農林水産委員会

1970-04-08 衆議院 全211発言

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会議録情報#0
昭和四十五年四月八日(水曜日)
    午前十時四十一分開議
 出席委員
   委員長 草野一郎平君
   理事 安倍晋太郎君 理事 小沢 辰男君
   理事 仮谷 忠男君 理事 丹羽 兵助君
  理事 三ツ林弥太郎君 理事 芳賀  貢君
   理事 山田 太郎君 理事 小平  忠君
      鹿野 彦吉君    亀岡 高夫君
      熊谷 義雄君    小山 長規君
      齋藤 邦吉君    澁谷 直藏君
      白浜 仁吉君    瀬戸山三男君
      田中 正巳君    高見 三郎君
      中尾 栄一君    中山 利生君
      別川悠紀夫君    松野 幸泰君
      森下 元晴君    山崎平八郎君
      阿部未喜男君    角屋堅次郎君
      田中 恒利君    千葉 七郎君
      長谷部七郎君    松沢 俊昭君
      美濃 政市君    瀬野栄次郎君
      鶴岡  洋君    合沢  栄君
      小宮 武喜君    津川 武一君
 出席国務大臣
        農 林 大 臣 倉石 忠雄君
 出席政府委員
        公正取引委員会
        事務局長    吉田 文剛君
        農林政務次官  渡辺美智雄君
        農林大臣官房長 亀長 友義君
        農林省農政局長 池田 俊也君
        農林省農地局長 中野 和仁君
 委員外の出席者
        農林水産委員会
        調査室長   松任谷健太郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月八日
 辞任         補欠選任
  佐々木秀世君     中山 利生君
  中垣 國男君     山崎平八郎君
  福永 一臣君     赤城 宗徳君
  角屋堅次郎君     美濃 政市君
  中澤 茂一君     阿部未喜男君
同日
 辞任         補欠選任
  中山 利生君     佐々木秀世君
  山崎平八郎君     中垣 國男君
  阿部未喜男君     中澤 茂一君
  美濃 政市君     角屋堅次郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 農地法の一部を改正する法律案(内閣提出第二
 九号)
 農業協同組合法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第三〇号)
     ――――◇―――――
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草野一郎平#1
○草野委員長 これより会議を開きます。
 農地法の一部を改正する法律案及び農業協同組合法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小平忠君。
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小平忠#2
○小平(忠)委員 農地法並びに農協法の一部改正に関しましては、相当長期にわたる審議を重ねまして、前国会においては、附帯決議を付して政府案が一応本院においては多数をもって通過をしたというようないきさつでありますが、しかし参議院において不幸にして審議未了になっておるのであります。その後新たに米の生産調整という問題が出てまいりまして、このことが農地法並びに農協法の一部改正にも重要な影響を及ぼすような結果となりまして、両案の改正問題についてはさらに慎重な態度、慎重な検討を加えなければならないということだと私は思うのであります。両案に対しまする農林大臣の所信をお伺いする前に、最も重要な関連のある米の生産調整に伴う農地の転用、あるいは作付転換、休耕などについてのその後の情勢について、若干大臣の所信を承りたいと思うのであります。
 第一は、転用農地の取り扱い方が、農林省だけでなく、各省に関連を持つ問題だけに、政府当局においてもその準備やあるいはいろいろ体制を整えるのに苦慮されておるようでありますが、実は先般の本委員会においての質疑を通じましても、一応三月中にもある程度めどができやしないかということがありましたのですが、すでに四月も本日は八日でありますが、現在におけるこの転用農地の取り扱いについて農林省あるいは各省の進捗状態について承りたいと思うのであります。
