農林水産委員会

2015-08-25 参議院 全160発言

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会議録情報#0
平成二十七年八月二十五日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 八月二十一日
    辞任         補欠選任
     野田 国義君     郡司  彰君
 八月二十四日
    辞任         補欠選任
     豊田 俊郎君     堀内 恒夫君
     山下 雄平君     柘植 芳文君
     小川 勝也君     野田 国義君
     平木 大作君     横山 信一君
 八月二十五日
    辞任         補欠選任
     柘植 芳文君     高野光二郎君
     堀内 恒夫君     阿達 雅志君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         山田 俊男君
    理 事
                野村 哲郎君
                山田 修路君
                徳永 エリ君
                紙  智子君
    委 員
                阿達 雅志君
                金子原二郎君
                小泉 昭男君
                古賀友一郎君
                高野光二郎君
                柘植 芳文君
                中泉 松司君
                堀内 恒夫君
                舞立 昇治君
                郡司  彰君
                野田 国義君
                柳澤 光美君
                柳田  稔君
                山口那津男君
                横山 信一君
                儀間 光男君
                山田 太郎君
   国務大臣
       農林水産大臣   林  芳正君
   副大臣
       農林水産副大臣  小泉 昭男君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       中川 郁子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        稲熊 利和君
   政府参考人
       農林水産省消費
       ・安全局長    小風  茂君
       農林水産省食料
       産業局長     櫻庭 英悦君
       農林水産省生産
       局長       今城 健晴君
       農林水産省経営
       局長       奥原 正明君
   参考人
       株式会社はなや
       か代表取締役
       全国女性農業委
       員ネットワーク
       会長       伊藤 惠子君
       青山学院大学名
       誉教授      関  英昭君
       大妻女子大学社
       会情報学部教授  田代 洋一君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○農業協同組合法等の一部を改正する等の法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○政府参考人の出席要求に関する件
    ─────────────
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山田俊男#1
○委員長(山田俊男君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、平木大作君、小川勝也君、豊田俊郎君及び山下雄平君が委員を辞任され、その補欠として横山信一君、郡司彰君、堀内恒夫君及び柘植芳文君が選任されました。
    ─────────────
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山田俊男#2
○委員長(山田俊男君) 農業協同組合法等の一部を改正する等の法律案を議題といたします。
 本日は、参考人として株式会社はなやか代表取締役・全国女性農業委員ネットワーク会長伊藤惠子君、青山学院大学名誉教授関英昭君及び大妻女子大学社会情報学部教授田代洋一君に御出席いただいております。
 この際、参考人の皆さんに一言御礼を申し上げます。
 大変それぞれお忙しい中、本委員会に御出席いただきまして、大変ありがとうございます。
 ただいま議題となっております法律案について、それぞれのお立場から忌憚のない御意見を賜りたいと存じますので、どうぞよろしくお願いします。
 本日の議事の進め方について御説明いたします。
 まず、伊藤参考人、関参考人、田代参考人の順でお一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、各委員の質疑にお答え願いたいと存じます。
 なお、御発言の際は、その都度、委員長の許可を得ることになっております。
 また、参考人の皆様の御発言は着席のままで結構でございますが、質疑者は、慣例によりまして、起立の上発言することとしておりますので、どうぞ気にしないでよろしくお願いいたします。
 それでは、伊藤参考人からお願いいたします。伊藤参考人。
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伊藤惠子#3
○参考人(伊藤惠子君) 御紹介いただきました宮城県の美里町農業委員の伊藤惠子でございます。
 本日は、こうした機会を与えていただきまして、ありがとうございます。
 私は、平成十一年、男女共同参画社会基本法が制定されました年に農業委員に就任し、現在五期目であります。また、宮城県農業会議の常任会議員を務めております。平成二十六年からは全国女性農業委員ネットワークの会長も務めさせていただいております。平成十八年に夫婦共同申請による認定農業者となり、平成二十二年には株式会社はなやかを設立し、農業法人として認定農業者になっております。
 現在は、役員が五名、社員など十四名で水稲約二十二ヘクタール、野菜二十アールに加え、総菜、菓子、漬物などの加工と販売、農家レストランの経営などを行って、女性の就労の場の確保と六次産業化による収入の拡大を目指して頑張っております。宮城県では、農家レストランなどのアグリビジネス経営体の年間販売目標額を一億円に設定しておりますが、平成二十五年度に到達しております。
 私の所属する全国女性農業委員ネットワークは、現在、四十組織で構成されておりまして、平成二十三年、全国の女性農業委員の自主的組織として設立し、女性農業委員の資質向上、とりわけ女性が一人も登用されていない農業委員会の解消、一農業委員会当たり複数の女性の選出に取り組んでまいりました。その結果、現在、全国で約二千六百人、全体の七・二%の女性農業委員が誕生し、女性ならではの視点を生かした農業委員会活動を推進しています。
 安倍内閣において全ての女性が輝く社会づくりが掲げられていることは大変心強く、女性農業委員一人一人がそれぞれの地域で女性ならではの感性と生活者の視点を生かし、更なる活動を展開をしてまいりたいと思っております。
 本日は、現場で働く女性農業委員の立場から、改正農業委員会法案について五点、意見を述べさせていただきたいと思っております。
 まず一点目は、農業委員会法の改正に伴う女性登用の促進についてです。
