農林水産委員会

2022-05-17 参議院 全101発言

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会議録情報#0
令和四年五月十七日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月十三日
    辞任         補欠選任
     山下 雄平君     小野田紀美君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         長谷川 岳君
    理 事
                酒井 庸行君
                藤木 眞也君
                山田 俊男君
                田名部匡代君
                紙  智子君
    委 員
                小野田紀美君
                佐藤  啓君
                進藤金日子君
                野上浩太郎君
                野村 哲郎君
                宮崎 雅夫君
                小沼  巧君
                郡司  彰君
                横沢 高徳君
                熊野 正士君
                下野 六太君
                谷合 正明君
                舟山 康江君
                梅村みずほ君
                須藤 元気君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        笹口 裕二君
   参考人
       阿賀野市農業委
       員会会長職務代
       理        笠原 尚美君
       全国農業会議所
       事務局長     稲垣 照哉君
       浜松市農業委員
       会委員      森島 倫生君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
○農山漁村の活性化のための定住等及び地域間交
 流の促進に関する法律の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
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長谷川岳#1
○委員長(長谷川岳君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、山下雄平君が委員を辞任され、その補欠として小野田紀美君が選任されました。
    ─────────────
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長谷川岳#2
○委員長(長谷川岳君) 農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する法律案及び農山漁村の活性化のための定住等及び地域間交流の促進に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 本日は、両案の審査のため、三名の参考人から御意見を伺います。
 御出席いただいております参考人は、阿賀野市農業委員会会長職務代理笠原尚美君、全国農業会議所事務局長稲垣照哉君及び浜松市農業委員会委員森島倫生君でございます。
 この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多忙のところ御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
 皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
 次に、議事の進め方について申し上げます。
 まず、笠原参考人、稲垣参考人、森島参考人の順にお一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
 また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず笠原参考人からお願いいたします。笠原参考人。
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笠原尚美#3
○参考人(笠原尚美君) ありがとうございます。笠原尚美と申します。ただいま御紹介いただきましたように、新潟県阿賀野市農業委員会会長職務代理を務めております。
 本日は、農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する法律案と農山漁村の活性化のための定住等及び地域間交流の促進に関する法律の一部を改正する法律案に関する参考人質疑の場にお呼びいただき、誠にありがとうございます。このような場でお役に立てることは大変光栄なことでございますが、大変緊張もしております。どうぞよろしくお願いいたします。
 私は、市町村合併の平成十四年七月から二十年間農業委員を務めております。委員を拝命したのは、一番下の息子が一歳になるかならないかのときでした。家族の理解もあり、委員活動の際には子供の世話の必要はありませんでしたが、一度だけ家族の都合が付かず欠席の連絡をしたところ、合併前の旧京ケ瀬村村長から、預かり保育ができるように手配するので気にせずに職務に就いてください、あなたの仕事は公職なのですと言っていただいたことが私の農業委員としての原動力の一つとなっております。
 農業委員を拝命した当初は農地の権利移動は多くなかったのですが、七年ほど前から私が担当する地域でもあっせんの申出が年々増加し、現在は、人・農地プランの実質化も相まって、まさに農地を動かしていると日々実感しております。
 お手元にお配りしております資料は、全国農業新聞に隔月掲載されているもので、私の日々の農地あっせん活動を構成、作画されたものです。農地あっせんの際、どんなふうに農業者と向き合い、思いを受け止めて農地を動かしているかを知っていただきたく、今回の資料とさせていただきました。御覧いただければ幸いです。
