地方行政委員会

1984-04-12 衆議院 全201発言

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会議録情報#0
昭和五十九年四月十二日(木曜日)
    午前十時二分開議
出席委員
  委員長 大石 千八君
   理事 臼井日出男君 理事 小澤  潔君
   理事 谷  洋一君 理事 西田  司君
   理事 小川 省吾君 理事 加藤 万吉君
   理事 草野  威君 理事 岡田 正勝君
      大西 正男君    工藤  巖君
      小杉  隆君    左藤  恵君
      中川 昭一君    平林 鴻三君
      松田 九郎君    山岡 謙蔵君
      佐藤 敬治君    細谷 治嘉君
      安田 修三君    山下八洲夫君
      岡本 富夫君    宮崎 角治君
      吉井 光照君    藤原哲太郎君
      経塚 幸夫君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 田川 誠一君
 出席政府委員
        警察庁交通局長 久本 禮一君
        自治大臣官房長 矢野浩一郎君
        自治大臣官房審
        議官      田井 順之君
        自治大臣官房審
        議官      津田  正君
        自治大臣官房審
        議官      土田 栄作君
        自治大臣官房審
        議官      吉住 俊彦君
        自治省行政局長 大林 勝臣君
        自治省行政局公
        務員部長    中島 忠能君
        自治省財政局長 石原 信雄君
        自治省税務局長 関根 則之君
 委員外の出席者
        行政管理庁行政
        監査局監査官  竹内 幹吉君
        文部省管理局私
        学振興課長   奥田與志清君
        厚生省社会局老
        人福祉課長   古瀬  徹君
        農林水産省構造
        改善局建設部整
        備課長     平井 公雄君
        林野庁林政部森
        林組合課長   山本  徹君
        地方行政委員会
        調査室長    島村 幸雄君
    —————————————
委員の異動
四月三日
 辞任         補欠選任
  大西 正男君     辻  英雄君
同日
 辞任         補欠選任
  辻  英雄君     大西 正男君
同月四日
 辞任         補欠選任
  大村 襄治君     辻  英雄君
  工藤  巖君     宮澤 喜一君
  左藤  恵君     粕谷  茂君
  中川 昭一君     野田  毅君
  古屋  亨君     稻葉  修君
同日
 辞任         補欠選任
  稻葉  修君     古屋  亨君
  粕谷  茂君     左藤  恵君
  辻  英雄君     大村 襄治君
  野田  毅君     中川 昭一君
  宮澤 喜一君     工藤  巖君
同月五日
 辞任         補欠選任
  藤原哲太郎君     田中 慶秋君
同日
 辞任         補欠選任
  田中 慶秋君     藤原哲太郎君
同月十一日
 辞任         補欠選任
  大西 正男君     木部 佳昭君
  大村 襄治君     辻  英雄君
  工藤  巖君     平泉  渉君
  左藤  恵君     山中 貞則君
  中川 昭一君     原 健三郎君
同日
 辞任         補欠選任
  木部 佳昭君     大西 正男君
  辻  英雄君     大村 襄治君
  原 健三郎君     中川 昭一君
  平泉  渉君     工藤  巖君
  山中 貞則君     左藤  恵君
    —————————————
四月六日
 重度障害者の固定資産税非課税に関する請願
 (上野建一君紹介)(第二一五七号)
 身体障害者の自動車運転免許証に付される重量
 制限廃止等に関する請願(上野建一君紹介)(
 第二一五八号)
同月九日
 風俗営業等取締法の改正促進等に関する請願外
 二件(大塚雄司君紹介)(第二二八九号)
 料理飲食等消費税の増税反対等に関する請願
 (簑輪幸代君紹介)(第二四〇〇号)
は本委員会に付託された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 地方交付税法等の一部を改正する法律案一内閣
 提出第一九号)
 地方公共団体関係手数料に係る規定の合理化に
 関する法律案(内閣提出第三八号)
     ————◇—————
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大石千八#1
○大石委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、地方交付税法等の一部を改正する法律案及び内閣提出、地方公共団体関係手数料に係る規定の合理化に関する法律案の両案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。平林鴻三君。
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平林鴻三#2
○平林委員 きょうは交付税法の審議の初めでございますので、初めに、昭和五十九年度の地方財政対策の眼目がどういうところに置かれたか、その特徴あるいは従来と異なる点をまず御説明いただきたいと思います。
 また、昭和五十九年度も国税三税の三二%相当額のほかに特例措置を講じておるわけでありますが、その理由もあわせて御説明いただきたいと思います。
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田川誠一#3
○田川国務大臣 五十九年度の地方財政対策の基本的な問題を先に私から御説明申し上げさせていただきます。
 今の地方財政は大変巨額な借入金を抱えておりまして、これ以上の借入金への依存は地方財政の基盤を揺るがしかねない状況にあるわけでございまして、今後、行財政改革の積極的な推進と財政体質の抜本的な改善が緊急の課題となっております。このため、経常経費、投資的経費を通じて歳出を抑制するとともに、なお、生じました財源不足は完全に補てんをいたした次第でございます。その点に当たりましても、地方財政の健全化に資する見地から、交付税特別会計における新たな借り入れは原則としてこれを行わない、当分の間、法律の定めるところによりまして地方交付税総額について特例措置を講ずることといたしました。また、建設公債の活用の幅を抑制したところでございます。こうした措置をとりましたのが今度の地方財政対策でございます。