 改正法案では、第八条第七項で、市町村長は、委員の任命に当たっては、年齢、性別に著しい偏りがないよう配慮しなければならないとしてあります。現在、全国に女性農業委員は約二千六百名おりますが、平成の大合併に伴う農業委員数の大幅な減少を受け、女性農業委員も、十七年の約二千名から、十八年には千七百名に減少してしまいました。宮城県でも二十四名に減少しました。その後、関係者の懸命の努力により、現在は、過去最高の二千六百名、宮城県でも八十三名に増加しております。農業会議所と一緒になり、市町村や議会などに出向き、直接要請文を手渡し話をし、その結果であります。それと、女性農業者の懇談会を開きながら、社会参画の意識付けもしてまいりました。
 しかしながら、この女性農業委員約二千六百名のうち約八割が、今回の改正で廃止される議会などから推薦された選任委員です。また、この度の改正で農業委員を半分程度にすると言われており、女性農業委員の数は大幅に減少するのではないかと非常に危惧しております。第八条第五項及び第六項関係で、認定農業者が過半数を占めなければならないとありますが、女性は自らが経営者であるか、家族経営協定を結び共同申請をしなければ認定農業者にはなれません。
 地域の今後の在り方や振興を考えるとき、女性の声や役割は極めて大きいものがあります。男女共同参画を推進する上でも、今回の改正の性別、年齢に偏りがないようにだけでは、女性農業委員の確保は難しいのではないでしょうか。女性農業委員が減少することのないようにしなければなりません。そのためにも、農業委員定数のうち女性の推薦、募集枠を設定するなど、積極的な登用のための具体的な仕組みを検討すべきであると考えます。
 二点目は、農業者の代表性の確保です。
 農業委員は、優良農地の確保に加え、農地の利用集積を進めながら、担い手を確保し育てることが大きな任務です。農地は、財産であるだけでなく、先祖伝来、営々と継承してきた地域における貴重な資源であり、かけがえのない財産でもあります。そうした農地を適正に管理し、より良い地域農業を確立するためには、農業委員は農業者から顔が見える、信頼と信用が不可欠であります。
 農業委員の公選制は廃止されますが、公選制と同様、農業者からの信任を得た代表性を確保することが農業委員の業務を推進する上で大変重要であると考えております。市町村長による恣意的な選任となっては現場活動に支障が出るおそれがあります。そうならないためには、正当性を持つ、私の地域で言うところの農家組合員や集落営農組織など、地域や関係団体からの推薦を基本とした運用が必要でないかと考えます。
 三点目は、農業委員と農地利用最適化推進委員の業務についてです。
 推進委員は、受持ちの区域において、農地利用の最適化の業務を行うこととなりますが、農業委員会全体の機能を十分に発揮するためにも、農業委員も、許認可業務に限らず、推進委員と一体となって農地利用の最適化について総力を挙げて取り組むべきであると考えます。重要なことは、農業委員と推進委員ががっちりと連携し、一体となって現場に足を運び、力を最大限に発揮することです。互いの役割を明確にし補完し合う協調、協力体制をつくることが大切であると考えます。
 また、改正法案の中では、推進委員は農地中間管理機構との連携に努めなければならないと規定されていますが、農業委員会と関係なく個別に連携すると農地利用調整の現場が混乱するおそれがあります。農業委員会と農地中間管理機構との連携の下での推進委員の取組を明確にする必要があると考えております。
 さらに、推進委員の設置に伴い、農業委員を半分程度に減らすと言われておりますが、両者合わせた総数が現状より減員すれば農業委員会の業務自体に支障が出ますし、総数が現状維持のままでは活動の強化は困難になります。両者を合わせた十分な定数確保と財源の措置が必要と考えます。美里町でも、現在の一人当たりの農業委員が担当する面積が二百七十ヘクタールから三百ヘクタールぐらいになっており、農業委員が半数程度に減らされた場合、いかに推進委員がいようとも大変であると考えております。
 四点目は、新制度への円滑な移行についてです。
 今回の改正法案は、農業委員会が農地利用の最適化の業務により一層の取組を強化するためのものとのことです。新制度への円滑な移行のためには、法案成立後、政省令や通知、施行までの準備や手続などを早急に明らかにするとともに、現場に対し早急にかつ丁寧に説明し、法改正の目的をしっかりと浸透させる必要があると考えます。また、本法案の施行日は平成二十八年四月一日となっており、法律案附則の農業委員会に関する経過措置により平成二十八年三月三十一日まで任期を延長する必要がある農業委員会は、現時点で全国に百九十あります。これらの市町村では、新たな政令基準に基づく農業委員定数について検討を行い、条例を改正する必要があります。条例改正は市町村議会で御協議いただきますが、既に八月末を迎えており、日程的に非常に厳しく、該当する市町村では不安感を募らせております。
 先ほどお願いいたしました女性の積極的な登用のための仕組みの検討も含め、新制度への移行に伴う現場の課題は山積みしています。新制度への円滑な移行のためにも、政府として万全の支援とフォローアップを行う必要があると思います。
 最後に、法改正後も確実に女性の登用が進むよう、国として御支援をお願いいたします。国が目標としている二〇二〇年度までの女性の社会参画三割になるよう、お願いいたします。
 農村現場における男女共同参画の推進に当たっては、農業者自らの意識改革はもちろん、家族や地域への理解を促す取組が重要です。私たち女性農業委員も積極的に働きかけを行ってまいります。このような活動を充実させるためにも、女性農業委員組織の事務局を担う農業委員会ネットワーク機構が行う女性の登用対策への支援の充実をお願いいたします。
 法改正により、都道府県農業会議、全国農業会議所は、農業委員会ネットワーク機構として都道府県知事や農水大臣が指定する法人となりますが、経済活動を行わない組織であり、女性の農業委員への登用促進、農地利用最適化、担い手の育成のためには十分な予算の確保が必要であります。
 最後に、農業委員は農業、農村の現場を支える重要な役割を担っています。その農業委員がこれまで以上に自信と誇り、やる気、情熱を持って業務を行うことが今後の地域農業の振興につながっていくと考えております。
 私たちは地域社会、地域農業を発展させ、農地や農業を次世代にしっかりとバトンタッチしていきたいと考えております。今回の改正案が農業、農村現場が将来に希望の持てるものとなるよう、しっかりと御議論をいただきますことを願っております。
 本日はありがとうございました。
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山田俊男#4
○委員長(山田俊男君) 大変ありがとうございました。
 次に、関参考人にお願いいたします。関参考人。
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関英昭#5
○参考人(関英昭君) おはようございます。青山学院を定年退職しました関でございます。座って意見を述べさせていただきます。
 お配りした資料を御覧ください。私の意見については三段落からできております。ローマ数字のⅠ、Ⅱ、Ⅲになります。
 ローマ数字のⅠは、団体法における協同組合の位置付け、総論になります。ローマ数字のⅡは、今回の農協法改正の問題点と意見ということで、気になった点だけをそこに記しました。ローマ数字のⅢは、それを受けて簡単ですがまとめです。
 ローマ数字のⅠから御説明いたします。
 団体法における協同組合の位置付けですが、憲法二十一条は結社の自由を認めております。この結社の自由はいろいろ意見ございますが、私は研究をしている者として、特にドイツ法を研究している者として、次の三冊を中心に勉強しています。一冊は、皆さん御存じのギールケのドイツ団体法論です。それから二番目は、イェーリングの権利のための闘争です。三番目が、今日ここで中心としてお話ししたいと思っていますテンニースのゲマインシャフトとゲゼルシャフトです。
