本会議

2015-05-19 衆議院 全42発言

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会議録情報#0
平成二十七年五月十九日(火曜日)
    —————————————
 議事日程 第十八号
  平成二十七年五月十九日
    午後一時開議
 第一 裁判員の参加する刑事裁判に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第二 旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第三 独立行政法人大学評価・学位授与機構法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 第四 金融商品取引法の一部を改正する法律案(内閣提出)
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○本日の会議に付した案件
 我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律案及び国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律案を審査するため委員四十五人よりなる我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会を設置するの件(議長発議)
 日程第一 裁判員の参加する刑事裁判に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第二 旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第三 独立行政法人大学評価・学位授与機構法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 日程第四 金融商品取引法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 刑事訴訟法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑
    午後一時二分開議
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大島理森#1
○議長(大島理森君) これより会議を開きます。
     ————◇—————
 特別委員会設置の件
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大島理森#2
○議長(大島理森君) 特別委員会の設置につきお諮りいたします。
 我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律案及び国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律案を審査するため委員四十五人よりなる我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会を設置いたしたいと存じます。これに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
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大島理森#3
○議長(大島理森君) 起立多数。よって、そのとおり決まりました。
 ただいま議決されました特別委員会の委員は追って指名いたします。
     ————◇—————
 日程第一 裁判員の参加する刑事裁判に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
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大島理森#4
○議長(大島理森君) 日程第一、裁判員の参加する刑事裁判に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。法務委員長奥野信亮君。
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 裁判員の参加する刑事裁判に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
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    〔奥野信亮君登壇〕
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奥野信亮#5
○奥野信亮君 ただいま議題となりました法律案につきまして、法務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、裁判員の参加する刑事裁判に関する法律の施行の状況に鑑み、審判に著しい長期間を要する事件等を裁判員制度の対象事件から除外することを可能とする制度を導入するほか、裁判員等選任手続において犯罪被害者の氏名等の情報を保護するための規定等を整備しようとするものであります。
 本案は、去る四月二十日本委員会に付託され、翌二十一日上川法務大臣から提案理由の説明を聴取し、二十二日から質疑に入り、五月十二日及び十三日には参考人から意見を聴取するなど慎重に審査を行いました。
 十五日質疑を終局したところ、本案に対し、自由民主党、民主党・無所属クラブ、維新の党及び公明党の共同提案により、この法律の施行後三年を経過した場合において、新法の施行の状況等について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて、裁判員の参加する裁判の制度が我が国の司法制度の基盤としてより重要な役割を果たすものとなるよう、所要の措置を講ずるものとする規定の追加を内容とする修正案が、また、日本共産党から、長期間の審判を要する事件等の裁判員制度の対象事件からの除外に係る改正規定の削除等を内容とする修正案がそれぞれ提出され、提出者から両修正案について趣旨の説明を聴取した後、日本共産党提出の修正案について、内閣の意見を聴取しました。
 次いで、原案及び両修正案を一括して討論を行い、採決した結果、日本共産党提案に係る修正案は賛成少数をもって否決され、自由民主党、民主党・無所属クラブ、維新の党及び公明党共同提案に係る修正案は全会一致、修正部分を除く原案は賛成多数をもって可決され、本案は修正議決すべきものと決しました。
