農林水産委員会

2026-06-02 衆議院 全117発言

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会議録情報#0
令和八年六月二日(火曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 藤井比早之君
   理事 東  国幹君 理事 笹川 博義君
   理事 野中  厚君 理事 平沼正二郎君
   理事 和田 義明君 理事 野間  健君
   理事 原山 大亮君 理事 村岡 敏英君
      石坂  太君    伊東 良孝君
      江藤  拓君    門  寛子君
      加藤 大博君    今  洋佑君
      西條 昌良君    鈴木 拓海君
      俵田 祐児君   中川こういち君
      西田 昭二君    西山 尚利君
      葉梨 康弘君    広瀬  建君
      藤田ひかる君    宮下 一郎君
      簗  和生君    山本  深君
      山本 大地君    庄子 賢一君
      角田 秀穂君    渡辺  創君
      柏倉 祐司君    関 健一郎君
      長友 慎治君    木下 敏之君
      林  拓海君
    …………………………………
   農林水産大臣       鈴木 憲和君
   農林水産副大臣      根本 幸典君
   農林水産大臣政務官    広瀬  建君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房総括審議官)         押切 光弘君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房技術総括審議官)       堺田 輝也君
   政府参考人
   (農林水産省消費・安全局長)           坂  勝浩君
   政府参考人
   (農林水産省農産局長)  山口  靖君
   政府参考人
   (農林水産省畜産局長)  長井 俊彦君
   政府参考人
   (農林水産省経営局長)  小林 大樹君
   政府参考人
   (中小企業庁経営支援部長)            山崎 琢矢君
   農林水産委員会専門員   千葉  諭君
    ―――――――――――――
委員の異動
六月二日
 辞任         補欠選任
  簗  和生君     山本 大地君
同日
 辞任         補欠選任
  山本 大地君     簗  和生君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第四八号)
     ――――◇―――――
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藤井比早之#1
○藤井委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、お手元に配付のとおり、政府参考人の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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藤井比早之#2
○藤井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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藤井比早之#3
○藤井委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。門寛子君。
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門寛子#4
○門委員 自由民主党の門寛子でございます。
 本日は、質疑の機会をいただき、誠にありがとうございます。東京八区、杉並区選出でございまして、農水委員会で唯一の東京選出の衆議員でございます。
 本法律案の目的について確認をさせていただきたいです。
 現行法は、第一条で、需給と価格の安定を並立に規定し、第二条で、生産調整の円滑な推進を国の役割としてきました。これに対して、本法律案では、目的を、主要食糧の需給の安定を図り、及びこれを通じてその価格の安定化を図ると改め、価格の安定を、需給の安定を通じて達成される結果として位置づけし直すことになります。あわせて、米穀価格形成センターに係る規定も廃止されることになっております。
 そこで、お伺いいたします。
 今回の目的改正は、米穀の価格は基本的に市場における需給によって形成されるものであり、政府の役割は需給の安定に向けた環境整備に集中するという、米政策における国家と市場の関係性を立法的に整理し直すものと理解してよろしいか、政府の認識をお伺いいたします。
