厚生労働委員会

2003-05-16 衆議院 全254発言

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会議録情報#0
平成十五年五月十六日(金曜日)
    午前九時四分開議
 出席委員
   委員長 中山 成彬君
   理事 熊代 昭彦君 理事 長勢 甚遠君
   理事 野田 聖子君 理事 宮腰 光寛君
   理事 鍵田 節哉君 理事 山井 和則君
   理事 福島  豊君 理事 武山百合子君
      岡下 信子君    小西  理君
      佐藤  勉君    田村 憲久君
      竹下  亘君    棚橋 泰文君
      西川 京子君    原田 義昭君
      平井 卓也君    松島みどり君
      三ッ林隆志君    宮澤 洋一君
      森  英介君    谷津 義男君
      山本 幸三君    吉田 幸弘君
      吉野 正芳君    渡辺 具能君
      家西  悟君    石毛えい子君
      大島  敦君    加藤 公一君
      五島 正規君    城島 正光君
      三井 辨雄君    水島 広子君
      江田 康幸君    桝屋 敬悟君
      佐藤 公治君    小沢 和秋君
      山口 富男君    阿部 知子君
      金子 哲夫君    山谷えり子君
    …………………………………
   厚生労働大臣       坂口  力君
   厚生労働副大臣      鴨下 一郎君
   厚生労働大臣政務官    渡辺 具能君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議
   官)           木谷 雅人君
   政府参考人
   (厚生労働省労働基準局長
   )            松崎  朗君
   政府参考人
   (厚生労働省職業安定局長
   )            戸苅 利和君
   政府参考人
   (厚生労働省雇用均等・児
   童家庭局長)       岩田喜美枝君
   政府参考人
   (厚生労働省年金局長)  吉武 民樹君
   政府参考人
   (林野庁林政部長)    小西 孝蔵君
   参考人
   (社団法人日本経済団体連
   合会国民生活本部副本部長
   )            松井 博志君
   参考人
   (日本労働組合総連合会総
   合労働局長)       龍井 葉二君
   参考人
   (弁護士)
   (NPO派遣労働ネットワ
   ーク理事長)       中野 麻美君
   参考人
   (民主法律協会派遣労働研
   究会)          綱本  守君
   参考人
   (労働組合東京ユニオン書
   記長)          関根秀一郎君
   厚生労働委員会専門員   宮武 太郎君
    —————————————
委員の異動
五月十六日
 辞任         補欠選任
  奥谷  通君     原田 義昭君
  後藤田正純君     小西  理君
同日
 辞任         補欠選任
  小西  理君     後藤田正純君
  原田 義昭君     奥谷  通君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 職業安定法及び労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第七八号)

     ————◇—————
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中山成彬#1
○中山委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、職業安定法及び労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として文部科学省大臣官房審議官木谷雅人君、厚生労働省労働基準局長松崎朗君、職業安定局長戸苅利和君、雇用均等・児童家庭局長岩田喜美枝君、年金局長吉武民樹君及び林野庁林政部長小西孝蔵君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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中山成彬#2
○中山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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中山成彬#3
○中山委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山口富男君。
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山口富男#4
○山口(富)委員 おはようございます。日本共産党の山口富男です。
 きょうは静かな立ち上がりのようなんですけれども。
