憲法調査会二院制と参議院の在り方に関する小委員会

2004-11-05 参議院 全88発言

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会議録情報#0
平成十六年十一月五日(金曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
平成十六年十月十五日憲法調査会会長において本
小委員を左のとおり指名した。
                愛知 治郎君
                荒井 正吾君
                武見 敬三君
                藤野 公孝君
                舛添 要一君
                森元 恒雄君
                山下 英利君
                郡司  彰君
                鈴木  寛君
                富岡由紀夫君
                松井 孝治君
                若林 秀樹君
                山下 栄一君
                吉川 春子君
                田  英夫君
同日憲法調査会会長は左の者を小委員長に指名し
た。
                舛添 要一君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    小委員長        舛添 要一君
    小委員
                愛知 治郎君
                荒井 正吾君
                武見 敬三君
                藤野 公孝君
                森元 恒雄君
                山下 英利君
                郡司  彰君
                鈴木  寛君
                富岡由紀夫君
                松井 孝治君
                若林 秀樹君
                山下 栄一君
                吉川 春子君
                田  英夫君
    憲法調査会会長     関谷 勝嗣君
    憲法調査会会長代理   簗瀬  進君
   事務局側
       憲法調査会事務
       局長       桐山 正敏君
   参考人
       慶應義塾大学法
       学部教授     小林 良彰君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○二院制と参議院の在り方に関する件
 (選挙制度を中心とした参議院の在り方)
    ─────────────
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舛添要一#1
○小委員長(舛添要一君) ただいまから憲法調査会二院制と参議院の在り方に関する小委員会を開会いたします。
 この際、一言ごあいさつを申し上げます。
 このたび小委員長に選任されました舛添要一でございます。
 小委員会の運営に当たりましては、小委員の皆様方の御指導と御協力を賜り、公正かつ円満に進めてまいりたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。
    ─────────────
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舛添要一#2
○小委員長(舛添要一君) 二院制と参議院の在り方に関する件を議題といたします。
 本日は、選挙制度を中心とした参議院の在り方について、慶應義塾大学法学部教授小林良彰参考人から御意見をお伺いした後、質疑を行います。
 この際、参考人に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、御多忙のところ本小委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。小委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。
 忌憚のない御意見を賜り、今後の調査に生かしてまいりたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。
 議事の進め方でございますが、まず小林参考人に三十分程度御意見をお述べいただきまして、その後、各小委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。
 なお、参考人、小委員ともに御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、小林参考人、お願いいたします。
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小林良彰#3
○参考人(小林良彰君) 御紹介にあずかりました小林です。本日は、二院制と参議院の在り方についての小委員会にお招きいただきまして、ありがとうございます。
 私は有権者の投票行動の研究を行っておりますので、本日は主に参議院の選挙制度についてのお話をさせていただきたいと思っております。
 まず、選挙制度を考える際に、参議院の存在意義をどのように考えるのかが重要であると思いますので、その点について若干最初に触れさせていただきたいと思います。
 第一に、衆議院のカーボンコピーという批判もございますが、これに対しては、一院制の問題点を指摘する消極的な二院制論と、二院制の意義を論じる積極的な二院制論、この二つを考えることができると思います。
 まず、前者については、一院制では一院である議会を構成する多数政党がそのまま内閣を構成するために、結果として立法府に対して行政府の権限を強化することにつながるということになります。また、韓国の一院制による大統領弾劾で一時政治的空白が生じたことを挙げるまでもなく、一院制ではドラスチックな変化が時には行き過ぎることがあり、政治的な安定性が失われることも起こり得ることになると思います。
 一方、後者の積極的な二院制論は、こうした一院制の問題点の裏返しになりますが、まず第一院と行政府による政策形成をダブルチェックするという大きな意義があると思います。
 一院制論者の中には地方議会が一院であることを理由とする方もおりますけれども、地方自治体では直接公選による首長と地方議会による二元代表制を根幹としています。したがって、あえて地方自治とのアナロジーで論じるならば、国政では議院内閣制であるために第一院の多数政党によって内閣が構成されますから、むしろ第二院が存在することこそがその二元代表制を担保するために必要不可欠なのではないかというふうに考えることができるのではないかと思っております。
