農林水産委員会

2022-04-14 参議院 全124発言

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会議録情報#0
令和四年四月十四日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十二日
    辞任         補欠選任
     竹内  功君     進藤金日子君
 四月十三日
    辞任         補欠選任
     進藤金日子君     本田 顕子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         長谷川 岳君
    理 事
                酒井 庸行君
                藤木 眞也君
                山田 俊男君
                田名部匡代君
                紙  智子君
    委 員
                小野田紀美君
                佐藤  啓君
                野上浩太郎君
                野村 哲郎君
                本田 顕子君
                宮崎 雅夫君
                小沼  巧君
                郡司  彰君
                横沢 高徳君
                熊野 正士君
                下野 六太君
                谷合 正明君
                舟山 康江君
                梅村みずほ君
                須藤 元気君
   国務大臣
       農林水産大臣   金子原二郎君
   副大臣
       農林水産副大臣  中村 裕之君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       下野 六太君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        笹口 裕二君
   政府参考人
       農林水産省大臣
       官房技術総括審
       議官       青山 豊久君
       農林水産省消費
       ・安全局長    小川 良介君
       農林水産省輸出
       ・国際局長    渡邉 洋一君
       農林水産省農産
       局長       平形 雄策君
       農林水産省畜産
       局長       森   健君
       農林水産省経営
       局長       光吉  一君
       林野庁長官    天羽  隆君
       水産庁長官    神谷  崇君
       環境省大臣官房
       審議官      松本 啓朗君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○環境と調和のとれた食料システムの確立のため
 の環境負荷低減事業活動の促進等に関する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
○植物防疫法の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
    ─────────────
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長谷川岳#1
○委員長(長谷川岳君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告をいたします。
 昨日までに、竹内功君が委員を辞任され、その補欠として本田顕子君が選任されました。
    ─────────────
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長谷川岳#2
○委員長(長谷川岳君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 環境と調和のとれた食料システムの確立のための環境負荷低減事業活動の促進等に関する法律案及び植物防疫法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、農林水産省大臣官房技術総括審議官青山豊久君外八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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長谷川岳#3