 なお、本案に対し附帯決議が付されたことを申し添えます。
 以上、御報告申し上げます。拍手
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大島理森#6
○議長(大島理森君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
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大島理森#7
○議長(大島理森君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり修正議決いたしました。
     ————◇—————
 日程第二 旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
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大島理森#8
○議長(大島理森君) 日程第二、旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。国土交通委員長今村雅弘君。
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 旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
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    〔今村雅弘君登壇〕
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今村雅弘#9
○今村雅弘君 ただいま議題となりました法律案につきまして、国土交通委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、九州旅客鉄道株式会社の自主的かつ責任ある経営体制の確立等を図るための措置を講じようとするもので、その主な内容は、
 第一に、九州旅客鉄道株式会社を旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律の適用対象から除外すること、
 第二に、国鉄改革の趣旨を踏まえた事業経営を確保するため、国土交通大臣は、九州旅客鉄道株式会社が事業を営むに際し当分の間配慮すべき事項に関する指針を策定し、これに照らして、必要な場合には、勧告、命令などができること、
 第三に、経営安定基金の全額を取り崩し、事業の運営に必要な費用に充てること
などであります。
 本案は、去る五月七日本委員会に付託され、八日太田国土交通大臣から提案理由の説明を聴取し、十三日質疑に入り、十五日、質疑終了後、討論を行い、採決の結果、賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 なお、本案に対し附帯決議が付されました。
 以上、御報告申し上げます。拍手
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大島理森#10
○議長(大島理森君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
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大島理森#11
○議長(大島理森君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ————◇—————
 日程第三 独立行政法人大学評価・学位授与機構法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
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大島理森#12
○議長(大島理森君) 日程第三、独立行政法人大学評価・学位授与機構法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。文部科学委員長福井照君。
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 独立行政法人大学評価・学位授与機構法の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
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    〔福井照君登壇〕
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福井照#13
○福井照君 ただいま議題となりました法律案につきまして、文部科学委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、平成二十五年十二月に閣議決定されました独立行政法人改革等に関する基本的な方針を踏まえまして、独立行政法人大学評価・学位授与機構に独立行政法人国立大学財務・経営センターを統合して、大学等の教育研究活動面と経営面の改革の支援を一体的に実施する独立行政法人とし、その名称を独立行政法人大学改革支援・学位授与機構とするものであります。
 本案は、参議院先議に係るもので、去る十二日本委員会に付託され、翌十三日下村文部科学大臣から提案理由の説明を聴取し、十五日質疑を行いました。
 質疑終局後、維新の党より修正案が提出され、趣旨の説明を聴取しました。
 次いで、討論、採決の結果、維新の党提出の修正案は賛成少数をもって否決され、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 以上、御報告申し上げます。拍手
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大島理森#14
○議長(大島理森君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
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大島理森#15
○議長(大島理森君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ————◇—————
 日程第四 金融商品取引法の一部を改正する法律案(内閣提出)
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大島理森#16
