環境委員会

2015-05-19 衆議院 全80発言

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会議録情報#0
平成二十七年五月十九日(火曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 北川 知克君
   理事 熊田 裕通君 理事 助田 重義君
   理事 平井たくや君 理事 藤原  崇君
   理事 牧原 秀樹君 理事 田島 一成君
   理事 松田 直久君 理事 浮島 智子君
      赤枝 恒雄君    穴見 陽一君
      井林 辰憲君    石川 昭政君
      小倉 將信君    笹川 博義君
      田中 和徳君    高橋ひなこ君
      福山  守君    堀井  学君
      前川  恵君    吉野 正芳君
      篠原  孝君    中島 克仁君
      馬淵 澄夫君    小沢 鋭仁君
      篠原  豪君    真山 祐一君
      島津 幸広君    玉城デニー君
    …………………………………
   環境大臣政務官      高橋ひなこ君
   環境大臣政務官      福山  守君
   参考人
   (早稲田大学法学部教授) 大塚  直君
   参考人
   (野村興産株式会社代表取締役社長)        藤原  悌君
   環境委員会専門員     石上  智君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 水銀による環境の汚染の防止に関する法律案(内閣提出第三六号)
 大気汚染防止法の一部を改正する法律案(内閣提出第三七号)
     ————◇—————
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北川知克#1
○北川委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、水銀による環境の汚染の防止に関する法律案及び大気汚染防止法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。
 本日は、両案審査のため、参考人として、早稲田大学法学部教授大塚直君、野村興産株式会社代表取締役社長藤原悌君、以上お二方の御出席をいただいております。
 この際、参考人お二方に一言御挨拶申し上げます。
 本日は、御多用のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。
 次に、議事の順序について申し上げます。
 まず、大塚参考人、藤原参考人の順に、それぞれ十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
 なお、念のため申し上げますが、御発言の際はその都度委員長の許可を得て御発言くださいますようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、御了承願います。
 それでは、まず大塚参考人にお願いをいたします。
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大塚直#2
○大塚参考人 早稲田大学の大塚でございます。
 本日は、水俣条約の国内法対応について、十五分お話しさせていただきたいと思います。
 私の調査審議への関与につきましては、ペーパーの方に記したとおりでございます。お手元のパワーポイントの資料と文章で書いたペーパーと、両方を御参照いただければ幸いでございます。
 パワーポイントの方を中心にお話ししていきたいと思います。
 時間の関係で、水俣条約の背景とか我が国の状況、水俣条約の概要につきましては省略いたしまして、まず、新法案及び大気汚染防止法改正案を条約との関係で概観したいと思います。
 スライドの七を御参照ください。
 国内法化の主要点のまず一、水銀の供給源及び貿易についてでございます。
 水銀の供給源につきましては、条約上、締約国は、新規の水銀の一次採掘の即時禁止、既存の水銀の一次採掘の十五年以内の禁止をするように努めるとしています。
 新法案におきましては、新規、既存を問わずに水銀鉱の採掘を禁止するとしておりまして、条約よりも厳しい対応をしています。
 次に、貿易でございます。
 水俣条約におきましては、条約上認められた用途への使用等を除き、金属水銀の輸出を原則禁止し、かつ輸入国側の事前同意を条件とするなど、厳しい規制を課しています。しかし、水銀化合物は当面規定をしないとしています。
 次に、我が国の現在の状況でございますが、我が国では従来、年に七十から八十トンの金属水銀を輸出してまいりました。しかし、その多くは非鉄金属製錬の際のスラッジ、汚泥由来でございまして、リサイクルされた水銀である点に特色がございます。
 条約に対する国内担保措置といたしましては、条約の締結による輸出の制限につきましては、外為法による措置、政省令改正で確保される予定でございます。
 今までの中環審の答申に基づく政省令の改正の整理といたしましては、輸出については原則禁止といたしまして、四つの点を、条約よりも厳しい対応を考えています。
 一つは、最終用途がASGMと呼ばれる零細及び小規模の金採掘のものにつきましては全面禁止とすること、二つ目に、特定の水銀化合物についても輸出の原則禁止とすること、三つ目に、事前に最終使用者とか最終用途が確認できるものに限って承認すること、四つ目に、輸出後は事後確認を実施するということ、以上の四つの点におきまして、条約よりも厳しい対応がなされることを想定しております。
 また、非締約国からの輸入につきましては、条約と同様に、条約上許可されない供給源からのものである場合には承認しないこととなります。
 次に、国内法化の主要点の二つ目でございますけれども、水銀添加製品についてでございます。
 条約におきましては、附属書Aで、一定の水銀添加製品の段階的な廃止期限を設けまして、製造及び輸出入の禁止を規定しております。二つ目に、これらの製品が最終製品に組み込まれることを防止するための措置をとることとしています。三つ目に、条約発効時に知られていない新用途の水銀添加製品の製造、流通の抑制措置についても規定しております。
 我が国におきましては、現状については国内法令は基本的に存在しないという状況でございます。
 そこで、新法案において国内担保措置をとることを考えているわけでございますけれども、以上の三つの点について、新法案で対処するということが想定されています。
 まず第一点につきましては、特定水銀使用製品の製造を原則禁止といたします。さらに、製品の実態とか流通の実態等を踏まえて、条約以上の深掘りとか規制時期の前倒しも検討されることとなりますが、これは政令で考えることが想定されると思われます。
 この点につきましては、規制の深掘り等が困難な場合におきましても、水銀含有の有無を表示することによって、消費者の商品選択の際に認識できるようにすることによって、市場において水銀使用製品を減らしていくというインセンティブを与えるということが重要であると考えられます。
 次に、二つ目の組み込み製品への組み込みの禁止につきましては、条約の国内法化のための規定が必要となります。
 三つ目に、条約発効時に知られていない新用途の水銀使用製品の製造及び流通の抑制につきましては、人の健康の保護、生活環境の保全に寄与する場合を除きまして、製造、販売をしてはならないとする基本原則が採用されます。
