総務委員会

2024-06-11 参議院 全104発言

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会議録情報#0
令和六年六月十一日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         新妻 秀規君
    理 事
                井上 義行君
                岩本 剛人君
                藤井 一博君
                小沢 雅仁君
                山本 博司君
    委 員
                中西 祐介君
                馬場 成志君
                藤川 政人君
                船橋 利実君
                堀井  巌君
                牧野たかお君
                松下 新平君
                山本 順三君
                岸 真紀子君
                野田 国義君
                吉川 沙織君
                西田 実仁君
                音喜多 駿君
                高木かおり君
                芳賀 道也君
                伊藤  岳君
                齊藤健一郎君
                浜田  聡君
                広田  一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        荒井 透雅君
   参考人
       東京大学先端科
       学技術研究セン
       ター教授     牧原  出君
       早稲田大学政治
       経済学術院教授  小原 隆治君
       一般社団法人コ
       ード・フォー・
       ジャパン
       滋賀県日野町政
       策参与      東 健二郎君
       龍谷大学法学部
       教授       本多 滝夫君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○地方自治法の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
    ─────────────
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新妻秀規#1
○委員長(新妻秀規君) ただいまから総務委員会を開会いたします。
 地方自治法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は、本案の審査のため、四名の参考人から御意見を伺います。
 御出席いただいております参考人は、東京大学先端科学技術研究センター教授牧原出さん、早稲田大学政治経済学術院教授小原隆治さん、一般社団法人コード・フォー・ジャパン・滋賀県日野町政策参与東健二郎さん及び龍谷大学法学部教授本多滝夫さんでございます。
 この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。
 皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 次に、議事の進め方について申し上げます。
 まず、牧原参考人、小原参考人、東参考人、本多参考人の順にお一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えをいただきたいと存じます。
 また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず牧原参考人からお願いをいたします。牧原参考人。
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牧原出#2
○参考人(牧原出君) 牧原と申します。行政学を専攻しており、総務省の自治体戦略二〇四〇構想研究会の座長代理を務めた後、その報告書を受けた第三十二次、三十三次地方制度調査会の委員を務めました。
 そうした経験から、本日は、とりわけ第三十三次地方制度調査会の一委員としての関わりの中で個人的な見解を申し述べることにさせていただきたいと思います。
 また、この参議院では、二月二十六日の行政監視委員会で地方自治法改正について意見を申し上げました。法律案が国会に提出される前ではありましたが、大変有意義な質疑の時間であったと考えており、本日そこに出席された方もいらっしゃるとは思いますが、繰り返しを恐れずに私なりの見解を申し上げさせていただきます。
 まず、最初に申し上げたいことがあります。非平時の問題を議論するに当たりまして、私にとっては、東日本大震災の被災地の大学でごく小さな部局の責任ある地位にいたときの経験が痛烈でした。三月に被災し、四月に新年度が始まるはずの中、私たちは卒業生を会うことなく送り出し、在校生の新年度の受講について手当てをし、さらには入学予定の新入生たちが安心して新年度を迎えられるようにしようとしましたが、それらはかなりの努力を要するものでした。
 そして、津波に襲われた地区ほどは深刻ではないはずのその状況で目にしたのは、様々な場で平時では考えられないような驚くほど異様な言動や行動を取る人が多かったことでした。甚大な被災が間近にあり、目前には日常の業務に復帰するには数多くの課題がある中で、様々なやり取り、様々な場での振る舞いでも、平時にはあり得ない出来事に幾つも遭遇しました。それらの多くは合理的な話が通じない性質のものであり、それぞれなりに大変な重みを抱えているのだろうと推察はしましたが、残念ながら復旧復興を遅らせるものと言わざるを得ないものばかりだったと私は当時考えておりました。
 長い時間を掛けてそれらを何とか乗り越え、最終的には平時の運営に戻っていきました。つまり、平時の普通が非平時では普通ではなくなるわけです。とりわけ問題発生時、どのように収束するかが全く見通せない中では、後から振り返ると忘れてしまうような多大な不安感が至る所に漂っています。これは新型コロナでも初期段階ではやはりそうだったのではないでしょうか。
 つまり、非平時においては、多大な不安感に包まれた国も地方もどのような対応をするかは分からないと私は考えております。国が混乱をすることもあれば地方も混乱をすることがあるという認識を私は取っております。もちろん、私の周囲だけ特別に異様な事態が見られただけかもしれないとあえて申し添えます。
 しかし、東日本大震災にせよ、新型コロナにせよ、あれほど多くの被害があったにもかかわらず、最悪の事態を免れる局面が至る所にあったと私は感じております。将来において、あの経験では済まない、より苛烈な状況が起こることは十分想定すべきです。そこでは、あのときに可能だったことが可能ではないことになります。しかも、私たちにとり、これらは全く想定外の巨大な災厄でしたが、それが十年の間に二度も繰り返されています。となれば、想定外の状況に対処するための手だては必要ではないでしょうか。新型コロナがかなりの落ち着きを見せた今こそそこに踏み込むことが重要であり、もう終わったのだから全く平時の発想でよいとするのは、結局はあの経験を生かしていないことになるのではないかと考えております。
 今回の地方自治法改正案における補充的な指示権の立法は、やはり今対応しておかないと、将来、あのときに対応しておくべきだったと後悔するような、あるいは、なぜ対応しなかったか検証の対象になるようなものではないかと私は考えております。
 さて、本来的に地方制度は、今日も明日も穏やかな平時の日常生活の中で安定的に運用される性質のものです。しかし、歴史を遡れば、太平洋戦争末期に導入された地方制度である地方総監府は、本土決戦に際して、国と連絡が取れなくなった場合に各地方ごとで意思決定を取る仕組みでした。極端な非平時では国との連絡すら途絶するわけですから、国の指示権は行使されることはありません。他方で、さほど深刻ではない災厄に際しては、指示権を行使するまでもなく対応は可能であると思われます。
 したがいまして、今回想定されている非平時とは、ここで述べた二つの非平時の間のレベルのものであり、極端ではないがそれなりに深刻な非平時ということになるでしょう。そのような中間レベルの非平時においても冷静な対応が可能であれば、国と地方との間で連絡調整を行いつつ対応することは十分可能だと思われます。
 しかし、混乱状況ともなり、合理的な判断をしにくくなるような事態であったとした場合が問題です。国も混乱しているでしょうが、現場が混乱している地方自治体において、それぞれ十二分の努力をしているのはもちろんでしょうが、極めて苦しい状況にあることは疑いがありません。その場合、国会や世論が何かもっと政府はすべきだという声を上げないとも限りません。であるとするならば、法律を超えた、法律に基づかない指示を国が地方に対して出そうとすることを私たちはあらかじめ想定すべきだと思われます。そうした雰囲気の中で指示を出したとすれば、その内容が過剰になることもあり得るでしょう。
 今回のような立法がないからといって、国は指示をしないわけではないと私は考えております。であるならば、法律上の要件と手続を厳格に規定し、必要最小限の措置をとるという法規定を設けるべきではないかと私は考えております。合理性を欠いた雰囲気の下で、法律に根拠のない指示を出すことを実質上容認するよりは、法律に基づいて可能な範囲で限定的な指示権を行使した方が合理性を保てると考えるからです。日々の生活が安定した平時から見ますと、今回の地方自治法の規定の異様さが浮き出るように感じるかもしれませんが、先が全く見通せない非平時の異様さの中では、具体的な法規定こそが異様さを消し去り、冷静な判断を呼び込むように考えております。
 今回の法規定を見ますと、国が都道府県、市町村に直接指示権を行使する場合だけではなく、都道府県に対して市町村への調整を指示する場合、都道府県から国に応援を要求する場合、また都道府県、市町村から国に職員派遣を要求する場合、それらと併せて国が都道府県、市町村に応援を指示する場合が規定されています。指示権の前段には、地方自治体からの意見表明を受けることが、努力義務ではありますが、規定されています。
 これらの多様なメニューがあれば、実際に想定外の状況となった場合、国が指示を出すまでもなく、応援の要求が国に対して行われることが十分想定されます。国と地方がきめ細かくコミュニケーションを行おうとするプロセスの中に、国、地方のそれぞれが権限を新たに持つようになったとも考えられます。国の指示権は、地方自治体に対する強力な関与ですが、これに対して地方自治体の側が法律に基づいて国に強い申入れをする道も開かれているわけです。
