原子力問題調査特別委員会
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会
会議録情報#0
令和三年四月二十七日(火曜日)
午前九時開議
出席委員
委員長 渡辺 博道君
理事 伊藤 忠彦君 理事 江渡 聡徳君
理事 津島 淳君 理事 中村 裕之君
理事 細田 健一君 理事 山内 康一君
理事 中野 洋昌君
井林 辰憲君 石川 昭政君
泉田 裕彦君 岩田 和親君
城内 実君 北村 誠吾君
齋藤 健君 斎藤 洋明君
土井 亨君 西田 昭二君
野中 厚君 福山 守君
古田 圭一君 星野 剛士君
三原 朝彦君 宮澤 博行君
簗 和生君 吉野 正芳君
阿部 知子君 荒井 聰君
石川 香織君 菅 直人君
斉木 武志君 日吉 雄太君
宮川 伸君 山崎 誠君
浮島 智子君 太田 昌孝君
藤野 保史君 足立 康史君
浅野 哲君
…………………………………
参考人
(アドバイザリー・ボード会長)
(政策研究大学院大学名誉教授) 黒川 清君
参考人
(アドバイザリー・ボード会員)
(東京理科大学経営学研究科教授) 石橋 哲君
参考人
(アドバイザリー・ボード会員)
(国際大学副学長・国際大学大学院国際経営学研究科教授) 橘川 武郎君
参考人
(アドバイザリー・ボード会員)
(長崎大学核兵器廃絶研究センター副センター長・教授) 鈴木達治郎君
衆議院調査局原子力問題調査特別調査室長 飯野 伸夫君
―――――――――――――
委員の異動
四月二十七日
辞任 補欠選任
逢坂 誠二君 石川 香織君
伊佐 進一君 太田 昌孝君
同日
辞任 補欠選任
石川 香織君 逢坂 誠二君
太田 昌孝君 伊佐 進一君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
原子力問題に関する件(原子力規制行政の在り方)
――――◇―――――
この発言だけを見る →午前九時開議
出席委員
委員長 渡辺 博道君
理事 伊藤 忠彦君 理事 江渡 聡徳君
理事 津島 淳君 理事 中村 裕之君
理事 細田 健一君 理事 山内 康一君
理事 中野 洋昌君
井林 辰憲君 石川 昭政君
泉田 裕彦君 岩田 和親君
城内 実君 北村 誠吾君
齋藤 健君 斎藤 洋明君
土井 亨君 西田 昭二君
野中 厚君 福山 守君
古田 圭一君 星野 剛士君
三原 朝彦君 宮澤 博行君
簗 和生君 吉野 正芳君
阿部 知子君 荒井 聰君
石川 香織君 菅 直人君
斉木 武志君 日吉 雄太君
宮川 伸君 山崎 誠君
浮島 智子君 太田 昌孝君
藤野 保史君 足立 康史君
浅野 哲君
…………………………………
参考人
(アドバイザリー・ボード会長)
(政策研究大学院大学名誉教授) 黒川 清君
参考人
(アドバイザリー・ボード会員)
(東京理科大学経営学研究科教授) 石橋 哲君
参考人
(アドバイザリー・ボード会員)
(国際大学副学長・国際大学大学院国際経営学研究科教授) 橘川 武郎君
参考人
(アドバイザリー・ボード会員)
(長崎大学核兵器廃絶研究センター副センター長・教授) 鈴木達治郎君
衆議院調査局原子力問題調査特別調査室長 飯野 伸夫君
―――――――――――――
委員の異動
四月二十七日
辞任 補欠選任
逢坂 誠二君 石川 香織君
伊佐 進一君 太田 昌孝君
同日
辞任 補欠選任
石川 香織君 逢坂 誠二君
太田 昌孝君 伊佐 進一君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
原子力問題に関する件(原子力規制行政の在り方)
――――◇―――――
渡
渡辺博道#1
○渡辺委員長 これより会議を開きます。
原子力問題に関する件、特に原子力規制行政の在り方について調査を進めます。
本日は、本件調査のため、参考人として、アドバイザリー・ボード会長及び会員の、政策研究大学院大学名誉教授黒川清君、東京理科大学経営学研究科教授石橋哲君、国際大学副学長・国際大学大学院国際経営学研究科教授橘川武郎君及び長崎大学核兵器廃絶研究センター副センター長・教授鈴木達治郎君、以上四名の方々に御出席をいただいております。
この際、参考人各位に委員会を代表いたしまして一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多用のところ本委員会に御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見を賜れれば幸いに存じます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
次に、議事の順序について申し上げます。
まず、参考人各位からそれぞれ十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。
なお、念のため申し上げますが、御発言の際はその都度委員長の許可を得ていただくようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、御了承願います。
それでは、まず黒川参考人にお願いいたします。
この発言だけを見る →原子力問題に関する件、特に原子力規制行政の在り方について調査を進めます。
本日は、本件調査のため、参考人として、アドバイザリー・ボード会長及び会員の、政策研究大学院大学名誉教授黒川清君、東京理科大学経営学研究科教授石橋哲君、国際大学副学長・国際大学大学院国際経営学研究科教授橘川武郎君及び長崎大学核兵器廃絶研究センター副センター長・教授鈴木達治郎君、以上四名の方々に御出席をいただいております。
この際、参考人各位に委員会を代表いたしまして一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多用のところ本委員会に御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見を賜れれば幸いに存じます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
次に、議事の順序について申し上げます。
まず、参考人各位からそれぞれ十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。
なお、念のため申し上げますが、御発言の際はその都度委員長の許可を得ていただくようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、御了承願います。
それでは、まず黒川参考人にお願いいたします。
黒
黒川清#2
○黒川参考人 このような機会をつくっていただきまして、ありがとうございます。
思い出せばといえばそうなんですが、もうあれから十年の年月がたちました。
お手元に用意した私の書類でございますが、ここにリストがありまして、ちょうど十年ということで、いろんなところから、十年についてといって、いろんなセッションが行われました。世界中で四百を超える原子力発電所もあるわけですし、科学技術とかエンジニアリングには非常に強いはずの日本で起こったので、大変、みんなびっくりしたわけですけれども、私がやったのは、あれは全部公開しておりましたし、英語でも同通を入れていましたから、関係者はかなりあれを見ておりますし、そのことで、いろんなところからのインタビュー、セッションがありましたので、私としては、今日は、どんなことがあったかということをまず御紹介させていただこうと思っております。
お手元のものですが、日本の大新聞、いわゆる朝日、毎日、読売は取材を受けまして、デジタルあるいは新聞に出たものの資料をつけております。そのほかには、ハーバード大学とかUCLAのセンターなどがそのセッションを持ちまして、ここにあるのが、そんな中でありまして、半分以上は英語でやっているものですが、一応サイトを書いてありますので、また見ていただければと思っております。
二枚目に行きますと、講演という形でやっているのもありまして、日本の外国人記者クラブ、いろんなところでやっているのもあるということを参考にしておりまして、いつでも見られるようにしておりますが、一部だけ今日コピーを添付させていただいておりますので、後でゆっくり見ていただければと思います。
ということで、これから、地球の温暖化その他の問題はあるんですけれども、日本で起こったあの事故ということで、一体その後がどうなったのかという話がテーマの中心でありまして、私としては、このようなものが世界的にも、今これについては、相変わらず、どうなっているのかという話は、皆さんがしっかりと学ぼうという気持ちが非常にあるんだろうと思います。
その中で、日本のやったことはどこが悪かったのか、いろんな話についての理解が十分いっていない部分もあるのかもしれません。
もう一つ、今でも問題になっているのは、まず、使ったスペントフュエルをどこに入れるかということですね。これがまたどうなるかというのは大きな問題ですが、始めたときからこれは決めておくべきだったのかもしれませんが、私は、個人的な意見ですが、アメリカもヤッカマウンテンを使うかどうかはまだ決まっているわけじゃないので、これは人間の有様としては結構あることなのかもしれないなと思っております。
ヤッカマウンテンにつきましては、ちょうどあの事故が起こり、私どもが調査して、私もお会いしましたけれども、そのときのアメリカのニュークリア・レギュラトリー・コミッションのチェアウーマンであったアリソン・マクファーレンという女性ですけれども、非常に背の高い女性ですが、私も、その取材のときと、その後、報告書が出て、ワシントンに呼ばれてしゃべりに行きましたけれども、そのときにもちょっとお会いしましたが、彼女と二人の対談というのもここでやっておりますので、またそれについてもサイトがありますので、また何かありましたら、ここに書いてあるので分かりますけれども、これはUCLAでやったセッションですけれども、そんな人と久しぶりに会ったねなんという話をしましたので。
そういうことで、コミュニケーションと、これから何を学ぶかということについては非常に皆さんが興味を持っているところだということを御報告させていただければと思っております。
それからもう一つは、廃炉をどうするかですけれども、これについても、経験がある人たちもいるので、どれだけ、日本だけではなくて世界の英知と経験を生かすということがすごく大事だろうと思っております。
それからもう一つは、今の処理水の問題ですね。これがまた問題なんですが、既に、トリチウム、トリチウムと言っておりますが、前回のこの会議でちょっとお見せしましたけれども、ほかのも全部抜かれているわけではなくて、ラジウムその他がどのぐらいあるかということが新聞にも出てこないというところがちょっと問題だなと思っております。
どのぐらいそれがあって、どのぐらいにすればどうなるのかという話を、透明性がないことにはやはり信用ができないという話と、透明性なしでやっているのは何か理由があるのかなと疑われてしまうところが一番のまずいところだと思いますので、これについてはまた後でアップ・ツー・デートのデータもお出ししようと思いますけれども、そのデータを言わないでトリチウム、トリチウムになっちゃっているので、これはすごく日本のPRとしてもまずいと思っております。
そういうのは国会議員さんの問題ではなくてむしろ東電関係の人たちの問題だと思うんですが、あの処理水にはどのぐらいのほかの核種があるのかという話は常にやはり知っておかないといけないんじゃないか。それをどうやって処理するのかという話はそれなりのルールがあるはずですので、その辺をきちんとしておくことがすごく大事だなと。
もちろん海外でもトリチウムの部分については流しているわけですけれども、日本が言っているトリチウム水というのは、トリチウムでないものがたくさん入っているんだという話が一番のイシューで、それがちっとも出てこないところにどういう力が働いているのか私はよく分からないんですが、メディアも責任があるぞという話は結構していますので、その辺を是非国権の最高機関である国会の方からもプッシュしていただきながら、やはり世界とそれから日本の国民の理解を得ることはすごく大事なことじゃないだろうかと思っております。
私の意見としては、これは十年たちまして、まだまだ世界の関心は非常に高いということの一片だと思いますけれども、この辺について御報告させていただきました。
どうも御清聴ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →思い出せばといえばそうなんですが、もうあれから十年の年月がたちました。
お手元に用意した私の書類でございますが、ここにリストがありまして、ちょうど十年ということで、いろんなところから、十年についてといって、いろんなセッションが行われました。世界中で四百を超える原子力発電所もあるわけですし、科学技術とかエンジニアリングには非常に強いはずの日本で起こったので、大変、みんなびっくりしたわけですけれども、私がやったのは、あれは全部公開しておりましたし、英語でも同通を入れていましたから、関係者はかなりあれを見ておりますし、そのことで、いろんなところからのインタビュー、セッションがありましたので、私としては、今日は、どんなことがあったかということをまず御紹介させていただこうと思っております。
お手元のものですが、日本の大新聞、いわゆる朝日、毎日、読売は取材を受けまして、デジタルあるいは新聞に出たものの資料をつけております。そのほかには、ハーバード大学とかUCLAのセンターなどがそのセッションを持ちまして、ここにあるのが、そんな中でありまして、半分以上は英語でやっているものですが、一応サイトを書いてありますので、また見ていただければと思っております。
二枚目に行きますと、講演という形でやっているのもありまして、日本の外国人記者クラブ、いろんなところでやっているのもあるということを参考にしておりまして、いつでも見られるようにしておりますが、一部だけ今日コピーを添付させていただいておりますので、後でゆっくり見ていただければと思います。
ということで、これから、地球の温暖化その他の問題はあるんですけれども、日本で起こったあの事故ということで、一体その後がどうなったのかという話がテーマの中心でありまして、私としては、このようなものが世界的にも、今これについては、相変わらず、どうなっているのかという話は、皆さんがしっかりと学ぼうという気持ちが非常にあるんだろうと思います。
その中で、日本のやったことはどこが悪かったのか、いろんな話についての理解が十分いっていない部分もあるのかもしれません。
もう一つ、今でも問題になっているのは、まず、使ったスペントフュエルをどこに入れるかということですね。これがまたどうなるかというのは大きな問題ですが、始めたときからこれは決めておくべきだったのかもしれませんが、私は、個人的な意見ですが、アメリカもヤッカマウンテンを使うかどうかはまだ決まっているわけじゃないので、これは人間の有様としては結構あることなのかもしれないなと思っております。
ヤッカマウンテンにつきましては、ちょうどあの事故が起こり、私どもが調査して、私もお会いしましたけれども、そのときのアメリカのニュークリア・レギュラトリー・コミッションのチェアウーマンであったアリソン・マクファーレンという女性ですけれども、非常に背の高い女性ですが、私も、その取材のときと、その後、報告書が出て、ワシントンに呼ばれてしゃべりに行きましたけれども、そのときにもちょっとお会いしましたが、彼女と二人の対談というのもここでやっておりますので、またそれについてもサイトがありますので、また何かありましたら、ここに書いてあるので分かりますけれども、これはUCLAでやったセッションですけれども、そんな人と久しぶりに会ったねなんという話をしましたので。
そういうことで、コミュニケーションと、これから何を学ぶかということについては非常に皆さんが興味を持っているところだということを御報告させていただければと思っております。
それからもう一つは、廃炉をどうするかですけれども、これについても、経験がある人たちもいるので、どれだけ、日本だけではなくて世界の英知と経験を生かすということがすごく大事だろうと思っております。
それからもう一つは、今の処理水の問題ですね。これがまた問題なんですが、既に、トリチウム、トリチウムと言っておりますが、前回のこの会議でちょっとお見せしましたけれども、ほかのも全部抜かれているわけではなくて、ラジウムその他がどのぐらいあるかということが新聞にも出てこないというところがちょっと問題だなと思っております。
どのぐらいそれがあって、どのぐらいにすればどうなるのかという話を、透明性がないことにはやはり信用ができないという話と、透明性なしでやっているのは何か理由があるのかなと疑われてしまうところが一番のまずいところだと思いますので、これについてはまた後でアップ・ツー・デートのデータもお出ししようと思いますけれども、そのデータを言わないでトリチウム、トリチウムになっちゃっているので、これはすごく日本のPRとしてもまずいと思っております。
そういうのは国会議員さんの問題ではなくてむしろ東電関係の人たちの問題だと思うんですが、あの処理水にはどのぐらいのほかの核種があるのかという話は常にやはり知っておかないといけないんじゃないか。それをどうやって処理するのかという話はそれなりのルールがあるはずですので、その辺をきちんとしておくことがすごく大事だなと。
もちろん海外でもトリチウムの部分については流しているわけですけれども、日本が言っているトリチウム水というのは、トリチウムでないものがたくさん入っているんだという話が一番のイシューで、それがちっとも出てこないところにどういう力が働いているのか私はよく分からないんですが、メディアも責任があるぞという話は結構していますので、その辺を是非国権の最高機関である国会の方からもプッシュしていただきながら、やはり世界とそれから日本の国民の理解を得ることはすごく大事なことじゃないだろうかと思っております。
私の意見としては、これは十年たちまして、まだまだ世界の関心は非常に高いということの一片だと思いますけれども、この辺について御報告させていただきました。
どうも御清聴ありがとうございました。拍手
渡
石
石橋哲#4
○石橋参考人 石橋哲でございます。
二〇一九年の十二月に、前回、ここに参上させていただきました。またこのような機会をいただきまして、ありがとうございます。
資料をちょっと御用意しておりますので、スライドで御覧いただければと思います。
お手元にも資料をお配りいただいておりますので、よろしくお願いいたします。
まず一枚目。
これは、先日というかコロナになる前だったんですけれども、憲政記念館に行って、私、見学してきたものでございます。この写真自体は国立公文書館のデジタルアーカイブから取ったものでございます。
国会議員の先生方、皆様御存じのとおり、この写真というのは、我々の日本国憲法の前文の前にある文章でございます。
昭和天皇が日本国憲法を裁可して公布するときにあった文章です。ここに御注目いただきたい言葉がございます。「日本国民の総意に基いて、」という言葉があるということですね。ここをちょっと覚えておいていただければありがたいと思います。先生方にはもう釈迦に説法なので、あれですけれども。