 さらに、条約を超える対応として、四つ目に、水銀使用製品の適正な回収のための各主体の責務として、市町村は廃水銀使用製品の適正な回収に必要な措置を講じまして、事業者は水銀使用の表示等の情報を消費者に提供するなどの、各主体の役割が規定されています。
 次に、国内担保措置としての外為法による措置について申し上げます。
 特定水銀使用製品の輸出入の規制が行われ、また、ほかの製品に組み込まれた水銀使用製品の輸出入も規制されます。これにつきましては、内外の無差別の原則がとられます。今後、途上国からの輸入品につきまして、水銀使用製品輸入禁止をする必要があるということと、それから試買調査等が行われることがあることなどを指摘しておきたいと思います。
 次に、主要点の三についてでございます。大気への排出についてでございます。これにつきましては、主に大気汚染防止法の一部を改正する法律案が関係いたします。
 条約におきましては、附属書に掲げる五つの種類の施設からの水銀の大気への排出を規制するための措置をとることとするとともに、排出に関する目録の作成、維持を求めています。
 我が国におきましては、現在、水銀は、大気汚染防止法に定める有害大気汚染物質の優先取り組み物質として指定されておりまして、事業者には排出状況の把握と排出抑制が求められています。また、環境省は、水銀の排出目録を作成、公表しています。
 しかし、このような自主的な排出抑制の責務に基づく現在の対応におきましては、遵守義務も適合命令もないという状況でございますので、条約締結後も維持するということは難しいと思われます。
 そこで、国内担保措置といたしまして、大気汚染防止法改正に基づく措置といたしまして、水銀排出施設の設置の届け出の義務、排出基準の遵守義務を、新規、既存の施設を問わずに課することとし、排出基準違反に対しては、必要に応じて改善勧告、改善命令を発出できるとし、さらに、水銀排出者に対して、水銀濃度の測定、記録、保存を義務づけるということとしています。
 また、五種類の施設以外につきましても、大気汚染防止法改正案では、水銀等の排出量が相当程度である施設については、排出抑制のための自主的な取り組みを求めています。
 次に、新法案による措置といたしましては、条約の八条7が目録の作成を要請しておりますので、排出に関する目録を新法に基づく計画において定めるということが想定されています。
 次に、主要点の四でございます。水銀廃棄物以外の水銀の環境上適正な暫定保管についてでございます。
 水俣条約は、水銀廃棄物の定義には該当しない一定の水銀及び水銀化合物につきまして、条約によって認められる用途のための暫定的保管が環境上適正な方法で行われることを確保するための措置をとることとしています。
 我が国の状況といたしましては、国内では、廃棄物からの水銀回収事業者が一社、年間約五十トンの水銀を保管しておりますが、それ以外は、水銀使用製品製造事業者を中心といたしまして、数十キロから一トン未満程度の比較的少量の保管がなされている状況にございます。
 また、水銀の取り扱いや保管につきましては、条約の定める措置を規定する国内法令はないという状況にございます。
 そこで、国内担保措置としては、新法案が関係いたします。
 暫定保管につきましては、毒物劇物取締法と類似した管理指針を置きまして、保管状況の報告を求めるということが考えられます。
 新法案におきましては、暫定保管を貯蔵という言葉であらわし、まず第一に、国は、水銀等の貯蔵に係る環境汚染を防止するための技術指針を定めて、必要に応じて事業者に対して勧告をする、さらに、第二に、定期的に貯蔵状況等を国に報告するということにしております。
 次に、主要点の五に移りたいと思います。水銀廃棄物についてでございます。
 条約は、水銀廃棄物を環境上適正な方法で管理することなどを定めています。
 我が国の現状といたしましては、従来は、水銀を含む汚泥、燃え殻などは、管理型最終処分場か遮断型最終処分場で処分されておりまして、金属水銀は貴重な資源として利用されてきました。
 ここで注意を必要とするのは、水俣条約上の水銀廃棄物は、バーゼル条約の定義が使用されていますので、有価物も無価物も含む概念であるということでございます。これに対しまして、基本的には無価物だけである我が国の廃棄物処理法の廃棄物概念と比較しますと、バーゼル条約の定義におきましては、我が国の廃棄物処理法の廃棄物概念よりも広く、廃棄物処理法上の廃棄物以外に、バーゼル廃棄物も含むということでございます。
 お手元の図の方を御参照いただけるとありがたいと思います。スライドの三十でございます。
 この赤で囲ってあるところが今回の水俣条約あるいはバーゼル条約に言う廃棄物でございますけれども、我が国における廃棄物処理法上の廃棄物は、その下の青のところだけが廃棄物処理法上の廃棄物になっているということでございます。
 水俣条約を締結いたしますと、水銀の使用用途等が制限されることに伴いまして、市況によっては金属水銀等の有価性が失われていくということが予想されます。したがって、国内におきましては、金属水銀等についてもすき間のない対応を検討する必要が生じます。
 そこで、国内担保措置でございますけれども、新法案におきまして水銀含有再生資源というものを考えていくことになります。
 条約上は水銀廃棄物でございますけれども、廃棄物処理法上の廃棄物ではないというものにつきまして、水銀含有再生資源という名称をつけて、新法案は二つの対応を考えています。
 一つは、国が、その管理に係る環境汚染を防止するための技術指針を定めて、必要に応じて勧告をするということでございます。二つ目は、水銀含有再生資源を管理する者は、定期的に管理状況を国に報告するということでございます。
 このような対応は、先ほどの暫定保管、貯蔵に関する対応と同様でございます。
 ここで言います水銀含有再生資源というのは、具体的には、非鉄金属製錬由来のスラッジ等が想定されています。
 もっとも、水銀廃棄物の管理に関する要件につきましては、条約締約国会議で附属書を今後採択することになっておりますので、この点の規制は将来的には改正が必要となる可能性もあると思われます。
 もう一つは、廃棄物処理法上の水銀廃棄物についての国内担保措置でございます。
 具体的には、廃金属水銀等の処理が国内担保措置として重要になってまいります。
 廃金属水銀等は、現在有価でございますけれども、条約締結後徐々に有価性を失っていくということが考えられますので、廃棄物として扱われる場合には、特別管理一般廃棄物または特別管理産業廃棄物として指定することが必要となってまいります。
 さらに、水銀を含む汚泥等の水銀汚染物の管理につきましては、環境上より適正な管理を確実にするための措置といたしまして、これを水銀含有産業廃棄物として指定し、また、特定の施設から排出される高濃度の水銀汚染物につきましては、水銀の回収を義務づけるということが考えられます。
 もう一つ、水銀添加廃製品の管理につきましても、環境上のより適正な管理を確実にするために、やはり水銀含有産業廃棄物として指定するということが考えられます。
 次に、主要点の六でございますけれども、条約は、条約義務履行のための実施計画を作成、実行することができるとしています。
 その国内担保のために、新法案は、国は、水銀等による環境汚染の防止に関する計画を策定するということとしています。
 以上が、条約と法案の関係についての概観でございます。
 これらの法案を簡単に評価し、若干の課題を述べたいと思います。
 この水俣条約の特色といたしまして、水銀及び水銀廃棄物の産出、貿易、使用、大気・水質・土壌への放出、廃棄、暫定保管という、そのライフサイクルにわたる包括的なアプローチが採用されているということが挙げられます。