 地方からの要求と国の指示とが重畳しています。その意味で、指示権とは、地方自治体と国との密接なコミュニケーションとの間で、冗長性、リダンダンシーの関係に立つと理論的には考えられます。相互に足らざるところを補完するものと言えるわけです。この点は、先般、行政監視委員会で参考人として出席した際にも申し上げたところです。
 国の関与は強化されたが、地方自治体から国への逆の関与も強められています。今後、想定外の事態が起こったとき、国、都道府県、市町村がそうした権限の編み目を適切にたどりながら、住民の生命と安全を守ることができるようになっていると言えるように考えられます。
 なお、今国会で修正があり、国会への事後報告を義務付けることは大変良かったわけで、地方制度調査会でも事後報告は当然必要だと議論もしておりました。また、検証も不可欠だということも強調されており、事後報告に併せて国会ないしは第三者機関での検証を期待したいところです。さらに、法律に沿った措置が起こったということであればこそ、二度とそのような形での一般的な指示権を同じ状況で行使しないよう、事後に個別法に落とし込んだ立法が必要であることも地制調の答申で指摘されています。
 法律に規定されていればこそ、国会では具体的な議論が可能となります。事前の国会の承認までは規定していませんが、適宜国会で政府に対して指示権行使をする用意があるかどうかを尋ねることもできるわけですから、規定がない場合に比べて政府の姿勢を具体的に国会でただすことができます。国会の役割は極めて重要になることを申し述べさせていただきます。
 このように、指示権のみならず、多様な規定が整備されて、想定外の事態において国と地方自治体とが密接なコミュニケーションを取ることができるようになると思われます。実際に指示権を行使するとしても、地方自治体がその指示に従うためには、事前に指示の細目を国と共有する必要があります。
 相当な混乱状況が想定される中で、地方制度調査会では、こうしたコミュニケーションのために何が可能なのかを様々に聞き取りました。特に重要なのは、新型コロナのある時期から、総務省で、都道府県と政令指定都市に出向経験があり地元を熟知した職員を担当者に一つずつ割り振り、一対一の連絡体制をつくったことが有効であったという経験です。担当者はこの仕組みについて、地方公共団体の意思決定過程や現場で生じる課題について、話を聞けば、3D画像的にイメージを描いて共有できる経験、能力があったことが、政府内で伝言ゲームになりがちな現場状況を適切に伝え、現場に対しても必要な情報を出しやすくなったと振り返っています。それは確かだと思われます。
 では、今後、想定外の状況でこうした一対一の連絡体制、あるいは3D画像的にイメージを共有できる国と地方の関係をどう構築するかはまだ検討以前の段階であろうと思われます。その意味では、非平時における指示権の行使を含めた国と地方との間の体制づくりは今後の課題です。しかし、想定外の事態はいつ生じるか分からないとすれば、状況は待ったなしですので、法律が成立した暁には、早急にそうした準備を進めていただきたいと切に希望しております。
 また、こうしたコミュニケーションの体制構築は、地方自治法における一般的な指示権のみならず、個別法で既に規定された指示権を行使する事態が万一生じた場合、円滑かつ適切な指示を出すことを可能にするとも思われます。今回の法改正を契機に、現状より災厄への対応力を強めるであろうことがここでも期待できます。
 地方自治法改正案によって、将来起こる可能性のある想定外の事態に対して国の地方に対する関与は確かに強められていますが、地方自治体が最終的には住民と接する以上、地方の側の自治行政の強化が不可欠です。住民参加が進むこともますます必要になるでしょう。国の権限の強化に加えて地方自治体がより強い自治を担うことで、想定外の事態に対応できる強靱な社会が形成されるのではないでしょうか。分権型社会であり、レジリエントな社会が構築されることこそがあるべき地方自治法の描く国と地方の関係でしょう。
 最後になりますが、国の関与の強まりについて、地方制度調査会では相当慎重に議論したとはいえ、これを手放しで賛成すればよいものでは決してないと私は考えております。特に、政府を監視する国会の役割は、一般的指示権の法定化によりますます重要になります。そのため、警戒は怠りなくすることが理にかないます。これまで国会で様々な議論が行われたことは大変重要であり、国会両院の先生方に一委員として深く感謝の意を表して、締めくくりとさせていただきます。
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新妻秀規#3
○委員長(新妻秀規君) ありがとうございました。
 次に、小原参考人にお願いいたします。小原参考人。
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小原隆治#4
○参考人(小原隆治君) 早稲田大学の小原でございます。おはようございます。
 本日はお招きいただきまして、ありがとうございます。国権の最高機関である国会でこのような意見陳述の機会を与えていただいたことを大変光栄に存じております。
 お手元に資料をお配りしております。それに沿いましてお話をさせていただきます。
 今回のアウトラインは、始めにから終わりにまでお示ししているとおりでございます。
 最初に、問題の限定ということでございますが、地方自治法改正は三本柱があると言われておりますけれども、その中でも特例的な関与、新設の第十四章の中で規定されております、つづめて申し上げますが、その重大事態におけるいわゆる補充的な指示、あるいは指示権の新設に関してその問題点を申し上げたいと思います。
 最初に、一番、地方自治の本旨と書いてございます。
 しばしば、一九九九年公布、翌二〇〇〇年施行の地方分権一括法にいろいろな方々が言及されておりますけれども、私はもっと遡りまして、一九四七年に憲法と同時に施行されました憲法第九十二条の地方自治の本旨について触れておきたいと思います。
 言うまでもなく、地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基づいて、法律でこれを定めるということであります。それは、英文表記で言いますと、ザ・プリンシプル・オブ・ローカルオートノミーということでございますが、この第九十二条に関しましては、いわゆるマッカーサー草案には元々なかったもので、日本のイニシアチブで作られたということがこれははっきりしております。中でも、中心人物は、元々戦前の内務官僚で、その後、法制官僚として法制局長官までお務めになった佐藤達夫さんでございます。言わば総務省、自治省の大先輩に当たる方でございますが、その方がこれは私が入れましたということをおっしゃっております。
 その地方自治の本旨に関して、しばしば教科書では団体自治と住民自治から構成されるという具合に説明されるわけでございますけれども、しかし、佐藤達夫さんが元々のローカルオートノミーについてかくかくしかじかと理解し、そしてその入れ込んだ原義を考えてみますと、それは、国は自治体に対して不要不急、不当な介入をすべきではないということでございます。俗に言いますと、余計なおせっかいをしてはいけないと、ハンズオフということ、手を出してはいけない、手を出していたらその余計な手は引っ込めなさいと、手を引けというのがローカルオートノミーの原義でございます。教科書の言葉に倣って言いますと、団体自治と住民自治の中の団体自治に専ら軸足を置いた表現がローカルオートノミー、地方自治の本旨ということでございます。そして、それを受けて、地方自治法第一条は、この法律は地方自治の本旨に基づくのだということを理念を高らかにうたっております。
 私が見るところ、新設第十四章の補充的な指示権は、言わば国が自治体に対して余計なおせっかいをする、その道を開くものだという認識をしております。地方自治法第一条でうたいながら、新十四章で地方自治の本旨を否定する、つまり地方自治法自体が地方自治法を自己否定しているということに当たるのではないか、そのような懸念を強く持つものでございます。
 続いて、二番、災害法制に欠けるところはあるかというところに移ります。
 今、憲法第九十二条のいわゆる地方自治の本旨条項について触れましたけれども、憲法の中で九十二条だけがそびえ立って唯一無二の原理というわけではもちろんなくて、様々な原理、プリンシプルズが置かれております。その中でも最も重要と言ってよろしいものが憲法第十三条、全て国民は個人として尊重される、生命、自由、幸福追求権は最大の尊重を必要とするというところでございます。
 その生命、自由、幸福追求の第一番目にうたわれた生命の危機ということがある場合に分権、分権とばかりは言っていられない。その意味で私は決して分権原理主義というわけではなくて、様々な原理のバランスの中で分権を考えることが重要だというふうに思っております。
 そこで、生命を守るための災害法制が一体どういう立て付けになっているかということを考えてみたいと思います。
 そこで、お配りした資料には災害対策基本法から検疫法までの法律のメニューが並べられております。中には、武力攻撃事態対処法ですとか国民保護法ですとか、そうしたものも入れた方がよかったのかもしれませんが、地方制度調査会の議論というのは基本的にはコロナ感染拡大がする中でのその対応にいかなる問題がありやなしやということで進められましたので、そこで比較的そのコロナ対策に関連深いものを中心に並べております。中で、原子力災害対策特別措置法だけが少し異例なはまり方をしているように見えるかと思いますけれども、なぜそれを入れてあるかということはすぐ後に申し上げます。
 さて、それで、こうした並び方があって、災害対策基本法が市町村中心、そして自治事務中心、さらに、検疫法はその一方の端で国の直営事務のみということであります。その中で様々なグラデーションがあって、その数直線の中にいろいろはまっているわけでございますが、今回のコロナ感染拡大に対する対応策の最も中心になったものの一つは、新型インフルエンザ特措法でございます。
 では、その新型インフルエンザ特措法が国の関与が利かない、グリップが利かない、そういう仕組みになっていたかどうかということで眺めてみますと、これははっきりしておりますけれども、新型インフル特措法は、政府対策本部の設置ほか、国の直営事務が書かれているほかに、自治体が行う事務はほとんど全く法定事務で、法定受託事務でございます。法定受託事務というのは、自治事務と異なって、是正の指示、さらに、必要があれば、辺野古の埋立てではありませんけれども、代執行までできるという、非常に国のグリップが利く、強い関与が利く、そういう仕組みでございます。
