政治改革に関する特別委員会

2024-06-14 参議院 全147発言

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会議録情報#0
令和六年六月十四日(金曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月十二日
    辞任         補欠選任
     梶原 大介君     山下 雄平君
     東   徹君     梅村  聡君
     天畠 大輔君     大島九州男君
 六月十三日
    辞任         補欠選任
     青木 一彦君     山本 啓介君
     赤松  健君     長谷川英晴君
     神谷 政幸君     古庄 玄知君
     宮崎 雅夫君     小林 一大君
     里見 隆治君     安江 伸夫君
 六月十四日
    辞任         補欠選任
     矢倉 克夫君     宮崎  勝君
     安江 伸夫君     里見 隆治君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         豊田 俊郎君
    理 事
                石井 浩郎君
                佐藤 正久君
                藤井 一博君
                牧野たかお君
                小沼  巧君
                谷合 正明君
                高木かおり君
    委 員
                岩本 剛人君
                臼井 正一君
                加藤 明良君
                小林 一大君
                古庄 玄知君
                清水 真人君
                白坂 亜紀君
                鶴保 庸介君
                友納 理緒君
                長谷川英晴君
                山下 雄平君
                山本 啓介君
                青木  愛君
                熊谷 裕人君
                小西 洋之君
                宮口 治子君
                森屋  隆君
                里見 隆治君
                宮崎  勝君
                矢倉 克夫君
                安江 伸夫君
                山本 博司君
                梅村  聡君
                藤巻 健史君
                浜野 喜史君
                井上 哲士君
                山下 芳生君
                大島九州男君
                伊波 洋一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        荒井 透雅君
       常任委員会専門
       員        久保田正志君
   参考人
       政策研究大学院
       大学教授     飯尾  潤君
       駒澤大学名誉教
       授        大山 礼子君
       日本大学危機管
       理学部教授    西田 亮介君
       中央大学法学部
       教授       中北 浩爾君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政治資金規正法の一部を改正する法律案(衆議
 院提出)(衆第一三号)
○政治資金規正法の一部を改正する法律案(井上
 哲士君発議)
○政党助成法を廃止する法律案(井上哲士君発議
 )
○政治資金規正法等の一部を改正する法律案(竹
 詰仁君外一名発議)
    ─────────────
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豊田俊郎#1
○委員長(豊田俊郎君) ただいまから政治改革に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、東徹君、梶原大介君、天畠大輔君、神谷政幸君、赤松健君、宮崎雅夫君、青木一彦君及び里見隆治君が委員を辞任され、その補欠として梅村聡君、山下雄平君、大島九州男君、古庄玄知君、長谷川英晴君、小林一大君、山本啓介君及び安江伸夫君が選任されました。
    ─────────────
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豊田俊郎#2
○委員長(豊田俊郎君) 政治資金規正法の一部を改正する法律案(衆第一三号)、政治資金規正法の一部を改正する法律案(参第一号)、政党助成法を廃止する法律案及び政治資金規正法等の一部を改正する法律案、以上四案を一括して議題といたします。
 本日は、四案の審査のため、四名の参考人から御意見を伺います。
 御出席をいただいております参考人は、政策研究大学院大学教授飯尾潤君、駒澤大学名誉教授大山礼子君、日本大学危機管理学部教授西田亮介君及び中央大学法学部教授中北浩爾君でございます。
 この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多忙のところ御出席をいただき、誠にありがとうございます。
 皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いを申し上げます。
 次に、議事の進め方について申し上げます。
 まず、飯尾参考人、大山参考人、西田参考人、中北参考人の順にお一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
 また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきを願いたいと思います。
 なお、参考人の皆様の御発言は着席のままで結構でございますが、質疑者は起立の上発言することといたしておりますので、よろしくお願いをいたします。
 それでは、まず飯尾参考人からお願いをいたします。飯尾参考人。
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飯尾潤#3
○参考人(飯尾潤君) 政策研究大学院大学の飯尾でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 マイクの位置もございますので、座って説明させていただきます。
 本日お招きいただきましたのは政治資金改正法の改正案などについて意見を述べよということでございますので、私は政治学者でございまして、日本の政治を中心に研究してまいりました。ただし、政治資金規正法あるいは政治資金を特に専門にしているわけではございません。ただ、政治資金関係は極めて重要な現象でございますので、政治の中で何回も出会ってきたということの中から、日本の政治の在り方に関して、今度の改正案等について思うところを述べさせていただきます。お許しいただきたいと思います。
 そこで、まず第一に、政治資金というのはどういうふうに考えるのかということを最初に申し述べて、それぞれの論点に移りたいと思いますが。
 政治資金は、政治家、政党が自由な政治活動を展開するために、この世の中、必要なものでございます。ですので、非常にそれは自由に使われるべきものではございますけれども、金の力で政治がゆがめられるとか政策が動かされるというのもよろしくないことでございます。そういうことから考えますと、一定の制限が必要ということでございます。
 だから、そういうところでこの法律があるというふうに理解をしておりますが、やや、この法律、規正法のセイが正しいということになっているのは、政治家の方が自ら身を正されるということは、実は政治のスタイルがいろいろだからと。御主張はもちろんいろいろでございますが、スタイルが様々だからということでございまして、支出や収入の構造も違うということでございます。
 私の知る限り、例えば政党を例にして、収入を例に取りますと、政党助成法に基づく政党交付金が極めて大きな比重を占める政党もあれば、それを受け取らないとおっしゃる政党もある。あるいは、企業・団体献金を受け取られるという政党もあれば、それがないという政党もあります。あるいは、機関紙収入などが非常に大きな比重を占めるという政党もあれば、そういう非常に限られた比重しかその比重はないということもあります。
 これは、多様な意見を集めるためには多様な活動が必要だから、こういうことになっておりますので、比較的それは多様ではあるけれどもそれぞれ認めていくというのが法律の趣旨。しかしながら、その多様性は有権者がそうあるべきかどうかは判断するので、公開するということであります。有権者の中には企業・団体献金はけしからぬという方もおられますけれども、これは支持を決めるときに参考にすると、こういうことでありましょう。
