予算委員会
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会
会議録情報#0
昭和三十八年三月五日(火曜日)
午前十時三十八分開会
—————————————
出席者は左の通り。
委員長 木内 四郎君
理事
大谷藤之助君
川上 為治君
斎藤 昇君
平島 敏夫君
北村 暢君
横川 正市君
小平 芳平君
大竹平八郎君
委員
井上 清一君
植垣弥一郎君
太田 正孝君
加藤 武徳君
木村篤太郎君
小林 武治君
小柳 牧衞君
小山邦太郎君
古池 信三君
後藤 義隆君
郡 祐一君
杉原 荒太君
館 哲二君
松野 孝一君
稲葉 誠一君
近藤 信一君
瀬谷 英行君
戸叶 武君
羽生 三七君
藤田藤太郎君
松澤 兼人君
松本 賢一君
山本伊三郎君
鈴木 一弘君
二宮 文造君
小林 篤一君
曾祢 益君
田上 松衞君
須藤 五郎君
国務大臣
内閣総理大臣 池田 勇人君
法 務 大 臣 中垣 國男君
外 務 大 臣 大平 正芳君
大 蔵 大 臣 田中 角榮君
文 部 大 臣 荒木萬壽夫君
厚 生 大 臣 西村 英一君
農 林 大 臣 重政 誠之君
通商産業大臣 福田 一君
運 輸 大 臣 綾部健太郎君
郵 政 大 臣 小沢久太郎君
労 働 大 臣 大橋 武夫君
建 設 大 臣 河野 一郎君
国 務 大 臣 川島正次郎君
国 務 大 臣 近藤 鶴代君
国 務 大 臣 志賀健次郎君
国 務 大 臣 宮澤 喜一君
政府委員
内閣官房長官 黒金 泰美君
内閣法制局長官 林 修三君
内閣法制局第一
部長 山内 一夫君
総理府総務長官 徳安 實藏君
警察庁長官 柏村 信雄君
警察庁刑事局長 宮地 直邦君
経済企画庁調整
局長 山本 重信君
法務省入国管理
局長 小川清四郎君
外務省アジア局
長 後宮 虎郎君
外務省経済協力
局長 甲斐文比古君
外務省条約局長 中川 融君
大蔵省主計局長 石野 信一君
大蔵省主税局長 村山 達雄君
大蔵省銀行局長 大月 高君
厚生大臣官房会
計課長 今村 譲君
厚生省医務局長 尾崎 嘉篤君
厚生省社会局長 大山 正君
厚生省年金局長 山本 正淑君
厚生省援護局長 山本浅太郎君
農林大臣官房長 林田悠紀夫君
通商産業省企業
局長 佐橋 滋君
通商産業省繊維
局長 磯野 太郎君
中小企業庁長官 樋詰 誠明君
運輸省海運局長 辻 章男君
労働政務次官 田村 元君
労働省労働基準
局長 大島 靖君
労働省職業安定
局長 三治 重信君
労働省職業訓練
局長 村上 茂利君
事務局側
常任委員会専門
員 正木 千冬君
説明員
通商産業省通商
局次長 宮本 惇君
—————————————
本日の会議に付した案件
○昭和三十八年度一般会計予算(内閣
提出、衆議院送付)
○昭和三十八年度特別会計予算(内閣
提出、衆議院送付)
○昭和三十八年度政府関係機関予算
(内閣提出、衆議院送付)
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この発言だけを見る →午前十時三十八分開会
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出席者は左の通り。
委員長 木内 四郎君
理事
大谷藤之助君
川上 為治君
斎藤 昇君
平島 敏夫君
北村 暢君
横川 正市君
小平 芳平君
大竹平八郎君
委員
井上 清一君
植垣弥一郎君
太田 正孝君
加藤 武徳君
木村篤太郎君
小林 武治君
小柳 牧衞君
小山邦太郎君
古池 信三君
後藤 義隆君
郡 祐一君
杉原 荒太君
館 哲二君
松野 孝一君
稲葉 誠一君
近藤 信一君
瀬谷 英行君
戸叶 武君
羽生 三七君
藤田藤太郎君
松澤 兼人君
松本 賢一君
山本伊三郎君
鈴木 一弘君
二宮 文造君
小林 篤一君
曾祢 益君
田上 松衞君
須藤 五郎君
国務大臣
内閣総理大臣 池田 勇人君
法 務 大 臣 中垣 國男君
外 務 大 臣 大平 正芳君
大 蔵 大 臣 田中 角榮君
文 部 大 臣 荒木萬壽夫君
厚 生 大 臣 西村 英一君
農 林 大 臣 重政 誠之君
通商産業大臣 福田 一君
運 輸 大 臣 綾部健太郎君
郵 政 大 臣 小沢久太郎君
労 働 大 臣 大橋 武夫君
建 設 大 臣 河野 一郎君
国 務 大 臣 川島正次郎君
国 務 大 臣 近藤 鶴代君
国 務 大 臣 志賀健次郎君
国 務 大 臣 宮澤 喜一君
政府委員
内閣官房長官 黒金 泰美君
内閣法制局長官 林 修三君
内閣法制局第一
部長 山内 一夫君
総理府総務長官 徳安 實藏君
