予算委員会

1996-04-23 参議院 全237発言

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会議録情報#0
平成八年四月二十三日(火曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月二十二日
    辞任         補欠選任
     加藤 修一君     寺澤 芳男君
     筆坂 秀世君     山下 芳生君
 四月二十三日
    辞任         補欠選任
     岩井 國臣君     吉村剛太郎君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         井上  裕君
    理 事
               大河原太一郎君
                斎藤 文夫君
                清水 達雄君
                塩崎 恭久君
                泉  信也君
                白浜 一良君
                都築  譲君
                山本 正和君
                有働 正治君
    委 員
                阿部 正俊君
                石井 道子君
                板垣  正君
                久世 公堯君
                河本 三郎君
                鴻池 祥肇君
                坂野 重信君
                関根 則之君
                谷川 秀善君
                野沢 太三君
                野村 五男君
                服部三男雄君
                真鍋 賢二君
                依田 智治君
                吉村剛太郎君
                荒木 清寛君
                岩瀬 良三君
                海野 義孝君
                大森 礼子君
                小山 峰男君
                鈴木 正孝君
                寺澤 芳男君
                直嶋 正行君
                益田 洋介君
                横尾 和伸君
                朝日 俊弘君
                一井 淳治君
                大渕 絹子君
                梶原 敬義君
                川橋 幸子君
                前川 忠夫君
                緒方 靖夫君
                山下 芳生君
                小島 慶三君
                島袋 宗康君
   国務大臣
       内閣総理大臣   橋本龍太郎君
       大 蔵 大 臣  久保  亘君
       法 務 大 臣  長尾 立子君
       外 務 大 臣  池田 行彦君
       文 部 大 臣  奥田 幹生君
       厚 生 大 臣  菅  直人君
       農林水産大臣   大原 一三君
       通商産業大臣   塚原 俊平君
       運 輸 大 臣  亀井 善之君
       郵 政 大 臣  日野 市朗君
       労 働 大 臣  永井 孝信君
       建 設 大 臣  中尾 栄一君
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    倉田 寛之君
       国 務 大 臣
       (内閣官房長官) 梶山 静六君
       国 務 大 臣
       (総務庁長官)  中西 績介君
       国 務 大 臣
       (北海道開発庁
       長官)
       (沖縄開発庁長
       官)       岡部 三郎君
       国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  臼井日出男君
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       田中 秀征君
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長
       官)       中川 秀直君
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  岩垂寿喜男君
       国 務 大 臣
       (国土庁長官)  鈴木 和美君
   政府委員
       内閣官房内閣安
       全保障室長
       兼内閣総理大臣
       官房安全保障室
       長        三井 康有君
       内閣法制局長官  大森 政輔君
       内閣法制局第一
       部長       秋山  收君
       公正取引委員会
       委員長      小粥 正巳君
       公正取引委員会
       事務局経済部長  塩田 薫範君
       総務庁統計局長  伊藤 彰彦君
       防衛庁防衛局長  秋山 昌廣君
       防衛庁経理局長  佐藤  謙君
       防衛施設庁長官  諸冨 増夫君
       防衛施設庁総務
       部長       大野 琢也君
       防衛施設庁施設
