予算委員会

1998-08-21 参議院 全461発言

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会議録情報#0
平成十年八月二十一日(金曜日)
   午前九時開会
    ─────────────
   委員の異動
 八月二十日
    辞任         補欠選任
     福山 哲郎君     浅尾慶一郎君
     日笠 勝之君     高野 博師君
     小池  晃君     筆坂 秀世君
     入澤  肇君     星野 朋市君
 八月二十一日
    辞任         補欠選任
     松崎 俊久君     峰崎 直樹君
     宮本 岳志君     市田 忠義君
     星野 朋市君     入澤  肇君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         倉田 寛之君
    理 事
                鴻池 祥肇君
                野沢 太三君
                林  芳正君
                矢野 哲朗君
                今井  澄君
                平田 健二君
                山下 栄一君
                笠井  亮君
                大渕 絹子君
    委 員
                市川 一朗君
                大野つや子君
                狩野  安君
                金田 勝年君
                岸  宏一君
                斉藤 滋宣君
                鈴木 正孝君
                常田 享詳君
                長谷川道郎君
                松谷蒼一郎君
                溝手 顕正君
                依田 智治君
                吉村剛太郎君
                若林 正俊君
                浅尾慶一郎君
                江田 五月君
                小川 勝也君
                郡司  彰君
                内藤 正光君
                広中和歌子君
                峰崎 直樹君
                簗瀬  進君
                加藤 修一君
                高野 博師君
                浜田卓二郎君
                市田 忠義君
                須藤美也子君
                筆坂 秀世君
               日下部禧代子君
                照屋 寛徳君
                入澤  肇君
                月原 茂皓君
                星野 朋市君
                西川きよし君
                奥村 展三君
                菅川 健二君
   国務大臣
       内閣総理大臣   小渕 恵三君
       法務大臣     中村正三郎君
       外務大臣     高村 正彦君
       大蔵大臣     宮澤 喜一君
       文部大臣     有馬 朗人君
       厚生大臣     宮下 創平君
       農林水産大臣   中川 昭一君
       通商産業大臣   与謝野 馨君
       運輸大臣     川崎 二郎君
       郵政大臣     野田 聖子君
       労働大臣     甘利  明君
       建設大臣     関谷 勝嗣君
       自治大臣
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)    西田  司君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 野中 広務君
       国務大臣
       (総務庁長官)  太田 誠一君
       国務大臣
       (北海道開発庁
       長官)
       (沖縄開発庁長
       官)       井上 吉夫君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  額賀福志郎君
       国務大臣
       (経済企画庁長
       官)       堺屋 太一君
       国務大臣
       (科学技術庁長
       官)       竹山  裕君
       国務大臣
       (環境庁長官)  真鍋 賢二君
       国務大臣
       (国土庁長官)  柳沢 伯夫君
   政府委員
       内閣審議官
       兼中央省庁等改
       革推進本部事務
       局次長      松田 隆利君
       内閣官房内閣内