 今回の新法案及び大気汚染防止法の改正案は、これに対処するものでございますけれども、単に条約の要請を担保するだけでなく、それを超える部分を相当数備えている点に特色がございます。
 スライドの三十九、四十に挙げたのが、条約を超えた対応を想定している点でございます。
 このような、条約を超える対応をすることに関しましては、我が国が水俣病を経験して、世界の水俣病発生防止のリーダーシップを発揮すべきこと、我が国の国民性として魚をよく食べることなどから説明ができます。水俣条約という名を冠した条約の国内法化に恥じない対応をしていると言ってよいと思われます。
 では、今後の課題として何があるでしょうか。
 直ちに行うべきことといたしましては、条約締結後に、実施計画を早急に立てて、各環境媒体だけでなく、原料とか製品とか廃棄物、環境媒体間の水銀等の移動を含めた計画を打ち出すこと、家庭から排出される体温計とか血圧計の効果的な回収方法、処理体制を自治体が事業者と連携しつつ構築し、国がこれを支援すること、それから、金属水銀の安定化のために金属水銀の硫化施設を設置することなどが挙げられると思います。
 さらに、廃金属水銀等の処理体制とか長期的なモニタリングに関しまして、廃棄物処理法に基づいて、まずは排出事業者において適切に管理することが重要でございますけれども、その長期的な管理のために、国を含めた関係者の適切な役割分担を検討するということが必要であると思います。
 最後に、新法案に関連する点といたしまして、環境法全般との関係で問題となることを一点だけ指摘しておきたいと思います。
 2のところに挙げましたように、我が国の廃棄物処理法上の廃棄物の定義は、国際的な廃棄物の定義と異なっております。そこで水銀含有再生資源というのは、条約上は水銀廃棄物に該当するわけでございます。
 この水銀含有再生資源は、現在は有価での取引が行われているとしても、今後、水銀の市場価値が低落していくことなどによって、廃棄物処理法上の廃棄物により近づくことが予想されます。
 そうした中で、水銀含有再生資源に対する規律は、水銀等の貯蔵に対する規律に近づけるのではなくて、廃棄物処理法上の水銀廃棄物に近づけるべきではないか、その方が国際的な廃棄物の定義を重視していることになるし、事柄の性質上も適切ではないかということを申し上げておきたいと思います。
 以上で私のお話を終わらせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。拍手
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北川知克#3
○北川委員長 ありがとうございました。
 次に、藤原参考人にお願いいたします。
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藤原悌#4
○藤原参考人 野村興産の藤原と申します。
 まず初めに、きょうは、水銀に関する環境汚染防止法案、それと大防法の改正法案の審議の場で発言させていただけることを感謝いたします。
 まず、弊社の事業について、お手持ちの配付資料にあります順に沿って説明したいと思います。
 弊社の事業は、主に水銀含有廃棄物の処理を行っております。水銀含有廃棄物といいましても、一般廃棄物にもございますし、産業廃棄物にもございます。これらの廃棄物を全国各地から収集運搬、処分しております。
 その際、脱水銀という処理を行うんですけれども、脱水銀した後の残渣を、またその中からさらに有用物を取り出して、ここに書いてありますとおり、肥料用原料や亜鉛原料、カレット、レアアース原料、地金等の製造並びに販売をしているというような状況でございます。
 会社沿革については、まず、弊社については、本社は東京にございますけれども、主要事業所というのは、イトムカ鉱業所というところがございます。
 イトムカ鉱業所は、北海道の大雪山の麓東側にございまして、以前は東洋一の水銀鉱山として栄えた場所でございます。イトムカという地名は、アイヌ語で光り輝く水、つまり水銀を意味する地名でございます。
 鉱山は、昭和十四年に硫化水銀を含んだ辰砂を発見したのが始まりでございまして、その時代、水銀はその特異な性質からさまざまな用途に使われており、防腐剤、殺菌剤、医薬品また工業材料、多くの分野で利用されてきております。
 しかし、一九五九年に水俣病は有機水銀が原因であることが判明したことをきっかけとして、国内では水銀を使用しないプロセスへの転換が進んだ結果、水銀の需要は激減、鉱石中の水銀濃度低下といった要因もあり、昭和四十八年に閉山し、鉱山会社である野村鉱業は解散しております。
 しかし、同年、国内では、水銀触媒を使用したクロルアルカリ工業の運転停止指示命令が発令しました。製法転換後の水銀触媒や汚泥の処理並びに非鉄精鉱中に不純物として存在する水銀の処理を行う必要がありましたが、このような水銀を処理する工場は、住民反対などの立地の問題を含め、容易に建設できない背景もあり、各団体や行政機関からの強い要望もあって、同年、鉱山時代の製錬技術及び設備を買い取り、イトムカ興産、現在の野村興産として、水銀含有廃棄物処理業を開始しております。
 創業当初は、先ほど言いましたように、非鉄製錬スラッジ等の汚泥の処理をしておりましたが、昭和五十五年代中盤に、地方自治体から排出される廃乾電池の処理が始まり、平成四年には、全国都市清掃会議から、使用済み乾電池の広域回収・処理センターに指定。そのころから、全国各地からの乾電池の受け入れ量が増加しております。
 同時に、水銀を使用している廃蛍光灯の受け入れも始まり、現在は全国各地で廃棄される蛍光灯処理に対応するため大阪に蛍光灯の処理工場を建設し、二カ所の営業所と四十一カ所の収集拠点を持ち、現在に至っております。
 水銀廃棄物についてですが、実際にどのようなものがあるかについては、配付資料にありますとおり、約二種類ございます。
 まず一つは、水銀の特性を利用するために意図的に製品に使用したもの、これがライフサイクルを終えて廃棄されます。主に、電気機器、計器、電極、薬品、顔料、シールド材、あと、水銀を使用した工程から排出される水銀廃棄物がございます。
 もう一つ、水銀を使用しない工程において、化石燃料や非鉄鉱石に付随した微量の水銀が濃縮されたもの、これは主に、火力発電、地熱発電、石油精製、清掃工場、また、天然ガス液化設備、非鉄金属、製鉄スラッジ、このようなものの製造工程から水銀が濃縮されてスラッジが排出されるというものがございます。
 このような水銀汚染物の受け入れ量は、その下の表にあるような量でございます。
 弊社においては、蛍光灯、ランプ類については年間八千トン程度、使用済み電池の廃棄物が一万二千トンです。そのほか、金属水銀が八トン、温度計、血圧計、圧力計が十五トン程度、水銀を含んだ汚泥、廃液その他が約七千トンということで、年間約二万七千トン程度の水銀含有廃棄物の受け入れがございます。
 そこから抽出される水銀量としては、年変動はございますけれども、大体五十トン程度でございまして、その五十トンの水銀を販売しております。国内では約十トン、国外では四、五十トン程度の販売をしておりますが、その水銀の用途としては、ここに書いてあるとおり、水銀スイッチや圧力計、ポロシメーター、試薬、照明、電池、国内では伝統工芸とかそういうものに水銀が使われております。
 そのような、約四十年間水銀廃棄物の処理をした中で、今回の条約の担保法案について、今までの経験から得た中で、いろいろな排出者の意見も聞いておりますので、少々意見を述べさせていただきたいと思います。
