沖縄及び北方問題に関する特別委員会

1980-05-09 衆議院 全151発言

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会議録情報#0
昭和五十五年五月九日(金曜日)
    午後三時八分開議
 出席委員
   委員長 河村  勝君
   理事 越智 通雄君 理事 國場 幸昌君
   理事 村上 茂利君 理事 山花 貞夫君
   理事 玉城 栄一君 理事 部谷 孝之君
      大城 眞順君    菊池福治郎君
      村田敬次郎君    山下 元利君
      上原 康助君    榊  利夫君
 出席国務大臣
        外 務 大 臣 大来佐武郎君
 出席政府委員
        防衛庁防衛局長 原   徹君
        沖繩開発庁総務
        局長      美野輪俊三君
        外務省北米局長 淺尾新一郎君
        外務省条約局長 伊達 宗起君
 委員外の出席者
        議     員 岡田 利春君
        防衛施設庁施設
        部連絡調整官  深作 和夫君
        防衛施設庁施設
        部連絡調整官  箭内慶次郎君
        科学技術庁原子
        力安全局防災環
        境対策室長   穂波  穰君
        外務大臣官房審
        議官      堂ノ脇光朗君
        農林水産省食品
        流通局野菜計画
        課長      鎭西 迪雄君
        特別委員会第一
        調査室長    綿貫 敏行君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月一日
 辞任         補欠選任
  上原 康助君     山花 貞夫君
五月九日
 辞任         補欠選任
  芳賀  貢君     上原 康助君
同日
 辞任         補欠選任
  上原 康助君     芳賀  貢君
同日
 理事上原康助君四月一日委員辞任につき、その
 補欠として山花貞夫君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
四月三十日
 北方地域旧漁業権者等に対する特別交付金の支
 給に関する法律案(岡田利春君外四名提出、衆
 法第四八号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
四月十八日
 那覇空港の民間専用空港として開放に関する陳
 情書外一件
 (第一七九号)
 北方領土返還に関する陳情書
 (第一八〇号)
 B52核戦略爆撃機の沖繩県飛来阻止に関する
 陳情書(第一八一
 号)
 F15イーグル戦闘機の嘉手納飛行場配備反対
 に関する陳情書
 (第一八二号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の補欠選任
 北方地域旧漁業権者等に対する特別交付金の支
 給に関する法律案(岡田利春君外四名提出、衆
 法第四八号)
 沖繩及び北方問題に関する件
     ――――◇―――――
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河村勝#1
○河村委員長 これより会議を開きます。
 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い、現在理事が一名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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河村勝#2
○河村委員長 御異議なしと認めます。よって、委員長は、山花貞夫君を理事に指名いたします。
     ————◇—————
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河村勝#3
○河村委員長 岡田利春君外四名提出に係る北方地域旧漁業権者等に対する特別交付金の支給に関する法律案を議題といたします。
 提出者から提案理由の説明を求めます。岡田利春君。
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岡田利春#4
○岡田(利)議員 ただいま議題となりました北方地域旧漁業権者等に対する特別交付金の支給に関する法律案につきまして、提案者を代表いたしまして、その提案理由並びに主な内容について御説明申し上げます。
 御承知のように、北方地域は、わが国固有の領土であるにもかかわらず、昭和二十年八月にソ連軍により占領されて以来、事実上同国の支配下にあり、戦後三十五年を経た今日においても、小笠原、沖繩など、第二次世界大戦の結果他国の統治下に置かれていた地域がすべて返還されたにもかかわらず、いまなお返還の見通しすら立っていないことは周知の事実であります。
 このため、北方地域の地先の漁場で漁業を営んでいた漁業権者、そのほか北方地域の元居住者(北方地域旧漁業権者等)は、いまだに父祖の墳墓の地であるこれら諸島に復帰することができず、また、わが国でも数少ない大漁場であるこれら諸島の周辺漁場で漁業を営もうとすれば、しばしば拿捕の危険にさらされ、安全に操業できないという困難な状況にあるのが現状であります。