 私は、今回の労働者派遣法につきましては、対象期間の延長の問題でも対象業務が広がる問題でも、雇用の不安定化、流動化をもたらす重大な問題がある、それから、職安法については、特に兼業禁止の問題について重大な問題があるというふうに考えております。
 それで、きょうは幾つかの問題に絞ってまずお聞きしたいんですが、政府はこれまで、労働者派遣事業について、これが臨時的、一時的な労働力の需給調整に関する対策だというふうに位置づけまして、常用雇用を代替させる直接手段にこれがならないようにいろいろな制限を加えて厳密に運用するというふうにしてまいりました。坂口大臣も、今国会でも、今回の改正案においてもこの点に変更はないというふうに答弁されています。
 そこで、改めて坂口大臣に確認したいんですが、この労働者派遣事業についての臨時的、一時的という位置づけは一体どういう意味があるのか、まずお尋ねしたいと思います。
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坂口力#5
○坂口国務大臣 最近、働く皆さん方の働き方というのも非常に多様になってまいりましたし、また、御要望も多様になってきたというふうに思っております。
 我々が若かったころのことを思いますと、我々のときには常用雇用というのが当然であって、それオンリーだという考え方が非常に強かったわけでございますが、最近は、時間的にも、こういう時間帯で働いて、そして余暇は自分のやりたいことをやりたいというような方もございますし、また、曜日につきましても、何曜日と何曜日は休んでこうしたことをやりたい、それ以外のところはしっかり働きたいというような方もございます。また、期間につきましても、こういう期間で働きたいというような方もあったりいたしまして、そうした方のお話を聞きますと、非常に働き方も多様化してきたなというふうに私は思っているわけでございます。
 そういう期間でありますとか職場を選んでいきたいという、いわゆる働く側のニーズというものも確かに出てきていることは事実でございます。
 また、雇う側の方にとりましても、いわゆる昔から季節労働者という言葉がございますけれども、季節的に非常に多くの皆さん方に働いてもらいたいというようなこともあったりいたします。あるいはまた、急に人がいなくなって補充をしなきゃならないというようなこと、一時的に労働者の皆さん方がお休みになって、その間を埋めなきゃならないというようなこともあったりいたしまして、その間働いてもらって、そして、常用の人が出てまいりましたときにはその方に引き取っていただくというような、そうしたことも必要になってくる。言ってみれば、臨時的、一時的というくくり方でくくれる範囲ではないかというふうに思っております。
 双方のそうした要望もあって、この労働者派遣というものは位置づけられているというふうに私は考えている次第でございます。
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山口富男#6
○山口(富)委員 ニーズの問題は後ほどまた議論になると思います。
 働き方の多様化という指摘がございましたけれども、いずれにしましても、臨時的、一時的というとらえ方の基本は、常用雇用について、これを守るというのが基本の立場だというふうに理解しております。
 今度の改正案の検討に当たりましては、当然、九九年以降の改正派遣法の施行の状況についてよく吟味する必要があるわけです。
 それで、お配りしております配付の資料をごらんいただきたいんですが、一つは東京都の派遣労働に関する実態調査二〇〇二年、これが入っております。それから、厚生労働省が調査しまして労政審に提出しております資料から幾つか引用してあるわけです。
 まず、東京都の調査なんですけれども、これは二つの特徴がありまして、一つは、今回四回目の調査で、調査自体に継続性があるんですね。それからもう一つは、東京都の場合に、派遣の事業所の数でいきますと、大体全国の三割ぐらいがここに集中しておりまして、全国的な趨勢を見る上でもなかなか重要な資料だと思うんです。
 この中で、まず資料一をお読みいただきたいんですけれども、派遣労働者を受け入れる前の状況が、「正社員がその業務を担当していた」というのが七三・二%。それから、派遣労働を利用した理由の第一が、引き続き「従業員数の抑制」、これが三三・二%になっているという数字が出ております。それから、資料三なんですけれども、これは厚生労働省の調査ですけれども、派遣労働者が行っている業務の前任者は常用労働者だった、これが六九・九%。それから、その前任者が今どうなっているのかということで、事前事後も含めまして、やめているというのが三割を超えております。
 こういう実態を見ますと、現実には常用雇用の代替が派遣労働によって生まれているというふうに考えるべきだと思うんですが、この点いかがでしょうか。
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戸苅利和#7
○戸苅政府参考人 ネガティブリスト化を前回の法改正でいたしました際に、派遣については、臨時的、一時的な労働力の需給調整の手段である、したがって常用雇用との調和が図られるような形でネガティブリスト化しようということで取り組んでまいりました。