 僅かに自治事務として残されているものも、同法の第七十四条を御覧いただければ分かりますけれども、警察所管の事務でございますので、警察所管の事務というのはほとんどが自治事務であって、しかし警察は集権的な体制の中で動くようになっておりますから、まとめて言いますと、新型インフル特措法は相当に集権的なグリップが利く法律であったということであります。やろうと思えばいろんなことができたということであります。
 では、災害対策基本法などのように自治事務中心、市町村第一主義の場合には国のグリップが利かないかというと、そういうわけでもないということで、そこで挙げたいのが原子力災害対策特別措置法の例でございます。
 今から十三年前になりますけれども、東日本大震災のときに福島第一原発が事故を起こして、そして周辺の立地市町村で避難をしたということがございました。そのときに、同法に基づいて、原子力災害対策本部長、これは内閣総理大臣、時の菅直人さんでございますけれども、が避難指示を出したという形でございました。さあ、逃げなさいということでありますけれども、でも、実際は周辺立地市町村の住民に対して内閣総理大臣が避難せよという指示を出したわけではございません。内閣総理大臣が出した指示は、地元の市町村長に権限があるのが避難指示でございます、地元の市町村長が避難せよと言うのでございます。その避難指示を出すべしだという、そういう指示を出したということでございます。しかも、その指示というのは、多分法律によってグラデーションがあると思うのですが、強制力を伴っておりません。基本的にお願いベースのものでございます。つづめて言うと、内閣総理大臣が避難指示を出したらどうかというお願いをし、市町村長がそれを受けて避難指示を出して一斉に逃げたということでございます。
 つまり、お願いベースであっても、当時の状況の中で避難をするということが合理的であり、それに従うことが説得的で、説得力があるから逃げたということであって、自治事務であっても科学的、合理的な説得力があれば十分従うというものでございます。
 そこで、小括でございますが、今既存の災害法制が分権的な立て付けになっていて、それだから機能不全を起こしてコロナ対策がうまくいかなかったのだということではなくて、既に十分集権的な要素があったにもかかわらず、それを上手に使いこなすことができなかったので、なのでうまくいかなかったということであるのに、あたかも法制の立て付けが悪いからそこに問題があるのだというふうに問題を落とし込んでいっているのが今回の自治法改正の最大の問題点ではなかろうかという具合に思います。
 三番目、政治のリーダーシップというところに移ります。
 いや、そうはいっても、そうはいっても様々なことは起こり得るから、だから、どういうことがあってもいいように、一般法のレベルで、いざというときに備えて補充的な指示ということを用意しておいた方がどうかと、こういう議論はあるわけでありますけれども、それに対しては私は、政治のリーダーシップで、政治のリーダーシップというのは、選挙で洗礼を受けて、国会で内閣首班指名という更に洗礼を受けて、正統性を持った内閣総理大臣に最終的には集約されますが、それがリーダーシップを取って、いざというときには対応し、しかしそこに私権制限の要素がある場合には、追いかけて法令をきちんと整備していくということでよろしいのではないかという具合に私は思っております。それは政治のフリーハンドの問題、ここまではあるということではなかろうかと思います。
 そこで、英国ロックダウンの例ということで、当時のボリス・ジョンソン首相のBBCで行った放送のその写真も付けて委員の皆様にお配りをしております。
 実は、ボリス・ジョンソン首相は、最初、厳しい規制を置くことに関してかなり抑制的、弱腰、逃げ腰の姿勢であったわけですが、イギリスの中でインペリアル・カレッジ・ロンドンという最も医療、感染症関係では権威があると言われている大学の専門家研究チームが報告書を出しまして、三月十六日にレポートの第九号というのを出します。そこで、様々なシミュレーションを置いて、このままロックダウンせずに放置した場合にはイギリス国内で五十万程度の死亡者が出ると、こうしたことを科学的、合理的な根拠に基づいて、もちろん全て分かっているわけではありませんので、後々それが正しかった、完全に正しかったというわけではございませんが、その報告書が大きな機縁になって、ジョンソン首相、ジョンソン政権が動き出して、そして、二〇二〇年の三月二十三日二十時三十分からBBC放送で、私はそのときイギリスにおりましたので実際これを膝をそろえてテレビの前で緊張しながら聞いておりましたけれども、ここに書いてありますとおり、コロナウイルスは最悪の、最大の脅威であるから、そこでボリス・ジョンソン首相はステイホームだということを一生懸命国民に訴えました。首相自らがテレビを通じて国民に訴えるということをいたしました。そして、そのすぐ後を追って省令を整備したり、コロナバイラスアクトを整備して、追いかけて法令整備をしていくということでございました。
 その特徴ということでございますが、改めてまとめますと、科学的、合理的で説得力ある知見に依拠して首相自らが説得に当たったということ。それから、国会内でレーバー、ほかの野党に対して一生懸命説得する。スコットランド、ウェールズ、北アイルランドのファーストミニスターに対して、日本とは別の形で非常に分権体制が進んでいる国でございますけれども、そのファーストミニスター、首相又は第一大臣に対して一生懸命説得して、コブラ会議というようなものを通じて、それで合意を取り付けて実施していったと、こういうことでございます。
 我が国でも首相がリーダーシップを発揮した例がございました。それは、二〇二〇年二月二十七日の全国一斉休校要請でございます。私は、そこに何が、どういう問題があったかということでいえば、そこに法的根拠が欠けていたかということが問題であったのかというと、そうではなくて、ボリス・ジョンソンがやったときに示したような科学的、合理的な知見に基づく説得、さらに、国会内での合意の取付け、分権体制での合意の取付け、そういうことをしていたかどうか、そこが欠けていたところが問題だったのではなかろうかと、法的根拠がなかったことが最大の問題とは思えないということでございます。マスク配布も同種の問題かということを付け足して書いております。
 最後でございます。
 牧原先生も盛んに、十分御指摘になりました国会関与、それによる歯止めということでございます。
 事前事後の国会の承認あるいは国会への報告によって歯止めを掛ける、補充的な指示が濫用されないように歯止めを掛ける、こうした議論は地方制度調査会の中でも、それから国会に審議が移って、衆議院でも、それから参議院の先生方の御審議でも続けられております。
 なぜ国会の関与をそれほど認めないかということに関して松本総務大臣が主として説明しているのは、地方制度調査会では、機動性に欠ける、そうしたことをしていると緊急事態に対して機動性に欠いた対応しかできないので、国会の関与は要らなくて閣議決定でいいのだと、こういうような議論がされたわけでございます。
 私は、学者というのは人から聞いたことをうのみにしないというのがたちでございますので、それで実際、地方制度調査会でそうした議論があったかということを確かめました。
 今回の法改正につながる地方制度調査会の議論というのは二〇二三年に入ってから始まっておりますので、その一年分の議事録を全て点検いたしましたけれども、機動性に欠けるという言葉そのものが出てきたのは、第二十回専門小委員会、十月二十三日の二か所。二か所といいますか、山本委員長と田中行政課長が、機動性に欠けるという議論だったよね、はい、そうでしたねという、こういうやり取りですので、事実上は一か所でございます。つまり、公式記録上は、機動性に欠けるから、だから国会の関与はそれほど要らないのだと、そういう議論はなかったということでございます。
 今回の法改正は、国と自治体の関係だけにとどまらず、国会とそれから官邸との関係、政治と官邸との政官関係、国会主権をどう担保するかと、先ほど申し上げました、冒頭申し上げました、国権の最高機関である国会、ソブリンティー・オブ・パーラメント、国会主権をどう担保するのかということが鋭く問われている問題でございます。
 私は、事後報告にとどめず、事前の承認まで含めて、もう少し深い、先生方、国会の関与が必要だということを申し上げまして、私の意見陳述とさせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。
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新妻秀規#5
○委員長(新妻秀規君) ありがとうございました。
 次に、東参考人にお願いします。東参考人。
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東健二郎#6
○参考人(東健二郎君) 本日は、貴重な機会をいただきまして、ありがとうございます。一般社団法人コード・フォー・ジャパンの東と申します。
 資料、お手元に配付いただきまして、ちょっと大部でございますが、順を追って御説明させていただきますけれども、コード・フォー・ジャパンは、東日本大震災の際の活動を契機としまして、二〇一三年に設立されました非営利型の一般社団法人であります。いわゆるシビックテック、市民を始め多様な主体が連携し、テクノロジーを活用して地域課題解決を行う活動をしております。その際、行政は重要なプレーヤーでありまして、その機能強化あるいは職員の能力向上としてのDXの推進や住民参加型のデジタルプラットフォームの活用を進めているものです。
 また、もう一つ、滋賀県日野町で政策参与を務めさせていただいております。日野町は、人口二万人、職員の数は二百三十人ほどの小さな団体でありまして、古くは戦国武将蒲生氏郷の生まれた町ですとか、あるいは近江商人の一つであります近江日野商人の町としても知られておりますが、また、司馬遼太郎の「街道をゆく」においてもその町並みが記されているところであります。その日野町におきまして、二〇二一年度より地方公務員法における参与として、自治体DXへの対応と業務効率の改善を図ることを職務としております。
 以上のような経歴から、本日お話しいたしますのは、大小様々な自治体の現場の実情や自治体DXと呼ばれる言葉が捉えるべき事柄にも言及しながら、今般の地方自治法の改正を契機として議論が更に進むことを期待いたしまして、課題や可能性について私個人の立場として意見を述べさせていただきます。
 時間も限られておりますので、資料、お手数ですが、一番最後に意見のまとめを書いておりますので、一番最後、十七ページをお開きいただけますでしょうか。
