地方分権及び規制緩和に関する特別委員会
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会
会議録情報#0
平成七年五月十日(水曜日)
午前九時三十分開会
—————————————
委員の異動
四月二十八日
辞任 補欠選任
鶴岡 洋君 釘宮 磐君
有働 正治君 吉川 春子君
五月一日
辞任 補欠選任
川橋 幸子君 峰崎 直樹君
五月九日
辞任 補欠選任
吉川 春子君 有働 正治君
五月十日
辞任 補欠選任
有働 正治君 吉川 春子君
—————————————
出席者は左のとおり。
委員長 小林 正君
理 事
斎藤 文夫君
服部三男雄君
山口 哲夫君
渡辺 四郎君
勝木 健司君
委 員
石井 道子君
上野 公成君
沓掛 哲男君
高木 正明君
野沢 太三君
溝手 顕正君
宮崎 秀樹君
吉村剛太郎君
今井 澄君
岩崎 昭弥君
佐藤 三吾君
竹村 泰子君
峰崎 直樹君
牛嶋 正君
釘宮 磐君
広中和歌子君
小島 慶三君
星川 保松君
有働 正治君
吉川 春子君
国務大臣
国 務 大 臣
(総務庁長官) 山口 鶴男君
自 治 大 臣 野中 広務君
政府委員
総務庁長官官房
審議官
兼内閣審議官 土屋 勲君
総務庁行政管理
局長 陶山 晧君
自治大臣官房総
務審議官 二橋 正弘君
自治省行政局長 吉田 弘正君
自治省行政局公
務員部長 鈴木 正明君
自治省財政局長 遠藤 安彦君
自治省税務局長 佐野 徹治君
事務局側
常任委員会専門
員 佐藤 勝君
説明員
大蔵省主税局税
制第三課長 竹内 洋君
厚生大臣官房政
策課長 江利川 毅君
労働省労働基準
局賃金時間部労
働時間課長 石川 透君
参考人
早稲田大学政治
経済学部教授 寄本 勝美君
地域活性化研究
所代表 川島 正英君
自治体問題研究
所常務理事 池上 洋通君
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本日の会議に付した案件
○地方分権推進法案(内閣提出、衆議院送付)
○派遣委員の報告
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この発言だけを見る →午前九時三十分開会
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委員の異動
四月二十八日
辞任 補欠選任
鶴岡 洋君 釘宮 磐君
有働 正治君 吉川 春子君
五月一日
辞任 補欠選任
川橋 幸子君 峰崎 直樹君
五月九日
辞任 補欠選任
吉川 春子君 有働 正治君
五月十日
辞任 補欠選任
有働 正治君 吉川 春子君
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出席者は左のとおり。
委員長 小林 正君
理 事
斎藤 文夫君
服部三男雄君
山口 哲夫君
渡辺 四郎君
勝木 健司君
委 員
石井 道子君
上野 公成君
沓掛 哲男君
高木 正明君
野沢 太三君
溝手 顕正君
宮崎 秀樹君
吉村剛太郎君
今井 澄君
岩崎 昭弥君
佐藤 三吾君
竹村 泰子君
峰崎 直樹君
牛嶋 正君
釘宮 磐君
広中和歌子君
小島 慶三君
星川 保松君
有働 正治君
吉川 春子君
国務大臣
国 務 大 臣
(総務庁長官) 山口 鶴男君
自 治 大 臣 野中 広務君
政府委員
総務庁長官官房
審議官
兼内閣審議官 土屋 勲君
総務庁行政管理
局長 陶山 晧君
自治大臣官房総
務審議官 二橋 正弘君
自治省行政局長 吉田 弘正君
自治省行政局公
務員部長 鈴木 正明君
自治省財政局長 遠藤 安彦君
自治省税務局長 佐野 徹治君
事務局側
常任委員会専門
員 佐藤 勝君
説明員
大蔵省主税局税
制第三課長 竹内 洋君
厚生大臣官房政
策課長 江利川 毅君
労働省労働基準
局賃金時間部労
働時間課長 石川 透君
参考人
早稲田大学政治
経済学部教授 寄本 勝美君
地域活性化研究
所代表 川島 正英君
自治体問題研究
所常務理事 池上 洋通君
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本日の会議に付した案件
○地方分権推進法案(内閣提出、衆議院送付)
○派遣委員の報告
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小
小林正#1
○委員長(小林正君) ただいまから地方分権及び規制緩和に関する特別委員会を開会いたします。
まず、委員の異動について御報告いたします。
去る二十八日、鶴岡洋君が委員を辞任され、その補欠として釘宮磐君が選任されました。
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この発言だけを見る →まず、委員の異動について御報告いたします。
去る二十八日、鶴岡洋君が委員を辞任され、その補欠として釘宮磐君が選任されました。
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小
小林正#2
○委員長(小林正君) 地方分権推進法案を議題といたします。
本日は、同案の審査のため、三名の参考人の方々から意見を聴取することといたします。
御出席いただいております参考人は、早稲田大学政治経済学部教授寄本勝美君、地域活性化研究所代表川島正英君及び自治体問題研究所常務理事池上洋通君、以上三名の方々でございます。
この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
本日は、御多忙中のところ本委員会に御出席をいただき、まことにありがとうございます。参考人の皆様から忌憚のない御意見をいただきまして、本委員会における審査の参考にさせていただきたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
それでは、議事の進め方について申し上げます。
まず、寄本参考人、川島参考人及び池上参考人の順序でお一人二十分程度の御意見をお述べいただき、その後二時間ほどの間、委員の質疑にお答えを願いたいと存じます。
なお、意見の陳述、質疑及び答弁とも、御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、まず寄本参考人に御意見をお述べいただきたいと存じます。寄本参考人。
この発言だけを見る →本日は、同案の審査のため、三名の参考人の方々から意見を聴取することといたします。
御出席いただいております参考人は、早稲田大学政治経済学部教授寄本勝美君、地域活性化研究所代表川島正英君及び自治体問題研究所常務理事池上洋通君、以上三名の方々でございます。
この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
本日は、御多忙中のところ本委員会に御出席をいただき、まことにありがとうございます。参考人の皆様から忌憚のない御意見をいただきまして、本委員会における審査の参考にさせていただきたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
それでは、議事の進め方について申し上げます。
まず、寄本参考人、川島参考人及び池上参考人の順序でお一人二十分程度の御意見をお述べいただき、その後二時間ほどの間、委員の質疑にお答えを願いたいと存じます。
なお、意見の陳述、質疑及び答弁とも、御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、まず寄本参考人に御意見をお述べいただきたいと存じます。寄本参考人。
寄
寄本勝美#3
○参考人(寄本勝美君) ただいま御紹介をいただきました寄本でございます。大学では地方自治を専攻いたしておりますが、本日は、地方分権推進法案について意見を述べる機会を与えていただいたことに心より感謝いたしております。
さて、地方分権の推進は、我が国の政治や行政の改革にとってはもちろんですけれども、文化ですとか経済などさまざまな分野におけるもろもろの活動を活性化し、あるいは充実発展させていく上で今や必須の課題になっており、それゆえに、私は地方分権推進法案が参議院で可決されますように強く願っております。
以下、法案の内容と今後の動きをめぐりまして私の意見を述べさせていただきます。
第一に、国と自治体との協力と役割分担についてであります。
法案の第二条によりますと、国と自治体は国民福祉の増進に向かって相互に協力する関係にあること、そのため、国と自治体が分担すべき役割を明確にすることと規定されております。国と自治体との協力とかパートナーシップの重要性はだれにとっても異論のないところですが、ただしその内容については二つの異なった意見があります。
その一は、国と自治体との協力については、現状における両者の関係が既に協力そのものになっているのではないか。したがって、事改めて両者の役割を明確に分けることを両者の協力の条件とする必要は必ずしもないのではないか。国庫補助事業ですとか機関委任事務にいたしましても、それぞれ国と自治体の機能が融合するもとで両者の協力が実現しているのではないかというものであります。
もう一つの意見は、国と自治体との協力すなわちパートナーシップは、両者の役割をできるだけはっきりと分離し、そうした分離に立った役割の明確化に基づいて相互に協力し合うものでなければならないというものであります。
私は二番目の意見をとるものであります。国と自治体との協力は、両者の役割をできるだけきちっと分けてその上での協力でないと、行政責任は国と自治体との間で常にあいまいですし、自治体の自主性、自立性も損なわれます。行政の簡素化や効率化にとっても支障になります。さらに、パートナーシップとは基本的には対等の関係にあるパートナーが互いに協力し合うことを指すのであって、自治体が国庫補助に過度に依存したり、国から不要なあるいは場合によっては不当な関与を受けている状況のもとでは、とても真の意味でのパートナーシップが築かれているとは言えません。その点法案は、国と自治体との間において役割を明確にすることと、そして両者の協力を進めることを一体的に考えており、高く評価できると思います。
第二に、それでは国と自治体の役割をどのように分けるのか、つまり役割分担の明確化をどのように行うかについてですが、法案の第四条は、国の役割とすべき範疇を限定するとともに、住民に身近な行政については自治体が自主的かつ総合的に実施すべき役割を広く担うべきであるとしています。このような役割分担の基本的考え方は、内容面での多少の相違こそあれ、最近の地方六団体・地方分権推進委員会の報告や第二十四次地方制度調査会の答申などでも提起されており、私も異論はありませんが、次の点に留意する必要があろうかと存じます。
すなわち、一つ一つの事務事業について、まず市町村がその政策主体及び実施主体となることができるのかできないのかという基準で見ていくこととし、市町村にとってできるものは市町村の事務とし、できないものは都道府県の事務とし、都道府県でもできないものは国の事務とします。この場合、できるかどうかは市町村ごとのあるいは都道府県ごとの行財政能力によってある程度異なってきますが、ここでは市町村レベルの行政区域、都道府県レベルの行政区域、そして全国レベルの行政区域という、専ら行政区域の違いだけで判断することにいたしたいと思います。
そこで、現状を見ますと、市町村あるいは都道府県でできることに関してまで国は随分と細々とした関与をしたり、あるいは補助金を出しております。できる事務事業に関しては政策の形成から実施に至る権限は市町村ないし都道府県のものとし、それに対する国の関与や財政的措置は、法案の第四条、第五条にありますように、全国的な統一やナショナルミニマムの実現に必要な範囲あるいは程度に限るべきであります。ただし、それぞれの事務についてのできるかどうかの判断は必ずしも容易ではなく、時代の変化によっても変化しがちであります。
ちなみに、清掃事業といいますか、ごみの収集処理を例にとりますと、この仕事は住民ないし地域社会にとって非常に身近なことから、昔から市町村の典型的な固有事務の一つに挙げられてまいりました。けれども、最近、御案内のように、ごみのリサイクルが大きな社会的関心事になってまいりますと、ごみの分別収集ですとか選別は今でも市町村レベルでできるものの、集められ選別されたごみの中の再生資源を企業が引き取り原材料として利用するよう義務づけるような政策に関しては、市町村レベルでできることは非常に限られ、都道府県レベル、ひいては国レベルの対応に期待せざるを得なくなってまいります。
つまり、住民の生活ないし地域社会にとって最も身近に見えるごみ処理事業ですらも、リサイクルという新たな社会的要請にこたえていくためには、法案第四条で規定されているような全国的な規模もしくは全国的な視野に立って行わなければならない施策及び事業の実施としての側面を急速に帯び始めているのです。
この例から私たちが理解すべきことは、かつてとは異なり今日では、ごみの収集処理や清掃行政は市町村の仕事といったような大きな分け方は適切ではなくなってまいります。分別収集は市町村の仕事でも、集められた後の再生資源のリサイクル政策は国の全国的機能に求めなければならないとするような役割分担を考えなければならなくなっているのであります。
今国会には容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律案が提案されていますが、それを見ますと、国は、容器包装廃棄物の分別収集やリサイクル事業の促進のための資金の確保、基準の設定、科学技術の振興や国民の理解を得るための教育・広報活動などの責務を新たに担うものとされています。けれども、分別収集や選別作業は市町村で依然できることであり、この容器包装法案でもそうみなされているわけですから、この面での市町村自治を守るとともに、新たに都道府県と国の役割とされる事業につきましても市町村サイドの自主性や選択の幅をできるだけ尊重される仕組みとすべきことは言うまでもありません。
以上のように見てまいりますと、国と自治体との役割分担を明確にする、明確に分けるということは、必ずしも自治体の役割を量的にふやすということではないのであります。
日本の自治体は、あたかもデパートがあらゆる商品を用意しておりますように実に多種多様にわたる仕事をしており、その量も世界の先進諸国と比べても屈指のものがあります。これからの問題は、量というよりも質だと思います。市町村、次いで都道府県にとってできる仕事は国とは分離して分権と自治を徹底することとし、できないこと、できがたいことについては国がそうした役割を積極的に果たしていくべきであり、その結果、国の役割が今よりも増大する分野ないし事業もあり得るわけであります。こう申しますと語弊があるかもしれませんが、国はこれまで自治体でできる事項に関してあれこれ関与をしたり補助金をつけたり、そして国しかできないことあるいは国がやるべきことにつきまして必ずしも熱心でなかったといったような点に問題があろうかと思うのであります。
さて、法案について申し上げたい第三の点は、機関委任事務についてです。
機関委任事務について法案では第五条で整理合理化をすることがうたわれており、この整理合理化には廃止することを含んでいると解されているように思われます。けれども、機関委任事務は国と自治体との協力をもたらす手段となっているとの考え方があり、また、たとえ廃止を原則とする場合でも、国政選挙の実施のように、その一部は今後も機関委任事務として残してもよいという主張があるように思われます。しかし私は、機関委任事務はこの際全廃すべきであり、国の事務の遂行に当たってどうしても自治体の実施にゆだねざるを得ないような事務につきましては、事務委託方式をとるなど別の形式をとればよいというふうに既に多くの識者から指摘されているのではないでしょうか。
機関委任事務制度というのは、機関委任事務に関しては自治体の長を国の機関とみなし国の指揮命令下に置くというものですから、国と自治体との間の権力的上下関係をつくり出すものであります。この制度が存続する限り、自治体の長は、一方では直接公選された住民の代表であり自治のリーダーでありながら、他方では国の機関でもあるという二つの帽子をかぶり続けることになるわけです。
今回の法案をめぐりましても、機関委任事務を一部存続するのはやむを得ないとする向きがあるようですが、どんなにわずかでも機関委任事務が残りこの制度が存続する限り、自治体の長は二つの帽子をかぶり続けることになるわけで、今回の地方分権の推進の意義や成果が大きく減退することになってしまいます。
なお、多くの機関委任事務については自治体の長も職員も実際には機関委任事務として意識しておらず、この点で他の自治事務や団体事務と比べてほとんど差異がないという指摘がありますが、それならばなおさらのこと機関委任事務を廃止してしまえばよいと思われます。他方、どうしても国による統制が必要な事項に関しては、何も機関委任事務という制度をとらずとも他の方法でそれを行うことができるはずであります。この際、長年議論されながら実現されないできたこの制度を廃止し、このたびの地方分権推進の成果を歴史に刻んでいただけますよう心から願う次第であります。
第四は、地方分権推進委員会についてです。
法案によりますと、本委員会は、地方分権推進法に沿って地方分権に関する基本的事項を調査審議すること、その結果に基づいて地方分権推進計画の作成のための具体的指針を内閣総理大臣に勧告すること、さらにこの地方分権推進計画に基づく施策の実施状況を監視し、必要な意見を総理大臣に述べることとされております。
このように地方分権推進委員会は、本法案が成立して実施に入るや、それ以降の動きについては、地方分権推進計画の作成に始まって、その実施をチェックし必要な意見を述べるという、まさに最初から最後までの動き全体にかかわる機能を持つことになり、今回の改革の成否が本委員会の活動にかかっていると言っても決して過言ではありません。それだけに、五年間という期間内に果たしてこれらの仕事を終えることができるのかどうか心配がないわけではありませんが、これについては委員会の頑張りと事務局体制の整備に期待しておきたいと思います。
他方、七名の委員には、自治体や国民の代表を加えることはもちろんのこと、委員会関連の情報の提供、公開あるいは公聴の採用、ひいては活動の透明性などの確保をお願いしておきたいと思います。
第五は、個々の自治体の改革についてであります。
法案では、地方分権の推進に合わせて、各自治体は行政運営の改善と充実、行政の簡素化、効率化、ひいては行政の公正の確保、透明性の向上並びに住民参加の充実を図ることが求められております。こうした課題はまず自治体サイドの姿勢と努力に求められることは言うまでもありませんが、こうした課題に取り組むためにこそ地方分権が必要となってくるわけであります。
さらに、現行の地方自治法などの関連法におきましても、こうした自治体の努力が多様な制度改革を実現することができるようにやがて改正されてよい時期になるのではないかと思われるわけであります。
第六に、これが最後でございますけれども、地方税財政についてでございます。
国と自治体との間の役割の明確化や国庫支出金の整理などに伴って、私は、現在の地方税と国税の配分割合を少なくとも五対五にすべく地方税を拡充し、自治体間の財政格差などの問題は地方交付税などの財政調整制度でもって補うべきだと考えます。
なお、地方交付税あるいは地方債については、地方分権推進の観点から見まして改善されるべき問題があり、それに対する地方分権推進委員会の活動に期待いたしたいと思っております。
以上、御清聴まことにありがとうございました。
この発言だけを見る →さて、地方分権の推進は、我が国の政治や行政の改革にとってはもちろんですけれども、文化ですとか経済などさまざまな分野におけるもろもろの活動を活性化し、あるいは充実発展させていく上で今や必須の課題になっており、それゆえに、私は地方分権推進法案が参議院で可決されますように強く願っております。
以下、法案の内容と今後の動きをめぐりまして私の意見を述べさせていただきます。
第一に、国と自治体との協力と役割分担についてであります。
法案の第二条によりますと、国と自治体は国民福祉の増進に向かって相互に協力する関係にあること、そのため、国と自治体が分担すべき役割を明確にすることと規定されております。国と自治体との協力とかパートナーシップの重要性はだれにとっても異論のないところですが、ただしその内容については二つの異なった意見があります。
その一は、国と自治体との協力については、現状における両者の関係が既に協力そのものになっているのではないか。したがって、事改めて両者の役割を明確に分けることを両者の協力の条件とする必要は必ずしもないのではないか。国庫補助事業ですとか機関委任事務にいたしましても、それぞれ国と自治体の機能が融合するもとで両者の協力が実現しているのではないかというものであります。
もう一つの意見は、国と自治体との協力すなわちパートナーシップは、両者の役割をできるだけはっきりと分離し、そうした分離に立った役割の明確化に基づいて相互に協力し合うものでなければならないというものであります。
私は二番目の意見をとるものであります。国と自治体との協力は、両者の役割をできるだけきちっと分けてその上での協力でないと、行政責任は国と自治体との間で常にあいまいですし、自治体の自主性、自立性も損なわれます。行政の簡素化や効率化にとっても支障になります。さらに、パートナーシップとは基本的には対等の関係にあるパートナーが互いに協力し合うことを指すのであって、自治体が国庫補助に過度に依存したり、国から不要なあるいは場合によっては不当な関与を受けている状況のもとでは、とても真の意味でのパートナーシップが築かれているとは言えません。その点法案は、国と自治体との間において役割を明確にすることと、そして両者の協力を進めることを一体的に考えており、高く評価できると思います。
第二に、それでは国と自治体の役割をどのように分けるのか、つまり役割分担の明確化をどのように行うかについてですが、法案の第四条は、国の役割とすべき範疇を限定するとともに、住民に身近な行政については自治体が自主的かつ総合的に実施すべき役割を広く担うべきであるとしています。このような役割分担の基本的考え方は、内容面での多少の相違こそあれ、最近の地方六団体・地方分権推進委員会の報告や第二十四次地方制度調査会の答申などでも提起されており、私も異論はありませんが、次の点に留意する必要があろうかと存じます。
すなわち、一つ一つの事務事業について、まず市町村がその政策主体及び実施主体となることができるのかできないのかという基準で見ていくこととし、市町村にとってできるものは市町村の事務とし、できないものは都道府県の事務とし、都道府県でもできないものは国の事務とします。この場合、できるかどうかは市町村ごとのあるいは都道府県ごとの行財政能力によってある程度異なってきますが、ここでは市町村レベルの行政区域、都道府県レベルの行政区域、そして全国レベルの行政区域という、専ら行政区域の違いだけで判断することにいたしたいと思います。
そこで、現状を見ますと、市町村あるいは都道府県でできることに関してまで国は随分と細々とした関与をしたり、あるいは補助金を出しております。できる事務事業に関しては政策の形成から実施に至る権限は市町村ないし都道府県のものとし、それに対する国の関与や財政的措置は、法案の第四条、第五条にありますように、全国的な統一やナショナルミニマムの実現に必要な範囲あるいは程度に限るべきであります。ただし、それぞれの事務についてのできるかどうかの判断は必ずしも容易ではなく、時代の変化によっても変化しがちであります。