 今、この借入金の廃止という制度改革を行ったが、依然として特例措置に依存する状況が続くならば交付税率を見直すべきだという御質問がございましたですか、何かそういうこともお話しになったようでございますが、今の国の財政から見ましてなかなかそういうような状態には至っておりませんので、当分の間、特例措置を講じてやっていく、こういう方針でいるわけでございます。
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平林鴻三#4
○平林委員 ただいまの大臣のお話で、交付税の特別会計で新たな借り入れを行わないという原則をおとりになったことは、これは結構なことだと存じます。私も賛成であります。
 ところで、今の地方財政というのは、これだけ前年度に比べて財源がふえたからそれを新しい事業にこれだけ向けるとか、そういう時代では全くありませんで、これだけ足りないので始末をしながらまだ足りない、それを借金あるいは交付税の特別措置というもので何とかやりくりをつけていくというまことにつらい状態が続いているわけであります。特に、昭和五十九年度の地方財政措置というのはだんだんつらくなってまいりまして、私も去年、おととしぐらいは県で予算を組んでおったのでありますが、今はその当時に比べてもまだつらい各府県、市町村の地方財政状況のように察しております。何とかならないかと思いますけれども、これからさらに地方財政措置について懸命の努力を政府の方でもお願いいたしたいわけであります。
 そこで、話は交付税特別会計の借り入れをやめたということに戻りますけれども、国の財政も地方の財政も、年度初めに議決されました予算、歳入歳出で足りなくなるということがよくあります。ことしもどういうことが起こりますかよくわかりませんが、例えば毎年問題になるのは給与改定のことであります。給与改定をどの程度やるかということはわかりはしませんし、また、やらないかもしれないわけでありますけれども、これを一体今度の五十九年度の地方財政計画においてはどのような考え方で見ておるか。また、この年度途中でいろいろな追加財政需要がはっきりしてきましたときに、この交付税特別会計で借り入れをせずに新しい追加財政需要に対応する財源措置が一体できるかどうかというようなことが心配なわけであります。
 これは将来の問題でありますから、基本方針については大臣からお答えいただきたいと思いますが、どんな感じを持っておるかというようなことにつきましては、担当の財政局長からお話をいただきたいと思います。
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石原信雄#5
○石原政府委員 五十九年度の給与改定問題などに関連して、年度途中の財政需要の増加等についてどのように対処するつもりであるか、本年度の地財計画上どのような措置が講じられているかというお尋ねでございます。
 五十九年度の地方財政がどういう推移をたどるか、年度に入ったばかりでありますからわからない面が多いのでありますけれども、最近の経済の動きなどからいたしますと、五十九年度の税収見積もりその他について、政府が見通した方向で推移するのではないかという見方が強いわけであります。
 ところで、この給与改定の問題でありますが、昨年度の場合と同様に、五十九年度の場合も国、地方ともに給与改定については一%の給与改善費をあらかじめ計上いたしております。それから、給与改定だけの財源ということではありませんけれども、年度途中における追加財政需要に対応すべく、四千億円の財源をあらかじめ計上いたしております。それで足りるか足りないか、給与改定の内容あるいは税収の動向等によって決まるわけでありますけれども、いずれにしても、現時点ではそのような措置を講じているということを申し上げたいと思います。
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平林鴻三#6
○平林委員 私が心配いたしますのは、原則を打ち立ててはみたものの、こういうつらい時期でありますから、追加財政需要あるいは歳入欠陥が生じた場合に、早々とこういう原則を崩してしまうということが心配なんであります。一度立てた以上は、極力努力をしていただいて、交付税特会の借り入れというような事態をすぐに招かないように御尽力をいただきたいと思っております。
 次は、地方財政の現状と交付税の役割といいますか、そういうようなことについての大臣の御認識なり御見解を伺いたいわけでありますが、先ほど来申しておりますように、昭和五十年度以降の地方財政というのは、実は毎年度多額の財源不足を生じてきたわけであります。その財源不足を補てんするやり方は、年度ごとに若干ずつ異なっておりますけれども、要は地方債を増発する、これが一点であります。要するに、府県や市町村でとにかく金を借りておけ、こういうやり方が一点であります。もう一点は、先ほど来申しております交付税特別会計の借り入れということで、交付税を膨らまして地方の財源措置をしてきたという二点になると思います。
 各地方団体、もちろん歳入の確保に努めなければなりませんし、また、最少の経費で最大の効果が上がるように、歳出の抑制あるいは効果的な使用に極力努力することは当然のことであります。けれども、同時に、現行の地方制度は地方団体の財源を国が保障することになっております。行政水準を維持するためにも地方団体の財源を国が保障する、これがいわば国の責務になっておるわけであります。もちろん、地方自治を保障した現行憲法のもとではこれも当然のことだと思います。でありますから、先ほど申したように、いいかげんな財政運営をしておったら国の方でこれを是正するように指導するのは当然のことでありますが、国が地方財政の責任を持つという、この責任意識をどうかひとつ自治省、自治大臣も持ち続けていただいて、地方財政の改善に御努力をいただきたいわけであります。
 そこで、先ほど大臣がちょっとおっしゃっておりましたが、地方交付税の国税三税からの繰り入れ率、いわゆる地方交付税率の引き上げ問題であります。