警察庁長官 柏村 信雄君
警察庁刑事局長 宮地 直邦君
経済企画庁調整
局長 山本 重信君
法務省入国管理
局長 小川清四郎君
外務省アジア局
長 後宮 虎郎君
外務省経済協力
局長 甲斐文比古君
外務省条約局長 中川 融君
大蔵省主計局長 石野 信一君
大蔵省主税局長 村山 達雄君
大蔵省銀行局長 大月 高君
厚生大臣官房会
計課長 今村 譲君
厚生省医務局長 尾崎 嘉篤君
厚生省社会局長 大山 正君
厚生省年金局長 山本 正淑君
厚生省援護局長 山本浅太郎君
農林大臣官房長 林田悠紀夫君
通商産業省企業
局長 佐橋 滋君
通商産業省繊維
局長 磯野 太郎君
中小企業庁長官 樋詰 誠明君
運輸省海運局長 辻 章男君
労働政務次官 田村 元君
労働省労働基準
局長 大島 靖君
労働省職業安定
局長 三治 重信君
労働省職業訓練
局長 村上 茂利君
事務局側
常任委員会専門
員 正木 千冬君
説明員
通商産業省通商
局次長 宮本 惇君
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本日の会議に付した案件
○昭和三十八年度一般会計予算(内閣
提出、衆議院送付)
○昭和三十八年度特別会計予算(内閣
提出、衆議院送付)
○昭和三十八年度政府関係機関予算
(内閣提出、衆議院送付)
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木
木内四郎#1
○委員長(木内四郎君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
昭和三十八年度一般会計予算、昭和三十八年度特別会計予算、昭和三十八年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、昨日に引き続き質疑を行ないます。藤田藤太郎君。
この発言だけを見る →昭和三十八年度一般会計予算、昭和三十八年度特別会計予算、昭和三十八年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、昨日に引き続き質疑を行ないます。藤田藤太郎君。
藤
木
藤
木
藤
藤田藤太郎#6
○藤田藤太郎君 私は経済の問題の質問から始めたいと思うのですが、通産大臣が衆議院に行っておられて非常に残念なので、できるだけ早く来ていただくことをお願いしておきたいと思います。
経済の発展を池田総理は今日まで謳歌してこられたわけでありますけれども、しかし、経済の発展というのは、私は需要と供給のバランスがとられて発展していくというところに基本があると、こう思うわけです。ところが、今日の経済の発展を見ておりますと、生産力、設備拡大だけはどんどん進んで参ります。供給の面は進むけれども、需要の面がおくれている、こういう状態でなかろうかと思うわけであります。ですから、この経済発展の基本というのは、生産と消費のバランスをとっていく、これは欧米諸国、特に欧州の各国がこの基本に立って進めてきたことは、池田総理も昨年行かれたのですからよく御存じのとおりだと思うのです。ですから、この日本の経済発展の供給と需要、このバランスをどうとっていくかということについての基本的な考え方を総理からお答え願いたい。
この発言だけを見る →経済の発展を池田総理は今日まで謳歌してこられたわけでありますけれども、しかし、経済の発展というのは、私は需要と供給のバランスがとられて発展していくというところに基本があると、こう思うわけです。ところが、今日の経済の発展を見ておりますと、生産力、設備拡大だけはどんどん進んで参ります。供給の面は進むけれども、需要の面がおくれている、こういう状態でなかろうかと思うわけであります。ですから、この経済発展の基本というのは、生産と消費のバランスをとっていく、これは欧米諸国、特に欧州の各国がこの基本に立って進めてきたことは、池田総理も昨年行かれたのですからよく御存じのとおりだと思うのです。ですから、この日本の経済発展の供給と需要、このバランスをどうとっていくかということについての基本的な考え方を総理からお答え願いたい。
池
池田勇人#7