ちなみに、清掃事業といいますか、ごみの収集処理を例にとりますと、この仕事は住民ないし地域社会にとって非常に身近なことから、昔から市町村の典型的な固有事務の一つに挙げられてまいりました。けれども、最近、御案内のように、ごみのリサイクルが大きな社会的関心事になってまいりますと、ごみの分別収集ですとか選別は今でも市町村レベルでできるものの、集められ選別されたごみの中の再生資源を企業が引き取り原材料として利用するよう義務づけるような政策に関しては、市町村レベルでできることは非常に限られ、都道府県レベル、ひいては国レベルの対応に期待せざるを得なくなってまいります。
つまり、住民の生活ないし地域社会にとって最も身近に見えるごみ処理事業ですらも、リサイクルという新たな社会的要請にこたえていくためには、法案第四条で規定されているような全国的な規模もしくは全国的な視野に立って行わなければならない施策及び事業の実施としての側面を急速に帯び始めているのです。
この例から私たちが理解すべきことは、かつてとは異なり今日では、ごみの収集処理や清掃行政は市町村の仕事といったような大きな分け方は適切ではなくなってまいります。分別収集は市町村の仕事でも、集められた後の再生資源のリサイクル政策は国の全国的機能に求めなければならないとするような役割分担を考えなければならなくなっているのであります。
今国会には容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律案が提案されていますが、それを見ますと、国は、容器包装廃棄物の分別収集やリサイクル事業の促進のための資金の確保、基準の設定、科学技術の振興や国民の理解を得るための教育・広報活動などの責務を新たに担うものとされています。けれども、分別収集や選別作業は市町村で依然できることであり、この容器包装法案でもそうみなされているわけですから、この面での市町村自治を守るとともに、新たに都道府県と国の役割とされる事業につきましても市町村サイドの自主性や選択の幅をできるだけ尊重される仕組みとすべきことは言うまでもありません。
以上のように見てまいりますと、国と自治体との役割分担を明確にする、明確に分けるということは、必ずしも自治体の役割を量的にふやすということではないのであります。
日本の自治体は、あたかもデパートがあらゆる商品を用意しておりますように実に多種多様にわたる仕事をしており、その量も世界の先進諸国と比べても屈指のものがあります。これからの問題は、量というよりも質だと思います。市町村、次いで都道府県にとってできる仕事は国とは分離して分権と自治を徹底することとし、できないこと、できがたいことについては国がそうした役割を積極的に果たしていくべきであり、その結果、国の役割が今よりも増大する分野ないし事業もあり得るわけであります。こう申しますと語弊があるかもしれませんが、国はこれまで自治体でできる事項に関してあれこれ関与をしたり補助金をつけたり、そして国しかできないことあるいは国がやるべきことにつきまして必ずしも熱心でなかったといったような点に問題があろうかと思うのであります。
さて、法案について申し上げたい第三の点は、機関委任事務についてです。
機関委任事務について法案では第五条で整理合理化をすることがうたわれており、この整理合理化には廃止することを含んでいると解されているように思われます。けれども、機関委任事務は国と自治体との協力をもたらす手段となっているとの考え方があり、また、たとえ廃止を原則とする場合でも、国政選挙の実施のように、その一部は今後も機関委任事務として残してもよいという主張があるように思われます。しかし私は、機関委任事務はこの際全廃すべきであり、国の事務の遂行に当たってどうしても自治体の実施にゆだねざるを得ないような事務につきましては、事務委託方式をとるなど別の形式をとればよいというふうに既に多くの識者から指摘されているのではないでしょうか。
機関委任事務制度というのは、機関委任事務に関しては自治体の長を国の機関とみなし国の指揮命令下に置くというものですから、国と自治体との間の権力的上下関係をつくり出すものであります。この制度が存続する限り、自治体の長は、一方では直接公選された住民の代表であり自治のリーダーでありながら、他方では国の機関でもあるという二つの帽子をかぶり続けることになるわけです。
今回の法案をめぐりましても、機関委任事務を一部存続するのはやむを得ないとする向きがあるようですが、どんなにわずかでも機関委任事務が残りこの制度が存続する限り、自治体の長は二つの帽子をかぶり続けることになるわけで、今回の地方分権の推進の意義や成果が大きく減退することになってしまいます。
なお、多くの機関委任事務については自治体の長も職員も実際には機関委任事務として意識しておらず、この点で他の自治事務や団体事務と比べてほとんど差異がないという指摘がありますが、それならばなおさらのこと機関委任事務を廃止してしまえばよいと思われます。他方、どうしても国による統制が必要な事項に関しては、何も機関委任事務という制度をとらずとも他の方法でそれを行うことができるはずであります。この際、長年議論されながら実現されないできたこの制度を廃止し、このたびの地方分権推進の成果を歴史に刻んでいただけますよう心から願う次第であります。
第四は、地方分権推進委員会についてです。
法案によりますと、本委員会は、地方分権推進法に沿って地方分権に関する基本的事項を調査審議すること、その結果に基づいて地方分権推進計画の作成のための具体的指針を内閣総理大臣に勧告すること、さらにこの地方分権推進計画に基づく施策の実施状況を監視し、必要な意見を総理大臣に述べることとされております。
このように地方分権推進委員会は、本法案が成立して実施に入るや、それ以降の動きについては、地方分権推進計画の作成に始まって、その実施をチェックし必要な意見を述べるという、まさに最初から最後までの動き全体にかかわる機能を持つことになり、今回の改革の成否が本委員会の活動にかかっていると言っても決して過言ではありません。それだけに、五年間という期間内に果たしてこれらの仕事を終えることができるのかどうか心配がないわけではありませんが、これについては委員会の頑張りと事務局体制の整備に期待しておきたいと思います。
他方、七名の委員には、自治体や国民の代表を加えることはもちろんのこと、委員会関連の情報の提供、公開あるいは公聴の採用、ひいては活動の透明性などの確保をお願いしておきたいと思います。
第五は、個々の自治体の改革についてであります。
法案では、地方分権の推進に合わせて、各自治体は行政運営の改善と充実、行政の簡素化、効率化、ひいては行政の公正の確保、透明性の向上並びに住民参加の充実を図ることが求められております。こうした課題はまず自治体サイドの姿勢と努力に求められることは言うまでもありませんが、こうした課題に取り組むためにこそ地方分権が必要となってくるわけであります。
さらに、現行の地方自治法などの関連法におきましても、こうした自治体の努力が多様な制度改革を実現することができるようにやがて改正されてよい時期になるのではないかと思われるわけであります。
第六に、これが最後でございますけれども、地方税財政についてでございます。
国と自治体との間の役割の明確化や国庫支出金の整理などに伴って、私は、現在の地方税と国税の配分割合を少なくとも五対五にすべく地方税を拡充し、自治体間の財政格差などの問題は地方交付税などの財政調整制度でもって補うべきだと考えます。
なお、地方交付税あるいは地方債については、地方分権推進の観点から見まして改善されるべき問題があり、それに対する地方分権推進委員会の活動に期待いたしたいと思っております。
以上、御清聴まことにありがとうございました。
小
川
川島正英#5
○参考人(川島正英君) 御紹介いただきました地域活性化研究所の川島でございます。
まず最初に、この地方分権推進法について参議院の審議の場で発言の機会をいただいたことに感謝いたしたいと思います。
と申し上げますのも、私は、この地方分権推進法の法制化の過程において幾つかの場で私の意見を述べる機会を得てまいりました。一つは、地方六団体が設けました地方分権推進委員会、高原須美子さんを委員長にした委員会がございますが、ここで内閣に対する意見書を出す、そういう場に参加させていただきました。また、第二十四次の地方制度調査会でもその答申を出すに当たって委員の一人としていろんなことを述べてまいりまして、さらに民間政治臨調、これは政治改革推進協議会で、亀井正夫さんを会長にいたしました会でございますが、ここで一昨年「分権革命」というような表現でその委員会の意見をまとめるに当たって主査という立場で参画させていただきましたし、さらにはこの二月、現在審議されております地方分権推進法に対する緊急提言というふうな形でも意見を述べる、そういう場に参画させていただいて、この地方分権推進法というものについては、後でまた申し上げますが、非常に格別の思い入れを持っているわけでございます。そういう意味で、国会審議の最終場面と考えていいと思いますけれども、そこで意見を述べさせていただくということについて非常に感謝申し上げたいと思います。
私なりに論点を三つばかり整理して申し上げさせていただきます。
第一は、この地方分権推進法の今日的な意義でございます。それから第二点は、この法案の内容について私なりの考え方を申し述べさせていただきたい。第三点は、この分権推進法が成立した後の課題といいますか、そういった点についても今から考えておくべきではないかという点でございまして、この三つについて述べさせていただきたいと思います。
まず、地方分権推進法の法制化の今日的な意義ということでありますが、これはまずもって、地方政治、地方行政の歴史の中で極めて画期的なものであるという点について、私はそれを評価することでは人後に落ちないというような点を強調させていただきたいと思います。
地方分権推進法の意義については、法案づくりの過程で、先ほど申し上げました地方六団体の委員会とかあるいは地方制度調査会、さらには政府の中に設けられました地方分権部会とか、あらゆる場でいろんな形でその意義というものが語られてきております。地域づくりとか、あるいは町おこし、村おこし、そういったものにとって今や分権というものが全く欠かせない条件であるというようなことを初め、あるいは東京一極集中を多極分散型の国土づくりに変えていく、そういった意味でもこの分権というものの意味合いというものが非常に強調されているところであり、さらには国の省庁の枠組みというものを外向きに、世界の政治経済情勢の中で外向きに変えていくためにも、やはり内政については地方自治体に任せるということが必要である、国家的な命題としても必要であるということは、これはもういろんな形で言われてきておりまして余りここで申し上げる必要はないかと思います。
さらに、この国会審議が始まった後も、阪神大震災とかあるいはオウム真理教の問題とか、そういう中で地方自治体にとっても危機管理というものが改めて中央政府との関係で非常にその役割なり機能が問い直されているというようなことがあります。
さらには、第十三回の統一地方選挙の結果も、私たちジャーナリストの立場で言えば、これはやっぱり国民、有権者が三つのノーというような形で結果をああいう形で出したのではないかというふうに考えておりまして、一つは、これは皆様方に申しわけないんですが、政党ノーということであって、ただこれは新聞、雑誌などでも非常にそこの点だけが強調され過ぎているようですけれども、私は、今回の統一地方選挙の結果は、その政党ノーに加えて官僚ノーであり中央ノーであったのではないかというような見方をいたしておりまして、そういういろんな要素からいっても地方分権というものが非常に緊急の課題である、これをどうしても実現しなきゃいかぬという、そういう重要性というものがますます高まっているというふうに、ごく今日の問題をそういうふうにとらえながらこの問題を見詰めているわけです。
私は、今ジャーナリストと申し上げましたが、二年前まで朝日新聞に勤務しておりまして、政治部記者、あるいは論説委員、編集委員といたしまして、この地方分権の問題にオーバーに言えば三十数年ずっと取り組んできたといいますか、見詰めてまいったつもりでございます。
美濃部知事が東京都政で、例えば地方の政府というような言葉を初めて公の場で使って話題になりましたけれども、そのときには私は東京都庁のクラブにおりました。それからさらには論説委員として最初に書いた社説が、神奈川県の長洲知事の地方の時代という、こういうものを取り上げて書いた者でありますし、さらには編集委員として、竹下政権のふるさと創生政策というものを、政権が崩壊する直前に至っても私は一面の記事の中でこのふるさと創生政策というものを非常に積極的に評価して書いてきたという思いが残っております。
地方自治体が環境とかあるいは福祉とか情報公開とかそういったことで先導的な役割を果たしてきた、そういうものをずっと眺めながら、一方で地方分権というものがたびたび論議されながら、さらには押し戻されて、寄せては返すといいますか、繰り返し繰り返し勢いを得あるいはまた押し戻されるというような、そういう流れをずっと見詰めてまいったわけでして、今、地方分権推進という私がずっと書き続け論じ続けてきたものがこの推進法というような形でここに至ったということに対しては、非常に感無量というような気持ちを持っておりまして、そういった意味で、この地方分権推進法というものが現在最終過程にあって成立目前にあるということに対して非常に感動を覚えているということを最初に申し上げさせていただきたいと思います。
それから第二の論点でございますが、これは地方分権推進法の中身、内容についてでございます。
これをどう見るかということについては、これはもう衆議院、参議院を通じましていろんな形で、法案そのものが簡潔であるということもあって、中身については多方面に論じ尽くされております。今また寄本教授から六点にわたって非常に詳細にお話がありまして、その大部分の点で私は寄本先生と同じ考えに立ちたいと思います。したがって、この中身については、私なりに、民間政治臨調の二回の提言の中からさらに強調しておきたいという点だけを申し上げさせていただきたいと思います。
一つは、国と地方の役割の明確化といいますか、これは寄本先生もお話しになりましたけれども、その点について地方六団体は、十六項目に限定して国の仕事を列挙すべしということでありましたし、地方制度調査会も、三つのカテゴリー別ではありますけれども、国の役割を極めて限定的にとらえようという考え方でありました。民間政治臨調もその意味では全く同じ考え方でありまして、この役割の明確化というものが非常に重要な意味合いを持っているということを第一に申し上げたいと思います。
そして、もう一つそれに絡めて非常に象徴的なのは、機関委任事務の廃止、そして許認可の廃止あるいは必置規制の廃止、こういった点を民間政治臨調としてはたびたび強調してきておりまして、そのほか国の出先機関の廃止とかあるいは補助金の原則廃止といったようなことを取り上げてきておりますけれども、こういった点を今回の法律の中で具体的に書き込むということは非常に難しいということについては重々承知しておるわけでございますが、さらに最後の審議の中で、こういった方向を具体的にしていくという点で一層の審議の充実をお願いしたいということでございます。
さらにもう一つは、民間政治臨調として強調してきたのは時限立法という性格でありまして、五年で失効するという点については、むしろこれを非常に強い一つの意思表示として五年間でやり遂げるんだというためにわざわざ五年という期限を設けたんだという説明が一方でありますけれども、一方で、この五年間、非常になし崩し的にずるずるとなっていってそれで消えてしまうというような点についての心配、不安というような考え方がありまして、そういった点でこの五年の時限立法ということについて疑問が出ている以上、ここはもう一度考え直していただく余地はないだろうかということはつけ加えておきたいと思います。
この地方分権推進法についていろんな、もちろん政党の皆さん方それぞれの立場から、あるいは政党の中でもいろんな温度差があるというようなことを聞いておりますし、そういう中で新しい合意を得ることが非常に難しいということは私も承知しているつもりですけれども、さらに一層の内容的な充実という点についてむしろ国会での合意というものをお願いしておきたいというふうに考えております。
それで、最後の論点は、この地方分権推進法が成立した後の課題という点について、これについてもやはり国会でもう一度思いを新たにしておいていただきたい点があるのではないかというふうに考えます。
その一つ目は、都道府県と市町村の政府間関係をどうするかという点であります。今度の地方分権推進法がこういう形で今日成立目前のところまで至っているその非常に大きな一つの要素として、いわば中央と地方の政府間関係の中で都道府県と市町村の関係をどうするかという点については棚上げにしてきた、凍結にしてきたという点が非常に大きいのではないか。つまり、中央政府と地方政府との間の垂直的な分権という点に中心を置いて、地方政府の中の都道府県と市町村の関係というものについては後に譲ったと。
むしろ、これまでこの分権の問題では絶えず受け皿論議というものが言われてまいりまして、中央省庁としては地方分権をするにはやぶさかではないけれども、そのためには府県、市町村の力というものを強化してからでなければだめなのではないかというようなことで、都道府県については連邦制とかあるいは道州制といったような機能強化論というのが絶えずつきまとってきましたし、市町村についても大規模な町村合併というものが前提になければならないのではないかと。これは私たち民間政治臨調の中でもそういう意見がかなり強いわけでありまして、そういった受け皿論議というものが絶えずつきまとっていたわけでありますが、ここを、現行の二層制自治というものは大前提にして、とりあえず地方は一くくりにして中央と地方の関係を考える、そこに今回の分権推進法が飛躍的に展開してきた一つの大きな要因があったと思います。
ただし、これが成立した後、この府県と市町村の関係をいかに考えていくかということは非常に大きな問題でありまして、特に府県と市町村の、私は水平的な間隔というふうに、水平的な移譲関係というふうにとらえているわけですけれども、府県と市町村の間で補完あるいは支援体制というものがきちんとつくられなければ、この分権というものが実現するということもおぼつかないであろうということを一つ考えておきたいと思います。
二つ目は地方議会の問題でございまして、地方議会、地方選挙についてこれまでの分権論議ではまさにアンタッチャブルな領域でありました。今回の地方分権推進法、ここまでに至るまでもこの地方議会についてはなかなか触れられずに、本格的な論が高まらないまま今日に至っているわけですけれども、国の後見的な役割というものが分権を進める中で消えていくということになりますと、これはむしろ都道府県内あるいは市町村内におけるみずからのチェックというものが非常に重要な意味合いを持ってくるわけでありまして、地方議会の役割、機能というものが比較にならないほど大きなものになってくるのではないか。
そういう中で地方議会あるいは地方選挙について、地方の行政が分権的になるのであれば、地方議会、地方選挙についても画一的じゃなくて非常に多様なあり方があってもいいのではないか。地域ごと、市町村ごとあるいは府県ごとに議会のあり方、選挙のあり方を選択できる、法律によってじゃなくて条例でみずからの議会のあり方、選挙のあり方を選択していく、そういうことが必要になってくるのではないかということを、これは民間政治臨調の最初の「分権革命」という提言の中でも非常に強調して触れている点でありますけれども、そういった点について、やはり画一的な法律というもので地方議会、地方選挙を縛っている現状について、これは国会でも改めて考えていただく側面があるのではないかというふうに思います。
三つ目は、中央省庁の再編成と国家公務員の再配置というものをどう考えていくかという点が非常に大きな課題として残されておりまして、これはまさに、これまで地方六団体にいたしましてもあるいは地方制度調査会にいたしましても地方制度を論じるということであって、これまた中央省庁についての再編成あるいは国家公務員の再配置について触れるということについては非常にためらいを持っていたというふうに受けとめておりますが、これもまたむしろタブー視されてきた点ではないかと思います。
しかし、この地方分権というものを進めていく上で、中央省庁の役割、機能というものがむしろ相対的に非常に縮小化されていくのではないか。国家公務員というものがどういう立場でどういうところに再配置されるかといったような点は、これはまさにこの分権推進法が成立した後の展開としては最も重要な課題となってくるのではないだろうかというふうに考えます。しかも、この中央省庁あるいは国家公務員をいかに考えていくかという点については、内閣府では全くその成果を期待できないわけでありまして、ここで非常にこれまた国会の皆さん方の御努力に期待する以外にはないのかなと思っております。
私は、ことし一九九五年を地方分権元年というような言葉で表現してまいっているわけですけれども、先ほど申し上げましたように、いろんな形でことしは地方分権についての動きが高まっていくわけですし、何よりも地方分権推進法というものが成立して、地方分権推進委員会というものが大変な役割を担ってスタートする。しかし、これも第一歩にすぎない。まさに元年でありまして、この幾つかの課題をこなしていかなければならない。
しかもそこには、先ほど申し上げましたように、国会の役割というものが非常に期待されているというようなことを感じるわけでありまして、特に、先ほどは申し上げませんでしたけれども、政治改革というようなものがやはり地方分権の意義として非常に大きなものがありまして、衆議院で小選挙区制が実施されるということになれば、分権が実現しない限りその利権誘導政治というものがもっともっと一層激化していくであろうというようなことが言われております。
こういった面で、これは参議院の問題ではございませんけれども、小選挙区制の実施というようなことから、国会としてこの分権というものをやはりもう待ったなしという形で進めざるを得ないというところに至っているのではないかという気がいたします。
いろいろと国会の役割について口幅ったいことを申し上げましたが、まさにこの地方分権推進法というのが平成五年六月の衆参両院の国会決議から非常に一つの形をとって事ここに至ったということもありますし、この地方分権推進法そのものをむしろ議員立法にしていただきたいというような声が国民の間から起こっていたことも非常に象徴的だと思います。非常に国会に対して期待を持っているということを一ジャーナリストとしてつけ加えさせていただきまして、私の話を終わらせていただきます。
どうもありがとうございました。
この発言だけを見る →まず最初に、この地方分権推進法について参議院の審議の場で発言の機会をいただいたことに感謝いたしたいと思います。
と申し上げますのも、私は、この地方分権推進法の法制化の過程において幾つかの場で私の意見を述べる機会を得てまいりました。一つは、地方六団体が設けました地方分権推進委員会、高原須美子さんを委員長にした委員会がございますが、ここで内閣に対する意見書を出す、そういう場に参加させていただきました。また、第二十四次の地方制度調査会でもその答申を出すに当たって委員の一人としていろんなことを述べてまいりまして、さらに民間政治臨調、これは政治改革推進協議会で、亀井正夫さんを会長にいたしました会でございますが、ここで一昨年「分権革命」というような表現でその委員会の意見をまとめるに当たって主査という立場で参画させていただきましたし、さらにはこの二月、現在審議されております地方分権推進法に対する緊急提言というふうな形でも意見を述べる、そういう場に参画させていただいて、この地方分権推進法というものについては、後でまた申し上げますが、非常に格別の思い入れを持っているわけでございます。そういう意味で、国会審議の最終場面と考えていいと思いますけれども、そこで意見を述べさせていただくということについて非常に感謝申し上げたいと思います。
