外務委員会

2026-04-15 衆議院 全119発言

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会議録情報#0
令和八年四月十五日(水曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 國場幸之助君
   理事 石橋林太郎君 理事 小田原 潔君
   理事 高木  啓君 理事 穂坂  泰君
   理事 星野 剛士君 理事 近藤 和也君
   理事 青柳 仁士君 理事 深作ヘスス君
      伊藤  聡君    今岡  植君
      岩屋  毅君  英利アルフィヤ君
      大西 洋平君    小渕 優子君
      川松真一朗君    島田 智明君
      新藤 義孝君    中曽根康隆君
      西銘恒三郎君    東田 淳平君
      前川  恵君    松島みどり君
      森原紀代子君    山田 基靖君
      金城 泰邦君    原田 直樹君
      横田 光弘君    鍋島 勢理君
      木下 敏之君    土橋 章宏君
    …………………………………
   外務大臣         茂木 敏充君
   外務大臣政務官    英利アルフィヤ君
   外務大臣政務官      大西 洋平君
   外務大臣政務官      島田 智明君
   厚生労働大臣政務官    栗原  渉君
   防衛大臣政務官      吉田 真次君
   政府参考人
   (外務省大臣官房審議官) 松本 恭典君
   政府参考人
   (外務省大臣官房審議官) 野村 恒成君
   政府参考人
   (外務省大臣官房審議官) 渡邊  滋君
   政府参考人
   (外務省大臣官房参事官) 門脇 仁一君
   政府参考人
   (外務省大臣官房参事官) 北郷 恭子君
   政府参考人
   (外務省北米局長)    熊谷 直樹君
   政府参考人
   (外務省中東アフリカ局長)            岩本 桂一君
   政府参考人
   (外務省国際協力局長)  今福 孝男君
   政府参考人
   (防衛省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官)           吉野 幸治君
   政府参考人
   (防衛省大臣官房審議官) 伊藤 哲也君
   政府参考人
   (防衛省大臣官房審議官) 寺田 広紀君
   政府参考人
   (防衛装備庁装備政策部長)            小杉 裕一君
   外務委員会専門員     山本 浩慎君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月十五日
 辞任         補欠選任
  中曽根康隆君     森原紀代子君
  佐々木真琴君     鍋島 勢理君
  宇佐美 登君     土橋 章宏君
同日
 辞任         補欠選任
  森原紀代子君     中曽根康隆君
  鍋島 勢理君     佐々木真琴君
  土橋 章宏君     宇佐美 登君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 国際情勢に関する件
     ――――◇―――――
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國場幸之助#1
○國場委員長 これより会議を開きます。
 国際情勢に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付のとおり、外務省大臣官房審議官松本恭典君外十一名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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國場幸之助#2
○國場委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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國場幸之助#3
○國場委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。西銘恒三郎君。
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西
西銘恒三郎#4
○西銘委員 今、世界の人々が、イラン戦争の停戦合意から終戦合意に達することを強く強く望んでいると思います。私もその一人であります。毎日、報道で、関係者の発言に非常にぴりぴりと神経をとがらせているような状況が続いております。