○国務大臣(池田勇人君) 経済の発展は、需要と供給がバランスするということだけでは経済の発展にならぬと思う。やはり拡大しバランスしていくことにあると思います。ヨーロッパのほうで申しますと、イギリスはバランスしているかもわかりませんが、経済の発展は非常に遅々としている、だから今までの政策を変えようとしている。そうして、われわれの考えておる拡大均衡ということにつきましては、私は大体所期の目的を達しつつあると思います。ただ問題は、業種によりまして少し需要の増大よりも供給力の拡大のほうが進み過ぎている場合もあります。これは自由経済のもとでございますから、いたし方はございません。それはやはりだんだんならしていくということになると思うのであります。で、供給力の拡大が、またこの需要の拡大の面にもなってくるわけです。設備投資なんかもそういうことです。だからどの程度にいくかということは、やはり国際収支の均衡を見ながらやっていく、そうしてこれも国際収支の均衡、経済の拡大によって、設備の増大によって輸出力をふやしていく、こういうふうにうらはらになるものであります。拡大均衡という線に沿ってわれわれは着々歩を進めていっていると思います。
この発言だけを見る →藤
藤田藤太郎#8
○藤田藤太郎君 今池田総理の言われた拡大しながら供給と需要と均衡していく、私は当然のことだと思うのです。それを申し上げているわけでありますが、しかし、たとえば所得倍増計画を一つとって見ましても、所得倍増計画の四十五年目標年次の総生産を見ても、二十六兆になっております。ことしの計画を見ますと二十兆三千九百億、こういうことになっておるわけです。三十六年度から出発をいたしまして四十五年までの所得倍増計画でありまするが、三十六年度から倍増というのか、その所得倍増計画のこの目標年次を達成するためには、いつから倍増になるのか。この点も総理から、経済企画庁長官からお聞かせ願いたい。
この発言だけを見る →池
池田勇人#9
○国務大臣(池田勇人君) 私が十年以内所得倍増といったのは、三十五年の総生産を十三兆五千億というところから出発したのでございます。しかるところ、十三兆五千億が三十五年において実績は十四兆六千億だったと思います。さようになっておりますので、どちらをとっても私は差しつかえない。初めの計画は十三兆五千億で参りました。しかし実績が変わってきたものですから、十四兆六千億をとっても差しつかえないと思います。いずれにいたしましても、計画より小し早目に今までのところは進んでおるのであります。
この発言だけを見る →宮
藤
藤田藤太郎#11
○藤田藤太郎君 そういたしますと、所得倍増計画にならって参りますと、十三兆五千億が、十四兆六千億ということを基準にいたしますと、二十六兆がこれは変わってくると思います。二十九兆ぐらいになると思いますが、たとえば二十六兆を基本にして今日の総生産が二十兆、で、急速度に三十五年、六年と伸びて、生産の拡大がして参りました。ですから、これに応じて他の雇用の面とかそれから国民所得、生活の面とか、こういうものをやはり速度の早さに応じて拡大していかなければならないと私は思うわけであります。ところが、この面はあんまり進んでいない。所得倍増計画を見ても、基準年次から目標年次までがあって、各年ごとの計画がないわけでございます。ですから、この各年ごとの計画というものが十年倍増計画の中にあるのかどうか。これがあったらお話を願いたいと思います。
この発言だけを見る →宮
宮澤喜一#12
○国務大臣(宮澤喜一君) それは昨日の羽生委員のお尋ねにも多少関連をいたすことでありますが、巨視的に十年後の目標を定めまして、この間のおのおのの要素については年率どのくらいで進むのが適当であるかということは、倍増計画で申しております。しかしこれは年率で申しておりますから、そういう意味では平均率で割ったような、グラフで申しますと直線を書いたようなグラフになるわけでありますから、もっと厳密な意味で、それが成長の過程で経過地点がおのおのどういう姿であるだろうかということは考えておりませんので、最初と最後を直線のグラフで結びまして、それを複利のような形で平均年率を出しておる、こういうことでございます。
この発言だけを見る →藤
藤田藤太郎#13