 実は、この問題は毎年この委員会でも議論になっておるはずであります。また、財政の貧弱な地方団体にとりましては、地方交付税というのはまさにつえとも柱とも頼む財源であります。この財源の確保につきまして、恐らくすべての交付団体におきましては、市町村でも府県でも、毎年、何とか交付税の率の引き上げが行えないか、こういう議論を絶えずやっているところであります。それほど各地方団体の関心が強い、何とかならないかという気持ちがあるわけであります。実は今、国もお金がない、しかも財政再建の途中だという実情があります。そして、地方も何とか財政をやりくりしなければいかぬという実情の中にあります。また、例の交付税の法律の議論としていろいろな交付税率の引き上げ、改定の議論が行われているところでありますが、実際問題として非常に難しい。実情がそう簡単に交付税率を改定するような実情にないというのが政府でおっしゃっておるところだろうと思うわけでございます。
 けれども、五十年度以来の実際の交付税の金額を国税三税に比べてみますと、今年度は、財政を圧縮して、余裕財源がぎりぎりなくなるくらいのところまで持っていっていろいろなやり方をやった結果、国税三税の三二%程度に実際の金額もおさまっておると思いますけれども、今までやってきたことは、大体三二%をオーバーして交付税措置が行われたわけであります。交付税の法定率を改正することは難しいとは言いながら、実際問題はそれをオーバーしてやってきておる年度が多うございます。どうかひとつ、ただ難しい、考えると言うだけではなくて、何とかこの議論を推し進めて地方団体の期待にこたえるように御努力を願えないものだろうかと思うわけであります。
 繰り返しで恐縮でございますが、大臣のこれからのお考えなり御決意というものを聞かせていただければありがたいと思います。
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田川誠一#7
○田川国務大臣 平林さんの地方交付税に対する御意見は全く同感でございまして、地方交付税制度に地方財政平衡交付金の制度から変わった一番の大きな理由は、地方財政平衡交付金が単なる財源補てんですか、そういう制度であったのを、財源保障という性格をもっと強めて、そして安定的な財源を、しかも自主的な財源として地方に与えよう、こういうことで地方交付税制度ができたものと私は認識をしております。
 そういう意味から、交付税制度は大事に維持していかなければならない。御指摘のような状態でなかなか地方の皆さんに十分な財源として交付できないということは本当に残念なことであるとは思っております。今後、この地方の自主財源を確保するという意味から、私どもも地方交付税の財源を十分に交付できるように努力をしていきたいと思っております。
 ただ、私も非常に知識が薄いのですけれども、交付税制度の中でもし一つマイナス面があるとすれば、財源を保障されているという安易感が地方の中に全然ないとは言えないと思うのです。そういう意味から、地方団体の方々も、単に財源を保障されているということに甘んじないで、地方団体の経営をしっかりとやっていっていただきたいと思うのでございます。
 国と地方との関係というのは車の両輪でございますから、今仰せのように中央の財政もなかなか厳しい状態にあります。本来ならこういう地方財政の厳しい状態の中には、先ほどもちょっと申し上げましたように、この際税率を上げなければいけない状態に来ていると思うのです。しかし、たびたび申し上げますように、なかなか今税率を上げるというわけにまいりませんで、今度のような措置をとったわけでございます。
 ただ、今度の地方財政の見直しの措置で評価していただきたいのは、従来の国と地方とのあいまいだった負担区分というものを非常に明確にして、そして安易な借入全体質というものをここで清算をしていく、そして既往の借入金というものをしばらくの間棚上げしてここでひとつ出直していこう、そして将来の展望を切り開いていこうという見直しをしたわけでございまして、こうした意味から、今、平林さんおっしゃったような、地方になるべく御迷惑がかからないように交付税の安定的な確保を今後私どもはやっていく決意でございます。
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平林鴻三#8
○平林委員 できるだけ早く交付税率を引き上げて、地方財政のいわば制度的な安定化を図っていただきたいと私は思うのであります。要するに、今度交付税特別会計の借り入れをやめるということは、いわば財政を健全化する第一歩であります。こういうことを思い切ってやられたのは結構なのでありますが、これで何とか辛抱してやってくれということで、今後努力を怠られると我々も心配な面が出てまいりますので、これからも引き続いて交付税率を引き上げるということを目標に置いて地方財政の改善を図っていただきたい、かようにお願いをいたしておきます。
 これから税制改正がどのように行われていくか、これもまた非常に関心を持たなければいかぬことであります。この財政の苦しいのに所得税減税をやった。法人税あるいは酒税というものは上げましたから、ことしは地方交付税に関しては税制改正が大きな影響を及ぼすということはなかったかもしれませんけれども、とにかく減税をやる、要するに国税三税の減税をやるというようなことが今後起こりますと、これは直ちに交付税の減収にはね返ってくるわけでありますから、税制改正との関連からいたしまして、交付税の税率をどうするかというようなことも絶えず御注意を願っておかなければいかぬ。これは当然のことでありますし、自治省の財政局はまさにウの目タカの目でそれをやっておるわけでありますから、私どもそう心配はいたしておりませんけれども、これからいろいろな税制改正が大幅に行われるような時期になってまいりますと、それと交付税との関連づけ、これは非常に細心の注意を払ってやっていただかなければいかぬと思うわけであります。
 大きなことを言ってはいかぬかもしれませんけれども、やはり地方財政の行政水準を、最低水準を保障するというだけではなくて、地方自治というものを伸ばす観点からいきますと、ある程度の地方が自由に使えるお金のゆとりが欲しいわけであります。地方交付税は自由に使えるとは申しましても、もうぎりぎりいっぱいの財政でありますから、自由に使えるような状態がない、これが実情だと思っております。そこで、地方財政が本当に地方自治を伸ばすために役立つようにするには、そういう意味からも交付税率を引き上げて、できれば若干のゆとりというものを交付税の中でも持てるようにしたいものだと思うわけであります。逆に国の方でお金が足らぬから貸してくれと言えば、そのときには貸してあげますよぐらいなそういう時代が来ないものか、地方団体はいつもそういうことを夢見ておるわけであります。これは決して乱費を奨励するわけではなくて、地方自治を伸ばすという創意工夫を地方自治の中でやっていくための財源の裏づけを、地方税なり地方交付税でできるだけやっていただきたい、こういう趣旨であります。