次のページをまた御覧いただきますと、そこは日本国憲法の前文がございます。
ここにも非常に注目したい文章がございます。若干、数行ですけれども、読み上げます。
「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者」、これは先生方ですね、「を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果」を、まあ、広げますということでございます。この「諸国民との協和による成果」というのは、日本以外の国との合意を形成してまいります、そういう意思の表れだと思います。ほかの国との合意を形成していくということであれば、当然ながら日本国内にも国民の間の合意の形成をしていくということをやっていくんだということの宣言だというふうに私は思います。
それを、この二つ目のポツですね、「その権力は国民の代表者がこれを行使し、」というふうに書いてあります。この合意の形成、諸外国との合意の形成、その前提としての日本国内の合意の形成というのは、我々日本国民がやる、国民の代表者を通じてやる、先生方がリーダーシップを取ってやっていただく、そういうことの決意表明であるというふうに私は思います。
なので、先生方に国民が厳粛な信託をしているのは、社会的な合意形成をするために是非御活躍いただきたいということであり、決して分断を広げるということではないというふうに強く思うところでございます。
次のページ。
これは、「FACTA」という雑誌に、二〇一九年三月、「読者の声」というところで、私がお声がけをいただいて寄稿させていただいた文章です。当時は、ちょっとかっとしておりましたので、言葉を忖度なく書いております。ちょっと読み上げます。これは二〇一九年の三月です。
「八年前、誰もが誓った「忘れない」は変容したらしい。 一昨年九月、」、ここですね、「原子力特別委で参考人として、私は国会事故調が求めた「(提言の)実施計画」策定公表を改めて求めた。昨年末」、これは二〇一八年の末に、「同じ場で十五カ月間何ら議論がないことを確認した。国会図書館に保管された事故調資料の開示も忘れたか。 再発防止への「起点」に立つことなく「国会事故調は過去だ」と開き直る「選良」。彼らを「代表」と戴く私たち。今や「忘れない」は、年中行事として費消される、訳知り顔の「玩具」と堕し、日常の至るところに溢れる事故の根源的原因「思考停止」は、不祥事として噴出する。 二〇二〇年を目前に、いま商業メディアでは、「サムライ」という言葉が氾濫する。「サムライ」とは、湊川の大楠公」、楠木正成公「のように、永劫回帰の中で正しい判断を志す晴朗な覚悟を持つ者だ。自己満足で塗り固めた殻に閉じこもる者ではない。 私たちの自慰の果てに子どもたちは、「サムライ」を「愛する国」をこの国土に見出せるだろうか? お遊戯の時は過ぎた。「忘れない」の先へ。 未来に誇れる「今」を作れるのは「今」を生きる私たちだ。」
先ほど申しましたように、ちょっと頭がかっとなっておりましたので、このような言葉を書き連ねて出しました。
次のページをお願いします。
今日は、二〇一一年三月十一日から三千七百一日目でございます。先ほど御覧いただきました二〇一九年の三月の私の言葉のほとばしりから丸二年たちました。前回お呼びいただいたのは二〇一九年の十二月の五日でございました。一年半たっております。
次のページをお願いします。
こういう場を頂戴するということをお聞きしましたので、先月、三月二十四日ですね、ちょうど福島県浜通りから聖火ランナーが出走する前日です、私、浜通りにお邪魔をしてまいりました。この写真を御覧ください。ここは浪江町請戸地区の三月二十四日の光景です。真ん中には、ちょっと浮き彫りにしたような形で出してありますけれども、これはすぐそこにある伝承館の写真です。
皆様、この写真を見て、どのような感覚をお受けになりましたでしょうか。私は、心の中に非常にざらざらしたものを感じました。このざらざらしたものを大切にしていかなければいけないということを強く感じております。
次のページをお願いいたします。
私、ここにお邪魔をすると必ず申し上げることですので、先生方はもう耳にたこができていることだと思いますけれども、事故調はたかだか半年間しかありませんでした、できなかったことはたくさんあります。
アメリカの連邦議会は、ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンスに対して調査依頼を出して、二年間の福島原発事故の調査を、二年間の調査を二回回しています。計四年です。私どもは半年でした。
契約期間は限られておりましたので、できないことはたくさんあります。報告書、今お手元にお配りいただいておりますダイジェスト版には、扱わなかった事項ということも列挙してあります。このようなこともまだまだ積み残しであると思います。
では、次のページをお願いいたします。
そこでは、意思決定プロセスと判断プロセスの透明性、公開性を担保することが大事であるということを考え、それを実行するために、フルセットで七つの提言を申し上げている次第でございます。ここには、やっていただきたいこと、やっていただく際のやり方、全て書いてあります。
これは何を解決するのかということなんですけれども、次のページをお願いいたします。
こちらは、国会事故調報告が書いている「問題解決に向けて」というところでございます。ここも、前回も前々回も申し上げておりますので、先生方はよくお知りのことだと思いますけれども、事故の根源的原因はここにあるというふうに私は考えております。
この三行目ですね。これらの背後にあるのは、自らの行動を正当化し、責任回避を最優先に記録を残さない不透明な制度、組織、さらにはこれを許容する法的枠組みであった、関係者に共通していたのは無知と慢心であり、国民の安全を最優先とせず、組織の利益を最優先とする組織依存のマインドセットであった、思い込み、常識であったということです。この根本原因の解決なくして、再発防止は不可能であるということも申し上げております。これは二〇一二年の七月の五日に先生方に納品をさせていただいた提言でございます。
この解決するための方法として、先ほど申し上げた七つの提言を実行していただき、それによって、意思決定と判断プロセスの透明性、公開性を担保してくださいということをお願いしてある次第でございます。
次のページをお願いいたします。
フルセットでございますので、一遍にできるはずがありませんので、実施計画を速やかに策定し、進捗状況を国民に公表してくださいということをお願いをいたしました。先ほどの「FACTA」の文章は、まだできていませんということをお伺いしましたので、どうなっているんでしょうかという思いがほとばしって筆が走った、そういう文章でございます。
次のページをお願いいたします。
二〇一九年十二月の五日にも同じ言葉を私は述べさせていただきました。これは事故以降の事故調提言に関する経緯の図でございます。
事故が起こって、アメリカに遅れること数か月、九か月目にして国会事故調は設立されました。半年と言われて、七か月ちょっと手前で報告書を御提言した、納品したという形になっております。
そこから、今日で百二か月たちました。実施計画の御議論、進捗状況の公表につきましては、どこまで進捗されましたでしょうか。この後、是非お伺いさせていただけるものというふうに考えております。
次のページをお願いします。
今コロナが来ています。この二〇一一年から十年たった今日、私たちは二〇一一年のときに思い描いた未来を生きているでしょうか。成り行きの未来に生きているのではないかというふうに思います。
今コロナが来ています。この先の十年、十年後の未来は、私たちはどのような世界に生きているのでしょうか。成り行きの未来を生きているのか、なりたい未来を生きているのか。その分岐点は、今まさにここにあるというふうに思います。
今から二〇一一年を振り返って、何があったのか、それぞれ、この局面に対峙する方々は何をどう考えたのか、今どれをどのように思っているのかを振り返るということは非常に大切なことなのではないかというふうに考えております。
次のページをお願いします。
私たちは、忘れないという情緒的な言葉をたくさん吐いてきております。それを繰り返すことによって、忘れていくということを繰り返してきています。風化と復興はコインの表裏です。それを繰り返すということは、他人事化を繰り返しすることによって成り行きの未来を今生きているということではないかと思います。
これを、なりたい未来に変えていくためには、きちっと過去を振り返り、私たちは何をしてきたのか、何をしてこなかったのか、それをきちっと記録に残すこと、そのプロセスはまさにこの局面を自分事化するということになりますので、それを集積して浸透させていくことが私たちのなすべきことなのでないかというふうに思います。
次、お願いします。
これも、事故調の報告書に書いてある言葉です。これも何度も申し上げておりますので、先生方ももう耳にたこができているということだと思いますけれども、この提言を一歩一歩着実に実行することは、不断の改革の努力を要します。それは、先生方、国民、未来の国民から今を託された国会議員の先生方、国権の最高機関である国会にお願いしているので、やっていただくことは当然の前提です。それは、先生方だけではなくて、私たち一人一人の国民が担うべき使命であるということを委員会は確信するということで閉じています。
次のページをお願いします。
先生方ももう当然お読みいただいているというふうに思いますけれども、国会事故調報告書は高校生も読んでいます。
私たちが今何をなすのかということを真摯に振り返りたいと思います。この後、この二〇一九年の十二月の五日からどのような進捗があったのかということをお聞かせいただくことを楽しみにしております。どうぞよろしくお願いします。
以上でございます。拍手
この発言だけを見る →二〇一九年の十二月に、前回、ここに参上させていただきました。またこのような機会をいただきまして、ありがとうございます。
資料をちょっと御用意しておりますので、スライドで御覧いただければと思います。
お手元にも資料をお配りいただいておりますので、よろしくお願いいたします。
まず一枚目。
これは、先日というかコロナになる前だったんですけれども、憲政記念館に行って、私、見学してきたものでございます。この写真自体は国立公文書館のデジタルアーカイブから取ったものでございます。
国会議員の先生方、皆様御存じのとおり、この写真というのは、我々の日本国憲法の前文の前にある文章でございます。
昭和天皇が日本国憲法を裁可して公布するときにあった文章です。ここに御注目いただきたい言葉がございます。「日本国民の総意に基いて、」という言葉があるということですね。ここをちょっと覚えておいていただければありがたいと思います。先生方にはもう釈迦に説法なので、あれですけれども。
次のページをまた御覧いただきますと、そこは日本国憲法の前文がございます。
ここにも非常に注目したい文章がございます。若干、数行ですけれども、読み上げます。
「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者」、これは先生方ですね、「を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果」を、まあ、広げますということでございます。この「諸国民との協和による成果」というのは、日本以外の国との合意を形成してまいります、そういう意思の表れだと思います。ほかの国との合意を形成していくということであれば、当然ながら日本国内にも国民の間の合意の形成をしていくということをやっていくんだということの宣言だというふうに私は思います。
それを、この二つ目のポツですね、「その権力は国民の代表者がこれを行使し、」というふうに書いてあります。この合意の形成、諸外国との合意の形成、その前提としての日本国内の合意の形成というのは、我々日本国民がやる、国民の代表者を通じてやる、先生方がリーダーシップを取ってやっていただく、そういうことの決意表明であるというふうに私は思います。
なので、先生方に国民が厳粛な信託をしているのは、社会的な合意形成をするために是非御活躍いただきたいということであり、決して分断を広げるということではないというふうに強く思うところでございます。
次のページ。
これは、「FACTA」という雑誌に、二〇一九年三月、「読者の声」というところで、私がお声がけをいただいて寄稿させていただいた文章です。当時は、ちょっとかっとしておりましたので、言葉を忖度なく書いております。ちょっと読み上げます。これは二〇一九年の三月です。
「八年前、誰もが誓った「忘れない」は変容したらしい。 一昨年九月、」、ここですね、「原子力特別委で参考人として、私は国会事故調が求めた「(提言の)実施計画」策定公表を改めて求めた。昨年末」、これは二〇一八年の末に、「同じ場で十五カ月間何ら議論がないことを確認した。国会図書館に保管された事故調資料の開示も忘れたか。 再発防止への「起点」に立つことなく「国会事故調は過去だ」と開き直る「選良」。彼らを「代表」と戴く私たち。今や「忘れない」は、年中行事として費消される、訳知り顔の「玩具」と堕し、日常の至るところに溢れる事故の根源的原因「思考停止」は、不祥事として噴出する。 二〇二〇年を目前に、いま商業メディアでは、「サムライ」という言葉が氾濫する。「サムライ」とは、湊川の大楠公」、楠木正成公「のように、永劫回帰の中で正しい判断を志す晴朗な覚悟を持つ者だ。自己満足で塗り固めた殻に閉じこもる者ではない。 私たちの自慰の果てに子どもたちは、「サムライ」を「愛する国」をこの国土に見出せるだろうか? お遊戯の時は過ぎた。「忘れない」の先へ。 未来に誇れる「今」を作れるのは「今」を生きる私たちだ。」
先ほど申しましたように、ちょっと頭がかっとなっておりましたので、このような言葉を書き連ねて出しました。
次のページをお願いします。
今日は、二〇一一年三月十一日から三千七百一日目でございます。先ほど御覧いただきました二〇一九年の三月の私の言葉のほとばしりから丸二年たちました。前回お呼びいただいたのは二〇一九年の十二月の五日でございました。一年半たっております。
次のページをお願いします。
こういう場を頂戴するということをお聞きしましたので、先月、三月二十四日ですね、ちょうど福島県浜通りから聖火ランナーが出走する前日です、私、浜通りにお邪魔をしてまいりました。この写真を御覧ください。ここは浪江町請戸地区の三月二十四日の光景です。真ん中には、ちょっと浮き彫りにしたような形で出してありますけれども、これはすぐそこにある伝承館の写真です。
皆様、この写真を見て、どのような感覚をお受けになりましたでしょうか。私は、心の中に非常にざらざらしたものを感じました。このざらざらしたものを大切にしていかなければいけないということを強く感じております。
次のページをお願いいたします。
私、ここにお邪魔をすると必ず申し上げることですので、先生方はもう耳にたこができていることだと思いますけれども、事故調はたかだか半年間しかありませんでした、できなかったことはたくさんあります。
アメリカの連邦議会は、ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンスに対して調査依頼を出して、二年間の福島原発事故の調査を、二年間の調査を二回回しています。計四年です。私どもは半年でした。
契約期間は限られておりましたので、できないことはたくさんあります。報告書、今お手元にお配りいただいておりますダイジェスト版には、扱わなかった事項ということも列挙してあります。このようなこともまだまだ積み残しであると思います。
では、次のページをお願いいたします。
そこでは、意思決定プロセスと判断プロセスの透明性、公開性を担保することが大事であるということを考え、それを実行するために、フルセットで七つの提言を申し上げている次第でございます。ここには、やっていただきたいこと、やっていただく際のやり方、全て書いてあります。
これは何を解決するのかということなんですけれども、次のページをお願いいたします。
こちらは、国会事故調報告が書いている「問題解決に向けて」というところでございます。ここも、前回も前々回も申し上げておりますので、先生方はよくお知りのことだと思いますけれども、事故の根源的原因はここにあるというふうに私は考えております。
この三行目ですね。これらの背後にあるのは、自らの行動を正当化し、責任回避を最優先に記録を残さない不透明な制度、組織、さらにはこれを許容する法的枠組みであった、関係者に共通していたのは無知と慢心であり、国民の安全を最優先とせず、組織の利益を最優先とする組織依存のマインドセットであった、思い込み、常識であったということです。この根本原因の解決なくして、再発防止は不可能であるということも申し上げております。これは二〇一二年の七月の五日に先生方に納品をさせていただいた提言でございます。
この解決するための方法として、先ほど申し上げた七つの提言を実行していただき、それによって、意思決定と判断プロセスの透明性、公開性を担保してくださいということをお願いしてある次第でございます。
次のページをお願いいたします。
フルセットでございますので、一遍にできるはずがありませんので、実施計画を速やかに策定し、進捗状況を国民に公表してくださいということをお願いをいたしました。先ほどの「FACTA」の文章は、まだできていませんということをお伺いしましたので、どうなっているんでしょうかという思いがほとばしって筆が走った、そういう文章でございます。
次のページをお願いいたします。
二〇一九年十二月の五日にも同じ言葉を私は述べさせていただきました。これは事故以降の事故調提言に関する経緯の図でございます。
事故が起こって、アメリカに遅れること数か月、九か月目にして国会事故調は設立されました。半年と言われて、七か月ちょっと手前で報告書を御提言した、納品したという形になっております。
そこから、今日で百二か月たちました。実施計画の御議論、進捗状況の公表につきましては、どこまで進捗されましたでしょうか。この後、是非お伺いさせていただけるものというふうに考えております。
次のページをお願いします。
今コロナが来ています。この二〇一一年から十年たった今日、私たちは二〇一一年のときに思い描いた未来を生きているでしょうか。成り行きの未来に生きているのではないかというふうに思います。
今コロナが来ています。この先の十年、十年後の未来は、私たちはどのような世界に生きているのでしょうか。成り行きの未来を生きているのか、なりたい未来を生きているのか。その分岐点は、今まさにここにあるというふうに思います。
今から二〇一一年を振り返って、何があったのか、それぞれ、この局面に対峙する方々は何をどう考えたのか、今どれをどのように思っているのかを振り返るということは非常に大切なことなのではないかというふうに考えております。
次のページをお願いします。
私たちは、忘れないという情緒的な言葉をたくさん吐いてきております。それを繰り返すことによって、忘れていくということを繰り返してきています。風化と復興はコインの表裏です。それを繰り返すということは、他人事化を繰り返しすることによって成り行きの未来を今生きているということではないかと思います。
