財政金融委員会

2002-04-04 参議院 全118発言

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会議録情報#0
平成十四年四月四日(木曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十九日
    辞任         補欠選任
     有村 治子君     坂野 重信君
     西銘順志郎君     清水 達雄君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         山下八洲夫君
    理 事
                入澤  肇君
                林  芳正君
                若林 正俊君
                円 より子君
                山本  保君
    委 員
                上杉 光弘君
                尾辻 秀久君
                金田 勝年君
                中島 啓雄君
                溝手 顕正君
                山下 英利君
                大塚 耕平君
                勝木 健司君
                櫻井  充君
                峰崎 直樹君
                浜田卓二郎君
                池田 幹幸君
                大門実紀史君
                平野 達男君
                大渕 絹子君
                椎名 素夫君
   国務大臣
       財務大臣     塩川正十郎君
       国務大臣
       (金融担当大臣) 柳澤 伯夫君
       国務大臣
       (経済財政政策
       担当大臣)    竹中 平蔵君
   副大臣
       内閣府副大臣   村田 吉隆君
       財務副大臣    尾辻 秀久君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        石田 祐幸君
   政府参考人
       金融庁監督局長  高木 祥吉君
   参考人
       日本銀行総裁   速水  優君
       日本銀行副総裁  藤原 作彌君
       日本銀行理事   増渕  稔君
       日本銀行理事   小池 光一君
       日本銀行理事   三谷 隆博君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○財政及び金融等に関する調査
 (日本銀行法第五十四条第一項の規定に基づく
 通貨及び金融の調節に関する報告書に関する件
 )

    ─────────────
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山下八洲夫#1
○委員長(山下八洲夫君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る三月二十九日、有村治子さん及び西銘順志郎君が委員を辞任され、その補欠として坂野重信君及び清水達雄君が選任されました。
    ─────────────
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山下八洲夫#2
○委員長(山下八洲夫君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に金融庁監督局長高木祥吉君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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山下八洲夫#3
○委員長(山下八洲夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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山下八洲夫#4
○委員長(山下八洲夫君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に参考人として日本銀行総裁速水優君、同副総裁藤原作彌君、同理事増渕稔君、同理事小池光一君及び同理事三谷隆博君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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山下八洲夫#5
○委員長(山下八洲夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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山下八洲夫#6
