。
それでは、具体的な介護保険の内容に従って意見を申し上げます。
まず第一点、保険者機能の強化、自立支援に成功をしたところに税制インセンティブを与えるという項目であります。
市町村の第七期介護保険事業計画に介護度の改善目標を設定させる。そして、地域ケア会議、これは前回の介護保険で義務化されたものです。そして、地域ケアマネジメントの標準化は、今年二月の閣議決定でこれが三千万円のお金が付いたものであります。これを通じて、いわゆる市町村に、介護度の改善を地域ケア会議、ケアマネジメントの標準化で具体化させる、そしてその結果の公表を義務化させる、地域別、年齢別、介護認定別の市町村の結果を公表させ、成果が上がった市町村にお金を付ける、これが税制インセンティブと言われる中身でございます。
さて、これに関して、次の四ページを見ていただきたいと思います。
介護保険の目的が変えられているというふうに私は思います。まず、介護保険の対象というのは、加齢に伴う様々な変化で要介護状態になった者が介護保険の対象者です。ここに保険者機能が発揮をされております。保険者が介護が必要と認定した者でなければ介護保険が使えません。そして、その目的は、能力に応じた自立した日常生活を営めるようにする、介護が必要になったとしても、自立して生活が営めるように様々の福祉サービス、医療サービスを使うんだ、これが介護保険の目的であります。この介護保険の目的を介護度の改善というところに一面化するということに関しては、介護保険の内容がここでゆがめられているというふうに私は考えます。自立支援を一面化するということは、逆に問題を含んでおります。
四ページの下を見ていただきたいと思います。
もし、介護保険の理念を自立ということに一面化をしていきますと、またそれにお金を付けるということになりますと、市町村が介護認定を厳しくすれば、介護度は落ちます、介護度別に支払われる金額は下がります。でも、それを市町村がしてしまっていたらば、自らの保険者機能をゆがめることにつながります。また、サービスの事業者さんにとっても、改善する可能性があるかどうかで利用者を選別することにもつながります。また、利用者さんにとっても、自立が強要されることによって事故を起こすということにもつながります。特別養護老人ホームの職能団体の老施協もこれに関しては反対声明を出しているところであります。
さて、次に五ページ目に移っていただきたいと思います。
介護保険の二点目に関して、介護療養型を介護医療院に変更する、これが二点目であります。このことについて私は反対するものではありません。しかし、その具体的な中身に関して、病医院を持ち、それを廃止し病床数を減らし介護医療院を開設する場合には病院等に類する文字を引き続き用いることができる、よく分からないこの表現ですけれども、これは例えば、永田町病院介護医療院という、こういう名前が付けられるということだけではありません。これは、介護保険の療養型以外の病床も、病床を減らしたりすれば介護医療院に変えることができるということを言っております。
既に御承知のように、各都道府県ごとに病床削減計画が出され、特に療養病床なり急性期病棟が多いんだということを国は言っております。こういう中で、このようになっていけば、介護医療院は、今の介護療養型六万床よりも増えていくものというふうに私は想定をいたします。このことの問題というのは、医療保険から介護保険に財源を付け替えて施設としていわゆる医療行為をやる病院を残すということにつながりかねないと思います。
三点目の問題を言わさせていただきます。
五ページの下なんですけれども、地域共生社会の実現ということで、我が事・丸ごと地域共生社会、これが、介護保険の中では共生型サービスの創設ということがうたわれております。例えば、障害者総合支援法の障害者事業所又は児童福祉法の児童福祉の事業所、これに介護保険の訪問介護やデイサービス等居宅サービスの指定を行うことができるということであります。
介護保険は保険制度です。介護保険の指定を受けた事業所が介護保険でお金を支払われることにつながります。ここにも財源を、障害者福祉、児童福祉から介護保険に財源を付け替えるということが具体化されると思います。
さらに、これは、次からは生活困窮者自立支援にもこれが使われるということが言われております。また、今は行わないかもしれませんけれども、保険というのは保険料を払っている方しか利用できないというものが原則であります。このことをきっかけとして、介護保険の支払年齢を引き下げるということにつながるのではないか、こういう懸念を私は持っております。
そして、四点目の中身に関してでございます。
六ページの上、六十五歳以上の介護保険の利用を三割負担にするということであります。介護保険は、そもそも所得に応じた保険料、必要に応じた給付というものが理念であります。それを介護保険の支払に関しても所得に応じて支払を変えるということには、私は、まず理念に反する。
例えば、私は東京の渋谷区でケアマネジャーをやっておりますけれども、渋谷区は十四段階に介護保険料を設定しております。一番下の二千五百三十三円から十四段階の三万三千七百八十三円まで介護保険料で十三・三倍の差が付いております。このように、保険料で差を付けているにもかかわらず、介護が必要になる状態に関してはその方のいわゆるお金によって介護が変わるわけではありません。にもかかわらず、そこにも介護保険の財源を持っていくことは理念に反すると私は思います。
あわせて、総報酬制に関して、下にありますように、共済組合の五千百二十五円が七千九十七円、自分のところで健康保険組合を持っている大手さんが五千百二十五円が五千八百五十二円。実は、これは今年からこの総報酬制が導入されます。私は、介護保険は三年ごとに市町村が介護保険の保険料を決めてそれで運営しているので、なぜ今年から上げるんだろうということが疑問でした。でも、それは、この財源は、このお金、増やしたお金は介護保険の給付が増えるわけではないということが明らかになりました。
その右側に介護保険の財源の構成を書いておりますけれども、その介護保険の一号、二号被保険者の中の上に第二号被保険者、協会けんぽに対する公費負担、ここの削減のためだけに今回のものは使われます。したがって、介護給付が増えるわけではない。国の財源を減らす目的にいわゆる総報酬制が導入されるということは、その理念も含めて妥当ではないと思います。
あわせて、次のページにお願いします。
今回の介護保険法と併せて、生活援助の見直しがうたわれております。生活援助に関しては介護度に関係なく介護報酬改定時に検討ということが言われております。ということは、大幅に生活援助が、介護報酬が下げられるだろうと思います。もしそれが行われれば、介護サービスを提供する事業所が減ります。事業所が減れば、それを必要とする利用者さんが、受ける方、受ける量が減ったり回数が減ります。そして、足りない分は自費で補えということになります。でも、それを払えない人はどうするのか。介護保険は、四十歳から保険料を支払って必要なときに受けられるというのが制度であります。その困っている方が受けられないということに関しては大きな問題があるということで私は指摘をさせていただきたいと思います。
あわせて、今回の介護保険の見直しの中でケアマネジャーに一割負担の導入ということもうたわれております。でも、直接の排せつ介助や入浴介助とソーシャルワークということは全く意味が異なります。その方の心身の状態とか介護度の原因とか、又はどう悪化しないようにするかとか、又は地域資源の活用、経済的な課題への対応、このようなソーシャルワークは直接サービスと違うものであって、一割負担の導入というものは全く妥当ではないと思います。そして、八ページに行きます。介護保険の利用者さんの七三%は居宅でサービスを利用されております。そして、居宅でサービスを利用されている方の負担というものを、少し飛びますが九ページに行って見ていただきたいと思います。介護保険の居宅サービスの利用者というのは、介護度別に利用額が決まっております。これが上限です。介護度五は三十六万に対して利用しているのが二十三万、六四・六%、介護度四の方は三十万に対して十八万、六一%、要支援一、要支援二の場合にはそれぞれ四割も利用しておりません。これは平成二十七年の平均利用額です。つまり、一割負担もありますし、その方がぜいたくにサービスを利用されているわけではないということを申し上げたいと思います。
そして、今、国は、自宅が無理ならサービス付き高齢者住宅ということを言っております。でも、そこには家賃が発生をします。できるだけ在宅で暮らすようにする、これが介護保険の基本的な理念であり、介護保険の報酬の削減につながるというふうに私は思います。
以上で発言を終わらせていただきます。ありがとうございました。
この発言だけを見る →お手元にカラーの本日の参考人の資料を配らせていただきましたので、それに沿って説明をさせていただきます。
実は、申し訳ないんですけれども、ちょっとミスがありますので、先に訂正をお願いいたします。一枚開いた三ページというところの上のところなんですけれども、そこに赤の文字で金額が書いてあります。そこの単位が百億円となっていますけど、億を万に変えていただきたいんです。右と左と両方、百億円の億を百万円の方に変えていただきたいと思います。
それでは、私は、現場で利用者と向き合っている視点から意見を申し上げます。
まず、一ページ目に戻っていただきまして、介護保険の現在の受給者約五百二十万人で、それに関して、その年齢を見ていただきたいと思うんですけれども、四十歳から介護保険は使えます。でも、実際、四十から六十四歳で使っているのは全利用者の中の三%です。八十歳を超える方が利用者の七三%、三分の二は八十歳以上、八十五歳以上が半分という超高齢介護保険というのが実情でございます。
次のページをお願いいたします。
まず、介護保険の一人当たりの受給額というのは下がっているということをお話をさせていただきます。これは厚生労働省の介護給付費実態調査からですけれども、介護保険が始まった二年後、平成十四年の一か月十六万七千九百円から右の平成二十七年十五万七千円まで、一人当たりの利用金額が増えているわけではありません。人数が増えているわけです。この人数の増える割合は厚生労働省の想定内であって、想定以上に高齢化が進んでいるわけではありません。
そして、その下を見ていただきたいんですけれども、介護保険は今国が公表している十五年間ではずっと黒字が続いております。平成十二年の歳入の三兆八千億に対して歳出の三兆五千億、一番下に参りまして平成二十六年度、歳入の九兆六千億に対して歳出の九兆四千億という形で、ずっと一貫して黒字であります。
特に、平成十八年度を見ていただきたいんですけれども、赤丸が付いているところでございます。このときに介護保険は地域支援事業という、今まで介護保険のサービスというのは介護が必要になった人のサービスに使っておりました。それを介護が必要になる前の全六十五歳以上の方の介護予防に介護保険の財源を広げたものであります。このときは目的外使用であるということが随分言われましたけれども、このときの一千十八億円から平成二十六年の一千八百四十九億円まで、いわゆる介護保険の対象がここまで広げられているということであります。介護保険の財源が足りないと言われながら、このような使われ方をしているのが実態であります。それでもなおかつ介護保険は黒字が続いております。
次に、三ページの上を見ていただきたいと思います。
もう一つ注目すべきところは、先ほど財源のお話が出てまいりましたけれども、上の資料は、介護保険が始まって一年たったときの介護保険の使われ方の内容を、従来の老人福祉であった介護保険、介護福祉から移ったものと、従来医療保険で払われていた財源が介護保険で替わったものを比べたものでございます。
老人福祉で払われたものは左です。これの一千七百四十一億円から、また右は、今までは医療保険で払われたものです。それを介護保険に財源を付け替えたもの、これが一年たって一千五百十四億円です。つまり、介護保険の財源の四六・五%は、介護サービスで増えているのではなくて、医療保険から介護保険に財源を付け替えたということで介護保険の財源が増えているものであります。この内容をしっかり熟知した上で財源論を展開すべきであると私は思います。
それでは、具体的な介護保険の内容に従って意見を申し上げます。
まず第一点、保険者機能の強化、自立支援に成功をしたところに税制インセンティブを与えるという項目であります。
市町村の第七期介護保険事業計画に介護度の改善目標を設定させる。そして、地域ケア会議、これは前回の介護保険で義務化されたものです。そして、地域ケアマネジメントの標準化は、今年二月の閣議決定でこれが三千万円のお金が付いたものであります。これを通じて、いわゆる市町村に、介護度の改善を地域ケア会議、ケアマネジメントの標準化で具体化させる、そしてその結果の公表を義務化させる、地域別、年齢別、介護認定別の市町村の結果を公表させ、成果が上がった市町村にお金を付ける、これが税制インセンティブと言われる中身でございます。
さて、これに関して、次の四ページを見ていただきたいと思います。
介護保険の目的が変えられているというふうに私は思います。まず、介護保険の対象というのは、加齢に伴う様々な変化で要介護状態になった者が介護保険の対象者です。ここに保険者機能が発揮をされております。保険者が介護が必要と認定した者でなければ介護保険が使えません。そして、その目的は、能力に応じた自立した日常生活を営めるようにする、介護が必要になったとしても、自立して生活が営めるように様々の福祉サービス、医療サービスを使うんだ、これが介護保険の目的であります。この介護保険の目的を介護度の改善というところに一面化するということに関しては、介護保険の内容がここでゆがめられているというふうに私は考えます。自立支援を一面化するということは、逆に問題を含んでおります。