       政審議室長
       兼内閣総理大臣
       官房内政審議室
       長        竹島 一彦君
       内閣審議官    安達 俊雄君
       内閣法制局長官  大森 政輔君
       内閣法制局第一
       部長       秋山  收君
       警察庁刑事局長  佐藤 英彦君
       警察庁警備局長  伊達 興治君
       総務庁行政管理
       局長       瀧上 信光君
       総務庁行政監察
       局長       東田 親司君
       防衛庁防衛局長  佐藤  謙君
       防衛庁運用局長  大越 康弘君
       防衛施設庁長官  萩  次郎君
       経済企画庁調整
       局長       河出 英治君
       経済企画庁総合
       計画局長     中名生 隆君
       環境庁企画調整
       局長       岡田 康彦君
       環境庁大気保全
       局長       廣瀬  省君
       環境庁水質保全
       局長       遠藤 保雄君
       沖縄開発庁総務
       局長       玉城 一夫君
       国土庁防災局長  林  桂一君
       金融監督庁長官  日野 正晴君
       金融監督庁検査
       部長       五味 廣文君
       法務省刑事局長  松尾 邦弘君
       外務大臣官房長  浦部 和好君
       外務省総合外交
       政策局長     加藤 良三君
       外務省総合外交
       政策局軍備管理
       ・科学審議官   阿部 信泰君
       外務省総合外交
       政策局国際社会
       協力部長     上田 秀明君
       外務省アジア局
       長        阿南 惟茂君
       外務省北米局長  竹内 行夫君
       外務省欧亜局長  西村 六善君
       外務省条約局長  東郷 和彦君
       大蔵大臣官房総
       務審議官     武藤 敏郎君
       大蔵省主計局長  涌井 洋治君
       大蔵省主税局長  尾原 榮夫君
       大蔵省理財局長  中川 雅治君
       大蔵省金融企画
       局長       伏屋 和彦君
       大蔵省国際局長  黒田 東彦君
       文部大臣官房長  小野 元之君
       文部省生涯学習
       局長       富岡 賢治君
       文部省初等中等
       教育局長     辻村 哲夫君
       文部省体育局長  遠藤 昭雄君
       厚生大臣官房総
       務審議官     真野  章君
       厚生省生活衛生
       局長       小野 昭雄君
       厚生省医薬安全
       局長       中西 明典君
       厚生省児童家庭
       局長       横田 吉男君
       農林水産大臣官
       房長       高木  賢君
       農林水産省経済
       局長       竹中 美晴君
       農林水産省構造
       改善局長     渡辺 好明君
       農林水産省農産
       園芸局長     樋口 久俊君
       通商産業省産業
       政策局長     江崎  格君
       通商産業省環境
       立地局長     太田信一郎君
       通商産業省基礎
       産業局長     河野 博文君
       資源エネルギー
       庁長官      稲川 泰弘君
       中小企業庁長官  鴇田 勝彦君
       郵政省通信政策
       局長       金澤  薫君
       労働大臣官房長  渡邊  信君
       労働省職業安定
       局長       征矢 紀臣君
       建設大臣官房長  小野 邦久君
       建設省河川局長  青山 俊樹君
       建設省道路局長  井上 啓一君
       自治省行政局長  鈴木 正明君
       自治省行政局選
       挙部長      牧之内隆久君
       自治省財政局長  二橋 正弘君
       自治省税務局長  成瀬 宣孝君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宮本 武夫君
   参考人
       日本道路公団総
       裁        緒方信一郎君
       日本銀行総裁   速水  優君
       預金保険機構理
       事長       松田  昇君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○予算の執行状況に関する調査
    ─────────────
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倉田寛之#1
