予算委員会

1993-05-21 衆議院 全386発言

⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

会議録情報#0
平成五年五月二十一日(金曜日)
    午前九時一分開議
 出席委員
   委員長 粕谷  茂君
    理事 石川 要三君  理事 小杉  隆君
    理事 鴻池 祥肇君  理事 佐藤 信二君
    理事 中川 昭一君  理事 串原 義直君
    理事 中西 績介君  理事 松浦 利尚君
    理事 草川 昭三君
       相沢 英之君     愛野興一郎君
       井奥 貞雄君     石原慎太郎君
       臼井日出男君     内海 英男君
       越智 通雄君     大石 千八君
       狩野  勝君     唐沢俊二郎君
       倉成  正君     佐藤 敬夫君
       高鳥  修君     戸井田三郎君
       中谷  元君     中山 太郎君
       浜田 幸一君     原田  憲君
       星野 行男君     松永  光君
       松本 十郎君     村山 達雄君
       柳沢 伯夫君     綿貫 民輔君
       伊藤 忠治君    宇都宮真由美君
       関  晴正君     竹内  猛君
       富塚 三夫君     楢崎弥之助君
       堀  昌雄君     松前  仰君
       三野 優美君     水田  稔君
       目黒吉之助君     元信  堯君
       石田 祝稔君     二見 伸明君
       宮地 正介君     児玉 健次君
       辻  第一君     吉井 英勝君
       中野 寛成君
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  宮澤 喜一君
        法 務 大 臣 後藤田正晴君
        外 務 大 臣 武藤 嘉文君
        大 蔵 大 臣 林  義郎君
        文 部 大 臣 森山 眞弓君
        厚 生 大 臣 丹羽 雄哉君
        農林水産大臣  田名部匡省君
        通商産業大臣  森  喜朗君
        運 輸 大 臣 越智 伊平君
        郵 政 大 臣 小泉純一郎君
        労 働 大 臣 村上 正邦君
        建 設 大 臣 中村喜四郎君
        自 治 大 臣
        国家公安委員会 村田敬次郎君
        委員長
        国 務 大 臣 河野 洋平君
        (内閣官房長官)
        国 務 大 臣 鹿野 道彦君
        (総務庁長官)
        国 務 大 臣
        (北海道開発庁
        長官)     北  修二君
        (沖縄開発庁長
        官)
        国 務 大 臣 中山 利生君
        (防衛庁長官)
        国 務 大 臣
        (経済企画庁長 船田  元君
        官)
        国 務 大 臣
        (科学技術庁長 中島  衛君
        官)
        国 務 大 臣 林  大幹君
        (環境庁長官)
        国 務 大 臣 井上  孝君
        (国土庁長官)
 出席政府委員
        内閣法制局長官 大出 峻郎君
        内閣法制局第一 津野  修君
        部長
        国際平和協力本 柳井 俊二君
        部事務局長
        国際平和協力本 萩  次郎君
        部事務局次長
        公正取引委員会 小粥 正巳君
        委員長
        公正取引委員会 矢部丈太郎君
        事務局経済部長
        公正取引委員会 糸田 省吾君
        事務局審査部長
        警察庁長官   城内 康光君
        警察庁長官官房 垣見  隆君
        長
        警察庁警務局長 井上 幸彦君
        総務庁人事局長 杉浦  力君
        総務庁行政管理 増島 俊之君
        局長
        防衛庁参事官  高島 有終君
        防衛庁長官官房 村田 直昭君
        長
        防衛庁防衛局長 畠山  蕃君
        防衛庁教育訓練 諸冨 増夫君
        局長
        防衛庁経理局長 宝珠山 昇君
        防衛施設庁施設 江間 清二君
        部長
        防衛施設庁建設 黒岩 博保君
        部長
        防衛施設庁労務 荻野 貴一君