四ページの下を見ていただきたいと思います。
もし、介護保険の理念を自立ということに一面化をしていきますと、またそれにお金を付けるということになりますと、市町村が介護認定を厳しくすれば、介護度は落ちます、介護度別に支払われる金額は下がります。でも、それを市町村がしてしまっていたらば、自らの保険者機能をゆがめることにつながります。また、サービスの事業者さんにとっても、改善する可能性があるかどうかで利用者を選別することにもつながります。また、利用者さんにとっても、自立が強要されることによって事故を起こすということにもつながります。特別養護老人ホームの職能団体の老施協もこれに関しては反対声明を出しているところであります。
さて、次に五ページ目に移っていただきたいと思います。
介護保険の二点目に関して、介護療養型を介護医療院に変更する、これが二点目であります。このことについて私は反対するものではありません。しかし、その具体的な中身に関して、病医院を持ち、それを廃止し病床数を減らし介護医療院を開設する場合には病院等に類する文字を引き続き用いることができる、よく分からないこの表現ですけれども、これは例えば、永田町病院介護医療院という、こういう名前が付けられるということだけではありません。これは、介護保険の療養型以外の病床も、病床を減らしたりすれば介護医療院に変えることができるということを言っております。
既に御承知のように、各都道府県ごとに病床削減計画が出され、特に療養病床なり急性期病棟が多いんだということを国は言っております。こういう中で、このようになっていけば、介護医療院は、今の介護療養型六万床よりも増えていくものというふうに私は想定をいたします。このことの問題というのは、医療保険から介護保険に財源を付け替えて施設としていわゆる医療行為をやる病院を残すということにつながりかねないと思います。
三点目の問題を言わさせていただきます。
五ページの下なんですけれども、地域共生社会の実現ということで、我が事・丸ごと地域共生社会、これが、介護保険の中では共生型サービスの創設ということがうたわれております。例えば、障害者総合支援法の障害者事業所又は児童福祉法の児童福祉の事業所、これに介護保険の訪問介護やデイサービス等居宅サービスの指定を行うことができるということであります。
介護保険は保険制度です。介護保険の指定を受けた事業所が介護保険でお金を支払われることにつながります。ここにも財源を、障害者福祉、児童福祉から介護保険に財源を付け替えるということが具体化されると思います。
さらに、これは、次からは生活困窮者自立支援にもこれが使われるということが言われております。また、今は行わないかもしれませんけれども、保険というのは保険料を払っている方しか利用できないというものが原則であります。このことをきっかけとして、介護保険の支払年齢を引き下げるということにつながるのではないか、こういう懸念を私は持っております。
そして、四点目の中身に関してでございます。
六ページの上、六十五歳以上の介護保険の利用を三割負担にするということであります。介護保険は、そもそも所得に応じた保険料、必要に応じた給付というものが理念であります。それを介護保険の支払に関しても所得に応じて支払を変えるということには、私は、まず理念に反する。
例えば、私は東京の渋谷区でケアマネジャーをやっておりますけれども、渋谷区は十四段階に介護保険料を設定しております。一番下の二千五百三十三円から十四段階の三万三千七百八十三円まで介護保険料で十三・三倍の差が付いております。このように、保険料で差を付けているにもかかわらず、介護が必要になる状態に関してはその方のいわゆるお金によって介護が変わるわけではありません。にもかかわらず、そこにも介護保険の財源を持っていくことは理念に反すると私は思います。
あわせて、総報酬制に関して、下にありますように、共済組合の五千百二十五円が七千九十七円、自分のところで健康保険組合を持っている大手さんが五千百二十五円が五千八百五十二円。実は、これは今年からこの総報酬制が導入されます。私は、介護保険は三年ごとに市町村が介護保険の保険料を決めてそれで運営しているので、なぜ今年から上げるんだろうということが疑問でした。でも、それは、この財源は、このお金、増やしたお金は介護保険の給付が増えるわけではないということが明らかになりました。
その右側に介護保険の財源の構成を書いておりますけれども、その介護保険の一号、二号被保険者の中の上に第二号被保険者、協会けんぽに対する公費負担、ここの削減のためだけに今回のものは使われます。したがって、介護給付が増えるわけではない。国の財源を減らす目的にいわゆる総報酬制が導入されるということは、その理念も含めて妥当ではないと思います。
あわせて、次のページにお願いします。
今回の介護保険法と併せて、生活援助の見直しがうたわれております。生活援助に関しては介護度に関係なく介護報酬改定時に検討ということが言われております。ということは、大幅に生活援助が、介護報酬が下げられるだろうと思います。もしそれが行われれば、介護サービスを提供する事業所が減ります。事業所が減れば、それを必要とする利用者さんが、受ける方、受ける量が減ったり回数が減ります。そして、足りない分は自費で補えということになります。でも、それを払えない人はどうするのか。介護保険は、四十歳から保険料を支払って必要なときに受けられるというのが制度であります。その困っている方が受けられないということに関しては大きな問題があるということで私は指摘をさせていただきたいと思います。
あわせて、今回の介護保険の見直しの中でケアマネジャーに一割負担の導入ということもうたわれております。でも、直接の排せつ介助や入浴介助とソーシャルワークということは全く意味が異なります。その方の心身の状態とか介護度の原因とか、又はどう悪化しないようにするかとか、又は地域資源の活用、経済的な課題への対応、このようなソーシャルワークは直接サービスと違うものであって、一割負担の導入というものは全く妥当ではないと思います。そして、八ページに行きます。介護保険の利用者さんの七三%は居宅でサービスを利用されております。そして、居宅でサービスを利用されている方の負担というものを、少し飛びますが九ページに行って見ていただきたいと思います。介護保険の居宅サービスの利用者というのは、介護度別に利用額が決まっております。これが上限です。介護度五は三十六万に対して利用しているのが二十三万、六四・六%、介護度四の方は三十万に対して十八万、六一%、要支援一、要支援二の場合にはそれぞれ四割も利用しておりません。これは平成二十七年の平均利用額です。つまり、一割負担もありますし、その方がぜいたくにサービスを利用されているわけではないということを申し上げたいと思います。
そして、今、国は、自宅が無理ならサービス付き高齢者住宅ということを言っております。でも、そこには家賃が発生をします。できるだけ在宅で暮らすようにする、これが介護保険の基本的な理念であり、介護保険の報酬の削減につながるというふうに私は思います。
以上で発言を終わらせていただきます。ありがとうございました。
羽
岩
岩名礼介#7
○参考人(岩名礼介君) 皆さん、こんにちは。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの岩名と申します。本日は参考人としてお招きをいただきまして、誠にありがとうございます。
私は、地域包括ケアシステムに関しましては、特に現場での自治体の支援というところを主な業務としておりまして、都道府県あるいは市町村での構築支援に関して調査研究、コンサルティング等に従事しております。
今日は大きく三つのことについて意見を述べたいと思います。第一に保険者機能強化、今回の法案、法改正の大変大きな柱になっている部分だと思います。第二に地域共生社会の考え方について、そして第三に在宅医療・介護連携について意見を述べたいというふうに思います。
社会保障改革プログラム法ができてから、地域包括ケアシステムというのが法的にやっぱり位置付けられたということは大変意義があったというふうに思っておりまして、各自治体、ここ数年間、やはりこの地域包括ケアシステムに取り組んでいかなければいけないんだという強い思いというか動きが出てきているというふうに感じております。今回の法改正につきましても、この流れを少しでも前に進めていこうという基本的な考え方に基づいて位置付けられているというふうに理解しておりまして、私は評価しております。
元々地域包括ケアシステムというのは、地域それぞれの実情を反映させてそれぞれの地域に合った仕組みをつくるということでございますので、同じ仕組みが全国各地にできるというわけではもちろんございません。かつて、多少なりとも人的資源あるいは財政的にも余裕があった時代であれば、多少無駄があってももう全国統一でやってしまった方がいいと、こちらの方が簡単だという考え方もあったのかもしれませんが、この時代にそういった余裕というのはどこの自治体ももうないという状況でございます。それぞれの地域に合ったものをやっぱり模索するしかないというのが基本路線だと思います。
ただ、この考え方自体は、決して最近というか今回の法改正で突然出てきたというふうには思っておりません。元々介護保険というのは、それぞれの自治体の自治事務として位置付けられておりますし、当時は地方分権の試金石と言われていた時期もあるわけでございまして、元々地域ごとで考えるという要素は設計上あったというふうに理解をしております。
ただ、実際には、最初制度が始まって十年間ぐらいというのは、どちらかというと、やはり量的な拡大、必要なサービスをどういうふうに確保していくか、そして在宅生活に必要なサービスをどういうふうに開発していくか、こういったことに議論の中心が置かれていたようにも思います。どちらかといえば、全国で足並みをそろえてどこの自治体も頑張っていきましょうということで、各地域の自治体のマネジメントというのも、どちらかというと、やはり国のガイドライン、手探りでやっておりますので、国のガイドライン等をある程度追いかけていくという言い方がいいかどうか分かりませんが、そこに従って設計をしていくというのがある程度習慣付いてきた部分、これはある程度の合理性があったんだというふうに思います。
ただ、地域包括ケアシステムをつくっていくんだと、これもいろいろな制約の中でつくっていくというときに、これからは量的拡大をしていくということが地域包括ケアの考え方だと私はやっぱり思えなくて、むしろ重要なのは、今ある資源をどういうふうに結び付けていくかという考え方だというふうに思っております。
私はいろいろなところでお話しさせていただくときに、地域のばらばらをまとめる仕組みだというふうに地域包括ケアシステムを説明しております。量を増やすだけだったら、これぐらいの数字つくりましょう、サービスをつくりましょうということでいいんですが、どうしても、まとめる仕組みとなると、地域の関係者の御意見、事業者さんの今の体制だったり、いろんなことを考えながら仕組みをつくらなくちゃいけない。
これだけ言うと何となく効率化のためだけやっているように聞こえると思いますが、実はこれは在宅で生活している方々の切なる願いでも私はあると思っておりまして、私の家族にもやはり要介護になって在宅で生活した者おりますが、うちの母が介護をしていてやっぱり感じていたことは、いろんな事業者さんが入ってくる、それがばらばらに提供されている感覚というのはとても不安、皆さん言うことが違うと不安だと。それが、たまたま利用させていただいたケアマネジャーさん、事業者さん、多種多様あったんですが、一体的に感じるんですね。つまり、介護者から見ると同じ事業者さんに見えるということなんですね。
この一体的に見えるということが大変重要だと思っておりまして、在宅での安心感というものを本当に実現していこうと思うと、地域の中で今多種多様な事業者さんがいること、これはいいことだと思うんですが、一体的に見えるような仕組みづくりということが重要だと。そうなると、先ほど申し上げたとおり、やはり地域ごとに事情は違う、大きな法人さんが多種多様なサービスを提供しているところもあれば、ある程度細かい事業者さん、小さい事業者さんが連携しているところもあるということで、やはり地域ごとに考えるということが大変重要なんだというふうに思います。
少し前置き部分長くなりましたが、今回の法改正では保険者機能の強化ということがうたわれております。当然、今みたいな考え方に基づけばこれもう大変重要なことだというふうに思っておりますが、一つ、これは注文ということではないんですが、保険者頑張れというだけではなかなか保険者さんの負担大変なものになるというふうに思います。今回の法改正というのは、それぞれの自治体が自分たちで考えるということを国が継続的に支援していくんだという決意表明だというふうに私は理解をしておりますし、大いに期待もしております。
国ができることといいますと、データ提供であったり技術的なサポートということが今回の法案の中でも出てきているわけですけれども、いま一つやっぱり重要だと思うのは、ツールを提供するだけじゃなくて、それが何のためにあるのか、何を目指しているのか、そのバックグラウンドが何なのかということをきちっと丁寧に説明すると、このフォローの部分というのが大変自治体にとっては欠かせない部分だろうというふうに思います。
