国土・環境委員会

1999-05-20 参議院 全265発言

⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

会議録情報#0
平成十一年五月二十日(木曜日)
   午前十時二分開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月十七日
    辞任         補欠選任
     脇  雅史君     倉田 寛之君
 五月十八日
    辞任         補欠選任
     倉田 寛之君     脇  雅史君
 五月十九日
    辞任         補欠選任
     奥村 展三君     椎名 素夫君
 五月二十日
    辞任         補欠選任
     上野 公成君     仲道 俊哉君
     北澤 俊美君     石田 美栄君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         松谷蒼一郎君
    理 事
                市川 一朗君
                太田 豊秋君
                小川 勝也君
                福本 潤一君
                緒方 靖夫君
    委 員
                上野 公成君
                坂野 重信君
                田村 公平君
                仲道 俊哉君
                長谷川道郎君
                山下 善彦君
                脇  雅史君
                石田 美栄君
                岡崎トミ子君
                北澤 俊美君
                佐藤 雄平君
                弘友 和夫君
                岩佐 恵美君
                大渕 絹子君
                泉  信也君
                椎名 素夫君
                島袋 宗康君
   国務大臣
       建設大臣     関谷 勝嗣君
       国務大臣
       (環境庁長官)  真鍋 賢二君
   政府委員
       総務庁行政監察
       局長       東田 親司君
       環境庁企画調整
       局長       岡田 康彦君
       環境庁企画調整
       局地球環境部長  浜中 裕徳君
       環境庁自然保護
       局長       丸山 晴男君
       環境庁水質保全
       局長       遠藤 保雄君
       厚生省生活衛生
       局長       小野 昭雄君
       水産庁長官    中須 勇雄君
       運輸省港湾局長  川嶋 康宏君
       建設省河川局長  青山 俊樹君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        八島 秀雄君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
〇海岸法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
 議院送付)
〇環境事業団法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
〇鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律の一部を改正する
 法律案(内閣提出)

    ─────────────
この発言だけを見る →
松谷蒼一郎#1
○委員長(松谷蒼一郎君) ただいまから国土・環境委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨十九日、奥村展三君が委員を辞任され、その補欠として椎名素夫君が選任されました。
    ─────────────
この発言だけを見る →
松谷蒼一郎#2
○委員長(松谷蒼一郎君) 海岸法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
この発言だけを見る →
小川勝也#3
○小川勝也君 民主党・新緑風会の小川勝也でございます。
 前回の委員会に引き続き、仕上げと言うべききょうの午前中の質疑、一生懸命やらせていただきたいと思っております。
 建設大臣におかれましては、早々と御到着あそばされまして、心の準備をされていたことと思います。
 ちょっと変化球をまず大臣に。アラメ、カジメ、ホンダワラ、これは何のことか、御存じでしょうか。
この発言だけを見る →
関谷勝嗣#4
○国務大臣(関谷勝嗣君) 海藻だそうでございます。
この発言だけを見る →
小川勝也#5
○小川勝也君 御助言をいただいてお答えいただきました。