 ギールケは極めて重要なことを話しています。団体法論の出だしは、人の人たるゆえんは、人と人の結び付きにあると言っています。つまり、人間は一人では生きられない。結社を、あるいは結び付きを持たなければ生きられない。結び付きを持つということの中に、特にその後だんだん法人論と関わってくると思います。結び付くことで個人の能力は格段に拡大します。
 イェーリングは、権利のための闘争の書き出しで、法の目的は平和であると言っています。それに至る手段は闘争である。いろんな含みがありますので、それだけにしておきます。
 三番目のテンニースですが、もうこの本については御存じの方が多いと思いますけれども、このテンニースのゲマインシャフトとゲゼルシャフトにつきましては、今日お配りしてある概念一覧表と比較しながら御覧いただきたいと思います。要約してお話しします。
 これは極めて重要な概念分析表です。
 ①、テンニースは、社会の動き、これを団体と言ってもいいんですが、をゲマインシャフトとゲゼルシャフトに二分し、それを人間の意思と関連させて分析します。この人間の意思と関連させるという点が極めて重要です。
 ②、ゲマインシャフトは、生まれながらにして持っている意思、これを先天的あるいは遺伝的意思と言ってもいいと思いますが、と結び付いた団体です。この意思のことを本質意思と呼んでいます。場合によっては、この本質意思は次の選択意思と比較して、選択できない意思と言い換えた方が分かりやすいと思います。例えば家族がそうです。あるいは村落共同体、地域共同体がそれに当たります。
 ③、ゲゼルシャフトは、他方、一定の目的を持った行動に向けられた意思と結び付いた団体のことです。この意思を選択意思と呼びます。例えば、典型的には株式会社がこれに当たります。地方自治体やあるいは国家等がそうだと言われています。この選択意思については、言葉は選択意思と単純ですが、極めて重要な内容を持っていますので、時間があればそれを御説明いたします。
 ④、特に重要となるのは、今申し上げたように、団体形成における選択意思です。そこでは人間の思惟が重要な意味を持っています。つまり、自分で考え、自分で意思決定し、自分の意思で行動する、自分の意思で団体をつくるという、あるいは参加するという意味を持ちます。
 テンニースは、社会の変化を当初ゲマインシャフトからゲゼルシャフトへ発展すると考えていました。しかし、一九一二年のその改訂版で、ゲマインシャフト的経済原理がゲゼルシャフト的生活原理に適合するような形で、ゲノッセンシャフト、協同組合が登場してきたと補遺で書いております。一九二二年版の改訂版ではさらに、ゲマインシャフトの精神がゲゼルシャフトの身体、肉体と合体したとまで書いています。このことから、協同組合はゲマインシャフト的性格とゲゼルシャフト的性格の両方を有する人的結合体であると理解することができます。
 これは三つの意味を持っています。第一に、協同組合は株式会社のように利己心や打算といった合理性、効率性をも持っています。しかし、第二に、協同組合は家族や共同体のように親切、良心、誠実、正直といった人間的価値を持っています。第三に、協同組合は、それゆえに株式会社や他の団体と同様、選択意思に基づいて形成された人的結合体である。すなわち一定の目的を持った人の結合体であると言うことができます。
 こういう前提で概念一覧表を少し御覧ください。ゲマインシャフトは左側、ゲゼルシャフトは右側にあります。その下に本質意思と選択意思とあります。その選択意思の下をずうっと見ていきますと、利己心、虚栄心、打算、所有欲、貨幣欲、貨殖欲、支配欲、名誉欲とあります。パンドラの箱ではありませんが、現代の世の中に渦巻いている欲がこれです、ゲゼルシャフトです。しかし、ゲゼルシャフト全てがいい悪いということではありません。経済の発展には極めて重要な団体組織です。
 ゲマインシャフトを御覧ください。これに関して、皆さんの家庭を意識しながら、イメージしながら、その本質意思の下をずうっと見ていきますと、気分、正直、実直、気立て、親切、良心、誠実です。
 このゲマインシャフトの左側に、これらは三つのゲマインシャフトに分類しています。血のゲマインシャフト、血族です。大事なのは、我が国で大事なのは次です。場所のゲマインシャフトです。地域です。三番目に、精神のゲマインシャフトはあります。これがゲマインシャフトです。
 そこで、レジュメにお戻りください。ローマ数字のⅡ、今回の農協法改正、これが何を意味するかということをローマ数字のⅠの総論で申し上げたことを前提にお聞きください。第一にこの農協法改正の諸点は、私は法律の分類の仕方に従い総論と各論に分けました。
 (1)の総論は、①、目的規定についてです。
 改正案の七条は営利目的規定を削除しましたが、この理由は一体何でしょうか。私が考えることをそこに書きました。結局、生協法や森林組合法等で、組合員に最大の奉仕をすることを目的とし、営利を目的としてその事業を行ってはならないという従来の農協法の条文とどう整合性を持つのでしょうか。従来の農協法はそのような規定を持っていましたが、それを削除するということは生協法等とどういう整合性を持つかということです。
 二番目、これが今回の改正でかなり重要な点を持っていると思います。協同組合というのは営利目的団体かということです。
 この点については、農業協同組合員だけでなく協同組合陣営でかなり混乱している部分があります。協同組合は営利団体や非営利団体や、どちらかということで議論が錯綜しています。そこで、法律上の営利目的概念を少し説明させていただきます。それが総論になります。
 法律上の営利目的の定義は、会社が上げた利益を株主に分配することを主たる目的とすること、このように理解されています。この定義は、会社は収益を上げることという部分と、獲得した収益を構成員たる株主に分配することという、この二つから成り立っています。株式会社の場合はそれが主たる目的です。会社がもうけるだけでは営利とは言いません。株主に分配することが主たる目的なんです。
 最近の大企業、グローバル企業の傾向は特にこの傾向が著しくなっていますが、以前の我が国の株式会社の営利概念は、どちらかというと、この株主に分配することが主たる目的というのが少し薄かったと思います。むしろ、会社の収益の分配は労働者にも分配することを意識していました。最近は、労働者に分配するよりも株主。株主というよりも今は投資家と言っていいです。株主は投資家になってしまいました。本来の社団的な意味の株主ではなくて、どちらかといえば、先ほどのテンニースの言葉に従うと、利己心、所有欲、貨幣欲、貨殖欲に基づいた投資家あるいは投機家が主たる株主となっています。社団法理からいうと、ちょっと残念な状態です。
 それが②で一番言いたいことですが、そうすると、二番目のアスタリスク、改正法が営利目的規定を削除したのは一体どこに真意があるんでしょうか。協同組合はゲマインシャフトとゲゼルシャフトの両方の精神を持っている。これが協同組合の最大の特色です。つまり、正直、あるいは親切、思いやりというようなゲマインシャフトの精神と利益追求という精神を持っている団体は、協同組合だけです。それゆえに、協同組合の本質論の分析は難しいんです。
 各論に入ります。
 各論は、さらに、組織法の一つの分類である定款、組合員、資本、機関というふうに通常分けますが、ここでは組合員、それから機関、それと組織変更の三点についてだけ簡単に申し上げます。
 組合員の利用につき、改正案の十条の二は、「組合は、前条の事業を行うに当たつては、組合員に対しその利用を強制してはならない。」と規定しますが、この規定の意味、特に利用を強制してはならないとは何を意味するのか、私には分かりません。
 なぜなら、協同組合は世界の基本ルールであるICA原則に基づいて行動しています。国際協同組合の約束事がこの原則ですが、協同組合は組合員による自発的な組織であり、組合員が管理する民主的な組織であると規定します。とすれば、組合が組合員に強制するということはあってはならないことで、連合会が会員農協に事業利用を強制するケースを仮に想定しているとすれば、それは協同組合自身が改善すべき事柄です。