 配付資料の一番最後に、一言、文章として書いておりますけれども、条約担保措置を行うに当たり、水銀の管理や規制等について不公平感のない合理的及び実行力のある対応をして、今まで築き上げてきた資源循環が滞ることがないようにすべきと考えております。
 この文章一言なんですけれども、その中にはいろいろ意味がございまして、具体的には、まず、環境や健康リスクを防止するための法律でいろいろ検討がなされているところでございますが、それにもかかわらず、業種による対応に違いがあることに違和感を感じるところでございます。
 また、水銀廃棄物のいろいろな管理はいろいろな規制がかかっているかと思いますけれども、現在の廃掃法については、なかなか国内における水銀廃棄物の実態に即していないところでございます。この秋までに政省令案等いろいろ検討がなされると聞いておりますので、その中で実態に即した改正がされていくことを期待いたします。
 また、今、法案検討の中でいろいろな規制等の話を聞いておりますけれども、必要以上に過度の規制を行い、事業者への大きなコスト負担増加にならないことを期待します。
 現在行われている非鉄スラッジ、電池、蛍光灯類の水銀回収のほかさまざまな資源回収が同時に行われており、資源の乏しい日本では重要な事業として考えております。このようなシステムは、他国にはない資源循環システムと考えております。このような資源循環システムが崩れることがないよう、今後も、事業者の意見を聞いて、政省令案の検討をしていただきたいと考えております。
 条約によって、世界的な水銀の需要が少なくなり、現在売却されている金属水銀もいずれは廃棄物になることが予想されます。それが二年後か十年後になるのか百年後になるのかちょっとわからないですけれども。今の段階で、そのような処分のシステムというのを検討しているところでございますが、現在、廃棄物を処理する方法としては、バーゼルのガイドラインに基づき、安定、固型化方法について検討がなされているところですが、日本は欧米と比べて国土が狭く、地下の深い、四百メートル以下とかの岩塩坑もございません。また、地震や異常気象が多いことを考慮する必要があります。
 水俣公害の経験から、国民の水銀に対するアレルギーというのが非常に強いと感じられます。それで、保管、処分場所確保の問題がございます。
 水銀は、ダイオキシンやPCBのように分解してなくなるわけではございません。長期間水銀を処分するためには、十分な科学データによる検討が必要でありますが、それ以上に、処分場所の付近住民が安心できるような、国が積極的に関与する長期管理体制が必須であると考えますので、この点を考慮して今後も進めていただきたいと思います。
 最後に、現在、一般的な生活の中で金属水銀を見る機会はほとんどございません。病院などで使用している血圧計や体温計に使用されているのを目にすることはありますが、それが水銀であることを知る人もほとんどおりません。
 水銀は、人類にとって昔からとても身近な金属であり、日本の文化や工業を発展させ、また、水銀化合物のすぐれた特性を用い、薬品や農薬、防腐剤として多く利用され、たくさんの恩恵も受けておりましたが、しかし、人間が水銀の取り扱いを間違えたことで発生した水俣公害問題などの水銀中毒事故が原因で忌み嫌われる物質となり、国内の水銀需要は激減することとなりました。
 それから六十年近くたった現在、水銀についての使われ方や取り扱い、廃棄方法について、正しく認識している人はほとんどいないと思います。現在、半数以上の自治体が自主的に行っている蛍光灯や電池の分別回収においても、なぜ有害ごみとして取り扱わなければいけないのかを理解している人は少ないのではないかと思います。
 そのような中で、水銀使用廃製品の回収率を上げるため、法案では製品への水銀含有表示という対策も検討されているようですが、まずは、この水銀というものを個々人に啓発していくことが非常に重要だと思います。水銀に対して正しい知識を持つことが、水銀含有廃製品の取り扱いや廃棄方法、そして水銀の処分についての不安を少しでも取り除くことができるのではないかと感じます。
 諸外国では、公共交通機関や不特定多数の方が出入りする場所、また、教育現場での啓発活動を官民で積極的に行い、回収率を上げている実績もあります。そのような取り組みについて、日本でも、その役割を自治体だけに任せるのではなく、国が率先して官民一体となる取り組みを行い、成果を上げることを強く希望します。
 以上でございます。拍手
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北川知克#5
○北川委員長 ありがとうございました。
 以上で参考人の方々からの意見の開陳は終わりました。
    —————————————
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北川知克#6
○北川委員長 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。笹川博義君。
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笹川博義#7
○笹川委員 自由民主党の笹川博義でございます。
 きょうは、質問する機会を与えていただきましてありがとうございました。また、大塚先生、藤原先生、それぞれのお立場の中で貴重な御意見を御披露いただきまして、本当にありがとうございました。改めて厚く御礼を申し上げます。
 それでは、時間も限られておりますので、質問の方に入らせていただきたいというふうに思います。
 まず、大塚先生にお伺いをさせていただきたいんですが、我が国日本は、今藤原先生からの御指摘もございましたが、水銀についての取り扱いについて、もう取り返しのつかない過ちを犯してしまった。そして、いまだに多くの人たちが困難な状況にあるという中で、水銀取引において先進的な取り組みを行うということは、これはもう責務でありますので、そういう意味において、半世紀以上経た上で、今回の条約批准そしてまた国内法の整備ということは非常に意義深いものがあるというふうに思います。
 しかし、国内の方はそれはそれとしていいということでありますが、ただ、国際的には今なおまだ、水銀による地球規模での環境汚染、さらには健康被害の拡大が懸念をされている状況であることは間違いありません。そしてまた、大気における排出量についても、中国、南米、アフリカ、この三地域で六〇%を超すというような状況であります。さらに、小規模金採掘については、七十カ国以上で、これも何か一千万人から一千五百万人ぐらい従事しているのではないかというようなデータもあるわけでありますので、恐らく、これは経済的、技術的格差も要因になっているのではないかというふうに推察をされます。
 この水俣条約という条約名を含めて、水俣に対して大きな責務を負う我が国として、今後、水銀の国際の環境についてどういう貢献ができるのかというところの御所見がございましたら、お聞かせをいただければと思います。
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大塚直#8
○大塚参考人 お答えいたします。
 二つの点で対応ができるし、また、していかなければいけないと考えております。
 一つは、日本自体が、貿易におきまして、先ほど申しましたように、水銀の輸出の際に、先ほどおっしゃっていただいたような例えば小規模の金採掘などに使われないように十分に注意をするということでございます。
