財務金融委員会

2024-05-10 衆議院 全180発言

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会議録情報#0
令和六年五月十日(金曜日)
    午前九時二分開議
 出席委員
   委員長 津島  淳君
   理事 井上 貴博君 理事 金子 俊平君
   理事 鈴木 馨祐君 理事 塚田 一郎君
   理事 稲富 修二君 理事 櫻井  周君
   理事 伊東 信久君 理事 稲津  久君
      石原 正敬君  英利アルフィヤ君
      小田原 潔君    越智 隆雄君
      大塚  拓君    大野敬太郎君
      勝目  康君    川崎ひでと君
      木原 誠二君    岸 信千世君
      鈴木 隼人君    瀬戸 隆一君
      中山 展宏君    藤丸  敏君
      藤原  崇君    古川 禎久君
      宮下 一郎君    宗清 皇一君
      山田 美樹君    小山 展弘君
      階   猛君    末松 義規君
      野田 佳彦君    馬場 雄基君
      原口 一博君    沢田  良君
      藤巻 健太君    掘井 健智君
      中川 宏昌君    田村 貴昭君
      吉田 豊史君
    …………………………………
   財務大臣
   国務大臣
   (金融担当)       鈴木 俊一君
   内閣府副大臣       井林 辰憲君
   財務大臣政務官      瀬戸 隆一君
   厚生労働大臣政務官    三浦  靖君
   政府参考人
   (金融庁総合政策局長)  油布 志行君
   政府参考人
   (金融庁企画市場局長)  井藤 英樹君
   政府参考人
   (金融庁監督局長)    伊藤  豊君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           増田 嗣郎君
   財務金融委員会専門員   二階堂 豊君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月十日
 辞任         補欠選任
  石原 正敬君     川崎ひでと君
  越智 隆雄君     勝目  康君
同日
 辞任         補欠選任
  勝目  康君     越智 隆雄君
  川崎ひでと君     石原 正敬君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 事業性融資の推進等に関する法律案(内閣提出第五七号)
     ――――◇―――――
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津島淳#1
○津島委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、事業性融資の推進等に関する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として金融庁総合政策局長油布志行君、企画市場局長井藤英樹君、監督局長伊藤豊君、厚生労働省大臣官房審議官増田嗣郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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津島淳#2
○津島委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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津島淳#3
○津島委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。馬場雄基君。
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馬場雄基#4
○馬場(雄)委員 おはようございます。朝一番、どうぞ皆様よろしくお願い申し上げます。元気にいきたいと思います。立憲民主党、馬場雄基でございます。
 法案に入る前に、是非政府に、鈴木財務大臣にお願いを申し上げたいことがあります。
 オンライン環境なんですけれども、デジタル化や働き方改革、様々、政府は推進しておりまして、当然、私たちが受けるレク、これはリアルであったりオンラインを選択できる状況に今なっているわけですが、私自身は、御負担のない方を御選択くださいというふうに申し上げて最近行わせていただいているわけですけれども、実際にこのオンライン環境でやろうとしたときに、結構な不都合が生じています。ぶつ切りになったりとか、画面が急にショートしてしまってまた入り直すとかですね。オンライン環境を整えていくというふうに、あるいは推進するという一方で、実は、隗より始めよの私たちが実際にやってみると、かなりな不都合が生じているのもまた事実ではないかと思います。
