財政金融委員会

2003-04-22 参議院 全251発言

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会議録情報#0
平成十五年四月二十二日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十七日
    辞任         補欠選任
     池田 幹幸君     市田 忠義君
 四月十八日
    辞任         補欠選任
     市田 忠義君     池田 幹幸君
 四月二十一日
    辞任         補欠選任
     櫻井  充君     角田 義一君
 四月二十二日
    辞任         補欠選任
     角田 義一君     櫻井  充君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         柳田  稔君
    理 事
                入澤  肇君
                尾辻 秀久君
                林  芳正君
                円 より子君
                浜田卓二郎君
    委 員
                佐藤 泰三君
                清水 達雄君
                田村耕太郎君
                中島 啓雄君
                西田 吉宏君
                溝手 顕正君
                森山  裕君
                若林 正俊君
                大塚 耕平君
                勝木 健司君
                櫻井  充君
                角田 義一君
                峰崎 直樹君
                山本  保君
                池田 幹幸君
                大門実紀史君
                平野 達男君
                大渕 絹子君
                椎名 素夫君
   衆議院議員
       発議者      谷津 義男君
       発議者      佐藤 剛男君
       発議者      滝   実君
       発議者      赤羽 一嘉君
       発議者      上田  勇君
       修正案提出者   七条  明君
       修正案提出者   江崎洋一郎君
   国務大臣
       財務大臣     塩川正十郎君
       国務大臣
       (金融担当大臣) 竹中 平蔵君
   副大臣
       内閣府副大臣   伊藤 達也君
       財務副大臣    小林 興起君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        石田 祐幸君
   政府参考人
       公正取引委員会
       事務総局経済取
       引局取引部長   楢崎 憲安君
       公正取引委員会
       事務総局審査局
       長        鈴木 孝之君
       警察庁生活安全
       局長       瀬川 勝久君
       法務大臣官房審
       議官       河村  博君
       財務省主税局長  大武健一郎君
       国税庁次長
       兼国税庁長官官
       房審議官事務代
       理        福田  進君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       岩田喜美枝君
   参考人
       日本銀行総裁   福井 俊彦君
       日本銀行副総裁  武藤 敏郎君
       日本銀行副総裁  岩田 一政君
       日本銀行理事   三谷 隆博君
       日本銀行理事   小林 英三君
       日本銀行理事   白川 方明君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○酒税法及び酒税の保全及び酒類業組合等に関す
 る法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
 議院送付)
○酒類小売業者の経営の改善等に関する緊急措置
 法案(衆議院提出)
○参考人の出席要求に関する件
○財政及び金融等に関する調査
 (日本銀行法第五十四条第一項の規定に基づく
 通貨及び金融の調節に関する報告書に関する件
 )
○保険業法の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)

    ─────────────
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柳田稔#1
○委員長(柳田稔君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨二十一日、櫻井充君が委員を辞任され、その補欠として角田義一君が選任されました。
    ─────────────
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柳田稔#2