 これは海藻でございまして、当然愛媛県にも海がございまして、そこの陸から近いところにはアラメとかカジメとかホンダワラとか昆布とか、そういう海藻が生えております。これは、自然環境とか地球環境とか言われておりまして、当然のことながら、森林であるとか自然、生態系、動植物、いわゆる環境の重要性ということが多くの国民にも認知をされてまいってきている最中だと思いますし、建設大臣におかれましても、歴代の建設大臣に比して、自然環境あるいは環境との調和ということに非常に重きを置いておられると、非常に尊敬のまなざしを岡崎委員とともに向けさせていただいているところでございます。
 私はなぜホンダワラの話をさせていただいたかといいますと、その海の環境が大変な状況にあるんだという、こういう情報をもとにきょうの海岸法の質疑をさせていただく、そんなことで冒頭そんな質問をさせていただきました。
 当然のことながら、海のことでございますので、当然我が国の状況から考えてみますと、いわゆる水産業、漁業との関係も非常に密接であります。きょうは水産庁からもおいでをいただいておりますが、今言ったような海藻が日本沿岸から少なくなっている、消えている。海の底が荒れている。あるいはいそ焼けなんという言葉もあります。あるいは藻場が少なくなっている、こんな情報を耳にいたしますが、水産庁としてはどのように状況を把握されておられますでしょうか。
この発言だけを見る →
中須勇雄#6
○政府委員(中須勇雄君) ただいま先生からお話しございましたとおり、いわゆる藻場というか海の中に藻が生えている、こういう場所は海の生物にとっての生育あるいは成長の場として大変重要な位置づけがなされているというふうに我々は思っております。
 残念ながら、今我が国の沿岸海域におきまして、例えば環境庁の方でお調べになった調査でも、十三年間に約六千ヘクタールの藻場が消失しているというふうなデータもございます。その一因として、今御指摘になったいそ焼け、そういうものもあるわけでございます。
 私ども、今後とも持続的な漁業を続けていくという上では、こういった藻場を確保していくということは大変重要だということで、一つは、なくなることを食いとめるということと同時に、各種の事業を通じまして積極的な藻場等の回復、造成を図る、こういうことにも取り組んでいきたいというふうに思っております。
この発言だけを見る →
小川勝也#7
○小川勝也君 いそ焼けその他で藻場が減っている、これは漁業とも密接で非常に大切なものだという、そういうお答えをいただきました。
 陸上の環境には非常に熱心な環境庁でございますけれども、この海の方にはどういう認識あるいは取り組みをしておられるのか。陸上における自然環境は大切だけれども、海の中はいわゆる水面下だからどうでもいいのか、それとも海洋性植物、動物の生態系が維持されることが自然環境を守ること、あるいは地球全体の環境にとって重要なのかどうなのか、環境庁の御認識をお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →
遠藤保雄#8
○政府委員(遠藤保雄君) 環境庁におきましては水質保全局というのがございます。この水質保全局は、河川等だけではなく、海洋環境についても日夜力を入れておるところでございます。
 先生の御指摘の海洋、特に沿岸域の環境保全ということでございますけれども、私ども、この藻場等の生息する地域、特に先生御指摘のアラメ、カジメ、ホンダワラなどの植物、これは栄養塩類を固定いたしまして、それで生育の過程において窒素、燐を吸収するということで、水質浄化に非常に大きな役割を果たしていると思います。かつまた、水産庁長官が指摘されましたように、この地域はやはりプランクトンが増殖し、かつ魚介類の産卵場で生育場である。そういうことからいいましても、こういう地域はトータルとして沿岸生態系の維持の上で非常に大きな役割を果たしているということでございます。
 我々の取り組みでございますけれども、平成十年度から三カ年間で、藻場、干潟などの環境保全機能定量評価基礎調査を実施しております。この調査によりまして、藻場、干潟が有する環境保全機能を定量化しよう、そしてこれらの機能を考量したシミュレーションモデルをつくりまして藻場、干潟の保全に資していきたい、こんなふうに考えております。
この発言だけを見る →
小川勝也#9
○小川勝也君 先ほども申し上げましたとおり、陸地の環境に比べて海洋の環境がこの国会で議論されることも非常に少ないと思います。ぜひとも、今回、海岸法の改正ということで、そのテーマの中に環境とか自然を盛り込まれる絶好のチャンスでございますので、環境庁も大いに意見を具申してきたと思いますし、これからも密接に連携をとりながら環境庁の果たすべき役割を果たしていっていけたらなというふうに思います。