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倉石忠雄#3
○倉石国務大臣 十一万八千ヘクタールにつきましては、いまお話しのように、関係各省一致協力して、予算に計上いたしております一億円の調査費を配分しまして、それぞれ担当してやってもらっておるわけでありますが、その集計と申しますか、なるべく実際に即した報告を取りまとめるようにしてもらいたいということでやっておるわけであります。大体今月末ごろにはおよその見当がつくのではないか、こういうことで、いまそういうことを依頼してやっておるところであります。
 そのほか、そういうことにも関係があるわけでありますが、いままで地方に工場を分散したいと言っておるような産業界の人々、経団連のおもな人々らと私どものほうと会同いたしまして、いままでしばしば各地に工場を分散したいと思っておっても、農地転用等非常にきびしいし、地方の実情でそれが困難であるという訴えをたびたびわれわれのところへ持ってきておりますので、そういう人たちとも会同をいたしまして、こちらの意のあるところを話しまして、非常に積極的に協力的態度で、自分たちのほうでひとつ業界として計画を立てて、各地方庁に相談を持ちかけるようにいたしたいというふうなことも、そのとき言っておったようなわけでありまして、自治省その他それぞれ違った角度でやっておってくれますので、私は大体目標数字は達成できるものではないか、こういう見通しをつけて、なお鞭撻しておるところであります。
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小平忠#4
○小平(忠)委員 いまの大臣のお話ですと、十一万八千ヘクタールの転用農地のことについては、大体予定のとおりいくのではないかというお話でありますが、生産調整の具体的な方法として、これは農林省が所管して行なっておりまする、すなわち作付転換、休耕、このような内容につきましては、昨日角屋君の質問に対しましても御答弁があったようですが、これは大臣、当初予定された方向とはだいぶ変わった方向にいっておるのではないでしょうか、作付転換、休耕についての内容は。
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倉石忠雄#5
○倉石国務大臣 生産調整の分は、私どもといたしましては、なるべく作付転換を望ましいと思いますし、またそういうことでできるだけ早くそういう作付転換の方向でやってもらえるように、御存じのように四十四年度補正でも二十億円を計上いたしまして、そのための施策をやるように取り急ぎやったわけであります。しかし何ぶんにも百万トン調整というので、急速にこれが全部転換されるということはもう非常に困難だ。また現実の事実がやはり休耕のほうが割合が多いのではないかと思われるような傾向であります。
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小平忠#6
○小平(忠)委員 これは昨年、一昨年、一年も二年も前のことならいざ知らず、政府が四十五年度予算を編成し、政府案決定の時点において、その直後に国会に上程されて、この委員会に本件についても提案され、大臣並びに政府委員からの説明で、この生産調整の百万トンの中身は、休耕というのはこれは第二義的であって、作付転換に重点を置いているんです。大体このことも予定どおり農業団体も市町村も協力してくれるので予定どおりいくと思う。それは全体としては一応割り当てたものの、いまあがってきている数字というものは作付転換よりも逆に休耕のほらが多いという結果があらわれている。これは大臣どのようにお考えにですか。またこのことも、私は次の農地の転用につきましてもいろいろ問題があると思うのですが、これはやはり非常に重要なことなんです。このことを政府が計画してから、具体的に指示してからまだ二月ぐらいしかたっていない。ところがすでにもう大きく狂ってきている。これはどのようにお考えでしょうか。
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倉石忠雄#7