 そういうことからすると、公開によって適切性を確保するためにはきちんと公開されないといけないわけでございます。ただ、後の話に少し関係をすることを申しますと、ただし、過度の公開ということで政治参加を阻害するというのもまた問題がある。
 例えば、大きな政党とか国民の多数と意見の同じ政党の場合は余りないと思うんですが、少数派の場合であったり少数意見を代表している政党について、例えば普通の人が、隣近所からすると、献金をしたということが分かるとやりにくいという、僅かな献金であってもということはあり得るので、やはり公開の限度額などが設けられているのはその趣旨ではないかと、こういうふうに考えるわけでございます。
 そこで、これを前提にいたしまして、今回問題になっていることについて幾つかお話をいたします。
 今回このような議論が行われていますのは、ここにもおられて大変恐縮でございますが、自由民主党内で派閥の政治資金パーティーに関してやはり不適切な事案があったということは、これは前提でございます。ただ、そういうときに、今回議論になっています法律の改正が必要だというふうになっていますが、少しそこで考えないといけないのは、私のように研究しておりますと、政治資金規正法はしばしば改正されている法律でございます。事件のたびにいろいろ改正される。
 しかし、よく考えると、その事件というのは今ある法律が守れなかったということであって、ところが、また事件が起こると、新しい規制を設けるとますます守りにくくなると、こういう問題があって、まず考えないといけないのは再発防止ということでございますが、今回の事案で大変深刻だと思うのは、長年にわたって不正が明らかにならなくて、時効になってしまっても分からないところがあると、こういうことでございます。
 それに関して、今回の改正案を拝見しますと、もちろん対策は取っておられるということでございまして、今回の場合、例えば会計責任者、秘書みたいな方が多いと思いますが、の責任が問われるのに政治家の責任が問われていないのは不当だということで、代表者の責任に踏み込む、これ自体は私は賛成でございます。しかしながら、それを厳罰主義と言うのはいかがだろうかと、ちょっと私が思っていることがございます。
 なぜかというと、今回の事件でも会計検査の責任者で立件されている、こういう会計責任者はかなり多額の責任者に限られておりまして、そうでないところは立件されない。もちろんこれは検察審査会の問題になっているということですが、実は余りに罰則が重過ぎると処罰しにくい。その範囲とか何かをきちんと確定するための取調べも必要だということで、現状ではかなり罰則が重いために、実は検察にかなりの裁量ができてしまっているのがちょっと問題ではないかなと思っています。
 ただ、この法律の立て付けは、公開ということで、公開について怠った者はいきなり刑事罰と、こういうことになっていますが、私自身は、その間にもう少しいろいろ工夫があってもよろしいのではないか。政治資金をその部分国庫に納めるであるとか、政党助成金を制限する、そういう政党には制限するなどの中間の段階、あるいは、後でお話ししますように、是正ということをちゃんと監督機関が命ずるというようなことがあってもよろしいのではないかということで、そういう不正があったことが分かることが大切だと、こういうふうに思っております。
 そういう点では、厳罰主義だけではなくてほかの手段も考える、こういうことが重要ではないかというのが第一点、中身についての第一点でございます。
 その次に、企業・団体献金についても議論になっているということでございます。それと、とりわけ政治資金パーティーとの関係であります。
 企業、団体というのは、もちろん営利企業でございますから、献金をするのは疑わしい目的があるのではないか、こういうことが疑われてもしようがない。ただし、営利企業と個人事業者の区別は曖昧なところがあって、個人事業者は献金ができてしまうということで、よその国では、営利企業の献金をやめると、団体を許しておけば団体献金が増えると。企業は団体を設立してそれで献金する、あるいは、企業の幹部が企業に代わって献金するということですが、実は、有権者の判断を求めるということからいうと、かえって分かりにくくなると。この政党は企業からの献金を受け取ると分かったらこれは支持しないという判断する方にとってみれば、裏に潜る方が問題ではないかと、こう考えます。
 そこで、大規模な企業、団体が多額の寄附で強い影響を及ぼすのが問題であって、少額ずつたくさんの会社、実は企業、団体もたくさんございますので、少額ずつたくさん集めるのはさほど問題ではないのではないかと思います。もちろん現行の政治資金規正法は、政党への献金ということは企業、団体よろしいけれども、個人ということ、個人の政治団体にはということをしているわけでございますが、その抜け道とも言えるのが政治資金パーティー、確かに妥協策でございます。
 ただし、私の意見からいいますと、妥協策ではあるけれども、政治資金パーティーをやめてしまうとまた代わりの手段が出てくるということから考えると、むしろここに機会を設けてどんな関係があるのかということを明らかにするということが、むしろ資金が管理可能になる、こういうことではないかと思うわけであります。
 また、政治参加促進にとって、一定金額や、政治家の話を聞いてみたいから少し高いけれども会費を払って話を聞きに行こうというのは余り不健全なことではないものですから、そういうことに、公開というのは一定の限度があって、少額であれば限度があるというのは、非公開というのは望ましいことじゃないかと思っているんですが、ただし、公開の限度額は相対的なもので、従前二十万円を十万円にしよう、五万円にしよう、今回、衆議院の案では五万円になっていたかと思いますが、そういうふうなことはやはり政党間の合意によって、この程度が世間の常識であるということ、これまでの二十万円が高過ぎるということであれば下げるというのは結構なことではないかと思われます。余りこれが五千円とか三千円になってしまうと私の先ほどの趣旨とは反しますが、五万円ということであれば結構ではないかと思っているわけでございます。
 そういう点で、今回むしろ問題だと思われたのは、例えば派閥のパーティーの場合は、政治資金パーティーの場合は多くの議員の方がたくさんの企業にお願いに行くとその中には重なりがあって、結果として同一の企業がたくさん寄附をしておられたことが表になっていなかったということは大問題でございます。そういう点でいうと、むしろ寄附者の名寄せなど確認手段を整備して、ちゃんと法律の趣旨が徹底するようにするということが必要ではないかと思っているわけでございます。
 ただ、このことをするためには、実は、現行の体制少し弱いのではないかと思います。現行の体制では総務省の選挙部が政治資金を監督しておりますけれども、政治家あるいは政党から預かった資料をそのまま公開するということになっています。それは、彼らの権威がやや弱く、なぜかというと、議院内閣制の下で政党政治家である大臣の下で働く、やはりそういう官僚たちにとっては政治の世界は口出しがしにくいという問題があって、そういう点でいうと、独立機関、監督機関の独立性不足という問題があるので、やはりそれは考えた方がよろしいのではないか。とりわけ今回考えたいのは、公開という手段だけではなくて、監督機関が申告内容を精査して是正を求めるというふうな機能を持たせた方がよろしいのではないか、ただ、これをするためには専門能力とともに高度の独立性が必要だということでございます。
 そういう点では、外国の例では、議会に置かれる国会の機関、ただし日本にはそういう機関ほとんどございません。あるいは、会計検査院、人事院のように、行政機関のようではあるけれども少し内閣から独立している、あるいは内閣の下に置かれても独立性の高い委員会など。ただし、いずれの場合も重要なのは、形ばかり置くことではなくて、きちんと検査能力を備えたような規模の人員を備えていて権威を持つと、この両方が必要ではないかと思われるわけであります。
 そういうことが私の法案についての意見でございますけれども、最後に、少しこの政治資金改革の議論の仕方について付け加えさせていただきたい。
 先ほど申し上げたように、政治資金規正法はしばしば改正されていますが、問題に応じて改正されているのでやや全体像が見えなくなっているのではないか、あるいは関係の制度との整合性が取れなくなっているのではないかということがあります。
 これは、例えば、調査研究広報滞在費でしょうか、これは国会法に基づく費用だと思います。これは国費であって、しかも目的がある程度限定されているのに使途の公開が不十分だと、こういうことです。逆に言うと、寄附金で賄われる一般の政治資金は寄附者は別に公開しなくてもよいと、こう考えて寄附している可能性もあります。
 ところが、政治団体について、政治家に関連する政治団体ではもう全て領収書は公開というふうになっていまして、私は、これは推測でありますけれども、長年国費の方の改革が進まなかったのは、政治資金の方の、寄附の方のやっぱり公開性が厳し過ぎるのではないかと思われまして、そこなので、やっぱり使い勝手の良いお金をのかしたいという観点があった可能性がありまして、そういう点からいうと、やはり全体をバランスを取って改革を進めるべきだということです。ただし、こういう問題は実は政党によって有利、不利がたくさんございますので、まあ国会、日本の国会は与野党の対立ということが中心ですが、これは実は政治家皆さんの御自身の問題であるわけですので、政党を超えて共通の了解をして、国民に理解してもらうにはどうしたらいいのかということを考えるべきです。