       部長       小澤  毅君
       経済企画庁長官
       官房長      竹島 一彦君
       経済企画庁調整
       局長       糠谷 真平君
       経済企画庁総合
       計画局長     土志田征一君
       経済企画庁調査
       局長       澤田五十六君
       法務省民事局長  濱崎 恭生君
       外務大臣官房長  原口 幸市君
       外務省総合外交
       政策局長     川島  裕君
       外務省アジア局
       長        加藤 良三君
       外務省北米局長  折田 正樹君
       外務省条約局長  林   暘君
       大蔵大臣官房総
       務審議官     武藤 敏郎君
       大蔵省主計局長  小村  武君
       大蔵省主税局長  薄井 信明君
       大蔵省理財局長  田波 耕治君
       大蔵省証券局長  長野 厖士君
       大蔵省銀行局長  西村 吉正君
       文部大臣官房長  佐藤 禎一君
       文部大臣官房総
       務審議官     辻村 哲夫君
       文部省初等中等
       教育局長     遠山 耕平君
       文部省高等教育
       局長       雨宮  忠君
       文部省学術国際
       局長       林田 英樹君
       文化庁次長    小野 元之君
       厚生大臣官房総
       務審議官     亀田 克彦君
       厚生大臣官房審
       議官       和田  勝君
       厚生省保険局長  岡光 序治君
       農林水産大臣官
       房長       高木 勇樹君
       農林水産省経済
       局長       堤  英隆君
       通商産業省産業
       政策局長     牧野  力君
       郵政大臣官房審
       議官       品川 萬里君
       郵政省放送行政
       局長       楠田 修司君
       労働大臣官房長  渡邊  信君
       建設大臣官房長  伴   襄君
       自治大臣官房長  二橋 正弘君
       自治大臣官房総
       務審議官     湊  和夫君
       自治省行政局長  松本 英昭君
       自治省行政局公
       務員部長     鈴木 正明君
       自治省行政局選
       挙部長      谷合 靖夫君
       自治省財政局長  遠藤 安彦君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宮本 武夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○平成八年度一般会計予算(内閣提出、衆議院送
 付)
○平成八年度特別会計予算(内閣提出、衆議院送
 付)
○平成八年度政府関係機関予算(内閣提出、衆議
 院送付)
    ―――――――――――――
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井上裕#1
○委員長(井上裕君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 平成八年度一般会計予算、平成八年度特別会計予算、平成八年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
 総括質疑を行います。吉村剛太郎君。
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吉村剛太郎#2
○吉村剛太郎君 おはようございます。総理を初め各大臣、連日お疲れさまでございます。
 当面しております課題は山積しておりますが、そういう中にありまして、沖縄の基地問題を初め一つ一つ橋本総理のもとに閣僚の皆様方一体となって前向きに解決に向かって努力をされておりますことに心から敬意を表したい、このように思う次第でございます。
 本日、私は、TBSを含みます報道の問題、それと住専、特に母体行、ノンバンクなどについて限られた時間の範囲内で御質問をさせていただきたい、このように思う次第でございます。
 実は、四月二日の参議院逓信委員会におきまして、私は逓信委員でございますが、TBSの磯崎社長ほか二名の取締役の方々を参考人としてお呼びしていろいろと質疑をした次第でございます。
 その中で、私は、オウム事件といいますもの、まさに前代未聞の事件であったわけでございますが、その一連の事件の原点と言っても差し支えない坂本弁護士一家殺害事件、この事件を誘発したのではないかと思われますTBSの坂本弁護士のインタビューテープをオウム側に見せたというようなことに絡みます報道機関としてこれまた前代未聞のこの対応の仕方について質問をした次第でございます。
 そういう中で、何といいましても、健全な民主主義の発達のためには健全な報道、放送といいますものの存在は欠かせない一つの要因である。TBSとしては、このような事態を招いたことについては大いに反省をしてもらわなければならない。しかしながら、それはやはり放送という立場から、他からの圧力その他によって強いられるのではなく、みずから自律作用、自浄作用をもって反省してもらわなければならないというような趣旨のことを申し上げ、その一つのあらわれとして、一時期放送を停止するぐらいの厳しい反省の態度を持ってこれに当たることも一つの方法ではないかと。それによって放送といいますものがいかに厳しいものか、末端までその緊張感が波及して正しい放送がここで導かれる、それによって健全な民主主義が育つというようなことを申し上げた次第でございます。