私なりに論点を三つばかり整理して申し上げさせていただきます。
第一は、この地方分権推進法の今日的な意義でございます。それから第二点は、この法案の内容について私なりの考え方を申し述べさせていただきたい。第三点は、この分権推進法が成立した後の課題といいますか、そういった点についても今から考えておくべきではないかという点でございまして、この三つについて述べさせていただきたいと思います。
まず、地方分権推進法の法制化の今日的な意義ということでありますが、これはまずもって、地方政治、地方行政の歴史の中で極めて画期的なものであるという点について、私はそれを評価することでは人後に落ちないというような点を強調させていただきたいと思います。
地方分権推進法の意義については、法案づくりの過程で、先ほど申し上げました地方六団体の委員会とかあるいは地方制度調査会、さらには政府の中に設けられました地方分権部会とか、あらゆる場でいろんな形でその意義というものが語られてきております。地域づくりとか、あるいは町おこし、村おこし、そういったものにとって今や分権というものが全く欠かせない条件であるというようなことを初め、あるいは東京一極集中を多極分散型の国土づくりに変えていく、そういった意味でもこの分権というものの意味合いというものが非常に強調されているところであり、さらには国の省庁の枠組みというものを外向きに、世界の政治経済情勢の中で外向きに変えていくためにも、やはり内政については地方自治体に任せるということが必要である、国家的な命題としても必要であるということは、これはもういろんな形で言われてきておりまして余りここで申し上げる必要はないかと思います。
さらに、この国会審議が始まった後も、阪神大震災とかあるいはオウム真理教の問題とか、そういう中で地方自治体にとっても危機管理というものが改めて中央政府との関係で非常にその役割なり機能が問い直されているというようなことがあります。
さらには、第十三回の統一地方選挙の結果も、私たちジャーナリストの立場で言えば、これはやっぱり国民、有権者が三つのノーというような形で結果をああいう形で出したのではないかというふうに考えておりまして、一つは、これは皆様方に申しわけないんですが、政党ノーということであって、ただこれは新聞、雑誌などでも非常にそこの点だけが強調され過ぎているようですけれども、私は、今回の統一地方選挙の結果は、その政党ノーに加えて官僚ノーであり中央ノーであったのではないかというような見方をいたしておりまして、そういういろんな要素からいっても地方分権というものが非常に緊急の課題である、これをどうしても実現しなきゃいかぬという、そういう重要性というものがますます高まっているというふうに、ごく今日の問題をそういうふうにとらえながらこの問題を見詰めているわけです。
私は、今ジャーナリストと申し上げましたが、二年前まで朝日新聞に勤務しておりまして、政治部記者、あるいは論説委員、編集委員といたしまして、この地方分権の問題にオーバーに言えば三十数年ずっと取り組んできたといいますか、見詰めてまいったつもりでございます。
美濃部知事が東京都政で、例えば地方の政府というような言葉を初めて公の場で使って話題になりましたけれども、そのときには私は東京都庁のクラブにおりました。それからさらには論説委員として最初に書いた社説が、神奈川県の長洲知事の地方の時代という、こういうものを取り上げて書いた者でありますし、さらには編集委員として、竹下政権のふるさと創生政策というものを、政権が崩壊する直前に至っても私は一面の記事の中でこのふるさと創生政策というものを非常に積極的に評価して書いてきたという思いが残っております。
地方自治体が環境とかあるいは福祉とか情報公開とかそういったことで先導的な役割を果たしてきた、そういうものをずっと眺めながら、一方で地方分権というものがたびたび論議されながら、さらには押し戻されて、寄せては返すといいますか、繰り返し繰り返し勢いを得あるいはまた押し戻されるというような、そういう流れをずっと見詰めてまいったわけでして、今、地方分権推進という私がずっと書き続け論じ続けてきたものがこの推進法というような形でここに至ったということに対しては、非常に感無量というような気持ちを持っておりまして、そういった意味で、この地方分権推進法というものが現在最終過程にあって成立目前にあるということに対して非常に感動を覚えているということを最初に申し上げさせていただきたいと思います。
それから第二の論点でございますが、これは地方分権推進法の中身、内容についてでございます。
これをどう見るかということについては、これはもう衆議院、参議院を通じましていろんな形で、法案そのものが簡潔であるということもあって、中身については多方面に論じ尽くされております。今また寄本教授から六点にわたって非常に詳細にお話がありまして、その大部分の点で私は寄本先生と同じ考えに立ちたいと思います。したがって、この中身については、私なりに、民間政治臨調の二回の提言の中からさらに強調しておきたいという点だけを申し上げさせていただきたいと思います。
一つは、国と地方の役割の明確化といいますか、これは寄本先生もお話しになりましたけれども、その点について地方六団体は、十六項目に限定して国の仕事を列挙すべしということでありましたし、地方制度調査会も、三つのカテゴリー別ではありますけれども、国の役割を極めて限定的にとらえようという考え方でありました。民間政治臨調もその意味では全く同じ考え方でありまして、この役割の明確化というものが非常に重要な意味合いを持っているということを第一に申し上げたいと思います。
そして、もう一つそれに絡めて非常に象徴的なのは、機関委任事務の廃止、そして許認可の廃止あるいは必置規制の廃止、こういった点を民間政治臨調としてはたびたび強調してきておりまして、そのほか国の出先機関の廃止とかあるいは補助金の原則廃止といったようなことを取り上げてきておりますけれども、こういった点を今回の法律の中で具体的に書き込むということは非常に難しいということについては重々承知しておるわけでございますが、さらに最後の審議の中で、こういった方向を具体的にしていくという点で一層の審議の充実をお願いしたいということでございます。
さらにもう一つは、民間政治臨調として強調してきたのは時限立法という性格でありまして、五年で失効するという点については、むしろこれを非常に強い一つの意思表示として五年間でやり遂げるんだというためにわざわざ五年という期限を設けたんだという説明が一方でありますけれども、一方で、この五年間、非常になし崩し的にずるずるとなっていってそれで消えてしまうというような点についての心配、不安というような考え方がありまして、そういった点でこの五年の時限立法ということについて疑問が出ている以上、ここはもう一度考え直していただく余地はないだろうかということはつけ加えておきたいと思います。
この地方分権推進法についていろんな、もちろん政党の皆さん方それぞれの立場から、あるいは政党の中でもいろんな温度差があるというようなことを聞いておりますし、そういう中で新しい合意を得ることが非常に難しいということは私も承知しているつもりですけれども、さらに一層の内容的な充実という点についてむしろ国会での合意というものをお願いしておきたいというふうに考えております。
それで、最後の論点は、この地方分権推進法が成立した後の課題という点について、これについてもやはり国会でもう一度思いを新たにしておいていただきたい点があるのではないかというふうに考えます。
その一つ目は、都道府県と市町村の政府間関係をどうするかという点であります。今度の地方分権推進法がこういう形で今日成立目前のところまで至っているその非常に大きな一つの要素として、いわば中央と地方の政府間関係の中で都道府県と市町村の関係をどうするかという点については棚上げにしてきた、凍結にしてきたという点が非常に大きいのではないか。つまり、中央政府と地方政府との間の垂直的な分権という点に中心を置いて、地方政府の中の都道府県と市町村の関係というものについては後に譲ったと。
むしろ、これまでこの分権の問題では絶えず受け皿論議というものが言われてまいりまして、中央省庁としては地方分権をするにはやぶさかではないけれども、そのためには府県、市町村の力というものを強化してからでなければだめなのではないかというようなことで、都道府県については連邦制とかあるいは道州制といったような機能強化論というのが絶えずつきまとってきましたし、市町村についても大規模な町村合併というものが前提になければならないのではないかと。これは私たち民間政治臨調の中でもそういう意見がかなり強いわけでありまして、そういった受け皿論議というものが絶えずつきまとっていたわけでありますが、ここを、現行の二層制自治というものは大前提にして、とりあえず地方は一くくりにして中央と地方の関係を考える、そこに今回の分権推進法が飛躍的に展開してきた一つの大きな要因があったと思います。
ただし、これが成立した後、この府県と市町村の関係をいかに考えていくかということは非常に大きな問題でありまして、特に府県と市町村の、私は水平的な間隔というふうに、水平的な移譲関係というふうにとらえているわけですけれども、府県と市町村の間で補完あるいは支援体制というものがきちんとつくられなければ、この分権というものが実現するということもおぼつかないであろうということを一つ考えておきたいと思います。
二つ目は地方議会の問題でございまして、地方議会、地方選挙についてこれまでの分権論議ではまさにアンタッチャブルな領域でありました。今回の地方分権推進法、ここまでに至るまでもこの地方議会についてはなかなか触れられずに、本格的な論が高まらないまま今日に至っているわけですけれども、国の後見的な役割というものが分権を進める中で消えていくということになりますと、これはむしろ都道府県内あるいは市町村内におけるみずからのチェックというものが非常に重要な意味合いを持ってくるわけでありまして、地方議会の役割、機能というものが比較にならないほど大きなものになってくるのではないか。
そういう中で地方議会あるいは地方選挙について、地方の行政が分権的になるのであれば、地方議会、地方選挙についても画一的じゃなくて非常に多様なあり方があってもいいのではないか。地域ごと、市町村ごとあるいは府県ごとに議会のあり方、選挙のあり方を選択できる、法律によってじゃなくて条例でみずからの議会のあり方、選挙のあり方を選択していく、そういうことが必要になってくるのではないかということを、これは民間政治臨調の最初の「分権革命」という提言の中でも非常に強調して触れている点でありますけれども、そういった点について、やはり画一的な法律というもので地方議会、地方選挙を縛っている現状について、これは国会でも改めて考えていただく側面があるのではないかというふうに思います。
三つ目は、中央省庁の再編成と国家公務員の再配置というものをどう考えていくかという点が非常に大きな課題として残されておりまして、これはまさに、これまで地方六団体にいたしましてもあるいは地方制度調査会にいたしましても地方制度を論じるということであって、これまた中央省庁についての再編成あるいは国家公務員の再配置について触れるということについては非常にためらいを持っていたというふうに受けとめておりますが、これもまたむしろタブー視されてきた点ではないかと思います。
しかし、この地方分権というものを進めていく上で、中央省庁の役割、機能というものがむしろ相対的に非常に縮小化されていくのではないか。国家公務員というものがどういう立場でどういうところに再配置されるかといったような点は、これはまさにこの分権推進法が成立した後の展開としては最も重要な課題となってくるのではないだろうかというふうに考えます。しかも、この中央省庁あるいは国家公務員をいかに考えていくかという点については、内閣府では全くその成果を期待できないわけでありまして、ここで非常にこれまた国会の皆さん方の御努力に期待する以外にはないのかなと思っております。
私は、ことし一九九五年を地方分権元年というような言葉で表現してまいっているわけですけれども、先ほど申し上げましたように、いろんな形でことしは地方分権についての動きが高まっていくわけですし、何よりも地方分権推進法というものが成立して、地方分権推進委員会というものが大変な役割を担ってスタートする。しかし、これも第一歩にすぎない。まさに元年でありまして、この幾つかの課題をこなしていかなければならない。
しかもそこには、先ほど申し上げましたように、国会の役割というものが非常に期待されているというようなことを感じるわけでありまして、特に、先ほどは申し上げませんでしたけれども、政治改革というようなものがやはり地方分権の意義として非常に大きなものがありまして、衆議院で小選挙区制が実施されるということになれば、分権が実現しない限りその利権誘導政治というものがもっともっと一層激化していくであろうというようなことが言われております。
こういった面で、これは参議院の問題ではございませんけれども、小選挙区制の実施というようなことから、国会としてこの分権というものをやはりもう待ったなしという形で進めざるを得ないというところに至っているのではないかという気がいたします。
いろいろと国会の役割について口幅ったいことを申し上げましたが、まさにこの地方分権推進法というのが平成五年六月の衆参両院の国会決議から非常に一つの形をとって事ここに至ったということもありますし、この地方分権推進法そのものをむしろ議員立法にしていただきたいというような声が国民の間から起こっていたことも非常に象徴的だと思います。非常に国会に対して期待を持っているということを一ジャーナリストとしてつけ加えさせていただきまして、私の話を終わらせていただきます。
どうもありがとうございました。
小
池
池上洋通#7
○参考人(池上洋通君) 参考人として発言をさせていただく機会を得まして、大変ありがたく存じております。
私が属しております自治体問題研究所と申しますのは、今から三十二年前に、当時自治体の労働者のつくっておりました労働組合、今日もちろんございますけれども、自治労の中で地方自治の研究を進めようという意欲のある自治体の職員たちがあらわれまして、自治研運動が大変活発になったわけでございます。そして、その職員の有志たちと、それからそれを指導していた研究者との間で研究所づくりの話が持ち上がりまして、三十二年前に結成された、そうした研究所でございます。
これまで大変自主的な研究機関としていろいろな仕事をやってまいりました。今日、機関雑誌、月刊誌で「住民と自治」というのを二万部ほど出版しておりまして、全国に広がる会員の数がちょうど今九千人ほどでございます。そうした自主的な努力で我が国の地方自治の研究を行ってきた団体でございまして、私は今、常務理事としましていわば所長のような仕事をさせていただいております。
それから、私、三年前まで東京の日野市役所の職員でございまして、日野市役所の中で、企画行政、財政行政、財政事務ですね、それから社会福祉、文化行政などに実はかかわっておりました。今の仕事につくために中途退職いたしまして職務についておりますけれども、そうしたいわば自治体職員としての経験も長くございます。なお、現在、千葉大学の教育学部で社会教育概論の講師を実はしておりまして、そうした面からも地方自治行政にかかわりを持って多少勉強させていただいている、そういうふうな関係でございます。きょうはせっかくの機会でございますので、率直なお話をさせていただければというふうに思っておるところでございます。
最初に、基本的な立場のようなものを申し上げておきたいと思いますが、私は今度出されております、そしてここで御審議なさっていらっしゃいます地方分権推進法案には基本的に賛成でございます。私、憲法が定めております「地方自治の本旨」というものを実現するためには、本当にこういういわばそれに基づくところの分権が必要であるとかねて思っておりまして、そうした意味では今度の法案の成立と、あるいは今後の展開に大変期待をしておるわけであります。
それからあわせて申し上げたいことに、四月十三日に行われました衆議院におきます特別委員会で参考人の皆さんが御発言なさっていらっしゃいますけれども、私はそれを拝読させていただきまして、ここには大変傾聴すべきものが多く含まれているというふうに思いました。そういう意味では、院は違いますけれども、御審議なさる折の一つの参考になさっていただければというふうに私の方から申し上げておきたいというふうに思うわけであります。
本日は、私は、先ほど申し上げました経験もございまして、地方自治体の現場から見るとどんなふうにこうしたテーマが見えているのか、それから私自身、実は私の住んでいる町の中だけでも三十ほどの住民団体にかかわっておりまして、福祉の活動や文化の活動などを長い間続けております。そして、いわば主権者といいましょうか、そうした市民の立場から見るとこうしたものがどんなふうに見えてくるのかというふうなこと、そうした立場をあわせながら発言をさせていただきたいというふうに思っておるところです。
最初に、まず大変基本的なことをお願いをしておきたいわけでございますが、今後、法案が成立をいたしまして分権の推進作業のようなものが行われていくだろうと思うんですが、その際にまず第一番目に申し上げたいなと思いますのは、第二条の基本理念を文字どおり具体的に生かした分権の推進作業が必要だということを強調しておきたいわけであります。
それはどういうことかと申しますと、一つ一つの自治体といいますのは本来独立した存在でありまして、分権の推進といいますのは多数決をもって決定できるようなことではないというふうに私は実は考えておるわけであります。個々の自治体の個別の事情に立脚して行われるということがどんな場合にも貫かれるべき性質のものではないかというふうに考えているわけです。
私は、一昨年百十回ほど、昨年百二十回ほど実は全国の各地の自治体に呼ばれましていろいろな研究会や講師などを務めておりますけれども、全国各地をお訪ねすればするほどそれぞれの自治体の持っている歴史的な伝統や生活的な事情の違いというものが明らかでありまして、この法案にあり、また法案の御審議の中でも触れられておりますように、本来の自治体の自治というものを言葉どおり実現するとなりますと、そうしたいわば文字どおりの個性を本当に大切にするような、そうしたものでなければならないというふうに思っておるわけであります。その点では、都道府県はもちろんのことでございますけれども、基礎自治体でございます市町村のすべてが具体的に参加できるような推進計画づくりをぜひしていただきたいというふうに思うわけです。
その前提となりますのは、地方自治体と国、都道府県と市町村、市町村同士の間における自由な意見交換が大事だろうというふうに思っています。これにつきましては私は、ほかのことと違いましていわば拙速ということは許されないんじゃないかというふうに思っておりまして、文字どおり、じっくり時間をかける、そうしたことが必要だというふうに思うわけです。
委員の先生方、既に十分御承知のことと思いますが、今日我が国のとりわけ中山間地域などの自治体に参りますと、お話をお聞きするだけで涙の出るような行政の努力が重ねられているわけでありまして、そうしたことを抜きに分権が語られてもそれは力にならないというふうに率直に思うわけです。その点をまず第一に率直にお願い申し上げたいと思います。
そういう意味では、先ほど申し上げました衆議院のやりとりの中で例えば成田参考人などが、都道府県と市町村の関係をつけるときには本当に市町村の一つ一つの力をよくはからなければならないというようなことをおっしゃっておられますけれども、そのとおりだなということを思いました。
それからその次に申し上げたいと思いますのは、言うまでもありませんが、そうした個々の自治体の独立性を担保しておりますのは自治体の首長や議会を選出しております主権者、住民でございます。そうした主権者、住民の直接選挙があるからこそ基本的に独立性が担保されておるわけでありますので、そうした意味では、主権者である住民の皆さんが直接的に意見を表明できるようなさまざまな条件を整えていただきたいということであります。
後でも時間がございましたら触れようと思いますが、先ほどちょっと申し上げましたけれども、私は障害者運動のボランティアを長い間やっておりますが、例えば目の見えない人にとって行政に参加するとか政治に参加するというのはどういうことなのかということを一つ考えましても実に多様なことがあるわけでございます。例えば具体的に申し上げれば、点字で意見が出されてくるというふうなそれくらいの迫力を持った推進計画がやっぱり必要なのではないかというふうに思っているわけでございまして、その点では、思い切って開かれたそうした機関として推進委員会が働いていただきたいということであります。
そうしたことを考えますと、先ほども寄本教授も触れられましたが、推進委員会の体制をよほどしっかりしたものにしていただかないとならないだろうと思います。委員の人数は七人ということでございますが、それはそれでよいといたしまして、当然地方自治体の代表者に当たるような方が入っていただくことといたしましても、私が特にお願いしておきたいなと思いますのは、事務局の構成におきましても地方公共団体からの直接的な参加をぜひいただきたい、そして実務面においてもいろいろな声をきちんと受けとめることができるだけのそうした組織体制を整えていただきたいということであります。
それから次に、大きなテーマに移ります。
地方自治体の単位でございますが、これについてもさまざまな御議論がございました。私は、衆議院でおっしゃっている皆さんが大方そうでございましたように、また先ほどお話しなさいましたお二人の参考人のお話もそうでございましたように、現在の都道府県、市町村といいますのは長い間の歴史の中で定着をしているものであるというふうに思っておりまして、そういう意味での二層制というものは当面非常に大切にしていく、そしてこの上に立って個々の自治体の自立的な発展を促す政策を展開するということが大変大切ではないかと思います。
その場合に忘れてならない一番基本的なこととしまして、自治体の自立的発展に欠かせませんのは住民参加制度のメニューが豊富化することでございまして、先ほど私は障害者のことをお話ししましたが、そればかりではございません。どんな立場におられる住民の方も具体的に参加できるようなそうしたメニューが求められているということであります。
次に、このことと大変関係することでありますが、市町村合併との関係でございます。私は、市町村合併に一概に反対するものではございませんけれども、安易な市町村合併というものにはやはり赤信号をともしておいた方がよいのではないかということを率直に考えております。
まず第一番目にこのことで申し上げたいと思っておりますのは、いわゆる受け皿論議から発する市町村合併論というのは、私はやはり地方自治の本旨からして正しくないということを率直に申し上げておきたいと思います。国が今日まで持っていた事務を受けるために地方自治体があるのではないということでございまして、先ほどからお話の中でも出ておりますように、むしろ地方自治体の自主性において決定すべきことでありますから、そういう意味では、受け皿が必要だから市町村合併は当然だといったような議論は事柄がひっくり返っている議論だというふうに思いますし、先ほど申し上げました今回の法案の基本理念にそもそももとるものではないかということを私は率直に申し上げておきたいと思うわけであります。