 これは私だけであるのか、ほかの方がもし同じことをやられて懸念されているのであればなおさらなんですけれども、是非とも、政府が、国民に対してデジタル化、働き方改革、推進していくということでオンライン化が必要だというふうにおっしゃっていただけるのであれば、まずはやはり全省庁にその環境を正確に整えていくこと、あるいは、議員会館側に問題があるならば、その環境も含めてちゃんと整備していくということ、この点、改めてちょっと、今日、事前通告はしていないんですけれども、お一言いただけたら幸いなんですが、いかがでしょうか。
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鈴木俊一#5
○鈴木国務大臣 デジタル化を進めていくということは、今、政府の方針でもあると思います。そのためのインフラ整備、環境整備、これは大切だと思っております。
 具体的に、どのところを、どのような課題があって、どう改善していくのかということはちょっと私は分かりませんけれども、重要なことであるという認識は先生と全く同じだと思っております。
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馬場雄基#6
○馬場(雄)委員 大臣、ありがとうございます。本当に隗より始めよだと思っておりますので、是非とも、私たちから逆に国民にその姿を示していくということ、是非とも改めてお願い申し上げたいと思います。
 さて、今回の法案は、事業性融資という新たな概念への挑戦だというふうに思っております。従来、融資をする際の担保は不動産あるいは経営者保証というものによって行っておりましたが、その会社が持つ技術力やキャッシュフローなど、事業の成長力を担保にしていくという概念だと認識しております。
 私も元々金融機関に勤めておりました。現場の方に話を伺ったところ、感想ですけれども、理想は分かる、理想はいい、ただ、実際に現場で自分が担当しようと思ったときに非常に不安だということをおっしゃっておりました。現場は不安になっているわけです。この不安をどう取り除いていけるか、金融庁の姿が今まさに試されているのだというふうに思っております。本政策が現場で取り組む皆様方の安心感に寄与できるよう、私も努力したいというふうに思っております。
 今回、事業性融資推進本部を設置するということをこの法案の中にも明記されているわけですが、まずゴールイメージを共有したいと思います。
 推進本部の目的が達成された状態、目的は事業性融資を推進していくということだと理解しておりますので、推進本部の目的が達成された状態、その世界観とはどういうものであるのか、具体的に目的達成と言われるその状態をお示しいただければと思います。
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井藤英樹#7
○井藤政府参考人 お答え申し上げます。
 今般の事業性融資推進法案におきましては、目的規定といたしまして、先生御指摘いただきましたとおり、不動産を目的とする担保又は個人を保証とする保証契約などに依存した融資慣行の是正及び会社の事業に必要な資金の調達等の円滑化を図り、これらにより会社の事業の継続及び成長発展を支え、もって国民経済の健全な発展に寄与する旨、定めてございます。
 御指摘の事業性融資推進本部につきましては、事業性融資の推進に関する基本方針の策定ですとか、関係行政機関の事務の調整などを行うことにより、こうした法案の目的を達成するために金融庁に設置するものでございます。
 現時点におきまして、法案の目的というものの達成について、事業性融資の件数や残高などについて定量的な基準を設けているわけではございません。ただ、いずれにしましても、事業性融資の一層の推進に向けて、我が国における事業性融資の実施状況ですとか、それによる資金調達の円滑化、事業の成長発展の状況については、しっかりとモニタリングを行わせていただきまして、状況把握を行ってまいりたいというふうに考えてございます。
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馬場雄基#8
○馬場(雄)委員 井藤局長、ありがとうございます。ただ、私の質問には明確には答えられていないのではないかというふうに思うわけですが。
 新たに本部をつくられるわけです。一方で、今回、スリム化法案とかもありましたけれども、どんどんどんどん、やはりしっかりと、何のためにこの本部をつくって何のためにここで議論していくのかというところを明確にしていく、その責任は政府にあると私は当然ながら思っています。そのときに、今のお答えだと、その本部の中で何をいわゆるベンチマークにして確認をしていくのか、どういう状態になったときに目的が達成されたと表現でき得るのかということが答え切れない状態でこの法案が進んでいくことには、私は警鐘を鳴らしたいというふうに思います。