○議長(大島理森君) 日程第四、金融商品取引法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。財務金融委員長古川禎久君。
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 金融商品取引法の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    —————————————
    〔古川禎久君登壇〕
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古川禎久#17
○古川禎久君 ただいま議題となりました法律案につきまして、財務金融委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、適格機関投資家等特例業務、いわゆるプロ向けファンドに関する特例制度をめぐる昨今の状況を踏まえ、成長資金の円滑な供給を確保しつつ、投資者の保護を図るため、適格機関投資家等特例業務を行う者について、一定の欠格事由を定め、契約の概要及びリスクを説明するための書面の契約締結前の交付の義務づけ等を行うとともに、業務改善命令、業務停止命令等の監督上の処分を導入する等の措置を講ずるものであります。
 本案は、去る五月十一日当委員会に付託され、十二日麻生国務大臣から提案理由の説明を聴取し、十五日、質疑を行い、質疑を終局いたしました。次いで、採決いたしましたところ、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 なお、本案に対し附帯決議が付されましたことを申し添えます。
 以上、御報告申し上げます。拍手
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大島理森#18
○議長(大島理森君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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大島理森#19
○議長(大島理森君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
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 刑事訴訟法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明
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大島理森#20
○議長(大島理森君) この際、内閣提出、刑事訴訟法等の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。法務大臣上川陽子君。
    〔国務大臣上川陽子君登壇〕
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上川陽子#21
○国務大臣(上川陽子君) 刑事訴訟法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
 刑事手続については、近時、捜査、公判が取り調べ及び供述調書に過度に依存している状況にあるとの指摘がなされています。このような状況を改めて、刑事手続を時代に即したより機能的なものとし、国民からの信頼を確保するため、証拠収集手続の適正をより一層担保するとともに、取り調べ以外の証拠収集方法を整備するほか、犯罪被害者を含む刑事手続に関与する国民の負担の軽減や被告人の防御活動への配慮等を通じ、公判審理をより充実したものとすることが喫緊の課題となっています。
 また、国民が安全で安心して暮らせる国であることを実感できる、世界一安全な国日本をつくるという観点からも、その基盤となる刑事手続の機能の強化が求められています。
 そこで、この法律案は、刑事手続における証拠の収集方法の適正化及び多様化並びに公判審理の充実化を図るため、刑事訴訟法、犯罪捜査のための通信傍受に関する法律、刑法その他の法律を改正し、所要の法整備を行おうとするものであります。
 この法律案の要点を申し上げます。
 第一は、取り調べの録音、録画制度の創設であります。
 すなわち、裁判員制度対象事件及びいわゆる検察官独自捜査事件について、逮捕、勾留中に行われた被疑者取り調べまたはいわゆる弁解録取手続の際に作成された供述調書等の任意性が公判において争われたときは、検察官は、原則としてその被疑者取り調べ等を録音、録画した記録媒体の証拠調べを請求しなければならないこととした上で、検察官、検察事務官または司法警察職員が、逮捕または勾留されている被疑者の取り調べ等を行うときは、一定の例外事由に該当する場合を除き、その全過程を録音、録画しておかなければならないこととするものであります。
 第二は、証拠収集等への協力及び訴追に関する合意制度の創設であります。
 すなわち、一定の財政経済犯罪及び薬物銃器犯罪を対象として、検察官と被疑者、被告人とが、弁護人の同意がある場合に、被疑者、被告人が他人の刑事事件について証拠収集等への協力をし、かつ、検察官がそれを考慮して特定の求刑等をすることを内容とする合意をすることができることとするものであります。
 第三は、犯罪捜査のための通信傍受の対象事件の拡大及び暗号技術を用いる新たな傍受の実施方法の導入であります。
 すなわち、現行法上薬物銃器犯罪等に限定されている対象犯罪に、殺人、略取誘拐、詐欺、窃盗等の罪を追加するとともに、暗号技術を活用することにより、傍受の実施の適正を確保しつつ、通信事業者等の立ち会い、封印を伴うことなく、捜査機関の施設において傍受を実施することができることとするなどの措置を講じるものであります。
 第四は、被疑者国選弁護制度の対象事件の拡大であります。
 すなわち、現行法上、同制度の対象となるのは、死刑または無期もしくは長期三年を超える懲役、禁錮に当たる罪について勾留状が発せられている被疑者であるところ、これを拡大して、勾留状が発せられている全ての被疑者とするものであります。
 第五は、証拠開示制度の拡充であります。
 すなわち、公判前整理手続または期日間整理手続において、検察官請求証拠の開示後、被告人または弁護人から請求があったときは、検察官は、その保管する証拠の一覧表を被告人または弁護人に交付しなければならないとする手続の導入等の措置を講じるものであります。
 第六は、証人等の氏名等の情報を保護するための制度の創設であります。