地域の指標づくりだとかあるいはデータの提供ということはここ数年かなり進んできている部分で、見える化システムというのがつくられたり、財政的インセンティブも今回入っておりますけれども、こういったものは、単にお金がもらえるとか競争だとかということじゃなくて、どちらかというと、今やっている取組がゴールまでの中の今どの辺にあるのかということを確認するためにもあるというふうに私は思っています。言わば海に出るときの海図、羅針盤のような部分、意味があるのではないかなと。こういうものがなければ、自治体というのはなかなか前へ進んでいくということができないだろうというふうに思っております。
ただ、データの提供というのは、現場で実際拝見しておりますと、ともするとデータの山に埋もれてしまって、自治体さんというのは研究所ではございませんので、そういうデータを分析することが主たる業務ではございません。どちらかというと、やはり、どういうデータに意味があり、どこに着眼し、この数値が高いのはなぜなのか、こういうテクニカルなサポートというのは今後も、都道府県でしっかりやっていただいている県も出てきているというふうに認識しておりますが、引き続き、市町村だけでやるのではなくて、都道府県でのサポートということも大変重要だろうと思っております。
私も、実は過去にある県ですごい分厚い電話帳みたいなデータブック作って市町村に提供したことあるんですけど、しっかり怒られました。これをどうしたらいいんですかということなんですね。やはり必要なものを峻別して、どういう意味を持っているのかというのを伝えていくということが重要だろうと思います。
次に、地域共生社会について少しだけ触れたいと思いますけれども、この考え方、縦割りを排していこうという考え方ですから、基本的にもうこれは今までずっと批判もされていた部分だろうと思いますし、是非進めていっていただきたいというふうに思っているところであります。
住民の方々の方を見ていきますと、生活支援体制整備事業なんかでも住民の方々の活動って最近大変活発になってきていると思います。全国どこでもというわけにはいかないんですが、そういう芽は確実に生まれてきていると。ただ、住民の方というのは、元々分野とか所管があるわけではありませんから、自由にいろいろ自分たちの御関心で必要だと思うことをやられているわけなんですね。これを支援するに当たって、是非、自治体の方々、どうしても高齢者の部門の部署が、生活支援体制整備事業なんかサポートしていくことになりますが、余り分野を、元々広いものを狭めてしまうことがないようにむしろ気を付けるということが多分実施面では大変重要だろうというふうにも思っております。
一方で、専門職の側ということになりますと、これ、いろいろな制度だとか規制の中でお仕事をしていただいている部分もございますので、今回はサービスの部分での共生化ということで緩和が行われているわけでありますけれども、やはり人材の部分、それを実際提供する側の人材も様々なことができるようになっていかなければいけない、複数のことが担えるようになっていくということが必要になっていると思います。
キャリアの複線化については、地域共生社会の中でも強調されている部分だというふうに思っておりますが、多分こういう考え方というのは、別に介護の世界の話ではなくて、今もう民間企業でもどこでも人が足りないのはみんなどこでも同じでありまして、多能工みたいな言葉もありますが、複数のことができる、そういうことができる環境をつくっていくということは大変重要だと思っております。今回の法改正、そこまで、キャリアの複線化まで細かく入っているということではないと思いますが、今後の方向性として重要になってくるだろうというふうに思っております。
最後に、医療・介護連携について少し申し上げたいと思います。
人生のどこかの段階では必ず医療が必要になるというのは在宅生活をしていけば当然のことだと思いますけれども、今回、介護医療院というものを新設されるということでありまして、地域での選択肢を増やしていくという意味では大変いい方向だったというふうに思っておりますし、医療を提供する施設、医療提供施設でございますけれども、同時に生活の場という方向性で位置付けたということは、地域包括ケアシステムの元々の理念にもかなっているというふうに考えております。
ただ一方で、もちろんこの介護医療院だけで解決する問題では当然ありませんし、地域の中で選択肢が増えるのはいいんですが、一般的な住まいにお住まいの方、こういった方々にも医療ニーズは当然出てくるわけでございますので、引き続き、医療、介護をどういうふうに在宅生活へ提供していくのか、それも、先ほど申し上げたとおり、一体的に見える形で提供するのかというのは、まさに医療・介護連携の本丸だというふうに思っております。
その点では、各自治体での取組、始まってはいるんですが、かなりいろいろ御苦労をされている地域も多いというふうに私も拝見をしております。ちょっと危惧するというか、拝見していて、やっぱり難しくなっちゃっている一つ原因は、医療・介護連携をすることそのものが目的化していると、何のために医療・介護連携をやっているのかということが見落としがちになってしまう。全く考えていないということではないんですが、ともすると、ある方は入退院支援のことを話していて、ある方はみとりの話をしていて、あるいはある方はその在宅生活の中での重度化予防みたいなことを議論しているというふうになると、そこに関わる専門職だったり、その関わり方だとか、みんなそれぞれ少しずつ違うわけなんですね。
厚労省の方からは、医療・介護連携の事業、取組として八つほど項目が示されていますが、これやりやすいところから手を着けていきましょうという流れもあるんですけれども、やはり重要なのは、その取組が何に向かっているのか。入退院支援のことを一生懸命地域の専門職で話していて、一方で、じゃ住民の説明会、セミナーも重要だ、そこで話していることは実はみとりの話。それが悪いとは言いませんが、やっぱり資源が限られている、時間が限られている中で、できるだけ同じ方向を向いて地域で取り組むということが大変重要になってきているということで、これは先ほど保険者機能強化のところでもお話をいたしましたけれども、目的意識ということを、地域でやり方が違うからこそ、手段が違うからこそ、目的の部分をきちっと明確にするというガイドの仕方ということが大変今求められているというふうに考えております。
地域包括ケアシステムは二〇二五年を一つの目途として取り組むということでございます。時間はだんだんなくなってきているところではありますけれども、ともすると一年とかぐらいで、一年、二年で結果を出したくなってしまうという感覚、これはもう行政ですから、当然自治体さんもそういうことを求められているとは思うんですが、やはり地域の関係者が参加してこれは考えることでもありますので、少し腰を据えてという部分、しっかり、余り短期的な成果を求めずに取り組むということも重要だろうというふうに思っております。
以上、私の意見として述べさせていただきました。御清聴ありがとうございました。
この発言だけを見る →私は、地域包括ケアシステムに関しましては、特に現場での自治体の支援というところを主な業務としておりまして、都道府県あるいは市町村での構築支援に関して調査研究、コンサルティング等に従事しております。
今日は大きく三つのことについて意見を述べたいと思います。第一に保険者機能強化、今回の法案、法改正の大変大きな柱になっている部分だと思います。第二に地域共生社会の考え方について、そして第三に在宅医療・介護連携について意見を述べたいというふうに思います。
社会保障改革プログラム法ができてから、地域包括ケアシステムというのが法的にやっぱり位置付けられたということは大変意義があったというふうに思っておりまして、各自治体、ここ数年間、やはりこの地域包括ケアシステムに取り組んでいかなければいけないんだという強い思いというか動きが出てきているというふうに感じております。今回の法改正につきましても、この流れを少しでも前に進めていこうという基本的な考え方に基づいて位置付けられているというふうに理解しておりまして、私は評価しております。
元々地域包括ケアシステムというのは、地域それぞれの実情を反映させてそれぞれの地域に合った仕組みをつくるということでございますので、同じ仕組みが全国各地にできるというわけではもちろんございません。かつて、多少なりとも人的資源あるいは財政的にも余裕があった時代であれば、多少無駄があってももう全国統一でやってしまった方がいいと、こちらの方が簡単だという考え方もあったのかもしれませんが、この時代にそういった余裕というのはどこの自治体ももうないという状況でございます。それぞれの地域に合ったものをやっぱり模索するしかないというのが基本路線だと思います。
ただ、この考え方自体は、決して最近というか今回の法改正で突然出てきたというふうには思っておりません。元々介護保険というのは、それぞれの自治体の自治事務として位置付けられておりますし、当時は地方分権の試金石と言われていた時期もあるわけでございまして、元々地域ごとで考えるという要素は設計上あったというふうに理解をしております。
ただ、実際には、最初制度が始まって十年間ぐらいというのは、どちらかというと、やはり量的な拡大、必要なサービスをどういうふうに確保していくか、そして在宅生活に必要なサービスをどういうふうに開発していくか、こういったことに議論の中心が置かれていたようにも思います。どちらかといえば、全国で足並みをそろえてどこの自治体も頑張っていきましょうということで、各地域の自治体のマネジメントというのも、どちらかというと、やはり国のガイドライン、手探りでやっておりますので、国のガイドライン等をある程度追いかけていくという言い方がいいかどうか分かりませんが、そこに従って設計をしていくというのがある程度習慣付いてきた部分、これはある程度の合理性があったんだというふうに思います。
ただ、地域包括ケアシステムをつくっていくんだと、これもいろいろな制約の中でつくっていくというときに、これからは量的拡大をしていくということが地域包括ケアの考え方だと私はやっぱり思えなくて、むしろ重要なのは、今ある資源をどういうふうに結び付けていくかという考え方だというふうに思っております。
私はいろいろなところでお話しさせていただくときに、地域のばらばらをまとめる仕組みだというふうに地域包括ケアシステムを説明しております。量を増やすだけだったら、これぐらいの数字つくりましょう、サービスをつくりましょうということでいいんですが、どうしても、まとめる仕組みとなると、地域の関係者の御意見、事業者さんの今の体制だったり、いろんなことを考えながら仕組みをつくらなくちゃいけない。
これだけ言うと何となく効率化のためだけやっているように聞こえると思いますが、実はこれは在宅で生活している方々の切なる願いでも私はあると思っておりまして、私の家族にもやはり要介護になって在宅で生活した者おりますが、うちの母が介護をしていてやっぱり感じていたことは、いろんな事業者さんが入ってくる、それがばらばらに提供されている感覚というのはとても不安、皆さん言うことが違うと不安だと。それが、たまたま利用させていただいたケアマネジャーさん、事業者さん、多種多様あったんですが、一体的に感じるんですね。つまり、介護者から見ると同じ事業者さんに見えるということなんですね。
この一体的に見えるということが大変重要だと思っておりまして、在宅での安心感というものを本当に実現していこうと思うと、地域の中で今多種多様な事業者さんがいること、これはいいことだと思うんですが、一体的に見えるような仕組みづくりということが重要だと。そうなると、先ほど申し上げたとおり、やはり地域ごとに事情は違う、大きな法人さんが多種多様なサービスを提供しているところもあれば、ある程度細かい事業者さん、小さい事業者さんが連携しているところもあるということで、やはり地域ごとに考えるということが大変重要なんだというふうに思います。
少し前置き部分長くなりましたが、今回の法改正では保険者機能の強化ということがうたわれております。当然、今みたいな考え方に基づけばこれもう大変重要なことだというふうに思っておりますが、一つ、これは注文ということではないんですが、保険者頑張れというだけではなかなか保険者さんの負担大変なものになるというふうに思います。今回の法改正というのは、それぞれの自治体が自分たちで考えるということを国が継続的に支援していくんだという決意表明だというふうに私は理解をしておりますし、大いに期待もしております。
国ができることといいますと、データ提供であったり技術的なサポートということが今回の法案の中でも出てきているわけですけれども、いま一つやっぱり重要だと思うのは、ツールを提供するだけじゃなくて、それが何のためにあるのか、何を目指しているのか、そのバックグラウンドが何なのかということをきちっと丁寧に説明すると、このフォローの部分というのが大変自治体にとっては欠かせない部分だろうというふうに思います。
地域の指標づくりだとかあるいはデータの提供ということはここ数年かなり進んできている部分で、見える化システムというのがつくられたり、財政的インセンティブも今回入っておりますけれども、こういったものは、単にお金がもらえるとか競争だとかということじゃなくて、どちらかというと、今やっている取組がゴールまでの中の今どの辺にあるのかということを確認するためにもあるというふうに私は思っています。言わば海に出るときの海図、羅針盤のような部分、意味があるのではないかなと。こういうものがなければ、自治体というのはなかなか前へ進んでいくということができないだろうというふうに思っております。