        部長
        経済企画庁調整 長瀬 要石君
        局長
        経済企画庁物価 小林  惇君
        局長
        経済企画庁総合 田中 章介君
        計画局長
        経済企画庁調査 土志田征一君
        局長
        科学技術庁長官 井田 勝久君
        官房長
        科学技術庁長官 興  直孝君
        官房会計課長
        環境庁長官官房 森  仁美君
        長
        国土庁長官官房 藤原 和人君
        長
        国土庁長官官房 藤田  修君
        会計課長
        法務省刑事局長 濱  邦久君
        外務省アジア局 池田  維君
        長
        外務省条約局長 丹波  實君
        外務省国際連合 澁谷 治彦君
        局長
        大蔵大臣官房総 日高 壮平君
        務審議官
        大蔵省主計局長 斎藤 次郎君
        大蔵省主税局長 濱本 英輔君
        大蔵省理財局長 藤井  威君
        大蔵省銀行局長 寺村 信行君
        大蔵省銀行局保 鏡味 徳房君
        険部長
        大蔵省国際金融 中平 幸典君
        局長
        国税庁次長   瀧川 哲男君
        文部大臣官房長 吉田  茂君
        厚生大臣官房総 瀬田 公和君
        務審議官
        厚生省年金局長 山口 剛彦君
        農林水産大臣官 上野 博史君
        房長
        農林水産大臣官 堤  英隆君
        房予算課長
        食糧庁長官   鶴岡 俊彦君
        資源エネルギー 黒田 直樹君
        庁長官
        中小企業庁長官 関   収君
        運輸大臣官房会 楠木 行雄君
        計課長
        運輸省運輸政策
        局次長     和田 義文君
        兼内閣審議官
        運輸省鉄道局長 秦野  裕君
        郵政大臣官房財 新井 忠之君
        務部長
        郵政省簡易保険 江川 晃正君
        局長
        労働大臣官房長 七瀬 時雄君
        労働省労働基準 石岡慎太郎君
        局長
        労働省職業安定 齋藤 邦彦君
        局長
        建設大臣官房長 望月 薫雄君
        建設大臣官房会 木下 博夫君
        計課長
        建設省建設経済 伴   襄君
        局長
        自治大臣官房長 吉田 弘正君
        自治大臣官房会 斉藤 恒孝君
        計課長
        自治省行政局選 佐野 徹治君
        挙部長
        自治省財政局長 湯浅 利夫君
 委員外の出席者
        参  考  人 三重野 康君
        (日本銀行総裁)
        予算委員会調査 堀口 一郎君
        室長
    —————————————
委員の異動
五月二十一日
 辞任         補欠選任
  相沢 英之君     中谷  元君
  粟屋 敏信君     星野 行男君
  内海 英男君     井奥 貞雄君
  衛藤征士郎君     佐藤 敬夫君
  越智 通雄君     狩野  勝君
  小沢 和秋君     辻  第一君
同日
 辞任         補欠選任
  井奥 貞雄君     内海 英男君
  狩野  勝君     越智 通雄君
  佐藤 敬夫君     衛藤征士郎君
  中谷  元君     相沢 英之君
  星野 行男君     粟屋 敏信君
  辻  第一君     吉井 英勝君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 平成五年度一般会計補正予算(第1号)
 平成五年度特別会計補正予算(特第1号)
 平成五年度政府関係機関補正予算(機第1号)
     —————◇—————
この発言だけを見る →
粕谷茂#1
○粕谷委員長 これより会議を開きます。
 平成五年度一般会計補正予算(第1号)、平成五年度特別会計補正予算(特第1号)、平成五年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案を一括して議題とし、質疑を行います。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 三案審査のため、本日、参考人として日本銀行総裁三重野康君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →
粕谷茂#2
○粕谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
この発言だけを見る →
粕谷茂#3
○粕谷委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。串原義直君。
この発言だけを見る →
串原義直#4
○串原委員 初めに、一言発言させていただきます。
 昨日の本委員会における鴻池委員の質疑中、我が党の東京都本部幹部であった今正一君に関する記事についての発言がありました。その記事には、同氏が同記事を否定した記事も掲載されていることを、鴻池理事を初め、理事会において確認いたしました。
 では、質疑に入ってまいりたいと思います。
 初めに、PKO問題について伺ってまいります。
 国際貢献の名のもとに、自衛隊の部隊を中心とする本格的な要員派遣はカンボジアであります。カンボジアPKOにおいては、既に日本人関係者の犠牲者が出ました。文民警察官高田晴行さんが亡くなり、文民警察官四名の方々が負傷、国連ボランティア中田厚仁さんが死亡されました。犠牲になられた方々に心より哀悼の誠をささげ、家族の皆様方にお悔やみ申し上げたいと存じます。そして、負傷された皆さんの一刻も早い全快を祈っております。同時に、PKO法を審議した国会議員の一人として、心よりおわびを申し上げたい気持ちでいっぱいであります。
 なお、我が国の派遣要員が現地の住民を交通事故で死亡させるという事態も起こっており、カンボジアPKOへの参加について疑念が強まっているのであります。また、和平協定の弱さも明らかになって、この際、カンボジア問題とは何なのか日本のカンボジアPKOへの参加とは何を意味するのかなとを明らかにする必要があると私は思うのであります。
 まず、カンボジア問題に対して我が国はどのような対応をしてきたのか、振り返って確認をしておきたい。
 十九世紀後半にカンボジアはフランスの保護領となっていましたけれども、第二次大戦中、本国がドイツ占領により弱体化していたフランス支配の間隙を縫って、一九四〇年に日本軍が当時のフランス領インドシナに進駐して、私は大変な迷惑と犠牲を強いたものと考えているのであります。一九五三年、フランスから独立をから取った後も、カンボジアはベトナム戦争などをめぐって国際政治のはざまで厳しい対応を迫られてきた。一九七〇年には、アメリカのバックアップでロン・ノルのクーデターが成功し、シアヌーク殿下は中国に亡命をいたしました。この時期を前後に、四、五年にわたるアメリカ軍、南ベトナム軍のカンボジア進攻、爆撃で国土は荒廃し、約百万人の死傷者が出たと言われているのであります。
 こうしたアメリカや当時の南ベトナムのカンボジア侵略に対して、日本政府はどのような態度をとったのか。当時、支持をしていたのではありませんか。お答えを願います。
この発言だけを見る →
池田維#5
○池田政府委員 お答えを申し上げます。
 先ほど先生御指摘の米軍、南ベトナムによるカンボジア進攻というのは、七〇年五月の米軍と南ベトナム軍が行ったカンボジア領内の共産軍の聖域掃討作戦のことかと思われますけれども、当時、我が国政府はカンボジアにおきましてはロン・ノル政府を支持いたしておりまして、また、ベトナムにおきましては南ベトナム政府を承認しておりました。
 そして、ただいま御指摘のいわゆる掃討作戦に対して我が国の政府といたしましては、その立場としまして、そのような事態が一日も早く収拾されて、この地域に平和が到来されることを願っているというものであったというように承知いたしておりまして、我が国として積極的な支援を表明したという経緯はなかったというように承知いたしております。
この発言だけを見る →
串原義直#6
○串原委員 積極的に支援をした、それは平和の到来を願ってという大義名分のもとに支持をした。
 そこで、伺います。
 一九七五年、ロン・ノル政権が倒れました。ポル・ポト派の主導の民主カンプチア政権が誕生いたしました。その後、一九七八年末にはベトナム軍が進攻し、ベトナムに亡命していたヘン・サムリンを国家評議会議長とするカンプチア人民共和国が誕生するのでありますが、日本政府はそれを承認しなかったはずであります。そして、八二年に成立したシアヌーク、ソン・サン、ポル・ポト派の三派から成る民主カンボジア連合政府に国連代表権を認めていたのではありませんか。三派の連合とはいっても、プノンペン政権に実質的に対抗していたのはポル・ポト派であったが、それでも認めていたのではありませんか。それについて政府は、正しい判断であった、こう考えておられるのかどうか、お答えを願います。
この発言だけを見る →
池田維#7
