安全保障特別委員会
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会
会議録情報#0
昭和六十三年四月十三日(水曜日)
午前十時開議
出席委員
委員長 箕輪 登君
理事 有馬 元治君 理事 椎名 素夫君
理事 月原 茂皓君 理事 宮下 創平君
理事 山崎 拓君 理事 左近 正男君
理事 米沢 隆君
柿澤 弘治君 谷川 和穗君
玉沢徳一郎君 中川 昭一君
増岡 博之君 松野 頼三君
三原 朝彦君 武藤 山治君
安井 吉典君 渡部 行雄君
神崎 武法君 鈴切 康雄君
神田 厚君 和田 一仁君
東中 光雄君
出席国務大臣
国 務 大 臣
(防衛庁長官) 瓦 力君
出席政府委員
内閣法制局第一
部長 大出 峻郎君
防衛庁参事官 小野寺龍二君
防衛庁参事官 福渡 靖君
防衛庁参事官 児玉 良雄君
防衛庁参事官 鈴木 輝雄君
防衛庁長官官房
長 依田 智治君
防衛庁防衛局長 西廣 整輝君
防衛庁教育訓練
局長 長谷川 宏君
防衛庁人事局長 松本 宗和君
防衛庁経理局長 日吉 章君
防衛庁装備局長 山本 雅司君
防衛施設庁長官 友藤 一隆君
防衛施設庁総務
部長 弘法堂 忠君
防衛施設庁建設
部長 田原 敬造君
防衛施設庁労務
部長 山崎 博司君
委員外の出席者
外務大臣官房審
議官 小原 武君
外務大臣官房外
務参事官 渋谷 治彦君
外務省北米局安
全保障課長 岡本 行夫君
外務省欧亜局ソ
ヴィエト連邦課
長 茂田 宏君
外務省中近東ア
フリカ局中近東
第二課長 木村 光一君
特許庁総務部工
業所有権制度改
正審議室長 山本 庸幸君
海上保安庁警備
救難部警備第二
課長 児玉 毅君
特別委員会第三
調査室長 寺田 晃夫君
─────────────
委員の異動
四月十三日
辞任 補欠選任
神田 厚君 和田 一仁君
同日
辞任 補欠選任
和田 一仁君 神田 厚君
─────────────
本日の会議に付した案件
国の安全保障に関する件
────◇─────
この発言だけを見る →午前十時開議
出席委員
委員長 箕輪 登君
理事 有馬 元治君 理事 椎名 素夫君
理事 月原 茂皓君 理事 宮下 創平君
理事 山崎 拓君 理事 左近 正男君
理事 米沢 隆君
柿澤 弘治君 谷川 和穗君
玉沢徳一郎君 中川 昭一君
増岡 博之君 松野 頼三君
三原 朝彦君 武藤 山治君
安井 吉典君 渡部 行雄君
神崎 武法君 鈴切 康雄君
神田 厚君 和田 一仁君
東中 光雄君
出席国務大臣
国 務 大 臣
(防衛庁長官) 瓦 力君
出席政府委員
内閣法制局第一
部長 大出 峻郎君
防衛庁参事官 小野寺龍二君
防衛庁参事官 福渡 靖君
防衛庁参事官 児玉 良雄君
防衛庁参事官 鈴木 輝雄君
防衛庁長官官房
長 依田 智治君
防衛庁防衛局長 西廣 整輝君
防衛庁教育訓練
局長 長谷川 宏君
防衛庁人事局長 松本 宗和君
防衛庁経理局長 日吉 章君
防衛庁装備局長 山本 雅司君
防衛施設庁長官 友藤 一隆君
防衛施設庁総務
部長 弘法堂 忠君
防衛施設庁建設
部長 田原 敬造君
防衛施設庁労務
部長 山崎 博司君
委員外の出席者
外務大臣官房審
議官 小原 武君
外務大臣官房外
務参事官 渋谷 治彦君
外務省北米局安
全保障課長 岡本 行夫君
外務省欧亜局ソ
ヴィエト連邦課
長 茂田 宏君
外務省中近東ア
フリカ局中近東
第二課長 木村 光一君
特許庁総務部工
業所有権制度改
正審議室長 山本 庸幸君
海上保安庁警備
救難部警備第二
課長 児玉 毅君
特別委員会第三
調査室長 寺田 晃夫君
─────────────
委員の異動
四月十三日
辞任 補欠選任
神田 厚君 和田 一仁君
同日
辞任 補欠選任
和田 一仁君 神田 厚君
─────────────
本日の会議に付した案件
国の安全保障に関する件
────◇─────
箕
中
中川昭一#2
○中川(昭)委員 それでは日本の安全保障について若干の御質問をさせていただきます。
防衛局長はお時間の都合で十時二十分ごろ御退席ということでございますので、初めに防衛局長に対しての御質問をさせていただきたいと思います。
昨年十二月九日、日本の領土であり領海、領空であります沖縄上空をソ連の偵察機が二度にわたって領空侵犯をしたという事件がございました。これにつきまして、まず、過去に日本の領空、領土をどのくらいソビエトを初めとする国々が侵犯をしたのかについてお答えを願いたいと思います。
この発言だけを見る →防衛局長はお時間の都合で十時二十分ごろ御退席ということでございますので、初めに防衛局長に対しての御質問をさせていただきたいと思います。
昨年十二月九日、日本の領土であり領海、領空であります沖縄上空をソ連の偵察機が二度にわたって領空侵犯をしたという事件がございました。これにつきまして、まず、過去に日本の領空、領土をどのくらいソビエトを初めとする国々が侵犯をしたのかについてお答えを願いたいと思います。