 そこでお尋ねでありますが、今後の税制改正等に対処して、その交付税の措置、特に場合によれば繰り入れ率を引き上げるとか、他の税目を、新税ができた場合にこれを交付税の中に取り込むとか、そういうようなことは御検討になっておるかどうか、そこら辺のことを、地方財政の面から、財政局長さんから聞かせていただきたいと思うのです。
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石原信雄#9
○石原政府委員 ただいまの時点では、御案内のように税制改正について大きな枠がはめられております。いわゆる増税はしない、そういう中で税制の見直しということは当然論議されなければいけないし、我々もそういった制約の中であっても地方税源の充実強化ということを常に心がけなければならないと思っております。そうして税制改正ということが具体的な日程にのれば、当然その改正と交付税のあり方とは関連いたしてまいります。さらに言いますと、最近の行政改革の流れの中で国庫補助金制度のあり方が大きく問われております。国庫補助金の一般財源振りかえの問題が課題になっております。さらにまた、その大前提としての事務事業の見直しあるいは国と地方の役割分担の見直し、こういった問題が全部絡んで、いわばその中心といいましょうか、締めくくり的な役割を交付税制度が果たすのではないか、このように考えております。
 私どもは、ただいま御指摘がありましたように、いろいろな制度改正、税制改正の流れの中で常に心がけなければならないことは、すべての地方団体が住民の負託にこたえて必要な行政水準を維持していけるようにしなければいけない。それがまさに交付税制度の使命でありますから、その点は常に念頭に置いて考えております。
 かつて昭和五十三年、五十四年のころ、大きな税制改正が論議されたことがありました。その当時は、独立税の強化と関連して新しい税を設けられる場合に、その新税について国税と地方税でどう分かち合うか、あるいはその新税を交付税の対象税目に加えるか加えないかというようなことを我々としては相当真剣に議論したことがあります。私どもは常に、新しい税源が生まれれば、それはまず地方財源に割り当てられるべきだ、こういう気持ちを持っておるものですから、当時は、大幅な税制改正に関連して交付税の確保についてのいろいろな論議をしたわけでありますが、先ほど申し上げましたように現在は税制改正について一定の枠がはめられておりますので、五十二年、四年ごろのような論議は具体的な論議としてはありませんけれども、税制改正のチャンスがあれば地方の一般財源を確保しなければいけない、こういう気持ちで取り組んでまいりたい、そういう気持ちで常に世の中の動きを見守り、その対応策を考えていきたいと思っております。
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平林鴻三#10
○平林委員 これも財政局長から御説明をいただきたいと思いますが、五十九年度におきましては、地方財政計画の上で地方の単独事業が減額になっております。実は財政が苦しい苦しいと言いながら、何とか今までは地方の単独事業を確保する、あるいは増額するということで御努力をいただいてきたはずなんであります。ところが、だんだん詰まってきたということもありましょうけれども、ことしは減額だ、こういう結果を招いております。その事情を詳しく御説明をいただきたい。
 それから、単独事業の総額は落としたわけでありますけれども、新しく市町村にまちづくり特別対策事業という、起債事業でありますが、こういうものを設けられた。これはまた目新しい一つの地方自治を伸ばしていく芽になるかもしれぬと思っておりますけれども、このまちづくり特別対策事業というものの事業内容あるいはねらいといったものを、財政局長から御説明をいただきたいと思います。
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石原信雄#11
○石原政府委員 初めに、五十九年度の地方財政計画におきまして単独事業を前年対比で減額している、この点についてのお尋ねでございます。
 地方財政計画上、地方団体が自主的に地域の環境整備を進める、地域づくりを進められるようにする、そのためには公共事業も大切でありますけれども、単独事業も極めて重要である、こういう認識のもとに、これまで私どもは常に単独事業の充実強化に努めてまいりました。
 ところが、ごく最近の実態を見ますと、地方財政計画上相当大幅な単独事業の増額を図ったにもかかわらず、現実の決算では単独事業がその割に伸びていない、その結果、地方財政計画と決算との間に非常に大きな乖離が生じておるわけであります。地方財政計画は、地方のあるべき財政の姿を計数的に示すものでありまして、必ずしも実態にそのまま追随するというものではありません。しかし、一つのガイドラインとしての意味を持つわけでありますから、実態との間に余り大きな乖離があるということは問題であります。その乖離の原因等も検討して分析して、場合によっては地方財政計画の積算内容を改めるということも必要ではないかと思うのであります。現にそういったことは過去においてもいろんな面で行われてきております。
 そこで、単独事業につきまして最近の決算と地方財政計画の積算内容との対比をいたしまして、年度によって多少の乖離が生ずるのは当然でありますけれども、毎年度引き続き余り大きな乖離が生ずるということについては、やはり地方財政計画の性格上問題があるということで、種々検討の結果、最小限度これはどうしても改める必要があると考えられる額として二千八百億円をいわば規模是正したわけであります。この減額、数字の上では減額でありますけれども、実態との乖離を是正したということであります。そして、計画のベースを是正した上で将来に向かって必要な増額措置は講ずる。その手段として、ただいま御指摘のまちづくり特別対策事業というものを三千億円増額したところであります。
 ちなみに、五十九年度の都道府県の当初予算の状況を調べてみますと、この規模是正額を前年度から落とした場合の地方単独事業の増加率と、都道府県の当初予算における単独事業の増加率というのはかなり近い数字になっております。私どもは結局これは減額ではなくて、あくまで積算のベースを見直したという措置、これが実体の予算編成ともある程度符合しているというふうに理解しております。