○委員長(山下八洲夫君) 財政及び金融等に関する調査を議題とし、日本銀行法第五十四条第一項の規定に基づく通貨及び金融の調節に関する報告書に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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山下英利#7
○山下英利君 自由民主党の山下でございます。
 通貨及び金融等に関する日本銀行からいただいた御報告に関連いたしまして質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 今、正にデフレ経済の中で経済が大変低迷している、これを一刻も早く立ち上げなければいけないという大変な至上命題の中で努力をしているわけでございますけれども、日本銀行から都度御報告をいただいております報告書を拝見しておりますと、非常に環境は厳しいというトーンは十分うかがわれるのでございます。しかしながら、この三月、一昨日ですか、発表されました短観を見ますと、報道等によりますと、大分底値感といいますか、落ち着きが見られるようになってきたという種々の計数も発表されているようであります。
 しかしながら、今このデフレの環境の中では、一朝一夕に上向いてくると言えるような環境ではないと私は思っておる次第であります。確かに、空売りの規制とか、それから米国の経済が底値を脱して回復基調に上がったというふうな発表を受けて、株価も期待感を持って落ち着きを若干取り戻しているというふうなことが目にされるわけですけれども、日本銀行御当局としては、この三月の短観の状況、これが十二月の時点とフラットであったと。市場はもう少し出目が出るのではないかなと予測していた部分もありますけれども、少なくとも十二月よりは悪化は止まったというところを踏まえまして、今の日本の景気のこれからの先行きをどう見ていらっしゃるか、そしてこの米国の景気回復が実際日本の景気に及ぼす影響、これを教えていただきたいと思います。
 確かに、在庫調整が大分進んで、これからそれが設備投資に本当に向いていくのか、そのためには何が必要なのか。そしてこの下げ止まり感が確かに大企業ではその傾向は出てきたという中で、やはりまだ中小企業の段階においては非常に景気の低迷感、景気の悪さ、これの印象は顕著であります。そのところを踏まえまして、日銀御当局から御答弁をいただきたいと思います。
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速水優#8
○参考人(速水優君) お答えする前に、皆様、御多忙の中をこの日銀半期報のためにこういう場所を、討議の席を設けてくだすったことを厚く御礼申し上げます。
 御質問の四月一日に発表いたしました短観でございますが、私ども大体予想していたような線、数字が出てきたんですが、景気の現状につきましては、設備投資を始めとする国内最終需要が弱めの動きを続けております。家計の雇用・所得環境も厳しさを増している。一方で、米国や東アジアなどの海外経済の回復に向けた動きについては一段とはっきりしてきておりまして、このような海外経済の動向に加えて、為替の円安の影響もあって我が国の輸出は下げ止まりつつあると思います。在庫調整の方も一段と進んできておりますし、生産の減少テンポもかなり緩やかになってきていると思います。今週初めに公表した短観でも、こうした経済の現状を示すものであったと思います。
 当面、前回と大企業、製造業者の見通しなどは横ばいでございましたけれども、これから先についてはかなり良くなった数値が出ておりましたし、その辺のところは私どもの感じと大体似ているなというふうに思いました。
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山下英利#9
○山下英利君 これからの先行きはどのように御覧になっていらっしゃいますか。
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速水優#10
○参考人(速水優君) 景気の先行きにつきましては、まだはっきり申せませんけれども、アメリカの方もどれぐらいのスピードで良くなっていくかによりますし、国内の方でも今いろいろ手を打たれ、構造改革がどれぐらいのスピードで進んでいくかということも分かりませんので、余りはっきりした見通しを持っているわけではありませんけれども、製造業の方については大体底を打って、設備投資の方も増えていくんじゃないかというふうに思っております。生産の方は少しずつ伸びていくように思いますし、ただ、これから新しく日本が、地方を含めてかなり空洞化が行われておりますが、そういうところへ新しい産業が興っていくか、特に非製造業、サービス産業などで新しいものがどんどんできていって、製造業においても付加価値の高いものがこの機会に作られていって、そういうものがこの経済の成長を支えていくと。
 いずれにしましても、民間の需要が、企業及び家計の需要が出てこない限り経済は伸びていきませんし、それがないとデフレも克服ができませんし、経済が正常化していくのはそういった過程を通っていく必要があるというふうに思います。その辺のタイミング、外需の方は外のこともありますからはっきり言えませんけれども、そういうことをすべて含めて考えてみましても、この辺で底を打って年の後半から少し上がっていけばいいなという感じがいたしております。