 四月の八日に、二週間の停戦合意が成立をいたしました。このことを高く評価するものであります。二週間といいますと四月の二十二日までかと思っておるのでありますが、御案内のように、アメリカとイランの合意を期待をしておりますが、現実、大変厳しいものもあります。
 そこで、政府参考人にお伺いをしたいのでありますが、私は、ポイントは二つあるのかなと見ております。
 一つは、高市総理が言われた、国際公共財、国際海峡として、ホルムズ海峡の自由で安全な通航が確保されているのかどうか、現時点での政府の認識。そしてもう一点は、イランに核兵器を持たせない。ウラン濃縮問題の技術的なことはさておきまして、イランに核兵器を持たせない。
 この二つが大きなポイントになるのかなと思っておりますが、我が国政府の立ち位置を含めて、この二点について、現時点での政府の御認識をお伺いしたいと思います。
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岩本桂一#5
○岩本政府参考人 ただいま委員から御指摘もありましたとおり、まず、ホルムズ海峡における自由で安全な航行の確保、これは非常に重要なことだと考えております。
 そして、先ほども御指摘ありましたとおり、日本としましても、ホルムズ海峡は世界の物流の要衝であって国際公共財である、こういった立場を、世界の各国と認識を共有するよう努めてきておるところでございます。
 そして、具体的には、ホルムズ海峡をめぐる状況は日々変化をしておりますので、これを注視しつつ、日本関係船舶を含む全ての国の船舶が同海峡を一刻も早く安全に、そして自由に航行できるよう、イラン、そして関係国にも、一貫して働きかけを続けてきているところでございます。
 そして、二点目の核兵器の問題ですが、これは、イランによる核兵器開発は決して許されないというのが我が国の一貫した立場でございます。そして、この立場に基づいて、我が国としましては、国際社会と緊密に連携しながら、イランに対して、米国との協議、そしてIAEAとの完全な協力の再開を求めてきたところでございますし、これからも、この立場に基づいて、しっかりとした外交努力を続けていきたいと考えております。
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西
西銘恒三郎#6
○西銘委員 政府参考人に併せて伺いますが、イランがホルムズ海峡で通航料を取るということなども、もってのほかだという御認識でよろしいかどうか、お伺いします。
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岩本桂一#7
○岩本政府参考人 御指摘のとおり、通航料を取るかどうか、ここについては、現時点で様々な情報が錯綜している状況でございますが、日本としては、ただいま申し上げましたとおり、ホルムズ海峡は自由に通航することが適切であるという立場でございますので、通航料が取られるということはあってはならないと考えております。
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西
西銘恒三郎#8
○西銘委員 私は、このイラン戦争の長期化は、戦後、我が国最大の国難にもなり得るものと非常に危惧をしております。
 その意味で、首脳会談の実現には、茂木外務大臣、水面下でのいろいろな交渉があろうかと思いますが、どこまでお話しできるかは別にして、可能な限り大臣の認識で御発言していただきたいのでありますが、私は、高市総理大臣がそれぞれの国々と首脳会談を是非してほしい。そのためには、茂木外務大臣が、例えばアメリカが抜けたTPP11のときに十一か国で合意にまとめたようなことを、私は個人的にも高く評価をしております。茂木外務大臣のこれまでの豊かな経験と実績を通じて、このイラン戦争が勃発してから、停戦合意を含めて、これまでの期間に外務大臣が取ってきた行動、なかなか国民には見えにくいと思いますので、水面下での、各国、世界中の国々との外務大臣との交渉を含めて、お話しできる点を国民に分かりやすく、今後のことも含めて御説明、お話しいただけたらと思いますので、よろしくお願いをいたします。
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茂木敏充#9
○茂木国務大臣 ありがとうございます。
 日本として、二月二十八日に事態が発生して以来、関係国、仲介国、湾岸諸国、G7各国等と協議を重ねてきております。私自身、電話を含めまして、約三十回の外相会談を行ってまいりました。
 特に、イランに対しては、長年にわたる関係も生かして、私自身、アラグチ外相と、事態発生以来三回にわたり電話会談を行いました。こうした機会に、ホルムズ海峡における航行の安全を含めて、話合いによる事態の早期鎮静化に向けた働きかけを行っているところであります。