 このような北方地域だけにある特殊事情及び北方地域旧漁業権者などの置かれている特殊な地位等にかんがみ、北方地域旧漁業権者等に対する特別措置に関する法律の施行後約二十年を経過した今日、同法に基づく制度の見直しを行い、融資制度にかえて、現存している北方地域旧漁業権者等に対して特別交付金を支給し、生活の安定に資するため、この法律案を提案する次第であります。
 以下、この法律案の主な内容を御説明申し上げます。
 第一は、特別交付金支給の規定であります。
 国は、北方地域旧漁業権者等に対する特別措置に関する法律第二条第二項に規定する北方地域旧漁業権者等である者に対し、特別交付金を支給することとし、特別交付金の支給を受ける認定は、これを受けようとする者の申請に基づいて内閣総理大臣が行うものとしたことであります。
 第二は、特別交付金の額であります。
 北方地域旧漁業権者等に支給する特別交付金の額は九十万円とします。ただし、昭和五十四年分の所得税額が八十万円を超える者については十五万円としました。
 第三は、貸付業務の廃止であります。
 現在、北方領土問題対策協会が行っている業務のうち貸付業務を廃止し、この貸付業務にかかわる権利義務は政府関係金融機関に承継させるものとしております。
 以上が、この法律案の提案理由と主な内容であります。
 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願いします。
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河村勝#5
○河村委員長 これにて提案理由の説明は終了いたしました。
     ————◇—————
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河村勝#6
○河村委員長 沖繩及び北方問題に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。村上茂利君。
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村上茂利#7
○村上(茂)委員 私は、外務大臣とそれから防衛庁に対しまして、幾つかの点について質問を申し上げたいと存じます。
 大きな内容は二つでございます。
 第一は、日米首脳会談で日本の防衛力強化に関するいろんな話し合いが行われた、その問題についての真相を明らかにしていただきたい。それに関連いたしまして、防衛庁は今後どのような姿勢でこれに対処していかれるか。これが第一でございます。
 第二は、今月七日、外人記者クラブでソ連のポリャンスキー大使がいろいろ発言をされておりますが、その発言に関連して政府の所信をただしたいと存じます。
 第一の、日米首脳会談での日本の防衛力強化に対する話し合いの内容でございますが、八日のある新聞の朝刊を見ますると、外務大臣は防衛庁の「中期業務見積り」を前提にいたしまして、その計画を五十六年度から三カ年で繰り上げ処理をする、GNPの一%まで防衛費を引き上げるというような意味の記者会見での発言がございまして、これが具体的な内容だというような報道がされておりました。
 この点について、私の推測を申し上げまして、外務大臣は答弁の際にひとつ含んでお考えをいただきたいと思います。
 大平総理が行かれましても、会見時間はそう長くなかった。トップ会談の話し合いでございますから、その前段階におけるいろんな話し合いの積み重ねを前提にして会談が行われたというふうに私は考えざるを得ないんでありますが、つまり総理が会談をなさる前に、外務大臣はブラウン国防長官その他といろんなお話し合いをなすっておられるわけであります。その過程におきまして、防衛問題についていろんな話し合いもあったと思うのでございます。恐らく「中期業務見積り」についてもあるいは触れられたかもしれません。ただ、しかし、大統領と総理との会談においてそういった内容のものがストレートに出てくるということは、ちょっと私は考えられないのでございますけれども、その点についてきのうの外務委員会でも外務大臣は御答弁になっておられますから、私はあの答弁のように理解をしたいのでございます。
 しかし、問題の考え方といたしましては、総理とカーター大統領との話し合いのやりとりだけじゃなくて、その前段階における国防長官とのやりとり、そういうものもひっくるめまして総体として判断せざるを得ないだろう、かように私は推測をしておるわけでございます。
 アメリカから言われたから日本政府はこう受けとめるというようなことは、私ははなはだ心外に思うのであります。つまり日本の自衛の問題、防衛の問題は、これは日本国が自主的に判断すべき問題でございまして、カーター大統領と総理とのやりとりの間に、恐らくは日本の防衛努力を多とする評価もあったのではないか、あるいは日本の憲法あるいは経済、財政の制約その他を考えまして、理解ある態度を示しつつ、一般的に日本の防衛力強化というものを期待しておったのではなかろうかというふうに私は思うのでございますけれども、この点につきまして、この沖繩及び北方問題に関する特別委員会でこの問題を質問するということについてはいささかためらいも感ずるのでありますが、しかし、私は、北方領土も含む北海道の立場あるいは沖繩の立場を考えますと、この防衛問題についての日米最高首脳者の話し合いというものは非常に大きな関心が持たれるわけでございますから、あえて私の推測も交えつつ、外務大臣の首脳会談における内容の正確なる御発表をひとつお願いしたい、かように存ずる次第でございます。