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山下英利#11
○山下英利君 どうもありがとうございます。
 今のこのデフレを阻止するということがもう終始一致した目標なのでありますけれども、ただ単に金融政策だけではなくて、要するに総合的なデフレ対策、これを同時並行的に打っていかなければいけない、正にその中で金融政策というのが大変重要な位置を占めていると、私はそのように理解をしている次第なのでありますが、この景気回復というのはすなわち、産業構造の調整とそれからフローのデフレを止めるということ、これが同時に進んでいかなければいけない、しかし一方で、そのフローのデフレを止めるということは景気も刺激していかなければいけないと。正にいろんな意味での言ってみれば二律背反するようなことを進めていかなきゃいけない局面もあろうかと、私はそのように思っています。
 そして、このフローのデフレが止まらなければ、ストックのデフレを止めるには至らないと。まず、フローの方を何とかしなけりゃいかぬと、そのように思います。そして、それは今盛んに言われている金融機関のいわゆる金融仲介機能が低下している、不良債権の処理の問題においても。すなわち、フローのデフレが止まらないからますます金融は信用が収縮している、その悪循環の中に入っていると、そういうふうに私は思っているわけであります。
 その総合的なデフレ対策の中で、日銀の金融政策として今盛んに言われているインフレターゲティングについて御質問をさせていただきたいと、そのように思っております。
 物価水準目標を設定をして、今緩和の政策を取っていただいている。言ってみれば、市中はじゃぶじゃぶの状態になっているというわけです。昔であれば、もうこれだけじゃぶじゃぶの状態にすればインフレ懸念が出てきて金利が上がってくる、物価も上がってくるというふうに言われたわけですけれども、全くそれが起きない。なぜ起きないかというと、やはり設備の投資の需要がない、資金需要がないから実際にじゃぶじゃぶになったお金が市中、いわゆる中小の企業に回らない、実際の実需に基づいた資金の貸出しにつながらないというふうなところがあろうかと思っています。
 しかしながら、その日銀の緩和政策によって息をつないでいるという部分も私はあると思っております。そして、このインフレに対して、今まで私たちが全く経験したことのない、今度はデフレの状況からインフレの状況へ持っていこうという流れが、このインフレターゲティングの一つの趣旨であろうと思っています。
 物価水準をまず目標にして日銀が資金の緩和政策を取る中で、インフレ率といった数値目標設定によるインフレターゲティングについて、日銀の御当局はどのようにお考えか、お聞かせいただきたいと思います。
 ちなみに、諸外国の中央銀行は、インフレターゲットの政策を採用しているところもございます。そんな中で、日本銀行としてこの政策についてのお考えをお聞かせください。
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速水優#12
○参考人(速水優君) インフレターゲティングという言葉は、昨年来かなり広く使われてきておるわけでございまして、私どももこの問題は十分頭の中に入れて考えてきたつもりでございます。海外でもございますけれども、やっぱりこれはインフレを抑えるためにインフレのターゲットを作るところが大部分であって、デフレの状態の中でインフレのターゲットを決めていくというのは今まで実例がないと言ってもいいと思います。
 日本銀行は、既に昨年、緩和政策をゼロ金利から更に広めて量的緩和に切り替えましたときに、CPIの上昇率が安定的に〇%以上となるまで現在の思い切った金融緩和の枠組みを続けるということを宣言いたしまして、デフレ克服に向けた強い意思を表明したつもりでございます。また、このコミットメントの下で、市場に対して極めて潤沢な資金供給を行ってきております。
 この結果、短期金利は〇%まで低下しておりまして、いわゆるマネタリーベースといいますか、日本銀行から出ていく資金は、流動性は、二月、三月でも前年比三割に近い伸びを示していたわけでございます。現在はこうした金融緩和の効果が経済全体になかなか浸透していかないのが現状であると思います。
 こうした情勢を踏まえますと、現段階ではターゲットを設定しても人々の信頼が得られない可能性が高うございますし、むしろ先ほど申し上げましたように、さっき申し上げたコミットメントの方が分かりやすくてまた効果的であるというふうに思います。
 先ほども申し上げましたが、物価の方は経済活動の体温と考えるべきであって、様々な経済現象の結果として表われてくるもので、デフレ脱却のためには、やはり経済全体の基礎体力といいますか、成長があって初めて物価は上がっていくんだろうと思います。そのためにも、このコミットメントでゼロを超えるところまで消費者物価が上がっていくことが第一の目標であるというふうに思っております。
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山下英利#13
○山下英利君 ありがとうございました。
