国土交通委員会

2019-04-18 参議院 全165発言

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会議録情報#0
平成三十一年四月十八日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十六日
    辞任         補欠選任
     松下 新平君     吉田 博美君
     伊藤 孝恵君     増子 輝彦君
 四月十七日
    辞任         補欠選任
     吉田 博美君     三木  亨君
     山添  拓君     紙  智子君
 四月十八日
    辞任         補欠選任
     紙  智子君     山添  拓君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         羽田雄一郎君
    理 事
                井上 義行君
                酒井 庸行君
                中泉 松司君
                青木  愛君
                三浦 信祐君
    委 員
                足立 敏之君
                阿達 雅志君
                朝日健太郎君
                金子原二郎君
                こやり隆史君
                末松 信介君
                高橋 克法君
                中野 正志君
                牧野たかお君
                三木  亨君
                野田 国義君
                舟山 康江君
                増子 輝彦君
                魚住裕一郎君
                矢倉 克夫君
                行田 邦子君
                室井 邦彦君
                紙  智子君
                山添  拓君
                平山佐知子君
   国務大臣
       国土交通大臣
       国務大臣     石井 啓一君
   副大臣
       国土交通副大臣  牧野たかお君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       阿達 雅志君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        林  浩之君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       諸戸 修二君
       内閣官房アイヌ
       総合政策室長   橋本 元秀君
       法務大臣官房審
       議官       山内 由光君
       文部科学大臣官
       房審議官     丸山 洋司君
       文部科学大臣官
       房審議官     森  晃憲君
       文部科学大臣官
       房審議官     増子  宏君
       文化庁審議官   内藤 敏也君
       水産庁資源管理
       部長       神谷  崇君
       国土交通省北海
       道局長      和泉 晶裕君
       観光庁観光地域
       振興部長     平岡 成哲君
       環境省自然環境
       局長       正田  寛君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現す
 るための施策の推進に関する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
    ─────────────
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羽田雄一郎#1
○委員長(羽田雄一郎君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、伊藤孝恵君、松下新平君及び山添拓君が委員を辞任され、その補欠として増子輝彦君、紙智子君及び三木亨君が選任されました。
    ─────────────
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羽田雄一郎#2
○委員長(羽田雄一郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房アイヌ総合政策室長橋本元秀君外十名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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羽田雄一郎#3