 ある意味では、放送事業者にとっては大変厳しい意見を申し上げたわけでございますが、これはNHKで生中継をされました。それに対する反応といいますか、反響といいますのは大変大きゅうございまして、私のところにも随分と電話がございました。はっきり申しますと、九割方が、そうだ、そのぐらい厳しい対応が必要だ、レストランでも食中毒を発生させれば何日間か営業を停止するではないか、そういう意見でございました。しかし、一割ぐらいはちょっと言い過ぎではないかというようなことの意見もあったわけでございます。
 それはそれとして、意見でございますから私も謙虚に耳を傾けたし、そういう賛成論反対論が出てくるのがまた民主主義のいいところだと、このように思ったわけでございます。幸い磯崎社長も、重く受けとめますということでございました。
 ただ、私はその質問をするに当たりまして、ささやかな実験も実は試みておったわけでございます。当然NHKで生中継ございましたが、民放ではございませんでした。したがいまして、民放ではこれを夕方もしくは夜のダイジェスト版、特報版で恐らく取り上げるだろう、どのような取り上げ方をするかなと、このようなささやかな実験の心もあったわけでございます。
 実は、私もほぼ全部検証してみましたところが、放送停止ということについては、その後の夕方及び夜の特番では全く取り入れておりませんでした。放送停止ということは大変厳しい意見でございますから一番嫌なことを言ったのかなと。しかし、そろいもそろって各報道機関、放送事業者が全くこの意見を顧みなかったということは、ある意味では一抹の恐ろしさを実は感じたわけでございます。
 また、次の日といいますか、四月三日の新聞でございますが、これも私は検証してみました。これもほとんどといいますか、九九%この問題は取り上げていない。同業者かなと、このように思った次第でございます。
 当日、私ども逓信委員会で八人の発言者がございました。八人のそれぞれの名前と発言の要旨が新聞に書かれたわけでございますが、中には私の名前だけが載っていない新聞がございました。だから、その新聞しか見ない人は、逓信委員会で私が発言したことすら全く知らないわけですね。NHKを見た方は私のこの質問を聞いて、それに対する反応が非常にあった。しかし、NHKを見ないで夜の民放の特番だけ見た人は、そのような発言があったことすら知らないわけなんです。これは私は非常に怖いことだなという感じが実はした次第でございます。
 すなわち、ニュースがある、また意見がある。しかし、そのニュースが、その意見が放送を含む報道に気に食わないことであれば抹殺してしまう。国民に伝えないということですね。これは大変恐ろしいことだなと、私はこのように感じたわけでございます。
 放送法では不偏不党とかそういうことが述べてございます。しかしながら、偏向した報道、偏向したコメントであれば我々はそれに反論することができますし、また意見を挟むことができますが、全く報道されない、知らされないということについて、これは大変なことだなと。
 かつて、戦前我が国は大変言論の規制がございました。また戦時中、戦況については大本営発表だけでございました。不利な戦況といいますのは全く伝えられなかった。そして、伝えられない中で原爆を落とされ、日本は敗戦した。そういう知らされないということ、知らせないということの恐ろしさ、罪深さといいますものを実は私は自分のささやかなこの実験の中で発見をしたわけでございます。
 また、その新聞、これは私が毎日読んでいる新聞でございますが、八人質問して私の名前だけが載っていないんですね。ということは、私が質問したことはだれもわからないんだから。きょうは報道の方もたくさんいらっしゃると思います。これは報道の方も大変重要なことでございますから、ぜひ自分のところの新聞なりビデオを見て検証していただきたいと思いますが、そういう事実が実はございました。
 不偏不党とか偏向しないというのは当然でございます。こういう、報道しない、ニュースを国民に伝えない、そして生放送ではございませんから編集いたします、編集は放送事業者なり報道者の恣意によってニュースの重要性が判断されるわけでございまして、まさに我々はそういう報道の懇意によってしかニュースを得られないという立場、これは大変恐ろしいことだなと、このように感じた次第でございます。
 そういう面で、ちょっと長々としゃべりましたけれども、総理に放送を含めて報道のあるべき姿といいますものをお考えがあればお聞きしたい、このように思います。
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橋本龍太郎#3
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、今回のTBSの問題を契機といたしまして、放送における報道というもののあり方についてさまざまな議論が展開されておりますことは承知をいたしております。
 また、議員が今御自分の体験を通じて、報道する報道しないというニュースの選択権がメディアにある、そのいわばルールづくりといいますか、そうした問題についてお触れになりました。
 私は、TBSだけではなくて各放送事業者において、議員が今述べられましたような御意見、こうしたものにも十分謙虚に耳を傾けていただき、放送が健全な民主主義の発達に寄与するように、そのためにはどうすればよいのか不断の努力を払っていただきたい、そうした改めてみずからを問いかける機会をこの場で持ってもらうことができればと、そのような思いで今の御意見を拝聴しておりました。
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吉村剛太郎#4
○吉村剛太郎君 同じ質問を郵政大臣にお願いしたいと思いますが、ここに放送法のコピーがございます。放送法といいますのは非常におおらかな法律でございまして、例えば今申しましたように放送をする、それが偏向しておったとかそうであればこれは対応できるんですが、放送しないというようなことは全くこの考えに入っていないんですね。発想にないんです。