 私自身が農地のあっせんで権利移動した面積は二百ヘクタールを超えたと思います。昨年度一年間だけでも、隣接市町村を越えて行ったあっせんも含めると十五ヘクタールほどとなっており、近年どれだけ農地が動いているかを御想像いただけるのではないかと思っております。
 こうした長年の農業委員会活動の中で行ってきた現場での活動や、各種の農業施策に取り組んできた現場経験を踏まえ、私の考えを申し上げたいと思います。
 まず、新潟県阿賀野市の農業について御説明いたします。
 阿賀野市は、越後平野の北東に位置し、新潟市内まで車で三十分程度の距離にあります。耕地面積は六千四百五十七ヘクタール、そのうち約六千百ヘクタールが水田となっております。農業はイコール稲作と誰もが思っているような水田地帯で、土地利用型の営農がほとんどを占めております。令和三年四月現在の数字ではありますが、これまでの担い手への集積面積は四千百七十三ヘクタール、集積率は六四・六三%です。
 続いて、当市の農業委員、農地利用最適化推進委員についてです。現在の農業委員数は十九名、農地利用最適化推進委員数は十五名ですが、本年七月に改選があり、農業委員十五名、農地利用最適化推進委員十一名と、それぞれ四名ずつが減員されることになっています。事務局は専任職員六名と臨時職員二名の八名で、県内でもかなり恵まれた事務局体制となっております。
 当委員会の特徴を幾つか挙げさせていただきます。
 一点目は、農業委員会として、経営状況等の証明事務、並びに市全体の農地、農家の最新情報を整理し、現況との乖離を防ぐことを目的に、毎年一月一日現在の経営状況調査を行っております。既に七年分の調査の蓄積があり、あっせん活動や相談業務などの個別資料として活用しています。
 二点目は、誰にどんなふうに農地を動かすのかを明確にし、あっせん担当委員のばらつきを減らすため、昨年十二月に阿賀野市あっせんマニュアルを委員が作成し、そのマニュアルを基にあっせん活動を行っております。
 三点目は、市町村境のスムーズなあっせんや農地価格の情報を得るため、隣接する新潟市北区、新発田市の市町村境を担当する農業委員、農地利用最適化推進委員同士での情報交換を改選のたびに行っていることで、こちらについても委員からの提言から行っているものです。
 以上三点は、いずれも農地利用の最適化を目的としており、円滑な農地の権利移動の一助となっております。
 それでは、まず、農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する法律案の内容について、私の意見を述べさせていただきます。
 今回の改正法律案では、これまで地域で進めてきた人・農地プランを法定化し、農地の集約化を図るため、地域での話合いで十年後の農地利用の姿を目標地図として明確にすることだと理解しています。
 私は、以前から、人・農地プランの話合いや規模の大きなあっせん等の際には、委員としてその地域の将来を見据えた青写真を持って地域に入るべきだと考えてきました。実際に私が地域に入る際は、対象となる地域の担い手は誰なのか、どの程度の規模拡大が可能なのか、自分が把握していない隠れた担い手はいるか、地域の担い手に集約まで見据えた権利移動を行うにはどういった手法を取るといいかなど、先ほどお話しした経営状況調査や周辺の情報収集を行った上で地域に入るようにしています。ただ目の前の農地を動かすことに注力するのではなく、地域にある農地や農業者の十年先、二十年先を想像するわけですが、もちろん私が描いていた青写真は正しいものでもなく、完成したものでもありません。地域の中で話合いをするたびに描き直しをし、地域の皆さんと共有し、一緒に考え、作り上げていくものだと思っています。今回の農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する法律案の要の一つである目標地図は、私の考える青写真を見える化することではないかと思います。
 ただ、農地は個人資産であり、一筆一筆に農業者それぞれの思い入れがあるものです。所有者の合意や地域の賛同が必要であり、地域での丁寧な説明は必須と考えます。
 これまで、人・農地プランがどういったものなのかの説明をし理解を得るまで、それぞれの地域で何度も説明を重ねてまいりました。それは決して単純なものではなく、かなりのマンパワーと時間を要します。また、人・農地プランが実質化したことで満足し、その先に進んでいない地域が多数あるのも現実です。こうした状況を打開するためにも、丁寧な説明を重ねることが必要だと考えます。先ほど当市の農業委員会事務局の体制は恵まれていると申し上げましたが、それでも十分ではありません。他の市町村も同様ですので、マンパワー不足への手当てについては特段の御配慮をお願いしたいところです。
 また、一口に集約と言っても、基盤整備が進んでいる地域と進んでいない地域、基盤整備事業を希望しない地域では集約の在り方も違います。地図上では一見集約されていないように見える場合であっても、水利状況などによっては担い手の作業性が良いケースもありますので、現場に即した目標地図の作成が必要であり、図面の上だけで集積、集約を判断することはできないと考えております。
 地域計画、目標地図の作成は、受け手である地域の担い手を現在よりも更に明確にし、出し手となる農業者が今後自分の農地を誰が担ってくれるのかを見える化するものと考えます。受け手である担い手は将来の経営計画を描きやすくなりますし、出し手の農業者は自分の農地を将来誰が担ってくれるのか明確になる安心感を得ることができます。双方が制度をしっかりと理解して定期的に見直していくことで農地を通して地域の将来を考えることができるものであり、この後に意見を述べさせていただく農山漁村活性化法にもつながるため、本改正案の成立に大きな期待を持っております。
 続いて、農地バンク運用の抜本見直しについて申し述べさせていただきます。
 農地バンクの運用が始まった当初は、農地バンク経由での農地の貸し借りを促してもちゅうちょする農業者が大変多くいましたが、近年は、賃借料支払の簡便性などを理由にバンク利用が大変増加しております。
 これから先、集積、集約が進めば、新規受付の増加に加え、農地利用集積円滑化事業からの移行や利用権の再契約手続が大幅に増えるとともに、移転手続や賃借料の変更等が増加すると考えられます。農地バンクが滞りなく事務手続ができるよう配慮が必要と感じております。
 さらに、現状の農地中間管理権の設定には、配分には都道府県知事の認可が必要なため、利用権設定の倍の時間が掛かることを嫌がる農業者もいます。