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大来佐武郎#8
○大来国務大臣 ただいまお尋ねの防衛問題についてのワシントンにおけるカーター大統領と大平総理の会談でございますが、もちろんその首脳会談の内容をそのまま申し上げるということは困難でございますけれども、概要について申しますと、まず大統領の方から、日本が防衛力増強に努力していることを多としており、また日本の国内的制約は十分理解しているところであるが、今後とも、新しい状況に対応するために、政府部内にすでにある計画を早目に達成するならば、アジアの平和と安定のために有益と考える、ということを大統領が述べたわけでございます。
 これに対して大平総理よりは、第一に、われわれとしては、従来より精いっぱい努力してきたところであるが、今後とも自主的にその努力を続けていく、第二に、日本が防衛力を整備する上でいろいろな制約があることを米側が理解してくれていることを評価する、第三に、われわれとしても、同盟国として何をしていくべきかを真剣に検討していきたい、第四に、またアジアの政治的、経済的安定はこの地域の安全保障のために最も重要であり、われわれとしては、この地域の安定に寄与するためにこれらの諸国への協力につき一層努力していきたい、対パキスタン、対トルコ、対タイへの援助も、これらの諸国の安定強化のためにやっているわけだという趣旨のことを総理から言われたわけでございます。
 ただいま村上委員から御指摘がありました一昨日ですか、八日ですかの一部の新聞に、たとえば「防衛費のGNP一% 米、三年で達成要求」というようなことについての記事がございますけれども、これはバンクーバーで今度の旅行全般についてのブリーフをいたしましたときの話が土台になっておるように思いますけれども、多少誤解を招くような表現が使われておるように思います。
 たとえば「三年で達成要求」ということはいままで言われたことはないわけでございますが、計算するとそういう計算にもなる。つまり「中期業務見積り」でございますが、それは防衛庁の内部の計画で、もともと五十五年から五十九年までの五年間の計画見積もりになっておると承知しておりますが、それを一年程度前倒しにできないかというのは、三月に私がブラウン長官に会いましたときの先方の発言であったわけでございます。新聞の方では、恐らく、五十五年はそういう意味で余り動いてなかったから、五十六年から五十八年まで、五十九年を一年繰り上げてということになると三年になるという意味で「三年」という見出しをつけたのじゃないか、これは私の想像でございます。ただ、従来ブラウン長官からありました話は、五年の業務見積もりを四年でできないか、そういう趣旨でございまして、それをわざわざ「三年」と書くといろいろ誤解を生ずる面もあるのじゃないかと存じます。
 それから総理とカーター大統領の会談は、ただいま申し上げましたような趣旨で何ら具体的なことを総理が発言しているわけではございませんで、カーター大統領の発言も「中期業務見積り」ということは一言も触れておらないわけでございまして、「すでに日本政府の内部にある計画」というような言い方をいたしておるわけでございます。これは多分「中期業務見積り」のことだろうという推定はできますけれども、大統領がはっきりそういうことを申したわけではございませんで、総理のお答えの方も、防衛の問題について真剣に検討していきたいという一般的な返事をいたしたわけでございます。
 それから一%問題というのは、これは昭和五十一年の「防衛計画の大綱」と、もう一つ「防衛費についてはさしあたり一%以内をめどとする」という国防会議及び閣議決定がございまして、それをめどとするということでございますが、最近四年だ、五年だ、一%だといろいろな議論がございますけれども、仮に一年繰り上げて五十九年を五十八年に達成する。これも防衛庁の問題でございますから、私どもから余り内容に立ち入って申し上げることはどうかと思いますが、ただ、それにしても一%という昭和五十一年における閣議決定、国防会議決定の線を越えるものではございませんで、私どもも、近ごろのいろいろな論議についての報道等を見ますと、何か非常に大きな変化が起こるというような報道ぶりも多いのでございますけれども、これはどうも事実と反するように印象を受けておるわけでございまして、五十一年のそういう国防会議、閣議決定の線を決して逸脱するものではございません。米側の要求も、五年というのを一年ぐらい繰り上げることはできないか、もちろん日本の持っておるいろいろな制約について十分承知しているのだがということで、ここに来まして何か急に従来の方針が変わって、防衛費を非常に大幅にふやして、それによって福祉、厚生等を大きく圧迫するような方向転換が行われるのではないか、しかもそれがアメリカ側の要求によって行われるのではないかというようなことが一般に伝えられているようにも思うのでございますが、いま申しましたようなことで、その枠として従来の考え方を決して踏み出すものではございませんし、また、外からの要請ということもございますが、確かに日米安全保障条約を結んでいる相手方でございますし、相手方の防衛についての、これは世界全体にわたる国防という問題を考える立場のアメリカ側の考え方というものはございますけれども、本来、これは総理も繰り返していろいろな機会に述べておることでございますけれども、防衛という問題は、国際情勢とそれからわが国の財政事情とそれから国民のコンセンサス、こういうものに基づいて自主的に決めるものであるということの立場は変わっておらないと存じます。
