内閣委員会

2025-04-11 衆議院 全245発言

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会議録情報#0
令和七年四月十一日(金曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 大岡 敏孝君
   理事 黄川田仁志君 理事 國場幸之助君
   理事 西銘恒三郎君 理事 今井 雅人君
   理事 本庄 知史君 理事 山岸 一生君
   理事 市村浩一郎君 理事 田中  健君
      石橋林太郎君    石原 宏高君
      井野 俊郎君    江渡 聡徳君
      英利アルフィヤ君    大空 幸星君
      尾崎 正直君    岸 信千世君
      栗原  渉君    田中 良生君
      西野 太亮君    平井 卓也君
      平沼正二郎君    広瀬  建君
      宮下 一郎君    森下 千里君
      山際大志郎君    山口  壯君
      若山 慎司君    市來 伴子君
      梅谷  守君   おおたけりえ君
      下野 幸助君    橋本 慧悟君
      藤岡たかお君    馬淵 澄夫君
      水沼 秀幸君    山 登志浩君
      伊東 信久君    三木 圭恵君
      石井 智恵君    菊池大二郎君
      河西 宏一君    山崎 正恭君
      上村 英明君    塩川 鉄也君
      緒方林太郎君
    …………………………………
   国務大臣
   (科学技術政策担当)   城内  実君
   内閣府大臣政務官     西野 太亮君
   内閣府大臣政務官     岸 信千世君
   法務大臣政務官      神田 潤一君
   政府参考人
   (内閣府科学技術・イノベーション推進事務局統括官)            渡邊 昇治君
   政府参考人
   (内閣府科学技術・イノベーション推進事務局審議官)            徳増 伸二君
   政府参考人
   (個人情報保護委員会事務局長)          佐脇紀代志君
   政府参考人
   (デジタル庁審議官)   井幡 晃三君
   政府参考人
   (総務省大臣官房総括審議官)           恩田  馨君
   政府参考人
   (総務省自治行政局選挙部長)           笠置 隆範君
   政府参考人
   (法務省大臣官房審議官) 内野 宗揮君
   政府参考人
   (法務省大臣官房審議官) 吉田 雅之君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房文部科学戦略官)       中原 裕彦君
   政府参考人
   (文化庁審議官)     小林万里子君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議官)           田尻 貴裕君
   政府参考人
   (資源エネルギー庁長官官房資源エネルギー政策統括調整官)         山田  仁君
   政府参考人
   (中小企業庁経営支援部長)            岡田 智裕君
   内閣委員会専門員     田中  仁君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月十一日
 辞任         補欠選任
  江渡 聡徳君     若山 慎司君
  尾崎 正直君     石橋林太郎君
  西野 太亮君     広瀬  建君
  山際大志郎君     英利アルフィヤ君
同日
 辞任         補欠選任
  石橋林太郎君     森下 千里君
  英利アルフィヤ君   大空 幸星君
  広瀬  建君     西野 太亮君
  若山 慎司君     江渡 聡徳君
同日
 辞任         補欠選任
  大空 幸星君     山際大志郎君
  森下 千里君     尾崎 正直君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律案(内閣提出第二九号)
     ――――◇―――――
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大岡敏孝#1
○大岡委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律案を議題といたします。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本案審査のため、来る十六日水曜日午前九時、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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大岡敏孝#2
○大岡委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 引き続き、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、内閣府科学技術・イノベーション推進事務局統括官渡邊昇治君外十一名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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大岡敏孝#3