 当然のことながら、私は専門家でもありませんし、つけ焼き刃の勉強でございますので、どの程度私の情報が正しくて認識が正しいのかわかりませんが、今回の改正において、建設省のメニューにもありますいわゆる人工リーフという概念が非常にすぐれたものであって、二十一世紀に向けてさまざまな観点から可能性を秘めたそういう施策である、こういう情報を入手いたしました。技術的なことがわかりませんが、例えば今までのいわゆる防護を主体とした海岸の施工ということになりますと、津波や高潮から陸地を守るために高い堤防をつくってきた。これからはそういうことに頼らない砂地や砂浜を造成する、あるいは離岸堤、人工リーフなどというさまざまな工夫をしていこうということであります。
 それで、私はわからないんですけれども、離岸堤と人工リーフ、例えば二つの概念がございます。どのように違うのか、双方にどんなメリット、デメリットがあるのか、簡単に概略を御説明いただきたいと思います。
この発言だけを見る →
青山俊樹#10
○政府委員(青山俊樹君) 今お話しございましたように、近年の海岸の防護を主体とします工事におきましても、直立堤防や消波堤によります線的防護と私どもは呼んでおりますが、それにかえまして、沖合の施設、それから砂浜によって波のエネルギーを弱める面的防護方式という整備方式が主流になってきているわけでございます。
 その離岸堤、人工リーフといいますのは、ともに沖合に設置しまして、波のエネルギーを低減させる施設でございますが、離岸堤は常に海面の上に出ている、人工リーフの方は常に海面の下にある施設でございます。
 人工リーフそのものの消波効果ということでございますが、これは常時、干潮時においても海面下にありますので、消波効果は離岸堤に比べては少のうございます。したがいまして、逆に離岸堤よりも幅を広くとる必要があるということでございまして、そういったことから、コスト面、工期面からいいますと離岸堤よりは効率が悪いということでございます。
 ただ、今お話がございましたように、人工リーフは生物の生息環境の面からも、また景観上も、水面上に出ないことから非常にすぐれたものでございますので、こういった工法に工夫を加えながらやっていきたい。例えばタンデム型人工リーフというのがございますが、これは水面下で二山にすることによりまして表面積が非常にふえます。表面積がふえるということは生物の生息環境にも非常にいいし、消波効果におきましても単一断面の場合よりはかなり大きな効果が得られる。また、工費も安くなる。こういった技術開発も進めながら面的防護方式を進めてまいりたい、このように考えております。
この発言だけを見る →
小川勝也#11
○小川勝也君 実は、この質問をするに当たっていろいろ勉強させていただきました。ここに「滅びゆく海の森」という小島さんの本があります。それと、参考のために見たビデオにNHKのETVスペシャル「よみがえれ海の森林」。こういうビデオを見ていますと、三重県の漁業地域で海藻が少なくなってきたので漁ができなくなってきた、それで自分たちでその海に隣の漁協からアラメをもらってきて移殖するなんということも行われているわけです。
 それで、考えてみますと、その漁業をやっておられる方が藻場をふやしたいと思っているときに建設省でこういう法改正をする。これを利用しない手はないと思うのです。一石二鳥をやっぱりねらってほしい、このように思います。それどころか、当然藻場がふえて魚がふえるというのは大変いいことだろうと思うのですが、それ以上に、まだ未開の分野でありますけれども、さまざまな効果が指摘されている。
 一つ大変大きな話になりますけれども、すべては水に流すという言葉がありますように、地球上で製造された、あるいは誕生した汚染物質は大体は海に行くわけでございます。海のどこかにそれがたまっているかと思いますと、そうでもないような気がいたしまして、海にはやはり我々にははかり知れないだけの浄化作用がある。その浄化作用を最大限生かしていく工法というのがもし海岸域にできるとすれば、これからの二十一世紀型の建設あるいは環境にふさわしいものだろう。これはわからない分野なんですけれども模索してもらいたい、そんな気持ちがございます。
 例えば、前回の委員会でも私が発言をいたしましたダイオキシン、あるいはもっと平たく言いますと、日本全国で使われている農薬あるいは肥料の量、これはすごい量だと思います。いつかは土壌を経由して河川を経由して海に流れていきます。それは私たちにとってはどんな効果があるかわからない化学物質も含まれておりますし、全部それは海に吸収していただいているものでございます。河川から海に行く、その近くにもしその浄化作用を特段に発揮していける地域ができるとすれば、七つの海がきれいになる最たる例になると思います。
 ある統計によりますと、近海の魚介類におきますダイオキシンの含有量は、例えばカナダ、イギリス、スウェーデン、アメリカ合衆国と比較しますと、日本の魚介類がどうも一番多いように思います。その原因は科学的にすぐわかるようなことじゃないと思いますけれども、最大限の努力をしていただきたいと思います。
 そんな中で、先ほど環境庁から御答弁がありました窒素や燐、これも海にとっては富栄養化をもたらす物質の一つであります。それとか、前回の委員会でも指摘しました家畜のふん尿あるいはダイオキシン、そして化学物質。これは海にも生態系がありまして、いわゆるカビや菌のような超微生物から植物プランクトン、動物プランクトン、小魚、大魚。最終的にはその食物連鎖の先で人間が食べるわけです。この海岸域は海洋環境の一部でありますけれども、今回の海岸法改正を機にうまく考えることができないだろうかというふうに思います。