 機関のところでは、理事の資格についてやはり私なりに疑問を持っています。先ほど伊藤参考人も若干述べておられましたが、女性の委員あるいは年齢構成というようなこの改正案では提案をされていますが、私はこのような機関構成に対する法の強制というのはいかがなものかと思っています。例えば、会社法で取締役の資格を制約していますか。ありません。むしろ、取締役は株主であってはならないと言っています。能力ある人は会社を経営しなさいという前提です。
 ちょっと飛びます。
 四番目の、四ページになります、各論の三です。組織変更について簡単にお話しします。
 今回、改正案は、株式会社への組織変更、②、一般社団法人への組織変更、③、生協への組織変更、五ページに入って、医療法人への組織変更を規定しています。これがなぜ法による組織変更の規定なのか、私にはちょっと分かりません。それとは異なり、⑤の農協の新設分割の規定が新しく入りました。これは評価できると思います。ただし、会社法と比較しますと、新設分割だけでなく、場合によっては合併を含んだ吸収分割もあってもいいと私は思っています。
 急ぎ足ですが、まとめます。
 ローマ数字のⅢです。(1)、農協法改正案の目的が、農協陣営から批判されるように、JA全中や農協組織の解体、ちょっと極端かもしれませんが、解体にあるとすれば、それはこれまで維持されてきた農協法の精神と相入れないと思います。日本の総合農協は、世界の協同組合制度の中でも極めて有効な形態として評価されてきました。とりわけ、アジア諸国では、日本の農協制度を手本にしようという動きがあります。通常の農協の組合事業のほか、信用、共済、医療、福祉、介護等の事業活動が地域社会に果たしている役割と責任は極めて重要です。最近では、再生可能エネルギーへの分野が期待されています。
 (2)、戦前の産業組合法の時代を経て、戦後、協同組合陣営全体は重要な社会的資本としてそれなりに定着してきました。日本の協同組合が果たしてきた特筆すべき社会的役割として、私は次のように思っています。
 協同組合は、社会におけるセーフティーネット機能を果たしてきました。特に、ヨーロッパ、アメリカではNPOやあるいはそれなりの団体が、チャリティー等がセーフティーネットの機能を果たしていますが、我が国では、残念ながら、法人法定主義の関係で、一般法人を設立することは不可能でした。そこで、協同組合陣営が極めて重要な福祉、慈善事業に及ぶようなセーフティーネット機能を果たしてきたと思っております。
 私は、ドイツにいた関係で、ドイツの教会は極めてそのような役割を果たしていることを付記しておきます。
 (3)、国は、協同組合組織が重要な社会的資本であることを認識し、協同組合の自由な活動を促進、推進できるように協同組合憲章を策定し、イタリアや韓国に見られるような社会的協同組合や協同組合基本法を制定することを希望してやみません。
 最後に、ラインホールド・ニーバーの祈りの言葉というのがあります。私が帰属していた大学はプロテスタント系の大学ですが、そこに、変えることのできないものを受け入れる冷静さ、変えることができるものを変える勇気、変えることのできないものと変えることのできるものを見分ける知恵、これが一番重要です。変えてはいけないものは変えてはいけないということです。これを見分ける、区別する知恵が必要です。
 どうもありがとうございました。
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山田俊男#6
○委員長(山田俊男君) 大変ありがとうございました。
 次に、田代参考人にお願いいたします。田代参考人。
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田代洋一#7
○参考人(田代洋一君) 田代です。よろしくお願いします。
 お手元にレジュメがございますので、ほとんどそのとおりに読み上げていきますので、よろしくお願いします。
 まず、今度の農協法等改正の本質ということでございますけれども、これはもう既に皆さん十分御案内のとおりですけれども、私は、何か日本が独自に、いわんやこの参議院が独自に作ったものじゃなくて、あくまでもやっぱりアメリカ発アベノミクス経由の農協法等改正であって、メード・イン・ジャパンではないなということでございます。
 御承知のように、在日米国商工会議所、ACCJが、まず第一番目に、JAグループの金融事業を金融庁監督下にある金融機関と同等の規制に置くべしと、要するに農水省から金融庁に移すべしということを言っているわけですね。これはもう、言葉を換えれば、要するに農協監査ではなくて公認会計士監査に移せということだと思うんですね。
 二、もし平等な競争環境が確立されなければ、要するに、金融庁監督、公認会計士監査に移されるまでの期間については次の規制を見直すべしとして挙げていることが、員外利用が認められている、これをやめろと、准組合員制度、これをやめろと、三つ目に独禁法の適用除外、これもやめろと、こういうことをアメリカが日本に指示しているわけですね。
 既に、今回のこの農協法改正が通れば、金融庁監督には移らないけれども公認会計士監査に移すという形で実現をしちゃうと。更にプラスして、プレゼントでもって准組合員制度も五年後には規制をするよという、こういうことを約束しております。
 ということから考えますと、この法律の本質は、何か農業所得の増大だとかそういうことを文言上は書いておりますけれども、中身はアメリカ金融資本への従属だなというふうに私は考えております。
 二番目に、農業所得の増大に最大限に配慮しろということが七条二項に書かれています。私は、結論的に、この条項は不適切であると思っています。
 といいますのは、第一項で組合員及び会員のために最大の奉仕をするのが農協だというふうに書いてあるんですけれども、まさに組合員及び会員のために最大の奉仕をするということと農業所得の増大に最大限に配慮することとは矛盾します。農業所得の増大というのは農業者のためだけのものでありますけれども、組合員の中にはこれは准組合員も含まれるわけですから、こういう規定を置くことは正組合員だけを優遇するものである、そういう意味では適当ではないというふうに考えております。
 それから、農業所得の増大という言葉が独り歩きしております。しかし、共益組織、あくまでも組合員の組織としての農協は、何も農業所得の増大一般に責任を持つ必要は全くない、持つべきは組合員の農業所得に配慮すべきである、こういうことだと思うんですね。したがって、農業所得の増大にというような言葉はやめて、組合員の農業所得の増大、あるいは組合員の所得、あるいは組合員の福利、こういう点に私は改めるべきだというふうに思っております。
 特に強調したいのは、じゃ、日本の農業所得全体に誰が責任を持つのかと。もちろん農協も責任を持ちますけれども、日本の農業所得全体に責任を持つのは、政府、あんたじゃないですかということを申し上げたいですね。ところが、その政府は、TPPをやるだとか、あるいは生産調整政策を廃止するだとか、米の戸別所得補償をやめるだとか、ことごとく農業所得を減少させる方向に行きながら、やっぱり農業所得を減少させておいて農業所得増大の責任を農協に転嫁する、こういう法律じゃないかなというふうに思うんですね。
 皆様方十分御案内のように、既に先進国農政は、もう農業所得はなかなか農業者の努力だけでは確保できないということでもって国が直接所得支払政策で確保するという、こういう方向に動いております。先進国でも農産物価格で確保できるのはもう物財費の部分しかありません。所得の部分は政府が保障する。こういう中でやっぱり日本の農政だけが逆行しているということでございます。