 一番最後に意見陳述のまとめとして二つありますけれども、一つ目は、自治体DXをどのようなものとして考えるという観点であります。
 それは、私なりに考えますと、我が国が目指すデジタル社会の実現、発展を持続的に可能にするための仕組み、これはアーキテクチャーと言いますが、そういうふうに言えるかと思います。すなわち、それは地方分権改革で目指してきました自治体の自律性の確保、より言えば、そうした自律性を強めた領域における意思決定メカニズムに着目するというものであります。こうした意味から、今般の改正案は重要な意味を持つものであります。
 まず、それは、第十一章を新設しまして、情報システムの有効利用、あるいは自治体間や国と協力した最適化、あるいはセキュリティーの確保が地方自治において重要な要素であるということを明示したことであります。
 情報システムは、これまでから自治体において活用されてきており、行政サービスの大量処理や、あるいは高度化の要請に応じて順次整備されてきたものでありますが、したがいまして、役所の仕事の多くは様々な情報システムが規定しているものであります。その意味では、第二百四十四条の五第一項は、確認的な規定であることも確かでありますけれども、住民サービスの向上や行政組織の業務効率あるいは職員の負担軽減など、これらを含めた最適化といった、住民、行政組織双方の意味で重要な役割を持つ情報システムと、同条第二項に規定する、それを本来あるべき機能にあらしめるところのセキュリティーの確保が、実体としても自治体の根幹の一つであることを示していると言えると思います。
 そして、その第二項のサイバーセキュリティーの確保、あるいは個人情報の保護といった必要な措置の義務付けがされております。
 前項で政府部門がネットワーク上で相互接続され、今後もそれが進展することから、どこかに脆弱な状態をつくらないという意味で当然の措置でありますが、こうした措置は、自治体がそうした自ら主体的にセキュリティーのレベルを選び取ること、すなわち、自治体の根幹である要素は自ら決めるということが自律的な存在であります自治体に求められることであるということを明確にしたものであるということも理解できます。そして、情報システムの最適化、セキュリティーの確保といった取組に対する支援は、国の配慮責任として考えられるものであります。この配慮責任については後ほど少し触れたいと思います。
 二つ目は、次に、国と地方の役割分担に関することであります。
 この地方分権改革の取組は、いわゆる平成デモクラシーと呼ばれる統治機構改革と相まって整備されてきたものでありまして、そこに言葉として自治体DXが合流しているのが現在地であると理解しております。その中で、地方自治法でありますとか、その他個別法の在り方も含めた全体としての秩序がつくられてきているものだと思います。この点で、補充的な指示についても、国と地方の役割分担として、まず法によって地域における事務を自治体がつかさどり、国の関与と争訟の仕組み、言わば正反合で統合されてきたものの中で極めて例外的な事象での関与を認めるものとして理解しているものです。
 その上で、今般出されております修正案については、国会での平時の議論を含めたこうした法の運用をこれまで以上に蓄積しなければならないという意味として、修正案により国会への報告の定めが入ったことも大きなことだと思っております。
 もう一つの観点は、これまでの審議の中でも幾多に登場しておりますコミュニケーションに関することであります。なぜそれが重要なのかと考えた際に、地方自治法の具現化を成す主体として地域コミュニティーですとか、ここでは政府という言い方しますが、地方政府、中央政府、それぞれがどのようなコミュニケーションをするかという観点になろうかと思っております。
 先ほどの情報システムについても、あるいは関与の局面についてもそうですが、多機関が連携する局面を整序するものでありまして、調整と同時に相互理解がその根幹にあると思います。また、住民の暮らしを支える地域コミュニティーの維持、地域課題の解決には多様な主体が連携することにも多機関連携が既に数多く見られているところであります。
 ただし、これらを一挙に解決するような銀の弾丸はありません。調整と相互理解を粘り強く続けることそのものが重要であり、具体的には人や、あるいは機能としてのコーディネーターの振る舞いが重要であると考えます。今回の改正案、修正案においてそうしたコーディネーターを中心に考えてみたときに、これまでの諸制度との連携も含めて、これをうまく乗りこなす知恵といったようなものが各主体に求められるんではないかというふうに考えるものであります。
 そうした観点で、とりわけ第二百六十条の四十九第二項に規定されております市町村長による指定をどう見るかというのは一つ問題になるかと思います。
 指定地域共同活動団体が地域において重要な役割を果たすことを想定しているものでありますが、そもそも地域コミュニティーの活動や組織は多様であり、それを一律に捉え平準化につながるであるとか、指定をトリガーとして地域における各主体間の関係性が変化することへの懸念があると思います。これらについては、規定としては市町村長が指定するものになりますけれども、その指定には、そもそも地域コミュニティーへのリスペクトと言われるようなものが必要だと考えるものになります。
 以上がまとめでありますが、資料を前にお手数ですが戻っていただきまして、四ページにお戻りください。
 冒頭から申し上げましたデジタルトランスフォーメーションのポイントとして、よくデジタルツールを入れることに着目する議論がどうしても多いんですが、私が考えますのはそうではなく、いかに行政サービスを構築するかその手法をアップデートすること、資料右側ありますが、そして同時に重要なこととして、組織の在り方の変革、この両面から成るということを指摘したいと思います。
 次のページになります。
 そうしたときに、組織の在り方ということで考えた際に、これまでの地方分権改革とのつながりが見えてくるわけであります。これを、改革の方針が具体的な制度変革につながっていくプロセスという意味で、今後、土着化というふうに表現いたしますが、地方分権改革を始めとするいわゆる平成デモクラシーの文脈で、集権化と分権化のベクトルが相まっての土着化の過程で不整合が生じ、今般の役割分担の再調整が求められているというふうに理解しています。
 また、右側ですが、自治体DXという言葉が生まれてきた文脈も、地方分権改革以降進められてきました自律性を強めた自治体における意思決定メカニズム、これが現在自治体DXで言われている標準化でありますとかデータ連携等、本来は地方分権改革が言われてきた従前から取り組むべき事柄であったというふうに理解をしております。
 次のページになります。
 そうしたときに、組織の在り方あるいはコミュニケーションの話として、自治体DXをめぐって国と自治体がどうコミュニケーションを取ってきたか、それは地方分権改革における提案募集方式の中に見て取ることができます。
 左側でありますが、自治体DXという言葉が登場する前は、国は、自治事務だから地方の責任でやるべきという物言いをよくすることがありました。今もやや見れることでありますけれども、その際、とりわけ情報システムに関わる事柄で、国の配慮責任という考え方が示され、言わば地方分権の理念を具体化したり、あるいは硬直的な議論になることへの歯止めとして機能するようになっていきます。
 近年の提案の回答ぶりを見ますと、どのような事務であるべきかを考える、あるいは情報システムであれば最適化という考え方になりますが、そうした考え方に基づいて、国、地方がかみ合った議論になりつつあることを注目しております。
 ただし、解決策そのものが十分なのかはもちろんありますけれども、コミュニケーションが配慮責任という考え方が自治体DXの中に組み込まれているだろうということが重要であります。
 続いて、七ページであります。
 そうした今回の改正の中でも、自治体間で協力して情報システムの利用の最適を図るということが規定されておりますが、これまで自治体で取り組んできたことでありますと、例えばシステムの共同調達が挙げられます。
 私は、大阪府の調達に係る審査会の会長を務めておりますし、また同時に、府が共同調達した外部人材のアドバイザーとして府内の市町村を支援しておりますが、これをなぜ大阪府という都道府県が行うかということでありますが、それは市町村の体制の問題ということにとどまらず、大阪府自身にも資する取組だからということであります。ここでも配慮責任という言い方をするとすれば、情けは人のためならずではありませんけれども、責任を示すことは、その相手方との関係ではあくまで対等、平等であること、情報システムであれば全体最適という言い方になろうかと思いますが、双方にメリットがあるという点は改めて指摘したいと思います。
 続いて、八ページから十ページにかけてでありますが、組織の在り方としてお話を続けますと、日野町の取組として、新型コロナウイルスのワクチン集団接種の事務に関して調査研究を大学と共同で実施いたしました。これは対応の是非を検証するというよりも、今後も起こり得る不確実な状況に対して我々がいかに適応できるか、そのために、組織の在り方を考えるものとして十個の洞察と三つの提言をまとめたものであります。
 ポイントだけお話ししますと、お互い手探りの状況にならざるを得ない局面では、お互いに抱く不確実性、これは報告書では恐怖と言っておりますが、それを引き受け、柔軟な意思決定を行ったり、そのための平常時からの組織としての受容度を広げることの重要性が指摘できると思います。
 飛ばして、十一ページになりますけれども、そう考えたときに、現在進行します自治体DXの取組について、自治体職員がどのように受け止めているかということが注意深く見る必要があると思います。
 研究メンバーを務めました日本都市センターによる自治体職員向けのアンケート結果からは、DXの方針など総論はおおむね賛同を得られているものの、職位別に細かく見ますと、デジタル化あるいはDXの受け止めが異なる結果となっております。
 また、デジタル化を効率化の手段として用い、特に住民参加に対する意識が弱いということが気になります。これは、自治体DXの取組がスタートしまして数年になりますけれども、その土着化が想定しているところと異なる帰結になるのではないかということが現時点で推測されるところでありまして、対応が必要ではないかと考えているところであります。
 十二ページ、同時に、異なる土着化の帰結を生む可能性も指摘したいと思います。
 冒頭申し上げましたシビックテックは、圧倒的なスピード感と評価されました行政サービスの構築を自治体や国と連携するだけでなく、サービスの利用者であります市民自らが参加して改善する形を示しました。情報システムの規定の中にこうした運用を読み込み、変革していく自治体が現れてくることを期待するものであります。