○委員長(羽田雄一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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羽田雄一郎#4
○委員長(羽田雄一郎君) アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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朝日健太郎#5
○朝日健太郎君 おはようございます。自由民主党の朝日健太郎であります。
 ただいま議題となりましたいわゆるアイヌ新法について質問させていただきます。本日は、石井大臣を始め政府参考人の皆様、よろしくお願いいたします。
 一昨日、東京駅の近くにありますアイヌ文化交流センターへ委員の皆様と一緒に視察をさせていただきました。センター内を見学をいたしまして、関係者の方々と意見交換をしてまいりました。その中で多くのことを学ばせていただきました。センターでは、アイヌ固有の模様をあしらった伝統工芸品の展示や、また次世代へ向けたモダンにアレンジをされたアイヌデザインを用いた創作工芸品などは大変すばらしく、新鮮さを覚えた次第でもあります。
 北海道に目を移すと、今でも道内には多くのアイヌ語を由来とする地名がたくさん残っております。とても難解な呼び名が多いことは皆さん御承知のとおりかと思います。地名だけ見ましても、北海道がどれだけこのアイヌ民族の影響を受け、共生してきたことかを示すものであり、本法案を通じて、これまでのアイヌの人々が歩んできた歴史的事実と真摯に向き合い、アイヌ人を先住民族として認め、アイヌ文化を守り、継承していくことは、我が国の文化の多様さを表す意味でも大変重要だと考えております。
 その上で、アイヌの人々と新しい時代に即した法案となることを期待して、質問に入らせていただきます。
 我が国におけるこれまでのアイヌ政策では、平成九年、アイヌ文化の振興等を図るための施策を推進することを目的としたアイヌ文化振興法が制定をされました。また、平成十九年には、国際社会において先住民の権利に関する国連宣言が採択をされました。それに続き、平成二十年、衆参両院においてアイヌ民族を先住民族とすることを求める決議等を経て、今回、本法案の提出に至っていると私は認識をしています。
 これまでのアイヌ政策の取組とそれらの経緯を踏まえ、本法案の意義について、まず大臣にお伺いをいたします。
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石井啓一#6
○国務大臣(石井啓一君) 政府におきましては、従来から、アイヌの人々の誇りの源泉であるアイヌ文化を継承する基盤が失われつつある状況を踏まえまして、平成九年に制定されましたアイヌ文化振興法に基づく文化振興等の施策に取り組んでまいりました。その後、平成十九年、国連総会におきまして先住民族の権利に関する国際連合宣言が採択をされ、法的拘束力はないものの、我が国も先住民族に係る政策の在り方の一般的な国際指針として認識をしていること、平成二十年、衆参両院のアイヌ民族を先住民族とすることを求める決議等を踏まえ、アイヌの人々を先住民族と認識した上で施策を展開していくことが求められていること、さらに、アイヌの人々からは、アイヌ文化伝承が担い手のなりわいとなるような施策、あるいはアイヌ伝統工芸品の原材料を確保するための施策など、アイヌ文化振興のための環境整備が求められていることなど、新たなアイヌ政策を総合的に推進していくことが求められております。
 そのため、本法案では、アイヌの人々が先住民族であるとの認識を示すとともに、アイヌの人々の誇りが尊重される社会の実現に向けて、従来の福祉施策や文化振興に加え、地域振興、産業振興、観光振興等を含む支援を行う新たな交付金制度を創設するなど、アイヌ施策の総合的かつ効果的な推進を図るために必要な各種措置を講ずることとしております。
 本法案は、これらの措置によりまして、アイヌの人々が民族としての誇りを持って生活することができ、及びその誇りが尊重される社会の実現を図り、もって全ての国民が相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に資することを目的とするものであります。
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朝日健太郎#7
○朝日健太郎君 ありがとうございました。
 一昨日のアイヌ文化交流センターでの関係者の皆様との意見交換の中で、今回の法案はアイヌ民族への理解と共生への前進に大変寄与するものだと御期待をいただいている言葉もいただいた一方で、アイヌの言語や伝統文化の継承が立ち消えつつあると、そういった不安の声もいただきました。
 この我が国におけるアイヌ民族の象徴でもあるアイヌ文化への認識は、大臣どのようにお持ちでしょうか。