 三点目、ここは私は法律としては全く駄目だと思うんですけれども、七条三項では収益という言葉を使って、今、関先生がおっしゃった収益という言葉を使っているんですね。ところが、五十二条一項の剰余金という言葉はそのまま残すということをやっております。特に国会、この間の八月二十日のこのやっぱり参議院のところでもって、奥原参考人は、答弁で、非営利規定、今先生がおっしゃった非営利規定は、イコール、五十二条一項の出資配当の上限規定と同じなんだという、こういう発言をしているんですね。しかも、彼は、出資配当を目的として仕事をしてはいけないという、これだけの意味でございますということを非常に強調しています。それは決して、だけど、そうではございません。非営利とは何かといいますと、それは、組合員への最大限の奉仕ということが非営利だということだということだと思うんですね。出資配当制限はそういう組合員への最大の奉仕の一環でしかありません。言ってみれば、非営利規定が農協の本質規定である。これを削除しちゃうのは、関先生と同様に、私は決定的な間違いだというふうに思っております。
 さらに、七条三項は、高い収益性を実現し、収益を投資又は事業分量配当に充てるということを書いております。しかし、事業分量配当だけに充てると書きながら、五十二条一項の剰余金の配当規定は残すんですね。要するに、出資配当は行って、その出資配当の制限は残すということでございます。
 議員の皆様方に一番強調したいのは、この同じ法律の中に、収益という言葉が一方で使われながら、片一方で剰余という言葉も使われております。しかし、収益と剰余という概念は、これは同じ法律の中に書けるものではない、全く違う概念でございます。どういうことかというと、高い収益性を実現するということは、組合員への奉仕も削ってなるべくコストとして削減して期末にどれだけ利益が上がるかという、言ってみれば、やっぱり収益というのは目的になってきます。ところが、剰余というものは、そういうものじゃありません。期中に最大限に組合員に奉仕をして、その結果として剰余が、余ったね、これを配分しようよというのが剰余であるわけですね。協同組合には剰余という概念はあったとしても収益という概念はこれはございません。そういう意味で、収益という言葉と剰余という言葉を同じ法律の中に併存させるなんということをよく内閣法制局は通したなというのが私の感じでございまして、第七条三項は、これはやっぱり削除するしかないということでございます。
 それから、もうちょっと具体的に言いますと、出資配当制限をしていると言いますけれども、現実にやっぱり全中の資料なんかでも、出資金の八割は正組合員なんですよ。准組合員はたった二割なんですね。したがって、出資配当制限をすると、かえって法律が考えている正組合員の利益を損なっちゃうということになってくるという、この点もやっぱりお考えいただく必要があると思うんですね。
 四点目に、理事等の構成への過剰介入である三十条十二項。これはもう関先生もおっしゃいました。協同組合は、ICAの第四原則で、自主と自立の民間組織でございます。そういう民間組織の役員構成に農業所得増大という特定の国の政策目的、この政策目的でそういうやっぱり自治と自立であるべき組織に法的に介入するというのは、これは今まさに安倍内閣がやりたい規制緩和というものに対して全く反する過剰規制であるというふうに考えるんですね。しかも、農協というのは地域密着業態であります。組合員と農協の企業体を結ぶのは、地域代表としての理事であります。その理事の大半が企業の出身者になりかねない、こういうことになってくると、農協の地域代表性、理事の地域代表性が阻害されてしまいます。これは私は、法律による営業妨害だというふうに考えております。
 次のページに移りまして、監査費用の負担、信用事業の支店化の、これ支店化と書いてあるのは、これ代理店にちょっと訂正をしてください。代理店化の手数料が不明であるということであります。
 今、残念ながら、この農協法改正等を通じて農協にも動揺が広がっております。非常にやっぱり状況が厳しくなってくる中で、更なる広域合併あるいは一県一農協化ということも各地で検討されております。しかし、いたずらに合併するよりは、そしていたずらに合併して地域離れするよりは、それだったならば、信用事業を中金の代理店化、こちらを選択する道もこれから出てくるだろうというふうに思うんですね。どっちを選択するか、広域合併を取るか、それとも中金の代理店になるかというときにポイントになってくるのは、会計監査の費用でございます。あるいは、代理店になったときの手数料が問題になってきます。
 ところが、国会でこの点が全然はっきりしていないんですね。会計監査費用については、附則の五十条三項で「実質的な負担が増加することがないこと。」というのは書いています。皆さん方、何で国会でもっと追及しないのかと思うんです。私も昔、役人をやっておりましたけれども、実質的ななんという言葉を入れたときは、もう役所は手を握って、それでしかるべきことはもう考えているはずなんです。しかし、その実質的なの中身は全然分かっておりません。
 事務局からこの厚い、今日これ茅ケ崎からずっと持ってきたんですけれども、この厚い法案を逐一読ませていただきますと、この法案の中で実質的な負担軽減に相当するのは、農水産業協同組合貯金保険法の一部改正であります。この中で、「納付された保険料の一部を返還することができる。」、五十条三項の規定があるんですね。恐らく政府は、この農水産業協同組合貯金保険法の一部改正をこの農協法等改正の中に滑り込ませておいて、この銭を使って会計監査の費用の実質的な負担を減らすということを考えているのかなとも思うんですね。是非、国会議員の先生方には、一体実質的な負担を軽減するとは何なんですかということはもっと厳しく追及してほしいと思うんですね。
 ところが、この協同組合貯金保険法は、これはもうペイオフ対策なんですね。これのやっぱり保険料を軽減した場合に、じゃ今度はペイオフ対策がきちっとできるのか、こういう点ももっと追及をしていただきたいというふうに思っております。要するに、もう少し具体的な点に踏み込んでいただきたいということでございます。
 それから、この代理店の手数料、これは法案マターではございませんけれども、やっぱり単協にとっては切実な問題であります。この点も、中金が一体何を考えているのか明確にしていただけると有り難いなというふうに思っております。
 それから、六、准組合員の利用調査、五年間やるということを書いてございます。法案は、准組合員事業の、ちょっとゴチで書いていますが、規制の在り方について五年間調査、検討すると書いてあるんですね。規制の在り方ですよ。これはもう規制をするということが前提となっております。これはやっぱり私は錯覚があるんじゃないかと思うんですけれども、農協は共益組織でございますから、員外利用規制を受ける、これはある意味じゃそういうことはあり得るということであります。ところが、准組合員は、これは員外ではありません。あくまでも組合員の一人です。ですから、そういう組合員について幾ら調査してみても組合員の利用規制をする論理はどこからも出てこないと、立案者は員外利用と准組利用とを混同しているんじゃないのかなというのが私の考えであります。
 一番けしからぬのは、国会答弁で奥原参考人はいつも、調査の中身はこれから検討すると言っているんですね。冗談じゃないよと。我々が学生に対して、おまえら、自己改革をしろということを言いながら、そういう課題を与えながら、じゃ、どういう形を取ったら自己改革したということになるんですかという、まあ言ってみれば、課題の具体的な、これこれをせいということの課題を与えずに解答だけをやらせる、これは学生たちは後出しじゃんけんというふうに言っていますけれども、農協が何をやっても、後から、おまえけしからぬということでもって切っちゃうという、これはやっぱり全くけしからぬと。