 また、十三ページでありますが、コロナ禍を経てデジタルを活用した住民参加も進んでまいりました。デジタルプラットフォームの活用も、情報システムの規定から、単独であるというわけではなく、むしろ広域的あるいはテーマ共通で参加の仕組みを構築する視点が示唆されるのではないでしょうか。自治体は、ともすれば我先に、あるいは新しいものを独自に設置したがるものでありますが、住民参加の点ではそもそもどのような参加の仕組みが適切なのか、それを考える必要があろうかと思います。
 十四ページになります。
 こうしたことは、いわゆるデジタル社会における地方自治の構想としては、まとめますと、サービスを市民とともにつくり、自治体間で公開、共有する関係をつくる。その際に、国あるいは広域自治体が配慮責任を持って取り組むということが新たな土着化として構想できないかというものになります。
 最後、十五ページ、十六ページでありますが、日野町において取り組んでいるコミュニティーに関することであります。
 多くの自治体同様、自治会、町内会の皆さんと地域の在り方を考える場を持ち、一緒になって地域づくりをしています。また、地域において農村RMOの取組を進める動きが出ているほか、今後は地域における様々な主体と連携した重層的支援体制の整備にも取り組むこととしています。
 こうした動きを参与として拝見しているときに、よく日野町の堀江町長が話す言葉で印象的なものがあります。御紹介しますと、日野の町は、地域が先輩、役場が後輩です。これまで地域の先輩方の知恵として役場が生まれ、町民さんを守る取組を進めてきたという意識を持っている。地域における様々な課題が生じている中で、今後は地域において果たせる役場の出番が一層重要になる。そこにおいては地域へのリスペクトがなければならない。
 地域を支援する制度は、各省も用意をし、この度、自治法においても市町村が果たすべき出番をつくっていると言えます。しかし、ここまでお話ししたことと同様に、それぞれの主体に対するリスペクトを持ってコミュニケーションを取ることの重要性が自治法において更に明確になる、あるいはそのような運用を蓄積していく必要があるのではないかと考えるものであります。
 以上になります。御清聴ありがとうございました。
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新妻秀規#7
○委員長(新妻秀規君) ありがとうございました。
 次に、本多参考人にお願いいたします。本多参考人。
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本多滝夫#8
○参考人(本多滝夫君) ただいま紹介にあずかりました龍谷大学の本多でございます。
 大学におきましては、行政法と地方自治法を担当しております。また、これは偶然ですけれども、各自治体の情報公開・個人情報保護審査会又は審議会の委員、会長などを務めていますけれども、今参考人として意見陳述していただいた東さんが政策参与を務めておられます滋賀県の日野町におきまして、私、審査会の会長を務めているところでございます。これは全く偶然でございます。
 そのようなことで、今日の意見陳述は、DXに関して、審査会の会長もしているということもありまして、その観点からも踏まえて知見を述べさせていただきたいと思います。
 それでは、私の意見陳述は、私の陳述書冒頭にございますように、地方自治法の一部を改正する法律案第十四章において創設される特例及び法律案第十一章に新たに取られる情報システムの利用に係る基本原則、そのうち二百四十四条の五第一項について意見を陳述いたします。
 陳述書が御覧のとおりかなり長いのでございますので、先に結論を申し上げることにします。
 陳述書をめくって、七ページの最後を御覧ください。
 日本国憲法が地方自治を保障しているにかかわらず、その施行後半世紀にわたり、地方公共団体の執行機関を国の下級の行政機関と位置付ける機関委任事務制度により、国と地方公共団体の関係は上下関係にあるかのように認識され、地方行政の実務はそのような運用の下に置かれました。
 二〇〇〇年に施行された地方分権推進一括法に基づいて行われた地方分権改革は、国と地方公共団体は対等、協力の関係にあることを前提とし、機関委任事務制度を廃止し、国の地方公共団体に対する関与を制限しました。
 具体的には、現行の法第十一章に、国の関与について法定主義を取ること、関与を必要最小限度にとどめ、できるだけ関与の基本類型によるべきこと、公正、透明の原則を適用し、行政手続法に範を取った手続によって関与を行うべきこと、関与に関する国と地方公共団体との間の係争は裁判所を含む第三者機関によって処理されることといった原則を定めました。特に関与法定主義と関与必要最小限度の原則は、個別の法律において設ける事前の関与を大幅に制限し、国が関与をする場合には一般ルールである地方自治法の事後的な関与、是正の要求や是正の指示といったものですが、これによることを明らかにしました。
 法律案第十四章が国民の安全に重大な影響を及ぼす事態における一般ルールとして新たに定める特例関与は、現行の消極的な関与から即応性を重視した積極的な関与へと関与の在り方を根本的に転換し、国の関与を抑える関与法定主義及び関与最小限度の原則を地方自治法の内側から壊すものと言え、現行の第十一章において取られている関与の仕組みの例外を定めるにとどまらず、日本国憲法に定める地方自治の保障を具体化した上記の地方分権改革の考え方を否定するものと言えます。
 このことにつきましては、下の概念図のところで、現行の第十一章における通常の関与と、それから、現下、法律案として審議されております新しい十四章で定められている特例関与の関係を示しております。御参考いただければ幸いです。
 続きます。
 また、地方分権改革の根拠となった地方分権推進法第二条は、地方分権の推進の理念を、地方公共団体の自主性及び自立性を高め、個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現を図ることを基本として行われるものとするとし、地方公共団体における個別最適の追求を掲げていました。
 法律案第二百四十四条の五第一項は、全体的な最適化の下で情報システムにおける地方公共団体の自主性を損なうことを助長するものとなり得るだけでなく、地方公共団体の行政運営全体の自主性をも損なう契機になり得るもので、情報システムの利用に係る基本原則を地方自治法に組み込むことは望ましいとは言えません。
 それでは、以下、かいつまんで所見を説明いたします。一ページにお戻りいただければと思います。
 なお、時間の関係でかなりはしょった説明になりますので、一体今どこを読んでいるかというのはちょっとひょっとしたら追い付かない可能性がありますけど、その点はちょっと時間の都合で御容赦いただきたいと思います。
 それでは、一ページの下の方から少し申し上げます、下から二段目からでございます。
 これは、特例関与との関係で現行関与の法制の仕組みについて簡単に説明しているところでございます。
 国の関与は法律で定めることになっています。もっとも、法二百四十五条の三第二項は、国会が法律に国の関与を定めようとするときは、三号関与ではなく原則として関与の基本類型の中から選ぶよう義務付けています。少し飛ばします。さらに、法二百四十五条の三は、第二項から第六項までの規定において、自治事務と法定受託事務の区分に応じて法律に定めることができる関与の基本類型を限定しています。
 その結果として、自治事務において国が用いることができる関与の基本類型は、一般に、助言、勧告、資料の提出の要求及び是正の要求になります。これに対して、法定受託事務において国が用いることができる関与の基本類型は、助言、勧告、同意、許可、認可、承認、二ページに移ります、指示、代執行といったように、自治事務におけるそれより広く認められています。
 少し飛びます。二段目下ぐらいです。
 関与の規定を見て分かりますように、自治事務における是正の要求にしろ、法定受託事務における是正の指示及び代執行にしろ、その要件は普通地方公共団体の事務処理に法令違反又は著しく不適正なところがある場合に限定されています。すなわち、権力的な関与は、普通地方公共団体の事務処理の適正さを確保するために行われる事後的なものに限定されているわけです。
 このような事後的な関与では普通地方公共団体の事務処理の適正さを確保できない場合やそれにとどまらない必要性がある場合にのみ、それぞれの行政分野において必要とされる立法事実に照らして、国会は、上記の法第二百四十五条の三に定める原則にのっとって個別の法律において関与を設けることができるとされているわけです。
 それでは、特例関与と従前の関与法制の関係について説明します。
 法律案では、第十四章という新しい章を設け、特例となる関与の類型を定めています。本章に定める関与のうち、資料の提出の求め及び各種の指示は関与の基本類型に当たりますが、意見の提出の求め、国による応援の要求は関与の基本類型に当たらず、いわゆる三号関与に当たります。三ページに移っております。
 また、是正の指示以外の指示は、法第二百四十五条の三によれば個別の法律で定めることとされているにもかかわらず、事務処理の調整の指示、生命等の保護の措置に関する指示、国による応援の指示といった指示が地方自治法という一般ルールに定められています。それどころか、補充的指示と呼ばれるものがありますけれども、その指示のように、一般ルールが個別法を補うことを明確にしています。言わば主客が転倒した法制になっております。
 指示については局限されていますが、自治事務において用いることができます。しかしながら、閣議決定によって指示権を創出する法案第二百五十二条の二十六の五第一項に定める指示は、当該行政分野における必要性に照らして個別の法律ごと、すなわち国会の議決に基づいて創出される、法二百四十五条の三第六項で限定的に許容されている自治事務の処理に関する指示とは異質なものです。
 法律案第十四章に定める関与は、現行の第十一章に定める一般ルールに基づく関与についての特例となるものですが、一般ルールの存在意義、すなわち個別法律による権力的関与の創設の抑制を形骸化するもので、特例に収まるものではありません。
 それでは、次の特例関与の補充性について説明申し上げます。
 補充的指示の補充性について説明申し上げます。
 法律案第二百五十二条の二十六の五の立法趣旨は、第三十三次地方制度調査会の答申に基づいているというふうに繰り返し説明されているところです。個別法の規定で想定されていない事態にのみ用いることが許されるという趣旨で、答申ではこの新しい指示の類型に国の補充的な指示という名称を与えています。
 少し飛びます。四ページ目の冒頭に移ります。