○倉石国務大臣 農政、農業についてたいへん明るい方に反論することはいたしませんけれども、ヨーロッパでもたいへんな勢いで生産調整をやっておることは御存じのとおりでありますが、あそこなどは、木を植えるか放置しておくか、そういう問題でもなかなか結論が出ないようであります。しかし実際に調整はやっている。この間カナダの閣僚が来まして、カナダでもやむを得ず生産調整をせざるを得ないということで、これも聞いてみますというと、わがほらよりは配分してあげる奨励金の金額は少ないようであります。どらもいろいろ見ておりますと、私どものほらはわりあいに実情に即したやり方をやっているのではないかと思いますが、何はともあれその目的は、過剰米をやはりこれ以上かかえるということにつきましてはあらゆる方面にいろいろな障害を生じますので、まずこれをしなくちゃならないということに踏み切ったわけでありますから、百万トン分を一挙に作付転換というのは、これは言うべくしてなかなか困難なことであることは御存じのとおりであります。したがって私どもとしてはできるだけ転換を希望いたしますし、またそのためにこそ三万五千円奨励金を出すわけでありますから、それを希望いたしますと同時に、今度はいま地域地域の適作について農業団体、生産者、自治体等と私どものほらの出先とが緊密な連絡をとりながら、できるだけ転作に持ってまいるように努力はいたしておるのでありますけれども、とにかくそれらの地域の事情もございまして、御存じのように全部転換作物を見出すということはいままだできておりませんので、これはやむを得ないことではないかと思っておるわけであります。
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小平忠#8
○小平(忠)委員 私は生産調整についてどうこう言っているわけではないのであります。当初政府が提案し説明されました中身は、当初の考え方、構想は百五十万トンでしたが、予算編成のさなかに五十万トンはいわゆる農地の転用に振りかえられて、結局百万トンというものを作付転換、休耕などによって減産調整をしょう。この百万トンの中身について大臣が当初説明された中身は、作付転換を第一義に考えております、休耕は第二義的であります、特に休耕というのは土地改良などいわゆる夏工事、俗にいう通年施行によって現実にその作付ができないというものを農林省としては大体三万ヘクタールほど考えておるから、これを重点にしておるのであって、休耕による生産調整は第二義的でございますというように説明されたのでございましょう。それが二月もしないうちにがらっと変わっちゃって、中身は休耕のほらが半分以上になってきておる。結果的に私は休耕のほらがもっとふえると思うのです。二年も三年も前の考え方ならいざ知らず、二月、三月前に示された中身と変わってきていることについてあなたはどうお考えですかと聞いているのです。
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倉石忠雄#9
○倉石国務大臣 初めから作付でも休耕でもよろしいなんてそんな放言をしておったら一体どういうことになってまいるでありましょうかということをわれわれは心配いたすわけであります。もちろんさっきから申し上げておりますとおり、二十数万ヘクタールというものをそう全部おいそれと、待ってましたと言わぬばかりに転換できるということは、これはなかなか至難のわざであることはもうおわかりのとおりであります。私どもとしては、今日でもなおかつ転換についてどんどん努力いたしておるわけでありますから、転換はできるだけ多いがよろしい、そういうことで努力をいたしておるのでありますが、これは私どもが強制するわけにもいきませんし、また休耕についても差別の扱いをすることはよくありませんからして、同等の扱いをいたしておるわけでありますが、希望するところはできるだけ御協力を申し上げて、作付転換を一ヘクタールでもよけいやってもらいたい。しかしとにかく生産調整という大眼目を達成するために最大の努力をする、こういう方針でございましたので、いまでも転換がふえることを待望しつつ、毎日努力をしておるというのが現状の姿であります。
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小平忠#10
○小平(忠)委員 私は転換と休耕は大きな開きがあると思うのです。休耕というのはことし一年休むのであって、来年は米をつくるのです。本来かういうと土地改良などのためにどうしても休耕せねばならないというのは、これは私はわが国の生産性の向上、いわゆる農業の近代化という方向にいくためには、むしろ奨励すべきことだと思うのですよ。しかし何らそういう意図がなくて、米が余るんだから、結局つくらぬでおけというような意味においての休耕というのは、これはむしろを奨励するようなもので、それに奨励補助金を出すなんてことは、国民感情としてもまた許されない中身のものであろうと私は思うのです。しかしそういう現実の状態から判断して、理屈は通らなくてもやむを得ないということからそれを認めるにしても、やはり本来は、今日総合農政ということばからいうならば、米つくりについてはこの辺で思い切った施策をしなければならないでしょう。平たいことばで適地適産主義といわれているようなことからいって、やはりこういう時期に、米の生産に適しないような地帯や条件下におけるところは思い切って転換せしめるべきでございましょう。