 その第一の目標のコミットメント、これに基づいて今の経済環境をごらんいただいて、しかし先ほども私が申し上げましたように、総合的デフレ対策の中での金融政策という位置付けを十分御理解をいただいて、じゃ、二の矢三の矢というときには具体的な目標と、そしてその目標に対しては、これは日本銀行がすべて責任を負うというんではなくて、本当に種々の環境がそろわなければその目標達成には届かないという国民の理解、これも大分深まってきていると私は思っておりますので、前向きにと申しますか、ちゅうちょなくやはり日銀として金融政策を展開していただきたいと、そのように思っております。
 それで、次の質問なんでございますけれども、先ほどから総裁のお話の中に為替という話が出てまいりました。正に今これだけ、昨年十二月の状況から今三月の状況になって、やっぱり大きくコメントの中でも出てくるのが米国経済の回復であると。やはり貿易によって、日本の輸出によって日本の経済に対する回復というものに対する期待感、これが本当に大きいんだなと、そのように思います。
 その中で、やはり日本が今直面しているのが為替の環境であります。
 為替というのは、もう昔からやはり日本にとっての大きな経済の主たる要因でありましたけれども、今の現在の日本が置かれている為替の環境というのは、ドルだけではなくて、ここに元という新しい要素が入ってきています。日本の経済が空洞化していく、そしてまた、はたまた安いものが入ってくる。これも単純に労働賃金の格差だけでなくて、やはり為替の要因というのは大変大きいんではないか。そして今、中国の元は正にドルにリンクした特別な相場形態になっております。
 日銀御当局として、ドルと円と元という、この三つの通貨の関係を踏まえたこれからの為替の日本経済に及ぼす影響、これについてお考えをお聞かせください。
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藤原作彌#14
○参考人(藤原作彌君) お許しを得て私から答弁させていただきます。
 先生御指摘のとおり、昨年来、円相場は各国通貨、元も含めまして各国通貨に対して円安水準で推移しております。これは、日本経済やそれから日本の金融システムに対する厳しい見方が続いているということが一つ、それから、反面、アメリカなど海外の経済の回復に向けた動きがはっきりしてきているという要因などを反映した動きだと解釈しております。このような海外経済や為替相場の動きは、輸出環境の改善という形で足下の、現下の輸出数量の下げ止まり傾向や企業収益の下支えに寄与しているものと考えます。
 日本銀行としましては、為替相場の、経済のファンダメンタルズを反映した、安定的に推移することが望ましいと基本的に考えておりまして、そういう意味で、今後とも為替相場の動向とその影響については注意深く注視してまいりたいと存じます。
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山下英利#15
○山下英利君 ありがとうございました。
 そういった意味で、金融の正に中心であります中央銀行、日本銀行の置かれている立場というのが金融政策の中で非常に明確なんでありますけれども、今、副総裁御答弁いただいたように、為替というものが日本の経済環境の中で非常に重要な位置を占めている。したがって、日本の国内の中だけの金融政策でなく、やはり為替の政策というものも併せた通貨当局の政策の実行というものが、非常に今度タイムリー、時間の勝負というものを考えた場合には大事ではないかなと私は思っておるわけでございます。
 そこで、私の質問は、金融政策、それから為替の政策、これを連動させる。今だれがどういう形でこれを動かすかというところに立ち返ってみますと、財務省、それから日銀、それぞれのお考えあろうかと思いますので、財務省、日銀、それぞれにお聞かせをいただきたいと思います。
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藤原作彌#16
○参考人(藤原作彌君) まず、私の方からお答えさせていただきます。
 日本銀行の任務は金融政策でございますけれども、現在の日本銀行法では、金融政策の目的を「物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資する」というふうに規定しております。もちろん、金融政策と申しましても、為替の相場の変動など経済や物価に様々な影響を与えると同時に、金融政策の波及効果の重要なルートの一つでもあるわけです。
 日本銀行としましては、引き続き、為替相場変動の影響にも十分に留意した上で、大本の金融政策運営を行ってまいりたいと考えております。
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尾辻秀久#17
○副大臣(尾辻秀久君) 財務省としてお答え申し上げます。
 まず、金融政策について申し上げますと、お話しのように、政府、日銀が緊密な連携いたしましてその対策に取り組んでいくことが重要である、これはもうお話しのとおりであります。
 一方、為替相場でありますけれども、この為替相場は金融政策によって影響を受けることも事実でありますけれども、とはいえ、為替相場そのものだけについて言いますと、私どもの立場で申し上げますと、人為的な政策誘導を行う考えはございません、こういうお答えになってしまいます。
 ただ、申し上げましたように、金融政策の影響があることは事実でありますから、為替の問題と金融政策とはその時々の状況に応じて検討されるべき問題である、このように考えております。