ただ、データの提供というのは、現場で実際拝見しておりますと、ともするとデータの山に埋もれてしまって、自治体さんというのは研究所ではございませんので、そういうデータを分析することが主たる業務ではございません。どちらかというと、やはり、どういうデータに意味があり、どこに着眼し、この数値が高いのはなぜなのか、こういうテクニカルなサポートというのは今後も、都道府県でしっかりやっていただいている県も出てきているというふうに認識しておりますが、引き続き、市町村だけでやるのではなくて、都道府県でのサポートということも大変重要だろうと思っております。
私も、実は過去にある県ですごい分厚い電話帳みたいなデータブック作って市町村に提供したことあるんですけど、しっかり怒られました。これをどうしたらいいんですかということなんですね。やはり必要なものを峻別して、どういう意味を持っているのかというのを伝えていくということが重要だろうと思います。
次に、地域共生社会について少しだけ触れたいと思いますけれども、この考え方、縦割りを排していこうという考え方ですから、基本的にもうこれは今までずっと批判もされていた部分だろうと思いますし、是非進めていっていただきたいというふうに思っているところであります。
住民の方々の方を見ていきますと、生活支援体制整備事業なんかでも住民の方々の活動って最近大変活発になってきていると思います。全国どこでもというわけにはいかないんですが、そういう芽は確実に生まれてきていると。ただ、住民の方というのは、元々分野とか所管があるわけではありませんから、自由にいろいろ自分たちの御関心で必要だと思うことをやられているわけなんですね。これを支援するに当たって、是非、自治体の方々、どうしても高齢者の部門の部署が、生活支援体制整備事業なんかサポートしていくことになりますが、余り分野を、元々広いものを狭めてしまうことがないようにむしろ気を付けるということが多分実施面では大変重要だろうというふうにも思っております。
一方で、専門職の側ということになりますと、これ、いろいろな制度だとか規制の中でお仕事をしていただいている部分もございますので、今回はサービスの部分での共生化ということで緩和が行われているわけでありますけれども、やはり人材の部分、それを実際提供する側の人材も様々なことができるようになっていかなければいけない、複数のことが担えるようになっていくということが必要になっていると思います。
キャリアの複線化については、地域共生社会の中でも強調されている部分だというふうに思っておりますが、多分こういう考え方というのは、別に介護の世界の話ではなくて、今もう民間企業でもどこでも人が足りないのはみんなどこでも同じでありまして、多能工みたいな言葉もありますが、複数のことができる、そういうことができる環境をつくっていくということは大変重要だと思っております。今回の法改正、そこまで、キャリアの複線化まで細かく入っているということではないと思いますが、今後の方向性として重要になってくるだろうというふうに思っております。
最後に、医療・介護連携について少し申し上げたいと思います。
人生のどこかの段階では必ず医療が必要になるというのは在宅生活をしていけば当然のことだと思いますけれども、今回、介護医療院というものを新設されるということでありまして、地域での選択肢を増やしていくという意味では大変いい方向だったというふうに思っておりますし、医療を提供する施設、医療提供施設でございますけれども、同時に生活の場という方向性で位置付けたということは、地域包括ケアシステムの元々の理念にもかなっているというふうに考えております。
ただ一方で、もちろんこの介護医療院だけで解決する問題では当然ありませんし、地域の中で選択肢が増えるのはいいんですが、一般的な住まいにお住まいの方、こういった方々にも医療ニーズは当然出てくるわけでございますので、引き続き、医療、介護をどういうふうに在宅生活へ提供していくのか、それも、先ほど申し上げたとおり、一体的に見える形で提供するのかというのは、まさに医療・介護連携の本丸だというふうに思っております。
その点では、各自治体での取組、始まってはいるんですが、かなりいろいろ御苦労をされている地域も多いというふうに私も拝見をしております。ちょっと危惧するというか、拝見していて、やっぱり難しくなっちゃっている一つ原因は、医療・介護連携をすることそのものが目的化していると、何のために医療・介護連携をやっているのかということが見落としがちになってしまう。全く考えていないということではないんですが、ともすると、ある方は入退院支援のことを話していて、ある方はみとりの話をしていて、あるいはある方はその在宅生活の中での重度化予防みたいなことを議論しているというふうになると、そこに関わる専門職だったり、その関わり方だとか、みんなそれぞれ少しずつ違うわけなんですね。
厚労省の方からは、医療・介護連携の事業、取組として八つほど項目が示されていますが、これやりやすいところから手を着けていきましょうという流れもあるんですけれども、やはり重要なのは、その取組が何に向かっているのか。入退院支援のことを一生懸命地域の専門職で話していて、一方で、じゃ住民の説明会、セミナーも重要だ、そこで話していることは実はみとりの話。それが悪いとは言いませんが、やっぱり資源が限られている、時間が限られている中で、できるだけ同じ方向を向いて地域で取り組むということが大変重要になってきているということで、これは先ほど保険者機能強化のところでもお話をいたしましたけれども、目的意識ということを、地域でやり方が違うからこそ、手段が違うからこそ、目的の部分をきちっと明確にするというガイドの仕方ということが大変今求められているというふうに考えております。
地域包括ケアシステムは二〇二五年を一つの目途として取り組むということでございます。時間はだんだんなくなってきているところではありますけれども、ともすると一年とかぐらいで、一年、二年で結果を出したくなってしまうという感覚、これはもう行政ですから、当然自治体さんもそういうことを求められているとは思うんですが、やはり地域の関係者が参加してこれは考えることでもありますので、少し腰を据えてという部分、しっかり、余り短期的な成果を求めずに取り組むということも重要だろうというふうに思っております。
以上、私の意見として述べさせていただきました。御清聴ありがとうございました。
羽
村
村瀬博#9
○参考人(村瀬博君) それでは、私の方からお話しさせていただきます。三重短期大学で非常勤講師をしています村瀬と申します。よろしくお願いいたします。
私のお話は、配付資料というのを皆さんにお配りさせていただいておりますので、それに基づきましてお話をさせていただきます。
一ページ目を御覧いただきたいと思います。
私の話の中心というか、限ったお話ですが、自立支援に係る財政的インセンティブについて考えるということですが、自立支援をどう評価するか、それに対するインセンティブをどのように付与するかという、そういった点を桑名市の事例についてお話をさせていただきます。
御存じの方も多いかと思いますが、桑名市は、厚生労働省から来ていただいた前副市長、今は厚生労働省へ戻ってみえますが、副市長さんが中心になって地域包括ケアシステムを骨組みから組み立てたという非常に先進的な市であります。二年間が経過したわけですが、今どんな状況になっているかということを私の懸念という意味でお話をさせていただきます。
一ページの下の方の、これは国の、厚生労働省のホームページで、要介護認定率の推移ということで、和光市あるいは大分県が自立支援に努力されて認定率が下がっているという表が載っておりますが、桑名市はこれを上回る認定率の減少という状況にあります。
次の二ページを御覧いただきたいと思います。
桑名市の場合には、先ほど申し上げましたように、二年前の四月、新しい総合事業ということで出発しました。この中心の柱になるのが地域生活応援会議、一般に応援会議、応援会議と言っていますが、介護保険法では地域ケア会議の一類型という位置付けで出発しています。目的が、介護保険を卒業して地域活動にデビューする。これは、下に桑名市のホームページを付けさせていただきましたが、この中ほどの右側に、高齢者が介護保険を卒業して地域活動にデビューするというのが一つの大きな目標となっています。このために多職種が協力していろいろな助言、支援をするという、そういうふうな仕組みで出発しております。
次のページ、三ページを御覧いただきたいと思います。
地域生活応援会議というのはこんな形で行われます。左下の方に、サービス担当者あるいは介護支援専門員、いわゆるケアマネジャーが座りましてプランを提示します。約四十名の方が毎週、これは水曜日の午後、桑名市の市役所へ集まってこういう会議を開くわけですが、いろんな職種、理学療法士であったり薬剤師であったり作業療法士であったり、こういう方、それから地域包括支援センターの三職種の方々は基本的にはここに出席するという、そういうことで大変な人数になるわけです。ただ、多職種とはいうものの、医師の参加というのはこの中には予定されていない、医師は参加していないという状況があります。
この中でどういうことが話し合われるかというのを典型で示したのが、この桑名市のホームページにあります下の方です。
これはよく見られた方も多いかと思いますけど、介護予防に資するケアマネジメントの在り方ということで、陥りがちなケアマネジメント、いわゆる独りで入浴できないという場合、清潔を保持したいという要求に基づいて通所介護、いわゆるデイサービスで入浴をするということになります。だけれども、こういうふうな形でいつまでもデイサービスに通うということになると、これは独りで入浴はできない、できないことを代わりにするケアがいつまでも続くということになります。
右側に目指すべきケアマネジメントとありますが、なぜ独りで入浴できないかということをよく検討するという中で、バランスが不安定で浴槽をまたげないという、そういう例であれば、デイサービスで足を持ち上げる動作を指導する、あるいは自宅で専門職種が自宅の浴槽をまたげるように訓練する、こういう経過をたどって独りで入浴できるようになる、いわゆるできないことをできるようにするケア、これを目指すべきだということで、応援会議の一つの方向性というか、そういうことを桑名市は何度もホームページ等で示しています。
次のページ、四ページですが、この場合、私としましては、この自立という考え方についての誤解あるいは誘導があると考えます。
介護保険の目的は、状態を軽減あるいは悪化を防止するということが介護保険法に規定された目的、理念であるはずなのですが、介護度の改善だけが成果であるという捉え方をしますと、これは現場では大変なことになるんじゃないかなと思います。維持を評価する、状態の維持を評価するというのが基本というか、多くの人に当てはまる状態ではないかというふうに思います。
確かに、骨折をして、七十歳代の方で、先ほどのお風呂の図のように改善される、これは行政にとってもいいことですし、本人にとっても幸せな、一番幸せなことでありますが、多くは、四ページの下の図にありますが、高齢者の場合は、その状態像においては一般的には穏やかに老いる、その状態をどういうふうに支援するかという、そこに重点が置かれるというか、そういう状態を支援するということが大事ではないかと思います。
いわゆる、ケースを発見し、アセスメントをし、ケアプランを作成し、サービス担当者会議でサービスを選んで提供する、そして三か月後にはまたモニタリングをする、こういうぐるぐると回るサイクルが一般的に、穏やかに老いるためにその時点時点で支援していくというのが一般的ではないかと思います。
ところが、桑名の場合には上のいわゆる卒業ということが言われますので、卒業を目的としているという形で若干のゆがみというところへつながるというふうに思います。
次のページを御覧ください。
いわゆる数字目標ということになるかと思いますが、桑名市では、桑名市のホームページ、地域生活応援会議の評価ということに関しましてこういう表を掲げています。上の表の左下の方に評価指標というのがありまして、その目的、目標は卒業の件数です。卒業の件数を多くしていく。その右に評価結果、三角がありますが、これは、ちょうど一年ほど前の、地域包括ケアシステムの推進会議という、地域ケア会議の一番上部の団体という桑名市は位置付けをしておりますが、そこでの自己評価は三角になっています。これは、一つは、余り卒業が伸びなかったということもあるわけですが、丸が書いてあって、二つ目の丸に卒業された方のその後の把握等が十分にできていないという、卒業された後の方がどういう状況でいるかという把握がやるべきだということで、三角になっているということであるわけです。
こういうふうな課題を私自身どうなっているんだろうということで、下のようなフォーマットを作りました。卒業後の状況調査票ということで、三月に桑名市さんにお願いして、桑名市から回答をいただいた結果がこういう結果です。
この結果の中で一番問題となる、まあ幾つか問題がありますが、一つは、⑤の自費のサービス事業所に参加という、卒業された方がなかなかそのままではやっていけなくて、それが九・二%、一〇%弱いる。同じデイサービスをやりながら自費のサービスで十割を払ってそのサービスを受けているという方がこういう比率というのは、介護保険は負担と給付というのを基本とした保険原理で成り立っている制度ですので、保険料を払いながら自費で十割払わなければ生活をしていけないというのは非常に重大なことだというふうに私は思います。
