消費者問題に関する特別委員会

2025-04-24 衆議院 全155発言

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会議録情報#0
令和七年四月二十四日(木曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 浦野 靖人君
   理事 勝俣 孝明君 理事 中野 英幸君
   理事 松島みどり君 理事 青山 大人君
   理事 大西 健介君 理事 尾辻かな子君
   理事 伊東 信久君 理事 梅村  聡君
   理事 丹野みどり君
      今枝宗一郎君    上野賢一郎君
      勝目  康君    加藤 鮎子君
      栗原  渉君    小池 正昭君
      高木  啓君    武村 展英君
      永岡 桂子君    中西 健治君
      野田 聖子君    福田かおる君
      福原 淳嗣君    三反園 訓君
      若山 慎司君    井坂 信彦君
      石川 香織君   大河原まさこ君
      大島  敦君    福森和歌子君
      松田  功君    山田 勝彦君
      山井 和則君    西岡 義高君
      角田 秀穂君    沼崎 満子君
      たがや 亮君    本村 伸子君
    …………………………………
   国務大臣
   (消費者及び食品安全担当)            伊東 良孝君
   内閣府副大臣       鳩山 二郎君
   内閣府大臣政務官     今井絵理子君
   政府参考人
   (警察庁長官官房総括審議官)           重松 弘教君
   政府参考人
   (消費者庁政策立案総括審議官)          藤本 武士君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房総括審議官)         宮崎 敦文君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           尾田  進君
   衆議院調査局第一特別調査室長           松本 邦義君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月二十四日
 辞任         補欠選任
  野田 聖子君     勝目  康君
  福原 淳嗣君     福田かおる君
  おおつき紅葉君    福森和歌子君
同日
 辞任         補欠選任
  勝目  康君     野田 聖子君
  福田かおる君     栗原  渉君
  福森和歌子君     おおつき紅葉君
同日
 辞任         補欠選任
  栗原  渉君     福原 淳嗣君
同日
 理事梅村聡君同日理事辞任につき、その補欠として伊東信久君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の辞任及び補欠選任
 政府参考人出頭要求に関する件
 公益通報者保護法の一部を改正する法律案(内閣提出第三二号)
     ――――◇―――――
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浦野靖人#1
○浦野委員長 これより会議を開きます。
 理事の辞任についてお諮りいたします。
 理事梅村聡君から、理事辞任の申出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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浦野靖人#2
○浦野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 引き続き、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 ただいまの理事辞任に伴う補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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浦野靖人#3
○浦野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 それでは、理事に伊東信久君を指名いたします。
     ――――◇―――――
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浦野靖人#4
○浦野委員長 内閣提出、公益通報者保護法の一部を改正する法律案及びこれに対する大西健介君外一名提出の修正案を一括して議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案及び修正案審査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、警察庁長官官房総括審議官重松弘教君外三名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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浦野靖人#5