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石井啓一#8
○国務大臣(石井啓一君) アイヌの人々は、独自の言語であるアイヌ語を持ち、ユーカラを始めとする口承文芸やイオマンテなどの儀礼、あるいはアイヌ文様やムックリ等の楽器などの豊かな文化を発展させてきており、このようなアイヌ文化はアイヌの人々の誇りの源泉であると認識をしております。
 政府におきましては、従来より、アイヌ文化を継承する基盤が失われつつある状況を踏まえ、現行のアイヌ文化振興法に基づく文化振興等の施策に取り組み、アイヌ語学習への若い世代の参画や文化伝承の裾野の広がりが見られるなど一定の成果が得られてきたと承知をしております。
 しかしながら、アイヌの人々からは、アイヌ文化伝承が担い手のなりわいとなるような施策、あるいはアイヌ伝統工芸品の原材料を確保するための施策など、アイヌ文化振興のための環境整備が求められております。
 このため、本法案におきましては、従来のアイヌ文化振興等に加えまして、地域振興、産業振興、観光振興等を含む支援を行う新たな交付金制度を創設するなど、アイヌ施策の効果的な推進を図るために必要な各種措置を講ずることとしておりまして、これらによりアイヌの文化振興のための環境整備を進め、アイヌ文化の継承、発展に取り組んでまいりたいと考えております。
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朝日健太郎#9
○朝日健太郎君 ありがとうございます。
 我が国には、本当に我が国特有の歴史的、伝統的な文様であるとか技術とか存在していますけれども、このアイヌに関しましても非常に特徴的な文様が先日の視察でも私も感じました。
 そういったものから、現在では、このアイヌに関して漫画やアニメ、教科書にも取り上げられるなど、一部で機運の盛り上がりが見て取れます。ただ、全国的に見た場合、このアイヌとはどういった方々なのか、まだまだ十分に認知されていないのではないかと考えております。
 本法案においても、アイヌの人々という言葉はたくさん出てくるんですけれども、このアイヌの人々とは誰を指す言葉なのか、お示しをいただきたいと思います。
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橋本元秀#10
○政府参考人(橋本元秀君) お答えいたします。
 アイヌの人々を説明する場合には様々な言い方が可能だと存じますが、一つには、古くから北海道に居住し、自然と共生する生活の中でアイヌ語、ユーカラ等様々な固有の文化を発展させてきた人々と言うことができると存じます。
 また、政府といたしましては、アイヌの人々につきまして、日本列島北部周辺、とりわけ北海道の先住民族であり、今日においても独自の言語、文化や民族への帰属意識などの面から民族としての独自性を有しているものと認識している次第でございます。
 なお、本法案におきましては、アイヌの人々自体について特定して特別な権利を付与するというようなことは行っておりませんので、アイヌの人々に関する定義は特に置いていないところでございます。
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朝日健太郎#11
○朝日健太郎君 理解いたしました。ありがとうございます。
 本法案の大きな柱にアイヌ文化の振興というものが掲げられていますけれども、このアイヌに関する歴史や文化、アイヌ語や、先ほど大臣からも御答弁いただきましたけれども、自然を大切にする考え方などを広く国民に知っていただくことが重要だと考えております。本法案の中にも、「国及び地方公共団体は、教育活動、広報活動その他の活動を通じて、アイヌに関し、国民の理解を深めるよう努めなければならない。」とされております。この規定に基づき、しっかりと取組を進めることが重要であると思います。
 こうしたアイヌに関する知識等について、とりわけ学校教育においてしっかりと取り上げることが効果的だと私は考えますけれども、現在どのように取り組まれているのか、お聞かせください。
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丸山洋司#12
○政府参考人(丸山洋司君) お答えを申し上げます。
 学校教育においては、小中高等学校を通じて、社会科や地理歴史科などでアイヌに関する内容が使われております。平成二十九年及び三十年に改訂をしました新学習指導要領では、例えば中学校社会科歴史的分野において、北方との交易をしていたアイヌについて扱うことに加え、新たにアイヌの文化についても触れることを明記し、先住民族として言語や宗教などで独自性を有するアイヌの人々の文化についても触れるようにするなど、その内容の充実を図ったところであります。
 また、現在使われている国語科、社会科、音楽科等の教科書においては、例えば昔から伝わる物語、民話や民謡、言い伝えなどとしてアイヌの神謡集やアイヌ古式舞踊を扱ったり、アイヌ語に由来する地名やその意味を考えたりするなどしながら、自然との関わりが深いアイヌの文化の特色やその継承について調べたり考えたりすることなどを取り上げている例も見られます。
