農林水産委員会

2026-05-13 衆議院 全146発言

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会議録情報#0
令和八年五月十三日(水曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 藤井比早之君
   理事 東  国幹君 理事 笹川 博義君
   理事 野中  厚君 理事 平沼正二郎君
   理事 和田 義明君 理事 野間  健君
   理事 池畑浩太朗君 理事 村岡 敏英君
      石坂  太君    伊東 良孝君
      江藤  拓君    門  寛子君
      加藤 大博君    今  洋佑君
      西條 昌良君    鈴木 拓海君
      俵田 祐児君   中川こういち君
      西田 昭二君    西山 尚利君
      葉梨 康弘君    広瀬  建君
      藤田ひかる君    丸尾なつ子君
      宮下 一郎君    簗  和生君
      山本  深君    神谷  裕君
      庄子 賢一君    角田 秀穂君
      柏倉 祐司君    関 健一郎君
      長友 慎治君    木下 敏之君
      林  拓海君
    …………………………………
   農林水産大臣       鈴木 憲和君
   農林水産副大臣      根本 幸典君
   農林水産大臣政務官    広瀬  建君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房総括審議官)         押切 光弘君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房総括審議官)         河南  健君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房統計部長)          深水 秀介君
   政府参考人
   (農林水産省農産局長)  山口  靖君
   政府参考人
   (農林水産省農村振興局長)            松本  平君
   農林水産委員会専門員   千葉  諭君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月十三日
 辞任         補欠選任
  門  寛子君     丸尾なつ子君
  渡辺  創君     神谷  裕君
同日
 辞任         補欠選任
  丸尾なつ子君     門  寛子君
  神谷  裕君     渡辺  創君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第四八号)
     ――――◇―――――
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藤井比早之#1
○藤井委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、お手元に配付のとおり、政府参考人の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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藤井比早之#2
○藤井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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藤井比早之#3
○藤井委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。宮下一郎君。
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宮下一郎#4
○宮下委員 自由民主党の宮下一郎です。
 本日は、議題であります食糧法改正案について質問をさせていただきます。
 まず、本改正案の狙いについてお伺いをしたいと存じます。
 昨年から続く米価の急騰は、家計にも外食産業にも大きな影響を与えたところであります。
 昨年八月の米の安定供給等実現関係閣僚会議におきましては、その原因を検証した結果、生産量の増加を大きく上回る需要の増加があったことや、流通実態の把握が不十分であったこと、さらには、備蓄米放出に際しての機動性に問題があったことなど、複数の構造的な問題が明らかになったところであります。
 こうした検証を踏まえて、自由民主党としましては、私が会長を務めます総合農林政策調査会の下に、江藤拓先生を委員長とする農業構造転換推進委員会を設置しまして、様々な課題にどのように対応すべきか、丁寧な議論を重ねてまいりました。今回の法律案には、この委員会でまとめた考え方もしっかり盛り込んでいただいていると認識しております。