 この表でございますが、確かに、私どもの調査でも、それから東京都の調査でも、派遣労働者の方が今ついている業務の前任者というのは正社員の方が七割ぐらいを占めているということでありますが、お配りいただいた資料を使って説明申し上げて恐縮なんですけれども、例えば資料の四で見ますと、一つは、左から二つ目でございますが、「同じ事業所で同じ業務を担当している」という方が一九・六%おられるわけであります。これは、ある意味では、業務量がふえたということで、業務量増に対応しようということかなというふうにもまた思いますし、それから場合によったら、育児休業をとられたというふうなことで、その代替要員ということもあり得るのかなと思います。
 それから、これは先生の先ほどのお話とちょっと私ども見解を異にするところでありますけれども、右から三番目の、「派遣受入れ前に辞めてしまった」という方が二六%おられますが、これはいろいろなケースはあると思いますけれども、多くは恐らくやめられたためにその欠員補充のために派遣を導入したということではないかなと、こういうふうにも思っていまして、左側が、「派遣の受入れを期に辞めてもらった」というのは四・一%でありますので、そういった意味では、純粋に常用雇用と派遣が入れかわったという意味ではこの四・一%なのかな、こういうふうにも思います。
 それから、資料の五でございますが、今申し上げたようなことを裏づけるような格好になってしまうのかなと思いますが、資料の五は、どうして派遣労働者を受け入れたのかということでございます。これは私どもの派遣先に対する調査でありますけれども、左から二つ目が、「一時的・季節的な業務量の増大に対処するため」というのが二四・四、それから「通常業務の一時的な補充のため」というのが二〇・二、それから欠員補充等のためにというのが四五・一、このあたりでございますので、これは複数回答でありますから、これを全部足し上げると九割を超えてしまうわけでありますけれども、こういったことから考えると、私どもとしては、派遣が基本的には臨時的、一時的な業務についているということではないか、こういうふうに思っています。
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山口富男#8
○山口(富)委員 私が指摘した点について、規模の多少は別にしても、こういう代替雇用が部分的に起こっているというのはお認めになりました。それから、私が資料四とあえて五を加えましたのも、今局長がお話しになったような見方がありますから、あえて加えたんです。
 しかし、この資料五にいたしましても、「常用労働者の数を抑制するため」というのが二六・〇%なんですね。しかも、コストが割安というのが三七%ございますから、この資料五を見ても、やはり一つの趨勢としては、常用雇用に対して派遣の方を入れていくという傾向が生まれているのは間違いないと思うんです。
 それから、最新の厚生労働省が発表しております労働者派遣事業の事業報告を見ましても、派遣労働者の数は九七年から二〇〇一年で倍増しているんですね、約百七十五万人。この時期に、正社員の、正規の職員、従業員がどれだけ変化したかといいますと、三千八百万から三千五百万に減少しているんです。
 このこと一つとってみましても、私は、実態として常用雇用を守れていないということをきちんと見なければいけないと思うんです。ですから、今必要なのは、臨時的、一時的という対策をきちんととりながら厳格にこれを運用させる、行政としてはその立場に立った監督指導をきちんと行うということが必要なはずなんです。
 その立場から、以下、改正案についてただしていきたいと思うんです。
 まず第一に、九九年の大規模な改正があったわけですけれども、その際に、労働者派遣が常用雇用の代替として使われないように、二十六業種以外については派遣の期間を原則一年にしたわけですね。今回、この原則一年を見直しまして、派遣可能期間として三年までの派遣を認めることになるという提起なんですけれども、九九年の段階では常用雇用代替の防止として位置づけた期間が何で今回あえて三年に延長されるのか、これについてお尋ねしたいと思います。
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戸苅利和#9
○戸苅政府参考人 一つは、従来は、専門的な技術なり能力といいますか、知識なりを持っていた方、それから特別な雇用管理を必要とする、これは、例えばビルメンテナンスのように、通常の勤務時間を外れた早朝ですとかあるいは五時以降ですとか、そういった形で働く方、そういった人たちについては常用雇用との代替というものの心配が少ないということでやっていたわけでありますが、その後の経済情勢あるいは企業活動の変化それから労働者のニーズの変化、そういったものに応じて、多様な選択肢を労働者にも用意し、それから企業の柔軟な企業活動にも対応できる労働力需給調整システムを整備しようということでネガティブリスト化をしたわけであります。