○大岡委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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大岡敏孝#4
○大岡委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。田中良生君。
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田中良生#5
○田中(良)委員 皆さん、おはようございます。自民党の田中良生です。
 今日は、当内閣委員会において、城内大臣の初の法案質疑に立たせていただきます。光栄に存じます。城内大臣は外交にも精通しておりますので、トランプ関税に関してもお聞きしたいところでありますが、今日は法案質疑ということですので、このAI推進法について、大局的見地から御議論をいただければと思います。よろしくお願いいたします。
 さて、AI推進法でありますが、まずは、AIとは何か。AIとは、人間と同じ知的作業をする機械を工学的に実現する技術と言えるものであります。世界経済ですとか人間社会を大きく変容させる力を持ち得るものと考えているところであります。
 AIは、現在、かつてない速度で進歩をして、経済や社会に大きな変革をもたらしています。特に、中でも、生成AIを始めとする最新のAI技術、これはビジネスから日常生活に至るまで幅広い分野で活用が拡大して、今、新たな付加価値を生み出し続けているところであります。その経済のインパクトはまさに膨大であります。
 ある試算によれば、この生成AIの活用によって、日本国内で約百四十八・七兆円もの生産性向上が期待できるとされているところであります。これは我が国のGDPの四分の一に相当する規模でありまして、AIの普及が中長期的な経済成長の原動力となり得ることを示していると思います。
 さらに、AIとロボット技術の導入は、生産年齢人口の減少という日本経済の構造的な課題に対する有力な解決策とも位置づけられるところであります。
 政府が提唱いたしますソサエティー五・〇の理念においても、AIは経済発展と社会課題の解決を両立する鍵として期待をされているところであります。高度に融合したサイバー空間、現実空間を通じて人間中心の豊かな社会を実現する、こういう基盤技術とされているところであります。
 一方で、AIの急速な普及に伴って、プライバシーですとかセキュリティー、公平性の確保など、新たな課題も今指摘をされているところであります。各国政府や国際機関は、人権尊重やリスク管理の観点からもAI原則や規制の策定を今進め始めております。国際的なルール形成に向けた競争も今活発化をしつつあるところであります。
 こうした状況にある中、我が国が主導して、AIの利活用とルール整備の両面でバランスの取れたモデル、これを示していくことが極めて重要と考えるものであります。
 まずは城内大臣にお伺いさせていただきます。
 総論として、本法案の趣旨、必要性、これはいかがなものか、お伺いしたいと思います。
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城内実#6
○城内国務大臣 田中良生委員の御質問にお答えしたいと思います。
 言うまでもなく、AIは我が国の経済社会の発展に必要となる基盤技術であるとともに、安全保障の観点からも不可欠な技術であります。
 一方で、AIがもたらす様々なリスクも懸念されておりまして、多くの国民の皆様がAIに対して不安を感じていらっしゃるとともに、我が国のAIの研究開発と活用は、他の先進国と比べてやはり低迷している状況にございます。
 こうした状況を克服していくためには、柔軟かつ適切にリスクへの対応を行うとともに、安全、安心なAIの開発を進めることで国民の皆様のAIに対する不安をしっかり払拭し、AIの研究開発と活用を強力に進めていくことが重要と考えております。
 こうしたAIにつきまして、これまで我が国におきましては、既存の刑法や個別の業法等、例えば、AIを使った医療機器でしたら薬機法とか、あるいはAIの技術を使った自動運転技術につきましては道路運送車両法、こういった個別の業法等によりAIに係るリスクに対応してまいりましたが、それと同時に、AI戦略の策定などを通じて政策の推進も図ってきたところでございます。
 他方で、昨今のAIの技術進展の状況等を踏まえますと、既存の法令等による対応に加えまして、AI政策の司令塔機能をしっかり強化するとともに、AI関連技術の研究開発と活用の推進に係る施策を総合的かつ計画的に推進する必要がございまして、本案を提出させていただいたところでございます。
 この法案に規定された施策等を全力で進めまして、AIのイノベーション促進とリスク対応の両立をしっかり図って、我が国が世界で最もAIを開発、活用しやすい国となることを目指してまいる考えであります。
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田中良生#7
○田中(良)委員 ありがとうございます。
 AIの恩恵を最大限に引き出しつつ、リスクに備える枠組みを構築することが重要であるということだろうと思います。日本経済の持続的な成長と国際的なAIガバナンスへの貢献、これを両立させていかなければならないということだろうと思います。