西
西廣整輝#3
○西廣政府委員 この五年間の領空侵犯または自衛隊として確認をいたしました領海侵犯の実績について申し上げますと、領空侵犯の方でございますが、昭和五十八年十月以来、五十八年に二回、五十九年に一回、六十一年に一回、六十二年に二回というような状況でございます。これらは相手方の機種等がどこのものかわからないというものもございますけれども、ほとんどがソ連機によるものというように考えております。四件についてははっきり機種等もわかっておりますけれども、これらはベアないしはバジャーといったような機種のものもございます。
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中川昭一#4
○中川(昭)委員 昨年十二月の領空侵犯についてどういう点で今までに比べて日本にとって大きな問題があるか。つまり国会でももう既に七回ほどこの問題で質問が出ておりますけれども、私もあえて今回質問させていただくのは、私なりに非常に大きな意味が今回の領空侵犯にはあったというふうに考えますけれども、その辺は防衛庁はどのようにお考えでしょうか。
この発言だけを見る →西
西廣整輝#5
○西廣政府委員 従来の領空侵犯事案というものは、相手方がどうも誤ってといいますか、たまたま我が国の領空をかすめた、そして領空侵犯に対応するためのこちらの方の航空機等が間に合わない時点で領空侵犯が行われておるという事案が大部分であります。今回の場合は、我が方が近づいてくる航空機に早く気がつきましてたびたび警告をしておる。しかも、こちら側の戦闘機が間に合って、領空に入る前に、お前はこのまま進むと入るぞということで、こちらも姿を見せて通信をし、かつ羽を振るといいますか、そういった形の信号を送り、あるいは信号弾まで撃つという領空侵犯措置が十分行われたにもかかわらずなおかつ侵犯がされたという点が非常に特異な点であろうというふうに考えております。
この発言だけを見る →中
中川昭一#6
○中川(昭)委員 我が国として領空侵犯をされた場合にとるべき措置というのが自衛隊法その他でいろいろ決められておるわけでありますが、今回合計十一分以上にわたって、しかも一たん出てまた戻ってきたということでありますけれども、今回のソ連機の行動というのは日本の自衛隊機がとった行動によって国外に出ていったというふうにお考えになるでしょうか。
この発言だけを見る →西
西廣整輝#7
○西廣政府委員 必ずしもその辺は明快でないわけでございますが、二度目の侵犯につきましては、一度沖縄の東方海上の公海上に出ましたので、その後もう一度沿海州方面に帰還しようと思いますとどうしても通らざるを得ないといいますか、さらに領空侵犯を起こさないで回り道をしますと恐らく燃料切れになってしまうような状況だったと思いますので、その点は向こうもせっぱ詰まってやったのかなという気がいたしますが、その途中段階においてどういうことで彼らが領空侵犯をしたのか、あるいは退去したときの状況についても、我が方の指示に従えば着陸しなければいかぬかったわけでございますが、着陸しないままに少なくとも自衛隊機を避けて公海上に出たのかという点についてもつまびらかにいたしておりませんが、いずれにいたしましても、領空侵犯に至る過程において再三再四、あるいは領空内に入ってからも再三再四の警告ないしは着陸命令を出しておる、にもかかわらず、こちらの命令に従わずに飛び去ったという点についてまことに遺憾であるというふうに考えておる次第であります。
この発言だけを見る →中
中川昭一#8
○中川(昭)委員 今の局長のお話では、二度目については燃料切れかもしれないからショートカットをして通った、その場合には領空侵犯も仕方がないというふうには言わないのだと思いますけれども、しかし過去の事例を見ても、一九八三年のあの大韓航空機事件、もちろん民間機でありますが、何も知らないままにソ連領に入っていっていきなり撃墜をされたというようなことでありまして、これは軍用機、民間機を問わず、ほかの国では、領空侵犯されたものについてはいかなる理由にかかわらず撃墜をするという国もありますし、また一般国際法にのっとってあらゆる措置をとる、あるいはまた日本のように極めて異常な事態でありながら黙って出ていくのを見過ごすというようないろいろな国があると思いますけれども、今回のような場合に果たしてそれでよかったのかどうかということについてはどのようにお考えでしょうか。
この発言だけを見る →西
西廣整輝#9