 そして、今の藻場のメリットについては大体御理解をいただけたと思いますけれども、人工リーフがもたらす海岸の静穏域、これが微生物やバクテリア、プランクトンにとってどういう影響があるのか。今、把握しておられることだけで結構でございますけれども、環境庁からコメントをいただきたいと思います。
この発言だけを見る →
遠藤保雄#12
○政府委員(遠藤保雄君) 人工リーフにつきまして、これは消波機能があるということ、その延長線上で藻場等が形成されやすいということ、藻場の機能を通じまして窒素、燐の固定、そして水質浄化、そういう点については大いに期待されているのじゃないかと思っております。ただ、まだケースが少のうございますので、今後これはいろいろ研究していかなきゃいかぬ点だと思います。
 さらに、先生御指摘の浅海域にできました砂地、そこで波打ち効果が出て、それで微生物自体のいろいろな生活活動それ自身が、人間の活動によって河川等から流入する汚染物質等々についてどう分解作用を果たしていくかということにつきましては、やはり一定の効果がある。これはかなりある。しかし、それについては今後まだいろいろ研究していかなきゃいかぬ、こう思っております。
この発言だけを見る →
小川勝也#13
○小川勝也君 先ほど水産庁から、藻場が減っている、いそ焼けもある。これはどういったメカニズムでそうなったかというのはまだ正確にはわかっていないと思います。
 前回の委員会から引き続きその原因となるものを、まだ推測ですけれども挙げてみますと、例えば河川にいろいろな工作物、これはダムとか三面張りとかをしたことによって森からの恵みが海に少なくなってしまった。河川の中流域において砂利採取をたくさん行うようになった。港湾の施設を整えるために、港を建設したり防波堤をつくったこともその原因になっているのじゃないか。あるいは地球温暖化の原因として海流の温度が変わったなどということもあります。
 わからないこともたくさんあるわけですけれども、そんな歴史も振り返りながら、少しでも海の環境が保たれますようにさまざまな工夫をしていただきたいわけでございますけれども、建設省がわかることも限られておると思います。環境庁の中でも海洋についていろいろなことを研究する施設があったり、水産庁の方でも藻場がどういうふうに変遷しているのか、漁業との関係も研究しておられると思います。
 再度のお願いでございますけれども、この海岸の施設をつくっていく事業を展開するに当たっては環境庁や水産庁と、あるいは運輸省もそうであろうと思いますけれども、綿密にしっかりと連絡をとって、すべてが幸せになれるという道が必ずあると思いますので、その連携を密にしていただきたいと思います。再度の御答弁をよろしくお願い申し上げたいと思います。
この発言だけを見る →
青山俊樹#14
○政府委員(青山俊樹君) 環境庁の方からお話がございましたように、海岸はいろいろ働きがあるわけでございます。砂浜は魚の生息、生育の場となっておりますし、また微生物等の働きによります有機物の浄化作用があるということも言われております。また、人工リーフは、砂浜の保全に有効であるという本来の役目のほかに、それ自体に藻が繁殖したり魚礁としての効果も期待される場合もあるということ、これは環境庁の方と全く同見解でございます。
 また、関係省庁との連携ということでございますが、私ども本年度から海岸四省庁共同で自然環境や生態系と共生するための海岸保全のあり方について検討していこうということを予定しております。また、同じく本年度から魚をはぐくむ海岸づくりというものを開始しまして、海岸事業と水産庁の沿岸漁場整備開発事業とが連携して、人工リーフ等と増殖場の一体的な整備を開始したところでございます。また、環境庁を含めた関係省庁と連携しつつ、人工リーフ等による面的防護方式を用いて、砂浜の保全、復元を主体とした整備を促進し、また結果的に藻場等の整備にも寄与したい、このように考えております。
この発言だけを見る →
小川勝也#15
○小川勝也君 環境庁も海洋あるいは海岸域の環境ということに非常に関心を持っておられると答弁されました。
 特に、海洋の持つ浄化作用の研究とか、どうしたら海がきれいになるかという研究が熱心に行われていると思いますけれども、ちゃんとした研究施設というのはあるんでしょうか。
この発言だけを見る →
遠藤保雄#16
○政府委員(遠藤保雄君) ございます。国立環境研究所というところがございまして、そこの一部局におきまして、例えば平成八年度からでございますけれども、海域保全のための浅海域における物質循環と水質浄化に関する研究というものをやってきております。こういうことを通じて、いろいろ研究成果を発表しているところでございます。
この発言だけを見る →
小川勝也#17