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鈴木憲和#5
○鈴木国務大臣 御質問ありがとうございます。
 まず、米の価格は、在庫量、生産見通し、販売動向など需給バランスなどを踏まえ、民間の取引環境の中で決まるものであります。この決定プロセスに対して、具体の価格水準を指し示すなど、国が直接的に関与をすることは、民間事業者が自由に取引する環境を損なうこととなり、適当ではありません。
 しかしながら、米につきましては、日常生活で欠かせない主食であり、国民の生活や経済の安定の観点から、需給の安定を図ることを通じて、結果として価格の安定化が図られていくことが重要だというふうに考えております。
 このため、今、門委員からも御指摘がありましたが、この考え方を食糧法改正案で明記をした上で、需給の安定を図るために、需要に応じた生産の推進、そして流通実態の把握の強化、民間備蓄制度の創設などの各般の措置を位置づけることとしております。
 国としては、これらの措置によりまして需給の安定を図ることで、結果として価格の安定化が図られていくという考えでありますので、今、門先生から御指摘のあったとおりであります。
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門寛子#6
○門委員 大臣、ありがとうございます。
 その上で、二点目をお伺いいたします。
 大消費地の議員として申し上げますと、消費者の方々からは非常に素朴な疑問が寄せられております。すなわち、緊急時であればまだしも、平時の価格高騰の局面において、なぜ米は輸入によって低価格米の供給を確保することができないのかという疑問です。
 現に、民間貿易による外国産米の輸入量は、年間需要量の一・五%に相当する九万六千八百三十四トン、前年比で実に約九十五倍に達したとされております。市場のメカニズムに従って、民間輸入は現に動いていると言える状況です。
 その上で、米は主食であり、国家備蓄で対応するたてつけであることは理解いたします。私自身も、かつて経産省において、WTOやEPAなど通商交渉の経験を通じてその背景も触れることになりましたが、改めて、この平時における価格高騰の局面でなぜ輸入による価格抑制という選択肢が取られないのか、市場における需給で価格が形成されるという本法の整理を踏まえた上で、消費者からの素朴な疑問に対する政府の見解を政府にお伺いいたします。
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広瀬建#7
○広瀬大臣政務官 お答えいたします。
 委員がおっしゃられたとおり、米は我が国の主食であって、唯一自給可能な穀物であり、平時から国内需要を輸入米で賄うこととすれば、輸入米が定着して、国内の供給力を低減させる可能性があります。
 このため、食料安全保障の観点から、国内の需要に対しては、その需要に応じて米を生産し、国産米を安定供給することが基本と考えております。
 低価格帯を求める消費者のニーズに対しては、農地の大区画化などの圃場の整備や多収穫品種の導入などによる生産コストの低減に加えて、生産性向上に取り組む産地と実需者の直接取引などの流通の効率化につながる実証的な取組を支援していこうと考えております。
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門寛子#8
○門委員 広瀬政務官、ありがとうございました。
 生産者と消費者の理解が双方に進むように、私自身も努力してまいりたいと思っております。
 続いて、新たに届出義務の対象となる中食、外食事業者の取扱いをお伺いしたいと思います。
 本法律案では、第九条第一項により、現行の出荷、販売事業者に加え、米穀を原材料とする飲食料品の加工、製造、調製、すなわち中食、外食を含む事業者が特定規模以上であれば、届出義務及び第十一条による定期報告の義務の対象になります。特定規模は主務省令で定めるとされており、当面、年間取扱量三百トン以上とする方針と承知しております。
 そこで、特定規模の設定について、二点まとめてお伺いいたします。
 第一に、三百トンという数値の根拠は何でしょうか。なぜ二百とか百、また五百でもなく、三百トンなのでしょうか。
 第二に、特定規模未満の事業者については、本法の下では対象外となりますか。そして、将来的には、報告義務が特定規模未満にも拡大される余地があるのか。
 以上二点について、政府から簡潔に答弁をお願いいたします。
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山口靖#9