○委員長(倉田寛之君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 予算の執行状況に関する調査のため、本日の委員会に日本銀行総裁速水優君、預金保険機構理事長松田昇君及び日本道路公団総裁緒方信一郎君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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倉田寛之#2
○委員長(倉田寛之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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倉田寛之#3
○委員長(倉田寛之君) 予算の執行状況に関する調査を議題とし、昨日に引き続き、質疑を行います。筆坂秀世君。
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筆坂秀世#4
○筆坂秀世君 私は、日本共産党を代表して、景気問題、そして金融問題を中心に質問をいたしたいと思います。
 今の深刻な不況を打開する上で、何といってもGDP、国内総生産の六割を占める家計消費をどう拡大していくか、これは決定的であります。これについては恐らくどなたも異論がないだろうと思います。そして、だからこそ今消費税を引き下げる、この声が文字どおり日増しに高まっている。世論調査でも半分以上が消費税を下げてほしい、こう願っています。
 先日、私はNHKの「日曜討論」に出席しましたけれども、そのときに自民党を代表して出席された武藤嘉文自民党税制調査会顧問も消費税をいっそ三%に下げた方が消費の拡大につながる、こういう発言をされました。ところが、総理は消費税引き下げをあくまで拒否する、こういう態度に終始されている。
 私、そこで総理に伺いたいんですけれども、総理があくまでも消費税の引き下げを拒否されるというのは、消費税引き下げというのが消費拡大に全く効果がない、だから消費税引き下げに反対されるのか、そのあたりをお伺いしたいと思います。
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宮澤喜一#5
○国務大臣(宮澤喜一君) 税金は下げたらいいか上げたらいいかというアンケートをいたせば、下げた方がいいという話はこれは別段不思議なことではございません。
 今回、消費税についてそういう声があることも承知しております。それから、それをすれば、永久であれば消費がふえるだろうと考えることも想像できることですけれども、それだけを国の財政、経済、国政全体の中で考えるわけにはいかなくて、将来のこともいろいろに考えてまいらなければなりません。将来、必ず基本的な税制を二十一世紀に向かってつくらなければならないということも皆様のおっしゃることでございますから、そういうことも考えながら、この際どういう減税をすべきかということをやはり決定していかなければならないと思います。
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筆坂秀世#6
○筆坂秀世君 総理に答えてもらいたい。これは総理が答弁されているんだから、本会議で。
 私が聞いているのは、そういうことを聞いているんじゃないんです。消費税引き下げが消費拡大に効果がないという考えなのか、それとも、少子・高齢化ということを本会議でもおっしゃいましたよ、消費拡大には効果があるが、しかし少子・高齢化に備えて引き下げには反対だというふうに言われるのか、それとも消費拡大に全く効果がないというお考えなのか、この点を総理にお伺いしているんです。
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小渕恵三#7
○国務大臣(小渕恵三君) 全く効果がないとは申し上げておりませんが、効果の度合いについてはこれはいろいろの角度から検討しなきゃならぬと思っておりますが、委員も御指摘のように、先般の五%に引き上げさせていただきましたゆえんのものは、そのお約束以前に十六・五兆円の支出を既にいたしておるわけでございまして、そういったことと、先ほど申し上げましたように、これから将来にわたっての財政基盤も確実なものにしなきゃならない、そのところには社会保障関係のどうしても必要とする経費もその中に組み込まれていかなきゃならぬ、こういう形で引き上げさせていただいたということでございます。
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筆坂秀世#8
○筆坂秀世君 効果がないというふうには言わないということは効果があるということですよ、消費税の引き下げは。当たり前の話なんです、そんなことは。
 これは第一勧業銀行総合研究所の山家さんという専務理事の方が指摘されています。消費拡大というなら貯蓄に回る所得減税よりも消費税引き下げの方がはるかに効果がいいと、四つ理由を挙げておられます。
 第一に、減税効率が格段によい。なぜなら、消費税率の引き下げは減税額と実質消費の増加額が同額となり、政策効果にむだがない。直接消費拡大につながるということです。二つ目に、低所得層にも厚い。所得税を納めない人にも減税効果がある。当然です。三つ目に、住宅建設、耐久消費財など極度に不振に陥っている需要を喚起することにも役立つ。四つ目には、山家さんはこうおっしゃっています。消費税というのは上がるばかりのものだと思っていたが下がることもある、明るい希望を与えるというんですよ。
