文教委員会

1968-04-26 衆議院 全150発言

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会議録情報#0
昭和四十三年四月二十六日(金曜日)
   午前十時四十八分開議
 出席委員
   委員長 高見 三郎君
   理事 臼井 莊一君 理事 久保田藤麿君
   理事 坂田 道太君 理事 谷川 和穗君
   理事 西岡 武夫君 理事 小林 信一君
   理事 長谷川正三君 理事 鈴木  一君
      有田 喜一君    稻葉  修君
      久野 忠治君    河野 洋平君
      周東 英雄君    世耕 政隆君
      床次 徳二君    中村庸一郎君
      広川シズエ君    山口 敏夫君
      加藤 勘十君    唐橋  東君
      川村 継義君    小松  幹君
      佐藤觀次郎君    斉藤 正男君
      有島 重武君
 出席国務大臣
        文 部 大 臣 灘尾 弘吉君
 出席政府委員
        文部政務次官  久保田円次君
        文部大臣官房長 岩間英太郎君
        文部省体育局長 赤石 清悦君
        文部省管理局長 村山 松雄君
 委員外の出席者
        大蔵省主計局主
        計官      小幡 琢也君
        国税庁直税部法
        人税課長    井辻 憲一君
        参  考  人
        (私立学校振興
        会理事長)   岡田 孝平君
        参  考  人
        (日本学校安全
        会理事長)   西田  剛君
        専  門  員 田中  彰君
    ―――――――――――――
四月二十五日
 委員河野洋平君及び藤波孝生君辞任につき、そ
 の補欠として増岡博之君及び大野明君が議長の
 指名で委員に選任された。
同日
 委員大野明君及び増岡博之君辞任につき、その
 補欠として藤波孝生君及び河野洋平君が議長の
 指名で委員に選任された。
同月二十六日
 委員藤波孝生君、渡辺肇君及び山崎始男君辞任
 につき、その補欠として世耕政隆君、山口敏夫
 君及び佐藤觀次郎君が議長の指名で委員に選任
 された。
同日
 委員世耕政隆君、山口敏夫君及び佐藤觀次郎君
 辞任につき、その補欠として藤波孝生君、渡辺
 肇君及び山崎始男君が議長の指名で委員に選任
 された。
    ―――――――――――――
四月二十六日
 学校教育法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第六五号)
 外国人学校法案(内閣提出第六六号)
同月二十四日
 義務教育諸学校の施設に対する特別措置に関す
 る請願(有島重武君紹介)(第四五七四号)
 同(臼井莊一君紹介)(第四五七五号)
 同(川村継義君紹介)(第四五七六号)
 同外一件(斉藤正男君紹介)(第四五七七号)
 同(坂田道太君紹介)(第四五七八号)
 同外一件(鈴木一君紹介)(第四五七九号)
 同外一件(谷川和穗君紹介)(第四五八〇号)
 同外二件(長谷川正三君紹介)(第四五八一
 号)
 同(西岡武夫君紹介)(第四五八二号)
 同(矢野絢也君紹介)(第四五八三号)
 人口急増地域の義務教育施設整備に対する特別
 措置に関する請願(長谷川正三君紹介)(第四
 六四一号)
 女子教育職員の育児休暇制度法制化に関する請
 願(安宅常彦君紹介)(第四六四二号)
 同(大柴滋夫君紹介)(第四六四三号)
 同(川村継義君紹介)(第四六四四号)
 同(村山喜一君紹介)(第四六四五号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
四月二十五日
 外国人学校法案反対に関する陳情書外六件
 (第二三三
 号)
 同外一件
 (第三二一号)
 在日朝鮮人の民族教育保障等に関する陳情書外
 一件(第二三
 四号)
 教職員の宿日直廃止に伴う財源措置に関する陳
 情書(第二三五
 号)
 在日朝鮮人の民族教育保障に関する陳情書
 (第三二二号)
 義務教育学校用地取得費国庫負担に関する陳情
 書(第三二三号)
 義務教育学校用地取得費国庫負担等に関する陳
 情書
 (第三二四号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 日本学校安全会法の一部を改正する法律案(内
 閣提出第九号)(参議院送付)
 文教行政の基本施策に関する件
     ――――◇―――――
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高見三郎#1
○高見委員長 これより会議を開きます。
 文教行政の基本施策に関する件について調査を進めます。
 質疑の通告があります。これを許します。佐藤觀次郎君。
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佐藤觀次郎#2
○佐藤(觀)委員 過日文部省から「わが国の私立学校」といういわゆる私学白書というものをお出しになったのですが、これをちょっと拝見いたしまして感じましたことは、いまのわが国の実情とか外国の実情、それからいろいろ私学の問題についてのあれが出ておりますけれども、これによって、いまの困難な非常にむずかしい問題の私学というものが一体救われるかどうかということになると、非常に疑問に思うのですが、これをお出しになった趣旨と、それから現状について大臣から所見を伺いたいと思います。
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灘尾弘吉#3