 こういった中で、イランが例えば湾岸諸国を攻撃する、また、国際公共財でありますホルムズ海峡を実質的に閉鎖をする、こういうことはイラン自身が国際社会から孤立してしまう、そういうことは絶対に避けた方がいい、こういったことでも説得をしているところであります。
 また、私自身、先月のG7外相会談においても、G7を含みます関係国と引き続き緊密に意思疎通していくことを確認いたしました。
 さらに、様々共同声明も出しておりまして、三月十九日のホルムズ海峡に関する首脳共同声明であったりとか、四月八日の米、イランの停戦合意発表を歓迎する首脳共同声明の発出を含めて、日本として国際社会と連携してこの問題に取り組む、こういったことも行ってきているところであります。
 その上で、今最も重要なことは、ホルムズ海峡の航行の安全確保を含めて事態の鎮静化、さらには中東地域の平和と安定の実現が実際に図られることであります。
 四十七年ぶりに、パキスタン等の仲介もありまして、イスラマバードにおきまして、米、イランの直接の協議が行われたわけでありますが、米国とイランの間にはまだ幾つかの点で隔たりがあるわけでありますが、決して、決裂をした、こういうことではないと考えておりまして、今後、再会談、話合いを通じて最終的な合意に至ること、これを期待しております。
 日本としては、仲介国の外交努力、私も、パキスタンそしてトルコ、サウジアラビア、エジプト、仲介に当たった四か国それぞれの外相とも電話会談を行っておりますが、こういった仲介国の外交努力を後押ししつつ、引き続き、あらゆる外交的な取組を継続していきたい、こんなふうに考えております。
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西
西銘恒三郎#10
○西銘委員 外務大臣の水面下での御努力を高く評価をしたいと思います。
 そこで、一点、外務大臣。私は、外務大臣の政治経験、あるいは豊富な人脈、これまでの積み上げ、アメリカの国務大臣、ルビオ国務大臣であったり、今、我が国が中国との関係で非常に厳しい状況になっているときだからこそ、中国の外務大臣よりも、私は茂木外務大臣の経験の方が重たいと思っております。その辺のところも含めて、可能な限り、この中東のイラン戦争を停戦から合意に至らせるために、水面下で大いに努力をしていただきたい。特に、アメリカと中国の間に立って動けるのは、私は茂木大臣以外にいないと思っておりますので、こういう中国との関係が厳しい時期ではありますが、外務大臣の人脈、あるいはこれまでの友情も含めて、大いに力を発揮していただきたいと思います。
 更問いで申し訳ありませんが、外務大臣の意気込みを是非聞かせてください。
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茂木敏充#11
○茂木国務大臣 例えば、先ほど申し上げたイランのアラグチ外相は、日本の大使も務めておりましたし、以前は、特使として日本に訪問する、そういったときも直接お会いしていろいろな話をしておりますので、率直に話ができる関係でもありますし、ルビオ国務長官とも何度もお会いをしているところであります。中国の王毅外相とも、私も何度も会っております。
 今、米中関係がどうなるか、このことについては短期的な問題、貿易の問題であったりとかありますが、一方で、我が国をめぐる安全保障環境を考えたときに、中国の力又は威圧による一方的な現状変更の試み、こういったものは阻止しなければいけないと思っておりますし、中国が不透明な形で軍事力を大幅に増強しようとしている、こういう課題もある中で、長期的には、様々な、例えば経済安全保障問題も含めて、中国が最大の挑戦者になってくる、こういったことも事実だと思っております。
 その上で、日本としては、中国は重要な隣国でありまして、関係もあるわけであります。また、隣国であるからいろいろな意味で課題や懸案も存在するわけでありまして、これを解決するためには意思疎通をしっかりと続けていく必要があると考えておりまして、日本としては、あらゆるレベルの協議についてオープンである、こういった姿勢を示しながら、中国との関係もしっかりとマネージをしていきたい、こんなふうに考えております。
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西
西銘恒三郎#12
○西銘委員 ありがとうございます。大いに期待をしたいと思います。
 一つ質問を飛ばします。
 中国の共産党主席と台湾の野党の鄭麗文主席が会談をいたしました。
 実は、一月に鄭麗文国民党主席と会う機会があったのでありますが、私の個人的な感想としましては、百八十センチぐらいある大柄な方で、非常に、ワッハッハッハと大きく笑うような、豪放な印象を受けました。
 一方の習近平国家主席は、福建省の省長の頃に沖縄県に来ております。また、福建省の党書記、総書記としても来ております。稲嶺元県知事の言葉をかりますと、非常に寡黙で大物然としていたというのが稲嶺元県知事の評価であります。
