農林水産委員会

1965-12-28 参議院 全171発言

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会議録情報#0
昭和四十年十二月二十八日(火曜日)
   午前十時三十二分開会
    —————————————
  出席者は左のとおり。
    委員長         仲原 善一君
    理 事
                梶原 茂嘉君
                山崎  斉君
                武内 五郎君
                渡辺 勘吉君
                宮崎 正義君
    委 員
                青田源太郎君
                小林 篤一君
                櫻井 志郎君
                園田 清充君
                田村 賢作君
                高橋雄之助君
                温水 三郎君
                八木 一郎君
                和田 鶴一君
                大河原一次君
                川村 清一君
                鶴園 哲夫君
                中村 波男君
                森中 守義君
                北條 雋八君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  福田 赳夫君
       農 林 大 臣  坂田 英一君
   政府委員
       農林政務次官   後藤 義隆君
       農林大臣官房長  大口 駿一君
       農林省蚕糸局長  丸山 文雄君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宮出 秀雄君
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  本日の会議に付した案件
○繭糸価格安定法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○日本蚕糸事業団法案(内閣提出、衆議院送付)
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仲原善一#1
○委員長(仲原善一君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 繭糸価格安定法の一部を改正する法律案、日本蚕糸事業団法案を一括して議題といたします。
 質疑に先立ちまして、農林省当局から資料説明を聴取することにいたします。丸山蚕糸局長。
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丸山文雄#2
○政府委員(丸山文雄君) 昨日及び本日お配りいたしました資料につきまして簡単に要点だけ御説明申し上げます。
 昨日お配りいたしました「最近の蚕糸業の概況」というのがございます。四十年十二月農林省蚕糸局ページを追いまして順次簡単に申し上げますと、第一ページが養蚕業の推移ということで、大体戸数、面積、そういうものの増減傾向を整理したものでございます。この中で、しばしば御議論になることでございますが、昭和三十三年に十八万九千町歩あった面積が三十四年に十六万九千町歩になっております。これはいわゆるこの年に市価が暴落いたしまして、それで桑園を整理したという時期に該当するのでございまして、三十四年以降約三十三年対比二万町歩減の傾向がずっと、若干変動がございますけれども、そういう状況で四十年に至っておるということでございます。ただし、この生産数量につきましては、三十三年に、面積的には二万町歩整理いたしましたけれども、生産量そのものはほとんど変化なく動いてきておるということをあらわしておるわけでございます。
 次のページは、府県別でございますから省略いたします。
 それから三ページにまいりますと、いわゆる稚蚕共同飼育の普及状況、共同飼育でございます。これによりますと、一令から二令までと、一令から三令までに分けてございますが、表でわかりますように、一令から三令までの共同飼育は逐年ふえてきている。これが戸数にしても箱数にしてもどんどん年を追ってふえてきている、共同飼育の最近の状況がこれでわかろうかと思います。
 それから、四ページにつきましても同様に、いわゆる年間条桑育及び屋外条桑育の普及状況というものを示してございますが、これも下の欄の飼育数量を見ますと、両方ともに三十九年度、たとえば年間条桑育は全体の五四%、それから屋外条桑育は三六%、いずれもこの四、五年の傾向としてはずっとこのようなかっこうの屋外、年間条桑育の割合が高くなっているということを示しているものと考えます。