○灘尾国務大臣 今回の文部省が出しましたいわゆる白書は、わが国の私立学校を中心としての白書でございます。これを出しました趣旨は、私学についての現状を知っていただくこと、また問題点を知っていただくこと、そういうことを主として記述いたしたものでございまして、国民の皆さん方にも私学の状況等について十分御認識をいただきますと同時に、われわれとしましては、この現状の上に立って、今後の私学をいかにすべきやということを検討いたします重要な資料といたしたいと考えておる次第であります。
 御承知のように、私学についてはいろいろ問題がございます。なかんずく私学の経営上の問題、言いかえますれば、主として財政上の問題が大きな困難として各私学の上にのしかかっておるような状況でございます。私学の果たしております役割りというものをここで考えますときに、私学の状態をそのまま、いわゆる財政難というようなことで放置しておくべきではないだろうというのが大方のお考えだろうと私は思うのであります。主としてそのような認識の上に立ちまして、いわゆる私学の振興策についてさらに一段と検討を加え、努力をしていかなければならない状態のもとにあると思うわけでございまして、今日までもいろいろ政府としましても、私学の立場を考えつつその振興のために努力はしてまいりましたけれども、従来のような程度のものでは問題の解決は困難だろう、こういう考えをいたしておる次第であります。さらに十分検討を加えまして、積極的に私学の振興という問題と取り組んでいきたい、このように考えておる次第であります。
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佐藤觀次郎#4
○佐藤(觀)委員 灘尾文部大臣の月並みな答弁でありますが、何といっても日本の財政の実権を握っているのは大蔵省であって、大蔵省のひものついておるということはいろいろ問題があるにしても、大体官学を出る人のほとんどが大蔵省なり文部省なりにおられる。局長の村山さんもそうでありますが、どうも私たちは私学だからひがみではないけれども、何といってもそういうような点で、やはり根本的には文部省の中にそういう気持ちがあるのではないか。私学の振興というような問題もありますが、その中で、一つの課であれしておるというようなこと、現在の私学というものは、日本全体の七割五分の人が実際は私学を出ておるわけなんで、私たちは私学の出だから、そういうことを言うわけではないのですけれども、同じ教育を受けるというような立場から考えれば、当然国立大学も私立の大学におる学生も、日本の学生ということについては変わりがないので、そういうような意識的に差別をしているのではないけれども、文部省というのは国立の学校だけを中心に置いているという傾きがあるというように考えるのですが、その点についてどういうように考えておられるのか、お伺いしたいと思います。
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灘尾弘吉#5
○灘尾国務大臣 文部省のほうで特に私学に対して差別的な考え方でものをやっておるのではないかというお尋ねでございますが、これは当然私が否定することを予想していらっしゃると私は思うのであります。そういうようなつもりで仕事はいたしておりません。
 しかし問題は、長い沿革というものが私はあると思うのです。日本で私学というものが生まれ、それがどのようにして今日まできたかという沿革というものもあると同時に、最近における国民の中からの大学に対する進学率というふうなものが非常に増加してきておる。これに対応するために私学が非常に大きな役割りを果たしてまいっておる。また、そのような関係から施設設備等についても拡張整備をしていかなければならぬ。自然経営が困難になってくる。また、それが今度は父兄負担を増大するというような結果を招来するというわけでございまして、従来からの沿革に基づく文部省と私学との関係というものと、現状というものとの間に急激な変化が起こったと思うのであります。これにどう対処していくかというところが大きな問題であり、しかもきわめて複雑な困難な問題だろうかと私は思っております。たいへんな課題をかかえておるということは十分承知いたしておりますが、にわかにこれを抜本塞源的に解決することも容易なことではないということは、これは佐藤さんもひとつ御想像いただけるだろうと私は思うのであります。
 いずれにしましても、私学側の努力も必要でございますが、同時に、われわれのほうも私学側に対して積極的な協力をしていくというかまえのもとに問題を解決する以外に道はないと存じます。そういう方向で努力していきたいということは、先ほど来申し上げているわけでございます。
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佐藤觀次郎#6
○佐藤(觀)委員 慶応大学の福沢諭吉の独立自尊、それから早稲田は大隈さんの政界失脚の中から出てきたというようなことで、まあレジスタンスのような形で出てきたわけですが、そういう歴史的な過程はともかくとして、今日日本に二百六十五校という非常にたくさんの学校があるのですが、そういうものについて私は——灘尾さんは、たしか文部大臣を三回も四回もやられたので、答弁などのそつのないことは言う必要はないけれども、ここらあたりでなるほど文部大臣を四回もやられるなら、ちっとは気のきいたことをやられるというのであるならば、やはりそういうところにウエートを置くことになるのではないか。御承知のように、文部省の予算の大部分はほとんど義務教育にとられてしまって、あとは予算としては非常に少ないと思うのです。しかし、重要なところ、拡充すべきところは、やはり私学というものが今日非常に問題が起きております。また、非常に問題が起きるであろう。それは、これからますます学校、特に私学の問題が起きるような経緯がたくさんあると思う。あとで大蔵省の予算関係の人を呼んでおりますから、文部省が遠慮していられることをわれわれが言いますけれども、しかし、そういう点で、こういう方法ならば何とかしようじゃないかというような、もう少し積極的な意図があってほしいと思うのですよ。あなたがそうでなければ、私はいまの私学というものは窒息死してしまうのではないか、こういうように感ずるのでありますが、その点は一体どういうようにお考えになっていらっしゃいますか、承りたいと思います。