○浦野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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浦野靖人#6
○浦野委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。山田勝彦君。
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山田勝彦#7
○山田(勝)委員 立憲民主党、山田勝彦です。おはようございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 立憲民主党から修正案が提出されています。早速、提案者の方に伺います。
 現行の公益通報者保護法と今般の一般改正法案の課題は何なのか、そして、立憲民主党の修正案によって期待される効果を御説明ください。
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石川香織#8
○石川委員 お答えいたします。
 公益通報者保護法は、通報者が解雇や降格、減給などの不利益を受けることを明確に禁止し、社会的正義を守る盾となる法律です。しかし、残念ながら、通報した後のリスクが根強く残っているのが現状です。
 今回の改正案で、公益通報を理由とする解雇等特定不利益取扱いは無効とし、事業者に刑罰を科すとともに、通報後一年以内の立証責任を転換することとなりました。しかし、これは解雇と懲戒のみであって、配置転換は含まれていません。
 立憲民主党では、修正案をまとめるに当たりまして、実際に内部告発を行い、御本人が望まない配置転換をされた経験をした方のお話を伺いました。三十年以上にわたって草むしりなどの雑務を強制をされ、昇給もせず、それどころか暴力団が退職を強要するなど、私たちには想像することが難しい立場に追い詰められたほどです。正しいことを告発し、所属する企業に是正してほしいと期待をしたにもかかわらず、かなわず、御自身の決断によって負担をかけつつも、支えてくださる御家族への思いをお話しをいただきました。
 御自身が信頼する企業だからこそ、是正してくれるに違いないと期待をして、しかし、是正されるどころか、望まぬ配置転換や嫌がらせを受ける。現行法や改正案では、この点を解決することができません。
 立憲民主党の修正案では、公益通報をする人が保護をされ、企業や組織の自浄作用を促進するために、現場で多く起きていると報告されております不利益な取扱いである配置転換について、立証責任の転換及び刑事罰の対象にすることを提案をしております。
 これによって、企業や組織が、公益通報を都合の悪い情報として扱うのではなく、正面から向き合って企業や組織の信頼性の向上につなげること、また、従業員等が企業や組織の不祥事に接した際にためらうことなく公益通報することができる、これをもって社会全体の利益の確保につながると期待をしています。
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山田勝彦#9
○山田(勝)委員 ありがとうございます。
 政府案と立憲民主党案の決定的な違い、それは立法プロセスにあると思っております。高額療養費の自己負担引上げの議論のときもそうでした。常に私たちは当事者の声を何よりも大切にしてきました。
 大臣も当然、先日の参考人質疑、御視聴いただいていることと思います。特に、串岡参考人に来てもらい、社会正義のために公益通報をしたにもかかわらず、会社から報復人事により耐え難い労働環境に追い込まれながら、それでも決して屈することなく闘い続けた御本人の言葉には、何よりもの説得力がありました。
 だからこそ、公益通報者保護制度検討会に、串岡さんのような公益通報により不利益を受けた当事者がなぜ入っていなかったのか、もし委員に入っていたとすれば、間違いなく最終報告書の内容は変わっていたはずだと思っています。
 事前に消費者庁に尋ねると、担当者の方からは、委員について、労使双方を含む様々な立場からの意見をいただくことを踏まえて、消費者庁内で検討の上決定したと回答がありました。
 私は、串岡さんのような当事者の声を改正案に反映させるべきだったと強く思っております。私たち政治家は、現場の声、当事者の声を何よりも大切にしないといけないですし、伊東大臣もその思いは同じだと思います。
 大臣に、通告はしていないんですけれども、この点、イエスかノーかでもいいのでお答えいただきたいと思います。この大事な検討会、公益通報により不利益を被った当事者を委員に入れるべきだったと思われませんか。
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伊東良孝#10
○伊東国務大臣 おはようございます。
 山田委員の御質問でございますが、消費者庁の方から、今も御紹介ありましたように、各界を代表する方々にお入りいただいております。もちろん、連合も、日弁連も含めた全ての組織を代表する方々にお入りいただき検討された結果である、このように認識をしているところでありまして、個々の事情等々につきましては、それぞれ、胸を打つもの、そしてまた、これはひどいなという、そんな感想を持つ部分もありますけれども、組織全体として、あるいは委員会としてという話になりますと、もう少し広範囲な形の中でこれが人選されるべきもの、こう思っております。