○山口政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほどの出荷、販売事業者のトン数の件ですが、これまで五百トン以上の出荷、販売事業者について聞き取りを行っておりました。緊急調査というのを去年の六月に行いまして、その結果、五百トン以上の出荷、販売事業者以外のところに出荷されていた量が全体の半分を占めるということが判明したところでございます。
 このため、今回、定期報告を導入するに当たりまして、出荷、販売事業者の在庫の九五%を把握できる水準として三百トンというのを想定したところでございます。
 また、委員から御指摘がありました特定規模未満の事業者につきましては、定期報告の義務の対象とはなりませんし、現時点で、将来的に報告義務を拡大する必要があるとは考えておりません。
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門寛子#10
○門委員 ありがとうございました。
 続いて、新たに報告対象となる事業者の負担とその支援策についてお伺いいたします。
 定期報告義務化の趣旨は理解するところでございますが、中食、外食事業者さんたちにとっては、新たな義務の履行に実務上の対応が必要となります。参考人からのヒアリングでもそうした指摘があったかと記憶しております。
 そこで、政府にお伺いします。
 定期報告義務の履行を契機として、在庫管理システムの導入や既存のシステムの改修など、新たに設備投資が必要となる事業者はいるのでしょうか。また、中食、外食事業者には中小企業が多く含まれるところ、こうした事業者に対して、既存の中小企業支援ツールを活用した支援策の検討状況はいかがでしょうか。中小企業庁との連携も含めて、政府のお考えをお伺いいたします。
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山口靖#11
○山口政府参考人 お答え申し上げます。
 食糧法の改正によります新たな届出、定期報告の提出方法につきましては、スマートフォン、パソコンなどを利用し、eMAFF申請による統一的なフォームを活用するなど、電子申請を導入することとし、現在、農林水産省で環境整備を行っているところでございます。これにより、インターネットが利用できる環境があれば、どの事業者でも活用できるものとなると想定しております。また、電子申請による報告が難しい事業者にも配慮し、紙による報告にも引き続き対応していく考えでございます。
 こうしたことから、届出、定期報告の対象事業者となっても、基本的に新しい設備投資が必要となるとは考えておりませんが、ただ、委員がおっしゃっているとおり、これに伴って、企業内部での情報の集約化のためにシステム整備が新たに必要になる、そういったケースも考えられるところでございます。このような場合には、各補助金の趣旨に合致する場合、委員御指摘のように、中小企業庁による支援施策の活用も可能と考えられるため、中小企業庁の御協力をいただきながら、丁寧に対応してまいりたいと考えております。
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門寛子#12
○門委員 ありがとうございました。
 中小企業庁との連携も含めた政府の対応方針、承知いたしました。
 それでは、中小企業庁にお伺いをいたします。
 ただいま農林水産省から、中小企業庁との連携を含む答弁がございました。中食、外食産業は、現状、原材料価格の高騰、人手不足、エネルギーコストの上昇など、経営環境が一段と厳しさを増しております。さらに、今回、本法律案によって、新たに届出義務や定期報告義務が課されることにもなります。そうした実務的、財務的な負担もあり得るということだと思っております。
 そこで、中小企業庁にお伺いをいたします。
 中食、外食産業を取り巻く経営環境が厳しさを増す中で、中小企業庁として、同産業を担う中小企業に対して、経営力の強化に向けた支援策をどのように実施をしているのでしょうか。また、既存の補助金などによるDX投資支援、中小企業等経営強化法に基づく経営力向上計画による特化した支援策の有無、そして、改めて、中小企業庁側から見た農水省との連携の状況について、見解をお伺いいたします。
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山崎琢矢#13
○山崎政府参考人 お答え申し上げます。
 今委員御指摘のとおり、中食、外食産業も含めました中小企業を取り巻く環境につきましては、昨今の中東情勢、さらには人手不足、こういったものの影響によりまして厳しさを増しておりまして、これを乗り越えるためには、経営力強化、こういったことも含めまして、中小企業の稼ぐ力を高めて、強い中小企業への行動変容を促していくことが重要であるというふうに考えてございます。