 改めて鈴木金融担当大臣にもお伺いしたいわけですが、今回のこの本部、一方でスリム化というところもあるわけですけれども、この本部が解散される、解散する、そういうふうな目的が達成されて解散しますというのをどういうふうに規定していくのか、その点を明確にお答えください。
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鈴木俊一#9
○鈴木国務大臣 先ほど井藤局長から答弁をいたしましたけれども、事業性融資推進本部につきましては、事業性融資の推進に関する基本方針、これの策定や、関係行政機関の事務の調整などを行うことによりまして、事業に必要な資金の調達等の円滑化を図り、事業の継続及び成長発展を支えるというこの法の目的を達成するために、金融庁に設置するものであります。
 まずは、事業性融資推進本部において基本方針というものの策定を行うとともに、企業価値担保権の関係者への理解促進に向けた周知など、事業性融資の推進に向けた政府全体の取組を促してまいりたいと考えております。
 そして、出口というお話でございますが、本法案は、施行後五年を経過した段階で、施行の状況等を踏まえて、必要に応じた見直しを行うこととしておりまして、この本部の在り方につきましてもこの見直しの対象に含まれております。
 一方で、現状を踏まえますと、本部として、まずは、関係行政機関が一体となって事業性融資の推進に総合的かつ集中的に取り組むという役割をしっかり果たしていくことが重要でありまして、現時点で廃止の基準を議論するというのは、今の段階ではまだ時期尚早ではないかと思っております。
 いずれにしても、施行後五年の見直し規定がございますので、この本部もその対象にして考えていきたいと思います。
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馬場雄基#10
○馬場(雄)委員 大臣、五年後に見直しをしていくということは当然理解でき得るんですけれども、五年間、何をチェックしていくのか、どういう状態になっていくことを理想としつつ、この本部をまさに設置していくのかというところがやはり明記されていないと、単に集まって、言葉は悪いかもしれませんが、お茶飲み会議みたいな状態になってしまいかねないと思いますので、その会議の本質をしっかりと定めていくためにも、私は、ここに金融庁の責任が試されていると思いますので、是非とも定めていただくよう検討いただきたいというふうに思います。
 加えて、今回、本部の構成員として、金融担当大臣のほか、経産大臣、財務大臣、農水大臣及び法務大臣とありますが、最後、などというふうに書かれております。
 ここは井藤局長にお伺いしたいと思いますが、などということは、今後増やすということも可能性としてあり得る、そのことをお答えください。
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井藤英樹#11
○井藤政府参考人 お答え申し上げます。
 今般の法案につきましては、本部の本部員につきまして、事業性の融資を推進する観点から、金融機関、中小企業者などを所管する金融担当大臣、経産大臣、財務大臣、農水大臣及び法務大臣の五人の大臣をあらかじめ明記してございますけれども、別途、国務大臣を指定することができるというようなたてつけになってございます。
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馬場雄基#12
○馬場(雄)委員 大臣、ここで御提案をさせていただきたいと思います。
 今回の事業性融資は、まさに企業で働く人の環境、労働と密接に関わっているわけでございます。厚生労働大臣に対して、構成員に加えていただくというお考え、それを是非とも御提案させていただきたいですが、いかがでしょうか。
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鈴木俊一#13
○鈴木国務大臣 事業性融資推進本部、先ほど答弁が井藤局長からあったわけでありますけれども、このメンバーにつきましては、金融機関、中小企業者等を所管する大臣ということをまずは念頭に置いて構成員を選んでおります。
 しかし、御指摘のように、今般の制度立ち上げ当初におきましては、企業価値担保権の活用促進に向け、労働者の保護に関して、関係者の理解促進や周知、広報が重要になる、そのように考えております。
 こうした観点から、特に、施行後の当面の間は、厚生労働大臣を本部員に指定する方向で考えております。その後も、継続的に厚生労働大臣に関与していただくことが基本になるものと考えております。