○池田政府委員 八二年の七月に、ただいま御指摘のいわゆる三派連合によります政府というものがシアヌーク殿下を大統領として成立したわけでございまして、我が国はこの政権を正統政府というように判断したわけでございます。当時、もちろん国土とか人口の大部分を占めておりましたのはプノンペン政権でございましたけれども、この政権は当時ベトナム軍の軍事介入によって成立したという事実がございました。したがいまして、その面で、外国の軍事介入によって成立した政権を支持することはできない、そしてシアヌーク殿下を大統領とする三派連合政府を支持するということが我が国の姿勢であったわけでございまして、しかもこの姿勢は当時のASEAN諸国、中国、欧米、大多数の国々によって支持されていたわけでございまして、我が国の当時の判断は正しかったというように判断しているわけでございます。
この発言だけを見る →
串原義直#8
○串原委員 私は、判断が正しかったかどうかだんだんと歴史的に明らかになってくるであろうということだけきょうは申し上げておくわけでありますが、そこで、その後、一九九〇年九月には、カンボジア最高国民評議会、SNCが設立され、九一年十月にはパリでカンボジア紛争の政治的解決に関する協定が関係当事者間で調印されている。国連主導のカンボジア和平が進められることになりました。
 こうして見てくると、カンボジアが内戦状態を継続し、人的犠牲を拡大し、国土を荒廃させ、混乱させた大きな原因は、フランスの植民地支配は言うに及ばず、ベトナム戦争期のアメリカの爆撃やベトナムの干渉を理由にした連合政府支配に見られるように、大国の干渉にあったと言っても私は過言ではないと思う。日本もそれに無関係ではなかったはずであります。短いやりとりでしたけれども、今の御答弁にもそれがあらわれています。そうした大国の干渉については全く反省も責任追及もせず、紛争当事者間では和平は実現できなかった。カンボジアの人々だけでは復興も無理だ、だから国連の関与を求めた、日本もそれに協力したというのは、カンボジア問題の歴史的事実を意図的に歪曲ないしは看過しており、御都合主義と言われても弁解できないのではないか。
 政府は、カンボジアが混乱を続け、荒廃してきた歴史的事実に対してどのような認識をお持ちなのか。私は、これは大事な点でありますから、総理からお答えを願いたい、こう思っているのであります。
この発言だけを見る →
宮澤喜一#9
○宮澤内閣総理大臣 ただいまお述べになられましたような長い間の経緯がございます。そのおのおのの段階においてそれがだれの責任であったかということは、また歴史としていろいろ判断が下される時期があると思いますが、ともかくもそれらの結果としてカンボジアの国民が非常に不幸な状態にあり、そして内戦が続いたということについて、これはやはり国連あるいは関係国の何とか和平に導かなければならないという努力が結局パリ協定になって結実をしたということと考えております。
 したがって、今行われておりますUNTACを中心とする平和協力は、一日も早くカンボジア人のカンボジアという国づくりを実現をしたい。ただ、従来戦っておりました各派でございますから、自分たちだけではそれができないということから、国連がここにUNTACのもとにそのための努力をし、我々が協力をしておる。したがいまして、一番考えられますだれにも異存の少ない方法として、選挙によって制憲議会をつくってカンボジア人の国づくりというものを実現したい、そういう過程の最後の段階に今我々はいる、こういう認識をいたしております。
この発言だけを見る →
串原義直#10
○串原委員 後ほどの議論、将来のためにも重要ですから、もう一点総理に伺っておきます。
 今お答えをいただきましたが、冷戦後の国際問題の特徴として、民族紛争や内戦の勃発、激化が指摘されているところでありますけれども、多くの内戦は外国の干渉や武器援助などがなければ落ちつくところに落ちつくものであろう、こういう歴史と経過を私たちは認めざるを得ないと考えています。
 カンボジア問題でも、外国の武器援助などの支援を中止するなど、カンボジアの人々みずからの手で和平が行われる条件をつくり出すことが最も重要な基礎的条件であろうと私は思っております。つまり、自主独立、このことを評価、認めることが重要な課題であろう。それがない。そこにポル・ポト派から、SNCはお飾りである、名目だけの存在だとする批判を招くことになった一つの原因があるのではないか、私はこう理解しているのでありますが、総理の見解を伺っておきます。
この発言だけを見る →
宮澤喜一#11
○宮澤内閣総理大臣 カンボジアを例にお挙げになりましたが、例えばユーゴでありましても、あるいはその他の今国連が努力をしている幾つかの紛争が、各国から提供された武器がなければこのような状況にならなかったであろうと言われますことは、その限りにおいて私は間違いではないと思いますが、現実にはそのような武器が大量に争う各派に所有されておって、それによって争いが激化をしたという、しているというその現実の事態に我々は対処をいたさなければなりませんので、過去においてそういうことがなければこのような事態は起こらなかったであろうとおっしゃることに私は誤りはないと思いますものの、現にあります。その事態をどのようにして平和に解決していくかというのが今我々に与えられた課題であろうというふうに思います。