 それから、五ページは繭、水稲、陸稲、大麦、小麦、リンゴ、たばこ、牛乳、こういうそれぞれの比較における反当粗収益と、それから家族労働報酬を三十四年から三十九年まで比較したものでございます。
 それから、六ページにつきましては、三十年からの繭の価格の状況を春、初秋、晩秋、平均いたしまして、年ごとに出してございます。
 それから、七ページは、これは工場数でございますが、省略いたします。
 八ページのグラフが、三十四年から四十年の十月までの糸価の変動状況をグラフで示したものでございます。
 それから、九ページにまいりまして、生糸の需給、これは生糸年度でこの表はとってありますので、六月一日から翌年の五月三十一日まででございます。生産数量、それから輸入数量、それから輸出数量、こういう欄で整理してございます。この表でごらんいただきますと、輸入数量は三十七年に若干、それから三十九年に若干と、それから四十年に入りまして、月別にあらわしておりますが、四月ごろから輸入がありまして、五、六、七、一八、九、十、ずっと毎月相当数量の輸入があるということでございます。
 それから、一〇ページは、これは歴年の表でございますが、一〇ページにおきまして、輸出の問題を、生糸と、それからその他の加工品、いわゆる織物で輸出されるもの、そういうものの状況と、それから純内需、これを数量的に歴年で比較したものでございます。ごらんいただくとわかりますが、たとえば、昭和三十年には生糸で八万六千俵の輸出があった。絹製品を合計しますと、十二万俵でありましたものが、三十九年では七万四千俵に減っている、こういう数字がこれで御理解できょうかと思う。その反面、純内需につきましては、昭和三十年に十六万俵であったものが、三十九年においては二十四万俵になっているという数字でございます。
 それから、一一ページは、どういう国へどれだけ行っているかという表でございます。アメリカ及びヨーロッパに分けまして、それぞれこまかく整理してございます。
 それから、一二ページは、絹織物をやはり同様に輸出先の国ごとに整理してございます。
 それから一三ページは、海外の生糸事情といたしまして、アメリカにおいてはどういうところからどう入っておるかということで、この場合日本生糸、イタリア生糸に分けまして、アメリカの輸入数量を整理してございます。
 それから一四ページは、同様に、西ヨーロッパ——フランス、イタリア、スイス、西ドイツ、イギリス、それぞれの国における日本、中国その他の国からの輸入数量をこまかく整理してございます。
 それから一五ページは、フランスにおきます日本生糸と中国生糸の価格の比較をいたしております。たとえば四十年度を例にとりますと、これは月別になっておりますが、日本生糸はフランス市場においてキログラム当たり五千三十一円であった。そのときは中国の生糸は四千六百三十円である。その差が四百一円あるというようなことで、月別のその両国のフランスにおける取引価格の比較表でございます。
 それから一六ページは、これは世界の蚕糸業という見出しでございますが、日本、中国、ソ連、インド、韓国、イタリア、その他、それぞれにつきましての繭の生産数量をあらわしてございます。
 それから一七ページにつきましては、同様に、今度は生糸の生産数量を整理してございます。
 それから一八ページは、繭糸価格安定制度という見出しでございますが、この表を整理いたしましたときに、政府の生糸買い入れ数量が幾らあったかという表でございまして、一番下の三十九年六月から十月の間に政府が幾ら持っておったかという数字でございますが、買い入れと売り渡し、差し引きまして在庫として七千九百六十俵というのがこの表の一番右側の下にある数字でございます。これが十月当初までは七千九百六十俵持っておったという数字でございます。
 それから一九ページは、日本輸出生糸保管株式会社の生糸買い入れ及び売り渡し、これは暦年で、生糸年度で整理してございますが、保管会社が買ったものが六ヵ月たちますと政府に渡ってくる。それで政府に渡ってきたものが今度の表で政府の手持ち数量となるわけでございますが、その状況を年によって整理してございます。
 それから二〇ページは、生産費及び安定帯価格、生糸年度ごとに生産費とそれからたとえば生糸の製造販売費、そういうものと、それからそれによってきまっておる生糸の最高価格、最低価格、同時に最低繭価がそれぞれある年においては幾らであったかということを表で整理してございます。
 二一ページは、いわゆる蚕業改良普及職員、公務員であるものとそれから養蚕団体に所属しておる普及員、これに分けまして年ごとにここで整理いたしてございます。
 それから二二ページは、日本蚕繭事業団が利益金でもって行ないました助成事業の内容を、三十五年から四十年までそれぞれの表のように整理してございます。
 最後が、蚕糸局関係予算の三十五年から四十年に至るそれぞれにつきましての数字を、表によりまして整理してございます。これが昨日お配りいたしましたもののうちの第一表でございます。
 それからもう一つの表は、生糸輸出関係資料、これはただいま申しました表のうちのある部分を数字とグラフであらわしたものでございますので、ダブリますから、その部分は省略いたします。