 さらに、北海道や他の地域におきましても、公益財団法人アイヌ民族文化財団が作成、配付をする小中学生向けの副読本を活用した取組や、総合的な学習の時間等で郷土に関する学習としてアイヌ文化を学ぶ取組など、各学校において特色ある取組がなされているものと承知をしております。
 文部科学省といたしましては、引き続き、関係府省や関係自治体と連携をしつつ、アイヌに関する教育の推進にしっかりと努めてまいりたいと考えております。
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朝日健太郎#13
○朝日健太郎君 ありがとうございます。
 先日の視察でも、委員の質問の中に、教える側の理解も非常に重要だということもありましたので、双方向、しっかりと進めていただきたいというふうに思います。
 今般の法案に基づき、市町村がアイヌ施策推進に関する計画を作成し、内閣総理大臣の認定を受けた場合には交付金が交付されることとなっております。これにより、この計画に基づき地域において行われるアイヌ施策が推進されるものと理解をしております。
 ただ、この施策の中に、アイヌの人々の要望に即した実効性のある施策へしっかりと交付金が活用されることが重要だというふうに考えておりますけれども、その取組についてお聞かせください。
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橋本元秀#14
○政府参考人(橋本元秀君) 交付金について御指摘をいただきました。
 本法案に基づき新たに創設する交付金制度は、アイヌ文化の振興等に資する環境の整備及びアイヌの人々が抱える課題の解決のため、従来の文化振興や福祉施策に加え、地域振興、産業振興、観光振興等を含めた市町村の事業に対して支援を行うものでございます。
 交付金制度を含むアイヌ施策の推進に当たりましてはアイヌの人々の意見を尊重することが重要であると認識しており、本法案の基本理念のところにおきましても、アイヌの人々が民族としての誇りを持って生活することができるよう、アイヌの人々の自発的意思の尊重に配慮しつつ行われなければならないものとしております。
 また、当該交付金は市町村が作成したアイヌ施策を推進するための計画に基づき交付されるものでございますが、計画を作成する際、事業の実施主体の意見を聴くことについて定めております。事業の実施主体はアイヌの人々が中心となるということが想定されますことから、アイヌの人々の要望や意見が適切に反映され、実効性のある交付金となるものと考えております。
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朝日健太郎#15
○朝日健太郎君 ありがとうございます。
 次の質問に移ります。
 本法案では、アイヌ語で大勢で歌うことを意味するウポポイと称する施設を建設中であり、いよいよ来年オープンを迎えるというふうに聞いております。この施設は、アイヌ文化の復興、民族の共生を目的としたナショナルセンターとして、民族共生象徴空間というふうに位置付けられております。
 この象徴空間の中には、国立民族共生公園、国立アイヌ民族博物館、慰霊施設から成るウポポイ、ウポポイでありますが、まだちょっと口が滑らかじゃありませんけれども、初年度より目標来場者数を年間百万人と非常に高めの設定をされております。その実現のために政府一丸となって精力的に取り組んでいただきたいと思います。
 この目標について、非常に、初年度から百万人という中で、そのためには北海道外、特に東京都を始めとした人口の多い首都圏においてもこのウポポイを含めたアイヌ文化の更なる認知度向上につながるような情報発信に取り組むことが重要かと考えますけれども、政府においてどのような取組を行われているのか、牧野副大臣にお伺いをいたします。
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牧野たかお#16
○副大臣(牧野たかお君) 委員御指摘のとおり、民族共生象徴空間、ウポポイを含めたアイヌ文化の更なる認知度の向上のための取組は大変重要だと考えております。
 政府ではこれまでも、新聞や鉄道などの交通機関を活用した広告とか、羽田空港でのアイヌ舞踊の披露などのイベントの開催、また特に子供のアイヌ文化への理解促進を目的とした教育関係者へのPR活動などの情報発信を行ってきております。
 今後、さらに、G20観光大臣会合などの国際イベントや、毎年各国で開かれている旅行博との連携、そしてウエブサイトを活用したPR動画の配信の拡充などによる情報発信についても行ってまいりたいと考えております。
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朝日健太郎#17
○朝日健太郎君 ありがとうございます。是非、年間百万人来場を目指して強力に進めていただきたいと思います。