 今回提出されましたこのAI推進法案でありますが、AI時代を見据えた国内体制の整備であると同時に、やはり国際社会における先導的なモデルケースとしていかなくてはならないと考えるところであります。
 日本政府は、世界に先駆けて、人間中心のAI社会原則を打ち出しました。一昨年のG7広島サミットでは、生成AIを含む高度なAIの国際ルール策定に向けたいわゆる広島AIプロセス、こうしたものを主導してきました。
 国際的な規範策定に重要な役割を果たしてきたものと認識をしておりますが、改めて、これまで我が国が果たしてきた役割についてお伺いをさせていただきたいと思います。
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渡邊昇治#8
○渡邊政府参考人 日本がこれまで国際的に果たしてきた役割についてお答え申し上げます。
 我が国は、二〇一六年に、G7情報通信大臣会合におきまして、AI研究開発の原則の素案を提案いたしまして、その後、二〇一九年に、人間中心のAI社会原則を公表したところでございます。これは、同じ年にOECDで採択されました、国際的なAIガバナンスに関する基本的な原則であります、AIに関するOECD原則に大きな影響を与えたと認識をしております。
 また、二〇二三年になりますけれども、我が国が議長国となって開催されたG7におきまして、AI関係者に向けた国際規範であります広島AIプロセスを日本が主導して実施してまいりました。
 その後、二〇二四年五月のOECD閣僚理事会におきまして、我が国が積極的に関わる形で、広島AIプロセス・フレンズグループを立ち上げまして、現在では五十五の国・地域が賛同するなど、アウトリーチ活動も積極的にかつ主体的に行っているところでございます。
 これらの国際的な取組は、人類共通の利益のために、AIのもたらすリスクを軽減しつつ、安全、安心で信頼できるAIの開発あるいは利用を促進する環境整備に資するものと考えております。
 我が国はAIに関する国際的な規範作りをリードしてきておりまして、今後も引き続き努力してまいりたいと考えております。
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田中良生#9
○田中(良)委員 ありがとうございます。
 次に、諸外国との差異についてお伺いさせていただきたいと思います。
 このAIガバナンスをめぐっては、各国がそれぞれ異なるアプローチを模索しています。各国の対応は様々でありますけれども、その根底にある課題、これは共通をしていると思います。すなわち、AIの持つ恩恵を最大化しつつ、リスクを抑制するためにどのようなルール形成が最適かという点であろうと思います。
 そこで、お伺いします。
 主要諸外国と我が国との法制度の比較、特性についてお伺いさせていただきたいと思います。
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渡邊昇治#10
○渡邊政府参考人 諸外国のAIに関する制度と我が国の制度の比較につきましてお答えを申し上げます。
 近年、世界各国においてAI法制度に関する対応は進んでいるというふうに認識をしておりますけれども、例えば、EUにおきましては、人間の安全ですとか基本的な権利の保護という観点から、新たに法律を制定いたしまして、包括的な規制を導入しているということでございます。
 一方、アメリカにおきましては、今、いろいろ変化があるところでございますけれども、安全保障リスクに対応しつつも、基本的には、事業者の自主的取組を踏まえた上で、既存の法令を活用しながら進めているというふうに認識をしております。
 このように、それぞれの国の法体系、あるいは社会的、歴史的背景は異なっていると思いますが、それに応じて制度整備が進められているというふうに考えております。
 こうした中、我が国におきましては、既存の法令ですとかガイドラインを活用しながら、国際整合性を保ちながら、イノベーション促進とリスクへの対応を図る、このために、体制整備、総合的な施策、指針、調査、情報収集等から成ります、いわゆる規制法ではない形の法律を新たに設けたいというふうに考えております。
 この法案は、AIの研究開発や実装を加速することのできる、そして新しい技術に対応できる、予測できない事態に対応できる、バランスのある法制度というふうに考えておりまして、世界各国のモデルになり得るものと考えております。
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田中良生#11
○田中(良)委員 分かりました。
 ということは、我が国のアプローチでありますけれども、現時点では、EUのように詳細規制で縛り過ぎることはなく、他方で、米国のように政府が全く関与しないわけでもない。つまり、中庸かつ機動的な方針に特徴があるのだろうというふうに考えるものであります。
 このような、促進と規律の両立、これを図る戦略によって、日本モデルとして、イノベーションとリスク対応の調和を実現して、国際的にも、調和、整合性の取れたルール形成に貢献していく考えであろうというふうに理解をさせていただきたいと思います。
 次に、ソフトローでの対応の実効性についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 我が国では、これまで、AI分野において、ソフトロー、つまり非拘束力の、ガイドラインですとか業界の自主規制等を重視する方針で、段階的に対応を進めてきたものと思っております。