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灘尾弘吉#7
○灘尾国務大臣 私学の問題をどう考えるかというところに大きな問題点が私はあろうかと思うのであります。佐藤さんも御承知のように、先年来文部省に私学振興の方策についての調査会を臨時に設けまして、その答申もいただいたわけであります。その答申の趣旨も、この私学白書の中に記述いたしておるところでございますが、私学の現状に対して当面何をするかということを答申していただいているほかに、基本的な問題をさらに十分考える必要がある。それに対しましては、はっきりした御見解もまだいただいていないままになっておるわけでございます。基本的な問題ということになりますれば、日本の教育全体に対する私学のあり方というものも考えていかなければならぬと存じます。これは容易ならぬ大問題であろうかと存じます。
 当面の問題といたしましては、私どもとしましては、その答申の趣旨を尊重しながら積極的に問題の解決をはかっていく。言いかえれば、私学の助成とかいう問題について、さらに一そうの熱意を持ってやっていくという以外に道がないかと存じますが、それだけで解決もなかなかできる問題ではないというふうに私ども感じております。
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佐藤觀次郎#8
○佐藤(觀)委員 やはり文部大臣には、もう少し積極的にこの難関を打開するような意図がないと、自然と天から雨が降ってくるようなぐあいにはいかない。御承知のように、いままでいろいろアメリカとかイギリスなんかの例もあるので、私学の寄付金の免税をやるとか、いろいろなことをいままでわれわれも考えておったのですけれども、もうそんなものじゃ間に合わなくなった。これは少なくとも国の予算を相当与えなければ、へたをやるとたいへんなことが起きるのじゃないかというような問題があるわけです。この間も中央大学の問題がありまして、あの学長は民社党の佐々木君の兄貴で、私の中学校の先輩なんですが、結局学生に押し切られて、月謝を上げない。月謝を上げる必要があるからああいう問題が起きたと思うのですが、ところが上げられなくなって、一体ことしはどうなるかと思うと、これはたいへんなことになると思うのです。だけど、これは私、文部大臣だけの責任だと思っておりませんけれども、これは大蔵省の問題でもありますから、あとでいろいろ大蔵省にも聞きますけれども、やはりそういうところをどうやって打開をするかというような、そういうことを考えてほしいと思う。私は、もう灘尾さんだからこそこういうことを言うのであって、たしか一時愛知揆一君が一年ばかり文部大臣をやっておりましたけれども、これは大蔵省の出身でありますから、多少そういうふうなことについても触れておられましたけれども、どうもいまの状態だと、私学は窒息する。そうしたらたいへんなことになる。いま学生は非常にいろいろやっておりますから、これをきっかけに燎原の火のように私学の中からどんどんタケノコのようにいろいろな問題が続出する、そういうような時期でないかということを心配しておるわけです。
 そこで、たまたまあなたのほうから私学白書をお出しになったから、解決の道があるかと思ったら、こんなもの、ただ現象を書くだけなら女学生にやらしたらいい。こんなものでは解決になっていない。なるほど参考にはなるけれども、解決の糸口にならないということ。これはちょっと口が悪いですけれども、残念だと思ったのです。そういう点で、いまどうしたら私学がこの際更生するかという問題は、少なくとも私はもっと非常に深刻なところへ来ているのじゃないかと思うのですが、灘尾文部大臣どういうふうにお考えになっておりますか。
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灘尾弘吉#9
○灘尾国務大臣 わが国の私学というものを、教育の間でどういうふうに考えていくかという問題が一つあろうかと思うわけです。私学の位置づけとでも申しましょうか、そういう基本的な点についても十分考えていかなければなりませんし、同時にまた、私学等が何もかも政府に依存するというようなことでは、一体それが私学であるのかどうかということも問題ではないかと思うのであります。その政府との関係というふうなことにつきましても、十分私学の特質にかんがみて検討していかなければならぬところであろうかと思うのであります。なかなか困難な問題で、かりに何かの素案は書くことができましても、それを実現するということは決して容易なことじゃないと私は思うのです。そういう関係で、臨時に設けられました調査会においても、基本的な問題についてはなかなか答申が出しにくかった、このような実情にあろうかと思います。しかし、放任すべき問題でないことは、それはもう申すまでもないことであります。しっかりと基本的な問題に取り組んで考えていかなければなりませんが、これは言うべくしてなかなかそう簡単でない。したがって、当面の問題としていろいろな措置を進めていく以外に、ただいまのところとしては考えようがないわけでございますが、それを積極的に進めていきたいと思っております。