○委員長(柳田稔君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 酒税法及び酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の一部を改正する法律案及び酒類小売業者の経営の改善等に関する緊急措置法案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として公正取引委員会事務総局経済取引局取引部長楢崎憲安君外六名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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柳田稔#3
○委員長(柳田稔君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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柳田稔#4
○委員長(柳田稔君) 酒税法及び酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の一部を改正する法律案及び酒類小売業者の経営の改善等に関する緊急措置法案、両案を一括して議題といたします。
 両案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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円より子#5
○円より子君 おはようございます。民主党・新緑風会の円より子でございます。
 酒類関係二法に対する質疑をこれから行わせていただきますが、酒類小売業免許に係る規制緩和といいますのは、平成十年三月の規制緩和推進計画の閣議決定に基づきまして、平成十三年一月にまず距離基準が廃止されました。
 また、その後、この規制緩和だけではございませんけれども、様々な要因によって酒小売業者の倒産とか、倒産といいますか廃業店舗数が大変多くなっておりますことや、自殺者数また行方不明者が多いと聞いておりますが、この現状はどういうふうになっているか、財務省の方では御存じでいらっしゃいますでしょうか。
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福田進#6
○政府参考人(福田進君) お答え申し上げます。
 酒類小売業者の転廃業店舗数、自殺者数等の実態についての御質問でございますが、全国小売酒販組合中央会による実態調査によりますと、距離基準撤廃直後の平成十三年四月一日以降、平成十五年二月二十八日までの間におきまして、酒類小売業者の転廃業・倒産店舗数は一万二千八百九十五件、自殺者数は五十人、失踪・行方不明者数は二千四百四十一人となっていると聞いております。
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円より子#7
○円より子君 今おっしゃってくださった廃業とかまた失踪・行方不明者、自殺者数の状況なんですけれども、このまず廃業、倒産等の理由といいますのが、やはりその商圏内及び近隣に免許が付与され出店が集中したためということや、価格競争で売上げが激減したというのが大変多くなっているわけですね。
 こういった現状の中で自殺者また行方不明者も出ているわけですけれども、こういった酒屋さんの大変な状況を考えた上で、また本年九月には人口基準も完全撤廃されることになっておりますけれども、規制緩和の推進計画の閣議決定に基づいて仕方がないのか、それとも閣議決定、仕方がないといいますか、その決定に基づいてこれは当然のことなのか、この辺の人口基準を外すことになった理由をまずお伺いしたいと思います。
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福田進#8
○政府参考人(福田進君) お答えいたします。
 酒類小売業免許に係る人口基準につきましては、先生今御指摘のように、平成十年三月に閣議決定されました規制緩和推進三か年計画におきまして、平成十年九月から段階的な緩和を着実に行い、十五年九月一日をもって廃止する旨定められております。
 私ども国税庁といたしましては、これまでこの閣議決定で定められましたスケジュールあるいは引下げ幅にのっとりまして人口基準の引下げを実施してきたところでございまして、また、その定めに従い、本年九月をもって人口基準の廃止を行うこととしております。
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円より子#9
○円より子君 今のお答えですと、当然、私が先ほど申しましたように、規制緩和推進計画の閣議決定に基づいてということでございますけれども、こういった酒屋さんの今の現状、倒産が多く、また先ほど申しましたような理由によってほとんどが倒産、自殺、行方不明になっているという、こういう状況については、財務省、大臣又は副大臣、どのようにお考えでいらっしゃいますか。──次長さんでしたら先ほどと同じお答えだと思いますので、大臣にお願いしたいと思います。
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塩川正十郎#10
○国務大臣(塩川正十郎君) やっぱり過当競争が原因になっていると思いますけれども、それと同時に、やっぱりいろんな社会的また家庭的な理由なども非常にお酒屋さんなんかでもいろいろと問題があるんじゃないかと思いまして、過当競争だけが原因でもないような感じもいたしますけれども、ちょっと定かには私は把握しておりません。
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円より子#11
○円より子君 社会的理由又は家庭的理由というのはどういうものなんでしょうか。