 この二人の会談が米中首脳会談の前に行われたという点を、どう読み取ればいいのか。台湾の自由と民主主義がなくならなければいいがなというふうに私は個人的には思っておるのでありますが、対話をすること自体はいいことと思っておりますが、茂木外務大臣はこの辺をどう解釈、認識されておりますか。お伺いいたします。
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茂木敏充#13
○茂木国務大臣 習近平国家総書記、確かに西銘委員おっしゃるように、寡黙といいますか冷静でありますけれども、直接お会いしても、核心的な問題、こうなりますと、かなり雄弁なところもあるのも事実であります。
 御指摘のように、習近平総書記と鄭麗文国民党主席の会談が行われた、このことは承知しております。その逐一について政府としてコメントすることは差し控えたいと思いますが、台湾をめぐる情勢について、関心を持って注視をしているところであります。
 その上で、台湾海峡の平和と安定、これは我が国のみならず国際社会全体にとっても重要な問題だ、こんなふうに考えているところであります。
 今のホルムズ海峡の問題だけでなくても、いかにシーレーン、こういったものをしっかり確保しておくかということは極めて重要な問題だ、こんなふうにも考えておりまして、台湾をめぐる問題、これが対話によって平和的に解決される、このことを期待するというのが我が国の従来からの一貫した立場であります。
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西
西銘恒三郎#14
○西銘委員 ありがとうございました。外務大臣、大いに期待しております。
 ありがとうございました。
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國場幸之助#15
○國場委員長 次に、原田直樹君。
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原田直樹#16
○原田委員 おはようございます。中道改革連合の原田直樹です。
 本日も質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 私は、現在、中道改革連合に所属しておりますが、本年一月までは公明党に所属をしておりました。公明党は、六十年以上にわたり、一貫して平和外交を重視してまいりました。命を守る政治、対話で平和をつくる外交、そして人間の安全保障を軸にした国際協力、そうした公明党が六十年以上にわたって培ってきたこの問題意識を中道改革連合として引き継ぐ立場から、本日は質問をいたします。
 今、世界は大きく揺れています。戦争があります。核の脅威があります。気候変動もあります。そして、AIのような新しい技術が、日々、物すごい速さで進歩をしております。
 今この委員室にいらっしゃる外務委員の皆様、政府関係者の皆様、そして、中継を御覧になっている国民の皆様、日常のお仕事や生活の中でAIは使われておりますでしょうか。
 私自身は、お恥ずかしながら、割と最近までちょっと苦手意識がありまして、余りAIをうまく使いこなせておりませんでした。しかし、最近は少しずつ慣れてまいりまして、例えば、会議に出れば自動で議事録を作ってもらったり、情報を調査して、整理して、場合によっては資料を作ってくれたりと、非常に便利になってきているなと思います。しかし一方で、進歩はしているものの、まだまだミスはあるなということを感じています。ちょっと誤りがあるということで、従来、苦手意識があったわけでありますけれども。
 こうした、進歩はしているものの、まだまだ誤りやミスが発生をする技術を、軍事利用、つまり人の命を奪う、生き死にに関わるような判断にまで入り込ませてよいのか。この点についてはしっかりと考えなければならないと私は思います。
 公明党が昨年五月に策定をした、平和創出ビジョンという提言集がございます。この平和創出ビジョンの中でも、この問題は重く受け止められております。AIの軍事利用をどう規制するのか、そして、今日はもう一つの論点、学校や教育を戦火からどう守るのか。それがまさに本日取り上げるテーマそのものでございます。
 今般のイラン情勢に関連して、報道によれば、イランの女子小学校が米軍による攻撃を受け、多くの児童や教職員が犠牲になったとされております。百七十五人もの罪のない方々が亡くなられたと報道で承知をしております。さらに、一部の報道では、その攻撃の標的の選定や攻撃判断の過程でAIを活用した支援ツールが関わっていた可能性も指摘をされております。つまり、小学校を攻撃をしようとして攻撃をしたのではなくて、AIによる誤爆であったということが報道されております。
 この点については、アメリカの当局からAIによる誤爆であったという公式な発表はありませんし、今、国連の人権理事会が調査をしている最中であると承知をしておりますので、断定をすることは難しいのかなとは思いますけれども、報道等を見ている限りでは、かなりその蓋然性は高いのではないかと私は理解をしております。