○委員長(長谷川岳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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長谷川岳#4
○委員長(長谷川岳君) 環境と調和のとれた食料システムの確立のための環境負荷低減事業活動の促進等に関する法律案及び植物防疫法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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小沼巧#5
○小沼巧君 立憲民主党の小沼巧です。
 今日は二法の法案審議なんですけれども、ちょっと昨日のことであって大変恐縮なんですが、法案の審議に入る前に一個だけ質問と確認をさせてください。
 茨城県の石岡市で、昨日、豚熱が発生したところでございます。県も豚熱の防疫対策本部を設置いたしまして、患畜に関する議論をさせていただいたところでありましたが、改善は間に合わず、今回は殺処分と埋却作業が開始されたということが昨日の報道発表でございました。
 急遽のことでございますので、まずは丁寧な現場対応、これを切に農水省にお願いしたいと思います。農水省が把握しております現状の認識についてお聞かせいただければ幸いです。
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小川良介#6
○政府参考人(小川良介君) お答え申し上げます。
 昨日、十三日でございますが、茨城県石岡市の養豚農場におきまして、国内七十八例目、茨城県一例目となる豚熱の発生が確認されました。農林水産省としては、昨日十三日九時半に防疫対策本部を開催いたしまして、豚熱の蔓延防止の観点から、防疫措置を迅速かつ適切に完了するよう、茨城県と緊密に連携を取っているところでございます。
 殺処分の対象につきましては、今回の事例では、農場の豚全てが家畜伝染病予防法上の患畜又は疑似患畜となるため、全てを殺処分の対象としております。防疫措置の状況でございますが、茨城県において、昨日の発生確認後速やかに防疫措置が開始されまして、本日七時、殺処分終了と報告を受けております。また、今回の事例では、養豚農家自らが埋却地を確保しておりますので、患畜等の死体は埋却することとなっております。
 埋却や農場の消毒といった防疫措置は二、三日中には完了する見込みであると茨城県から聞いており、豚熱の蔓延防止に全力で取り組んでまいりたいと思っております。
 以上でございます。
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小沼巧#7
○小沼巧君 ありがとうございます。
 早期の営業再開に向けて様々なことをやっていかなければなりませんし、いわゆる支援金、これの手続についても、下手したら一年以上掛かってしまうのではないかということも指摘したところでございます。
 農水省からも丁寧な対応をいただきまして、様々なことを現場には伝えているところでございますが、やはり早期の営業再開、そして支援金の早期支給の手続に向けた努力を改めて切にお願い申し上げまして、次は早速法案の審議に入ってまいりたいと思います。どうぞ、その件についてはよろしくお願いいたします。
 まずは、みどり法案もあるところでありますが、植物防疫法の改正案について伺ってまいりたいと思います。
 今回、白表紙、何か緑じゃないんですねということはちょっと気になったところではあるんで、白表紙のこのページの分けの部分、土地改良法は緑だったんで、みどりに合わせてきたのかなと思ったら、何か肝腎のみどりがちょっと緑じゃないなというところは、まあ雑談でございますが、それはさておき、ヤジ意思的、そうなんですよね、ええ、そうなんですよ。あしたからみどりの月間が始まるというところでありますけれども、まあまあまあまあいいやと、法案の条文ではないので、入ってまいりたいと思います。
 まず一つ、ちょっと簡単な事実確認、定義の確認からしたいと思いますが、改正法の四条及び八条第八項ぐらいで、植物防疫官の検査権限の強化ということが改正案の内容に含まれていると理解をいたします。
 この検査権限の強化ということに関しまして、いかなる問題があって、それがどの程度改善されるということになっているのか。対象の追加とか、あとは、そうですね、立入検査場所の追加とかいろいろあると思うんですけれども、これの改正することによる問題解決の効果について教えていただければ幸いでございます。
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中村裕之#8
○副大臣(中村裕之君) お答え申し上げます。
 コロナ前の状況になりますけれども、近年の訪日客の増加によりまして、入国旅客等の携帯品として持ち込まれる輸入禁止品等が増加をしてきておりまして、輸入検査において携帯品から有害動植物が発見される事例も多く報告をされています。