これを、なりたい未来に変えていくためには、きちっと過去を振り返り、私たちは何をしてきたのか、何をしてこなかったのか、それをきちっと記録に残すこと、そのプロセスはまさにこの局面を自分事化するということになりますので、それを集積して浸透させていくことが私たちのなすべきことなのでないかというふうに思います。
次、お願いします。
これも、事故調の報告書に書いてある言葉です。これも何度も申し上げておりますので、先生方ももう耳にたこができているということだと思いますけれども、この提言を一歩一歩着実に実行することは、不断の改革の努力を要します。それは、先生方、国民、未来の国民から今を託された国会議員の先生方、国権の最高機関である国会にお願いしているので、やっていただくことは当然の前提です。それは、先生方だけではなくて、私たち一人一人の国民が担うべき使命であるということを委員会は確信するということで閉じています。
次のページをお願いします。
先生方ももう当然お読みいただいているというふうに思いますけれども、国会事故調報告書は高校生も読んでいます。
私たちが今何をなすのかということを真摯に振り返りたいと思います。この後、この二〇一九年の十二月の五日からどのような進捗があったのかということをお聞かせいただくことを楽しみにしております。どうぞよろしくお願いします。
以上でございます。拍手
渡
橘
橘川武郎#6
○橘川参考人 皆さん、おはようございます。国際大学の橘川と申します。
このような場を与えてくださり、心から感謝いたします。
私は、三・一一から十年以上たちましたけれども、その後の日本の原子力政策についてお話をさせていただきたいと思っております。
福島の事故があって、原子力政策はゼロベースで出直さなければいけないということが言われました。その際、大原則がありまして、原子力政策と原子力規制政策は切り分けるということで、規制政策の方は、一応規制委員会ができましたし、新しい規制基準もできました。ところが、残念ながら、原子力政策の方は、重要な問題が次々先延ばしされているというのが現実なんじゃないかと思います。よって、非常に国民に分かりにくくなっているんじゃないか。その点で、今日は三つの問題を取り上げたいと思っています。
次のページをお願いします。
私は、三・一一からずっと、今もそうなんですが、エネルギー基本計画を作る基本政策分科会の委員もさせていただいておりますが、そこでもやはり議論がちょっと分かりにくいところがある。いろいろあるんですけれども、今日、大きな問題として、三つ、リプレースをしない、回避するということがもたらしている問題と、核燃料サイクル一本やりということがもたらしている問題、それから三つ目に、東京電力の手で柏崎刈羽原子力発電所を再稼働させるという方針がもたらしている問題、この三つの点についてお話しさせていただきたいと思います。
それでは、次のページをお願いします。
まず、リプレースの回避がもたらしている問題ということですが、現在も政府は原子力を重要な施策としておりまして、二〇五〇年のカーボンニュートラルへ向けて、昨年十二月に発表されましたグリーン成長戦略の中の十四の重点分野の四つ目の柱として、原子力の、特に新技術、新型炉の開発ということを言われておるわけです。
ところが、一方で、今日に至っても、原子力のリプレース及び新増設は、しないというよりも、するということを言わないという方針を続けておりまして、これが非常に国民からすると分かりにくいんですね。
今は原子炉等規制法で四十年で基本的には廃炉で、二十年間プラス、許可があった場合は運転可能ということなんですが、現在ある全三十三基が全部六十年運転になったとしても、二〇五〇年の暮れには十八基しか残らない。みんな六十歳を超えてしまうわけです。それから、六〇年になりますと五基になって、六九年で泊三号機が止まりますとゼロになる。そうすると、重点分野だと言われて、脱炭素の重要な選択肢だと言われても、今のままでは選択肢にならない、こういう問題があるわけであります。
端的に言いますと、技術開発はする、小型炉とか高温炉とか核融合とかはやる、でも造らない。こういうことで、これは国民からするとさっぱり分かりにくいんですね。端的に言うと、まさに絵に描いた餅という、そのことわざどおりの状態になっている。こういう問題があると思います。
私、実は反原発でも推進でもない、ちょっと、私はリアリストだと思っていますが、そういう立場なんですけれども、それでも、何らかの形で使い続けるというのならば、やはりリプレースは必要だと思っています。Sプラス三Eといいますが、Sは正式に言うと安全性ではなくて、原子力発電って危険なものですから、その危険性を最小化するという意味だと思うんですが、その最小化という観点から考えると、新しい炉の方がいいに決まっていまして、これは原発に反対する人も意見一致する点だと思います。
ところが、特に日本の場合は、今動いている九基が全部加圧水型の炉で、特にこれが古いんですね、新型炉は一つもありません。沸騰水に関しては、五基ほど全国に新しい炉があるわけですけれども、今のところ四基ですね、それで新設しているのが二基あるわけですが、特にもう中国では新しい加圧水炉が、ヨーロッパ型もAP1000と言われるものも動き出している状況の中で、何%であれ使い続けるのなら、やはりリプレースのことを言わないのは無責任なのではないかというふうに思います。
それと、もうちょっとたってから言えばいいんじゃないとか、こういう意見もあると思うんですけれども、過去の歴史を見ますと、造ると言ってから少なくとも三十年ぐらいかかっていますので、もう間に合わないんですね、五〇年のカーボンニュートラルまで。そういう問題があると思います。
私としましては、そういう意味で、リプレースは必要なんですが、逆に言うと、リプレースですから古い炉はどんどん畳んでいく、積極的に畳んでいく。むしろ原子力の依存度はそれで下げていくという、リプレースと原子力依存度の低減とを組み合わせるのが正しい道なのではないかと思います。
残念ながら、現在審議されています五〇年の電源ミックス、全体としてはそれほど違和感はないんですが、一か所どうしても腑に落ちないところがありまして、小学生でも分かるんですが、普通に電源ミックスは原子力、火力、再生、こういうふうに分けるものだと思うんですが、再生はちゃんと五割から六割と言われているわけです。火力の中の水素、アンモニアは一割と言われているんですけれども、残りの三、四割を、二酸化炭素を回収して貯留したり利用したりするCCUSつき火力と原子力が一緒になって三、四割なんですね。これはすごくおかしいと思うんです。多分、今のままでリプレースしないという方針で、原子力をきちんと取り出しちゃうと一割以下になってしまうので、それが明示されるのが嫌なのかなというふうに思うんですが、例えば、そういうところにこの原子力政策の分かりにくさがある、これが第一点です。
次のページをお願いいたします。
次に、核燃料サイクル一本やりがもたらしている問題であります。
御存じのように、核燃料サイクルは、高速増殖炉のサイクルと軽水炉のサイクルに分かれているわけですが、前者の高速増殖炉のサイクルは、もう既に二〇一六年に「もんじゅ」を廃炉にしましたので、これはなくなっているわけですね。そうすると、残りは軽水炉のサイクルなんですが、これは今のところ、プルサーマルということでちょっとずつプルトニウムを消費するやり方しかないわけです。
もう既に許可が出ています再処理工場が動きますと、ざっくり言うと、年間七トンくらいプルトニウムがつくられますけれども、今のところ四基あるところの平均値ですけれども、年間大体〇・五トンずつくらいなんですね、プルトニウムの処理量が。そうすると、七を〇・五で割ると分かりますが、十四基必要になるわけですが、今四基しかない。電事連は新たに十二基造ると言っていますが、これは実は二〇一〇年に十六基から十八基造ると言って、全然できていないわけで、そこは全く新味がないわけでありまして、率直に言いまして、プルトニウムの平和利用のやり方が見えていない、そういう意味では破綻していると言わざるを得ない状況にあると思います。
日米原子力協定は、一八年で一応固定期間が終わりまして、どちらか一方がノーと言うと廃棄できる状況になっています。日本が非核兵器保有国でありながら再処理をやっていいと国際社会で認められているのは、プルトニウムを平和利用するプランがあるから認められているわけで、それが、今言ったように、まだちゃんとでき上がっていないということになりますと、非常に不安定な状況、かつて同じアメリカ民主党のカーターさんが再処理に対して非常にいちゃもんをつけたことがあるわけですけれども、同じようなことが起こるという可能性もあるのではないかと思っております。
一方で、私はリアリストですので、だったら再処理工場をやめてしまえというのは非現実的だと思っております。というのは、既に〇六年に、まだ竣工はしていないんですけれども、アクティブ試験というものが始まっていまして、もう既に九トンくらいプルトニウムをつくったりなんかしていますし、これはこれで使い切るしかないと思います。
一方で、もう一個造らないと足らないという話なんですが、これはここに書いてあるような、もう既に総事業費が予定を超えて十四兆円というような状況では第二再処理はあり得ない、こういうふうに思いますので、結論からいきますと、核燃料サイクル一本やりではなくて、六ケ所は使えますけれども、プラスして直接処分、一回使ったものは直接地層に埋めるというものと併せて進めるというふうに本当は行くべきなのではないか、こういうふうに思っております。世界的に見ますと、直接処分の方がむしろ主流だというふうに思います。
それでは、最後に三つ目の問題をお話しさせていただきます。東京電力による柏崎刈羽原子力発電所の再稼働がもたらす問題であります。
御存じのように、核物質防護の不備問題で、原子力規制委員会が非常に厳しい処分、事実上再稼働ができないような処分を東京電力に下しました。ただ、私は、今回の件がある以前から、そもそも東京電力が柏崎刈羽を再稼働するというのはおかしいと思っています。
というのは、事故処理費用が、後ほど鈴木先生からもうちょっと詳しい話があると思いますが、最低でも二十一兆五千億かかる。これは東電は払い切れませんので、国民負担になるわけですね。これは国民負担しないと福島の復興ができませんから、やはりせざるを得ないんですけれども、国民の側からすると、その前に前提条件がある。東電がきっちり徹底的なリストラをやって初めて国民負担という話に、順番からするとすべきだと思うんです。
それじゃ、徹底的なリストラというのは何かというと、柏崎刈羽の原子力発電所を売ることだと思います、完全に。そして、売ったお金を廃炉の費用にどんと回す。それで足りないと思いますけれども、少なくともそういうことをやらないといけないというふうに思います。
受皿は、これがもう一つ新潟県民を悩ましている問題ですけれども、東京電力は新潟県が供給エリアじゃないわけですね。供給しているのは主として東北電力でありまして、主として供給している人でないと、ある意味で非常にかゆいところまで手が届くような避難計画を作れないわけです。どこに電柱があって、どこにどういう需要家がいるかというのが分かっていない。
そういう意味で、やはり東北電力がどうしても受皿になると思いますが、お金が足りませんので国ということになりますが、国営という道はないと思いますので、例えば日本原電ですね。民間会社ですけれども、今、最大株主が二八%ですかが東京電力、まあ、国有化されていますので、準国営会社なので、その会社が受皿になるということになると思います。
これでも、安定供給には支障はありません。要員は東京電力の社員が新しい会社に移ればいいわけで、安定供給は問題ないし、そして、発生した電力の、こうなると、柏崎刈羽も許可を得ている六号機、七号機の運転が可能になると思うんですが、そこから出てくる電気は中立的な値段でかなりの量を卸市場に送ることができますので、今年の一月起きたような電力の需給の逼迫なんかの問題はある程度緩和することができるのではないかと思います。
それでは、それで東京電力はやっていけるのか、私はやっていけると思います。残る中心はパワーグリッド、送配電の会社とEP、エナジーパートナーですね、配電の会社になりますけれども、世界でも最もいいような需要地を舞台にしていますから、十分に収益を上げて、給料、ボーナスも払って、その上で半永久的にずっと賠償金を払い続けるということは可能だと思います。
福島に対する補償もサステーナブルな形でやらなければいけないわけで、これが私は本当の意味での東電の再生の道になるのではないかというふうに思います。これをやれば、何十年かたったら、東電は福島に責任を果たしたね、こういう話になるのではないかと思っています。
以上で私の話を終わらせていただきます。拍手
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私は、三・一一から十年以上たちましたけれども、その後の日本の原子力政策についてお話をさせていただきたいと思っております。
福島の事故があって、原子力政策はゼロベースで出直さなければいけないということが言われました。その際、大原則がありまして、原子力政策と原子力規制政策は切り分けるということで、規制政策の方は、一応規制委員会ができましたし、新しい規制基準もできました。ところが、残念ながら、原子力政策の方は、重要な問題が次々先延ばしされているというのが現実なんじゃないかと思います。よって、非常に国民に分かりにくくなっているんじゃないか。その点で、今日は三つの問題を取り上げたいと思っています。
次のページをお願いします。
私は、三・一一からずっと、今もそうなんですが、エネルギー基本計画を作る基本政策分科会の委員もさせていただいておりますが、そこでもやはり議論がちょっと分かりにくいところがある。いろいろあるんですけれども、今日、大きな問題として、三つ、リプレースをしない、回避するということがもたらしている問題と、核燃料サイクル一本やりということがもたらしている問題、それから三つ目に、東京電力の手で柏崎刈羽原子力発電所を再稼働させるという方針がもたらしている問題、この三つの点についてお話しさせていただきたいと思います。
それでは、次のページをお願いします。
まず、リプレースの回避がもたらしている問題ということですが、現在も政府は原子力を重要な施策としておりまして、二〇五〇年のカーボンニュートラルへ向けて、昨年十二月に発表されましたグリーン成長戦略の中の十四の重点分野の四つ目の柱として、原子力の、特に新技術、新型炉の開発ということを言われておるわけです。
ところが、一方で、今日に至っても、原子力のリプレース及び新増設は、しないというよりも、するということを言わないという方針を続けておりまして、これが非常に国民からすると分かりにくいんですね。
今は原子炉等規制法で四十年で基本的には廃炉で、二十年間プラス、許可があった場合は運転可能ということなんですが、現在ある全三十三基が全部六十年運転になったとしても、二〇五〇年の暮れには十八基しか残らない。みんな六十歳を超えてしまうわけです。それから、六〇年になりますと五基になって、六九年で泊三号機が止まりますとゼロになる。そうすると、重点分野だと言われて、脱炭素の重要な選択肢だと言われても、今のままでは選択肢にならない、こういう問題があるわけであります。
端的に言いますと、技術開発はする、小型炉とか高温炉とか核融合とかはやる、でも造らない。こういうことで、これは国民からするとさっぱり分かりにくいんですね。端的に言うと、まさに絵に描いた餅という、そのことわざどおりの状態になっている。こういう問題があると思います。
私、実は反原発でも推進でもない、ちょっと、私はリアリストだと思っていますが、そういう立場なんですけれども、それでも、何らかの形で使い続けるというのならば、やはりリプレースは必要だと思っています。Sプラス三Eといいますが、Sは正式に言うと安全性ではなくて、原子力発電って危険なものですから、その危険性を最小化するという意味だと思うんですが、その最小化という観点から考えると、新しい炉の方がいいに決まっていまして、これは原発に反対する人も意見一致する点だと思います。
ところが、特に日本の場合は、今動いている九基が全部加圧水型の炉で、特にこれが古いんですね、新型炉は一つもありません。沸騰水に関しては、五基ほど全国に新しい炉があるわけですけれども、今のところ四基ですね、それで新設しているのが二基あるわけですが、特にもう中国では新しい加圧水炉が、ヨーロッパ型もAP1000と言われるものも動き出している状況の中で、何%であれ使い続けるのなら、やはりリプレースのことを言わないのは無責任なのではないかというふうに思います。
それと、もうちょっとたってから言えばいいんじゃないとか、こういう意見もあると思うんですけれども、過去の歴史を見ますと、造ると言ってから少なくとも三十年ぐらいかかっていますので、もう間に合わないんですね、五〇年のカーボンニュートラルまで。そういう問題があると思います。
私としましては、そういう意味で、リプレースは必要なんですが、逆に言うと、リプレースですから古い炉はどんどん畳んでいく、積極的に畳んでいく。むしろ原子力の依存度はそれで下げていくという、リプレースと原子力依存度の低減とを組み合わせるのが正しい道なのではないかと思います。
残念ながら、現在審議されています五〇年の電源ミックス、全体としてはそれほど違和感はないんですが、一か所どうしても腑に落ちないところがありまして、小学生でも分かるんですが、普通に電源ミックスは原子力、火力、再生、こういうふうに分けるものだと思うんですが、再生はちゃんと五割から六割と言われているわけです。火力の中の水素、アンモニアは一割と言われているんですけれども、残りの三、四割を、二酸化炭素を回収して貯留したり利用したりするCCUSつき火力と原子力が一緒になって三、四割なんですね。これはすごくおかしいと思うんです。多分、今のままでリプレースしないという方針で、原子力をきちんと取り出しちゃうと一割以下になってしまうので、それが明示されるのが嫌なのかなというふうに思うんですが、例えば、そういうところにこの原子力政策の分かりにくさがある、これが第一点です。
次のページをお願いいたします。
次に、核燃料サイクル一本やりがもたらしている問題であります。
御存じのように、核燃料サイクルは、高速増殖炉のサイクルと軽水炉のサイクルに分かれているわけですが、前者の高速増殖炉のサイクルは、もう既に二〇一六年に「もんじゅ」を廃炉にしましたので、これはなくなっているわけですね。そうすると、残りは軽水炉のサイクルなんですが、これは今のところ、プルサーマルということでちょっとずつプルトニウムを消費するやり方しかないわけです。