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山下英利#18
○山下英利君 ありがとうございます。
 為替については、実際の貿易における実需とそれ以外のいわゆる資本の流出入、こういった面で最近やはり大変大きい要素になっているのが、今の株価の問題にも出てきますとおり、やはり外人投資家からの積極的な買いであり売りであり、そういった市場混乱、その中で為替も動くというようなことが顕著であります。それをして人為的な介入をしないという場合に、それをどうとらえるか、これはまたいろいろ御意見があろうかと思います。そして、日銀の通貨当局としての金融政策にそれがマイナスの影響になるといったときに、御当局が実際それを回避するという手だてというのはやはり必要ではないかなと私は思っておる次第であります。
 日銀法の改正等、またいろいろ議論をされておりますけれども、その中にあって、やっぱり外債の話、それから有価証券等、そういったいわゆる資本市場取引における日銀の金融政策を、為替政策というところからどうやって反映していくのかというのは大きな、今の経済環境における、特に金融面での課題かなと、私はそのように思います。
 そこで、追加で質問をさせていただきたいと思いますけれども、そういったデフレ政策の中での金融政策あるいは為替の政策という話をさせていただきました。総合的にとらえて、総合的な今の日本の国の政策運営の中で日銀の在り方です、これはどういう在り方であるべきか。私はイメージとして、例えばアメリカであれば連邦準備銀行、FRB、あるいはドイツのブンデスバンク、あるいはバンク・オブ・イングランド、そういった中央銀行といろいろ比較をいたしまして、今の日銀のあるべき姿というのはどう日銀の御当局として考えておられるのか、それをお聞かせいただきたいと思います。
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速水優#19
○参考人(速水優君) 新しい日銀法の下で、特に独立性と、もう一つは透明性といいますか、アカウンタビリティー、説明責任と、この二つのことが新しい日銀法の二つの柱だと思っております。
 日本銀行の目標は、通貨を発行して、安定した通貨を通じて経済の安定的な成長を図るということが私どもの責任であると思います。そして、現在の日本銀行の独立性というものは、政策運営の透明性とともに、世界的な大きな流れを背景にして、様々な検討を経て抜本的に改正されたものであって、非常に立派な中央銀行制度をお作りいただいたものと考えております。現在最も重要なことは、新しい日銀法にうたわれた中央銀行制度の理念をしっかり定着させていくことだと思っております。日本銀行としましては、今後とも、そのために全力を挙げたいと思っております。
 政府との関係について申し上げますと、日本銀行は、日銀法の規定に従いまして、金融政策決定会合などの機会を通じて政府との連絡を密にして、十分意思疎通を図るように努めております。デフレ脱却という目標や決意につきましても、日本銀行と政府との間で十分共有されていると考えております。
 日本銀行としましては、政府と十分な意思疎通に努めて、その上で、独立した中央銀行として政策委員会で討議を尽くして、自らの責任と判断で政策決定を行うことが求められているものというふうに認識しております。
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山下英利#20
○山下英利君 ありがとうございました。
 同じ質問になりますけれども、この日銀の独立した金融当局、金融の元締という考え方について、財務省御当局はどのようにお考えでいらっしゃいますか。
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尾辻秀久#21
○副大臣(尾辻秀久君) 日銀法の三条と四条のことになろうかと思います。
 三条において日銀の自主性は尊重されることになっておりますし、また四条におきましては、今お話しになっておられるように、金融政策というのは経済政策の一環でありますから、政府の経済政策が整合的なものにならなきゃいけない、そのためには常に日本銀行も政府と連絡を密にする必要がある、こういうふうに決められておるところでございます。
 したがって、この三条と四条の兼ね合いになろうかと思いますけれども、私どもの財務省としてお答えさせていただくといたしますと、そのことを十分わきまえて、今後とも政府、日銀の間で一層緊密に連絡を取り合って、今日お話しのデフレ克服に向けても一層頑張っていきたい、このように考えております。
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山下英利#22
○山下英利君 ありがとうございました。
 日銀が独立した中央銀行という中にあって、国の政策の中の重要な位置を占める、その連携という和をきちっと守って、そして全体的な政策の効果を出していく、これが一番重要ではないかなと、私はそのように思っております。
