農林水産委員会

2025-12-18 衆議院 全165発言

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会議録情報#0
令和七年十二月十八日(木曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 藤井比早之君
   理事 笹川 博義君 理事 野中  厚君
   理事 平沼正二郎君 理事 岡田 華子君
   理事 金子 恵美君 理事 小山 展弘君
   理事 池畑浩太朗君 理事 許斐亮太郎君
      伊東 良孝君    江藤  拓君
      大空 幸星君    小池 正昭君
      坂本 哲志君    鈴木 貴子君
      西田 昭二君    長谷川淳二君
      葉梨 康弘君    広瀬  建君
      宮下 一郎君    森山  裕君
      簗  和生君    山本 大地君
      梅谷  守君   おおたけりえ君
      神谷  裕君    近藤 和也君
      西川 将人君    平岡 秀夫君
      緑川 貴士君    柳沢  剛君
      山田 勝彦君    渡辺  創君
      空本 誠喜君    臼木 秀剛君
      長友 慎治君    大森江里子君
      角田 秀穂君    八幡  愛君
      北神 圭朗君    林  佑美君
    …………………………………
   農林水産大臣       鈴木 憲和君
   農林水産副大臣      根本 幸典君
   農林水産大臣政務官    広瀬  建君
   経済産業大臣政務官    越智 俊之君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房総括審議官)         押切 光弘君
   政府参考人
   (農林水産省消費・安全局長)           坂  勝浩君
   政府参考人
   (農林水産省農産局長)  山口  靖君
   政府参考人
   (農林水産省畜産局長)  長井 俊彦君
   政府参考人
   (農林水産省経営局長)  小林 大樹君
   政府参考人
   (農林水産省農村振興局長)            松本  平君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議官)           畑田 浩之君
   農林水産委員会専門員   千葉  諭君
    ―――――――――――――
委員の異動
十二月十八日
 辞任         補欠選任
  宮下 一郎君     大空 幸星君
同日
 辞任         補欠選任
  大空 幸星君     宮下 一郎君
    ―――――――――――――
十二月十七日
 一、国有林野事業に従事する職員の労働関係を円滑に調整するための行政執行法人の労働関係に関する法律の一部を改正する法律案(神谷裕君外八名提出、第二百十七回国会衆法第三八号)
 二、国有林野事業に従事する職員の給与等に関する特例法案(神谷裕君外八名提出、第二百十七回国会衆法第三九号)
 三、農業用植物の優良な品種を確保するための公的新品種育成の促進等に関する法律案(神谷裕君外八名提出、第二百十七回国会衆法第四〇号)
 四、地域在来品種等の種苗の保存及び利用等の促進に関する法律案(神谷裕君外八名提出、第二百十七回国会衆法第四一号)
 五、食料供給困難事態対策法の一部を改正する法律案(神谷裕君外四名提出、第二百十七回国会衆法第四二号)
 六、主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律の一部を改正する法律案(近藤和也君外七名提出、第二百十七回国会衆法第六二号)
 七、農林水産関係の基本施策に関する件
 八、食料の安定供給に関する件
 九、農林水産業の発展に関する件
 一〇、農林漁業者の福祉に関する件
 一一、農山漁村の振興に関する件
の閉会中審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 農林水産関係の基本施策に関する件(畜産問題等)
 令和八年度畜産物価格等に関する件
     ――――◇―――――
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藤井比早之#1
○藤井委員長 これより会議を開きます。
 農林水産関係の基本施策に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として農林水産省大臣官房総括審議官押切光弘君、消費・安全局長坂勝浩君、農産局長山口靖君、畜産局長長井俊彦君、経営局長小林大樹君、農村振興局長松本平君及び経済産業省大臣官房審議官畑田浩之君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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藤井比早之#2