 それからまちづくり特別対策事業の内容でございますが、単独事業の積算の仕方といたしましては、従来から、道路整備五カ年計画など各種の公共施設の整備計画の中で単独事業を一定額予定しているものもありますし、各省庁が策定する長期計画とは関係なしに、地方独自の施策として単独事業を想定するというものもございます。今回まちづくり特別対策事業として考えておりますのは後者の系統のものでありまして、財政全体が厳しい中で最小限度魅力ある地域づくりを地方公共団体が自主的に主体的に実行できるように、それぞれの地域が知恵を出して事業を進めていただく、そういうねらいで今回三千億円の枠を考えたわけであります。
 この事業は、その財源として地方債を予定しております。その地方債の配分につきましては、例えば過疎債とか辺地債などのように、一定の客観的な基準でもって各団体ごとの総枠を配分し、その中で具体的な事業は各団体が中心になって主体的にまちづくり計画をつくっていただく、これについて地方債を許可する、こういうような運用をしていきたいと考えております。この実施細目等については、さらに国会における御論議あるいは地方団体の御意見などを拝聴しながら具体的に詰めてまいりたい、このように考えております。
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平林鴻三#12
○平林委員 規模是正というのは、結局地方財政計画と決算との乖離を実情に合わせて直すということだろうと思うわけでありますけれども、これは地方団体側にも大いに反省すべき点があるのかもしれません。せっかく地方財政計画上単独事業を組んでもらっておるのに、何かほかのことに使ってしまったということかもしれないわけでありますから、地方団体側も、単独事業をやりたい、やりたいと言いながら、それを地方財政計画以上にやった実績を持たなかったというのは、やはり反省すべきかもしれません。
 けれども、私はやはり心配な点があるのです。単独事業というものの枠を多目に盛って地方財政を運営するということが地方団体の創意工夫を伸ばす一つのポイントになるわけでありますから、実は一度規模是正はしたが、これからも地方財政あるいは地方自治の発展策として単独事業というものをできるだけ手厚く見るということをやっていただきたいと思うわけであります。
 そこで、単独事業に限らず、昭和五十九年度の公共事業を含めてのいわゆる建設事業の地域的な配分の仕方の問題につきましてお考えを伺いたいと思うわけであります。
 現在の国内景気というのを概して大ざっぱに眺めますと、地域的にどんどんよくなっておるところと、相変わらず停滞あるいはマイナス傾向が続いておるところというのが出てきておるようであります。地域によって、景気回復が進んでおるところとそうでないところがあるということであります。
 また、気候の問題から考えますと、ことしは例年になく寒い、大雪が降ったというような気候でありまして、もちろんそれでもうけた企業はあるわけでありますけれども、例えば農林漁業といった方面は実はひどい目に遭う。雪の被害というのが、農林漁業の被害はまだはっきり出てきませんけれども、これから春になり、また夏に近づいて、秋に植えつけたものの収穫が一体どうなるのか、これは非常に心配なわけであります。また、春にいろいろなことをして秋にとる作物についても、作付がおくれておるとかいろいろなことがあるわけであります。でありますから、農林漁業のウエートの比較的高い地域では、実はそういう不作といったことがほかの産業にも悪影響を及ぼす、これは当然のことであります。ただでさえ景気が停滞ぎみであるところへ農業の不作が追い打ちをかけて地方経済が困難に陥るということは心配をしておかなければいかぬわけであります。
 そこで、公共事業をこれから一体どう配分するか。例の上半期にどれだけ執行するかということと、単独事業の地方における執行実施の問題、これは地方の経済、特に公共依存度の高い田舎の方の地方の経済にとってはいわば非常に関係の深いものであります。したがって、今申し上げましたように、政府において景気対策あるいは農業の不作に対する地域経済対策というようなことをこれから御検討いただいて、適切な措置を願いたいわけであります。自治大臣として、そういう地方の景気対策、今申し上げましたような点につきまして、これから政府の中で御配慮いただきたいのでありますが、単独事業あるいは公共事業のことにつきまして大臣のお考えを聞かせていただきたいと思います。
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田川誠一#13
○田川国務大臣 御指摘のように、景気動向等には地域的な跛行性が見られるところでございまして、経済対策を進めていく上に当たりましては、地域的な事情を十分考慮していかなければならないと思っております。
 今年度における公共事業等の施行方針につきましては、近く政府におきまして最近の経済動向を踏まえつつ決定する運びになっております。恐らくもうごく近いうちに決定することになっておりまして、御指摘の公共事業の傾斜配分については、予算執行に当たりまして十分配慮してもらうように、各関係省庁に私の方から要請してまいっております。
 地方の単独事業につきましては、地方公共団体におきまして、地域の景気動向等に即して今後機動的、弾力的に執行するよう要請していきたい、このように思っております。あわせて、今年度から推進する地域経済活性化対策事業等を有効的に活用してまいる、このように指導していくつもりでございます。
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平林鴻三#14
○平林委員 ただいまの事業の執行、その配分ということにつきましては、今後もひとつ大臣の御尽力をお願いいたします。
 そこで、また単独事業の規模是正の問題に戻るわけでありますが、私の感じといいますか、若干巷間伝えられるような面を整理してみますと、単独事業の財源措置を地方財政計画に組んでも、それを一部の団体では人件費に流してしまっておるのではないか、こういう話があるわけであります。
 地方団体というのはたくさんございます。三千余りありますから、まじめなところもあり、ふまじめなところもあると思いますけれども、まじめにやっているところにとっては、こういう人件費問題で地方財政が不信感を持たれるというのは非常に迷惑なんであります。でありますから、地方団体はお互いに気持ちを引き締めて、人件費のやたらな膨張を招かないようにしなければいけませんけれども、同時に政府の側からも、人件費が異常に高い団体があります。既に自治省でも、それに対する指導方針というのをちゃんと決めておられますけれども、国家公務員に比べて異常に高いような団体があちこちにあるわけでありますから、そういう団体に対する是正のための指導をさらに強力に進めていただきたいと思うのであります。地方自治全体に不信を招くということは、これからの地方財政対策にも困難を招くことになるわけでありますから、まじめにやっておるところはまさに大迷惑、そういうことをひとつ十分お考えいただいて、日本の地方自治全体がうまく発展していくように、異常に高い人件費を支出しておる団体の指導というのをさらに強めていただきたいと思うわけであります。