 その際、今お話しのように、常用雇用との調和という観点から一年の期間制限を設けたわけでありますが、その後既に何年かたっているということで、一つは、派遣労働者の方の御意見それから派遣先の意見、こういったものを昨年の六月の調査で見ますと、派遣労働者の方についても、例えば「わからない」とか「どちらでもよい」とか、こういった方を除いて全体の割合を見ますと、派遣期間を延長すべしあるいは派遣期間の制限は撤廃すべしという意見が今、どちらでもいい、わからないという人を除きますと六割ぐらいを占めている。それから、派遣先の調査でも、「受入れ期間が一年間では短すぎる」というのが五七・七%を占めている。こういった実態でありまして、臨時的、一時的であるといっても、業務の処理に一年を超える期間を要するケースというのは少なくないというふうに私ども一つ判断したということであります。
 それからもう一つは、やはり何といっても、派遣法というか、派遣制度のネガティブリスト化というのは派遣制度自身にとっても大変な変革であったわけでありまして、そういった意味で、我々としても慎重に一年の期間制限ということでスタートしたところでありますけれども、派遣業務も社会に定着しているということ、それも臨時的、一時的という形での定着が進んでいるというあたりを判断いたしまして、現実に対応すべく最大三年ということで、労働者の意見を聞きながら最大三年ということで今回御提案申し上げているところであります。
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山口富男#10
○山口(富)委員 企業のニーズとしてはそういう指摘もあるかもしれません。しかし、働いている方のニーズというのは、今局長がおっしゃった、資料六に使われた資料を引用いたしましたけれども、私は全く読み違っていると思うんですね。
 今の説明ですと、資料六で、一年の派遣期間の制限について「どちらでもよい」「わからない」を除くと六割が賛成だという話でしたね。
 問題は、じゃ、このどちらでもよい、わからないと言っている人はどういう人たちかということなんです。その資料が、次の資料七。
 一体、派遣労働者が派遣先の一年の受け入れ期間の制限を知っているかどうか。何と、知らない人が五七・一%ですよ。半数以上の人が一年の制限期間を知らないんですから、これはわからないと答えるに決まっているんです。
 ですから、その部分を除いたら多数が望んでいるという見方は、これは間違っておりまして、じゃ、派遣労働者が何を望んでいるかといいますと、資料の八から九。
 資料九でいいますと、「できれば正社員として働きたい」が三七・二%。そして、実際の派遣労働について言うと、七割の方が今の派遣労働は不安であるという気持ちを示しているんですね。
 さらに、資料十でも、これは厚生労働省の調査ですけれども、派遣労働者の二五・八%が「できるだけ早い時期に正社員として働きたい」、それから「家庭の条件が整えば正社員として働きたい」というのが一〇・七。これだけの規模の人が正社員を望んでいる。これが基本の、行政の側から見て押さえるべき大事な点なんです。
 しかも、現行法からいきましても、四十条の三からいきまして、派遣期間を延ばしたいというふうに派遣先が考えるなら、派遣労働者を常用雇用に変えるというのが筋ではないんですか。
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戸苅利和#11
○戸苅政府参考人 これまでの議論というのが、派遣か常用雇用かというような議論になっているわけでありますが、私どもとしては、企業をめぐる国際情勢、あるいは企業間競争が非常に激しくなっている、そういった中で、企業が非常に先を見通しにくいというのが今の時代だろうと思います。また、大臣がいつも申されているように、時代が変わればまた状況が変わってくるんだろうと思いますが、そういったことの中でどういうことが起きているかといいますと、先ほど先生がおっしゃったように、労働力調査等を見ましても、正規の職員数というのが、前回の派遣法の改正前と最近の状況を比べると、やはり二百万人強減っている。
 一方で、ふえたものは、何がふえているのかといいますと、派遣は十七万人ぐらいふえているのでありますが、パート、アルバイトあるいは契約社員、こういった方が百八十万人ぐらいふえているということで、派遣もふえているんですけれども、やはりパート、アルバイト、契約社員といった多様な働き方をされる方がふえているということだろうと思います。
 そういった中で、確かに先生がおっしゃるように、常用雇用につくということを望んでおられる方がおられるのは、これは間違いないことで、我々としては、やはり常用雇用につかれる方の就職をいかに確保するか、それから、常用雇用につけるように就業条件等をどうやって整備していくのか、あるいは、育児休業等をどうやって整備していくのか。それはありますけれども、ただ一方には、やはり企業のニーズということになりますと、今のように先の見通しにくい、あるいは経済変動の激しい時代の中で常用労働者を雇って、本当に定年まで雇用を確保し切れるのかというふうな状況もあるんだろうと思います。
