災害対策特別委員会

2026-04-28 衆議院 全100発言

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会議録情報#0
令和八年四月二十八日(火曜日)
    午前九時一分開議
 出席委員
   委員長 関  芳弘君
   理事 小里 泰弘君 理事 河野 正美君
   理事 谷  公一君 理事 簗  和生君
   理事 山口  晋君 理事 中川 宏昌君
   理事 青柳 仁士君 理事 田中  健君
      内山 こう君    大空 幸星君
      岡本 康宏君    長田紘一郎君
      加藤 大博君    木村 次郎君
      今  洋佑君    斉藤 りえ君
      佐藤 主迪君    園崎 弘道君
      高見 康裕君    田中 昌史君
      辻  秀樹君   中川こういち君
      永田磨梨奈君    西田 昭二君
      藤田 洋司君    文月  涼君
      古川 直季君    松下 英樹君
      三原 朝利君    村木  汀君
      山本 裕三君    吉村  悠君
      渡辺 勝幸君    赤羽 一嘉君
      近藤 和也君    原田 直樹君
      柏倉 祐司君    黒田 征樹君
      佐々木真琴君    工藤 聖子君
      山田 瑛理君
    …………………………………
   内閣府大臣政務官     古川 直季君
   参考人
   (宮城県気仙沼市長)   菅原  茂君
   参考人
   (大阪公立大学大学院文学研究科准教授)      菅野  拓君
   参考人
   (兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科教授)   阪本真由美君
   参考人
   (国際医療福祉大学大学院災害医療分野教授)    石井美恵子君
   衆議院調査局第三特別調査室長           江成 友幸君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月二十八日
 辞任         補欠選任
  伊藤  聡君     文月  涼君
  高見 康裕君     大空 幸星君
  中川こういち君    村木  汀君
  吉村  悠君     山本 裕三君
  西園 勝秀君     原田 直樹君
  渡辺  創君     赤羽 一嘉君
同日
 辞任         補欠選任
  大空 幸星君     岡本 康宏君
  文月  涼君     辻  秀樹君
  村木  汀君     長田紘一郎君
  山本 裕三君     吉村  悠君
  赤羽 一嘉君     渡辺  創君
  原田 直樹君     西園 勝秀君
同日
 辞任         補欠選任
  岡本 康宏君     高見 康裕君
  長田紘一郎君     中川こういち君
  辻  秀樹君     渡辺 勝幸君
同日
 辞任         補欠選任
  渡辺 勝幸君     伊藤  聡君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 防災庁設置法案(内閣提出第一三号)
 防災庁設置法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出第一四号)
     ――――◇―――――
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関芳弘#1
○関委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、防災庁設置法案及び防災庁設置法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の両案を一括して議題といたします。
 本日は、両案審査のため、参考人として、宮城県気仙沼市長菅原茂君、大阪公立大学大学院文学研究科准教授菅野拓君、兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科教授阪本真由美君、国際医療福祉大学大学院災害医療分野教授石井美恵子君、以上四名の方々に御出席をいただいております。
 この際、参考人各位に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多用のところ本委員会に御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。
 次に、議事の順序について申し上げます。
 まず、参考人各位からそれぞれ十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。
 なお、念のため申し上げますが、御発言の際にはその都度委員長の許可を得て御発言くださいますようお願いいたします。また、参考人は委員に対し質疑をすることができないことになっておりますので、あらかじめ御了承願います。
 それでは、まず菅原参考人にお願いいたします。
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菅原茂#2
○菅原参考人 皆さん、おはようございます。宮城県気仙沼市の市長の菅原茂でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 東日本大震災から十五年が経過しました。岩手、宮城、福島の被災三県の中で、沿岸部において首長を継続して続けているのは私のみになってしまいました。また、一昨日、五選を果たしましたので、このことが私の使命と思い、これからも防災に尽力をしていきたいと思っております。御指導をよろしくお願いいたします。
 お手元に本市の被害状況と住環境整備についての資料を置かせていただきましたが、細かいことにつきましては本日はお話はさせていただかなくて、省いて、後で見ていただければと思います。
 基本的にハード面の復興は完了して、町の姿は防災力も含めまして大変変わりましたし、随分強くなったというふうに理解しております。これまでの政府の復旧復興に対する御尽力に心から感謝を申し上げたいと思います。大変ありがとうございました。
 一方、そのペーパーの右下にあります人口と高齢化の推移を見ていただきたいと存じます。人口減少が著しく、特に高齢化率の上昇が激しいということ、つまり、生産年齢人口が極端に細っている状況にございます。そういう意味で、ここから、復興には、ハード整備と被災者ケアだけではなくて、産業の強力な振興というものがあって初めて復興するんだろうなということが読み取れると思います。
 二項目めに移りたいと思います。防災庁の設置を歓迎するということでございます。
 本市は、昨日の夕方まで、北海道・三陸沖後発地震注意情報の対象地になっていました。東日本大震災から本日まで、私が市長にある間に、津波による避難指示を八回出したことがあります。また、大雨洪水、土砂災害に関しましては、高齢者避難もありますので、十四回も出しております。つまり、全国の多くの自治体が災害と隣り合わせにあるということでございます。事前防災を含むことを所掌とする常設官庁、防災庁が設置されることは大変時宜を得たものであり、必要だと感じているところでございます。
 なお、本市は、内閣府の行政実務研修、防災スペシャリストOJTに五年前から職員を派遣させていただいております。極めて有効だというふうに感じております。本日の私の随行も、その経験者が担当しております。
 是非、防災大学校は実現してほしいと思いますし、立地につきましては、大災害に備える防災局と併せ、被災経験のある土地又はその周辺、オフサイトとなるのだと思いますが、候補になると考えております。
 大震災から十五年を経ても、復興庁は私たちにとってよりどころであり、窓口として機能しております。復興庁で得た知見を生かした上で、防災庁は、より網羅的であり、創造的な役所として発足、発展してほしいと願っております。復興庁が受け身としてつくられたのに対し、防災庁は未来を守るための攻めの官庁であってほしい、そういうふうに願っております。
 三つ目です。直接的犠牲者を出さないことに最大限の注力をしてほしいということです。
 災害で実際に人が犠牲になる場面、それは一瞬であり、捉えることができません、報じられません。亡くなった人は話もできません。それに対し、避難所の生活は長くて、マスコミも常時取材をしています。避難者は課題を話すことができます。
 防災というと避難訓練、特に避難所の設営や運営などについてが訓練の中心となりまして、防災力が高まったと思いがちでありますが、本当に大事なのは、避難所に無事に到達することであります。津波の場合などは、それがほぼ全てと言っていいのではないかと思っています。そのための調査研究に注力をしてほしいと存じます。
 例えば、津波における徒歩避難でありますが、徒歩避難は基本と言われ、例外的に車避難が認められている状況にありますが、全地区そのような考え方でよいのか、また、例えば遠地津波のように時間の余裕のあるときも同じでよいのか、明確な基準がありません。さらには、車の渋滞について、避難所の駐車場の吸い込みについてどれほど研究されているのか。また、停電で信号がついていないとき、またついているとき、全く状況は違います。そのことについても研究がされていないと思います。
 つまり、東日本大震災での課題はまだまだ十分に解決されておりません。避難者への対応も大変大事でありますが、まずは、どう命を救うかということについての研究を進めていただきたいと思っています。
 四つ目です。いわゆる事前防災に当てはまると思います。社会的な仕組みのことです。大規模災害では、速やかに国職員を自治体へ派遣をお願いしたいと思っています。
 大規模災害発生時、自治体としては、人命の救助、道路の啓開、支障物撤去や被災者支援に集中しますが、首長にとって、どうしてもその費用が気がかりになります。災害対策基本法及び災害救助法などその関連法令を読み解き、復興ステージを含めて連続的に発せられる政府の膨大な数の通知などを整理し、首長に解説を含め判断の手助けをする補佐役が必要であります。本庁でいえば、各省庁とやり取りができる課長補佐級が必要だと思っています。場合によっては複数の中長期派遣が必要であり、システム化すべきだと考えます。