 先ほどの御説明にも申しましたように、今回の水俣条約の国内対応といたしましては、条約に対する最小限の対応をするだけではなくて、最終用途がASGMのものについては全面禁止をするということがございますし、さらに、水銀化合物についても輸出を原則禁止するということがございますし、また、事前に最終使用者、最終用途が確認できるものに限って承認するということがございますし、さらに、輸出後は事後確認を実施するという非常に厳しい対応を考えておりまして、我が国からの水銀の輸出は七十トン程度ございますことを考えますと、このような対応をすることは非常に重要ですし、意義があることだと考えております。
 もう一つは、条約にもございますように、技術的な支援とか資金の提供等の問題がございます。
 これは、既に我が国は、UNEPがこの問題について対処するときに相当の支援をしておりますが、今後もODAなどを通じて支援をし、さらに技術提供をしていくということが重要であると考えております。
 以上でございます。
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笹川博義#9
○笹川委員 ちょっと懸念されるのは、小規模金採掘についてなんですよね。
 恐らくこれは、手っ取り早くと言ったらおかしいですけれども、いわゆる自分の所得につながるわけですね。ですから、我々のように経済的な規模の大きい国、先進地域の方で、それはだめなんだということになったときに、いわゆる途上国の人にとっては、所得を得る機会がなくなってしまう可能性があるわけですね。
 このことについて、我が国としてどういう形で貢献をしなければならないのかということだと思うんですよね。やはりこれは、経済的格差が私は要因にあるのではないかというふうに実はちょっと思っておるんですよ。
 今先生、ODAの活用云々というお話がございましたが、もしその辺のところで踏み込んだ御意見がございましたら、お聞かせいただけますか。
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大塚直#10
○大塚参考人 大変重要な御指摘だと思います。
 この点につきましては、金採掘をするときに現在一番安価な方法が、水銀をアマルガムとして使っていくというのが一番金採掘の安い方法だものですから、どうしてもそちらへ流れるということが中南米等で行われているということでございますので、水銀を輸出しない、あるいは世界で流通されている水銀がASGMに使われないということにすることによって、今おっしゃったように、零細な方々の雇用をただ失わせるということになってはまずいものですから、もう少しコストの高いことにはなりますけれども、別の金採掘の方法を使っていただくとか、あるいは、場合によっては別の職業にかわっていただくとかということを促していくということになると思います。
 中南米の国の主権もありますので、我が国が具体的にそれを何かやるということはなかなか難しいと思いますけれども、先ほど申しました、技術の提供とかODA等の資金の拠出によって対応していただくことを促していくということでございます。少し時間はかかるかもしれませんけれども、徐々にそのような対応をしていくことが非常に重要だと考えております。
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笹川博義#11
○笹川委員 ありがとうございます。
 私も、いずれにしても、ただやめさせるだけじゃなくて、どうしてやらなきゃならなかったということの原因を考えて手を差し伸べることは大事な観点かというふうに思いますので、引き続いて、この視点に立ってのまた御指導も賜れればというふうに思います。
 続いて、藤原先生、最後の方で、いわゆる最終的にこの処理処分をどうしていくのかという課題について御指摘がございました。
 業者としても大変大きな何か十字架を背負っている、そういう社史でもありますし、そういう意味において、大変困難な状況もあろうかというふうに思います。この最終処分、長期保管についての技術的、制度的にも課題はあるというふうに思います。今後の国のかかわりについて、いろいろな御意見があろうかと思いますが、具体的に何か御所見がございましたらお聞かせをいただければというふうに思います。
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藤原悌#12
○藤原参考人 それでは、意見を述べさせていただきたいと思います。
 技術的には、今、環境省さんの委託のもと、弊社としても、いろいろヨーロッパの技術などを参考にしながら試験研究を行っております。ただ、その技術自体が果たして百年、二百年本当に大丈夫なのかというのはまだ確証が得られておりませんので、これについては、いろいろ大学の先生などの意見を聞きながら、協力を得ながら、そのデータをとっているところでございます。
 ただ、技術的なところとは別に、先ほど私がお話ししたように、やはり感情的な部分が非常に問題だと思います。何回も申しますけれども、水俣イコール水銀というようなちょっと違った知識の中で、感情的に処分地の付近住民がそれに疑問符を持たれると、国内での水銀の処分というのはなかなかいかないと思いますので、やはり、そこの住民が安心できるような管理体制、民間だけではなくて、国も積極的に関与した管理体制、これをつくることが、そこの処分先の住民も納得できるのではないかと考えております。
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笹川博義#13
○笹川委員 ありがとうございました。
 いずれにしても、この課題については、業界もそうでありますし、国もそうであるし、互いがパートナーというような形の中で、長期的な管理をしなきゃなりませんので、これはもう、いわゆる次の世代の人にも引き渡さなきゃならないという課題がございますので、ぜひしっかりと取り組みをいただければと思います。
 それからまた、大塚先生にまた御質問なんですが、いわゆる水銀を使用した製品の回収についてなんです。
 逆に私は、国内での水銀というものに、今藤原先生からの御指摘がありましたが、急速に関心が低くなっているといいましょうか、いわゆる製品は、身近なものからどんどんどんどんなくなっているわけですよね、身近な存在じゃなくなってしまったということでありますので、そうなってくると今度は、自治体、国、これの役割というのは実は大きくなるんですよね、回収においても。その点について、ちょっと御意見がございましたら御所見をお聞かせください。
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大塚直#14
○大塚参考人 ありがとうございます。
 身近なところから水銀が減っていくということで、今後、水俣条約を締結いたしますと、ますますそのような傾向が強くなってくると思います。しかし、今まで製品の中に入っていたものにつきましては各家庭に残っているわけでございますし、さらに事業者におかれましては事業所において残っているわけでございますので、そのようなものをいかに回収していくかということが重要な課題になってくると思います。
 それは、水銀添加製品とか水銀使用製品についての、廃水銀添加製品に関しての回収という問題でございまして、産業廃棄物についても一般廃棄物についても、回収の体制を整えていくということが極めて重要であると考えております。