 それから、四ページにつきましては、三十三年をなぜ三十九年は輸出が下回ったかということについての想定される原因を若干簡潔に整理してございます。文章で整理してございます。
 それから、五ページは、三十九年度、ことしの輸出状況を月別に対比したものでございます。
 それから海外市場、六ページも省略いたします。
 そわから、七ページの、日本輸入生糸明細表というのがございますが、これはことしの四月から十月までの間にどこから入ったかということでございますが、中共が主でございまして、それから北鮮から七月、九月に若干、タイから七月に若干、そういう日本に輸入しました生産国をここで整理してございます。
 それから、八ページは、この輸入された生糸が大体どういう用途に使われておるだろうかということで、それぞれの関係業界に依頼いたしまして調査いたしたものでございます。もちろんこれが全部ではないと思いますけれども、そういう趣旨で整理してございます。
 それから、九ページは、いわゆる生糸輸入業者のおもなる会社の名前でございます。
 それから、一〇ページが、日本絹業協会というものがございまして、それでニューヨークとリヨンに支所を持っておりますが、それに対する、たとえば四十年度の予算なり事業計画なりの概要がどうであろうかということを一〇ページ及び一一ページに、数字及び文章でもって簡単に御説明いたしております。
 それから、一四ページは、輸出増進に関する参考事項という意味合いにおきまして、どういう点に問題があるかというようなことにつきまして、文章で整理してございます。国際競争力強化の問題、価格安定の問題、輸出体制の強化の問題、まあおもなる点だけを文章で問題点という意味合いで整理してございます。これが第二表でございます。
 それから、昨日お配りいたしましたうちのもう一つは、蚕繭事業団の収支予算とそれから決算関係、そういうものを、第一表が三十八年度の収入支出予算決算、
 それから三ページにおきまして同様三十九年度につきまして。
 それから、五ページにおきまして、四十年度の収支予算、四十年度はまだ決算はございませんので、四十年度のは収入という形で蚕繭事業団について整理してございます。これが昨日お配りいたしました資料でございます。
 それから本日お配りいたしましたものにつきましては、今後政令、省令に規定すべき事項についてのおもなる点につきまして整理してございます。これが一ページから三ページまででございます。
 それから、四ページは、糸価安定特別会計の概況、御注文に応じまして、四十年度予算の概要ということで、四ページからずっと二四ページまで、糸価安定特別会計のおもなる点につきまして整理して提出いたしました。
 それから、二五ページは、蚕繭事業団、日本輸出生糸保管株式会社、それから社団法人日本絹灘協会、これにつきましての役員の氏名、経歴、報酬等を整理して提出いたしました。
 それから、二九ページは、先ほどとちょっとダブりますけれども、生糸の輸出業者の名簿、それから、三〇ページは、輸入業者の名簿、それから、三一ページは、日本蚕糸事業団の必要資本額と所要資本ということで、つまり、今後買い入れをする場合に、最高限度を何俵、どういうふうに買って、その場合に金が幾ら要って、資本金がそれで十分かどうかというような点に中心を置きまして整理したものでございます。
 三二ページも同様でございます。
 それから、三三ページは、臨時行政調査会の答申内容につきまして、いわゆる蚕糸行政機構の問題と、それから日本蚕繭事業団についていろいろ問題がございましたことの要点を抜粋して整理してございます。
 それから、簡単なもう一つの表は、農林省から海外に派遣されております在外公館の派遣職員の名簿を整理して提出いたしました。
 以上でございます。
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仲原善一#3
○委員長(仲原善一君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
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仲原善一#4
○委員長(仲原善一君) 速記を起こして。
 提出資料の説明を終わりましたので、これより質疑を続けます。
 御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
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森中守義#5
○森中守義君 農林大臣に重要な二、三の点についてお尋ねいたします。
 まず第一の問題は、農業基本法の八条だったと思いますが、「政府は、重要な農産物につき、」以下云々とあります。蚕糸関係は、ここにいう重要農産物の中に入るかどうか、この点ひとつまず最初に明らかにしてもらいたい。