○藤田藤太郎君 そういたしますと、当初言われたのは七・二%ずついって十年で倍増になる、こう言われたわけであります。三十五年、三十六年に非常に急速に設備投資がふえて、その母体は拡大をした、それが延長をして総生産の急速な上がりの傾向を示しておるわけだと思うのです。そうなると今度は、三十八年は実質六・一%という計画でありますけれども、その三十五年、六年に日本の経済が成長して参りました。その格好で今度は三十七年から三十八年にかけてダウンをする、また、いつの日か成長率をうんと上げる——私は景気変動の形を極端にとっておる国は日本だけだと思うのです。景気変動をなるべく少なくしてノーマルな形で経済が発展をしていくというコースを、どの国も努力を私はしておると、こう思うわけであります。たとえば、その要因は何かということを私も少し調べて参りましたが、先ほど申し上げました需要の手当ができていない、それから、たとえば貿易の一面を一つとってみましても、私は一番大きな問題は対米貿易ではないか、こう思うのです。昭和三十二年に日本の輸出が五億九千万ドルで、輸入が十六億一千万ドル、こういう格好であったと思うわけでございます。そしてあの不況に追い込まれまして、今度は極端な状態は、たとえば三十六年では対米貿易は輸出が十億五千万ドル余り、輸入が二十億七千万ドル余り、そういう状態で、半分の輸出入のバランスでございます。それでまた日本の経済がダウンをする、そしてダウンしたときにはバランスをとるようにしているという、私はこういうことも大きな要因ではなかろうかと思うわけでございます。ですから、そういう点の調整を今後どうとっていこうとしておられるか、私が申し上げた数字に間違いがあるのかないのか、企画庁長官からお聞きをしたい。
この発言だけを見る →宮
宮澤喜一#14
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま藤田委員の仰せられましたのは、三十六年の暦年では、為替ベースで輸出が十一億ドル余り、十一億二千五百万ドルという数字が出ておりますが、三十七年は、これ暦年でございますが、十四億五千万ドルくらい、これはいずれも為替ベースの数字でございます。
この発言だけを見る →藤
宮
藤
宮
宮澤喜一#18
○国務大臣(宮澤喜一君) 通関ベースでなく、私は為替ベースの暦年を申し上げましたが、藤田委員が仰せられましたのは、やはり為替ベースでございますか。もし通関ベースでございますと、三十六年、これは年度でございますと十一億四千万ドル、それから三十七年度は同じく通関ベースで大体十五億ドル、こういうふうに思われます。
この発言だけを見る →藤
藤田藤太郎#19
○藤田藤太郎君 私の言っているのは、通産白書の三十七年度に載っております一九六一年の輸出と輸入の関係、これが明確に表にして載っておるわけです。それをここで申し上げているわけでありまして、それは輸出が十億五千万ドル、それから輸入が二十億七千万ドル、こういう数字が出ています。出ていますから、それをお尋ねしているわけです。通産省がこの白書をお作りになったんですから、通産省からお答えを願いたい。
この発言だけを見る →宮
宮本惇#20
○説明員(宮本惇君) ちょっと白書をただいま手元に持っておりませんが、三十六年度の通関ベースのアメリカ向けの輸出が十億六千七百万ドル、輸入が二十億九千六百万ドルでございます。
この発言だけを見る →藤
藤田藤太郎#21
○藤田藤太郎君 ちょっと数字が違いますけれども、大体輸出が十億で輸入が二十億、こういうことだと思うのです。企画庁長官聞いて下さいよ。私はその一つの要因を言っているわけですよ。だから、たとえば三十二年に五億九千万ドル輸出して、十六億一千万ドル輸入して経済が非常に困難になっている。そして三十三年度にバランスをとろうとしてやったところが、少し経済が伸びてきたら、また三十六年にこういう状態になって、またバランスがくずれていくという順序を踏んでいるのが一その要因ではなかったか。だからこの貿易の問題一つ限ってみても、今後こういうことのないようにどう調整されるか、特に今問題になっている綿製品の問題にしても、私は対米貿易がこういう状態にありながら、アメリカの規制に甘んずるといいましょうか、外務省と通産省の意見が違うようでありますけれども、こういう問題について、きぜんとしたる態度で私はやはり政府は臨んでいいのではないか、これは一つの問題でございます。しかし全体の問題としては、こういうアンバランスのたびごとに、日本の経済が鈍化する、こういうことでは、私は少し施策が足らぬのではないかということを申し上げているわけです。
この発言だけを見る →宮
宮澤喜一#22