 私はこれは大事なことだと思うんです。今いかに消費を拡大するか。橋本内閣はいろいろやってきたけれども、何一つ問題は解決しなかった。そして今、小渕総理だって橋本内閣のやったことは余りにも機械的過ぎた、こういうことをおっしゃっている。堺屋経済企画庁長官は失政だったというふうにおっしゃっている。
 そうであるなら、なぜ今これだけ消費が落ち込んでいるときに消費税の引き下げに踏み込まないのか、私は改めて総理の答弁を伺いたいと思います。
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宮澤喜一#9
○国務大臣(宮澤喜一君) 消費税を下げましたらそれだけ消費がふえるだろう、全部やめてしまえばもっとふえるだろうと思います。問題はそういうところではないんで、景気を回復しなきゃならない、消費をふやさなきゃなりませんが、全体の税制の中で将来を展望しながらどうしたらいいかという選択の問題にならざるを得ない。何かの税はなければなりませんので、そういうことだと思います。
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筆坂秀世#10
○筆坂秀世君 先のことを考えなきゃいけない、こうおっしゃった。しかし、あなた方がやっていることは、私は先のことを考えているとはとても思えない。
 例えば法人税を今度引き下げようとされている。しかし、課税ベースの拡大はどうなるんですか。あるいは最高税率、所得税を引き下げようとする。総合課税はどうなんですか。何も手をつけていない。何も将来を展望したものになっていないじゃないですか。
 そして、総理は社会保障のために回したと言いましたよ、あるいは必要だと言う。しかし、三%から五%になったときに消費税の税収は幾らふえたんですか。四兆円以上です、四・八兆円ふえた。このときに社会福祉費を調べてみました、幾らふえたか。〇・二兆円ですよ。消費税の税収の二十四分の一じゃありませんか。何が社会保障のためですか。全くそんなことは根拠ないじゃないですか。
 第一、総理に聞いているのに何で大蔵大臣が出てくるんですか。総理が拒否しているんでしょう。全く将来展望もない。税制改革と称してやりながら、何が将来展望だ。社会保障と言いながら〇・二兆円しか回していない、五兆円のうち。四・八兆のうち二十四分の一しか回していないじゃないですか。何でですか。──総理、総理ですよ。
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宮澤喜一#11
○国務大臣(宮澤喜一君) その点も、今の話ばかりでなくて、やっぱり将来を展望しながらお考えいただきたいんですね。消費税は何も目的税ではございませんから、その歳入と社会保障の増額とを比べるということは無意味ではないけれども、目的税ではありませんから、将来の社会保障政策と将来の消費税というものも考えていかなきゃならないと思います。
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筆坂秀世#12
○筆坂秀世君 総理に聞いているんです。
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小渕恵三#13
○国務大臣(小渕恵三君) 内閣一体でございますので、大蔵大臣の答弁と同様でございますが、先ほどお尋ねの中で、若干誤解を招くといけませんが、橋本内閣におきましての数々の政策についての御党のお考えがございましたが、消費税に関しては私自身もこれは五%に引き上げることについては何らその方向に間違いはなかった、こう考えております。
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筆坂秀世#14
○筆坂秀世君 だから小渕内閣のもとでだって経済再生はできないです。
 例えば法人税引き下げ、日本経済新聞の総合経済データバンクは試算していますよ。法人税減税をやって一体幾ら消費拡大につながるのか。一九九九年度〇%、二〇〇〇年度〇・二%。肝心の消費拡大に何もつながらないことをやろうとしている。何がバランスですか。そして、総理だって消費拡大に効果があると認めた消費税の減税だけはあくまでも拒否する。
 私、この小渕内閣のもとでは、そしてこういう問題について大蔵大臣が先に答弁して、そしてこれが小渕内閣の方針ですと言うような内閣では到底経済の再生はできない、私は改めてこのことを指摘しておきたいと思います。
 それで、次に金融問題に移りたいと思います。
 政府・自民党のこれまでの金融対策というのは、超低金利、不良債権の無税償却の拡大、あるいは住専処理での税金投入、あるいは三十兆円の銀行支援策、いわば典型的な銀行甘やかし政策をとってきた、私はこう言わざるを得ません。だからこそ、幾ら公的資金を投入しても、あるいは事実上の公的支援をやっても、不良債権処理問題一つとったって何にも進んでいない。
 私はそこで、先ほど来聞きもしていないのに出てこられた大蔵大臣にお伺いしますけれども、大蔵大臣が自民党緊急金融システム安定化対策本部の本部長をやっておられた昨年十一月当時、これは十一月二十八日付の日経新聞のインタビューを見ましたが、こうおっしゃっている。金融機関が発行する劣後債を買い取るような銀行の経営者についてどうするのかという趣旨の設問に対して、「むろん経営者にはやめてもらうし、きつい条件をつけなければならない」、資本注入する銀行に対して、こう言われている。