 そこで、最後に、ここは参議院の委員会でございますが、衆議院だと解散ということがございまして、最近、そういううわさもあれば、なかなか落ち着いて議論もできないというふうに私は拝見しております。そういう点では、参議院、選挙はございますが、まだ来年でございます。今回の法案が通過しても、実は法の中には今後の検討課題と書いてあるようなものがたくさん付いていると、こういう状態の中でいうと、それについて、各党それぞれ検討される前に、やはり共通了解をこの場でおつくりになる、こういう積極的な改革案の主導ということを参議院のこの委員会がされるということを強く期待するところでございます。
 以上、私の意見でございます。ありがとうございました。
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豊田俊郎#4
○委員長(豊田俊郎君) ありがとうございました。
 次に、大山参考人からお願いをいたします。大山参考人。
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大山礼子#5
○参考人(大山礼子君) 大山でございます。
 本日は、意見を述べる機会を与えていただきまして、ありがとうございます。
 私は、大学の教員になる前に、一九九五年まで国立国会図書館におりました。ということは、一九九四年の政治改革に至る経緯を間近で拝見させていただき、本当に微力でございますけれども、少しお手伝いをしたこともあるというものでございます。そういう立場から見ますと、その後、だんだん改革への機運がしぼんでしまったように見えて、近年余り議論されていなかったということは非常に残念な状況だというふうに思っておりました。
 そもそも、政治改革というのは一過性の問題ではございません。常に、より良い政治を目指してどういうふうに制度改革をしていくかということを議論しなくてはいけないことだと思います。特に日本は、国際比較の面から見ましても非常に政治に対する不信感が根強い、信頼が低いということがありますので、ここで是非国民の信頼を回復するにはどうしたらいいかという大きな議論をしていただきたいと思っております。今回は、不祥事が発端ですけれども、言わば改革への千載一遇のチャンスと思いますので、是非皆様の御努力をいただきたいと思っております。
 では、時間も限られておりますので、今日は大きく分けて二つの方向からお話をしたいと思います。
 一つは、短期的といいますか、当面の課題としてどういうことをやるべきかということ、それから、もうちょっと長期的に何を考えていくべきかということでございます。
 その前に、ちょっと過去も振り返っておくことも大事かと思います。
 現在の制度の枠組み、基本的には、一九九四年に実現いたしました政治資金規正法の改正と、そして政党助成法の制定と、ここまで遡るわけですけれども、実は、改革の議論というのは、その前、もう十年以上やっていたわけですね。特に、一九八〇年代末以降は本当に活発な議論がされていました。ですので、そこをちょっと振り返っておくことは必要かと思います。
 私も、このような機会をいただきましたので、改めて過去の経緯をちょっと見てみたんですけれども、一九八九年に自由民主党政治改革大綱というのが発表されております、これは皆様御存じのことかと思いますけれども。それを読みましたら、次のような記述がございました。
 まずは、政治と金の問題は政治不信の最大の元凶というフレーズがありまして、別なところで、政治資金は庶民感覚から懸け離れるほど肥大化し、使途、収入も不透明なことから、本来の政策活動や政治活動に要する資金さえ、国民から理解されない側面がある。
 これ、一九八九年の文書でございます。何か、今このままもう一度述べられてもよろしいような感じで、もちろん改善策というのはとてもたくさん積み重ねられてきたわけですけれども、何か根本的なところで状況が変わっていない。そうすると、今までに何が改革されてきて何が取り残されてきたのかということを、やはりちょっと過去の経緯を振り返って考えてみるということが大事なのではないかというふうに感じた次第でございます。
 それでは、当面の改革について、これもう様々御議論進んでおりますので重なることが多いと思いますけれども、私からは四点申し上げたいと思います。
 まずは、企業・団体献金の禁止でございます。
 これは、禁止すべきかどうかという是非の議論はいろいろございますけれども、皆様御承知のとおり、政治資金規正法の一九九四年の改正のときに附則で見直し規定というのが入っております。つまり、この法律の施行後五年を経過した場合には、会社、労働組合その他の団体の政党及び政治資金に対してする寄附の在り方について見直しを行うものとすると、こういうふうに書いてあるわけですね。しかし、見直しがされないままここに至っているというのが現状でございます。
 今回の法案も拝見しますと、多くの重要な事柄が附則に書いてございます。しかし、その九四年の附則がたなざらしにされたままですと、今回附則に書いてあることもいつ実現するのか分からないよねと、こういうことになってしまいますので、ここはどうするかということも含めて是非もう一度、それこそ見直しの議論をすべきだと思います。
 やはり、企業・団体献金が政策をゆがめているという疑念と申しますか疑惑は完全にはなかなか払拭できない状況かと思います。私が一国民の立場で拝見していましても、長年国民の大多数が望んでいるような改革がなかなか実現しない。一方では、どうも安全性が確保されているとは言い難いようなものがもう本当に迅速に許可されてしまうというようなことが間々あるわけです。
 私、最近の報道で印象に残りましたのは、世界租税支出透明性指数というのがあることを知りました。これ、租税支出というのは日本でいえば租税特別措置のことですけれども、この透明性ランキングが日本では九十四位なんですね。これはやはりもう少し改善していくべきだと思います。まあ、企業・団体献金を禁止しましてももちろん抜け道は残ります。ですけれども、だからといって全く意味がないとは私は思いません。
 それから二番目です。これは先ほど飯尾参考人からも御指摘がございましたけれども、やはり独立機関といいますか第三者機関の設置は、これは絶対に必要なことだと思います。ルールを幾ら厳しくしましても、監視機関がなければ絵に描いた餅でございます。
 それから、今政策活動費が問題になっていまして、もちろんすぐに公開できない支出がおありだと思います。ですけれども、すぐに公開しなくてもよいものかどうかということを判断するような第三者機関があったら問題は解決するはずでございまして、これは例えば情報公開法の運用などのそういう例も御参考になさるとよろしいのではないかと思います。これも附則になっておりますので、是非早急に御検討いただきまして実現を図っていただきたいことでございます。
 それから三番目は、デジタル化の促進でございます。
 これは、誠に失礼でございますけれども、永田町は大変遅れていて、もう多々驚くことが多いです。いまだに電話とファクスというようなことが多いようでございまして、ちょっとびっくりしております。これは監視の実効性を高めるためにも是非必要なことですので、早急に検討していただきたいと思います。
 ただ、データの保存については慎重に考えるべきで、やはり紙のデータがなくなりますと、もう簡単に廃棄されてしまう、後から検証できないということが起こりかねませんので、そこには御留意いただきたいと思います。
 それから四番目に、パーティー券の問題でございます。
 これは、私は、パーティーというのは政治資金集めだということはもう皆さん御承知のとおりなので、これはもうはっきり寄附として位置付けるべきだと思います。そうすると、個人がそんなにパーティーに来てくれるのかというふうにお思いになるかもしれませんけれども、近頃はファンドレイジングというのがすごくはやっていて、もうかなり成功している事例がたくさんあります。こういう場合、いろいろありますけれども、寄附をしてくださった方には何か講演会のようなものに御招待するとか、そういった企画が割合盛んに行われています。これは工夫次第であると思います。でも、政治家と国民が本当に直接に意見交換をする場というのは非常に大切なので、そういう機会としてこれから生かしていただくのがよろしいのではないかと思っておる次第でございます。
 では、最後に長期的課題の方にお話を移したいと思いますけれども、いろいろ改革されるんですけれども、一体何が目標なのかということもきっちり考えておくべきだと思います。
 これ、いろいろな目標ありますけれども、大きな目的の一つは、金の掛からない政治の実現によって幅広い人材が参画できる開かれた政治を目指すと、こういうことだと思います。そういう目標を見失わないで長期的にいろいろな改革を進めていっていただきたいと思うわけでございます。
 現在、国民の政治不信を招いている大きな理由の一つに世襲議員というものがあると思います。もちろん、御両親の仕事に誇りがあって、こういうことを自分もやってみたいと思う方がいらっしゃるの、これはもう当然のことですけれども、何が問題かというと、日本では世襲ではない人が議員になりにくいということなんですよね。世襲議員の方がそのお金とネームバリューでもうちょっと完全に有利な場所にいると、そこが問題なんだと思います。ですから、どうやって普通の人が政治家を目指すためのハードルを下げていくかと、これが大きな目的かと思います。