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山田勝彦#11
○山田(勝)委員 大臣の消費者庁側の答弁は、私はやはり政治家として違うと思うんですよね。今回の法律の目的は、あくまで、公益通報をした方を保護するための改正案であって、現行法では、兵庫県の事例を踏まえても、十分救い切れなかったという反省の上に今回改正があるわけです。であれば、何よりも、現行法で救い切れていない、被害を受けた方々の声をやはり聞くという姿勢が政治に問われていると思っております。
 そういった意思を聞けなかったのは非常に残念なんですけれども、是非、大臣、この法案が改正されたとしても、やはり大きな問題点が、課題が残ったままですので、早急にまた改正に動かないといけないと思っております。大臣、是非、こういった当事者の方々の声を直接聞く機会をつくっていただけませんか。
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伊東良孝#12
○伊東国務大臣 実態に即した形で対応されるべきものというふうに私も考えているところでございまして、山田委員の今の御提言も踏まえて、我々も感ずるところはありますので、しっかり検討してまいりたいと思います。
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山田勝彦#13
○山田(勝)委員 ありがとうございます。
 是非、前向きに検討いただいて、しっかりと直接当事者の声を聞いていただきたいと思っております。
 そして、今回の委員の選定もそうなんですが、私、国会議員になってまだ三年数か月ですが、常々思うのが、こうやって重要な法案や制度に大きな影響を与える専門家会議のメンバーの選定、これが、政府が一方的に決めています。これは問題だなと本当に日頃から感じているところです。選挙で選ばれた政治家が選考過程にやはり民意を反映させる仕組みが必要だと考えます。
 本法案、次回以降の改正に向けた検討会の委員メンバーについて、消費者庁が一方的に選任するのではなく、事前に本委員会にその選出案を提出すべきと考えております。
 委員長、是非お取り計りいただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
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浦野靖人#14
○浦野委員長 ただいまの件につきましては、理事会で協議いたします。
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山田勝彦#15
○山田(勝)委員 そして、ここまでの審議、議論を聞いていてすごく違和感を感じていたのは、なぜ不利益を被る通報者側に立って法改正されてこなかったのか、なぜ企業に負担をかけないことが優先されているのか、これまでの政府の説明では全く納得できません。
 そこで、立憲民主党の提案者の方に伺います。
 立証責任の転換、刑事罰などの対象となる解雇等特定不利益取扱いに不当な配置転換を含む理由について御説明ください。また、不当な配置転換を加えた場合、事業者の人事権を狭めることになるのではないかと懸念もされているようですが、提案者はどう考えられますか。
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大西健介#16
○大西(健)委員 おはようございます。山田勝彦委員の御質問にお答えしたいと思います。
 先ほど山田委員からも、やはり当事者の声をしっかり聞くことが重要だというお話がありました。その意味においては、消費者庁のアンケートでは、実際に通報した場合に受けた不利益な取扱いとして、解雇や懲戒よりも配置転換や人事評価上の減点が多くを占めていました。
 公益通報をしたことを理由とする配置転換は現行法でも禁止はされていますけれども、その規定に違反した場合に事業者側に立証責任を転換すること、刑事罰の対象とすることは、政府の検討会でも合意が得られずに、今回の一部改正案には入りませんでした。現場で最も報告されている不利益な取扱いである配置転換に対応しなければ、この法改正というのは実効性を確保することができないのではないかというふうに思っております。
 反対する事業者側からは、配置転換を追加することは事業者の人事権を狭めることになるという意見があったように伺いました。しかし、立憲民主党でヒアリングをした有識者からは、事業者が持つ人事評価のルールに沿って配置転換をしているのであれば、公益通報を行ったことを理由とする配置転換とはみなされないとの指摘がありました。また、そもそも人事評価に関する情報は事業者が持っているのであって、被雇用者等が自身の配置転換が公益通報によるものなのか通常の人事評価によるものなのかを立証することは事実上非常に難しいという実情も伺いました。