 また、その我が国で第一院と第二院の選挙制度について完全入替え制か半数入替え制かの違いがあることによって、衆議院が持つ、時にはその行き過ぎたダイナミズムというものを緩和する効果を参議院が持つことができるのではないかと思っています。また、付け加えるならば、第一院である衆議院が小選挙区制を中心とする多数代表の論理で構成されるならば、それとは異なる論理で構成することにより参議院が多様な意見の反映というメリットを持つことができると思います。そして、任期の長さであるとか良識の府たる議員を選出することによって、そうした議員がその自分が所属する各党においても議論を深めて、時にはリードするという役割を担うことも参議院の重要な役割ではないかというふうに考えております。
 このように考えていきますと、参議院は衆議院とは異なる選出方法で議員を選出することが何よりも重要ではないかということになります。
 もっとも、両院の選挙制度が今日類似している原因は、参議院の選挙制度が一人区の県においては小選挙区比例代表並立制、複数区の都道府県においては中選挙区比例代表並立制になった後に衆議院の選挙制度が小選挙区比例代表並立制に移行したためであり、本来であれば衆議院の選挙制度を考える際に検討すべき問題であったかもしれませんが、これまでにも比例代表制における非拘束式導入であるとか、あるいはボタン式投票方式の導入など、少なからぬ改革を参議院が先に行ってきたということも参議院の存在意義の一つとして考えるならば、現時点においても、参議院の側からほかの院とは異なる選出方法を考えることもまた参議院が存在する意義であるととらえることができると思います。
 それでは、第二院が本来どのような存在の院になるべきであるのかを考えると、まず、ダブルチェック機能を担保するために、憲法の基本である両院平等であることを前提として、その上でその憲法制定時の本来の姿である良識の府たる役割や議員の選出を考えることが重要ではないかというふうに思っております。
 また、選挙制度以外の問題は本日の議題からは離れるかもしれませんが、両院平等という立場で考えるならば、両院協議会における議決を三分の二より引き下げる必要があるのではないかと思います。つまり、両院の意見が分かれているのに三分の二の賛成を得ることは難しく、現実には両院協議会が機能しなくなることにつながる可能性があると思うからであります。
 そして、両院にまたがる政党の党議拘束があるということは二院制の機能を活性化させにくくしているのではないかと思いますので、参議院における党議拘束についても検討すべき課題ではないかと考えております。
 さらに、会期についても、もし参議院が長期的な問題を検討する院であるとするならば、会期を現在よりも長くしたり、あるいは参議院においては会期不継続の原則を検討すべきではないかと考えております。
 最後に、有権者の目から見ると、参議院選挙はこれまでにも多党化や政党離れなど一種の先行指標となっておりますし、また、有権者が重要な選択をする際に大きな決断をすることがあったことも指摘することができると思います。さらに、参議院選挙においては、一般的に争点に対する有権者の関心が高くなることもこれまでの研究から言われております。
 なお、お配りさせていただきましたレジュメの参照1をごらんいただきますと、これは今年の参議院選挙に際して全国で行いました面接調査に基づいたものですが、まず、参議院選挙に行くことによる政治的有効性感覚を持っている有権者が過半数おり、少なからぬ数字であることが分かります。
 また、参照2は、選挙への参加、この場合参議院選挙ですが、今年の参議院選挙への参加の有無を決める要因を計量的に分析した結果ですが、下の方をごらんいただきますと、政治制度評価というところがございますが、二院制という政治制度の意義を評価している者ほど、そういう有権者ほど政治的有効性感覚や民主主義に対する満足感が高くて、そういう有権者ほど政治関心や選挙への関心が高くなり、最終的に投票に行く割合が高いということが実証的に明らかになっております。言い換えますと、二院制の意義を有権者に今まで以上により感じさせるということが間接代議制を機能させるかぎであると言うことができるのではないかと思っております。
 さて、それではどのようにして両院平等でかつ良識の府たる参議院を構成するのかですが、憲法四十三条の両院は国民を代表する選挙された議員という文言における選挙は、間接選挙であることを否定しないという学説があることは承知しておりますが、現に公選制であるものを非公選制とするのは現実に難しく、また国民の理解を得にくいというふうに思います。仮に将来、道州制が採用されて、国から道州に対する大幅な権限の移譲が行われた際は別にしまして、現状において間接選挙にすることは、国民と参議院の距離を遠くすることになりますし、仮に有識者を選ぶとしても、今の日本でだれが有識者であるのかを判断する客観的な基準というものは見いだすことは難しく、やはり国民による選挙、つまり公選によるのが良いというふうに考えております。
 それでは、どのような選挙制度が良いのかということになりますが、その大前提として、憲法十四条における、すべての国民は、法の下に平等であって、政治的、経済的、社会的関係において差別されない、があることを忘れてはならないと思います。その上で、憲法四十七条で、選挙区、投票の方法そのほかの両院の議員の選挙に関する事項は法律でこれを決めるとされ、具体的には公職選挙法等々が設けられております。
 ここで、様々な選挙制度を検討してみますと、第一に、まず単純小選挙区制は、各選挙における多数の意思を国会に反映させるという思想に基づくものであり、アメリカやイギリスのように多数意見と少数意見が各々、別々の選挙区、別々の地域に集まってすみ分けているような社会においては、この制度は民主主義に妥当する場合もあります。しかし、少数意見が異なる選挙区、異なる地域に分散している場合には、投票者による各党に対する得票率と議席率の間に著しい乖離が生じることがあり、少数意見が相対的に国会に反映されにくくなる場合があります。また、何よりも、既に第一院である衆議院の選挙制度が小選挙区制を中心とした多数代表の思想に基づいているために、第二院である参議院も同様の選挙制度を採用した場合には、二院制の意義、例えば政策のダブルチェックを行うということを損なうことにもなりかねないと思います。
 第二に、比例代表制は、投票者の意思をそのままの形で国会に反映させるという思想に基づくものであり、比例代表制のうち現在の衆議院で行われている拘束名簿式比例代表制も、投票者による各党に対する得票率と議席率がほぼ一致するという利点を持っております。しかし、投票者は政党を選ぶことができても人を選ぶことができないために、参議院が政党化して衆議院との違いが出にくくなるのではないかという問題点があると思います。
 第三に、非拘束式比例代表制は、投票者による政党に対する得票率と議席率を一致させるという比例代表制の利点を持つとともに、政党だけでなく人も選べるという利点を持っております。しかし、投票者が同一政党の複数候補者の中から選択をするために、いわゆる同士討ちが生じることになり、サービス合戦が生じる可能性もありますので、非拘束名簿式比例代表制を行うためには政治資金に関する厳しい規定が必要になると思います。例えば、公的助成の額を検討する代わりに、その献金に対する規制を強めるという法則も考えられると思います。