 こうした懸念を払拭するため、農地中間管理権の設定等に係る都道府県知事の認可は市町村長に権限を移譲していただき、農用地利用集積計画と同様に遅滞なく権利移動ができるよう御配慮いただくことで、バンク一本化にスムーズに移行できると感じております。
 農地中間管理事業への一本化は、貸し借りを促進するルートが農地バンクに集中されることにより手続の煩雑さが緩和され、地域が一体となった貸し借りの手続が可能となるなど、担い手への一層の集積、集約や目標地図の実現につながるものと期待しています。
 続いて、農山漁村の活性化のための定住等及び地域間交流の促進に関する法律の一部を改正する法律案について述べさせていただきます。
 私は、農林水産省において開催された長期的な土地利用の在り方に関する検討会の委員として、土地利用の観点から検討に参加させていただきました。
 既に人口減少社会が到来し農業の担い手も減少する中、特に中山間地を中心に農地の集積や集約、新規就農支援やスマート農業の普及など、様々な政策努力が払われてきましたが、それでもなお耕作困難な農地が発生しています。また、今後も増加することが予想されています。このため、検討会では、地域の将来像について話合いを促しながら、放牧や蜜源等に活用する農地の粗放的利用など、人口減少や高齢化にも対応できる多様な土地利用とその実施の仕組みについて検討を進めてきました。
 検討会における議論の基本的な考え方は、地域の土地利用に関して地域で徹底した話合いをすること、様々な政策努力の下、放牧や景観作物などの粗放的利用も含め、農地を農地として利用することを基本としつつ、それでもなお農地として利用が困難な土地については、鳥獣害被害軽減のための緩衝帯など、農業生産の再開が容易な用途として利用することです。
 しかし、そうした用途を検討してもなお農地として維持することが極めて困難であり、将来にわたって農地として利用される見込みがない土地があるのも現実です。そうした農地ではあるものの林地として利用することが有望な土地については森林として利用することも検討し、貴重な地域資源である農地を極力保全することに重きを置いた検討が進められました。
 その検討結果が現在御審議いただいている農山漁村活性化法の改正であり、農用地保全事業として結実しています。
 地域の土地利用の在り方については、人・農地プランの話合いと一体的に話し合っていくことが何よりも大切だと思います。基盤強化法と活性化法の両方を一体的に話し合うことで、現場における話合いの手戻りや競合を防ぐことができると考えるからです。
 また、粗放的利用や管理については面的集約が必要ですが、既に非農地となっている元農地が虫食い状態で存在している中山間地もかなりあると思われますので、そういった元農地なども一元的に管理、活用ができるようにする必要があると思います。農山漁村活性化法案の改正は、そうした取組を行う際にも役立つものだと思っております。
 農業委員会は、農地パトロールを行い、遊休化した農地を農地に戻すよう指導してきました。しかし、特に中山間地域の多くの現場を見るたびに心苦しく思っていた農業委員、農地利用最適化推進委員がたくさんいます。
 中山間地の農地の荒廃は、水利などで平野部にも大きく影響を及ぼします。是非、今回の農山漁村活性化法の改正で現場での農地保全の選択肢を増やしていただきますようお願い申し上げます。
 以上、今回の改正法案について、私自身が感じている課題等も併せて所見を述べさせていただきました。いずれの法案についても賛成であり、早期の成立をお願いしたいと考えております。また、法律の周知や施行、運用については、でき得る限り無理のない方法の検討をお願いいたします。
 農業委員会は、活動の見える化を強く進めております。今回の両法案の改正によって、まさに活動の見える化が体現でき、地域農業の将来あるべき姿を地域とともに考え、農地という観点から携わっていけることは大きな喜びであり、誇りでもあります。今後も、農業委員として、地域の農業者と信頼関係を深めながら活動してまいりたいと思います。
 本日は、拙い御意見を御清聴いただき、大変ありがとうございました。
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長谷川岳#4
○委員長(長谷川岳君) ありがとうございます。
 次に、稲垣参考人、お願いいたします。稲垣参考人。
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稲垣照哉#5
○参考人(稲垣照哉君) 全国農業会議所の稲垣でございます。
 本日は、このような機会を頂戴し、本当に深く感謝申し上げます。
 全国の農業委員会、現在、千六百九十七委員会ございます。そこに、約二万三千人の農業委員さん、さらに約一万七千人の農地利用最適化推進委員さん、両委員合わせると約四万人の委員さんとそれを支える約八千人を超える事務局の職員の皆さん、そういう声を踏まえ、法案審議に少しでも参考になるようなお話ができればと思い、お話をさせていただきます。具体的には、今回の法律改正の意義と課題を中心に意見を申し述べさせていただきます。
 御案内のように、農業委員会は、平成二十七年の農業委員会法の改正を踏まえ新たな必須業務となった農地利用の最適化の活動に、農業経営基盤強化促進法などをフル活用して、組織を挙げて取り組んでまいりました。そして、毎年、その成果と課題を踏まえて、政策提案を国会、政府へ取りまとめてお届けしてまいりました。
 今申し上げました詳細は、別添の資料の最終ページに、昨年の政策提案のうち今般の法律改正の条文に反映された部分だけを抜いてまいりました。こんなにも多くの条文に、この間の農業委員会の政策提案、農業委員会の思いが受け止めていただいていると認識している次第でございます。
 以上を踏まえて、本日は、この法案の四つの点について意義と課題を申し述べさせていただきます。
 一つは人・農地プランの法定化について、二つは農地バンクの運用の抜本見直しについて、三つ目は多様な農地利用について、そして最後に農地法の下限面積の撤廃の問題についてでございます。
 まず、人・農地プランの法定化の意義でございますが、やはり、地域における話合いの結果が地域の農業の将来の在り方、農地利用などについて法律にしっかりと根拠を持つものとなり、その意義は大変大きいものがあると思っております。