○国務大臣(宮澤喜一君) 輸出一般につきまして、いわゆる秩序ある輸出を行なうということの必要性は、しばしばこの席で議論のあったところで、そのとおりであると思います。その上に対米貿易について一つ特色を考えますと、わが国の対米輸出というものの中で、品物によっては、すでにアメリカ国内におけるマーケット・シェアを相当程度支配しておる種類の品物がございます。経験的には、こういうものはこれからあとの伸びがかなりむずかしいという——これはたとえばトランジスタ・ラジオ等はその一番いい例でございますが——そういうものがございますので、したがって、対米輸出の考え方の基本は、やはり輸出品の多様化をするということであろうと思います。すなわち、従来アメリカのマーケットにおけるシェアの少なかったものについて輸出を伸ばしていく、輸出品全体の種類を多様化するということが一つ必要なことであると考えられます。それからもう一つは、労働集約的な製品について、従来相当の輸出があり、これも伸ばさなければなりませんが、それと同時に、国の経済の体制に即応いたしまして、ある程度やはり重化学工業というようなものについての輸出も、これからさらに伸ばしていかなければならない、この二つのことが、とりわけ対米貿易については大切なことと考えております。
この発言だけを見る →藤
藤田藤太郎#23
○藤田藤太郎君 私は貿易の問題にもう少し解れて、通産大臣がおいでにならぬから企画庁長官にお尋ねをしておきたいと思うわけであります。貿易の原則は、総理もいつも言われていると思いますが、何といってもフィフティ・フィフティの原則だと思うのです。口ではフィフティ・フィフティの原則だと言う、これはやはり国連を中心にした平和社会が続いている限りは、各国が自立経済と国民生活を引き上げていこうというかまえ、この、国同士の貿易ということでなくてはならないと私は思うのです。特に極端な原料国との関係は少し違って参りましょうけれども、しかし、そういう状態でなくてはならないと思います。だから昔のように、力が強い国が弱い国に、相手の国のバランスを問題なく輸出を強行していくということは、今日の平和社会には許されないと私は思うわけでございます。なぜ日本が神武景気といわれ、岩戸景気といわれたあとで、対米貿易がこういうことになっているのか、こうなると、何か国民としての立場からすると、日本はなぜもっと自立経済の立場からノーマルな経済に動くような貿易計画を立てないか、アメリカに何としても経済的に従属しているような格好の印象を受けるのではないか、そういう国民の声、私もそう印象として受けるわけです。そのアメリカとの片貿易が極端に伸びたときを起点にして、神武景気もそうでございます、今度の岩戸景気もそうでございましたが、日本の経済がダウンしている、こういうことが私は日本の自立経済、自主性を持った経済政策なのかどうかということを、これがすべてとは言いませんけれども、大きな要因として、私は企画庁長官はどうお考えになっているか聞きたい。
この発言だけを見る →宮
宮澤喜一#24
○国務大臣(宮澤喜一君) 御承知のように対米貿易、対米輸入の関係で申しますと、わが国が輸入しておるものの種類は概して原材料が多いわけでございます。それから食糧も相当ございますけれども……。したがって、わが国の経済が伸びていきますときには、どうしても原材料の輸入が多くなる。この点は米国から買わなければならないから買うというのでなく、米国から買うことが有利でありますから原材料の輸入をいたしておるのでありますが、経済の伸びのあるときには輸入が多くなる。したがって米国に対して入超になる。これは私は、原材料を輸入するという関係から、当然の結果であろうと思うのでありますが、問題は、そういう原材料をこなしまして、一定の期間を置いてそれが輸出に向かっていく、その輸出について、対米との関係では、輸出品の総価格のうちで三割あるいは三割以上のものが、何らかの形でわが国の自主規制なり何なりで、いわゆるオーダリー・マーケティングをやっていくために規制をしていく、この点であろうと思います。この点はわが国の市場撹乱といったようなことが商慣習としてだんだんなくなる、そういう形によって相手方の信頼を得て、自主規制等のことを漸次はずしていく、こういう形で解決すべきものであろうと思います。経済が非常に伸びますときに原材料の輸入が多いことは、これは当然の姿でございますけれども、問題は、そうしてできましたところの製品の輸出について、より自由な姿で輸出をしていきたい。こういうことに帰着いたすのであろうと思うのであります。
この発言だけを見る →藤
藤田藤太郎#25