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塩川正十郎#12
○国務大臣(塩川正十郎君) 最近、私らの方で見まして、お酒屋さんの後継ぎがなくなってきたんです。これは相当やっぱり従来のお酒屋さんなんかの経営とちょっと違うような感じが私いたすんですけれども、しかし、まあこれは私の近所のことの話であって、全国的なことじゃないかも分かりませんけれども。
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円より子#13
○円より子君 私は逆に、規制緩和のせいだけではなくて、この十年来の不況に対する政府の失政といいますか、そういうものが大きな影響をやはり与えているのではないかという気がする、ただ空き地のような問題だけではなくてですね。
 それからまた、商店街の活性化ですとか町づくり全体の都市計画みたいなものがおろそかになってきたとか様々な原因があると思いますが、例えば竹中さんがお進めになっている言ってみれば経済政策にしても、手術の途中で、手術を始めたのはいいけれども、手術室でメスを入れたけれども、それをそのまま今ほうり出したまま、きちんと後をやっていないというそういう状況で、失血死してしまっているような状況がありまして、そうした、今、昨日の株価も七千九百円台でしたでしょうか、とにかく橋本元総理も、こんな状況では三十分以内に内閣が崩壊するだろうと、自分のもし内閣だったらとおっしゃっているような、もう王道なんということではなくて、ありとあらゆる政策を駆使してでも今の状況を何とかしなきゃいけない。この手術をきちんとやらなきゃいけないと与党内でもおっしゃっているにもかかわらずこのずっとていたらくで、イラクの方々、大変市民の方が亡くなられてもう本当に心痛みますけれども、言ってみれば、大変悪い言い方かもしれませんが、戦争があったおかげでこのひどい経済状況から人々の目がそらされているのではないかというそういう状況下で、一番戦争にしても経済の不況にしても痛みを被るのは弱い方々であって、その一つがこの酒屋さんにも表れている。そして、自殺や行方不明者まで出て、不況のせいで廃業が起きている。
 私は、規制緩和だけではなくて、そういう状況はこの十年来続いておりますから、先ほど申し上げました平成十三年の距離基準が廃止されてからではなくて、もっと以前から廃業やいろいろ起きてきているわけですね。そして、一応、大手スーパーやコンビニエンスストア等の積極的な参入によりまして酒販店は増加の一途をたどっております。平成八年から平成十三年の五年間で、コンビニエンスストアは約一万軒、スーパーマーケットは約四千軒増加いたしました。それは、ある意味では消費者の立場の利便性というものは大変大きくなったということも言えます。
 で、もう一方、何でも明暗がございますから、先ほどから申し上げていますように既存の中小零細の小売業者は本当、倒産に直面しているわけですけれども、例えば酒屋さんからコンビニエンスストアに転換していったり、又は廃業した人たちがほかの業種に起業なさっているのかどうか。そういった、新しくしたり、又は今の酒屋さんでも特性を生かして、周りに例えば大きなスーパーやコンビニエンスストアができてもそれなりに頑張っていらっしゃるとか、そういった起業、新しい起業や転業、又は個性を生かして酒屋さんとして頑張っている、そういうことがなかなか日本ではできにくい、もし起業ができにくいとしたらどういったところに原因があるか、財務省の方でつかんでいらっしゃいますでしょうか。
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福田進#14
○政府参考人(福田進君) 今、先生御指摘のように、社団法人日本フランチャイズチェーン協会によりますと、平成十四年八月末現在で、傘下のコンビニエンスストアで酒類を取り扱っている店舗数約二万四千三百店舗でございまして、そのうち約一万七千三百店舗、全体の七割ちょっとでございますが、七割程度が酒販店からコンビニエンスストアに業態転換したものであると、こういうふうに聞いております。
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円より子#15
○円より子君 私の質問の半分もお答えになっていないんですけれども、例えば今、中小企業、零細企業、一番銀行の貸し渋りや貸しはがしの影響を受けまして倒産、大変なんですけれども、一つにはそういった銀行の融資の問題もありますけれども、日本では個人保証というのがありまして、倒産、廃業した後になかなか、自己破産とかしますから、何というんでしょうか、その後、家も何もかもなくなって新しくやり直すということが大変難しいという状況があります。
 例えば、アメリカなどでは個人保証というものがもう事実上なくなっておりますけれども、日本では個人保証があるがためにすべてのものを失い、そして新しくやり直すことができなくて、先ほどのような保険金目当ての自殺のようなことも起きてくる。交通事故死が一年間一万人を切って八千人ぐらいになっている現状の中で、この数年来ずっと三万人以上の自殺がある。そして、それもほとんどが五十代、六十代の会社などを経営しているような方々、男性の方の自殺が増えているというこの事実を私たちはやはり大変重く受け止めなければいけないんじゃないかというときに、この個人保証のシステムをやめるというようなことも考えられると思うんですね。酒屋さんにだってそういったことで自殺をしている方だっているかもしれません。このことについては大臣はどういうふうに思われますでしょうか。
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小林興起#16