 そこで、今回の食糧法改正案では、どのような課題に優先的に対応し、国民への米の安定供給をどのように確かなものにしようとしているのか、まず、改正案の全体的な狙いについて、大臣の御認識を御説明いただきたいと思います。
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鈴木憲和#5
○鈴木国務大臣 まず、宮下先生には、いつも自民党の総合農政調査会長として御指導いただいておりますこと、感謝申し上げます。
 米政策につきましては、今先生からもありましたが、昨年八月の米の安定供給等実現関係閣僚会議におきまして、今般の米価高騰の要因や対応の検証が行われたところであります。
 この中で、流通実態の把握に当たっては、多様化する流通ルートを農林水産省が的確に把握できないなどの課題が示されたほか、政府備蓄につきましては、会計上の手続や売渡先の選定が迅速にできないことにより、売渡しを行うまでに時間を要したことや、品質検査等により、売渡しから実際に流通するまでに時間を要したなど、機動性に欠けるという課題が明らかになったところであります。
 今回明らかになった課題のうち、取り急ぎ対応すべき事項につきましては、米の安定供給に係る短期的な対応策として取りまとめられまして、そのうち、法律の手当てが必要なものを今回の食糧法の見直しに盛り込んでおります。
 今回の改正案では、まず、先ほどの流通の話ですけれども、流通実態の把握強化として、届出対象の追加、米の在庫数量などの定期報告、罰則の引上げなどの措置、そして、今後の備蓄政策の具体化として、民間備蓄制度の創設、米の備蓄の目的の見直し、そしてまた三つ目として、需要減少を前提とした生産調整方針を廃止をした上で、需要に応じた生産を促進することとし、生産者は需要に応じた生産に主体的に取り組み、一方で、国は、需給見通しをしっかりとしたものを作った上で、需要開拓や生産性向上の施策と連携し、国及び地方公共団体による情報提供などを責務とする規定などを法律上に位置づけることとしております。
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宮下一郎#6
○宮下委員 今、幾つかの柱で御説明いただきましたけれども、このうち特に、まず大臣に、需要に応じた生産という考え方について、改めて確認をさせていただきたいと思います。
 これまでの米政策は、人口が減少する中で、需要減少を前提とした米政策を中心的に進めてきたという面が強いと思いますが、一方で、業務用とか加工用、米粉用、さらには輸出用など、米の用途や市場は大きく広がって、需要も拡大している面もあります。
 今回の改正案では、お話のように、生産調整方針に関する規定を廃止して、生産者が自らの経営判断で需要を見据えた作付を行うことを基本とするとされているところですが、一部報道では、食糧法で需要に応じた生産ということを明記することは、事実上の減反政策を法定化するものではないかといった評価をしているところもあります。
 この需要に応じた生産とは具体的にどのような姿を目指すものなのか、また、そのために国はどのような役割と責務を果たしていくのかという点について、大臣から御説明をいただきたいと思います。
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鈴木憲和#7
○鈴木国務大臣 需要に応じた生産とは、主食用、業務用、また加工用、米粉用、輸出用など多様な用途の米につきまして、国内外の需要を創出した上で、その需要を満たしていくことを意味しております。
 本改正案において、米の需要減少を前提とした生産調整方針に関する規定を廃止する一方で、国の役割につきましては、引き続き、需給見通しなど必要な情報提供を行うことに加えて、需要開拓や輸出促進、生産性向上などに関する施策を講じることを責務として明記をし、米生産の持続的な発展を図ってまいりたいというふうに考えております。
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宮下一郎#8
○宮下委員 次に、もう一つの大きな柱であります米の流通実態の把握についてお伺いをしたいと思います。
 今回の検証では、これまで把握の中心でありました大手集荷業者や卸売業者を介さない取引、具体的に言いますと、加工や中食、外食事業者などを含む多様な流通ルートが存在している、しかも、そこが拡大しているということが明らかになってきました。こうした流通の実態が見えにくいままでは、需給の変化を早期に把握することもできませんし、したがって、対策も後手に回ってしまうリスクもあります。
 そういったことを踏まえて、本改正案では、届出対象の拡大や在庫数量等の定期報告、また罰則の見直しなどが検討されているところでありますけれども、対象となる事業者の負担というのも配慮しなければいけないという面があると思いますし、また、どんな対象や項目について情報を把握すればいいのかということも精査が必要だろうと思います。