○小川勝也君 これは仄聞をしたわけでもありませんけれども、察するに環境庁として潤沢な予算がその面に充てられているといった話は聞いたことがありません。私は、これから建設省が防護も含めてさまざまな施策を海岸域にしていくときに、便乗してと言ったらなんですけれども、さまざまな工法に変化を加えることによって、どういうケースが海洋に与える環境がいいのかというデータを蓄積していくということも、先ほど河川局長が答弁された連携の中で可能であると思います。
 これから、二十一世紀に向けて環境といったことは非常に大事なことでありますし、先ほど申し上げましたように日本近海の魚がダイオキシンを多く含んでいるということも事実であります。きれいな海で私たちが安心して魚が食べられるような二十一世紀になりますように、環境庁といたしましてもずる賢く建設省に乗っかってさまざまなデータ、知見を集めるぐらいの努力をしてもらいたいと思っております。
 最後に、大臣にお伺いをしたいと思います。
 人工リーフの効能ということでさまざまなアドバイスを研究者からいただいたりして、私なりにつけ焼き刃の勉強をしてまいりました。きょう青山河川局長から、離岸堤に比べてコスト面でちょっと高いんだよと、こんな話もありました。まだ未開の分野でありますけれども、これが今までの概念の防護だけでなくて、海洋環境、漁業、それにプラスアルファするさまざまな成果の卵になるかもしれない。そんなことで、他省庁との連携をしながらこの人工リーフを研究し、あるいはさまざまな工夫をしながら的確に施策を推進していっていただきたいと思うわけでありますけれども、大臣の抱負をお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →
関谷勝嗣#18
○国務大臣(関谷勝嗣君) 先生御指摘のように、離岸堤と人工リーフのコストの比較でございますが、離岸堤で一メーター当たり百六十万円、人工リーフで一メーター約倍の三百万円というふうに見積もられておるようでございますが、そういうようなことも凌駕して、こういう環境を保全しながら、また安全面を確保しながら人工リーフというものができるだけの、いささかの余裕はできてきた昨今でございます。
 この人工リーフの整備というのを、今後とも環境面と十分に連携を密にしながら積極的に推進していきたい、そのように考えます。
この発言だけを見る →
小川勝也#19
○小川勝也君 今申し上げましたように、従来型の防護あるいは漁業分野への影響、そして二十一世紀にますます重要になります環境ということ、一石三鳥という言い方もありますけれども、ぜひ大臣御答弁のとおりよろしくお願いを申し上げて、質問を終わりにさせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →
福本潤一#20
○福本潤一君 公明党の福本潤一でございます。
 前回、今回の法改正に当たって、防護のほかに環境利用ということで、利用面も含めてさまざまな質問をさせていただきました。
 今回の法改正の中に環境というものが大きな柱で位置づけられ、小川委員からもさまざまな角度から質問がありました。私自身、環境という問題はこれから二十一世紀に向けて人類が最も対応していかなきゃいけない問題がさまざまあると思います。ダイオキシン対策の規制法も我々は出させていただいて、成案の方向に行っているということもあると思います。
 最近、環境といえばある意味ではもう百点で、開発というと零点のような認識というのはかなり進んでいる現状があると思います。リオで地球サミットというのがあったときに、サステーナブルディベロプメント、学会によってさまざまな訳をしておるようでございますが、持続可能な開発という訳し方をしております。
 と同時に、先進国が地球温暖化のためにかなり酸素を使って二酸化炭素を排出する、地球が温暖化するという問題のときも、ブラジルのアマゾンは保存しておかなければいけないという声が上がったときに、ブラジルから、先進国は進んでおるのに我々おくれて開発を進める国には環境を守れというだけで、ここのアマゾンにそんなに過大な負担をかぶせるのかということで、むしろそういうところから問題が起こった。ある意味では南北問題になる。
 日本国内でもさまざまなところで起こっていまして、公共土木事業が大変進んだところは非常にいい。四国の方とか開発がおくれている方は、逆にぜひとも道路をとか、ぜひとも河川改修をという形で進みます。そういうときに、木を一本切るときにも地球温暖化に悪影響するということで、木一本が切れないで工事が進まないというような問題も起こっているということを考えますと、環境と開発、このテーマ、関谷大臣も第十堰に絡んで、取材の方法が悪いのかもわかりませんけれども、意見がぶれているというような話が出ていたりしております。自然保護というものと公共土木事業の関係を整理しておかないと、公共土木事業は全部悪というような形でやったときに、現実に地方行政は進められないということが多くのところで起こっています。
 水田というのを日本は多く持っていますけれども、自然が豊かでいいね、ため池があるといいねと言いますが、あれもそもそも考えれば開発したものでございます。開墾という言葉で象徴されるように、林野を切り開いて開墾した開発の結果でございまして、決して自然ではないわけでございます。ため池で水田に水を引く、それをつくるときは開発してああいうため池が残っている。瀬戸内海沿岸は水不足ですから、そういうため池もつくられています。