そして、先ごろ選挙がございましたけれども、選挙における投票率をずっと見てまいりますと、もうお気づきだろうと思いますが、一般的に自治体が大規模化していくと投票率が下がるという傾向を実は持っておりまして、これは多くの論者が指摘しておりますけれども、このことが何を意味するかといいますと、自治体の大規模化が住民参加をしがたくするという非常に明確なあらわれであります。私たちはそうではないことを目指さなければならないのではないだろうかということであります。
それからこの関係で二つ目は、これはもっと率直なことでございますけれども、自治体行政と申しますのは申し上げるまでもなく国民、住民の生活単位を確保するものでございますから、生活感覚的に納得できるものでなければならないということがございます。
具体的に申し上げます。
高齢社会ということが盛んに言われておるのでありますが、ゴールドプランを作成するときに東京の中野区でお年寄りの行動調査というのを実はやっております。その結果を読んでまいりますと、七十歳前後のお年寄りが一日に歩ける距離というのが出てまいりまして、それは大体一キロだという調査結果が出ているんです。一キロということはどういうことかと申しますと、おうちを出ていって五百メートル行ったら戻ってくるという距離なんです。つまり、出かける距離は五百メートルだということなんです。
そのことを考えたときに、一人一人の生活圏を単位にどのような行政をつくるかがやはりこれからの行政の基本でなければならないことは明らかだというふうに思うわけです。それにこたえるような行政単位をどうつくるかということが二十一世紀に向かって求められておりまして、その意味では安易な大規模化はどうしても避けなければならないということになってくるわけであります。
それからさらに、先ごろ起きました阪神・淡路大震災を経験いたしましたが、あそこで改めて見直されておりますのは、地域社会的な人間関係がどんなに重要であったかということでございます。もうよく知られておりますように、バケツリレーで火を消しとめた地域がございましたけれども、そうしたことができるような人間関係が形成できる単位を自治単位の基礎にするということを本気になって考えませんと、これまた高齢社会のもとで安心とか安全とかということを得ることはできないわけであります。
それからさらにまた環境型社会という問題もございまして、手ざわりのできるような生活圏でお互いのプログラムをつくるということでございませんと、町を愛する、地域を愛するということにはならないわけでありまして、すぐれた環境条件を形成することになっていかないという点はございます。
いずれにしましても、そうした点から考えますと、二十一世紀型の地域社会を展望したときに、狭域行政、広域でなくて狭域、狭い範囲での行政をどうするかということがむしろ重大な課題になっていることは明らかなわけです。
先ほど申し上げました中野区の例で都市計画的にそれを計算してまいりますと、五百メートルを行ったり来たりということで考えられる人口想定といいますのは、都市計画上では最大規模で一万人であります。そうしたことを考えた場合に、私たちがそういういわば生活の願いにこたえることのできる地域社会組織をどうするかということを創造的に選択できるようにしなければなりません。
この点では既に努力も始まっておりますけれども、住区協議会のような努力であるとか小学校区の協議会であるとかといったふうなものが既に始動している自治体もございますが、そうしたものを基礎にした自治体の展望をどうつくるかということになっていくのではないでしょうか。
さらにまた、機能別の地域組織についても自主性を確保する方向で考えなければならないかもしれません。保健医療であるとか福祉であるとか教育であるとか、あるいは防災であるとかという単位でございますけれども、これはアメリカで行われている地方自治体の形に、いわば機能別の地域組織をそのまま地方自治体として認めていく、そうした制度がございますけれども、そうしたことを私たちは本気になって研究してみなければならないのではないかというふうに考えているところであります。
また、これに関連しまして、政令指定都市におきます行政区に対する住民参加を本気になって考える時期だろうというふうに思います。区長の公選ないしは準公選、あるいは議会の設置のようなものを考えないといけないのではないかということです。
神戸に伺って震災の後のさまざまなお話を伺ってみますと、行政区単位で何かができなければならないということを皆さんが口々におっしゃるのでありまして、そういう意味では、ああした重大な経験から私たちはもっと真剣に学ぶ必要があるかなというふうに考えておるところであります。
それからさらに、非常に大きくなってしまっている、既に大きくなってしまっている行政単位につきまして、むしろ分割も検討をしなければならないのではないかというふうに思っておりまして、いわゆる大都市になり切れなかった、合併をしたけれども大都市になり切れなかった実は自治体があるわけでございまして、むしろ積極的に単位の分割を考える必要が今出てきているのではないかというふうに思っているところであります。
もちろん、交通・情報・通信システムの発達を背景にしまして広域行政が必要になってくることも事実でございまして、これにこたえるためには、私はやはり都道府県行政をどう活性化していくかということを第一に考えるべきだというふうに思います。また第二には、一部事務組合あるいは個別課題の協議組織としてこれまで自治体の間で大変努力をして積み上げられているシステムがございます。これを一層活性化していくこと、それから新たにできました広域連合などの方法を組み合わせまして、自治体ごとの自主的な意思に依拠したところの広域行政を展開することが最も現実的ではないかというふうに思っておるわけであります。
申し上げておきたいと思いますのは、千人ぐらいの単位の自治体もあり何十万人という単位の自治体もあって、基礎自治体であってもそうした単位があってそれぞれの個性というものを語ることができるのでございまして、一律に人口規模で発想するような考え方からははっきりとやっぱり我々は脱する必要があるということを申し上げておきたいわけであります。
それから次に、先ほどからお話が出ております委任事務の処理、役割分担のようなことについて申し上げておきたいと思います。
まず第一に、先ほどから御意見ございますように、私も機関委任事務は廃止すべきであるという意見を持っております。そして、その後の委任事務の処理、役割分担につきましては、いろいろな方法が考えられると思いますけれども、国と都道府県、市町村が文字どおり対等の立場で十分な話し合いを持って行われなければならないというふうに考えておるところであります。
それからさらに、これも自治体にとっては大変大きな関心事でございますが、財政の問題がございます。国からの事務移管が財源の確保を伴うものでなければならないことは言うまでもありませんし、また財源の確保の上で国が果たすべき責任があることはこれまた言うまでもございません。
その点でまず第一番目に申し上げたいと思いますのは、個別の事業におきます国庫支出金の一般財源化がこの間ずっと進められてきましたけれども、私は安易な一般財源化はやはり行うべきではないというふうに率直にこの際申し上げておきたいと思います。仮に委託関係のようなものを機関委任事務において置きかえるようなことがあったにしても、その関係は国の責任として明確にしておく必要があるだろうというふうに思っておるわけであります。
それから二つ目に、この間の問題で申し上げておきたいと思いますのは、先ほど寄本教授もおっしゃいましたけれども、東京一極集中によります著しい経済格差を考慮しますと、地方交付税制度の抜本的な改善、思い切った規模拡大、財源規模の拡大を行わない限り地方分権は実質的なものになることは考えられません。
先ほど私、中山間地域の自治体のお話を申し上げましたけれども、いろいろその場所に行って財政についての組み立てのお手伝いまでするわけですが、本当に来年度の予算は組めるのかなというところまで切羽詰まった思いで組んでいる自治体が少なくないことをぜひ御理解ください。そういう意味では、私たちは今、財政調整制度という大変すぐれた制度を持っておるわけですから、これの抜本的な改善によって手当てをするということは欠かすことのできないテーマであるというふうに確認をしておく必要があるというふうに思うわけでございます。
それから次が、地方自治体で今、大変頭を悩ましていることでございますけれども、昨年の十月に自治省からいわゆる行政改革指針という新しいものが出されました。しかし、事務の移管といいますのは直接的に事務量の拡大を意味しておりますから、職員の増大はもう必然のものになっているわけです。今、地方自治体の長あるいはまた担当者たちはその板挟みに遭っておりまして大変苦しんでいるわけです。
もちろん行政改革指針は一般的に直ちに職員を削減しろなどということを提起しておるわけではございませんけれども、しかし同時に、いわば通達として出されました職員の適正配置というふうなことについての通達を読みますと、やはり削減と思わざるを得ないということになっておるわけでありまして、今の自治体の現場は大変混乱の中にあります。
私たちは、簡素な行政をつくるという原則は原則としまして、同時に事実において必要な職員の配置についてためらってはならないと思っておるわけでございまして、その点では、先ほど申し上げました二十一世紀社会が高齢社会であり、かつ環境型の社会を目指す、そして大震災に見られるような安心、安全ということを求められる社会であるということを考えたときに、私たちが公務労働あるいはまた公務員の配置ということについてはもっと積極的な観点を持つ実は必要に迫られているというふうに思っておるわけであります。
それからこのことに関連しまして、民間委託をどんどん進めるというふうな議論がございますけれども、そして私は民間委託に一概に反対するものではございませんけれども、安易な民間委託の拡大が自治体行政をゆがめておることも事実でございます。
率直に申し上げますと、これまでいわば直接的に経営していた部門を民間委託いたしますと、その民間委託をした部門を管理する部門をまたつくらなきゃならないということになりまして、これまで直接経営だったらそんな管理部門は要らなかったのに、余計ないわば財政負担がかかっておるという例が実は少なくございません。
それからさらに、そればかりではなしに、民間委託をしてしまいますとその委託をしたところでまた職員を採用したりしますから、事業を縮小しようにもしようがないという場面がいっぱい出てくるんです。これがもともとの直接経営でしたら職員異動で縮小が幾らでも自在にできたものを、できないということになっているのでありまして、実はこれが物件費としてはね返っておりまして、今日の経常収支比率を引き上げる要因になりつつあります。実は財政的にも重大な問題になってきておりまして、その点では私は、ぜひ民間委託についてもこれからのいわば分権ということを考えるときに真剣に考えなければならないテーマかなというふうに思っているところであります。
時間が参りましたので、あと実は政策的条件、例えば産業政策であるとか地方分権の基礎になる問題であるテーマ、それから先ほどちょっとお話の出ました地方議会についてどう考えるかというふうなテーマがございますけれども、一応発言を終わりにさせていただきます。
ありがとうございました。
この発言だけを見る →私が属しております自治体問題研究所と申しますのは、今から三十二年前に、当時自治体の労働者のつくっておりました労働組合、今日もちろんございますけれども、自治労の中で地方自治の研究を進めようという意欲のある自治体の職員たちがあらわれまして、自治研運動が大変活発になったわけでございます。そして、その職員の有志たちと、それからそれを指導していた研究者との間で研究所づくりの話が持ち上がりまして、三十二年前に結成された、そうした研究所でございます。
これまで大変自主的な研究機関としていろいろな仕事をやってまいりました。今日、機関雑誌、月刊誌で「住民と自治」というのを二万部ほど出版しておりまして、全国に広がる会員の数がちょうど今九千人ほどでございます。そうした自主的な努力で我が国の地方自治の研究を行ってきた団体でございまして、私は今、常務理事としましていわば所長のような仕事をさせていただいております。
それから、私、三年前まで東京の日野市役所の職員でございまして、日野市役所の中で、企画行政、財政行政、財政事務ですね、それから社会福祉、文化行政などに実はかかわっておりました。今の仕事につくために中途退職いたしまして職務についておりますけれども、そうしたいわば自治体職員としての経験も長くございます。なお、現在、千葉大学の教育学部で社会教育概論の講師を実はしておりまして、そうした面からも地方自治行政にかかわりを持って多少勉強させていただいている、そういうふうな関係でございます。きょうはせっかくの機会でございますので、率直なお話をさせていただければというふうに思っておるところでございます。
最初に、基本的な立場のようなものを申し上げておきたいと思いますが、私は今度出されております、そしてここで御審議なさっていらっしゃいます地方分権推進法案には基本的に賛成でございます。私、憲法が定めております「地方自治の本旨」というものを実現するためには、本当にこういういわばそれに基づくところの分権が必要であるとかねて思っておりまして、そうした意味では今度の法案の成立と、あるいは今後の展開に大変期待をしておるわけであります。
それからあわせて申し上げたいことに、四月十三日に行われました衆議院におきます特別委員会で参考人の皆さんが御発言なさっていらっしゃいますけれども、私はそれを拝読させていただきまして、ここには大変傾聴すべきものが多く含まれているというふうに思いました。そういう意味では、院は違いますけれども、御審議なさる折の一つの参考になさっていただければというふうに私の方から申し上げておきたいというふうに思うわけであります。
本日は、私は、先ほど申し上げました経験もございまして、地方自治体の現場から見るとどんなふうにこうしたテーマが見えているのか、それから私自身、実は私の住んでいる町の中だけでも三十ほどの住民団体にかかわっておりまして、福祉の活動や文化の活動などを長い間続けております。そして、いわば主権者といいましょうか、そうした市民の立場から見るとこうしたものがどんなふうに見えてくるのかというふうなこと、そうした立場をあわせながら発言をさせていただきたいというふうに思っておるところです。
最初に、まず大変基本的なことをお願いをしておきたいわけでございますが、今後、法案が成立をいたしまして分権の推進作業のようなものが行われていくだろうと思うんですが、その際にまず第一番目に申し上げたいなと思いますのは、第二条の基本理念を文字どおり具体的に生かした分権の推進作業が必要だということを強調しておきたいわけであります。
それはどういうことかと申しますと、一つ一つの自治体といいますのは本来独立した存在でありまして、分権の推進といいますのは多数決をもって決定できるようなことではないというふうに私は実は考えておるわけであります。個々の自治体の個別の事情に立脚して行われるということがどんな場合にも貫かれるべき性質のものではないかというふうに考えているわけです。
私は、一昨年百十回ほど、昨年百二十回ほど実は全国の各地の自治体に呼ばれましていろいろな研究会や講師などを務めておりますけれども、全国各地をお訪ねすればするほどそれぞれの自治体の持っている歴史的な伝統や生活的な事情の違いというものが明らかでありまして、この法案にあり、また法案の御審議の中でも触れられておりますように、本来の自治体の自治というものを言葉どおり実現するとなりますと、そうしたいわば文字どおりの個性を本当に大切にするような、そうしたものでなければならないというふうに思っておるわけであります。その点では、都道府県はもちろんのことでございますけれども、基礎自治体でございます市町村のすべてが具体的に参加できるような推進計画づくりをぜひしていただきたいというふうに思うわけです。
その前提となりますのは、地方自治体と国、都道府県と市町村、市町村同士の間における自由な意見交換が大事だろうというふうに思っています。これにつきましては私は、ほかのことと違いましていわば拙速ということは許されないんじゃないかというふうに思っておりまして、文字どおり、じっくり時間をかける、そうしたことが必要だというふうに思うわけです。
委員の先生方、既に十分御承知のことと思いますが、今日我が国のとりわけ中山間地域などの自治体に参りますと、お話をお聞きするだけで涙の出るような行政の努力が重ねられているわけでありまして、そうしたことを抜きに分権が語られてもそれは力にならないというふうに率直に思うわけです。その点をまず第一に率直にお願い申し上げたいと思います。
そういう意味では、先ほど申し上げました衆議院のやりとりの中で例えば成田参考人などが、都道府県と市町村の関係をつけるときには本当に市町村の一つ一つの力をよくはからなければならないというようなことをおっしゃっておられますけれども、そのとおりだなということを思いました。
それからその次に申し上げたいと思いますのは、言うまでもありませんが、そうした個々の自治体の独立性を担保しておりますのは自治体の首長や議会を選出しております主権者、住民でございます。そうした主権者、住民の直接選挙があるからこそ基本的に独立性が担保されておるわけでありますので、そうした意味では、主権者である住民の皆さんが直接的に意見を表明できるようなさまざまな条件を整えていただきたいということであります。
後でも時間がございましたら触れようと思いますが、先ほどちょっと申し上げましたけれども、私は障害者運動のボランティアを長い間やっておりますが、例えば目の見えない人にとって行政に参加するとか政治に参加するというのはどういうことなのかということを一つ考えましても実に多様なことがあるわけでございます。例えば具体的に申し上げれば、点字で意見が出されてくるというふうなそれくらいの迫力を持った推進計画がやっぱり必要なのではないかというふうに思っているわけでございまして、その点では、思い切って開かれたそうした機関として推進委員会が働いていただきたいということであります。
そうしたことを考えますと、先ほども寄本教授も触れられましたが、推進委員会の体制をよほどしっかりしたものにしていただかないとならないだろうと思います。委員の人数は七人ということでございますが、それはそれでよいといたしまして、当然地方自治体の代表者に当たるような方が入っていただくことといたしましても、私が特にお願いしておきたいなと思いますのは、事務局の構成におきましても地方公共団体からの直接的な参加をぜひいただきたい、そして実務面においてもいろいろな声をきちんと受けとめることができるだけのそうした組織体制を整えていただきたいということであります。
それから次に、大きなテーマに移ります。
地方自治体の単位でございますが、これについてもさまざまな御議論がございました。私は、衆議院でおっしゃっている皆さんが大方そうでございましたように、また先ほどお話しなさいましたお二人の参考人のお話もそうでございましたように、現在の都道府県、市町村といいますのは長い間の歴史の中で定着をしているものであるというふうに思っておりまして、そういう意味での二層制というものは当面非常に大切にしていく、そしてこの上に立って個々の自治体の自立的な発展を促す政策を展開するということが大変大切ではないかと思います。
その場合に忘れてならない一番基本的なこととしまして、自治体の自立的発展に欠かせませんのは住民参加制度のメニューが豊富化することでございまして、先ほど私は障害者のことをお話ししましたが、そればかりではございません。どんな立場におられる住民の方も具体的に参加できるようなそうしたメニューが求められているということであります。
次に、このことと大変関係することでありますが、市町村合併との関係でございます。私は、市町村合併に一概に反対するものではございませんけれども、安易な市町村合併というものにはやはり赤信号をともしておいた方がよいのではないかということを率直に考えております。
まず第一番目にこのことで申し上げたいと思っておりますのは、いわゆる受け皿論議から発する市町村合併論というのは、私はやはり地方自治の本旨からして正しくないということを率直に申し上げておきたいと思います。国が今日まで持っていた事務を受けるために地方自治体があるのではないということでございまして、先ほどからお話の中でも出ておりますように、むしろ地方自治体の自主性において決定すべきことでありますから、そういう意味では、受け皿が必要だから市町村合併は当然だといったような議論は事柄がひっくり返っている議論だというふうに思いますし、先ほど申し上げました今回の法案の基本理念にそもそももとるものではないかということを私は率直に申し上げておきたいと思うわけであります。
そして、先ごろ選挙がございましたけれども、選挙における投票率をずっと見てまいりますと、もうお気づきだろうと思いますが、一般的に自治体が大規模化していくと投票率が下がるという傾向を実は持っておりまして、これは多くの論者が指摘しておりますけれども、このことが何を意味するかといいますと、自治体の大規模化が住民参加をしがたくするという非常に明確なあらわれであります。私たちはそうではないことを目指さなければならないのではないだろうかということであります。
それからこの関係で二つ目は、これはもっと率直なことでございますけれども、自治体行政と申しますのは申し上げるまでもなく国民、住民の生活単位を確保するものでございますから、生活感覚的に納得できるものでなければならないということがございます。
具体的に申し上げます。
高齢社会ということが盛んに言われておるのでありますが、ゴールドプランを作成するときに東京の中野区でお年寄りの行動調査というのを実はやっております。その結果を読んでまいりますと、七十歳前後のお年寄りが一日に歩ける距離というのが出てまいりまして、それは大体一キロだという調査結果が出ているんです。一キロということはどういうことかと申しますと、おうちを出ていって五百メートル行ったら戻ってくるという距離なんです。つまり、出かける距離は五百メートルだということなんです。
そのことを考えたときに、一人一人の生活圏を単位にどのような行政をつくるかがやはりこれからの行政の基本でなければならないことは明らかだというふうに思うわけです。それにこたえるような行政単位をどうつくるかということが二十一世紀に向かって求められておりまして、その意味では安易な大規模化はどうしても避けなければならないということになってくるわけであります。
それからさらに、先ごろ起きました阪神・淡路大震災を経験いたしましたが、あそこで改めて見直されておりますのは、地域社会的な人間関係がどんなに重要であったかということでございます。もうよく知られておりますように、バケツリレーで火を消しとめた地域がございましたけれども、そうしたことができるような人間関係が形成できる単位を自治単位の基礎にするということを本気になって考えませんと、これまた高齢社会のもとで安心とか安全とかということを得ることはできないわけであります。