 すなわち、証人等の氏名等の開示について、証人等の身体または財産に対する加害行為等のおそれがあるときは、防御に実質的な不利益を生じるおそれがある場合を除き、検察官が、弁護人に当該氏名等を開示した上で、これを被告人に知らせてはならない旨の条件を付することができ、特に必要があるときは、弁護人にも開示せず、代替的な呼称等を知らせることができるとする制度等を創設するものであります。
 このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。
 以上が、この法律案の趣旨であります。拍手
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 刑事訴訟法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
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大島理森#22
○議長(大島理森君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。盛山正仁君。
    〔盛山正仁君登壇〕
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盛山正仁#23
○盛山正仁君 自由民主党の盛山正仁です。
 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりました刑事訴訟法等の一部を改正する法律案について質問いたします。拍手
 我が国の刑事司法制度は、真相の解明を重視するとされるドイツ法の影響を強く受けた旧刑事訴訟法が大正時代に制定され、以後、数十年間の運用がなされました。
 戦後の昭和二十三年になって、適正手続を重視するとされるアメリカ法の考え方を取り込んだ現行の刑事訴訟法が制定されましたが、その運用においては、事案の真相解明を望む事件関係者や一般国民の熱意を背景として、精密かつ詳細に事実を解明することが強く意識されてきました。
 そのため、犯罪の捜査においては、事案の真相を最も知り得る立場にある被疑者の取り調べに力が注がれ、また、取り調べの結果として作成された詳細な供述調書は、公判での事実認定において極めて重要な証拠とされてきました。その結果、我が国の刑事司法は、諸外国に比べ、捜査、公判における取り調べ及び供述調書の比重が非常に高いことがその特徴として指摘されています。
 従来、諸外国と比べて我が国は治安のよい国であると考えられてきました。そこには、現行の刑事司法制度とその運用が一定の寄与をしてきたと考えています。しかし、近時、犯罪情勢やこれを取り巻く社会情勢は大きく変化しています。これに対応するためには、刑事司法制度のあり方もより機能的なものへと変えていかなければなりません。
 その際、まず考慮すべき事項は、刑事司法の目的は何かということであります。私は、適正手続の保障を全うしつつ、事案の真相を明らかにし、適切な処罰を実現すること、これが刑事司法の目的であり、まさに国民が刑事司法に求めていることであると考えています。
 そこで、法務大臣にお尋ねします。
 本法律案は、刑事司法の目的をどのように捉えて立案されたのでしょうか。
 さて、現行の刑事訴訟法が制定されて以降、刑事司法制度の改正は比較的小規模なものにとどまっていました。しかし、約十年前の司法制度改革による裁判員制度等の導入、あるいは種々の具体的事件等を契機として、現在の刑事司法のあり方についての問題点が指摘されるようになってきました。
 本法律案の趣旨は、現在の捜査、公判が取り調べ及び供述調書に過度に依存していることに根源的な問題があるとの認識のもと、そのような状況から脱却し、時代に即した刑事司法制度を構築することであるとされています。
 そこで、法務大臣にお尋ねします。
 現在の捜査、公判が取り調べ及び供述調書に過度に依存しているとされる状況の問題点、つまり、そのような状況から脱却しなければならない理由、そして、そのような状況から脱却するために本法律案が必要とされる理由について明確にしていただくことが重要であると考えます。
 ところで、刑事司法手続は、犯罪事実の解明を行う警察、検察等の捜査機関、これに対する被疑者、被告人及び弁護人、さらには被害者や証人として関与し得る国民などのそれぞれの権利や利害が対立することは必然であると考えられます。そのため、刑事司法の分野は、制度を策定するに当たって、その権利利益の調整を図ることが非常に困難な分野となっています。
 本法律案の具体的制度については、取り調べの録音、録画制度の創設、証拠収集等への協力及び訴追に関する合意制度の創設、通信傍受の対象事件の拡大などが一般に注目されていますが、それらのみならず、被疑者国選弁護の対象事件の拡大、証拠開示制度の拡充など、被疑者、被告人の権利利益の保護に資するもの、さらには、被害者や証人となった国民の権利利益の保護に資するものなども一体として含まれており、全体として非常にバランスのとれた法律案となっております。
 これら諸制度のうち、一部のみをピックアップして法整備を行うべきとの御意見もあるようです。しかし、私は、本法律案に掲げる諸制度について、これらを一体として法整備を行うことによって、取り調べ及び供述調書に過度に依存している状況を改善し、適正かつ機能的な刑事司法を構築できるという立案の趣旨に賛同しております。
 一体として法整備を行うことこそ、刑事司法に携わる実務家や専門家のみならず、多くの一般の国民からも支持され得るものと私は考えておりますが、この点について、法務大臣の所見をお尋ねします。
 次に、近時の我が国の犯罪情勢に目を向けますと、少子高齢化の進展、世帯規模の縮小、地域とのかかわりの希薄化といった社会構造の変化等により、犯罪抑止等に一定の機能を果たしてきたとされる社会システムの維持が困難となっている状況の中で、国民は、さまざまな犯罪の脅威に直面しています。
 とりわけ、暴力、威力や詐欺的な手法により経済的利益を追求する組織的な犯罪は、健全な経済社会活動をゆがめるとともに、市民の平穏な生活を脅かしています。
 例えば、振り込め詐欺を初めとする特殊詐欺は、平成二十六年の一日当たりの被害額が約一億五千万円に上っています。また、犯罪による子供、女性、高齢者の被害は特に深刻なものとなっています。
 国民が安全で安心して暮らせる社会を実現することは、国家としての最重要課題の一つです。政府が策定した「世界一安全な日本」創造戦略においては、国民が安全で安心して暮らせる国であることを実感できる世界一安全な国日本をつくり上げることを目指すとされています。
 本法律案は、近時の犯罪情勢に対応して、安全、安心な暮らしを実現し得るものとなっているのか、法務大臣にお尋ねします。