 その際、基盤法の中に、効率的かつ安定的な農業経営に加えて、農業を担う者を新たに明記いただいたことは、従来、ややもすると、現場でプランの話合いをする際に、中心経営体のためにやるのかとか、また農家の方から、俺に農業をやめるのかみたいな感情的なやり取りがあることも事実だったわけでありますが、今般、この一文を入れていただいたことによって、地域一丸となって取り組める契機ができたものと考えております。
 そして、基盤法の二十一条に、地域計画の実現に向け、我々農業委員会が農家の皆さんに積極的に働きかけることを法律に明記いただきました。現在、農業委員会は、農家の皆さんからあっせんなどの申出があってから農地の利用関係の調整、売買、貸借に動くという受動的な立場にあるわけですが、今回の改正で、能動的に地域のために働きかけてまいるように位置付けていただいたものと考えております。
 課題でございますが、この法定化の取組に当たっては、今回の基盤法の十八条、農業者などによる協議の場の設定、ここが決定的に重要だと思っております。これは、市町村のリーダーシップの下、JAさんの農業生産であるとか販売、また土地改良区さんの農地整備などの知見を持ち寄って地域のグランドデザインを描く、これで今後の成否が決まると認識しております。
 それを踏まえて、我々農業委員会が目標地図の素案を作るとされておりますが、現場の委員会では、やはり令和七年までに農業委員会だけで作り上げることができるのかという不安があることは事実です。
 地域の農業の実態や農業委員会の体制など、様々な市町村の実態を踏まえると、農業者の今後の営農意向や農地の貸借意向を地図に落としたあらあらの素案を作る農業委員会から、地域の農業を担う者ごとに利用する農地が明確になったほぼほぼ完成版、聞くところによりますと、今日御参集の先生方は、先日、埼玉県の東松山市の方に調査に行かれたと思いますが、あれがほぼほぼ完成版という理解だと思っているんですが、かなり幅広くその地図ができてくるということを強調させていただきたいと思います。
 また、農業委員会によっては、事務局に職員が一人しかいないところ、又は専任職員が一人もいないような、そういうところも少なくございません。目標地図の作成に当たっては、市町村の農政部局など関係機関と一体となった体制を築けるかが成否を握っていると認識しております。
 したがって、人・農地プランの法定化とは、従来以上に農業委員会が地域の農業者の皆さんの意向把握を徹底し、それを地図に落とし込んで、その取組を踏まえて現在各地で進められている人・農地プランの実質化の取組を更に発展させ、地図化、図示することについて地域の皆さんで合意、公表していくことだと思っております。
 実質化が既に済んだところ、現在実質化に取り組んでいるところは話合いがなされているわけですので、そのような地区では地域計画の作成にさほど抵抗感なく取り組めるんだろうと思っております。ただ、法律の施行当初は、担い手が不在、そこへ農地を集積することを地図化することが困難なケースが少なくないと思います。その場合でも、JAさんの農作業受委託などを活用して、順次目標地図の完成に向けて練り上げていくことになると思っております。息の長い地域の話合いに取り組める手だてが重要であろうかと思っております。
 次に、農地バンクの運用の抜本見直しの意義について申し述べます。
 基盤法の二十二条に、農地バンクの事業推進に当たっては、地域計画の達成に資すると明記されたことについて、個人的にも非常にうれしく思っております。地域計画の達成に資するということになれば、バンクさんは、バンクは、農業委員会、市町村など現場の関係者とともに計画の実現を目指す同志的な、より身近な存在になってくださると期待をしております。
 また、バンク法の第十八条で、農地バンクさんがバンク計画を策定するに当たって、我々農業委員会の意見を漏れなく聞くということも明記いただきました。これによって、現在、農業委員会は、バンク計画の設定に当たって、極めて限定的な関与から全面的に関与できるようになり、農業委員会と農地バンクの一体的な運用が進むものと期待しております。
 一方、課題としては、市町村の利用集積計画を新たなバンク計画である農用地利用集積等促進計画に統合、一体化することについて、現場の農業委員会には不安と戸惑いがあることは事実でございます。二つございます。
 一点は、農地バンクさんが本当に農地法第三条以外の農地の権利移動に遺漏なく対応できるのかということであります。農地バンクさんが間に入ることにより、農地の権利設定の手続について全て都道府県知事さんが扱うこととなり、これに伴う時間と手間の発生、小作料などの受取の問題、これに対して農水省さんは事務の抜本的な簡素化ということをうたっていらっしゃいますが、一刻も早くその姿をつまびらかにしていただきたいと思っているところであります。
 一本化の二つ目の課題は、市町村の利用集積計画による利用権設定がなくなることへの不安です。一九八〇年、基盤法の前身法であります農用地利用増進法制定以来、耕作権の強い農地法三条に基づき、一旦農地を貸したら返ってこないという不安を払拭するため、期間の定めのある賃借権を設定することにより、期間が終了すれば農地が確実に戻り、安心して再設定ができるという制度が現場に果たしてきた役割は非常に大きかったわけでございます。これがなくなることについて、えっと懸念があるわけでございます。
 しかし、今般の改正で、バンク法の第十八条第十一項に、農業委員会がバンクさんに対して農用地利用集積促進計画を策定することを要請できるという条文を明記いただきました。これと農用地利用集積促進計画に関する都道府県知事さんの認可権限を市町村に移譲することをセットで運用すれば、毎月、市町村で利用集積計画を決定、公告しているのと同等、むしろ現行の利用権設定にバンク特約が付いたと認識、運用すれば、農地バンクへの農地集積が促進され、地域計画への取組と一石二鳥の効果をもたらすと思っております。何とぞ、政府におかれましては、このような取組について前広に御指導をいただけたらと思うわけであります。
 三点目の多様な農地利用については、農地利用の最適化に取り組む農業委員会の多くは、担い手に直ちには集積できない条件の悪い農地、また遊休農地でも直ちに非農地判断できないような農地がたくさんある中で、すぐに圃場整備などができるわけではなく、暫時遊休化したり、遊休化の度合いが増していることに、その対応に苦慮しているわけであります。