その下、⑥は介護保険サービスを受給ということで、卒業したものの重度化して介護保険の方へ戻ってきたという、その方が二割います。⑦番の死亡につきましては一〇・六%。この一〇・六%という数字は、昨年、社会保障審議会の六十三回介護部会の資料で、二年前要支援一あるいは要支援二であった方が二年後にどうなったかという表が九月七日の部会に提出されていますが、そのパーセントで見ても、大体多くても六%から七%が死亡というふうになっておりまして、桑名市が元気な方を卒業させたというか卒業に至ったということを考えた場合、一〇%を超える死亡者というのは多い、まあ母数が少ないという問題はありますが、そういうふうに私は思っています。
とはいうものの、①の自宅で元気に生活という、元気にという言葉、私がフォーマットで付けた言葉ですが、元気に生活というのが四割以上いるというのは成功ではないか、非常に目的が達成されているかという評価はあるんじゃないかというふうに一面思われるわけですが、次のページの表、上の表、これは行政自体が課題として、幾つか新しい総合事業を進める中で課題として掲げているものがありまして、今回の私の話に関連しては、一番右の、卒業後、住民主体のサービスにつながらない理由ということで書かれていますが、これは地域包括支援センターの三職種の職員さんに行った調査結果なんですけれど、行く手段がない、二十四、行く手段がないが半分近く、サービス回数が少ないというのも大体四分の一、サービスが合わないというのもかなりのパーセントがあるということで、初めこの円グラフを私が見せていただいたときに何か変な感じがしました。
卒業して元気でいわゆるデビューということができる方が、サロン等いろいろなそういうところへ行く手段がないというのは、元気になったはずなのに、なぜそんなことが起こっているのかというのは非常に不思議だったし、サービスの回数が少ない、いわゆるデビューで担い手となっていくべき方が、回数が少ない、週一回行くのが二回にしてくれと。そういう意味で言われるのは何か変で、実はそういう方が一定の支援を受けながら生活、そこで介護のサービスを一定必要としているんじゃないかという、いわゆるサービスを受けるという、そういうふうなことを意味する結果ではないかというふうに思いまして、先ほどのページの六十名四二・三%というのは、非常に元気に生活しているという状況ではないんではないかという、そういう懸念を持ちます。
申し訳ありません、戻ってもらって四ページですが、終結、評価というところですが、実際には、上の矢印、卒業した方が、お金のある方は自費サービスを利用している、十割を払ってでも利用している。この数は、そういうことをやっているデイサービスは十か所以上ありますので、かなり広がってきているということです。
下の②サービス待機卒業者と書きましたが、初め私はデビュー待機卒業者というふうな意味合い、言葉で書いたんですが、この円グラフの結果を見ると、もうサービスをやっぱり待機している卒業者という、こういうふうに書いた方が実質を表しているんじゃないかと思って変えたわけなんですけれど、待っている間に死亡あるいは重度化する方がかなり見えるという、こういうイラストを作りました。
済みません、先ほどの六ページの下へ行きますが、既にインセンティブという意味で桑名市さんは、くらしいきいき教室という短期集中型のこれはサービスC型なんですが、そこで卒業された方、卒業して六か月間介護保険サービスを利用されていない方については元気アップ交付金ということで、本人さんには二千円、事業者さんには一万八千円、プランを立てたケアマネジャーさんには三千円を交付する。その下の地域包括支援センターの委託費についても卒業件数等によってその委託費を決定するという、そういうふうになっています。
七ページは認定率の桑名の下がり方ということで、アウトカム指標としましては桑名はこういうふうな表をホームページに掲載してチェックをしています。
最後のページは、そういう中で来年の四月には専門職によるサービスというのはもう廃止するということをパンフレット等で明言しているということで、住民主体のサービスで支えていくという、こういう仕組みを徹底させるという、そういう在り方を考えています。これについて私は大変懸念をしているところであります。
以上で意見とさせていただきます。ありがとうございました。
この発言だけを見る →私のお話は、配付資料というのを皆さんにお配りさせていただいておりますので、それに基づきましてお話をさせていただきます。
一ページ目を御覧いただきたいと思います。
私の話の中心というか、限ったお話ですが、自立支援に係る財政的インセンティブについて考えるということですが、自立支援をどう評価するか、それに対するインセンティブをどのように付与するかという、そういった点を桑名市の事例についてお話をさせていただきます。
御存じの方も多いかと思いますが、桑名市は、厚生労働省から来ていただいた前副市長、今は厚生労働省へ戻ってみえますが、副市長さんが中心になって地域包括ケアシステムを骨組みから組み立てたという非常に先進的な市であります。二年間が経過したわけですが、今どんな状況になっているかということを私の懸念という意味でお話をさせていただきます。
一ページの下の方の、これは国の、厚生労働省のホームページで、要介護認定率の推移ということで、和光市あるいは大分県が自立支援に努力されて認定率が下がっているという表が載っておりますが、桑名市はこれを上回る認定率の減少という状況にあります。
次の二ページを御覧いただきたいと思います。
桑名市の場合には、先ほど申し上げましたように、二年前の四月、新しい総合事業ということで出発しました。この中心の柱になるのが地域生活応援会議、一般に応援会議、応援会議と言っていますが、介護保険法では地域ケア会議の一類型という位置付けで出発しています。目的が、介護保険を卒業して地域活動にデビューする。これは、下に桑名市のホームページを付けさせていただきましたが、この中ほどの右側に、高齢者が介護保険を卒業して地域活動にデビューするというのが一つの大きな目標となっています。このために多職種が協力していろいろな助言、支援をするという、そういうふうな仕組みで出発しております。
次のページ、三ページを御覧いただきたいと思います。
地域生活応援会議というのはこんな形で行われます。左下の方に、サービス担当者あるいは介護支援専門員、いわゆるケアマネジャーが座りましてプランを提示します。約四十名の方が毎週、これは水曜日の午後、桑名市の市役所へ集まってこういう会議を開くわけですが、いろんな職種、理学療法士であったり薬剤師であったり作業療法士であったり、こういう方、それから地域包括支援センターの三職種の方々は基本的にはここに出席するという、そういうことで大変な人数になるわけです。ただ、多職種とはいうものの、医師の参加というのはこの中には予定されていない、医師は参加していないという状況があります。
この中でどういうことが話し合われるかというのを典型で示したのが、この桑名市のホームページにあります下の方です。
これはよく見られた方も多いかと思いますけど、介護予防に資するケアマネジメントの在り方ということで、陥りがちなケアマネジメント、いわゆる独りで入浴できないという場合、清潔を保持したいという要求に基づいて通所介護、いわゆるデイサービスで入浴をするということになります。だけれども、こういうふうな形でいつまでもデイサービスに通うということになると、これは独りで入浴はできない、できないことを代わりにするケアがいつまでも続くということになります。
右側に目指すべきケアマネジメントとありますが、なぜ独りで入浴できないかということをよく検討するという中で、バランスが不安定で浴槽をまたげないという、そういう例であれば、デイサービスで足を持ち上げる動作を指導する、あるいは自宅で専門職種が自宅の浴槽をまたげるように訓練する、こういう経過をたどって独りで入浴できるようになる、いわゆるできないことをできるようにするケア、これを目指すべきだということで、応援会議の一つの方向性というか、そういうことを桑名市は何度もホームページ等で示しています。
次のページ、四ページですが、この場合、私としましては、この自立という考え方についての誤解あるいは誘導があると考えます。
介護保険の目的は、状態を軽減あるいは悪化を防止するということが介護保険法に規定された目的、理念であるはずなのですが、介護度の改善だけが成果であるという捉え方をしますと、これは現場では大変なことになるんじゃないかなと思います。維持を評価する、状態の維持を評価するというのが基本というか、多くの人に当てはまる状態ではないかというふうに思います。
確かに、骨折をして、七十歳代の方で、先ほどのお風呂の図のように改善される、これは行政にとってもいいことですし、本人にとっても幸せな、一番幸せなことでありますが、多くは、四ページの下の図にありますが、高齢者の場合は、その状態像においては一般的には穏やかに老いる、その状態をどういうふうに支援するかという、そこに重点が置かれるというか、そういう状態を支援するということが大事ではないかと思います。
いわゆる、ケースを発見し、アセスメントをし、ケアプランを作成し、サービス担当者会議でサービスを選んで提供する、そして三か月後にはまたモニタリングをする、こういうぐるぐると回るサイクルが一般的に、穏やかに老いるためにその時点時点で支援していくというのが一般的ではないかと思います。
ところが、桑名の場合には上のいわゆる卒業ということが言われますので、卒業を目的としているという形で若干のゆがみというところへつながるというふうに思います。
次のページを御覧ください。
いわゆる数字目標ということになるかと思いますが、桑名市では、桑名市のホームページ、地域生活応援会議の評価ということに関しましてこういう表を掲げています。上の表の左下の方に評価指標というのがありまして、その目的、目標は卒業の件数です。卒業の件数を多くしていく。その右に評価結果、三角がありますが、これは、ちょうど一年ほど前の、地域包括ケアシステムの推進会議という、地域ケア会議の一番上部の団体という桑名市は位置付けをしておりますが、そこでの自己評価は三角になっています。これは、一つは、余り卒業が伸びなかったということもあるわけですが、丸が書いてあって、二つ目の丸に卒業された方のその後の把握等が十分にできていないという、卒業された後の方がどういう状況でいるかという把握がやるべきだということで、三角になっているということであるわけです。
こういうふうな課題を私自身どうなっているんだろうということで、下のようなフォーマットを作りました。卒業後の状況調査票ということで、三月に桑名市さんにお願いして、桑名市から回答をいただいた結果がこういう結果です。
この結果の中で一番問題となる、まあ幾つか問題がありますが、一つは、⑤の自費のサービス事業所に参加という、卒業された方がなかなかそのままではやっていけなくて、それが九・二%、一〇%弱いる。同じデイサービスをやりながら自費のサービスで十割を払ってそのサービスを受けているという方がこういう比率というのは、介護保険は負担と給付というのを基本とした保険原理で成り立っている制度ですので、保険料を払いながら自費で十割払わなければ生活をしていけないというのは非常に重大なことだというふうに私は思います。
その下、⑥は介護保険サービスを受給ということで、卒業したものの重度化して介護保険の方へ戻ってきたという、その方が二割います。⑦番の死亡につきましては一〇・六%。この一〇・六%という数字は、昨年、社会保障審議会の六十三回介護部会の資料で、二年前要支援一あるいは要支援二であった方が二年後にどうなったかという表が九月七日の部会に提出されていますが、そのパーセントで見ても、大体多くても六%から七%が死亡というふうになっておりまして、桑名市が元気な方を卒業させたというか卒業に至ったということを考えた場合、一〇%を超える死亡者というのは多い、まあ母数が少ないという問題はありますが、そういうふうに私は思っています。
とはいうものの、①の自宅で元気に生活という、元気にという言葉、私がフォーマットで付けた言葉ですが、元気に生活というのが四割以上いるというのは成功ではないか、非常に目的が達成されているかという評価はあるんじゃないかというふうに一面思われるわけですが、次のページの表、上の表、これは行政自体が課題として、幾つか新しい総合事業を進める中で課題として掲げているものがありまして、今回の私の話に関連しては、一番右の、卒業後、住民主体のサービスにつながらない理由ということで書かれていますが、これは地域包括支援センターの三職種の職員さんに行った調査結果なんですけれど、行く手段がない、二十四、行く手段がないが半分近く、サービス回数が少ないというのも大体四分の一、サービスが合わないというのもかなりのパーセントがあるということで、初めこの円グラフを私が見せていただいたときに何か変な感じがしました。
卒業して元気でいわゆるデビューということができる方が、サロン等いろいろなそういうところへ行く手段がないというのは、元気になったはずなのに、なぜそんなことが起こっているのかというのは非常に不思議だったし、サービスの回数が少ない、いわゆるデビューで担い手となっていくべき方が、回数が少ない、週一回行くのが二回にしてくれと。そういう意味で言われるのは何か変で、実はそういう方が一定の支援を受けながら生活、そこで介護のサービスを一定必要としているんじゃないかという、いわゆるサービスを受けるという、そういうふうなことを意味する結果ではないかというふうに思いまして、先ほどのページの六十名四二・三%というのは、非常に元気に生活しているという状況ではないんではないかという、そういう懸念を持ちます。