 最後の質問です。
 刑事司法は、いわば国民生活の基盤であり、その機能が十全なものとなるよう遅滞なく整備を進め、必要に応じて新たな制度や措置を取り入れていかなければなりません。今回の本法律案は時宜にかなったものであり、また内容においても、時代に即した刑事司法制度の構築を目指すものとなっていると考えております。
 今回の法改正がもたらす刑事司法の将来像、つまり、本法改正の効果について法務大臣がどのように考えているかをお尋ねして、私の質問を終わらせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。拍手
    〔国務大臣上川陽子君登壇〕
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上川陽子#24
○国務大臣(上川陽子君) 盛山正仁議員にお答えを申し上げます。
 まず、刑事司法の目的についてお尋ねがありました。
 刑事司法の目的は、現行の刑事訴訟法第一条に規定されているところであり、端的に申せば、議員御指摘のとおり、適正手続の保障を全うしつつ、事案の真相を明らかにし、適切な処罰を実現することであります。
 これは、本法律案においても全く変わるものではなく、この目的をより一層達成していくために、本法律案を提出したものであります。
 次に、捜査、公判が取り調べ及び供述調書に過度に依存している状態から脱却すべき理由と、そのために本法律案が必要とされる理由についてお尋ねがありました。
 現在の刑事司法は、捜査における事案の解明に当たり、取り調べを過度に重視し、公判立証に当たっても、取り調べを通じて作成した詳細な供述調書を過度に重視する状況にあると指摘されています。
 このような状況は、取り調べによる事案の解明を追求する余り、取り調べにおける手続の適正確保が不十分となる事態を招きかねません。また、公判立証において、供述調書の信用性に関する検討が不十分となり、公判での事実認定を誤らせるおそれがあると考えられます。
 そこで、このような状況を早急に改め、より適正で機能的な刑事司法を実現する必要があります。
 そのためには、捜査における取り調べの比重を下げるため、適正を担保しつつ証拠の収集手段を多様化すること、つまり、証拠収集手段の適正化、多様化と、公判において、より適切な証拠により、当事者間で攻撃防御を尽くして、裁判所による適正な事実認定がなされるようにすること、つまり、公判審理の充実化を図ることが求められます。
 本法律案に掲げる諸制度は、いずれもそのために必要とされるものであります。
 次に、本法律案に掲げる諸制度を一体として整備することが国民から支持され得るかとのお尋ねがありました。
 本法律案は、捜査手続に関するものから公判手続に関するものまでの内容を含んでおり、犯罪事実の解明及び適正な処罰の観点、被疑者、被告人の権利利益の保護の観点、そして被害者、証人となる国民の権利利益の保護の観点、そのいずれにも配慮した、バランスのとれたものとなっています。
 また、本法律案は、法制審議会における議論の結果を踏まえたものであり、同審議会においては、刑事法の実務家や刑事法関係の研究者のみならず、犯罪被害者、無罪判決を受けた方、経済界、労働界、マスコミ関係の方など、多様な立場の方々により審議が行われ、本法律案に掲げる諸制度について、一体として法整備を行うべきことが全会一致により取りまとめられたものであります。
 このことからも、本法律案は、多くの国民から支持され得る内容となっているものと考えています。
 次に、本法律案が安全、安心な暮らしを実現し得るものとなっているかについてお尋ねがありました。
 本法律案には、解明が困難とされる組織的な犯罪等に対処できるよう、一定の捜査手法を整備することが含まれています。
 そして、本法律案の趣旨は、それら捜査手法のみならず、他の諸制度をも含めて一体として法整備を行うことにより、より適正で機能的な刑事司法を実現し、その目的を十分に達成できるようにしようとするものであって、まさに安全、安心な暮らしを実現し得るものと考えています。
 最後に、本法改正がもたらす効果についてお尋ねがありました。
 本法改正により、捜査、公判における取り調べや供述調書の比重が相対的に低くなり、より適切な証拠によって、より適正に事実認定がなされる方向に進んでいくこととなります。
 もとより、そのためには、刑事司法に関係する者に、本法改正の趣旨を踏まえた適正な運用を着実に行っていくことが求められますし、運用状況を踏まえつつ、さらに改善を行っていく必要もあろうかと思いますが、本法改正によって、犯罪情勢や社会情勢の変化に対応しつつ、国民から信頼される、より適正で機能的な刑事司法を構築していくために、大きな一歩が踏み出せるものと確信しています。拍手
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大島理森#25
○議長(大島理森君) 黒岩宇洋君。
    〔黒岩宇洋君登壇〕
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黒岩宇洋#26
○黒岩宇洋君 民主党の黒岩宇洋でございます。
 私は、民主党・無所属クラブを代表いたしまして、刑事訴訟法等の一部を改正する法律案について質問させていただきます。拍手
 今から四年半前の二〇一〇年九月二十一日が何の日か、御記憶の方はいらっしゃるでしょうか。法務省及び検察は、この日を決して忘れることはできないのです。
 この日は、いわゆる郵便不正事件の村木厚子被告の控訴を検察が断念した日、すなわち村木さんの無罪が確定した日であり、同時に、その日の全国紙朝刊一面トップに、郵便不正事件において大阪地検特捜部の検事が証拠のフロッピーディスクを改ざんしたという前代未聞の大事件が報道された日だったのです。
 そして、その日のうちに大阪地検特捜部の検事は最高検によって逮捕されるという、これも前代未聞の対応がとられた日でもあるのです。そして、たまさか私が法務大臣政務官に就任した日でもありました。
 この年の年末に、当時の検事総長が辞職をされました。在任わずか六カ月での余りにも潔いみずからの進退の決断は、検察よ、生き返れ、検察よ、もう一度よみがえれという思いと、私は深い感慨を持って受けとめた次第です。
 事件後直ちに、法務大臣のもと、外部有識者で組織する検察の在り方検討会議を立ち上げ、翌年三月には報告書をまとめました。この事件、この会議の報告書を契機に、四年がたち、今般提出されたのが、刑事訴訟法等一部改正案でございます。