 今回、活性化法で、農用地保全として放牧、鳥獣害緩衝帯、林地化など多様な取組が明らかにされ、事業にもつながるため、地域計画の取組とうまく活用して地域全体の効率的かつ総合的な取組と持続的な土地利用の実現に資するものと思っております。このような、圃場整備のように多額なコストと時間を要する手だてに代わり、コストを掛けずに農地保全ができる手だてが講じられたその意義は大変大きいのではないかと思っております。
 私ども農業委員会は、農地法や基盤法に比べて活性化法について余りまだ周知が徹底されておりませんので、その徹底と御指導の強化が必要かと思っております。
 課題としては、基盤法で進める地域計画とこの活性化法の活性化計画が、現場で取り組む際に調和して取り組めることが大事であり、競合したり、二度手間になったり、手戻りのないような運用が重要かと思っております。
 最後に、農地法三条の下限面積の撤廃についてでございます。
 意義としては、農業者の減少、高齢化が進行する中で、農村の定住、活性化のため、野菜、果樹など多様な新規参入を受け入れたり、さらには半農半Xを推進することは、農村、特に中山間地域などの振興を図る上では意義があると思っております。
 課題としては、下限面積要件は農地法三条による権利移動を判断する際の有力な根拠条文でございます。下限面積がなくなった場合、投機的な農地取得が行われるのではないかとの不安が現場にはございます。一方で、下限面積要件を廃止しても、農地を全て効率利用する、常時農業に従事する、周辺の農業に悪影響を与えないといった他の要件は引き続き存置されるわけであります。
 今後、目標地図に基づいて農地の集約化などを進めていくことになります。こうした動きと半農半Xなどの農地利用についていかに調和させていくのか、そういうことを地域計画の中で、農地権利取得に当たってのルール作りなりその運用を明らかにしたガイドラインなどの提示が重要であろうかと思っているところであります。
 以上、今回の法案についての意義と課題を申し述べさせていただきました。
 参考資料にも記載いたしましたように、農業委員会系統組織は、市町村、農業委員会、農地バンクなど関係機関が一丸となって人・農地プランの作成に取り組めるよう、その法定化を要望してまいりました。また、これを見越して、我々は本年度の事業推進も計画しております。
 そういう意味では、今国会での審議について、全国の農業委員会の委員さんは固唾をのんで見守っていらっしゃるのだろうと思います。どうか枝ぶりの良い法律となりますよう、よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。そして、今後とも、地域の実態に即した農業委員会の活動を尊重いただき、御支援、御指導を賜りたくお願い申し上げまして、話を閉じさせていただきます。
 どうも本日はありがとうございました。
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長谷川岳#6
○委員長(長谷川岳君) ありがとうございました。
 次に、森島参考人、お願いいたします。森島参考人。
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森島倫生#7
○参考人(森島倫生君) 浜松から参りました森島です。
 豚を飼っております。私は飼っておりませんが、息子が主にやっておりまして、私は加工の方を主にやっているということです。だから、六次産業というふうに言われたところを割と早くから取り組んできて、現状、今があるということでございます。
 今日は、お二人もおっしゃいましたけれども、この場にお呼びいただきまして本当に有り難いことだというふうに思っておりますし、是非先生方に申し上げたいのは、御苦労をいただいてこうやって農業振興、農業政策の立案に当たっていただいている、同時に、農業経営基盤強化促進法の一部改正する法律案が今日議論がされているわけでございますが、私、率直に申し上げまして、申し訳ないけど、まともにこれを議論している人たちの神経がよく分からないと、私が言っているわけじゃないですよ、今日私がここに来るに当たっていろんな方々の御意見を伺ってきた。
 例えば、私どもとは政治的な立場も違う、考え方も違う方々、農協の職員であったり、あるいは保守の議員と言われる皆さん方の後援会の方々だったり、そういう方々のお話を伺ってきた。それで、おまえ本当に、行って、まともにそういうことを言ったとして事が変わると思うかというふうにも言われた。いや、変わるとは思わないけども、だけど、一農家として、一農業委員としてお伝えすべきことはやっぱり言わんならぬという思いで来ております。
 残念ながら、皆さん方、先生方の御尽力にもかかわらず、恐らく、日本の全国のどこでも、生産力の低下というのはもう見る影もないというふうに私思うんです。それは浜松も同じでして、今、前段の方々がるるおっしゃいましたけれども、担い手がないと、ないに等しいという地域もある。そこで、ビジョンを作れ、集落で議論をやって、やるべき人を探してこいというわけですよ。
 それで、私、私の地元選出の自民党の国会議員に言った、おまえがやれって、おまえ、もう。おまえ何やってるだという話をしましたよ。そうしたら、彼は答えた、私も入りますよって。入ってもらおうじゃないかということです。そういうことが、国の今の現状やっている仕事。私どもも、もうこの二、三年ぐらいかな、現場で集落、この人・農地プランについての議論やっているんですよ。
 去年の七月です。暑いさなかだ。集落営農の議論を始める、やるから来てくれと言って来てもらった。そうしたら、お茶一本予算がないだ。それで、泡食って農業委員の担当者が、担当者って俺みたいな百姓の一人だけど、泡食ってペットボトル買い行ってるんだよ。それで、県の職員も市の職員もそのペットボトルは飲まない、口付けない。そういうことが一方で行われている中でのこういう議案審議があって、それで、仲間の連中に、ちょっと今夜集まりやるから来いや、言ったときに、何をやるだ、何をやれというだ、何を植えろというだ、何をまけというだという話から始まる。
 やっぱりこの国の実情というのは、農業を守るということを、あるいは農業生産性、生産者を守っていく、次の世代もきちっと背負っていくという責任を国がきちっと果たせますというメッセージが全く出ていない、届いていない。ここの中でこういう事業をやるって、私やりますよ、やりますけど、農村に対するインパクトというのは極めて弱いものになっている中で、我々農業委員が義理と人情で、頼むわと言って来てもらって、これから集落営農についての、人・農地プランについてのビジョンを作っていくということだと私は思っています。