 同時に、私どもとしましては、この問題は政府だけというか、国民の負担だけで解決できる問題じゃないと思います。やはり私学側における努力というものも大いにやってもらわなければなりませんので、私学の経営についての合理化と申しますか、そういう点に関する努力もやはり必要だと思いますし、また、私学の経理に関連しましてとかくの問題が生ずるということは絶無を期していって、私学そのものが国民から絶大な信頼を得、私学のやっていることには間違いないのだというような絶大な信頼を得るような状態になってもらわなければ困ると思う。したがって、この問題は私学側の積極的な努力、これに対応しての政府側の協力、これが両々相まっていくのでなければ、問題を大きく前進させることはむずかしい、そういう心持ちで私学側とも十分話し合いも進めまして、事態の改善につとめていきたいと思います。
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佐藤觀次郎#10
○佐藤(觀)委員 一面非常に常識的なことを言っておられると思うのです。しかし、今日大学の設置基準というのがあって、この設置基準に従うならばばく大な経費が要るということは御存じだろうと思うのです。これはおそらくアメリカのあれをまねしたのだろうと思うのです。しかし、こういうような設置基準をあげておいて——私学は月謝を上げるより道がないのです、ほかに経費がないのですから。月謝を上げるより道がないということになれば、学生が今度阻止するということになる。そこでこの問題をどうするかということになると、結局、いま私学の経営にも責任がないとは——私学だって責任を負わなければなりませんから当然やるべきだと思いますけれども、しかしその前に、政府が一体どこまで熱意を持ってこの私学のあれを援助するかということが問題になると思う。そこで私はこういう考えを持っておるのです。いま教育を受ける私学の関係、高等学校以上の学校の関係で大体七割五分は私学関係でみな人間をしょっておるわけです。これは文部省は直接は関係ないと言われますけれども、これも日本国民の学校なんです。日本の国の学校なんで、こういうところの人について、国立のことだから文部省は直接責任がある、しかし私学はほかの経営者がやっておられることだから、ある点までどうでもよいというようなやり方を、灘尾さん一人じゃない、いままでの文部大臣がずっとやってきた。その累積が今日こういう事態を招いたと思うのですが、その点はどういうように……。遠慮なくひとつ、あまり答弁らしい答弁をしないで、ほんとうに思い切った答弁をしていただきたいと思う。
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灘尾弘吉#11
○灘尾国務大臣 思い切るも思い切らぬもないのでありますが、私はそういうところを、先ほど申しましたように、私学については多年の沿革があるということを申し上げたわけでございます。その沿革と現状というものとの間にかなり深刻な問題を生ずることになった。そのように存じておりますが、格別いま急にどうしようとかいうような考え方もございませんけれども、とにかく昔と違って、いまは多数の、むしろ非常に多くの学生が私学に学んでおるというこの状況から考えますと、問題は単に私学の経営上の問題とか、経営者の問題じゃないのであります。むしろ国民の側に立ってこの問題は考えなければならぬ。そういう時代に入ってきておるということは、私どももそのように認識しておるつもりであります。そういう角度から私学というものに対処していかなければならぬと思うのでありますけれども、どう対処するかというところにいろいろな問題点が出てくると私は思うのであります。そこらの点を十分解決した上でないと、なかなか思うようなことはできない。同時に、これはきわめてあたりまえのことでありますけれども、現在の私学に対して十二分の援助を政府が与え得るかどうかということになりますと、これは実際問題として、ただ大蔵省がどうのこうのという問題でなくて、財政の問題から申しましても、そう簡単な問題ではないということもあわせて御了承を願わなければならぬと思うのであります。いずれにしましても、積極的に問題と取り組んでいきたいということについては御心配のないようにひとつお願いしたいと思います。
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佐藤觀次郎#12
○佐藤(觀)委員 これはほんとうは大蔵大臣を隣に据えるといいのですけれども、大蔵大臣忙しいから来られぬということであれですが、御承知のように、いま私学振興会で貸し金が一千億ありますね。その利息を全部私学が払っておるわけです。これは六分五厘の利息だから、たいへんなことになっておると思うのですね。そこでことしは、いま灘尾さん言われなかったけれども、私学に相当融資をした、去年よりもうんとふやしたじゃないかということで、なかなか大蔵省との折衝で、財政投融資もたいへんなんでありますから、たいへんだと思うのですが、そういうことを言っておられるけれども、一体その利息は六分五厘——六分五厘じゃないけれども、とにかくそれより幾分か安いということになっておるのです。しかし、この融資をされておるために、かえって私学は借金の上に借金をする。それだから借金のための利息の赤字でいま四苦八苦しておるというような状態なんです。これは私は文部大臣の責任であるとは申しません。それは思いませんけれども、解決をする道としては、そういう問題はどういうようにしてやるか。まだいまは大学の志願者が多いですからどうにかやりくりしておりますけれども、いまの高等学校、もう私立の高等学校の志願者が減ってきて、きのうもテレビでやっておったが、三人くらいしかおらぬ高等学校もあるらしいが、そういうような問題が起きたらどういうことになってくるか。そこで私学振興会のことについても、やはりこれはいい機関ではあるけれども、その私学振興会の借金で学校を拡張する。しかし学校を拡張するということも、何も私学の人が喜んでやったのじゃなくて、やはり国のほうで全部はまかない切れないから、私学で七割ぐらいはやれといって、二、三年前に学校を増設させたことも、これは事実だと思うのです。そういう点で、そういうようなやりくりやりくりで今日の私学のいろいろな問題についての苦しさを増してきていると思うのですが、そういう点は文部大臣は理解しておられますか、どうですか。