 第四に、小選挙区比例代表併用制は、同士討ちを行うことなしに、政党だけでなく人も選べるという利点を持っております。また、超過議席がなければ、投票者による政党に対する得票率と議席率を一致させるという比例代表制の利点も持っています。しかし、超過議席が生じた場合には、その分だけ当該政党に得票率を超えて議席が配分され、比例代表制よりも民意がずれる可能性があります。
 第五に、小選挙区比例代表並立制は、小選挙区制の特徴と比例代表制の特徴の双方を受け入れようとする思想に基づくものであり、並立制の性格は小選挙区制による定数と比例代表による定数の比率によって異なることになります。
 例えば、小選挙区制の割合が多い場合には、それだけ小選挙区制の問題を担うことになります。仮に並立制を採用するとしても、本来であれば参議院と衆議院の総体として両院が相互補完的な関係を持つために、両院が全体で並立制になるべきであるというふうに思いますが、現状では衆参各々がともに並立制を採用していることから、両院の構成が類似してしまう可能性があるという問題点があります。
 このように見てきますと、選挙制度においては、投票者による一票の等価値性や投票者による政党に対する得票率と議席率の一致、政党だけでなく人も選べる権利の保障、同士討ちの回避などの要請にこたえることを目指すことが求められているのではないかと思います。
 そこで、これまで述べてきました選挙制度を含めてどのような制度が良いのかを考える上で、何よりも基準を設定する必要があるのではないかと思います。その際、選挙制度は、国会議員の方にとっては選ばれる制度であることは言うまでもありませんが、有権者にとっても選ぶための制度であります。したがって、ここでは、有権者にとって何が長所であるのか、また何が短所であるのかという視点から基準を考えてみたいと思います。
 まず第一に、民意の反映が挙げられると思います。つまり、民意を反映する選挙制度とするためには、投票者による各政党に対する得票率と議席率を一致させることが何よりも必要となります。この基準を完全に満たすのは拘束式比例代表制や非拘束式比例代表制で、これに併用制が準じております。
 なお、この民意の反映で一票の等価値性の問題も含まれることになりますが、もちろん、国民代表型からアメリカ上院のような完全な地域代表型へ転換すべきであるという意見もありますが、アメリカのような連邦制を採用している国ではいざ知らず、憲法が国民代表とする以上、地方代表制を理由に一票等価値性の原則を損なうことには限度があるのではないかと思っております。
 また、仮に各都道府県から選挙のたびに一名ずつを選ぶとなると、各都道府県知事の選挙と同じ選挙区サイズ、同じ選出方法になりますから、知事から参議院議員に転出する方、あるいはその逆の方が増えて、全国知事会と参議院の間で構成における類似性が生じることになるのではないかというふうに思います。
 さらに、たとえそうして選ばれた参議院は権威があるのだといっても、現実には国民代表から離れる分だけ国民と参議院の距離が開き、結果としては参議院がいわゆるアドバイザリーグループのような存在になってしまい、両院平等の原則が崩れることになるおそれがあると思います。私は、むしろ参議院の権限の強さというものは構成員の国民代表制の程度に依存するのではないかと考えております。
 さて、参議院の選挙制度を考える基準の二番目として人の選択があります。
 これは、参議院がいわゆる良識の府たる院と言われておりますが、政党だけではなくて人も選びたいという有権者の要請に広くこたえることになり、政党化する衆議院との区別化を図り、個人本位、脱政党化を目指すことになります。
 例えば、既に参議院では若年化や女性比率の増加、高学歴化などの傾向が見られておりますが、この基準に合うのが非拘束式比例代表制であり、これに拘束式比例代表制を除くほかの制度が限られた選択肢を提供して準じることになります。
 さらに、三番目の基準として恣意性の排除があります。
 これは、有権者の意思を正しく議席に反映させるためには何人の恣意性も排除しなくてはなりませんが、現実には小選挙区の区割りを作成する際に一義的な区割りしか存在しないような基準を設けることは困難であります。したがって、だれが小選挙区区割りを作成しても、たとえ意図せざる場合でも、結果として個々の政治家にとっての有利不利が生じることも考えられないわけではないと思います。
 最後に、第四の基準として、投票のインセンティブがあります。
 これは、近年、国政選挙における投票率の低下が指摘されておりますが、このままでは選挙の意義そのものが問われることにもなりかねないと思います。したがって、可能であれば、有権者に投票するインセンティブを与えるような選挙制度が望ましいことになると思います。このために、各地域の定数を投票総数に従って割り振れば、有権者にインセンティブを与えることができるのではないかと思います。
 ここで、これまでの議論を基にしまして、参議院のための具体的な選挙制度について、各選挙区の定数が投票の結果によって自動的に決まる代表制を提案させていただきたいと思います。なお、この方式では様々な単位の選挙区に適用することができますので、将来、都道府県合併であるとか道州制が導入された場合にはそれに対応することもそのままの方式で可能でありますが、本日は一例として、各都道府県単位による選挙とした場合を御紹介させていただきたいと思います。
 第一に、総定数は二百五十二議席で、三年ごとに半数改選とします。
 第二に、新しい選挙区は都道府県、ただし、地域の広い北海道や人口の多い東京都などは分割することも考えられますが、都道府県などとし、人為的な恣意性が新たに入らないものを用います。
 第三に、各政党は各選挙区ごとに順位を定めずに名簿を作成します。
 第四に、有権者はこの名簿の中から候補者を選んで個人名を書いて投票するか、あるいは政党名を書いて投票します。つまり、一人一票を持っております。
 第五に、選挙後、各選挙区における各候補者あるいは各政党の投票を政党別に全国で集計します。
 第六に、全国で集計された得票に従って、ドント式により各党に議席を配分します。
 第七に、ここに特徴があるわけですが、各党に配分された議席を、更に各党の各選挙区における得票に応じて最大剰余式により各選挙区に配分をいたします。つまり、その政党が全国で獲得した得票のうちの何割を各選挙区で獲得しているのか、その比率に応じてその政党に全国に配分された議席を割り振ることになります。
 ただし、どの政党からも議席が配分されない選挙区が生じた場合には、当該選挙区における最大剰余の数が最も多い政党に一議席を与え、その政党は全国配分された議席から一を引いた残余をほかの都道府県で配分することにします。
 第八に、各党の各選挙区に配分された議席を、その選挙区におけるその政党の候補者の個人票の多い順に与えます。
 なお、各選挙区への議席配分を最大剰余式ではなくてドント式で行うと各選挙区間の定数格差が一対二を超える場合が生じますので、最大剰余式を用いることにいたしております。
 さて、この定数自動決定式比例代表制の長所は次の四点であります。