 国は、どのように流通の見える化を進め、需給の変化に迅速に対応していくのか、また、この制度によって流通の実態がどの程度把握できるとお考えなのか、お答えをいただきたいと思います。
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広瀬建#9
○広瀬大臣政務官 お答えいたします。
 今般の米価高騰の要因や対応の検証を行った結果、米の流通状況については、これまでは大手の集荷業者や卸売業者からの報告により把握してきたところ、生産者の直接販売や集荷業者以外との取引の大幅増加など流通の多様化があること、また、食の簡便化志向に伴う中食、外食需要の増加など、米の流通をめぐる状況が変化する中、従来の調査対象や報告方法のみでは流通の状況を把握できないことが明らかになってきております。これはまさに委員御指摘のとおりかと思っております。
 このため、こうした米の流通の状況変化を前提に、流通実態の把握を強化する方策として、本改正案の中で、加工、中食、外食事業者を届出対象に追加すること、民間事業者に対して、在庫数量や取引数量を定期的に報告いただく仕組み等を措置することとしております。
 また、新たな仕組みの導入に当たり、事業者の届出、定期報告の負担軽減を図る観点から、届出及び報告対象の規模要件及び報告頻度、報告事項等については、現在、関係団体などへのヒアリングを通じて調整を行っているところでありますが、年間三百トン以上の出荷、販売事業者については毎月の報告を求めつつ、それ以下の規模の出荷、販売事業者や加工、中食、外食事業者については年一回といった方向で検討を進めており、これにより、例えば、出荷、販売事業者の在庫の約九五%が月ごとに把握できると考えており、報告事項については、現行制度でも報告を求めている大規模な出荷、卸売業者からは、買入れ、販売価格についても報告を求めることを考えております。
 事業者の負担の話もございました。現在、電子申請の導入についても検討するなどしながら、流通構造の透明性確保に向けて詳細を詰めていきたい、こう考えております。
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宮下一郎#10
○宮下委員 ありがとうございます。
 本法律案におけます制度改革の柱のもう一つが民間備蓄制度の創設であると思います。これまで、食料安全保障上重要な米については、政府が責任を持って備蓄を実施してきたと認識しております。他方、今回創設する民間備蓄では、政府がその責任を十分に果たせなくなるのではないかといった不安も出てくるのではないかと思います。
 こうしたことを踏まえて、民間備蓄に係る政府の責任の位置づけと民間備蓄放出の手法などについて、分かりやすく御説明いただければと思います。
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根本幸典#11
○根本副大臣 お答え申し上げます。
 国民の主食であります米の安定供給は国の責務であり、食料安全保障の確保の観点から不可欠であることから、供給が不足する場合に備え、政府が米の備蓄を行っているところであります。
 しかし、今般の備蓄米の売渡しに当たっては、入札契約の手続などに時間を要したことに加え、売渡しから流通までにも時間を要し、機動性に欠けるという課題が明らかになったところであります。
 このため、政府備蓄の機動性の向上を図りつつ、供給不足時等については、売渡しの決定や出荷を日常的に行っている民間事業者の商流を活用し、迅速に対応していく必要があることから、政府備蓄を補完するものとして民間備蓄を位置づけることを今回の改正案に盛り込んでいるところであります。
 具体的には、定期報告を通じ、供給の不足を確実に察知した上で、供給不足時には、事業者に保有を義務づけている基準保有量を引き下げ、不足している地域や業種を示して、引き下げた基準保有量分の米について放出を行うよう、要請や勧告などを行う、こういった仕組みになっております。
 以上です。
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宮下一郎#12
○宮下委員 ただいま民間備蓄の仕組みについて、そして、その趣旨についても御説明をいただきました。
 一点、こうした迅速な供給体制を可能とするために民間の皆さんに御協力いただくということでありますが、民間事業者の皆さんも、この保管経費とかいろいろな経費もかかります。こうした民間事業者への負担に対する国の支援の考え方について、ここでお伺いをしたいと思います。
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山口靖#13
○山口政府参考人 お答え申し上げます。
 民間備蓄におきます民間事業者の負担の関係について御質問がございました。
 民間事業者につきましては、通常よりも多い在庫保有を求めることとなり、一定の負担が発生することも想定されますので、備蓄米の保有が円滑に行われますよう、政府として必要な財政上の措置その他の措置を講ずる旨、今回の改正案に盛り込ませていただいているところでございます。