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灘尾弘吉#13
○灘尾国務大臣 御指摘になりましたような問題につきましては、文部省としても大いに関心を持っておるわけであります。借金をして、そして学校の整備をやってきた。その金利が高いということであれば、金利を下げていくということも考えなければならないと思います。あるいは高利債があれば低利債の借りかえを心配してあげる、こういうような問題は当然文部省としては考えなければならぬ問題として今日までもやってきておるつもりであります。なかなか御期待どおりにいっていないので御不満があるだろうと思いますけれども、十分関心を持っておるつもりであります。
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佐藤觀次郎#14
○佐藤(觀)委員 それから私学の財源である月謝の問題ですが、これは公立の、たとえば東大の月謝と私学の月謝とではえらい開きが出ていると思うのです。それでこういう問題については、一体との程度の月謝が——学生をおこらせないで、まあやむを得ないというような考えで基準をつくるということについてお考えになっているのかどうか。私はこれは理想的なことをやれば、やはり米価審議会のように、米価を消費者と生産者との間である点まで決定をするということならいいけれども、私学と国立の学校との月謝があまりにも開き過ぎるから、これは私学の学生がおこるのは無理がないと思うのです。こういう点は、一体文部省はどういう基準を考え、どういう方法でこの問題を片づけたらいいかということをお考えになっているのか。これは私は国立と私学同じになれとは言いませんけれども、こういう問題は、同じ社会におって、片方は公立の大学に行けば一のものが、私学に行けば十倍も出すというような、こういうような片手落ちのことがやはり問題になるのじゃないかと思うのですが、そういう点は文部大臣はどういうふうにお考えになっておりますか。
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灘尾弘吉#15
○灘尾国務大臣 一がいに片手落ちというわけのものじゃなかろうと私は思いますけれども、しかし現に私学の授業料その他が高いことは明らかなことであります。しかもその開きが多過ぎるというふうなことも明瞭なことであります。決してそのままでよろしいという問題ではないと思います。ただ現状は長い間のあれで、私学の収入というものの大きな要素が学生の側からの授業料その他の納付金にまっておる。そういうことでありますので、他に特別な財源がない限りは、苦しいときにはこれを上げていく以外には道がないというのが現実だ、このように思うのであります。しかし、そのままに放任しておいて、結局国民の負担が増すことでありますから、よろしいというものではないと思いますけれども、どの辺にどうしたらよろしいかというふうな結論はなかなか得にくい問題でありまして、また私学のほうにおきましても、ただ一つの大学だけの問題として考えないで、やはり私学全体の問題としてこういうような問題は十分検討してもらいたいものだと思っております。そういうことにつきまして、文部省と私学側との間にこれからの解決策についての検討が進められなければならない。また、そういう意味で私学側も横の連絡等についても十分やってほしい、こういうように申しておるようなわけであります。こうしたらよかろうというふうな解決策までは、まだ持っておりません。
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佐藤觀次郎#16
○佐藤(觀)委員 村山管理局長にお尋ねするのですが、いままで大蔵省との折衝の中で、私学関係の財投と、それからいろいろな私学に要する予算について折衝されたときに、どういうところはどのくらい削られて、どういうところはどのくらいにされたという例を記憶しておりますか、本年度の予算でけっこうですが……。私は昨年の十月ごろ、ちょうど天城さんのところに行っておったときに、東大の総長が来て、月謝の値上げ問題でいろいろ折衝されておりました。そのときは天城さんからも——天城さん大学学術局長をやっておられたときだから、また月謝を上げて学生騒動になっては困るから上げないでほしいという学長の話があるということを聞いておりましたが、私もそういうこともいろいろ思い合わせて、現在あなた方のほうで大蔵省と折衝して、自分たちはこれくらいあれしてもらわなければならぬのに大蔵省はくれなかったというような例があると思うのですが、そういう点の予算の関係はどういうようになっておりますか、四十三年度でけっこうです。
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村山松雄#17