○藤井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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藤井比早之#3
○藤井委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。鈴木貴子さん。
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鈴木貴子#4
○鈴木(貴)委員 皆さん、改めまして、おはようございます。
 十五分の持ち時間でありますので、早速質疑に入らせていただきたいと思います。
 青森、そしてまた北海道を襲いました地震、そして北海道を中心に見舞われた大雪被害、被害に遭われた全ての皆様方にまずは心からお見舞いを申し上げさせていただきます。あわせて、今、北海道では、この大雪に伴って、倒木であるとか、雪の重みで停電がまだ相次いでいるところがあります。こういったまだまだ被災をされていらっしゃる皆さんに一日も早く安全、安心をお届けできるように我々も頑張ってまいりたいと思います。
 まず、質問に入らせていただきます。
 年末年始、十二月というのは、毎年どうしても牛乳の消費が減少してしまうと言われています。この需要喚起であるとか需給調整に向けて、まさに毎年毎年試行錯誤を重ねていっていただいております。生乳処理ができなくて廃棄となった場合には、これは市場価値も低下いたしますし、業界全体のイメージダウンにもつながってしまう。何よりも、酪農の生産基盤を弱体化させる元にもなってしまうと思っています。
 そこで、業界を挙げた協力体制というか、連携というものが何よりも必要だと思っています。自民党におきましても、畜酪委員会で簗委員長の強いリーダーシップの下、今年は断続的に六回にわたってヒアリング等を重ねて、ここの需要喚起、やはり出口対策はしっかり大事だ、そこがなくては、どれだけ生産支援をしたところで元も子もないという強い思いでこの部分を取り組んでまいりましたが、この業界を挙げた取組の必要性というものをいかが政府としても考えていらっしゃるでしょうか。
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長井俊彦#5
○長井政府参考人 お答えいたします。
 生乳は毎日搾られるものである一方、年末年始は、学校給食用の牛乳の供給が止まりまして、さらに、多くの工場や量販店も営業を縮小することから、例年、業界は処理不可能乳の発生回避に苦心をしておられます。
 加えまして、この数年間、牛乳需要の低迷でありますとか、近年の働き方改革の進展がこの状況を更に厳しくしております。
 このため、業界では、本年も、業界を挙げまして、広域流通の調整でありますとか、生乳使用率を高めた製品の製造、販売、そして牛乳・乳製品の販売促進活動などの協力、理解を繰り返し関係各所にお願いしている状況であると承知をしております。
 農林水産省でも、こうした業界の取組も踏まえつつ、引き続き、そもそもの加工能力の拡充のための、各地で基幹となる乳製品加工施設の整備でありますとか、牛乳でスマイルプロジェクトの旗の下での業界一体となった様々な消費拡大の取組、中でも、新商品の開発や輸出等の新たな需要を生み出す取組を、予算を始め様々な形で支援していきたいと考えております。
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鈴木貴子#6
○鈴木(貴)委員 ありがとうございます。
 最近では、例えば、牛乳が持っている機能性に注目をした様々な取組が進められています。まさにこういった部分の調査研究であるとか、そういったことを後押しをしていく。やはりこれは民間の取組でもありますから、競争自体はそれぞれの自助努力というものが私は不可欠だと思っています、その産業自体の安定、更なる発展のための自助努力。しかしながら、やはり政治の役割というものは、そこに行くまでの基盤というか、競争できるまでの環境整備というものは非常に重要だと思っておりますので、そういった調査研究費、そしてまたその出口の拡充という部分について、引き続き支援をお願いしたいと思います。
 そこで、まさにこの経営安定であるとか発展のためには、付加価値の向上も欠かせません。いわゆる加工原料乳生産者補給金でありますけれども、創意工夫を支えるということも農水省のホームページにも書かれておりますが、今の実態を見ると、あくまでも経営の下支えであって、創意工夫というプラスアルファのところまでたどり着いていないんじゃないかと正直思っております。ルールがありますから、それに基づいての算出だとも思っております。しかしながら、この昨今のコストの上昇等々、厳しい現下の情勢というものは適切に反映をされるべきだと思っています。