この発言だけを見る →
串原義直#12
○串原委員 過去の歴史に若干触れてきたわけでありますが、ここで多くの時間をとる余裕はありませんけれども、つまり私の申し上げたいのは、カンボジア、まあベトナムもそうでございましょうけれども、それぞれの地域の地域紛争、これは民族紛争、時によれば宗教紛争である。そこへ大国の干渉があるところにいよいよ混乱をさせる要因があった、あるのだ。これは私は、将来ともに厳しく承知をしながら外交上も対処していかないと大きな誤りを犯すと考えますから、あえて本日の質問の冒頭に取り上げさせていただいた次第であります。
 そこで、カンボジアの現状と和平プロセスについて触れてまいりたい。
 まず、総理に伺っておきます。
 総理は、ポル・ポト派は和平協定を守ると表明している、SNCからも脱退しているわけではないから、停戦違反の事実はあるが、停戦合意の基本的枠組みは崩れていないとしているようであります。しかし、日本がPKO協力法を成立させ、カンボジアPKOに参加する以前から、ポル・ポト派は和平プロセスの第二段階の武装解除に応じてこなかった。ところが、UNTACは、予定の武装解除も実施できず、さらには総選挙へのポル・ポト派の参加も実現できないまま、和平プロセスの日程の遂行、つまり総選挙の実施をまず優先させてきた。これではポル・ポト派の反発を招くのは当然ではありませんか。
 そもそもPKO協力法に従えば、日本政府は、ポル・ポト派が武装解除に応じ、それぞれの派が武装解除に応じて、和平プロセスを履行することをきちっと正確に確認してからでなければUNTACに参加してはならなかった、PKO要員を我が国から外国に派遣する行為を行うべきでなかった、こう私は思う。この重大な責任を総理はどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
この発言だけを見る →
武藤嘉文#13
○武藤国務大臣 パリ和平協定においては武装解除もするということでございまして、ポル・ポト派もそのパリ和平協定を承知をし、それを遵守をするということを言っておるわけでございまして、確かに結果的にはポル・ポト派が武装解除をしなかったということはございますが、その後もポル・ポト派は、あくまでパリ和平協定は遵守をする、こういうことを言っておるわけでございまして、そのパリ和平協定に基づいてUNTACがカンボジアから委任を受けて、和平プロセスを進めてきておるわけでございます。私どもは、そのパリ和平協定に基づいて進めてきておる和平プロセスに、何とかうまくいくようにということを願いながら、参加をしてきたわけでございます。
この発言だけを見る →
串原義直#14
○串原委員 次の質問は総理から御答弁ください。
 ある人は、カンボジア問題はドミノである。つまり最初のボタンのかけ違いが次から次へとボタンのかけ違いの連続になって今日に至っている、こう表現した人があります。私もそのとおりだと思う。
 そこで、ただいま外務大臣から御答弁になりましたけれども、総理は、戦闘は部分的停戦違反にとどまっているとしておりますけれども、和平プロセスは守られていないとして総選挙に参加せず、その妨害活動を強め、SNCの会合への参加にも消極姿勢を示し、UNTACにさえ反発を強めているポル・ポト派の対応を見れば、明らかに和平協定は破られている、こう見なければならないと私は思うんですけれども、どのようにお考えになっていらっしゃいますか。
 今外務大臣は、パリ協定は守るとポル・ポト派は言っているのでという表現がありました。しかし、現実にはもう実質的にパリ協定は崩壊している、空洞化していると言えるのではないかというふうに思っておるのでございます。つまり、停戦合意も中立性も守られてはいない、言いかえるならば、PKO協力法の派遣の五原則は実質的に崩壊をした、無視されている、こう私は考えるのであります。政府の責任はまことに重い。総理の見解を伺っておきます。
この発言だけを見る →
河野洋平#15
○河野国務大臣 委員は、停戦の合意が守られていないではないか、こういう御指摘でございます。停戦の合意、すなわちパリの和平協定の大きな柱でございますが、先ほど外務大臣から御答弁ありましたように、パリの和平協定につきましては、再三、繰り返し各派ともにこれを遵守するということを述べておるわけでございます。選挙の投票がもう間近になって、北京におきますシアヌーク殿下呼びかけによります、非公式でございますが、SNC参加メンバーによります会合、これは残念ながらポル・ポト派は欠席をされましたけれども、ポル・ポト派を除く三派はシアヌーク殿下とともにその会議の後共同コミュニケを発出されまして、その共同コミュニケの中には、パリの和平協定の遵守、そして選挙実施を確認をいたしております。そして、その北京の会合に欠席をいたしましたポル・ポト派は、その翌日、ポル・ポト派としてのプレスブリーフをいたしまして、そのプレスブリーフの中で、我々はパリ和平協定を遵守する、しかし、そのパリ和平協定がむしろ厳密に守られていないことが極めて遺憾であるという意味のことを言っているわけでございます。それは、例えば、ベトナム人が完全にカンボジアから撤退していないではないか、その他幾つかの例を挙げて、こういう点をもっと厳密に守れということをポル・ポト派は言っておりまして、つまりポル・ポト派はパリ和平協定を遵守する、むしろもっと正確に守れということを言っているわけでございまして、一つの会合で、全体として言ったわけではありませんけれども、三派及び翌日のポル・ポト派のプレスブリーフをあわせ聞けば、四派ともにパリの和平協定を遵守することをつい最近も確認をしているところでございます。