 以上が大体の考え方かと存じます。
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村上茂利#9
○村上(茂)委員 詳細な御答弁をいただきまして、トップ会談の話の内容も大体了解をすることができましたが、防衛問題につきましては「中期業務見積り」というものが何か非常に大きくクローズアップされたようでございますけれども、これは政府の正式決定のものではない、防衛庁内部の一つの作業案であると私は理解しておるわけでございます。その一年繰り上げとかいろいろございましても、内容的に果たしてそれが適切なものであるかどうかという点については、五十一年の作成にかかるものでありますからいろいろ問題もあるだろうと思うのであります。
 そこで、防衛問題が昨今特に重視せられ、いろいろな議論もあるわけですが、けさのある新聞を見ますると、アメリカ側が文書で日本の防衛体制の欠陥を指摘したという内容のものが、ほとんど全文とも見られるような形で掲載をされておりました。実は私は、この内容はプライベートにある程度聞いておりまして、その内容とほとんど同じなものですから、これは新聞の伝うるような米政府の提出した文書であるとか、そういう種類のものではないと私は想像しておるわけでございます。
 そこで申し上げたいのは、国民の立場から見ますると、防衛庁では「中期業務見積り」の検討をやっているようだが、ところがアメリカ側から、いまの防衛体制なり防衛力の問題についてずばり欠陥を指摘された。一体「中期業務見積り」でいいのかどうか、大変どうも、ずばっと適切なことも言っておるじゃないか。今後の日本の防衛を考えます場合に一体どっちでいくのだろうかというような、錯乱したような理解の仕方を国民が持ってはならない。私どもとしましては、防衛というのは、世界的なあるいは日本を取り巻くいろいろな情勢に対応いたしまして、必要に応じて防衛力強化とかそういうものを考えるべきでありまして、固定概念で事を処理しようとしましても、流動する変転きわまりないいろいろな情勢に対応できない、むしろ必要性を前提にしまして着実なる検討をすべきだと考えておるのであります。その「中期業務見積り」の前倒しとかなんとか言っておりますけれども、一方においては、アメリカ政府の正式文書じゃないと思いますけれども、こういうものが明らかにされて、日本の防衛体制の欠陥を指摘しておる。さまざまな考え方がありますけれども、そういう二重写し、三重写しの議論ではなくして、防衛庁としてはこんな考えでいきたいのだ、そういう考えを明らかにすることができましたならば、可能な限り表明していただきたいと思います。
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原徹#10
○原政府委員 まず最初に、けさの読売新聞に出ました記事、これは米国政府が防衛庁に何か文書で指摘をしたというようなスタンスで書かれておりますけれども、それは事実に反します。あるアメリカの軍事専門家が特定のグループの中で講演をされたものであると承知をいたしております。
 その中身につきましては、いろいろ書いてございますけれども、私どもは、例の「中期業務見積り」をつくりました際、自衛隊においていま何を改善すべきかという点がいろいろございますので、そういう点を中心に「中期業務見積り」をつくったわけでございまして、いろいろ指摘されている点の多くの点について私どもの認識とそれほど違いがない、したがってそれは改善を要すべき点である、そういうふうに認識をいたしております。
 自衛隊の全体を見ましたときに、大きく申しまして、一つは装備が非常に旧式なものが多い、新式のものもありますけれども、旧式なものが多い。たとえばいまの護衛艦につきましても、六十隻ぐらいのうちミサイルを積んでいるのは現在四隻しかないというようなこともございます。あるいは、いわゆる継戦能力と申しまして、弾をどのぐらい持っているかということ、昔はかなりと申しますかあったのでございますけれども、食いつぶしてしまって非常に少ない弾しかないというような継戦能力の問題。あるいは抗たん性と申しまして、たとえばいまのレーダーサイトあるいは基地について、たとえば戦闘機がシェルターに入っていないというようなところは世界じゅうほとんどないというように、いろいろ改善を要すべき点があるわけでございます。
 したがって、装備の近代化をしなければならないことが第一点、継戦能力をつけなければいけないこと、それから抗たん性を増していくというような点について、私どもはできるだけ努力をしてまいりたい。