 私も長年地方自治に携わってまいりまして、いろいろなことを見てまいりましたけれども、やはり社会の常識というものがあろうと思うのです。国家公務員に比べてやたらに高い給与を出しておる、それが地方自治なんだからそれでも結構だ、それも善政だというようなことは、私はちょっと非常識だと思っております。やはり適切な公務員の待遇はしなければいけませんけれども、適切さを欠く異常に高い待遇をして、それも地方自治だからと言われたのでは、地方の住民にとってはその分サービスは低下するわけでございますから、よく考えていただいて、地方自治全体の立場から、そういう高給与の団体の給与水準の是正ということにこれからも御努力をいただきたい。既に相当のところはやってくださっているようでありますけれども、なお徹底する方法があるかどうか、そこらの御覚悟のほどをひとつ伺っておきたいと思います。
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中島忠能#15
○中島政府委員 今、先生がお話しになられました認識というのは、私たちも全く同様でございます。私たちもかねがね、そういう団体に対しましては指導をし、是正を呼びかけております。非常に多くの団体が私たちの呼びかけに対しまして是正を進めてきておられますけれども、一部の団体がなお是正を進めようとしないということでございますので、私たちは五十六年の十一月に通達を出しまして、ひとつ計画的に是正を進めてもらおうじゃないかということで、その計画をつくっていただきました。その計画に従って是正を進めておられるところが大半でございますけれども、なお一部のところは是正が著しくおくれておるということでございますので、これからは、今お話しになられましたように、強力に指導を進めていかなければならないと考えております。
 今後は、その是正の状況、適正化の状況を見ながら、当該団体の財政を健全に保っていくという観点なども含めまして、いかなる措置をとるべきかをひとつ全省を挙げて検討してまいりたいと考えております。
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平林鴻三#16
○平林委員 大臣にこんなことを申すのは失礼かもしれませんが、大臣の御出身の東京周辺それから大阪周辺というのは、昔からこれでございます。ひとつ大臣の御留意をいただいて、できるだけ地方自治全体の立場から指導をしていただきたいとお願いを申し上げます。
 それから次は、地方公共団体関係手数料に係る規定の合理化に関する法律案でございます。
 これもきょうから審議に入るわけでありますが、地方公共団体には数え切れぬぐらいな使用料、手数料がございまして、それがまた法律で決まっておるもの、政令で決まっておるもの、条例で決めるもの、あるいは条例で規則に委任しておるもの、いっぱいあるわけであります。一体どれがどうなっておるのかというのは、専門家でもなかなかわからない、それぐらい数の多いものであります。
 ところが、この使用料、手数料につきましても、別に財政上の観点というだけではなくて、役務の提供に対する適正な対価を徴収するとかあるいは公の施設の維持管理のための適正な使用料金をちょうだいするというようなことは、これは忘れてはならぬことでありまして、実は毎年そういうものの見直しというものはしていかなければいかぬと思います。けれども、毎年というのはなかなか難しゅうございますから、三年なら三年というようなことでやっていただいてもよかろうと思いますけれども、このように法定の手数料を合理化していくといいますか、正しく見直していくということは結構なことだと思います。
 このたびの手数料の規定の合理化、この法律案はそうたびたび出るものでもなさそうでありますから、ひとつ御担当の審議官の方から、法律の趣旨なり、あるいはその法律の中で金額を決めないで政令に落としたというようなことのいきさつとか、そういうことについて御説明を願いたいと思います。
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津田正#17
○津田政府委員 手数料、使用料の問題は、御指摘のように、いわば一般納税者と特定の行政の受益者との間の公平な負担を図っていかなければならない、こういうような観点から、その適正化、そしてまた財源の確保のために適宜適切に見直さなければならない、かように存じておりまして、私ども、いろいろな手数料がございますが、大体三年ごとにローリングで見直す、このようにやってきておるわけでございます。
 そこで、今回提出しております法律でございますが、機関委任事務に係ります手数料につきまして規定の合理化をお願いしておるわけでございます。この合理化ということは国会の御審議でもかねて出ておるわけでございますし、また政府におきます行政改革本部の決定にもあるわけでございますが、一定額あるいは最高額を、一々その都度法律の改正という手続を行っていくのではなく、算定の根拠という考え方を法の縛りとしてきちっと決めておいて、そして具体的な金額、最高限度額等につきましては適宜適切に行政コスト等の変化に対応して決めよう、こういうようなことでございまして、今回御提案しておりますものは、専ら地方に関係のございます大麻取締法初め九法律につきまして、手数料の額を「実費を勘案して政令で定める」、こういうように法規定の合理化を図っているわけでございます。
 御指摘のように、いろいろな手数料がございまして、今回本委員会に提案しておりますのは、地方団体に関係する機関委任事務に係る手数料をくくって御審議いただいておるわけでございますが、国と地方団体の双方に係る手数料につきましては、各種手数料等の額の改定及び規定の合理化に関する法律案というものを別途提案しておりまして、その改定の趣旨も同様なものでございます。両方相まって地方団体の手数料の合理化が進められる、かように考えておるわけでございます。
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平林鴻三#18