 その後、ことし三月に二十一行に対して約一兆八千億円資本注入がされました。当時宮澤大蔵大臣は「むろん経営者にはやめてもらう」ということを言われたけれども、資本注入して一体だれが、何人経営者にやめてもらったんですか。
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宮澤喜一#15
○国務大臣(宮澤喜一君) 御引用のコンテクストが全く間違っていると思います。質問は、経営の失敗の結果資本を毀損した銀行に資本補てんをするときに何にも条件を設けないでいいのかという質問ですから、それは経営者の責任ですからそれはとってもらわなきゃなりませんと、こう申したのであって、三月の資本注入は全く意味の違うものであります。
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筆坂秀世#16
○筆坂秀世君 それはそうじゃないんですよ。日経新聞を私は持っています、ここに。「金融機関が発行する劣後債を買い取る構想の狙いは。」というのが設問です。それに対してあなたは「むろん経営者にはやめてもらうし、きつい条件をつけなければならない」と、こういうふうに言われているんです。はっきりしているじゃないですか。
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宮澤喜一#17
○国務大臣(宮澤喜一君) それは十一月何日とおっしゃいましたか。
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筆坂秀世#18
○筆坂秀世君 二十八日付です。
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宮澤喜一#19
○国務大臣(宮澤喜一君) 二十八日でございますか。公的資本を、いわゆる一兆八千億円というのはこれは三月のことでございまして、これは全く意味合いの違うことでございます。
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筆坂秀世#20
○筆坂秀世君 ごまかしたらだめですよ。このときから公的資金を注入するという議論があって、そして法律ができて実行されたのが三月ですよ。当たり前じゃないですか、そんなことは。そしてあなたはそのときの自民党緊急金融システム安定化対策本部の本部長だったわけじゃないですか。要するに、だれ一人として経営者責任なんか問うちゃいないんです。
 では、聞きますけれども、三月に資本注入したときにきつい条件をつけましたか。
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宮澤喜一#21
○国務大臣(宮澤喜一君) 将来についての経営の計画というものは、たしか危機管理委員会でおとりになりましたし、また経営の内容についても責任者を呼んでお聞きになっていらっしゃいますけれども、この三月の資本注入というのは意味が違うんです。銀行を助けるのではなくて、御承知のように日本の金融システムが内外ともにこれだけ危機になりましたから、公的資金によって資本を充実してこの金融システムの危機を乗り切りたい、それが趣旨でございますから、経営者の責任を問うという種類の問題ではないのです。
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筆坂秀世#22
○筆坂秀世君 また答えていない。
 では、これは預金保険機構に聞きますけれども、資本注入を二十一行にやりました。そのうちの三和銀行、これも一千億円資本注入されている。その際、三和銀行は「経営の健全性の確保のための計画」、こういうものを出している。この「金融の円滑化」の考え方、この中でどういうふうに述べていますか。
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松田昇#23
○参考人(松田昇君) お答えをいたします。
 審査委員会で徴収いたしました三和銀行の「金融の円滑化」の条項でございますが、多数記述はございますけれども、例えば、
 産業活動の発展や雇用の維持の基盤となる金融機能を十全に発揮することは、金融機関に求められる責務と認識している。
 当行としては、従来より、財務内容の健全性を確保しつつ、円滑な資金供給を行っていくために、貸出業務に積極的に取り組んでいるところである。
 今般、公的資金による自己資本の充実を申請するにあたっては、本措置の趣旨をあらためて重く受け止め、金融の円滑化に向け、より一層努めてまいりたいと考えている。
 全部読みますか。
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筆坂秀世#24
○筆坂秀世君 結構でございます。
 大蔵大臣、こういうことを三和銀行は言っていた。これはつまり、当時、なぜ資本注入するのか、これによって貸し渋りがなくなると、こういうことが政府によって言われた。そして、資本注入された銀行はこういう立派な計画書を出した。結果として貸し渋りは解消されたんでしょうか。