○西廣政府委員 まず、結果的に見まして領空侵犯をされる、しかもその領空侵犯の態様というものは私に言わせるならかなり悪質なものである、そういう状況下でなおかつ強制着陸させ得なかったということは大変まずかったというか遺憾であると言わざるを得ないと思います。しからば、撃墜した方がよかっただろうかというようなことになりますと、これはまたいろいろ問題がありまして、私どもとしても今回のような状況であるいはやむを得なかったのか、撃墜するかどうかという二者択一であればやむを得なかったのかなということもございます。ただ、こういうことが再三繰り返されるようなことがある、あるいは今回たまたま電子偵察機一機でございましたけれども爆撃機等を含む編隊だったらどうするかとか、いろいろな事態を考えますと、このままで果たしてよかろうかということで今深刻に反省をし検討をいたしておるところであります。
この発言だけを見る →中
児
児玉毅#11
○児玉説明員 海上保安庁の行っております領海警備について御説明申し上げます。
海上保安庁は、我が国の領海を航行する外国船舶のうち、領海内におきまして不可抗力あるいは海難によらず停泊したり、領海内を正当な理由なく徘徊するなど不審な行動をとった外国船舶や、領海内で操業するなどの不法行為を行った外国船舶の監視、取り締まりを実施しております。このうち、我が国の国内法に照らし不法な行為を行った外国船舶につきましては直ちに警告の上退去させる、悪質なものにつきましては国内法規により検挙することといたしまして、単に不審な行動をとった外国船舶につきましては、それが我が国の平和、秩序または安全を害すると認められました場合にはいわゆる無害航行には当たらないということで、当該船舶に対しまして不審な行動の中止を要求し、あるいは警告の上領海外へ退去させるための断固とした措置をとっております。
ただし、軍艦につきましては、非商業目的のために運航する政府公船とともに国際法上立入検査あるいは検挙、そういった強制的な措置をとることができませんので、海上保安庁といたしましては、国際法に認められている範囲におきまして退去要求を行うなど必要な措置を講じておる次第でございます。
この発言だけを見る →海上保安庁は、我が国の領海を航行する外国船舶のうち、領海内におきまして不可抗力あるいは海難によらず停泊したり、領海内を正当な理由なく徘徊するなど不審な行動をとった外国船舶や、領海内で操業するなどの不法行為を行った外国船舶の監視、取り締まりを実施しております。このうち、我が国の国内法に照らし不法な行為を行った外国船舶につきましては直ちに警告の上退去させる、悪質なものにつきましては国内法規により検挙することといたしまして、単に不審な行動をとった外国船舶につきましては、それが我が国の平和、秩序または安全を害すると認められました場合にはいわゆる無害航行には当たらないということで、当該船舶に対しまして不審な行動の中止を要求し、あるいは警告の上領海外へ退去させるための断固とした措置をとっております。
ただし、軍艦につきましては、非商業目的のために運航する政府公船とともに国際法上立入検査あるいは検挙、そういった強制的な措置をとることができませんので、海上保安庁といたしましては、国際法に認められている範囲におきまして退去要求を行うなど必要な措置を講じておる次第でございます。
中
中川昭一#12
○中川(昭)委員 先ほど局長が申しましたように、別に私は入ってきたやつを全部撃墜しろということは毛頭考えておりませんし、もちろんそういうことをやることによって人命が失われることでありますから、そういうことはやるべきではない。今回の事件に対するアメリカの論評も、日本は極めて高度な自制を発揮してやった行為だということでありまして、若干私がこの文章を読ませていただきますと、前の在日米軍司令官の発言は、文明人ならばとるべき行動の典型的な例を示された、自制心に富んだ立派な態度で、大変忍耐の要る行為であった、ただしその前段として、日本政府はTU16Jバジャーを撃墜してもいい立場にあったということに続いての発言でありますけれども、もちろん撃墜なんということはこれはもう最後のぎりぎりの選択の中で許される行為であると思いますが、しかし撃墜するにしろ強制着陸をするにしろ、あるいはまた必要な措置をするにしろ、今の自衛隊法八十四条では、「自衛隊の部隊に対し、これを着陸させ、又はわが国の領域の上空から退去させるため必要な措置を講じさせることができる。」とありまして、局長の御答弁では、必要な措置をすべてやった、そしてその結果として出ていってしまった、こういう御発言を国会でされておりますが、現場の第一線で勤務されております航空自衛隊の皆さん、あるいは海上保安庁、海上自衛隊の皆様方にとって、どういう場合にどういう適切な措置をとれるかという範囲というものはどの程度の段階まで許されているのか、そのぎりぎりの段階にいったときにはどうなるのかということについて今自衛隊の内部ではどういうふうに決まっておるのでしようか。
この発言だけを見る →西
西廣整輝#13