 あわせて、集送乳調整金でありますが、先ほど私は大雪の話を申し上げました、大雪を見越して早めに集乳に取り組んでいただいたりだとか自家発電を回して、若しくは、集乳がしっかりと機能するように、本当に昼夜を分かたず、不眠不休で除雪に当たられたり、ただ、その除雪のコストというものは現場の負担なんですよね。こういった見えないところの負担に対してどれだけ寄り添えているのかというところを是非とも見ていただきたいと思っています。
 もちろん、ドライバー不足による影響などもますます深刻だと思っていますが、今申し上げたように、自然災害である大雪、こういった不確実性というものとも常に向き合っているということを考えれば、この集送乳というのは、単に流通ではなくて、酪農生産に欠かせぬインフラそのものであるんだと私は思っています。
 単なる物流コスト支援ではなくて、生乳の安定生産、何よりも北海道は、生産基地ではなくて供給基地というプライドを持っています。作るだけでは駄目なんだ、しっかりと消費者の皆さんの元に安定的に、効率的に、そして安価で、皆さんに納得していただける値段で届けるところまでが我々の責任だという強い自負を持って取り組んでいただいております。
 そういう観点からいきますと、集送乳というか、集乳ですよね、この機能というものが維持をされなくては、どれだけ我々が生産支援を行っても成り立つものではありません。酪農を支える基盤的な政策と位置づけて、仕組み自体をいま一度検証する必要があるのではないでしょうか。
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長井俊彦#7
○長井政府参考人 お答えいたします。
 加工原料乳の生産者補給金でありますとか集送乳調整金につきましては、生産や集乳に要する直近十月までのコストの変動や物価動向を考慮することで、足下の状況を捉えているところでございます。
 その上で、御指摘にありましたように、酪農は、耕種と比べても、都市から遠い地域に分散して立地しながら営まれる産業でありまして、また、毎日搾乳されるという特徴も持っておりますので、集送乳が酪農を支える基盤という御指摘はそのとおりでございます。これが毀損しますと、酪農そのものが成り立たないくらい重要なものであると考えております。
 このため、算定に当たりましては、全国の指定団体を通じた悉皆調査によりまして、先ほど御指摘もありました雪などの事故により結果的に要した費用も含めまして、完全な集送乳経費額を把握し、それに基づいて算定を行っているところであります。
 加えまして、集送乳路線の合理化でありますとか荷待ち時間の短縮など、各地での不断の見直しを促すとともに、基幹となります乳製品加工施設の整備、中核的な中継ポイントなど、必要な施設整備も支援をしているところであります。
 引き続き、現場の声を伺いまして、課題を特定しながら、酪農の基盤である集送乳が持続していくよう、各地の効果的な取組を支えていきたいと考えているところであります。
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鈴木貴子#8
○鈴木(貴)委員 ありがとうございます。
 そこで、ちょっと大臣に今度は質問を、是非とも答弁をいただきたいと思っています。
 単価が上がると交付対象が減るんじゃないか、つまり、全体の総交付対象数量の、予算の総額ありきなんじゃないかというような声というものは、やはり現場から率直な意見として上がってきます。今の政府答弁もあったところでありますけれども、これは予算総額ありきとなっていないかという声に対して、大臣、答弁をいただければと思います。
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鈴木憲和#9
○鈴木国務大臣 御質問ありがとうございます。
 今の鈴木委員からの現場の声、私も何度もお伺いをしたところであります。
 まず申し上げますと、加工原料乳生産者補給金等の単価については、生産や集乳に要する直近のコストの変動や物価動向を考慮して、また、総交付対象数量は、国産乳製品全体の需給動向を考慮してそれぞれ算定をし、審議会の意見を聞いて決定する、そういう仕組みとなっております。
 これに向けて、毎年、この委員会での委員の声も含めた現場の声をよくお伺いして、課題や懸念も踏まえた関連対策も組み合わせながら、全体パッケージで決定をしてきたところであります。
 今の御指摘に対しては、これまでの結果でありますけれども、関連対策を含めた総額についても、厳しい予算編成過程の中ではありますが、令和五年度は三百八十六億円、令和六年度は三百九十三億円、そして令和七年度は四百億円と着実に増加をしてきているところであります。本年度も、生産現場に寄り添い、その声を受け止める努力をしっかりとさせていただいて、皆さんにとっても納得のいく形になるように精いっぱい頑張らせていただきます。
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鈴木貴子#10
○鈴木(貴)委員 ありがとうございます。