 こうした停戦の合意は、合意という、つまりそれぞれの意思でございますから、それぞれの合意をした四派がそれぞれの意思を確認する以上、我々がその意思四派にありと見るのは当然のことではないかと考えております。
この発言だけを見る →
串原義直#16
○串原委員 やはりこれは総理からお答えください。
 私は、今の官房長官の回答、答弁は、まさに詭弁というふうに聞こえる。それは、確かにポル・ポト派はパリ協定は守ろうというふうには言っているようでありますが、その中身、内容は守られていないと見るのが至当であろうと思う。パり協定の内容がきちっと守られていない、だからだめなんだ、こう言っているのであります。三派が了解しているから、一致しているからではだめなのであります。だから、さっき私は、歴史的な経過について、短かったけれども、触れてまいりました。四派全体が、カンボジア全体が一致しなければ和平はないのであります。私は、この点は厳しく検討しなければならない、判断しなければならないところだろうと思う。私は、やはり総理の判断をお聞きしておきたい。
この発言だけを見る →
宮澤喜一#17
○宮澤内閣総理大臣 今官房長官がお答えしたことに尽きておりますけれども、さらに申し上げるならば、クメール・ルージュの立場からしましても、パリ協定そのものを否定してしまうことは決して利益ではない、そういう問題がもう一つあると思います。したがって、この協定を基本的に認めているという立場をとっておると考えています。
この発言だけを見る →
串原義直#18
○串原委員 パリ協定は守りましょうとポル・ポト派は言っているというのでありますけれども、実際は、カンボジアの和平というものは、武装解除が完全に行われなければ平和でないのであります。パリ協定が完全に実施されるということは、武装解除から実は出発するのであります。それがないところにカンボジアの和平、国民の合意、人民の合意はない、そう判断しなければいけない、こう思っているのです。いかがですか。
この発言だけを見る →
河野洋平#19
○河野国務大臣 御指摘のとおり、武装解除が行われるということは極めて重要なことでございます。停戦の合意、パリ和平協定におきましても、それぞれは七〇%の武装解除を行うべし、こういう取り決めになっていると承知をいたしておりますが、それが行われていないことは極めて残念、遺憾千万なことでございます。
 この点は我々も各派に自制を求めながら、そのことによって犠牲が出ることのないように自制を求めつつ、このUNTAC活動に参加をしているところでございます。
この発言だけを見る →
串原義直#20
○串原委員 お話しのように、武装解除は、七〇%解除する、これが話し合いの基本でした。ところが、ポル・ポト派は、申し上げましたように、武装解除を全然していない、合意をしていない、ここに実は出発点の大きな誤りがある。パリ協定は成立をしているとは言葉では言いますけれども、中身はそうでもありません。そうなっていないではないか。武装解除が完全に各派とも実行されたときに初めてパリ協定は生きてくる、成立する、このことを厳しく私たちは判断をしていかないと誤りを犯す、既に誤りを犯しつつあるわけであります。
 そこで、これは総理大臣に伺います。
 日本国憲法、PKO協力法に基づけば、日本のPKO参加は武力行使に至ることがあってはならない。武力行使に至る危険なところには派遣しないということは、国会の審議に際しても再三確認されたことであります。実は私は当時のPKO特別委員会に参加をいたしまして、自分も議論をし、同僚委員の議論も随分と聞いてまいりました。そのときの特別委員会委員長は今の大蔵大臣の林さんでした。激しいやりとりをいたしました。そのやりとりの中で、このことは繰り返し繰り返し確認されたことであります。
 ところが、カンボジアの現状は、日本ばかりでなく、UNTAC要員等が何人か武装集団の襲撃によって殺害されるといった状況で、自衛隊の派遣部隊などは、今まで兵器を一定のところに保管するということが原則であったわけでありますけれども、その銃をこのところ携帯するようになったと聞いているのであります。これは事実であろうか。正当防衛での武器使用に限定される保証は、私は、厳しいゲリラ戦が行われている現地を考えますと、なかなかない。これによりまして、武力行使や威嚇による国際紛争の解決を禁じた憲法に反する事態も予想され、仮に業務として自衛隊が銃を携行することになったということが追加されれば、なおさら凍結されているPKF活動へのなし崩し的踏み込みにならないか。私は、まさに業務を中断して撤収する以外にない、こう考えているのであります。この判断について総理に明快なお答えをいただいておきたいと思っています。