それからさらにまた環境型社会という問題もございまして、手ざわりのできるような生活圏でお互いのプログラムをつくるということでございませんと、町を愛する、地域を愛するということにはならないわけでありまして、すぐれた環境条件を形成することになっていかないという点はございます。
いずれにしましても、そうした点から考えますと、二十一世紀型の地域社会を展望したときに、狭域行政、広域でなくて狭域、狭い範囲での行政をどうするかということがむしろ重大な課題になっていることは明らかなわけです。
先ほど申し上げました中野区の例で都市計画的にそれを計算してまいりますと、五百メートルを行ったり来たりということで考えられる人口想定といいますのは、都市計画上では最大規模で一万人であります。そうしたことを考えた場合に、私たちがそういういわば生活の願いにこたえることのできる地域社会組織をどうするかということを創造的に選択できるようにしなければなりません。
この点では既に努力も始まっておりますけれども、住区協議会のような努力であるとか小学校区の協議会であるとかといったふうなものが既に始動している自治体もございますが、そうしたものを基礎にした自治体の展望をどうつくるかということになっていくのではないでしょうか。
さらにまた、機能別の地域組織についても自主性を確保する方向で考えなければならないかもしれません。保健医療であるとか福祉であるとか教育であるとか、あるいは防災であるとかという単位でございますけれども、これはアメリカで行われている地方自治体の形に、いわば機能別の地域組織をそのまま地方自治体として認めていく、そうした制度がございますけれども、そうしたことを私たちは本気になって研究してみなければならないのではないかというふうに考えているところであります。
また、これに関連しまして、政令指定都市におきます行政区に対する住民参加を本気になって考える時期だろうというふうに思います。区長の公選ないしは準公選、あるいは議会の設置のようなものを考えないといけないのではないかということです。
神戸に伺って震災の後のさまざまなお話を伺ってみますと、行政区単位で何かができなければならないということを皆さんが口々におっしゃるのでありまして、そういう意味では、ああした重大な経験から私たちはもっと真剣に学ぶ必要があるかなというふうに考えておるところであります。
それからさらに、非常に大きくなってしまっている、既に大きくなってしまっている行政単位につきまして、むしろ分割も検討をしなければならないのではないかというふうに思っておりまして、いわゆる大都市になり切れなかった、合併をしたけれども大都市になり切れなかった実は自治体があるわけでございまして、むしろ積極的に単位の分割を考える必要が今出てきているのではないかというふうに思っているところであります。
もちろん、交通・情報・通信システムの発達を背景にしまして広域行政が必要になってくることも事実でございまして、これにこたえるためには、私はやはり都道府県行政をどう活性化していくかということを第一に考えるべきだというふうに思います。また第二には、一部事務組合あるいは個別課題の協議組織としてこれまで自治体の間で大変努力をして積み上げられているシステムがございます。これを一層活性化していくこと、それから新たにできました広域連合などの方法を組み合わせまして、自治体ごとの自主的な意思に依拠したところの広域行政を展開することが最も現実的ではないかというふうに思っておるわけであります。
申し上げておきたいと思いますのは、千人ぐらいの単位の自治体もあり何十万人という単位の自治体もあって、基礎自治体であってもそうした単位があってそれぞれの個性というものを語ることができるのでございまして、一律に人口規模で発想するような考え方からははっきりとやっぱり我々は脱する必要があるということを申し上げておきたいわけであります。
それから次に、先ほどからお話が出ております委任事務の処理、役割分担のようなことについて申し上げておきたいと思います。
まず第一に、先ほどから御意見ございますように、私も機関委任事務は廃止すべきであるという意見を持っております。そして、その後の委任事務の処理、役割分担につきましては、いろいろな方法が考えられると思いますけれども、国と都道府県、市町村が文字どおり対等の立場で十分な話し合いを持って行われなければならないというふうに考えておるところであります。
それからさらに、これも自治体にとっては大変大きな関心事でございますが、財政の問題がございます。国からの事務移管が財源の確保を伴うものでなければならないことは言うまでもありませんし、また財源の確保の上で国が果たすべき責任があることはこれまた言うまでもございません。
その点でまず第一番目に申し上げたいと思いますのは、個別の事業におきます国庫支出金の一般財源化がこの間ずっと進められてきましたけれども、私は安易な一般財源化はやはり行うべきではないというふうに率直にこの際申し上げておきたいと思います。仮に委託関係のようなものを機関委任事務において置きかえるようなことがあったにしても、その関係は国の責任として明確にしておく必要があるだろうというふうに思っておるわけであります。
それから二つ目に、この間の問題で申し上げておきたいと思いますのは、先ほど寄本教授もおっしゃいましたけれども、東京一極集中によります著しい経済格差を考慮しますと、地方交付税制度の抜本的な改善、思い切った規模拡大、財源規模の拡大を行わない限り地方分権は実質的なものになることは考えられません。
先ほど私、中山間地域の自治体のお話を申し上げましたけれども、いろいろその場所に行って財政についての組み立てのお手伝いまでするわけですが、本当に来年度の予算は組めるのかなというところまで切羽詰まった思いで組んでいる自治体が少なくないことをぜひ御理解ください。そういう意味では、私たちは今、財政調整制度という大変すぐれた制度を持っておるわけですから、これの抜本的な改善によって手当てをするということは欠かすことのできないテーマであるというふうに確認をしておく必要があるというふうに思うわけでございます。
それから次が、地方自治体で今、大変頭を悩ましていることでございますけれども、昨年の十月に自治省からいわゆる行政改革指針という新しいものが出されました。しかし、事務の移管といいますのは直接的に事務量の拡大を意味しておりますから、職員の増大はもう必然のものになっているわけです。今、地方自治体の長あるいはまた担当者たちはその板挟みに遭っておりまして大変苦しんでいるわけです。
もちろん行政改革指針は一般的に直ちに職員を削減しろなどということを提起しておるわけではございませんけれども、しかし同時に、いわば通達として出されました職員の適正配置というふうなことについての通達を読みますと、やはり削減と思わざるを得ないということになっておるわけでありまして、今の自治体の現場は大変混乱の中にあります。
私たちは、簡素な行政をつくるという原則は原則としまして、同時に事実において必要な職員の配置についてためらってはならないと思っておるわけでございまして、その点では、先ほど申し上げました二十一世紀社会が高齢社会であり、かつ環境型の社会を目指す、そして大震災に見られるような安心、安全ということを求められる社会であるということを考えたときに、私たちが公務労働あるいはまた公務員の配置ということについてはもっと積極的な観点を持つ実は必要に迫られているというふうに思っておるわけであります。
それからこのことに関連しまして、民間委託をどんどん進めるというふうな議論がございますけれども、そして私は民間委託に一概に反対するものではございませんけれども、安易な民間委託の拡大が自治体行政をゆがめておることも事実でございます。
率直に申し上げますと、これまでいわば直接的に経営していた部門を民間委託いたしますと、その民間委託をした部門を管理する部門をまたつくらなきゃならないということになりまして、これまで直接経営だったらそんな管理部門は要らなかったのに、余計ないわば財政負担がかかっておるという例が実は少なくございません。
それからさらに、そればかりではなしに、民間委託をしてしまいますとその委託をしたところでまた職員を採用したりしますから、事業を縮小しようにもしようがないという場面がいっぱい出てくるんです。これがもともとの直接経営でしたら職員異動で縮小が幾らでも自在にできたものを、できないということになっているのでありまして、実はこれが物件費としてはね返っておりまして、今日の経常収支比率を引き上げる要因になりつつあります。実は財政的にも重大な問題になってきておりまして、その点では私は、ぜひ民間委託についてもこれからのいわば分権ということを考えるときに真剣に考えなければならないテーマかなというふうに思っているところであります。
時間が参りましたので、あと実は政策的条件、例えば産業政策であるとか地方分権の基礎になる問題であるテーマ、それから先ほどちょっとお話の出ました地方議会についてどう考えるかというふうなテーマがございますけれども、一応発言を終わりにさせていただきます。
ありがとうございました。
小
小林正#8
○委員長(小林正君) ありがとうございました。
以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。
これより参考人に対する質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。
この発言だけを見る →以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。
これより参考人に対する質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。
石
石井道子#9
○石井道子君 自由民主党の石井道子でございます。
きょうは、大変お忙しい中を本委員会のためにお出かけをいただきまして本当にありがとうございました。特に地方自治に長い間関心を持たれて研究をされた、また地方分権に対しても積極的な御意見を承ったわけでございまして、大変貴重な御意見をありがとうございました。
まず寄本参考人にお伺いしたいと思いますが、この地方分権の問題は平成四年の宮澤内閣のときの決議から始まりまして、細川内閣、羽田内閣、そして村山内閣に至りましていよいよ法案の提出というところまで参りました。そして、大体機が熟してきたというふうに思いますが、この地方分権が行われた場合には地方の受け皿というものが大変重要であると思います。
この分権に当たりましての役割分担のあり方についても先ほど御意見を承ったわけでございますが、一口に地方自治体といいましても、市町村においては二百人足らずの村から始まりまして三百万人以上の政令指定都市がある、また県においても鳥取県のように六十万人ぐらいの県もあれば東京都のように千二百万人以上の地方自治体もあるというような形でございまして、それぞれの市町村においての、また都道府県におきましてのいろいろと中身が違ってくると思います。
そういう点で、できるだけ地方がそれぞれの持ち味を生かしながらその権限を十分に行使し、責任と義務を果たさなければならないというのがこの地方分権であろうと思いますが、今まではとかく地方が中央に依存している体質であった。これは長年の習慣でやむを得ないと思いますが、自立とか責任というものをむしろ回避してきたという面もなきにしもあらずではないかというふうに思っております。ですから、それぞれの地方自治体がこれから地方分権を実行するに当たりましてはそれぞれの当事者能力を高めていくということが大変重要でございますから、そういう面で地方自治体の規模とかあるいは受け皿づくりについてどのようにお考えになっていらっしゃるか、伺いたいと思います。
先ほど廃棄物の問題、ごみの問題についてのお話がありました。この問題も地方の市町村でやっていることもありますが、しかし国でやらなければならないこともあるというふうにおっしゃいましたけれども、今、当然国でやるべきものなのにやっていないという何か事例がありましたら教えていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
この発言だけを見る →きょうは、大変お忙しい中を本委員会のためにお出かけをいただきまして本当にありがとうございました。特に地方自治に長い間関心を持たれて研究をされた、また地方分権に対しても積極的な御意見を承ったわけでございまして、大変貴重な御意見をありがとうございました。
まず寄本参考人にお伺いしたいと思いますが、この地方分権の問題は平成四年の宮澤内閣のときの決議から始まりまして、細川内閣、羽田内閣、そして村山内閣に至りましていよいよ法案の提出というところまで参りました。そして、大体機が熟してきたというふうに思いますが、この地方分権が行われた場合には地方の受け皿というものが大変重要であると思います。
この分権に当たりましての役割分担のあり方についても先ほど御意見を承ったわけでございますが、一口に地方自治体といいましても、市町村においては二百人足らずの村から始まりまして三百万人以上の政令指定都市がある、また県においても鳥取県のように六十万人ぐらいの県もあれば東京都のように千二百万人以上の地方自治体もあるというような形でございまして、それぞれの市町村においての、また都道府県におきましてのいろいろと中身が違ってくると思います。
そういう点で、できるだけ地方がそれぞれの持ち味を生かしながらその権限を十分に行使し、責任と義務を果たさなければならないというのがこの地方分権であろうと思いますが、今まではとかく地方が中央に依存している体質であった。これは長年の習慣でやむを得ないと思いますが、自立とか責任というものをむしろ回避してきたという面もなきにしもあらずではないかというふうに思っております。ですから、それぞれの地方自治体がこれから地方分権を実行するに当たりましてはそれぞれの当事者能力を高めていくということが大変重要でございますから、そういう面で地方自治体の規模とかあるいは受け皿づくりについてどのようにお考えになっていらっしゃるか、伺いたいと思います。
先ほど廃棄物の問題、ごみの問題についてのお話がありました。この問題も地方の市町村でやっていることもありますが、しかし国でやらなければならないこともあるというふうにおっしゃいましたけれども、今、当然国でやるべきものなのにやっていないという何か事例がありましたら教えていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
寄
寄本勝美#10
○参考人(寄本勝美君) 明治の二十年代に入るや否やと言ったらいいんでしょうか、新しい近代的な地方制度がつくられたわけですけれども、その際に明治政府は、当時七万以上あったといわれております自然村を合併などで整理いたしまして一万七、八千の市町村に整えていったという経過があります。その後、何度かの改革がございまして、今三千二百余りの市町村と四十七都道府県になっているわけです。
池上参考人のおっしゃいましたように、今、市町村はかなり定着しているのは確かだというふうに思います。都道府県も同じようなことが言えるかもしれませんが、定着するまでにおよそ百年、あるいはそれ以上かかっているわけであります。これから受け皿づくりのためということで思い切った合併などが行われて、仮に数百くらいの市町村になったといたしましても、定着するためには百年とは言わないまでも数十年ぐらいかかるのかもしれません。数十年たった後は、あのときよくやった、現在のさまざまな条件から見れば三千二百余りよりも数百の基礎的な単位の方がマッチしている、また意識的にもかなり定着してきたといったようなことがあるいは言えるのかもしれません。
しかし、私の現在の選択は、そういった大きな見通しといいますか、非常に遠い遠い将来を考えた上での改革志向というものを持たないわけではありませんけれども、池上参考人がおっしゃいましたような、今を大事にする、今の制度改革を思い切った形にすることによって住民なり地域社会なりに大きな問題をもたらすというのはやはりどうかなというふうに思うわけでございます。
基本的には現在の二層制を軸にしながら、それぞれの地域の事情と自主性と独自性をまず尊重しながら、現代的な条件に少しでも合った形にしていく。そのために、広域的な仕組みも一応制度的には用意されているわけですからそれを利用してもらうとか、あるいは都道府県が山村地域など規模の小さな自治体に関してはもう少し積極的な役割を演じてよろしいわけでございまして、そういう形でカバーしていくということの方がより安定的ではないか、あるいはそれがいろいろな意味で望ましいのではないかというふうに考えております。ですから、この受け皿論に関しましてはそのようにおとらえをしていただければと思うわけです。
それともう一つ、受け皿論に関しまして先ほど少し指摘をさせていただきましたが、私は必ずしも政府間、地方自治体を含めての政府ですが、政府間の関係というのは、量でもってというのではなくて、やはり質でもって考えていくべきだと思うわけでございます。規模の小さな市町村の扱い得る事務事業の内容がやや限定されておりましても、その限定されている事務事業に関してはやはり基本的には自己完結型の、つまり政策自身を選択できて実施をもどういう実施方法にしていくかということをまず自分たちが決めることができるという、そういうふうな質をまず大事にしていくべきであります。したがって、量的にさらに多くのことをしょっていくということのための受け皿を必ずしも考える必要はないのではないかというふうに考えているわけでございまして、それは都道府県なりあるいは国なりが必要なものに関してはより積極的な役割を担っていただければいいのではないかというふうに考えているわけでございます。
そういう観点から見ますと、国は外交ですとか国際問題ですとか等々に主眼を置いた活動をもっと積極的にやっていくために国内の諸問題に関してはもう少し身軽になるべきだという説がございますけれども、私は今申し上げたような観点からすれば、必ずしも無条件に賛成できる御意見ではございません。国内の諸問題においてももっと国がさまざまな地域社会の、あるいは自治体そのものの要望にこたえるような行政をより積極的にやっていただいてもいいわけであります。
その点についてそれではどういうふうな事例があるのかという御指摘でございますけれども、私は、池上参考人のおっしゃったような現場という意味でいえば、主として環境問題なりリサイクル、ごみ問題で活動してまいりましたのでその領域しか必ずしも自信を持って言えないんですけれども、廃棄物の処理などはまさにそうでございまして、収集した後のものはどうしても処理せざるを得ない。焼却などは個別ないしは幾つかの市町村が協力して共同処理をするという仕組みで対応できるでしょうけれども、埋立処分地を探すといったような問題になってまいりますと、例えば二十三区で果たしてできるんでしょうかとか、あるいは三多摩の三十二の市町村が埋立処分地をそれぞれ持たなければならないとなりますと、本当はそれの方が望ましいのかもしれませんが、現実には非常に難しい問題があるわけであります。
そうなりますと、やはり都道府県がこれは市町村と十分に連携をとりながら広域的な処分地を確保する。しかし、広域行政には御案内のようなマイナス面もございますから、そういった面はできるだけ抑え込むような仕組みを十分に考えながら都道府県の役割の増大を期待せざるを得ない。
それから、集まったものをできるだけ再利用する。処分地がなくなってきているわけですから減量というものが大変大切になりますが、集めたものをどう利用するかとなりますと、これは例えばリサイクル型の経済の仕組みを考えていかなければなりません。
それから例えば個々の市町村からいたしますと、行政区域の外にある企業に対して、メーカーに対して、直接条例をつくってあれこれ規制をするというのは今のところできないわけであります。どうしてもその区域の外にある産業界に対する政策的な対応というのは都道府県なり国なりに期待せざるを得ない。しかし市町村は、従来どおり収集したものを処理するという面で努力をしながら、再利用なりリサイクルという面から見ますと全国的なレベルでそういったシステムをきちっと考えていただくことがどんなにか市町村にとって心強いことであるか。ごみを集めるあるいは分別収集をするというこの作業においてどんなに勇気づけられるものであるか。
今は、どんなに一生懸命分別収集をしましても時にはそれをメーカーは引き取ってくれない、ごみにせざるを得ない。分別の努力が生きないということでありまして、そういう観点からすると、そういったものを今度は全国的な視野からきちっと受けとめる、そして産業界に対してさまざまな協力をお願いする、こういう責務を国がきちっと果たしてくれれば、それは自治の減退ではなくてむしろ自治の拡大であります。
池上さんの言われたような意味でいえば、市町村の職員はどんなにか元気が出るかということになるわけでございまして、そういう観点からすると受け皿というものは、必ずしも広域的な仕組みを地方につくっていかなければならない、合併がそれであるというわけのものでもないような気がするわけでございます。こういったようなことは、リサイクルや環境問題に限らず、都市計画でも福祉でも多々言えるのではないかというふうに思っております。
それから御質問から少しずれるかもしれませんが、私この間、自分の町の自治体の職員とずっと町を見ておりましたら、その職員がこんなことを申されました。ここに公園があります。公園の中にごみ箱がある。ごみ箱を公園に置くのは一向に構わないんですが、ところがそのごみに関しまして、缶と瓶と分けて入れることができるようなごみ箱をつくろう、それはリサイクルにつながるということになるわけですね。その場合に、集まってくる缶とか瓶をごみにしないでリサイクルにする。リサイクルというのは、当然、集めてきたものをもう少し選別をし直して業者さんに引き取ってもらう。そのときに市場の価格がよければそれは自治体に多少の収入になるんですが、収入になるとその分別のためのボックスは公園に置けないんです。ごみ箱だったら置いてよろしい。要するにお金になるようなものの道具を置いてはならない、こうなるわけです。
リサイクルしないでごみにした方がいいといいますか、結果的にはそれを強いられてしまって、新しくクリーンボックスの仕組みを変えていこう、ごみを減らすように持っていこうという努力が生かされないわけです。
こういうことを考えますと、この収集作業とかごみの問題と公園の問題は決して無関係ではありません。限られた地域の中でどのようにごみ箱という受け皿を用意していくかとなれば、公園や廃棄物やその他のものを一緒に考えて全体的にいい仕組みを考えていくというのがまさに市町村レベルの総合行政なんですが、それができないわけです。
こういったことが地方分権という意味で非常に大きな意味を持つというふうに考えているわけでございまして、受け皿というのは必ずしも空間的な意味での受け皿というだけじゃなくて、法律を変える、仕組みを変える、これもまた別の意味での受け皿であります。こういうこともぜひともいろいろの機会のところでお考えになっていただければ大変ありがたいと思います。
石井先生の御質問に十分お答えできなかったのではないかと思うんですが、どうも失礼しました。
この発言だけを見る →池上参考人のおっしゃいましたように、今、市町村はかなり定着しているのは確かだというふうに思います。都道府県も同じようなことが言えるかもしれませんが、定着するまでにおよそ百年、あるいはそれ以上かかっているわけであります。これから受け皿づくりのためということで思い切った合併などが行われて、仮に数百くらいの市町村になったといたしましても、定着するためには百年とは言わないまでも数十年ぐらいかかるのかもしれません。数十年たった後は、あのときよくやった、現在のさまざまな条件から見れば三千二百余りよりも数百の基礎的な単位の方がマッチしている、また意識的にもかなり定着してきたといったようなことがあるいは言えるのかもしれません。