 こうした中、現行の入国旅客等の携帯品検査は入国旅客等の方々からの申出を前提としているために、これまで、植物防疫官による声掛け等は行ってきたものの、入国旅客等からの協力が得られない場合には、携帯品に輸入禁止品等が含まれている疑いが強い場合であっても、質問や携帯品の検査を行うことができませんでした。また、入国旅客等の協力を得るのに多大な時間と労力を要するケースもあったところであります。
 このため、今般の改正において植物防疫官の検査権限を強化し、入国旅客等からの申出がない場合であっても、必要に応じて質問や携帯品の検査を行うことができるようにすることとしたところであります。
 今般の改正により、携帯品に輸入禁止品等が含まれている疑いが強い場合には必要に応じて質問や携帯品の検査を行うことができるようになるために、検査の効率化が図られるとともに有害動植物の侵入防止の強化を図ることができると考えているところであります。
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小沼巧#9
○小沼巧君 分かりました。
 抜け漏れの防止ということは、この手の話はやっぱり予防が大事でありますので、抜け漏れの防止の観点の実効性を強化するということは非常に大事なことだと思いますので、引き続き御対応をお願いしたいと思います。
 改正法案では、これに絡めて、植物検疫官と、この規定についてあるんですが、条文を読みますと、これは何だ、改正法案の十条の五項の、十条の五項ですね、うんたらかんたらってあるんですが、要すれば、述語の部分を見ると、植物検疫官は検査の一部を行わないことができるというような規定のされ方になっておりまして、これは、行わないことができるというのは、何で行わないことができるようになるのかなと。防疫、予防の観点からということで、ちょっと疑問があるので教えていただきたいところでございまして、登録検査機関による検査について、輸出検疫の一部についてできるというようになっていた規定の趣旨について御答弁をお願いできますでしょうか。
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小川良介#10
○政府参考人(小川良介君) お答え申し上げます。
 登録検査機関が行うことが可能となる輸出検査の一部ということで規定させていただいております。これは、国際植物防疫条約及びこの条約に基づく国際基準におきまして、植物検疫証明書の発行は、技術上の資格を有し、かつ、公的植物防疫機関によって正当に委任された官憲、我が国で申し上げますところの植物防疫官がその機関を代表して行うこととされております。しかしながら、その発給のための検査は、公的植物防疫機関の権限の下、政府職員以外の者が行うことが許容されているといった形になっております。
 このため、今般の植物防疫法改正案におきまして、農林水産大臣の登録を受けた登録検査機関が輸出検査の一部を行うことができる仕組みを設けさせていただいておりますが、登録検査機関が輸出検査を行う場合におきましても、最終的な検査の合格又は不合格の判断は引き続き植物防疫官の責任において行い、植物防疫官が合格の場合には植物検疫証明書を発給する必要がございます。このことから、登録検査機関が行う機関については検査の一部と規定しているところでございます。
 なお、この登録検査機関が登録を受ける検査の区分といたしましては、第十条の二におきまして、植物の栽培地における検査、あるいは消毒における検査、さらには遺伝子の検査その他高度の技術を要する検査、また、植物又は物品及びこれらの容器包装の目視による検査、それから最後に、その他省令で定める検査を例示してございまして、登録検査機関はこのうち一つ以上の区分の検査を実施することができるということになります。
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小沼巧#11
○小沼巧君 分かりました。
 今参考人から、まさに法案の改め文というような、サダめるじゃなくてテイめるというような発言があったところで、それはまさに法令審査だなというところありながら、ちょっとこれ白表紙の中には書かれていないことについて一つ気付いたことがございますので、済みません、またこれ気付いたシリーズですね、ありますので、伺ってまいりたいと思うんですが。
 現行法、現行法の第十五条第一項、要すれば、農水大臣は検査を受ける者から実費を受けない範囲で省令で定める額の手数料を徴収できるという規定がなっています。これは現行法です。だけど、この省令で定める額のというところに対応する省令が実は現在存在していないということだと思っております。
 これは、存在していないことというのはどういった理屈なのか、これについて御答弁をお願いできますか。
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小川良介#12