 私どもはまさにそういう見地に立ちまして、アフガン以後の国際軍事情勢につきまして非常に厳しくなっているという認識を持っており、その認識につきましては、アメリカもそうでございますし、NATO諸国もみんな同じ認識を持っている。要するに、ソ連の軍事力の増大はグローバルなわけでございまして、そのグローバルの一環として極東においても非常に増加をされているということでございます。そういう同じ認識に立っているわけでございますから、同じ認識に立って、しかもアメリカは非常な努力をする決心をいたし、そうしてまた、NATOにおいてもそういう決心をいたしておるわけでございます。
 となれば、私どもといたしましても、当然のことでございますけれども、できるだけ早い機会に、少なくともいまの「防衛計画の大綱」の水準には持っていく必要があると考えておりますので、そういう見地に立って、これは制度上そうなっているわけでございますが、「中期業務見積り」の見直しの作業をいま進めておる、そしてその作業に基づいて来年度の概算要求をしていきたい、そういう考え方でございます。
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村上茂利#11
○村上(茂)委員 防衛問題につきましては申すまでもなく日本の特殊な制約もあるわけでございますが、問題は、内容的に国民のコンセンサスを得られまして、そして、現在の激動する国際情勢に対処し得るような内容のものを確立していただきたいと私どもは希望するわけでございます。
 時間の関係がございますので、次の問題に移らしていただきます。
 ソ連大使のポリャンスキーさんが七日の外人記者クラブで発言がございまして、新聞に報道されておりますが、国会におきましても、かねてから、北方領土問題の解決促進に関する決議を、わが委員会におきましては三月七日、また本会議におきましては三月十三日に決議をいたしておるわけでございますが、国民的な要望であります北方領土問題解決促進という観点から見ますると、まさにこれを完全否定するような発言と私どもには受け取られるわけでございます。
 私個人といたしましては、一昨年の訪ソ国会議員団として訪ソもいたしております。ポリャンスキー大使とも話をしたことが数度ございまして、日ソ親善をこいねがうことにかけましては何人にも劣らないという気持ちで私はおりますけれども、ただ現下の情勢から見まして、報道の伝えるところの内容を見ますると、北方領土の問題につきましてはかねてから強硬な態度を持しておるわけでございますけれども、日ソ間には領土問題は存在せず、そのことについて議論するのはむだだ、こういう立場を繰り返し主張しておるようでございますが、今回の記者会見における発言におきましては、極東地域でのソ連の防衛能力強化は、この地域の軍事、政治情勢と結びついていないと考えてはならない、こういう発言があったようでございまして、この極東地域の防衛の強化が日中あるいは米中接近に対する対抗措置であるかのような印象を強く与えるわけであります。
 この発言に関連しまして、本委員会におきましても、衆議院の本会議におきましても、北方領土問題の解決促進に関する決議を採択しておる立場上から見まして、このポリャンスキー大使の発言については、このままにしておくのかあるいは外交的な何らかの抗議措置をとるのかどうか、私はその点を聞きたいのであります。
 いかに親善関係にあろうとも、日本の立場から主張すべきは堂々と主張すべきである。事なかれ主義で、何を言われようとも黙っておるという態度は、かえって将来の真の友好関係を確立するために阻害要因になる。言うべきことははっきり言ったらよろしい、私はかように考えるものでございますが、この発言に対して何らかの外交的な措置をとられるかどうか。
 それから、この発言に関連いたしまして従来、択捉、国後さらには色丹島に軍事力を強化した、これをわが国はどう受けとめるのかという点について、潜在的な脅威が増大したとかいろいろな発言をしておりますけれども、果たしてそれでよいのかどうか。その認識につきまして、私は、外務省のみならず防衛庁に対しましても、この点をただしたいのであります。
 時間の関係上もう一つ質問をいたしますが、佐藤内閣時代は、国連総会におきまして、北方領土返還につきまして、代表の演説に必ずと言っていいほどこれが挿入されておった。ところが最近、国連総会における発言におきまして、北方領土返還の要求の発言がだんだんなくなってきたということを私どもは承知しておるのでございますが、国民的要求である北方領土返還問題につきましては、国連総会という場をとらえまして、繰り返し繰り返しわが国の主張の正当であることを強調すべきであると私は考えておる次第でございます。今後における国連総会において北方領土返還問題について発言をする意思があるかどうか、この点もお尋ねしたいと思います。
 質問は以上でございます。
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大来佐武郎#12
○大来国務大臣 ただいま御発言のありましたポリャンスキー大使の外人記者クラブにおける発言でございますが、この発言の中では、かなり具体的に、ソ連の極東における防衛問題について触れておるように存じます。ただ、これに対して抗議を正式に申し入れるかどうかということにつきましては、これはそういう記者クラブでの発言でございますから、そのものをとらえて政府から正式に申し入れをするということは、現在のところは考えておらないわけでございます。