 二〇一九年には、人間中心のAI社会原則、これを策定して、産官学の協調の下でAIの利活用の倫理指針を示しているところであります。
 また、総務省、経産省では、AI事業者ガイドラインの策定など、企業が遵守すべき具体的な望ましいアプローチ、これを提示してきたところであります。
 改めて、AIのリスクへの対応に関する政府の基本的な考え方をお伺いしたいと思います。
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渡邊昇治#12
○渡邊政府参考人 お答え申し上げます。
 AIは、国の競争力ですとか社会の豊かさを左右する極めて重要な技術である一方で、御指摘のとおり、様々なリスクをもたらし得る技術でございます。
 現在顕在化しておりますリスク、特に著しく悪質な事案に対しましては刑法等の既存の法令によって対処可能というふうに考えておりますけれども、AIの急速な技術の発展と活用の拡大によりまして、予測できない新たなリスクが発生する可能性、悪質な事例が増える可能性は否定できないことから、臨機応変に対応するという観点から、本法案を提出しているところでございます。
 少し具体的にこの法案の内容を御説明いたしますと、AIの研究開発、活用の適正性の確保のための国際規範に即した指針の整備、そして、国内外のAIの研究開発、活用の動向に関する情報の収集、国民の権利利益の侵害が生じた事案の分析、対策検討その他の調査、そして、その調査結果を踏まえた活用事業者等への指導、助言、情報の提供等を国が行うこととしておりまして、既存の法令の活用とこうした取組を組み合わせることで、新たに顕在化するリスクにも適切に対応していくことが可能というふうに考えております。
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田中良生#13
○田中(良)委員 今お聞きしておりましたが、やはりソフトローに対する不安というのはあろうかと思います。今回のAI法案、やはり、ガイドライン策定ですとか業界の自主的取組の促進、これが重要な柱になろうかと思います。
 政府は、本法案に基づいて、AI戦略本部を設置して基本方針を策定するなど、ソフトローに対する機動的な政策を進める考えであろうかと思いますが、既存法とAI法と既存のガイドライン、この組合せだけで本当に対応が十分であると言えるのか、もう一度改めてお伺いさせていただきたいと思います。
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渡邊昇治#14
○渡邊政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほども申し上げましたとおり、指針の整備等を進めていきたいというふうに思っておりますけれども、この指針は、AI開発者、活用者が遵守すべき事項等を含む指針ということでございまして、これは法律に基づきまして明確に定めたいというふうに思っております。
 また、悪質な事案等につきましては、国が調査、あるいはその調査の結果に基づく指導、助言等を行うことによりまして、これも明確にその規定を定めることによりまして、そういった顕在化するリスクに対して対応していけるというふうに考えております。
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田中良生#15
○田中(良)委員 ありがとうございます。
 ソフトローは、柔軟性が高い反面、法的な強制力を欠きます。そういう意味で、やはり実効性に疑問が呈されることもある。今お聞きして、本当に企業の善意に委ねるだけで十分なのか、批判があった場合はどうするのかといった懸念はやはりあるものと思います。
 しかし、今お聞きしていて、他方で、罰則がないからといって直ちに無力というわけではないなと。むしろ、迅速な技術革新に法律が追いつかなくなるというリスクを減らして、必要に応じて他の個別法で対処するという柔軟性も確保する、こういう意義もあるというふうに理解をさせていただきたいと思います。
 次に、日本のAIの国際競争力強化についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 昨今の生成AIブーム、また基盤的なAIモデル、大型の言語モデル等、この急速な進歩において、米国や中国の存在感、これが際立っているところであります。
 御案内のとおり、米国では、巨大IT企業を中心に莫大な投資が行われて、オープンAIのチャットGPTに代表される革新的な生成AI、これが世界をリードしてきたところであります。
 また、中国も、国家戦略としてAI研究開発に巨額の資金を投入して、独自の生成AIモデルですとか応用製品、これを次々に生み出しているところであります。
 政府による研究開発に関する政策の取組状況、これが分かればお教えいただきたいと思います。
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渡邊昇治#16
○渡邊政府参考人 政府によります研究開発に関する状況につきまして御説明申し上げます。