 本市では、東日本大震災において半年近くたった頃、当時の古川元久官房副長官からお声がけがありまして、トライアル的に、入省三年から五年目のキャリア官僚四名、財務、国交、厚労、総務から送っていただきました。復興支援員として、半年、私たちと一緒に復興復旧に当たりました。大変有効だったし、今もその中には本市に心を寄せていただいている方もいらっしゃいます。一方で、もっと早く首長としては片腕が欲しかったなという思いが強くあります。
 事前防災の二つ目です。公営住宅の入居要件の緩和。
 先週、住宅の耐震化率について、日経新聞の「経済教室」の欄に先生が取り上げておられましたけれども、本市の住宅の耐震化率は八〇%前半です。これは地方としては異常に高いと思います。それは、多くの家が一旦被災して全壊したからであります。一方、診断や改修に踏み切れない方々が大勢いらっしゃって、その多くは高齢者だったり、改修費用が出せない、また、どうせやるなら水回りやバリアフリーも一緒にしたいということで、費用が大きく見えてしまう、そういう方たちです。
 また、全国で現在、土砂災害警戒区域の指定が進んでいますが、そこに、高齢者や障害を持つ方、緊急車両のアクセス困難の方など、防災の観点から本来移住が望ましい方が多く存在しています。これら安全な場所への移住の必要性のある人のために公営住宅が活用できないかと思っています。
 私たち東日本大震災の被災地はもとより、人口減少社会において、災害公営住宅や従来の公営住宅はますます空きが出てまいります。公営住宅法による入居者の条件、住宅困窮者、つまり持家がないことの緩和は防災上意味があると考えるので、事前防災の一つとして考えていただければと思っています。
 事前防災の三つ目です。大都市圏大規模被災における高齢者、児童生徒の疎開です。
 首都直下地震などにおいて、直後の最大の問題は人口の多さだと想像しています。食事や排せつなど、すぐに限界に達します。一方、町の復興には時間がかかります。
 東日本大震災では、多くの高齢世帯は、仙台圏や関東圏に暮らす子供たちの家庭に、又はその周辺に長期にわたり避難をしました。
 大都市圏での被災において、高齢者世帯を地方において受け入れたり、少子化により児童数が減少し、少人数学級や空き教室を利用し、学校そのものを受け入れたりするホストシティーの制度を創設できないか、検討をお願いしたいと思っています。これも事前防災の一つになると思います。
 東日本大震災で全国から支援を受けた東北の被災地は、恩返しをしたいと思っています。都市部の被災地のために役に立ちたいと考えています。事前に自治体のマッチングを行うことで事前交流が発生し、政府の計画するふるさと住民登録制度や関係人口づくりにも寄与して、地方創生の後押しになると考えられます。
 最後になりますが、震災遺構への運営支援です。
 本市では、津波で四階まで浸水した旧気仙沼向洋高校の校舎を震災遺構とし、近くにあって同じく被災した観光施設を伝承館として再建し、大震災の記憶の伝承と防災教育の拠点として活用しております。年間五、六万人の来場者があります。整備には復興交付金、復興特交と災害復旧制度を活用しました。現在、入館料大人五百円をいただいておりますが、年間三千万円ほどの手出しが発生しています。当初は千五百万円ぐらいだと思いましたが、だんだん来館者が落ち着いてきたり、コストが上がってきたりしております。また、他の自治体の施設では、無料のところもいっぱいあります。
 防災庁では、震災の伝承にも力を入れ、このような施設に対して経済的支援ができないか、検討をお願いをしたいというふうに思っております。
 東日本大震災の被災地からの代表として、私からの発言は以上とさせていただきます。よろしくお願い申し上げます。拍手
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関芳弘#3
○関委員長 ありがとうございました。
 次に、菅野参考人にお願いいたします。
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菅野拓#4
○菅野参考人 よろしくお願い申し上げます。大阪公立大学というところから参りました菅野と申します。
 本日は、このような機会をいただきまして、ありがとうございます。
 防災庁の設置法案、非常に歓迎しているという大前提の下に、もう少しだけこの部分を更に注力いただけるとうれしいなとか、こういったことをもうちょっと考えていただけるとうれしいなということを、つけ加えるような形で今日は発言を述べさせていただきたいというふうに思っております。
 まず、大前提として、国の各機関とか都道府県、市町村や営利企業、あとソーシャルセクター、NPO、NGOや我々学術機関なんかも、やはり様々な主体が協働して、餅は餅屋と言っておりますけれども、そういった防災の要として防災庁を設置するということをまず歓迎をしているということでございます。
 まず、平時から政府とか地方自治体がやっていらっしゃる仕事の延長にある仕事というのは、非常に我が国は災害対策上上手だというふうに考えています。例えば、ハード整備なんかも非常に強く造られていますし、回復も早いなと思いますし、消防とか治安維持、まさに、例えば国土交通省さんや消防庁さんや、あとは警察庁さんなんかが非常に力を入れて頑張られているところというのは、本当に防災大国と言っても過言ではないぐらいの制度ができ上がっているなと思いますし、能登半島クラスでもそんなに課題が上がらないというふうには考えています。
 ただ、やはり不得意な部分があるということなんだというふうに思っています。例えば、平時はマーケットの中で供給されているような物やサービス、例えば食料なんかもそうですし、家なんかもそうかなと思います。あと、例えば福祉サービスとか医療サービスなんかも、実はこれは、制度は政府でつくっておりますが、やっていらっしゃる方はみんな民間ということでございます。要は、この部分というのを地方自治体が急に慣れない中でやらなければいけなくなってしまう、これが私は災害時の混乱の基本構造だというふうに考えております。なので、餅は餅屋という言葉が非常に大事だと思っておりまして、やはりプロにお任せして、どのように支援の質を上げていくのか、これが、防災庁が最も考えるべき重要な点ではないかというふうに感じております。
 なので、やはり防災における様々な主体、当然、政府内というところで勧告権や尊重義務という話はありますけれども、それだけじゃなくて、民間の世界、例えば医療や福祉の業界とはどうなんだ、物資をふだん扱っていらっしゃるような民間の流通、小売業界とはどうなんだ、そういったところときっちりと信頼関係や協働関係というのをつくっていただいて、そこと一緒に災害対応をしていく。そうしないと、このように関連死という非常に不名誉な言葉が出ていますけれども、そういったものが減っていくという社会は築けないんじゃないかなと思います。そのためにも、出身セクターが様々なプロパー職員を中心に専門性を蓄積する防災庁でしっかりと総合調整をしていただきたいなというふうに考えております。
 今までの内閣府防災ですと、皆さんすばらしい職員さんが来て、いろいろな対応をされるんですが、やはり出身省庁に二年ほどで戻っていかれるんですね。そうなると、やはりそこに専門性というのはなかなか蓄積しませんし、さらには大きな法改正というのも難しい。要は、基本構造を変えるような改正というのはなかなか難しい。これが今までの日本の防災の実情だったのではないかなというふうに思います。
 その内閣府さんなんですけれども、まさに被害想定と対策というのは非常にきっちりとやられてきたなと思いますし、発災直後は本当に総動員、逆に言うと、平時の仕事が止まってしまうぐらいの総動員で対応に当たられるということなんですけれども、それだとやはり、事前防災の観点であるとか、大きな枠組みを見直していくという観点でなかなか難しいだろうというふうに考えています。なので、防災庁が事前防災から復興までかなりの人員を充てて対応されるということを非常に高く評価をしているということになります。
 特に、災害が起こって数年たってから発覚するような問題というのも多数ございます。例えば、在宅被災者や在宅避難者という言葉が、今はやっと世間でも普通に使われる言葉になりましたが、これは東日本大震災から数年たってやっと出てきた言葉でございます。
 要は、これは、既に内閣府防災で検証を終えて、様々な対応を考えた後に出てきた言葉、ただ、これが非常に問題だということで、ずっと社会問題として取り扱われてきたわけですね。こういうものは要は検証がされなかった、それでなかなか対応ができなかったということなので、復興まで見据えて、ちゃんと検証や制度改正ということができてこなかったんだというふうに思います。
 また、被災地の復興に関することならひとまず何でも引き受けて、実務を行う現地や関係府省との意見交換とか事業の調整を行うといった、復興庁さんが東日本大震災当時に見出したようなこういった役回りというのは、やはりどの災害でも必要だなというふうに思います。
 これはまさに地方自治体を伴走するということかと思いますが、南海トラフの巨大地震なんかに備えても、地方自治体が策定する事前計画というのを後押しすることも重要ですし、そういった伴走する役割というのはやっていただきたいなと思うんですが、ただし、もう一つ、時代の変化というのも防災庁の皆さんに捉えていただきたいなというふうに思っています。
 実は、今の災害対応、特に復旧復興に関わる枠組みというのは、高度成長期以降ほぼ変わっていません。要は、どんな人口減少地域であっても、復旧という形で全て直るということです。
 それはどういうことかというと、例えば、水道が直るとどういうことが起こるか。そのときはいいんですけれども、その維持管理若しくは水道料金は次の将来世代に乗ってくるわけですね。そこで人口減少していくとどうなるかというと、水道料金が上がって、そのツケを何らかほかの方法で払わなければいけない、こういう事態もやってくるということですので。