 産業廃棄物については、先ほど申しましたように、水銀添加製品に関しましては水銀含有産業廃棄物として指定することによって対応していくということでございますけれども、水銀一般廃棄物、我々の家庭にございます体温計とか、あるいは血圧計についても水銀が入っているものがございますけれども、これにつきましての回収体制は、現在、全都清等を中心としてルートはありますけれども、さらにこれを充実させていくということが非常に重要であると考えておりまして、それについて、自治体の責務というのは非常に重要でありますし、さらに、国は、それについて技術的な助言等をしていくということが非常に重要であると思います。
 これにつきましては、新法案において責務についての規定がございますので、まずそれにのっとって自治体及び国が役割を十分に果たしていただくということが極めて重要であると考えております。
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笹川博義#15
○笹川委員 それぞれの責務をしっかりと果たしていただけるように、それぞれのお立場の中で、またしっかり御指導いただければと思います。
 時間の方がなくなりましたので、最後にちょっと触れていきたいのは、平成二十六年の十二月二十二日に出された「水銀に関する水俣条約を踏まえた今後の水銀対策について」の第一次答申の中に、実は、我が国の歴史上類例のない公害だというふうに書いてあります。その「1 はじめに」の中の文章ですね。これは、経済成長を優先し、人の健康と環境への配慮を欠いた原因企業と国等の行動に原因がある云々と書かれております。
 実は、この問題で、私は、戦後の中で四大公害病がございますが、これはやはり過去の教訓を忘れた結果だというふうにも指摘ができるのではないかというふうに思います。ですので、事件を絶対に風化させてはならないということが大切であります。
 そういう意味において、私はなぜこの話を申し上げたかというと、明治の時代に足尾鉱毒事件が実はございました。もう御承知のとおりでございます。これは、日清、日露戦争、それから富国強兵という当時の明治政府の政策の犠牲でもありました。死者は千人を超すと言われているし、また、谷中村、今の渡良瀬遊水地ですね、ここはもう強制廃村です。そしてまた、煙害によって廃村になったところが三カ所あります。未曽有の大被害を受けたんです。
 今日までこの足尾鉱毒事件は続いております。三・一一のときに、実は、水をためているところが堤防が崩れて下流に流れたというところであります。昨年も、群馬県は、いわゆる自動採水器、オートサンプラーというものを設置して、今も監視をしております。いまだに続いているんです。
 だけれども、この問題を取り上げて、私たち国会の大先輩であります田中正造翁、このことについての知識が本当にあるんですかといったときには、私は非常に疑問を持っております。
 明治の時代に既に、これだけの未曽有の大きな被害を出す公害事件があった、このことを絶対に私は忘れてはならないというふうに思っておりますが、残念ながら、人間は過ちを繰り返してしまいます。ですが、やはり二度と過ちは繰り返してはならない。だからこそ、私は今回のことは、いずれにしても意義があるというふうに思います。
 お二方から御所見を聞かせていただきたいというふうに思ったんですが、明治の時代にこれだけの大きな犠牲を伴った事件があったということだけは、お立場の中で啓蒙活動にぜひよろしくお願いしたい、そのことをお願い申し上げて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
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北川知克#16
○北川委員長 次に、中島克仁君。
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中島克仁#17
○中島委員 民主党の中島克仁です。
 本日は、参考人質疑ということで、大塚参考人、藤原参考人、お二人の参考人の方々には、お忙しい中をお越しいただきまして、本当にありがとうございます。それぞれのお立場での先ほどのお話も、本当に貴重な御意見でございまして、拝聴させていただきました。
 本日は、水俣条約の担保法の整備に関する審議を当委員会におきましてされておるということで、大塚参考人は、環境保健部会の委員長として、また、大気・騒音振動部会、循環型社会部会、それぞれ委員として、水銀に関する検討会に参加されておられるということでございますし、藤原参考人は、水銀のリサイクル業者の立場から、今回、参考人として出席をしていただいております。それぞれのお立場で、限られた時間ではございますが、広くお尋ねをさせていただきたいと思います。
 まず、水銀のリサイクルについて藤原参考人にお尋ねをさせていただきたいと思うわけですが、藤原参考人が社長を務めておられます野村興産、年間約二万六千トンの水銀含有廃棄物を処理する、国内において最大規模の水銀リサイクル処理を担っておられるということでございます。
 国内において水銀を使用した製品は、家庭用から医療用まで、また医薬品の中にも含まれていることもある、また国外においてはまだ生産、使用されているものも多いとも承知しておりますが、そういう意味でいきますと、国外から日本国内に持ち込まれることも多いのではないかというふうにも思います。
 そこで、水銀製品の回収について、先ほども御質問にございましたし、意見陳述の中にもございましたが、蛍光灯や乾電池など今七割近くが各自治体で自主的に取り組んでいるということですが、分別方法は各自治体それぞれであると。今後、国が統一した回収方法など、しっかり指標を、指針というか定めて示していく必要もあるのかなと私は個人的には思うわけですが、それについてのまず御見解をいただきたいのと、関連して、水銀使用製品の表示のあり方、適正な分別のあり方についても、御提案でも構いませんが、藤原参考人にお尋ねをさせていただきたいと思います。
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藤原悌#18
○藤原参考人 水銀使用製品については、先ほども申し上げましたとおり、何の、どのような製品に水銀が使用されているのか、含んでいるかというのは、一般の方々はよくわかっていらっしゃらない。一般の方々以外にも、自治体の清掃関係の方々もよくわかっていないというのが実情でございます。
 これまでも、環境省様の方で検討なさる中でも、水銀を使用した製品、含有されているおそれがある製品というのもリストアップして、それを各自治体などに情報提供して回収しようとして動いているところでございますが、私、何度も、先ほども申しましたとおり、やはり水銀というものがどういうものであるかというのを使用者がよくわからないと、廃棄途中でも破損してしまう可能性があります。特に蛍光灯なんかでも、よく見ていただけるとわかるんですけれども、有害ごみと回収されているにもかかわらず、実際その集荷場所で破損された状態で置かれているというような状況でございますので、製品のリストアップについてはもちろんそれでよろしいかと思いますけれども、広く国民に対して水銀の正しい知識を啓発運動するというのが一番効果的ではないかと思います。
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中島克仁#19
○中島委員 ありがとうございます。