もう既に許可が出ています再処理工場が動きますと、ざっくり言うと、年間七トンくらいプルトニウムがつくられますけれども、今のところ四基あるところの平均値ですけれども、年間大体〇・五トンずつくらいなんですね、プルトニウムの処理量が。そうすると、七を〇・五で割ると分かりますが、十四基必要になるわけですが、今四基しかない。電事連は新たに十二基造ると言っていますが、これは実は二〇一〇年に十六基から十八基造ると言って、全然できていないわけで、そこは全く新味がないわけでありまして、率直に言いまして、プルトニウムの平和利用のやり方が見えていない、そういう意味では破綻していると言わざるを得ない状況にあると思います。
日米原子力協定は、一八年で一応固定期間が終わりまして、どちらか一方がノーと言うと廃棄できる状況になっています。日本が非核兵器保有国でありながら再処理をやっていいと国際社会で認められているのは、プルトニウムを平和利用するプランがあるから認められているわけで、それが、今言ったように、まだちゃんとでき上がっていないということになりますと、非常に不安定な状況、かつて同じアメリカ民主党のカーターさんが再処理に対して非常にいちゃもんをつけたことがあるわけですけれども、同じようなことが起こるという可能性もあるのではないかと思っております。
一方で、私はリアリストですので、だったら再処理工場をやめてしまえというのは非現実的だと思っております。というのは、既に〇六年に、まだ竣工はしていないんですけれども、アクティブ試験というものが始まっていまして、もう既に九トンくらいプルトニウムをつくったりなんかしていますし、これはこれで使い切るしかないと思います。
一方で、もう一個造らないと足らないという話なんですが、これはここに書いてあるような、もう既に総事業費が予定を超えて十四兆円というような状況では第二再処理はあり得ない、こういうふうに思いますので、結論からいきますと、核燃料サイクル一本やりではなくて、六ケ所は使えますけれども、プラスして直接処分、一回使ったものは直接地層に埋めるというものと併せて進めるというふうに本当は行くべきなのではないか、こういうふうに思っております。世界的に見ますと、直接処分の方がむしろ主流だというふうに思います。
それでは、最後に三つ目の問題をお話しさせていただきます。東京電力による柏崎刈羽原子力発電所の再稼働がもたらす問題であります。
御存じのように、核物質防護の不備問題で、原子力規制委員会が非常に厳しい処分、事実上再稼働ができないような処分を東京電力に下しました。ただ、私は、今回の件がある以前から、そもそも東京電力が柏崎刈羽を再稼働するというのはおかしいと思っています。
というのは、事故処理費用が、後ほど鈴木先生からもうちょっと詳しい話があると思いますが、最低でも二十一兆五千億かかる。これは東電は払い切れませんので、国民負担になるわけですね。これは国民負担しないと福島の復興ができませんから、やはりせざるを得ないんですけれども、国民の側からすると、その前に前提条件がある。東電がきっちり徹底的なリストラをやって初めて国民負担という話に、順番からするとすべきだと思うんです。
それじゃ、徹底的なリストラというのは何かというと、柏崎刈羽の原子力発電所を売ることだと思います、完全に。そして、売ったお金を廃炉の費用にどんと回す。それで足りないと思いますけれども、少なくともそういうことをやらないといけないというふうに思います。
受皿は、これがもう一つ新潟県民を悩ましている問題ですけれども、東京電力は新潟県が供給エリアじゃないわけですね。供給しているのは主として東北電力でありまして、主として供給している人でないと、ある意味で非常にかゆいところまで手が届くような避難計画を作れないわけです。どこに電柱があって、どこにどういう需要家がいるかというのが分かっていない。
そういう意味で、やはり東北電力がどうしても受皿になると思いますが、お金が足りませんので国ということになりますが、国営という道はないと思いますので、例えば日本原電ですね。民間会社ですけれども、今、最大株主が二八%ですかが東京電力、まあ、国有化されていますので、準国営会社なので、その会社が受皿になるということになると思います。
これでも、安定供給には支障はありません。要員は東京電力の社員が新しい会社に移ればいいわけで、安定供給は問題ないし、そして、発生した電力の、こうなると、柏崎刈羽も許可を得ている六号機、七号機の運転が可能になると思うんですが、そこから出てくる電気は中立的な値段でかなりの量を卸市場に送ることができますので、今年の一月起きたような電力の需給の逼迫なんかの問題はある程度緩和することができるのではないかと思います。
それでは、それで東京電力はやっていけるのか、私はやっていけると思います。残る中心はパワーグリッド、送配電の会社とEP、エナジーパートナーですね、配電の会社になりますけれども、世界でも最もいいような需要地を舞台にしていますから、十分に収益を上げて、給料、ボーナスも払って、その上で半永久的にずっと賠償金を払い続けるということは可能だと思います。
福島に対する補償もサステーナブルな形でやらなければいけないわけで、これが私は本当の意味での東電の再生の道になるのではないかというふうに思います。これをやれば、何十年かたったら、東電は福島に責任を果たしたね、こういう話になるのではないかと思っています。
以上で私の話を終わらせていただきます。拍手
渡
鈴
鈴木達治郎#8
○鈴木参考人 長崎大学の鈴木でございます。
今日は、お呼びいただきまして、ありがとうございます。
私からまず最初に、二点お伝えしたいことがあります。
最初に、まず既に黒川先生の方から話がありましたが、十年たちましたが、事故は終わっていないということであります。第二点は、この委員会の先生方に是非お願いしたいんですが、脱原発及び原子力推進という立場を超えて是非超党派で取り組んでいただきたい、それだけの問題がいっぱいあるということでございます。
では、スライドをお願いいたします。
既に私も三回ぐらいこの会議に呼んでいただいて、脱原発、推進にかかわらず、重要な課題として幾つか、使用済燃料、高レベル廃棄物処分の問題、核燃料サイクル、核テロリズム、規制の在り方、国民の信頼回復といった問題についてお話しさせていただきました。
今日は、特に廃止措置と復興の体制改革ということでお話しさせていただきたいと思います。
ポイントは三つですね。一つは、廃止措置を今東京電力が当然責任を持ってやっていくんですが、やはり資金的にも技術的にも東京電力では難しいということで、是非、専門の廃止措置機関というのを検討していただきたい。
二番目は、かかる費用、復興と廃止措置にかかる費用についても、先ほど橘川先生からもありましたが、今のままでは難しい、国民負担が増えていくということで、これも新しい基金構想というのをお願いしたいと思います。
最後に、この全体のプロセスを統合して、廃止措置と復興は非常に密接に関連しているんですが、それらを統合して客観的に評価する委員会というのをつくっていただきたいというのが今日の私のお話です。
次、お願いいたします。
このスライドは、私が原子力委員会にいたときに、事故直後の廃止措置の中長期ロードマップを作る専門部会の報告書の中で原子力委員会が作った文書でございます。
ちょっと読ませていただきますと、この問題は政府が責任を有するということをはっきり書いてあります。それから、国内外の知見を効果的に活用して行うこと。それから、透明性の確保。三番目が大事ですね。これらを評価、監査し、適宜に改善すべき点などを政府に提言する第三者機関、しかも海外の専門家を含む、を設置すべきであるという提言をさせていただきました。最後に、これも大事なんですが、当時どのような体制にすれば一番いいのかという議論がありましたが、一応、責任があるのは東京電力であるということで、民間の東京電力を中心に行うことにしたんですが、やはり、将来、専任の廃止措置機関を設置することも含めて、絶えず新しい、最適な運営体制の確立を政府にお願いしたいというのを原子力委員会として提言していただきましたが、この第三者委員会も、体制の見直しについても議論が進んでいないというのが現状だと思います。
次、お願いいたします。
今、一体、現在の体制はどうなっているのかというのをいろいろ探したんですが、なかなかはっきりした図がなくて、これは私が作ったんですけれども、一目で見ていただいて分かりますように、まず非常に複雑で、司令塔は誰なんだと。一応、東京電力のホールディングカンパニーと、その下にある福島第一廃炉推進カンパニーが中心になってはいるんですが、その隣に、政府が幾つもの委員会をつくって議論されている。こういう状態であります。
先ほどお話がありました処理水については、右の方に特別の委員会があるんですが、ここは政府が意思決定を行うということになっています。これは安倍首相のオリンピック招致委員会のところでの発言が効いておりますが。
いずれにしても、私が一番、まずこれを見て、司令塔がはっきりしない。
もう一つ、世界の英知を集める体制になっているかということなんですが、第一廃炉推進カンパニーに国際エキスパートグループというのがあります。これは実は、元々、左にあります技術研究組合の国際廃炉研究開発機構に属していましたが、廃炉カンパニーができてそっちに移ったんですが、ウェブサイトを見ましたが、メンバーが分かりません。どういうレポートを出しているのか見ましたが、出ていません。透明性が、はっきり分かりません。
しかも、この国際廃炉研究開発機構のメンバーを見ますと、国際という名前はついていますが、メンバー企業は全部日本の企業です、十八社、ここに書かれていますけれども。
したがって、私は、この廃炉問題というのは、これまでにない、非常に歴史的にも前例のない難しい作業で、世界の英知を集めることが大事だということで、それを是非もっと実現していただきたいと思います。
次、お願いいたします。
今、中心になっている東京電力については、先ほど橘川先生からもありましたが、信頼が揺らいでいる。私が最も心配している核テロリズムについて起きたこの事件は、大変深刻な事件であります。これは国際的に見ても、核セキュリティーの原点ともいうべき対策が取られていない。当然、規制委員会が厳しい措置を発しましたが、同じ東京電力が廃止措置をやっているということについて、私は非常に懸念を持っております。このような防護措置義務違反を起こすような東京電力に任せておいていいのかというのが、私の懸念であります。
次、お願いいたします。
これは最近行われました世論調査をちょっとまとめてみたんですが、先ほどお話がありましたが、処理水の海洋放出あるいは廃炉の進み方、政府の事故対応、それから原発再稼働、このいろいろな問題について、ほとんど、政府の動向に対する反対意見の方が多い。これが現状でありまして、こういう状況で、福島の廃止措置及び復興をそのままでいいのかというのが私のポイントであります。
次、お願いいたします。
それで、技術的な問題で申しますと、いろいろあるんですが、私、今日申し上げたいのは、実は、事故直後のロードマップを議論しているときに、一体、最終の状態、エンドステートと言われていますが、更地にするのか、それはできるのか、正直全く分からないということで、今、政府のロードマップを見ましても、曖昧になっています。確かに、デブリが取り出せるかどうか分からないということなんですが、とにかく、一応、原則としては、全部取り出して最終的には更地にしようという努力目標はありますが、よく分からない。
最近、去年の暮れですが、原子力学会が中間報告で出したレポートがあります。これはすばらしいレポートですので是非読んでいただきたいんですが、初めて専門家が公式に、最終状態についてどのような選択肢があるかということを議論いたしました。
大事なことは、更地にできなかった場合、やりたいと思ってもできなかった場合どうするかというときに、一つの選択肢として、チェルノブイリのような石棺にする、あるいは、TMIがそうですけれども、しばらく放置して、TMIは、スリーマイル島はもう使用済燃料を取り出していますけれども、廃炉をするのをしばらくおいておいて、安全に保管してからやるという、この選択肢によって廃棄物の量が大きく変わってきます。
この放射性廃棄物の量は、この原子力学会の資料によりますと、通常の原発廃炉の十倍以上になると。これでは大変なコストにもなりますし、作業も大変だということで、この最終状態についての議論を始める必要がある。そのためには、地元の方々との意見交換、ステークホルダーによる討議機会の整備というのを原子力学会が提言されていますので、是非読んでいただきたいと思います。
次、お願いいたします。
このようなことを考えまして、私としては、事故を起こした東京電力から独立させて、新しい信頼される廃止措置機関というのをつくることを検討していただきたい。
現場の作業員の方々に対して、私は、非常に高い敬意と感謝の気持ちでいっぱいであります。非常にリスクを冒して作業をされております。そういった方々のモラルを向上させる意味でも、東京電力の帽子ではなくて、新しい廃止措置機関の帽子で頑張っていただきたい。それから、新しい技術者を雇う意味でも、東京電力ではなくて新しい廃止措置機関ということで、新しい技術者をどんどん集めていくということが大事ではないか。
それから、透明性、信頼性を高める意味でも、今の組織ではなかなか難しい。
一つモデルとしては、イギリスの原子力廃止措置機関という、これは国の機関でありますが、当時もこの議論が少し行われました。
でも、なかなか、国の方が廃止措置の責任を持つということに対して抵抗がありました。私としては、是非この廃止措置機関を国が責任を持って行えるような形にしていただきたい。
それから、信頼関係の確保という意味でも、こういう機関にすることが大事ではないかと思います。
次、お願いいたします。
次に、資金の問題なんですが、これは現在の資金確保の絵なんですけれども、この原賠・廃炉機構が、東京電力、右の赤いところですね、原子力事業者にお金を、資金を交付して、これは、借金ではなくて、資金を出して、負担金という形で返しているということなんですが、この仕組みで本当にうまくいくのかどうか。これもひとつ複雑で、一般の方になかなか説明が難しいんですが。
次、お願いいたします。
これは、二〇一五年の十二月に東電の一F問題委員会というところが出した報告書の中にある図なんですが、二十二兆円という数値を、そのとき、それまでの十一兆円から二倍に増えたわけですけれども、この中身を見ていただきますと、東京電力が十六兆円、それから、ほかの電力が四兆円、国民負担が二兆円になっています。その前提は、東京電力が毎回年間〇・五兆円の収益を上げる、五千億円ですね、これが本当に可能なのか。これは橘川先生の方がお詳しいと思うんですが、東京電力が毎年五千億はなかなか難しい。多分、今三千億ぐらいだと思うんですけれども、これを実現するのは大変難しい。しかもこれは、前提、賠償は四兆円となっていますが、もう賠償は八兆円か九兆円になっています。だから、二十二兆円で終わるかどうかも分からない。
次、お願いいたします。
これは、私が一緒になって報告書を出させていただいた日本経済研究センターの廃炉措置のコストの推定値なんですけれども、汚染水、処理水を海洋放出しないでトリチウムを分離した場合が一番高い、これは分離コストが非常に高い。
これは、日本で「ふげん」という研究炉がありましたが、そこで、重水炉なので、トリチウムの分離技術の試験をやっておりました。そのときのコストを基につくった数値なので、現実にここまでかかるかどうかは分かりませんが、トリチウムの分離技術が非常に高いということで、これだけ高い金額になっております。
それから、政府の二十二兆円との違いは、政府の二十二兆円の中には、放射性廃棄物の最終処分のコストが入っておりません。それを加えますと、何もしないでも、汚染水を海洋放出した場合でも、四十兆ぐらいかかる。
それから、先ほどのエンドステートの話ですが、すぐに廃炉をしないで、四十年、五十年おいておいてからやった場合、こうすると三十五兆円に下がる、こういうことですね。
次、お願いいたします。
スリーマイル島のときの費用をどう調達したか。
これは、金額的にまだ非常に少ない、一千億ぐらいなので少ないんですが、当時の議論を見ますと、電力会社が基本的には負担する。廃止措置基金というのは、これは日本でもありますけれども、電気料金で回収する仕組みになっているんですが、事故を起こしたということで、足りない分を資金調達しているわけですね。
右手の図にありますように、電力会社以外に、保険金とか、それから海外からもお金を集めているんですね。日本も、このGENDという仕組みの中に、電力十社、重電三社、原研などが、金額的には少ないんですけれども、資金を出しているということであります。
今も、実はその推定費用、不足しているということです。いまだに議論が続いています。それから、アメリカの場合は、電力会社の販売ということで、電力会社がTMIを、発電所を売るということもやっておりますので、なかなか難しい状況にありますが、今のところ、二〇三七年までかかるということになっております。
次、お願いいたします。
それから、チェルノブイリの事故の場合は、旧ソ連、ウクライナ共に資金が足りないということで、欧州復興開発銀行が中心になって、責任を持って資金調達及び廃炉の仕組みを考えるということで、二つ基金ができております。一つは、原子力安全基金。ここに、これはG7がつくったんですけれども、どういう国が協力しているか、書かれております。次に、最近シェルターを造ったわけですが、このシェルターを造るときにも、シェルター基金というのをつくって、これは全部、いろいろな国がやはり参画しております。
これらを見て分かりますように、廃止措置というのは大変お金がかかりますので、国際協力でやるという仕組みを考えてはどうでしょうかというのが私の提案です。
では次、お願いいたします。
したがって、廃止措置、今、東京電力の会計の中に組み込まれていますが、これを切り離して、透明性を高めた廃止措置・復興基金をつくっていただきたい。これも、管理も東電から離す、それで透明性を高めて、資金調達も海外からの寄附も含めてやってみる、こうやって国民の負担を最小化していきたいというふうに考えております。
次、お願いいたします。
最後になりますが、事故は終わっていないということなんですけれども、復興については、このすばらしい法律、皆さんが作られた、国会で、超党派で作られた子ども・被災者支援法、これを是非思い出していただいて、被災者がどのような選択をしても適切に支援する。今、帰還しないという決定をした被災者には支援が打ち切られるという実態が続いています。これは、やはりあってはならないことだと思います。
それから、国の責務も書かれています。こういうことで、この子ども・被災者支援法にのっとって、廃止措置、復興に取り組んでいただきたい。
最後のスライドをお願いいたします。
全体のプロセスを誰が評価するのか、これはまさに、私は国会の役割が大きいと思います。是非、独立した第三者機関、廃止措置の復興評価委員会というのを国会が検討していただいて、この信頼のあるプロセスにしていただきたいというのが私のお願いであります。
以上でございます。ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →今日は、お呼びいただきまして、ありがとうございます。
私からまず最初に、二点お伝えしたいことがあります。