○西廣政府委員 細部の内規につきましては、今後の相手側といいますか、そういう対応の問題もありますので御答弁を控えさせていただきたいと思うわけですが、いずれにしましても現状では通常の形としては警告射撃までがやり得る範囲である。それ以上を超えて実際に相手を撃墜する、そういったことになりますと、領空侵犯対処に飛び上がった我が方の戦闘機が攻撃をされた、あるいはその爆撃機等が地上攻撃をするために弾倉を開くとか、そういった、明らかに向こうが武器使用なり武力行使に及ぶということが確認されない限り、こちらが相手方に対して直接武器を使用することができないような状況になっております。その点、警告射撃とそういった撃墜との間のやり得る措置が何らかあり得るかということになりますと、例えばできるだけ被害の少ないところに撃ってみるということもあるかもしれませんけれども、何せ一万メートルといったような高度でございますので、それによって落ちないという保証がほとんどない。ちょっとした傷がついても空中分解するとかいろいろな問題がございますので、なかなか難しい問題がございますが、もう少し今回のような事案があったということを前提にして我々としては考えてみなくてはいかぬなというのが現状でございます。
この発言だけを見る →中
中川昭一#14
○中川(昭)委員 今回の事件を契機といたしまして今後自衛隊の内部で、あるいはまた日米の両国間で、今回はこれで一件落着したというふうに政府はお考えになっているかもしれませんけれども、今後に対しての教訓をもとにして内部の体制を少し変える、あるいはまた日米との間で何か話し合いをするというようなことはされているんでしょうか。
この発言だけを見る →西
西廣整輝#15
○西廣政府委員 内部的に措置し得ることといいますか、この種の研究というのはかねがねやっておりまして、要はどこまで政治的な問題も含めて決心をするかという問題が一つあろうかと思います。
それからもう一つは、今回の事案を通じて、例えば領空侵犯に対する対ソ抗議の内容でございますが、これらについても防衛庁と外務省といろいろ御相談をして、従来に比べても極めて異例なぐらい強い、はっきり申せば、このような事態であれば撃墜されてもそうおかしくない状況であるということも含めて抗議を申し込み、相手方も遺憾の意を表しておるというようなことで、外交的にもとり得る措置はとり得る範囲の最善のものをとったというように考えておりますけれども、いずれにしましてもその種のいろいろな手段を講じて、なおかつ所期の目的を達成し得なかったというのは厳然たる事実でございますので、ここをどうするかというのが今後の課題であろうと思っております。
この発言だけを見る →それからもう一つは、今回の事案を通じて、例えば領空侵犯に対する対ソ抗議の内容でございますが、これらについても防衛庁と外務省といろいろ御相談をして、従来に比べても極めて異例なぐらい強い、はっきり申せば、このような事態であれば撃墜されてもそうおかしくない状況であるということも含めて抗議を申し込み、相手方も遺憾の意を表しておるというようなことで、外交的にもとり得る措置はとり得る範囲の最善のものをとったというように考えておりますけれども、いずれにしましてもその種のいろいろな手段を講じて、なおかつ所期の目的を達成し得なかったというのは厳然たる事実でございますので、ここをどうするかというのが今後の課題であろうと思っております。
中
中川昭一#16
○中川(昭)委員 弾倉を開くとか、あるいは向こうが撃ってきたという場合に初めてこちらから反撃ができるということでありますけれども、それはむしろ、自衛隊の人がむしろ向こうから撃たれそうになったことに対して、急迫不正の迫害を除去するためにやる行為である。むしろ民法上に認められた行為であって、国の安全保障上あるいは自衛隊法上の国の安全保障、国の国益を守るという観点からの措置ではないのじゃないかという感じがするのですが、その辺はいかがですか。
この発言だけを見る →西
西廣整輝#17
○西廣政府委員 自衛隊に与えられております領空侵犯対処のための権限なり領空侵犯対処行動そのものが、防衛というよりも警察行動に類するものであるというような解釈なり規定のもとに私どもは動いております。その点は、先ほど御答弁のあった海上保安庁の方の領海侵犯についても同様であると思いますが、武器使用等については、警察行動の範囲内ということになりますと、他に手段がない場合といいますか、正当防衛なり緊急避難に近い状況で使われるということはやむを得ないのではないかというように考えておる次第であります。
この発言だけを見る →中
中川昭一#18