○村山政府委員 予算の要求査定については、各省と大蔵省とで折衝するわけでありますが、基本的な方針については閣議によりまして予算編成方針としてきめられて、そのワク内で私どもやらなければならないわけであります。たとえば概算要求総ワクにいたしましても、前年度予算の二五%増の範囲内というようなワクがございます。それから査定につきましても、いろいろな原則的な取りきめがなされて、その範囲で、たとえば施設費のごときは、公共事業関係の伸びをどうするというような一般原則の範囲内でなされます。そこで概算要求額と査定額の比ということにつきましては、概算要求それ自体でもワクがあるわけでありますが、たとえば私学関係のごときは、これは私学の御要望がたいへん熾烈である、その御要望も無理からぬということで、要求の段階では比較的ワクにとらわれずに要求さしていただいております。査定につきましては一般原則も働きますので、おそらく要求額に対する査定の歩どまりは全体的には約半分程度だろうと思います。重要な項目で申し上げますと、たとえば御指摘の私学振興会を通ずる財政投融資査定額は、出資金が十五億とそれから財政投融資が二百五十五億であります。これは要求に対してほぼ三分の二程度。それから今度新たに新設いたしました経常的教育研究費につきましては、査定額三十億でありますが、これは要求に対しまして約三分の一という結果に相なっております。
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佐藤觀次郎#18
○佐藤(觀)委員 この文部省の予算のことについては、これは灘尾さんがどういうぐあいに強く要求されたかということについては、大臣折衝でよくわかりませんけれども、しかし事態の急迫しているという事実をもう少し私は大臣として認識していただきたいと思うのです。灘尾さんが無能とかそういう意味ではなくて、どうも遠慮がちじゃないか。どうも予算のことがわかり過ぎて文部省はあまり取らぬようにしたらいいじゃないかという、そういう点、引っ込み思案のところがあると思うので、非常に残念だと思うのです。大体文部省の役人はおとなし過ぎるものだから、きょうは大蔵省の小幡君が来ておるけれども、どうしても大蔵省の人頭がいいからみんな取り巻かれちゃうのです。それできょうは主計局長を呼んだんだけれども、来られないので、小幡君に言うんですが、御承知のように文部省は第一引っ込み思案であるということが一番悪いんですけれども、それから文部省には反対給付がない、金は取るだけ。たとえば通産省とか農林省というのは、これだけ出すけれどもこれだけ返ってくるということがあるけれども——小幡君の責任じゃないけれども、どうしても文部省はそういうように引っ込み思案になる。そうして実際の教育というものは、いますぐ効果が上がるわけじゃないから、結局十年先、二十年先に効果があがるものですから、どうしてもやり方が消極的になると思うんです。そこへもってきて大蔵省は渋ちんときておるものだから、ますます予算が取れないということで、私はそういうことをいろいろ痛感しておるのです。
 小幡主計官に言うのですが、一体文部省の査定についてあなた方はどれぐらいのあれを持っておられるか、私学の現状を一体ごらんになったことがありますか、お尋ねします。
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小幡琢也#19
○小幡説明員 私学問題につきましては、これは最近の文教施策のうちで最重点事項の一つであるということは、私ども財政当局としましても十分承知しております。四十三年度におきましても、調査会の答申がございましたので、調査会の答申の御趣旨を十分尊重いたしまして、四十三年度、非常にきびしい財政事情でございますが、私学関係につきましては予算全体の中で格別の配慮を行ないまして、予算の金額だけでも前年に対しまして五割増という大幅な是正を行なったつもりでございます。ただ、私どもの立場といたしましては、やはり財政全体のバランスがございます。また財政資金の効率的な配分、使用ということに常に関心を持っておりまして、こういった補助金がどうすれば効率的に使用されるか、少しでも効果のあるような使い方をしていただきたい、そういうことを念願いたしておりまして、四十三年度、この新しい予算では三十億でございますが、そういった今後の実態に応じまして、だんだん実績、効果をいろいろ評価、検討しながら、今後もできるだけ財政事情の範囲内で、この私学振興について努力してまいりたい、こういうふうに考えております。
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佐藤觀次郎#20
○佐藤(觀)委員 小幡君は学校はどこを出られたのですか。
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小幡琢也#21
○小幡説明員 東大でございます。
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佐藤觀次郎#22
○佐藤(觀)委員 やはりそういう秀才だからそうなるので、しかしそういう東大を出ているから私学の苦しいところはわからぬ。人間は何といっても自分の体験がものをいいますから、そういう点をおそらく考えたことないのじゃないかと思うのです。あなたなんか、大学を出て大蔵省へ入るのは秀才ばかりでなかなかたいへんだと思うのですけれども、文部省でも、やはり灘尾さんはじめ、いま久保田さんだけが違うけれども、あとはほとんど東大ばかり出ていますから、私学がどんなに苦労しているかわからぬ。あなた方一人について国は六十万とか七十万とか使っているのですよ。私学についてはたった十万くらいしかやっておらぬのですから、これはどう考えたって、灘尾さん不公平じゃないと言われるけれども、自分が東大だから不公平じゃない、ぼくらは不公平だと思っている。それは私学が好きだという人もあります。早稲田が好きだ、慶応が好きだというような人もあるけれども、われわれはできなかったから入れなかったのですけれども、そういうことで判断をすべきではなくて、やはり社会の上に立った者は、当然政府としては、学校は、できてもできないにしても、入りたい者には、いまは自由の時代ですから、そういうことについての大きな気持ちを持たなくては、私は教育はできないと思うのですよ。