 質問としてはいたしませんけれども、今一番言われているのがリスクの管理であります。これは、システミックリスク、クレジットのリスク、信用リスクですね、これは盛んに議論をされております。その中で、金融の、中央銀行としてリスクをどう考えるか、そして金融庁としてまた個別のリスクをどう考えるか、ここのところは整合性が取られているということが非常に必要ではないかなと私は思っております。
 全体的に、例えばBISの基準にしても、それは全体の流れです。ですけれども、個別のいわゆる中小、いわゆる市中の金融貸出し、これの積み上げがその金融機関のBISの要求水準を満たすかどうかという流れになります。したがいまして、マクロの部分とミクロの部分がきっちりと平仄を合わせておきませんと、マクロだけ決まってしまってそこでミクロにしわが寄るということは、大変日本の経済に対してマイナスであると、私はそのように思っておりますので、是非、今後とも連携をよろしくお願いを申し上げます。
 私の質問は以上にとどめさせていただきます。ちょっと時間は早いですけれども、これで終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。
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峰崎直樹#23
○峰崎直樹君 民主党の峰崎でございますが、日銀総裁にお聞きする前に、実は、高木監督局長、今日突然お呼びしたわけでございますけれども、実は「選択」という雑誌の四月、一番新しい号に、「銀行自己資本の「詐術」 「見せガネ」で三月期末しのいだが」という中に実はあなたの名前が出てくるわけであります。
 どういうことかといいますと、その関係する資料、五枚ものの「ポイント」と書いた資料、私もこれ入手したわけでありますが、この中に実は、銀行は大丈夫ということで強行突破で行く方針を練った、その三人男というのが財務省と金融庁の事務方だと。三月初めの段階で、武藤敏郎財務次官、森金融庁長官、高木祥吉監督局長の三人が鳩首会談を開き、公的資金の追加注入を見送る方針を打ち出したという。金融庁広報室は、あったということは否定するということになっていますが、念のためにお聞きいたすんですが、そういうことについて何らかの、あなた自身何かこれに関与したとか、あるいは書かれていることに対してどういうことかというのは分かりますでしょうか。
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高木祥吉#24
○政府参考人(高木祥吉君) お答えします。
 御指摘の事実は全くございません。
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峰崎直樹#25
○峰崎直樹君 中身、ここで資料を全員に配れば良かったんですが、今日になって入ったわけでありまして。いずれにせよ、この中身に書かれてあることが事実そうであったとしたら大変なことなわけでありまして、引き続きまた私たちも調査を進めていきたいと思っております。
 委員長、高木監督局長はこれでよろしゅうございます。
 それでは、日銀総裁にまず最初、先ほど述べられましたちょっと質問に関連して一点、景気の問題でお伺いしておきたいことがございます。
 それはアメリカの経済なんですが、アメリカの経済が、ITバブルが崩壊をして、そして依然として設備投資が落ち込んでいる、そうした中で非常に景気が上向いてきている、特に個人消費が堅調であると。その背景、ずっと調べてみますと、どうもアメリカのモーゲージ、いわゆる住宅ローンのところの金利が非常に、FRBの金利が非常に低下をさせたということで、私も余りアメリカで生活したことないから分からないんですが、あそこの、アメリカの場合は固定金利じゃなく、金利を借り換えて、そして今の高い金利を安い金利に切り替えることによって、それが事実上個人の所得になっていくというか、そういう形で実は住宅に対する金利低下に伴うバブルが発生しているんじゃないかと、こういう見方をする方がおられるんですが、そういう点、どのように考えておられるか、お聞きしたいと思います。
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増渕稔#26
○参考人(増渕稔君) 私からお答えをさせていただきたいと思います。
 アメリカの経済の中で、個人消費が予想外にといいますか、非常に堅調であるということは御指摘のとおりでございます。その背景として、住宅の価格が相当高い水準で維持されているということが影響しているという指摘はございます。
 ただいまの御指摘は、住宅ローンの金利、モーゲージの金利が下がったことによってということでございましたが、アメリカの金利そのものは、短期の金利はFRBの金融政策の結果として非常に下がりましたが、長期の金利についてはそれほど顕著な変化が見られていないと思います。
 個人消費、堅調な背景として住宅の影響があるというのはそのとおりでございますが、それは主として住宅の価格が比較的高水準で安定しておるということの影響が大きいというふうに認識をいたしております。
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峰崎直樹#27
○峰崎直樹君 まだ引き続きこれ、私たちもずっとアメリカの経済、ウオッチングしていかなきゃいけないと思っていますが、あれだけの株価の下落した衝撃が果たしてこう簡単に、設備投資も落ち込んでいる中で、引き続き、こんなに早く回復するということ自身がなかなか私も信じられないところでありまして、こういった点についてまた教えていただければと思います。