 今、わざわざ憲和大臣が直近三年間の総額、数字を出していただいて、大臣自ら、着実に上がっているということを議事録に載せていただけました。その上で、地域に寄り添ってしっかりと頑張っていくということは、間違いなく今年も期待をできるんだなという答弁をいただいたものと先に感謝と御礼を申し上げておきますので、最終最後まで何とぞよろしくお願いを申し上げます。
 大事なのはパッケージというところだと思っています。関連対策全体でしっかりと、現場が何よりも実があるというか、これでまたやっていけるぞ、今確かに厳しいかもしれないけれども、政府も自分たちのこの苦しい状況をちゃんと見てくれているんだな、だったら俺たちも頑張ろうと。ましてや、生産者の皆さんというのは、自分たちの生活というか家族のためだけではなくて、地域全体、この地域をどうやって維持していくかということをまさに考えて日々生産を続けていただいております。二十四時間三百六十五日、命を相手に向き合っていただいてのこの仕事に対しては、我々は、感謝と敬意というものはしっかりと政策で、そしてまた時には予算で示していかなくてはいけないと思っております。
 その観点で、もう一点、大臣、是非お伺いをさせてください。それは、酪農ヘルパーに関してであります。
 人材確保でありますとか定着というのが酪農ヘルパーの課題だと私は聞こえておりまして、先般も、自民党の部会におきまして、岩手県葛巻町の酪農ヘルパー利用組合の木戸場さんという女性の方から、オンラインでありましたけれども、大変有意義なヒアリングも伺わせていただきました。
 その話を、現場の声を聞きながら、私は、酪農ヘルパーという名称自体もいかがなものかと思っています。
 というのも、何となく酪農ヘルパーというと臨時労働力であったりとか補助要員というような響き、趣があるんじゃないだろうか。本来であれば、何よりもこれは専門職ですから、それぞれの農家さんのところに行って、農家さんもそれぞれが一人親方、あくも強けりゃ個性も強いという親方のところに行って臨機応変に対応していただく。そういった専門職として位置づけて、キャリア形成を含めた職業としての魅力の向上であるとか、若しくは幅を広げるための資格取得の推進、こういった支援の充実が必要だと思っています。
 あわせて、国の支援なんですけれども、先ほど大臣は答弁で、補給金の関係でも、物価動向に応じてと言っていただきました。物価動向に応じて対応していただいている制度、補給金等がある一方で、この酪農ヘルパーですけれども、何と多くのメニューの助成単価が平成二十九年から変わっていないんです。これは農水省の中での政策の不一致だと思うんですよね。こっちのものに対しては物価動向を反映させます、こっちの酪農ヘルパーに対しては反映させない、これではちょっとちぐはぐだなと思っています。
 現場の皆さんの声に常に向き合い、そしてまた応えていただいている鈴木憲和農水大臣、これからの酪農業を支えていくという意味でも、ここの酪農ヘルパーに対してもっと国としてのコミットメント、支援の充実が必要だと思いますが、いかがでしょうか。
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鈴木憲和#11
○鈴木国務大臣 御質問ありがとうございます。
 今、鈴木貴子委員がおっしゃっていただいたことは、全く問題意識は私も共有しているところであります。
 やはり酪農ヘルパーがなくては地域の酪農をやるということは不可能であるという現実でありますから、この職業としての魅力もしっかり高めていかなければならないというふうに思っております。
 農林水産省といたしましても、若者が夢を持って酪農ヘルパーという職業を選択できるよう、給与、休みなどの待遇の改善、そして業務の幅を広げる人工授精師などの資格の取得、また新規就農の入口として酪農ヘルパーを技術習得の場として活用する取組などの支援を展開をしているところであります。今、支援単価が変わっていないとの御指摘も含めてしっかりと検証させていただき、多角的、重点的に支援を講じていくことが重要であると思っております。
 現場の方々が、単なる、名称はなかなか、定着をしているので、変えるというのはあれかもしれませんが、それでも、補助要員みたいな話ではなくて、やはりプロフェッショナルなんだという気持ちを持ってしっかりと頑張っていただけるように我々は努力をさせていただきたいと思います。
 特に、私も問題意識があるのは、若い世代の皆さんが酪農ヘルパーとして活動し始めたときの賃金水準、水準はそれなりであるわけなんですが、やはり年齢を重ねるに従って、その水準では当然これはよくないわけでありますから、そうした問題意識も持って、何ができるのか、よく検証させていただきたいと思います。
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鈴木貴子#12
○鈴木(貴)委員 ありがとうございます。