○政府参考人(小川良介君) お答えします。
 今委員御指摘のとおり、農林水産省令で定める額の手数料を徴収することができるというできる規定がございます。これは指定種苗の検査の手数料でございますけれども、この検査でございますが、ウイルス等に侵されていない健全な種バレイショを生産、流通させると、こういった目的のため、植物防疫法の制定当初の昭和二十五年から法定化されている制度でございます。現在も、この検査を受ける指定種苗にはバレイショのみが指定されているところでございます。
 指定種苗の検査でございますが、目的は、農業生産の安全を図り、優良な種苗を保全するという公共の目的のために行われるものですが、その反面、検査を受けた者も利益を受けるものであるため、昭和二十五年の植物防疫法制定当初から、検査を受ける者から検査の実費を超えない範囲内において手数料を徴収することができるという規定を設けております。
 しかしながら、この手数料の徴収につきましては、植物防疫法制定時の国会での御議論におきまして、農業者から費用を徴収することについて強い懸念が多く示されたことから、その趣旨を尊重し、制度の創設当初から徴収していない現状にございます。したがって、現在、手数料に関する省令は定めておりません。
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小沼巧#13
○小沼巧君 ということで、これは極めて合理的な理由だなと思っておるところなんですけど、あえてちょっと今後のために、済みません、更問いという形でお伺いさせていただければ幸いなんですが。
 そういった法目的、農業者に対しての利益をちゃんと守るんだという観点から、あえて省令を定めずにこの条文のは結局発令されないという状況をつくっているという政策判断、これは大いに理解をします。他方で、法令審査という観点から考えると、そもそも効力を発生させるがないという政策判断がある条文自体を存置させるということも理由としてどうなんだろうか、削除するという考えもなかったんだろうかというような疑問を思わざるを得ないわけでありますが、この点についての御見解はいかがでしょうか。
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小川良介#14
○政府参考人(小川良介君) 当時の問題意識としては、この指定する予定のある作物が種バレイショということでございまして、それにつきましての手数料ということで立て付けが、法律上の前提事実がございました。しかしながら、どういったものが指定種苗に指定されるかというものについては、やはり私たちが守らなければいけない、病害虫によって今後の追加あるいは削除というものも想定されてまいりますので、制度としては指定種苗制度、あるいはその検査の中身によっては手数料の徴収といったものも必要となることが想定されると考えております。
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小沼巧#15
○小沼巧君 分かりました。極めて合理的な理由ですね。それは理解しました。ありがとうございます。
 これの問題の、本件の問題の最後に、またちょっと茨城県ネタということでお許しいただきまして。
 改正法案の中では、いわゆる総合防除という考え方に基づいて様々な対策、抜け漏れを防ぐということをやっているということを理解をしています。その趣旨には賛同するものであります。豚熱の話申し上げましたけれども、今、茨城県の中でも芋の基腐れ病ということがなかなか心配されておりまして、人間にとってはコロナが大事だけど、芋にとっては基腐れ病、それぞれの蔓延防止をやっていかなきゃならぬということで、私の出身地においても確認がされて、蔓延防止対策をやっていかなきゃならないなという危機感が強まっているところでございます。
 基腐れ病ってカビなんですね。カビなので、病害虫ということのメーンになっているこの植物防疫法だと思いますけれども、今回の法改正によりまして、そういった基腐れ病みたいなものに対する、これに対して取り組む国内の総合防除をいかに回転されるなり、ないしはサポートされることになっていくのか、この点について御教示をいただければ幸いです。
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金子原二郎#16
○国務大臣(金子原二郎君) お答えいたします。
 サツマイモの基腐れ病は、サツマイモのつるが腐れまして芋が腐る、あっ、つるが枯れて芋が腐る症状を引き起こす病害であります。
 これまで農林水産省におきましては、本病の蔓延防止のため、都道府県や種苗販売の関係団体に対する健全な種苗の生産、流通、使用の徹底を指導しまして、また、農研機構への委託研究による防除技術の開発と防除対策マニュアルを作ることとともに、産地からの要望を踏まえまして、優先審査制度を活用いたしまして新規農薬の登録に取り組んできたところであります。このような取組によりまして、茨城県など多くの都道府県においては発生が広がっているという状況はありません。