 当時の担当政務官として、検察の在り方検討会議全てに出席し、また民主党政権時の法務省政務三役で唯一本院に在籍している者として、あの日からの経緯を踏まえながら質問をさせていただきます。
 今改正案は九つの柱から成り立っていますが、余りにも複雑多岐な膨大な制度、内容が積み込まれています。いかに法制審の答申を受けてといえど、制度ごとに分けて提出すれば、制度ごとの賛否が明確になりますし、論点をさらに絞り込めますから、一括審議ではなく、制度ごとに審議すべきと考えますが、法務大臣の御見解を伺います。
 また、一括審議するならば、相当なる時間と慎重な審議が必要と考えますし、法務大臣としても、当然国会に対しその旨を望んでいらっしゃると思いますが、いかがでしょうか。
 刑事司法の根源的な課題は、一人も無辜の者を有罪にしてはいけないという冤罪防止の要請と、真犯人は逃してはならないという真相解明機能の維持向上という要請と、ともすれば二律背反する原則を両立させなければいけないという点にあります。
 証拠改ざん事件発生後、まずは冤罪防止策を講じようというのが当時の法務省の考え方でしたし、国民からの要請でもありました。しかし、その後、可視化によって真相解明機能が低下するのではという懸念も示され、通信傍受の拡大、司法取引やおとり捜査などの新たな捜査手法の必要性も議論され始めました。冤罪防止機能と真相解明機能のバランスを保ついわゆる見合い論です。
 しかし、今回の改正案の要綱には、その見合い論に関する記述も、新たな捜査手法の導入という文言も一切明記されておりません。見合い論なら見合い論として率直な内容を国民に提示し、我が国に司法取引が新たに導入されたり通信傍受の拡大が盛り込まれる旨を国民に説明すれば、今法案がさらに国民の関心、注目を浴び、全国民的な合意を形成しながら議論できるはずであると考えますが、法務大臣の御見解をお伺いいたします。
 私は、検察が平成二十三年四月の法務大臣指示によって可視化の試行を始め、ここまで取り組み、そして、今法案において警察も含め制度化しようとしていることについては相当程度の評価をしております。
 そこで、お聞きしますが、この四年間の可視化実施、試行についての法務大臣としての評価はいかがなものでしょうか。
 法務省に問うたところ、経験を積んだことによって可視化自体になれ、問題はないとの見解でした。大臣も、去る三月二十日、法務委員会での大臣所信に対する質疑で、試行の結果、可視化は全体としては有用性が極めて高い、すなわち、事実認定の立証についても積極的に評価している旨を答弁されていらっしゃいました。
 このことは、当然、真相解明機能が全体として低下しなかったと理解してよろしいのですね。法務大臣、伺います。
 だとすれば、附則九条、三年後の見直し条項に、取り調べの録音、録画等に伴って捜査上の支障そのほかの弊害が生じ得る場合があること等を踏まえと、既に真相解明機能の低下が織り込み済みなのはなぜでしょうか。真相解明機能の低下があったのならば、その低下を示す根拠、何らかのデータはあるのでしょうか。ないのなら、附則九条に、生じ得る場合があることを踏まえと明記することはできないのではないでしょうか。
 真相解明機能の低下がないとすれば、本来の見合い論では新たな捜査手法の導入は必要ないということになりますし、逆に、解明機能が低下したとすれば、今までの取り調べに問題があったということになり、それについても徹底検証の必要性が生じます。法務大臣の御見解をお伺いいたします。
 次に、改正案の各柱、各論について質問いたします。
 まず、一本目の柱、取り調べの録音、録画の導入についてですが、可視化の例外事由として四点挙げられています。そのうち、二号の、被疑者の言動により、記録をしたならば被疑者が十分な供述をすることができないと認めるときとは、また、四号の、被疑者もしくはその親族の身体、財産への加害行為または畏怖、困惑行為がなされるおそれがあるときとの畏怖、困惑とはどのような具体的、客観的基準で判断するのでしょうか。両号ともに、恣意的な運用によって可視化の例外とされない担保はあるのでしょうか。法務大臣、国家公安委員長の御見解を伺います。
 次に、二本目の柱、合意制度等の導入について質問いたします。
 この合意制度という名称は余りにも国民にわかりづらいのではないのでしょうか。この制度は、ある事件の被疑者、被告人が別件の他人の犯罪事実を明らかにすることによって検察官が不起訴や減軽等をする旨の合意ができるというものですが、これは米国で言えば明らかに、司法取引の一類型、捜査、公判別件協力型と呼ばれるものです。合意制度では、法律の専門家以外の方にはほとんど意味がわからないはずです。
 国民が制度を明確にイメージできるためにも、法案要綱では日本版司法取引との名称を使うべきではないでしょうか。法務大臣の御見解を伺います。
 また、合意においては弁護人の同意が条件であるから虚偽の供述は抑制されるとの説明ですが、被疑者、被告人は弁護人のクライアントであります。弁護人もクライアントの利益を望むでしょう。
 また、虚偽供述に対する処罰規定があったとしても、自己の利益のために虚偽の供述を行い他人に不利益を生じさせる、いわゆる引き込みの危険性があるのではないでしょうか。
 司法取引のもう一つの類型、自己の罪状について供述することによって自己の減軽等と取引をする自己負罪型司法取引ではなく、他人に不利益を生じさせかねない捜査、公判別件協力型から導入したことも合点がいきません。
 米国では、引き込みによる冤罪または可罰の事例がありますが、我が国での司法取引制度導入によって新たな冤罪を生む可能性が高まるとしたら、冤罪続出法案とも呼ばれかねず、大きな問題です。法務大臣の御見解を伺います。
 次に、刑事免責制度について質問いたします。
 この名称も国民には大変わかりづらいと感じます。免責とありますから、何か責任を免れてメリットがあるかのような響きです。しかし、この制度は、公判における証人は、刑訴法百四十六条によって、本来自己に不利益な事項については証言を拒否できるのに、裁判所の決定で不利益証言に対する刑事的免責を与える条件のもと、自己に不利益な事項を含め証言を義務づけするという制度であります。制度名を不利益証言義務づけ制度とした方が国民にわかりやすいと考えますが、法務大臣の御見解を伺います。
 憲法三十八条には、「何人も、自己に不利益な供述を強要されない。」とあります。この不利益は刑事的な不利益を指すとの判例が下されていますが、証人は本来、刑事的に限定されていようと、自己に不利益な証言を拒否する権利があるわけです。しかし、その権利が裁判所による決定という権力作用で剥奪され、いかに刑事免責されるといえども、自己の犯罪などを証言すればそれが社会に公表されるわけですから、明らかに社会的には自己に不利益となるわけです。