 このため、経済産業省、中小企業庁では、現在、労働供給制約社会における中堅・中小企業の稼ぐ力強化戦略というものの策定を進めておりまして、価格転嫁、取引適正化の徹底、さらには成長投資、AX、省力化支援、さらにはMアンドA、事業承継による事業再編、そういった施策を総動員をして対応しているところでございます。
 委員の御指摘にありましたように、その中で、DX、さらにはAX、AIトランスフォーメーションへの投資を通じて新たな挑戦を行う事業者への支援、先ほど御指摘のありました今回の法律の対象になるような届出事業者にも当てはまると考えますが、そういった支援、さらには商工会、商工会議所、よろず支援拠点、こういったところによる伴走支援の強化を行っているところでございます。
 さらには、委員も御指摘いただきましたけれども、中食、外食産業につきましては、中小企業等経営強化法というものがございまして、その中で、農水省、厚生労働省におきまして、外食・中食産業に係る経営力向上に関する指針というものを定めておられます。この指針に基づきまして、計画認定をされた事業者に対しまして、金融支援、資金繰り支援や、さらに税制の支援、そういったようなものの各種支援措置を講じているところでございます。
 経済産業省としましては、中食、外食産業を含めた中小企業の稼ぐ力の強化に向けた取組を、農林水産省とも連携しながら、全力で取り組んでまいりたいと考えてございます。
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門寛子#14
○門委員 ありがとうございました。
 中食、外食産業は、改正案における需要に応じた生産を支える重要な産業でございます。今回新たに届出義務を負う中小事業者に対しては、政府として、農林水産省だけではなく、中小企業庁など他省庁とも連携しつつ、支援ツールを最大限活用し、きめ細やかな支援策をお願い申し上げます。
 私も、消費地の人間として、しっかりと生産者をつなぐ役割をさせていただきたいと思っておりますので、引き続き頑張ってまいります。
 本日は、誠にありがとうございました。
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藤井比早之#15
○藤井委員長 次に、角田秀穂君。
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角田秀穂#16
○角田委員 中道改革連合の角田秀穂でございます。
 本日も質問の機会をいただき、大変にありがとうございます。
 早速質問に入らせていただきたいと思います。
 今回の食糧法改正の一つの大きなポイントは、政府が需要の拡大に責任を持って取り組む、それによって、拡大した需要に基づいて、生産者は主体的な判断で生産に取り組めるようにすることにあると思います。これまで右肩下がりの需要のトレンドに沿って、結果として生産を抑制する政策を転換して、政府が前面に立って新たな需要開拓、輸出の促進などによって、需要を右肩下がりから右肩上がりに押し上げます、ですから、生産者の皆さんは安心して生産に取り組んでください、右肩上がりの需要に沿って米の生産に取り組むことによって持続的な発展を図るようにするという、政府の役割の転換にあると思います。
 ただ、これまでの議論を聞いていても、持続的な発展の鍵となる需要拡大への政府の覚悟というものがなかなか伝わってまいりません。需要の拡大が進まず、結果として米の需給のバランスが崩れてしまうことになっては、将来にわたって持続可能な食料生産もおぼつかなくなってしまいます。
 今回の法改正によって、国民生活と国民経済の安定を確保する、そのための政府の責任はより重いものになると考えますが、今回の法改正による政府の役割と責任がこれまでとどのように変わると考えているのか、農水大臣の見解をお伺いいたします。
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鈴木憲和#17
○鈴木国務大臣 御質問ありがとうございます。
 食料安全保障の確保は国の責任であります。とりわけ、我が国の主食である米については、国が責任を持って需給の安定を図ることが必要不可欠でありまして、この点は、今般の法改正でも何ら変わるものではございません。
 特に、一昨年来の、農林水産省の判断ミスでスーパーの棚に米が並ばないという事態が生じましたが、こうした事態はもう二度と生じさせないという意味で、農林水産省の責任はより重くなったというふうに私としては考えております。
 平成三十年に国が生産数量目標の配分を行わない政策に移行して以来、生産者が自らの経営判断で需要に応じた生産を行っている実態を踏まえまして、今般の改正案では、国による生産調整を定めた条項は削除しました。