申し訳ありません、戻ってもらって四ページですが、終結、評価というところですが、実際には、上の矢印、卒業した方が、お金のある方は自費サービスを利用している、十割を払ってでも利用している。この数は、そういうことをやっているデイサービスは十か所以上ありますので、かなり広がってきているということです。
下の②サービス待機卒業者と書きましたが、初め私はデビュー待機卒業者というふうな意味合い、言葉で書いたんですが、この円グラフの結果を見ると、もうサービスをやっぱり待機している卒業者という、こういうふうに書いた方が実質を表しているんじゃないかと思って変えたわけなんですけれど、待っている間に死亡あるいは重度化する方がかなり見えるという、こういうイラストを作りました。
済みません、先ほどの六ページの下へ行きますが、既にインセンティブという意味で桑名市さんは、くらしいきいき教室という短期集中型のこれはサービスC型なんですが、そこで卒業された方、卒業して六か月間介護保険サービスを利用されていない方については元気アップ交付金ということで、本人さんには二千円、事業者さんには一万八千円、プランを立てたケアマネジャーさんには三千円を交付する。その下の地域包括支援センターの委託費についても卒業件数等によってその委託費を決定するという、そういうふうになっています。
七ページは認定率の桑名の下がり方ということで、アウトカム指標としましては桑名はこういうふうな表をホームページに掲載してチェックをしています。
最後のページは、そういう中で来年の四月には専門職によるサービスというのはもう廃止するということをパンフレット等で明言しているということで、住民主体のサービスで支えていくという、こういう仕組みを徹底させるという、そういう在り方を考えています。これについて私は大変懸念をしているところであります。
以上で意見とさせていただきます。ありがとうございました。
羽
羽生田俊#10
○委員長(羽生田俊君) ありがとうございました。
以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。
この発言だけを見る →以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。
高
高階恵美子#11
○高階恵美子君 自由民主党の高階恵美子でございます。
本日は、御多忙の中、お運びいただきまして貴重な御意見を賜り、誠にありがとうございます。
これからは二〇四二年を目指して制度の充実、成熟というのを私たちは頑張っていかなければいけないんだろうなと考えておりますが、そうした中で私がちょっと念頭に置いた方がいいかなと思っているのは、一つは、人生の最終段階をそれぞれが穏やかに過ごすことができる、そして朗らかに過ごすことができる、こういう地域をつくっていくために私たちもうちょっと関心を高めなきゃいけないなということと、それから、家族が最後まで家族としていられるような介護環境整備、このことへの関心はもっともっと強くしていかなきゃいけないと思っています。また、六十五歳からの人生をより豊かに過ごしていくための備え、それから、幸せに年を重ねていくという捉え方、高い年齢というのから幸せに年を重ねる社会づくりへ、こういったようなことの啓発ということも非常に重要ではないかなと考えております。
そうした中で、今回の法改正では、市町村のサービスの充実強化、特に自立支援、重度化防止という点で私たちは制度を強化するということになったわけなんですけれども、岩名参考人には全国のいろいろな地域に入っていただいて、その取組状況を御覧いただいていると思います。
市町村サービスの充実を進めていくためには、地域の実態に即した創意工夫を大いに期待しながら進行していく、そのときには、具体的に言いますと、地域に入り込んで地域を動かしていく住民主導の活動を展開していくプランナーが必要になると思うんです。岩名参考人が千五百人いれば全国一斉にできるのかもしれませんけれども、どこにどういったような条件を整えていくと、そうした人材の育成とか交流、事業の横展開、これの広域支援が効果的に動いていくのか、具体的な御提案があれば是非お伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →本日は、御多忙の中、お運びいただきまして貴重な御意見を賜り、誠にありがとうございます。
これからは二〇四二年を目指して制度の充実、成熟というのを私たちは頑張っていかなければいけないんだろうなと考えておりますが、そうした中で私がちょっと念頭に置いた方がいいかなと思っているのは、一つは、人生の最終段階をそれぞれが穏やかに過ごすことができる、そして朗らかに過ごすことができる、こういう地域をつくっていくために私たちもうちょっと関心を高めなきゃいけないなということと、それから、家族が最後まで家族としていられるような介護環境整備、このことへの関心はもっともっと強くしていかなきゃいけないと思っています。また、六十五歳からの人生をより豊かに過ごしていくための備え、それから、幸せに年を重ねていくという捉え方、高い年齢というのから幸せに年を重ねる社会づくりへ、こういったようなことの啓発ということも非常に重要ではないかなと考えております。
そうした中で、今回の法改正では、市町村のサービスの充実強化、特に自立支援、重度化防止という点で私たちは制度を強化するということになったわけなんですけれども、岩名参考人には全国のいろいろな地域に入っていただいて、その取組状況を御覧いただいていると思います。
市町村サービスの充実を進めていくためには、地域の実態に即した創意工夫を大いに期待しながら進行していく、そのときには、具体的に言いますと、地域に入り込んで地域を動かしていく住民主導の活動を展開していくプランナーが必要になると思うんです。岩名参考人が千五百人いれば全国一斉にできるのかもしれませんけれども、どこにどういったような条件を整えていくと、そうした人材の育成とか交流、事業の横展開、これの広域支援が効果的に動いていくのか、具体的な御提案があれば是非お伺いしたいと思います。
岩
岩名礼介#12
○参考人(岩名礼介君) 御質問ありがとうございます。
各地域で取組をしていくとなると、全てを自治体がやるという感覚に陥りがちなんだと思います。そのことが大変今、市町村の職員の方、担当の方、悩ませているような気がしておりまして、もちろん自治体の責任というのはあるわけですけれども、全てを抱え込んで全部でやろうとするとやっぱりうまくいっていない。いろんな地域でうまくいっているケース、よくよく見ると、やっぱり行政外の方々の参加が積極的であるというのは共通点が一つあると思っています。これは、専門職の方であるのか事業所の方であるのか住民であるのかはテーマによっても違うし、その地域によっても違うとは思うんですけれども。
実は、よく、ここ数年の、今、まあ地域支援事業の流れとか見ていくと分かるんですが、地域ケア会議は専門職なんかが中心に集まってくる場になっていますし、生活支援体制整備事業でやっている協議体みたいなものというのは、住民の方がそこに集まってきて自由に話す場になっている。最近は、事業所連絡協議会みたいなものが、自分たちで集まってどんどん提案をしていくというようなところも出てきております。
やっぱりうまくいっているところってそういう場がある。行政と現場が一方通行で、こういう計画案でいきたいと思います、いいと思いますという、何か半ばある種の一方通行みたいなことではなくて、やっぱり真ん中に場が常設されているというか、常にそういう場があって、そこに参加してみんなで話し合っているところというのが、時間は当然掛かるんですけれども、大変重要だと思っています。
それともう一つは、やはり都道府県のサポートということは私は重要だと思っておりまして、昨年度から、更に広域でいうと国の方では厚生局単位で地域包括ケア推進課というのが設置されたりして、いろんなブロック単位で研修なんかも行われるようになっていますが、やっぱり国が全部やるというのはもちろんサポートし切れない部分あると思いますし、地方単位、そして都道府県単位での技術的な支援というのは大変重要だろうというふうに思っております。
この発言だけを見る →各地域で取組をしていくとなると、全てを自治体がやるという感覚に陥りがちなんだと思います。そのことが大変今、市町村の職員の方、担当の方、悩ませているような気がしておりまして、もちろん自治体の責任というのはあるわけですけれども、全てを抱え込んで全部でやろうとするとやっぱりうまくいっていない。いろんな地域でうまくいっているケース、よくよく見ると、やっぱり行政外の方々の参加が積極的であるというのは共通点が一つあると思っています。これは、専門職の方であるのか事業所の方であるのか住民であるのかはテーマによっても違うし、その地域によっても違うとは思うんですけれども。
実は、よく、ここ数年の、今、まあ地域支援事業の流れとか見ていくと分かるんですが、地域ケア会議は専門職なんかが中心に集まってくる場になっていますし、生活支援体制整備事業でやっている協議体みたいなものというのは、住民の方がそこに集まってきて自由に話す場になっている。最近は、事業所連絡協議会みたいなものが、自分たちで集まってどんどん提案をしていくというようなところも出てきております。
やっぱりうまくいっているところってそういう場がある。行政と現場が一方通行で、こういう計画案でいきたいと思います、いいと思いますという、何か半ばある種の一方通行みたいなことではなくて、やっぱり真ん中に場が常設されているというか、常にそういう場があって、そこに参加してみんなで話し合っているところというのが、時間は当然掛かるんですけれども、大変重要だと思っています。
それともう一つは、やはり都道府県のサポートということは私は重要だと思っておりまして、昨年度から、更に広域でいうと国の方では厚生局単位で地域包括ケア推進課というのが設置されたりして、いろんなブロック単位で研修なんかも行われるようになっていますが、やっぱり国が全部やるというのはもちろんサポートし切れない部分あると思いますし、地方単位、そして都道府県単位での技術的な支援というのは大変重要だろうというふうに思っております。
高
高階恵美子#13
○高階恵美子君 ありがとうございます。
様々な形で地域なりのつくり方をしていく、そのときに自助、共助、公助、いろんな関わり方、つながり方があっていいんだと思います。どちらかというと、世代間の関わりが分断されたような状況ですと地域づくりがうまく進んでいきませんので、これからはその世代間交流もしっかり促進するような形での市町村サービスを充実する取組、こういった視点なども喚起していきたいなというふうに思っているところです。お力添えよろしくお願いしたいと思います。
次に、お金の話を少し確認させていただきたいなと思います。
保険方式による社会的介護の仕組みを維持する、こういうふうな観点では、今回は三割負担の導入ということが図られているわけなんですけれども、特に所得の高い層に限られるとはいえ、十二万人に及ぶ方々に上限ですと年五十二万八千円に相当する御負担をいただくということになってまいります。
岩村参考人にお伺いしたいんですが、先ほど応能負担に一定の理解という結論について御説明いただきました。議論の中で、拙速ではないかとか、それから長期に及ぶ介護の可能性もあり負担が大きいんじゃないかといったような懸念の声もあったと伺いましたけれども、制度の持続可能性というのはもちろん重要なんですけれども、一方で給付と負担のバランスという観点からも、導入後の継続的なサービス利用実態の調査、あるいはそれの影響をきめ細かく分析した上での検証、それに伴う制度設計の視点、これ非常に重要なことだと思います。長期にわたってこの制度を維持していく上でも、この応能負担のところの捉まえ方、何か御意見ございますでしょうか。
この発言だけを見る →様々な形で地域なりのつくり方をしていく、そのときに自助、共助、公助、いろんな関わり方、つながり方があっていいんだと思います。どちらかというと、世代間の関わりが分断されたような状況ですと地域づくりがうまく進んでいきませんので、これからはその世代間交流もしっかり促進するような形での市町村サービスを充実する取組、こういった視点なども喚起していきたいなというふうに思っているところです。お力添えよろしくお願いしたいと思います。
次に、お金の話を少し確認させていただきたいなと思います。
保険方式による社会的介護の仕組みを維持する、こういうふうな観点では、今回は三割負担の導入ということが図られているわけなんですけれども、特に所得の高い層に限られるとはいえ、十二万人に及ぶ方々に上限ですと年五十二万八千円に相当する御負担をいただくということになってまいります。
岩村参考人にお伺いしたいんですが、先ほど応能負担に一定の理解という結論について御説明いただきました。議論の中で、拙速ではないかとか、それから長期に及ぶ介護の可能性もあり負担が大きいんじゃないかといったような懸念の声もあったと伺いましたけれども、制度の持続可能性というのはもちろん重要なんですけれども、一方で給付と負担のバランスという観点からも、導入後の継続的なサービス利用実態の調査、あるいはそれの影響をきめ細かく分析した上での検証、それに伴う制度設計の視点、これ非常に重要なことだと思います。長期にわたってこの制度を維持していく上でも、この応能負担のところの捉まえ方、何か御意見ございますでしょうか。