 ということは、実はこういうことが私のこのささやかな実験の中にあるということはほかにもたくさんあると。この知らせない恐ろしさといいますもの、例えばエイズなんかでも、あれは知らせなかったから結末としてあんなに大きくなつちゃったんですね。大変悲惨な事件になりましたが、先ほど申しましたように戦争でも不利な戦況を伝えないことが最終的に大変悲惨な結末になるというようなこと、そういうことはこの放送法の視野に全く入っていないということを考えますときに、やはりこの辺も検討の余地があるのではないかなという感じが私自身はするわけでございます。
 郵政大臣でございますから、放送のあるべき姿と、それから今の放送法について御所見、感想なりをお聞かせいただきたいと思います。
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日野市朗#5
○国務大臣(日野市朗君) 参議院の逓信委員会における先生の御質問、私も非常に印象深く伺っておりました。この模様はNHKの生放送で全国に克明に放送されたところでございます。
 私は民放の方のは詳しくチェックはしておりませんでしたが、しかし先生のあの御発言、それはNHKを通して、またいろんなメディアを通してかなり大きな影響を持ったと思います。私の知っている限りでは、先生のそういった御発言があった後に、先生の御発言の内容に沿う評論がかなりの数出ておりますし、それから投書欄なんかを見ましても先生と同様の趣旨の投書がずっと上がってきているということは、やっぱり先生の御発言がかなり大きな影響力を持って伝わっているということであろうというふうに私は感銘深く今考えているところでございます。
 放送をどのようにするかということについては、御承知のとおり、放送法の適用がございまして、その編集に関してはだれもこれは文句が言えないということでございます。ただ、不作為の恐ろしさといいますか、作為的に何かをやることの恐ろしさもさることながら、大事な問題点を不作為によって無視してしまうということの恐ろしさも、これは私、先生の御指摘のとおりであろうということで、よく考えざるを得ない現象でございます。
 いずれにしても、この問題は、憲法の報道の自由というものを頂点とした放送法、電波法の体系に沿っているわけでございますから、今度のいろいろ御心配をいただいているTBSの問題、これなども非常に貴重なテストケースになろうかというふうに思っております。今私の方からこの点についていろんな問題点、これを克明に洗い出すように事務方の方にも指示をしているところでございまして、この報道の自由という非常に高い価値観念に導かれながら、冷静にひとつこの問題に対処してまいろうというふうに思っております。
 先生の御指摘、非常に貴重な御指摘として受けとめさせていただきます。
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吉村剛太郎#6
○吉村剛太郎君 ありがとうございました。
 いずれにしましても、反響がありましたのは、これはすべてNHKの生放送を聞いた方のみなんですね。ほかは報道されておりませんから、新聞にも報道されておりませんから、もうこれはNHKだけでの反響であったということでございます。
 それと、先ほどちょっと、これは放送ではございませんが、新聞でございますが、八人の中、私の名前だけを全く欠落させて論じないということ、報道しないということ、これはファッショですね。気に食わないことはもう報道しないんですから、これはまさにファッショなんですよ。ファッショには我々は、国会は力を合わせてやっぱり闘わなければならない問題ではないかなということを言及しておきたい、このように思う次第でございます。
 この問題は大変大きな問題でございまして、我が党もプロジェクトチームをつくりまして、この報道のあり方といいますものについてこれから英知を集めて研究していきたい、このように思っておりますが、きょうは時間がございませんのでまたの機会に移したい、このように思っております。
 さて、住専に絡みまして、母体行の責任問題でございます。
 バブル経済の発生から崩壊につきましては、総理もまた大蔵大臣もその行政責任を認める旨の御発言もあったようでございます。また、大蔵当局も、行政はその時点で適切と思われる政策選択をしてきたが、資産価格の急激な上昇、下落が与える影響に十分な認識がなかったということも十六日の当委員会で認めておるところでございます。その認識は認識といたしまして、その認識の上に立って、やはり今回の一連の住専問題の中で母体行の責任というのは私は非常に大きい、このように思っております。
 これは、今日までの論議の中でも随分と論議されてきたわけでございますが、ここに、これはある母体行のPR誌のコピーでございますが、要するに、その母体行が持っております住専は一体であるというようなことをPRをしておるわけでございます。また、人事の面その他でも一体である、このように思うわけでございます。
 実は、四月十九日の当委員会におきます参考人招致、これの要約を私も拝見したところでございますが、橋本さくら銀行頭取は「住専は独立した企業体として経営された。日本住宅金融は上場企業であり、強いリーダーシップをもった経営者の下で経営されていた。母体行は口をはさめなかった。」、また住専の方は「母体行はもちろん他の金融機関も、当時の社長との力関係からいっても、押し込み案件とかひも付き案件を持ち込めない。こちらから、取引が取れなくて紹介を母体行にお願いしたのが実情だ。当社独自で開発した案件とまったく同じ状況で審査した。」、このように述べております。