 まずは、やはり水銀の適切な取り扱いと啓発ということも非常に重要というお話でございましたし、今回の法律案の中に含有量の表示ということも今後検討ということになっておると思います。乾電池においても、ボタン形には水銀が使用されたり、筒形乾電池においてはされているものもあったりされなかったり、蛍光灯やその他の家庭用電化製品においても水銀の使用の有無を消費者にわかりやすくしたり、一方では、消費者の知識というか、そういったものがしっかりと浸透しなければいけないということなんだと思います。
 そして、適正な回収についてですが、これは大塚参考人、藤原参考人、お二人にお尋ねをさせていただきたいと思います。
 水銀を使用した製品については、先ほどもちょっと大塚参考人の方からもお話があったわけですが、回収責任をメーカーに負わせた方が効率的だとも考えられるということも言えるんじゃないかというふうに思います。製造企業の責任による回収についてどのようにお考えになられるのか、お二人の参考人それぞれにお聞きをしたいと思います。
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大塚直#20
○大塚参考人 ありがとうございます。
 特に一般廃棄物に関して、適正回収に関してどのように扱うかということが今御質問いただいたことと関連してくると思います。産業廃棄物につきましては、基本的に排出業者責任ということになっておりますので、メーカーの責任ということには基本的にはちょっとなりにくいと思いますので、一般廃棄物に関してということかと思います。
 おっしゃっていただきましたこととの関係では、実際に台湾では拡大生産者責任に基づいて、この種の廃棄物に関しての適正回収を行うということが仕組みとしてございます。
 我が国において、拡大生産者責任に基づいて、水銀を使用した製品を製造した企業に何らかの費用の支払いをしていただくかどうかということは、審議会でも少し議論したところでございます。
 このような仕組みがつくられれば、それはそれで非常にいい面もあると思いますが、他方で、水銀使用製品は今後どんどん減っていくということがございますので、これからもつくられるということでしたら、その費用の支払いを、今後つくられる製品との関係で、支払っていただくということは非常に現実的にやりやすいということがあるわけですけれども、今後どんどん減っていく、あるいはなくしていくということが考えられますので、拡大生産者責任に基づくメーカーの責任を負っていただくという考え方はあり得ないわけではないと思いますが、非常に困難な面もあるということを申し上げておきたいと思います。
 いずれにいたしましても、一般廃棄物に関しては、自治体を中心として、事業者などの関与も含めながら、さらに国の助言を得ながら仕組みをつくっていくということが非常に重要であると考えているところでございます。
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藤原悌#21
○藤原参考人 水銀使用製品の回収については、先ほどボタン電池や蛍光灯のお話が出ましたけれども、もともとボタン電池については、現在、弊社に来ている乾電池の中に混入されて、全都清ルートで回収されてきている状況でございますし、数年前から、電池の製造メーカーさんが運営している電池工業会の方で独自にボタン電池の回収事業を始めておりまして、それが徐々に成果として出ているところでございます。現在、ボタン電池の回収としては、産廃も含めまして年間大体二十四トンということで、これからどんどんその回収率が伸びていくのではないかと期待しております。
 蛍光灯についても、先ほどの電池と同じように、現在、全都清ルートという形で、全国各地の自治体から排出される蛍光灯については回収されておりますが、これも先ほどの電池工業会と同じように、照明工業会も独自の回収ルート、システムをつくっている最中でございまして、今後、使用済み蛍光灯についても回収率がさらに上がってくるのではないかと期待しております。
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中島克仁#22
○中島委員 大塚参考人からは、やはりその重要性というか、海外においてはそういう事例もあるけれども、なかなか困難な部分ではないかなという御意見もございましたし、事業主、事業の立場からいきますと、今後そういったことも必要になるというようなことなのではないかなと。なかなか難しい部分ですが、リサイクルされる事業主の方に非常に負担がかかりやすい、今後水銀の製品はどんどん少なくなっていくということを鑑みますと、やはりその件についても今後検討が必要なのかなと今承ったように思います。
 私、医者でございまして、医療用ということでありますと、血圧計とか体温計とか、今でも現場には置いてある。デジタル化も非常に多いんですが、災害等のことを考えると、やはりこれからもアナログ型の医療機器というものは一定程度必要になるんじゃないかというふうに思います。
 これは産廃ということになると思うんですが、医療用の水銀使用機器というのは非常に含有量も高いということも言われて、私、そのように認識しておるわけですが、医療従事者でありながらも、水銀の適正な取り扱い等については非常にまだまだ知識が足りないのかなと。
 実は、日本医師会の方からも、水銀、水俣条約がこれから整備されていくという中で、適正な医療機器の処理について国に対する要望書というのも出ております。そういった意味からしますと、今後、各メーカーの方にも、やはりある程度のそういう責任は果たしていった方がいいのかな、さまざまな取り組み方があると思いますが、そのようにも思います。
 時間も過ぎておりますが、お二人の参考人に、廃水銀等の取り扱いについてまたお尋ねをしたいと思うわけです。
 全国の廃水銀製品を今後管理していくに当たって、将来的に、先ほどもお話ございましたが、余剰となる水銀の保管スキーム、この構築は重要な課題であるというふうに思いますし、それには国の関与が必要となってくると考えますが、やはり水銀の保管スキームを今後しっかり構築していくための国の関与の必要性について、お二人の御意見を賜りたいと思います。
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大塚直#23
○大塚参考人 ありがとうございます。
 余剰水銀の保管スキームというのは恐らく水銀廃棄物のことだと思いますが、廃金属水銀等に関しまして、それを最終的に硫化して固型化して安定的なものにしていくというところが非常に重要になってくると考えております。
 これに関しましての処分の基準につきましては、今後検討していくということがございますし、さらに、硫化して安定化させていくということにつきましては、先ほど藤原参考人もお話しになっていただいたところだと思いますけれども、現在、技術的にさらに検討が進められていく必要があるところでございます。
 これも先ほど私が最後に申し上げたことと関係いたしますけれども、廃金属水銀等の処理体制とか長期的なモニタリングにつきましては、基本的には産業廃棄物ということですので、排出業者が適切に管理するということが重要だと考えておりますけれども、非常に長期的な問題ということになると思われますので、国を含めた関係者が適切な役割分担を果たしていくということが極めて重要であるというふうに考えているところでございます。
 アメリカなどでは、この廃金属水銀に関してのガイドラインも既につくっているところでございますので、そのようなものも参考にしながら我が国で対応を進めていくことが重要であると思っております。
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藤原悌#24