岩
岩村正彦#14
○参考人(岩村正彦君) 御質問ありがとうございます。
部会におきましても、その点についてはいろいろ議論があったところだと思います。
ただ、まず第一に、今話題に上がりましたその応能負担の例えば三割という負担の率について言っても、基本的には現役の人たちと同じ所得のある階層の人たちに三割負担をお願いするというような形で考えておりまして、それ以下の所得の人たちについて更に負担の割合を上げるというようなことについては今回は議論はしていないところでございます。
今後、やはり高齢化が進んでいく中で給付というものが必然的に膨らんでいくという、そういうことが見通される中では、やはり、先ほども申し上げましたように、保険料負担をどこまでやるのか、それから公費負担というのをどこまでやるのか、さらに給付を受ける方についてどこまで負担していただくのか、特に給付を受ける方については、これはむしろ世代間というよりは世代内での公平の問題だというように思いますが、そういった多角的な視野からの検討というのがどうしても欠かすことはできないだろうというふうに思っています。
さらに、今日はテーマが介護保険ということになっていますが、実は高齢化との関係でいいますと、医療の問題もあり年金の問題もあり、そういったトータルの中で今後どのようにして我々国民の生活を支える社会保障制度を維持していくかということを考えなければいけないかなというふうには思っているところでございます。
この発言だけを見る →部会におきましても、その点についてはいろいろ議論があったところだと思います。
ただ、まず第一に、今話題に上がりましたその応能負担の例えば三割という負担の率について言っても、基本的には現役の人たちと同じ所得のある階層の人たちに三割負担をお願いするというような形で考えておりまして、それ以下の所得の人たちについて更に負担の割合を上げるというようなことについては今回は議論はしていないところでございます。
今後、やはり高齢化が進んでいく中で給付というものが必然的に膨らんでいくという、そういうことが見通される中では、やはり、先ほども申し上げましたように、保険料負担をどこまでやるのか、それから公費負担というのをどこまでやるのか、さらに給付を受ける方についてどこまで負担していただくのか、特に給付を受ける方については、これはむしろ世代間というよりは世代内での公平の問題だというように思いますが、そういった多角的な視野からの検討というのがどうしても欠かすことはできないだろうというふうに思っています。
さらに、今日はテーマが介護保険ということになっていますが、実は高齢化との関係でいいますと、医療の問題もあり年金の問題もあり、そういったトータルの中で今後どのようにして我々国民の生活を支える社会保障制度を維持していくかということを考えなければいけないかなというふうには思っているところでございます。
高
高階恵美子#15
○高階恵美子君 ありがとうございます。
先ほど、服部参考人からは厳しい意見もいただきました。ケースワークをしっかりやっていればこその御発言だったと思っております。
私も高校生のとき自宅で祖母をみとったんですけれども、その見送ったときに思ったのは、存在がなくなることの圧倒的な寂しさと、それから自分たちでやれるだけのことをやってきたなという思いだったんです。これから多死社会に臨むに当たって、御本人が最後までその人らしくという視点も大切ですけれども、御家族、御遺族の方へのケアといったようなところ、これからもう少し大事にしていくことを考えなきゃいけないんじゃないかと思います。
現場で関わっておられて、この点について御意見ございますでしょうか。最後にお伺いしたいと思います。
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私も高校生のとき自宅で祖母をみとったんですけれども、その見送ったときに思ったのは、存在がなくなることの圧倒的な寂しさと、それから自分たちでやれるだけのことをやってきたなという思いだったんです。これから多死社会に臨むに当たって、御本人が最後までその人らしくという視点も大切ですけれども、御家族、御遺族の方へのケアといったようなところ、これからもう少し大事にしていくことを考えなきゃいけないんじゃないかと思います。
現場で関わっておられて、この点について御意見ございますでしょうか。最後にお伺いしたいと思います。
服
服部万里子#16
○参考人(服部万里子君) ありがとうございます。
高階議員が言われたように、介護をしている家族に対してどう向き合うのかというのはとても大きな問題で、だからこそ介護保険の制度の充実というのが必要だというふうに思っております。同居していても、別居していても、遠距離でも介護負担というのがあるんですね。ですから、そのことに対しては、やはりサービスの活用と同時に、精神的なサポートも含めて丸ごとその家族と向き合っていくという、こういうチームワークというのがとても大切だというふうに私は思っております。
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高
足
足立信也#18
○足立信也君 民進党の足立信也です。
四名の参考人の皆さん、本当にありがとうございます。四名の参考人の皆さんに共通しておっしゃられたことが保険者機能だったと思います。中でも財政的インセンティブということでした。
まずは岩村先生と服部先生にちょっとお聞きしたいんですが、地域包括ケアシステムというのは二〇一一年の介護保険法の改正で入れました。その原案は、二〇一〇年、あのときも岩村先生、部会にいらっしゃったんだろうと思います。私、政務官やっているときです。中学校区単位を基本として保健、医療、介護、福祉、一体的に取り組む、これを一言で言えば二十一世紀のコミュニティーの再生だということでつくっていきました。そうしたときに、保険者機能といいますが、市町村になるんでしょうけれども、中学校単位ということは市町村によっていっぱいあるわけですね。私は、保険者機能、保険者というのはある意味住民だと思っているんです。自分たちでどんなコミュニティーをつくり上げていくかというのが一番大事なことであって、そうなると、インセンティブも住民の方々に返ってくるような仕組みじゃなきゃいけないんじゃないかと私は思っています。
そこで、先ほど岩村先生、私見だという前提でほんの少しだけ公正な評価指標とおっしゃいましたが、もう少しどういうことを考えられているかというのをお聞きしたい。その中で、これ交付金ですから年度ごとになっていくんでしょうけれども、その評価指標を年ごとにやるんでしょうか、それとも、どんな項目かによると思うんですが、評価が毎年毎年というのは極めて私は不自然だと思うんですけど、その点について、どんな公正な評価指標を考えておられるか、お願いしたいと思います。
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まずは岩村先生と服部先生にちょっとお聞きしたいんですが、地域包括ケアシステムというのは二〇一一年の介護保険法の改正で入れました。その原案は、二〇一〇年、あのときも岩村先生、部会にいらっしゃったんだろうと思います。私、政務官やっているときです。中学校区単位を基本として保健、医療、介護、福祉、一体的に取り組む、これを一言で言えば二十一世紀のコミュニティーの再生だということでつくっていきました。そうしたときに、保険者機能といいますが、市町村になるんでしょうけれども、中学校単位ということは市町村によっていっぱいあるわけですね。私は、保険者機能、保険者というのはある意味住民だと思っているんです。自分たちでどんなコミュニティーをつくり上げていくかというのが一番大事なことであって、そうなると、インセンティブも住民の方々に返ってくるような仕組みじゃなきゃいけないんじゃないかと私は思っています。
そこで、先ほど岩村先生、私見だという前提でほんの少しだけ公正な評価指標とおっしゃいましたが、もう少しどういうことを考えられているかというのをお聞きしたい。その中で、これ交付金ですから年度ごとになっていくんでしょうけれども、その評価指標を年ごとにやるんでしょうか、それとも、どんな項目かによると思うんですが、評価が毎年毎年というのは極めて私は不自然だと思うんですけど、その点について、どんな公正な評価指標を考えておられるか、お願いしたいと思います。
岩
岩村正彦#19
○参考人(岩村正彦君) 御質問ありがとうございます。
財政的インセンティブについては、恐らく今後、先ほど申し上げたように、指標、評価指標をどういうふうにするかということを議論していくということになると思いますけれども、その際には、結局、やはり一方ではアウトカム指標、それからもう一つはプロセス指標というものとを適切に組み合わせるという形で指標を考えていくということになるだろうというふうには思っています。
最初からある一定の、例えば要介護認定率を下げるとか、そういったような形での目標設定というのは私も余り好ましいものではないというように思っていますので、介護保険という制度自体が果たしている多面的な機能というものをうまく評価できるような、そういう適切な指標というのを今後考えていく必要があるだろうというふうには思っております。
この発言だけを見る →財政的インセンティブについては、恐らく今後、先ほど申し上げたように、指標、評価指標をどういうふうにするかということを議論していくということになると思いますけれども、その際には、結局、やはり一方ではアウトカム指標、それからもう一つはプロセス指標というものとを適切に組み合わせるという形で指標を考えていくということになるだろうというふうには思っています。
最初からある一定の、例えば要介護認定率を下げるとか、そういったような形での目標設定というのは私も余り好ましいものではないというように思っていますので、介護保険という制度自体が果たしている多面的な機能というものをうまく評価できるような、そういう適切な指標というのを今後考えていく必要があるだろうというふうには思っております。
足
岩
岩村正彦#21
○参考人(岩村正彦君) そこについてはまだ今のところ私自身も確たる考えを持っているわけではありませんが、ちょっと変な例を申し上げて恐縮でございますけれども、国立大学も評価に疲れているというところがございまして、そういうことを考えますと、ちょっとやはり毎年というのは幾ら何でもどうかなという気が直感的にはいたします。その点についてはもう少し考えさせていただきたいというふうに思います。
この発言だけを見る →足
足立信也#22
○足立信也君 次は服部先生にお聞きしたいんですが、私、大分県が地元ですから、大分県の取組というのを、かなり全面的に出されています。私も現場をずっと回ってみて、本当によくやっているというのを評価しているところなんです。
厚生労働省の方と大分県の特徴というものをかなり分析したんですよ。認定率が下がらない、各年代層で下がっていないのは要介護度一なんです。要支援一も二も、要介護度二、三、四、五も全部下がっているんです。つまり、介護が必要な人、これは要介護一の認定は必ず必要、そこにとどまっていると私は思うんです。そして、施設、まあ要介護度認定ですから施設中心で考えると、職員は基準以上に大量に採用して、本当によくやっています。一人一人がやはり要介護度認定が下がっている、これはもう事実だと思うんです。
この件はちょっと後でまた時間があったら言いますが、問題は、要支援のところがやっぱり下がっていることの中で、大分県はそこを目標にしていないということが極めて大事なんです。健康寿命日本一を目標にして、その結果として認定率が下がっているんです、特に要支援一、二のところは。例えばラジオ体操やったり、あるいはまさに校区ごとにウオーキングをしたりする。つまり、直接的な要介護度認定に関わるような指標よりも、私は、健康寿命の指標というようなものをつくった方が、これは世界的にも通用するし、正しいんだと思うんです。
残念ながら、これ健康寿命の話になるんですけど、服部先生、答えていただける範囲でいいんですが、これ、健康寿命って今アンケートじゃないですか。人のお世話になっている、なっていないのアンケートじゃないですか。科学的に健康寿命というのはこういうふうに算出するんですよというのは実はないんです。これ日本がつくるべきだと私は思っていまして、それについてどういうことが考えられるかなというのが一点と、やっぱり直接介護じゃない、別の目標を定めてやったときに要介護度の認定率が下がってくるというのが私は望ましい形態だと思うので、その点についての御意見を、その二点お願いしたいと思います。
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この件はちょっと後でまた時間があったら言いますが、問題は、要支援のところがやっぱり下がっていることの中で、大分県はそこを目標にしていないということが極めて大事なんです。健康寿命日本一を目標にして、その結果として認定率が下がっているんです、特に要支援一、二のところは。例えばラジオ体操やったり、あるいはまさに校区ごとにウオーキングをしたりする。つまり、直接的な要介護度認定に関わるような指標よりも、私は、健康寿命の指標というようなものをつくった方が、これは世界的にも通用するし、正しいんだと思うんです。