 さらに、今回の法改正におきまして、国が総合防除を推進するための指針を定めるとともに、これに基づき都道府県が総合防除の実施に関する計画を定めるなど、総合防除を推進する仕組みを創設することといたしております。
 サツマイモの基腐れ病につきましては、農薬だけでは防除が困難でありまして、総合防除が不可欠であります。このため、こうした新たな仕組みを活用しながら、都道府県と連携を取りまして、本病の蔓延防止に万全を図ってまいりたいと思います。
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小沼巧#17
○小沼巧君 その面の執行については、是非とも引き続きお願いいたします。
 この件については、農水省が至っていない点がたくさんあるということを言うつもりは毛頭ありませんで、実際、発生してから、昨年、令和三年の六月十八日ぐらいだったと思うんですが、それから、県しかり、あるいは農水省の対応しかり、これはしっかりやってくれているんだということの声を実際に種苗店訪問して伺ってきたところでございます。引き続き、法改正がされるのであれば、それに対して万全を期していただきたいと思います。
 それでは、早速、今、環境とか農薬とかの話も出てまいりましたので、次に、もう一つのいわゆるみどり法案について伺ってまいりたいと思います。
 まずは、定義の確認だけをさせてください。
 法案の第二条の第四項、定義規定の環境負荷低減事業活動についての解釈でございます。これらについて、一号、二号、三号とそれぞれ書かれておりますけれども、この中に、いわゆる生物多様性、このような概念ということが含まれているものなのかどうなのか、仮に含まれているんだとすれば、同条同項第三号で省令定めていくと思うんですけれども、その省令というのはどういうイメージになっていくのか、この点について現時点でのお考えをお聞かせいただければと思います。
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青山豊久#18
○政府参考人(青山豊久君) お答えいたします。
 本法律案では、化学農薬の使用等、農林漁業への生産活動に伴って生じる環境への負荷に着目しまして、その低減を図る取組を環境負荷低減事業活動としているところでございます。このような取組を行うことは、田畑でありますとか、そういった周辺の生き物の生息環境の保全につながり、生物多様性の保全に寄与するものと考えております。
 御指摘の三号についてのその省令の具体的な内容でございますけれども、野生生物の生息環境の保全を図る取組等につきましては、農林漁業の生産活動そのものではないため、この法律案の計画認定制度の対象としては現在想定しておりません。こうした取組につきましては、農業の有する多面的機能の発揮の促進に関する法律に基づく交付金等、日本型直接支払制度等の支援措置が講じられておりますので、本法律案による支援措置と併せてこうした取組も一体的に促進していきたいと考えております。
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小沼巧#19
○小沼巧君 分かりました。
 生物多様性という概念自体はこの法律の中には仕組まれるんだけれども、イメージについては今後検討していくということであると受け止めました。
 私の生まれの鉾田も涸沼というところがありまして、平成二十七年の五月の二十八だったんですがラムサール条約に指定されまして、ヤマトシジミやスズガモと、絶滅のおそれがあるオオワシだったり、あるいはヒヌマイトトンボというようなこともありまして、豊かな生態系、経済的にも心情的にもそれこそ保守すべき概念じゃないかなと思うわけでございまして、そういったことに寄与するような取組というものも、今後、この法律、そして別の多面的機能の維持というような観点の中で是非とも維持していただくということが大事になるのではないかなということで、一つ御意見として申し上げておきたいと思います。
 さて、その上で、この委員会でも有機農業について様々議論が行われてきたところでありますので、生物多様性も含めてちょっと聞いてまいりたいと思うんですが。
 この有機農業の促進ということに当たりましては、環境保全型農業直接支払交付金という制度があるようでございまして、この交付金の源流は平成二十三年度ぐらいまで遡ることができると考えております。十年ぐらい経過している一方で、面積割合では各種資料によると〇・一%程度の増加にとどまっているということでございます。
 その食の安心、安全でありますとか、地域の豊かさであるとか、生物多様性であるとかという観点から、もう思い切ってこれ増額するということも一つ有機農業の取組拡大に資するのではないかと、このように考えるところでございますが、見解はいかがでしょうか。