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坂田英一#6
○国務大臣(坂田英一君) ただいまの御質問でございまするが、蚕糸、この養蚕を含んでおります事業は、最近非常に注目されておるのでございまして、農業基本法にいういわゆる拡大生産、選択的拡大の種目の一つとして取り上げてまいっておるようなわけでございます。で、御存じのとおり、特に山村振興と結びつけてこれが大きく取り上げられようとしております。また、現にかように進みつつあると思います。
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森中守義#7
○森中守義君 要するに、第八条に言う重要な農産物の一つである、そういうことですか。
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坂田英一#8
○国務大臣(坂田英一君) 結局そういうことになると思います。
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森中守義#9
○森中守義君 いや、そういうことになるということじゃちょっとぐあいが悪いんですけれども、すでにこれはかなりの期間たって現在に至っていますね。だから、そうならそう、そうでないならそうでないというふうに、はっきりお答え願っておかないと、そういうことになるというあいまいなことじゃちょっとまずい。
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坂田英一#10
○国務大臣(坂田英一君) そのとおりでございまして、重要な作物でございます。
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森中守義#11
○森中守義君 そうであるとすれば、ここに言う長期見通しですね。これらを策定する、もしくは改定をするにあたっては、第3項に言う農政審議会に意見を求めねばならぬ。要するに農業基本法の中に言う農政審議会というものは、農業政策を決定をする最高機関であると私は心得ている。したがって、いま坂田農林大臣が言われるように、蚕糸事業というものが重要農産物の一つの軸であるならば、当然これは農政審議会にはかられていると思うんですが、経過はどうですか。
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坂田英一#12
○国務大臣(坂田英一君) 農政審議会にも審議をお願いしております。
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森中守義#13
○森中守義君 はかられておるとすればなるほどけっこうなことですので、具体的にどういうようなことがはかられて、しかも政策として結論が出ているのか、私の言わんとするところは、農業政策の最高の政策決定機関であるこの農政審議会の議を経てすでに所定の政策が策定をされておるとするならば、今日のような繭糸状態はない、私はこう思う。したがって、農業基本法が制定されて以来すでに三、四年経過しておりますから、もう少しその辺の事情をできるだけ詳しく御発表願いたい。
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坂田英一#14
○国務大臣(坂田英一君) もちろん審議会においてやっておりますが、別に審議会がこれを決定する機関ではないことはあなたも御存じのとおりでございまして、一定の問題、たとえば長期見通し等の問題については、審議会の審議を経るということになっておりまするので、発表前には審議会の何にかけるということでございます。決定機関では絶対ございません。むしろこれはそういう農政の問題については、時の内閣が皆さんのほうにいろいろの点を御相談を申し上げるのでありまして、審議会にはそういうときにおいての重要事項について御審議を願う、これは森中さんもよく御存じのことであって、繰り返して言うわけでもございません。いまの審議会の、具体的にどうということは局長からお話を申し上げますが、ただ私がその前に申し上げたい点は、農政上非常に農作物なり農産物あるいはそういうものがどういう変遷を辿るかという問題になりますと、時によっていろいろと違ってまいりまするけれども、本質的にはよほど考えなければならぬと思っておるのでございます。そこで私は、今日における農政の面からいきますというと、養蚕は非常に重要だと思っております。特に山村振興という問題というか、山村関係の問題と結びつけてまいりますときにおいては、特に重要な作物であるということを特に考えておるのでございます。これは数年前よりも最近において特に傾向が顕著でありまするので、時によっていろいろ変わりまするのでございまするが、そういう点を御了承願っておきたいのでありまするが、なお審議会にかかりました詳細については蚕糸局長からお答えいたします——そのお答えはもちろんいたしまするが、その前にいま大蔵大臣が……。