そういう意味で、私はまことに残念だけれども、この生産調整に対する、いわゆる作付転換というものについては相当本腰を入れてやるべきだと思うが、しかし結果的には安易に惰農を奨励するような形の休耕が半分以上になってしまったということは、大きな問題があろうと私思うのです。いまあなたのお話を聞いていますと、二月ほど前におっしゃったことばと中身が変わってきているが、最初からどっちでもいいなんていうことを言ったらそれはたいへんなことになるとおっしゃるけれども、しからばそういう意味もあって本委員会においての答弁をなすったのですか。私はそうでないと思う。そういう意味から、現実は奨励すべきでないものが出てきているということについて私はもっと責任あるあなたの御答弁をいただきたいと思います。
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倉石忠雄#11
○倉石国務大臣 私どもばかりじゃありません。米をつくっている農家自身が、いままでのような調子で古々米がだんだん過剰になってまいったのでは、大体米を主としてやってまいりました日本の農業の将来がどらなるかということについて非常な危機感を持っておられました。私はその後いろいろ地方にも出てみましたけれども、お目にかかる方々、ことに農業団体の人ばかりでなくて、実際耕作しておられる方々自身がそのことをよく知っておられます。しかしそれにもかかわらず、やはりかっこうな転換がむずかしいというようう方もあります。地域によって違うでしょう。北海道の方面ではかなり大きな生産調整も行なわれておるようでありますが、私どもは当初初めから考えておりましたのは、できるだけひとつ全部転換するようにやってもらいたいということについて、知事会や農業団体の方々に十分それをお願いいたしておったのでありますが、現実はなかなか困難であるということであります。いまお話しになりましたように、休耕している者にまで同じような奨励金を出すことについての国民感情のお話もございました。一面において確かにそうだと思いますけれども、やはり今日までやってまいりました農政の中の一つの処置について大きな転換をいたし、しかももし従来どおり米をつくっておったとしたならばある程度所得を保障されるであろうところの人々に、国策に準じて休耕していただくというのでありますから、これはやはり大きな政策転換のために助成金を出すということは多数の国民は十分理解を願えることであろうと思います。そういうことで、できるだけ私どもといたしましてはなお努力を続けながら転換作物について鋭意努力を傾倒しておるわけでありますから、そういうことについて一般の生産者たちは十分な御理解を持っていただいているものであると確信をしているわけであります。
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小平忠#12
○小平(忠)委員 情勢の推移とかいろいろの判断の違いとかというものはそれはあるにいたしましても、二月ほど前にこの席で、この中身は転換が第一義であって、休耕は第二義的で、それはいわゆる土地改良などを重点に考えておりますとおっしゃったことが、わずかの期間で大きく中身が狂ってしまった。そうしますと農地の転用につきましても大体計画どおりいくと思います、こうおっしゃったこともそれではわかりませんね。それじゃまるっきりここで説明されたことがぐるぐる変わるのであるならば、われわれはいろいろなその農政上の問題を明らかにして少しでも前進の方向に努力しようと思うことが何かこう非常に不安定な形になると思うのですが、いかがでしょうか。
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倉石忠雄#13
○倉石国務大臣 百万トンの生産調整というのがまず第一に大きなねらいでありますから、これがどうなるかということが、農政、一つの転換の大きな眼目だと思います。それはやってみなければわかりませんが、現在のところではまことにありがたいことに全国の生産者、農業団体等が非常な御協力を願っておることは御存じのとおりであります。十一万八千ヘクタールというのも数は私は決して少ないとは思いませんけれども、各省非常な協力をいたしてくれまして、しかもこれは私どもの意思というよりも政府全体の事業でございますので、これからもさらにその方向に努力をしていくのでありますから、私はこれはいけると思っております。
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小平忠#14