 ところで、第三十三次地方制度調査会の専門小委員会では、個別法の規定では想定されていない事態には三つのバリエーションがあり得ると指摘しております。
 一つは、個別法が存在しないが、国の安全に重大な影響を及ぼす全国規模等の事態が発生し、国民の生命、身体、財産の保護のための措置が必要な場合、②個別法が存在するが、対象としている事態以外の想定外な国民の安全に重大な影響を及ぼす全国規模等の事態が発生し、国民の生命、身体、財産の保護のための措置が必要な場合、③個別法が存在し、対象としている国民の安全に重大な影響を及ぼす全国規模等の事態は発生しているが、用意された指示権の要件に該当しない想定外の事態であるため指示権が行使できず、国民の生命、身体、財産の保護のための措置が必要な場合、このようになっております。
 少し飛びまして、四ページの一番下のところから話を始めます。
 この間の国会審議で政府参考人は、事態対処法等で定められている武力攻撃事態等への対応については、これは法律で必要な規定が設けられておりまして、本改正案に基づく関与を行使することは想定されていないものと承知しているところでございますと答弁しています。その答弁を額面どおり受け取れば、武力攻撃事態等は本項に定める指示を必要とする国民の安全に重大な影響を及ぼす事態には該当しないことになります。にもかかわらず、同政府参考人は同じ答弁の中で、国民の安全に重大な影響を及ぼす事態から特定の事態を除外したものではございませんとも説明しております。
 この答弁を整合的に理解することは私にとって非常に難しいところですが、頑張って考えてみますと、本改正案に基づいて関与を行使することは想定されていないとは、現行法では先ほど説明した③の場合はないという趣旨ではないかと思います。すなわち、特定の事態を除外したものではございませんというのは、なおも武力攻撃事態等には②の場合の余地があることを認める趣旨ではないかと思っております。
 武力攻撃事態や重要影響事態において②の場合があり得るかといえば、私見によればあり得るし、現時点においても想定が可能な事態もあるのではないかと思います。仮にそうだとすれば、個別の法律である武力攻撃事態法や重要影響事態法の改正に取り組むのが筋で、政治的な困難が伴うからそれを回避して新たに地方自治法に設ける補充的指示でもって対処することは、関与法定主義を形骸化するものと言えます。
 いずれにしましても、②の場合も③の場合も、想定されていない事態への対応としては個別の法律において定める指示につきバスケット条項を設ければ足りるとも言え、そうすることで通例の関与法制との同質性、連続性は維持されるのではないかと思います。そうしないのは、前述のように、そのような条項を個別の法律において設けることについての政治的な事情からか、それとも真に想定され難い①のような場合を本条の射程にしているからではないかと思われます。
 時間の関係で、資料及び意見の提出の要求に関する特例関与の補充性については割愛いたします。
 それでは、DXへの対応について御説明申し上げます。六ページ、下から二段目のところから説明申し上げます。
 第三十三次地制調答申との関係に照らしますと、法律案二百四十四条の五第一項は、地方自治法が元々地方公共団体の事務処理に求めていた能率性、効率性の原則及び組織運営の合理化、規模の適正化の原則を情報システム仕様に適合させたものと見ることができます。
 しかし、ここで注意しなければならないのが、答申が求めているのは、単なる個々の地方公共団体の情報システムにおける最適化ではなく、全体的な最適化という点です。
 めくって、七ページの方に移ります。七ページ、情報システムの全体最適化が目指すもののところに移ります。
 地方自治制度において全体的な最適化ないしは全体最適の用語を持ち出したのは、総務省が第三十二次地方制度調査会の準備研究会として設けた自治体戦略二〇四〇構想研究会ではないかと思っております。
 二〇四〇構想研究会は、第二次報告で、新たな自治体行政モデルの考え方の一つとしてスマート自治体への転換を打ち出し、行政内部の情報システムについて、自治体ごとに開発し部分最適を追求することで生じる重複投資をやめる枠組みが必要であるとし、国全体での情報システムの標準化、共通化を通じて情報システム経費の軽減を唱えていました。
 そして、その前提となる同研究会の基本的な発想は、これまでの人口拡大期には、独立した自治体における個別最適の追求が全体最適をもたらしたが、人口減少期を迎え、行政サービスの質や水準に直結しない業務のカスタマイズはかえって全体最適の支障となっているというところにあります。
 また、同研究会は、第一次報告では、比喩的ではありますが、本研究会において議論すべきは、新たな自治体と各府省の施策、アプリケーションの機能が最大発揮できるようにするための自治体OS、オペレーションシステムの書換えであると課題設定をしています。
 こうして見ますと、全体的な最適化は、地方公共団体における個別最適の追求、すなわち地方公共団体の自主性を抑えるための道具概念としての性格をも有しています。したがって、法律案二百四十四条の五第一項に定める最適化は、法二条第十四項及び同条第十五項とは必ずしも親和的なものではなく、逆に、全体的な最適化の観点からこれらの条項を解釈する契機にもなり得るのではないかと懸念されます。
 以上でございます。どうも御清聴ありがとうございました。
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新妻秀規#9
○委員長(新妻秀規君) ありがとうございました。
 以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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藤井一博#10
○藤井一博君 自由民主党の藤井一博です。
 本日は、四人の参考人の先生方、本当に貴重な御意見をいただきまして、誠にありがとうございました。
 早速質問に入らせていただきます。
 牧原参考人に伺います。
 牧原参考人からは、非平時である東日本大震災を経験されたことを基に、非常にそういったときに表れる不安感が合理性の喪失につながって、復興であったり、また平時に戻るための道筋に必ずしも資するとは思えないような行動も起きる危険性があるというお話をいただいて、大変示唆に富むお話をいただいたものと思っております。
 お話しされたもう一つの非平時ですね、新型コロナについて、牧原参考人、この課題についても研究をされてきたと思っております。そのことについてお聞きしたいと思います。
 先生の尾身茂氏との対話について書かれた「きしむ政治と科学」の中で、尾身氏からも、国と地方自治体の役割、責任をあらかじめ明確にすべきだったと指摘されております。その上で、日本は二〇〇九年の新型インフルエンザの教訓を生かすことができなかった、また、新型コロナウイルスと向き合ってきて浮き彫りになったあらゆる課題を洗い出し、国と自治体の関係を検証すべきであり、二度と同じ過ちを犯してはならないと提言をされております。
 今般の対応について、地方制度の観点からどのように受け止めていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
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牧原出#11
○参考人(牧原出君) 新型コロナにおきましていろいろな問題があったということで、国としてまずその検証をするということで、一定の検証を政府はしましたけれども、やはりそれではまだ十分ではないという部分があるかと思います。
 しかし、片や感染症対策の方で、今、新型インフルエンザ等の対策の行動計画が国で作られていて、その行動計画の案を見ますと、かなりこれまでのコロナの問題を受け止めて、実際、国と自治体がどう今後起こり得る感染症に対して対応すべきかということを詳細に検討しています。その意味で、一定の検討は私はなされているんだろうと思います。
 しかし、今後この先に、自治体の方で更に行動計画を考えていくということになったときに、総合行政としての地方自治体において感染症対策をどのようにもう一度問い直すかということがやはり問われていると思います。それはまた個々の自治体の問題なんですけれども、では、その先に今度は国と自治体との間のコミュニケーションをどういうふうに取るかということがやはりまだまだちゃんと検証されていないんだと思います。
 先ほど私も申し上げましたけれども、コミュニケーションの在り方は、第三十三次地方制度調査会でもいろいろな議論がなされましたので、今後、非平時でも様々な状態が想定されますけれども、あり得べきコミュニケーションの在り方というものを一つ一つ改善していくということが、今後の様々な問題、起こり得る問題に対して、それを受け止めてレジリエントに対応できることにつながっていくと思いますので、やはりそういった形で、国のこの感染症問題における検証と、それからそれに合わせて個々の自治体の今後の行動計画の見直しと、そしてその上で国と自治体とのコミュニケーションの在り方をもう一度問い直すという、そういう段階でこの問題を進めていくといいのではないかと考えております。
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藤井一博#12
○藤井一博君 ありがとうございます。
 コミュニケーションの在り方というところで、国と自治体との関係の中で、今回、総務省の、そういった一対一の意思疎通の在り方であるとか、また、話したことがすぐに3D的な、構築できるような人間関係の構築があったことが非常にコミュニケーションを円滑に進める上で生きたというお話もいただきました。また、今後そういったところをよりどのように高めていくか、またデジタル化も入ってくると思いますけれども、そういったコミュニケーションの在り方というものが非常に大事だということがお話を聞いて思いました。
 牧原参考人にまた伺わせていただきます。
 牧原先生、地方制度調査会の議論の中で、補充的な指示が行使される場面について、国が一定の判断をできるのは全国でどういう状況があるかを国がある程度把握できたときではないか、まずはやはり市町村、都道府県でできることをやっていくのが最初で、国に情報が集まったという条件が整ったときに国が一定の判断をしていくのではないかという見解を示されております。
 補充的な指示が考えられる場面というのはどのような場面なのか、自治体とのコミュニケーションの下で行使されることになるのか、そのお考えをお伺いさせていただければと思います。
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牧原出#13