この発言だけを見る →
宮澤喜一#21
○宮澤内閣総理大臣 御指摘のように、この法律案の成立過程におきまして大変に長い御熱心な、しかも厳しい御議論が両院でございまして、その結果、現在の法律ができております。
 ただいまのお尋ねについて申しますならば、我が国はこのような憲法を持っておりますから、第一に、武器を万一使用しなければならない場合について法律が極めて厳しい制約を加えております。それから、もっと現実の問題としては、携帯の武器の種類について同様な目的から極めて厳しい制約を、これは現実の問題として加えておりまして、いずれの場合においても、御指摘のような武力の使用というような事態は、現実の問題としても、また法律上の問題としてもあり得ないと考えています。
この発言だけを見る →
串原義直#22
○串原委員 そこで伺いますけれども、昨日、西元陸上幕僚長は記者会見で選挙監視要員に対する安全対策を明らかにいたしました。テレビで放送もされましたし、けさの新聞でも大きく取り上げられているところであります。
 報道によれば、あるいは私は若干の関係者からの文書もいただいておりますが、これによりますというと、選挙監視要員の安全確保に関心を抱いていると前置きをして、国連カンボジア暫定統治機構、つまりUNTACなどと治安情報の収集、分析、提供や意見交換、自衛隊の緊急時の対応を選挙監視要員に説明をする、それからUNTACから要請があれば選挙監視要員の輸送、給水、給食活動を行う、偵察チームを編成して各投票所に毎日一回は立ち寄り、治安情報を伝える、選挙監視要員の無線送信を傍受し、フランス軍歩兵部隊とも連絡態勢をとる、部隊に医官を含む緊急医療チームを編成して待機させる等々六つの対策を立てまして行動を起こす、こういうのであります。
 特に問題になりますのは、陸上幕僚長は偵察と説明していますけれども、自衛隊の施設大隊に付与された、つまり橋、道路などを建設、修理をする建設事業あるいは物資の輸送などの業務に関係のないことになっていくのではないか。必要なものと位置づけておるようでありますけれども、実質的には、つまりカンボジアのPKOの実施計画に規定がなくてやりませんと言ったはずのパトロール、つまり巡回行為になると思うのでありますけれども、これはいかがでございますか。どう判断しておりますか。そうして、このことはだれが了解をして陸上自衛隊に実施させることにしたのですか。お答えを願います。
この発言だけを見る →
畠山蕃#23
○畠山政府委員 巡回の問題についての御質問でございます。
 陸上幕僚長が昨日記者会見で述べたうちの巡回についての御質問でございますけれども、我が国の施設大隊は、実施計画、実施要領に従いまして、UNTACの指図を受けて国道二号線それから国道三号線という、いわばタケオの地域を縦断しております幹線道路の橋あるいは道路それ自体の修理の業務を実施するというミッションが与えられているわけでありますが、その道路、橋の修理の業務を行うに際しまして、修理を行うことが予想されている地域の地形等の状況、これは本格的な雨季を迎えまして状況がかなり変わっているということもございます。そういった周辺地域の状況やあるいはさらに周辺全般の治安情勢といったようなことについても事前に調査を行いまして情報を入手するということは、道路、橋の修理を行うという事業を遂行するためのいわば当然の前提となる必要な事項であるというふうに思っておりまして、陸上幕僚長の発言は、このような情報収集を行うに際して、近傍の投票所にも立ち寄って必要な情報交換を行うということもあり得るということを述べたものでございまして、その意味におきまして、情報収集のための回り歩くという行為は、いわば橋、道路の補修の前提条件として当然に要求される附帯業務といいましょうか、前提の事業として、実施計画、実施要領の予想するところであるというふうに理解しているところでございます。
 それから後段の、だれの指示かということでございますけれども、総理、官房長官からそういった——今私が申し上げましたのは、道路、橋の修理に伴って必要となる情報収集ということでございますけれども、同時にまた投票所に立ち寄るということは、投票所の人たちからも情報を得、かつまたこれらに対して情報を提供するという意味におきまして、選挙監視要員に対するいわば安心材料ということにも同時になるかと思います。そういう意味におきまして、総理、官房長官から、選挙監視要員に対してどのような支援ができるかということを検討せよという御指示がございましたのを受けまして、私どもがそういう形で、本来の業務に必要なものであり、かつ選挙監視要員のいわば安心材料といいますか、ひいては安全対策につながるというものを模索した結果として報告をして、了解を得ているということでございます。