 世襲議員については、すぐできる小さな改革としては、政治団体の継承をやめることだと思います。政治団体に皆さんが献金なさったようなお金というのは、その方の政治活動に共感して支援するための献金されている浄財でございますので、これを親族が受け継ぐというのは理屈に合わないですよね。ですから、こうしたものは政党に返納するとか国庫に返納するとかいうことを考えるべきだと思います。
 そして、更に根本的な問題として、選挙が個人頼みになっているということが私は非常に大きな問題だと考えております。つまり、資金とネームバリューがないとなかなか選挙で戦えないということです。
 振り返ってみますと、一九九四年にはあれだけ政党本位、政策本位ということが声高に叫ばれたんですけれども、どうも私の見るところ不徹底になっていると思います。相変わらず個人が前面に出て個人戦でやっている。二十四時間戦えますかという、こういう選挙になっております。ここが政治にお金が掛かる大きな原因だと思います。ここを変えませんと、事務所費用も掛かるし人件費も掛かるからお金はたくさん要るんですよという話から抜け出せません。
 ですので、やはりここは選挙制度も含めて大きな意味の政治改革に取り組んでいただくべき時期ではないかと思います。とりわけ、参議院の選挙制度については大変問題が多くなっておりますので、是非良識の府として皆さんの御検討をお願いしたいと思います。
 その上で、政党助成の在り方も再考すべきだと思います。
 先ほども飯尾参考人からも御意見出ていましたけれども、例えば国庫に返納するというようなこともあり得ますし、それから使い道についてももう少し考えてもよいと思います。政党助成法の第一条には、政党の政治活動の健全な発達の促進及びその公明と公正の確保を図り、もって民主政治の健全な発展に寄与することを目的するというふうに書かれています。つまり、民主政治の発展のために使うべきこれは浄財でございます。もちろん政治活動の自由というのは非常に重要ですけれども、それが何事にも優先する絶対のものというわけではないと思います。
 ここでちょっと例を御紹介しますと、例えば韓国では、政党に対する交付金の三〇%は政策研究所の費用として支出しなければならないというようなことも書かれておりますし、また、女性候補を多く公認した政党に対しては女性公認補助金を支給しているというようなこともございます。女性のことについていえば、フランスの場合は、下院選挙での女性候補比率が低かった政党に対して国庫補助を削減するというようなことも行われております。こうしたことも是非参考にしていただいて、より良い政党助成の在り方をお考えいただきたいと思います。
 今回の法案の処理にとどまらず、長期的な視野でもって改革に取り組んでいただきたいんですけれども、私、議会政治、議会制度の研究者なものですから、最後に一つだけ御要望申し上げたいと思いますけれども、是非、今後の議論は国会の中でやっていただきたいと思います。こういう場がせっかくできたんですから、是非、国会の外で各党の協議で終わりましたではなくて、こういうところで本当に議論を闘わせていただきたいと思います。
 どうぞよろしくお願いいたします。
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豊田俊郎#6
○委員長(豊田俊郎君) ありがとうございました。
 次に、西田参考人からお願いいたします。西田参考人。
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西
西田亮介#7
○参考人(西田亮介君) 日本大学の西田と申します。この今、国民の関心が高い事項に関して意見陳述させていただく機会というのをいただきましたことを大変光栄に思います。どうぞよろしくお願いします。
 私自身は、政治とメディアの研究者でございます。政治とメディアの分野中心にしながら、政治と社会全般に係る研究をしております。また、情報通信分野を始め、様々この間、規制実務に関わってくるという経験をバックグラウンドとして有しております。
 本日でございますが、この国民の関心の高い事項ということも踏まえて、やや幅広に問題の所在の検討ということに時間を充てさせていただきたいというふうに考えております。その後、今般の改正法に関して、法案に関して評価と問題提起ということで、時間も限られておりますことから、三点中心に申し上げさせていただきたいと思います。
 その三点というのは、いわゆる第三者機関と呼ばれているものに関して、早期設置の必要性ということを中心に述べさせていただきたいと思います。その後、収支報告書の確認書の問題に関して、評価ということを述べさせていただき、政治資金パーティー券の購入者や個人寄附者のプライバシー保護等に関しても意見の方を述べさせていただきたいというふうに考えております。
 その後、これら踏まえた上で簡単に取りまとめさせていただいて、今後の展望ということで、各党の皆様におかれましては、この改革というものを切磋琢磨しながらやっていっていただきたいというようなことを述べさせていただきたいと思います。
 早速でございますが、問題の所在の検討ということで言及させていただきたいと思います。
 既に参考人の先生方からも言及いただいておりますとおり、この問題、大変国民の関心とそれから不信感というのが高まっているというふうに認識しております。とりわけ法案が衆議院を通過してこちら参議院にやってきてから、各社の世論調査というのが公表されているところでございますが、余り説得力を持っていないというのか、納得感を持って受け止められていないというふうに認識しております。その背景には、長期の課題とそれから短期の課題というものが存在しているというふうに認識しております。
 長期の課題から言及させていただきたいというふうに思いますが、既に言及いただいているところでもございますが、改めて述べさせていただくと、この政治と金の不適切な利用に関する疑惑というのは、長期間繰り返されてきたことで、日本の政治の宿痾と言ってもいいような問題だというふうに認識しております。この間、様々な角度から、それから、様々な研究者それからジャーナリストの皆さんが指摘を繰り返してきておられますが、その一九八〇年代以降、特にこうした指摘というのが盛んに行われるようになってきているというふうに認識しております。不適切な利用というのも増してきたんじゃないか、そういう認識を持っております。
 その背景には、国民のある種の成熟というのがあると言っていいのか、だんだん孤立、個人化していって、組織化されるというところがなくなっていって、ある種、団体に加入しないという人たちが増えているということも研究者の中からは指摘されておるように、政治が国民に対して影響力を持つというのが難しくなってきて、もしかすると、金に依存するというような背景というのが醸成されてきたんじゃないか、そんな問題意識を持っておるところでございます。こうした問題というのが中長期の政治不信の原因になっているんじゃないか、そのような認識も持っております。
 これもまた様々な調査で指摘されておるところでございますが、例えば、内閣府が行っております、定期的に行っている調査でございますが、社会意識に関する世論調査という調査がございます。国の政策への民意の反映程度という項目を昭和の終わりから令和の現在に至るまで定期的に取っておる調査でございます。
 御承知のとおりではございますが、政治の環境に目を向けてみても、様々大きな変化が起きてまいりました。政権交代も幾度かございました。国民の政治への関心の在り方なども様々変わってきているところでございますが、一つ指摘できることというのは何なのかというと、この国の政策に民意が反映されていないという否定的な回答というのが肯定的な回答を大幅に上回る形で一貫しているということが示されております。
 というように、国民の中には、政策に民意が反映されておらず、政治参加というのはある意味無駄だというような認識が広がっているんじゃないか。しかも、これ、昭和の時代から現在に至るまでずっと続いているというところでございます。
 さらに、こうした問題、解決の方向に向かっているのかというと、そこにもやや疑わしいところというような認識を持っております。
 というのも、これまで、先ほども言及あったかというふうに認識しておりますが、政治倫理綱領や、それから自民党が掲げた政治改革大綱の中で脱派閥や政治と金の透明化等が宣言され、政治倫理綱領の中でも、政治腐敗の根絶と政治倫理の向上ということが言及され、真摯な態度をもって疑惑を解明し、その解明、責任を明らかにするということが宣言されてきたわけでございます。それから、民間においても、民間臨調など中心にしながら、多数の改革案というのが示されてまいりました。
 ところが、相当の年月が経過していると、時間が流れているというにもかかわらず、恐らくは十分に改革というのは達成していないということなんじゃないでしょうか。そうであるからこそ、今日のような機会というのも設けられているというふうに認識しております。
 そのように考えてみますと、そうした構造的な問題を踏まえてみた上で、直近の各社の世論調査、これ改めて目を向けてみると、当該問題に対する国民の不満と怒りというのは深刻なものがあるという認識を持っております。