最初に、まず既に黒川先生の方から話がありましたが、十年たちましたが、事故は終わっていないということであります。第二点は、この委員会の先生方に是非お願いしたいんですが、脱原発及び原子力推進という立場を超えて是非超党派で取り組んでいただきたい、それだけの問題がいっぱいあるということでございます。
では、スライドをお願いいたします。
既に私も三回ぐらいこの会議に呼んでいただいて、脱原発、推進にかかわらず、重要な課題として幾つか、使用済燃料、高レベル廃棄物処分の問題、核燃料サイクル、核テロリズム、規制の在り方、国民の信頼回復といった問題についてお話しさせていただきました。
今日は、特に廃止措置と復興の体制改革ということでお話しさせていただきたいと思います。
ポイントは三つですね。一つは、廃止措置を今東京電力が当然責任を持ってやっていくんですが、やはり資金的にも技術的にも東京電力では難しいということで、是非、専門の廃止措置機関というのを検討していただきたい。
二番目は、かかる費用、復興と廃止措置にかかる費用についても、先ほど橘川先生からもありましたが、今のままでは難しい、国民負担が増えていくということで、これも新しい基金構想というのをお願いしたいと思います。
最後に、この全体のプロセスを統合して、廃止措置と復興は非常に密接に関連しているんですが、それらを統合して客観的に評価する委員会というのをつくっていただきたいというのが今日の私のお話です。
次、お願いいたします。
このスライドは、私が原子力委員会にいたときに、事故直後の廃止措置の中長期ロードマップを作る専門部会の報告書の中で原子力委員会が作った文書でございます。
ちょっと読ませていただきますと、この問題は政府が責任を有するということをはっきり書いてあります。それから、国内外の知見を効果的に活用して行うこと。それから、透明性の確保。三番目が大事ですね。これらを評価、監査し、適宜に改善すべき点などを政府に提言する第三者機関、しかも海外の専門家を含む、を設置すべきであるという提言をさせていただきました。最後に、これも大事なんですが、当時どのような体制にすれば一番いいのかという議論がありましたが、一応、責任があるのは東京電力であるということで、民間の東京電力を中心に行うことにしたんですが、やはり、将来、専任の廃止措置機関を設置することも含めて、絶えず新しい、最適な運営体制の確立を政府にお願いしたいというのを原子力委員会として提言していただきましたが、この第三者委員会も、体制の見直しについても議論が進んでいないというのが現状だと思います。
次、お願いいたします。
今、一体、現在の体制はどうなっているのかというのをいろいろ探したんですが、なかなかはっきりした図がなくて、これは私が作ったんですけれども、一目で見ていただいて分かりますように、まず非常に複雑で、司令塔は誰なんだと。一応、東京電力のホールディングカンパニーと、その下にある福島第一廃炉推進カンパニーが中心になってはいるんですが、その隣に、政府が幾つもの委員会をつくって議論されている。こういう状態であります。
先ほどお話がありました処理水については、右の方に特別の委員会があるんですが、ここは政府が意思決定を行うということになっています。これは安倍首相のオリンピック招致委員会のところでの発言が効いておりますが。
いずれにしても、私が一番、まずこれを見て、司令塔がはっきりしない。
もう一つ、世界の英知を集める体制になっているかということなんですが、第一廃炉推進カンパニーに国際エキスパートグループというのがあります。これは実は、元々、左にあります技術研究組合の国際廃炉研究開発機構に属していましたが、廃炉カンパニーができてそっちに移ったんですが、ウェブサイトを見ましたが、メンバーが分かりません。どういうレポートを出しているのか見ましたが、出ていません。透明性が、はっきり分かりません。
しかも、この国際廃炉研究開発機構のメンバーを見ますと、国際という名前はついていますが、メンバー企業は全部日本の企業です、十八社、ここに書かれていますけれども。
したがって、私は、この廃炉問題というのは、これまでにない、非常に歴史的にも前例のない難しい作業で、世界の英知を集めることが大事だということで、それを是非もっと実現していただきたいと思います。
次、お願いいたします。
今、中心になっている東京電力については、先ほど橘川先生からもありましたが、信頼が揺らいでいる。私が最も心配している核テロリズムについて起きたこの事件は、大変深刻な事件であります。これは国際的に見ても、核セキュリティーの原点ともいうべき対策が取られていない。当然、規制委員会が厳しい措置を発しましたが、同じ東京電力が廃止措置をやっているということについて、私は非常に懸念を持っております。このような防護措置義務違反を起こすような東京電力に任せておいていいのかというのが、私の懸念であります。
次、お願いいたします。
これは最近行われました世論調査をちょっとまとめてみたんですが、先ほどお話がありましたが、処理水の海洋放出あるいは廃炉の進み方、政府の事故対応、それから原発再稼働、このいろいろな問題について、ほとんど、政府の動向に対する反対意見の方が多い。これが現状でありまして、こういう状況で、福島の廃止措置及び復興をそのままでいいのかというのが私のポイントであります。
次、お願いいたします。
それで、技術的な問題で申しますと、いろいろあるんですが、私、今日申し上げたいのは、実は、事故直後のロードマップを議論しているときに、一体、最終の状態、エンドステートと言われていますが、更地にするのか、それはできるのか、正直全く分からないということで、今、政府のロードマップを見ましても、曖昧になっています。確かに、デブリが取り出せるかどうか分からないということなんですが、とにかく、一応、原則としては、全部取り出して最終的には更地にしようという努力目標はありますが、よく分からない。
最近、去年の暮れですが、原子力学会が中間報告で出したレポートがあります。これはすばらしいレポートですので是非読んでいただきたいんですが、初めて専門家が公式に、最終状態についてどのような選択肢があるかということを議論いたしました。
大事なことは、更地にできなかった場合、やりたいと思ってもできなかった場合どうするかというときに、一つの選択肢として、チェルノブイリのような石棺にする、あるいは、TMIがそうですけれども、しばらく放置して、TMIは、スリーマイル島はもう使用済燃料を取り出していますけれども、廃炉をするのをしばらくおいておいて、安全に保管してからやるという、この選択肢によって廃棄物の量が大きく変わってきます。
この放射性廃棄物の量は、この原子力学会の資料によりますと、通常の原発廃炉の十倍以上になると。これでは大変なコストにもなりますし、作業も大変だということで、この最終状態についての議論を始める必要がある。そのためには、地元の方々との意見交換、ステークホルダーによる討議機会の整備というのを原子力学会が提言されていますので、是非読んでいただきたいと思います。
次、お願いいたします。
このようなことを考えまして、私としては、事故を起こした東京電力から独立させて、新しい信頼される廃止措置機関というのをつくることを検討していただきたい。
現場の作業員の方々に対して、私は、非常に高い敬意と感謝の気持ちでいっぱいであります。非常にリスクを冒して作業をされております。そういった方々のモラルを向上させる意味でも、東京電力の帽子ではなくて、新しい廃止措置機関の帽子で頑張っていただきたい。それから、新しい技術者を雇う意味でも、東京電力ではなくて新しい廃止措置機関ということで、新しい技術者をどんどん集めていくということが大事ではないか。
それから、透明性、信頼性を高める意味でも、今の組織ではなかなか難しい。
一つモデルとしては、イギリスの原子力廃止措置機関という、これは国の機関でありますが、当時もこの議論が少し行われました。
でも、なかなか、国の方が廃止措置の責任を持つということに対して抵抗がありました。私としては、是非この廃止措置機関を国が責任を持って行えるような形にしていただきたい。
それから、信頼関係の確保という意味でも、こういう機関にすることが大事ではないかと思います。
次、お願いいたします。
次に、資金の問題なんですが、これは現在の資金確保の絵なんですけれども、この原賠・廃炉機構が、東京電力、右の赤いところですね、原子力事業者にお金を、資金を交付して、これは、借金ではなくて、資金を出して、負担金という形で返しているということなんですが、この仕組みで本当にうまくいくのかどうか。これもひとつ複雑で、一般の方になかなか説明が難しいんですが。
次、お願いいたします。
これは、二〇一五年の十二月に東電の一F問題委員会というところが出した報告書の中にある図なんですが、二十二兆円という数値を、そのとき、それまでの十一兆円から二倍に増えたわけですけれども、この中身を見ていただきますと、東京電力が十六兆円、それから、ほかの電力が四兆円、国民負担が二兆円になっています。その前提は、東京電力が毎回年間〇・五兆円の収益を上げる、五千億円ですね、これが本当に可能なのか。これは橘川先生の方がお詳しいと思うんですが、東京電力が毎年五千億はなかなか難しい。多分、今三千億ぐらいだと思うんですけれども、これを実現するのは大変難しい。しかもこれは、前提、賠償は四兆円となっていますが、もう賠償は八兆円か九兆円になっています。だから、二十二兆円で終わるかどうかも分からない。
次、お願いいたします。
これは、私が一緒になって報告書を出させていただいた日本経済研究センターの廃炉措置のコストの推定値なんですけれども、汚染水、処理水を海洋放出しないでトリチウムを分離した場合が一番高い、これは分離コストが非常に高い。
これは、日本で「ふげん」という研究炉がありましたが、そこで、重水炉なので、トリチウムの分離技術の試験をやっておりました。そのときのコストを基につくった数値なので、現実にここまでかかるかどうかは分かりませんが、トリチウムの分離技術が非常に高いということで、これだけ高い金額になっております。
それから、政府の二十二兆円との違いは、政府の二十二兆円の中には、放射性廃棄物の最終処分のコストが入っておりません。それを加えますと、何もしないでも、汚染水を海洋放出した場合でも、四十兆ぐらいかかる。
それから、先ほどのエンドステートの話ですが、すぐに廃炉をしないで、四十年、五十年おいておいてからやった場合、こうすると三十五兆円に下がる、こういうことですね。
次、お願いいたします。
スリーマイル島のときの費用をどう調達したか。
これは、金額的にまだ非常に少ない、一千億ぐらいなので少ないんですが、当時の議論を見ますと、電力会社が基本的には負担する。廃止措置基金というのは、これは日本でもありますけれども、電気料金で回収する仕組みになっているんですが、事故を起こしたということで、足りない分を資金調達しているわけですね。
右手の図にありますように、電力会社以外に、保険金とか、それから海外からもお金を集めているんですね。日本も、このGENDという仕組みの中に、電力十社、重電三社、原研などが、金額的には少ないんですけれども、資金を出しているということであります。
今も、実はその推定費用、不足しているということです。いまだに議論が続いています。それから、アメリカの場合は、電力会社の販売ということで、電力会社がTMIを、発電所を売るということもやっておりますので、なかなか難しい状況にありますが、今のところ、二〇三七年までかかるということになっております。
次、お願いいたします。
それから、チェルノブイリの事故の場合は、旧ソ連、ウクライナ共に資金が足りないということで、欧州復興開発銀行が中心になって、責任を持って資金調達及び廃炉の仕組みを考えるということで、二つ基金ができております。一つは、原子力安全基金。ここに、これはG7がつくったんですけれども、どういう国が協力しているか、書かれております。次に、最近シェルターを造ったわけですが、このシェルターを造るときにも、シェルター基金というのをつくって、これは全部、いろいろな国がやはり参画しております。
これらを見て分かりますように、廃止措置というのは大変お金がかかりますので、国際協力でやるという仕組みを考えてはどうでしょうかというのが私の提案です。
では次、お願いいたします。
したがって、廃止措置、今、東京電力の会計の中に組み込まれていますが、これを切り離して、透明性を高めた廃止措置・復興基金をつくっていただきたい。これも、管理も東電から離す、それで透明性を高めて、資金調達も海外からの寄附も含めてやってみる、こうやって国民の負担を最小化していきたいというふうに考えております。
次、お願いいたします。
最後になりますが、事故は終わっていないということなんですけれども、復興については、このすばらしい法律、皆さんが作られた、国会で、超党派で作られた子ども・被災者支援法、これを是非思い出していただいて、被災者がどのような選択をしても適切に支援する。今、帰還しないという決定をした被災者には支援が打ち切られるという実態が続いています。これは、やはりあってはならないことだと思います。
それから、国の責務も書かれています。こういうことで、この子ども・被災者支援法にのっとって、廃止措置、復興に取り組んでいただきたい。
最後のスライドをお願いいたします。
全体のプロセスを誰が評価するのか、これはまさに、私は国会の役割が大きいと思います。是非、独立した第三者機関、廃止措置の復興評価委員会というのを国会が検討していただいて、この信頼のあるプロセスにしていただきたいというのが私のお願いであります。
以上でございます。ありがとうございました。拍手
渡
渡
津
津島淳#11
○津島委員 自由民主党の津島淳でございます。
本日は、アドバイザリー・ボードの先生方、四名の先生方、おいでいただきまして、まずはそれぞれの立場からの御意見を頂戴いたしました。こういう機会をいただけましたこと、心より感謝を申し上げ、また、こうして質疑に立たせていただけるということは、非常に私にとってありがたいことでございます。
改めて、委員長、理事、そして委員の皆さんに感謝を申し上げるところでございます。
私の地元というのは、青森県の第一選挙区、県庁所在地の青森市と、それから、原発関連施設が立地している下北半島というのが前回の選挙から選挙区に加わりました。ですので、初当選以来、二回の選挙というのは、直接その立地自治体というのは選挙区ではなかった、そういう感覚で有権者の皆さんとエネルギー問題に対して議論をしていた。
ただ、もちろん立地県とすれば、原発あるいはサイクル政策というのは進めていかなければならない、いや、進めましょうということを言っておったんですが、いよいよ立地自治体が選挙区に入ってくると、より直接の対話の機会というのが増えてくる。
私、思うんですが、原発を進めるか否かということを抜きに、どうも、この場での議論、永田町、霞が関の議論で地元の声というのがどうしても通っていないな、地元の皆さんが置き去りにされているというところが時に国に対する不信というものにつながりかねない、そういう危惧を持ちます。ですので、できるだけ私は、こういった国会での質疑の場で地元の声というのを紹介するようにしようとまず心がけているところであります。
もう既に原発誘致というものが決まって半世紀、四半世紀、そういう歴史がある中で、ある意味、立地自治体の住民の若い世代、多くは、原発施設があって当たり前、あるのが普通の状態で生まれ育っている、そういう世代がだんだんと増えてきています。つまりは、原発を入れるかどうかを決めるときに、それこそ身内同士が真っ二つに分かれて議論した、そういう歴史がだんだんと過去のものになりつつある。
石橋先生が今日もおっしゃっておられる、過去を、声をしっかり蓄積をしてデータとして残し、そこから何を読み取るのか、分析をして次なる政策に生かすということは大変大事なことであるし、その声を集めているのはほかの誰でもない我々国会議員。やはり、日常的にやっていること、そこから何を読み取って、どう生かしていくのか、まさに大事なことだ、そういう私どもの仕事の原点というものを改めて考えさせられる、今日、石橋先生のお話を聞いて思ったところでございます。
そして、どうしてもこの原子力をめぐる問題で二項対立の議論になりがちであるというのも、これはちょっとお互いに、相手の意見、私からすれば、反原発、脱原発の方のおっしゃることというのにやはりしっかり耳を傾けた上で、でも、私は、私自身の信念でもってやはりこの国には原子力というものが必要だと思うし、じゃ、それを国民的に合意を得て進めていくためには何をやらなきゃいけないのか、政治が何をなすべきなのかということを、真剣に答えを出していかなければ、ただ今までの延長線上で物事を進めようとしてもそれは理解は得られぬと思うところでございます。
ですから、大事なことは、意思決定をするときにどういう議論がなされ、結果どういう決定に至ったのかということ、プロセスを透明化することというのはすごく大事なことです。
私は、だから、この委員会の議論こそメディアがこぞって中継をして、全国民が、こういう議論をしているんだ、真摯な議論をしているんだということをやはり知ってもらった上で、国民の皆さんも、私は、原発しようがないな、原発進めようか、あるいはそうではない方もいらっしゃる、そういう流れにしていくということが必要だと思っております。
二十分時間いただいて私の演説で終わらせるのは非常にもったいないので、これからできるだけ四人の先生方に、お一人一問ぐらいはお聞きしていければと思っております。
まず、ちょっと個別の話にも入ってまいるんですが、今私が基本的に申し上げたこと、そして改めて、石橋先生に、私も、この国会事故調の報告書、震災、事故から十年ということで読ませていただいて、そして、実は今、我々、危機管理の真っただ中にあるわけですね。原発事故とはまた違う種類の危機に直面をしている。そういう中にあって、十年前のあのときの政府の対応というものを客観的に見て、どこに一番問題があったのか。
私は、ちなみにそのときは落選中で、より今よりは国民に近い立場で、一連の政府の対応というのを見ていました。見て、考えて、自分だったらこうする、こういうことを提言した、いろいろ考えていました。
情報の提供が非常に限られて、一方的であった。三月十一日のあのときは、珍しく太平洋側に雪が降る、つまり、日本海側から季節風が吹く、それが冬の当たり前の天気であった。そうじゃなかったですね、あのときは。むしろ、太平洋から風が入ってくる、陸地に向かって吹くようなそういう天気であったときに、同心円状の避難、最初の避難の対象地域の設定ということは、あれはやはりおかしい。気象条件等を考慮して当然に設定をすべきであったような、つまり、そういったことから、当初のシミュレーションというものが全くできていなかった。これは、政治の側がしっかり教訓とすべきことだろうと思っております。私はそういう、そのとき思ったことは今でも思っているし、それは何とかしなければいけないというふうに思っています。
石橋先生に、あのときの教訓ということを、報告書にも込められたと思いますが、問題点をいま一度明確に御指摘いただけるとありがたく存じますが、いかがでしょうか。