 まず、AIの研究開発力の強化につきましては、二〇二三年の五月にAI戦略会議がまとめました暫定的な論点整理に基づきまして、あるいは、二〇二四年の六月に閣議決定されました統合イノベーション戦略に基づきまして、計算資源の確保ですとか、データの整備、あるいは基盤開発力の強化などに関係省庁が連携して取り組んでいるところであります。
 具体的には、一つは、今申し上げました、官民における計算資源の整備支援でございます。AIはデータセンターがなければ開発することができませんので、データセンターあるいはクラウドの整備支援ということになります。また、二つ目に、スタートアップ等に対する、モデル開発等に対する支援ということでございます。計算資源を提供する等の方法によって支援をするということでございます。また、三番目に、AIはデータがなければ進化しませんので、AI学習用のデータの整備、提供。四番目に、基礎的な、あるいは基盤的な研究開発の推進。そして五番目に、何といっても基本は人材でございますので、研究開発に携わる人材の育成などを進めているところでございます。
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田中良生#17
○田中(良)委員 残念ながら、我が国は近年、AI分野でやはり出遅れ感、これはもう否めないのが実情であります。しかし、だからといって、日本がこの分野で巻き返しを図る余地がないわけではないと思います。やはり日本の強みを生かして、戦略的投資と政策支援、これによって国際競争力を高めるようにしていかなくてはいけないということだろうと思います。
 我が国は、AI基盤技術の自律性を高めるとともに、国内産業への波及効果を何としても拡大していかなくてはならないと考えるところであります。AIの中でも汎用的に使われる生成AIについて、国産の生成AIを研究開発することがやはり一番有意義だと考えるものであります。
 そのための課題は一体何なのか、お伺いをさせていただきたいと思います。
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渡邊昇治#18
○渡邊政府参考人 国産の汎用的な生成AIにつきまして、考え方を御説明したいと思います。
 現時点では、今御指摘ございましたように、汎用生成AIは外国製のものが主流でございます。しかしながら、AIが日本人の国民生活ですとか経済社会に密接に関係する、多くの方がそれを使うようになってきますと、やはり正確な日本語ですとか日本の文化ですとか商習慣を正確に捉えて回答できる、そういうAIが必要だと思っておりまして、そのために国産の汎用生成AIというのは重要ではないかというふうに考えております。
 しかし、幾つかの課題があるというふうに考えておりまして、一つはまず、研究開発に係る資金あるいは人材でございます。これをどうやって集めていくかというのが一つ大きな点であります。また、日本語はどうしても、世界の中ではややマイナーな言語といいますか、ちょっと表現が適当ではないかもしれませんけれども、少数言語になるのかなと思っておりまして、データが少ないという面があろうと思います。また、日本語特有の難しさ、同音異義語が多いですとか、あるいは敬語があるとか、いろいろな面の問題があるというふうに思っています。
 いろいろな課題はございますけれども、しっかりと競争力を高めるべく取り組んでまいりたいというふうに考えております。
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田中良生#19
○田中(良)委員 併せてもう一点、AI活用の拡大というのは、生産性向上による経済成長をやはりもたらします。しかし、それのみならず、労働力不足ですとか高齢化といった社会課題の解決にも資する、これがやはり意義ある部分であろうかと思います。国内においても、AIのエコシステムを活性化して、AI大国日本としての地位、これを何としても確立していくことが必要だろうと思います。
 そのためには、やはりルール作りが重要でありますし、また、その過程で培われる技術ですとかルール、この双方が国際標準作りにも貢献し得るものと考えます。
 また同時に、やはりそのためには、優秀なAIの人材の育成、確保、これが不可欠であります。優秀なAI人材の育成、確保がなければ競争力の強化はできないものと考えるところであります。
 政府はどのように取り組んでいくか、この点に関してもお聞きしたいと思います。
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渡邊昇治#20
○渡邊政府参考人 人材の育成、確保につきましてお答え申し上げます。
 この問題は、大変本質的な問題だというふうに考えております。AIの人材につきましては、基礎的な研究をする方も必要であれば、また、実践的にそれを導入していくような人材、いろいろな、多様な人材が必要だというふうに考えております。
 これに対して、政府としましては、例えば、大学で優れた人材を育てるようなプログラムですとか、あるいは大学院、博士課程の人材に対する支援をするプログラム、そういったものの取組を進めてきております。
 また、今般のAI法案でも、法案の第十四条でございますけれども、AI関連技術の基礎研究から国民生活等における活用に至るまでの各段階において必要となる専門的かつ幅広い知識を有する多様な分野の人材の確保、養成及び資質の向上に必要な施策を講ずるというふうに規定しているところでございます。