しかし、私の現在の選択は、そういった大きな見通しといいますか、非常に遠い遠い将来を考えた上での改革志向というものを持たないわけではありませんけれども、池上参考人がおっしゃいましたような、今を大事にする、今の制度改革を思い切った形にすることによって住民なり地域社会なりに大きな問題をもたらすというのはやはりどうかなというふうに思うわけでございます。
基本的には現在の二層制を軸にしながら、それぞれの地域の事情と自主性と独自性をまず尊重しながら、現代的な条件に少しでも合った形にしていく。そのために、広域的な仕組みも一応制度的には用意されているわけですからそれを利用してもらうとか、あるいは都道府県が山村地域など規模の小さな自治体に関してはもう少し積極的な役割を演じてよろしいわけでございまして、そういう形でカバーしていくということの方がより安定的ではないか、あるいはそれがいろいろな意味で望ましいのではないかというふうに考えております。ですから、この受け皿論に関しましてはそのようにおとらえをしていただければと思うわけです。
それともう一つ、受け皿論に関しまして先ほど少し指摘をさせていただきましたが、私は必ずしも政府間、地方自治体を含めての政府ですが、政府間の関係というのは、量でもってというのではなくて、やはり質でもって考えていくべきだと思うわけでございます。規模の小さな市町村の扱い得る事務事業の内容がやや限定されておりましても、その限定されている事務事業に関してはやはり基本的には自己完結型の、つまり政策自身を選択できて実施をもどういう実施方法にしていくかということをまず自分たちが決めることができるという、そういうふうな質をまず大事にしていくべきであります。したがって、量的にさらに多くのことをしょっていくということのための受け皿を必ずしも考える必要はないのではないかというふうに考えているわけでございまして、それは都道府県なりあるいは国なりが必要なものに関してはより積極的な役割を担っていただければいいのではないかというふうに考えているわけでございます。
そういう観点から見ますと、国は外交ですとか国際問題ですとか等々に主眼を置いた活動をもっと積極的にやっていくために国内の諸問題に関してはもう少し身軽になるべきだという説がございますけれども、私は今申し上げたような観点からすれば、必ずしも無条件に賛成できる御意見ではございません。国内の諸問題においてももっと国がさまざまな地域社会の、あるいは自治体そのものの要望にこたえるような行政をより積極的にやっていただいてもいいわけであります。
その点についてそれではどういうふうな事例があるのかという御指摘でございますけれども、私は、池上参考人のおっしゃったような現場という意味でいえば、主として環境問題なりリサイクル、ごみ問題で活動してまいりましたのでその領域しか必ずしも自信を持って言えないんですけれども、廃棄物の処理などはまさにそうでございまして、収集した後のものはどうしても処理せざるを得ない。焼却などは個別ないしは幾つかの市町村が協力して共同処理をするという仕組みで対応できるでしょうけれども、埋立処分地を探すといったような問題になってまいりますと、例えば二十三区で果たしてできるんでしょうかとか、あるいは三多摩の三十二の市町村が埋立処分地をそれぞれ持たなければならないとなりますと、本当はそれの方が望ましいのかもしれませんが、現実には非常に難しい問題があるわけであります。
そうなりますと、やはり都道府県がこれは市町村と十分に連携をとりながら広域的な処分地を確保する。しかし、広域行政には御案内のようなマイナス面もございますから、そういった面はできるだけ抑え込むような仕組みを十分に考えながら都道府県の役割の増大を期待せざるを得ない。
それから、集まったものをできるだけ再利用する。処分地がなくなってきているわけですから減量というものが大変大切になりますが、集めたものをどう利用するかとなりますと、これは例えばリサイクル型の経済の仕組みを考えていかなければなりません。
それから例えば個々の市町村からいたしますと、行政区域の外にある企業に対して、メーカーに対して、直接条例をつくってあれこれ規制をするというのは今のところできないわけであります。どうしてもその区域の外にある産業界に対する政策的な対応というのは都道府県なり国なりに期待せざるを得ない。しかし市町村は、従来どおり収集したものを処理するという面で努力をしながら、再利用なりリサイクルという面から見ますと全国的なレベルでそういったシステムをきちっと考えていただくことがどんなにか市町村にとって心強いことであるか。ごみを集めるあるいは分別収集をするというこの作業においてどんなに勇気づけられるものであるか。
今は、どんなに一生懸命分別収集をしましても時にはそれをメーカーは引き取ってくれない、ごみにせざるを得ない。分別の努力が生きないということでありまして、そういう観点からすると、そういったものを今度は全国的な視野からきちっと受けとめる、そして産業界に対してさまざまな協力をお願いする、こういう責務を国がきちっと果たしてくれれば、それは自治の減退ではなくてむしろ自治の拡大であります。
池上さんの言われたような意味でいえば、市町村の職員はどんなにか元気が出るかということになるわけでございまして、そういう観点からすると受け皿というものは、必ずしも広域的な仕組みを地方につくっていかなければならない、合併がそれであるというわけのものでもないような気がするわけでございます。こういったようなことは、リサイクルや環境問題に限らず、都市計画でも福祉でも多々言えるのではないかというふうに思っております。
それから御質問から少しずれるかもしれませんが、私この間、自分の町の自治体の職員とずっと町を見ておりましたら、その職員がこんなことを申されました。ここに公園があります。公園の中にごみ箱がある。ごみ箱を公園に置くのは一向に構わないんですが、ところがそのごみに関しまして、缶と瓶と分けて入れることができるようなごみ箱をつくろう、それはリサイクルにつながるということになるわけですね。その場合に、集まってくる缶とか瓶をごみにしないでリサイクルにする。リサイクルというのは、当然、集めてきたものをもう少し選別をし直して業者さんに引き取ってもらう。そのときに市場の価格がよければそれは自治体に多少の収入になるんですが、収入になるとその分別のためのボックスは公園に置けないんです。ごみ箱だったら置いてよろしい。要するにお金になるようなものの道具を置いてはならない、こうなるわけです。
リサイクルしないでごみにした方がいいといいますか、結果的にはそれを強いられてしまって、新しくクリーンボックスの仕組みを変えていこう、ごみを減らすように持っていこうという努力が生かされないわけです。
こういうことを考えますと、この収集作業とかごみの問題と公園の問題は決して無関係ではありません。限られた地域の中でどのようにごみ箱という受け皿を用意していくかとなれば、公園や廃棄物やその他のものを一緒に考えて全体的にいい仕組みを考えていくというのがまさに市町村レベルの総合行政なんですが、それができないわけです。
こういったことが地方分権という意味で非常に大きな意味を持つというふうに考えているわけでございまして、受け皿というのは必ずしも空間的な意味での受け皿というだけじゃなくて、法律を変える、仕組みを変える、これもまた別の意味での受け皿であります。こういうこともぜひともいろいろの機会のところでお考えになっていただければ大変ありがたいと思います。
石井先生の御質問に十分お答えできなかったのではないかと思うんですが、どうも失礼しました。
石
石井道子#11
○石井道子君 時間がもう余りなくなってしまいましたが、川島参考人にちょっと簡単にお伺いをいたします。
地方分権になりますと、今度はやはり地方の首長さんの責任と権限の増大といいますか、強さが問題にもなります。既に知事とか市長さんにおきます汚職問題も起こっているところでございまして、そのようなことを防止する意味では、地方議会との車の両輪といいますか、チェック機能が十分果たされなければならないというふうにも思います。最近は非常に首長さんの多選が多うございますし、議会もオール与党化という形が、共産党さんは違うかもしれませんが、そういう形が大変多うございまして、そういう面での心配もあります。
先ほど、地方議会のあり方についていろいろと新しい選択の道があるというふうにおっしゃいました。そのことをもう少し具体的にお話しいただけないでしょうか。
この発言だけを見る →地方分権になりますと、今度はやはり地方の首長さんの責任と権限の増大といいますか、強さが問題にもなります。既に知事とか市長さんにおきます汚職問題も起こっているところでございまして、そのようなことを防止する意味では、地方議会との車の両輪といいますか、チェック機能が十分果たされなければならないというふうにも思います。最近は非常に首長さんの多選が多うございますし、議会もオール与党化という形が、共産党さんは違うかもしれませんが、そういう形が大変多うございまして、そういう面での心配もあります。
先ほど、地方議会のあり方についていろいろと新しい選択の道があるというふうにおっしゃいました。そのことをもう少し具体的にお話しいただけないでしょうか。
川
川島正英#12
○参考人(川島正英君) わかりました。お答えします。
先ほども申し上げましたように、地方分権が進展していきますと、やはり行政府といいますか首長部局と議会との関係というのは本当に大変重要な問題になってくると思うんですね。
多選問題も含めまして、私は、地方議会のあり方そして地方選挙のあり方も、それぞれの地域で選ぶべきだと先ほど申し上げたんですが、多選問題について申し上げれば、これは我々民間政治臨調の場合ですが非常に検討いたしまして、やはり地域の考え方としては大勢は多選というものに対して非常に批判的であるという意見が出ました。私は、これすら必ずしも法律によって多選を禁止するという道をとるんではなくて、逆に地域の選択にすべきじゃないだろうか。あるいは外国人に選挙権を与えるとか、あるいは低年齢層に選挙権を拡大していくかとか、そういう問題もやはり地域ごとに違った選択があり得るのではないかという、まあ非常に極端な意見を申し上げるんですけれども。
そういう延長線上で行けば、地方の議会、特にそういう条例をつくるというような意味合いもあってその地方議会の重要性というのは非常に大きくなるんではないか。地方議会だけではなくて、例えば監査の制度とかそういったものもそれぞれ非常に強めていかなければならないのであって、首長さんあるいは行政部局に対する批判あるいはチェック、監視の機能をどうするかというのは非常に重要だろうと思います。
今お話しになった汚職といいますか、そういう腐敗の構造というものがまさにここ数年、地方行政部局、行政府の中で非常に大変なスキャンダルが幾つか出てきておるわけですけれども、これに対しては、この地方議会とかあるいは監査の制度とかあるいは住民の目がもっと行き届くことによって、しかも権限が身近なところへ移されることによって住民自身の目もそちらに非常に向き始めるんではないか。いろんな意味合いで、地方の首長さんたちのそういう腐敗の構造もむしろ分権によって改められていくんではないかというのが私の見方でございます。
この発言だけを見る →先ほども申し上げましたように、地方分権が進展していきますと、やはり行政府といいますか首長部局と議会との関係というのは本当に大変重要な問題になってくると思うんですね。
多選問題も含めまして、私は、地方議会のあり方そして地方選挙のあり方も、それぞれの地域で選ぶべきだと先ほど申し上げたんですが、多選問題について申し上げれば、これは我々民間政治臨調の場合ですが非常に検討いたしまして、やはり地域の考え方としては大勢は多選というものに対して非常に批判的であるという意見が出ました。私は、これすら必ずしも法律によって多選を禁止するという道をとるんではなくて、逆に地域の選択にすべきじゃないだろうか。あるいは外国人に選挙権を与えるとか、あるいは低年齢層に選挙権を拡大していくかとか、そういう問題もやはり地域ごとに違った選択があり得るのではないかという、まあ非常に極端な意見を申し上げるんですけれども。
そういう延長線上で行けば、地方の議会、特にそういう条例をつくるというような意味合いもあってその地方議会の重要性というのは非常に大きくなるんではないか。地方議会だけではなくて、例えば監査の制度とかそういったものもそれぞれ非常に強めていかなければならないのであって、首長さんあるいは行政部局に対する批判あるいはチェック、監視の機能をどうするかというのは非常に重要だろうと思います。
今お話しになった汚職といいますか、そういう腐敗の構造というものがまさにここ数年、地方行政部局、行政府の中で非常に大変なスキャンダルが幾つか出てきておるわけですけれども、これに対しては、この地方議会とかあるいは監査の制度とかあるいは住民の目がもっと行き届くことによって、しかも権限が身近なところへ移されることによって住民自身の目もそちらに非常に向き始めるんではないか。いろんな意味合いで、地方の首長さんたちのそういう腐敗の構造もむしろ分権によって改められていくんではないかというのが私の見方でございます。
石
沓
沓掛哲男#14
○沓掛哲男君 自由民主党の沓掛でございます。
本日は、参考人として大変貴重な御意見を聞かせていただきましたので、それを踏まえながら質問をさせていただきたいと思います。
まず最初に、三人の方の中で意見の違っているところがありますので、それについてお尋ねしたいと思います。池上さんが最後に言われたわけですから、池上さんは前の二人の御意見を聞いた上でしたから、池上さんはまず最初の質問は結構ですが、お二方、寄本さんと川島さんにお尋ねしたいんです。
池上さんは、この地方分権の推進はじっくり時間をかけてやっていくべきだ、一つ一つの市町村のそれぞれの個性とかいろんなものがあるんですから、そういうものを踏まえながらやっていくべきだということでした。寄本さん、川島さんは、緊急性、千載一遇のようなチャンスなんだから、いわゆる五カ年の時限立法の内にきちっとできなくても、それを踏まえて急いでやるべきだというようなことを言われたんですが、それについてちょっとお二方、もう一度御意見をいただきたい。
私自身は、五千円札の肖像画に出ている十和田出身の新渡戸稲造先生が非常に愛した言葉としてアイレ・ニヒト・バイレ・ニヒトという言葉がありまして、急ぐな、しかれどもぐずぐずするなというのがあの十和田の新渡戸記念館に行くと出ていますが、そういう気持ちだなと思うんですけれども、そこが非常に違っていたので、先にお二方の御意見を聞きたい。
それからもう一つまた違っていたことは、池上さんは、町村合併については余りそう積極的に必ずしも受け皿論的な意味でのそういう合併的なものは必要じゃないんじゃないか、人口千人の村でもそれなりのいろんな歴史的な意味もあるんだからそのままでいいじゃないかというような御意見でございました。これについては私は、私もいろいろ行政を実際やってきた人間として、もうちょっとやっぱり広くないと、千人未満の町村が議会をつくり、そしてこういう同じようないろいろなことを議員を選挙してやっていく、それは今のこの時代にはなかなか合いにくいなという気持ちを私は強くするんですが、このことについて寄本参考人と川島参考人にお伺いしたい。
ただ、池上さんにもお伺いしたいんですが、この本文の第七条第二項で、「国は、前項の地方公共団体の行政体制の整備及び確立に資するため、地方公共団体に対し必要な支援を行うもの」としているんですね。この支援は何かというと、去年の暮れにつくった地方分権の大綱の中で、市町村の自主的な合併の支援を国はすべきだということを言っている。国は市町村の自主的な合併の支援をすべきだというこのことを受けてここで支援という言葉が出てきているので、大綱としては、やっぱりある程度小さいものはまとめて、ある程度機能的にできるところまで持っていこうというような意味が含まれている文章だということなんですが、これについてどうお考えか、最初このことをお尋ねして、次に財源についてお尋ねしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
この発言だけを見る →本日は、参考人として大変貴重な御意見を聞かせていただきましたので、それを踏まえながら質問をさせていただきたいと思います。
まず最初に、三人の方の中で意見の違っているところがありますので、それについてお尋ねしたいと思います。池上さんが最後に言われたわけですから、池上さんは前の二人の御意見を聞いた上でしたから、池上さんはまず最初の質問は結構ですが、お二方、寄本さんと川島さんにお尋ねしたいんです。
池上さんは、この地方分権の推進はじっくり時間をかけてやっていくべきだ、一つ一つの市町村のそれぞれの個性とかいろんなものがあるんですから、そういうものを踏まえながらやっていくべきだということでした。寄本さん、川島さんは、緊急性、千載一遇のようなチャンスなんだから、いわゆる五カ年の時限立法の内にきちっとできなくても、それを踏まえて急いでやるべきだというようなことを言われたんですが、それについてちょっとお二方、もう一度御意見をいただきたい。
私自身は、五千円札の肖像画に出ている十和田出身の新渡戸稲造先生が非常に愛した言葉としてアイレ・ニヒト・バイレ・ニヒトという言葉がありまして、急ぐな、しかれどもぐずぐずするなというのがあの十和田の新渡戸記念館に行くと出ていますが、そういう気持ちだなと思うんですけれども、そこが非常に違っていたので、先にお二方の御意見を聞きたい。
それからもう一つまた違っていたことは、池上さんは、町村合併については余りそう積極的に必ずしも受け皿論的な意味でのそういう合併的なものは必要じゃないんじゃないか、人口千人の村でもそれなりのいろんな歴史的な意味もあるんだからそのままでいいじゃないかというような御意見でございました。これについては私は、私もいろいろ行政を実際やってきた人間として、もうちょっとやっぱり広くないと、千人未満の町村が議会をつくり、そしてこういう同じようないろいろなことを議員を選挙してやっていく、それは今のこの時代にはなかなか合いにくいなという気持ちを私は強くするんですが、このことについて寄本参考人と川島参考人にお伺いしたい。
ただ、池上さんにもお伺いしたいんですが、この本文の第七条第二項で、「国は、前項の地方公共団体の行政体制の整備及び確立に資するため、地方公共団体に対し必要な支援を行うもの」としているんですね。この支援は何かというと、去年の暮れにつくった地方分権の大綱の中で、市町村の自主的な合併の支援を国はすべきだということを言っている。国は市町村の自主的な合併の支援をすべきだというこのことを受けてここで支援という言葉が出てきているので、大綱としては、やっぱりある程度小さいものはまとめて、ある程度機能的にできるところまで持っていこうというような意味が含まれている文章だということなんですが、これについてどうお考えか、最初このことをお尋ねして、次に財源についてお尋ねしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
小
寄
寄本勝美#16
○参考人(寄本勝美君) 地方分権推進法をめぐりましては、ぜひとも今国会で可決、成立していただきたいというように強く願っております。
御質問の内容に関しましては、実は第二条におきまして、地方公共団体が分担すべき役割を明確にするとともに、地方公共団体の自主性及び自立性を高め、個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現を図ることを基本とする、こういうふうに書いていただいているわけでございまして、例えば池上さんのおっしゃったようなこともこの中で十分に御考慮をお願いしていただくということになるのではないかと思っております。
この発言だけを見る →御質問の内容に関しましては、実は第二条におきまして、地方公共団体が分担すべき役割を明確にするとともに、地方公共団体の自主性及び自立性を高め、個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現を図ることを基本とする、こういうふうに書いていただいているわけでございまして、例えば池上さんのおっしゃったようなこともこの中で十分に御考慮をお願いしていただくということになるのではないかと思っております。
川
川島正英#17
○参考人(川島正英君) 第一点につきましては、そのじっくりとというのが推進法そのもののことであるかどうかということについては、私ちょっと受けとめが違っているのかなと思います。地方行政全体への、地方自治へのステップとしてはもっともっとじっくりやらなきゃいけないことがあるんではないのかというふうに私は池上参考人のお話を承ったんです。それで、地方分権推進法については、むしろ先ほど申し上げましたように、全く急務である、今国会での成立というものがぜひ必要であって、この場を逃すと再びこういう機会がないのではないかというぐらいの危機感を私は持っております。
第二点の町村合併については、私、先ほどは一つの背景として二層制自治というものが、今回の地方分権推進法をつくる過程で二層制自治を守っていくということが非常に大きな合意になってここまで進んできたということを申し上げましたが、私自身はもっと積極的に都道府県の道州制、連邦制に対しても反対でありますし、市町村合併というものもこういう受け皿論議の中で論ずるのはどうも賛成いたしかねると。
先ほど千人ぐらいの村でというお話がございましたけれども、私が市町村、地域ごとに選択すべきだと言うのはその点も含めてでありまして、議会をつくらないというのも一つの選択ではないかと。現行法の中でも町村総会という制度が決められておるんですけれども、これは今まで過去一回だけ少し実施されたというふうに聞いておりますけれども、この町村総会といったような制度とかあるいはそれに類似した考え方、議会にかわってそういうこともあってもいいのではないか。
つまり、市町村それぞれがそれぞれの考え方で議会なり選挙なりを選んでいけばいいのであり、そして市町村の力が弱いとすれば、先ほど申し上げましたように、府県との関係において、むしろ市町村が背負えないものは府県がどこまでバックアップするか、補完するかという、そこの関係が非常に重要になってくるんだろうということを先ほど申し上げたわけなんですけれども、お答えになっていますかどうか。
この発言だけを見る →第二点の町村合併については、私、先ほどは一つの背景として二層制自治というものが、今回の地方分権推進法をつくる過程で二層制自治を守っていくということが非常に大きな合意になってここまで進んできたということを申し上げましたが、私自身はもっと積極的に都道府県の道州制、連邦制に対しても反対でありますし、市町村合併というものもこういう受け皿論議の中で論ずるのはどうも賛成いたしかねると。
先ほど千人ぐらいの村でというお話がございましたけれども、私が市町村、地域ごとに選択すべきだと言うのはその点も含めてでありまして、議会をつくらないというのも一つの選択ではないかと。現行法の中でも町村総会という制度が決められておるんですけれども、これは今まで過去一回だけ少し実施されたというふうに聞いておりますけれども、この町村総会といったような制度とかあるいはそれに類似した考え方、議会にかわってそういうこともあってもいいのではないか。
つまり、市町村それぞれがそれぞれの考え方で議会なり選挙なりを選んでいけばいいのであり、そして市町村の力が弱いとすれば、先ほど申し上げましたように、府県との関係において、むしろ市町村が背負えないものは府県がどこまでバックアップするか、補完するかという、そこの関係が非常に重要になってくるんだろうということを先ほど申し上げたわけなんですけれども、お答えになっていますかどうか。