 第一に、民意が反映されるということです。
 各党の議席数を比例代表に従って配分しますので、得票率によって議席率が決まることになります。これにより、小選挙区制では不可避的に政治家を選ぶときに多数決を行い、更に選ばれた政治家による多数決を国会で行うことにより、多数決を二回行うことになります。このために、多数の中の多数が全体の中の少数になるという累積多数決の問題が生じることになります。
 その点で、比例配分で議席を決める制度にすることで、多数決を国会議員による国会における一度だけにして国民代表制を高め、国民からのより高い信頼と権威を参議院が得ることになるのではないかと思います。
 第二に、定数不均衡がないことです。つまり、憲法十四条で定められている法の下の平等を満たすことになります。この制度では、選挙区の得票数に応じて議席数が決まるので、常に自動的に見直しが行われるわけです。現在の我が国においては定数是正に長い年月が掛かっており、一たび是正を行った後にすぐにまた新たな不均衡が生じることになります。したがって、自動的に不均衡が是正されるような制度も検討の余地があると思います。
 また、これまでの定数是正は人口に応じて配分されてきましたが、本来の意味では、人口の格差ではなくて一票の格差こそ是正すべきなのではないかと思います。仮に、投票率四〇%と八〇%の選挙区があるとしますと、人口あるいは有権者人口に応じて定数を配分した場合、投票率四〇%における一票の価値が投票率八〇%における一票の価値の二倍になってしまいます。すると、幾ら人口や有権者人口に応じて定数を定めても、別の意味での一票の格差が生じることになります。したがって、投票に応じて定数を定める方式が求められるのではないかと思います。
 第三に、恣意性が入らないことが挙げられます。この選挙方式では小選挙区を必要としておりませんので、そのような弊害は生じません。
 この方式のメリットの第四は、有権者の意識が高まることです。つまり、投票率が議席数に反映されるために、投票するインセンティブが有権者にもたらされるわけです。制度改革を求める以上、政党や政治家ばかりではなく、有権者も努力することが何よりも必要なのではないかと思います。
 このほか、現実の問題として、最大の定数となるのが東京の十、これは平成十六年参議院で試算をした場合ですが、ただし保守系無所属の候補の票は自民党に含めておりますが、東京の十が最大になります。したがって、現在、参議院において定数五十の比例代表制を行っていることを考えれば、実現可能な選挙制度であると思います。
 また、従来の比例代表のように、拘束式ではないので政治家の顔を選ぶということもできます。ただし、欠点は、同じ選挙区内の異なる政党の候補者間においては得票の順番と当落の逆転が生じることがあり得ることです。なお、定数については識見を持った個人が当選する選挙制度を考えることが重要であり、定数削減が至上命題ではないと考えております。
 このほか、長期的な問題に対応するために、任期を延長して再選や三選を制限することも考えられると思います。
 いずれにしましても、選挙制度改革を議論する際に、本日お話をしましたような様々な原則をまず先に示すことが必要なのではないかと思います。つまり、何が有権者にとってのメリットなのかという議論を初めに行うべきなのではないかと思います。その上で、定められた原則に従ってどのような制度が最も良いのかを考案する必要があると思います。そうした有権者のための選挙制度改革の議論の上に立つ参議院こそが、国民から信頼を得た権威ある院になると考えております。
 また、このような非拘束式で選ぶことのメリットをその後ももし最大限に生かすとすれば、やはりその参議院における党議拘束というものは考えるべきであると思いますし、また公的助成においても、良識の府たる参議院を考えれば、その額を仮に変えて増やした場合、その増えた分というのは党よりはむしろ議員個人に対して直接行くようにすべきではないかと思います。
 そういう中で、参議院の新しい選挙制度を考えた場合、それが個人本位、より脱政党化するような運用の仕方も含めてその制度の改革ということを今後考えていくことが必要であるというふうに考えております。
 以上でございます。
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舛添要一#4
○小委員長(舛添要一君) ありがとうございました。
 以上で参考人の意見陳述は終了いたしました。
 これより参考人に対する質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
 また、時間が限られておりますので、質疑、答弁とも簡潔に願います。
 山下英利君。
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山下英利#5
○山下英利君 自由民主党の山下でございます。
 小林参考人には、今日は大変お忙しい中、誠にありがとうございます。
 私もこの臨時国会から憲法調査会そして並びにこの小委員会に参加をさせていただきまして、国会議員として初めて、初めてと言ったらこれは語弊がありますけれども、いわゆる国の基本であります憲法という問題に参加をさせていただいて、大変勉強させていただいているところでありますけれども、まだまだ勉強不足のところがありますので、大変初歩的な質問になるかと思います。
 ただ、今憲法の議論等をいろいろされているのを聞いていましても、やはりまだ国民の中には、この憲法という問題、そして選挙制度という問題が絡んできた今日のお話については、国民の意識というものはどこまで醸成されてきているのかなと、そのようなことも頭にあるわけでございまして、どうかそういった面で、ちょっとこれから質問させていただくことに対しまして的確にお答えをいただけると大変有り難いと思います、的確というのは私自身が理解ができるという意味でございますけれども。
 まず、今お話をいただいた中なんですが、やはり選挙制度というのがこれは民意を反映させると、これはもう国民から選ばれた者が立法府において活動するということでは大変大事だということはもう周知のことなんでありますけれども、その際に、参議院として、じゃどうあるべきかといった場合に、ただ、今度は有権者の投票行動というものも今ちょっとお話をいただきまして、ただ、私自身も経験しておりますけれども、やはり有権者が人で選ぶのか、あるいは党で選ぶのかといったところが、先ほどちょっとお話の中で個人本位、脱政党という方向と、これからの流れの中でどうなっていくのかというところも頭に入れて考えていかなければいけないのかなと、またそういった方向へ持っていくのが本当にいいのかどうかということについて、ちょっとまず小林参考人からお話を伺いたいんですが。
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小林良彰#6
○参考人(小林良彰君) まず重要なことは、衆議院との区別化を行うことが私は重要ではないかというふうに思っております。