 奥原参考人は、正組合員と准組合員の利用割合を調査するだとか、同業他社の存在がある場合には規制をするだとかということが書かれていますけれども、正組合員と准組合員の利用割合を、実態を調査したからといって、そこから具体的にじゃ何%にするなんという規制が出てくるんですか。論理的に考えたら、それは無理だと思うんですね。
 同業他社ということについては、これは関先生も私も生協なんかについても勉強しておりますけれども、言ってみれば、やっぱり同業他社というのは、協同組合と株式会社と両方が同じ地域にある、どっちの方がより多く組合員にサービスできるんですかという、まさに協同組合と株式会社とが同じ分野でもってお互いに競争しようじゃないですか、その競争の結果としてどちらが優れているんですかというのを判断してもらおうじゃないですかというのが我々が生きている市場社会の在り方であるんですね。
 ところが、他の同業者がいるから准組の利用を制限するなんというのは、これは言ってみれば日本が社会主義社会に戻るような話でもって、極めて反市場メカニズム的なこういう論理である。こんなことを許してよろしいのか、よく市場経済国としてお考えいただきたいと思うんですね。
 要するに、同条は、法が准組合員利用規制というブラフを、脅かしをちらつかせているだけであって、削除すべきだというふうに考えております。
 七番目に、先ほどの伊藤参考人と同じ言葉になりますけれども、農業委員会を私は机上委員会にしちゃうものだなというふうに思っております。
 従来の農業委員の定数と任務、これを二つに分けて、農業委員さんは法定業務と農地利用最適化の推進に関する事務を行う、推進委員の方は区域内の農地等の利用の最適化の推進のための活動を行うというふうに書いてあるんですよね。
 要するに、もう農業委員さんは机の上に座って、上がってくる書類の審査だけをすればいい、実際の地域の活動は推進委員に任せればいいという、こういうことになってきております。これでは、農業委員をまず選挙制から選任制に変える、それから、先ほど伊藤参考人がおっしゃったように、農業委員の定数を減らす、三つ目には農業委員会を机上委員会化しちゃうと、こういう形でもって本当に地域、地権者の信頼を得て最適の農地管理、集積が一体できるのかということを私としては非常に懸念しております。
 八番目に、農地所有適格法人化ということは、限りなき農業生産法人の一般法人化かなというふうに思っております。最終的には、企業の所有権取得へのコースになるんじゃないかなというふうに思っております。
 議員の先生方には是非御認識いただきたいんですけれども、この国会で二〇〇八年、九年当時、国がどう答弁していたかというと、農業生産法人は地域に根差した農業者の共同体だという、こういう規定を何回も繰り返しているんですよ。だから、単なる、農業生産法人は所有権取得可能な法人ではございません。
 ところが、そういう農業生産法人を農地所有適格法人にして、農外者の議決権を二分の一以下に緩和する、農業従事の役員を一人以上でいい、こういうことになってくると、事実上、農業生産法人は一般法人に近づいていく、結果的には一般法人でも農業生産法人でも農地所有ができるねということになりかねない。
 時間ですので御意見をおまとめくださいというふうにメモが来ておりますので、まとめます。
 結論として、最後の一ページであります。改正案は出自が悪い、アメリカ発ということで出自が悪い。やっぱり日本としての独立性を維持しよう。論理が不整合である。特に、やっぱり剰余と収益を一緒にさせているなんというのはまずい。それから、いろいろ不適切な面がある。具体的に、実質的な負担の軽減なんという言葉について明確でない。こういう点を併せると、私は、結論的にこれは廃案が相当であるというふうに考えております。
 特に申し上げたいのは、こんなひどい法案を通しちゃって、あのときの農水委員は誰だったのか、農水委員長は誰だったのか、山田委員であった、農協出身の方がそんなことをやったらこれは後世の恥になる。そういうことを考えたら、是非御賢察のほどをよろしくお願いしたいと思います。
 どうも時間をオーバーして済みません。
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山田俊男#8
○委員長(山田俊男君) 大変ありがとうございました。
 以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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中泉松司#9
○中泉松司君 参考人のお三方におかれましては、貴重なお話をいただきまして、本当にありがとうございました。
 自由民主党の中泉松司でございます。
 私は秋田県選挙区の選出でありまして、委員の皆さんには毎度毎度のことでありますが、我が家も農家でありまして、私も農家の長男でありますので、農家のいわゆる担い手なんですが、こういう仕事を今させていただいております。
 本当にお三方からは、それぞれすばらしいお話をいただくことができたと思います。
 前回も参考人質疑がありまして、その際には、直接的に農業委員会関係の方というのは前回の方にはいらっしゃらなかったものですから、一般論としてのやり取りが多かったと記憶しておりますので、そういった意味では、今日は伊藤参考人におかれましては、農業委員であるのに加えて、女性の農業委員、全国で二千数名しかいない女性の農業委員の一人でありますので、そういったところをまず初めに伺っていきたいと思いますし、本当に限られた時間でありまして、皆さんにお話を伺っていきたいと思いますけれども、そこら辺のところは御理解をいただきながら質問をさせていただきたいと思います。
 初めに伊藤参考人に御質問をいたしたいんですが、被災地の御出身でもありますし、御出身というか、被災地で今も生活をされておられますし、東北の震災等ありまして大変な思いをされたと思います。そういう中にありながらも、女性の社会参画といいますか、農業分野におけるそういった取組を一生懸命頑張っていただいて先頭を切っていただいたおかげで、合併後に一度下がった農業委員の女性の割合というのがまた上がってきているんだというふうに思いますし、最大限敬意を表したいと思います。
 ただ、伺ったところによりますと、取っかかりとして、伊藤参考人が農業委員になられたときというのは無投票でなられたような話を伺ってもおります。やはり、最初に出る、最初に関わりを持つというきっかけがなければなかなかそういったところは難しいのかなという印象を持つんですが、御自身の経験を踏まえて、御自身は最初に無投票で、その後は選挙も戦われたことがあるというふうに伺っておりますけれども、御自身の経験を踏まえて、そこら辺の女性が参加をする上での難しさといったものを感じたところがあったら、簡潔にお話をいただければと思います。
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伊藤惠子#10
○参考人(伊藤惠子君) 私がなりました平成十一年、それは、地域から推薦されて長年やってこられた農業委員さん、会長さんが辞められまして、そのときに会長が常任会議に出ておりまして、これからは男女共同参画社会だということで、これからは女性もやらないと駄目だということで、私の方に来られました。やっぱりそれは地域での推薦がないと駄目ですので、一応地域から推薦されて選出されましてなりましたけれども、そのときに、無投票、選挙にはならなかったんですけれども、そのときに、後で、あの女ばす、何出しゃばって何やる気だとか、あとは家族を殺す気かとかいろんなことを、様々なことを言われました。あと、女性が女性の足を引っ張るというのも感じました。
 そういう中で長年やってきた中で、平成の大合併と言われますけれども、旧南郷町と小牛田が合併したときに初めて選挙になりました。でも、そのときに、女性が女性の足を引っ張るというのが大分緩和してきたなというのを感じています。それも、やっぱり女性たち、女性農業者が農協の女性部とかいろんな場面で女性の社会参画についていろんな研修会をしたり、そういうことがあって大分緩和されてきたのかなというのを感じていました。