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馬場雄基#14
○馬場(雄)委員 大臣、ありがとうございます。
 是非とも厚生労働大臣を本部構成員に加えていただき、そして、労働環境等も含めて、その場で議論されていく環境を是非とも整えていただきたいというふうに思います。この場でお答えいただき、ありがとうございます。
 続いて、事業性融資制度はどんな企業に使ってほしいのか、先ほどのいわゆる目的がどういう状態であるのか、そのイメージを是非とも共有させていただきたいと思います。
 先ほど、達成したい世界観を伺った、つまり、それは具体的なアクターを示していくということだと思いますが、この事業性融資を実際に利用するアクターは一体誰と誰と誰というふうに想定をされているのか、ここは井藤局長にお願いしたいと思います。
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井藤英樹#15
○井藤政府参考人 お答え申し上げます。
 今般の法案で導入いたします企業価値担保権でございますけれども、不動産担保や経営者保証に安易に依存せず、事業者の将来キャッシュフローや無形資産を含む事業全体を担保の目的とする新たな担保権でございまして、先生も御指摘のとおり、事業者の実態や将来性等に着目した融資をより一層推進するため、新しい選択肢を提供していこうというものでございます。
 具体的には、典型的な活用事例といたして、競争力のある新商品を開発して今後の販路拡大のために資金需要がある、有形資産に乏しいスタートアップですとか、金融機関が事業の後継者に対して経営者保証の継続を求めるために事業承継が進んでいないという、現状そういった状況にある事業者、あるいは事業再生のため新事業に対する資金が必要であるものの、これまで事業を再構築したことで担保余力に乏しい事業者など、こうしたものが典型的に考えられますけれども、いずれにしましても、多様な活用場面があり得るというふうには考えてございます。
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馬場雄基#16
○馬場(雄)委員 局長、ありがとうございます。
 まさにこの三つのアクター、スタートアップ、事業承継、事業再生、この三つのアクターだと思いますが、逆を言えば、先ほどの本部の目的、目標というのは、この三者に対してどういう状態になっているかということをしっかりと明記していくということだと思いますので、ここは重ねてお願い申し上げたいところではあるんですが。
 基本、皆様も、恐らくお手元の例えば新聞記事とか、様々いろいろ見られていく中で、スタートアップの支援をより強力に推進していくためにこの事業性融資を導入していこうというふうに報道されていたのをよく目にしていたというふうに思いますけれども、このスタートアップという表現をより具体化させるべきだと私は思っています。
 なぜかと申し上げれば、アメリカのシリコンバレー等で行われてきたこのスタートアップという概念ですけれども、基本的には、新しく設立されたばかりの企業、設立されたばかりの企業であり、大体創業から一年から三年ぐらいのことで、著しい成長を遂げてくる企業というふうにイメージとして思われていたものでございます。
 しかし一方、今、問題にもなってくると思いますが、企業価値担保というものをしっかりと表現していこうとすれば、当然ですけれども、キャッシュフローを確認していかなければいけません。創業当初の生まれたばかりのこのときにキャッシュフローをしっかりと捉えるというのは、正直言って無謀なことだというふうに思いますし、基本的に、物ができて、その物の生産工程がしっかりして、その上で販路が確立されて、その成功可能性が極めて高いと判断できる状態で企業価値担保がつけられると私は思っています。
 つまり、それはスタートアップの一番最初の一年とか二年でつけられるものではないというふうに思いますけれども、スタートアップの定義の部分をより具体的によろしくお願いします。
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井藤英樹#17
○井藤政府参考人 先生の御指摘は非常にもっともなことだと思いますけれども、今般の法案で導入する企業価値担保権は、事業者の将来のキャッシュフローや無形資産を含む事業全体を担保の目的とする新たな担保権でございまして、繰り返しで恐縮ですけれども、不動産担保や経営者保証に安易に依存せず、事業の実態や将来性等に着目した融資を行うものであるため、有形資産に乏しいスタートアップ企業に対してもその活用が期待されてございます。