 事業者が実施する通常の配置転換であっても、山田委員は御自身も福祉事業所を経営されているというふうに伺いましたけれども、通常の配置転換であっても、労働者の求めがあった場合には配置転換の理由を説明する責任というのがあるというふうに思いますし、その説明というのも一般に行われているのではないかと思います。そうであるならば、異例の配置転換に対しても事業者側が説明の準備をしておくことはそれほど負担が大きいとは言えず、過度に人事権を狭めることにはならないと思われます。
 事業者がその保有している人事評価情報に基づいて適正に人事権を行使すれば何ら問題がないのであり、また、その人事情報は事業者側が当然に保有しているはずのものであること、配置転換の理由を説明することが一般化していることから、事業者が立証する負担も大きくないはずです。不当な配置転換の立証責任を事業者側に転換したからといって、繰り返しになりますが、人事権を狭めることにはならないと考えております。
 以上です。
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山田勝彦#17
○山田(勝)委員 ありがとうございます。今の御説明、すごく納得がいきました。
 今、大西委員も言っていただいたように、私も実際、経営している立場。企業の人事権を狭めることにはならないと思います。むしろ、不当な配置転換の立証責任を労働者に負わせることの方が明らかにおかしい、公益通報者を全く保護していないと思います。
 私は、社員約八十人、十二の障害福祉事業所を運営しているんですけれども、確かに、人手不足とか会社都合で人事異動をお願いすることはあります。しかし、その際は必ず、当たり前に説明をします。なぜあなたに別の事業所に異動してもらわないといけなくなったのか、あなたのキャリアや能力を他の事業所で生かしてほしい、そういう説明は必ず行うんです。それは会社であれば当たり前に行われていること、むしろ、辞令一枚で来月から、再来月から別の職場環境に異動しなさいという方がよっぽどイレギュラーだと思いますし、そういう会社こそ是正すべきだと思います。
 労働環境が変わるということは、大きな変化を与えることですので、大西提案者が言われたように、そもそも会社にも説明責任があるんです、公益通報者であろうがなかろうが。なので、会社の経営戦略を実現するために必要な配置転換であると堂々と説明すれば、それでいいんじゃないですか。
 当たり前のことを当たり前にやって、企業側が配置転換の立証責任を十分に果たし得ると考えますが、いかがでしょうか。
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藤本武士#18
○藤本政府参考人 お答えいたします。
 民事訴訟におきましては、立証責任を負う者は、裁判所にその事実の存在又は不存在について確信を得させるよう、高度の蓋然性を持って証明する必要があると認識をしております。このため、不利益な取扱いが公益通報を理由とすることの立証責任を事業者に転換した場合には、事業者は、不利益な取扱いが公益通報を理由とするものではないことを高度の蓋然性を持って証明する必要があると考えます。
 我が国におきましてはメンバーシップ型雇用が一般的で、適材適所の配置や人材育成等の観点から、事業者の広い裁量の下、人事異動が頻繁に行われており、必ずしも、全ての事業者において、労働者一人一人の異動理由について詳細な説明を行っているものではないと承知をしております。
 こうした中、事業者が会社の経営戦略を実現するために必要な配置転換であると説明をしたとしても、それのみでは、配置転換が公益通報を理由とするものではないことについて、高度の蓋然性を持って証明したことにはならないものと考えている次第であります。
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山田勝彦#19
○山田(勝)委員 今の御説明を聞いても、全く理解に苦しむんですよね。今、もう消費者庁自らお認めになったとおり、立証責任を負う側はかなりハードルが高いんですよね、それを説明するのは。裁判所で高度の蓋然性をというお話をされました。ここがポイントなんですよ。というように、企業側にはしっかりと説明する情報は幾らでもある、そして、その正当性を企業側が説明する責任もあるはずです。
 こんなに裁判所でハードルが高くて、実際、本当に、不利益を配置転換によって受けた多くの人たちは、その異議申立てをしてもなかなかそれが通ってこなかった、そういう判例も事実も積み上がっているんですね。その上で今回改正になるにもかかわらず、こうやって、消費者庁でありながら、まるで企業庁かのように、企業側の立場に立ってこういう改正案を出してきたことに強い違和感を感じます。
 今御説明いただきましたが、じゃ、どうやって、立証責任を負った方は高度の蓋然性を要求されているにもかかわらず、労働者はそれを満たせると、裁判所でなぜ一社員が高度の蓋然性をしっかりと説明できると思われているんでしょうか。
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藤本武士#20
○藤本政府参考人 お答えいたします。
 民事訴訟におきましては、自己に有利な法律効果の発生要件となる事実について立証責任を負うことが原則とされておりまして、立証責任の転換は、その例外を設けるものであります。