 本当に、田舎に行けば行くほど女性の社会参画に対する理解が、大分、実際申せばまだまだなんですね。女性がそういう社会参画、例えばこの農業委員であるにしても、やっぱりこれまでは議会選任から持っていきまして、次は、二度と選任はないよ、次は選挙でということをやっぱり申し合わせながら増やしてきたというのが実情であります。
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中泉松司#11
○中泉松司君 やはり大変苦労をされたんだなというふうに思いますし、一度経験をすると、逆にその選挙というのに挑戦しやすくなるのかなという面もあるのかな、難しいことは変わりませんけれども、あるのかなというふうにも感じさせていただいております。
 先ほどお話もありましたけれども、今、女性や若者、認定農家といったような要件を取り入れていくということでありまして、観点として、女性の視点であったり、そういった感覚といったものや若者の視点、感覚といったものを取り入れるというのは、これは基本的に間違っていない方向だと思います、やり方はどういうふうにするかは別にいたしまして。
 そのやり方を今どうしていくかという話なんですが、先ほどお話があったとおり、認定農家かつ女性というのは難しいと。認定農家かつ若者というのは、基本的には、簡単とは言えないですけれども、私なんかもやろうと思えばできるような話でありまして、だけれども、認定農家プラス、かつ女性という条件というのは非常に難しいところもあるんだと思います。
 ただ、一方で、先ほどお話しされたように、議会推薦というのが大多数だったと思いますけれども、農業委員会全体の七%を占める二千六百人ぐらいの方が今いらっしゃって、そのうちの大多数が議会推薦というか、選任の方法を取ってまず一度やってこられてということが取っかかりになったんだと思うんですが、そういった状況を踏まえて、これから選任制度に移行しようとしているこの農業委員会の制度の上で女性を参画させていく、若者に置き換えてもいいんですけれども、そういった積極的に参加をしていただくためには、農水省なんかは公募にどんどん手を挙げていただくんだというような話もしていますけれども、そういったところで、公募にどんどん手を挙げていただくんだというやり方も含めて、何かいいこれから取り組んでいく上でのアイデア等ありましたら是非お聞かせをいただきたいと思います。
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伊藤惠子#12
○参考人(伊藤惠子君) まず、宮城県の場合ですと、全国でもやっていることだと思いますけれども、女性農業者の社会参画に対する懇談会というのを年二回設けていまして、いろんな方、実際活躍している女性などを呼んで、その中でいろんな論議をしながら女性農業者自身の意識を高めていくということをやっております。そういう中で、実際、次に農業委員に立候補したりとか女性理事に立候補したりするというのはあります。
 それで、でもそれだけではちょっとなかなか大変なので、やはり政府の方に、その枠というか推薦枠とか、それは確実にやっぱり設けていただかないと、せっかく約二千六百人の女性農業委員が増えた中で、でも先生が言われたように、本当に女性の視点でいろんな活動をしているんですね。男性農業委員にはできない活動、例えば食育とか、幅広い活動をしております。なので、是非、このせっかく増えてきた女性農業委員を減らすということはかなり私たちにとっては残念なことですし、やっぱり地域社会においても非常に不利益だと思います。なので、是非、その枠というか推薦枠とか、そういう選任制に代わる推薦枠とか、そういうのを設けていただければなと思います。
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中泉松司#13
○中泉松司君 ありがとうございます。
 先ほど来やり取りしているように、多分、一度きっかけとしてやられるとそこを取っかかりにしてまたやっていくんだと、それで更にネットワークを広げていくということを今までやられてこられたんでしょうし、それが望ましい形なのかと個人的には思いますけれども、そういった中にあって、これからもしっかり、まず今やっていただいている方々にきっちりこれからもやり続けていただくという、別にやってもらわなきゃいけないという話ではないんですけれども、そういったところが基本になってくるのかなというふうにも感じます。
 済みません、時間がなくて申し訳ないんですが、次に関参考人の方にお聞かせをいただきたいと思うんですが、協同組合という考え方の下でいろいろお話をいただきました。
 先ほどの話で、それこそ今の話にもちょっと関わってくるんですけれども、先ほどの話でちらっと思って、是非お聞かせをいただきたいなと思ったのが理事の要件、こっちは農協の方ですけれども、農業委員会の構成に関しても同じこと言えると思うんですけれども、恐らく女性理事を登用せよということであろうが、趣旨は理解できるが、このような規定を法律上置くことが適切かどうかは疑問である、年齢についても同様だ、組合の自治に任せるべき事柄であろうというふうな話をされました。
 それはよく私も感情的には分かるんですけれども、世界の流れとして、日本だけでなく、むしろ日本は遅れているのかもしれませんが、女性といったものを登用して積極的にいきましょうという流れがあって、現実的に、じゃ、具体化させていくためにはなかなか難しいというところがある中で、これを組合の自治に任せるべきだと言って放っておいて、実際やっぱりなかなかうまく、うまくというか、望むべき方向に行かないというようなことも往々にしてあると、それがまた批判の対象になって、また、やれ農協改革だみたいな話になりかねないというような話もあると思いますので、そこら辺、是非、やっていく上で現実的に、どういうふうに形として進んでいくべきなのかといったところに関してお考えを伺えればと思います。
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関英昭#14
○参考人(関英昭君) 女性の枠を増やす、年齢の若い人の枠を増やす、考え方としては僕はいいと思いますが、法律で規定するのではなくて、内部組織でそういう枠を決めていく。つまり、日本の場合には、男性の枠を少なくするというような見方でその組織自体が考えたらいいと思います。そうすれば、自然と女性が増える。女性を増やそうとするからなかなか難しい。男性を減らしたらどうでしょう。
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中泉松司#15
○中泉松司君 裏から見れば、そういうことなんだというふうに思います。
 ただ、やはり心配をするのは、今回の農協改革の話なんかも、規制改革会議みたいなところで、農業なんかとは全く関係ないところから出てきた話を基にして進んでしまったというのは、これは我々としても本当に本意ではないところでありますし、いろんなところから批判を受けていますけれども、そういうふうなことで、結局、中でやっていただきたいという話をするんだけれども、なかなか外から見たときにうまくいかないとなると、またそれが批判の種になって、それでまた改革しなきゃいけないんだという、改革の言葉に踊らされるみたいなことを何度か見てきていますので、そういったことにならないようにやっぱり御指導いただきながらやっていかなければいけないんだろうなというふうに感じます。
 済みません、大変時間がなくて駆け足になりましたが、田代参考人の方に。
 今日、自分の中では勝手に農業委員会の話を中心にというふうに思っていまして、田代先生が先ほどお話しされた七番の農業委員会の机上委員会化を憂えると。ここは我々も本当に非常に心配をしているところでありまして、実際、農業委員会というのは、御存じのとおり、合併をして、人数が大量に減って、対応する面積が広くなってなかなか仕事がしづらいというところで、地域的には協力員制度みたいなものを生み出してやってきているということがあると。