ところが大蔵省自体は、一体この私学なんというものをてんで相手にしない。私はずっと文教委員長もやっておったし、ずいぶん言ってきたから、幾分かよくなってきたけれども、文部省自体も、私学局というのはないのですよ。私学に対して課よりない。それが日本の教育の七割五分の学生を背負っているのですよ。これはそういう矛盾を突けば一映じゅうやったって尽きないけれども、私はそういうことを言うのではなくて、常識的なことであっていいから、もう少しそういう問題について突っ込んだあれをしなければ——学生運動、いろいろなあれがあります。きのうも、阿部総長がやめられて、そのことでいろいろ慰労会をやった。ぼくらもかつては学生運動をやっておったから知っておるのですけれども、今日のように手のつけられないということになったのは、これはやはり文部省にも責任があると思う。東大の卒業式ができず、医学部の学生がヘルメットをかぶってわっしょわっしょやるということは、これはおそらく想像ができないのではないかと思う。そういう事態になってきているということは、これはいまの学生が悪いというのじゃなくて、政治家は、なぜそういうことをやるのかということを考えるだけの余裕がなければ、私は日本の教育はできないと思うのです。だから、こういう点でわれわれが考えなければならぬことは、こういう社会に不公平がある中で、一番教育の不公平が日本にはある。それは私学と官学の問題だということがわれわれわかってきた。
 もう一つ、小幡君ばかりに言ってもいやなんだけれども、ほんとうは主計局長あたりに言いたいのですが、水田君は三年ばかり前に城西大学という学校をつくった。それで理学部、工学部をつくって、初めて私学のえらいことがわかったということです。彼はいま借金に四苦八苦しているのですが、そういうことになると、なるほどたいへんだということがわかるのだけれども、やはり大学を出てすらすらときたような人はそういうことはわからない。あなた方が文部省の予算に対して理解のないぐらいのことはわかっておるけれども、私学に対して一体どれぐらいあなた方がそういうようなあれを持っているかということについては、私は自分でこういうように私学のことを考えましたという何か例があったら、ひとつここで言ってくださいよ。私は一ぺんあなたに聞いてみます。
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小幡琢也#23
○小幡説明員 大蔵省としましては、実は昨年答申が出ました。あの調査会が、過去二年間十分慎重に審議をされたわけでございますが、その際に、二年間ずっと側面からおつき合いいたしまして、私学の実態につきましては、いろいろ調査もし、また委員の方と御一緒に現場に参りましていろいろ実態を調べまして、私学の現状につきましてはかなり知っているつもりでございますが、何ぶん学校の運営がいろいろ態様がございますし、また経営方針も非常に区々でございます。これを一律に補助するということは、一挙にはなかなかできないのではないか。そういう意味で、今後も文部省ともよく相談いたしまして、ある程度型によって分けて、それぞれの実態に応じた適切な手を打つほうがいいのではないか。一律に総花的に補助するということは、金を多く使うわりにどうも効果がないのではないか。また、そういった補助金のほかに、私学はやはり民間の寄付といったものも相当仰いでやるべきであるものですから、そういった減免税、こういうことで少しでも寄付が集まりやすくする。また、特に私学振興会からの融資の関係、そういった融資の面でもいろいろ改善すべきではないか。何といいましても、いま私学で一番困っておりますのは実は資金であります。土地建物、施設の拡充とか、債務償還費とか、こういった問題でございますから、こういったことに対してまず手を打つのが先決ではないか、こういうふうに考えております。
 いろいろ申し上げましたが、ともかく大蔵省としましては、決して私学に対して冷淡であるわけではございませんので、今後とも、財政の範囲もございますが、できるだけ努力はしたい、こういうふうに考えております。
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佐藤觀次郎#24
○佐藤(觀)委員 それは小幡君は役柄上しようがないけれども、大体どうやって文部省の予算を切るかという、切ることばかりしか考えてないのだよ。そういう寄付のあることなんか心配してもらわなくとも、ちゃんとこっちはもらいにいくからいいけれども、あなた自身がそういうことを考えているから……。大体寄付金があるからといっても、税金取られるのですよ。その税金も、アメリカあたりはただになっていますけれども、日本では寄付金に税金がかかる。そういう仕組みになっている。あなた、どうせそのうちにまた主税局あたりに回るのだから、わかるのだろうけれども、そういうふうになって、がんじがらめになっているのですよ。そこへもっていって文部省の予算はあなたのほうで削るでしょう。だからますます文部省のほうはしみったれて、私学のほうへも、思いも及ばぬようなわずかの金しか出さぬということになる。ことしだいぶ骨折ってもらったらしいのだが、何か三十億ぐらいの金が回ってきた。しかし、三十億といったって大学は二百六十五あるのです。幾らになるか、勘定してもらえばわかるのです。それはいろいろのことをいわれますけれども、私学に戦争前には援助がなかったなかったといわれておりますけれども、戦争前でも、三十一校しかなかったのですが、その時分に二十五万円ぐらいの補助金を出しておる。その当時の金でいうと、いまとは比較にならないぐらいウエートが大きい。そこで、 これは大臣が言われたように、私学にはいろいろ伝統もあるし、学校そのものに存在のいろいろな意義があるので、これは特別なあれがあるのですけれども、しかし何といっても、いまは学生が二万人もおるようなマスプロ大学がたくさん出てきて、昔のようにはやれないような状態になってきておる。