 私は、この一連の参考人の方々の答弁を見ておりましてまずぴんと感じましたのは、これは話し合っているなという感じが実は私個人はしたわけなんです。そして、今母体行のさらなる責任という論議も交わされておりますが、それを何とか抑えなければならない、抑えようという意思をこの参考人の質疑の中で、母体行と住専のそれぞれの代表の方でございますが、非常に私は個人的には感じたわけです。
 その感じたことは、ああ、ここまで母体行と住専は一体なのかな、骨の髄まで一体だという感じを私は受けたわけでございます。まさにこの参考人質疑で、母体行は母体行、住専は住専だと言えば言うほど、独立した企業体であるということを言えば言うほど一体だな、骨の髄まで一体だなという印象を私は実は抱いたわけでございます。
 こういう経緯から見ますと、やはりこの参考人質疑を聞いた国民は非常に反発を感じたであろう、私はそのように感じておるわけでございます。大蔵大臣も、今日まで何度となく、母体行の責任というものは重い、さらなる寄与もということについての言及もあったわけでございまして、その点について大蔵大臣の御意見をお聞きしたい、このように思います。
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久保亘#7
○国務大臣(久保亘君) 今お話がございましたように、母体行といいますか、住専を設立いたしますときからかかわりました金融機関が、その設立、出資、そしてその後の人事を含めて経営にも深くかかわってきたことは、これは私は銀行、母体行側も否定できないことだと考えております。そのような立場がありましたからこそ母体行としては債権の全額放棄に応じたものと思っております。
 それだけではなくて、今後、住専処理機構に対して二兆円を超える融資にも、住専処理機構が設立されればそこへ融資を行うということについても既に合意をいたしております。拠出金についても同様でございます。これらのことは、単なる債権者という立場の責任を超える重い責任を感じた上での協議に応じ、合意した結果だと思っております。
 しかし、今日、住専問題、不良債権を処理してまいります場合に、そのことだけで母体行の責任が終わるかということについては、国会でも党派を超えて皆様方の大変厳しい御意見がございました。私も、大蔵大臣として同じような考え方を表明してまいりました。銀行協会の会長にも国会における論議の模様や私どもの考え方もいろいろな方法を通じて伝えてございます。私も直接お目にかかったこともございます。そういうことを通じて、経営上の責任というものは民間企業として経営判断に基づいてみずから責任を決せられるべきものという立場を私は当初から一貫して申し上げております。
 この不良債権の処理にかかわります寄与につきましては、三・五兆の債権全額放棄をもって終わったと考えることは妥当でない、さらに新たな寄与策について協議に応じ、そして合意できる内容を速やかに具体的に決めていくことが必要ではないかということを申し上げてございますが、法的に強制する手段がございません。そういう点で、今国会での皆様方の厳しい御論議等もいただきながら、このことについて母体行責任というものをもう一遍考えていただくということが重要であると考えておるところでございます。
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吉村剛太郎#8
○吉村剛太郎君 ただいま大蔵大臣は、母体行の責任は三・五兆の債権放棄で終わるものではない、またさらなる寄与というのが必要である、このようにお述べになったわけでございますが、これはまさに国民の声だと、私はこのように思っております。
 ただ、いろいろと大蔵当局も検討されておられると思いますが、じゃ具体的にどういう策があるかということでございます。私自身も個人的には、税制でどうにかならないか、特別課税というのはできないだろうかとか、また自民党内でもちょっと論議になりました貸倒引当金の圧縮というような問題、租税特別措置の逆といいますか、逆租特というようなことはできないんだろうかとか、いろいろと考えもめぐらしたわけでございますが、なかなか税法の基本的な考え方からいきますと無理があるということでございます。
 そういう中で、ただいま大臣は金融安定化拠出基金にちょっと言及をされたわけでございますが、全金融機関が九千億を拠出するという案であろうかと、このように思うわけでございます。これは新聞の中にももう既に述べてありますが、住専七社が国会に提出した資料によれば、母体行、一般行を含めた関係金融機関が住専に紹介した融資案件の中で焦げついた金額が二兆五千九十六億円だということが述べてあります。
 この分を拠出金に上乗せか、その辺の論議というのはこれからあろうと思いますが、これは負担能力といいますのはいろいろと母体行によっても違うと思いますが、さらなるこの程度の、紹介融資が焦げついた分ぐらいは拠出をさせるというようなこと、それの運用利回りによって十五年間かけてこの財政資金の投入の分をあかなっていくというような策といいますのは、これはまた考えられる案としては非常にいい点をついているのではないかなと、このように思う次第でございます。
 そういう点につきまして、大蔵大臣、さらなる母体行の寄与についてもう少し踏み込んだ具体的なお考えがあればお聞かせいただきたい、このように思います。
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久保亘#9
○国務大臣(久保亘君) 率直に申し上げて、法人税等の負担でもって母体行が新たな寄与を行うということでどのような方法があるのか、それから銀行側の自主的、積極的な負担という形で行えばこういう方法があるのか、こういうことなどを協議するに当たっては私どもの側も検討をしなければならないことだと思っております。
 ただ、これはあくまでも銀行側との協議に基づく合意が前提でございますから、そういう意味におきましては、私どもとしても一方的に決めつけてこれでどうだという話にした方がいいのか、そうではなく、あくまでも両者が合意を得られるような協議を少し時間がかかってもやる方がいいのか、そういうことも含めて進めなければならないと思って、その下準備的なことはいろんな機会にやっているのでございますが、まだ住専処理機構そのものが成立していない、でき上がっていないという状況の中の難しさもございます。