○藤田藤太郎君 私はなかなかそこのところが納得いきにくいわけでございます。で、あなたはそうおっしゃいますけれども、そういう御意見を裏返せば、それじゃその景気が、経済が上昇してきたときには、雇用も需要も幾らか進んでいく。そうすると、がたんと経済がダウンしたときには、だれが一番最初に犠牲になるかというと、中小企業労働者じゃございませんか。そうして、その間が続いて、そうしてまたバランスがとられて経済が上がっていく、その間に膨大な、あなたの言を借りれば、原材料の輸入があるという、経済拡大だと言いますけれども、設備拡大はどんどん進んで参りますけれども、その波の中で犠牲になっておるのは資金のない中小企業、政府が保護をしない中小企業と労働者が犠牲になっていく。それで、準備ができた時分にまた今度幾らか上がっていく、こういう波の中でいつも犠牲になっておるのは中小企業や労働者またはあわせて農民までじゃないですか。こういうことを申し上げたいわけであります。一番最初に総理にお尋ねしたのも、供給と需要拡大、バランスということを言われますけれども、そんなら経済が成長した、生産力が拡大したときに、それに応じてなぜ需要の面も拡大するような方法をおとりにならないかという議論がここに出てくるわけであります。そこで私は、貿易の問題を一つ取り上げたわけでありますけれども、あなたのおっしゃったことだけでは国民は納得しない。そんなら日本の経済は生産力を握る特に大資本というところだけが拡大していくという答えしか出てこないのではないか。国民全般の上に自立経済を進めていこうというなら、もう少しやはりバランスをとりながら日本の拡大均衡という問題に持っていかなければならぬのじゃないか、こう私は思うが、どうですか。
この発言だけを見る →宮
宮澤喜一#26
○国務大臣(宮澤喜一君) お説の議論がわからないわけではないのでございますけれども、しかし過去のそういう成長の中で、大企業と中小企業との格差が縮まりつつあること、それからそこに雇用されている人々の所得の格差がやはり縮まりつつあること、それらについては過去に、所得の五分位層による比較、あるいは三十人以上及び三十人以下の常雇用の企業における雇用者の給与の格差の縮まり方などについて申し上げたとおりでありまして、この間の格差は、私はここ数年間縮まってきていると思います。その点はそうだと思いますが、おそらく藤田委員の御指摘になるのは、その間における企業の生産性における格差が、はたして縮まってきたかというお尋ねではないかと思います。で、確かに資本金一千万円以上と一千万円以下というような企業の分け方をしてみますと、生産性の伸びは経済が興隆しておりますときには、一千万円以上の企業において、はるかに大きいのでありまして、それ以下の企業も伸びては参りましたが、遺憾ながらただいままでのところ、その生産性の格差というものは縮まってはおりません。ここらが中小企業基本法等によって中小企業の設備の近代化等に国としても大いに援助をしなければならないという、ああいう提案を申し上げました考え方のねらいでございます。で、おそらく御指摘になりましたのは、所得の問題、所得の格差の広がりということではなく——それは事実縮まっておりますから——生産性の格差というものが縮まっていないではないか、こういうことではないかと思います。その点はそのとおりであります。それについては、やはり中小企業の設備の近代化ということで、その格差を縮めていくというのが、とるべき政策であろうと考えるわけでございます。
この発言だけを見る →藤
藤田藤太郎#27
○藤田藤太郎君 いずれ賃金格差の問題については、あとほど私は申し上げたいと思うのです。生産性の格差が、今、企画庁長官の言われたように開いている、景気の上昇順位が……。それから全体としても私は開いていると思うのです、機械化ですからね。そういう中で、今後貿易自由化に対処するために、特定産業振興臨時措置法という格好のものをお出しになる様子でございますが、——よろしいですか、特定産業振興法案というものを今度政府は国会にお出しになるということが、きょうの新聞で伝えられているわけでございます。これは、たとえばどういうことが行なわれるかというと「自由化に対処して急速に振興を図る必要のある製造業について、生産の専門化、事業の共同化、企業の合併を行い、その振興を図る。」そうして十二の業種を選定をして、それにはいろいろの、たとえば資金の確保であるとか、それから合併の場合の法人税または登録税を軽減する、課税上の特例をこしらえる。独禁法の縛りをはずすという問題が、今日大々的にここへ出てきているわけでございます。今の企画庁長官の答弁からすれば、私は機械化をして、それが人間の幸福につながる限り賛成でございます。機械化賛成でございます。機械化して、人にかわって機械が生産をするということになりますれば、自然に労働者の完全雇用の道を進めるには——あとほど触れますけれども、労働時間短縮と、完全雇用の問題が私は出てくると思うわけであります。