 もし、こうした一連のことが事実であれば、問題は極めて深刻であります。AIの軍事利用の危うさが、学校という最も守られるべき場所への被害として表れたことになります。
 そこで、本日は、AIの軍事利用規制、そして学校保護宣言、この二点についてお伺いをいたします。
 皆様のお手元に、AIの軍事利用に関する用語ということで、簡単な資料を配付をさせていただきました。少し専門用語が多くなってまいりますので、皆様は適宜御参照いただきながら、また、私もなるべくかみ砕いて説明をしながら質疑を行わせていただきたいと思います。
 今回の事案のように、学校が攻撃を受ける、しかもその過程でAIの関与が疑われる、これは、国際人道法の観点から見ても極めて重大であります。学校というのは、ただの建物ではありません。子供たちが学び、育ち、未来をつくっていく場所であります。それが壊されるということは、命だけではなく、国や社会の将来まで壊されるということであります。
 そこで、お伺いいたします。
 政府は、イランにおける女子小学校への攻撃事案について、どのような事実関係を把握しているのか。また、一部報道で指摘をされているAI支援ツールの関与の可能性について、どのように受け止めておられるのか。茂木外務大臣にお伺いいたします。
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岩本桂一#17
○岩本政府参考人 ただいま委員からも御指摘のありましたとおり、イラン南部のミナブの女子小学校の事案につきましては、イラン側はまず、死者が百七十五名以上と発表しております。一方で、これも御指摘ありましたとおり、米国側はこの事実関係について調査中である、また、国連の人権理事会も、調査を行うという発表をしております。したがいまして、我が国としましても、こうした調査の状況をしっかりと注視をしてまいりたいという具合に思っております。
 また、今御指摘のありましたAIの利用につきましては、今回の個別の事案についてどうだったかということは、ただいま申し上げましたとおり調査が行われているということでございますし、AIが使われたかどうか、その点も含めて、現時点では事実関係は十分明らかになっていないということでございますので、我が国政府としての立場を申し上げることは難しいという具合に考えております。
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原田直樹#18
○原田委員 公明党が去年発表した平和創出ビジョンでは、日本は、LAWSをつくらず、また使わない立場を堅持すべきだ、その上で、CCWの枠組みで国際ルール作りを進めるべきだと明記をしております。
 お手元の資料に解説がございますけれども、LAWSというのは、致死性自律型兵器システムといいまして、人間の殺傷を目的とする兵器システムでありますけれども、一度起動をすれば、操作者、人間の介入、操作なしに、攻撃の標的を識別し、選択し、殺傷力を持って交戦することができるという兵器システムであります。こうしたものはつくらない、使わない、そういう立場を堅持すべきであると。
 また、CCWというのは、特定通常兵器使用禁止制限条約でございます。通常兵器のうち、過度に傷害を与え又は無差別の効果を有することがあると認められる特定通常兵器、こうした兵器の使用の禁止や制限に関して、合意を達成する目的で締結をされた条約でございます。一九八〇年に採択をされ、八三年に発効、日本も八二年には批准をしております。
 こうした国際的な話合いの枠組みの中で、このLAWS、一度スイッチを入れれば人間が介さなくても機械が自動的に攻撃を行っていく、こうしたことは規制をすべきだということを私たちは訴えております。私は、この考え方は非常に重要だと思います。人の命を奪う最終判断を機械に委ねてよいのかという問題意識であります。
 そこで、茂木外務大臣にお伺いいたします。
 CCWのGGE、政府専門家会合におけるLAWS規制の議論の現状を、政府はどう認識しているのか。また、日本政府として、今後どのような具体的な役割を果たしていくお考えか。外務大臣の見解をお伺いいたします。
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茂木敏充#19
○茂木国務大臣 まず、ウクライナの戦闘を見ても、ドローンであったりとか無人機であったりとか、新しい戦い方を既存の兵器と組み合わせる、こういった形の、今まで想定されなかったような戦いというのが行われているのは事実でありまして、そのために、例えば今、三週間ぐらいの単位でシステムを更新したり、様々な形で、AI等も導入しながら新しい戦い方というのが進んでいるのは、現実として受け止めなければいけないと思っております。