 是非、激甚災害法や公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法、こういったもので今の制度が枠づけられているわけですが、そういったところを前提とせずに、どうやって大きな災害のときは持続可能な復興を成し遂げるのか、こういった制度の下に是非事前復興なんかを進めていただくということかと思いますし、そうしないと、やはり国家財政上の負担も極めて重くなるというふうに考えております。
 南海トラフ巨大地震のときに高度経済成長のような復旧復興をやってしまうと、我が国の財政というのはどうなるかということを是非考えていただいて、そういった大きな枠組みにも是非とも検討のメスを入れていただく、こういうこともすごく大事だろうというふうに思っています。
 また、三つ目になりますが、災害対策基本法の基本理念の改正、特に、全ての被災者がその被災地にかかわらずできる限り良好な生活環境をあまねく享受できるようにする等というものが追加されるというふうに伺っております。
 これは非常に大事なことだと思っています。場所、避難所から人、被災者への支援の転換というのを実は内閣府さん自身ももうずっと言ってくださっていますが、こういうものが端的に表れる表現だというふうに評価しています。
 南海トラフ巨大地震とか首都直下地震クラス、また、実は能登半島地震クラスでも多数の広域避難者という方が出ています。要は、住民票を異動させずにほかの自治体に避難をされる、こういうことなんですが、被災自治体からすると、その方々はどこに行ったかすらつかめないという事態が起こっています。しかも、その方々に対して支援するのは、例えば東京に避難されても名古屋に避難されても、能登の方々ということになります。これで首都直下や南海トラフを迎えるとどうなるかということを考えていただきたいと思います。
 例えば、高知の方が大阪に来て支援をする、そういったことが現行法では基本ということになっています。やはりこれはまずいというふうに考えていますので、そういったものを変えていかなければならない。
 また、現行の避難所では十分な支援が受けられない要配慮者や、生活再建が困難な被災者が多数存在するなと思っています。
 災害対応を行った政府や地方自治体の職員の方は、やはり、ふだんできることしかできなかったと口にされます。平時と有事を切り分けずに、有事に備えて平時の仕組みを設計していくフェーズフリーの考え方というのを、各種の社会保障制度やケアを支える人員、若しくはこども計画のように、要は、ふだんなかなか声が上げられない方の声を受け止めて、様々な施策に反映していくような仕組みに、ちゃんと災害時のことも考えておかないと、当然災害時はできないということになってしまいますので、こういったフェーズフリーの仕組みをつくっていただきたいです。
 さらに、発災時には、被災地において避難環境の水準を当然高めつつ、確実に、例えば広域避難された方なんかにも、今政府でも進めていただいています伴走型の被災者支援の制度であります災害ケースマネジメントということができるように、そういう体制整備をしていただきたいなというふうに思っています。これこそが、まさにこの理念に掲げられたものが実現されるということかと思っています。
 また、四つ目です。
 伝家の宝刀としての勧告権とか尊重義務以外に、首相を始めとした閣僚を中心に構成される中央防災会議に関係行政機関相互の調整を規定しているのはすごくありがたいことだなと思います。ただし、同時に、有識者とか実務者による審議の機能というのをどのように考えるかということだと思います。
 実は、図一というふうに何ページか後に書かせていただいていますが、現行の内閣府防災さんでも実は様々な委員会や検討会があるんですが、どこで何が審議されていて、一体どれが重要なのかはさっぱり分からない。要は、普通の省庁だとお持ちのような審議会のような機能がないんですね。例えば、厚生労働省さんだったら社会保障審議会の様子を見ておけば、いろいろな主体が、ああ、こういうふうに制度が動くんだな、こういう方向で考えるんだなというのを検討できるんですが、現行の内閣府防災さんではなかなかその機能がないということになります。
 また、中央防災会議は、どうしても閣僚の皆さんで構成される会議体です。ということは、そこで審議をするというよりは、やはり実際の調整の場だということなんですね。ですので、是非、審議の場をちゃんと恒常的に見える形でつくっていただかないと、様々な主体が一緒に協働して防災をしていくということがなかなか難しいのではないかなと思います。
 特に、混乱する部分というのはきっちりと考えていただきたいなと思います。一つ目が、国、都道府県、市町村の役割分担の抜本見直しをする審議会のような機能。二つ目が、被災者支援の抜本改善。まさに民間が関わっている部分だからこそ自治体ではなかなかできない、こういう部分。さらに、防災DXの推進ですね。我が国は人口減少過程に入っていますので、やはりここで高度化しなければいけない。さらには、どうやって民間の力をかりるのか。こういった四つの部分というのはしっかりとやらないと、なかなか今までできていなかったことですので、是非とも安定的な審議の場をしていただきたいと思います。
 一つ一つ簡単に説明していきたいと思います。
 まず、国、都道府県、市町村の役割分担の抜本見直しの審議機能。
 これはやはり、災害対策基本法というのが過度に地方分権的だというふうに考えています。恐らく、様々な法体系の中でも市町村の責務が一番重い。自治体にやらなきゃいけないことが相当にある。
 これは逆ですよね、災害のときというのは。本来であれば、市町村だと大規模災害のときに機能しないから、都道府県が助けましょう、国が助けましょうという補完性の原理を最も働かせなければいけないところに、市町村が全部やらなければいけない。しかも、それは大規模災害であっても、ちっちゃい災害であっても同じということです。なので、南海トラフが来ても基本的には市町村の皆さんが対応する、被災者であるにもかかわらず。この構造を我が国は持っているということでございます。
 これをどうやって見直すのか。当然、地方自治法にも関係するような部分が出てくるかと思いますので、長い審議になると思います。しっかりと審議をしていただきたいと思います。
 もう一つ、何十年も、はっきり言います、環境が改善していない被災者支援の部分ということです。これも、慣れない事務を市町村中心に自治体の方が行う、こういうことが今の状況を生み出しています。
 昨年度の災害対策基本法改正でも、福祉サービスの提供を追加いただいて一歩進められたというふうには認識していますが、更に進めていただきたい。
 しかも、例えば、持家や借家も関係なく、たまたま住んでいた家の壊れ具合で全ての支援制度を決めていくような状況に今は、全ては言い過ぎですけれども、大きな支援制度ほとんどを決めていくような状況に陥っています。持家も借家も関係ないんですね。
 本当にそれで適切に被災者の方を支援できているのか。この基準の見直しなんかもしっかりしなければいけないですし、災害ケースマネジメントということを実現していかなければいけない。
 さらには、防災DXですね。
 先ほどの広域避難のことを一つ取っても、デジタル的に、誰がどこに行ったのかというのは本当はつかめますよね。でも、つかめないんです、今は。そんな基幹システムもないからです。なので、そっちで被災者支援してよ、災害ケースマネジメントしてよというふうにしたところで、誰がそこに行っているかすら分からない。これが東日本大震災以降の広域避難の最大の問題だと思います。
 是非、パーソナルデータや個人情報のことをしっかりとどの地域でも扱えるような枠組みをつくっていただいて、ちゃんと、大きな災害であっても、いろいろなところが相互応援しながら、被災地じゃなくて避難先で人を支えられるような、そういう状況にしていただきたいというふうに思っています。
 官民協働防災は、まさに餅は餅屋の要でございます。今までだと、NPOの皆さんや医療、福祉の皆さんは結構入っていただいておりますが、例えば流通、小売の皆さんとか不動産の皆さんとか、もっと入っていただく日本の力というのはありますよね。こういった方とどうやって協議会のようなものをつくって一緒に対応していくのか、是非考えていただきたいと思います。
 最後になります。防災大学校を是非つくっていただきたいなというふうに思います。
 やはり、防災庁に関わる人員の専門性を高めるというのは非常に大事なことです。いろいろな文化を学びながらいろいろなところと交わらないと、一緒に協働していくということはできないはずです。やはり、同じ釜の飯を食い、同じ景色を見て育つ、これが防災庁職員の専門性を形作る非常に大きなことになると思います。是非、防災大学校等の、研修及び研究を行う文教施設、必ず設置をしていただきたいというふうに思います。
 以上になります。ありがとうございました。拍手
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関芳弘#5
○関委員長 ありがとうございました。
 次に、阪本参考人にお願いいたします。
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阪本真由美#6
○阪本参考人 本日は、このような大変貴重な機会をいただき、誠にありがとうございます。
 兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科の阪本真由美です。
 私は、防災教育ですとか被災者支援、防災政策などについて研究をしております。本日は、その観点から、防災庁の意義ですとか今後目指すべき方向性についてお話をさせていただきます。
 日本は、地震、津波、豪雨災害、火山などの自然災害のリスクが大変大きい国です。先日も、北海道・青森県沖を震源とする大きな地震がありまして、北海道・三陸沖後発地震注意情報なども出されました。こういう情報をきっかけに防災体制を確認し徹底するということは極めて重要です。けれども、それだけで被害が減らせるのでしょうか。
 この点について極めて大きい課題を突きつけたのが、二〇二四年の能登半島地震だったと思います。
 資料に沿って説明したいと思いますので、一ページをおめくりください。