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宮下一郎#14
○宮下委員 最後に、一点、条文を読んでいて気になった点がありました。これは、民間備蓄が機動性に着目して今度創設されるということでありますけれども、この手続に関して、第三十三条の七に規定が置かれておりますが、第一項で、米穀の供給が不足すると認める場合であって、政府による米穀の売渡しよりも、民間備蓄業者が保有する米穀の譲渡しを迅速にすることができると認めるときに、基準保有量を減少することができるとされております。
 しかしながら、そもそも民間備蓄は政府備蓄の機動性を補完するためのものでありますので、基本的には、民間備蓄の機動性が政府備蓄のそれに勝っていると思われます。
 では、この規定に該当しない場合、すなわち、民間備蓄の譲渡しよりも政府備蓄の売渡しの方が迅速に供給される場合というのはどのような場合を想定して書かれているのか、確認をしたいと思います。
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山口靖#15
○山口政府参考人 お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、政府米の売渡しのオペレーションについて、今回、事業者の皆様にヒアリングなどを行わせていただいた結果、随意契約では大体二十二日から四十八日、入札ですと二十七日から四十七日の期間を要しているというふうになってございます。
 一方で、民間備蓄の売渡しは、政府の入札契約手続が不要となりますので、そういった意味で、四日から二十日に時間が短縮できるということで、委員御指摘のとおり、一般に、政府売渡しよりも民間備蓄の譲渡しの方が迅速だというふうに認識をしておりますが、例えば、災害時の応急食料として、政府備蓄の一部、五百トンぐらいを現在精米で備蓄をしておりまして、この精米備蓄につきましては、過去、熊本地震の際には、南阿蘇村から要請がありまして、翌日に精米備蓄を避難所に届けるというようなことも行っておりますので、こういうような場合には政府売渡し米の供給の方が迅速に供給されるケースもありますから、ケース・バイ・ケースでしっかり対応してまいりたいというふうに考えております。
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宮下一郎#16
○宮下委員 この食糧法の改正とその運用によりまして、生産者の皆様が的確な情報に基づいて、不安なく作付の判断を行って、前向きに営農していただくこと、そして米の安定供給が実現できることを願いまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
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藤井比早之#17
○藤井委員長 次に、加藤大博君。
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加藤大博#18
○加藤(大)委員 おはようございます。自由民主党、岐阜四区選出の加藤大博です。
 本日、質問の機会をいただきましたことに感謝を申し上げ、多少脱線するかもしれませんけれども、宮下先生の質問に引き続き、食糧法改正案に関して質問をさせていただきたいと思います。
 今回、初めての質問でありますので、私の出身県でありますとか私の立ち位置みたいなものを説明をさせていただいた後、その立場を御理解いただきながら質問をさせていただきたいなというふうに思っております。
 皆様方は御存じかとは思いますけれども、岐阜県は全国二位の森林県であり、南部の海抜ゼロメートルの平野部から、北部の三千メートル級の山岳地帯を内包する、豊かな自然環境を誇る県であります。
 岐阜四区は、岐阜県の六割弱を占める選挙区で、岐阜県が隣接する七つの県のうち、長野県を除く愛知、三重、滋賀、福井、富山、石川の六県よりも大きな面積を有するとともに、愛知県に隣接する南部の平野部から、富山、石川県と接する北部の山岳地帯までを含む、岐阜県の縮図のような選挙区であります。同時に、北部の飛騨地域から、南部の中濃、可茂と呼ばれる地域まで、広く人口が分散しているのが特徴でもあります。当然、農業の体制も一くくりにすることはできず、それぞれの地域の特性に合わせた営農が行われています。
 私の出身は南部に当たる可茂地域の山間地でありますが、やはり営農の中心は米作であり、その担い手の大部分は高齢者であります。加えて、少なくない営農者が、農業としてではなく、農地を維持するための農作業として営農に関わっている状況をかいま見てまいりました。現在、中東情勢の不安定化により、生産資材の調達に影響が出ていると様々な方面から伺っております。