 その意味で、先ほど農業会議所の方言われましたけれども、地域グランドデザインというんだよね、地域グランドデザイン、国が持っているのかと思うのよ。国が持っているんだったらそれ出せや、それ出したらそのデザインに合わせて俺らも村のこと、地域のこと重ね合わせて考えるから出せや、出てこないじゃないですか。ここのところで、我々農業委員が頑張って苦労してこれからやっていくという意味、農業委員の個々の人格というか人柄というか、義理人情で農村を立ち上がらせていく、そういう努力は私どもやっていきますよ。これは国がどうあれ、やらんならぬと思っています。だけど、もうちょっと本気になって、てんだってもらいたい。このことだけは申し上げたいと思います。
 ですから、結論的に言うと、この一部改正する法案は反対、意味がない、そういうことで、二番目の方は、まあまあ我々の地域を支えていく今後の助けになるなというふうに思っています。細かい条文等については専門家のお話先ほどありましたので、私、余りそういうことについて得意じゃないのでこの辺でやめますが、時間はちょっとまだあるようですけど、これだけ言えば十分ですから、この辺で終わります。
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長谷川岳#8
○委員長(長谷川岳君) ありがとうございました。
 以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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佐藤啓#9
○佐藤啓君 自由民主党の佐藤啓でございます。
 それでは、まず笠原参考人にお伺いをしたいと思います。
 受け手を見付けにくいこの中山間地において、阿賀野市農業委員会では人・農地プランの実質化ということに取り組まれて非常にこの成果を上げてきたというふうに思うんですけど、先ほど、この十年後、二十年後を見据えた青写真、グランドデザインを描くことの難しさについてもお話しいただきましたけれども、逆にこれまで成果を上げてきたそのポイント、またどういった点に御苦労されてきたのか、もう少し詳しく教えていただけますでしょうか。
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笠原尚美#10
○参考人(笠原尚美君) ありがとうございます。
 私ども、先ほど意見陳述の中でも申し上げましたけれども、農業委員会として経営状況調査を七年間行っております。今後も続けていく予定であります。その中には、将来、その一軒一軒の農家が若しくは法人がどの程度まで農地を取得したいか、賃借で取得したいか、それから売買で取得したい場合はどのくらいの面積が欲しいのかというアンケートも同時に行っておりまして、そういったものが一覧表として出てまいります。そうしたものを私たちが相談業務若しくはあっせん業務の中で一つのデータとして持つことで、誰に動かしていくことが一番すんなりと農地を動かすことができるのか、それから、その担い手にとってどのくらいの通作距離までが可能なのかということまで聞いておりますので、そういったこと、そういったデータがあることが一番大きい要因かと思っております。
 以上です。
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佐藤啓#11
○佐藤啓君 ありがとうございます。
 今ほど、経営状況調査をしっかりやられているということが一つのポイントであるということであったと思うんですけれども、笠原参考人に引き続いてお伺いしたいと思いますけれども、こういった優良な農業委員会の取組をほかの農業委員会にも横展開といいますか、していくということが非常に重要なのかなというふうに思うんですけれども、経営状況調査をしっかりやるといったことなどですね、こういったものを他の農業委員会でも同様に、同じようにやって成果を上げていくということは可能でしょうか。
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笠原尚美#12
○参考人(笠原尚美君) 個人的には予算があれば可能なことだと思っておりますし、当方、当委員会でも、既に七年分に掛かった予算を毎年確保していただいて、実は、経営状況調査、私たちが一軒一軒回っているのではなくて、全て郵送での返送となっておりまして、ほぼ毎年八〇%ぐらいの回収率を誇っておりますので、きちんとした予算付けをしていただければ可能なことではないかと思っております。
 以上です。
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佐藤啓#13
○佐藤啓君 ありがとうございます。
 それでは、稲垣参考人にまた同様の質問をさせていただきたいというふうに思うんですけれども、やはり、このグランドデザインを描いていく、地域のですね、この難しさについて先ほど言及をされたというふうに思うんですけれども、今ほどお話しいただいた阿賀野市のような非常に優れた取組をされているところもあると思いますけれども、稲垣参考人は全国の状況もよく把握をされているというふうに思いますが、全国のこの農業委員会がこういったしっかりとした取組を進める、青写真を描いていくために必要なことですね、ポイントを何点か教えていただければと思います。
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稲垣照哉#14
○参考人(稲垣照哉君) どうも御質問ありがとうございます。
 今御質問ございましたように、全国でそういう人・農地プランなど話合い活動を進める上で、ざっくり誤解を恐れずに言えば、二パターンの地域、農業委員会があると思います。一つは阿賀野市さんのようにある程度担い手がしっかりいらっしゃる地域と、全然いない地域、この二パターンですね。一つの市町村の中にもその担い手が十分いらっしゃる地域とそうではない地域が併存していると思うんですが、担い手がいるということであれば、そこに農地を寄せていこうということでストレートに話を進めていけるということがざっくりできるのかなと。また、現にそういうふうに取り組み、成果を上げている市町村はございます。