 能登半島地震では大きく三つの課題が示されたと考えています。一点目は、防げるはずの災害関連死を減らせなかった点、二点目が、被災後の復興が難しい地域がある点、三点目が、災害支援の仕組みが十分機能していなかった点です。
 これらの課題が生じる最大の原因は、災害対策の責任が各省庁そして地方自治体に分散されており、それを統合する司令塔としての仕組みが今の日本にはない点です。もちろん、内閣府は災害が起きたときに様々な動きを調整します。けれども、調整するだけでは、責任を持って対応するに至りません。司令塔となる組織は不可欠です。
 二ページを御覧ください。
 現在の災害対応の最大の課題は、災害関連死を防ぐことができない点です。災害関連死への対策の必要性は、地震が起きた直後から分かっていました。それにもかかわらず、能登半島地震では、十二月末の時点で、直接死が二百二十八名であるのに対し、災害関連死は四百四十九名に上っています。災害関連死に認定された方のうち、八十歳代以上が九割、既往症があった方が九五・八%に上っています。つまり、高齢者、基礎疾患のある方の犠牲になられる率が大変高い状況になっています。
 その災害関連死の原因を図一に示しています。多いのは、地震のショック、余震への恐怖による肉体的、精神的負担、電気、水道の途絶による肉体的、精神的負担、社会福祉施設の被災による介護機能の低下、避難所生活の肉体的、精神的疲労です。これらの要因はいずれも社会的な要因です。我々社会の要因によって、本来は防げるはずの死が招かれている状況があります。
 高齢化や疾病、障害のある方が多いところで社会機能の寸断が長期化すると、災害関連死は増えていきます。したがって、対策をするには、自然ハザード現象の分析だけでは十分ではありません。社会特性をきちんと把握し、高齢化率であったり、社会機能がどれだけ維持できるのかという点からもきちんと把握して、対策を検討する必要があります。
 それにもかかわらず、現在では、災害が起きた後に災害関連死の認定作業を行ってはいるものの、災害関連死を防ぐための事前対策はほとんど行っていません。それについても、責任を持って進めていく仕組みづくりというのが求められます。
 三ページを御覧ください。
 先ほど気仙沼の菅原市長からも話がありましたが、現在、能登の被災地でも最大の課題になっているのが人口減少です。
 図二は、珠洲市のデータを示しています。珠洲市では、六八%の住民が住まいを失って仮住まいであり、二四%の人は市外に居住しています。中でも、生産年齢に該当する若い世代では、三七%が市外に居住しているような状況です。
 どうして市外に居住しているのか理由を聞くと、若い世代は、転職のため、教育を受けさせるため、七十歳代以上からは、医療・福祉サービスのためという回答が挙がってきます。つまり、雇用、教育、福祉サービス、医療サービスの継続こそが、人口減少を防ぐ、人口流出を防ぐ一番大事な対策です。それにもかかわらず、その対策が事前に検討されていません。
 復興というと、住まいやまちづくりに焦点が置かれがちで、暮らしを再建する対策が不十分です。これを災害が起きたときから導入できるような方向性を検討していかなければいけません。
 今お伝えした災害関連死あるいは人口減少という課題は、先ほど話にありましたように、東日本大震災でも指摘されている課題です。それにもかかわらず、なぜこの問題を繰り返してしまうのか。
 その背景には、災害対応に関わる自治体、行政の職員方が専門的な知識を持っていない、いわば素人だからという事情があると思います。行政の防災を担当する職員の多くは一般の事務職です。防災専門職を配置している自治体は限られています。つまり、素人が災害対応をしていて、過去にほかの地域で起きた災害の知識もほとんどありません。したがって、人材育成の仕組みは不可欠です。
 また、災害が起きたときに被災市町に寄り添ってサポートする仕組みも必要になります。災害が起きると、被災市町の職員は、被災者でありながら、支援者でもあるという立場に置かれます。
 四ページを御覧ください。
 二〇二四年、能登半島地震における、珠洲市の職員が一月一日から最初の五日間どこに滞在して業務をしていたかという数字を示しています。大変申し訳ありませんが、数字に若干誤りがあるので修正させていただきます。
 この図三のデータは、一月一日から五日までの主な宿泊先となります。指定避難所に滞在されていた方が二六%、そして、指定避難所以外の場所に滞在していた方は七%、自宅に滞在されていた方が二三%、知人、親戚宅が五%、車中泊が一八%、ホテルは〇・三%です。これに庁舎という言葉が加わります。庁舎にいらっしゃった方が七%でした。
 職員の多くはこのように、御自身の生活基盤を失った中で災害対応を強いられていました。自治体の職員だけではなく、警察、消防、保健、医療、福祉の関係者、教育関係者、地域の人を支援していた方々は、自らが被災者でありながら、支援者でもありました。
 こういう被災支援者をサポートしていく仕組みというのが必要です。人的だけではなくて、財政的にも事業が継続できるようなサポートの仕組みが必要なんですが、残念ながら、その点はいまだ議論されていません。この点についても、今後対策が求められます。
 五ページを御覧ください。
 災害時に避難される方は、避難所だけにいるわけではありません。在宅避難、車中泊、親戚、知人宅、ホテル、旅館等にも滞在しています。
 これら避難所外にいる方への情報把握の体制がどうなっているのか内閣府が行った調査の結果を六ページにお示ししています。全国の市町村に対して避難所外避難者の情報把握の仕組みがあるのか確認したところ、回答のあった千百六十二市区町村のうち七百二十六市区町村、六二%相当が、仕組みがないと回答をしています。災害対策基本法上はこれらの人々にも支援を届けることがきちんと明文化されているにもかかわらず、仕組みがないと答えているところがほとんどです。
 現在の市町村の体制では、避難所支援に人を配置するのが精いっぱいであり、避難所外のところへ支援することは厳しい現状があります。ですので、行政だけではなく、官民連携によって被災者を支援することが求められます。
 全ての被災者を支援するために、国は令和三年度から、避難生活、防災人材育成エコシステムというのを始めています。人材育成の取組もしており、避難者を支援するリーダー、サポーター養成研修も行っています。令和七年度は二十七市区町村に対して研修が行われています。けれども、全国には千七百四十一の市区町村があります。実施されたところをパーセンテージで表すとゼロ%相当になってしまいます。もっと全国レベルでこの仕組みを改善していく必要があります。
 今回の災害対策基本法の改正において、全ての被災者がその被災地にかかわらずできる限り良好な生活環境をあまねく享受するよう支援体制を整備することが明記されたのは、大変大きな前進だと考えています。けれども、法律上に明文化するだけではなくて、その運用体制を具体的に考えていくことこそが、これから先に求められることだと思います。
 また、災害対応においては、官民連携により対策が実際に現場で進められているものもあります。
 八ページを御覧ください。
 能登半島地震では、官民連携による二次避難が行われて、最大時には五千二百七十五人が避難しました。民間施設を活用した二次避難としては過去災害最大の規模でした。
 国と県と旅行宿泊業界による能登半島地震二次避難所運営事務局というのが設置されまして、旅館業界のノウハウを生かして、旅館、ホテルなどを探し、避難希望者とのマッチングが行われました。これは大変すばらしい取組だったと思いますし、直前にあった新型コロナウイルスの感染拡大のときに民間の宿泊施設を療養施設として利用した経緯もあり、行政と民間宿泊業界との連携ができていた。これはとてもよかったと思います。けれども、この仕組みを制度化しないと、これから先、二次避難に使えるわけではありません。現場で行われていることをきちんと分析して今後の災害対策に生かすことが求められます。
 九ページを御覧ください。
 災害時に行政と民間が連携するということは大変重要ですし、被災者援護協力団体の整備についても法制度化されようとしています。今後被災者支援に携わる民間団体は増えていくものと考えられますが、同時に、これら民間団体を支援するための中間支援組織というのも必要になります。
 現在、国、都道府県が協力して、災害中間支援組織を都道府県レベルで整備しています。けれども、整備率は六割です。南海トラフ地震、日本海沿岸を震源とする地震による被害が想定されるにもかかわらず、まだ整備されていない県があります。この整備は急いで行っていく必要があります。
 十ページを御覧ください。
 もう一つ、今の日本が直面している大きな課題は外国人の急速な増加です。昨年末時点で、在留外国人は百九十六か国から四百十二万人、訪日外国人は四千二百六十万人になっています。災害時にはこれら外国人も避難しますし、それらの外国人の避難を支援しようとそれぞれの国々が支援活動を展開します。実際に、東日本大震災では百九十七か国から支援が提供されています。けれども、国全体の受入れ体制はあったものの、国と自治体との調整体制、あるいは民間のボランティア団体の受入れ体制はありませんでした。現在もなお、この点は明確となっていません。防災庁による海外との窓口の一元化、そして国際連携体制の強化がこれから先大事です。特に、日本だけでは対応できないことも多くなると考えられます。
 以上述べたことを実現するには、防災庁を核として、あらゆる組織の連携が必要になっています。過去に起きた災害を忘れず、それを知見として活用できるようにすることは大事ですし、防災専門人材も、災害対策、ロジスティックのみならず、社会のデータ分析ができる人であったり、広報戦略が練れる人であったり、コミュニケーションにたけた人、様々な領域での取組が求められます。この取組は一刻も早く求められるものです。
 災害は、いつ起きるか分かりません。あした起きるかもしれません。そのためにも、一刻も早い防災庁の設置、さらに、運用体制の強化をお願いしたいと思います。
 私の報告は以上です。ありがとうございました。拍手
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関芳弘#7