○副大臣(小林興起君) 日本は、御承知のとおりプロジェクトに貸すというよりはその企業者に貸すという、こういう形の中で、貸す金額に応じてある担保はすべて出すということになりますと、担保の中に個人の家とか土地が入ってきてしまう。そういう企業と会社の経営が、個人との境が明確になされていないということがあるわけでございますが、金融の方でも、プロジェクトに収益が出てくるわけですから、それに対して貸す。プロジェクトが成功すれば返ってきますけれども失敗した場合は返ってこない、そのリスクをいろんな形で、金利とか何かで金融機関が考えて負うということになればプロジェクト融資ができますれば、今言いましたような個人にまであこぎに取り立てるということはなくて済むわけでございますが、今までの慣習とちょっと違うものですから、しかしこれだけ不況が続いて非常に気の毒な例が多くなっている中に、政府としても、今言いましたプロジェクト融資のような形で個人の資産は切り離して貸すことができないかどうか、そういうことを中小企業政策として検討すべきではないかという、そういう検討が始まったと聞いております。
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円より子#17
○円より子君 もう少し法案の方に戻りましてお話しさせていただきますと、この酒類小売業における過当競争といいますのは地域間によって格差があるように思いますけれども、免許枠過当競争地域の格差については財務省はどのようにお考えでしょうか。
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福田進#18
○政府参考人(福田進君) お答えいたします。
 平成十四免許年度について申し上げますと、新規参入の前提となります免許枠の発生状況、これを見てみますと、大都市部では七割の地域で免許枠が発生しております。その一方で、町村部におきましては約五割の地域にとどまっております。さらに、申請の状況について見ますと、大都市部では合計で約四千五百件の免許枠に対しまして約八千七百件の申請が提出されており、これに対しまして町村部では三千六百件の免許枠に対しまして申請は千二百件にとどまっておりまして、免許枠に対し参入希望者の数が満たない町村部の地域の割合は七割以上となっております。
 このように、先生今御指摘のとおり、地域によりまして酒類小売業への新規参入の状況は異なるものとなっていること、事実でございまして、したがって、新規参入により生じる競争の程度も異なっているものと私どもは考えております。
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円より子#19
○円より子君 次に、緊急措置法案提出の理由についてお伺いしたいんですけれども、先ほどから不況に対する政府の対策の欠如といいますか、そういったものや規制緩和等が輪を掛けまして、酒類販売業者には大変な厳しい現状となっているわけでございますけれども、でもまあこれからの時代を考えますと、この法案がかなり評判が悪いといいますか、新聞記事等御存じだと思いますけれども、いろいろこれはやり過ぎではないかと、特区の逆ではないかということも書いてございますし、例えばチェーンストアなどからは、これはちょうど衆議院の財務金融委員会でこの法案が可決されたときのものでございますけれども、「本日、衆議院・財務金融委員会において上記法案が可決されましたことは当協会としては誠に遺憾であります。」というような、こういった要望書も出ております。
 「予てから本議員立法については、規制改革推進に関する閣議決定の趣旨に反すると思われる「緊急調整地域の指定等免許制限条項」を基本としていることから、活力ある自由な事業活動や生活者の利益を阻害しかねないものとして強く反対してまいりました。 特に、「構造改革特別区域法」を制定し、規制改革を強力に推進しようとしているこの時に当たり、緊急調整地域は「逆特区」というべきもので理解しがたいものがあります。」というような、こういう要望書が出ていること、よく御存じのことと思いますが、こういった意見がある中で、今回、私も事情はよく分かるんですが、この法案を出されました理由、目的等についてお伺いしたいと思います。
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谷津義男#20
○衆議院議員(谷津義男君) 先ほど先生の御質問の中にありましたけれども、この酒類の小売免許に関しましては、平成十年の三月の閣議において決定されまして、十年度から順次需給調整が行われてきたところであります。これによりましてその規制の撤廃あるいは緩和が行われてきたわけでありますけれども、私どもは、この緩和は、規制緩和は時代の流れでもありますし、これに逆行するつもりは全くございませんで、ただ、この法律の趣旨は、階段でいうならば踊り場といいましょうか、そういうところが必要ではないかということで、余りにも急激な緩和によりまして、先ほどお話がありましたように、約一割近い方たちが倒産に追い込まれた、あるいは自殺者も出ている、あるいは二千名を超える人たちが行方不明になっておるというふうなこういう状況を見ますと、この急激な規制緩和というものがいいのかどうかということも考えなければならぬというふうに考えたわけであります。