 それは、二院制の意義がどこにあるかという原点に立ち返ってみれば、やはり衆議院の行う政策形成に対して異なる視点からチェックをするということになります。そうなりますと、現在の衆議院における政党化、これは衆議院が内閣を構成することに大きくかかわっておりますので、政党化ということは避けられない状況だと思いますが、それに対して、それとは離れた視点で選ぶ。恐らく、参議院の任期が六年と長いこと、あるいは同時に半数の入替え制になっているということもそこに趣旨があると思っております。
 その意味では、私は、その第一院とは異なる第二院の存在意義を持つためには、私は、より個人本位の選出で行うことがいいというふうに考えておりますが、一度にそのように、それでは有権者が対応してなるかといえば、恐らくそういうことにはならないというふうに思っております。現実の有権者の投票行動を見ていきますと、衆議院よりは参議院の方がいわゆる政党投票をする可能性というものが低い場合もあります。しかし、党によっては政党本位の選挙になる党もありますし、あるいは個人本位がよりウエートを占める党もあります。
 そこで、先ほど御提案させていただきました選挙制度においては、投票者が個人名を書いてもいいし、あるいはその党であれば特にだれでも構わないと思う場合は政党名を書いてもいいということで、過渡的な場合も含めて、そのいずれにも対応できる。しかし、そういうことをしていく中で徐々に、私は有権者の投票行動が参議院においては政党中心から個人中心の方へ移行していくのではないかということを期待しておりますし、その変化を受け入れることのできる選挙制度の方式ではないかというふうに考えております。
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山下英利#7
○山下英利君 ありがとうございます。
 選挙のところからまず入っていってしまったんですけれども、参議院といった場合にいつも言われることは、良識の府であると、あるいはチェック・アンド・バランスということを言われるわけであります。実際にチェック・アンド・バランスを利かせるということによって緩和をしていくという意味においては非常に重要だと思いますし、これは私自身もやっぱり民間の会社にいた経験から考えると、やはりアクセルを踏む部分とブレーキを掛ける部分と、それがあって初めて本質的なところが前へ進んでいくのかなと、そういうふうに思っておりますので、そういった中で、衆参両院を比べたときに、そのチェック・アンド・バランス機能を果たす参議院議員がそういった形で、また全然違う選挙制度で本当に民意を反映できるのかというところというのがやはり一番の関心事になるわけです。
 やはり同じ基盤にあってチェック・アンド・バランスを利かせるということも一つの考え方ではないかなとは思うんですが、その辺はいかがでございますか。
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小林良彰#8
○参考人(小林良彰君) 同じ選挙制度であれば、特に日本の場合、衆議院選挙がおおむね二年半あるいは三年に一度行われておりますので、衆議院と参議院がそれほど異ならない時期に行われることになります。例えば、直近で言えば、衆議院は昨年の十一月に行われましたし、参議院は今年の七月に行われております。その時期に同じ選挙制度で選出をした場合、両院の構成がほぼ同じになってしまうということはあると思います。また、それは単に結果ではなくて、同じようなタイプの候補者が選ばれるということもあると思います。
 その意味では、民意の反映というのが、これは様々な意味がありますが、例えばそれぞれの地域における多数の意見を反映させるという形の民意の反映もあれば、あるいは全国で見て、少数意見も配慮して、その全国の国民が持っている意見の分布をそのまま院に反映させるということも、これもまた民意の反映の考え方であります。その意味で、私はその両方の民意の反映の仕方をそれぞれの院が持つことこそが実は本来的な意味のチェック・アンド・バランスになるのではないかと思っております。
 それから、少し小選挙区制について言えば、先ほども申し上げたことになって恐縮なんですが、例えばアメリカやイギリスのように様々な社会的な属性によって自分の住む地域のすみ分けをしているところは、それぞれの中が極めてホモジニアスな地域になっておりますので、それぞれにおいて小選挙で自分たちの代表者を選んでもそれほど有権者の分布と議院の構成の間にずれが出ないことになります。
 しかし、日本はそのような社会では少なくともないというふうに思っております。いろいろな意見の人がいろいろな地域に分散して住んでおります。そうしますと、そこで小選挙区を行った場合、どこでも少数意見がこぼれてしまうことになります。このこぼれる少数の比率が極めて小さい場合は話は別になりますが、例えば衆議院における小選挙区制においては死に票の割合が五〇%近くになっております。その場合、当然に有権者全体の意見の分布と院の構成がずれるということもあります。
 そのことを考えれば、第二院である参議院は比例代表という形で有権者全体の意見の分布を反映させるという制度を取ることが、私は御質問の御趣旨である本来的なチェック・アンド・バランスと民意の反映というものを両立させる考えではないかというふうに思います。
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山下英利#9
○山下英利君 今のお話を伺っていますと、参議院というのはどちらかというと個人というよりもむしろ政党中心というふうにも聞こえてくるんですけれども、現実的に言えば、今は衆議院の小選挙区に比べて参議院は一人区でも広い選挙区であります。そういった形で、要するに国全体のチェック・アンド・バランスという意味におけば、選挙区は広いほどいいというふうに見えてくるようなところもあるんです。
 そういった場合に、先ほど言ったように国民との距離といったときに、それぞれの地域のことは衆議院、国全体のことは参議院というようなことも極論すれば言われてしまうんではないかと思うんですが、その辺はいかがでございますか。
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小林良彰#10
○参考人(小林良彰君) まず、民意の反映というのは、党を通して行うということも可能ですが、個人を通して行うということも可能だと思います。
 例えば、一つの政党であっても様々な意見の議員の方がいらっしゃるというふうに思います。そうしますと、自分はその政党を通す場合でも、こちらの議員を通したい、あるいは別の議員を通したい。同じ党の中でも異なる意見があるとすれば、その党だけではなくて個人も選んで自分の民意を反映させるということがより有権者の民意の反映に近づくことになると思います。
 それからもう一つ、選挙区のサイズのことになりますが、御指摘のとおり、有権者全体の意見の分布を院に反映させるためには、広ければ広いほどそれは反映をさせやすくなります。しかし、その広いという言葉の意味は、いわゆる選挙を行うサイズ、選挙運動を行うサイズという意味ではなくて、選挙の集計をするサイズでございます。したがいまして、選挙区のサイズという中には、選挙の集計をして議席を配分するときの単位のサイズと、現実的に有権者が候補者を選ぶときのサイズと、別であると思います。