 今回の法改正におきましては、我が国の労働訴訟実務や公益性を踏まえまして、解雇や懲戒について、公益通報を理由とすることの立証責任を事業者に転換することとしております。
 実際に、裁判におきましては、立証責任のある一方当事者からの主張だけではなく、当事者双方の主張を踏まえつつ、中立的な立場から認定判断が行われているものと認識をしています。裁判例におきましても、事業者が通報を理由とするものとは認めていないものの、配置転換が不正に関する通報を理由とするものであると認定されたものが一定程度あると承知をしております。
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山田勝彦#21
○山田(勝)委員 高度な蓋然性を要求されるので企業側に負担をかけたくないと言いつつも、一方で、中立にちゃんと裁判では行われているんだと。そうであれば、より立場の弱い労働者側にしっかりと、そういった要求が通りやすいような、不利益を主張しやすいような環境をつくることが政治、行政の役割だと改めて主張させていただきます。
 そして、立憲民主党の提案者の答弁にもあったように、そもそも、労働者に立証責任を負わせる、このことが余りにも理不尽だと大臣もお感じいただいているんじゃないかと思います。会社が公益通報を理由に配置転換したと認めない限り、不当性がこれまで認められてこなかったんです。つまり、本当にハードルが高い。一方、会社側には、人事異動の正当性を伝える情報がたくさんあるということなんです。どう考えてもこれは不公平じゃないでしょうか。
 大臣に伺います。政治決断として、公益通報者の労働環境を守るために、労働者側ではなく事業者側に立証責任を転換すべきではないでしょうか。
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伊東良孝#22
○伊東国務大臣 公益通報者保護法では、事業者内部、行政機関、あるいは報道機関等、様々な通報先がまずあるわけでございます。対象法律も約五百本ありまして、通報対象事実には、直接の刑事罰の対象となる法令違反行為のみならず、間接罰の対象となる違反行為や過料の対象となる違反行為も多く含まれております。幅広く公益通報を認め、保護する仕組みに現在もなっているところであります。
 このような状況におきまして、配置転換を立証責任の転換の対象とすると、労働者が希望しない配置転換を回避することを目的として虚偽の通報を頻繁に行う懸念があることや、あるいは、事業者が労働者一人一人の異動理由について詳細な説明を準備する必要があるなど、事業者の経営判断や、あるいは人事労務管理が大きく制約されるおそれがあるということもございますので、その点を勘案してのお話であります。
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山田勝彦#23
○山田(勝)委員 本当に残念です。それはもう本当に、政府側のいわゆる官僚答弁であると思います。大臣には、政治家としてどうなのかという質問の趣旨でした。
 改めて昨日、うちの会社の社労士とも話をしてみました。通常の人事異動であっても、やはりそれは、場合によっては家族と離れ離れになったり、労働環境が大きくなることによってすごいストレスを感じたり、通勤の距離も変わったり、それは、当たり前に日常的にやっているからといって、そんな説明もしっかりせずに人事異動していいものじゃないんですよね。現行法でも労働法でも、その辺りの労働者としての権利は守られているわけなんです。
 会社が社員に配置転換を命じる際は、その正当性、それを説明する義務が会社側にあって、配置転換される側には会社から説明を受ける権利があります。にもかかわらず、公益通報者が会社の配置転換の不当性を訴えたときに、その通報者に立証責任が課されるんです。おかしくないですか、大臣、どう考えても。
 これは、本当に皆さん、この議論で違和感を感じるのは、先ほど大臣からもあったように、通報者を守って企業側に立証責任を転換した場合に、虚偽の通報があるんじゃないかとか、そういう懸念があるというのは、それは想像の話ですよね。今起こっているのは、実際に配置転換によって不利益を被って、人生を本当に苦労された人たちの壮大なるストーリーがずっと積み上がってきているわけですよね。どっちを立法事実として重要視すべきなんですか。
 そもそも、虚偽の通報をするような社員さんとは、正直、会社側がコミュニケーションをうまく取れていない、それは会社と社員の信頼関係なんじゃないですか。そういった、あり得ないというか、妄想の世界で、働く人たちが虚偽の通報をするから、だから立証責任は企業側に負わせないんだというのは、これは到底納得できないと思います。
 今日はもうこれをやってもどうせ答えは一緒でしょうから、大臣、是非この問題は引き続き課題として捉えていただきたいと思っています。どうですか、今後の検討課題にしていただけますか。
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伊東良孝#24
○伊東国務大臣 先ほども答弁させていただきましたけれども、この原案につきましては、各界各層、かなり幅広い方々の御意見を伺ってのお話であります。もちろん、ですから、山田先生の親しくおつき合いされている社労士さんであり、あるいは弁護士さんであり、有識者の皆さん方、ことごとく入っている話でありまして、企業者側、事業者側の人間ばかりでこれを作ったものではありません。