この大きな産業をどんどん機械化や何かで援護されることはけっこうですけれども、中小企業にもそういう手を講じないで、大きい企業だけはこういうことをおやりになる、現実、こういうことをおやりになって、こういう法案が実際に実行されるということになれば——独占行為の禁止ということは、これはもう今日社会においては至上命令だと私は思う。ところがこれをあえて政府の保護によって独占行為が行なわれる、特定産業がより独占行為を進める、独禁法もはずすということになりますれば、次には非常に大きな問題が出てくるのではないか。たとえばどういう問題が出てくるかというと、企業ごとの生産力が、少数の会社で独占されるでありましょうし、価格カルテルの問題が出てくるでありましょう。国民の、消費者の生活というものを無視したような問題が出てくるでありましょう。また、合理化のときには何といってもその労働者の犠牲というものがその合理化の段階において出てくるであろうと私は思う。だから、こういう片手落ちな今日の経済が、私は独占資本といっておりますけれども、大企業本位の保護政策をおやりになって、まだこういうものを今度の国会にお出しになる、片方では中小企業の基本法をお出しになっている、これはどういうことなんですか。
この発言だけを見る →宮
宮澤喜一#28
○国務大臣(宮澤喜一君) 一方において過去数年間の経済の高度成長が、いわゆる設備投資の非常な膨大な競合によって国民経済のいわゆるウエイスト——浪費を来たし、シェア拡大競争によって要らない設備投資をたくさんしたではないかという御指摘がございます。私どもはそのことはある程度事実だと考えるわけでございます。そこで、そういうような国民経済のためにならないところの設備競争というものは、これは消費者の利益のためにも、ある意味で規制をしていかなければなりませんし、また秩序ある輸出のためにもそれが必要であると考えるのでございます。今度の特定産業の振興措置法案のねらっておりますものは、やはりただいま御指摘のように、生産の専門化、あるいは共同化等によって、そういう大企業間における設備投資の不必要な競争を排除して、そうして国民経済の運営を最も効率的にやっていこうという考え方でございますから、これは一方において輸出の秩序化に役立つとともに、他方において、明らかに消費者の役に立つというふうに私どもは過去の経験に徴してもそのように考えるわけでございます。それから、それと同時に、中小企業について、先刻申しましたように、労働者一単位時間当たりの生産性というものは格差が縮まっていかないのでございますから、それはやはり設備の近代化によってこの格差を縮めていかなければならない。それによって国民経済の二重構造の解消ということに寄与していこう、こういう考え方でございますから、いずれの場合にも、基本的にはこれは国民経済全体、あるいは消費者全体というものを守る立場であると考えるのであります。独占禁止法の基本的な目的は、不公正な競争を排除して消費者を守るということでございますから、このたびの措置法案も、そういう同じ目的に奉仕をするものというふうに私どもは認識をいたしておるわけでございます。
この発言だけを見る →藤
藤田藤太郎#29
○藤田藤太郎君 あなたそうおっしゃいますけれども、今の日本の経済の動きというものは、私がここでくどくど言わないでもわかっていると思う。機械化生産がどんどん進んでいるわけですから、資金を持つものがだんだん新しい機械の設備をしていく、生産力がそこで片寄っていく、あなたがおっしゃるとおり、中小企業との生産性の問題については差が出てくる、差が出てきて、まだこの特定産業振興法案で、臨時措置でその大企業を守ると、中小企業は保護育成するとおっしゃいますけれども、これは言うだけに終わってしまうのではないか、膨大な資金を投じ、共同化をし、生産能力化のための受入れ態制を作りながら、政府が本腰を入れてそれに援護をしない限り、私は中小企業は倒れていく運命以外にないと思う。生産性も低ければ、そこで働いている労働者の賃金は上がるはずはないでしょう。中小企業と大企業との賃金の差を見ると、欧米諸国は大体大企業を一〇〇にして、中小企業は八〇ぐらいです。日本は三〇ですよ。あなた、生産性の差がだんだんついてくると言うならば、そこに縮まる理由がないじゃないですか。縮めようとしたら企業がどんどんそれに耐えられぬでつぶれていく以外にないじゃないですか。その答え以外に何もないじゃないですか。あなたどう思いますか。
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