 銀行側にも、政府が考えているような方策で果たして住専の抱える不良債権は処理できるのか、できないということになれば法的処理ということになってまいりますから、その場合にはどうなるのかといったような多少まだ疑心暗鬼なところもございます。
 いろいろ非常に難しい条件のもとでの話でございますが、皆様方の御意見も踏まえて、私どもとしてはこれらの問題をどうしてもやり遂げなければならないと思っているところでございます。
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吉村剛太郎#10
○吉村剛太郎君 おっしゃるとおりに大変難しい問題だ、このように思います。
 いずれにしましても、先ほど申しましたように、十九日の参考人招致の折の母体行の代表の方と住専の代表の方のお話を聞いておりますと、まだまだその辺の自覚が足りない。やはり母体行は逃げるのではなく、あれは結局しりを国民に回そうということでございますから、そういう心構えでは今後の金融を担って立つ資格はない、本当に母体行がその責任を自覚してもらわなければならない、このように思う次第でございます。そういう点の説得、また指導といいますものも、大蔵大臣、よろしくお願いをしたいと、このように思う次第でございます。
 住専処理機構がまだ正式にスタートしていないというお話でございます。まさにそのとおりであるわけでございますが、住専が抱える不良債権といいますのは実はどの程度あるのでございましょうか。十兆かそんなものではないか、このように推定をしておるところでございますが、全金融機関が抱えておるであろうと思われます不良債権というのはそれの何倍、ある人はけたが違うんだ、このようにも言われております。
 そういう面からいきましても、この住専処理というのは今当面しております金融問題のまさに引き金になる、まだまだ大きなものがあるんだということはもう先刻国民が承知のとおりでございますが、問題としては、この住専処理を処理機構が果敢に断行していく中で今度はいろいろな連鎖反応が出てくる、このように思います。
 すなわち、住専が抱えております債権の回収を本格的にやっていきますと、今まで回収を余り厳しくしておらずに、つまり破産とか更生法の適用をしないまま何とか経営をしていた債務者が一斉に経営破綻に追い込まれてくると私は思うわけでございます。
 そういうことで、住専が占めるよりもさらに大きなものを抱えております、いわゆるそこに貸し込んでおりますノンバンク、そのノンバンクにまた貸し込んでおります金融機関また農協、こういうところに大変大きな問題がこれから出てくるであろう、このように思う次第でございます。
 もう時間も参りましたので、ノンバンクの抱えております不良債権の額、その他それに対応する素案があればお聞かせいただきたかったのですが、そういうことを問題提起して、私の質問を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。
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井上裕#11
○委員長(井上裕君) 以上で吉村剛太郎君の質疑は終了いたしました。拍手
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井上裕#12
○委員長(井上裕君) 次に、直嶋正行君の質疑を行います。直嶋正行君。
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直嶋正行#13
○直嶋正行君 まず最初に、総理にお伺いをいたしたいと思います。
 もう何回か同僚議員も質問されておりますが、去る四月十日の新進党と与党三党との国対委員長合意の中で、六千八百五十億円、これは第一項に記載されていますが、「制度を整備した上で措置する」と。「制度を整備した上で措置する」、この解釈について再度総理の御認識を承りたいと思います。
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橋本龍太郎#14
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先般の与野党合意で「制度を整備した上で措置する」とされております緊急金融安定化資金の六千八百五十億円につきましては、これまでも何回か申し上げてまいりましたように、徹底した債権回収を図るための体制整備に一層取り組んでいくことに加えまして、今後行われます特定住宅金融専門会社の債権債務の処理の促進等に関する特別措置法案の御審議における御議論などを十分に踏まえ措置していきたいと申し上げておるところであります。
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直嶋正行#15
○直嶋正行君 続きまして、法制局長官にお伺いしたいと思うんですけれども、今申し上げた文書の中に「措置する」という言葉が入っています。法令用語として見た場合に、この「措置」という言葉の意味をちょっと御説明いただきたいんですが。
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大森政輔#16
○政府委員(大森政輔君) 一般的な法令用語としての意味がどうかというお尋ねではありますけれども、しょせん、予算総則の修正に絡んだお尋ねになろうかと思います。
 そういたしますと、これは衆議院において修正されたことでございまして、そこで用いられている用語の意味といいますのは、その前提としての与野党協議の実情というものを踏まえなければやはり正確に確定できないものであろうと思います。