○中川(昭)委員 そういたしますと、今回は今回と仮にいたしましても、今後ソビエトとしては、こういうことがあっても日本としてはただ通信で、あるいはまた飛行機の機体を振って、あるいは警告弾を発射する程度で、何にもしないということが実証されたので、これから先例えば偵察機が沖縄からずっと九州、四国本州を通って北海道を通って抜ける、縦断をしていく。東京を通る、横須賀の上を通る、三沢の上を通っていく。これも迷走であったという理屈のもとでやる。あるいはまたソビエト海軍の艦船が横須賀の沖合にじっと停泊して、日本の艦船や日本の情勢を見ておる。あるいは、もっと極端な例でありますけれども、例えばソビエト軍が完全武装して日本の領海を侵犯し領土に上がってくる、そしてまた日本の交通法規を守りながら粛々と東京を目指してやってくるという場合には、これは自衛官としては自衛隊法上認められた警告を発することはできるけれども、国益の侵害に対して何ら実力をもって阻止することができないというのが今の法体制であると理解してよろしいのでしょうか。
この発言だけを見る →西
西廣整輝#19
○西廣政府委員 まず今回の事案を通じてソ連側が日本に領空侵犯しても大丈夫だというような認識を持たれるということは我々にとって大変遺憾なことでありますので、そういうことがないような抗議の仕方、もうこのようなことは二度と許されませんよということが十分認識されるような形で抗議をしたというふうに私どもは思っております。
実際問題としてそれではどれだけのことができるかということでございますが、これは先ほど申し上げたように、領空侵犯の態様なり機種なりあるいは機数なりそういったものを総合的に勘案して決断をせざるを得ないと思いますが、いずれにしましても、現在の領空侵犯のための必要な措置を講ずるという極めてある意味では漠然とした規定だけの中でどこまでできるかということが運用者の判断に任されるということについては相当な問題があるというように考えておる次第であります。
この発言だけを見る →実際問題としてそれではどれだけのことができるかということでございますが、これは先ほど申し上げたように、領空侵犯の態様なり機種なりあるいは機数なりそういったものを総合的に勘案して決断をせざるを得ないと思いますが、いずれにしましても、現在の領空侵犯のための必要な措置を講ずるという極めてある意味では漠然とした規定だけの中でどこまでできるかということが運用者の判断に任されるということについては相当な問題があるというように考えておる次第であります。
中
中川昭一#20
○中川(昭)委員 日本の国益を守るために第一線にいる人たちのぎりぎりの段階の判断が、今の局長のお話では、実際の現場の人たちの判断に任されるというのでは、仮に警告弾を撃とうとした、あるいは信号弾を撃とうとしたのが相手の機体に当たってしまって、先ほどのお話のように、一万メートル上空で、粉々になって、死んでしまった。そうするとその自衛官は殺人罪に問われてしまうということになってしまう危険性もあるわけであります。
要は、日本の国民が自衛隊に対して寄せておる信頼、つまり我々の財産、生命そして平和を守るために自衛官の皆さんが第一線で御苦労されておるということの上に立って我が国の平和と繁栄があるんだということに自衛隊と国民との信頼関係というのがあるわけでありますが、そういうぎりぎりの状況が起きなければいいのでありますけれども、これから先仮に起きた場合に、少なくとも世界の国々がとっておるような必要最低限の措置がとれるのだ、とるとらないは別でありますけれども、選択の余地としてとれるんだという程度の整備というものは私は必要だと思うのです。
時間でございますので、この質問を局長にお伺いをし、同じ質問を大臣にお伺いをいたしまして、局長への質問を終わらせていただきます。
この発言だけを見る →要は、日本の国民が自衛隊に対して寄せておる信頼、つまり我々の財産、生命そして平和を守るために自衛官の皆さんが第一線で御苦労されておるということの上に立って我が国の平和と繁栄があるんだということに自衛隊と国民との信頼関係というのがあるわけでありますが、そういうぎりぎりの状況が起きなければいいのでありますけれども、これから先仮に起きた場合に、少なくとも世界の国々がとっておるような必要最低限の措置がとれるのだ、とるとらないは別でありますけれども、選択の余地としてとれるんだという程度の整備というものは私は必要だと思うのです。
時間でございますので、この質問を局長にお伺いをし、同じ質問を大臣にお伺いをいたしまして、局長への質問を終わらせていただきます。
西
西廣整輝#21
○西廣政府委員 先生のおっしゃる趣旨というものは私ども大変よくわかり、我々としても何とかしかるべき方法はないかということで苦慮いたしておるわけでございますが、やはり運用者に与えるレギュレーションといいますかマニュアルとしては、余り運用の幅のないものである必要がある。彼らにとっては与えられた任務というものがきちっと迷いなく遂行できるような形で与えられなければいけないというように私どもはかねがね考えております。その点、法そのものについては先ほど申し上げたようにかなり幅のあるものでございますので、現在のオペレーションとしてはやや慎重に過ぎるくらいのところでレギュレーションが定められておるわけでございますが、今後その点についてどこまでよりシビアなものにするかということについて私どもも十分検討いたしますし、皆様方とも御相談をさせていただきたいというように考えておる次第であります。