 九年勤務をしているけれども、月給が一万円から一・五万しか上がっていないというような、そんな声も聞こえております。家族を持ちたい、家族でその地域で頑張っていただくということも大事だと思っておりますので、是非ともよろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
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藤井比早之#13
○藤井委員長 次に、渡辺創君。
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渡辺創#14
○渡辺(創)委員 おはようございます。立憲民主党の渡辺創です。
 立憲民主党は、今年の秋、農林水産部門会議に畜産・酪農政策ワーキングチームを設置をし、畜産、酪農分野への取組を強化することにいたしました。これまでの部門会議での取組に加えて、北海道等での視察や専門家との意見交換などを重ねてまいったところであります。
 今日の質疑では、座長の私を含めて三人でフィールドを分担して臨みますので、私の質疑では、現状の認識整理に重点を置いて質問をしてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
 まず、和牛生産に関連してお伺いをします。
 和牛子牛の取引価格が持ち直してきました。私の選挙区であります宮崎一区にある宮崎中央家畜市場でも、十二月の十一日、十二日の競りでは、雌牛の平均が七十六万七千五百九十一円、去勢の平均が八十六万二千六百三円、全体の平均は八十二万百六十三円と、前年同時期比で二十五万五千四百四十二円高、前月比でも十一万八千百五十円高という状況です。全国の主要家畜市場でも、平均取引額が前年同月比三八%高と、四〇%近い高い値段で、好調ぶりであるというふうに聞いています。
 全国的な子牛の不足感に加えて、年末年始を控えて枝肉出荷が増える時期になるというのも後押しをしているんだろうというふうに思うところですが、私は宮崎なので、繁殖農家も多い地域としてはいい状況ですけれども、飼料高など関連経費の高騰にも陰りが見えないという状況で考えれば、好調な子牛価格が、一方で肥育農家にとっては重荷になるという面もあるわけであります。
 この機会に状況を整理をしておきたいと思いますが、最終的な枝肉価格の状況などを十分に踏まえた上で現状をどう見ているのか、また今後の価格動向の見通しなどをどのように想定しているのか、農林水産省の見解をお伺いします。
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長井俊彦#15
○長井政府参考人 お答えいたします。
 和子牛価格につきましては、令和四年から令和六年にかけまして下落傾向で推移をしてきたところでございますが、令和六年九月の五十万円を底にいたしまして上昇に転じておりまして、直近では、七十万円台にまで回復しているところでございます。
 一方で、和牛の枝肉価格につきましては、令和四年度以降、物価の上昇による消費者の生活防衛意識の高まりなどの影響によりまして前年を下回って推移をしてきた中で、令和七年度は前年を上回る水準ではございますが、依然として軟調に推移しているところでございます。
 今後の価格につきましては、なかなか予断を持ってお答えするのは難しい面はございますけれども、子牛につきましては、繁殖雌牛頭数の減少が見込まれる地域もございますので、一定期間、子牛の需給はタイトになることが予想されるところでございます。他方、枝肉につきましては、出生頭数の多かった時期の出荷がこれから続くということが見込まれますので、来年度も、今年度と同様の傾向が続くことになるのではないかと考えているところでございます。
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渡辺創#16
○渡辺(創)委員 ちょっと念のために確認しますが、今の御説明によれば、年単位でとまで言えるかどうかは別にして、子牛の価格については、基本的に、現時点で値段が戻ったというだけではなくて、大きな、予想していないような変動要因がなければ回復基調に戻ってきているという理解でよろしいですか。
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長井俊彦#17
○長井政府参考人 お答えいたします。
 ここ一、二年ということで、何というか、牛の価格というより、キャトルサイクルという、要は大きな波がございますので、ずっと先までということは難しいんですが、ここ一、二年でいえば、そういう傾向になると思っております。
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渡辺創#18
○渡辺(創)委員 令和二年三月に策定をした第八次の酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針、酪肉近では、肉用牛について、国内外の需要、市場拡大を前提にして増頭、増産の生産基盤強化を方針として、裏打ちするように、政府は増頭奨励の政策を展開をしてきました。