 そこで、私の方が御提案をさせていただきました制度においては、選挙区のサイズは都道府県、もちろん北海道とか東京は更に分割するにしても、そのサイズで行って有権者と政治家の人たちの距離が余り離れないようにする。つまり、昔の全国区のようにした場合、やはりこれは特定の組織を持たないと、現実的には選挙をするということは非常に大変なことになると思います。
 もちろん、現実の参議院選挙においても非拘束式を全国レベルでやっておりますが、これはもうほとんどその実際に出る候補者の方にとっては体力の限界との闘いに近い部分もあるのではないかと思っておりますので、これはよほど知名度がある方でないと、なかなか組織を背景にしないと当選しづらいということがあります。
 そこで、選挙区はその都道府県単位で行うけれども、集計と議席配分は全国で行う、更にそれを都道府県における選挙の実績に応じて議席を割り戻すということになります。したがいまして、選挙区のサイズを考えるときに、一義的にすべてが大きいかすべてが小さいかではなくて、それぞれの持つ良さを併せ持つ制度を提唱させていただいたわけであります。
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山下英利#11
○山下英利君 ありがとうございます。
 お話、よく、まあ半分以上は理解できるんですけれども、なぜそういうふうに申し上げるかというと、やはり選挙民の投票行動というものがいま一つ見えないという部分があって、そこから議論を発展させるということに対して私自身も相当苦労をしておるわけなんですけれども、実際、例えば衆議院が中選挙区から小選挙区に変わりましたと。かつては、要するに国全体の風というよりも、むしろ地域の熱というものがその選挙の母体になっていたというところがあるわけですけれども、かえって小選挙区になってしまったがためにその熱というものが薄くなってきたという部分も私は感じておりまして、そうすると、先ほども申し上げたように、有権者の投票におけるインセンティブというのが、前の中選挙区のときから小選挙区に今変わってきていて、それでそれをこう引き上げるために何をしたらいいのかということを、非常に暗中模索の状態にあるということで、それを前提として考えますと、これは長期的には、将来、小林先生がおっしゃっているようなことというのは、参議院の独自性を発揮するための、要するに国民の代表を選ぶということでは一つの在り方かもしれませんけれども、かえって、短期的に見れば、それが投票行動を劣化させてしまうというふうなところのリスクというのはどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
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小林良彰#12
○参考人(小林良彰君) 私は専門が投票行動ですので、むしろ選挙制度よりもそちらの方が話を私にとってはしやすいことになりますが、有権者が投票に行くインセンティブはどのようにして決まっているかということになりますと、最も今支配的な仮説というか理論というのは、R=P×B−C+Dというもので、要するにPというのは接戦の可能性、その選挙区はどの程度競っているのか、それからBというのは出ている候補者の間にどの程度政策の違いがあるのか、それから投票コストを引いて、選挙に行く長期的利益を足すということになりますが、CとDはどのような選挙制度でも余り変わりませんから、選挙制度によってその変化が一番生じるのは接戦の可能性と政党の期待効用差、政策の違いということになると思います。そうしますと、中選挙区制から小選挙区制になって競っている選挙区の数が極端に減っているのは事実であります。
 これは、例えば選挙の直前になりますと、あるいは選挙の日になりますと、メディアが選挙についてのいろいろな報道をすることになりますが、中選挙区制のときは定数四であれば四位と五位、これはどちらがなるかというのはほとんど分からないような状況であります。ところが、小選挙区の場合は一番か二番ということになりますから、多くの選挙区においてそれほど難しくなくなってきています。その意味では、自分の出ている、自分が住んでいる選挙区における接戦の可能性が下がる分だけ投票に行くインセンティブが下がっているというのが衆議院選挙における過去の調査のデータを分析すると結果として出てくることになります。
 私が今回御提案させていただきました投票のインセンティブとは少し意味が違いまして、どういうことかといいますと、定数不均衡というのはもちろんない方がいいと思います。なるべく一票の等価値性というのは保たれるべきだと思います。しかし、同時に、それを有権者が主張するならば投票に行くべきである、来るべきであると思います。投票に来る権利を放棄して一票の等価値性を議論しても、これは意味がないと思います。つまり、あくまでも重要なのは一人の等価値ではなくて、権利を行使された一票の等価値性ということになります。
 したがいまして、今日御提案させていただきました選挙制度というのは、定数不均衡がない代わりに投票率が高い選挙区ほど多くの議員が割り当てられることになります。そのことが、私は有権者がより自分たちの代表を出したいのであれば、まず自分たちが持っている権利をきちんと行使すべきである、その意味において有権者の責任も求める意味の投票のインセンティブがあるのではないかというふうに思っております。
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山下英利#13
○山下英利君 ありがとうございました。
 時間も大分迫っておりますので、ちょっと一点お伺いをしたいんですが、今日先生がお配りをいただきましたレジュメの中で、その投票行動、これを見ておりまして、やはり年齢というところが大分高いんですけれども、今の一般国民、これはどういうバックデータでお取りになっていらっしゃるかは存じ上げないんですが、やはり候補者を考えるときに年齢というものをまず優先するという傾向というのは、これを見る限りではかなり読み取れるんですが、やはり経験であるとか、あるいは、要するに若いということだけじゃなくて、要するにそれだけのいろんな経験を積んだということによって出てくるところというのはなかなか有権者の投票行動には結び付かないということを、これは言えるんでしょうかね。
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小林良彰#14
○参考人(小林良彰君) 本日お配りしました参照2における年齢というのは、有権者の側の年齢ということに……
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山下英利#15
○山下英利君 有権者。
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小林良彰#16
○参考人(小林良彰君) はい。したがいまして、ここにおける性別、学歴、年齢というのは有権者側が持つ属性ということになります。