この発言だけを見る →本日は、アドバイザリー・ボードの先生方、四名の先生方、おいでいただきまして、まずはそれぞれの立場からの御意見を頂戴いたしました。こういう機会をいただけましたこと、心より感謝を申し上げ、また、こうして質疑に立たせていただけるということは、非常に私にとってありがたいことでございます。
改めて、委員長、理事、そして委員の皆さんに感謝を申し上げるところでございます。
私の地元というのは、青森県の第一選挙区、県庁所在地の青森市と、それから、原発関連施設が立地している下北半島というのが前回の選挙から選挙区に加わりました。ですので、初当選以来、二回の選挙というのは、直接その立地自治体というのは選挙区ではなかった、そういう感覚で有権者の皆さんとエネルギー問題に対して議論をしていた。
ただ、もちろん立地県とすれば、原発あるいはサイクル政策というのは進めていかなければならない、いや、進めましょうということを言っておったんですが、いよいよ立地自治体が選挙区に入ってくると、より直接の対話の機会というのが増えてくる。
私、思うんですが、原発を進めるか否かということを抜きに、どうも、この場での議論、永田町、霞が関の議論で地元の声というのがどうしても通っていないな、地元の皆さんが置き去りにされているというところが時に国に対する不信というものにつながりかねない、そういう危惧を持ちます。ですので、できるだけ私は、こういった国会での質疑の場で地元の声というのを紹介するようにしようとまず心がけているところであります。
もう既に原発誘致というものが決まって半世紀、四半世紀、そういう歴史がある中で、ある意味、立地自治体の住民の若い世代、多くは、原発施設があって当たり前、あるのが普通の状態で生まれ育っている、そういう世代がだんだんと増えてきています。つまりは、原発を入れるかどうかを決めるときに、それこそ身内同士が真っ二つに分かれて議論した、そういう歴史がだんだんと過去のものになりつつある。
石橋先生が今日もおっしゃっておられる、過去を、声をしっかり蓄積をしてデータとして残し、そこから何を読み取るのか、分析をして次なる政策に生かすということは大変大事なことであるし、その声を集めているのはほかの誰でもない我々国会議員。やはり、日常的にやっていること、そこから何を読み取って、どう生かしていくのか、まさに大事なことだ、そういう私どもの仕事の原点というものを改めて考えさせられる、今日、石橋先生のお話を聞いて思ったところでございます。
そして、どうしてもこの原子力をめぐる問題で二項対立の議論になりがちであるというのも、これはちょっとお互いに、相手の意見、私からすれば、反原発、脱原発の方のおっしゃることというのにやはりしっかり耳を傾けた上で、でも、私は、私自身の信念でもってやはりこの国には原子力というものが必要だと思うし、じゃ、それを国民的に合意を得て進めていくためには何をやらなきゃいけないのか、政治が何をなすべきなのかということを、真剣に答えを出していかなければ、ただ今までの延長線上で物事を進めようとしてもそれは理解は得られぬと思うところでございます。
ですから、大事なことは、意思決定をするときにどういう議論がなされ、結果どういう決定に至ったのかということ、プロセスを透明化することというのはすごく大事なことです。
私は、だから、この委員会の議論こそメディアがこぞって中継をして、全国民が、こういう議論をしているんだ、真摯な議論をしているんだということをやはり知ってもらった上で、国民の皆さんも、私は、原発しようがないな、原発進めようか、あるいはそうではない方もいらっしゃる、そういう流れにしていくということが必要だと思っております。
二十分時間いただいて私の演説で終わらせるのは非常にもったいないので、これからできるだけ四人の先生方に、お一人一問ぐらいはお聞きしていければと思っております。
まず、ちょっと個別の話にも入ってまいるんですが、今私が基本的に申し上げたこと、そして改めて、石橋先生に、私も、この国会事故調の報告書、震災、事故から十年ということで読ませていただいて、そして、実は今、我々、危機管理の真っただ中にあるわけですね。原発事故とはまた違う種類の危機に直面をしている。そういう中にあって、十年前のあのときの政府の対応というものを客観的に見て、どこに一番問題があったのか。
私は、ちなみにそのときは落選中で、より今よりは国民に近い立場で、一連の政府の対応というのを見ていました。見て、考えて、自分だったらこうする、こういうことを提言した、いろいろ考えていました。
情報の提供が非常に限られて、一方的であった。三月十一日のあのときは、珍しく太平洋側に雪が降る、つまり、日本海側から季節風が吹く、それが冬の当たり前の天気であった。そうじゃなかったですね、あのときは。むしろ、太平洋から風が入ってくる、陸地に向かって吹くようなそういう天気であったときに、同心円状の避難、最初の避難の対象地域の設定ということは、あれはやはりおかしい。気象条件等を考慮して当然に設定をすべきであったような、つまり、そういったことから、当初のシミュレーションというものが全くできていなかった。これは、政治の側がしっかり教訓とすべきことだろうと思っております。私はそういう、そのとき思ったことは今でも思っているし、それは何とかしなければいけないというふうに思っています。
石橋先生に、あのときの教訓ということを、報告書にも込められたと思いますが、問題点をいま一度明確に御指摘いただけるとありがたく存じますが、いかがでしょうか。
石
石橋哲#12
○石橋参考人 ありがとうございます。
今の津島先生の御質問は、多分、一言ではお答えし切れないということだと思います。ですから、この報告書でフルセットで御回答しているということだと思います。
今、私たち、コロナの災禍の真っただ中にいます。私にはあの福島原発事故の現象と非常に重なって見える部分があります。
確かに、二〇一一年の三月十一日、我々は、先生方もそうですし、日本政府もそうですし、国民側もそうだと思いますけれども、あのような事故が起こるということ、分かっていたはずなのに、可能性は十分認識されていたであろうはずなのに、知らないふりをしていたというのが事実だと思います。
このコロナ、感染症が大きな影響を及ぼすかもしれないということは、例えばあのゲイツさんがグローバルな基金を立てていらっしゃったりして、皆さん分かっていたはずです。それに対して効果的な手だてが、今たくさんの方々が御尽力をいただいていて、医療従事者の方も日夜、必死の御努力をいただいているところですけれども、必ずしも、ほかの国でうまくいっていると評価されているのに比べるとそこまでの対応はできていないというのが事実だと思いますので、それも分かっていたのに知らないふりをしている、そこが一番の問題ではないかと思います。
発生原因は幾つかあります。原発事故でも、人為的災害であったり人為外の災害であったり、若しくは内部事象であったり外部事象であったり、いろいろなことがあります。発生原因ごとに起こってくる経過というのはそれぞれ違うのかというと、恐らく共通の部分はたくさんあると思います。事象を縦割りで所管省庁ごとに対応していくのではなくて、発生事象がその後どのような進展をしていくのか、共通事項は何なのかという横串の目線で対策を考えていくということが、実はすごく大事なんじゃないかというふうに思います。
以上でございます。
この発言だけを見る →今の津島先生の御質問は、多分、一言ではお答えし切れないということだと思います。ですから、この報告書でフルセットで御回答しているということだと思います。
今、私たち、コロナの災禍の真っただ中にいます。私にはあの福島原発事故の現象と非常に重なって見える部分があります。
確かに、二〇一一年の三月十一日、我々は、先生方もそうですし、日本政府もそうですし、国民側もそうだと思いますけれども、あのような事故が起こるということ、分かっていたはずなのに、可能性は十分認識されていたであろうはずなのに、知らないふりをしていたというのが事実だと思います。
このコロナ、感染症が大きな影響を及ぼすかもしれないということは、例えばあのゲイツさんがグローバルな基金を立てていらっしゃったりして、皆さん分かっていたはずです。それに対して効果的な手だてが、今たくさんの方々が御尽力をいただいていて、医療従事者の方も日夜、必死の御努力をいただいているところですけれども、必ずしも、ほかの国でうまくいっていると評価されているのに比べるとそこまでの対応はできていないというのが事実だと思いますので、それも分かっていたのに知らないふりをしている、そこが一番の問題ではないかと思います。
発生原因は幾つかあります。原発事故でも、人為的災害であったり人為外の災害であったり、若しくは内部事象であったり外部事象であったり、いろいろなことがあります。発生原因ごとに起こってくる経過というのはそれぞれ違うのかというと、恐らく共通の部分はたくさんあると思います。事象を縦割りで所管省庁ごとに対応していくのではなくて、発生事象がその後どのような進展をしていくのか、共通事項は何なのかという横串の目線で対策を考えていくということが、実はすごく大事なんじゃないかというふうに思います。
以上でございます。
津
津島淳#13
○津島委員 石橋先生、ありがとうございます。
KYという言葉があって、空気を読まないんじゃなくて、危険予知。今は、前に言った空気を読まない方で思い浮かべる人が多くなってしまいましたが、実は、危険予知をKYといって、いろいろな企業の安全活動の一つの指針である。そして、ハインリッヒの法則というのがあって、重大なインシデントが起こるときには、必ず小さなインシデントの積み重ねによって、結果、重大なインシデント、事象が起こる、だから、小さな事象を見逃さないようにしよう、そういうことが基本であって。
私は、そして危機管理については、亡くなられました佐々淳行先生の御著書を読んで一つ印象残っている飛び報告という、平時の指揮命令系統の中で手順を追って報告をしていたら間に合わなくなる、万が一にもその対象者がその場にいなかったら帰ってくるまで報告が遅れることになります、そんなことをしていたら危機がどんどん事態が進行してしまうから、いなかったら飛び越してその上の人に、直接トップに報告する、それをいとわない、そういう姿勢が大事だという、非常に印象に残っています、こうしたこと。そして横串をしっかり通していくということ。
何よりもの教訓であって、そうしたことを今の事態そして次なる事態にどう生かしていくかというのを、それをしっかり生かせる状況にしていかなければ次の世代にも申し訳が立たぬ、私はそういうふうに思っております。ですので、引き続き、そういった考え方で議論をこの場でもさせていただけたら本当にありがたいなと思います。
そして、今度は黒川先生に、ALPS処理水の海洋放出の決定について、諸外国との関係、そして我が国の取るべきスタンス、そういった観点から質問します。
科学的にいろいろ言われている、いわゆる多核種除去装置、ALPSによる処理水については、トリチウム以外の物質については取り除くことができる、そして、トリチウムというものは非常に現代の技術でも取り除くのは難しい。まずそこは共通認識をこの場で持たせていただいた上で、こういった措置は世界の原発において同様の措置が取られている、これも共通認識で持たせていただいて、じゃ、今回の福島のをどうするんだという。
トリチウムを含んだ処理水については、規制基準はもちろん、WHOの飲料水の基準よりも薄めて、希釈して放出しますということ、これは、私が得た情報では、韓国もそのことは分かっている。内部で韓国政府はそういった情報を分かっていて、当初、猛反発をしました。しかし、欧米の反応というのは、おおむね好意的な、そして妥当なものだ、そういう論評が多くございました。韓国も、例えば米国のケリー特使が訪韓したときに協力を打診したのがうまくいかなかったということが、今、かの国は方針を転換し、当初の猛反発から何やら条件闘争に入りそうな、そんな気配がいたしております。
私は、日本政府として、とにかく定期的に透明性を持ってデータを出し続け、海洋放出の妥当性ということを示す、これは対外的にもそうですし、何よりも、私も地元の漁師さんとの対話ということの中でいろんな懸念をいただきます。福島だけじゃない。東北というのは、西日本の方々から、あるいは世界から見れば、福島も青森も同じ東北なんですね。ということは、福島の問題は青森の問題であって、私はそういう漁師さんの気持ちが痛いほど分かる。だからこそ、じゃ、なすべきこととして、徹底的に透明性を持たせてデータを出していくことが重要だと思うんですが、黒川先生の御見識をいただきたいと思います。
この発言だけを見る →KYという言葉があって、空気を読まないんじゃなくて、危険予知。今は、前に言った空気を読まない方で思い浮かべる人が多くなってしまいましたが、実は、危険予知をKYといって、いろいろな企業の安全活動の一つの指針である。そして、ハインリッヒの法則というのがあって、重大なインシデントが起こるときには、必ず小さなインシデントの積み重ねによって、結果、重大なインシデント、事象が起こる、だから、小さな事象を見逃さないようにしよう、そういうことが基本であって。
私は、そして危機管理については、亡くなられました佐々淳行先生の御著書を読んで一つ印象残っている飛び報告という、平時の指揮命令系統の中で手順を追って報告をしていたら間に合わなくなる、万が一にもその対象者がその場にいなかったら帰ってくるまで報告が遅れることになります、そんなことをしていたら危機がどんどん事態が進行してしまうから、いなかったら飛び越してその上の人に、直接トップに報告する、それをいとわない、そういう姿勢が大事だという、非常に印象に残っています、こうしたこと。そして横串をしっかり通していくということ。
何よりもの教訓であって、そうしたことを今の事態そして次なる事態にどう生かしていくかというのを、それをしっかり生かせる状況にしていかなければ次の世代にも申し訳が立たぬ、私はそういうふうに思っております。ですので、引き続き、そういった考え方で議論をこの場でもさせていただけたら本当にありがたいなと思います。
そして、今度は黒川先生に、ALPS処理水の海洋放出の決定について、諸外国との関係、そして我が国の取るべきスタンス、そういった観点から質問します。
科学的にいろいろ言われている、いわゆる多核種除去装置、ALPSによる処理水については、トリチウム以外の物質については取り除くことができる、そして、トリチウムというものは非常に現代の技術でも取り除くのは難しい。まずそこは共通認識をこの場で持たせていただいた上で、こういった措置は世界の原発において同様の措置が取られている、これも共通認識で持たせていただいて、じゃ、今回の福島のをどうするんだという。
トリチウムを含んだ処理水については、規制基準はもちろん、WHOの飲料水の基準よりも薄めて、希釈して放出しますということ、これは、私が得た情報では、韓国もそのことは分かっている。内部で韓国政府はそういった情報を分かっていて、当初、猛反発をしました。しかし、欧米の反応というのは、おおむね好意的な、そして妥当なものだ、そういう論評が多くございました。韓国も、例えば米国のケリー特使が訪韓したときに協力を打診したのがうまくいかなかったということが、今、かの国は方針を転換し、当初の猛反発から何やら条件闘争に入りそうな、そんな気配がいたしております。
私は、日本政府として、とにかく定期的に透明性を持ってデータを出し続け、海洋放出の妥当性ということを示す、これは対外的にもそうですし、何よりも、私も地元の漁師さんとの対話ということの中でいろんな懸念をいただきます。福島だけじゃない。東北というのは、西日本の方々から、あるいは世界から見れば、福島も青森も同じ東北なんですね。ということは、福島の問題は青森の問題であって、私はそういう漁師さんの気持ちが痛いほど分かる。だからこそ、じゃ、なすべきこととして、徹底的に透明性を持たせてデータを出していくことが重要だと思うんですが、黒川先生の御見識をいただきたいと思います。
黒
黒川清#14
○黒川参考人 御指摘ありがとうございます。
実は、前回のときに、佐藤さんという方をお呼びして、しゃべってもらいました。そのとき彼は、処理水にどのぐらいほかの核があるのかという話を、見せていただいたので、それをまたお送りします、最近のデータも。
やはり、それは隠す必要はないんだけれども、それが出てこないというところに一番問題があるわけで、後で出たときに大騒ぎになる。先生のおっしゃるとおり、やはり透明性が大事ですので、元のあるデータをそのまま出した上でやっていただきたいなというのが私の主張で、皆さん、新聞もそうですけれども、トリチウム、トリチウムと言っているから間違っちゃうわけで、トリチウムはどこでも流していますよね。だけれども、今、汚染水が流れてきちゃっているので、これを処理したらトリチウムだけのはずはないわけで、それがどのぐらいあるのかということを常に透明性を持っていればいいわけで、それが後で分かっちゃったときには、この濃度ならいいんだよと言っても、先生のおっしゃるとおり、透明性が、出たときに違って出たら、途端にもう信頼がなくなっちゃう、これが私が一番恐れていることなので、先生のおっしゃるとおりだと思います。
この発言だけを見る →実は、前回のときに、佐藤さんという方をお呼びして、しゃべってもらいました。そのとき彼は、処理水にどのぐらいほかの核があるのかという話を、見せていただいたので、それをまたお送りします、最近のデータも。
やはり、それは隠す必要はないんだけれども、それが出てこないというところに一番問題があるわけで、後で出たときに大騒ぎになる。先生のおっしゃるとおり、やはり透明性が大事ですので、元のあるデータをそのまま出した上でやっていただきたいなというのが私の主張で、皆さん、新聞もそうですけれども、トリチウム、トリチウムと言っているから間違っちゃうわけで、トリチウムはどこでも流していますよね。だけれども、今、汚染水が流れてきちゃっているので、これを処理したらトリチウムだけのはずはないわけで、それがどのぐらいあるのかということを常に透明性を持っていればいいわけで、それが後で分かっちゃったときには、この濃度ならいいんだよと言っても、先生のおっしゃるとおり、透明性が、出たときに違って出たら、途端にもう信頼がなくなっちゃう、これが私が一番恐れていることなので、先生のおっしゃるとおりだと思います。
津
津島淳#15
○津島委員 ありがとうございます。
透明性ということは、かつて私はフランスのラ・アーグの再処理を視察したときに、日々のデータをちゃんとつまびらかにしているというところ、非常に地味なことなんですけれども、これは大事なことだというふうに感銘を受けた記憶がございます。
それから、今、黒川先生おっしゃった、元を断たなきゃいけない、福島の話です。元を断たなきゃいけないという、地下水の動きをしっかり解明して、できるだけ止めるということをやらないと、処理水の元の汚染水が生まれる状態も止めていかなきゃいけないということも私は大事だと思っています。そういったことも全部つまびらかにしていくということが極めて重要なことであろうというふうに思っております。