 スタートアップ、定義の問題かと思いますけれども、いろいろなステージがあろうかと思います。資金調達ニーズというのは、ステージの各段階、あるいは企業の置かれている状況において様々でありまして、この担保権を活用するスタートアップ企業について設立年数等の想定を一概に申し上げることは困難であろうかと思いますが、先生のおっしゃるような点は、重ねてですけれども、非常にもっともなことでもあろうかと思います。
 その上で、一般論として申し上げれば、企業価値担保権を活用した資金の形態はあくまでも融資でございまして、その融資判断におきましては、おっしゃられますとおり、商品の開発状況とか売上げの見込み等につきまして一定の確度を持った予測というものが必要と考えられるのが通常かと思います。したがいまして、設立後間もない草創期というよりは、キャッシュフロー等を含めたビジネスの状況がある程度確立した段階において検討することが典型的には想定されるんだというふうに考えてございます。
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馬場雄基#18
○馬場(雄)委員 ありがとうございます。
 資料を金融庁からいただく際に、スタートアップという言葉を見ると、大概にして有形資産に乏しいスタートアップ、今、井藤局長からも御説明がありましたが、そういうふうに表現されるわけでございます。
 ただ、どうでしょう、皆さん。スタートアップという表現を一般的に聞いた際、あるいはスタートアップ企業のまさに担い手たちがそれを期待する場合、あるいは融資を担当するバンカーの人たちが判断していく際、その言葉だけを捉えていくと、私は誤解を生じかねない表現ではないかというふうに思います。
 今、井藤局長が丁寧に御説明いただいたとおり、創業一番最初の誕生期ではなく、創業期から成長期に向けていく、このドライブをかけていくための新たな選択肢を、経営者保証とか不動産担保とかではない新たな選択肢を今回提供するというふうな表現の方が私は現場に混乱なく伝わっていくのではないかと思いますが、その点、いかがでしょうか。
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井藤英樹#19
○井藤政府参考人 いずれにしましても、この法案、施行までに二年半あるということでもございますので、先生の御指摘も踏まえて、しっかりとその活用方策については、施行後、活用状況をフォローするということは当然なんですが、それ以前の段階でも更に活用のケース等を深めてまいりたい、その際には先生のおっしゃる点についても十分念頭に置いて対応してまいりたいというふうに考えてございます。
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馬場雄基#20
○馬場(雄)委員 恐らく、この会場、そんなにかたくなにならなくてもというふうに思われた方が多いんじゃないかなと思いますが、応援いただき、ありがとうございます。
 是非、今後、この表現をするときに、是非とも、米印でもいいので、スタートアップの方々が期待してしまうと思いますし、事業を担当するバンカーの人たちもどういうふうにしていくかという具体的なイメージを持っていかなければいけないといったときに、是非ともその定義は大切にしていただきたいということを、金融庁にここは強く求めたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。
 そもそも事業とは何かということですが、事業は人だというふうに思っています。人をつくっていく、そして、ある意味、人をつくっていくのが事業でもあるということだと思いますが、つまり、事業と人は一体です。事業を担保にするということは、人を担保にしていくということともある程度同義になるのではないかというふうに私は思えます。その中で、運用は極めて明快かつ慎重でなくてはならないというのがこの制度を推進していく際の懸念点だというふうに改めて申し上げたいというふうに思います。
 金融庁の資料、今回お配りさせていただきましたが、事業譲渡について、下から二番目のところですかね、「借り手の権限」というふうに書いてあるところの米印のところですけれども、「事業譲渡など、事業の内容を大きく変え、担保価値の毀損につながりうる通常の事業活動の範囲外の行為には、担保権者の同意を必要とする。」というふうに書いてあるわけですが、ここをより具体的にしていかなければいけないというふうに思います。
 法案では三つ書いていますが、一つは事業譲渡、もう一つは重要な資産等々ですね、加えて、減価、安い値段で資産が売却につながってしまう行為等々書かれているわけですが、決してこの三つだけではないんじゃないかなというふうに思いまして、例えば、コアな技術者がそこにいた際に、コアな技術者が抜けてしまうとかということは間違いなくこういう事例に該当していくというふうに思いますが、法案で書かれている三つだけで具体例の例示はいいというふうにお考えでしょうか。お答えください。