 そういうことで、それに言及する立場には本来はないんだということを前置きさせていただきまして、なお一般論、本当の一般論としてお答えいたしますと、もう既に御承知のとおりと思いますが、この「措置する」あるいは法令上「措置」という言葉が用いられる場合には、現実の法令ではいろいろな場合があるわけでございます。その場合の総じた意味といたしましては、一般にある問題に対する対策、施策等その問題を処理するためにとられるもろもろの手段を行う、手段を決める場合に「措置」という言葉が用いられていることが多いようでございます。
 なお、国語辞典等ではもっと簡単に、物事を取り計らって始末をつけることである、このように書かれている次第でございます。
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直嶋正行#17
○直嶋正行君 今の御見解にかかわってもう一点お聞きしたいんですが、今「措置」というお言葉をお聞きしたんですが、一般論で結構ですから、もう一つよく似た言葉に「処置」という言葉があります。法令上この「処置」と「措置」の違いというのをちょっと解説していただきたいんですが。
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大森政輔#18
○政府委員(大森政輔君) ただいまのお尋ね、幸いに私どもが編集しております法令用語辞典というものにその説明をしておりまして、「措置」と「処置」は大体同意義であると。「「処置」が、個々の事項の始末をつけることの意味に用いられるのに反して、「措置」は、これを総体として表示する場合又はその結末よりも手続の面に着眼して用いられることが多い」とは言えるけれども、大体は同意義である、このように解説しております。
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直嶋正行#19
○直嶋正行君 法令用語辞典を見ますと、最後の大体は同じであるというだめ押しは何か解説にはないのでありますが、今の解説でおわかりのように、この問題は、「措置」という言葉は「処置」に比べて割合幅広くとられている。それから、今最初にお話がありましたように、もろもろの手段を用いて始末をするといいますか処理する、こういうことでありまして、私はここにはかなり幅広いものがある、このように受けとめておることを申し添えておきたいと思います。
 それからもう一点、総理、恐縮ですが、この合意事項の第二項なんですが、これを読みます。「現行の金融、税制、財政制度及び経済構造全般にわたる改革を行い、併せて金融機関等の諸問題について協議し処理するための特別委員会を設置する。」、これが第二項であります。つまり、ここで言っていることは、この特別委員会では、まず国家としての重要な制度改革、構造改革をしっかり議論して実践しよう、その中で今の金融のいろんな問題についても処理しよう、文章を読めばこういうことではないか。したがって、今お答えになった住専の問題もその中の一部になってくるんじゃないか、このように思うわけでございますが、いかがでございましょうか。
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橋本龍太郎#20
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今与党、新進党間における合意の第二項を読み上げられたわけでありますが、これを国会においてどういう御審議をなさっていかれるか、これは国会において判断されるべきことでありまして、政府がコメントすることは私は差し控えさせていただくべきことだと思います。
 政府としての立場から申し上げますならば、市場規律に立脚をした透明性の高い金融システムを早急に構築するための金融関係諸法案を国会に提出しておるわけでありまして、国会における真剣な御議論というものを期待しているところでありますし、またそれが早期にお認めいただけることを心から願っております。
 しかし、いずれにいたしましても、政府の立場といたしましては今回の合意を真摯に受けとめておりますという以上のことを申し上げるべきではないと思います。
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直嶋正行#21
○直嶋正行君 この議論はこれで一応終えたいと思います。
 続きまして、大蔵大臣、お帰りになったばかりで大変御苦労さまでございますが、住専の問題について幾つかお伺いをしたいと思います。
 まず、大蔵大臣は最近、特に住専の問題については母体行に対する追加負担といいますか、もっと母体行は負担すべきだと、こういうことを答弁等でも、さっきもおっしゃられました。大変恐縮なんですが、そのお考えをもう一度ちょっとかいつまんで、ポイントだけ教えていただきたいと思うのであります。
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久保亘#22
○国務大臣(久保亘君) もう一遍ちょっと済みません。
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直嶋正行#23
○直嶋正行君 住専の追加負担、母体行の追加責任というお話です。
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久保亘#24
○国務大臣(久保亘君) 私が申し上げておりますのは、母体行の住専にかかわる責任をどう考えるかということについて皆様方からも大変厳しい御意見がありましたし、私もその経緯等にかんがみ、母体行としてはさらなる責任のとり方というものが求められているのではないかというのを当初から申し上げてきたところでございます。