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仲原善一#15
○委員長(仲原善一君) 森中君に申し上げますが、ちょうどいま大蔵大臣が御出席になりましたので、大蔵大臣に関係する質問を最初にお願いいたしたいと思います。
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森中守義#16
○森中守義君 たいへん御多用の中をわざわざこの委員会においでいただいたそうでございまして、まことに申しわけありません。しかし、福田さんも当然農林水産にはおいでになる責任があるわけだから、だいぶ恩に着せられたそうですけれども御了承いただきたいと思います。そこで、すでにこのセットになっている二法案の関係では、あなたもかなり重要な責任の一端をになっておいでになることは、衆議院の審議あるいは院内の雲行き等から言っても薄々御存じだろうと思う。何を言わんとするのか、またあなたは何をしなければならぬのか、まずひとつそれから聞こうじゃないですか。
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福田赳夫#17
○国務大臣(福田赳夫君) 新しい蚕糸事業団法のことかと存じますが……。
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森中守義#18
○森中守義君 かなり前のことなんで、ひょっとすると記憶が薄れているかわかりませんが、三十四年の十二月八日ですか、あなたが農林大臣をやっていらっしゃった当時、私は農水にはおりませんでしたけれども、あの当時、要するに繭糸業界が大混乱を起こしてたいへんなことになっていた。大体養蚕農家の千二百円を、これではまずかろう、したがって、千四百円ぐらい出さなくてはいかぬのじゃないかということで、国会関係をはじめいろいろの人があなたのところに集まって、それでひとつ農家一人当たり二百円ぐらい金を渡そう、しかし、それは直接還元をするということは、財政法その他の関係でうまくないから、事業団を設立をするからその資金に充当しようということで、あらかた三十億だと私は記録によっては読んでおりますが、それを十億値切って二十億にあなたが約束された、結果的に出たのは十億であったと、こうなっておる。それがいまの事業団の設立資金の政府出資になっておるようですが、まあ私はあの当時そういう混乱を重ねている業界の背景あるいは養蚕農家、こういう当時のよんどころない事情からしまして、明らかにこの残余の十億というものは、当時の農林大臣であったあなたの国会に約束をされた、いわば政府が養蚕農家等に約束をした債務だと私は心得ておる。どうですか。
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福田赳夫#19
○国務大臣(福田赳夫君) 当時十億円出資をしまして、そしてなお必要があったらこれを補充いたしましょうというような気持ちを皆さんに申し上げたことを記憶しております。私こまかいことはいま記憶しておりませんが、大筋はそういうことであったというふうに了解しております。
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森中守義#20
○森中守義君 議事録をあなたもひとつ読んでみてください、かなり正確なんですよ。すでに残余の十億というのは所定の計画なんだ、こう言っておられる。ただ、出す時期、そういうものが問題なだけであって、どうでもこうでも出さなければならぬのだ、一定の計画の中に入れてもらっても差しつかえございません、そういう趣旨をあなた答えていらっしゃるんですよ。だからいま少し、私は単に記憶しているということでは、少なくとも国会の中に残されている会議録、当時約束をされた農林大臣と議員との間における何としてもこれは動かしがたい証拠だと私は思う。きのうもどなたか——与党の八木先生が、私は生き証人だと、そうおっしゃっておりましたがね。そのあなたが十億をどうしてもこれは出しますと、所定の計画なんですということを、当時、衆議院においでになってあなたの発言を聞いておられるも私は生き証人だ、こういう御発言もきのうあった。どうですか。
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福田赳夫#21
○国務大臣(福田赳夫君) ただいま申し上げたように、そういうふうに記憶をしておるわけです。
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森中守義#22
○森中守義君 それでは、大臣も何代もかわっておられますが、事務当局あるいは農林省側で、当時の福田農林大臣のそういう発言を受けて、予算要求等やられましたか、その後の経過はどうでしょう。
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丸山文雄#23