 しかし、現実は、コロナ禍による需要の縮みであったり国際環境の不安定化によって、必ずしも想定した状況にはならず、子牛価格の低迷につながった感があります。実際、政府の増頭奨励施策の転換後に繁殖雌牛の数も減少に転じていっています。
 このことも踏まえた上で、増頭奨励という政策判断を現時点で振り返ってどのように総括をしているのかということを、大臣の認識を確認したいと思います。
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鈴木憲和#19
○鈴木国務大臣 お答え申し上げます。
 繁殖雌牛の増頭奨励事業は、令和元年当時見込まれた輸出の拡大に向けた生産基盤強化策として、令和二年から五年末までの増頭を対象として実施をしてきたものであります。
 まず、成果といたしましては、和牛肉の生産量が、令和元年度の十五万トンから令和六年度には十八万トンと増加をいたしました。今後も和牛肉の生産量は高い水準で推移をすると見込まれています。また、牛肉の輸出量も、四千三百四十トンから一万八百二十六トンと大きく伸びている。こうした一定の政策効果はあったというふうに受け止めております。
 ただ、一方で、この間に、子牛生産頭数が増加する中ではあったんですが、新型コロナによる需要の減退、そして物価高による消費の減退などの影響によりまして、令和四年以降は子牛の価格が低落をしております。資材や輸入飼料の高止まりの影響もあって繁殖経営の離農が進み、令和六年度以降は子牛の出荷頭数は減少しております。
 このように、強力な基盤強化策と、その後の需要減退による価格低下の経緯も踏まえて、先ほど委員もおっしゃっていただいた基本方針、この中で、需要に応じた生産の推進を位置づけをしたところであります。
 これを受けまして、例えば施設整備、機械導入の事業では、畜産経営の持続性向上を目的としたメニューを設けるなど、繁殖基盤の安定的な維持発展を集中的に支援をしてまいりたいと考えております。
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渡辺創#20
○渡辺(創)委員 今あった増頭奨励の転換後に、政府は、肉質や増体に優れた子牛をつくるということを意識して、高齢繁殖雌牛の更新を進める奨励金に切り替えたわけです。十歳以上の繁殖雌牛を切り替えていっているわけですが、奨励金の交付実績を御説明いただいた上で、現時点での効果をどう見ているか、認識を伺います。
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長井俊彦#21
○長井政府参考人 お答えいたします。
 補正予算におきまして令和六年度から措置をしております優良繁殖雌牛の更新加速化事業につきましては、成長がよく肉質に優れた肉用子牛の生産を推進するため、十歳以上の高齢の繁殖雌牛から改良が進んでいる若い繁殖雌牛への更新を支援するものでございまして、実績といたしましては、令和六年度は実施頭数が約一万四千頭、令和七年度の実施見込み頭数は約三万頭となっておりまして、着実に若い繁殖雌牛への更新が進んでいると認識しているところでございます。
 令和六年度に更新した若い繁殖雌牛が子牛を産みまして、その子牛が成長して市場に出荷するというのは早くて令和八年の一月以降となる見込みでございますので、現時点で事業効果を評価することは難しいところではございますが、今後、本事業による優良な子牛が市場に出荷されることによりまして、子牛が堅調な価格で取引されまして、繁殖基盤の維持強化につながっていくものと考えているところでございます。
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渡辺創#22
○渡辺(創)委員 今年四月に策定をされた最新の酪肉近では、五年後の目標として、令和十二年度の各数値が示されています。牛肉の生産数量目標は、部分肉換算で、令和五年の数字ですが、現状三十五万トンというところを三十六万トンにするという微増の目標設定が行われています。参考として示されている長期的な姿という部分でも、部分肉換算は三十七万トンと、更に一万トンを上乗せするだけというふうになっています。
 生産量を左右するのは生産能力、つまり、供給力を踏まえた上での需要の見通しということになるというふうに思いますが、その需要という観点では、当然ながら、国内での需要拡大と海外輸出の促進がどう機能するのかというところがポイントになるはずです。
 このポイントを押さえた上で、酪肉近の令和十二年度目標、微増となっている目標をどのような根拠で設定をされたのか、基本的な考え方を伺います。
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長井俊彦#23
○長井政府参考人 お答えいたします。
 本年四月に策定いたしました酪肉近におきましては、国内消費は横ばいと見込む一方で、輸出の拡大を見込みまして、全体では生産量を増加させる目標にしております。