 そういうことによりまして、困窮するこの小売業者の人たちに対しましても、今までいろんな距離規制とかあるいはまた人口規制とかありまして、はっきり申し上げてしまえば、酒税の収入の面というのもかなりあってそういうものも考えられてきたんだろうと思いますけれども、そういうものが一挙に緩和をされましていろいろと、特に今申請出しているのは、先ほどお話がありましたように、量販店といいましょうか、そういうところがありますから、なかなかそういうものに対して対抗できるだけのものが今までの既成の小売業者にはないという面もありますし、またもう一つは、お酒屋さんというのは大体町の中心といいましょうか、そういうところに多くあるわけでありますが、駐車場がなかなか確保できないとかなんとかというようなこともありまして、どうしても量販店に押される、言うならば同じ土俵の中で競争ができる状況にはないということもありまして、こうした急激な規制緩和に対する、いろんな申請が出てくるのをすべてそれを許可していくというようなものが果たして良いのかどうかということも考えまして、こうした法案の提出になったわけであります。
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円より子#21
○円より子君 先ほど財務省の方がお答えくださったように、本当に免許枠過当競争地域の格差というものが随分あります。そうしますと、その地域の実情に応じた措置を図るという観点からは、正しくその核となりますのは緊急調整地域の指定及びそれに応じた免許付与の制限であると思うんですが、まず、この緊急調整地域の指定要件についてお尋ねしたいと思います。
 この場合に、指定範囲でございますけれども、先般の衆議院の議論では、同趣旨の質問に対して、地域によっては小学校、中学校の区域を持ってくるという旨の答弁がございました。その一方で、状況によっては広範囲に及ぶ市町村全域を緊急調整地域として指定するということも考えられ得ると思うと。こう考えますと、税務署長が指定すべき地域の範囲、広さといいますのは非常に区々によって異なるということが思われますが、一方では所轄の一部について、他方では隣接税務署と所轄をまたぐ地域全体というように、緊急調整地域をどのような範囲で指定するかによってその運営形態も異なると思いますけれども、その見解を伺いたいと思います。
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滝実#22
○衆議院議員(滝実君) お答えいたします。
 御指摘のように、税務署の所管区域というのは、その地域によって市町村の区域の中に限定される場合もありますし、市町村の区域を超える場合もある、こういうことでございますので、この法案におきましては、最大の区域は法案に示しておりますように一つの市町村の区域と、こういうふうに限定をいたしておるわけでございますけれども、その区域が、市町村が余りにも広いという場合もございますものですから、一つの指標としては小学校の区域あるいは中学校の区域と、こういうふうなことを予定をさせていただいているわけでございます。
 これは衆議院で申し上げましたのでございますけれども、学校教育法の施行令第五条の二項にきちんとしてそういう地域指定を定める条文があるものですから、それを引用させていただいて、市町村の中ではその区域がよろしいんじゃないだろうかなと、こういうことを想定をさせていただいているわけでございます。
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円より子#23
○円より子君 また、この緊急調整地域の指定要件に、競争が厳しく小売業者の販売量が急減していることや過半数の小売業者が経営改善計画を提出していることを挙げておりますが、いずれにせよ税務署長は、所轄内の小売業の販売数量や販売場数の推移等の需給動向あるいは経営状況等を継続的にモニタリングすることが求められるわけです。
 そこで、現行の税務署の体制はどうなっているのか、現行の体制でこうした対応が可能なのかどうか、体制を充実する必要があるのか、この辺については財務省にお伺いしたいと思いますが。
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福田進#24
○政府参考人(福田進君) お答え申し上げます。
 私どもの現在の税務署の体制で、今御提案の施策は実施可能であるというふうに認識しております。
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円より子#25
○円より子君 今度は小売業者に対して講じる支援措置ということについてお伺いしたいんですけれども、酒類小売業者の経営改善計画の実施や転廃業の円滑化のために国が必要な措置を講じることとしておりますけれども、原案ではまず、「必要な財政上の措置」となっていたんですが、これは当初どういった支援措置を想定しておられたのか。また、それがなぜ「必要な財政上の措置」の財政上を削除なさって「必要な措置」と修正されたのか。この修正した場合の内容をお教えいただきたいんですが。
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七条明#26
○衆議院議員(七条明君) 今、円先生いろいろな形で、今お酒の業界、特に町の小売店が厳しい状況にあるということは、先ほど来からいろいろ御指摘をいただいて、もう本当にそのとおりだと思っております。
 本来、酒税法というのは、所管をするのが税務署であったり、小売店を所管するんですね、大蔵省、いわゆる国税当局であるわけでありましたけれども、本来酒税法は、税金、お酒の税金をうまく取る、適正に、公正に酒税の保全ということが、主にやるということが前提であったと思うんです。ところが、今こういう厳しい状況になったときに、経営指導だとか、いわゆる販売の小売店ですね、小売店を、業者の育成をしていくという観点がどちらかといえば私は希薄であったんじゃないかと。どちらかというと税金を取るばかりのことを考えてきて、それができてこなかった、そういう状況にあったというふうに考えられるものですから、私たちは修正をする中で、財政上の支援として考えるだけではなくして、もっと大きな範囲で、財政支援でない部分まで考えていこうというふうにやるべきではないかと実は思い掛けました。