 一方で、引き続き、需給見通しの作成など政府が講ずる措置を基本方針に規定するとともに、新たに改正法の第五条第四項を新設をし、今先生からも御指摘がありましたが、政府の責任として、需要開拓、輸出促進、生産性向上などの施策を講ずる旨を明記をしたところであります。
 政府としては、生産者が主体的に需要に応じた生産を円滑に進めていくことができるよう、今般の改正法案に基づく各施策について責任を持って取り組んでいく覚悟であります。生産者に責任を押しつけるという考えも全くございません。
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角田秀穂#18
○角田委員 国が前面に立って拡大する需要について、食料・農業・農村基本計画で掲げた米の生産量、令和五年度、二〇二三年度の七百九十一万トンから二〇三〇年度に八百十八万トンに増加させるとしておりますが、この二〇三〇年度八百十八万トンという数量が、政府が前面に立って達成をする需要量という理解でよいのか、確認のためにお伺いしたいと思います。
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山口靖#19
○山口政府参考人 委員御指摘のとおりでございます。
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角田秀穂#20
○角田委員 その目標の達成に向けて、供給に見合った需要を、いつまでに何をどれだけ増やすのかということが示されなければ、生産者も、先を見通して腰を据えて生産に取り組むこともできません。目標達成に向けて、できる限り詳細なロードマップを示すべきと考えますが、この点について見解を伺いたいと思います。
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根本幸典#21
○根本副大臣 お答え申し上げます。
 昨年四月に作成いたしました食料・農業・農村基本計画においては、二〇三〇年の米の生産量を、二〇二三年の七百九十一万トンから八百十八万トンに増大する目標を掲げたところであります。
 このために、消費者や中食、外食ニーズ等に対応した多様な価格帯の米の供給を支援する、そして、輸出におきまして、日系に加え、現地系スーパーやレストランなどの新たな販路を開拓する、さらには、グルテンフリーの米粉、米加工品など付加価値を持つ商品のプロモーション強化などにより、米の新たな需要を開拓していくということを考えているところであります。
 また、昨年十二月に、鈴木大臣のイニシアチブによりまして農林水産省内に設置しました日本の農林水産行政の戦略本部の米需要創造ワーキンググループにおきまして、業務用米などの安定供給や米粉の喫食機会の増加など、米の新たな需要開拓のための方策について取りまとめをしているところであります。
 あわせて、農地の大区画化などの基盤整備、それから多収品種の開発普及、スマート農業の導入など、生産コストの低減を進めていくこととしておりまして、これらを通じまして、基本計画に位置づけた目標の達成に向けて取り組んでいく、このように考えているところであります。
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角田秀穂#22
○角田委員 需要に基づく生産といっても、需要も生産も多くの変動要因がある中で、需給をバランスさせるということは極めて難しいことであると思います。
 需要の増加と生産の減少を見誤った上に、流通の実態を把握できなかった結果生じたいわゆる令和の米騒動と言われる混乱を再び招かないために、生産量や流通状況把握などの精緻化を図ることとしていますけれども、需給バランスが崩れた場合、需要に対して消費の現場への供給が下回った場合に迅速に対応するための備えとしては、今回新たに民間備蓄制度の創設を掲げていますが、一方で、政府の需要拡大の努力にもかかわらず、需要が伸びずに供給が過多になった場合の手当てについては、今回の法改正には盛り込まれておりません。
 需給がだぶついた場合は周年供給事業等で対応するとの説明ですけれども、この事業だけで果たして十分に機能するのか、政府の責任を十分に果たせると考えているのか、この点について見解をお伺いしたいと思います。
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鈴木憲和#23
○鈴木国務大臣 お答え申し上げます。
 まず、市場の需給動向、これを踏まえまして米の価格というのが形成されてくるわけですが、我々としては、生産者による再生産を確保するということが極めて重要というふうに考えております。