 具体的には、二〇三〇年度には、人口の減少が見込まれる一方、多様な消費者ニーズに対応した牛肉生産を行うことなどによりまして一人当たりの消費量を伸ばすということによりまして国内消費量は維持するとともに、販路開拓や輸出認定施設の増加などを通じまして海外への輸出を増加させるということで、これは九千トンから一万六千トンに増加させることを考えておりますが、こうしたことによりまして、現状の牛肉生産量の三十五万トンを、二〇三〇年度には三十六万トンまで伸ばす目標という形で設定をさせていただいております。
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渡辺創#24
○渡辺(創)委員 ちょっと関連して大臣にお伺いをしたいというふうに思うんですが、令和二年の第八次の酪肉近では、部分肉換算で四十万トンという目標を掲げていたわけです。この水準は、令和元年の実績が三十三万トンであったことを踏まえれば、プラス七万トンを積み増すという大変強気な目標だったわけですね。これが、今回の酪肉近ではかなり消極的な水準に、今御説明があったような理由によってでしょうが、転じたという形になっています。
 一方で、肉用牛における生産の内訳を見れば、乳用種が減って、和牛の生産自体はこの十年間増加の一途をたどっているわけであります。つまり、厳しい環境下でも、もちろん政策的な後押し、誘導もあったというのはあるというふうに思いますけれども、和牛の生産意欲自体は高まっている状況だと見ることもできるというふうに思います。もちろん、ただ、生産者の皆さんの高齢化であるとか、関連経費が高止まりしている状況という厳しい要素もあるわけでありますけれども。
 そこで、今年の酪肉近の意味合いを整理したいというふうに思うんですが、取り巻く環境、取り巻く状況をかなり厳しいと見ているという基本的な思想というか考え方が今回の数量目標の設定の仕方、方針転換ですね、からも見て取れる気がするんですけれども、この辺りを踏まえて、大臣自体がこの変更というか考え方の転換に対してどういう認識を持っているかというのを確認したいと思います。
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鈴木憲和#25
○鈴木国務大臣 様々な変更というのがあったんだと思いますが、ただ、やはり需要がどのような形になっていくのかということについての考え方が最も重要かというふうに私としては思っています。
 基本的には、和牛の世界は、海外のマーケットをいかに拡大をしていくかというのが大事です。ただ、一方で、もちろん国内マーケットも大変大きくありますし、そこの部分が、現在、全体としての物価高の中で牛肉の消費量に影響があるということでありますから、そうしたこともよく考えて見積もったということだというふうに私としては理解をしております。
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渡辺創#26
○渡辺(創)委員 ありがとうございます。
 大臣の御認識と私も思っているところは大体似通っているところなんだなと思いましたが、お話があったように、まだ全体で見れば海外輸出のシェアというのは小さいわけですけれども、とはいえ、伸び代があるのは海外輸出ということになる、日本の人口は減っていっているわけですから、胃袋は小さくなっているわけなので、海外輸出ということになると思います。
 令和六年のデータを見ると、牛肉輸出量は前年比二〇%増という状況でありますので、前回の酪肉近が出た頃、令和二年ぐらいのデータを見れば四千五百トン程度だったものが、この五年間で六千トンぐらい伸びたという状況になります。
 このデータを見ても、先ほどの酪肉近の生産数量目標の一万トン増というのは、やはり海外輸出の促進というところで対応しなければ現実的にはそうなっていかないということだと感じていますが、現在の輸入先を見れば、アメリカ、台湾、香港あたりが二割近いシェアで続いていくわけですけれども、今後の量拡大という意味では、やはり市場としての中国というのは大変大きな意味があるというふうに思います。
 対中輸出の再開が重要ですが、大詰めの段階でまた再び厳しい状況になっているというふうに思っていますが、この間の現状認識を大臣はどのように見ていらっしゃるか、御説明いただければ。
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鈴木憲和#27
○鈴木国務大臣 御質問ありがとうございます。
 輸出が何しろ大事だということについては全く共通の認識だというふうに思っています。
 現在、和牛の肉というのは世界の様々な国で評価が高く、牛肉需給の安定や生産者の経営安定に向けては、この海外需要をいかに取り込んでいくか、そして輸出を拡大していくということがなくてはならない柱になりつつあります。
 近年の牛肉輸出については、生産者を始め輸出事業者等の関係者の皆様の御尽力もあって、増加傾向で推移をしております。二〇二四年には過去最高の一万トンを超えまして、輸出額六百四十八億円を記録をしたところであります。