○参考人(牧原出君) 補充的な指示が考える場面がどういう場面かということを具体的な事例の下で説明することはなかなか難しいのですけれども、今までも御説明申し上げましたけれども、国と自治体との間での様々なコミュニケーションがあって、その中で自治体の側から国へのいろいろな応援の要求などもあるだろうと思います。そういった中で、本来ならば、地方自治の下で各自治体が十全に対応することはやはり望ましいと思います。
 ただ、広域的に問題が起こった場合に、やはり、例えばそれは都道府県で一定の圏内の市町村の調整をするということもあり得ると思います。その場合、国が一定のそれを応援するということで指示を出すということは全くないわけではないだろうと思うんですね。国が直接個々の自治体に対して指示権を行使するというものも規定されていますけれども、それは、例えばそういったものがあった、そのまたその先に起こることではないかと思っています。
 ですので、今回規定された様々な国と地方との間の権限関係の中で、私は、国が直接地方自治体に対して指示権を行使するのはかなり最後の段階であるべきであって、それ以前に、国と自治体との間で何が問題なのか、何をすべきなのか、どこで足りないのかということを議論することになると思います。
 やはり一番困難なのは、全国的に自治体が非常に大きな問題を抱えている、その災厄なりなんなりで大きな問題を抱えていてなかなか身動きが取りにくい、その中で、幾つかの自治体で非常にその自治体のリーダーシップがなかなか発揮できないような事態が起こるということはやはりあり得ると思います。そういった自治体をどうやって応援するかということが、自治体間で様々な、プッシュ型の支援とかできればいいんですけれども、全ての自治体が、多くの自治体が自分の自治体の問題でかなり掛かり切りになったときに、じゃ、どうやってそれを応援するのかということが問題になることはあると思います。その場合に、もし国が情報共有をしてある程度の資源配分を効率的にできるということがあるのであれば、国が例えばその応援の指示を出すということも考えられると思うんですね。
 ですので、やはり、直接まず国が補充的な指示権をいきなり個々の自治体に行使するということをやはりまずは想定すべきではないんだと思います。
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藤井一博#14
○藤井一博君 ありがとうございます。
 今、災害時のお話ということで、一つ、牧原参考人にお伺いしたいんですけれども、災害時、非平時の中で、想定される災害時の中で補充的な指示というものが行われる際に、現在、災害時では都道府県、市町村間で相互応援協定等が結ばれておりますけれども、そういったところと国の補充的な指示の整合というか、混乱を来さないための考え方というものはどういったことがあるでしょうか。
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牧原出#15
○参考人(牧原出君) ほとんどの場合が、これまで起こってきた場合が、補充的な指示を行使する必要のないような非平時だったと思います。特に、特定の地域で非常に大きな甚大な災害、今の能登半島地震もそうだと思いますけど、そういう場合では、その地震に被害を受けていない地域が圧倒的に多いわけですから、その自治体同士で非常にその応援ができるということだと思うんですね。
 ですので、多重防御といいますか、いろいろなその応援の仕組みはあっていいと思うんですけれども、国が全体として応援を、応援の仕組みを考えて調整するというのは、先ほども申しましたけれども、特定ではなくてかなり広い地域でいろいろな問題が生じて、問題が生じているということだと思います。
 ですので、まずは、自治体間のいろいろな連携の中で応援をする仕組みがあるので、まずそれを活用していく、国はあくまでもそれを後ろで見ているというのがまず第一の段階だと思いますけれども、国が出た方がいい場合があるということもないわけではないと思うんですね。ただ、そういう事態が余りに少ないので、どの場合に国が出ていけばいいのかということがまだ蓄積されていないと思うんですね。ですので、やはりそこは検証というものが大事であって、本来どこですべきだったのかとか、あるいはどういう場合にできるのかということを、今後、様々な分析の中でやはり一定の方向性を出していくことが望ましいとは思います。
 しかし、繰り返しますけれども、まずは自治体同士の調整の枠組みということを私は使った方がいいと考えています。
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藤井一博#16
○藤井一博君 ありがとうございました。
 次に、東参考人にお伺いしたいと思います。
 これからいかに情報システム、デジタル化というものを進めていくかというお話の中で非常に感銘を受けましたのは、どうしてもそういうデジタルのハード面に目が行きがちなところを、やはりまず、それと同時に、DXを進めるポイントとしてのサービス構築の手法であったり組織の在り方というところも大事だとおっしゃっていただいたところが非常に感銘を受けたところでございます。
 やはり、これからいろいろな自治体の在り方がある中で、様々な形、住民の皆様の多様な意見というのを聞いていくことがより重要になっていくと思っております。
 そういった中で、自治体のフロントヤード改革でありましたり、この住民の皆様と行政の接点のところのいかに円滑化を図るか、また、多様な意見を聞くという意味で、やはり、住民参加型デジタルプラットフォームの話もありましたけれども、そういったところを進めていくことの重要性というのは非常によく分かりました。
 住民参加型のプラットフォームの課題として、やはり参加率が低いというところが指摘されると思うんですけれども、先生がおっしゃった、より広域的なテーマを掲げて、広域化をしていけばいいんじゃないかというのは一つの解かなと思ったんですけれども、先生がお持ちの具体的なイメージというか、そういったところをちょっとお示しいただけたらなと思って、お願いいたします。
この発言だけを見る →
東健二郎#17
○参考人(東健二郎君) 御質問ありがとうございます。
 議員御指摘のとおり、委員御指摘のとおり、そのデジタルプラットフォームの活用に期待と課題と両方あると思っておりまして、その表れの一つが参加率なのは間違いありません。
 先ほど御説明したのは、広域化というのが一つのキーであると申しましたけれども、もう幾つかありまして、一つは、いただく意見の深さをどう捉えるかということだと思います。そこにおいては数が問題ではなくて、その人が抱えている事情、あるいはそれにサポートする人の背景も含めて、どれだけの意見が深掘りされるかというところをいかに行政が酌み取るかということかと思います。
 もう一つは、これからの期待ということになりますけれども、デジタルプラットフォームが活用されるに至ったのはコロナ禍がきっかけでありましたが、同じく我が国でコロナ禍でそうしたものが広く伝わったのがGIGAスクール構想であります。学校現場で子供たちが一人一台PC端末をインターネットを使って様々活動する中、こうしたデジタルプラットフォームの活用を進める自治体が幾つか現れております。それは、すなわちデジタルシチズンシップ教育ということで、デジタルを活用して様々な人と意見を合わせてこれからやりたいことを自分たちで実現する、そのためのデジタルとの付き合い方を学ぶ活動の場としてデジタルプラットフォームは活用されておりますので、そうした蓄積が進んでいくと、我々大人に対してそういった振る舞い方をもっとするべきだということが言わば当たり前になっていくと、そうしたことを期待しているものになります。
 以上です。
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藤井一博#18
○藤井一博君 ありがとうございました。大変勉強になりました。
 時間になりましたので、以上で終わります。
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小沢雅仁#19
○小沢雅仁君 立憲民主・社民の小沢雅仁です。よろしくお願いいたします。
 大変お忙しい中、四人の参考人の皆さん、本日はお越しをいただきまして、また貴重な御意見賜りましたことに心から感謝と御礼申し上げたいと思います。
 まず、小原参考人にお伺いをしたいと思います。
 先ほど御意見を拝聴しておりまして、全く先生おっしゃるとおりだなということを本当に強く思った次第でございます。十五分という限られた意見陳述の時間でございましたので、改めて先生御指摘の地方自治法による地方自治法の自己否定にならないかというところ、本当にそのとおりだというふうに思いますし、最後のところにございました政官の問題、国会主権の問題であるという御指摘は本当にごもっともだというふうに思います。
 改めてこの点についてもう少し幅広く先生のお考えを聞かせていただければ有り難いと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
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小原隆治#20
○参考人(小原隆治君) 御質問ありがとうございます。
 地方自治の本旨条項という昔々のお話から始めましたけれども、戦前は国が上であって自治体は下であるということでありましたので、地方自治法の基になっている戦前の法制というのは、市制町村制ですとか府県制、郡制ですとかございましたけれども、さらに、国が自治体に対して官の監督を加えなければならないということで、地方官官制という勅令もございました。
 その中で、国が自治体に対して関与をしていく、その表現というのは監督という言葉でございました。監督というのは上下というのが大前提になっておりますのでそれを使ったわけでございますけれども、戦後、憲法が定まり、地方自治法が定まって地方自治の本旨がうたわれて、その中で監督という言葉を変えてまいります。よく皆さん御存じだと思いますけれども、地方自治法を私が作りましたという具合におっしゃっているのはこれまた自治官僚の大先輩と言っていい鈴木俊一さんでございますけれども、その鈴木俊一さん、あの優れた官僚であっても、取りこぼし、まさに取りこぼしでございますが、があったのか、戦前、地方自治法の中で何と監督という言葉が残っておりました。それで、慌ててこれはまずいということで関与という言葉に変えたという、そういう経緯がございます。
 そして、現在に至るわけでございますけれども、その言葉を使って言うならば、戦前の監督の体制に戻すような、一般法によって授権して、関与ではなくて監督していくようなことになりはしまいかということでございます。