 今ほど御説明をいただいたとおり、ウポポイの魅力発信と併せて、このウポポイ施設への国内外からの観光アクセスの改善を図ることが重要だと考えます。このため、北海道の玄関口でもあります新千歳空港のエプロン拡張や、また隆盛を見ておりますクルーズ船の受入れ環境整備を始めとした社会資本整備、また併せて観光振興などにより一層取り組む必要があると考えますけれども、国土交通省ではどのようにお取り組みになられるのか、もう一問、牧野副大臣にお聞きをいたします。
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牧野たかお#18
○副大臣(牧野たかお君) お答えいたします。
 ウポポイへの年間来場者百万人の達成に向けては、認知度の向上をすることが非常に重要だと考えております。そのために、国内外からの来訪者がウポポイまでスムーズに移動できるようアクセスを向上させることも極めて重要だと認識しております。
 国土交通省といたしましては、新千歳空港のエプロン拡張による受入れ機能の強化とか国道三十六号の拡幅事業を実施するとともに、北海道や白老町が実施する白老駅の自由通路の設置やウポポイ周辺の道路整備を行ったり、室蘭市が実施する室蘭港の岸壁改良によるクルーズ船の受入れ機能の強化を支援しております。
 また、観光振興につきましては、バス運行への支援や、観光地や交通機関の多言語対応や、無料WiFiの受入れ環境の整備、さらにはDMOを中心とした多様な関係者の広域的な連携の促進などに取り組んでまいります。
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朝日健太郎#19
○朝日健太郎君 ありがとうございます。
 このウポポイも北海道の観光資源としてしっかりと御活用いただきたいと思います。
 先日の委員視察におきまして、意見交換に参加をしていただきましたアイヌの方から、関東を始め北海道以外の地域にも大勢のアイヌの方々が暮らしていることのほか、過去から今日まで、アイヌの方々の生活環境や教育の面など、厳しい状況についてのお話をいただきました。
 本法案においても、基本理念として、「アイヌ施策の推進は、」「アイヌの人々が北海道のみならず全国において生活していることを踏まえて全国的な視点に立って行われなければならない。」と規定をされております。そのような北海道以外の、特に東京には多くのアイヌの方々がお住まいだというふうに認識をしておりますけれども、そういった方々へ、例えば文化伝承の支援や生活相談を始め、教育水準の向上、職業訓練といった取組に対して、今回の法律が成立することによってきめ細やかな支援の手が届くようになるのか、確認をさせてください。
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橋本元秀#20
○政府参考人(橋本元秀君) お答えいたします。
 北海道外のアイヌの人々への施策といたしましては、御視察いただきましたアイヌ民族文化財団アイヌ文化交流センター、都内に設置しておりますアイヌ文化交流センターでの情報発信、文化伝承事業、また厚生労働省の電話相談事業などが実施されているところでございます。
 加えまして、本法案に基づき新たに創設する交付金制度につきましては、アイヌ文化の振興等に資する環境の整備及びアイヌの人々が抱える課題の解決のため、従来の文化振興や福祉施策に加え、地域振興、産業振興、観光振興等を含めた市町村の事業に対して支援を行うものであるため、特定の市町村に偏ることがないようできるだけ多くの市町村に活用いただきたいと、そのように考えているところでございます。
 このため、既に二、三の北海道外の市町村から新交付金についての御意見、御要望をお伺いしているところでございますし、東京二十三区の区長会におきましても新交付金を紹介するなど、その活用について働きかけを行っているところでございます。
 いずれにいたしましても、政府としては、北海道内に限らず、東京など北海道以外の地域におきましても、当該交付金制度について広く周知徹底して、文化伝承などの取組に対して支援を行ってまいりたいと考えているところでございます。
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朝日健太郎#21
○朝日健太郎君 ありがとうございます。
 次の質問に移ります。
 このアイヌ文化の継承又は理解を深めるためには様々な手段を講じる必要があり、中でもアイヌ文化が根差す地を実際に訪れてじかに体験する観光が重要な役割を果たすものと考えております。
 ちょっとこれ質問を前後させていただいて、釧路市の事例について質問をさせていただきたいと思います。
 先日の意見交換では、釧路市長がお越しになりまして、市の取組として阿寒湖温泉におけるアイヌブランド化とまちづくりの計画について御説明もいただきました。釧路市は観光立国ショーケースにも認定されていて、観光立国を体現する観光地域づくり、訪日外国人旅行者を地方へ誘客するモデルケースを形成するものとして頑張られております。
 こうした取組を更に推し進めるべきで、この釧路市の観光立国ショーケース、現在の取組状況と今後の展望についてお聞きをいたします。