この発言だけを見る →
串原義直#24
○串原委員 冗談じゃないよ。今の答弁は何だ。詭弁だよ。冗談じゃありません。何だ、その答弁は。そんな適当な答弁で委員会の審議になると思いますか。
 私は余り興奮をして怒りたくはないが、道路の改修や建設が業務であって、二号、三号線、タケオ地域の道路の状況がどうなっているか事前に調査をする必要がある、それはそのとおりでしょう。認めよう。そのついでに投票所もちょこちょこっと回って情報を収集する、それが安心剤になる、何だ、この答弁。そのときをごまかそうというような答弁はだめですよ。私は、こういう言い方は余りしたことはない、委員会審議の中で。冗談じゃない。
 それでは、きちっと答弁しろ。いいかい。陸上幕僚長は、どの程度の規模の偵察行為になるか明らかにしなかったが、百カ所ある選挙サイトを一日に一回は回る、複数の車両でチームをつくると言っているので、相当な規模、場合によっては施設大隊を挙げての巡回になるのではないか、こう判断する。幕僚長はちゃんとそういうふうに言っているのですよ。橋の巡回じゃないんだ、幕僚長がきのう記者会見した話は。いいかげんなことを言うな。明確にしろ。
この発言だけを見る →
畠山蕃#25
○畠山政府委員 幕僚長が言っておりますのも、これから雨季を迎えるに当たって、橋、道路の状況を調査する必要があるということもはっきり記者会見で述べておりまして、それと同時に、やはり一帯の治案情勢を把握するということもまた、道路、橋の工事を行うに当たっては必要なことであるということから、選挙監視要員のところにも赴いて情報も提供し、また情報を得るということが必要である、そういうための巡回をするということを言っているわけでございまして、私、先ほど答弁したことにおいて、陸幕長の発言と何ら異なるところはございませんで、そういう趣旨で陸幕長は申し上げたということを申し上げているわけでございます。
この発言だけを見る →
串原義直#26
○串原委員 それではいいかげんな答弁で、不愉快だ。つまりこれは、重大なところだから聞きますが、防衛庁長官、いいですか。幕僚長がきのう記者会見して言明をした、投票所を回る、大体百カ所、投票所を一日に一回は回る、場合によれば複数の車両チームをつくると言っているというのは誤りであり、そんなことはない、そんなこと全然考えていない。この辺についてはどうなっているのですか。つまり、監視要員がいるということもあるでございましょうけれども、投票所、大体百カ所あって一日一回回る、こういうことは全然考えていない、こういうことなんですか。
この発言だけを見る →
畠山蕃#27
○畠山政府委員 一日に一回、百カ所を全部回るというふうに記者会見で言ったとすれば、それは、なるべく多くのところから情報を得、多くのところに行きたいという趣旨を述べたものでございまして、別に、今具体的に一日一回全部の箇所を同時に回るということが計画されているということではございません。なるべく多くのところを巡回しながら情報を得、情報を提供したいという趣旨を述べたものでございます。
この発言だけを見る →
串原義直#28
○串原委員 そういう詭弁を弄しちゃいけませんよ、先ほど言っているように。投票所を回るということは、施設大隊の任務以外の問題になるわけですよ。
 防衛庁長官に聞きましょう。明確にお答えください。これはシビリアンコントロールに抵触しませんか。
この発言だけを見る →
中山太郎#29
○中山国務大臣 串原先生がかねてからカンボジアの和平達成、あるいは自衛隊員あるいはUNTAC要員の安全につきまして、熱心に御心配をいただいていることに敬意を表するわけでありますが、今回の幕僚長の記者会見での話、これは、総理もたびたび国会で御答弁申し上げておりますように、我が施設大隊に与えられたPKO法あるいはUNTACの指図、そういうものに抵触をしない範囲で、物心両面にわたってできるだけの安全対策を図る、そういうことが総理、官房長官を通じまして防衛庁の方に伝えられておりますし、私自身も、かねてからそのような同じような趣旨のことを隊員に指示をしております。そういうことで、その趣旨の中で、その厳しい規制に抵触しない範囲で自衛隊あるいはUNTAC要員の物心両面にわたる安全を保持するための一つの、現場の責任者としての考え方を述べたものであろうと思っております。
 巡回について御疑念があるようでございますけれども、いわゆるPKFの方で想定をされております巡回というのは、ある程度の武力を持って巡回をして、何か事件が起きたときには力で制圧をする、そういうことも含まれていたものと思いますが、今回のこういう偵察行為は、あくまでも状況を判断をする、いち早くいろいろな情報を得ることによって要員の安全を図るという趣旨でございます。私は、これはぎりぎりの判断であろうと思っているわけでございます。
 以上でございます。
この発言だけを見る →
← 戻る