 それから一方で、先ほど大臣が申し上げたように、働く方の中にもさまざまな働き方をしたい、いろいろな事情で、場所を選び、あるいは働く日にち、働く時間を選び、あるいは残業のない働き方をしたい、そういうような方々もおられるわけで、そういった意味で、我々としては、常用雇用だけを目指した労働力の需給調整のシステムの整備ということではなくて、いろいろなニーズにそれぞれ的確にこたえられるようなシステムを整備していこうというふうに考えていまして、そういった中で、派遣について、これはちょっと先生とは意見が相違するようでありますけれども、我々としては、労働者のニーズ、企業のニーズ、双方のニーズを踏まえて、一年から三年に延長したい、こういうふうに考えております。
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山口富男#12
○山口(富)委員 答弁はできるだけ簡潔にお願いします。
 今、両者のニーズだとおっしゃいましたけれども、派遣期間の延長についていいますと、一年から三年といいますが、これは派遣先と派遣元の関係なんです。派遣労働者が一年から三年に、そのまま勤める期間が延びるというような仕組みじゃないんですね。
 しかも、今起こっている問題で重大なのは、資料の十一なんですけれども、これは東京都の調査でも厚生労働省の調査でも同じ結果が出ておりますが、個々の派遣労働者の契約期間は短くなっているんです。今、「六カ月未満」が、六七・二%から、東京都の調査では、以前の調査の七四・四%へと七・二%ふえている、短い部分が。それから「六カ月以上」というのは三二・七%から二五・六%に七・一%減っているというのが今の実態なんですね。ですから、私は、局長がおっしゃった、今度の期間延長というのは労使双方のニーズにこたえるというのは全くの欺瞞だというふうに思うのです。
 それで問題になりますのは、だったら、改正案で言っております派遣可能期間について、派遣先がこれを考えるという建前なんですけれども、一体派遣先は何を基準にして、この三年間の期間延長というものを、臨時的、一時的な措置というふうに判断するんですか。
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戸苅利和#13
○戸苅政府参考人 基本的には、例えば欠員が生じてしまった、それから、急に仕事の注文を受けて業務量が急にふえた、あるいは、今まで取り組んでいなかった全く新しい仕事が来たが、それがその後もずっと続く仕事なのかどうかわからない、そういった事態のときに派遣を導入しよう、こういうふうに考えるのだろうと思います。
 その場合に、その業務を行うのに必要な期間は一体一年なのか、あるいは二年なのか、三年なのか、四年なのか、こういうことになるわけで、我々としては、それが三年以内であれば派遣で受け入れを可能にしよう、三年を超えるような場合は、それは派遣は認めないという格好でいこう、こういうふうに考えているわけでありまして、そういった意味で、その派遣を導入しようとする業務を処理するのにどのくらいの期間を要するのかということであります。それをやる場合に、現場に精通している労働者の意見を過半数代表の組合に集約してもらって、その意見も聞いて決定する、こういうシステムを考えております。
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山口富男#14
○山口(富)委員 今、当該期間の問題について労働者の意見を聞くというお話がありました。
 そこで確認しておきたいのですが、一体、意見を聞くというのは、派遣期間をこれだけ延ばしますよという点について意見を聞くのか、それとも同意あるいは賛成を求めるのか、それから、派遣期間だけじゃなくて、派遣労働者の数も含めて、業種も含めて、そういう総合的な判断を求めるのか。この聞くという中身というのは何なんですか。
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戸苅利和#15
○戸苅政府参考人 法律上は、今申し上げましたように、臨時的、一時的な業務に派遣を受け入れるのに必要な期間あるいは適切な期間というのがどのくらいかということについての意見を聞くということでありまして、派遣を受け入れる、あるいは派遣をどのくらいの期間受け入れるということについては、これはもう最終的には経営判断ということになりますので、我々としては同意というところまではいかない、意見を聞くということだろうと思います。
 ただ、そこは労使関係でありますから、基本的には労使関係の中で、事業主がそこをどれだけ踏まえるのか、こういうことになるんだろうと思います。
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山口富男#16
○山口(富)委員 今の局長の答弁ですと、結局経営者側、派遣先任せということになる答弁だと思うのです。
 そこで、資料の十二をごらんいただきたいのですが、東京都の調査で、派遣先企業の規模は千人以上が四三・九%と、今、派遣労働者の多くは大手の企業に派遣されているということだと思うのですね。しかも、今この日本では、その大手の企業が一番、解雇、リストラを進めているわけです。ですから、これを派遣先任せにしてしまいましたら、いわば臨時的、一時的という、常用雇用との調和を図るというふうに先ほど答弁ありましたけれども、そういう考え方が基本に置かれるかどうか甚だ危うい分野ですね。