 それから、国会の御決議もございまして、この北方領土返還問題について、この前、モスクワの日本大使からフィリュービン・ソ連外務次官に、正式に国会の御決議を先方に伝達をいたしたわけでございます。これに対して、領土問題解決済みという同様の返答があったわけでございますけれども、政府としても、いろいろな機会をとらえて粘り強く、この問題はソ連側に申し入れを行っておるという状況でございますし、また、北方四島のうち三島における軍事基地の設定についても強く抗議を提出いたしておるわけでございます。
 国連の場における発言、これは最近では、昨年の総会の第一委員会で、日本の代表から北方領土の問題に触れた発言をしておりまして、佐藤元総理の御発言も当時あったわけでございますが、その後も折に触れて発言をいたしておるわけでございます。昨年の分は大川大使からの発言の中に、この軍事行動の自制ということに関連して、わが国の例を挙げて、わが国が返還を求めている日本の固有の領土において、最近新たな軍事力の配備が行われ、日本国民の不信と不安を増大させているということを国連の第一委員会で発言いたしております。将来におきましても、機会を見ながら、国連の場でも発言する適当な機会がございましたら、そういう努力を続けていきたいと考えております。
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原徹#13
○原政府委員 北方四島にソ連軍が地上軍を配備をいたしたということでございますが、その点につきましては、私どもは先ほども申しましたが、グローバルな意味でソ連軍の増強をされている一環であるというふうに考えておりまして、それは潜在的脅威の増大であるというふうな認識を持っているわけでございます。
 この「潜在的」という字をつけますのは、「脅威」というのはもちろん意図と能力の問題で、意図は必ずしも明白でない。したがって軍事能力を十分注目して、あるいは警戒的な態度でそれは見るというのが「潜在的脅威」という意味でございまして、「潜在的」という意味をつけたから、それで別に安心しておってよろしいという意味で言っているのではございません。ただ、意図は明確でないから「潜在的」とか、こう申すわけでございまして、そういう認識に立っているわけでございます。
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村上茂利#14
○村上(茂)委員 ちょっとそれに関連して。ところが、今度のポリャンスキー大使の発言というのは、従来ソ連の防衛問題については何ら発言がなかった。今度はきわめて明確な発言があって、しかも日中あるいは米中の接近と関連をして、対抗的な意味で防衛力を強化しているんだ、こういう考え方を私はくみ取れるわけであります。これは、情勢いかんによっては将来軍事力を行使するぞという予告宣言のような、穏やかならない理解の仕方もできるわけでございます。したがいまして、こういったソ連の考え方につきましては、絶えず正確な認識を国民に与えながら、事を処理していただきたいと私は考える次第でございます。
 時間がございませんから答弁は必要ございません。
 質問はこれで終わりにいたします。
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河村勝#15
○河村委員長 上原康助君。
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上原康助#16
○上原委員 きょうは時間がちょうど三十分しか割り当てられていませんので、お尋ねしたい点はたくさんあるのですが、なかなかうまくいきそうもありませんが、若干お尋ねをさしていただきたいと思うのです。
 まず冒頭、いまの御質問者の内容とも関連するのですが、北方領土問題について最初にお尋ねさしていただきたいと思います。もちろん北方領土の返還問題、あるいはわが国固有の領土であり、そこにソ連が軍備的措置といいますか配置をするということに対しては、私どもも一貫して反対する立場をとっておりますし、最近その軍備力の配備というのが強化をされている傾向にあるということにつきましても、承服しがたいという立場をとっております。しかし、同時に、この問題につきましては、冷静かつソ連の意図なりあるいはアジアの情勢、いろんな面で、客観的にも主観的にも十分な判断をした上での外交措置というものを講じなければいけないと私は思うのです。
 そういう立場で少しお聞きをしてみたいわけですが、まず最初に、防衛庁は、五十四年の二月一日に「国後・択捉島地域における最近のソ連軍の動向について」というのを発表いたしました。これも実際内容をある程度検討してみますと、なかなか断定したことは言っていないわけですね。ソ連軍の動向について国後、択捉に対しても。
 たとえば「現状」というところでは「防衛庁は、各種の情報から判断して、昨年夏以降、国後・択捉両島地域に相当規模のソ連地上軍部隊の配備及び基地の建設が行われているものと推定している。部隊の規模、種類等の詳細については、なお、確認の努力中である。」こういう表現をとっておりまして、さらに、これは今年の予算委員会に提出をされたもので、五十四年の十月に発表されたものですが、「北方領土に配備されている部隊の規模は、現段階において正確に判断できないが、師団規模に近づきつつあると推定している。」、実際問題としてあくまで推定の域を出ていないわけですね。にもかかわらず、いまにも北方領土にソ連の大軍が軍事的措置を行われて、あたかも北海道なりわが国に対する侵攻なり、軍事的な何らかの措置がとられかねないかのような印象を国民にこの二年前後与えてきている。さらに、昨年末のアフガン問題に加えて、国民に非常に危機感を与えて、意図的に自衛力なり防衛力の強化ということにいま突っ走ろうとしている。ここに私たちはなお注目をせざるを得ないわけですね。