○関委員長 ありがとうございました。
 次に、石井参考人にお願いいたします。
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石井美恵子#8
○石井参考人 このような貴重な機会をいただきましたこと、感謝申し上げます。
 私の方からは、防災庁の在り方について、主に四点についてお話をさせていただきます。多分、菅野委員、阪本委員と同じような内容も少し含まれておりますけれども、まず第一点が、国と関係省庁、それから都道府県、市町村の責務というものの災害対策基本法の抜本的な見直しを是非行っていただきたいというふうに思っております。そして第二点として、漏れ、むらのない防災業務計画と対応の実現。そして三点目は、JICA国際緊急援助隊の国内活動を可能とするJDR法の見直し並びに国際連携強化について。そして最後に、避難所、避難生活環境の抜本的な改善に向けた体制整備についてお話をさせていただきます。
 二ページ目になりますけれども、我が国の責務というところで、実は、阪本委員もおっしゃっていましたけれども、災害対策基本法の実施主体は、被災している基礎自治体となっています。まさにこの自治体の職員の方々も被災者です。一昨年、イタリアに視察に行ってまいりましたけれども、イタリアでは、自治体職員も被災者であり、支援を受ける権利があるとして、避難所の対応とかは自治体職員は一切関わりません。外部支援で全部やるんだということでやっています。
 下の図の三のところに示しているのは、これは広島大学の久保先生たちのデータをお借りしていますけれども、やはり能登半島地震で前線にいる基礎自治体の職員の疲労度が非常に高い。七、八点あたりというのはかなり厳しい状態にあるというふうに言われているんですけれども、それぐらい疲れ切って対応している、こういう現実があります。
 ですので、是非、防災庁の所掌事務の中に、防災のための施策に関する基本的な方針及び計画に関する企画及び立案並びに総合調整に関することというところで、図の二に示すような体制整備に向けた抜本的な見直し改善を図ることを提案したいと思います。
 ですので、例えば、小規模災害であれば基礎自治体が行う。中規模、大規模であれば、四十八時間は基礎自治体で頑張ってもらう。その後に、中規模であれば、被災している都道府県が支援をしっかりしていく。そして、大規模災害、南海トラフ等になった場合には、国、防災庁が徹底的に実施主体として動く。こういう体制に変えていかないと、避難所の問題とかいろいろなことがやはり積み増しになっていってしまいますので、是非この見直しは御検討いただければと思っています。
 三ページ目を御覧ください。
 最初の方は災害対策基本法なんですけれども、例えば、私たち医療支援にずっと関わってきている者たちの仕組みというのは、まさに先ほどお話ししたように、小規模災害、大規模災害で体制を変えていくんですね。ですけれども、行政はこういう体制になっていないんですよ。ですから、例えば、これはDMATですけれども、これぐらいの規模であればどうするということがきちんと明記されています。整理されています。ですので、この体制を行政の中にもしっかりつくっていただければと思っております。
 次のページをお願いいたします。四ページ目です。
 漏れ、むらのない防災業務計画ということで、下の図は、国際支援で私たちが海外で支援活動をするときに使われているクラスターアプローチというものになります。防災庁が設置されたら、漏れ、むらのない防災業務ということで、是非しっかり点検をして、まず何が必要なのかというところから構造化をしていただきたい。
 その上で、クラスターアプローチにあるような、リードエージェンシーといいますけれども、例えば保健であればWHOがリードエージェンシーになりますというふうに、どこが担当するかというのは、やることがあってから決められるんですね。なので、現行で、多分、重複していることとか、どっちがやるのかよく分からないこととかがかなりあるんじゃないかなというふうに思いますので、しっかりと構造化をした上で、じゃ、どこが責務を負うのかという見直しをしていただきたいと思っています。
 次のページ、五ページ目は、クラスターアプローチとリードエージェンシーということで、国際社会ではこういうふうになっているという参考でございます。
 次のページ、六ページ目に行ってください。
 私は長らく、JICA国際緊急援助隊医療チームとして国際支援を行ってきました。そして、東日本大震災で初めて国内で活動をしてちょっと衝撃を受けたんですけれども、やはり、国際社会で支援をするときには国連がしっかりマネジメントをしてくれます。彼らはすばらしいノウハウを持っています。ですけれども、国内は、一体誰が何をどこまでやるのかよく分からない。みんな必死になっているんですよ、誰も怠けていないです、すごく一生懸命やっているんだけれども、それがお互いに、足し算にもならなければ掛け算にもなっていかない、ずっと一足す一をやっているような、そういう様子があります。
 そして、国際緊急援助隊医療チームとして活動してきましたけれども、JDR法の中に「海外の地域、特に開発途上にある海外の地域において」という規定がございます。
 実は、今国際社会の中では、WHOがエマージェンシー・メディカル・チームの認証制度というものをつくって、私たちJICAのチームも、この認証制度のうち、タイプワン、タイプツー、タイプスリーと三種類あるんですけれども、日本はタイプツーまで取っています。中国とイスラエルがタイプスリーで、本当に、本格的な病院が展開できるというチームなんですけれども。このタイプツーまであるということは何かというと、実は、検査もできますし、レントゲンも撮れますし、手術もできますし、透析もできます。それらのトレーニングを私たちはしっかりやっています。
 しかし、例えばトルコの地震のときにタイプツーを展開していますけれども、これはトルコで展開できるんですけれども、日本では展開できないんですね。そして、これらの機能は実はDMATは持っていません。DMATはこのような大規模な展開はできませんので、せっかく持っている日本の資源を国内で活用できないというのは非常にもったいないと思っていますし、恐らく南海トラフ地震のときにはこの機能が役に立つんじゃないかというふうに非常に思っておりますので、是非このJDR法の見直しを検討していただきたいです。
 もう一つは、JICA国際緊急援助隊の救助チームです。これも国際社会でINSARAGがしっかりと評価をするんですけれども、国際認証を持つヘビー級のチームがあります。しかし、このチームも日本では活動できないんですね。イタリアにはこのヘビー級のチームが四チームございますけれども、基本的に、国内で活動しているチームが国際認証を受けて海外でも支援に当たる、そういう仕組みになっています。ですので、是非ここの見直し、せっかく日本が持っているこの有効な資源を活用しない手はないと思いますので、是非御検討いただきたいと思っております。
 七ページ目に行きたいと思います。
 今言ったように、EMTの認証を受けているチームが、GOのチームが二十六チーム、NGOが十四チーム認証されています。この人たちを、どうやってうまく支援を受け入れるか。国際協力に関することということが所掌事務の中に含まれています。ですので、国際社会からの支援を円滑に受けるための受援計画の策定が非常に重要です。これは防災庁だけではなくて、外務省、厚生労働省との調整や訓練が必要になると思いますので、是非この点についても御検討いただければと思っています。
 次、八ページ目に移りますけれども、これは参考までです。私、二〇一五年にネパール地震で支援に行きましたけれども、世界どこからでもこのサイトが閲覧できて、そこをクリックすれば、どこのチームがどこで活動しているというのが一目瞭然なんですね。ですので、防災DXの中にこういう発想も是非入れていただいて、国際協力を受けやすいようにしていただきたいと思っています。それから、下の参考資料七は、実は日本のDMATと海外のDMATは合同訓練を行っています。ですので、これをしっかりと、JICAの国際緊急援助隊医療チームとか、もう少し広範囲に連携ができるようになっていったらいいんじゃないかと思っております。
 九ページ目に行きたいと思います。
 被災者の方たちが良好な生活環境をあまねく享受できるようにすることということが基本理念に含まれたということをとても評価をいたします。しかし、これを具現化する、実際に行うためには相当に制度設計が必要になっていくと思っています。
 主な点としては、指定避難所に非常用発電機と空調設備の設置を義務化すること、これを是非実現してほしいと思っています。災害時に、真っ暗な被災地で明るいところはどこかというと、病院だけなんですよ。東日本もそうでした。能登もそうでした。病院に被災者が来てしまう。私たちは医療を提供したいのに、避難所対応までしなくてはいけなくなっている、これが実態です。ですので、指定避難所、特に、小中学校の体育館等に非常用発電機と空調設備を設置するだけで、低体温症だとか熱中症予防、こういったものが可能になるのではないかというふうに思っております。
 ですので、指定するだけで終わらない、その後の機能までしっかり義務化していただきたいと思っています。
 それから、この基本理念の実現に向けて、是非、防災庁が設置されたら直ちに、実務者レベルの有識者会議若しくはワーキンググループを設置して、何をしたいかというと、避難所の標準化とユニット化を実現するということです。そして、防災庁が避難所に係る人員をしっかり登録をし、そしてユニット化された物資をしっかり備蓄をして、それを防災庁がコーディネートできる。これはイタリアの仕組みが非常にモデルとして参考になりますので、是非御検討いただければと思っております。
 災害関連死、阪本委員からも御指摘がありましたけれども、十ページ目をめくっていただければと思いますけれども、私はこの災害関連死というのは氷山の一角だと思っています。