○小平(忠)委員 そうしますと中身は、若干当初腹ではどう考えようとこの委員会で説明した中身とは違っても百万トンの減産は達成されるんだ、大きな狂いはございません――じゃこれは来年も継続されますか。
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倉石忠雄#15
○倉石国務大臣 小平さんにことばを返すわけではありませんが、中身はともかくとおっしゃいましたけれども、私どもの腹の中身は転作をうんとやってもらいたいというのはいまでも変わっておりません、初めからそうであります。しかし、実情なかなか二十数万ヘクタールの中でそれぞれ水田を耕しておられる人々の御意向で若干われわれの意思と合わなかったものが出てくるかもしれぬ、これはやむを得ないことではないかと御了解をいただけることだと思うのでありますが、できなかったときにはどうするかということにつきましては、しばしば申し上げておるように、いまえらい勢いで皆さんにやっていていただいてお目にかかる方一人残らずが私のほらではこうですよと、たいへん協力をしていていただくということを誇りにわれわれにお話をいただいておるような最中でありますので、できるにきまっていると確信しているのでありますから、できないときのことはあまり考えたくないと思うのでありますが、これは人間のやることでありますから、間違ってそごを来たすこともあるかもしれませんが、そのときにはなぜこういうことになったのであろうかというようなことについて掘り下げて検討いたしまして、みんなで相談いたしまして納得のいくような手段を講じていかなければならないだろう。そのときに、よってきたる原因を深く検討した上で態度をきめてまいりたい、こういう考えでおります。
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小平忠#16
○小平(忠)委員 来年度はこの生産調整にかかる転換、休耕の奨励補助金を出すお考えですかと聞いているのです。
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倉石忠雄#17
○倉石国務大臣 予算は今年度だけでありまして、政府を代表して予算の説明に当たりました財政当局は、これは緊急な事態を処理するためであるから今年度限りだ、こういうように説明をいたしましたことは御存じのとおりであります。これは政府としての予算に対する態度の説明でありますから、私どももそれに服従いたすわけであります。けれども農業というものは息の長いものでありまして、半年や一年でなかなか決定的な変革というものは不可能であることは申すまでもございませんので、私どもといたしましては当初の目的が達成されますように、継続していろいろな手を打っていきたいと思っておりますので、そういうことについては農林大臣の立場としてはいろいろな施策を続けてやられるように、政府部内において最大の努力をいたしたい、率直に申し上げると、こういう心境でございます。
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小平忠#18
○小平(忠)委員 なかなかお苦しい御答弁でございますが、大蔵大臣はことし限りでございます、農林大臣としては、農業というものはやはり長い目で見なければならぬから、この制度はひとつ来年も継続していきたいと思うので、努力したいというようにとれたのですけれども、問題はそこなんです。財政当局はこんなようなものはことし限り、こういっているが、中身が問題なんです。大臣も、いまでも転換に重点を置いて、休耕というものは重点を置いてないのだ、あらわれてきている中身は休耕のほらが多くなっている。このことは来年の予算編成の上においても、この制度を来年も継続していく上においても、大きな影響があるから、あえて私はこれを伺っておるのであります。したがいまして、このことは農地の砥用にいたしましても、そう簡単なものではございません。それらがこの農協法並びに農地法の一部改正にも大きくからんできておるのであります。したがいまして、農林大臣はこれらの事情も勘案されまして、さらに現在不適地である、またどうしても作付転換せねばならぬということにつきましては、もっと積極的な施策をもって取り組んでいただきたい、私はこう思うのであります。
 さらに、米の生産調整に関連しまして、単に減産、減産ということだけでなく、たくさんの古米、古々米をかかえて、昨日も米審懇を開いて、新聞等の報道によりますと、これをみその原料やあるいは家畜のえさにどうして使うかということの論議がされているようであるが、もっと農林省は積極的に米の消費の拡大について取り組むべきである、私は当初からこれを主張いたしております。したがって、米の減産調整とあわせて、消費の拡大について大臣は最近どのような決意をもって取り組んでおられるか。もう新年度に入ったのでありますが、実際にどういう施策をやっておられるか、この際伺いたいと思うのであります。