池
池上洋通#18
○参考人(池上洋通君) 私、発言がちょっと舌足らずだったかもしれませんが、先ほどの発言の冒頭に申し上げましたように、私も今度の法案には基本的に賛成しておりまして、今国会でぜひ成立をさせていただきたいと実は願っております。そのことをまず申し上げます。
それからお話のございました市町村合併のことでございますが、これも私、かなり丁寧に申し上げたつもりだったのでございますが、どんな場面でも市町村合併絶対いかぬなどということを申し上げているつもりは全くございません。しかし、今、川島参考人がおっしゃいましたように、いわば分権に必要だから式の市町村合併はいかがなものだろうか。そしてまた、市町村合併を行うにつきましても、本当に二十一世紀型の社会をどう展望するつもりなのかということを真剣に考えなければならないときに来ているのではないかということを率直に現場からの発言として申し上げさせていただいたわけでございます。
この発言だけを見る →それからお話のございました市町村合併のことでございますが、これも私、かなり丁寧に申し上げたつもりだったのでございますが、どんな場面でも市町村合併絶対いかぬなどということを申し上げているつもりは全くございません。しかし、今、川島参考人がおっしゃいましたように、いわば分権に必要だから式の市町村合併はいかがなものだろうか。そしてまた、市町村合併を行うにつきましても、本当に二十一世紀型の社会をどう展望するつもりなのかということを真剣に考えなければならないときに来ているのではないかということを率直に現場からの発言として申し上げさせていただいたわけでございます。
沓
沓掛哲男#19
○沓掛哲男君 私の申し上げたのは、この法案を審議することをじっくりゆるゆるやれと言ったのでは決してありませんで、この法律を通した上、これを実施していく上において余り拙速をすべきではないのではないか、そういうことを申し上げたのでございます。
次に、私は地方分権をしていく上で一番ポイントというのは財源だというふうに思います。国と地方とのある程度税源を分けていくということはそう難しいことではないと思います。ただ、これから私、二つのことを申し上げたいと思います。
一つは、ともすると国民負担率が物すごく上がっていくんではないかというふうに思います。現状は、地方公共団体がいろいろやろうということについてもある程度制約、規制をしております。しかし、それがちゃんとできるような、それぞれの地方公共団体でナショナルミニマムが達成できるような、そういうことを頭に置いて地方交付税でちゃんとこれを処置している。国が財源を取って、そしてそれを地方公共団体でそれぞれの基準財政需要額が満たされるようなそういう形で今実施しているわけです。
さあ今度はそうじゃなくて、個々の市町村ができるだけ自由に自主自立でいろんなことをやっていくようになれば、選挙で選ばれた市町村長さんですから、制約が極端に何もなくなれば、あれもやりたいこれもやりたい、どんどんやっていく。しかし、自分の市町村のところではなかなか財源が集まってこない。それを国なり県なりそういうところからどんどんよこせよこせということは、もう今よりももっと激しい突き上げになる。
今の市町村長さんは住民から言われても、いやこれは県がなかなか厳しいんだよ、中央に悪いやつらがおってさせてくれないんだよといって、そういう悪さをみんな転嫁しながらうまく逃げているわけですね。ところがそれが、いやそうじゃない、市町村長さん、あなたがすべてできるんじゃないか、なぜやらないということになれば、これはもういろんなことをやらざるを得ない。そうすれば、金よこせよこせと。結局そうなれば、やっぱり国全体として国民負担率がどんどん上がっていく、そういうおそれはないか、それに対する歯どめとしてはどういうことが考えられるのか、そういうことをお尋ねしたいのが一つ。
それからもう一つでございますけれども、今度は同じ市町村の間の争いというか、間には大変財政力の差が出てきますから、その財政力の差をなくするために今のような交付税があったわけです。しかし、これは国が取ってやっていたからできて、今度は地方分権で地方にだんだん権限を多くし、地方に財源を多くすれば、国はそれだけ財源が少なくなってくるわけです。
これは寄本さんの本にも、いわゆる地方分権の特徴の一つは、住民へのサービスと住民の負担の関係が見える行政にあると言っておられます。確かにいわゆるサービスと負担との関係が見えることは一番望ましいけれども、そういうものを透明にしていけばしていくほど、今度は今までのナショナルミニマム的な配分はできなくなってきて、できるだけ自分でそういうものを調達し、そして災害があったとか何か異常なときにはそういう調整機能を国が発揮してくれるということになると、その町村間においていろいろな行政等においてのサービスの差ができてこないのかどうか。
そういう差はもうやむを得ないというふうに考えるのか。いやいやそうじゃない、やっぱり行政のサービスは隣の県、隣の町村でも差をつけないんだということになると、やっている内容が別々なのに差をつけないということはこれはなかなか難しいし、本来の自主自立という地方分権にもなかなか問題が出てくるんではないかというように思いますが、そうかといって、私は石川県出身ですが、石川県のような貧乏な県は、地方交付税等で得ていた財源が来ないとなったらこれまた大変なことになるんですよ。
ですから、そういう点に対してはどういう考え方で、どういうふうな配分ができるのか。あるいは今のように、いやそれは、石川県は海にも近いし空気もいいし山も多いから、総合的に見ておまえら我慢せいと、そういうことなのか。その辺についてのまた御指導をいただければと思います。お三人の方にさっとお願いします。
この発言だけを見る →次に、私は地方分権をしていく上で一番ポイントというのは財源だというふうに思います。国と地方とのある程度税源を分けていくということはそう難しいことではないと思います。ただ、これから私、二つのことを申し上げたいと思います。
一つは、ともすると国民負担率が物すごく上がっていくんではないかというふうに思います。現状は、地方公共団体がいろいろやろうということについてもある程度制約、規制をしております。しかし、それがちゃんとできるような、それぞれの地方公共団体でナショナルミニマムが達成できるような、そういうことを頭に置いて地方交付税でちゃんとこれを処置している。国が財源を取って、そしてそれを地方公共団体でそれぞれの基準財政需要額が満たされるようなそういう形で今実施しているわけです。
さあ今度はそうじゃなくて、個々の市町村ができるだけ自由に自主自立でいろんなことをやっていくようになれば、選挙で選ばれた市町村長さんですから、制約が極端に何もなくなれば、あれもやりたいこれもやりたい、どんどんやっていく。しかし、自分の市町村のところではなかなか財源が集まってこない。それを国なり県なりそういうところからどんどんよこせよこせということは、もう今よりももっと激しい突き上げになる。
今の市町村長さんは住民から言われても、いやこれは県がなかなか厳しいんだよ、中央に悪いやつらがおってさせてくれないんだよといって、そういう悪さをみんな転嫁しながらうまく逃げているわけですね。ところがそれが、いやそうじゃない、市町村長さん、あなたがすべてできるんじゃないか、なぜやらないということになれば、これはもういろんなことをやらざるを得ない。そうすれば、金よこせよこせと。結局そうなれば、やっぱり国全体として国民負担率がどんどん上がっていく、そういうおそれはないか、それに対する歯どめとしてはどういうことが考えられるのか、そういうことをお尋ねしたいのが一つ。
それからもう一つでございますけれども、今度は同じ市町村の間の争いというか、間には大変財政力の差が出てきますから、その財政力の差をなくするために今のような交付税があったわけです。しかし、これは国が取ってやっていたからできて、今度は地方分権で地方にだんだん権限を多くし、地方に財源を多くすれば、国はそれだけ財源が少なくなってくるわけです。
これは寄本さんの本にも、いわゆる地方分権の特徴の一つは、住民へのサービスと住民の負担の関係が見える行政にあると言っておられます。確かにいわゆるサービスと負担との関係が見えることは一番望ましいけれども、そういうものを透明にしていけばしていくほど、今度は今までのナショナルミニマム的な配分はできなくなってきて、できるだけ自分でそういうものを調達し、そして災害があったとか何か異常なときにはそういう調整機能を国が発揮してくれるということになると、その町村間においていろいろな行政等においてのサービスの差ができてこないのかどうか。
そういう差はもうやむを得ないというふうに考えるのか。いやいやそうじゃない、やっぱり行政のサービスは隣の県、隣の町村でも差をつけないんだということになると、やっている内容が別々なのに差をつけないということはこれはなかなか難しいし、本来の自主自立という地方分権にもなかなか問題が出てくるんではないかというように思いますが、そうかといって、私は石川県出身ですが、石川県のような貧乏な県は、地方交付税等で得ていた財源が来ないとなったらこれまた大変なことになるんですよ。
ですから、そういう点に対してはどういう考え方で、どういうふうな配分ができるのか。あるいは今のように、いやそれは、石川県は海にも近いし空気もいいし山も多いから、総合的に見ておまえら我慢せいと、そういうことなのか。その辺についてのまた御指導をいただければと思います。お三人の方にさっとお願いします。
寄
寄本勝美#20
○参考人(寄本勝美君) 今、先生のおっしゃったことは大変ごもっともな面がございまして、私はアメリカの小さな町にかなり長い間住んだことがありますけれども、そこでは日本と比べますと市町村レベルの自治の仕組み、分権の仕組みは相対的に進んでいるんですが、しかし他方では、そのことのゆえに隣の市町村との間の財政格差ですとか、あるいは場合によっては財政的に破綻するかもしれないとか、あるいは行政サービスの水準がいかにも違うとかということが常に常に話題になっておりました。
分権と自治というのはある意味では違いをもたらすものですから、ある程度のことはやむを得ないのではないかというふうに考えております。どの程度が許容できるものなのかどうかという点につきましては、これはまたこれからの我々の議論といいますか、国民のある種の理解のもとで考えていかなければならないのではないかというふうに思っております。
財政の面に関しましては、私、必ずしも詳しくはないんですけれども、ナショナルミニマムという点でいえば国庫支出金の中の主として国庫負担金でもってカバーされる。国庫負担金というのはかなり全国的な視野から財政的な措置をするという性格のものですから、そちらの方は必要に応じてやはりきちっと維持をしていかなければならないのではないかというふうに思います。
問題は奨励的補助金の方に多少あるような気がするわけでございまして、奨励的な意味がなくなっているにもかかわらず、ずっと続いているがゆえに御案内のような問題をもたらしているとか、いい面での奨励はいいんですけれども、その使われ方が現実に適切でないとか整理をする必要があるとかといったあたりがあるわけでございまして、まずこの面から考えていかなければならないのではないかというふうに思っております。
あとは財政調整制度の仕組みをきちっとお考えになってくださいまして、御指摘のような格差をできるだけある一定以上にはもたらさないように、そしてある違いはやむを得ないとはいいましても、それをどう考えるかという点につきましては、住民自身が自分たちの町の行政と財政の仕組みが勉強できるように、もっと考えていただくように、要求するだけではなくて、みずから負担者でもあるんだといったようなことを考えていただいて、自治体の運営などに関しての参加の仕組み、こういったようなことを考え直すことがもちろん必要になってくるのではないかというふうに思います。
この発言だけを見る →分権と自治というのはある意味では違いをもたらすものですから、ある程度のことはやむを得ないのではないかというふうに考えております。どの程度が許容できるものなのかどうかという点につきましては、これはまたこれからの我々の議論といいますか、国民のある種の理解のもとで考えていかなければならないのではないかというふうに思っております。
財政の面に関しましては、私、必ずしも詳しくはないんですけれども、ナショナルミニマムという点でいえば国庫支出金の中の主として国庫負担金でもってカバーされる。国庫負担金というのはかなり全国的な視野から財政的な措置をするという性格のものですから、そちらの方は必要に応じてやはりきちっと維持をしていかなければならないのではないかというふうに思います。
問題は奨励的補助金の方に多少あるような気がするわけでございまして、奨励的な意味がなくなっているにもかかわらず、ずっと続いているがゆえに御案内のような問題をもたらしているとか、いい面での奨励はいいんですけれども、その使われ方が現実に適切でないとか整理をする必要があるとかといったあたりがあるわけでございまして、まずこの面から考えていかなければならないのではないかというふうに思っております。
あとは財政調整制度の仕組みをきちっとお考えになってくださいまして、御指摘のような格差をできるだけある一定以上にはもたらさないように、そしてある違いはやむを得ないとはいいましても、それをどう考えるかという点につきましては、住民自身が自分たちの町の行政と財政の仕組みが勉強できるように、もっと考えていただくように、要求するだけではなくて、みずから負担者でもあるんだといったようなことを考えていただいて、自治体の運営などに関しての参加の仕組み、こういったようなことを考え直すことがもちろん必要になってくるのではないかというふうに思います。
川
川島正英#21
○参考人(川島正英君) 今度のこの地方分権推進法がここに至る幾つかの背景があるわけですけれども、一つはやっぱり市町村の社会的基盤がある程度、戦後いろんなアンバランスがあったのがほぼある水準に達してきたということが非常に大きな要因としてあると思うんですね。したがって、下水道とか若干のものは残されているにしろ、ほとんど社会的基盤ということにとっては市町村それぞれほぼある水準の幅の中におさまってきたということが、こういう地方それぞれ自主性を持って自立的に行政をやっていこうという考え方に至る一つの大きな要素になっているんじゃないかというふうに思うわけです。
したがって、あれもこれもという形というものではなくて、先ほどお話がございましたように、市町村それぞれあらゆるものを隣近所と同じにそろえるということでなくて、そこに格差があるということは、選択する行政によって格差ができてくるということは、私としてはこれはある意味でやむを得ないのではないかというふうに考えます。
ただ、国が今やっておりますような地方交付税にかわる何らかの財政的な調整措置というのは、都道府県間で行うのか、とにかく何らかのそういう制度というものはかわって必要にはなってくるだろうと思いますが、だからといって市町村が今のようにあれもこれもとその市町村長に要求してそれで市町村長が動くということじゃなくて、おのずと市町村と府県あるいは市町村と国との関係というものがだんだんに地方分権というものが進む中で意識が変わってくるのではないだろうかというふうに考えるわけです。
この発言だけを見る →したがって、あれもこれもという形というものではなくて、先ほどお話がございましたように、市町村それぞれあらゆるものを隣近所と同じにそろえるということでなくて、そこに格差があるということは、選択する行政によって格差ができてくるということは、私としてはこれはある意味でやむを得ないのではないかというふうに考えます。
ただ、国が今やっておりますような地方交付税にかわる何らかの財政的な調整措置というのは、都道府県間で行うのか、とにかく何らかのそういう制度というものはかわって必要にはなってくるだろうと思いますが、だからといって市町村が今のようにあれもこれもとその市町村長に要求してそれで市町村長が動くということじゃなくて、おのずと市町村と府県あるいは市町村と国との関係というものがだんだんに地方分権というものが進む中で意識が変わってくるのではないだろうかというふうに考えるわけです。
池
池上洋通#22
○参考人(池上洋通君) 今のお二人の参考人の御意見に全く賛成でございますが、私は違った角度から一点だけ申し上げたいと思います。
それは実はもう申し上げるまでもございませんが、財政力の問題はそれぞれの地域における経済産業力に実は依存しているのでございまして、基本的には。ですから、地域における産業計画をどうするか、経済計画をどうするかということを抜きにこの問題を語ることはできないということになるわけでございます。その点で、東京一極集中の是正ということが実は地方分権との絡みで申し上げますと全国の地方自治体にとって一番のやはり願いでございまして、何よりも産業的な力を持ちたい、経済的な力を持ちたいという強い願いを持っているわけでございます。
その点で申し上げますと、私は、これは寄本教授がおっしゃったことでもございますが、国の果たすべき役割としまして、いわばナショナルな産業計画の転換というものを本気になって考える。そして、地域経済、地域産業をどう発展さすかということについて、これまでも御努力をいただいておるのでありますが、第一次産業から第三次産業に至るまでの本当に調和のとれた産業計画をつくって打って出るということがございませんと、結局分権の問題は絵にかいたもちになる。つまり、基礎的な経済的力をどう発展さすかという政策抜きに分権はやはり語ることはできないというふうに思うのです。
そういう意味では、先ほど私が申し上げました、先生がおっしゃいましたいわばゆっくり急げというテーマでございますが、なぜ私が拙速はというふうに申し上げたかという一つの背景にはこの産業経済計画があるからでございます。これについて、本当にやはりみんながそうだと、力を合わせて汗を流していこうじゃないかということを自治体ごとに考えていくような方向を私たちが創造し見出していく、それがやはり非常に求められていると思うのです。
そういう意味では、国の支援のお話が出ましたけれども、国は何よりもその方向を支援する、財政的にもしできるならば支援をする、システムで支援するなら支援するということをもっと明確に政策化する必要があるというふうに私は考えております。
この発言だけを見る →それは実はもう申し上げるまでもございませんが、財政力の問題はそれぞれの地域における経済産業力に実は依存しているのでございまして、基本的には。ですから、地域における産業計画をどうするか、経済計画をどうするかということを抜きにこの問題を語ることはできないということになるわけでございます。その点で、東京一極集中の是正ということが実は地方分権との絡みで申し上げますと全国の地方自治体にとって一番のやはり願いでございまして、何よりも産業的な力を持ちたい、経済的な力を持ちたいという強い願いを持っているわけでございます。
その点で申し上げますと、私は、これは寄本教授がおっしゃったことでもございますが、国の果たすべき役割としまして、いわばナショナルな産業計画の転換というものを本気になって考える。そして、地域経済、地域産業をどう発展さすかということについて、これまでも御努力をいただいておるのでありますが、第一次産業から第三次産業に至るまでの本当に調和のとれた産業計画をつくって打って出るということがございませんと、結局分権の問題は絵にかいたもちになる。つまり、基礎的な経済的力をどう発展さすかという政策抜きに分権はやはり語ることはできないというふうに思うのです。
そういう意味では、先ほど私が申し上げました、先生がおっしゃいましたいわばゆっくり急げというテーマでございますが、なぜ私が拙速はというふうに申し上げたかという一つの背景にはこの産業経済計画があるからでございます。これについて、本当にやはりみんながそうだと、力を合わせて汗を流していこうじゃないかということを自治体ごとに考えていくような方向を私たちが創造し見出していく、それがやはり非常に求められていると思うのです。
そういう意味では、国の支援のお話が出ましたけれども、国は何よりもその方向を支援する、財政的にもしできるならば支援をする、システムで支援するなら支援するということをもっと明確に政策化する必要があるというふうに私は考えております。
沓
山
山口哲夫#24
○山口哲夫君 日本社会党の山口哲夫と申します。大変貴重な御意見をお聞かせいただきまして、ありがとう存じます。
まず最初に寄本参考人にお尋ねしたいと思います。
参考人は、例えば清掃問題を取り上げまして、一つの行政の中でも市町村がやるべきもの、あるいは都道府県、国がやるべきもの、いろいろと分類されるのではないかと。確かにそのとおりだというふうに私は思うわけですけれども、今度の地方制度調査会のこの地方分権に対する考え方が述べられましたけれども、その中で例示として、これは国がやるべき仕事であるという例示をしている中に、逆に地方でも行えるようなものも入っているわけですね。
例えば公的年金を一つ例にとってみたいと思うんですけれども、公的年金の中でまず基準の作成というものは、これは確かに国がやらなければならない。基礎になる法律ですから、それは国がつくらなければならない。しかし、それに基づいてあと幾つかの業務がありますけれども、例えば掛金の計算をするとか、それから賦課をするとか徴収をするとか、年金の支給をするとか、そういった問題というのはこれはすべて地方自治体で行えるわけです。しかし、財政全体をどうするかということになると、これはやっぱり国がやらなければならない。ところが、今の状況を見ておりますと、これは国がやるべき仕事だというそういう考え方に立ちまして、今言った地方自治体で行えることも全部国家公務員という形でやらせてしまうというように一つの行政が中央集権化されてしまうということになるわけです。
ですから、逆にこういうものも一つの法律の中で、これは国がやるべきこと、これは自治体がやるべきこと、それから先ほど先生がおっしゃったように、本来地方自治体がやるべき仕事だと思っている清掃のようなものでも国がやらなければできないようなものもあるわけですから、そういうものは一つの法律の中で一つ一つ役割分担ということを決めていかないといけないんでないかなというふうに感じるんですけれども、それについてお教えいただきたい。それが第一問です。
それから二つ目の質問は税財政の問題でございまして、せめて国が五、自治体が五、半々の財源というものをやはり与えるべきではないだろうか、こういうようなお話がございました。あとは交付税でやればいいじゃないかというようなことだったと思いますけれども、私はむしろドイツのように、税というものは地方自治体が全部徴収をする。やっぱり住民から身近なところで税を徴収することによって、仕事と住民の関係、不満もそこで全部出せるわけですね。そういうことからいくと、税というものはすべて自治体が徴収をして、逆に国が必要とする財源というものを国の方に納付をする、まあ逆交付税とでもいうんでしょうか、そんなようなことを考えた方が私はいいんでないだろうかなと思うわけです。
大体、国と地方自治体との財源と仕事の関係を見てみますと、財政は地方自治体が三割自治と言っていますが、今四割に近づいておるようですけれども、しかし仕事は七割くらいやっているわけですからそういうことも可能になるんでないだろうか、こういうふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