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鈴木俊一#21
○鈴木国務大臣 今般御審議をお願いしております法律案では、借り手が通常の事業活動の範囲を超える処分などをする場合は担保権者の同意が必要と定められておりまして、これに違反した場合には、その処分等は原則として無効といたしております。
 具体的には、借り手による事業譲渡、重要な財産の処分や、正当な理由のない財産の不当な廉売、廉価売却は、類型的に借り手の通常の事業活動の範囲を超える処分等と考えられるために、条文において例示をいたしております。
 先生の御指摘は、その例示として示しているものだけではなくて、例えば、高い技術力を持つ、事業にとって重要な従業員の転職というものも考えるべきではないかということでありますが、この転職は事業に影響を与え得る事象と考えられますけれども、一方、従業員の立場に立って考えてみますと、従業員の退職は、そもそも借り手たる事業者が制限することができるものではなく、また、当該従業員の職業選択の自由を保護する必要性を踏まえ、今般の法案におきましては、これを制限する規定は設けていないところであります。
 なお、事業価値を毀損するような行為については、網羅的に列挙することは困難であるため、今般の法案では、一定の幅を設けまして、具体的な事案に応じて、担保権者又は管財人等の訴えに基づき、最終的には裁判所が判断することとしております。
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馬場雄基#22
○馬場(雄)委員 大臣、ありがとうございます。
 人の転職とかの自由というのは当然あると思うんですが、だからこそ、この運用は難しいということをしっかりとこの議論で残していきたいというふうに思います。本当に、この分野、スタートアップというのはヘッドハンティングのよくある市場でもあるわけですから、そこに対して企業価値担保をつけていくことの、ある意味でいうと危険性というところは、当然残るのではないかなというふうに思います。
 一方ですけれども、昨年二月の金融審議会等では、事業を解体せず、雇用を維持しつつ継承すること、つまり、事業と雇用が一体であるということを審議会でも固く、ある意味、確認をされていたというふうに認識しておりますけれども、今回の法案では、そのことが実際は書かれていないというふうに思っています。
 レクで伺ったときには、該当箇所、百五十七条一項でしっかり書かれていますよというふうには言われたわけですけれども、実際は、審議会でお話しされていた、事業を解体せず、雇用を維持しつつ継承すること、事業と雇用が一体であるというふうなことを、その文のまま明記したわけではありません。
 逆を言えば、ここで確認したいんですけれども、大臣、百五十七条でしっかり書かれているということは、事業と雇用は一体であり、一体的事業譲渡というものをある意味原則とするということが書かれているということで理解していいでしょうか。
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鈴木俊一#23
○鈴木国務大臣 馬場先生御指摘のとおり、昨年二月の金融審議会の報告書におきましては、企業価値担保権の実行時の換価に関する方法に関して、事業を解体せず、雇用を維持しつつ承継することを原則とし、個別財産の換価は事業の譲渡が困難である場合における例外とするとの提言がなされました。
 今般の御審議いただいております法律案におきましては、この提言に沿いまして、換価の方法を定める第百五十七条において、第一項では、事業を解体せず、雇用を維持しつつ承継することを意図して、「営業又は事業の譲渡」とすることを一般原則といたしまして、第二項において、「前項の規定にかかわらず、」と規定をして、個別財産の換価が例外であるということを定めているところであります。
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馬場雄基#24
○馬場(雄)委員 大臣、ありがとうございます。しっかりとこの場の議論で確認することができました。
 一方で、その個別の換価を考えていくことのときですけれども、あくまでやはりこれは例外であるべきだというふうに思いますが、個別換価を検討していかなくてはならないというその事象について、厳格な要件をしっかり定めていくべきではないかというふうに思いますが、そのことを御検討いただけないでしょうか。大臣、お願いいたします。
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鈴木俊一#25