 実は、避難所で様々な健康被害が生じています。ですので、災害に被災したから寿命が短くなったかどうかはなかなかデータ化できない、客観的には測れないんですけれども、関連死に至らないまでも様々な健康被害が生じている。これは、私たち、災害を自然災害、人為災害とかいろいろ分類するんですけれども、実は、この事態というのは、複雑な緊急事態、コンプレックスエマージェンシーズの状態にあるのではないかというのが私の見解です。
 これはBBCが難民キャンプ以下だというような報道もしていますけれども、やはり様々な社会制度とかが機能できなくて、自然災害に影響されて複雑な緊急事態をもたらしている。そして、公衆衛生上の様々な課題が避難生活に及んでいる。この結果としての、本当に氷山の一角が関連死なんだ。是非この視点の切替えをしていただければと思っております。
 そして、十一ページ目に行きますけれども、良好な生活環境をあまねく享受できるようにすることということで、防災庁の設置の説明の中にスフィア基準等に基づくという言葉が入ったことは非常に評価をしています。そして、このスフィア基準というのは、トイレの数が何個とか水道が何個とか、もちろんこの最低基準も大事なんですけれども、何よりも大事なのは、尊厳のある生活への権利、人道援助を受ける権利、そして保護と安全への権利、こういう権利を保障するんだということを国の文章としてうたったということを、是非、共通理解をしていただければと思っております。
 次のところは、先ほど言った非常電源の設置です。日本には非常に優れたものがあります。水循環型ポータブル手洗い器とかラップ式トイレとか非常に優れたものがありますけれども、これは電気がないと使えない。ですので、是非このことを御検討いただいて。
 十二ページに行きますけれども、実は、日本ではニーズと資源の不均衡が起きています。最初にたくさんの避難者がいるんですけれども、物資が届くのはその後なんですね。イタリアは、四十八時間、最大量の資源を投入して、それから減らしていくんです。ですので、是非この仕組みをつくっていただければと思っております。
 十三ページ以降は是非参照していただければ結構なんですけれども、十五ページのところの、少子高齢、人口減少社会で千七百四十一の備蓄は、実はすごく多いんです。だけれども、期限が切れて捨ててしまう。この繰り返しですので、是非、国として備蓄をして、どこでも使えるようにする、無駄を省く、この計画もしっかり立てていただいて。実は、この予防コストにお金をかけることの方がよほど損失コストは少ないという試算も出ていますので、是非。
 最後、十六ページですけれども、防災立国の実現ということで、避難所を標準化し、ユニット化をし、さらには、アジアが特に災害が多いわけですので、これを輸出産業に発展させていって、是非、防災立国として、人間の安全保障、警察庁、消防庁と同じような、ここまで防災庁を発展させていただけたらありがたいなというふうに思っております。
 以上でございます。拍手
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関芳弘#9
○関委員長 ありがとうございました。
 以上で各参考人からの御意見の開陳は終わりました。
    ―――――――――――――
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関芳弘#10
○関委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。山口晋君。
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山口晋#11
○山口(晋)委員 皆さん、おはようございます。自由民主党の山口晋です。
 本日は、四名の参考人の皆様方に大変に貴重なお話を伺い、様々御示唆をいただいたこと、しっかりとこれを法案に反映をしていかなければというふうに思っております。
 そしてまた、菅原気仙沼市長におかれましては、本当に、選挙戦が終わった直後にもかかわらずこの場に来ていただき、また、五選目を見事勝ち取られて、これからのかじ取りということであります。これからもますます気仙沼市が発展することを心から御期待を申し上げるところでございます。
 そしてまた、三名の先生方におかれましては、防災庁の設置準備アドバイザー会議の立ち上げメンバーとして、目指すべき防災庁の姿について様々御知見をいただいていることと承知をしておりまして、本当に心から敬意と感謝を申し上げる次第でございます。本当にありがとうございます。
 本日、四名の先生方からお話を聞く中において、やはり防災庁は日本にとって非常に重要だということを改めて私自身も認識をしたところであります。そういう中において、四名の先生方からいろいろな御意見があったわけでありますけれども、是非質問に移らさせていただきたいと思います。
 まず、四名の先生方に、勧告権についてお伺いをしたいと思っています。
 実は、私自身も、私の選挙区、令和元年の台風十九号の際に、大雨によって堤防決壊という被害が起こりました。その中で、私自身は、当時秘書でありましたけれども、地元の被災された方々の被災者再建支援であったりとか、地元の首長さんと連携を取りながら国への要望を言わせていただいたわけでありますけれども、その中で首長さんから言われたことが三つありました。まずは、国としてのスピード感が非常に欠如しているということ、そして二点目が、窓口が幾つもあり、支援を依頼する方法もどこにしていいのか分からないということ、そして三点目が、責任の所在が明確でないということ、どこまで首長の判断で様々な施策を実行していいのか、また、どこの省庁が、責任を誰が取ってくれるのかが分かりづらいということを言われたことを今でも覚えております。
 そういう中において、今回、防災庁はそのような問題に対してもしっかりと解決して、ワンストップで実行できる省庁にしていかなければというふうに私は思っておりますが、やはりそこで肝になってくるのが勧告権だと私は考えております。
 総理大臣の下で、防災担当大臣が各関係省庁に、勧告権を付与して、それぞれ調整をしていくというところでありますけれども、そういう中において、やはりまだ、勧告権の行使の基準であるとか方針を定める必要について明確にうたっていないように私も認識をしておりますが、まずは、その基準を定める必要があるのかということについての御意見と、そしてまた、ある場合にはどのような勧告権のイメージをお持ちであるのか、四名の先生方から御意見を伺えればと思います。よろしくお願いします。
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菅原茂#12
○菅原参考人 私たち、東日本大震災においても、今先生がおっしゃられた三つのことは非常に課題になりました。そういう意味で、先ほど私の方からそのことを、自治体の長は目の前のことで一生懸命、時間がありませんので、中央省庁の方から人を出していただいてそこを整理して、また、各省庁とつなぐ、また交渉する役割を担ってほしいという話をしました。そのことを今回仕組み化することの一つがこの勧告だというふうに思っております。
 是非、防災庁において勧告をしっかりと機能させることが大事だと思っておりますが、その基準ということになりますと、災害の大きさ等について、また災害のタイプによって、物すごくバラエティーに富み過ぎて、想定したことそのものは実際は起こりません。違うことが起こることがほとんどだと思っていますので、ここで一つのルールということを私の方から示すことはできませんが、そのとおりに動かすかどうかは別として、ルールがないと勧告が実際には機能しない可能性がありますので、一つのルールを作るということ自体には非常に大きな意味があるのではないかなというふうに感じているところです。
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菅野拓#13
○菅野参考人 山口先生御指摘のとおり、やはりワンストップで対応していくというのが本当にどの被災地でも望まれていることであるというふうに思いますし、そのときに、あってはならぬことかとは思いますけれども、ワンストップで受け止めたものを他省庁の皆さんがうまく果たしていただけない、そういうことを想定して勧告権というものを設定しているとは思うんですが、現実の災害の現場を見ると、どの省庁も本当に一生懸命働かれているんですね。
 そのときに、例えば、何か勧告をして、無理やりにでもやってください、そういう世界は多分実際には訪れないのではないかなと思っていまして、むしろ、勧告権なんかが本来的に必要になってくるのは、その後の検証の段階で、例えば、こういった法律を本来的には見直してほしいんだけれどもそれは我が省庁としては見直せません、こういったことが出てきたときなのではないかなというふうには思っています。
 そのときに、勧告権の基準という話になりますと、例えば、勧告権と尊重義務があるというだけで、担当者同士の様々な調整というのは意味合いが変わりますよね。あくまでも、勧告をするだけではなくて、そういう権限を持っているところと恐らくしゃべって様々な調整をするんだということこそが肝になるかと思いますので、明確に何かルールを作るということではまずはないのではないかというふうに私は考えています。まずは、そういった勧告権と尊重義務がある前提の中で、しっかりと他省庁同士で調整をする、またそれで実際に実行していくという慣例をつくっていくということが大事なことなのではないかというふうに考えます。
 以上になります。
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阪本真由美#14
○阪本参考人 災害時には、省庁間連携が求められる事項が本当にたくさんあります。例えば、仮設住宅を設置するのは国土交通省、入居者の支援をするのは厚生労働省、都道府県が住宅の手続をして市町村が支援する、ボランティアが被災者の支援をしていくみたいな構図になっています。
 こういう省庁間の連携が求められる事項をどこが責任を持ってやっていくのかというのが今決まっていません。なので、先ほど石井先生からはリードエージェンシーという言葉がありましたが、どの省庁が主体的にやっていくのかという運用体制を定めていくというのが、まずもって、勧告権に先駆けて大事なことだと思います。