 国会議員の皆さんというのは国民の代表であり、この政治資金規正法の、先ほども出てきたところでございますが、この規正という独特の概念の上でも模範的な存在であることが期待されながら、今日まで十分にその自浄作用というのは働いているとは認め難いというような認識を持っております。
 これらをまとめると、国民の政治不信と、それから自浄作用の方、機能不全に対する懸念と、それから問題の矮小化、今回もうまく改革に結び付かないんじゃないかというような懸念というのはある程度合理性があるんじゃないか、そのように理解することができるというふうに感じておるところでございます。
 その上で、ここから、今回の法案に関して、評価と問題提起ということで三点言及させていただきたいと思います。
 この中でも、第三者機関というものが提案されておるというふうに認識しております。ただし、この第三者機関というのは、ありようというのは多様だというふうに認識しております。ただ、一点申し上げることができることがあるとするならば、早期の設置というのは必須であろうということでございます。検討ということが続くようでは困るということです。
 さきに、既に三条委員会方式の案なども提起されているというふうに認識しておりますが、三権の分立だとか、それから立法府の自律権等の観点を踏まえると、まずは同等の機能というものを立法府内で、独立性を担保し、自律し、中立を、これどのように確保するのかというのは大変難しいところではございますが、強力な調査権限を付与し、それから公開していくということを原則としながら実現できないのかということを考えておるところでございます。
 前述の国民の自浄作用に対する疑義ということを踏まえると、恐らく国会議員の先生方だけでやっていただくということでは不十分だろうと、それから同時に、第三者機関ということにもならないというふうに考えております。
 そんなことから、どのようにこのような機関を設置するのかというのは難しいところではございますが、国会議員の先生方と、それから有識者、それからやはり監査に類するような作用というのを実現するためには専門の知識というのが必要なことから、その専門なワーキングと、それから事務局等の体制から構成できないかということを、アイデアベースということでここで申し上げさせていただきたいというふうに思います。
 それから、二点目でございますが、収支報告書の確認書添付という問題について言及させていただきたいと思います。
 今回の法案の中である種の目玉というところだというふうに認識しておりますが、この問題に関して、政治家本人の責任明確化ということで、現状と比べて相当程度改善に寄与するものだというふうに認識しております。それから同時に、疑惑の立件の障壁を引き下げる可能性を有しているものと認識しております。そんなことから、総合的に見て、政治家本人への抑止力というものも、これまで十分機能していなかったんじゃないかというふうに考えるところでございますが、相当程度改善するものというふうに認識しております。
 それはどういうことかというと、従来、収支報告書にも不記載違反だとか、それから虚偽記載違反というものがございました。しかし、その立件、かなり難しいというところが認識されているところだと理解しております。というのも、ここに二段構えというのが必要だったからだと思います。会計責任者の立証と、それから政治家本人との共謀性の立証というのが必要で、これ大変難しいということではないかと。今回出ている疑惑においても、疑惑の数に対して立件に至った当事者の数がかなり少ないということから、かなり難しかったんじゃないかというふうに認識しております。そのようなことから、政治家本人によるこの確認書添付ということを通じて、ある種、善管注意義務的制度というものがある程度具体的に実現できるのではないか、そのような認識を持っておるところでございます。
 それから、ややまとめさせていただきますが、政治資金パーティー券の購入者や、それから個人の寄附者に関して、これはプライバシーの保護というものに関して、やはりこれ原則透明化ということを堅持していただくということと、それから、個人の常識的な範囲における、これいかほどかというのは議論の分かれるところではございますが、少額寄附者に関しても、それからその他の者についても、住所等の個人情報に限定した配慮というのはある程度合理的だというふうに認識しております。
 というのも、将来、この一層の透明化というものが進んでいくというふうに認識しておりますが、そのようなものが進んでいくということであれば、良くも悪くも、この政治に対する、政治参加とか政治的主題というのは強い関心を持たれるというところがございます。そうした中で、過剰にプライバシーがつまびらかにされるといったようなことは起きがちでございますので、両立というその在り方が求められるところだというふうに認識しております。
 その上で、最後、これらを踏まえた上で、小括と展望、関連する論点ということで言及させていただきたいというふうに考えております。
 今回、議論になっておるところというのは、政治資金規正法などを中心とする改正案についてだというふうに認識しております。ただ、やはりこれ対症療法的にとどまっているという認識を持っております。既に参考人の先生方からも言及あったとおりだというふうに認識しておりますが、問題を全体的に見直していくということが必要だと考えております。それから、今回のこの改正案というのは、専ら将来の不正に対する抑止力を有するような内容であって、直近の疑惑の解明には直接つながらないというところで、それらも踏まえても、例えば国民の政治不信、そういったものを払拭するというところに至らないのではないか、満足できる内容になっていないというふうに認識しております。引き続き不断のない改革というのが求められるところだと認識しております。
 既に言及したところではございますが、国民のある種の政治不信とか、それから本当に自主的にこの問題解決されるのか、世論調査通じても疑問というのが提起されているところでございますが、これはある程度合理性もあると、妥当な内容だというふうに認識しております。また、本日のこの意見陳述というのが政治資金規正法等に関するものであることは明らかでございますが、国民の期待と比較してみると明らかに狭くなっていて矮小化されているということから、と同時に、根本解決へのアプローチの端緒として見ても不十分な内容だというふうに考えております。
 というのも、これ国民の理解というのが十分進んでいないという背景もあるという問題意識を持っております。なかなかこの法案の内容というのを理解するのが難しいと、全体的にも、公選法などを含めても、全体像を把握するのが難しいという事情があると思います。その上で、この法案を理解し、比較し、メリット、デメリットを検討すると、これ大変難しいと。
 そういった中で、政治家の先生方自ら襟を正していただくのみならず、これ積極的に発信していただくということも重要になってくるというふうに認識しております。そんな中でも、野党の先生方中心に、それぞれの御主張というものを発信いただいているというふうに理解しておりますが、どうも当事者の先生方からの発信というのはこれ不十分ではないかという認識を持っております。当該問題に関する当事者、それから政党からの情報発信というのを継続いただきたいと認識しております。
 それから、もう一点でございますが、これ、政治倫理審査会についても言及させていただきたいというふうに思います。
 これ、原則について非公開となっていることや、それから当事者の自主性ということに重きを置かれていることから、これ認識を深めるということからも機能不全を起こしていることは明らかだというふうに考えております。この点の改革というのも関連して御検討いただきたいというふうに、この場を借りて言及させていただきたいと思います。
 ただ、ここまで述べてきた内容というのは、ともすればコスト削減に係るような内容を中心に言及してきたような節があるかと思います。あるいは、透明化中心ということで言及してきたかもしれません。そのような観点で申し上げるとすると、政策調査能力、立法調査能力、それから、もっと平たく申し上げると、国民の声を聞く力というものが弱体化しかねないと、そうした懸念あるのは当然だというふうに考えております。
 そんなことから、政策秘書、それから公設秘書、それから事務所費用等を、むしろかえって追加で公費で措置をすると、こうした費目を明確にして措置をするといったことを通じて、立法府の力というのが弱まらないということを踏まえて議論いただくということが重要ではないかと思います。
 そろそろ時間となってまいりました。
 このような内容を踏まえて、各政党においては、包括的な議論とともにビジョンを検討、構想していただいて、分かりやすく国民にお伝えいただく努力というのをお願いしたいところでございます。
 以上でございます。
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豊田俊郎#8
○委員長(豊田俊郎君) どうもありがとうございました。
 次に、中北参考人からお願いをいたします。中北参考人。
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中北浩爾#9
○参考人(中北浩爾君) 中央大学法学部の中北でございます。
 本日は、本委員会にて発言する機会を賜りまして、心より感謝申し上げます。日本政治を研究してきた立場から、御推薦いただいた日本維新の会を含めて、いかなる会派にもそんたくせず、自由に意見を述べさせていただきたいと存じます。