○平林委員 私も地方の議会の意見をよく聞かされたものでありますが、手数料ということにつきましては、一部の政党の側からは、とにかく物価上昇だとかそういうものに影響するから、手数料というのは安ければ安いほどいいのだ、こういう理屈を聞かされることがあります。私は必ずしもそうは思わないので、やはり地方公共団体でサービスを提供すれば、それに対応する対価というものは受益者負担の見地からいただかないと、これは地方の行政の仕方とか財政の仕方がゆがんでしまう、こういうことを申し上げてきたものであります。ですから、手数料というのは適時適切に見直しをしていただきたい。今三年ごととおっしゃいましたが、三年ごとでも結構でありますけれども、経済あるいは社会の情勢に適応して、余り時をおくらせないように御尽力を願いたいと思います。
 今、国の収入になる手数料との均衡というようなことをおっしゃいましたけれども、国も三年ごとというような考え方でやっておるのでしょうか、そこらのことをもう一度御答弁いただきたい。
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津田正#19
○津田政府委員 国の手数料につきましても、大蔵省を中心としまして三年ごとに見直す、こういう基本原則でやっておるわけでございます。
 それから、地方団体独自の手数料もいろいろあるわけでございますが、これらにつきましても、私ども、毎年度受益者負担の適正化という観点で見直しを行ってもらいたい、このように指導しておる次第でございます。
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平林鴻三#20
○平林委員 時間がもう五分ぐらいしかなくなりましたので、大臣にいわゆる行政改革と地方自治というような観点のお考えを聞かせていただきたいと思うのでありますが、ちょうど大臣が敏腕な新聞記者として御活動になっておった当時が、いわば昭和二十年代の日本の行政改革時期に当たっておったのではないかと推察をしておるわけであります。例の地方行政あるいは国と地方との関係というようなことにつきましてシャウプ勧告とか神戸委員会の勧告とかいうものが出されて、占領中から独立後にかけまして相当の改革意見が出た。一部分は改革された、けれども中途半端に終わったというようなこともあります。
 それから、地方団体が独自に努力をして、もちろんこれは国策として取り上げたわけでありますけれども、戦後の一番大きな日本の行政改革というのをやった。それは何かというと、私は町村合併だと思うのであります。町村合併こそ戦後の一番大きな行政改革であったろうと思っております。
 そのようなことを考えますと、それからもう三十年近くたって新しい行政改革を今度は二十一世紀に向かってやろうとしておる。そこで、地方自治の観点から行政改革をどのようにやっていくべきか、これが非常に大切なことになってくると思うわけであります。行政改革というのは、ただ便利にすればいい、能率的にすればいい、むだを省けばいいというものではなくて、我々の住んでおる社会というものをどうしたら住みよくすることができるか、そういう観点からやっていかなければいけませんが、我々の社会を住みよくするためには、地域社会というものを住みよくしなければいけない。もちろん日本が平和であるということも大切であります。これほど大切なことはありませんが、平和を維持しながらこの地域社会というものの住みよさあるいは暮らしよさ、そこにおける行政のやりやすさというものを求めていくべきだろうと思うのです。でありますから、私は、これからさらに行政改革を進めていくについては、地方自治に重点を置いて、地方自治を伸ばしていくという方向での行政改革をすべきである、こう思っておるのであります。ともすれば、今財政が苦しいからむだと思われるものをたたき切るのだ、それだけで行政改革は済むかもしれません。それでは将来に向かっての意味が薄くなる。
 この際、当時を思い出していただきたいわけであります。その当時は能率化の原則というのをあれほど高く掲げられましたけれども、同時に地方分権、特に市町村優先ということでいろいろな改革案が出され、それがある程度実行に移されたわけであります。大臣におかれましては、そういう観点から積極的に地方自治を伸ばすという方向で行政改革に取り組んでいただきたいと思いますので、そこら辺のお考えをはっきりとお示しいただきたいと思います。
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田川誠一#21
○田川国務大臣 今、国、地方を通ずる行政改革ということが非常に強く叫ばれておりますが、平林さん御指摘のように、国の行政改革をやることが地方自治を推進させるもとになるのではないか、私もそのように思っておりまして、地方自治の進展の速度が遅いということは国の行政改革がなかなか思うように進んでいないというところにあるのではないか。ですから、国の行革が本当に実行に移されることによって地方自治の進展を阻害している原因が除かれていくのではないか、そういう意味から国、地方を通じて行革をしなければならぬということでありますけれども、まず国の行革を徹底してやっていくということが大事ではないか。
 それから、平林さんに言うのもおかしいですけれども、地方分権を推進させる一番の目標は、身近な行政は身近な地方公共団体にやっていただくということが原点ではないかと思うのです。機関委任事務とか必置規制とか事務の再配分とかという問題が、言葉になっているけれども、なかなか解決の速度が遅いというところに障害があるのではないかと思うのです。ですから、そういう意味で、私どもは行政改革に当たりましては、このようなことを踏まえて実現をさせていくように努力をしていかなければならぬと思っております。
 それから、行政改革のもう一つの難点になっているのは、こういうところで申し上げていいかどうかわかりませんけれども、やはり議会が率先してやりませんと、これは官庁機構を縮小するとか権限を下へおろすということはなかなか難しいと思うのですね。ですから、そういう意味で、中央地方を通じて議会がまず率先してみずから改革するところに手をつけていこう、既得権を少しでも返上していこうという意気込みを見せないと、行政改革というのはなかなか推進できないのではないか、こういうふうに思っております。これはどうしてもやり遂げていかなければならない問題であると思っております。
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平林鴻三#22
○平林委員 終わります。
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大石千八#23
○大石委員長 小杉隆君。