 その上で、災害対応をやっていく現場においては、従来の法制度だけでは運用ができないものがたくさんあります。こういう法制度の運用がどうしても難しいときなどにこの勧告権を活用することが考えられます。ただ、勧告権の活用の前に運用体制をきっちり決めておく、これが最も望ましいことだと考えております。
 以上です。
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石井美恵子#15
○石井参考人 先ほども申しましたけれども、クラスターアプローチのような手法を参考にして、漏れ、むらをまずなくす。何がちゃんとできているのかということの概念整理をしないといけないんだと思うんですね。その上で、それはどこの責務なのかということを整理した上で、それを実行する上で何か必要があったときに、災害が起きたときではなくて、むしろ事前防災の中でそこをきちんと整理をした上で、事前防災として不足な点において勧告権限等を使い、それを推進していくということが大事なのではないかというふうに思います。
 例えば、東京都の防災委員とかもしているんですけれども、小中学校に自家発電設備をつけてくださいと言っても、防災担当部局は、それは教育委員会だから僕たちは口を出せないんですよというふうに、もう何年もずっと言われているんですね。
 だから、こういったところにうまく勧告権限、若しくは予算の点でしっかりと何かサポートできるような、そういった体制を整備していく。事前防災の中でそこをしっかり整理をしていくことで、災害が起きたときにも、どこに責任があるのかということが明確になっていくのではないかというふうに思います。
 以上です。
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山口晋#16
○山口(晋)委員 ありがとうございます。
 しっかりとやはりこの勧告権について考えていかなければならないと思いますし、私自身の経験上、国レベルはいいとしても、国と県と市とか、市町になっていくと、やはり縦の方の連携というのは本当に難しいなと改めて感じたところでありますので、その辺を含めた、勧告権をしっかりと行使できるような形で進められればというふうに思っております。
 次に、菅原参考人にお伺いをしたいと思います。
 震災遺構の運営支援と防災教育の在り方について、最後に少しお話も触れていただいたわけでありますが、実は、私自身、一期目のときに自民党の青年局のチーム・イレブンで、被災地応援という形で震災遺構を訪問させていただきまして、多くの学びをいただきました。災害は、どんなに教科書で教えられるよりも、実際に現地に行って、そして被災された方々から直接お話を伺うということが本当に貴重な経験だったというふうに思っております。ただ、市長も御指摘されていましたけれども、やはり、月日がたつにつれて、遺構の維持管理、運営というのも決して容易ではないというふうに承知をしております。
 そこで、菅原参考人が考える、私は、震災遺構と教育というのをうまく関連づけることによって、しっかりと次の世代へ、災害の、重要性というか、震災の悲惨さというものも維持、継承できるのではないかというふうに考えているんですけれども、その辺のお考えについてお話を伺えればと思います。
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菅原茂#17
○菅原参考人 御質問ありがとうございます。
 本市においては、先ほど申しましたように、大変海に近い、それも気仙沼市において最も外洋に近いところに建っていました気仙沼向洋高等学校が、四階建ての建物で四階まで被災をしました。幸い人は亡くなりませんでしたけれども、建物としては壊滅的な状態になりまして、現在、そのまま保存しております。
 その脇に、近くにあった観光施設の災害復旧として伝承館を建てまして運営しておりますけれども、先ほど言いましたように、年間五、六万人の来場者ということで、当初、五千万円ぐらいの費用で一千五百万ぐらい手出しかなと思っていましたけれども、現在は三千万ぐらいの手出しになっているという状況でございます。この施設については、やめる気は全くありません。東日本大震災で被災した我々がこのことを伝承しないで誰が伝承するのかと、責務と思ってやっていることでございます。
 この施設においては、見学される方もございますが、同時に、研修をされる方もいますし、教育という意味では、企業における防災教育でありましたり、学校教育の中で修学旅行等で訪れてくれる人たちもいます。
 本市の特徴としては、安倍総理時代にも来ていただきましたけれども、語り部がおります。大人の語り部の人たちだけではなくて、中高生の語り部がおります。中高生の語り部においては、実は、被災を覚えていない、又は被災後に生まれた世代が語り部になっています。彼らにとっては、最初は戸惑いです、自分が被災をしていないのに人に伝えていいのかどうか、そういう葛藤を抱えながら、先輩に励まされながら、そのことを今しています。
 このことは極めて大事で、いずれ全員が、被災をしていないのに被災を語ることになります。そういう施設を延々と続けていくこと、そしてそこを常にバージョンアップしていく、本市においては東北大学の災害科学国際研究所に監修をしていただいておりますので、そういう面でも少しずつ費用はかけなくてはいけないのですが、展示の仕方だとか新しい知見をその場で示していって、より教育的効果を発揮していく、そういうようなことを我々としては今後とも進めていきたいと思っています。
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山口晋#18
○山口(晋)委員 ありがとうございます。
 しっかりと進めていけるように、国からも支援をしていかなければと考えております。
 続きまして、菅野参考人にお伺いしたいと思います。内容は、防災局の設置規定についてであります。
 本日の先生の資料の中においては、餅は餅屋の防災とおっしゃっていて、しっかりと、出身セクターが様々なプロパーの職員を中心に専門性を持って蓄積する必要があるということ、そしてまたそれをうまくコーディネートをしていく必要があるということをおっしゃっておられました。
 今後、防災局の設置を行う中において、もちろんこれが防災庁であればそういったことが全てできるかもしれませんけれども、やはり各地各地で様々災害も異なってきますし、状況も異なってくると思います。だからこそ、私はそういった役割は防災局にも持たせるべきだと思っているんですけれども、その場合の設置基準の在り方というか、要は、今既に、国土交通省であれば関東地整のようなそれぞれの出先があると思いますけれども、そのようなブロックでいいのか、それとも、よりもう少し広域がいいのか、よりもう少し小さい方がいいのか、そういったお考えがあればお伺いできればと思っております。お願いします。
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菅野拓#19
○菅野参考人 御質問ありがとうございます。
 防災局の設置基準ということでございます。
 御指摘のとおり、やはり専門性をちゃんと蓄積していけるということが防災庁及び防災局の強みかと思います。自治体、例えば都道府県を見ても、なかなか、防災担当の専門職員をしっかりと置いて、そこに専門性を蓄積して対応しているということはかなり少ないのではなかろうかというふうに思います。なので、災害が起こるたびに、要は、専門性を蓄積しない部分、例えば被災者支援なんかは本当に典型ですけれども、同じような混乱が起こり続ける。この是正ということが極めて重要になるかと思います。
 なので、防災局の方にも当然、専門人材、要はずっと防災に関わり続ける人材が置かれるということになりますので、そういった方々がいるということが大前提かと思います。
 さらに、設置基準ということになりますと、要は、カウンターパートは恐らく、その際は、一番大きな自治体の皆さん、特に都道府県ということになるかと思います。それで、例えば都道府県を二十も三十も担当しますということであれば、防災庁と全く同じということになっておりますので、やはり、例えば地方整備局ぐらいの単位で、ある程度のまとまりの中で、その分野でこの都道府県さんやこの政令市さんはうまくやっている部分があるんだったらそのノウハウを移転しましょうとか、そこと一緒に顔の見える関係をつくって研修をやりましょうとか、そういった単位で設置をしていくということが望ましいし、効果的なのではないかというふうに考えております。
 以上になります。
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山口晋#20
○山口(晋)委員 ありがとうございます。
 ちょっと時間も限られてきましたので、続きまして、阪本先生、福祉支援についてお話を伺いたいと思います。
 以前も先生は、衆議院の特別委員会で参考人として御発言されたときに、恐らく三点のことをおっしゃっていたと思っておりまして、一つは、避難した被災者の方々の情報の把握と情報の活用、そして二点目が、福祉支援を支えるための体制整備そしてまた福祉支援の重要性を訴えられたと思っています。そして三点目が、官民の連携の必要性を訴えられたと思っています。
 先生も先ほどお話の中で、日本はハード面の支援は非常に進んでいるけれども、災害関連死の観点から見ても、やはり福祉支援の部分に少し支援が足りないんじゃないかというような御指摘がございましたけれども、より具体的に、どういったところを充実させていくことが必要か、お話を伺えればと思います。
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阪本真由美#21
○阪本参考人 御質問ありがとうございます。
 福祉支援については、三つぐらい取組が必要だと考えています。一つは、被災した地域の福祉施設の事業継続に対するサポートです。この人たちが事業を継続できない限り、被災地にいる高齢、障害のある方を支える仕組みはありません。二つ目は、個別避難計画として、平時からそういう方々の情報把握、そして災害が起きた後のケースマネジメントによる支援につなげる点です。三点目は、災害時の福祉支援の拡充です。