 その上で、御指摘の自律型致死兵器システム、LAWSにつきましては、現在、御指摘の特定通常兵器使用禁止制限条約、CCWの政府専門家会合、GGEにおきまして、その定義、特徴、国際人道法上の課題、規制の在り方等について議論が行われているところであります。こうした主要論点について、各国の間ではいまだ考えの隔たり、立場の隔たりというものがあることから、主要国が参加をする形で粘り強く議論を継続することが重要であると考えております。
 我が国としては、今後とも、一つは人道、そしてもう一つは安全保障、こういった視点を勘案したバランスの取れた議論を通じて、広く国際社会において共通の認識が得られるように、LAWSに関する国際的なルール作りに積極的に建設的に参加をしていきたい、こんなふうに考えております。
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原田直樹#20
○原田委員 積極的、建設的に議論に関わっていくと、前向きな御答弁をいただきました。
 加えて、ここで大事なのは、今、LAWSについてお伺いをしましたけれども、その議論をLAWSだけに限ってよいのかというのも大事な点であると思います。現実に問題となるのは、完全に自律した兵器だけではありません。
 お手元のまた資料で、今度はAWS、またAI―DSSについて少し御説明を、御紹介をしたいと思います。
 AWSというのは、LAWSよりももう少し広い概念で、致死性が必ずしも伴わなかったとしても、ボタン一つで、起動した後には人間の介入なしに標的を選択し、攻撃をできるようなシステムであります。
 また、AI―DSS、これはAIを用いた意思決定の支援システムであります。人工衛星またドローンによる監視、通信傍受など、こうしたことから得た情報を基に、AIが攻撃標的の候補や潜伏場所の抽出、脅威の順位づけ、攻撃の可否判断の補助、被害予測や作戦立案の支援等々、人間の判断を支援する仕組みであります。
 AIが情報を整理して、この標的が危険だ、また、この施設は軍事利用されている可能性が高い、そうしたことを示す仕組みも、実際の軍事行動に大きな影響を与えます。最終的には人間が判断をした、攻撃のボタンを押したと言えたとしても、その前提となる情報整理や優先順位づけをAIが左右をしていれば、時に誤った判断が拡大をする危険があります。
 そこで、外務大臣にお伺いいたします。
 政府は、LAWSに限らず、AWSやAI―DSSについても、国際人道法に基づく国際ルール形成の対象として積極的に議論を進めるべきだと考えますが、御見解はいかがでしょうか。
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門脇仁一#21
○門脇政府参考人 お答え申し上げます。
 軍事領域におけるAI活用について、我が国は、AI技術の開発利用などを通じて生じる問題に対して、国際人道法を含む既存の国際法が適用されるという見解を支持してきております。
 我が国は、軍事領域におけるAI活用について、人道的考慮、そして安全保障上の観点を勘案したバランスの取れた議論を通じて、国際社会において共通認識が得られるよう、国際的な議論にも、今後とも積極的かつ建設的に参加していく所存でございます。
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茂木敏充#22
○茂木国務大臣 技術的な問題については、今、参考人の方から答弁があったとおりでありますけれども、AIも判断ミスを犯します。しかし、人間も判断ミスを犯す。こういったことを考えて、いかに紛争を起こさないか、戦争を起こさないか、事前の段階で話合いによって問題を解決していく、こういう姿勢を取ることが極めて私は重要だと思っております。
 確かに、AIによって戦い方が変わってくる、こういうお話をしましたけれども、そういう戦いを起こさないということに力点を置くことが極めて重要なんじゃないかなと考えております。
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原田直樹#23
○原田委員 大臣が今おっしゃったことは、私も完全に同意であります。AIの軍事利用のことについて本日は質問しておりますけれども、そもそも、様々な紛争は、武力ではなくて対話によって国際紛争を解決すべきだという前提は、私も同意をいたします。
 その上で、AIの軍事利用について、ここからもう少し具体的な、技術的なことについても質問をさせていただきたいと思います。
 AI規制の議論で、よく、人間の関与を確保するということが非常に大きな論点になってまいります。しかし、私は、人間が関与するということだけではなく、曖昧にしてはならず、人間の関与というのは具体的には一体何を意味するのか、最後に形式的に人間が承認をすればよいのか、それとも、標的の妥当性、情報の信頼性、民間人被害のおそれ、こうしたことを人間が実質的に理解し、判断し、必要なら止められる、そうした状態であるのか、この差は非常に大きいと思います。