 政治資金規正法の第二条には、基本理念として、政治資金が民主政治の健全な発展を希求して拠出される国民の浄財であると書かれています。そして、いやしくも国民の疑念を招くことのないようにと述べられております。派閥によるパーティー収入の収支報告書への不記載、いわゆる裏金化によって深刻な政治不信を生み出した自由民主党におかれましては、深く反省し、改革の先頭に立っていただきたいと存じます。
 政治と金の問題に対する国民の批判は非常に強く、メディア、あるいは部分的には国会でも、政治資金が浄財ではなく、さも汚いものであるかのような前提で議論がなされていることに、私は危惧の念を抱かざるを得ません。献金を行ったりパーティーに出席したりすることは、党員になったり選挙でボランティアを行ったりすることと同じく、国民の政治参加の有力な手段です。これらについて制限を加え過ぎることは、国民の政治参加を妨げかねません。
 政治資金制度改革には、守りの改革と攻めの改革の二つがあると考えます。守りの改革は、民主主義に打撃を与えない、汚職などを起こさないためのものです。それに対して、攻めの改革は、お金を使って民主主義を健全に発展させるためのものです。現在、日本では、投票率の低下など、有権者の政治離れが深刻です。こうした状況を打破するためには、個人献金を促進して、有権者が政治の観客から主権者へと意識を大きく変えていくことが必要です。有権者が身銭を切って応援する、言わば政党や政治家の推し活をするようになること、逆に言えば、政党や政治家が有権者に心から応援してもらえる存在になることが民主主義を活性化する上で大切です。
 多くの野党が企業・団体献金の廃止を求めていますが、データを見ると、企業・団体献金の総額は、政治資金規正法が改正され制限が強化されたことを受けて、一九九四年の五百七十七億円から二〇二二年には八十七億円まで大幅に減少しています。その分、パーティー収入は増えていますが、同じ期間に百四十一億円から百八十一億円に増加するにとどまっています。それでは個人献金が増えているのかというと、そうではなく、四百四億円から二百七十五億円に落ち込んでいます。
 結局、一九九四年の政治改革で導入された、現在、年間三百十五億円程度の政党交付金が、受取を拒否している共産党を除いて各政党の財政を支えています。自由民主党本部を例に取ると、国民政治協会を経由する企業・団体献金は、同じ時期、七十二億円から二十五億円に減少する一方、政党交付金が百六十億円と、現在、収入の三分の二近くを占めています。立憲民主党や維新は、更に政党交付金の依存度が高くなっています。
 そもそも、市民社会の中から生まれた政党が国家からの資金援助などに依存することになっていることを指して、政治学ではカルテル政党という概念が使われます。党員数が減少するなど、政党が市民社会との結び付きを希薄化させていることは、決して健全ではありません。こうした状況を背景に、ポピュリズムが台頭しているという主張が政治学ではなされています。ポピュリズムは反エリート主義と反多元主義を特徴としますが、普通の人々の擁護者として、既成政党に批判を加え、インターネットなどを通じて有権者から直接支持を調達するというスタイルを取ります。
 企業・団体献金や企業、団体によるパーティー券の購入を禁止することは、一定の理由があり、反対ではございませんが、それをただただ行うだけではカルテル政党化がますます進んでまいります。したがって、自民党の修正案の第十六条に検討課題として盛り込まれ、また立憲や維新が主張している、個人献金を促進するための税額控除率の拡大など、これらを実現していただきたいと思います。
 政治参加の観点から政治資金制度改革が論じられてこなかったため、匿名性の重要性が国民の間では理解されていません。個人献金を行う際、憲法第十九条の思想、信条の自由が侵されてはなりません。憲法第十五条、ここに秘密投票を保障しているということも同じ趣旨です。投票箱が透明ではないのと同じく、一定額までの献金やパーティー券の購入は、氏名、住所などが公表されないようにしなければなりません。最近、透明化が金科玉条のように語られますが、行き過ぎれば党費を支払っている党員の名簿を公開せよということになりかねず、とても危険です。
 また、金の掛からない政治を優先度の高い目標にすることも正しくありません。大学での研究もメディアでの取材も、お金がなければ優れた成果は上がりません。政治についても、国政報告を作成したり、有権者と接するために事務所と秘書を置いたり、政策の調査を行ったり、様々、民主主義を機能させる上では一定のコストが掛かります。もちろん、ワイズスペンディングは大切ですが、どのぐらい政治資金が必要なのか、つまびらかに明らかにし、議論してはいかがでございましょうか。皆様は、代議制民主主義の下での選良です。国会議員は、漠然とした国民感情におもねるのではなく、思うところを正々堂々と述べ、有権者と対話することが大切だと考えます。
 お金をうまく使えば、民主主義をより良くすることもできます。例えば女性の国会議員は、衆議院が一〇・九%、参議院で二三・一%、人口の半分が女性であることを考えると非常に少ないと言わざるを得ません。今月十二日に世界経済フォーラムが発表したジェンダーギャップ指数で、日本は百四十六か国中百十八位、そのうち政治分野は百十三位です。平成の政治改革の最大の問題は、ジェンダー平等の視点が全くなかったことであります。こうした状況を大きく変えるために、政党交付金の議員数割の半分を女性議員数割で配分してはいかがでございますでしょうか。
 以上、攻めの改革という発想が欠けているのではないかということを指摘させていただきましたが、攻めの改革に転じるためには、当面、守りの改革を徹底的に行わなければなりません。幾つかに絞って述べさせていただきます。
 第一に、今回の自民党の派閥のパーティー券の裏金化を受けて最も重要なのは、パーティーの全面禁止や公開基準額の引下げではなく、収支報告書に関する厳罰化です。リアリズムの立場に立つ自民党は、安全保障政策では核を含む抑止力を重視し、犯罪についても抑止効果を持つとして死刑制度を存続させてきました。しからば、今回の改革でもそうした姿勢を貫き、これ以上、政治と金の問題で国政が停滞しないよう、抑止力が十分働くような制度を構築していただければと存じます。
 そのための最大の手段が、会計責任者だけではなく議員自身も責任を負う連座制的な仕組みの導入です。公明党が提案し自民党案に取り入れられた確認書方式は、確認書を交付しなかった場合、若しくは確認をしないで確認書を交付した場合には、五十万円以下の罰金が科され、公民権停止の対象となるという内容です。しかし、衆議院本会議の採決の前の討論でも、立憲民主党の西村智奈美議員から、会計責任者の説明に間違いがあった、確認したが気付かなかったなどと、これまで同様、言い逃れの余地を残していると批判がなされております。参議院での審議を通じて是非こうした疑問を徹底的に払拭していただきたいと思います。
 収支報告書に関する厳罰化と並ぶ改革の第二のポイントは、政党から議員個人に支給される政策活動費です。安倍派がパーティー収入を裏金化したのは五年間で六億円ですが、自民党は直近五年間で約六十六億円の政策活動費を支出し、これが使途公表義務のない事実上の裏金化しています。報道によると、不記載を問われたある安倍派議員は政策活動費だと思ったと説明しています。そうである以上、政策活動費にメスを入れるのは当然です。五十万円超、項目別の記載という自民党案が、維新の尽力によって修正されたことは一定程度評価できます。
 しかし、この修正案はかなりずさんです。第十四条と第十五条は、政策活動費の毎年の上限金額を定める、十年後に年月を入れた明細書や領収書等を公開する、第三者機関を設置してその監査を受けるといったことを定めていますが、それ以外の具体的な内容は今後の検討課題とされています。釣った魚に餌をやらないは世の常です。なぜ細部を十分に詰めずに合意してしまったのか、残念でなりません。今からでも遅くありませんので、いつまでに結論を得るのか、期限だけでも法律に明記すべきです。
 政策活動費の具体的な内容については、少なくとも以下の内容を盛り込むべきだと考えます。一、毎年の上限額を、維新の当初の案のように、政党交付金の一%と五千万円を共に超えない範囲にすること、二、明細書や領収等の写しを第三者機関に毎年提出し、そこで十分な監査を行い、公開までに保管をすること、三、全面的な公開を原則とし、黒塗り範囲は必要最小限にとどめ、その基準を明確にすること、以上の三点です。
 使途が公表されない事実上の裏金としては、政党の政策活動費以外にも政府の官房機密費、これが年間十二億円あります。中国新聞によると、ある官房長官が国政選挙の候補者の選挙応援に行った際、陣中見舞いとして百万円を機密費から手渡したと証言をいたしました。国の事務又は事業を円滑かつ効果的に遂行するという目的から外れ、選挙での政党間の公正な競争を妨げる極めて不適切な支出です。政策活動費と同様に、事後の使途公開、第三者機関によるチェックなどの仕組みが必要ではないでしょうか。
 設置される予定の第三者機関の役割についても若干述べさせていただきます。