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倉石忠雄#19
○倉石国務大臣 過剰米の処理につきましては、お説のとおり、もう過剰になったものはいたしかたありませんので、できるだけ国家に損失を与えないような努力をしながら、処分に最善の努力をしなければならぬわけでありますが、しばしば申し上げておりますように、文部省とも話し合いまして、学校給食等に米で供給する場合、それからパン等に混合して供与する場合、いろいろな面で文部省も非常な協力をして学校給食についてやっております。それから輸出にもかなりな努力をいたしましたことは御存じのとおりであります。それからいままで砕け米、外米等を原料にいたしておりましたものについて、たとえばみそ、しょうゆ、そういうところにも内地米を使うようにしむけております。アルコール原料等もそのとおりでありますが、その上なおかつ、現に飼料にほしいという面が出てまいりまして、これがはたして可能であるかどうかというようなことについて、ただいま検討してもらっております。これがもし可能であるということになれば、相当量が出ていくわけでありますが、これはまたそれにかわります過程において、いろいろな不安が出てまいりましたので、とりあえず六万トンをそういう方面に振り向けて検討してもらうということではありますけれども、それだけのものが、また不正に扱われるようなことに相なってはまことに相すまぬことでありますので、そういう危倶のないように、どのようにしたらうまくいくかということまで研究いたしておる。そういうようなことで、いろいろ用途の拡大に向かって努力をしておるわけであります。
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小平忠#20
○小平(忠)委員 消費の拡大というのは、これは生産過剰という方向に出てからもう三年目を迎えておるのですが、検討の段階も過ぎたような感じもいたします。したがって、いま大臣が積極的に取り組んで検討しているとおっしゃるけれども、食糧庁が単なる検討の段階よりも、もう一歩進んで、具体的にそういったようなことを推進する機構というかあるいは実態というか、そういうようなものを現実におつくりになって、そして強力な担当責任者をきめてやっている、そういうようなことがあるのでございますか。
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倉石忠雄#21
○倉石国務大臣 先ほど申し上げたものの中に、多くはもう現実に実行しているわけであります。輸出もそうでありますし、その他かなり実行に移している。いま私が検討いたしておると申し上げましたのは、学校給食のいろいろなやり方について、現にいっているところもありますけれども、これからなお増強するために、消費拡大をはかるために検討している。なおもう一つ飼料の点が、いま申しましたようなことで検討しておるようなわけでありますが、私どものほうでは組織がございますので、そういう組織をフルに動かしまして、それぞれ関係筋も非常に一生懸命で、ただいま申しましたそのほかのことにも十分努力をさせておるわけであります。
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小平忠#22
○小平(忠)委員 それではいま実施をしている具体的な中身ですが、それは政府委員からでもけっこうですから、種目別あるいは数量別にちょっと教えてくれませんか。
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倉石忠雄#23
○倉石国務大臣 そのほうのお話は、きょう午前中にあるように予定されておりませんでしたから、事務当局は来ておりませんが、したがって、数量のことなど、私はつまびらかにいたしませんけれども、何しろ過剰米をかかえておって一番苦労しているのは私どもであり、食糧庁当局でありますので、皆さん方におしかりを受けるまでもなく、頭の痛い問題でありますので、日夜そういうことに努力はしておるわけであります。しかしこの上ともこういう手はどうかということがありましたならば、どんどん教えていただきまして、そういうことにできるだけすみやかに着手してまいりたいと思っております。
 いままでのことにつきまして、あとでまた数字的に御報告いたします。
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小平忠#24