 そこで、政府参考人にお伺いいたします。
 AIを活用した軍事システムにおける人間の関与について、政府は、どの段階でどの程度の関与があれば、実質的な人間の関与が確保されていると考えるのか。単なる形式的承認ではなく、人間が実質的に判断し責任を負える状態をどのように担保すべきと考えるのか、お聞かせください。この点については、まずは日本政府としてどのような基準で考えているのか、自衛隊としての運用、そうしたことを防衛省の政府参考人に伺います。
 また、今申し上げた点につきまして、当然、日本だけがしっかりとした基準を持ち、それを守ればよいというわけではありません。AIを活用した軍事システムにおける人間の関与について、どのような国際ルールや枠組みが必要であると考えるのか。日本政府として、国際的議論でリーダーシップを発揮する考えがあるのか。こちらは外務省の政府参考人にお伺いいたします。
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吉野幸治#24
○吉野政府参考人 お答えいたします。
 科学技術の急速な発展が、安全保障の在り方を根本的に変化させております。AIを活用した高度なデータ処理、分析を背景とした戦い方も顕在化しております。我が国としても、これに適切に対応していくことが重要でございます。
 また、人口減少下にある我が国におきましては、自衛隊員の命を守って人的被害を局限することは極めて重要な課題でありまして、自衛隊における無人化、省人化も図っていく必要がございます。
 このような考え方の下、令和六年に策定いたしました防衛省AI活用推進基本方針におきましては、情報収集・分析、指揮統制、無人アセットといった七つの分野におきまして、AIを重点的に導入していく方針をお示ししたところでございます。
 また、令和七年には、AIのリスクを軽減しながらその効果を最大化できるよう、責任あるAI装備品等の研究開発を進める指針といたしまして、装備品等の研究開発における責任あるAI適用ガイドラインというものを作成してございます。
 その上で、AIの活用に当たりましては、こうした文書にも記載しておるとおり、例えば、誤りが含まれることによる信頼性の懸念、学習データの偏りなどによるバイアスが生じるリスク、国際人道法を始めとする法的適合性、また、人間による適切な関与の在り方、こういった論点も存在することと認識しております。なので、これらの文書におきましては、これらの論点に適切に対応するということとしております。
 防衛省・自衛隊といたしましては、これらの方針に基づきまして、適切にAIを活用しながら防衛力強化のための取組を進めてまいる所存でございます。
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松本恭典#25
○松本政府参考人 外務省の立場でお答えいたします。
 LAWSに関する議論につきましては、先生御指摘のGGEにおいて、国際的に議論が行われておるところでございます。その中で、人間の関与につきましては、兵器システムの性能、それから使用の場面等を考慮する必要性、こういったものを多くの国が様々主張しておるところでございまして、具体的な態様や必要とされる程度につきましては、現時点で各国の立場は収れんしていないというところでございます。また、AIを活用した軍事システムについて、責任は人間が負うべきとの認識はおおむね共有されておると考えておりますけれども、現在もその具体的な議論については継続が行われている。
 したがいまして、我が国としましては、こうした議論を踏まえながら、AIの軍事利用が人間中心の原則を維持し、信頼性、予見可能性を確保し、責任ある形で行われるということを重視して、引き続き、国際的な議論に積極的に参画してまいりたいと思っております。
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原田直樹#26
○原田委員 御説明ありがとうございました。
 今、御答弁の中でも、責任は人間が負うべきという原則について言及がございました。大事なのは責任の所在の問題、これがもう一つ大事な論点であると思います。
 AIが関わった軍事行動で民間人の被害が起きた、そのときに、なぜその標的が選ばれたのか、誰が判断したのか、どこに問題があったのか、こうしたことが後から分からなければ、御遺族に対して説明もできませんし、再発防止策を取ることもできません。つまり、AIの問題は、性能や技術的な問題だけではなく、説明責任、そして検証可能性の問題でもあります。
 そこで、政府参考人にお伺いをいたします。
 AIを活用した軍事システムによって民間人の被害が発生した場合、判断過程の記録保存、事後検証、責任の所在の明確化について、先ほどと同じですけれども、まずは日本政府としてどのような基準で考えているのか、防衛省の政府参考人に伺います。