 経営者がみずからの責任をどうとるかという問題は、これは法的に追及される責任がございます場合には司法の手によってその責任は追及されるものでありますが、経営上の責任、その判断は経営体みずからが行うものと考えております。この負担の問題につきましては、そういう責任の自覚の上に立って、そして協議に基づいて合意し得るものを負担してもらいたいということを申し上げているのであります。
 幸い、これらの当事者の体力論から申し上げますならば、金融機関全体がそうではありませんが、大部分が今日空前のと言ってもよいくらいの業務純益を上げておいでになります。また、最近の経済の状況によってその持ちます含み益も大きなものがあると考えておりまして、私どもとしては別に経営を揺るがすような負担をしてもらいたいという話ではない、このように思っておりますので、ぜひ金融機関当局もこの協議に真剣に応じて具体的な寄与を考えていただくようお願いをしたいと思っておるところでございます。
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直嶋正行#25
○直嶋正行君 ちょっと確認なんですが、今の答弁の中でも申されたような気がしたんですけれども、二月の終わりか三月ぐらいだったと思いますが、大蔵大臣が母体行トップに引責辞任を迫ったと。これは真意のほどは別にして、そういう報道がされて話題になったことがあります。今お話しされたさらなる負担ということは引責辞任の話とは全く別の話か、あるいは両方とも求めておられるんですか、大臣は。
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久保亘#26
○国務大臣(久保亘君) 私は、母体行である金融機関に今日の深刻な住専問題に責任が重いという立場に立てば、この問題は経営主体がみずから検討せられるべき問題であると、このようなことは当初から申し上げてまいりました。
 私が銀行の経営者を銀行法の条項を使って解任をするとか辞任を求めるとかそういう種類のものではない、こう思っております。私は、そのような立場から辞任を勧告したり辞任を求めたりしたことはございません。しかし、その責任の重いことをぜひお考えいただきたいということは直接に申し上げてございます。
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直嶋正行#27
○直嶋正行君 ちょっとそこのところは微妙なところなんでしょうが、話を先に進めたいと思います。
 先日、参議院で母体行のトップもお越しいただいて参考人質疑をやりました。そのときに母体行の代表は、大蔵大臣のおっしゃる新たな追加負担を求められるということになると現在のスキームが崩れてしまってもう一度原点に戻ってしまうことになると、こういうふうな趣旨のことを何回かおっしゃいました。
 それから、事実政府の方も、もともとこのスキームをおつくりになった時点では三・五兆円の債権放棄と低利融資、出資、こういうことで皆さんの責任はオーケーですよということだったんじゃないかと思うんですよね。というのは、政府でお決めになった後の政府の資料の中にもこういうふうに記載しておるんです。母体行は、過去の経緯等を踏まえ債権三・五兆の全額放棄、つまり過去の経緯等という中に大臣がおっしゃっているもろもろのことというのは入っているんじゃないかと。だから、母体行の責任はこれで済んだと私は言っているんじゃなくて、そもそも政府はつくったときにはすべて織り込んでこのスキームを決めたんじゃないかと。
 ですから、大臣がどうしてもこれで母体行の責任はまだ果たされていないというふうにお考えであるなら、やはり私はスキームそのものをやり直すべきではないか、こう思うのでありますけれども、この点はいかがでございましょうか。
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久保亘#28
○国務大臣(久保亘君) そこが大変直嶋さんと意見の分かれるところだと思うんです。
 私は、一応当事者間に政府が加わってスキームをつくることについての合意が得られたと思っております。それで、この合意に基づく住専不良債権の処理を進めていく段階で、私は母体行の持っている住専問題に関する責任、それから負担能力、そういったようなものを勘案しながら、さらに新たな寄与を母体行側はやるべきではないか。そのことが、国会で母体行責任ということを皆様方が厳しく追及されました、その国民の声にもおこたえすることになることだ、このように思っているのであります。
 六千八百五十億を帳消しにするために銀行が持て、こういう短絡的なとらえ方では、今の直嶋さんがおっしゃったようなお考えにならざるを得ない問題でございますから、私どもとしてはそのような考え方には立たないのでございます。
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直嶋正行#29
○直嶋正行君 非常にわかりづらいんですよ、おっしゃっておる趣旨が。
 結局、このスキームが本当に母体行の、さっきちょっとおっしゃった住専の経営責任だと、こういうもの等を踏まえたものというのであれば、その根拠といいますか、もっと申し上げれば、政府の住専処理が出されましたときに、一体責任はどうなっているのだ、だれがこんなふうにしたのだという議論がありましたですね。それから、大臣が今口にされました六千八百五十億円の税金をなぜ投入するのだ、その根拠を示せ、こういうお話がありました。
 今から思うと、結局、そのときにだれにどういう責任があるかということをきちっと整理してこなかったことが、あいまいに処理してきたことが、大臣は国会の議論を通してということをおっしゃいましたが、今になってそのことが問題点として浮上してきたのだと思うんです。
 ですから、やっぱり私は、これは取っかかりのスキームをつくるときに、やり方といいますか詰め方が甘かった、あるいは問題があった、このように思うんですけれども、この点はいかがでございましょうか。
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