残念ながら、これ健康寿命の話になるんですけど、服部先生、答えていただける範囲でいいんですが、これ、健康寿命って今アンケートじゃないですか。人のお世話になっている、なっていないのアンケートじゃないですか。科学的に健康寿命というのはこういうふうに算出するんですよというのは実はないんです。これ日本がつくるべきだと私は思っていまして、それについてどういうことが考えられるかなというのが一点と、やっぱり直接介護じゃない、別の目標を定めてやったときに要介護度の認定率が下がってくるというのが私は望ましい形態だと思うので、その点についての御意見を、その二点お願いしたいと思います。
服
服部万里子#23
○参考人(服部万里子君) ありがとうございます。
健康寿命に関する評価というのは、厚生労働省が健康寿命というのを打ち出しているんですけれども、私も看護師なので、いろんな利用者さんと向き合っていて一つ感じるのは、その方の身体的なものがいっぱいあります。これは加齢によるものももちろんありますし、それから疾患によるものもあります。疾患によるものは別に、高齢になってなったものもありますし、元々心臓が悪いとか肝臓が悪いとかという方もあります。その意味で、多様な要素があると思いますけれども、どの要素をもっていわゆる健康かどうかというのを判断するということに関しては、指標を探すために調べるということは可能ではないかと思います。
ただ、そこで出てこないものがあるんです。そこで出てこないものは何かというと、生きたい意欲とか、自分が何かに対して思いを持っているとか、やる気があるとか、そういうものは出てこないんですね、科学的なデータの中では。
今、私もケアマネジャーやっていて一番感じることは、外に出たくない、食べたくない、会いたくないということをどうするかが一番大変なんです。介護が必要でサービスをということならまだある意味ではいろんな方法があるんですけれども、その方の思いとか、やりたくないという、でも行きたくないには原因があるんですね。又は食べたくないには原因があるんです。そこをもう一つ、どうしてという形で向き合っていく、そのための時間と努力というものは必要だと思っています。ただ、そういう意味で、その科学的な指標だけではいかないなというのはそういうふうに感じております。
それと、あと二つ目の御質問なんですけれども、今後、国がそういう指標をつくることは別としても、高齢期に、例えば大分の中で元気な方が増えていくことの中身に関して私は否定するものではありません。そして、その方たちがその地域の中で、例えば介護度一というのはやはり一つの歯止めなのは、どうしても認知症が多いんです。介護度一に残れるというのは、認知症の自立度二以上ないしは半年以内に状態が悪化する人しか残れないんですね。逆に言えば、そこはもう歯止めになると思います。でも、要支援というのはある意味では七十四項目の様々な状況ですので、やはりそこの妥当性ということがあれば今の内容がまずいとは思いません、その指標に関してはです。
この発言だけを見る →健康寿命に関する評価というのは、厚生労働省が健康寿命というのを打ち出しているんですけれども、私も看護師なので、いろんな利用者さんと向き合っていて一つ感じるのは、その方の身体的なものがいっぱいあります。これは加齢によるものももちろんありますし、それから疾患によるものもあります。疾患によるものは別に、高齢になってなったものもありますし、元々心臓が悪いとか肝臓が悪いとかという方もあります。その意味で、多様な要素があると思いますけれども、どの要素をもっていわゆる健康かどうかというのを判断するということに関しては、指標を探すために調べるということは可能ではないかと思います。
ただ、そこで出てこないものがあるんです。そこで出てこないものは何かというと、生きたい意欲とか、自分が何かに対して思いを持っているとか、やる気があるとか、そういうものは出てこないんですね、科学的なデータの中では。
今、私もケアマネジャーやっていて一番感じることは、外に出たくない、食べたくない、会いたくないということをどうするかが一番大変なんです。介護が必要でサービスをということならまだある意味ではいろんな方法があるんですけれども、その方の思いとか、やりたくないという、でも行きたくないには原因があるんですね。又は食べたくないには原因があるんです。そこをもう一つ、どうしてという形で向き合っていく、そのための時間と努力というものは必要だと思っています。ただ、そういう意味で、その科学的な指標だけではいかないなというのはそういうふうに感じております。
それと、あと二つ目の御質問なんですけれども、今後、国がそういう指標をつくることは別としても、高齢期に、例えば大分の中で元気な方が増えていくことの中身に関して私は否定するものではありません。そして、その方たちがその地域の中で、例えば介護度一というのはやはり一つの歯止めなのは、どうしても認知症が多いんです。介護度一に残れるというのは、認知症の自立度二以上ないしは半年以内に状態が悪化する人しか残れないんですね。逆に言えば、そこはもう歯止めになると思います。でも、要支援というのはある意味では七十四項目の様々な状況ですので、やはりそこの妥当性ということがあれば今の内容がまずいとは思いません、その指標に関してはです。
足
足立信也#24
○足立信也君 介護のことを語るのに介護が必要でないことを指標にするというのが、僕はかなり大事な考え方なのかなと思って申し上げました。
私、大学にいた頃等々、クオリティー・オブ・ライフ、QOLの指標をどうしようかといって、あのとき一番患者さんの気持ちを反映して、状態を反映して良かったのが顔のマークでした。笑顔なのか、少しつらそうな顔なのか、あるいはしかめっ面なのか、そういうことがトータルで極めて分かりやすい指標だったなというようなことを覚えておりますので、そのことを申し上げて私の質問を終わりたいと思います。
ありがとうございます。
この発言だけを見る →私、大学にいた頃等々、クオリティー・オブ・ライフ、QOLの指標をどうしようかといって、あのとき一番患者さんの気持ちを反映して、状態を反映して良かったのが顔のマークでした。笑顔なのか、少しつらそうな顔なのか、あるいはしかめっ面なのか、そういうことがトータルで極めて分かりやすい指標だったなというようなことを覚えておりますので、そのことを申し上げて私の質問を終わりたいと思います。
ありがとうございます。
熊
熊野正士#25
○熊野正士君 本日は、四人の参考人の皆様に貴重な御意見を賜りまして、心から感謝を申し上げたいと思います。
時間も限られておりますので、皆様全員に質問できないかもしれませんが、その点はちょっと御容赦をいただければと思います。
まず、岩村参考人にお尋ねをしたいと思います。
冒頭、保険者機能の強化が必要であるというふうなことでお話をいただきまして、介護保険の部会の部会長代理としてのお立場で、議論も踏まえながらということでお話をしていただきました。
そして、今、要支援一、二の方に対しましての新総合事業というものがいよいよこの四月から移行をされて、実質的には来年四月から施行されるというような形で承知しておりますけれども、この保険者機能の強化というのがやっぱりこの新総合事業、非常に関連しているというか、ということはあると思いますので、この新総合事業の議論いろいろあったと思うんですけれども、その辺の一番期待できるところというものをちょっと教えていただければなと思います。
この発言だけを見る →時間も限られておりますので、皆様全員に質問できないかもしれませんが、その点はちょっと御容赦をいただければと思います。
まず、岩村参考人にお尋ねをしたいと思います。
冒頭、保険者機能の強化が必要であるというふうなことでお話をいただきまして、介護保険の部会の部会長代理としてのお立場で、議論も踏まえながらということでお話をしていただきました。
そして、今、要支援一、二の方に対しましての新総合事業というものがいよいよこの四月から移行をされて、実質的には来年四月から施行されるというような形で承知しておりますけれども、この保険者機能の強化というのがやっぱりこの新総合事業、非常に関連しているというか、ということはあると思いますので、この新総合事業の議論いろいろあったと思うんですけれども、その辺の一番期待できるところというものをちょっと教えていただければなと思います。
岩
岩村正彦#26
○参考人(岩村正彦君) 御質問ありがとうございます。
新総合事業につきましては、もう先生御案内のとおり、もちろん法律の枠というものはあるわけでありますけれども、しかし、具体的な内容についてはそれぞれの保険者である市町村に委ねられているところが多いというふうに承知しています。
そういう意味で、とりわけ要支援の方々についてどういうふうにしてサービスを提供し、重症化を予防して要介護状態にならないようなことで現状維持を図っていくかというところで、まさに市町村の役割の重要性というのが発揮されるというふうに理解しているところでございます。
この発言だけを見る →新総合事業につきましては、もう先生御案内のとおり、もちろん法律の枠というものはあるわけでありますけれども、しかし、具体的な内容についてはそれぞれの保険者である市町村に委ねられているところが多いというふうに承知しています。
そういう意味で、とりわけ要支援の方々についてどういうふうにしてサービスを提供し、重症化を予防して要介護状態にならないようなことで現状維持を図っていくかというところで、まさに市町村の役割の重要性というのが発揮されるというふうに理解しているところでございます。
熊
熊野正士#27
○熊野正士君 ありがとうございます。
岩村参考人はいわゆる療養病床の在り方等に関する特別部会の方でも委員として入っていらっしゃいます。ちょっと今日のお話の中にはなかったんですが、ほかの参考人の方からもいわゆる介護医療院のお話がございまして、その辺の、今回、介護医療院というふうなものを新設に向けた法案なんですけれども、その辺の部会での議論等も踏まえて、背景とかということをちょっと説明いただければと思います。
この発言だけを見る →岩村参考人はいわゆる療養病床の在り方等に関する特別部会の方でも委員として入っていらっしゃいます。ちょっと今日のお話の中にはなかったんですが、ほかの参考人の方からもいわゆる介護医療院のお話がございまして、その辺の、今回、介護医療院というふうなものを新設に向けた法案なんですけれども、その辺の部会での議論等も踏まえて、背景とかということをちょっと説明いただければと思います。
岩
岩村正彦#28
○参考人(岩村正彦君) ありがとうございます。
部会の状況をいろいろお話ししますと大変長い話になってしまうのですけれども、やはり重要なポイントは、高齢者の方で介護と医療のニーズがそれぞれ必要な方というのがいらっしゃる。ただし、その中でも医療へのニーズの傾斜が高い方と、そうでない方もいらっしゃる。そういったそれぞれの高齢者の方の状況の違いに応じて幾つかの介護医療院のタイプというものを設けるということによって、高齢者の方の、一方では、さっきちょっと言葉が出ましたが、クオリティーライフというものを確保しつつ、他方で必要な方に対しては適切な医療を提供するという、そういう整理をきちっと付けて今後これを実際に実施に移していくと。そういう筋道を付けたという点で、一番大きいのは、やはり関係各当事者の皆様の合意がそれで得られたというところだというふうに承知をしております。
今後は是非これが順調に、ちょっと時間が掛かるかもしれませんが、定着していくということを期待しているところでございます。
この発言だけを見る →部会の状況をいろいろお話ししますと大変長い話になってしまうのですけれども、やはり重要なポイントは、高齢者の方で介護と医療のニーズがそれぞれ必要な方というのがいらっしゃる。ただし、その中でも医療へのニーズの傾斜が高い方と、そうでない方もいらっしゃる。そういったそれぞれの高齢者の方の状況の違いに応じて幾つかの介護医療院のタイプというものを設けるということによって、高齢者の方の、一方では、さっきちょっと言葉が出ましたが、クオリティーライフというものを確保しつつ、他方で必要な方に対しては適切な医療を提供するという、そういう整理をきちっと付けて今後これを実際に実施に移していくと。そういう筋道を付けたという点で、一番大きいのは、やはり関係各当事者の皆様の合意がそれで得られたというところだというふうに承知をしております。
今後は是非これが順調に、ちょっと時間が掛かるかもしれませんが、定着していくということを期待しているところでございます。
熊
熊野正士#29
○熊野正士君 ありがとうございます。
続いて、岩名参考人の方にちょっとお尋ねをしたいと思うんですけれども、先ほどもやっぱり保険者機能の強化ということに関してお話がございました。その中で、ただ単に大量のデータを提供するだけでは駄目だと。何のためにやるのかとかバックグラウンド、背景とかそういったことを丁寧に説明をしながら共有していくということは本当に大事だというふうなお話があったんですけれども、そのとおりだなと思いつつ、もう少しその辺のことを詳しく教えていただいたらと思うんですけれども。
この発言だけを見る →続いて、岩名参考人の方にちょっとお尋ねをしたいと思うんですけれども、先ほどもやっぱり保険者機能の強化ということに関してお話がございました。その中で、ただ単に大量のデータを提供するだけでは駄目だと。何のためにやるのかとかバックグラウンド、背景とかそういったことを丁寧に説明をしながら共有していくということは本当に大事だというふうなお話があったんですけれども、そのとおりだなと思いつつ、もう少しその辺のことを詳しく教えていただいたらと思うんですけれども。