 あわせて、どのような国際ルールや枠組みが必要と考えるのか、日本政府として、AIの軍事利用に関わる説明責任と検証可能性を確保する仕組みの国際的議論を進める考えがあるのか。こちらは外務省の政府参考人にお伺いいたします。
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吉野幸治#27
○吉野政府参考人 お答えいたします。
 防衛省といたしまして、先ほど御紹介いたしました防衛省AI活用推進基本方針にも記載しておるとおり、AIが行うのは人間の判断のサポートであって、その活用に当たっては人間の関与を確保する必要があると考えてございます。
 人間の関与の在り方に関しましては、委員からも御指摘ありましたとおり、国際的にも様々な議論があると承知しておりますが、最も重要な点は、指揮官や操作者が意図した形で兵器システムを運用できるような状態を確保することであると考えてございます。そのためには、使用する兵器システムに関する情報を十分把握すること、また、責任ある指揮命令系統の下で適切な判断ができるようにすることが必要と考えてございます。
 先ほど申し上げた防衛省のAI活用基本方針に記載した考え方につきましては、以上のような基本的な考え方に基づいて策定したものでございまして、防衛省としては、これを踏まえてAIの活用を進めてまいる所存でございます。
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松本恭典#28
○松本政府参考人 お答え申し上げます。
 AIを活用しました軍事システムにおけるAIの判断に関する追跡可能性、あるいは透明性といったことにつきましても、同じくGGEの中でも様々な議論が行われておるところでございます。
 先ほどの繰り返しになりますけれども、AIを利用した軍事システムについて、責任は人間が負うべきとの認識についてはおおむね共有されておるところでございますけれども、具体的なAIの判断の検証をどのように行うのか、技術的に可能なのか、判断過程の記録保全とか事後検証の在り方、これらにつきましては、日々進化するAIの技術も踏まえながら様々な議論が行われておりますところですので、まだ我が国として具体的にこうあるべきという判断を申し上げられる段階にはございません。
 引き続き、我々としても、GGEの中で、適切な技術の進展を踏まえた規制の在り方につきまして、積極的に参加をしてまいりたいと思っております。
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原田直樹#29
○原田委員 御説明ありがとうございました。
 防衛省が出されているガイドラインについても、私も本文も確認を詳細にいたしましたけれども、まだまだ具体的な、大きな方向性は、人間がしっかりと関与をすること、そして人間が責任を取るということについては明記をされておりますが、具体の細かいところについては、政府の方針としても、また国際的な認識にも大きな差があるなということを、今、御答弁の中から感じたところでございます。
 今回のイランの小学校の空爆の件、そして、先ほど大臣から、ロシアによるウクライナ侵攻でもこうした技術が使われている話がございました。日々日々技術が進歩している中で、より具体的な、日本の中でも、また国際ルール形成においても、具体的な議論が更に深まることを期待をしてまいりたいと思います。
 最後に、AIの軍事利用についてるる質問してまいりましたけれども、最も越えてはならない一線、それは、私は核兵器への関与だと思います。
 核兵器は、一度判断を誤れば、取り返しのつかない結果をもたらします。そこにAIの判断や自動化が入り込むことは、人類の存続そのものに関わる問題です。先ほど大臣からもありました、AIが誤りを犯す可能性がある、一方で、人間もそれは同じことではありますけれども、こうしたことは懸念をされると私は思います。先ほど来御紹介をしております公明党の平和創出ビジョンでも、核兵器の運用へのAI関与や判断を一切認めるべきではないと私たちは主張をいたしております。
 今月末、四月二十七日から五月二十二日まで、NPT、核不拡散条約の再検討会議がニューヨークの国連本部で開催予定です。こうした場においても、核兵器の運用へのAIの関与や判断について、それを禁止する旨を主張し、日本が唯一の戦争被爆国として国際的な議論をリードすべきであると私は考えております。
 そこで、外務大臣にお伺いいたします。
 日本政府として、核兵器の運用や発射判断へのAI関与を認めないという立場を、NPT運用検討会議など、これに限りませんけれども、国際場裏でより明確に発信し、国際ルール形成に取り組むべきではないでしょうか。大臣の見解をお伺いいたします。
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