この発言だけを見る →瓦
瓦力#22
○瓦国務大臣 ただいま防衛局長から答弁がございましたが、先般のソ連機による沖縄領空侵犯、十二月九日でございますが、私も内閣委員会に出席をしておりました折でありまして、寸時を待たず報告がなされたものでこざいます。極めて遺憾な事態でございましたが、ただいま防衛局長からも答弁がありましたとおり、南西航空混成団司令がうちの内訓に基づきまして適切な措置を講じた、かように判断をいたしております。その後の措置につきましても、防衛局長から答弁がありましたとおり、外交手段を通じまして厳格に抗議を申し入れた次第でありますが、今後の運用につきましては、まさに教訓といたしまして我々はいかに取り組んでいくか、このことも検討してまいらなければならぬ問題である、かように考えております。
なお、我が国の防衛はまさに国民からして信頼し得るものでなければならぬわけでありますし、また相手国からして、主権国家たる日本に対しまして領空侵犯等の問題を起こして平気であるというようなことであってはならぬわけでありますので、先般の厳格な抗議、さらにまた我が国の主権国家としての防衛力整備の問題、さらに国民の理解を得るべく、そうした努力によりまして防衛力整備がなし遂げられるわけでありますので、今後一層私どもも意を配しながら、国会におきましての議論また御理解をちょうだいしながらそれらの整備にも努めてまいりたい、かように考えておるものでございます。
この発言だけを見る →なお、我が国の防衛はまさに国民からして信頼し得るものでなければならぬわけでありますし、また相手国からして、主権国家たる日本に対しまして領空侵犯等の問題を起こして平気であるというようなことであってはならぬわけでありますので、先般の厳格な抗議、さらにまた我が国の主権国家としての防衛力整備の問題、さらに国民の理解を得るべく、そうした努力によりまして防衛力整備がなし遂げられるわけでありますので、今後一層私どもも意を配しながら、国会におきましての議論また御理解をちょうだいしながらそれらの整備にも努めてまいりたい、かように考えておるものでございます。
中
中川昭一#23
○中川(昭)委員 それでは同じ質問につきまして外務省にお伺いいたします。
今回のソ連機の領空、領土侵犯問題に対しまして日本政府としてはどのような措置、抗議をされたのでしょうか。
この発言だけを見る →今回のソ連機の領空、領土侵犯問題に対しまして日本政府としてはどのような措置、抗議をされたのでしょうか。
茂
茂田宏#24
○茂田説明員 お答えいたします。
十二月九日に発生しましたソ連の軍用機による沖縄の領空侵犯に関しましては、二度にわたって領空を侵犯した、領土の上空も飛んだということで、これを重視しまして、十二月の十日ですけれども、在京ソ連大使を呼びまして、まず第一にこの領空侵犯の事実に対して厳重に抗議をしました。それとともに、この事件を引き起こすに至ったことについて責任を有する者の処罰を求める、今後こういう事件が再度発生しないように再発防止措置をとるようにという要求をいたしました。
その際に日本が従来よりも強い形で抗議をいたしまして、この事件を非常に重大視しているということとともに、かかる行為は重大な結果を惹起しかねない、ソ連側の注意を強く喚起するということを申し上げました。それに加えまして、口頭ですけれども、沖縄は日本の安全保障にとって重要な施設が多数存在することは周知の事実であるということ、それから今回の件については自衛隊機は抑制された行動をとったが、他の国であれば撃墜等大事件にもなりかねない事案であるということについてもソ連側の注意を口頭で喚起したということでございます。
これに対しまして、ソ連側からは、事件の発生について遺憾の意の表明をまず行ってきました。それから、責任者の処罰という観点からは、パイロットを降格処分にするということを通告してきました。それから一連の再発防止措置をとるということを言ってまいりました。この再発防止措置は、具体的には、単独でかかる飛行を行わないようにするとか、僚機との間隔については三キロメートル以上離れないようにするとかいうようなことで、具体的な措置を言ってきたということであります。
我々としては、こういう事件というのは二度と起こってはならないというふうに考えておりまして、ソ連側が約束した再発防止措置を実際の行動によって裏づけて、こういう事件を二度と起こすことがないようにということを強く期待していますし、そういう観点からソ連側の行動を今後監視していきたい、見守っていきたいというふうに考えております。