 今財政支援と経営指導とかあるいは業者の育成という観点からいきますと、その窓口的なことになってくるのであれば、例えば財政が必要なもを申し上げますと、これは酒類小売業者に対する研修の実施だとかマニュアルの作成に対する予算措置等が考えられる。少なくとも小売店の皆さん方が何かをしてほしい、経営指導だとかあるいは業者を育成してほしいというようなアピールがあったときには、それに応じる窓口を作って財政支援をしていけることができないか、そういう観点に立とうと思います。
 もう一つ、財政がないようなものでもやっていかなきゃならないということがあるというのは、例えば今酒屋さん、町の小売店が一番困っておられるのは、大量仕入れ、大量販売、これが町の小さい小売店ではできない。今コンビニという話がさっき出てきましたし、量販店という話も出てまいりました。全国展開をしたり二十四時間やるようなところと違って、どうしても大量に仕入れて大量に販売ができなくなると、そこに一つの難しい、小売店の苦しい現状が出てまいりますから、そういうことをきちっとした形で共同で、小売店同士が共同で仕入れていく、あるいは共同で配送をしていくというようなことができてくるということができれば、よりそれらが少しでも経営指導の立場では育成をしていくことになろうと思いますが、それをしようとしてみても、例えばその蔵置場だとかあるいは小売の免許や卸の免許というところで、なかなか今現状のものだけで業者の、小売店業者が考えておられることができないことが起こってくるんじゃないかと。
 そういう意味では、規制をもう少し緩和してやれという意味では、これは財政支援措置ではない部分も入っていますから、その他必要な措置という形でもっと大きく考えたと、こういうふうに考えていただければと思って、御理解いただきたいと思います。
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円より子#27
○円より子君 財政上の措置というのはどういうのかと思っておりましたら、研修ですとかマニュアルの実施のための予算措置などというふうにおっしゃっていましたが、私は、共同で仕入れたりというようなところの規制緩和って大変重要だと思いますし、小売業者の方々が大きなスーパー等に対抗して競争を活性化していくというのは大変重要だと思いますが、財政上の措置というよりは、例えば、先ほどから申し上げておりますように、既存の中小零細の小売業者、これは酒販店だけじゃなくて、言ってみれば、魚屋さん、八百屋さん、肉屋さん、もう私の周りの商店街でも随分この間倒産して廃業なさった方々もたくさんいらっしゃいます。
 確かに、酒税という税の面からのいろいろな面で酒屋さんというのが特別措置を取られているということもあるかもしれませんが、同じように、資金繰り、そういったものに苦しんでいる商店、自営業者が多いことを考えますと、例えば経営改善計画期間内の短期の運転資金について低金利の融資制度等を措置するような、そんなことも私は検討した方がいいんじゃないかというふうに思うんですが、修正案といいますか、発議者の方、その辺はいかが思われますか。
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七条明#28
○衆議院議員(七条明君) 今、円先生言われるとおり、私たちもそういうことができないかということを検討してまいりましたし、当然そういうことまでやっていけるぐらい範囲を広げていくことができないかと思っておる一人であります。
 ただ、今の、現酒税法あるいは小売の団体のこういうような法律の中でできる範囲というのはやはり限られてくるのではないかと。特に、私たちが考えますときに、今不当廉売がある、あるいは差別対価があると、こういう形で町の小売店が非常に苦しんでおられるというようなときのことを考えてみますと、当然これは独禁法の考え方の中で整理をして今回提出させていただきましたけれども、不正な行為が起こったと思料されるときには公正取引委員会に対してその事実を報告したり適切な措置を取ってくださいというようなことをする、そして何とかそれをみんなで考えましょうということしか今の現状の中ではできないのではないかと。
 あるいは、リベートだとかあるいは販売促進費と言われるものですね。そういうリベートのようなものについては、これは金銭の供与その他、酒類販売業者としての酒類の取引の条件について基準を定めていくようなことをやりながら、取引関係その他に対する関係者の酒類販売業者に対する指示をきちっといく、生販三層がきちっと位置付けてやっていくというようなことを、ともかくそこからでも始めてみないとしようがないんじゃないかと。私たちはそういうことも含めてこの修正案の中に入れさせていただいたつもりであります。
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円より子#29
○円より子君 ちょうど今お話のありました不当廉売等、リベートや透明性、そうした問題の透明性の確保について公正取引委員会にお伺いしたいんですが、実態調査で是正を指導なさっているようですが、実効性が弱いのではないかと。また、実効性確保の観点から、独禁法違反に対するペナルティーの在り方等、必要な手当てを検討すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
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