この発言だけを見る →まず最初に寄本参考人にお尋ねしたいと思います。
参考人は、例えば清掃問題を取り上げまして、一つの行政の中でも市町村がやるべきもの、あるいは都道府県、国がやるべきもの、いろいろと分類されるのではないかと。確かにそのとおりだというふうに私は思うわけですけれども、今度の地方制度調査会のこの地方分権に対する考え方が述べられましたけれども、その中で例示として、これは国がやるべき仕事であるという例示をしている中に、逆に地方でも行えるようなものも入っているわけですね。
例えば公的年金を一つ例にとってみたいと思うんですけれども、公的年金の中でまず基準の作成というものは、これは確かに国がやらなければならない。基礎になる法律ですから、それは国がつくらなければならない。しかし、それに基づいてあと幾つかの業務がありますけれども、例えば掛金の計算をするとか、それから賦課をするとか徴収をするとか、年金の支給をするとか、そういった問題というのはこれはすべて地方自治体で行えるわけです。しかし、財政全体をどうするかということになると、これはやっぱり国がやらなければならない。ところが、今の状況を見ておりますと、これは国がやるべき仕事だというそういう考え方に立ちまして、今言った地方自治体で行えることも全部国家公務員という形でやらせてしまうというように一つの行政が中央集権化されてしまうということになるわけです。
ですから、逆にこういうものも一つの法律の中で、これは国がやるべきこと、これは自治体がやるべきこと、それから先ほど先生がおっしゃったように、本来地方自治体がやるべき仕事だと思っている清掃のようなものでも国がやらなければできないようなものもあるわけですから、そういうものは一つの法律の中で一つ一つ役割分担ということを決めていかないといけないんでないかなというふうに感じるんですけれども、それについてお教えいただきたい。それが第一問です。
それから二つ目の質問は税財政の問題でございまして、せめて国が五、自治体が五、半々の財源というものをやはり与えるべきではないだろうか、こういうようなお話がございました。あとは交付税でやればいいじゃないかというようなことだったと思いますけれども、私はむしろドイツのように、税というものは地方自治体が全部徴収をする。やっぱり住民から身近なところで税を徴収することによって、仕事と住民の関係、不満もそこで全部出せるわけですね。そういうことからいくと、税というものはすべて自治体が徴収をして、逆に国が必要とする財源というものを国の方に納付をする、まあ逆交付税とでもいうんでしょうか、そんなようなことを考えた方が私はいいんでないだろうかなと思うわけです。
大体、国と地方自治体との財源と仕事の関係を見てみますと、財政は地方自治体が三割自治と言っていますが、今四割に近づいておるようですけれども、しかし仕事は七割くらいやっているわけですからそういうことも可能になるんでないだろうか、こういうふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
寄
寄本勝美#25
○参考人(寄本勝美君) 教えていただくところが多くて、大変ありがとうございました。国と自治体との役割の分担というのは大きな範疇では事実上困難であるというあたりのところに関しまして御理解をいただいたことは、大変うれしく思っております。
清掃なら清掃、福祉なら福祉の幾つかの大きな分類の中で、さらに中分類、小分類と分かれていくと思うんですが、その個々の仕事についてきちっと役割を分担するところは分担するということになっていかざるを得ないのではないか。そしてまた、そのときに国がやるべき、やるべきというそのべき論よりも、できるかできないかという可能性論といいますか、客観的な可能性といいますか、これが非常に私は大事だというふうに思っております。
国の方々も、国がやるべきだとおっしゃるときにはやはり使命感を持って言われる場合もあるわけですね。自治体の希望を受けて我々はやっているんだ、国がやっぱりこういうことをやるべきなんだと。それは本当にそういう一人の公務員としてお考えの上で言われることもあるわけでございますが、しかし自治体ができるのにということが他方にあるわけでございまして、これからの分担というのは、できるかできないかということにもう少しポイントを置いてお考えになっていただくということがあろうかと思います。
それから五対五のことでございますが、これは個々の市町村、都道府県も含めまして自治体対国の財源配分ではございますけれども、個々の自治体のことを申し上げたわけではございません。今、全体として地方税は四〇%近くということになっているわけです。それを全体として五〇%ぐらいに引き上げる。したがって、個々の自治体にとってはそのパーセンテージはかなりの変化があろうかと思いますが、それは別の制度で補うしかないだろう。御指摘のようなドイツの財政制度を私も時々勉強させていただいておりますけれども、そのような可能性もその委員会の方で御議論をまずいただいて、国会の方にお出しをしていただければというふうに思うわけでございます。
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国の方々も、国がやるべきだとおっしゃるときにはやはり使命感を持って言われる場合もあるわけですね。自治体の希望を受けて我々はやっているんだ、国がやっぱりこういうことをやるべきなんだと。それは本当にそういう一人の公務員としてお考えの上で言われることもあるわけでございますが、しかし自治体ができるのにということが他方にあるわけでございまして、これからの分担というのは、できるかできないかということにもう少しポイントを置いてお考えになっていただくということがあろうかと思います。
それから五対五のことでございますが、これは個々の市町村、都道府県も含めまして自治体対国の財源配分ではございますけれども、個々の自治体のことを申し上げたわけではございません。今、全体として地方税は四〇%近くということになっているわけです。それを全体として五〇%ぐらいに引き上げる。したがって、個々の自治体にとってはそのパーセンテージはかなりの変化があろうかと思いますが、それは別の制度で補うしかないだろう。御指摘のようなドイツの財政制度を私も時々勉強させていただいておりますけれども、そのような可能性もその委員会の方で御議論をまずいただいて、国会の方にお出しをしていただければというふうに思うわけでございます。
山
山口哲夫#26
○山口哲夫君 ありがとうございました。
川島参考人にお尋ねをいたします。
まず二層制の問題ですけれども、今度の法案は、原則として国の権限を都道府県にまず移譲しよう、そしていずれ都道府県の方から市町村に移譲していくようにしようという、そういう考え方に立っているというふうに思うわけです。しかし、きのう私ども富山県に参りまして地方公聴会に参加いたしました。富山県の知事のお話を聞きますと、もう既に自分たちは二十五項目、二百くらいの事務については市町村に移譲していますと、こういうお話もありましたし、大分県でもそういう計画がもう立てられて実行もされております。恐らく全国的に調べたらもっと多いんではないかと思うわけです。
やっぱり一番問題は、基礎自治体が直接仕事を行うわけですから、権限移譲というものは都道府県ではなくしてむしろ市町村に直接移譲するべきが一番いいんでないだろうかと思うわけです。これは都道府県に移譲しますと、今まで建設省に陳情に行ったのが今度県庁に行くのに変わるだけでありまして、余り大したことではないと思うわけですね。
しかし、なかなか市町村にいきなり移譲してもこれは大変かとも思いますので、条件をつけまして、都道府県に移譲をするんだけれども、後は都道府県と市町村の間で必ず協議をして、できるものはすべて市町村に移譲するようにするべきであるとか、これから推進計画を恐らく立てるわけですから、あるいは推進委員の方々が勧告するわけですから、そんなようなこともきちっと整理をしておいてもらわないと、何か都道府県に権限移譲してそこでとまってしまう危険性も出てくるんでないだろうか、そう思いますので、そんなような方法がとれないものかどうなのかということをお尋ねしたいと思います。
それからもう一つは時限立法のことでございます。五年間でやる気持ちはよくわかるけれどもなかなか大変だろうというお話でなかったかというふうに聞いておるわけですが、この間、分権委員会で質問いたしまして山口長官がはっきりお答えされたのは、推進委員の方々に勧告をしていただくのは二年間の間、後の半年でそれを受けて政府が計画を立てる、後の二年半で分権を実行する、こういう考え方でいきたいと。大変積極的なお考えを示されまして心強く思ったわけですけれども、しかしなかなかこれは考えてみますと大変な問題だと思うわけです。
その場合に、これは今から延長するということではなくしてその時点で延長をしていく。今までも時限立法を幾らでも延長しているわけですから、その時点で延長をする。しかし、当面は五年間でやるという決意でやらなければこういうものはなかなかできないと思いますので、そういう手法でやってみてはどんなものかなというふうに思うんですけれども、その二点についてお教えいただきたいと思います。
この発言だけを見る →川島参考人にお尋ねをいたします。
まず二層制の問題ですけれども、今度の法案は、原則として国の権限を都道府県にまず移譲しよう、そしていずれ都道府県の方から市町村に移譲していくようにしようという、そういう考え方に立っているというふうに思うわけです。しかし、きのう私ども富山県に参りまして地方公聴会に参加いたしました。富山県の知事のお話を聞きますと、もう既に自分たちは二十五項目、二百くらいの事務については市町村に移譲していますと、こういうお話もありましたし、大分県でもそういう計画がもう立てられて実行もされております。恐らく全国的に調べたらもっと多いんではないかと思うわけです。
やっぱり一番問題は、基礎自治体が直接仕事を行うわけですから、権限移譲というものは都道府県ではなくしてむしろ市町村に直接移譲するべきが一番いいんでないだろうかと思うわけです。これは都道府県に移譲しますと、今まで建設省に陳情に行ったのが今度県庁に行くのに変わるだけでありまして、余り大したことではないと思うわけですね。
しかし、なかなか市町村にいきなり移譲してもこれは大変かとも思いますので、条件をつけまして、都道府県に移譲をするんだけれども、後は都道府県と市町村の間で必ず協議をして、できるものはすべて市町村に移譲するようにするべきであるとか、これから推進計画を恐らく立てるわけですから、あるいは推進委員の方々が勧告するわけですから、そんなようなこともきちっと整理をしておいてもらわないと、何か都道府県に権限移譲してそこでとまってしまう危険性も出てくるんでないだろうか、そう思いますので、そんなような方法がとれないものかどうなのかということをお尋ねしたいと思います。
それからもう一つは時限立法のことでございます。五年間でやる気持ちはよくわかるけれどもなかなか大変だろうというお話でなかったかというふうに聞いておるわけですが、この間、分権委員会で質問いたしまして山口長官がはっきりお答えされたのは、推進委員の方々に勧告をしていただくのは二年間の間、後の半年でそれを受けて政府が計画を立てる、後の二年半で分権を実行する、こういう考え方でいきたいと。大変積極的なお考えを示されまして心強く思ったわけですけれども、しかしなかなかこれは考えてみますと大変な問題だと思うわけです。
その場合に、これは今から延長するということではなくしてその時点で延長をしていく。今までも時限立法を幾らでも延長しているわけですから、その時点で延長をする。しかし、当面は五年間でやるという決意でやらなければこういうものはなかなかできないと思いますので、そういう手法でやってみてはどんなものかなというふうに思うんですけれども、その二点についてお教えいただきたいと思います。
川
川島正英#27
○参考人(川島正英君) お答えします。
最初の点なんですが、都道府県と市町村の間の関係というのは、先ほども私は分権推進法が成立した後の第一の課題だろうというふうに申し上げたんです。
それで、先ほど富山あるいは大分の例をお話しいただいたわけですけれども、そのほかこれまでも、かつて広島の宮澤知事がああいう形で府県から市町村への権限移譲を始めて以来、ずっといろんな形で府県と市町村の間というのはある程度の権限移譲というのは進められておりますし、今回の分権推進法が論議になってから、府県と市町村の間の関係調整というようなことでいろんな審議会なり市町村と府県との間の話し合いなどが始まっておりますけれども、私はむしろ、まず真っ先に市町村にというその原則というのは、非常に私もそのとおりだと思いますし、シャウプ勧告以来、一番身近なものは市町村にというそういうことは私自身も賛成なんですけれども、先ほど申し上げましたように、市町村にとって、能力として、機能として、そこまでなかなか現時点でそういう権限を全部担い切れないというような問題をどう考えていくかということが一番ポイントになるんじゃないか。
したがって、今、山口先生が府県と市町村との協議とおっしゃいましたけれども、私もその協議は賛成でございますが、その協議というものをむしろ府県と市町村が、特に市町村で担い切れないものがあるんじゃないか、それをどうするんだというところにポイントを置いて、府県からの補完とか支援という考え方を今はやっぱりとっていかざるを得ないんではないか、一挙に国から市町村へという理想的な形というのは非常に無理なのではないだろうかというふうに考えます。
第二点の時限立法については、まさに期限を切ってできるだけ早くというのは、むしろ地方制度調査会なんかでもそういう論議になりまして、最初は十年というようなことを言っていたのが、もっと早く期限を切るべしと。それはいろんな地方自治法の本格的改正まで考えれば大変長い年月を必要とするけれども、そういうことを言ってはいられないんだ、とにかくできるだけ急いでやる必要があるということで五年というような数字が出てきたわけで、今お話しのとおり、まさに急いでやるべしということは非常にわかります。
それで、二つの考え方がこの時限立法についてはあるということをさっき申し上げたんですけれども、そのうちの不安な考え、つまり悪い言葉で言えば、何か五年間中央省庁がサボタージュしてしまって、あるいは推進委員会がかなりいろんなことを立案して考えていっても中央省庁が動かないという、そういうことに対する不安なわけです。
だから、そういうものは大丈夫なんだと、政府の答弁がそういう形で大丈夫だという非常に心強い発言が出てきているんだという先ほどのお話でございましたので、そういうことで皆が納得してそういう合意の上で、時限立法でいいじゃないか、むしろその方が望ましいんだということになれば、私はそれで非常に結構であろうと思います。
この発言だけを見る →最初の点なんですが、都道府県と市町村の間の関係というのは、先ほども私は分権推進法が成立した後の第一の課題だろうというふうに申し上げたんです。
それで、先ほど富山あるいは大分の例をお話しいただいたわけですけれども、そのほかこれまでも、かつて広島の宮澤知事がああいう形で府県から市町村への権限移譲を始めて以来、ずっといろんな形で府県と市町村の間というのはある程度の権限移譲というのは進められておりますし、今回の分権推進法が論議になってから、府県と市町村の間の関係調整というようなことでいろんな審議会なり市町村と府県との間の話し合いなどが始まっておりますけれども、私はむしろ、まず真っ先に市町村にというその原則というのは、非常に私もそのとおりだと思いますし、シャウプ勧告以来、一番身近なものは市町村にというそういうことは私自身も賛成なんですけれども、先ほど申し上げましたように、市町村にとって、能力として、機能として、そこまでなかなか現時点でそういう権限を全部担い切れないというような問題をどう考えていくかということが一番ポイントになるんじゃないか。
したがって、今、山口先生が府県と市町村との協議とおっしゃいましたけれども、私もその協議は賛成でございますが、その協議というものをむしろ府県と市町村が、特に市町村で担い切れないものがあるんじゃないか、それをどうするんだというところにポイントを置いて、府県からの補完とか支援という考え方を今はやっぱりとっていかざるを得ないんではないか、一挙に国から市町村へという理想的な形というのは非常に無理なのではないだろうかというふうに考えます。
第二点の時限立法については、まさに期限を切ってできるだけ早くというのは、むしろ地方制度調査会なんかでもそういう論議になりまして、最初は十年というようなことを言っていたのが、もっと早く期限を切るべしと。それはいろんな地方自治法の本格的改正まで考えれば大変長い年月を必要とするけれども、そういうことを言ってはいられないんだ、とにかくできるだけ急いでやる必要があるということで五年というような数字が出てきたわけで、今お話しのとおり、まさに急いでやるべしということは非常にわかります。
それで、二つの考え方がこの時限立法についてはあるということをさっき申し上げたんですけれども、そのうちの不安な考え、つまり悪い言葉で言えば、何か五年間中央省庁がサボタージュしてしまって、あるいは推進委員会がかなりいろんなことを立案して考えていっても中央省庁が動かないという、そういうことに対する不安なわけです。
だから、そういうものは大丈夫なんだと、政府の答弁がそういう形で大丈夫だという非常に心強い発言が出てきているんだという先ほどのお話でございましたので、そういうことで皆が納得してそういう合意の上で、時限立法でいいじゃないか、むしろその方が望ましいんだということになれば、私はそれで非常に結構であろうと思います。
山
山口哲夫#28
○山口哲夫君 池上参考人にお尋ねいたします。
まず第一は、地方自治体は今でも人員が非常に不足している、しかし分権になって仕事がふえればなお一層不足してくるだろうというような職員の定数に対する御心配がありましたけれども、今の場合、特に政府の方から地方行革に対していろいろと定数の適正化等についての指導というか、そういうものが出されているわけですね。
しかし、これから分権になりますと、今まで直接国の財政が補助とか交付税とかいろんな形で出されているために国の方でそういった介入をするわけですけれども、しかし財政的にある程度自治体に自主性を持たせられるということになりますと国のそういった介入というものは恐らくできないだろうというように考えたときに、余りそういった定数問題とかそういうことは心配することなく自治体の独自の考え方でできるようになるんでないだろうかと私は割に安易に考えているんですけれども、それについていかがでしょうか。
それから交付税は抜本的な改革が必要だということは当然で、この制度そのものはやっぱり残して、どういう形にせよやらざるを得ないと思うんですけれども、その場合に一番問題なのは、交付税の民主化を図るという意味で地方自治体の関係者が参加する第三者機関をつくるというような形をとっていくことによって交付税制度を残すというような形をとるべきでないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
この発言だけを見る →まず第一は、地方自治体は今でも人員が非常に不足している、しかし分権になって仕事がふえればなお一層不足してくるだろうというような職員の定数に対する御心配がありましたけれども、今の場合、特に政府の方から地方行革に対していろいろと定数の適正化等についての指導というか、そういうものが出されているわけですね。
しかし、これから分権になりますと、今まで直接国の財政が補助とか交付税とかいろんな形で出されているために国の方でそういった介入をするわけですけれども、しかし財政的にある程度自治体に自主性を持たせられるということになりますと国のそういった介入というものは恐らくできないだろうというように考えたときに、余りそういった定数問題とかそういうことは心配することなく自治体の独自の考え方でできるようになるんでないだろうかと私は割に安易に考えているんですけれども、それについていかがでしょうか。
それから交付税は抜本的な改革が必要だということは当然で、この制度そのものはやっぱり残して、どういう形にせよやらざるを得ないと思うんですけれども、その場合に一番問題なのは、交付税の民主化を図るという意味で地方自治体の関係者が参加する第三者機関をつくるというような形をとっていくことによって交付税制度を残すというような形をとるべきでないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
池
池上洋通#29
○参考人(池上洋通君) 第一点目でございますが、今、山口さんがおっしゃいましたように、そうなればいいなと実は私も思っておりまして、一番率直に申し上げますと、全国のほぼどこの地域でもやはり頭を悩ませておりますのは例の新ゴールドプランへの対応でございまして、正直言いまして私の知り合いでノイローゼになってしまった職員がいるぐらい実は深刻になっておるわけであります。そして、このいわば職員配置について、分権になるとそうした介入がなくなるのではないかというお話でございまして、本当にそうしたことがきっぱりできるような分権であってほしいなということを率直に願っておるわけでございます。
ただ、先ほど申し上げましたように、その場合に、それぞれの自治体における行政需要とそれぞれの自治体における産業経済的能力、財政担保能力はイコールではございません。そのことをやはり同時に直視しておく必要があるということから、私は二点目の地方交付税についても率直な触れ方をさせていただいたものです。
私は、先ほどは財源ということとして、もっと思い切って財源を拡大するということを申し上げましたが、今お話しございましたように、第三者機関の設置というようなものは私も大賛成でございまして、似たような構想を私の方もかねて持っておりました。その点では、そうした公正な財政調整制度が望ましいというふうな観点からも、これはぜひ実現をしていただきたいと思います。
ただしその場合に、今、地方交付税制度は大変すぐれた制度でございますが、最大の欠点はわかりにくいということでございまして、例えば地方交付税はどうなっているかということについてほとんど今の状態では住民参加はできないわけです。もっといわば簡明なわかりよい地方交付税制度のようなものができないものかということも、あわせてこの際、住民参加の観点から申し添えておきたいというふうに思います。
この発言だけを見る →ただ、先ほど申し上げましたように、その場合に、それぞれの自治体における行政需要とそれぞれの自治体における産業経済的能力、財政担保能力はイコールではございません。そのことをやはり同時に直視しておく必要があるということから、私は二点目の地方交付税についても率直な触れ方をさせていただいたものです。
私は、先ほどは財源ということとして、もっと思い切って財源を拡大するということを申し上げましたが、今お話しございましたように、第三者機関の設置というようなものは私も大賛成でございまして、似たような構想を私の方もかねて持っておりました。その点では、そうした公正な財政調整制度が望ましいというふうな観点からも、これはぜひ実現をしていただきたいと思います。
ただしその場合に、今、地方交付税制度は大変すぐれた制度でございますが、最大の欠点はわかりにくいということでございまして、例えば地方交付税はどうなっているかということについてほとんど今の状態では住民参加はできないわけです。もっといわば簡明なわかりよい地方交付税制度のようなものができないものかということも、あわせてこの際、住民参加の観点から申し添えておきたいというふうに思います。