 証人にとっては人権侵害の危険すら大きいと考えますが、法務大臣の御見解をお伺いいたします。
 次に、三本目の柱である、通信傍受の合理化、効率化についてお聞きいたします。
 現行の薬物犯罪や銃器犯罪など四類型の対象犯罪から、さらに新たに二十二もの対象犯罪が加えられました。一定の組織による犯罪という要件の網が新たにかけられましたけれども、対象犯罪は、殺人のほかに傷害や窃盗など、認知件数が相当見込まれる犯罪までもが含まれています。にもかかわらず、通信傍受の拡大という文言が一切要綱には記されていないのが不思議です。
 この対象犯罪の大幅な拡大でどれほど通信傍受の実施件数が増加すると予測されるのでしょうか。国家公安委員長にお伺いいたします。
 また、大幅な増加によって国民のプライバシー権侵害の増大の危険性についてはいかがお考えでしょうか。法務大臣の御見解を伺います。
 本改正案の九本の柱のうち、結局、代表質問においては三本の柱までしか聞くことができませんでした。余りにも改正内容が複雑多岐で膨大過ぎる証左であります。
 最後に、あくまでも真に国民のための刑事司法制度の確立、あくまでも真に国民のための刑事訴訟法等の改正を議論すべく、徹底した慎重審議を強く強く要請申し上げまして、私の代表質問を終わります。
 ありがとうございました。拍手
    〔国務大臣上川陽子君登壇〕
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上川陽子#27
○国務大臣(上川陽子君) 黒岩宇洋議員にお答え申し上げます。
 まず、本法律案に掲げる諸制度を一括審議することの適否及び審議のあり方についてお尋ねがありました。
 現在の刑事司法は、捜査における事案の解明に当たり、取り調べを過度に重視し、公判立証に当たっても、取り調べを通じて作成した詳細な供述調書を過度に重視する状況にあると指摘されています。本法律案は、このような状況を改めるため、証拠収集手段の適正化と公判審理の充実化を図るものであります。
 本法律案に掲げる諸制度は、それぞれがこの目的のために必要なものであり、それら全てが一体として刑事司法制度に取り入れられることによってこそ、取り調べ及び供述調書に過度に依存した状況が改められ、より適正で機能的な刑事司法制度を構築することができると考えています。
 したがって、本法律案に掲げる諸制度につきましては、一括して御審議いただく必要があり、充実した御審議の上で、本法律案をできる限り早期に成立させていただきたいと考えております。
 次に、本法律案といわゆる見合い論との関係についてお尋ねがありました。
 本法律案における合意制度の導入や通信傍受法の改正は、取り調べの録音、録画制度の導入によって取り調べの機能が損なわれることを前提に、その損なわれた機能を補うための見合いとして行うというものではありません。
 本法律案の趣旨は、さきに申したとおり、現在の捜査、公判の取り調べ及び供述調書に過度に依存している状況を改めるため、証拠収集手段の適正化、多様化と公判審理の充実化を図ることにあります。
 合意制度の導入や通信傍受法の改正は証拠収集手続の適正化、多様化を図るものであり、これらが他の諸制度と一体として刑事司法制度に取り入れられることによってこそ、取り調べ及び供述調書に過度に依存した状況が改められると考えているところです。
 もとより、刑事司法制度のあり方は国民生活の基盤であり、本法律案については、国民の皆様に十分に御理解いただけるよう、国会審議を通じて丁寧な御説明を行っていくことが重要であると考えています。
 次に、取り調べの録音、録画の試行による取り調べの機能への影響についてお尋ねがありました。
 これまでの検察における取り調べの録音、録画の試行の検証結果によりますと、取り調べの録音、録画には、被疑者の供述の任意性等の的確な立証判断に資する、取り調べの適正な実施に資するなどの有用性が認められる一方で、取り調べの録音、録画によって被疑者が十分な供述をしづらくなり、取り調べや捜査の機能に支障が生じる場合があるなどの問題点もあるものと考えております。
 本法律案における録音、録画制度は、このような有用性を生かしつつ、取り調べの機能等に支障が生じないようにバランスをとるという考え方に立って立案したところでございます。
 次に、取り調べの録音、録画が取り調べの機能に影響するという根拠、及びこれまでの取り調べに問題はなかったのかについてお尋ねがありました。
 まず、取り調べの録音、録画が取り調べの機能に与える影響については、平成二十四年七月に公表された、検察における取り調べの録音、録画の検証結果においても、例えば、録音、録画をされると、取り調べにおける発言が逐一記録され、後の公判で自己に不利益な証拠として用いられるおそれがあるとして、被疑者が録音、録画を拒否した事例や、録音、録画をしていない取り調べでは、犯行に関連する女性との交友関係について供述していた被疑者が、録音、録画のもとでは、その点を繰り返し質問されても供述を拒み、録音、録画のもとでは全てを正直に話せないと申し立てた事例などが報告されています。
 このような事例により、取り調べの録音、録画が被疑者の心理に与える影響等によって、被疑者が十分な供述をしづらくなる場合があることは実証的に確認されているものと考えております。
 また、取り調べの録音、録画の影響により被疑者が十分な供述をしづらくなる場合があるからといって、これまでの取り調べに一般的に問題があったことにはならないことから、御指摘のような検証を行う必要はないものと考えております。
 次に、取り調べの録音、録画義務の例外事由の判断のあり方及び適正な運用の担保についてお尋ねがありました。
 まず、本法律案の刑事訴訟法第三百一条の二第四項第二号については、例外事由を判断する事情を、被疑者が記録を拒んだことその他の被疑者の言動に限定しており、あくまでも、外部にあらわれた被疑者の言動によって、記録をしたならば被疑者が十分な供述をすることができないかどうかが判断されることになります。
 また、本法律案の刑事訴訟法第三百一条の二第四項第四号については、犯罪の性質、関係者の言動、被疑者がその構成員である団体の性格その他の事情によって、畏怖、困惑行為がなされるおそれがあるかどうかを判断することになります。
 そして、畏怖、困惑行為の内容は、そのおそれがあるがゆえに、記録をしたならば被疑者が十分な供述をすることができないこととなる程度のものに限られることになると考えております。
 例外事由の運用において、捜査機関が例外事由に当たると判断して録音、録画をしなかった場合に、公判で例外事由の存否が問題となったときは、裁判所による審査の対象となり、捜査機関側の責任で例外事由を立証する必要があります。