 今回の食糧法改正は、先般起きた米騒動の反省に基づくものと理解をしています。しかし、そもそも、現在のように先が見通せない状況が、短期間であっても継続するようであれば、高齢者が主体となっている地域では、米作を始めとする営農活動が現在よりも更に縮小することは想像に難くありません。
 私は、耕作放棄地の増大が生産能力の低下につながるという懸念よりも、むしろ、農村地域の生活環境を著しく低下させることに直結していることに大きな問題を感じています。また、近年の環境変動による精米歩留りの低下も、昨今の供給見通しを誤らせた大きな要因でもありました。
 多くの農業者がそもそも商業ベースで営農活動を行っていない以上、作り慣れた品種を今までと同じように作りたいと思うのは必然であり、昨年のような価格高騰があれば別でありますけれども、政府の言う需給バランスのために新しいことにどれだけの方が前向きにチャレンジしていただけるのか、疑問があります。
 市場や消費者に安定的に主食である米穀等を供給していくためには、供給側である農家の生産意欲を高めることがまず必要と思います。食糧法は、安定供給のための流通と備蓄に主眼を置いたものですから、農業振興は所管外とは思いますが、市場への安定供給を担保するという側面、あるいは自給率を高めるという側面から、切り離すことのできない課題だとも思います。
 今回の食糧法の改正案には需要に応じた生産の促進がうたわれていますが、肝腎の営農現場では様々な課題が山積しており、法改正による環境変化に対する不安が多くあることも事実であります。
 そこで、高齢化や過疎化など農業や農村が抱える構造的な課題や、昨今の中東情勢の不安定化など社会的要因が営農活動に与える影響の大きい中山間地域に対して、需要に応じた生産を進めることを旨とするこの食糧法改正案がどのように向き合っていくお考えなのか、お尋ねをいたします。よろしくお願いいたします。
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鈴木憲和#19
○鈴木国務大臣 まず、加藤さんの選挙区は大変中山間地域を抱えておりますけれども、私も一緒でございまして、大変意識は共感するところがあるところであります。
 我が国の食料安全保障を確立する上で、耕作面積や総農家数の約四割を占める中山間地域におきましては、高齢化、過疎化が進む中においても生産者の皆さんにこれからも営農を続けていただくことが極めて重要であるというふうに考えております。これは食料の観点からだけではなくて、やはり地域そのものだというふうに思いますので、その観点で私は大変大事だというふうに考えております。
 今般の食糧法改正案におきましては、政府が責任を持って米の需要を拡大し、それに応じた生産を可能とするため、需要減少を前提とした生産調整方針は廃止をする一方で、政府は、政府自らが米の需要開拓、そして生産性向上など、輸出も含めて、米の生産の持続的な発展を図る施策を講ずることを法律上位置づけております。
 中山間地域における米の生産につきましても、需要がしっかりと拡大をしていけば、作付をして、売り先がある、そして、それで報われるということになりますので、拡大した需要に応じた生産を行っていただくことにより、営農を継続いただけるよう、この食糧法の規定にのっとり、政府として責任を持って取り組んでまいりたいというふうに考えております。
 ちなみに、私も、岐阜のお米は本当においしいというふうに思っております。うちのつや姫にも負けない、龍の瞳とか、そういったものもありますので、それはやはり中山間地域の、温暖化の中で、水が冷たくてという有利な点もあろうかと思いますので、様々な需要に応えていけるような、そんな中山間地域の農業であってほしいというふうに考えております。
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加藤大博#20
○加藤(大)委員 大臣、ありがとうございました。
 同じような境遇の中で、共感をいただいております。ありがとうございます。
 続いて質問させていただきます。
 また、生産の促進に向け、大規模化やスマート農業化が前面に押し出されていますけれども、そもそも営農意欲の低下が大きな課題となっている地域もある中で、全国の様々な状況にある水田や耕作地を有効活用することにつながるのか、疑問を感じています。加えて、今後、一層の人口減少が進む中で、主食としての米穀の需要は基本的に減少していくことが想定されます。
 農地を維持していくためにも、そもそも営農意欲に課題のある地域や条件不利地などにおいても希望を持って生産活動や農村地域の活動を維持できるよう、どのように働きかけていくおつもりなのか、お尋ねをいたします。
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広瀬建#21
○広瀬大臣政務官 お答えいたします。
 農林水産省においては、条件不利などにおける農業生産の継続に向けて、中山間地域等直接支払いを通じて営農を下支えしつつ、農業構造転換集中対策におけるきめ細やかな基盤整備や中山間地域等の現場ニーズを踏まえたスマート農業技術の開発供給、地域特性を生かした高収益作物の導入や有機農業の推進、鳥獣被害防止対策の取組などの支援を行っているところであります。