 ですから、ここらで建設大臣に、自然保護と公共土木事業の関係、また環境と開発の関係に関してどういうふうに考えておられるか、理念をお伺いさせていただければと思います。
この発言だけを見る →
関谷勝嗣#21
○国務大臣(関谷勝嗣君) 確かに、時代とともにその両面の関係、重さというものは変わってくるものだろうと思うわけでございます。
 終戦後半世紀たちましたが、終戦当時におきましては、どうしても我々の生活維持あるいは生活環境をよくしていくという意味において、いささか自然破壊というもの、いささかという言葉は的確でないかもしれませんが、ある部分においては行き過ぎた自然破壊もあったと認識せざるを得ないと思うわけでございます。今日までの一応の発展というものを達成した時点においては、これからは自然環境を保持しながら、あるいは共生する範囲内において開発を進めていかなければならないと思うわけでございます。
 そういう中で、先生御指摘のように、今世間ではとにかく福祉それから環境ということに対しては一つたりとも反論ができないような、これはマスコミの扱いでしょうか、あるいはこの論議をするいろいろな場所においてそういうものがあるわけでございます。
 ちょっと話がずれるかもしれませんが、先般の閣議におきましても、例えば環境庁長官から環境、いわゆる温暖化防止のためにも夏時間を導入すべきだと言われました。それから、与謝野通産大臣は省エネの感覚からもこのものを導入すべきだというようなことが出てまいりましたが、それに対して、果たしてそうであろうか。運輸大臣からは、これを夏に切りかえるという場合は、国際線の時刻表などというのはもう一年前からつくられておるわけですから、もしこれを日本がやるとするならば二年間の猶予期間がなければ実施できませんというようなことが言われたわけでございます。
 いずれにしましても、前段の環境、温暖化防止、それから省エネというような言葉で言われると、私は内心このことは余り好きではないんですけれども、そういうことが言えないんです。そういうようなことが公共事業であるとかで、逆に評判が悪いように言われるところに私は間違いがあると思うわけでございまして、これからはそういうようなことははっきりと発言をしていかなければならないのではないか、そのように思っております。
この発言だけを見る →
福本潤一#22
○福本潤一君 建設行政を預かるに当たって、環境の問題というのは大いに今後取り入れていくと同時に、必要な建設事業というのは推進していかなければいけないという答弁だというふうに受けとめさせていただきました。
 我々は、河川の問題、二年前河川法改正、今回海岸法の改正というふうにするときに、洪水というのは各地で、特に昭和以前、水害で二階まで家が流されたりというような状況というのを映像で見ています。最近で言うと多摩川の大水害、我々はまだ大学院の学生でしたけれども、テレビを見ていたらピアノとともに家が流されるというのが現実には起こった。ただ、これは回数が非常に少ない。百年に一回ぐらい起こるようなところにとってはそのときだけは大変だと思うわけですが、現実にそれが起こったときにはふだんの手当てが足りなかったということになったりするわけでございます。特に、中国や何かの洪水、この前大陸の中で大洪水が起こりましたけれども、その中では四国と同じ面積ぐらいが数カ月にわたって水没したというぐらいの大きな洪水が起こるわけでございます。
 日本の中で吉野川というのは、大陸の黄河、揚子江というのとはまた違うかもわかりませんけれども、大変大きな河川で四県に全部またがっているという状況でございます。そうしますと、先ほどの自然保護と公共土木事業というときに、治水の面では万一のときの、ちょうど地震対策のように、地震のような頻度でしか起こらないけれども手当てはしていかなければいけないということがあると思います。
 大臣、そういう形で、自然保護と公共土木事業のお話をしていただきましたけれども、これは河川局長でもある、今回海岸法の担当部局にもなっておられます、政府委員ということにはなるんですけれども、現在担当しておられる方にもこの自然保護と公共土木事業の考え方というのを同時に聞かせておいていただければと思います。
この発言だけを見る →
青山俊樹#23
○政府委員(青山俊樹君) 今、大臣の方からお話がございましたように、やはり環境というものも非常に大切な要素である。けれども、また一方、住民の生命、財産を守るということも非常に大切な事業である。また、利用者の方に適切に利用していただくことも非常に大切なことである。
 海岸法の第一条の「目的」で、そういった意味で防護に加えて環境と利用が加わったというのも、防護、環境、利用を総合的に考え、またそれを調和させて海岸というものを考えていかなきゃいけないということでございましょうし、また河川法の第一条の「目的」に、洪水、高潮等の災害の防止、それから河川の適正な利用に加えて環境の保全という項目が加わったのも、これも同じ趣旨だろうと思います。