○政府委員(丸山文雄君) 従来、現在の蚕繭事業団につきましての増資につきましては、これは私の記憶する範囲では、三十八年ごろまでは増資の問題で検討したこともあるようでございます。しかし、今回蚕糸事業団に切りかえるに際しましては、新たな追加増資の要求はいたしておりません。
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森中守義#24
○森中守義君 蚕糸局長、ちょっと答弁の趣旨が違うのですよ。私が聞いているのはね、要するに、福田農林大臣時代に、残余の十億を出そうという約束があったと。それで、その大臣の発言を受けて、予算要求をされたかどうか、それを聞いている。
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丸山文雄#25
○政府委員(丸山文雄君) ただいま申し上げましたように、この増資につきましては、大臣の答弁を受けて考えたものかわかりませんけれども、具体的には三十八年度ころまでこの増資についてのいろいろ検討は行なわれたようでございます。
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渡辺勘吉#26
○渡辺勘吉君 関連。
 どうも人ごとのような答弁で、私はきわめて不満であります。大体いまをときめく福田大蔵大臣が、かつて農林大臣のときに、「さらに、いきさつから申しますと、これも、私、十億円を追加するということを考えております。その時期、方法等につきましては、一般財政との関係もあり、その必要とする時期のタイミングも考えてやりますが、これはもう予定の計画というふうに考えておる次第でございまして、これを増資する方向において整備拡充して将来に備えたい、こういう考えでおります。」ということを、三十四年十二月八日の衆議院の農林水産委員会で明確に農林大臣が答弁をしておる。しかも、その時期とはいつか、タイミングとはいつか。それを明らかに、今度法改正をするところ、日本蚕糸事業団法が発足するとき以外にそのチャンスはないじゃないですか。かねて農林大臣として国民に公約したこの十億を追加するということの方向において整備拡充して将来に備えたい、万一の事態をおもんぱかって、事前にそういう措置を講じたいということが、この答弁の前後の各所に、大臣は当時農林大臣として答弁をしておられる。そうならば、私は、農林大臣としては先ほども森中委員の質問の冒頭にありましたように、農業基本法の第八条に指定する重要農産物の一つでしょう。そういう重要農産物であるという農林大臣の認識があるならば、なぜ一体こういうかねての約束というものをこの機会に堂々と要求し、当時の農林大臣、いまの大蔵大臣にそれを予算化せしめる措置を講じないか。これはまあいずれ後ほど農林大臣にるるお尋ねをすることでありますが、私は、福田大蔵大臣は特にこの養蚕については、全国屈指の生産県の中におられる方でありますから、こういう点は、二十二日の衆議院におけるああいう答弁では、私たち参議院としては、これは二院の一つの独自の性格からいっても容認できない問題であるので、こういう一つの増資をするということで整備拡充をはかるということを、三十四年に国民に明らかにした。そのタイミングというものは、従来の蚕繭事業団の十億と、輸出保管会社の三十万を持ってきて、それに民間に五億ずつ供与するという前に、この時期こそが私は政府が新たに十億をこれに投資してやる絶好の、これはただ一つの機会であると思うので、大蔵大臣としてはかねての公約をこの際に実現するという、そういう一つの債務を負うておるというふうに考えるのでありますが、この点をやはり十分踏まえた上で、満足のいく答弁を大蔵大臣にこれは要求するわけであります。
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福田赳夫#27
○国務大臣(福田赳夫君) 私はその後農林大臣を離れまして、この蚕繭事業団がどういう動きをしておったかということはつまびらかにいたしません。しかし、今日まあ新しい構想のもとで蚕糸事業団ができるということになったのを非常に私も期待を持って喜んでいるわけであります。いろいろこの事業団がどういう活動をするか、また、蚕繭事業団がどういうふうになっておるか、そういう点を農林大臣ともとくと相談をいたしまして善処をいたすことにいたします。
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森中守義#28
○森中守義君 善処するということは、まあ出そうというそういう趣旨のようにも私は受け取りたいと思うんです。それでいいのですか。
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福田赳夫#29
○国務大臣(福田赳夫君) ですからよく農林大臣と相談をいたしまして、この機構がよりょく動くように私としても努力をしていく考えであります。
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