 ただし、今の御指摘の御質問というのは非常に重要な問題なんですが、最近の有権者の投票行動を分析しますと、少し特徴として言えることは、自分の年齢と近い年齢の候補者に入れる傾向が強くなってきております。以前は有権者が自分の年齢よりも上の人、余り自分の年齢よりも年下の候補者には入れないという傾向がありましたのが最近少し変わってきまして、自分と同じ世代の候補者に投票するという傾向が以前から比べると相対的に強くなっているというふうに思っております。
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山下英利#17
○山下英利君 どうもありがとうございました。
 時間ですので、これで質問を終わります。
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舛添要一#18
○小委員長(舛添要一君) 富岡由紀夫君。
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富岡由紀夫#19
○富岡由紀夫君 民主党の富岡由紀夫と申します。よろしくお願いします。
 今御説明いただいた、御提案いただいた新しい選挙制度、非常に、何というんですか、一票の格差というか重み、投票率まで含めた、加重した一票の重みをちゃんと議席に配分するというのと、あと、何というんですか、無効となる票がないというか、そういった面ではいろんな面が、いい面があるかと思うんですけれども、先ほど投票行動に、選挙に行かせるインセンティブがそれで働くというお話あったんですけれども、私、選挙制度の中身そのものの複雑さ、簡明さ、逆に言うと、これがやっぱり私は必要じゃないかと思っているんですね。
 非常にいいんですけれども、今の衆議院と参議院の選挙制度も、私がこの有権者の皆さんに説明するのもやっとなんですね。説明してもなかなか理解してくれない人がまだまだたくさんいらっしゃるという中で、今回の先生の今御提案いただいた選挙というのは、まあ一番これがネックになるんじゃないかと思うんですけれども、やっぱりちょっと複雑過ぎて説明できないと。で、分かんないからやっぱり選挙なんか余り考えないで入れちゃうと、だれかさんから入れてくれと言われたら入れちゃうという、従来型の、政策を見ないでそういった、もしくはそういった今までの付き合いなんかで入れてしまうような選挙になってしまうんじゃないかというふうに、私はちょっと疑問に思ったんですけれども、それについてちょっとお伺いしたいと思います。
 これを、逆にインセンティブが下がっちゃうんじゃないかという、複雑さがゆえにですね、その点についてはどう考えていらっしゃいますでしょうか。
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小林良彰#20
○参考人(小林良彰君) 選挙の複雑さには、私は二種類あると思っております。一つは投票の複雑さ、もう一つは集計の複雑さ、この二点であります。
 例えばオーストラリアのように、立候補した候補者全員に順番を付けると、例えば十人立候補していたら、一番好きな人の名前を書くのではなくて、一位から十位まで全部付けると。なかなか七位と八位と九位は付けにくいというのが実感としてオーストラリアの人は言っておりますが、ですからオーストラリアは義務投票制になっておりますが、これは有権者にとってのインセンティブを御指摘のとおり下げることになる可能性があると思います。
 しかし、もう一つの選挙制度の複雑さというのは、これは集計の複雑さになります。例えば、比例代表のドント式というのも実はかなり複雑な集計の一つではあります。それをドントにするか修正サン・ラグにする、いろんなやり方がありますが、しかし、これは余り有権者は気にをしておりません。それは、自分自身が直接行う行為ではないことになります。
 そうしますと、本日御提案をしました選挙制度は、有権者、投票者の側から見れば極めてシンプル、単純なものです。自分が住んでいる選挙区に行って、一番だれか好きな人がいればその人の名前を書いてもいい、あるいは特に個人で自分が思い当たる人がなければ特定の政党の名前を書いてもいい、どちらでも構わない、ただそれだけです。非常に投票においては極めて単純なものです。
 御指摘の複雑さというのは、いわゆる集計の側、つまりこちら側、選挙管理委員会の方の問題になってきますが、これは現行においてその非拘束式あるいは拘束式比例代表制で行っておりますのとそれほど大きな違いはございませんので、こちらは私は、選管の手間は現状よりも掛かるかもしれませんが、いわゆる投票者にとって投票のコストを高くすることにはならないというふうに考えております。
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富岡由紀夫#21
○富岡由紀夫君 その点については、今のお話を承っておきます。
 あと、それと今の選挙の、さっきの説明の中で、全体の比例によって各選挙区、各県、都道府県別の議席数が決まってくるということになってくるんですけれども、二百五十のうち半分、百二十五ずつ改選していくという話になってくるんですけれども、そうなってくると、例えば特定の都道府県によると、例えば候補者が民主党であれば民主党で候補者が一人しかいないとなってくると、もう当然ある程度議席も割り振られることも分かっているし、その県の中では一人しかいないわけですから、当然その人が受かってしまうというようなことになって、余り選挙に一生懸命やらなくなってしまうような仕組みじゃないのかなというふうにちょっと先ほど聞いた限りでは思ったんですけれども、その点のところは全部分析されていらっしゃるんでしょうか。
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小林良彰#22
○参考人(小林良彰君) これは、むしろ各政党の問題ではないかというふうに思っております。私は、むしろ各政党がどのようなプロセスで候補者を決めていかれるのかということに恐らく懸かっているんではないかと思います。
 党によっては、自分の党がどうしてもこの候補者を国会へ送りたいと思えば一人に絞って立てるということもあるでしょうし、もう少しより広く候補者を公募して複数の候補を立てて、後は有権者に選択をゆだねるという政党があれば有権者がそのいい方を選ぶということもあると思います。それは、むしろ私は、選挙制度というよりも、各政党における候補者擁立の仕方の問題ではないかというふうに思っております。
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富岡由紀夫#23
○富岡由紀夫君 済みません。今の新しい選挙制度の御提案の定数も二百五十ということになっているんですけれども……
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小林良彰#24
○参考人(小林良彰君) 二百五十二。
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富岡由紀夫#25