○小平(忠)委員 いや、それはいろいろな知恵というけれども、具体的に言いますと、学校給食なんかはもう――私予算委員会でも去年、おととしから言っているのですよ。まず第一に、都市部においては非常にめんどうだが、農村の米作地帯の学童なんか米食に切りかえなさい、ところがなかなか進まないのですよ。ようやく四十五年度予算で試験的にこれを学校給食をやらせる程度の状態でしょう。ですから、それは農林省が主管であり、食糧庁が古米、古々米をかかえて苦労していることはわかるし、それについては、私はこれは農林省だけでなく関係する各省もあるから、具体的に実態はこうなんです、こういうものをやればこうだという問題が出れば、われわれから農林省以外の関係省にも督励して、この消費の拡大に協力させる道も実はあるのでございます。ですから、大臣は大まかなことくらいは把握されておられると思うが、しかし数字でございますから政府委員からでけっこうだと思ったのですけれども、これは、やはり一方に減産のための生産調整とあわして消費の拡大ということも重要なことでございますから、あとでけっこうでありますから現在具体的にこうやって、これからこういうことを研究しているというようなデータをお示しいただいて、われわれも農業団体とはしょっちゆう話しているのでありますが、そういう面において積極的にこの減産並びに消費の拡大についても協力したいと思うので、その資料の御提出を願いたいと思います。
 そこで、以上のような米の過剰、そして生産調整というようなことをはらんで、いま農地法と農協法の一部改正についていよいよ論議も最終段階を迎えようといたしておりますが、私はまず、農地法の一部改正について農林大臣の若干の所見を承りたいと思うのであります。
 第一は、今度の改正案の中で不在地主を認めて、借地による農地の流動化をはかろうとすることは、自作農主義をゆるがせにするものではないかという点でございます。戦後の農地改革によりまして、広範に自作農が創設され、農民の社会的経済的地位の向上がもたらされたことはあらためていうまでもないことであります。このような農地改革の成果を維持し、旧地主制と逆行するという意味をもって農地はその耕作者みずからが保有することが最も適当であると認めるという、いわゆる自作農主義を基本理念として農地法が制定されたのでありますが、今回の改正案においては、不在地主を認めて農地の流動化を促進し、農地法の第一条にこの自作農主義のほかに土地の農業上の効率的な利用をはかることを追加いたしておるのであります。この改正によりまして、自作農主義は修正されるのかどうか。確かに経済社会事情の変化に応じまして農地法も新しい時代の要請に即応しようという、そういう改正をすることは必要であると私は思うのでありますが、そのために耕作者の地位の安定という観点からすれば、最も大切な自作農主義の立場をゆるがせにしてはならないと思うのであります。この点について農林大臣の所見を承りたいと思います。
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倉石忠雄#25
○倉石国務大臣 このたびの改正では、自作農がその経営規模の拡大をいたしますにあたりまして、自分の持っておる自作地を中心としながらこれに借地を加えて行ない得るように改革しようといたすわけでございます。このために創設農地の貸し付け禁止を緩和いたしましたり、それから現に農業を行なっている者が離農して不在地主になった場合に、一定の要件のもとで小作地の保有を認めることなどの改正をいたそうとするものでありますが、このような改正を行なおうとしても農業を行なわない者が農地の所有権を取得することを認めないという現行農地法のたてまえはもとより変更いたしておりませんことは御存じのとおりであります。自作農経営がより適切であるとする農地法の考え方を変えるものではございませんので、自作農中心とするわが国の農業の現状がこの改正によって変わるとは考えられないのでございます。自作農主義を決して私どもはゆるがせにしようとするものではございません。
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小平忠#26
○小平(忠)委員 第一点についてはわかりました。