 今日は金融政策を中心にしてお聞きしたいわけでありますが、何よりも不良債権問題というのが一番やはり私たちにとって、引き続きこれは重大問題だというふうに思っております。民主党として、これからもこの問題について、今日は金融担当大臣もお見えでございます。是非、不良債権の問題について実態を解明するとともに、本当のことをやはりきちっと明らかにしていかなきゃいけないんじゃないかということを含めて質問させていただきたいと思いますが、最初に日銀総裁、今年に入ってもう何度も多くの方が実は質問やあるいはこの国会の中でも質問されていますので、何度もお答えになっていると思いますが、日本の銀行の自己資本の実態について、アメリカ並みに実施すれば一〇%台ではなくて七%台になっちゃうよということを指摘をされておりました。その根拠について少しお伺いしたいと思います。
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速水優#28
○参考人(速水優君) 邦銀の主要行のうちの自己資本比率の規制で、国際基準対象行の自己資本比率は、昨年三月末には一一%でありました。これらの銀行について、ティア1から公的資本を除き、かつ繰延べ税金の資産を、繰延税金資産の計上を米国基準並みにした場合に、自己資本比率は七%台まで低下いたします。また、繰延税金資産の計上をゼロとした場合には六%台まで低下いたします。
 数字の説明は以上でありますが、私は、こうした試算で、会計ルールにのっとった繰延税金資産の計上や公的資本の算入自体を否定しているわけではございません。私が申し上げたいのはあくまでも金融機関の中長期的な課題であります。それは、公的資本は長い目で見ればいずれは民間資本に置き換わっていくべきものでありますし、民間が出資に応じるに足る収益力の強化が必要であるということでございます。
 また、繰延税金資産につきましても、将来の収益に対する税金の前払的なものでございますから、やはり収益力を強化しなければ資産としての意味に乏しいというふうに言うべきだと思います。
 したがいまして、いずれにしましても、今後の収益力の向上と、それによる資本基盤の更なる強化を図っていくことが極めて重要だということを強調したかったわけでございます。
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峰崎直樹#29
○峰崎直樹君 お手元に、私、一応、日本銀行からいただいた資料、二ページと、下の方に数字で2と書いてありますから、多分。「自己資本比率に関する試算」ということで、これは日銀からいただいたものであります。ティア1、ティア2。現行でいきますと、ティア1が二十兆、ティア2が十六・五兆と。控除項目は、これはいわゆる意図的な保有額という持ち合いのやつですね、これを合計すると三十五・九兆。これは、リスクアセットが三百二十七兆で、自己資本比率一一%と。これをよく主張されるわけでありまして、そのうち、ティア1の中に公的資本が五兆、それから繰延税金資産四・五兆と、こうあります。
 私たちは、どうも公的資本なり繰延税金資産をここの中に入れていることについて疑問をなし、その都度、柳澤大臣から、いやいや、これはBISのバーゼルで認められた基準に沿っているんだと、こうおっしゃられたわけです。
 そこで、柳澤大臣にお聞きします。
 この繰延税金資産と言われているものは、現行の日本の会計基準と、いわゆる公認会計士協会の基準が実はあるわけですね、五年までやってよろしいよという中身であります。私は、これが決まったとき、これ二〇〇〇年でしょうかね、一九九九年でしょうか、この基準を進めたときに、どうもこの五年という設定をすること自体は無理があるんではないかなというふうに思うんです。
 なぜ無理があるかというのは、一つは、やはりこの繰延税金資産というのは、翌年にずっと利益が上がってくるという前提で、そうすると先払いしたやつを実は税でもって後で返してくると、こういうことですね。税効果会計に関する日本公認会計士協会による指針というのがあって、そこの中で六段階に分かれていろいろ出ています。どうしてこのいわゆる五年間というものが認められたのかということが一つ分からない点と、それからもう一つは、銀行というところの、特別に銀行に関しては経常的利益と言われているものがあって、この経常的利益というものが実際上、これはもうほとんど業務純益に等しいと。そうすると、銀行の場合、今、業務純益がマイナスになるというような銀行はほとんどないわけで、そうするとほとんどぴかぴかの銀行になっちゃうんですね、全部、どんな銀行でも。それこそ破綻寸前の銀行でも何でも、これはほとんど業務純益から見たらぴかぴかになっちゃう。
 そういうことをずっと考えていくと、このいわゆる五年間までやっていいですよという公認会計士の皆さん方の指針というものが出ているわけですけれども、これはどうも、アメリカ並みというか、そういうほかの国々と比較したときに非常に甘くこれはできているんではないかなというふうに思うんですが、これはどのように考えておられますか。
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