 まずは、本年四月の食料システム法の施行を受けまして公表された米のコスト指標は、生産から販売に至る各段階のコストを明確にし、コスト割れでの供給を抑止しようとするものであります。関係者の間で協議に応じないなどの事案が確認された場合は、食料システム法に基づき、指導助言や改善に向けた勧告を行うなど、取引の適正化にしっかりと取り組んでまいります。
 また、価格の乱高下を防ぐには、やはり需給見通しの精度を向上させ、需給の安定を図ることが重要であります。このため、まずは、昨年九月から、需給見通しをマイナストレンドによるのではなく、直近の消費動向等に基づき算定をし、毎月の需給動向を踏まえ逐次見直しを行っているほか、流通実態の把握を強化するため、本改正案の中で、加工、中食、外食事業者を届出対象に追加すること、そしてまた、民間事業者に対しては、在庫数量や取引数量の定期報告を義務づけるなどの措置を規定しているところであります。
 さらに、今の角田先生からの御指摘は、生産者の経営安定ということだというふうに思いますが、この経営安定対策については、既に米穀の周年供給・需要拡大支援事業を行っておりますし、また、収入保険やナラシ対策などのセーフティーネット対策も講じているところであります。令和九年度以降の水田政策の見直しの中でも、現場の声をよくお伺いをしながら、経営安定のための具体的な施策の在り方についてはしっかりと検討させていただきます。
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角田秀穂#24
○角田委員 経営の安定に対する方策については、しっかりと現場の声を踏まえながら検討していただきたいことを要望させていただきたいと思います。
 以下、需要拡大について具体的に伺っていきます。
 まず、輸出についてです。
 食料・農業・農村基本計画では、二十七万トン増加させる生産量のうち、輸出を、二〇二三年実績の八倍近い、約三十万トン増の三十五万トンとしておりますが、国際競争力を高めるためにも、今以上のコストの削減が求められると思います。
 コスト削減の方向としては、主に耕地の大規模化と単位当たりの収量の向上、この二つの方向が考えられますが、大規模化には相当の時間と資金が必要となります。
 規模拡大について、基本計画では、大規模輸出に取り組む輸出産地を三十産地形成して、そこからの輸出が輸出全体の過半以上を占める姿を実現するとしていますが、これをどのように達成していくのか、具体的な生産目標と達成への具体的なスケジュールを示していただきたいと思います。
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山口靖#25
○山口政府参考人 お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、海外での米輸出を更に拡大していくためには、海外市場の求める数量、価格への対応が必要でございます。そのために、米の生産コストの低減が大きな課題になっていると認識しております。
 昨年四月に策定いたしました食料・農業・農村基本計画におきましては、二〇三〇年までに、十五ヘクタール以上の経営体で六十キロ当たり九千五百円の目標まで生産コストを低減していくこととしておりまして、このために、農地の大区画化などの基盤整備、多収品種の開発普及、スマート農業の導入を進めることとしております。こうした取組を進めて、低コストで生産できる大規模輸出産地を三十産地形成することとしているところでございます。
 現在でございますが、大規模輸出産地を育成するために、年間千トン以上の輸出を行っている大規模輸出産地をフラッグシップ輸出産地として認定し、支援を行う仕組みがございます。この中で、輸出量が年間千トン以上になっている産地が十四産地、これに続く年間九百トン以上輸出を行っている産地も四産地育成されてきております。農林水産省といたしましては、こうした産地に対する海外実需者とのマッチング等を更に支援するとともに、大規模輸出産地のノウハウをほかの輸出産地にも横展開してまいりたいというふうに考えております。
 食料・農業・農村基本計画につきましては、目標やKPIの達成状況を毎年検証することとされておりまして、委員の御指摘なども踏まえながら、この検証の中で、大規模輸出産地形成の進捗管理についても適切に行ってまいりたいと考えております。
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角田秀穂#26
○角田委員 十年以上前から輸出に取り組み始め、現在は生産量の六割を輸出に仕向けている農業生産法人に伺った際、ここでは、ロボットトラクターであるとかアイガモロボット、ドローンなどスマート技術の積極的な導入や肥料の削減など、工夫を重ねてコスト削減に取り組んでいますが、カリフォルニアでは、その農場のあるところ、ここの土地改良区と同規模の一千三百ヘクタールの土地を五十五人のスタッフで耕作をしているけれども、こちらの土地改良区は地権者が三千人だ、スマート農業を進めるにも、土地改良をもう一回やらなければ効率が悪い、地権者に負担がかからないような施策も必要だと語っておられました。