この発言だけを見る →十二月九日に発生しましたソ連の軍用機による沖縄の領空侵犯に関しましては、二度にわたって領空を侵犯した、領土の上空も飛んだということで、これを重視しまして、十二月の十日ですけれども、在京ソ連大使を呼びまして、まず第一にこの領空侵犯の事実に対して厳重に抗議をしました。それとともに、この事件を引き起こすに至ったことについて責任を有する者の処罰を求める、今後こういう事件が再度発生しないように再発防止措置をとるようにという要求をいたしました。
その際に日本が従来よりも強い形で抗議をいたしまして、この事件を非常に重大視しているということとともに、かかる行為は重大な結果を惹起しかねない、ソ連側の注意を強く喚起するということを申し上げました。それに加えまして、口頭ですけれども、沖縄は日本の安全保障にとって重要な施設が多数存在することは周知の事実であるということ、それから今回の件については自衛隊機は抑制された行動をとったが、他の国であれば撃墜等大事件にもなりかねない事案であるということについてもソ連側の注意を口頭で喚起したということでございます。
これに対しまして、ソ連側からは、事件の発生について遺憾の意の表明をまず行ってきました。それから、責任者の処罰という観点からは、パイロットを降格処分にするということを通告してきました。それから一連の再発防止措置をとるということを言ってまいりました。この再発防止措置は、具体的には、単独でかかる飛行を行わないようにするとか、僚機との間隔については三キロメートル以上離れないようにするとかいうようなことで、具体的な措置を言ってきたということであります。
我々としては、こういう事件というのは二度と起こってはならないというふうに考えておりまして、ソ連側が約束した再発防止措置を実際の行動によって裏づけて、こういう事件を二度と起こすことがないようにということを強く期待していますし、そういう観点からソ連側の行動を今後監視していきたい、見守っていきたいというふうに考えております。
中
中川昭一#25
○中川(昭)委員 外務省が抗議をされて、すぐ答えがあった。その後の機長等の降格処分については、日本側からのどういう措置をとるんだという抗議、申し入れに対して、まずソ連にいる日本人の報道関係者にそれを公表した。その後になって機長を降格処分するということをGGベースで答えてきたということのように私は聞いておりますけれども、これは外交儀礼上も、物事の本質からいっても極めて異例なというか、ばかにされた話ではないかと思いますが、その辺はどうでしょうか。
この発言だけを見る →茂
茂田宏#26
○茂田説明員 今先生御指摘のとおり、日本側からいろいろな抗議それから措置の申し入れをしたわけですけれども、これにつきまして遺憾の意の表明というのは向こう側からすぐあったわけです。ただ、それ以外の、パイロットの処分を行うという話につきましては、十二月十五日にソ連のチェルボフ参謀本部局長がモスクワにいる日本人記者の方に話をしたということであります。通常の外交のやり方としましては、外交ルートで通報があって、その後で記者に発表するというのがやり方であるということですので、我々はこれは一体どういうことなのかということをソ連側にただしました。ソ連側の答えといいますのは、チェルボフさんが言ったのはパイロットの処分を行う予定であるということであって、外交ルートで通報する場合には、処分を行い、それと名前等確定した事実に基づいて正式に通報したいと思っていたんだという釈明をしまして、その後十二月二十五日ですけれども、具体的な再発防止措置、パイロットの降格処分等について外交ルートで通報してきたということでございます。
この発言だけを見る →中
中川昭一#27
○中川(昭)委員 この件は極めて遺憾であると思いますので、我々としても見過ごすわけにいかないというふうに思います。
ところで、この領空侵犯事件というのは、原因がどうであれ少なくとも日本の領土の上を極めて長い時間飛んだ日本の主権に対する侵害であると同時に、もう一つ見逃せないのは、これはアメリカ軍の嘉手納空軍基地あるいはハンセン海軍基地等、アメリカの極東防衛にとって極めて大きな基地の上をソビエトの電子偵察機が飛んでいった。偵察活動をしていたのか、あるいは単なる迷走なのか、場合によっては酔っぱらっていたのかよくわかりませんが、少なくともこれはアメリカ軍にとってみても極めてゆゆしき問題である。ゆゆしき問題であるけれども、主権が日本にある以上は第一義的な行動ができないということで、アメリカとしては日本に対して不満を持ちながらも極めて自制した態度で日本に対していろいろな論評、政府、民間を含めて論評されていると思います。それと同時に、アメリカではテレビでもこの事件が報道されたそうでありますし、また韓国や中国でもこの事件が報道されておるということで、自分の国にこの問題が起きたらどうなるだろうかということは、やはりこれは他山の石としてとても無視できるものではないというふうに思うのは当然だと思うのであります。