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平岡成哲#22
○政府参考人(平岡成哲君) お答えをいたします。
 観光立国ショーケースは、訪日外国人旅行者を地方へ誘客するモデルケースを確立する取組で、釧路市を含む三市が平成二十八年に選定され、各市において観光資源の磨き上げなどの取組を推進しているところです。
 釧路市につきましては、先生御指摘のとおり、釧路湿原や阿寒湖等の豊かな自然や自然との共生で育まれたアイヌ文化等を生かし、欧米豪などの富裕層をターゲットとする取組が評価され、観光立国ショーケースに選定されました。
 これまで、釧路市におきましては、大自然を体感できるトレッキングなどのアクティビティー、天然記念物マリモの生息地ツアーやデジタルアートを活用したアイヌ古式舞踊プログラムの開発など、独自の文化と豊かな自然を生かした観光資源の磨き上げなどの取組が行われてきております。
 今後、釧路市においては、自然やアイヌ文化に関連した着地型旅行商品の造成や地域資源を生かした夜間の観光コンテンツの開発を重点項目として取り組むと伺っております。
 観光庁といたしましては、引き続き、関係省庁と連携しながら、釧路市が多くの訪日外国人旅行者に選ばれる観光地域のモデルケースとなるよう、しっかりと支援をしてまいりたいと考えております。
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朝日健太郎#23
○朝日健太郎君 ありがとうございます。
 もう一問、観光資源について御質問をいたします。北海道のこの大自然が強みでもありますけれども、阿寒摩周国立公園満喫プロジェクトについて伺います。
 この国立公園は、北海道で最も歴史のある国立公園の一つで、公園区域内の大部分が亜寒帯性の針葉樹林を中心とする天然林に覆われ、国立公園の中でも原始的な姿を有していると言われております。
 阿寒摩周国立公園が国立公園満喫プロジェクトの対象に選定され、日本の国立公園を世界水準のナショナルパークとしてのブランド化を図ることを目標に、地域関係者が連携、そして協力をして、訪日外国人を引き付けるような、そんな取組を計画的、また集中的に取り組まれていると認識をしています。
 これまでの取組ですけれども、来年度でいよいよ五か年を迎えるわけですが、このプロジェクト、今後どのように運用されていくのか、お聞かせください。
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正田寛#24
○政府参考人(正田寛君) お答えいたします。
 阿寒摩周国立公園の取組につきましてお尋ねがございました。
 国立公園満喫プロジェクトの二〇二〇年訪日外国人利用者一千万人という目標の達成に向けまして、阿寒摩周国立公園におきましては、平成二十八年十二月に地域協議会において策定されましたステップアッププログラム二〇二〇に基づきまして、ビジターセンターにおけるアイヌ関連展示の新設や多言語化等による情報提供機能の強化、多様な宿泊体験の提供に向けたグランピングの試行的な実施、民間事業者と連携した二次交通の充実等の取組を推進してまいりました。
 さらに、阿寒湖温泉におきまして、アイヌ文化を生かした景観形成を推進するため、アイヌ文化を活かした景観デザインの手引きを策定したところでございまして、これに沿いまして、地域の店舗等の外観にアイヌ文様等を活用するといった取組が進められているところでございます。
 今後は、利用拠点におきます廃屋撤去と跡地の民間活用による景観再生、アイヌ文化を体感できる夜間イベントを始めとする体験型コンテンツの充実等を地域と一体となって推進することにより、引き続き阿寒摩周国立公園の魅力向上を図り、観光を通じた地域活性化につなげてまいる所存でございます。
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朝日健太郎#25
○朝日健太郎君 ありがとうございます。
 文化振興のために、体験を通した、観光資源による体験による文化振興を今お聞きをしましたけれども、最後の質問に移りたいと思います。
 このアイヌ文化を含め、日本の多様な文化の魅力を総合的に発信することで、我が国の文化、歴史についてより深く知っていただくことができると思います。本年はラグビーワールドカップがございますし、来年はいよいよ東京オリンピック・パラリンピックが開催をされるような、世界から注目される絶好の機会でもあります。このような機会を捉えて、強力にこの情報発信に取り組む必要があると考えます。
 文化庁においては、日本博を始めとする文化プログラムによりこうした取組を進めていると承知をしておりますけれども、その中でどのようにこのアイヌ文化に係る発信を行っていくのか、お聞かせください。
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内藤敏也#26
○政府参考人(内藤敏也君) お答え申し上げます。