 この法案を成立させていただいた暁には、内閣府が司令塔となって、関係省庁、地方公共団体、研究開発機関、活用事業者等と緊密に連携協力しまして、人材の育成、確保の取組を更に推進していきたいというふうに考えております。
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田中良生#21
○田中(良)委員 ありがとうございます。
 総論に始まって、AI法案をめぐる論点ですとか我が国の対応方針について概観をさせていただきました。
 本法案は、やはり、急速に発展するAI技術を我が国の経済の飛躍につなげていくと同時に、そのリスクに備える初の包括的な枠組みになるものと考えております。
 本法案は、罰則なき推進法として、柔軟性と機動性を備えるものであります。状況の変化に応じた迅速な対応が可能になるものと考えます。
 政府が主導するイノベーション支援策と業界の自主的なガバナンスによって、やはり日本はAIを作れる国、そして使える国、こういうものを構築して、国際的な存在感を高めていくことが何よりも重要であろうと思います。そして、日本の取組を世界のAIガバナンスにおけるモデルケースとしていく。我が国が掲げる、人間中心かつリスクベースのアプローチ、これは国際社会においても重要な示唆を提供するものと考えるところであります。実際、G7を始めとする場においても、日本発の原則ですとかガイドラインが打ち出されました。それぞれが各国の議論に影響を与えているということでもあります。
 本法案に基づいて構築される制度や知見を今後グローバルなルールメイキングにつなげていかなくてはならないと思います。我が国が主導する形で、このAI法を国際ルールのモデルとして位置づけていくこと、将来の世界的なAI社会の発展に資する、こうした信念の下に、本法案がその歴史的な一歩となること、これを期待するところであります。
 最後に、城内大臣にお尋ねしたいと思います。
 意気込みとともに、日本がグローバルに勝負できる企業、これが、どのようにつくっていくのか、また、我が国のAI戦略の道行きそしてシナリオ等をお伺いしたいと思います。
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城内実#22
○城内国務大臣 お答えいたします。
 いわゆる第三次AIブーム以降、米国や英国、イギリスですね、中国を始め、世界各国におきましてAIに関する民間投資が増加傾向にありまして、やはりビッグテックなどの大変資本力の大きな企業がAI開発をリードしている、先導している状況にあります。
 そうした中、大規模な計算資源とデータを用いた大規模言語モデル、LLMの開発のような取組は、やはりそうした資本力の大きな企業が引き続き競争力を有していることは事実であります。他方で、近年は、小規模なモデルでも高性能AIが実現されるなど、我が国でも多くの企業にチャンスが訪れていると考えております。
 例えば、我が国では、ロボット、医療、防災等の分野におきまして良質なデータを保有するなどの強みを持っております。それらの分野におけるAIの研究開発、活用において、既にグローバルに活躍している日本企業が存在しております。そして、これらが今後世界をこの分野でリードしていくというふうに考えております。
 いずれにしましても、本法案が成立した暁には、AI戦略本部が司令塔機能をしっかりと発揮し、各府省庁がこれまで以上に緊密に連携しながら、各種の取組を総合的かつ計画的に進めていくこととなっております。
 今後、新たな取組を始める企業も含めて、グローバルに挑戦する日本企業の活動を、政府一丸となってしっかりと後押しする考えであります。
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田中良生#23
○田中(良)委員 AIを作れる国、使える国、そしてAI大国日本を目指して、城内大臣のリーダーシップを御期待申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。
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大岡敏孝#24
○大岡委員長 次に、橋本慧悟君。
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橋本慧悟#25
○橋本(慧)委員 立憲民主党・無所属の橋本慧悟です。
 本日、この質疑に立たせていただきまして、関係者の皆様、諸先輩方、本当にありがとうございます。そして、一言、地元、兵庫九区、明石市そして淡路島の皆様にもしっかりと感謝の気持ちを持ってこの質疑に挑んでいきたいと思います。城内大臣、どうぞよろしくお願いいたします。
 人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律案、いわゆるAI推進法と呼ばせていただきます。先日の大臣からの提案理由にもございましたが、「人工知能関連技術は、その適正かつ効果的な活用によって行政事務及び民間の事業活動の著しい効率化及び高度化並びに新産業の創出をもたらすものとして経済社会の発展の基盤となる技術であるとともに、安全保障の観点からも重要な技術です。」とおっしゃっていました。
 利便性向上や技術革新、そして国内関連産業の国際競争力をしっかりと上げていくためにもこの分野の成長は本当に大切だと我々も思っていますし、後押しをしてまいりたい立場であるということを冒頭申し上げて、入っていきたいと思います。