 いずれにしましても、何かをするということは何かを変えるということであるわけでございますが、私どもこの法律の精神に基づいてそれぞれが調和する道を必死で探りながら、よりよい海岸、よりよい河川とは何かというのを絶えず考えながら仕事をしていかなければならないのではないか、かように考えておる次第でございます。
この発言だけを見る →
福本潤一#24
○福本潤一君 環境というテーマになりますと、今ほとんどの大学に建設関係の学科がありますけれども、環境という名前を入れることによって実態はともあれというところが現実にあります。例えば、昔は土木工学科で、環境建設工学科とか、名前がさまざま変わっていくわけです。公害問題でも、今、環境問題という形で現実には変わっていく。一つのネーミングを変えることによって態様が大いに変わっていくという側面は、大学の学科ですら起こっている。
 これは、環境ということによって免罪符を得られるということがあると同時に、環境というものが地球環境、例えば国土環境、地域環境というそういうオーダーの違いをある意味では無視した議論というのが結構進んでいるなというのが私自身の実感しているところです。地域の公共土木事業をするときに、木一本切ってはいけないという形になると何もできない、今のままがいいと。では、今のままが本当に自然なのかというと、今地球上に自然のままというのははっきり言ってほとんどないぐらいの状況になって、人間が利用しやすいようにという形で改変してきておるわけでございます。
 ですから、そういうオーダーの問題と同時に、議論が地球環境が即座に木一本という形に行くというところの問題に対しては、きちっと建設省、具体的に進めるに当たっては納得できる理由として、説得できるような話を示していただきたいというのが、地域で地域環境、地域を新たな公共土木事業によって環境創造するというようなケースには必要だというふうに私ども思っております。
 そこで、具体的に前回私も、第十堰という徳島市だけの問題のように思われていたその堰に関して、岡崎委員の質疑に引きずられるように、事前に投げていないまま七分ぐらいお話しさせていただきました。
 この第十堰自体が現実にさまざま、建設大臣、マスコミから追われて映像で拝見させていただくことがかなりあるわけでございますが、徳島県だけの河川ではなくて、もちろん四国四県の大河川でございます。四国山脈のあの中央構造線をずっと横に走っている、四県全体に影響を与える河川。早明浦ダムができたときには、そのダムをつくるに当たって上流で治水と利水両面に役に立つ。池田ダムを経て、四国山脈の地下パイプを通して香川という満濃池もある、ため池もあるところへ水利用で大いに貢献する。ただ、徳島、高知というところはある意味では水没農家、ダム建設のために被害者となった、また洪水はさんざん受ける大河川で治水事業は全然できていない。ただ、香川は大変だから利水のために大きなダムをつくる。そうすると、徳島住民にとってはそういう大きな治水に対しての対策が絶対必要であるという要望であの第十堰が採択されたという経緯があります。
 この第十堰は、ただ単なる徳島県一県にとどまらず愛媛県、また高知県、香川県、全部に影響を及ぼす。それが必要だという水計算も、徳島新聞が持っている四十センチぐらいの水計算のデータを、私だと読み切れませんので福本先生、水の関係の学者でしたので、これを読んでくださいということで私に持ってきて、読んだ上で解説したことがありますけれども、事業としては必要な事業だなという実感を持っております。これは、長良川堰のときの水計算または地域の方々の状況と違うというのが私の認識でございます。
 ここの観点で、関谷建設大臣、マスコミに誤解されているかもわかりませんけれども、ぜひともその真意をここでお話しいただければと思います。
この発言だけを見る →
関谷勝嗣#25
○国務大臣(関谷勝嗣君) 先般のテレビのインタビューの前に先生の御質問をいただいておったらもっとスマートに答弁ができたんですけれども、今回の私のあの発言で私自身もいろいろ考えさせていただきました。

 それで、住民の生命、財産を災害から守ることが建設省として大きな使命であるという大きな一つの柱が私はあると思うんです。そのために、私はこの可動堰は進めていかなければならないと思っておるわけでございますが、また反面、公共事業を進めるに当たっては地域住民の意思を尊重することも重要であります。
   〔委員長退席、理事太田豊秋君着席〕
その際に、地域住民の方は、今度は事業の性質を十分に理解いただいて、自己責任を持って、例えば投票にせよあるいは統一地方選挙にせよ意思を表明していただきたいという思いが私にはありました。
 それともう一つは、先般の委員会でも答弁させていただきましたが、先生御指摘のようにいわゆる公共事業というと余りいい評価をされなかったことに対するいら立ちもございまして、ああいうような表現になったわけでございます。
 したがいまして、この双方のことを満たすためにも、この吉野川及び第十堰の置かれている状況について誠心誠意地域に説明し、御理解をいただきながら、第十堰の可動堰への改築は必要でございますから、河川整備計画や環境アセスメントの手続を進めて、そしてこの事業を進めていくということで私は結論を出したいと思っておりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