 それで、そのことに関して私が聞き及んでいるところによりますと、総務省の担当者から、いや、これはなかなか使うものではございません、補充権、補充的な指示は使うものでございませんということでございますけれども、そもそも使わないんだったら何で立法するのかということがまずございますし、使わない使わないといってそれは脅しを掛けるのか、監督するぞという、そういう脅しを掛けるのかということが大変心配でございます。
 自治体も、ずっと国から、自治事務であれば技術的助言、法定受託事務であれば事務処理の基準などなど、いろいろなもう少しソフトな関与の仕方がありますけれども、それで全体、合理的であれば従う、そうでなければ従わないということであって、今からもう二十年近い前になりますけれども、平成の大合併がございましたときに、では、全国三千二、三百あった市町村が全部従ったかというと必ずしもそういうわけではなくて、数週間前だったでしょうか、福島県の矢祭町の根本町長という方が名物町長で、彼は政治的には保守政治家でございましたけれども、その彼などは、国からしろしろと言われても、それは納得できないからしないと、こういうことでございました。
 しかし、その平成の大合併があり、それに先んじて分権改革があり、それから今、今まで四半世紀ぐらいたっておりますけれども、その中で、自治体がともすると国の言うことだから聞くしかないのかなという、そういう雰囲気が次第に広がってきているようなそういう懸念も覚えます。分権改革から四半世紀で何か後退していることがありはしまいか。その中で監督類似の新十四章ができますと、ますます、確かに使わないかもしれないけれども使うかもしれないという前提で萎縮効果ができてしまうのではないかということを私は大変恐れております。
 そのことも考えますと、国会が十分、国が自治体にこういう関与をしてはいいのかどうかということを国会が十分行政に対して、内閣に対して関与してコントロールしていく、そのことが大変重要であって、立法技術的にはそれは国会の関与を承認、報告などでどう担保していくか、既に一部改正が衆議院でなされているとは思いますけれども、それで十分かどうかということを是非参議院で御議論していただきたいという、こういう思いでございます。
 長くなりました。
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小沢雅仁#21
○小沢雅仁君 ありがとうございます。全くおっしゃるとおりだと思います。
 そこで、今回のこの法案、政府が指示、指示権拡大が必要な理由として、大規模な災害、感染症の蔓延などが盛り込まれております。現行法で対応できない事例について、松本総務大臣はこの間の答弁で具体的に想定し得るものはないと明確な説明を避けております。
 個別法で具体的な事態を想定できないにもかかわらず、この地方自治法の改正による国の権限拡大は法制定の前提である立法事実がないということだろうと思うのですが、この点について小原参考人の考え方、また本多参考人の考え方をお伺いしたいと思います。
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新妻秀規#22
○委員長(新妻秀規君) それでは、まず小原参考人。
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小原隆治#23
○参考人(小原隆治君) ありがとうございます。
 立法事実に関連しまして地方制度調査会の議論などで幾つか例があって、その一つはダイヤモンド・プリンセス号事件ということでございます。それから、先ほど地制調の議論の中では立法事実関連では出ていなかったかと思いますけれども、一斉休校、安倍内閣総理大臣による一斉休校の例を先ほど出しました。
 つまり、今回の法改正で補充的な指示をつくる、さらに、国と自治体間でかくかくしかじかの情報交換、情報流通をする、そういう制度をつくる、それができたとすると、ではダイヤモンド・プリンセス号事件はどのように打開できたのか、それから一斉休校は、あれに法的根拠があればうまくいったという話なのか、そういう立法事実関係の綿密な検証がない限りは今回の改正に進んでいいのだろうかということを私は切実に思っております。
 以上でございます。
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本多滝夫#24
○参考人(本多滝夫君) 立法事実でございますけれども、地方制度調査会専門小委員会の議論はそれこそ牧原参考人の方から御紹介いただいたのかもしれませんけれども、私が地方制度調査会の資料等を拝見する限りにおきましては、過去の新たに指示権が設けられた立法を例として、それがさも立法事実であるかのようにこの今回の補充的指示権の背景として挙げられているように思いますけれども、しかし、そこは本当にそのような指示権がないとその事態を回避じゃありませんけれども対処できなかったのかというと、それは十分に検証がされていないのではないかというふうに考えております。
 それから、先ほど私の意見陳述におきまして、専門小委員会で三つのバリエーションが一応挙げられたわけですけれども、この中で、先ほども陳述申し上げましたけれども、①は、はっきり言って想定しようがない、それこそ衆議院の総務委員会で白藤参考人が申し上げたように、宇宙人が攻めてきたとかですね、そういうようなことかなと思うと、それこそそれは誰も本当にどう対処していいか分からないわけなので、はっきり言って、それを設けたからといって何か対処が可能ではないんじゃないかと思います。
 ②、③につきましては、これは各個別の法律について、その対処するためにつくられている指示の要件等を改めて精査することによって、この間の事態、あるいはこの間の災害、あるいは感染症、もうかなり経験積んでくるわけですから、そこからかなり専門家の意見を聞くなり、いろんなことが想定され得るのではないかと思います。
 衆議院の方で、総務省の方から、個別法の指示の規定数は全部で三百六十二件あるというふうに出ているということですけれども、実際にその三百六十二件の指示について国会が逐一議論をすべきではないか、これは先ほど小原参考人が申し上げたように、国会がきちっと責任を持って、国と地方の関係がどうあるべきか、指示権が本当に必要なのかどうか、この指示が有効性を持つのかどうかといったことを本当に審議することが一番重要ではないかというふうに思います。そこを飛ばして、抽象的な要件を定めて、その要件を、各大臣あるいは閣議決定でもって要件があるということで法律に具体的な定めのない指示を行使することは、これはあってはならないというふうに思います。
 以上でございます。
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小沢雅仁#25
○小沢雅仁君 ありがとうございます。
 そこで、国による地方公共団体への関与の原則の維持についてお伺いをしたいんですが、小原参考人にお伺いしたいんですが、現行法の関与の原則に基づいて、国の関与は必要最小限度とし、地方公共団体の自主性、自立性に配慮することが重要であるんじゃないかと思いますし、また、国から普通地方公共団体への指示を可能とする要件として、この事態に対応する緊急性ということをしっかりと法案の中に明記する必要があるのではないかと思いますが、その点についてお考えを聞かせていただけたら有り難いと思います。
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小原隆治#26
○参考人(小原隆治君) 今、小沢委員がおっしゃった後段の点はそのとおりだと思います。
 さらにその上で、関与の一般類型関連のお話をいたしますと、補充的な指示、先ほどめったに使うものじゃないという、では何で設けるんだというお話をいたしましたけれども、そのめったに使うものではない補充的な指示が発動した場合、発令された場合どうなるかというと、幾ら緊急事態であっても、それは一般的な関与の類型の中で、自治事務であれば必要な手続を経た上で最後は違法確認訴訟をしていく、法定受託事務であれば違法確認訴訟もできますけれども、最後は裁判を通じて代執行をするということになってまいります。
 そうすると、もう一刻を争う緊急事態のときに、従わないから、であれば違法確認訴訟をするのかと、代執行するのかと、そんな悠長なことをやっていられるのかと、こういうことになりますので、結局は、一体その指示というのは何のためにするんだろうか、最終的な担保がないということでございます。そうすると、戻りますけれども、これは脅しだけですかというような議論になってまいりますので、その点はよほど考えなければならないということでございます。
 衆議院総務委員会の中での議論でも、ペナルティーはあるのかないのか、指示に従わなかった場合どうなるのか、それはありませんよということでございました。それはそのとおりで、一般的な関与で先ほど申し上げたところに行くのでありますが、それは緊急事態法制ということでしょうかという、そういった疑問もございます。
 以上でございます。
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新妻秀規#27
○委員長(新妻秀規君) 挙手をお願いします。
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小沢雅仁#28
○小沢雅仁君 ありがとうございます。
 そこで、小原参考人、先ほどの意見陳述で最後に、事前承認まで検討してはどうかという御意見をいただきました。全くそのとおりだというふうに思います。事前にしっかりとその当該地方公共団体と事前に適切な協議、調整を行っていくということが極めて重要だと思いますが、この点についてもう一度御見解をお願いをしたいと思います。
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小原隆治#29
○参考人(小原隆治君) ありがとうございます。
 先ほど、末尾で急いで申し上げましたけれども、地方制度調査会で、国会の関与ということに関して議論はありはしたけれども十分な議論というわけではなかった、機動性に欠けるから国会の関与はスルーしていいのだと、そういう議論があったわけではないということでございます。地方制度調査会の委員の中で、個々のメンバーで国会の関与について強い問題意識を持っておられる方は牧原先生始めとして何人もいらっしゃるということは分かっておりますけれども、調査会の中では十分な議論がなかったにもかかわらず、国会では、いや、そうではなく機動性に欠けるという議論があったのだということで、国会の関与を弱めていくというのは、そもそもでいえば、国会の最高機関としての権限を損ないかねない重大な問題であるという具合に認識をしております。
 以上でございます。
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