その中でも特に日米安保条約に基づく日本の防衛にとって極めて大きな役割を占めております米軍基地、そしてアメリカそのものにとってもこれは極めて大きな、無関心でいられない、ある意味では当事者と言ってもいいのだと思います。そういう意味で今回の事件に関して米軍との間でどのような連絡をとられたのでありましょうか。
この発言だけを見る →ところで、この領空侵犯事件というのは、原因がどうであれ少なくとも日本の領土の上を極めて長い時間飛んだ日本の主権に対する侵害であると同時に、もう一つ見逃せないのは、これはアメリカ軍の嘉手納空軍基地あるいはハンセン海軍基地等、アメリカの極東防衛にとって極めて大きな基地の上をソビエトの電子偵察機が飛んでいった。偵察活動をしていたのか、あるいは単なる迷走なのか、場合によっては酔っぱらっていたのかよくわかりませんが、少なくともこれはアメリカ軍にとってみても極めてゆゆしき問題である。ゆゆしき問題であるけれども、主権が日本にある以上は第一義的な行動ができないということで、アメリカとしては日本に対して不満を持ちながらも極めて自制した態度で日本に対していろいろな論評、政府、民間を含めて論評されていると思います。それと同時に、アメリカではテレビでもこの事件が報道されたそうでありますし、また韓国や中国でもこの事件が報道されておるということで、自分の国にこの問題が起きたらどうなるだろうかということは、やはりこれは他山の石としてとても無視できるものではないというふうに思うのは当然だと思うのであります。
その中でも特に日米安保条約に基づく日本の防衛にとって極めて大きな役割を占めております米軍基地、そしてアメリカそのものにとってもこれは極めて大きな、無関心でいられない、ある意味では当事者と言ってもいいのだと思います。そういう意味で今回の事件に関して米軍との間でどのような連絡をとられたのでありましょうか。
岡
岡本行夫#28
○岡本説明員 本件領空侵犯は言うまでもなく第一義的には我が国の主権に対する侵害でございまして、この問題はまずその角度からとらえられるべきであることは当然でございます。他方、先生御指摘のように、領空侵犯機が通過いたしました下には嘉手納基地を初めといたします米軍の重要施設があったわけでございます。それに対する米側の懸念が私どもに非公式なレベルで伝えられてきていることも事実でございます。
我が国の領空侵犯に対処する日米の体制でございますけれども、これは少し古くなりますけれども、昭和二十八年に岡崎・マーフィー往復書簡というのがございまして、時の外務大臣の岡崎さんから合衆国側に対して、領空侵犯が発生した場合には米関係当局においてこれを排除するための有効適切な措置をとらんことを要請いたしますということを要請いたしまして、これに対しまして米側から、安保条約のもとで必要かつ適当とされる一切の可能な措置を日本国政府の実際的援助のもとにとるよう極東軍総司令官に命令いたしましたという返書がございます。ただ、それから我が国自身の防空体制の整備が進みまして、現在は自衛隊が専ら我が国の防空の任に当たって、米軍のそのための援助を要請するということは行っておりません。ただ、その後行われました取り決めの中で米軍との間では連絡体制がとられておりまして、今回の場合も那覇基地に設定されております防空連絡員から、これは自衛隊の方でございますけれども、米軍にレーダー航跡情報の通報があったというふうに私ども承知しております。
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中
中川昭一#29
○中川(昭)委員 この岡崎・マーフィー書簡でありますけれども、昭和二十八年、いわゆる日本が実質的に主権を守るための自衛力を持ち始めたときからのものでありますが、今担当課長がおっしゃられたようにあくまでも日本の防空能力が向上するということが前提だということだと思います。そういう意味で今回の事件が、単に防空能力を発揮して、早目に見つけてお出迎えをしてお供をして、そして十一分一緒に飛行機が飛んでお送りをしたということが、この岡崎・マーフィー書簡の本来の目的に合致するのかどうか。こんなことじゃだめだから自分たちは自分たちでやるということになれば、これはまさにある意味では主権の侵害にもなりかねない微妙な問題だと思いますけれども、しかし実質が日米安保条約に基づいて日本に正当の目的のない航空機が不法に入ってくることを防止するのが目的であるとすれば、私は二十八年のときの趣旨からいってももう一度考え直さなければいけないのじゃないかという感じがしますけれども、この辺はいかがでしょうか。
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