 第二点でございますが、第二点は賃貸借関係の規制の緩和によりまして、この耕作権が不安定となって、農業の近代化と逆行するのではないかという点が問題であります。今回の改正案においては、賃貸借に関します規制を緩和いたしまして、借地による農地の流動化を促進し経営規模の拡大をはかろうとしているのであります。しかしながら、経営規模を拡大することができましても借入地の耕作権が安定しているものでなければ、安心して土地改良の投資や機械設備のための投資もできないのであります。したがいまして農業の近代化をはかることはできない、こういうふうに私は端的に申し上げても過言でないと思うのであります。こういう意味から借地による農地の流動化をはかるためにできるだけ農地を貸しやすくずることは、経営規模の拡大が容易になる反面に、経営の安定という点から見ますと問題があるんでなかろうか。いわばこのことは両刃の剣になる可能性があると思う。今回の改正で賃貸借契約を解約する場合などの制限を緩和しようとしたり、小作料の統制を廃止して当事者の自由な契約にまかせようとしておるのでありますが、このことは耕作者の地位を著しく不安定なものにいたしまして、農業の近代化を妨げることになりはしないかという心配が実はあるのであります。この点について農林大臣はどのようにお考えでございますか。
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倉石忠雄#27
○倉石国務大臣 ただいまの点はわが国農業にとって大事な点だと思いますが、お話しのように、賃貸借の解約などにつきましてはその一部を許可不要といたしておることは御指摘のとおりでございますが、いずれも耕作者の意に反して一方的に解約を受けることはないように措置いたしておる次第でありまして、耕作権が不安定となるようなことはないと思います。むしろいわゆる請負耕作というような形での利用関係でありますと耕作者は全くの無権利状態に置かれておるわけでありますから、今回の改正によりまして正規の賃貸借契約に移行させることによりまして、耕作者の権利もしっかりするわけでございます。また小作料統制を廃止いたしましても、農業者の経済的社会的地位が向上いたしまして、雇用機会も増大してまいっておる現在では、戦前のような高率な非常識な小作料が発生する余地は一般的にはないではないかと私どもは判断いたしておりますので、標準小作料の設定と減額勧告の制度の運用等によりまして適正な水準の小作料が形成されるものであろう、このように見ておるわけであります。
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小平忠#28
○小平(忠)委員 もう一つ重要な問題は、農地保有合理化法人に対します政府の育成指導の方針であります。さらに同法人に対しまする財政及び税制の面でどのような援助措置をとるかという点であります。
 まずその最初は、農地保有合理化法人に対する政府の指導助成方針について、大臣の所見を承りたいのでありますが、農地保有合理化促進事業は、離農しようとする農家や、兼業に重点を移していこうとする農家の農地を取得いたしまして、それを規模拡大などに有効に利用する、あるいは未墾地に介在する農地を含めまして土地を買い入れ、農用地造成を行なうなど、各種の施策を展開するための有効な手段として活用することができるものであると認められるのであります。しかしながら実際問題といたしまして、市町村において農家間で農地が売買されたり、あるいは貸し借りされたりしている中に入って、この法人が農地を買ったり借りたりすることは容易なことではないと考えるのであります。したがいまして農家の理解と関係者のなみなみならぬ努力を要するものであろうと思うのでありますが、反面、農地売買には本来多額の資金を要するものでありまして、この事業を円滑に推進するためには、この事業を行なう法人について積極的な指導育成をする必要があると思うのであります。この点について政府はどのようにお考えになっておられるか。また財政及び税制の面でどういう援助措置をとろうといたしておるのでありますか。農林大臣にお伺いしたいと思うのであります。
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倉石忠雄#29
○倉石国務大臣 農地の移動を経営規模の拡大や農地の集団化に方向づけるという農地保有合理化法人の行なう事業が、第二次構造改善事業の実施など、今後の農政におきまして果たす役割りはなかなか大きなものだとわれわれも期待いたしておるわけであります。したがって政府におきましても、地元農業委員会や農業団体など関係者の理解と協力を得まして、同事業が適正かつ円滑に実施されるように指導してまいりたいと思っております。
 なおお話のございました農地保有合理化法人に対する財政面での援助措置につきましては、第二次構造改善事業の農業経営整備事業として助成することにいたしております。そのほか農地保有合理化法人であります都道府県公社に対しまして、その業務費について補助をいたしますとともに、税制面におきましても登録免許税などについて必要な軽減措置を講ずるように努力してまいりたいと思っておるわけであります。
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