 そのため、捜査機関としては、例外事由を十分に立証できる見込みがない限り、例外事由に当たると判断して録音、録画をしないことはできないと考えられ、例外事由が恣意的に運用される余地はないものと考えております。
 次に、いわゆる合意制度の名称についてお尋ねがありました。
 この制度は、一定の財政経済犯罪と薬物銃器犯罪について、検察官と被疑者、被告人とが、弁護人の同意のもとで、被疑者、被告人が、共犯者等の他人の刑事事件の解明に資する供述をしたり、証拠物を提出するなどの協力行為をし、検察官が、被疑者、被告人の事件において、その協力行為を被疑者、被告人に有利に考慮して、一定の軽い求刑をしたり不起訴処分にするなどの取り扱いをすることを内容とする合意をすることができるとするものであります。すなわち、その骨格は、被疑者、被告人による証拠収集等への協力と、検察官による訴追とに関して合意をするという点にあります。
 そこで、本法律案においては、この制度について規定する章の名称を証拠収集等への協力及び訴追に関する合意とし、これを法律案の要綱でも使用しているものであり、制度の内容を端的にあらわし、国民が明確なイメージを持てるものになっていると考えています。
 次に、いわゆる合意制度に関し、無関係の第三者を巻き込むことにより、冤罪を生じる危険があるのではないかとのお尋ねがありました。
 お尋ねの点については、そのようなことが生じないように、制度上、次のような手当てをしているところであります。
 すなわち、合意の成立に至る過程には弁護人が必ず関与することとしています。また、合意に基づく供述が他人の公判で証拠として用いられるときは、合意内容が裁判所において必ずオープンにされ、その供述の信用性が厳しく吟味されることとなります。そのため、検察官としても、十分な裏づけ証拠があるなど、裁判でも十分に信用される場合でない限り、合意に基づく供述を証拠として使うことはできないと考えられます。さらに、合意をした者が捜査機関に対して虚偽の供述等をした場合には処罰の対象となります。
 したがって、合意制度は、虚偽の供述により第三者を巻き込むおそれに適切に対処できるものになっていると考えています。
 次に、いわゆる刑事免責制度の名称についてお尋ねがありました。
 この制度は、裁判所の決定により、証言及びこれに基づいて得られた証拠が証人自身の刑事事件において不利益な証拠とされないという免責を付与することによって、証人の自己負罪拒否特権の対象とならないようにする制度であります。
 本法律案においては、この制度についての名称を規定してはいませんが、証人の刑事事件に関して免責を付与することが制度の根幹であるので、法律案の要綱において刑事免責制度という名称を用いているものであり、制度の内容を端的にあらわしていると考えています。
 次に、いわゆる刑事免責制度について、証人に社会的な不利益をこうむらせるのではないかとのお尋ねがありました。
 憲法第三十八条第一項が保障する自己負罪拒否特権の対象は、証人が刑事上の責任を問われるおそれのある事項とされており、一般的に、証人は、証言により社会的な不利益をこうむるおそれがあったとしても、当該証言により刑事上の責任を問われるおそれがない限り、自己負罪拒否特権に基づいて証言を拒絶することができません。
 そのため、刑事免責制度により証言を義務づけられた際に、証言により社会的な不利益をこうむるおそれがあったとしても、当該証人を現行制度における一般の証人より不利益な立場に置くものではなく、刑事免責制度は、証人の人権を侵害するような制度ではないと考えています。
 最後に、通信傍受の対象犯罪の拡大により、国民のプライバシー侵害が増大するのではないかとのお尋ねがありました。
 本法律案における通信傍受法の改正による対象犯罪の拡大は、通信傍受の運用状況や現時点における犯罪情勢、捜査の実情等を踏まえ、現に一般国民にとって重大な脅威となり、社会問題化している犯罪であって、通信傍受の対象とすることが必要不可欠なものを対象犯罪に追加するものであります。
 そして、新たに追加する対象犯罪には、現行通信傍受法の厳格な要件に加えて、組織的な犯罪に適切に対処するという通信傍受法の趣旨を全うするため、一定の組織性の要件を設け、それをも満たす場合でなければ傍受令状が発付されないこととしております。
 実際にも、これらの厳格な要件を満たす事案は組織的な犯罪に限られることとなることから、一般の国民のプライバシーが不当に制約されるといった懸念はないものと考えております。拍手
    〔国務大臣山谷えり子君登壇〕
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山谷えり子#28
○国務大臣(山谷えり子君) 黒岩宇洋議員より、取り調べの録音、録画制度の例外規定の運用についてお尋ねがありました。
 録音、録画制度については、取り調べで供述が得られなくなり、事案の真相解明に支障が生じることがないようにするとの観点も重要であり、原則、全過程の録音、録画を義務づけるとしても、一定の範囲で例外を設けることは必要であると認識しております。
 例外事由の判断のあり方については、法務大臣からお答えがあったとおりでありますが、例外に当たるとして録音、録画をしなかった場合には、その判断は、後に裁判において争われ得ること、その場合には、捜査機関側の責任で例外事由の該当性を立証する必要があることなどから、捜査段階において例外規定が恣意的に運用されることはないと考えております。
 次に、法改正後の通信傍受件数の予測についてお尋ねがありました。
 今回の改正法案においては、通信傍受の対象犯罪として、一定の組織性を有することを要件として加重した上で、振り込め詐欺や組織窃盗、暴力団等の犯罪組織による殺傷事犯等、社会問題化している犯罪を新たに追加することとしております。
 この対象犯罪の拡大等により、通信傍受の実施件数は一定程度増加することが予測されますが、どの程度増加することになるかについては、当該罪名に係る事件がどの程度発生し、そのうち組織的に行われる事案がどの程度あるか、通信傍受の要件を満たすことの疎明が可能な程度に捜査が進展する事案がどの程度あるか、通信傍受の実施に必要な体制をどの程度とることができるかなどのさまざまな事情に左右されることから、現時点で具体的にお答えすることは困難と考えております。拍手
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大島理森#29
○議長(大島理森君) 井出庸生君。
    〔井出庸生君登壇〕
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