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平形雄策#20
○政府参考人(平形雄策君) お答えいたします。
 環境保全型農業直接支払交付金ですが、有機農業を始めとする地球温暖化防止や生物多様性保全等の効果の高い農業生産活動に対して、その掛かり増し経費を支援するものでございます。
 これに加えまして、令和四年度予算におきましては、新たに有機農業に取り組む農業者の技術指導を行う際の加算措置を新設いたしまして、前年度から二億円増となる二十七億円を確保しているところでございます。
 さらに、有機農業の拡大に当たっては、この交付金のほかにも、地域ぐるみの取組拡大に必要な環境整備ですとか、技術開発、普及といった様々な取組の支援を行うみどりの食料システム戦略推進総合対策を措置しておりまして、令和三年度補正予算と令和四年度当初予算を合わせて三十四億円を確保したところでございます。
 これらの対策を併せて、有機農業の拡大始め、環境保全型農業の拡大に取り組んでいきたいというふうに考えております。
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小沼巧#21
○小沼巧君 なるほど。
 じゃ、ここからは議論をしていきたいと思っているんですが。有機農業を拡大させようじゃないかという方針については、余り反論というのはないのではないかなと思います。他方で、それが本当に大丈夫なのかということは、生産者の現場としても、あるいは消費者の現場としても完全に利害が対立している現状がありますので、要は、生産者としては手間が掛かっているんだから正直高く売りたい、で、それって、消費者にとってみれば高く買わされるということになっちゃうので、正直、利益が相反してしまうということが大きな構造的な問題だと思っています。
 その上で、というような考えを基にしたときに、生産者の現場に立ったとき、立場に立ってみると、例えば、前の委員会でもございましたEUの共通農業政策、CAPと言われる制度でありますが、これはEU全体の総予算の約三割、日本円に換算すると大体五十兆円規模でございますが、主として農家への直接支払でありまして、手厚い農業保護、これは安定した食料生産に貢献すると、社会保障制度の一部になっているという観点から、潤沢な生産現場への直接支払をやっているということでございます。
 このように、EUの事例等補助スキームを考えますと、生産現場へのインセンティブを確保、これくらい本気でやらなければ、生産者の立場としても有機農業の方に切り替えようということには向かっていかないのではないだろうか、このように考えますが、この視点に対しての農水省の現在の見解、教えていただければと思います。
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下野六太#22
○大臣政務官(下野六太君) お答えいたします。
 EUの共通農業政策では、有機農業支払として一ヘクタール当たり年間最大九百ユーロ、約十二万円の単価で直接支払が行われていると承知しております。
 我が国におきましては、環境保全型農業直接支払交付金によりまして、慣行栽培と比べた掛かり増し経費をEUと同水準の一ヘクタール当たり年間十二万円の単価で支援をするほか、令和三年度補正予算から、新たに地域ぐるみで生産から消費まで一貫した有機農業拡大に向けた取組を行う市町村を支援するなど、生産現場のインセンティブ確保に向けた支援を実施しているところであります。
 引き続き、有機農業の拡大に向けて、EUを含め海外の施策も参考としながら、我が国の現場実態に即した必要な対策を進めてまいりたいと思います。
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小沼巧#23
○小沼巧君 検討というのじゃなくて、もうやっちゃったらという時期だと思うんですよ。もう検討、検討というのも、皆さん相当聞き飽きていますよね、予算委員会とか、新しい資本主義とか何でも。検討する春じゃなくて、まさに実行する春にしていかなきゃいかぬのではないかなと思いますし、せっかく有機二五%とか、百万ヘクタールでしたっけ、目標を掲げているんですから、それこそ学校とか病院とかの公的需要をつくるということも大事ですし、それ以外、のみならず、生産現場へのものというのも相当本気でやらなかったらいかぬのじゃないかなということは思います。
 それと、今消費者ということについても申し上げましたが、これ、流通段階、流通過程への目くばせというのも考えなきゃいけない問題なのかなと思っているところであります。仮に、有機農業が相当拡大してということになると、今はそれぞれ、経済学というか、ビジネスの世界でいうと、ニッチと言っていいかどうかは議論があるところでありますが、要はそういったメーンのところとは必ずしもちょっと違うところ、高くても、価値を見出しているから高くても買いますよという需要者と、それに取り組む生産者がうまく結び付けられていて、そこで成り立っているというのが有機農業の現状だと思います。それを拡大していこうということになると、ニッチのところからマス、メーンのところに行くわけでありますが、そうなったときに、流通系の話というのは一体このままでいいんだろうかということは一つ考えなきゃいけない論点だと思っておるところであります。