 DWATなども設置されていますし、災害福祉支援センターについても整備が進められていますが、DWATについても、メンバー構成は都道府県によって違います。こういう方々が被災地に入って、避難所、在宅、そして福祉施設のサポートに効果よく入れるというような仕組みづくりは、これから先必要だと考えています。
 以上です。
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山口晋#22
○山口(晋)委員 ありがとうございます。
 最後に、石井参考人の方に、海外支援についてお話を伺いたいと思います。
 先ほど先生は、海外でいろいろな経験をされて、日本に来たときに日本の脆弱さに対してちょっとショックを受けたというようなお話がございました。しかし、私自身は、今回の高市政権においても成長分野の一つとして防災を位置づけているといったこと、そしてまた、今回のこの設置法の中においても国際貢献ということをしっかりとうたっているというふうに思っております。
 そういう中において、先生の御知見から、これは日本の強みだと海外に示せることが何かありましたら教えていただければというふうに思っております。よろしくお願いします。
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関芳弘#23
○関委員長 石井参考人、お時間ですので、簡潔にお願いします。
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石井美恵子#24
○石井参考人 大変難しい御質問をありがとうございます。
 例えば、スマトラの地震、津波災害で支援に行ったときには、なぜ支援に来る前に津波警報という仕組みをODAで支援してくれなかったんだということをたくさんの被災者の方から言われました。ですので、恐らく、日本の強みはそういったハード面のところなんだろうと思います。
 さらには、先ほど申し上げたように、避難所をしっかりユニット化して、途上国でも、やはりテント、国連が支援してテント生活にはなってプライバシーは保たれるんですけれども、必ずしも清潔な環境とは言えないので、そこにも是非力を入れて、まさに防災立国、ハード面、ソフト面両方からそういったものを実現していただければと思います。
 以上でございます。
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山口晋#25
○山口(晋)委員 ありがとうございました。
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関芳弘#26
○関委員長 次に、中川宏昌君。
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中川宏昌#27
○中川(宏)委員 中道改革連合の中川宏昌でございます。
 本日は、四名の参考人の皆様、大変お忙しい中、当委員会に御出席をいただきまして、貴重な意見をお伺いさせていただきましたこと、心から感謝を申し上げます。
 それぞれ、現場の最前線で長年被災者支援また被災地支援をされてきた皆様でございまして、構造的な課題をよくよく御存じの皆様であるというふうに思っております。その皆様から直接お話をお伺いできましたことは本法案の審議において大変有意義であったと思っておりまして、心から感謝を申し上げたいというふうに思います。
 まず一点目ですけれども、災害対応と官民協働の実効性の確保につきまして、菅野参考人と阪本参考人両名にお伺いさせていただきたいというふうに思っております。
 先ほどからお話のあるとおり、行政におきましては、ハード整備や復旧は得意である。一方で、平時は民間が市場等を通して供給しているいわゆる財やサービス、ケアですとか物資は、災害時には急に行政が担うことになります。行政の皆さんは大変な中本当に対応していただいているところでございますけれども、結果としましては被災者支援がどうしても混乱をし続けているという、この構造的な課題の指摘は、私も被災地をお伺いしてきた中で強く実感しているところであります。私も、専門的な民間団体等の知見を最大に生かしていくことは、実効性ある災害対応において大変重要な部分であるというふうに思っております。
 そこで、お伺いをさせていただきたいと思います。
 菅野参考人からは餅は餅屋というお話がございましたが、餅は餅屋の災害対応を真に実現して、そして民間組織や専門家が被災現場でその力を十分発揮するようにするためには、新設される防災庁においては平時からどのような仕組みを構築していくべきだとお考えか、その点につきましてまずお伺いをさせていただきます。
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菅野拓#28
○菅野参考人 中川先生、御質問ありがとうございます。
 まずは、官民協働ということで、やはりここが実は一番迅速に様々な効果が出る部分。今まで、まさに例えばハード整備であるとか救命救助や治安維持といったところは、本当に政府が一丸となって対応されてきたことなんですね。更にレベルをずっと上げられてきたところですが、やはりここの部分というのはまだまだ後手に回っていた。官民協働の部分というのは非常に大事な部分かというふうに思います。
 一つは、非常に大事な部分としては、やはり災害ケースマネジメントをちゃんと全国に展開し、体制整備するということでございます。
 要は、これは伴走型の被災者支援というんですが、災害が起こってから、急に皆さん、やらなきゃといって始まるわけですね。でも、よく考えると、災害の被災地で厳しい状況に置かれる方というのは、例えば福祉的なケアが必要なんだとか、医療のケアが必要なんだ、弁護士の支援が必要なんだということで、実際には平時から、例えば包括支援体制と言ってみたりとか地域包括ケアと言ってみたり、平時に支えられている人、支えなきゃいけないとされている人たちとよく似た構造ですし、その支える人たちの専門性というのはまさに平時の世界にある。なので、やはり平時から、例えば厚生労働省さんと防災庁さんなんかと一緒になって、災害ケースマネジメントの体制整備を全国にしていただきたいなと思います。
 また、民間が担っているケアの部分というところが今やはりうまく動いていない。先ほど石井先生からもDMATの話なんかがありましたが、やはり福祉の部分というのはまだまだ弱い。
 昨年度、法改正がされて、やっと福祉サービスの提供というのが規定されましたが、やはり福祉施設への応援派遣なんかの制度もまだちゃんとできていないんですね。災害救助法ではなくて、実は福祉事業者同士の応援関係だけでやっているというのが現実でして、その組織もなかなかつくられていないということになります。DWATと言っていいのか分かりませんが、やはり福祉施設への応援なんかは速やかに民間の力をかりてやっていくということが重要だと思います。
 さらには、物資も非常に大事な点だというふうに思います。
 これも、物資なんてやったことのない自治体職員さんがいきなりどうやって対応したらいいのかという話になって、しかも、民間と一緒にやればいいよというんですけれども、指示するのをやったことのない行政職員、こういう構造なんですね。
 例えばDMATなんかの皆さんもそうですが、応援要請をすれば自動的に自律的に対応いただける、こういう世界があるわけなので、物資なんかもそういうことにしていればいいんだというふうに思います。例えば、大手の流通の企業さんなんかでちゃんと協議会を組んでいただいて、国や都道府県なんかも入って、一緒に事前から決めておいて、お願いねと言えば、ちゃんとベストエフォートで対応していただける。こういう部分は官民協働の非常に大事な部分かと思います。
 最後、長期避難対応型のユニットの避難所みたいなものは非常に大事かなと思います。
 今、小学校とかで避難所を長期運営するということなんですね。場合によっては仮設住宅まで建ってしまう。これはやはり、子供の教育を受ける権利を極めて阻害したまま我々は被災者対応をやっているということなんです。
 本来であれば、そういうところは例えば三日、できれば一週間以内ぐらいにはやめて、例えば県有施設なんかで、そういったところに関わりのないところでちゃんと人権配慮型の対応をする。これも、でも、都道府県に、それじゃ県の何かでやってくださいと責務をお願いしても、ふだん住民サービスを行ったことがないのが都道府県ということになりますので、そここそ、まさに例えばイベント会社であるとかNPOの皆さんなんかと一緒に組んでやっていく。この辺りというのは官民協働の非常に大事なポイントかというふうに思っています。
 以上になります。
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阪本真由美#29
○阪本参考人 御質問どうもありがとうございます。
 やはり、被災者支援の質を上げていくには、民間の力というものが不可欠です。行政ができる支援というのは恐らく必要最低限の支援でして、それだけで命が守れるかというと、決してそうではありません。よりよいサービスの提供には、やはり民間の力が必要です。
 そのときに、例えば、避難所での食事の提供であったとしても、地元の飲食業と連携してセントラルキッチン方式でよい食事を提供したり、あるいは、現在、子供食堂が全国で展開されています、こういう子供食堂が持つネットワークを生かして避難所での食対応をやっていくなども重要になっていると思います。
 また、福祉サービスについても、外部からのDWATのような支援チームだけではなくて、地元の訪問看護ステーションだったり介護ステーションだったり、こういうところが災害時には事業ができなくなってしまうので、そういうマンパワーもうまく生かして避難所支援などに当たっていただけると、地域の事業継続にもつながっていくように思います。
 なので、平時の仕組みとの連続性というのをどれだけ担保できるのか、行政任せにしない体制をあらかじめ事前にどれだけ検討できるのかという点が重要になってくると思います。
 以上です。
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