○藤原参考人 廃水銀の保管に関しては、今の廃掃法の中で処分するという中で進めておりますが、いろいろな人たちとその件について話し合うことはあるんですけれども、処分となると、やはり地中に埋めるということになるんです。処分場なんかに埋めるという形で進めているんですけれども、やはりそういう中で、百年、二百年それが安定な形で存在しているのかというのはなかなか目に見えなくて不安だというお声がございます。
 先ほど申しましたように、バーゼルのガイドラインの中では、処分場に埋める、処分するということもございますが、日本の国内の気象状況や地理的条件などを考えると、必ずしもそれに固執することなく、何回も申しますけれども、処分先の付近住民が安心できる、まず目に見えて安心できるような体制を整える、何かあった場合にはちゃんと国がバックアップしてくれるというような管理体制を整えることがまず必要ではないかと思っております。
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中島克仁#25
○中島委員 ありがとうございます。
 やはり、今後、水銀使用に関する取り組みが進めば進むほど各国で水銀を使用しなくなる。そうなると、リサイクルもできなくなって必然的に水銀が国内にどんどんたまってくる。水銀は自然界のものですから、なくなることはないということを考えていきますと、先ほど藤原参考人からもございました地中に埋めるという保管方法についても、日本の特徴、水俣の教訓とか、あとは地震が多いとか国内の広さとか、もろもろのことを考えますと、しっかりと国民が安心できる保管方法、これは放射性廃棄物にも同じようなことが言えるのかもしれませんが、しっかりと国が十分なデータに検討を加えながら、国が関与した長期的管理体制の構築がやはり必要になってくるのかなというふうにも思います。
 ちょうど時間になりましたので質問を終わりたいと思いますけれども、きょうは貴重な御意見を賜りまして本当にありがとうございます。今後の審議にしっかりと生かしていきたいと思います。
 ありがとうございました。
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北川知克#26
○北川委員長 次に、小沢鋭仁君。
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小沢鋭仁#27
○小沢(鋭)委員 維新の党の小沢鋭仁でございます。
 私からも、大塚参考人、藤原参考人、きょうはお忙しい中御出席を賜りましたこと、御礼を申し上げたいと思います。
 きょうは水俣条約に対応する法制についての参考人質疑ということでありますが、この水俣条約は、私にとって実は大変思い出深い条約でございます。二〇〇九年から二〇一〇年まで環境大臣をやらせていただきましたが、そのときに、水俣病に対する特措法という法律があって、それの運用がスタートする、さらにはまた、世界的に、こうした条約を結ぼうではないか、こういう動きがあったわけでございます。
 また、水俣病に関しては、先ほどから大塚先生、藤原社長からも感想が出ておりましたけれども、私が学生時代、今からもう四十年も前なんですが、大学のキャンパスの中で、公害原論という、宇井純先生という、正式な講座ではなくて自主講座ということで講座が開かれておりまして、学内だけではなく学外からも多くの人たちが参加をした講座でありました。
 そんな思い出を持ちながら水俣病に対して大臣として仕事ができたというのは私にとっても感慨深いことでありますし、先ほど大塚先生とも雑談で申し上げていたんですが、同じころ、ちょうど同じ構内でそういった講座があり、看板をよく見ましたね、こういうお話を申し上げたところでございます。
 さて、それで、その水俣という名前、日本の都市名が冠された条約ができたわけであります。
 この水俣という名前を冠するかどうかに関しても、当時いろいろな意見がありました。やはりそれは、水俣病というのは、水俣ディジーズはもう世界にある意味では広まっている話でありますから、それを冠するのは大変いいのではないか、こういう意見もあるし、逆に言うと、大変つらい思い出でもあるものですから、そういった名前を冠することがいかがかということもあったし、また、水俣の皆さんからは、そういったつらい思い出をいわゆる世界に向けて出していくというのを、都市のイメージとしていかがなものか、こういう意見もあったのであります。
 そういったことも含めて、両参考人から、この条約の意義、あるいは、特にまた水俣という名前を冠した条約ができたということに関する御所見、御感想がありましたら、お聞かせをいただければありがたいと思います。
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大塚直#28
○大塚参考人 ありがとうございます。
 御指摘いただきましたように、この条約に関して水俣という名前をつけることに関しては、賛成と反対があったということを伺っております。
 これにつきましては、反対される方々のお気持ちも大変よくわかるところでございましたけれども、水俣病のことを我が国が経験したということを忘れずに、国際的に世界全体で水銀に関しての疾病が発生することをなくしていくということを我が国がリーダーシップを持って対応するということは非常に重要であると思いますし、水俣条約という名前がついたということも、その点との関係で極めて意義のあることだと考えております。
 我が国といたしましては、先ほどもちょっと申し上げましたように、条約との関係で最低限の国内法対応をするだけではなくて、スライドの後ろの方にも書いたように、条約を超えた対応をして、世界において水俣病対応のリーダーシップをとっていくということでございまして、このような対応をすることによって、水俣条約という名前を冠していることに恥じない対応を我が国ができるものと考えております。
 以上でございます。
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藤原悌#29
○藤原参考人 水俣条約の担保措置ということでいろいろな法改正などが行われるんですけれども、私は、その点については非常によろしかったのではないかと思います。大防法の規制物質の中で水銀が今までなかったのが不思議ですし、廃掃法なんかもこれを機に改正されて、水銀廃棄物の実態に即した形で修正されるということについては非常に喜ばしいところではないかと思います。
 ただ、水俣条約、水俣という名前を冠したことについては、いろいろな御意見があるかと思いますけれども、個人的にはちょっとどうかなという部分がございまして、もともと水俣条約という名前がつく前には水銀条約という名前で呼んでいましたので、水銀条約が水俣条約になった、水銀イコール水俣というような感覚を持たれる。
 ただ、水俣病については、水銀の中の化合物であるメチル水銀が主な原因でございました。金属水銀、無機水銀、有機水銀、有機水銀の中でもメチル水銀が非常に毒性が強いものなんですけれども、結局、この水俣条約イコール水銀条約、水俣イコール水銀という図式が、体温計とかに使われている水銀も非常に有毒なものだというような間違った知識を植えてしまっている可能性がございます。
 これについては、今後、何回も申しますけれども、官民一体となった水銀に対する正しい知識というものを国民に啓発運動して、こういうところを間違った考えを持たないような形で進めていくのが非常に重要かと思います。
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