○鈴木国務大臣 今回の法律案では、個別財産の換価は例外として、管財人が必要があると認める場合に裁判所の許可を得て実施する旨が規定されております。
 具体的には、事業売却の相手でありますスポンサー等に対して全体としての事業譲渡が困難な場合など、管財人が必要があると認める場合に該当すると考えられ、その例外的な個別換価の必要性については、事業を解体せず、雇用を維持しつつ承継することを原則とする制度趣旨に照らして、個別事案ごとに裁判所において適切に判断されることとなると考えております。
 こうした制度趣旨を踏まえた運用に関する考え方につきましては、法案が成立した後にガイドラインなどの形で明確化した上で公表することを検討したいと考えております。
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馬場雄基#26
○馬場(雄)委員 ありがとうございます。
 ガイドラインの作成、是非、私たちも注視したいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 時間の関係上、最後になってしまいますが、融資担当者の教育支援について、最後、お伺いしたいと思います。
 金融担当者に求められるスキルというのを一般的に単に三つ挙げるとすれば、関係構築能力、いわゆるリレーションシップ構築能力、そして、ある意味、営業力、最後、審査能力、目利き力とも言われるものだと思いますけれども、ここ最近、やはりずっと長らく低金利の状態でありまして、銀行及び金融機関というのは、はっきり言えば、営業、営業、営業というようなところで、かなり振り切って活動してきたところは否めないのではないかというのが私自身の教育を受けてきた感想からも思うわけですけれども。
 今回、企業価値担保、事業性融資ということがあるということは、ある意味、旗がぐっと変わってくる。金融機関の文化、あるいはその情勢そのものを変えていくぐらいの機運を高めなければいけないというふうに私は思いますし、それは、営業以上に、やはり、審査能力であったり目利き能力というのが、銀行の中あるいは金融機関の中のある意味DNAにしていこうということが、本来は、金融庁がより明確に、より旗を振ってやっていっていただきたいなということを願いを込めて、最後、質問したいというふうに思うわけです。
 教育支援、融資担当者における、あるいは金融機関の新人教育かもしれませんが、あるいは中途採用のところの教育かもしれませんけれども、そういった教育支援を金融庁としてより強力に旗を振っていただきたいというふうに思いますが、大臣、お答えいただけないでしょうか。
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鈴木俊一#27
○鈴木国務大臣 馬場先生はかつて銀行にお勤めでいらっしゃいましたので、現場に即した御指摘であると思って、しっかり伺わせていただいたところであります。
 先生の御指摘のとおりに、地域経済や事業者の持続的な成長を支えるためには、金融機関におきまして、事業者の実態や将来性等を的確に把握、評価できるいわゆる目利き力を養っていくことがますます重要になっていると思っております。この目利き力は、各金融機関の金融仲介機能の源泉であり、それぞれの実情に即した継続的な人材育成等に取り組むことが重要であると思います。
 この点で、金融庁では、二〇一九年の十二月に監督指針を改正をいたしまして、金融機関に対して人事ローテーションの確保を求めないことといたしました。これにより、例えば、融資担当者と顧客企業との中長期にわたる関係構築を通じて事業への理解を深める取組を行うなど、各金融機関が創意工夫を凝らして融資担当者の人材育成等に取り組むことが可能になっております。
 さらに、金融機関の人材育成等を後押しする観点から、例えば、融資先の経営改善を支援する際の着眼点を支援対象となる業種ごとに整理をした「業種別支援の着眼点」というものを作り、公表して、その研修を実施するなどの取組も行ってまいりました。
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津島淳#28
○津島委員長 大臣、時間が経過しておりますので、簡潔にお願いします。
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鈴木俊一#29
○鈴木国務大臣 はい。
 加えて、今回の法案では、融資担当者等において、事業を適切に評価するノウハウが十分でない場合などに備えて、金融機関や事業者に対して専門的な知見の提供等の支援を行う機関の認定制度の創設も盛り込んでおります。
 引き続き、金融庁として、金融機関がそれぞれの実情に応じて必要な人材育成に取り組むように促してまいります。
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