○富岡由紀夫君 二百五十人ですよね、二百五十人の参議院の定数ということになっているんですが、ちょっとそもそも論なんですけれども、衆議院は丸めて今四百八十ですけれども、四百八十、二百四十二という二対一ぐらい、これは最初、憲法ができて最初の選挙からそういうことになっていて今のような状況になっているかと思うんですけれども、この比率の見直しとか、この辺はどのように考えていらっしゃいますか。
 私は、見直してもいいんじゃないかと思っているんですけれども、あくまでも二百五十、二対一にこだわる必要はないんじゃないかと思うんですけれども、そういうのも含めて、何というんですか、二院制の在り方というか、選挙制度の在り方を議論してもいいんじゃないかと思っているんですけれども、その点についてお伺いしたいと思います。
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小林良彰#26
○参考人(小林良彰君) 私は、御提案させていただきましたのは二百五十二人ですので、一回について百二十六人ずつの半数改選ということを考えておりますが、私は、国会議員の定数については、少なくとも参議院についてはこれ以上削減する必要は私はないと思っております。削減すればするほど、その分だけ少数意見が反映されにくくなるというふうに思っております。
 問題は、全体の数の比率の問題になってきますが、これは多分にどのような選挙制度を用いるのかによって恐らく決まってくるんだろうというふうに思っております。したがいまして、一律に何対何がベストであるということではないと思っております。例えば、全体でその二百五十二人というのをもしすべて比例で割り振っていくということであれば、私は現行の二百五十二人でもよいのではないかというふうに考えております。
 一方、衆議院の場合、仮にこれが、現在並立制を取っておりますが、この選挙制度が変わって並立制のうちのいずれか一つの側だけでやるんであれば、その分だけ定数を見直すということも考えられるんではないかというふうに思っております。
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富岡由紀夫#27
○富岡由紀夫君 済みません。今日の御説明は新しい選挙制度の御提案がメーンになっていらっしゃるんですけれども、ちょっと、用意してきた質問もちょっとお伺いしたいと思うんですが。
 衆議院と参議院のこの役割をどういうふうに、まあいろんな議論が今までもされてきたんですけれども、やっぱり一番大きな議論は、お互い、何というんですか、お互いじゃないですけれども、チェックして、二つの院がチェックする、二度審査するというところがあろうかと思うんですけれども、そのもう一つ大きな、何というんですか、役割として、役割期待として、参議院はやっぱり六年という長い任期がありますから、じっくりいろんなものが審査できる、検討ができるというところがありますから、私はこれを参議院は一番やっぱり活用しないといけないと思っているんですね。
 ですから、例えば、これはちょっといろいろ御議論もあろうかと思うんですけれども、条約の問題とか、まさしく年金の問題とか社会保障全体、医療、介護、こういった国全体を挙げて本当に長期にわたって長くじっくり検討しないといけない項目とか、あとは、若しくは違憲立法審査権みたいな、そういう憲法に基づくような本当に根本的な問題、こういったことについては、逆に参議院の方に優越権を与えて、それで参議院の役割を、何というんですか、その任期に合わせて与えていくといったところに、やはりそういう方法もあるんじゃないかというふうに思っているんですけれども、この考え方について先生のちょっと御意見をお伺いしたいと思います。
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小林良彰#28
○参考人(小林良彰君) 二院制の存在意義を考えるならば、一つはダブルチェックの機能ということがありますし、もう一つはその任期の違いを生かした役割分担ということがあろうかと思います。そうしますと、参議院がより長期的な問題をより中心的な役割として担うということは考えられますし、その中には外交案件ということも含まれるというふうに思っております。
 ただ、そのためにはまず、その選挙制度は別にして、例えば会期が今のままでいいのかどうか、あるいはその会期が変わったときに不継続という形でいいのかどうか、あるいはそのほか現行の委員会制度も含めて、より現状において運用でも改善すべき点は十分にあるというふうには思っております。
 それから、ダブルチェックということでいえば、私は、やはり一番の問題というのは、両院協議会をより活性化させることが実は両院平等の原則に立ち返ってその参議院のチェック機能というのをもっと生かすことになるのではないかというふうに思っております。
 両院協議会を、憲法上、任意として設けることは妨げないということになっておりますが、ここにおける議決というのが三分の二ということであれば、現実的には、これは結論として衆議院で再審議ということになりかねませんので、私は、この議決を変えることが、実は両院協議会をより活性化させ、参議院が本来的な意味における両院平等であるということが国民の目により明確に映ってくるんだろうというふうに思います。
 ただし、その前提としては、衆参両院にまたがる党議拘束があったんでは、これは本来的な意味のそういう機能は生かしづらくなると思います。したがって、そこをやはり変える必要があるのではないかというふうに思っております。
 したがいまして、選挙制度というのは、そういう意味では参議院の院の権威を高める中のごく一つの要素に私はすぎないと思っております。それは、両院の構成を違ったものにする、そこはまず一つあると思います。そして、その意味で私は本日申し上げたような御提案をさせていただいたんですが、幾ら違った構成にしても、その後、両院にまたがる党議拘束をしてしまっては、その違いというものは全く生かされないんではないでしょうか。
 その意味で、党議拘束とか会期制とか、場合によっては公的助成も含めて、もっとその違う院の構成であることをより生かしていくような制度改革ということも併せて御検討いただく必要があるのではないかというふうに思っております。
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富岡由紀夫#29
○富岡由紀夫君 今のお話に関連してなんですけれども、衆議院と参議院で、その党議拘束を参議院には掛けないというような考え方のお話だと思うんですけれども、やはり今先生から御提案いただいた新しい選挙制度でも、やっぱり党単位の選挙になりますよね。そうすると、やっぱり現実問題として、次の再選を考えたときに、何というんですか、党議拘束を掛けないで好き勝手なように参議院の中で、その党の中で、党の一員として行動することが許されるかどうかといった、何というんですか、本当に極めて現実的な問題が出てくるかと思うんですけれども、その点はどういうふうに解決というか、解決できるんじゃないかというふうにお考えか、教えていただきたいと思います。
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