 また、農村地域の活動の維持に向け、農用地保全活動と地域資源活用、生活支援を一体的に行う農村RMO、農村型地域運営組織の形成等に対する支援を行っているところであります。
 今後とも、総務省など関係府省と連携しつつ、農業生産活動や農村地域の活動が継続されるよう、後押しをしていきたいと思っております。
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加藤大博#22
○加藤(大)委員 ありがとうございました。
 次に、米騒動以降、人口減少が進む中で、多額の税金を導入してまで米を備蓄する必要があるのか、不足分は輸入すればよいという論調の意見を聞くことがあります。
 先進国において人口減少が進む中でも、世界人口は増加の一途をたどっており、グローバル化の中で、食文化も、国柄を問わず多様化しています。近年では、すしを始めとする魚の生食文化の広がりに伴い、日本の回転ずしチェーンなどが、現在のビジネスモデルでは、海外企業との仕入れ競争でまさに競り負ける現実があるとお聞きをしています。海外需要の変動が読めない中で、安易に輸入に依存するわけにはいかないというのは必然であります。
 農業、とりわけ米作は、気候や災害などあらゆる自然現象の影響を受けやすく、備蓄の重要性は明らかです。
 今回の法改正では、今まで国が全責任を持って担っていた備蓄の一部を民間に義務づけるとともに、肩代わりしていただくことになります。この備蓄制度の見直しは、政府備蓄米の放出の困難さの反省からと承知はしておりますが、食料の安全保障を掲げる中で、その責任の一端を手放すことに違和感を覚える方は少なくないと思います。
 そこで、現状の備蓄制度における課題と、それをあえて民間備蓄に置き換えなくてはならない理由について、改めてお尋ねしたいと思います。よろしくお願いします。
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鈴木憲和#23
○鈴木国務大臣 今般の政府備蓄米の売渡しにつきましては、会計法令に基づく入札契約などの手続に時間を要したことに加えて、国から売渡しを受けた後にその商品の質、量に応じ契約を行うなど、売渡しから流通の手続にも時間を要したという課題が明らかになりました。
 このため、備蓄米の機動的放出が可能となるよう、売渡し決定や出荷を日常的に行っている民間事業者の商流を活用することとしたところです。
 一方で、政府備蓄に関する意見交換会などでは、政府備蓄米の倉庫が米の主産地である東北に多く配置をされており、消費地への移送に時間を要したこと、そして、特に随意契約による販売においては、非常に多くの方、これは九百を超える者から申込みをいただいたために、買受け者の要件確認や契約手続、配送手配の個別対応などに時間を要したこと、また、出庫前の品質確認、これに時間を要したといった御意見を受託事業体や物流、倉庫業者などからもいただいたところであります。
 今後、民間備蓄の運用の具体化とともに、政府備蓄についても、これらの反省点を踏まえた運用改善策についてはしっかり検討してまいります。
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加藤大博#24
○加藤(大)委員 ありがとうございます。
 最後に、この法改正によって、政府の備蓄に対する責任や民間の備蓄の放出に対する関与がどのようになるのか、教えていただければというふうに思います。
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山口靖#25
○山口政府参考人 お答え申し上げます。
 国民の主食であります米の安定供給は国の責務であり、食料安全保障の観点から不可欠であることから、供給が不足する場合に備え、改正後も引き続き国として責任を持って備蓄を行うこととしております。
 その上で、機動性を確保する観点から、政府備蓄を補完するものとして民間備蓄を新たに位置づけるものでございますが、その放出につきましては、定期報告などを通じて供給の不足を国が把握した場合に、国が不足している地域や業種を示して、民間の備蓄事業者に対しまして備蓄米の放出を要請するということができるようにしているというところでございまして、民間備蓄が円滑に供給されるよう、民間備蓄事業者の皆様とも意思疎通を図りながら、国として責任を持って対応してまいりたいというふうに考えております。
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加藤大博#26
○加藤(大)委員 ありがとうございました。
 とかく、分かりにくいというか、誤解を招きやすい部分もございますので、丁寧な説明を今後ともお願い申し上げたいというふうに思います。