 経営規模の拡大を図る上で、地代を含めた地権者との交渉が大きな課題との声があります。農地バンクが間に入ってはいるものの、個々の地権者との交渉は農業者が行わなければならないことが集約化のネックとなっております。こうした隘路を解消するために、地域によっては、県、市、土地改良区による支援体制を組んで地権者との交渉に当たったり、地区の賃借料を統一するなどして集約化を進めている事例もあります。
 コスト削減に資する規模の拡大がより円滑に進むように、地権者との交渉を始めとした農業者への支援を国としても強力に進める必要があると考えますが、この点について見解を伺いたいと思います。
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根本幸典#27
○根本副大臣 お答え申し上げます。
 農地の集約化を進めようとする場合に、農業者と地権者の個別の交渉だけに委ねようとすれば、合意形成に至るまでの担い手の負担も大きく、農地の利用調整がなかなか前に進まないといった課題に直面することが多いというふうに認識をしております。
 このため、地域関係者の話合いに基づき、将来の農地利用の姿を明確化した地域計画の策定を進めてきたところであり、農地の利用調整について、個別の交渉だけでなく地域ぐるみで行うことで、農地の集約化を進めることとしております。
 地域計画における合意形成については、市町村が中心となって進めていくものでありますが、現場の農地の利用調整を担う農業委員会、農地の権利設定などを担う農地バンク、市町村などのサポートを担う都道府県といった関係機関がそれぞれの役割をしっかり果たしながら、連携して取り組んでいくことが必要であるというふうに考えております。
 農林水産省といたしましては、こうした現場活動の推進体制を強化するため、引き続き農業委員会の活動を支援するほか、令和八年度から新たに、農協や土地改良区などの協力団体や、市町村をサポートする都道府県の活動への支援を実施しているところであり、今後とも、課題を抱える地域に職員が直接出向き、都道府県や農地バンクとも連携しながら、現場の課題解決に向けて支援をしてまいりたい、このように考えております。
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角田秀穂#28
○角田委員 この点は国もしっかりと支援を講じていただきたい、これを要望をさせていただきたいと思います。
 コスト削減の方向として、短期的には単収の増大がやはり現実的な取組であろうと考えます。日本はその余地がまだまだあるというふうにも考えております。
 一九七〇年代後半は、カリフォルニアと日本の平均単収は五百キロ程度で、ほぼ同じ水準だったものが、それ以降、日本は、減反、生産調整の政策の下で、増産につながる多収化には余り目が向けられてこなかったということもあって、ほぼ横ばいで推移してきたのに対して、カリフォルニアは大きく伸ばして、現在は二百キロから三百キロの開きがあります。
 加えて、気候変動の影響などにより、特に九州を始め西日本を中心に稲作の生産力が低下してきている状況にも対応していく必要があります。各地で取組が広がりつつある再生二期作や高温耐性、多収品種開発、栽培技術などにより積極的に取り組む必要があると考えますが、今後どのように取組を進めていくのか、この点について見解をお伺いしたいと思います。
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広瀬建#29
○広瀬大臣政務官 御指摘のとおり、米の生産コスト削減には、コスト全体を削減することが可能な単収の向上は重要であり、令和七年に策定された食料・農業・農村基本計画において、二〇二三年の十アール当たり五百三十五キロから二〇三〇年までに五百七十キロとする目標を設定しているところです。
 このため、農林水産省では、多収性、高温耐性品種の開発普及、センシング技術を活用した適正施肥などを可能とするスマート農業技術の導入などを令和七年度からの農業構造転換集中対策において推進するとともに、再生二期作といった技術の普及に向け、現場での検証のための予算を措置したところであります。
 さらに、高温耐性品種などの開発や普及を後押しするため、気候変動等対応品種法案を今国会に提出したところであります。
 こうした取組によって、稲作の生産コストを着実に低減させていきたいと考えています。
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