 一部で主張されるような立入検査を実施したり、違反行為に課徴金などの行政罰を科したりする強力な権限を持つ第三者機関の設置は必ずしも望ましくなく、当面、政策活動費の監査を中心に限定的な役割を果たすべきだと考えます。そもそも政党は党員が自主的に結成する自発的結社であり、法律にのっとった適切な政治資金の取扱いを自発的に行うべきです。各政党は自らチェックする仕組みを内部に構築して、それを有権者に説明すべきです。
 加えて、研究者の立場からお願いを述べさせていただきます。
 自民党案では官報又は都道府県の公報による収支報告書の要旨の公表義務が削除されているという指摘が、衆議院の政治改革特別委員会で共産党の塩川鉄也氏からなされています。収支報告書の公表期限の三年を超えて我々が調査を行う際は要旨に頼らざるを得ません。二〇〇七年の法改正で収支報告書をインターネットで公表する場合には要旨の公表義務がなくなり、都道府県選管の業務負担を軽減するという事情もあるようですが、是非この点改善をお願いしたいと思います。
 最後になりますが、参議院におかれましては、良識の府、熟議の府として、法案の修正を含め、徹底的に審議を行っていただきたいと思います。
 以上で私の意見陳述とさせていただきます。御清聴どうもありがとうございました。
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豊田俊郎#10
○委員長(豊田俊郎君) ありがとうございました。
 以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
    ─────────────
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豊田俊郎#11
○委員長(豊田俊郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、安江伸夫君が委員を辞任され、その補欠として里見隆治君が選任されました。
    ─────────────
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豊田俊郎#12
○委員長(豊田俊郎君) これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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藤井一博#13
○藤井一博君 自由民主党の藤井一博です。
 本日は、四人の参考人の皆様方、大変お忙しい中、貴重な御意見いただきましたこと、心より感謝申し上げます。ありがとうございます。
 この度、我が党が引き起こした問題、そして、それにより深まった政治への不信につきまして、心よりおわび申し上げます。また、国会議員の一人として、国民の皆様の信頼回復のために全力を尽くしていかないといけないと思っております。
 それでは、質問に入らせていただきます。
 まず、四人の参考人の皆様方にお聞きさせていただきます。第三者機関についてです。
 この度の政治資金に関する独立した第三者機関の設置については、有識者の方々から前向きな意見が多いと思っております。一方、行政なのか、そもそも、それとも国会なのか、あるいは会計検査院のような独立した機関なのか、あるいはどのような権限、機能を有するのか、検討すべき項目も多いと思っております。
 法文上、第三者機関は設置されることとなりますけれども、その具体的な内容は法律が施行されてから検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講じられることとなります。いろいろな三権分立でありましたり、立法府の自律権の問題もありますけれども、どのような点に留意をして検討を進めていけばよいのか、四人の参考人の皆様方にお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。
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飯尾潤#14
○参考人(飯尾潤君) 先ほど申しましたけれども、この機関は極めて重要でございます。
 一番あり得ることは国会に設けることでございますが、一つだけ障害がありまして、日本の国会は大体会派交渉主義で、様々なことを決めるのがなかなか難しい。こういうところに置くのと衆参両院のどちらにということがなかなか難しくて、先ほどお話に出ました国会図書館という機関はありますけれども、なかなかこれ、自律的に運営するの、置くのが難しい現状からすると、私自身は会計検査院や人事院のような独立した機関が一番望ましいというふうに思う。ただし、それが現実的でないならば、政府内であっても国家公安委員会のような独立性の高い機関、そういうものであれば一つあり得ると、こういうふうに考えています。
 ただ、大切なことは、そこに十分な人員と権限を与えることでございまして、置き場所よりも恐らく内実が重要かなというふうに思っております。
 以上でございます。
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大山礼子#15
○参考人(大山礼子君) 先ほども申し上げましたように、これはこういう機関がないと幾ら規制を厳しくしても絵に描いた餅ですので、早急に設置していただきたいと思いますけれども、どのようにするかということは、今、飯尾先生おっしゃったのとほとんど同じで、私も筋としては国会に置くべきだと思いますけれども、それよりもやっぱりどうやって実効性のある機関にするかということが論点になるので、その辺を慎重にお考えいただきたいと思います。
 以上でございます。
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西
西田亮介#16
○参考人(西田亮介君) そうですね、第三者機関の設置、これ必須だと考えております。
 で、どのようにどこに置くのかというのは、もう既に参考人の先生方御指摘のとおりで、これいろいろあり得るんだというふうな認識を持っております。ただ、順序というものを考えてみると、やはり立法府の中にまずは置いて、それが機能するのか機能しないのかということが明らかになってからその先というのを考えるというのがよいのではないかというふうに考えております。
 置き場所もさることながら、独立性を持って機能させるということと、それから調査権限は与えた方が適切なんじゃないか、それから専門的な知見というものをきちんと実装していくということが好ましいと考えております。
 以上です。
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中北浩爾#17
○参考人(中北浩爾君) 先ほどお話ししたように、政策活動費、これは十年後の公表ということになる方向性でございますので、これを担当するための第三者機関、これは必要だということは間違いございません。
 ただ、それ以上に、違反行為に行政罰を科すといったような措置をとる、こういった強力な権限を持った機関を司法以外に設けるのが適切なのか、そもそも、政党が自らの力で内部規律を働かせて正すということができないのか、ここは皆様是非考えていただきたいところであります。
 設けるのであれば、政治資金に関する政策提言であるとか、監視だとか勧告、そうした機能にとどまるような形で国会に設置するのが適切ではないかと、こう考えております。
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藤井一博#18
○藤井一博君 ありがとうございました。
 次に、大山教授にお伺いをいたします。
 長期的な視点として、お金の掛からない政治を目指すべきだというお考えをいただきました。一つのお考え方だと思って、選挙における個人頼みの選挙というものがお金が掛かっているのではないかというお話も拝聴いたしました。
 ただ、実際、政治活動をする上で、選挙以外です、やはり、私たちの存在意義というのは、国民の皆様、有権者の皆様一人一人の意見をお聞きして、それを我が血肉としてこの国政の場で議論をしていく、それが私たちの仕事だと思っております。そういった日常の活動の中で、やはり、本当に広く住んでいらっしゃる方の下に行ってお話をお聞きしたり、また、いろいろな会でお話をお聞きして、課題点を抽出して問題解決に至る考えを詰めていくという中で、たくさんの人員、秘書も必要ですし、また事務所も必要であります。
 そういった中で、どうしても必要となる資金というものと、お金の掛からない政治というところのバランスというか、どのように志向していけばいいのかというところをお考えをお伺いできたらと思います。
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大山礼子#19
○参考人(大山礼子君) 先ほど中北参考人もおっしゃいましたけれども、私もお金が全然掛からない方がいいというわけではなくて、政治制度論の授業を担当しておりましたけれども、学生には、必ず政治というのはお金が掛かるので、それは皆さんの、有権者に政治活動を理解していただくために是非必要、それがなくなっては民主主義が成り立たないというような話もしてまいりました。まさしく民主主義のコストだというふうに考えております。
 ただ、現状において、その政治家個人がもう本当にたくさん事務所を構えて大勢の人手を使うということがそこまで本当に必要なのかということをちょっとお考えいただきたいということです。