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小杉隆#24
○小杉委員 地方交付税の問題に関連して、最初に全体的な問題、次に少し具体的な例について質問をしてみたいと思います。
 まず第一に、今度の昭和五十九年度の地方財政対策を見ますと、例えば、交付税の特別会計において新たな借り入れはやめるということだとか、これにかわる各年度の地方財源対策として、当分の間、地方交付税交付金の特例措置を講ずるとかいうようなことも打ち出しておりますし、また、今までの交付税特別会計の借入金約十一兆五千二百億円のうち、国庫負担分五兆八千三百億円を一般会計の借入金に振りかえ整理をするということとか、また、五十九年度以降交付税特別会計に残る借入金約五兆六千九百億円の元利償還は地方負担とする、こういうような幾つかの新しい仕組みを打ち出しているわけですけれども、こうした地方財政対策の趣旨及びそのねらいはどの辺にあるのか、まずお答えいただきたいと思います。
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田川誠一#25
○田川国務大臣 一番の趣旨は、従来の借入金依存体質をこの際なくしていこう、そして国と地方との分担区分を明確にしていかなければならないということが主眼でありまして、こういうことをやることによって中期的に健全な地方財政の歩みを始めていくことができるだろう、こういうねらいからこうした地方財政の見直しをしたものでございます。
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小杉隆#26
○小杉委員 昭和五十九年度の地方財源不足は一兆五千百億円ということになっておりますが、今まで財源不足額というのは大体二兆円を超える、特に前年度などは二兆九千九百億円ということでありました。五十九年度に限っては半減したということになっておりますが、その主な理由は何でしょうか。
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石原信雄#27
○石原政府委員 五十九年度の地方財源不足額が前年度よりも大幅に減少した理由についてですが、歳入歳出積算した結果としてこのような数字になったわけですけれども、五十八年度の場合の財源不足額が利子負担分を除いて二兆九千九百億、利子負担を入れますと三兆三千三百四十六億円になります。それが五十九年度は利子負担を入れて一兆五千百億円ですから、半分以下になったわけです。
 その原因をいろいろ分析してみますと、歳入関係での状況の変化が主たる原因と思います。例えば地方税収入見込み額でございますが、五十八年度の場合には税制改正後で前年度対比二百五十四億円の減であったわけですけれども、五十九年度の場合には、税制改正後で住民税の減税並びにこれを補てん措置を講じた後の姿で一兆二千九百五億円の増であります。ですから、ここでかなり大きな開きが出てきております。
 それから、地方交付税でありますけれども、各種の特例措置を講ずる前の姿で見ますというと、五十八年度の場合には前年度対比で二兆一千二百六十九億円減になっております。その減になった理由は二つありまして、一つは、五十六年度の決算で国税三税に歳入欠陥が生じまして、その結果として約八千五百億円の減額精算を五十八年度において行わなければならなかった、こういうような事情、それから、国税三税の年度当初の見込み額がやはり前年度対比で大幅に減少した、この二つの理由が重なりまして二兆一千億円余りも現行制度による交付税の額が減ってしまったわけであります。五十九年度の場合も、やはり前年度対比では特例措置を講ずる前の姿で六千五百七億円の減でありますけれども、減り方が違う。ここで二兆円を超える差が出ております。
 歳出の方でも幾つか増減要因があるわけですけれども、五十九年度の財源不足額が大幅に減少した理由は、このように地方税と交付税の前年度対比の増減額が大幅に違ってきた、五十九年度の方が状況がかなり改善されたということによるものと理解しております。
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小杉隆#28
○小杉委員 先ほど私が申し上げたように、今度から借入金方式を廃止しましたが、六十年度以降再び財源不足が拡大した場合に、今度の五十九年度予算では特例措置として一般会計から千七百六十億円を繰り入れてしのいでいるわけですけれども、こういうふうな事態が六十年度以降もないとは言えないと思うのです。そういう場合には、今回と同じように特例措置で一般会計から繰り入れて対応していくのかどうか、まずお答えしていただきたいと思います。
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石原信雄#29
○石原政府委員 五十九年度の地方財政対策を決定するに当たりまして、交付税特別会計の借入金による特例増額方式を廃止したわけですが、その理由としては、先ほど大臣が御答弁申し上げましたように、地方財政の健全化ということも大きなポイントでありました。しかし、借入方式をやめる以上は、将来に向かってそれが地方財源の確保に大きな支障にならないかどうかという検討を当然しなければならないわけです。私どもも、現時点における地方財政の収支の実態及び今後の地方財政の収支についての大まかな展望、国の方で財政収支試算を行っておりますから、そういったことも手がかりにしながら、今後の地方財政の状況といったことも当然検討の結果、五十九年度の新しい方式で、少なくとも今の状況が続く限りは対応できるであろうという見通しのもとに新方式を採用したわけであります。
 もちろん、経済情勢というものは、国際情勢の変化その他によってどういう状況になるかわからない、過去の経緯からいたしましてもどういう事態が起こるかわからない面が多いのでありますけれども、私どもとしては、今のような経済情勢が今後継続するという前提に立つならば、新しい方式で対応していけるのではないかという見方を持っております。もちろん我々の予測しないような事態が生じた場合どうするんだ、こういうお尋ねであるならば、そのような事態に直面した場合においても地方財政の運営に支障のないような方式、方策というものを考えなければいけないわけでありまして、その必要性を否定するものではありませんけれども、少なくとも現時点で見通される地方財政の将来展望のもとにおいては、今回の方式で対応していけるのではないか、このように考えております。
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