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宮澤喜一#25
○国務大臣(宮澤喜一君) 今度は貸し渋りの話でございますね。
 結果として、実際はあのときにこれが貸し渋りの解消に役に立つだろうと私どもも実は期待をいたしました。しかし、実際にはその期待は今日まで実現しておりません。ですから、資本注入をしたから貸し渋りが直ったかというと、それは委員がおっしゃるようにどうも今日までそうなっていない。
 いろいろ理由はあるだろうと思うんです。つまり、その時点から後で例えば東南アジアの不良債権が生まれているとか国内でなお貸出先の破綻があるとかいうことで、それから後の事情というのは決してよくなかったことはこれはわかっております。わかっておりますが、それはそれといたしまして、結果として貸し渋りは改善されたかといえば、マクロで見る限り改善されておらないのは私は残念だと思っています。
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筆坂秀世#26
○筆坂秀世君 残念だでは済まないでしょう、評論家のように。
 あなた方はこういう計画書まで出させておるじゃないですか。そして、金融の円滑化に寄与する、産業の発展、雇用の確保のために金融の円滑化をちゃんとやりますと各銀行が出したんでしょう。あなた方はそれをちゃんとチェックしたんですか、計画書どおりにやっているかと。
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宮澤喜一#27
○国務大臣(宮澤喜一君) マクロでと申しましたのは、それは全体の貸出金額が前の月と比べますとふえていない、かえって減っているような状況でございますから、マクロで見れば残念ながら貸し渋り状況というのは解消していない。それはさっき申しましたようにいろいろ事情はあることでございましょうが、ここまでのところは改善していない。しかし、資本が増強をされておりますから、そういう意味では貸し出し能力はふえているはずであって、これから先の問題としてそういう効果があることを私はやはり期待をいたしております。
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筆坂秀世#28
○筆坂秀世君 全く無責任な、税金を使うときにはこれで貸し渋りがなくなりますとあなた方は何度国会で言ったんですか。そして今になってもまだ期待しますと。銀行に対して資本注入やったんだから、あなた方こういう計画書を出したんだからちゃんと貸し渋りを解消しなさいと指導するのが当たり前じゃないですか。そして改善させるのが当たり前でしょう。ただ期待していますと言うだけ。ここにもあなたの銀行に甘い体質がよく出ていますよ。
 私、資料をちょっと配付していただきたいと思うんです。
   〔資料配付〕
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筆坂秀世#29
○筆坂秀世君 ここに、三和銀行が資本注入を受けた翌月ですよ、三月に受けた翌月四月十七日、西日本地区融資担当責任者会、ここで配付した「回収・保全強化 マニュアル」、これは全部で十五ページあります。私は持っていますけれども、これはそのうちの一部です。
 何と書いてあるか。資金の回収には「前もって成功確率のより高い切り口を十分に知恵を絞って準備することが不可欠」、「例えば、順調に返済中の貸出先に、」、順調に返済中の貸出先ですよ、こういうところからも回収しろ、あるいは保全強化を図れということなんです。「突然、増担保」、担保をふやせとか、「或いは約返増額を申し入れても、取引先への説得性が薄く、実現可能性は低い。そこで一工夫必要なのは、」「当行より取引先の「落ち度」を見つけ、」、落ち度を見つけろというんです。そして、「取引先に理解させ取引先が「申し訳ない」というポジションに立った上で本題の交渉に入る」、担保をふやせだとかあるいは約定返済額毎月のものをふやすとか、こういうマニュアルまでつくっているんです。
 そして、「相手を選ぶ」、「率直な交渉が旨く行きそうな先、反対にストレートに要求すると暗礁に乗り上げる懸念のある先」、これ見きわめをしろと。おとなしいところだったらやっちゃえということですよ。
 二つ目、「交渉のタイミングをつかむ」、手形の期日が来たとき、新規融資の申し込みがあったとき、こういうときにうまくやれというんです。
 そして三つ目に、「取引先の「落ち度」を指摘する」、約束事をたがえたとか、当行に対し誠意がないとか。──笑い事じゃないでしょう、きょうのニュースだって貸し渋りによって自殺した人いるじゃないですか。何笑っているんですか、大蔵大臣は。あなた一番の責任者じゃないですか。
 こういうことをあなた方が資本注入した銀行がやっているんですよ。だから貸し渋りは一向になくならない。減っているじゃないですか、総貸出額だって。貸し渋りによる倒産だってふえているでしょう。あなた方は何のために一体資本注入やったんですか。
 こんなことを野放しにして、不良債権処理だ、破綻処理だ、金融システム安定だと税金を湯水のように注ぎ込む。こんなこと幾らやったって、中小企業も国民もそこに雇用されている人も全く救われないじゃないですか。ちゃんと調査しなさい。大蔵大臣、今こそ出てきなさいよ。
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