この発言だけを見る →
福本潤一#26
○福本潤一君 そういう意味では、具体的に揺れないところの右左ではなくて、現実に今の御答弁が第十堰に関する正式な答弁というふうに受けとめさせていただきます。
 私も地元の市議会の議員団には、住民の意識としてきちっとその合意を得られなければ事業というのは進まない、そういう時代になっている、だから住民投票は賛成だ、と同時に長良川堰の状況とは違う地元の状況で、むしろ住民の方が要望しているということが住民投票にも反映するように、むしろ第十堰の建築推進ができるような形での働きかけがないということはまた問題がある。だから、私は第十堰は賛成だということで地元の方にも言わせていただいていますので、住民投票が即反対ということではありませんので、ぜひともこの必要性というものを訴えていただいて、建設省も推進方を図っていただければというふうに考えております。
 今回、海岸法で海の水と川の水という問題をやりましたけれども、大臣の答弁の後、固定堰と河川改修の方が費用換算したら安いというような記事も出たりします。私から見ると、環境から見たら固定堰の方がはるかに環境に対する悪影響は大きいわけです。ましてや、アユや何か魚ですら遡上するときの弊害になるのはむしろ固定堰ですし、砂の問題も含めて考えますと、上流からせっかく河口まで来たのにそこでせきとめられる、可動堰ですとその排砂も可能だというような形で、そういうところのメリットも含めて大いに説明していただければというふうに思います。
 ということで、特に韓国や何かは日本に河口堰の建設技術を学びに来ているというぐらい日本はそういう技術も持っておるわけですから、必要なところは適切に手当てをしていただくというふうにしていただければと思います。
 可動堰全体の話をさせていただいた上で、前回質問を残していた男木島、女木島の小さな話でございます。瀬戸内海全体でかなり海岸侵食が進んでおります。海岸侵食のときに、男木島、具体的に地元の土地が大変減っている、瀬戸内海全体でもかなりの面積が海岸侵食でなくなっているという現実があると思います。そうすると、法務局に登録していた山林地の面積がいつの間にかはるかに減っていた、道路も壊れてなくなったということがありまして、現場の方では、これはどういう形で工事採択されるような状況になるんだろうかといって不安がっている。
 これはサンプルでございまして、ほかのところでも男木島に似たようなことはいっぱい起こっているわけでございますので、瀬戸内海の海岸侵食の実態とそれの対応策方を建設省にお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →
青山俊樹#27
○政府委員(青山俊樹君) 瀬戸内海での海岸侵食につきましては、全国的に見た場合には比較的穏やかな進行状況で進んでいると思っておりますが、それでもやはり海岸侵食が進捗しているのは事実でございます。
 これに対応いたしましては、面的防護方式と申しますか、沖合に離岸堤、人工リーフ等を設けることによって砂浜がつくような整備をし、それをもって波のエネルギーを消していくというふうな防護の方法がこれから主流になっていくというのは、全国の海岸と同様でございます。
 また、瀬戸内海は非常に景観的にも大切なところでございますし、漁場等の意味でも非常に大切なところでございますので、整備をする区域につきましては十分環境にも配慮しながら進めてまいりたいと思っております。
この発言だけを見る →
福本潤一#28
○福本潤一君 また、個別の問題で具体例でお伺いしたいことはいっぱいあるわけでございますが、もう一つ、瀬戸内海の海岸侵食の原因として、川砂が少なくなって、建設工事で海砂が、川砂に劣るとはいえ大量に採取されているという現実が起こっています。
   〔理事太田豊秋君退席、委員長着席〕
広島県では海砂採取業者が全業者逮捕されるとか、計画を超えて採取していたというようなことも起こっていますので、海砂に対する対応策、これを具体的に現状認識とともにお伺いさせていただければと思います。
この発言だけを見る →
青山俊樹#29
○政府委員(青山俊樹君) 海砂の採取の問題は、確かに海岸侵食にとっても影響があるわけでございまして、例えば海岸法制定以前におきましては、もう既に民地の砂浜になっている部分をたくさん土砂採取されたことによりまして、非常に大きな侵食の原因になったという例もございます。
 現在は、砂浜の砂を採取するということはさすがにございませんが、沖合の海底の砂を採取するということは行われておるわけでございます。ただ、沖合の海底になりますと、これは先生もよく御存じだと思いますが、水の深さと砂の動き方とまた波のエネルギーというのが非常に微妙な関係にあるわけでございまして、そういった意味での因果関係、一概にどうだこうだとは言えないわけでございますが、現実に海底の地形がどうなっているか等の調査は必要だと思っておりますので、海象観測、横断測量等の必要な調査を実施していくというふうな方向で、その影響の把握に努めてまいりたいと考えております。
この発言だけを見る →
← 戻る