 問題は、担い手のいないところです。そういうところで、先ほど、よくこういう話合いをするときに、高齢者の方ばっかし集まって、何か未来のない人間ばっかし集まって何するんだよみたいな御批判もある中で、ただ、今やはりやらねばならないということで、そういう地域ではワークショップ的な、それこそ地域づくりとか町づくり、村づくりの観点から含めて話合いをする、そういう中から農地の利用の在り方も出てくる。一見迂遠に見えますが、そういう取組が必要なのかなということで、農業委員会組織としてもそういうワークショップみたいなやり方で話合いをするようなことを取り組んでおります。
 その際、やはり、農業委員会なり、一つのそういう組織だけでは駄目なのかな。やはり部外者なり商工観光とかですね、またそういう町づくりのセクションの方、そういう外の血なり外の知見を入れて話合いをしていく、そういう体制をどうつくるのかという意味で、よく申し上げているんですが、全国に四万人の委員さんが先ほどいると申し上げましたが、やはりそれを動かしてくださる市町村部局の事務局、それは農業委員会の事務局だけではなく、市町村の農政部局、また町づくりとか商工とかそういうところが一体となって、そういう地域の話合いづくりの支援、バックアップ体制を取ることが重要かと思っております。
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佐藤啓#15
○佐藤啓君 ありがとうございます。
 今、外部人材を有効に活用していくことの重要性について稲垣参考人お話しいただいたんですけれども、今回の法律の改正の中でそういったことについて十分な配慮がされているのかどうかということについて御意見をいただけますでしょうか。
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稲垣照哉#16
○参考人(稲垣照哉君) 御質問ありがとうございます。
 今後、こういう法律ができて、またそれを具体化していく上でいろんな事業とか予算化する際に、こういう法律を起点に、そういう外部人材なりそういう話合い活動を充実するような事業化というものが当然重要になってくるのかな。今でもそういう事業を準備されておりますが、この法律制定を契機に、それを更に深掘り、広めるような取組を期待しているところであります。
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佐藤啓#17
○佐藤啓君 ありがとうございます。
 まさに今おっしゃっていただいたような、外部人材といっても、例えば今、稲垣参考人からお話しいただいたのは、例えばその地域の役場の職員であったり商工関係の方だったりということで、例えば中山間地域などだとそもそもそういった人材もかなり手薄だということもあるかもしれませんので、本当に外部からサポートをしてくれるようなそういった方々の必要性というものもあるんでしょうか。稲垣参考人にお伺いをいたします。
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稲垣照哉#18
○参考人(稲垣照哉君) 御質問ありがとうございます。
 外部人材については一概には言えないと思っております。約千七百弱の農業委員会のある地域、またその地域の中にも多様な地域があるわけですので、その一つ一つにカスタマイズされた人材をやるためには、あらかじめいろいろ多様な人材というものが想定されて、その中からうまくその地域にピックアップできるようなそういう体制をつくっていくということでいろんな人材をプールしておく、そういうことが今後重要なのかな。それが市町村役場のOBであったりJAのOBであったり、そういう方もいるかもしれませんし、全くその市町村外の外部の人でその地域に入っていきたい、そういう方も、多様なものを準備しておく、それをプールできるような体制というものが大事なのかなと思います。
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佐藤啓#19
○佐藤啓君 ありがとうございます。
 また続いて稲垣参考人にお伺いしたいんですけれども、優れた農業委員会の取組を横展開していくことの難しさみたいなことについてお話を伺えればとも思うんですけれども。
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稲垣照哉#20
○参考人(稲垣照哉君) どうも御質問ありがとうございます。
 私、この組織に、学校を出てすぐこの組織に入って、三十九年、農業委員一筋にやってまいりました。
 その質問が一番苦しいといいますか、胸に刺さるわけですが、農業委員会というのは人の組織でございます。今も四万人の委員さんが三年の任期ごとにどんどん替わっていくということで、あるポイントで非常に優良だった委員会が一定のタイムラグ後に非常に残念な状況になるというときに、人が替わったり事務局が変わったりということで、私ども全国農業会議所、また都道府県の農業会議、市町村の農業委員会としては、少しでもそういうものを横展開と同時に縦の時系列で、何とかそういう蓄積を人が替わってもつながるような努力をいろいろ、それは情報であったり研修であったり、また直接委員さんをほかの委員のところに行っていただいたり、そういうことの繰り返しをやっているということでございます。
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佐藤啓#21
○佐藤啓君 ありがとうございます。
 今、この横展開という用語がいろんなところではやっているので、市町村の取組とか企業の取組とかもそうなんですけど、横展開と簡単に言うんですけど、そんな簡単にできないというのが、だから広がらないというのがまさにこの横展開の課題なわけでありますけれども。
 最後に、今、そこの点を聞かれるのがなかなか苦しいところだというふうなお話あったんですけど、稲垣参考人から、逆にこういったサポートがあればそういったこともより少しは円滑に進むんだけどなということで、何か御要望があればお話しいただけますでしょうか。
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稲垣照哉#22
○参考人(稲垣照哉君) 御質問ありがとうございます。