 来年に迫りました東京オリンピック・パラリンピック競技大会は、スポーツだけでなく文化の祭典でもございまして、御指摘のように、魅力ある我が国の文化を世界に発信するとともに、地域の文化資源を掘り起こし、地方創生や観光振興の実現にもつなげる絶好の機会となるところでございます。
 そうした中で、政府では、先ほども御指摘がございましたけれども、この東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開幕に先駆けまして、アイヌ文化復興のナショナルセンターとして、北海道白老町に国立アイヌ民族博物館を中核施設の一つとする民族共生象徴空間、ウポポイの整備を進めており、これには国内外から多くの人々が来場されることが見込まれるところでございます。
 文化庁では、この機会を捉えまして、この民族共生象徴空間、ウポポイの効果的な活用も含めまして、日本博を始めとする文化プログラムを通じまして、独創性あふれるアイヌ文化を国内外に積極的に発信し、アイヌの歴史や文化の幅広い理解の促進に努めてまいりたいと考えているところでございます。
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朝日健太郎#27
○朝日健太郎君 ありがとうございます。いろいろな取組において、アイヌ文化の振興、そして理解を深めていただきたいと思います。
 以上、私の質問を終わります。ありがとうございました。
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紙智子#28
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 まず、私、国土交通に所属しているわけではないんですけれども、こうして質問の機会をいただいたこと、そして質問の時間帯も御配慮いただきましたことに心から感謝を申し上げたいと思います。本当にありがとうございます。
 それで、早速質問いたします。
 アイヌ新法案が国会に提出されたのが二月十五日です。衆参で一度の視察と関係者からの意見聴取を行って、法案の質疑、僅か三時間、参考人質疑は行われておりません、それで採決までということなんですけれども。国連宣言と〇八年の国会決議に基づいて、あれから十年たって初めてアイヌ新法という形で審議をされるわけです。アイヌ民族の皆さん自身は、法案の中身もまだ分からないままで決めてしまうのかと言っています。国会議員の中でも、十分中身を知らないまま採決をしようとしているんじゃないかと。私、率直に言って、そもそもこういう扱いでいいのかなということを強く感じております。
 政府は、二年前から、現地を訪問してアイヌの方々に説明をし、意見交換したということです。しかし、そこで出された意見がどのように扱われて、どういう理由で反映されたのか不透明です。一昨日の視察で、アイヌ新法として初めて議論されるのに、アイヌの当事者の意見を広く拾い上げる点では不十分であるという意見も、指摘もありました。しかも、アイヌ新法に対して撤回を求める意見が、例えば少数民族懇談会ですとか紋別アイヌ協会、アイヌ政策検討市民会議、アイヌ民族の権利を取り戻すウコチャランケの会などから上がっています。
 そこで、国土交通大臣、この撤回を求める意見が次々出ているということはなぜだと思われますか。
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石井啓一#29
○国務大臣(石井啓一君) 本法案につきましては、国会提出後も衆参の国土交通委員会で現地視察や関係者からの意見聴取を行うなど、丁寧な議論がなされてきたものと承知をしております。また、本法案に対しまして、多くのアイヌの方々から早期成立を求める意見もあると承知をしております。他方、先住民族の権利に関する国際連合宣言に従って権利を保障していない、過去についての国の謝罪がないことなどの意見もあると承知をしております。
 国連宣言につきましては、先住民族に係る政策の在り方の一般的な国際指針と認識をしており、その採択に当たり、我が国は一定の留保条件を付けましたが、賛成票を投じたところであります。
 この国連宣言は、検討の過程で各国の様々な先住民族の意見を取り入れたことから、前文において、地域ごと及び国ごとに先住民族の状況が異なること、国及び地域の特殊性、多様な歴史的及び文化的な背景の重要性が考慮されるべき旨が明記をされ、また法的拘束は有しない性格のものでございます。したがいまして、宣言の内容を全て実施すべきものではないと考えております。
 本法案におきましては、国会決議におきまして国連宣言の関連条項を参照しつつとされていることを踏まえまして、先住民族の文化に関する権利、差別を受けない権利、国民の理解の促進、土地資源に関する権利の規定を参照いたしまして、この趣旨に対応する措置を盛り込んだところでございます。
 このため、国連宣言に示されている国の果たすべき責務につきまして、憲法との課題整理を図る必要があるものを除きまして、本法と関連法令によりおおむね措置されているものと考えているところでございます。
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