 先ほど田中委員の質疑からも、GDPの約四分の一、約百五十兆円にも及ぶような生産性向上をもたらすといった効果も期待されているわけですから、しっかりと議論をして進めていきたいと思います。
 その中で、国産の生成AIの実用化の取組について、まずお聞きをいたします。
 昨年夏のICT総研、二〇二四年度生成AIサービス利用動向に関する調査によると、我が国での利用状況については、生成AIサービスユーザーに占める利用率は、オープンAIさんのチャットGPTが一八・三%、マイクロソフトのCopilotが八・九%、グーグルのGeminiが五・四%という結果であり、外国産の生成AIサービスで多くを占められている状況です。
 このAI推進法は、理念として、イノベーションを促進、そしてAIを最も開発、活用しやすい国へとの思いも大臣は込められていると思いますし、国内のイノベーションを我々も支援をしてまいります。国産の生成AIの研究開発に当たって、外国産の生成AIを基に開発するのがよいと考えているのか、あるいはゼロベースで純粋な国産の生成AIというのを活用していくべきと思っているのか、政府のお考えをお聞かせください。
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城内実#26
○城内国務大臣 橋本慧悟委員にお答えいたします。
 様々な分野で利用されております生成AIにつきましては、外国産の生成AIを基に開発するものもあれば、また、御指摘のようにゼロベースで国内企業が開発するものもある、両方あるということを認識しております。
 生成AIは、国民生活や経済社会に密接に関係するものでありまして、今後も様々な発展の可能性が見込まれる中、産業競争力や経済安全保障の観点も踏まえて、その開発形態は様々な選択を取れるようにしていくことが重要であるというふうに考えております。
 政府といたしましては、我が国の民間企業及び研究機関による研究開発やそれを通じた人材育成をこうした考えの下で強力に進めていく考えであります。
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橋本慧悟#27
○橋本(慧)委員 御答弁をいただきました。
 現状、外国産の生成AIサービスがどうしても大きなシェアを占める現状なのですが、日本語をベースとした生成AIを開発すること、先ほどの田中委員の質疑の中でも御答弁があって、日本語は難しいでありますとか、敬語があったりとか、なかなか難しいんだという話もありますが、この特有の課題、日本語をベースとした生成AIを開発することに対する特有の課題を端的にお知らせください。
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城内実#28
○城内国務大臣 お答えします。
 多くの生成AIは英語や日本語での複数の言語に対応した開発が行われておりまして、言語の違いに起因する大きな技術的な課題はないものと認識しておりますが、他方で、日本語の場合は同音異義語が多いというような特徴もございます。他方、世界的に広く使われている英語と比較すると、やはり日本語のデータ量は圧倒的に少ないわけでございまして、AIの学習がそういった面で難しい側面はございます。
 このため、日本の生成AIの開発に当たっては、こうした日本語の特性もしっかり踏まえて進めていくことが重要であるというふうに考えております。
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橋本慧悟#29
○橋本(慧)委員 まさに、御答弁をいただきまして、日本語のデータが少ないということだと思います。
 生成AIでは、大量のデータを学習させてモデルの規模を巨大化するほどその予測精度も向上することから、大規模言語モデル、ラージランゲージモデル、LLMと呼ばれたり、この開発が、モデルの大規模化を目指して熾烈な競争が繰り広げられていると認識をしております。
 この言語モデルというのは、人間が話したり書いたりする言葉や文章を基に単語の出現確率をモデル化する技術だと認識しています。
 具体的には、大量のテキストデータから学習をして、ある単語の後に続く単語がどのくらいの確率で出現するのかを予測するものです。例えば、私の職業は、というような文章の後に続く単語として、教師ですとかエンジニアですとか保育士ですというような、それは確率として高いなという判断が働き、ここにある机とか黒色とかスーツとかという言葉は可能性としては低いと判断していく、それで言語をモデル化していくものだと思います。こうして言語モデルは、単語の出現確率を統計的に分析することで人間の言語を理解して予測ができるようになると思います。
 それで、生成AIの基盤となる大規模言語モデルの開発では、やはりマイクロソフトやグーグルなど米国のビッグテック企業が先行している現状にありまして、我が国においても国産の大規模言語モデルの開発に向けた取組は進められていると思いますが、生成AIを日本語で問題なく使えるようにするためには、高品質の日本語のウェブテキストというのを学習データとしてしっかりと収集をして、この構築に利活用できるようにしておく必要があると思います。
 学習データに用いられる日本語のウェブテキストとしては、具体的にどのようなものを想定されていますでしょうか。
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