質問時間、あと三分ほどですので、ちょっと今度は、リプレース、そして廃炉、これは実は私はセットだと思っています。原発はもう要らないという方は、もう廃炉だけで十分だろう、リプレースはという話はあるかもしれませんが、いやいやと。やはり、新しい知見を入れた、新しい技術で造った炉というものを、今造っているのであれば、大間がそうですが、これを生かしていく方が、相対的なリスクという部分では低いのではないかという議論は、これはあり得ると思うんですね。そして、新しいものに置き換えるということを議論せずにエネルギーのベストミックスということを考えるのは、これは非現実的。これは、誰しも、それはそうだよねと納得いただけることだと思うんですね。
さあ、じゃ、廃炉ということは、いずれにしろ日本が避けては通れない。これはいつかはやらなきゃいけない。
私は、かつて、この委員会、あのときは高木先生、そして吉野先生、そして藤野先生も御一緒でした、アメリカに視察に行かせていただきました。なかなか面白い面々だと皆様お感じになるかもしれません。勉強になりました。
アメリカでは、結局、廃炉になる炉をその電力会社から切り離しちゃうんですね。だから、廃炉に関する負担というものをその電力会社からなくすということ、このことについて、アメリカのモデルというのを、橘川先生と鈴木先生、特に鈴木先生は福島の廃炉ということに特化してお聞きしますけれども、それぞれ、ちょっとお一言ずついただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
この発言だけを見る →透明性ということは、かつて私はフランスのラ・アーグの再処理を視察したときに、日々のデータをちゃんとつまびらかにしているというところ、非常に地味なことなんですけれども、これは大事なことだというふうに感銘を受けた記憶がございます。
それから、今、黒川先生おっしゃった、元を断たなきゃいけない、福島の話です。元を断たなきゃいけないという、地下水の動きをしっかり解明して、できるだけ止めるということをやらないと、処理水の元の汚染水が生まれる状態も止めていかなきゃいけないということも私は大事だと思っています。そういったことも全部つまびらかにしていくということが極めて重要なことであろうというふうに思っております。
質問時間、あと三分ほどですので、ちょっと今度は、リプレース、そして廃炉、これは実は私はセットだと思っています。原発はもう要らないという方は、もう廃炉だけで十分だろう、リプレースはという話はあるかもしれませんが、いやいやと。やはり、新しい知見を入れた、新しい技術で造った炉というものを、今造っているのであれば、大間がそうですが、これを生かしていく方が、相対的なリスクという部分では低いのではないかという議論は、これはあり得ると思うんですね。そして、新しいものに置き換えるということを議論せずにエネルギーのベストミックスということを考えるのは、これは非現実的。これは、誰しも、それはそうだよねと納得いただけることだと思うんですね。
さあ、じゃ、廃炉ということは、いずれにしろ日本が避けては通れない。これはいつかはやらなきゃいけない。
私は、かつて、この委員会、あのときは高木先生、そして吉野先生、そして藤野先生も御一緒でした、アメリカに視察に行かせていただきました。なかなか面白い面々だと皆様お感じになるかもしれません。勉強になりました。
アメリカでは、結局、廃炉になる炉をその電力会社から切り離しちゃうんですね。だから、廃炉に関する負担というものをその電力会社からなくすということ、このことについて、アメリカのモデルというのを、橘川先生と鈴木先生、特に鈴木先生は福島の廃炉ということに特化してお聞きしますけれども、それぞれ、ちょっとお一言ずついただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
橘
橘川武郎#16
○橘川参考人 時間がないので手短にお答えさせていただきます。
私は、アメリカと日本の非常に大きな違いは、例えばスリーマイルでも、二つ炉があって、片方がメルトダウンしたんですけれども、八年ぐらいたったらそれをまた、もう一個の炉は使っているわけですね。非常に現実的な、調整能力が高いやり方をしていると思いますが、その大きな力は海軍の力だと思います。そういう、日本の場合に、第三者的な調停を行う人がいないというところが日米間の一番大きな違いだと思っております。
以上です。
この発言だけを見る →私は、アメリカと日本の非常に大きな違いは、例えばスリーマイルでも、二つ炉があって、片方がメルトダウンしたんですけれども、八年ぐらいたったらそれをまた、もう一個の炉は使っているわけですね。非常に現実的な、調整能力が高いやり方をしていると思いますが、その大きな力は海軍の力だと思います。そういう、日本の場合に、第三者的な調停を行う人がいないというところが日米間の一番大きな違いだと思っております。
以上です。
鈴
鈴木達治郎#17
○鈴木参考人 アメリカの原子力発電所の廃止措置、一般的には日本と同じで電力会社がやる責任を持っておりまして、ただ、費用については、電気料金から回収するもので基金をつくるという制度になっています。スリーマイル島の事故の廃止措置については、御指摘のとおり、特別の措置が行われておりまして、不足分をほかのところから調達していいと。ただし、基本は民間が責任を持つということであります。
以上です。
この発言だけを見る →以上です。
津
渡
浅
浅野哲#20
○浅野委員 国民民主党の浅野哲でございます。
本日は、アドバイザリー・ボードの皆様には、お忙しい中、大変貴重なお話を伺わせていただきまして、ありがとうございました。本日お話しいただいた内容も含めて、これから少し質問をさせていただきたいと思いますが、私からは、まず黒川参考人と石橋参考人にお伺いをしたいと思っております。
冒頭おっしゃっておりましたように、東日本大震災から十年が経過をいたしました。当委員会も、この事故調の提言を受けて発足をし、それ以降様々な議論をしてまいっておりますが、私自身は三年半前の選挙で初当選をした身ですので、そこから三年半、この委員会に所属をして、議論の経過を見させていただいております。それ以前の議論についても議事録等で勉強させていただいておりますが、本日も石橋参考人からありましたように、この十年間、この委員会が、当初、提言の一に込められた思いに対して、どのような評価、思いを皆様が持たれているかというところを、まず最初にお二人から伺いたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
この発言だけを見る →本日は、アドバイザリー・ボードの皆様には、お忙しい中、大変貴重なお話を伺わせていただきまして、ありがとうございました。本日お話しいただいた内容も含めて、これから少し質問をさせていただきたいと思いますが、私からは、まず黒川参考人と石橋参考人にお伺いをしたいと思っております。
冒頭おっしゃっておりましたように、東日本大震災から十年が経過をいたしました。当委員会も、この事故調の提言を受けて発足をし、それ以降様々な議論をしてまいっておりますが、私自身は三年半前の選挙で初当選をした身ですので、そこから三年半、この委員会に所属をして、議論の経過を見させていただいております。それ以前の議論についても議事録等で勉強させていただいておりますが、本日も石橋参考人からありましたように、この十年間、この委員会が、当初、提言の一に込められた思いに対して、どのような評価、思いを皆様が持たれているかというところを、まず最初にお二人から伺いたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
黒
黒川清#21
○黒川参考人 私は本当に原子力とかそういうところは全く素人だったんですけれども、あの事故が起こったときに私はアメリカで十四年、大学のキャリアをつくっていましたので、アメリカのナショナルアカデミーの方のメディスンのメンバーになっておりましたので、あそこは、必ず何かがあったときに、政策もそうですし、ナショナルアカデミーが、これはリンカーンがつくっているんですけれども、これをつくったときに、あなたたちは、そういういろんなところの科学者たちなんだから、政府の法律とか政策について常に評価をし、また提言をしてくださいということを最初に言っておられるんですね。
だから、このアカデミー、これは今学術会議ですけれども、アメリカではそのナショナルアカデミーがそういうリンカーンのイニシアチブでできているんですね。それが、マンデートとして、政府について、いろんなクリティカルなことを言ってくださいという話をしているので、僕はそれを必ずやるようになっているんです。
ところが、イギリスの場合もそうですけれども、トニー・ブレアのときにイラク戦争に参戦しましたよね。だけれども、あれはちゃんとしたプロセスを取っていなかったんじゃないのかという話を、やはりこういう独立な委員会を作って、十四か月かかって、あれは確かにちゃんとしたプロセスを踏んでいなかったという結果を出しています。トニー・ブレアは、辞めていましたけれどもまだ元気でしたから、そんなことはないんだと言っていたけれども、みんな無視しちゃいましたね。だから、その行政のプロセスとかそういうことを、必ずインディペンデントな委員会をしてやるという、非常に健全なところがあるなと。
これが、私たちがやったのは、国会が新しい法律を作って、独立した人に調査をやらせたという話自身が日本では初めてなんですね。だから、私が名指しされたのは、私は本当に素人なのに、そういうやり方を知っていたので、なるべく全部公開してやったというのもそうなんですけれども、そういう意味で、かなり歴史的な違いがあるなと思っています。
ですから、あれをきっかけに、またこういう独立した委員会をどんどんどんどんつくるといいんじゃないかなとおっしゃっているのが、実を言うと、今の大島衆議院議長があるところにコメントをされておりまして、議運というのはすごく大事だと。衆議院も参議院も議運が大事なんだけれども、これをもっと活用しろと。活用するときに、何も国会議員だけじゃなくて、ほかの人たちも入れたらいいんだよ、その一番いい例が国会事故調だということをおっしゃっているんですね。
私、だから、去年ですけれども、大島先生のところにお話しに行っていろいろ話をしていったら、そのとおりなんだよとおっしゃっていましたけれども、これが初めてだったということ自身に、日本の、行政をチェックするとか、メカニズムが十分じゃないなというのは、それは、国会の先生たちだけではやはりいろんなところが、限りがあるので、私、国会事故調をやっているときに非常に感じたのは、あのときは民主党政権ですけれども、役所の人も呼んでいろいろ聞きました。議員さんも呼びました。菅総理も呼びましたけれども、私があのとき一番感じた違いは、役所の人たちと違いを感じたのは、やはりさっきのお話どおりに、国会議員の方は、皆さん選ばれてきますので、いろんな違ったスペクトラムの、選挙をする人たちのことを知っているわけですよ。だから、議員さんに質問しているときの返事が、非常に国民に近い答えをされるんですね。ところが、役所の人というのは全然やはり違うんですね。あれで、私は呼んでいろいろな話を委員会のときに聞いたときに、あっ、こんなに違うんだ、最初から違うということをすごく感じました。
それで、やはり議員さんの力の多様性、それから、地元の人たちの、多様な人たちをリプレゼントして、代表しているんだなということを本当にあのとき感じて、どこかに書いたことがありますけれども、役所の人とは全然違うなという、その感覚が私は大事だと思って、先生がおっしゃることは一つ一つがすごく私、腑に落ちたような気がするし、先生の言うこともそうだと思ったので、余計なことも言いましたけれども、そういうことでございました。それで、大島議長にもちょっとお時間をいただいて、その話をちょっとしに行ったことがございます。
ありがとうございます。
この発言だけを見る →だから、このアカデミー、これは今学術会議ですけれども、アメリカではそのナショナルアカデミーがそういうリンカーンのイニシアチブでできているんですね。それが、マンデートとして、政府について、いろんなクリティカルなことを言ってくださいという話をしているので、僕はそれを必ずやるようになっているんです。
ところが、イギリスの場合もそうですけれども、トニー・ブレアのときにイラク戦争に参戦しましたよね。だけれども、あれはちゃんとしたプロセスを取っていなかったんじゃないのかという話を、やはりこういう独立な委員会を作って、十四か月かかって、あれは確かにちゃんとしたプロセスを踏んでいなかったという結果を出しています。トニー・ブレアは、辞めていましたけれどもまだ元気でしたから、そんなことはないんだと言っていたけれども、みんな無視しちゃいましたね。だから、その行政のプロセスとかそういうことを、必ずインディペンデントな委員会をしてやるという、非常に健全なところがあるなと。
これが、私たちがやったのは、国会が新しい法律を作って、独立した人に調査をやらせたという話自身が日本では初めてなんですね。だから、私が名指しされたのは、私は本当に素人なのに、そういうやり方を知っていたので、なるべく全部公開してやったというのもそうなんですけれども、そういう意味で、かなり歴史的な違いがあるなと思っています。
ですから、あれをきっかけに、またこういう独立した委員会をどんどんどんどんつくるといいんじゃないかなとおっしゃっているのが、実を言うと、今の大島衆議院議長があるところにコメントをされておりまして、議運というのはすごく大事だと。衆議院も参議院も議運が大事なんだけれども、これをもっと活用しろと。活用するときに、何も国会議員だけじゃなくて、ほかの人たちも入れたらいいんだよ、その一番いい例が国会事故調だということをおっしゃっているんですね。
私、だから、去年ですけれども、大島先生のところにお話しに行っていろいろ話をしていったら、そのとおりなんだよとおっしゃっていましたけれども、これが初めてだったということ自身に、日本の、行政をチェックするとか、メカニズムが十分じゃないなというのは、それは、国会の先生たちだけではやはりいろんなところが、限りがあるので、私、国会事故調をやっているときに非常に感じたのは、あのときは民主党政権ですけれども、役所の人も呼んでいろいろ聞きました。議員さんも呼びました。菅総理も呼びましたけれども、私があのとき一番感じた違いは、役所の人たちと違いを感じたのは、やはりさっきのお話どおりに、国会議員の方は、皆さん選ばれてきますので、いろんな違ったスペクトラムの、選挙をする人たちのことを知っているわけですよ。だから、議員さんに質問しているときの返事が、非常に国民に近い答えをされるんですね。ところが、役所の人というのは全然やはり違うんですね。あれで、私は呼んでいろいろな話を委員会のときに聞いたときに、あっ、こんなに違うんだ、最初から違うということをすごく感じました。
それで、やはり議員さんの力の多様性、それから、地元の人たちの、多様な人たちをリプレゼントして、代表しているんだなということを本当にあのとき感じて、どこかに書いたことがありますけれども、役所の人とは全然違うなという、その感覚が私は大事だと思って、先生がおっしゃることは一つ一つがすごく私、腑に落ちたような気がするし、先生の言うこともそうだと思ったので、余計なことも言いましたけれども、そういうことでございました。それで、大島議長にもちょっとお時間をいただいて、その話をちょっとしに行ったことがございます。
ありがとうございます。
石
石橋哲#22
○石橋参考人 ありがとうございます。
今のこの衆議院の原子力問題調査特別委員会のこれまでの活動をどう評価しているかというお言葉だったと思いますので、まず先生はどのように評価されているんでしょうかということをまずお伺いしたいんですけれども、質問してはいけないというふうに初めにお伺いしましたので、是非いつか教えていただきたいというふうに思います。
今お手元にお配りしてくださっております国会事故調のダイジェスト版というのがございます。これをちらっと見ていただきますと、めくっていただいた二ページ目の一番上に、「提言一 規制当局に対する国会の監視」という項目がございます。当委員会はこの提言一に基づいてできたというふうにお伺いをしております。
このタイトル、「規制当局に対する国会の監視」というところが非常に大きく出ていますので、この委員会そのものは原子力規制委員会若しくは原子力規制庁を監視するのだとされているというふうに、当初のこの委員会の設置のときの与野党申合せでそのようになったというふうにお伺いをしております。
ただ、実際、これは中身を御覧いただきますと、別添でついております付録二というのも今回お配りさせていただいておりますが、この3)のところ、多くの問題に関し、実施状況について監視活動を行う、国会による継続監視が必要な事項として本編に添付と書いています。この「本編に添付」というのが、付録二の必要な事項というものでございます。
項目を御覧ください。規制委員会、規制庁を監視するだけでできるとは思えません。何のためにこれがあるかというと、規制のとりこが再び生じないように、国民の代表である立法府の先生方が行政府を監視、監督してください、そういう体制をつくってくださいということを申し上げております。
さて、それをするためにはこの提言七つを全部やってください、フルセットですというふうに申し上げているんですが、先ほども御覧いただきましたとおり、先ほどのダイジェスト版の九ページ目の右側です、「提言の実現に向けて」というところがあります。第一パラグラフの四行目ですね。「当委員会は国会に対してこの提言の実現に向けた実施計画を速やかに策定し、その進捗の状況を国民に公表することを期待する。」と書いております。
先ほども御質問させていただきましたけれども、ああ、質問してはいけないんですね、私の意見として申し述べさせていただきましたけれども、実施計画の御議論はどこまで進捗されていらっしゃいますでしょうか。二〇一九年の十二月の五日、私は同じ質問を、たしか三回目、させていただきました。是非その進捗をお聞かせいただきたいというふうに思っております。意見でございますので。
以上でございます。
この発言だけを見る →今のこの衆議院の原子力問題調査特別委員会のこれまでの活動をどう評価しているかというお言葉だったと思いますので、まず先生はどのように評価されているんでしょうかということをまずお伺いしたいんですけれども、質問してはいけないというふうに初めにお伺いしましたので、是非いつか教えていただきたいというふうに思います。
今お手元にお配りしてくださっております国会事故調のダイジェスト版というのがございます。これをちらっと見ていただきますと、めくっていただいた二ページ目の一番上に、「提言一 規制当局に対する国会の監視」という項目がございます。当委員会はこの提言一に基づいてできたというふうにお伺いをしております。
このタイトル、「規制当局に対する国会の監視」というところが非常に大きく出ていますので、この委員会そのものは原子力規制委員会若しくは原子力規制庁を監視するのだとされているというふうに、当初のこの委員会の設置のときの与野党申合せでそのようになったというふうにお伺いをしております。