 したがって、いま私が二つほど指摘をいたしましたが、一体北方領土に対して、数量的にも実態としてどういう軍備の配置がなされているのか。これは明確にできますか。
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原徹#17
○原政府委員 わが国の北方領土に地上軍が配備をされたそのことについては、別に推定ではないのであります。数量がどのくらいかというところについては師団規模程度であろうという推定をいたしておりますが、いろいろの情報を総合すれば配備されたことは確実でございまして、それを私どもは極東のソ連軍の増強の一環であるというふうに考えておりますし、それはまた客観的な事実であろうと私どもは考えておるわけで、何かこう意図的にそれで防衛力の増強を図ろうということではないのでございまして、非常にクールに判断をいたしておるつもりでございます。
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上原康助#18
○上原委員 私も、配備をされているそのことを全面的に否定しようという立場はとっていないのです。それは冒頭申し上げたように、配備されているかもしらぬ。それから、皆さんのものだって断定じゃないわけですね。そうしますと、きょうは時間がありませんので、これは短時間ではとてもできない議論なんですが、師団規模といいますと、ソ連の地上軍の兵員数から言うと一万三千名ですよね。あなたは数量的にも否定しないと言うのだが、一体どのくらいの地上軍がおって、どういう装備をしておってという、そういう中身も明らかになっておるのか。それはなっていないわけでしょう。あくまでそういう面は推定でしょう。そこが問題だと言うのですよ。師団規模というと一体地上軍としては兵員数はどのくらいで、その兵員はどういう装備をしているのですか。
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原徹#19
○原政府委員 兵員数は一万人弱ぐらいというふうに推定をいたしております。
 それから、どういうものを持っているかと申しますと、戦車とか火砲とか対空火器、それから通常の自動車化狙撃師団では持っていない百三十ミリのりゅう弾砲、あるいは攻撃用のヘリコプターでMI24、ハインドと言っておりますが、その他対空ミサイル等も配備されている、そういうふうに考えております。
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上原康助#20
○上原委員 色丹にはどういうふうな配備だと見ていますか。
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原徹#21
○原政府委員 色丹島におきましても、火砲あるいは対空火器あるいは装甲兵員輸送車、そういうようなものが配備されていると考えております。(上原委員「人員は……」と呼ぶ)人員につきましては、これはまだ詳細わかりません。施設の規模等で推定をすると、二千人ぐらい入るような施設ができつつあるということでございますけれども、どのくらいになるかちょっと確認はできておりません。
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上原康助#22
○上原委員 そこで、これは後日の議論に譲らざるを得ませんが、そうしますと、皆さんが、そういう配備をしているという推定なりいろいろ情報収集というのがあるわけですが、どういうルートでそういう確認はなさっているのか。その点については明らかにできる範囲でやっておいてください。
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原徹#23
○原政府委員 大変恐縮でございますが、いろいろな各種の情報を総合して判断をいたしておりますので、その情報源を申し上げるのは差し控えさせていただきたいと思います。
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上原康助#24
○上原委員 何も情報源を明らかにせよと言っているのじゃないですよ。少なくとも防衛庁が公にする、国民の前にこういうソ連軍の配備がなされていると言った以上は、ある程度信憑性がなければいかぬわけでしょう。肝心なところになるといつもごまかすようではだめですよ。
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原徹#25
○原政府委員 防衛庁の情報体制は、監視あるいは通信情報その他ございます。また、米軍とも情報交換はいたしております。そういう各種の情報を総合いたして、そういう判断をいたしているわけでございます。
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上原康助#26