 農林水産省としましては、関係省庁と連携をして、輸出先の多角化に向け、新たな輸出先国の解禁や規制緩和などの協議をまず進めさせていただきます。また、輸出拡大に向けて、輸出対応型施設の整備や省力化機械等の導入による機能強化、オール・ジャパンでのプロモーションなどの推進の支援などに取り組み、更なる輸出拡大の推進を図ってまいります。
 おっしゃるとおり、中国との間でありますが、本年七月に日中動物衛生検疫協定が発効したところであります。本協定の発効も踏まえまして、日本産牛肉の対中輸出再開に向け、中国との間で関連協議を推進していくことが重要でありまして、引き続き、あらゆる機会を捉えて粘り強くこれは努力をさせていただきたいと思っております。
 ちなみに、うちの地元も米沢牛、山形牛があるわけですが、やはり牛肉の世界は、牛肉の世界だけではないんですけれども、輸出は、大事だと思うのは、肉をただ出せばいいという話ではなくて、どのような調理の仕方で現地で食べていただくか、ここまでしっかりやらないと、ただ出して冷蔵庫に置いていても売れるわけではありませんので、そうした観点も持って、そうだとすると、外食の皆さんとしっかりやらなきゃいけないということもありますので、様々な問題意識を持って取組をさせていただきたいと思います。
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渡辺創#28
○渡辺(創)委員 今、中国との関係のお話がありましたが、これはちょっと聞こうと思ったんですけれども、御答弁は余り踏み込まれなかったので質問にはしませんが、今政府が持っている、二〇三〇年までに今のほぼ二倍の輸出にするという目標には、アメリカと同等ぐらいの規模まで中国の市場を見て算出されているんだと思いますので、中国への輸出が成り立たないと、多分、この計画にも大きな影響を与えるんだろうというふうに思います。ちょっとそこは指摘にとどめますが、やはり多くの関係者の方が状況を注視していると思うので、もう少し政府からも、交渉中であるし、なかなか表面的に難しい状況だというのはよく分かりますので、しかし、状況が分かるようなアナウンスメントをお願いしたいというふうに思います。
 今、大臣の御答弁ともちょっと関係してきますが、肉用牛の今後の需要拡大を考えるという意味では、多様化していく消費者のニーズというものに応えることも重要だというふうに思います。歩留りであったり、肉質でA5であったり、その中でも、脂肪交雑の評価基準がBMSのナンバー十二とか十二番みたいなものが高く評価をされるという構造がずっと続いてきているわけですけれども、嗜好だけではなくて、調理法なども含めて、異なるバランスのものが引き合いも強くなってきているという面もあるというふうに思います。
 改良が進んだ結果、A4、A5の牛ができる可能性はかなり高まっているわけであって、市場でもそういうお肉が高く取引されるわけであるので、経済性の面からは納得のいく話でもあるんですが、先日、若手の生産者の方々と意見交換をしていると、血統的にそういう形じゃない牛をつくるのも難しくなってきているし、売り方のところでも、牛肉の多様性が反映されるシステムにならないと、なかなかその流れから外れた牛をつくるということにチャレンジしていくというのも容易ではないという話がされているのも非常に印象的でありました。
 ニーズの多様化という点を政府はどのように捉えているか、先ほど大臣から、調理法も含めて、海外で価値高く売るためにはそういうところまでセットでやることの必要性があるというお話がありましたけれども、ちょっと改めてその辺の政府見解をお伺いしたいと思います。
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長井俊彦#29
○長井政府参考人 お答えいたします。
 牛肉の消費者ニーズにつきましては、和牛特有の強みであります脂肪交雑の多い霜降り肉を求める声がある一方で、比較的脂肪交雑の少ない牛肉でありますとか赤身主体の牛肉への関心も高まっておりまして、御指摘のとおり、多様になってきているというふうに認識しております。
 このため、脂肪交雑を生かしました和牛生産に取り組むだけではなくて、オレイン酸など、脂肪交雑以外の食味の向上に重点を置いた改良に取り組むとともに、多様な肥育形態の一つといたしまして、適度な脂肪交雑の牛肉を生産できるいわゆる早期出荷、そうしたものも推進しているところでございます。
 また、国産牛肉の半分を占めます交雑種とか乳用種につきましては、手頃なテーブルミートとしての需要もありますので、商品価値の創出でありますとか販路開拓などの取組支援を通じまして消費拡大を図っていきたいと思っております。
 こうした様々な取組によりまして、引き続き、多様な消費者ニーズに対応した肉用牛生産を推進してまいりたいと考えております。
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