そこで私らのときもそうだったのですけれども、現在の大学の中では、いま収容しておる学生が全部出席したらたいへんなことになるだろうと思う。出席しないだろうと思って学校はやっているわけです。おそらく三分の一ぐらいしか余裕がないと思うのです。そういう現状にいま日本の私学というものはなっていると思うのです。それだから、ひまだからいろいろなことをやっておる。学校がきちっとやれないところに私は悩みがあると思うのです。しかし、これは一たび打ち捨てておけばたいへんなことになるというくらいなことば、これは灘尾さん頭がいいから知っておられると思うのですけれども、おそらくこのままにして捨てておいたらたいへんなことになるぐらいのことは考えないといけない。いよいよになれば学生が悪いということになる。それじゃ世の中は進んでいかない。やはりどこに欠陥があるかということをみずから政治をやる者は考えなければいかぬと思うのですが、文部大臣はそういう点はどういうようにお考えになっておられますか。
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灘尾弘吉#25
○灘尾国務大臣 現在の学生の問題は、ほんとうに心配しなければならぬ重大な問題だと考えます。また、学生のそのような状態に対しまして、いろいろな原因が作用しておると思うのであります。その中にやはり各学園そのものの状態が関係を持つということは否定することはできぬと思います。したがって、やはりいろいろな原因というものについて考えなければなりませんけれども、学生の勉学の場であるところの大学そのものの改善ということについて関心を払うことは当然のことと思います。その意味におきましては、私も佐藤さんと同じような心配をいたしておるわけであります。せいぜい気をつけてまいりたいと思っております。
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佐藤觀次郎#26
○佐藤(觀)委員 それからもう一つ、これは管理局長の権限であるかどうか知りませんけれども、高等学校の学生がだすだん減ってくると思うのです。そうすると、経営が成り立たぬ学校がたくさんできて、借金して運営せねばならぬ学校が出てくるように思うのですが、そういう心配は、どういう方法でこれを救っていかれるのか。これは私は文部省には一部の責任があると思うのです。そういう点でどういうようにお考えになっておられますか。これは大臣でも村山局長でもけっこうですから、ひとつ……。
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村山松雄#27
○村山政府委員 私学助成の基本方針として示されました臨時私立学校振興方策調査会の答申におきまして、政府が直接助成をやる重点はやはり高等教育機関、大学、短期大学等でありまして、高等学校以下の学校については、たとえば高等学校については、現在も都道府県がそれぞれ助成されておるわけでありますが、それを伸ばし、政府も必要に応じて、たとえば都道府県の助成に対する交付税の措置であるとか、そういう政府としてできる措置を強化しようということをいっておりまして、文部省としてもその線に沿って、主として自治省に対して高等学校以下の私学助成について要請をし、若干ずつ改善を見ておりますが、まだまだ十分でない。特に東京などにおいて入学者が急激に減少する学校については、単に助成だけでは問題が解決しないのではなかろうかというぐあいに思っております。しからばどうするか、これは直接文部省レベルで何か対策を講ずるというところまでは現在至っておりませんことを、残念でございますが申し上げざるを得ない次第でございます。
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佐藤觀次郎#28
○佐藤(觀)委員 それから文部大臣にもう一つ文句を言うのですが、大体、いよいよになると、何とか審議会をいわば隠れみのにして責任のがれするような傾きがある。これは文部省だけではないのです。大蔵省でもどこでもそういうのがあって、戦後日本の政治の中で一番大きなひずみになっているのは、何々審議会、何々審議会というものがたくさんあって、それが隠れみのになって実行に間に合わぬ。非常に急激にどんどん発達してくるような社会情勢に適合しないように思うのです。文部省が特にそういうものが多いのですが、少しそういうものをなくしたらどうでしょうか。そういう点は何かお考えになっておりませんか。
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灘尾弘吉#29
○灘尾国務大臣 私は、よそのことはよく存じませんけれども、文部省の関係におきましては、いま佐藤さんのおっしゃったような、ただ隠れみのだとかなんだとかいうような作用をしておる審議会はまずないのじゃなかろうかと思います。と申しますのは、文部省の仕事はやはり専門家の協力を得なければならぬことが——ことばかりと申してもよろしいので、文部省の事務的なスタッフだけでなかなか解決のつかない問題が非常に多いと思います。したがって、文部省関係の各種審議会というものは、私は非常に勉強していただいておる審議会だと存じております。問題はむしろ、その辺で十分調査をしていただいたものを、十分にこれを実現するということにおいてわれわれが考えなければならぬところが多々あるように思うのであります。いいかげんな審議会で、ただその隠れみののもとにぬくぬくとやっているというふうな気持ちはさらさらございませんし、むしろ非常に勉強していただいておる審議会が多い、私はこういうふうに見ておるわけであります。
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