○上原委員 少なくとも、日米合作であるということはいま少しわかった。
 そこで、後ほど外務大臣にお尋ねしたいわけですが、先ほどの御質問者への御答弁にもあったのですが、潜在的脅威だ、意図は定かでない、しかし警戒は怠っていない、もちろんそれは軍事論というか防衛論の立場ではわかりますよ。固有の領土である一部にそういう他国の軍事展開がなされている、したがってそれに対しては何らかの関心を払わざるを得ない、あるいは予防措置を講じねばいかぬということは、論理的にはわかる。しかし、問題は、この動きということは、先ほどもありましたが、ソ連側は、日中の接近、米中の接近、場合によっては日中米といういわゆる三国のソ連に対する対抗措置として、そういう展開をやらざるを得ないという発言もあるわけですね。
 そこで、防衛庁は、潜在的脅威だということで、この北方の脅威を想定しての何か大規模の軍事演習といいますか、自衛隊の配置がえ、そういうものを近々行うというような報道もなされておりますね。そうしますと、ますます北方領土をめぐって、北方をめぐっての緊張の新たな創出にならないのか。そういう計画があるのですか。あるのかないのかだけきょうは明らかにしてください。
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原徹#27
○原政府委員 これは毎年やっております、他方面の部隊が、北海道に矢臼別という非常に大きな演習場がございますが、その演習場を使ってやる演習でございまして、その際、ことしでございますと、西部方面隊の第八師団の中の約人員三千名を輸送するということが一つの訓練でございます。輸送して、それで着きましたら、矢臼別で演習をするということでございまして、これは毎年やっている演習でございまして、特別そういうことを意識したものではございません。
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上原康助#28
○上原委員 そこで外務大臣にお尋ねしたいわけですが、いま北方領土の返還については、ソ連側は、そういう領土問題についてはもう日ソ間に外交課題として残っていないと言い切っておるようですが、われわれはそういう立場はとらない、その点は少なくとも、その面では政府の見解と一致しているわけですね。
 そこで、アフガン問題あるいはオリンピック問題、いろいろあって、日ソ間の関係も一時期より相当冷え切っていることは否定できないと思うのです。しかし、一方においては、せんだっての日ソ漁業交渉等においては、やはり友好関係を両国とも維持していこうという外交努力もなされていることは、これは御承知のとおりです。だから私は、やたらに防衛力の強化とか、北方にソ連軍が配備をされたからそれ大変だというような、そういうナショナリズム的な宣伝とか感覚じゃなくして、いまこそ冷静に対ソ外交というものを、外務省は積極的にこれらの問題を含めてやらなければいかぬのじゃないのか。新たな緊張状態を北方地域につくるということは、私はやはり日本のとるべき外交の道じゃないと思うのですね。軍事的対抗措置でこの問題は解決できないと思うのですよ。その点に対してどのような御見解を持って、今後対ソ外交をどのようにお進めになろうとしておるのか。懸案事項を解決をしていくための一つの糸口をつかむ、むしろある意味ではチャンスでもありますよね。私はそう思いますよ。どのように御努力をいただこうとしておるのか、北方問題に対する所信をひとつ明らかにしていただきたいと思うのです。
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大来佐武郎#29
○大来国務大臣 外交の大きな基本的な役割りといたしまして、国民の安全を保障するということ、それから国民の経済、生活を守るということが日本にとって特に重要な外交の役割りだと思います。時代により、国によっては、軍事力を背景にした外交を進めるという場合もあるわけでございますけれども、日本にはそういう意図は全然ございませんで、専守防衛に徹するというたてまえでございます。
 ただ、国民の安全を守るという重大な政府の責任がございまして、これはやはりある程度万一の場合に備えなければならないという点は、一つの国民が存続していく以上、重要な政府の役割りでもあるかと思うわけでございます。各国の公正と信義に依存して、とにかく日本に対する武力攻撃は絶対ないということであることが願わしいわけでございますけれども、現実の世界の情勢、まだ人類はそこまで発達してないと申しますか、世界各地でいろいろな形での武力行使が行われているということも事実でございまして、やはり日本国民の安全をどうして図るかということは、これは単に政府だけではなくて、日本国民一人一人が真剣に考えなければならない問題だと思います。
 同時に、お話のようにこういう問題については冷静に取り組んでいかなければならない、このことはもちろんでございますし、対ソ連の外交関係におきましても、冷静にしかも粘り強く交渉、話し合いを続けていくということがきわめて重要だと思いますし、今後もそういう方針でまいらなければならないと確信いたしておるわけでございます。大体の筋としてはそういうふうに思います。
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