 マス市場のところだと、やっぱり、要は規格外になってしまう農産品であるとか、流通とかの観点でいうと、製造業でいうとジャスト・イン・タイムとかですよね、収穫時期と量を決められたところにちゃんと届けてもらわないと流通自体が成り立ちませんし、契約違反とかになっちゃうんで、そういう流通で取り合ってくれるチャネルであるとか、あるいは、そもそもニッチのところでやっていたんだけれども、メーンのところでやろうとなると、どう価格付け設定をするのかということなんかも流通過程においては考えていかなきゃならない課題だと思います。
 今はニッチだから大丈夫かもしれない、しかし、それをマスにって移行していこうとなったときに、この流通経済のところについて改革ないしは政策対応が必要になってくるんではないだろうかと、こう先の論点でありますが考えるところでありますが、この点についての農水省としての現在の見解、そして政策の対応をするのであればその考え方について、今の時点での考え、教えていただければと思います。
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下野六太#24
○大臣政務官(下野六太君) お答えいたします。
 有機農業に限らず、農産物の生産におきましては一定程度規格外品が発生しますが、特に有機農業においては、委員御指摘のとおり、外観が悪いものが慣行栽培よりも発生しやすく、このようなふぞろい品もきちんと規格がそろった品と同様に流通し買ってもらえるよう、流通販売事業者や消費者の理解を深めていくことが重要と考えております。
 このため、消費者と生産者の距離を縮めるための国民運動、ニッポンフードシフトのほか、外見重視から持続性を重視した消費の転換に向けた関係者の意識醸成を図るための勉強会や交流会の開催、表彰等を行うあふの環プロジェクト、流通事業者や小売等の企業と連携した官民円卓会議においても、有機農産物、有機食品について、ふぞろい品も含めた流通、販売の在り方の検討や消費者へ有機農業の意義を知っていただく取組などにしっかりと取り組んでいきたいと考えております。
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小沼巧#25
○小沼巧君 これはちょっと今の段階ではしようがないかもしれないんですけど、国民運動をやるとか意見交換会をやるとかというのはいいかもしれないんですが、それじゃマスには成長できない問題だと思うんですよ。今の状況も、それにたまたま、じゃ、高い金払ってでも安心、安全だとか買ってもいいよという人たちを見付けているからそこのマッチングはうまくいっているけど、大多数は必ずしもそうじゃないわけでありますね。だとすれば、意識の啓発とかということは、やるのは無駄とは言いませんが、本質じゃないんじゃないだろうかということを思うわけですね。
 具体で、もうちょっとこういうことを考えなければいけないという考えは、もうそれ、今の段階ではそれだけしかないものなんですかね。
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平形雄策#26
○政府参考人(平形雄策君) 委員が御指摘のマスを進めるというのは非常に大きな課題だと思っておりまして、一つは、有機農業に関しては顔が見える関係というのがありまして、この議論の中でもありますけれど、やはり産地の中で生産からやっぱり消費まで一貫して、そういう意味でオーガニックビレッジというか、学校給食なんかに使うという一つのリージョナルな関係をまずつくろうというのがありまして、もう一つは、やはり大量にというのでマスということになります。
 今、先ほど政務官の方から答えさせていただきましたけれども、官民円卓会議というのがございまして、この中に有機のワーキングを特別につくっております。この中で、やっぱり流通関係者ですとか消費者の方ですとか、そういった方々に入れていただいて、実際にじゃ商品を入れるときにどういうことが課題なのかどうかということも、実際の流通に携わっている方々とも意見交換をしながら進めていきたいと思っております。
 ただ、全体的には、やはり意識の醸成、それとやっぱり流通の関係者の取組、もう一個一個これ進めていくしかないと思っておりますので、地道にながらやっていきたいというふうに考えております。
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小沼巧#27