 ですから、私、派遣先が期間を変更する際のガイドラインなり判断の基準をつくらなければ、派遣先任せになってしまうというふうに思うのですが、この点はどういう検討をされていますか。
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戸苅利和#17
○戸苅政府参考人 私どもとしては、法律に規定いたします派遣期間についての過半数代表の意見というものが確実に行われるようにということについて、これは何らかの工夫をする必要はあるだろう、こう考えています。あとはもう、正直申し上げて、使用者が過半数代表の意見をどこまで尊重するか、こういうことで、そこは労使関係の中でということになるんだろうと思います。
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山口富男#18
○山口(富)委員 雇用問題というのは、労使関係の判断に任せられないから、行政が関与していくんですよ。
 それで、今いろいろ言われましたけれども、例えば、実際にリストラが起きている現場で、リストラをやってしまった企業に対しては一定期間派遣労働を認めないとか、そういう対策を含めた検討というのはなさっていないんですか。
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戸苅利和#19
○戸苅政府参考人 一つは、リストラを行った直後に、まだその業務が残っているということで派遣労働を受け入れるということになりますと、恐らく、そういうことについての解雇というのが今の解雇の法理の中で可能なのかどうかということが一つあるんじゃないかと思います。
 それからもう一つは、もうその業務は終わってしまう、その業務がない、あるいは大幅に縮小するために解雇をする、あるいは配置転換等によるリストラをする、ところが、その後に思わぬことで業務がぽんと入ってきてしまったというふうなことで、ただ、その業務も一時的に入った注文だけだということであると、パートタイム労働者を雇うか派遣労働者を受け入れるか、そういうふうな判断になってしまうんだろうと思うんです。
 問題は、確かに先生おっしゃるように、そういった場合に安易に派遣を受け入れることができるというふうなことになったときに、安易なリストラが行われるということを促進するんじゃないかというふうな御意見というか御懸念はあるんだろうと思うので、そのあたりについて労使間できっちり、派遣を受け入れるということが合理的な理由によるとか、リストラをやったときには想定されていなかった事態が生じたので派遣を受け入れるんだというふうなことになるとか、そういったようなことで、労使間できちんとその合理的な解決が行われるようなことが望ましいんじゃないか、こういうふうには思っています。
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山口富男#20
○山口(富)委員 懸念があるというふうにお認めになるんでしたら、それに向けた対応をきちっと行政はとるべきだと思うんです。
 きょうの答弁を聞きまして、私は、派遣期間の延長については、これをなすべき合理的理由は一切ないし、これが臨時的、一時的なものにとどまるという保証もないというふうに思います。
 続いて尋ねたいんですが、九九年の改正で、第四十条の三に、当該同一の業務に継続して一年従事した派遣労働者であって、希望される方は遅滞なく雇い入れるように派遣先の方は努めなければならないという規定が盛り込まれたわけですけれども、これに基づいて遅滞なく雇い入れるように努めなければならないというふうに定めて以降、一体この努力規定というのはどの程度力を発揮したのか、その点、お尋ねします。
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戸苅利和#21
○戸苅政府参考人 これにつきましては、一つは、今先生お話しの雇い入れの努力義務規定でありますけれども、これは、一年間丸々同じ労働者が同じ業務に派遣を続けていた場合に、さらに一年を超えて当該業務を行おうという場合は、その当該労働者を雇い入れるように努力しろ、こういうふうな規定でありまして、そういった意味では、そう頻繁に起こるケースではないんだろうというふうには思います。
 ただ、私の方も、六月の調査によりますと、一年の派遣期間の制限の対象となる業務を行った事業所のうち、派遣元の調査でありますけれども、三割ぐらいは一年後に常用雇用に移行したケースがある、こう答えているということであります。
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山口富男#22
○山口(富)委員 三割ぐらいというのは上の方にまとめた数字で、二割台ということでしょう。(戸苅政府参考人「二九・八%であります」と呼ぶ)それで、これは物の見方としては、実際にはこの努力規定がその程度しか力を発揮していないと見るべきだというふうに思うんです。
 それで、これは重ねて坂口大臣にお尋ねしたいんですが、資料の十三、それから十四をごらんいただきたいんですけれども、優先雇用についてなんです。