 なかなかストレートのお答えが出せないんですけれども、何度も申し上げておりますように、農業委員さんは、最適化推進委員さんもそうですが、基本、農業経営者、農家の方、農業者であります。そういう知見を、例えば人・農地プランであるとか農地利用の最適化、国が、地域が進める行政に知見を生かすということでありますので、それは農業委員さん、現場の農業者が中心になっていくというのをコアにして、再三申し上げたかと思いますが、そういう方々をその地域の中でうまく、うまくというか十分に活動していただくように、事務局機能、それは農業委員会の事務局だけではなくて、その市町村役場全体、場合によっては普及センターであるとかJAさんであるとか都道府県、そういう関係機関、支援機関の支援と。
 あと、圧倒的にやはり農業委員会、それから市町村部局のマンパワーが今足りておりません。これはいろんなところで申し上げているんですが、行政の皆さんにはもうほぼほぼやれるだけのことはやっていただいていると思っております。制度も予算も目いっぱいやっていただいている。それでも人が実際増えないというこのネックをどう打破するのか。むしろ、これは政治の力にすがるしかないのかなと思っております。やはりマンパワーがボトルネックになっているということを特に強調させていただきたいと思います。
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佐藤啓#23
○佐藤啓君 終わります。
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小沼巧#24
○小沼巧君 立憲民主党の小沼巧です。
 本日は、笠原参考人、そして稲垣参考人、森島参考人、それぞれ貴重な御意見ありがとうございます。
 今日は、ちょっと、法案審議ということもありますけれども、今皆さんの中で共通して出ていたことについて私なりに考えて解釈をして、質問をそれぞれにしてみたいと思います。
 皆さんの中で、例えばいわゆる計画と実際の現場のギャップみたいなことがあって、その中で話合いについての意義について、皆さん、それぞれ触れられておらっしゃいました。この話し合うということは大事だよねということ、共通しているところでありますが、今回、話合いというのは別に法律があろうがなかろうが地域の現場でできることだと思っております。だから、法律で位置付けたといっても、その現場の中身の話合いの内容や地域の合意形成というものの実質面でうまくいかなければ、まさに絵に描いた餅に法律なってしまうんだろうなということで、必ずしも今までの日本の農地の集約とか担い手の育成ということはうまくいってきたとは言えない現状があったんだろうと、だからこそこの法律改正に至ったんだろうというところの背景を基にそれぞれ同じ質問をしてまいりたいと思いますが、この現場の話合いですね、今までの話合いでどういったところに問題なり課題なりというものがあったのか、今後それを実効性たらしめるためにどういった工夫、改善といったものが実際それぞれの現場の中で必要だと感じられておられるのか。
 共通する質問でございますが、まずは笠原参考人から御解説をお願いできればと思います。
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長谷川岳#25
○委員長(長谷川岳君) 順次でよろしいですね。
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小沼巧#26
○小沼巧君 はい。
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長谷川岳#27
○委員長(長谷川岳君) まずは最初、笠原参考人。
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笠原尚美#28
○参考人(笠原尚美君) 御質問ありがとうございます。
 私自身が感じていることですけれども、今までの話合いの中で、声の大きな方が大きな声でこうじゃないかと言ってしまえば、その地域全てがそれに右倣えしてしまうような現状がありました。それは、きっと農地に関わることだけではなくて、地域活動であるとかいろいろな地域の協議の中でも同じような状況だったかと思います。
 今回、現場に入ることで、そういった方々の意見もきちんとお聞きしながら、ですが、ふだんであればなかなか声を発しない方々の声をきちんと聞く、若しくは欠席されるような方々には個別に訪問させていただいてお話をさせていただくことで、その場で結論を出さないような工夫をさせていただきました。
 回数を重ねるたびに、意見をきちんと求められると、皆さんきちんとお話をしてくださいます。それを今までとは違う、皆さんの総意という形でまとめるまでにはかなり時間を要したというのが私自身の経験からの発言とさせていただきたいと思います。
 以上です。
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稲垣照哉#29
○参考人(稲垣照哉君) 御質問ありがとうございます。
 その話合いの意義とか経過ということですが、二つのことを申し述べさせていただきたいと思います。
 一つは、やはり、人・農地プランは、御案内のように、平成二十四年から事業として取り組まれているものでございます。そして、令和元年のバンク法五年後見直しで実質化ということで、更に強化されて今日に至っているわけであります。農業委員会組織としても、平成二十四年からこの話合い活動に取り組んできたわけであります。今先生御指摘のように、そのプランがあろうがなかろうが現場での話合い活動というのは今までも行われてきましたし、必要なものですが、このプランという今は事業でございます。そういう方向性、また行政なり政策の誘導していく上での意味合いがあったのかなと。それを農業委員会組織として法定化なり確固たるものにお願いしますといった背景には、更に法律に国、県、市町村、現場という形で位置付けていただくということに意味があるのかなと思っております。
 それから二点目は、話合いのやり方は本当に地域地域でもうまちまちだろうと思います。このやり方がいいというのはないと思いますが、ただ、私ども全国農業会議所では、その話合いを一つのやり方でやってくださいということではなくて、一つの選択肢として、先ほども申し上げましたように、ワークショップであるとか、要するにみんながいろんなことを話し合えるということでファシリテーションのような手法も、そんなまどろっこしいことと言われるかもしれませんが、やはり担い手がいないようなところではそういうことからしていろんな話合いをするということに今注力しているところでございます。
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