 日本も議院内閣制でございますけれども、議院内閣制の国というのは大体会派ごとに活動していて、そこが中心となって、国民とのつながり、接点を持つというようなことがございますので、秘書の数も、例えばアメリカはもう何十人もいますけれども、あれは大統領制なので、議院内閣制の国ですと、日本と同じか、そんなに変わらないんですね。それで成り立っているわけです。
 ですから、もうちょっとその政治活動の中身を再考していただいて、どこを政党なり会派がやるのか、どこを個人がやるのかというようなことをもうちょっと線引きしていただくと、今のような規模は多分要らないんじゃないかと、そういうことでございます。
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藤井一博#20
○藤井一博君 お考えをお聞きしまして、次なんですけれども、西田教授にお聞きしたいと思います。
 今日いただいたプリントで、コスト削減ありきでは政策調査能力や国民の声を聞く力が弱体しかねないため、秘書や事務所費用等について、むしろ追加で公費で措置するといった現実的議論も並行してなされるべきではないかという文章を読ませていただいております。
 現実的に考えていく上で、やはり参考とすべき諸外国の例であったり、また教授が考えていらっしゃるようなイメージというものがありましたら是非お伺いをさせていただきたいと思います。
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西
西田亮介#21
○参考人(西田亮介君) そうですね、民主主義のコストということについては、既に参考人の先生方、御指摘のとおりだと考えます。
 なぜ今回様々な政治と金の疑惑出てきているのかというと、やはり現実にその政治の実務においてコストが生じていると、それを十分に賄えないと、あるいは従来のやり方ではうまくいっていないというところがあるのではないかという認識を持っております。
 といったときに、本日提出させていただいた資料の中で、むしろ費目を明確にし、その代わりに金額それから領収書等を公開するというような形で、追加で措置をしていくということも考えられるのではないか。そもそも政策秘書の制度を導入されたときもそのような議論はあったというふうに認識しております。その後、そうした議論というのは、どちらかというと削っていく方に進んでいて、追加するという方にはなっていないと。もし、背景として、先ほど申し上げたような、お金がなかなか調達できないということを中北先生も御指摘だったと思いますが、そのような背景があるのであれば、むしろ正面から措置していくという議論と並行して考えていくということもあり得るのではないかと思います。
 以上です。
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藤井一博#22
○藤井一博君 ありがとうございました。
 続きまして、飯尾教授と中北教授にお伺いしたいと思います。企業・団体献金、政治資金パーティーの在り方についてお伺いをいたします。
 政策立案の中立性やバランスの確保のためには、多様なそういった出していただく方、また様々な収入が大切だと考えております。政治資金パーティーも、自分の信じる政策を実現する政治家を応援したいという思いがあるのも確かでありまして、全てのパーティー参加者の方々が何らかの利益を求めているというのは極めて一方的な見方のように感じるところでございます。
 適正な企業・団体献金、政治資金パーティーの実現こそが重要であり、一刀両断に企業・団体献金も政治資金パーティーも駄目だとすると、政治活動を過度に抑制してしまうと強く危惧をしております。
 企業・団体献金、個人献金、政治資金パーティーを含め、どうすれば我が国の民主政治にとってより良い政治資金の姿になるのか、企業・団体献金、個人献金、政治資金パーティーの在り方について、飯尾教授、中北教授のお考えをお伺いしたいと思います。
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飯尾潤#23
○参考人(飯尾潤君) 先ほども御説明しましたとおり、企業・団体献金自体が悪だというふうには見られませんが、特定の企業、団体が多額の献金によって影響を与えるのが駄目でして、多数の企業が少額ずつ出すのであれば、あるいは多数の団体が少額ずつ出すのであれば、それは結構なことだというふうに私は考えておりますので、そのような企業・団体献金の、上限額もございます、あるいは名前が公表されるとなると献金するかどうかを考える、こういうことがありますので、それは公表する。今回、公開額を変えられるというのはやはり大きな変化を生むものだろうというふうに考えますので、今回の改革をしばらく見守るべきだというふうに私自身は思っています。
 ただし、そのためには、現行法制でも決まっていることを名寄せが十分でないために守れていない可能性があることの方が非常に問題でございますので、その実務の点での改善を求めたいというのが私の意見でございます。
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中北浩爾#24
○参考人(中北浩爾君) 御質問ありがとうございます。
 私は、企業・団体献金の禁止には条件付賛成なんですね。
 まず、そもそも企業・団体献金を禁止している国は、誤解があるかもしれませんけど、世界でも二七%でございます。必ずしも多くありません。ただ、企業や労働組合がメンバーの個人の意思に反して献金をする可能性があるという点はやはり問題ではないかというふうに考えます。ただ、これを一方的に禁止するだけでは政党交付金依存が増してしまうということがございますので、個人献金を増やす、とりわけ個人献金、少額の個人献金、これが一人一票制に、趣旨に沿っているものだと考えますので、これは立憲民主党等が提案しているような形で、少額献金を優遇する形で税額控除率を高めるということ、あるいは、企業・団体献金を廃止する代わりにアメリカのPACのような、つまり個人献金を企業、団体の政治活動、政治団体に集めてそこから献金をするような、つまり個人献金ベースの企業・団体献金、こういった仕組みをつくっていくということが自発的な政治参加というところに適合しているのではないかというふうに考えております。
 以上でございます。
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藤井一博#25
○藤井一博君 ありがとうございました。
 やはり本質的に、いかに多くの、たくさんの国民の皆様が支えている政治というものを実現するか、そのための制度を考えていくか、まず本質ありきな議論をしていかないといけないということが大変よく分かりました。
 最後に、飯尾教授にお伺いしたいと思います。実効的な再発防止策についてお伺いをいたします。
 先生お話の中でおっしゃいましたけれども、これまで会計責任者に任せていて自分は知らなかったというような言い訳を許さないために、政治家本人の責任強化であったり、そのために国会議員関係政治団体の代表者による収支報告書の確認書制度を設けるとともに、また代表者に対する罰則強化、さらには虚偽記入等に係る収入の国庫納付制度を設けることで、実効的な再発防止策を講じることとなっております。ただ、先生がおっしゃいましたように、余りに厳しくし過ぎると裏道ができてしまうんじゃないか、そういった懸念のお示しもありました。
 このことですね、再発防止のための罰則化に対する先生のお考えをもう少し詳しくお伺いできたらと思います。よろしくお願いします。
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飯尾潤#26
○参考人(飯尾潤君) これについて簡単に申し上げますと、やはり厳罰一つではなくて、それほど重くはないけれども必ず摘発される体制、そのためにはきちんと監督する機関、両方が必要だというふうに思っております。
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豊田俊郎#27
○委員長(豊田俊郎君) 時間になりました。
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藤井一博#28
○藤井一博君 ありがとうございました。終わります。
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森屋隆#29
○森屋隆君 立憲民主・社民の森屋隆と申します。
 今日は、四人の先生方、大変お忙しい中、本当にありがとうございます。感謝を申し上げます。
 それでは、質問をさせていただきたいと思います。
 まずは、大山参考人と中北参考人の方にお伺いをしたいと思います。
 この衆議院から送付されてきました今回の政治資金規正法の自民党案について、マスコミなどの調査では、七割の方が評価しないという、こういった結果が出ています。その理由として、この法案も抜け穴があると、ざる法であると、これが理由だそうでございますけれども、大山参考人、中北参考人もそういった御認識であるのか、もしそういった御認識であれば、どういったところがその抜け穴であり、特にこのざる法なんだというところに値するのか、その辺についてお聞かせをいただきたいと思います。
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