 そういう、公の機関の中で、また是非山田先生の御主張を聞いてもらうような、そういう場面も是非実現していただきたいというふうに思う次第であります。我々も不断の検討をしてまいりたい、こう思う次第であります。
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山田勝彦#25
○山田(勝)委員 今大臣から、働く側の立場の、連合さんも入っていましたし、そういった公益通報者を保護するための活動を長年されていた弁護士さんも、確かにこの委員のメンバーには入っています。しかし、その双方が、最後まで納得いかなかったと言っているんですよ。自分たちは、立証責任は企業側に転換すべきだと最後まで主張したけれども、議論が平行線のまま終わってしまったと言っているので、決してそういう人たちが納得してこの改正案が出されたわけではないということもしっかりと大臣は踏まえて、今後の検討課題に向き合ってほしいと思っております。
 続いて、次のテーマに入るんですが、立憲民主党の提案者の方々に伺います。
 通報妨害の禁止及び通報者探索の禁止について、立憲民主党の修正案では、内閣総理大臣が、事業者が適切に対処するために必要な指針を定めることとしています。なぜそのような指針を定めることとされたのでしょうか。
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石川香織#26
○石川委員 今回の改正案では、通報妨害の禁止や通報者探索の禁止が新たに設けられました。しかしながら、これらは、正当な理由がなく何々してはならないという規定になっておりまして、この正当な理由が事業者によって融通無碍に解釈されてしまいますと、禁止とは言いつつ、実効性が全くない規定となってしまいます。
 どのような場合であれば正当な理由に当たると言えるのか、事業者が誤解することのないように、言葉を尽くして十分に配慮した上で説明することが求められるということから、法律において、内閣総理大臣が指針を定めるものとしたものです。
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山田勝彦#27
○山田(勝)委員 ありがとうございます。大切な御指摘かと思います。
 兵庫県の齋藤知事の内部告発文書をめぐり事実関係を調査してきた第三者委員会は、報告書を公表しています。齋藤知事にはパワハラ行為があったと認め、文書をめぐる県の対応は公益通報者保護の観点から違法や不当なものだったと指摘されています。
 なぜ兵庫県で公益通報者を保護できなかったのか。現行法が機能しなかった大いなる反省に立ち、もう二度とこのような悲劇を繰り返さない決意が私たち立法府に求められていると思っております。
 大臣、兵庫県において、不当な探索行為によって命を落とされた方もいらっしゃいます。なぜ、本改正案でこの探索行為を刑事罰の対象にしなかったのでしょうか。
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伊東良孝#28
○伊東国務大臣 公益通報がなされた後に、事業者内で公益通報者の探索行為が行われることにつきましては、公益通報者自身が脅威に感じることはもちろん、公益通報を行うことを検討している他の労働者の皆さんを萎縮させるなどの悪影響があり、公益通報をちゅうちょする要因となっているところであります。
 このため、今回の法改正では、法律上、公益通報者を探索する行為を禁止することとしており、これにより、労働者等が法律の規定を根拠に通報者探索による被害を回復したりすることができるようになるという民事上の効果も期待しているところであります。
 また、今回の法改正では、公益通報者を特定し解雇又は懲戒を行った法人及び個人は罰則の対象となり得る話であります。一方、探索行為自体の違法性の高さについて客観的な判断が必ずしも容易でないこと、また、事業者による正当な調査を阻害する要因になり得ることなどの懸念も踏まえると、刑事罰の規定を置くことは適当ではないと考えているところであります。
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山田勝彦#29
○山田(勝)委員 御答弁いただいたんですけれども、こういった社会問題にまで発展して、それを受けてこの国会で議論がなされ、法改正されるに当たって、やはり、こういった探索行為自体が刑事罰の対象なんだというメッセージを国会として、政府として発信していくことが抑止力になると思います。本当に残念です。
 大臣から今御答弁があったとおり、確かに、一方で、探索行為というものの客観的な判断、ここは問われるポイントだと思います。だからこそ、立憲民主党の提案者からあった、正当な理由について、事業者が誤解することのないような、法律において内閣総理大臣が指針を定めるということはとても大切なことだと思います。
 この辺りの立憲民主党修正案に対する政府見解を、消費者庁の方からお聞かせください。
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