 米価の高騰により、多くの営農関係者の皆さん方が農業に大きな希望や夢を感じられたのは事実だろうというふうに思っております。地域を支える営農関係者の声や不安に引き続きしっかりと寄り添って応えていただくことで、この法改正が、中山間地を始めとする営農関係者にとって、より大きな希望を持った生産活動と農村地域の維持につながっていくものとなるようにお願いを申し上げ、質問を終わりたいと思います。
 御清聴ありがとうございました。
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藤井比早之#27
○藤井委員長 次に、神谷裕君。
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神谷裕#28
○神谷委員 おはようございます。中道改革連合の神谷裕でございます。
 本日もこのように質問の機会をいただいたこと、各位に御礼を申し上げたいと思います。
 早速、時間もございますので、質問に移らせていただきたいと思います。
 今回、食糧法の改正でございます。この食糧法の改正の法案を拝見をさせていただきました。率直に、最初は、先般あった令和の米騒動、この米騒動に対しての対応策なのかなというふうに思っておりました。ただ、しっかり見てみますと、この米騒動というよりは、その背景にある大きな農政の転換というか、むしろそっちの方が大きいのかなというふうに思っています。
 特に、食料・農業・農村基本法の改正がありました、この際に様々なデータもお示しをいただいたところでございますが、やがて農家の数も減っていく、あるいは農地もどうなるか分からないという中で、需要に応じた生産とは言っておりますけれども、一生懸命生産していただいたとしてもやがて需要に追いつかなくなる懸念があるんじゃないか、そういったことも含めて様々考えた上でのこの食糧法の改正ではないかなというふうには思っております。
 そういった意味においては、この食糧法の改正は大きな大きな政策転換の一つの表れなのかなというふうにも理解をするところでございますけれども、だとするならば、この農政の大転換に当たって農水省さんというか政府がどのように農政を変えていこうと考えているのか、この法律に何が表れているのか、これを私自身は明確にしたいというか、しっかりと確認をしたいという思いで質問をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いをしたい、このように思います。
 まず最初なんですけれども、今回の改正によって、政府は、米穀の需給の均衡を図るための生産調整の円滑な推進、旧第二条が外れることになります。結果として、政府の責任というのは、今後は、米穀の需給の適確な見通しの策定、公表ということになると思うんですけれども、すなわち、これが意味するところは、今後は需要に応じた生産を実施ならしめる責任の主体は生産者であります、国の責任ではありませんといういわば転換を意味するのか、これまでの食糧法は少なくとも国の責任ということを明確に書いていたと思いますが、これが外れることによって、生産者の責任だけですよということになるのか、これについて、大臣の見解を伺いたいと思います。
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鈴木憲和#29
○鈴木国務大臣 米政策につきましては、平成三十年に国から生産数量目標の配分を行わない政策に移行しておりまして、各産地や生産者が主食用米の需要動向等を踏まえて自らの経営判断で生産を行う、需要に応じた生産をこれまでも行ってきているところであります。
 こうした現状を踏まえて、今回の改正においては、米の需要減少を前提とした、米穀の需給の均衡を図るための生産調整の円滑な推進という規定を削除するとともに、現行五条から七条までに定めていた生産調整方針の認定に係る規定を削除し、また、この需要に応じた生産の趣旨や取組を法律に規定をするものであります。
 具体的には、政府は何をやるのかということでありますけれども、需要拡大、輸出促進などの施策を講じつつ、需給見通しを含む基本指針の策定、公表に加えて、必要な情報提供に努めるということ、そして、地方公共団体は需要に応じた生産に資する情報提供に努めること、また、生産者団体の方は需要に応じた生産に関し、必要な助言、協力その他の援助を行うよう努めることとした上で、生産者は需要に応じた生産に主体的に努力することを規定をしております。
 本年も、私自らでありますが、加工用、米粉用、輸出用などの関係実需者団体からどのぐらいの需要が見込めるかということを伺った上で、生産者団体や大規模米生産者の皆さんに需要についての情報を提供し、作付の参考としていただくといった取組を今現在も行っているところであります。
 引き続き、きめ細かい情報提供や産地との意見交換を行うことを通じて、需要に応じた生産を国全体で行っていけるよう推進していきたいというふうに考えております。
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