 この優先雇用の努力義務の認知で、これを知らないという派遣先が四二・八%、それから派遣労働者に至っては七〇・八%。七割を超える方がこの制度を知らないというんですから、これは、私は、この新しい、九九年に改正された派遣法の周知徹底という点で大変問題がある状態だというふうに思うんですが、この点について、坂口大臣の見解を求めたいと思います。
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坂口力#23
○坂口国務大臣 新しいこういう事業に参加をされる人たちは、自分たちが参加をする事業が、どういう法律にのっとって、どういうふうに決められているかということは、やはりよくわかってもらわないといけない。それはこの事業を行う人たちの責任だと思うんですね。
 しかし、そうとばかりは言っておれない。実際によくわかっていない人が多いということになれば、行政指導というものも徹底しなければならない、こういうことかと思います。
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山口富男#24
○山口(富)委員 その行政指導の徹底にかかわって、次の問題に移りたいんですが。
 今、長期の不況のもとで、実際上雇用というのは買い手市場になっているんですね。それだけに、派遣労働者の就業条件というのはさまざまな問題が生まれている。特に派遣労働者は女性が多いですから、母性保護の問題も含めまして、我々が考えなきゃいけない問題は多々あると思うんです。
 それで、この派遣法の中では、厚生労働大臣は、法令に違反した派遣元に対して改善命令が出せますし、改善しなければ必要な措置をとれる。それから、四十八条で指導、助言、これに従わない場合は四十九条の二で公表する旨が定められております。
 それで、最近の、わかるところで結構なんですけれども、労働者派遣事業をめぐって、派遣元や派遣先への改善命令、それから指導、助言、これがどれだけ出されているのか、確認したいと思います。
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戸苅利和#25
○戸苅政府参考人 まず、派遣元でございます。
 これは平成十三年度一年間の指導監督件数でありますが、派遣元には四千九十六件の指導に行っております。そのうち、法令違反等がある、あるいは適切でない実態が認められるということで、文書で指導したものは百三十三件でございます。
 それから、派遣先に対する指導監督件数でありますが、これは九百五十三件でございまして、そのうち、文書による指導件数は五件ということであります。
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山口富男#26
○山口(富)委員 どうもこの改善の手だてがほとんど口頭、文書はほとんどなくて口頭であるということらしいんですが、このうち、定期指導で意見をつけたものはどのぐらいあるんですか。
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戸苅利和#27
○戸苅政府参考人 ちょっと定期指導の件数と臨時、臨検指導といいますか、臨検監督といいますか、そこをちょっと区分けしてとっていないものですから、申しわけないんですけれども、そこはわからないということです。
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山口富男#28
○山口(富)委員 それが今の指導監督の現状だと思うんです。
 それで、お配りしました資料の最後のところに、労働者派遣事業及び民営職業紹介事業に関する行政評価・監視結果という、総務省の北海道管区行政評価局が昨年の三月二十八日に出した文書を資料として提出しております。
 それで、当然厚生労働省は把握していると思うんですが、総務省が管区別に二〇〇一年の十二月から二〇〇二年の八月にかけて同様の行政監察を行ったわけですね。その結果、改善の所見を発表しております。私が総務省に問い合わせた範囲では、行われた調査は、北海道、青森、宮城、茨城、広島、香川、徳島、愛媛、福岡の九県になっております。厚生労働省は当然その内容を熟知していると思うんですけれども、この指摘された点についてどう評価されているのか、お尋ねします。
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戸苅利和#29
○戸苅政府参考人 今先生が御指摘のように、地方の行政評価局によります行政評価・監視が行われたわけであります。
 一つは、より効果的な定期指導をしろ、こういうことがあります。それから、指導する場合は、今、文書指導件数が百何件と、こう申し上げましたが、原則として文書で指導しろ、こういうふうなことを言われております。それから、改善状況もちゃんと報告させろ、こういうようなことを言われております。
 そういった意味で、正直申し上げて、御指摘のとおり、派遣事業者に対する指導監督の取り組み方、それから具体的な指導改善のやり方、このあたりについては、やはり我々もより工夫をし、それから改善をすべき点がまだ多々ある、こう受けとめています。
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