ただ、実際、これは中身を御覧いただきますと、別添でついております付録二というのも今回お配りさせていただいておりますが、この3)のところ、多くの問題に関し、実施状況について監視活動を行う、国会による継続監視が必要な事項として本編に添付と書いています。この「本編に添付」というのが、付録二の必要な事項というものでございます。
項目を御覧ください。規制委員会、規制庁を監視するだけでできるとは思えません。何のためにこれがあるかというと、規制のとりこが再び生じないように、国民の代表である立法府の先生方が行政府を監視、監督してください、そういう体制をつくってくださいということを申し上げております。
さて、それをするためにはこの提言七つを全部やってください、フルセットですというふうに申し上げているんですが、先ほども御覧いただきましたとおり、先ほどのダイジェスト版の九ページ目の右側です、「提言の実現に向けて」というところがあります。第一パラグラフの四行目ですね。「当委員会は国会に対してこの提言の実現に向けた実施計画を速やかに策定し、その進捗の状況を国民に公表することを期待する。」と書いております。
先ほども御質問させていただきましたけれども、ああ、質問してはいけないんですね、私の意見として申し述べさせていただきましたけれども、実施計画の御議論はどこまで進捗されていらっしゃいますでしょうか。二〇一九年の十二月の五日、私は同じ質問を、たしか三回目、させていただきました。是非その進捗をお聞かせいただきたいというふうに思っております。意見でございますので。
以上でございます。
浅
浅野哲#23
○浅野委員 ありがとうございました。
今いただいた御意見を踏まえて、私としても、今後の当委員会の内容については引き続き改善に貢献できるように全力を尽くしてまいりたいと思っております。
次の質問ですけれども、当委員会の役割の一つとして、石橋参考人がおっしゃったように、規制行政の監視というのがございます。次は橘川参考人に少し御意見をいただきたいと思っておりますが、さきの柏崎刈羽原子力発電所での核防護設備の不全の事案がございました。現在、この委員会でも規制当局に関連質疑を行っているところでありますが、私が今日伺いたいのは、そもそもこの不全が発覚した経過を聞いておりますと、どういう異常が起こったときに報告するかというルールがいまいちまだ不完全であったのではないか、そのような懸念を持っております。あくまでも事業者の裁量性にある程度委任をした形で報告を求めていた結果、ほかの事業者は一つ一つ丁寧に報告していたのに対して、今回、東京電力は、これまでは包括的に報告していたので詳細が伝え切れなかったというような話も聞いております。
こうしたことを聞くと、規制側が事業者の裁量に任せる部分については再点検をする必要があるのではないかということ、また、少しこの問題に関連して、これから規制委員会は約二千時間に及ぶ審査、調査を行うということになっていますが、二千という数字がなぜ出てきたのかというと、このガイドラインに二千という数字が書いてあるからなんですが、やや画一的ではないかというような印象も持っております。やはり異常の内容に応じてしっかりそれにふさわしい調査時間を確保するのが筋であろうかと思います。
そういったことを考えますと、この規制行政の在り方について、事業者側の裁量に任せ過ぎていた部分があるのではないか、そして、その規制側の対応としても、個別の事案によらず、やや画一的な数字が、二千という数字が今回書かれていることを見ると、やはりこの規制の行い方について私は課題感を持っているんですが、橘川参考人の御意見、この件について御開陳いただければと思います。
この発言だけを見る →今いただいた御意見を踏まえて、私としても、今後の当委員会の内容については引き続き改善に貢献できるように全力を尽くしてまいりたいと思っております。
次の質問ですけれども、当委員会の役割の一つとして、石橋参考人がおっしゃったように、規制行政の監視というのがございます。次は橘川参考人に少し御意見をいただきたいと思っておりますが、さきの柏崎刈羽原子力発電所での核防護設備の不全の事案がございました。現在、この委員会でも規制当局に関連質疑を行っているところでありますが、私が今日伺いたいのは、そもそもこの不全が発覚した経過を聞いておりますと、どういう異常が起こったときに報告するかというルールがいまいちまだ不完全であったのではないか、そのような懸念を持っております。あくまでも事業者の裁量性にある程度委任をした形で報告を求めていた結果、ほかの事業者は一つ一つ丁寧に報告していたのに対して、今回、東京電力は、これまでは包括的に報告していたので詳細が伝え切れなかったというような話も聞いております。
こうしたことを聞くと、規制側が事業者の裁量に任せる部分については再点検をする必要があるのではないかということ、また、少しこの問題に関連して、これから規制委員会は約二千時間に及ぶ審査、調査を行うということになっていますが、二千という数字がなぜ出てきたのかというと、このガイドラインに二千という数字が書いてあるからなんですが、やや画一的ではないかというような印象も持っております。やはり異常の内容に応じてしっかりそれにふさわしい調査時間を確保するのが筋であろうかと思います。
そういったことを考えますと、この規制行政の在り方について、事業者側の裁量に任せ過ぎていた部分があるのではないか、そして、その規制側の対応としても、個別の事案によらず、やや画一的な数字が、二千という数字が今回書かれていることを見ると、やはりこの規制の行い方について私は課題感を持っているんですが、橘川参考人の御意見、この件について御開陳いただければと思います。
橘
橘川武郎#24
○橘川参考人 御質問ありがとうございました。
まず、今回の件は、いろいろ、裁量に任されている問題の中のいろいろある中で、それ以前の問題なんですね、全て。先ほど言いましたけれども、危険性の最小化というのが原子力を動かすときの大前提なので、そこの本当に大前提に関わる問題なので、これはほかの問題とちょっと区別して考えた方がいいんじゃないか、それぐらいの深刻な問題があると思います。物によってはいろいろな規制の中で裁量に任せた方がかえって進むというような部分があると思いますけれども、この核防護のことに関して言うとそれは違うんじゃないかというふうに思います。
それから、二千時間の件は、私、専門家でないので、専門家でない人間が割と何でもしゃべっちゃうところが有識者の問題だと思っていますので、私、文科系の歴史家なので、そこのところはお答えできません。
ただ、一般論として、規制委員会について私が思っていることは、反原発派の人も推進派の人も両方文句を言っているんです、規制委員会に対して。ということは、規制委員会は頑張っているんじゃないかというのが私の意見であります。
この発言だけを見る →まず、今回の件は、いろいろ、裁量に任されている問題の中のいろいろある中で、それ以前の問題なんですね、全て。先ほど言いましたけれども、危険性の最小化というのが原子力を動かすときの大前提なので、そこの本当に大前提に関わる問題なので、これはほかの問題とちょっと区別して考えた方がいいんじゃないか、それぐらいの深刻な問題があると思います。物によってはいろいろな規制の中で裁量に任せた方がかえって進むというような部分があると思いますけれども、この核防護のことに関して言うとそれは違うんじゃないかというふうに思います。
それから、二千時間の件は、私、専門家でないので、専門家でない人間が割と何でもしゃべっちゃうところが有識者の問題だと思っていますので、私、文科系の歴史家なので、そこのところはお答えできません。
ただ、一般論として、規制委員会について私が思っていることは、反原発派の人も推進派の人も両方文句を言っているんです、規制委員会に対して。ということは、規制委員会は頑張っているんじゃないかというのが私の意見であります。
浅
浅野哲#25
○浅野委員 ありがとうございました。
私も今回の不全の事案については、本来やるべきことをやっていなかったという原因、ここに対しては大変遺憾に思っていますし、しっかり再発防止を、私としてもこの委員会の中で対策の内容についても深めていきたいと思っております。
続いては、鈴木参考人に、核燃料サイクルについてお話を伺いたいと思います。
本日、お話しされたテーマは別でしたけれども、以前この当委員会でお話しされた内容、大変私も印象に残っておりまして、全量再処理を見直し、部分再処理というところ、また本日、橘川参考人におかれましては直接処分の併用ということもおっしゃっておりました。
選択肢としては検討をすべきだというふうに、私、現在思っておりますが、この直接処分というものについては、じゃ、可逆的なものなのか不可逆的なものなのかという論点もあると思います。私自身は、やはりエネルギーに関してはあらゆる選択肢を常に持っておくべきである、これから技術の進歩に従って使えるものは使う、捨てるならそのまま捨てたままにするという選択肢も検討に値するのではないかと思うんですが、この処分の際の不可逆性、可逆性についてどのようにお考えを持っていらっしゃるか、是非お願いいたします。
この発言だけを見る →私も今回の不全の事案については、本来やるべきことをやっていなかったという原因、ここに対しては大変遺憾に思っていますし、しっかり再発防止を、私としてもこの委員会の中で対策の内容についても深めていきたいと思っております。
続いては、鈴木参考人に、核燃料サイクルについてお話を伺いたいと思います。
本日、お話しされたテーマは別でしたけれども、以前この当委員会でお話しされた内容、大変私も印象に残っておりまして、全量再処理を見直し、部分再処理というところ、また本日、橘川参考人におかれましては直接処分の併用ということもおっしゃっておりました。
選択肢としては検討をすべきだというふうに、私、現在思っておりますが、この直接処分というものについては、じゃ、可逆的なものなのか不可逆的なものなのかという論点もあると思います。私自身は、やはりエネルギーに関してはあらゆる選択肢を常に持っておくべきである、これから技術の進歩に従って使えるものは使う、捨てるならそのまま捨てたままにするという選択肢も検討に値するのではないかと思うんですが、この処分の際の不可逆性、可逆性についてどのようにお考えを持っていらっしゃるか、是非お願いいたします。
鈴
鈴木達治郎#26
○鈴木参考人 御質問ありがとうございます。
直接処分をしようが、再処理した後のガラス固化処分であっても、今、可逆性ということは非常に重要なテーマになっております。
というのは、今の知見でできる範囲のことをやるということなんですが、長い期間を考えますと、将来の知見で、あるいはやっているうちに不都合が出るかもしれないということで、ガラス固化体にしても、今の基本計画、放射性廃棄物処分の基本計画の中にも、可逆性を考慮するということになっています。だから、地層処分全体の考え方として、そのような可逆性の考え方は今重要になっているかなというのがまず第一点でございます。
それから、将来エネルギーが必要なときどうするかという御質問については、そのときは、多分、原子力発電所がたくさん動いているという前提だと思うんですね。そうすると、使用済燃料は、新しい使用済燃料がいっぱい出てまいりますので、そちらの使用済燃料をまず使う方が当然優先されると思います。それでも十分にプルトニウムが回収できるはずですので、わざわざ地下にあるものを取り出して利用するよりは、新しい使用済燃料のプルトニウムを使った方が効率的だということで、海外で、将来の資源のことを考えている場合でも、直接処分はとにかくやる、もし必要になったら、将来のための再処理の技術や新型炉の技術開発は行う、こちらの方が合理的ではないかと私は考えております。
とにかく、今、使用済燃料で再処理に適さないものがもう既に出ておりますので、これをどうするかと考えた場合には、当然、直接処分はもう不可避であるというふうに考えておりますので、是非これを法律で可能にできるように国会で検討していただきたいと思います。
以上です。
この発言だけを見る →直接処分をしようが、再処理した後のガラス固化処分であっても、今、可逆性ということは非常に重要なテーマになっております。
というのは、今の知見でできる範囲のことをやるということなんですが、長い期間を考えますと、将来の知見で、あるいはやっているうちに不都合が出るかもしれないということで、ガラス固化体にしても、今の基本計画、放射性廃棄物処分の基本計画の中にも、可逆性を考慮するということになっています。だから、地層処分全体の考え方として、そのような可逆性の考え方は今重要になっているかなというのがまず第一点でございます。
それから、将来エネルギーが必要なときどうするかという御質問については、そのときは、多分、原子力発電所がたくさん動いているという前提だと思うんですね。そうすると、使用済燃料は、新しい使用済燃料がいっぱい出てまいりますので、そちらの使用済燃料をまず使う方が当然優先されると思います。それでも十分にプルトニウムが回収できるはずですので、わざわざ地下にあるものを取り出して利用するよりは、新しい使用済燃料のプルトニウムを使った方が効率的だということで、海外で、将来の資源のことを考えている場合でも、直接処分はとにかくやる、もし必要になったら、将来のための再処理の技術や新型炉の技術開発は行う、こちらの方が合理的ではないかと私は考えております。
とにかく、今、使用済燃料で再処理に適さないものがもう既に出ておりますので、これをどうするかと考えた場合には、当然、直接処分はもう不可避であるというふうに考えておりますので、是非これを法律で可能にできるように国会で検討していただきたいと思います。
以上です。
浅
浅野哲#27
○浅野委員 ありがとうございました。
時間が残り少なくなってきましたので、次が最後の質問になりますが、もう一問、鈴木参考人にお伺いしたいと思います。
人材の確保、技術の伝承についてであります。
本日、皆様のお話の中には余りありませんでしたけれども、全員が恐らく共通する問題意識ではないかというふうに思います。
十年前の事故から、当時、例えば、施設を責任を持って稼働する責任者であった人たちというのは、既に十歳年を重ねておりまして、産業の現場でいえば、十年たつと世代が一つ変わります。だんだんと時間が経過していくと、当時の経験を有する人材がいなくなる、そして引き継ぐ者も少なくなっていく。現に、大学でもこの原子力関連の学科に入学希望する学生が減っているという話も伺います。
これについてどのように対応していくべきなのか、お考えをいただければありがたいです。
この発言だけを見る →時間が残り少なくなってきましたので、次が最後の質問になりますが、もう一問、鈴木参考人にお伺いしたいと思います。
人材の確保、技術の伝承についてであります。
本日、皆様のお話の中には余りありませんでしたけれども、全員が恐らく共通する問題意識ではないかというふうに思います。
十年前の事故から、当時、例えば、施設を責任を持って稼働する責任者であった人たちというのは、既に十歳年を重ねておりまして、産業の現場でいえば、十年たつと世代が一つ変わります。だんだんと時間が経過していくと、当時の経験を有する人材がいなくなる、そして引き継ぐ者も少なくなっていく。現に、大学でもこの原子力関連の学科に入学希望する学生が減っているという話も伺います。
これについてどのように対応していくべきなのか、お考えをいただければありがたいです。
鈴
鈴木達治郎#28
○鈴木参考人 ありがとうございます。
この件、以前、たしか、この国会、この委員会でも発言させていただいたと思うんですが、三つほどあります。
まず、どのような人材が本当に今後必要なのかというニーズの把握ですね。これをまずすることですね。
そのときに、原子力技術全般というふうに考えるのではなくて、今最も必要なのは、今動いている既存原子力発電所の安全確保等、それから廃棄、廃止措置や廃炉、これは確実に必要なものなので、これについても人材確保を考えていかなきゃいけない。一番最後に、多分、新規原発の人材確保になると思うんですね。その優先順位を間違えないこと。というのは、新規原発に必要な人材と、廃止措置や廃棄物処分、運転に関わる人材は違ってきます。
それから第二に、人材確保といったときに、将来の世代を考えた場合には、当然ながら、研究基盤、これを維持することが大事だ。
これは、当時の事故直後の原子力委員会の提言にも出ていますし、最近の原子力委員会の原子力白書にも書かれているんですが、今までの研究開発がどうしても、核燃サイクルとか高速炉とか、プロジェクト志向なんですけれども、そうではなくて、しっかりと将来の技術、革新技術を維持できるような人材確保ができるような研究基盤のインフラを確保する、これが二番目の問題です。
最後に、原子力産業なんですけれども、海外を見ていますと、国内だけで維持するということではなくて、国際協力で人材を確保するという仕組みも必要ではないか。
これは、当時も、原子力産業の方々にお話を伺ってみますと、いずれ日本の原子力市場が大きくならないかもしれないということで、人材確保を、海外からちゃんと調達する、あるいは海外での経験を有効に使うということを考えておられますので、何も国内だけで維持する必要はないのではないか。
このような幾つかのポイントを考えながら、おっしゃるとおり、これは大変重要な問題ですので、これも推進、脱原発かかわらず検討していただきたいと思います。
この発言だけを見る →この件、以前、たしか、この国会、この委員会でも発言させていただいたと思うんですが、三つほどあります。
まず、どのような人材が本当に今後必要なのかというニーズの把握ですね。これをまずすることですね。
そのときに、原子力技術全般というふうに考えるのではなくて、今最も必要なのは、今動いている既存原子力発電所の安全確保等、それから廃棄、廃止措置や廃炉、これは確実に必要なものなので、これについても人材確保を考えていかなきゃいけない。一番最後に、多分、新規原発の人材確保になると思うんですね。その優先順位を間違えないこと。というのは、新規原発に必要な人材と、廃止措置や廃棄物処分、運転に関わる人材は違ってきます。
それから第二に、人材確保といったときに、将来の世代を考えた場合には、当然ながら、研究基盤、これを維持することが大事だ。
これは、当時の事故直後の原子力委員会の提言にも出ていますし、最近の原子力委員会の原子力白書にも書かれているんですが、今までの研究開発がどうしても、核燃サイクルとか高速炉とか、プロジェクト志向なんですけれども、そうではなくて、しっかりと将来の技術、革新技術を維持できるような人材確保ができるような研究基盤のインフラを確保する、これが二番目の問題です。
最後に、原子力産業なんですけれども、海外を見ていますと、国内だけで維持するということではなくて、国際協力で人材を確保するという仕組みも必要ではないか。
これは、当時も、原子力産業の方々にお話を伺ってみますと、いずれ日本の原子力市場が大きくならないかもしれないということで、人材確保を、海外からちゃんと調達する、あるいは海外での経験を有効に使うということを考えておられますので、何も国内だけで維持する必要はないのではないか。
このような幾つかのポイントを考えながら、おっしゃるとおり、これは大変重要な問題ですので、これも推進、脱原発かかわらず検討していただきたいと思います。
浅