○小沼巧君 いや、まあ平時だったらいいかもしれないんですけど、今それこそコロナ禍で、明日の暮らしも正直ままならないとか、経済的に非常に困窮してしまっているというのが相当程度社会問題になっているということも今日の事実だと思うわけであります。意識の醸成をしたところで、じゃ消費者は高い金出してでも買うのかということについては考えなきゃいけない問題だし、今の話は、どちらかというと生産者の側に立って、高い金で売って、それで高い金で消費者に買ってもらおうというような構造になっていると、生産者の立場を優遇して、消費者に言ってしまえば泣いてもらうぐらいのゼロサムになっちゃっているんじゃないかなと思うんですよ。
 今の円卓会議とかやるとか、意見交換するのはそれは大事ですよ、やったらいい。やったらいいけど、具体の解決策に結び付いていかないのではないかということに思います。今は、生産者と消費者、そして流通の構造も正直ゼロサムになっちゃっています。このゼロサムの状況をどう解決するのか、それに対して対応策を打っていくのかということを考えるのが、まさにこの法案を通してやるべき課題、農水省が考える本質なんじゃないかなと思いますが、この点についてはいかがでしょうか。
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金子原二郎#28
○国務大臣(金子原二郎君) 有機農をいかに消費者に買ってもらうかということが一番大事なんですね。
 今、結構、有機農をおやりになっている方々ともいろいろ意見交換いたしました。大体、買ってくれる人が決まっているんですね。ほとんど買手が決まった中で計画的に生産をしておる。それは、有機農のやっぱり農産物を使うことが消費者にとっていかにプラスであるかということを理解した上でそういったお互いの商売が成り立っているわけですから、私は、やっぱりこれを全国的に政策的に広めていくためには、相当な努力をしないと非常に難しいと思っております。
 やっぱり、いろいろと御意見が出ております学校給食とか、それからそういった皆さん方の理解を得なきゃいけないんですが、ただ、有機農を本当に買う人というのは、自分の健康のことを考えながら買う人が現時点では多いのかなという感じがしています。しかし、この有機農の農業というのを、これから環境問題を考えると、避けて通ることができないと思うんですね。だから、やっぱりこれをやらないと、農林水産業というのは先行きが非常に不安感がある。
 世界の流れの中で日本だけがそれに取り残されてしまうということについては、やっぱり日本の農業にとっては大きな問題であると。現在、やっぱりヨーロッパとかアメリカの有機農の消費、金額を見てみるとすごいんですよね、五兆円とか四兆円とか。だから、やっぱりそれが一つの流れの中で、やっぱりそういった有機農をやっていくことがこれからの我々の農業がやっぱり生産性を持続していくための必要だということを、やっぱり生産者の方にも理解していただくし、そしてまた、それをできるだけ買ってくれるような、そういう意識の醸成をどうやっていくかということが大きな課題だと思っていますんで、いろいろな御意見を伺いながら、これから少しずつ、一歩ずつ進めていきたいというふうに私たちも考えております。
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小沼巧#29
○小沼巧君 その方向性は私も分かるんですよ。だからこそ、ニッチの状況のまんまで最適解、部分最適しているまんまじゃ駄目だということを申し上げているわけでありまして、例えば、EUに倣ってもう所得補償を生産者側にするであるとか、あるいは、消費者が困窮している状況でありますので、高いものを買わなきゃいけない、でも大事だといったそこの差額を何らかの形で補助する、補填するであるとか、そういう思い切ったことをやらないと、ニッチのままでとどまっているし、本格的な稼働には行かないんじゃないかなと思いますので、まだ法案審議も続きますでしょうから、それは次回の審議に譲っていきたいと思います。
 もう一個、次回の審議に行く前に、二点だけ確認してみたいと思うんですが、これはいわゆる農業の基盤確立事業という中で、最近はやりの、それこそ消費者にとってみれば安心、安全にとって不安となるいわゆるゲノム編集技術、これが現在、法令上、この基盤確立技術の中では排除されていないと理解をいたします。この新品種の開発とかに当たっては、開発のリードタイムがすげえ短くなるとか、いろんな生産性の向上という意味では可能性がある一方で、やっぱりまだまだ不安や懸念もこのゲノム編集技術というものにあるんだろうというのは紛れもない消費者としての真実だと思いますし、私自身も正直そうですわ、ちょっと嫌だな、不安だなと思わざるを得ない、感覚的にはね、あるところであります。
 こういったゲノム編集技術の使用につきまして現在の農水省の考え方や今後の方針があれば、この際ですから伺っておきたいと思います。いかがでしょうか。
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