 今、推進委員というのを一方では増やして、選挙で選ばれる方々を中心とした農業委員の数はおおむね半分にするということで、トータルすると増やしていくみたいな、体制強化につながるのかどうかみたいなところが焦点になってくるんだと思いますが、先生おっしゃるとおり、いわゆる農業委員は机上で事務的なことばっかりやって、農業委員が選んだ人間が地域を回れみたいな話にやっぱり受け取られるところがあるというところは、委員会の中でも、そしてまた党内の議論でもあったんですけれども、その際に、そういうふうにきっちり分けるのではない、農業委員の方だってやろうと思えばできるんだというふうな話をされた、だから大丈夫なんだというふうな答弁をいただくんですけれども、それに対してどう思われるかというのと、本来、いろいろな知恵の絞りようなんでしょうけれども、推進委員と農業委員というのがしっかりパートナーとしてお互い一体とした取組をしていくことによって今までよりも更にプラスになることができれば最高なんですが、しっかりこの機能というものを維持していくということが大切なんだと思いますが、このままでいくと、そういったことが先生が懸念されるように完全にできないのか、それともやりようがあるのか、そこら辺に関してお考えをいただければと最後に思います。
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田代洋一#16
○参考人(田代洋一君) 結論的に申し上げて、法律を作られた皆様方はいろんな思いを込めて作ると思うんですけれども、実際に地域に下りてみると、やっぱり限られた予算、人数の中でもってやるとなると、やっぱり農業委員は机上でもってこちらでやるのが精いっぱいだねと、二分の一にもなっちゃって、実際に歩くのは推進委員にお任せしようという、こういう形のやっぱり運用がどんどん進んでいっちゃう可能性を、既に現地でそういう話も伺っておりますし、私としては、これはやっぱり懸念は確実に起こってくるなというふうに思っているんですね。
 ですから、本当に今農地の集積がもう不可欠の課題だということであるならば、何もやっぱり農業委員の定数を減らす必要はない、それから今までの仕事を減らす必要がないと。これだけ集積のために必要だということになるならば、それにプラスして、やっぱりこの農業委員の下で働く最適化推進委員をプラスするということだったら納得はできるなと。だけど、半分に割りましょうということだと、結局プラスにはならないなというふうに私は思っております。
 特に法律を作られる方々は、その法律が現地でどういうふうに動くのかということを十分やっぱり御配慮いただきたいと思っております。
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中泉松司#17
○中泉松司君 済みません、限られた時間で大変駆け足の、早口の質問になってしまいましたけれども、お答えいただきましてありがとうございました。
 終わります。
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野田国義#18
○野田国義君 民主党の野田国義でございます。
 まず、伊藤参考人の方にお聞きしたいと思います。
 本当にこれまでいろいろ苦しかったというか、いろいろな状況があったんじゃなかろうかなと。私も、改めて男女共同参画推進法ですか、国が制定をして、その後に農業委員あるいは農協の理事さんですか、それとか、管理職、本当に女性を増やさなくちゃいけないというようなことで機運が盛り上がりました。
 それで、私も当時市長だったんですけれども、そのときに市長枠で是非とも女性をお願いをしたいということで、農業委員の会長さんが市長室に見えまして、それで女性を推薦をさせていただいて、今その方が農業委員会長をやられておるということでございまして、非常にうれしく活躍を思っているところでございますけれども。
 やっぱり、自己犠牲と申しますか、そういうものがあって、そして女性には子育てがありまた介護がありということで非常に厳しい、そしてまた家族の協力もなくてはならないということで、今何が一番大変だったかというようなことでいろいろなことをお答えになったところでございますけれども、私も、伊藤参考人がおっしゃるように、今議会の方もクオータ制とかいろいろなことが言われておりますけれども、仕組みを変えないことには、私、この日本社会の中ではなかなか女性が活躍できる社会というのは難しいのではないかなというのがいろいろ私自身も経験した結論でありまして、女性枠をということで伊藤参考人はおっしゃっているようでございますけれども、その辺りのところを、何か女性枠のほかにも、こういう仕組みが変わったらなとか思われることがあったらお答えいただきたいなと思いますけれども。
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伊藤惠子#19
○参考人(伊藤惠子君) 女性枠と、あと、そうですね、さっき認定農業者の方なんですけれども、やはり女性が認定農業者になるには、経営者か、若しくは家族経営協定を結んで共同申請をして認定農業者になる。それではあれなので、家族経営協定を結ばなくとも、やっぱり共同で、旦那さんが認定農業者になったらば奥さんも必然と認定農業者だよというような、簡単にできるような仕組みというか、なかなか家族経営協定を結ぶ段階で、よくお誘いしてもなかなかできない理由というのが、うちではちゃんときちんとそういう文書にしなくとも母ちゃんが財布を握っているとか、いろんなそういうことを言われてなかなか進まないのが実情なんですね。
 なので、やっぱり旦那さんが認定を取ったらば必然と奥さんの方も認定農業者になるとか、そういう簡単に移行できるような何かそれがあれば、例えば今回のあれで認定農業者が過半数ということになったときに、ああ、あそこの奥さんも認定農業者だからという、何かやっぱり推薦というか、そういうのもやりやすいんではないのかなという、ちょっと思っていました。
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野田国義#20
○野田国義君 ありがとうございます。
 それから、もう一点ちょっとお聞きしたいんですが、農業委員、それから今度推進委員というのが農業委員会にできるということでございますけれども、ここといわゆる農地バンク、中間管理機構ですか、こちらの問題も目標の二割しか初年度は達成できなかったというような状況になっているわけでありますけれども、この辺りとの関係を農業委員として農地バンクと関連のことをちょっとお聞きしたいんですけれども。
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伊藤惠子#21
○参考人(伊藤惠子君) 中間管理機構との関係は現在白紙の状態の委任というあれがあったんですけれども、耕作を依頼する方は、やっぱり顔の見えた人に頼みたいんですね。白紙ということはちょっと無理なのかなと思いますし、今回、推進委員ということでなりますけれども、先ほど先生がそちらの方を農業委員がある程度、関係というか、机上だけのあれになるんではないかとおっしゃいましたけれども、そうではなくて、やはり推進委員と農業委員が一体になってそういうのを、集積を進めていかないとやはり地域のあれにはちょっと結び付かないのかなと思っていました。
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野田国義#22
○野田国義君 ありがとうございました。また今後ともしっかり頑張っていただきたいと思います。エールを送ります。
 それから、関参考人の方にお聞きしたいと思いますけれども、この協同組合というのは日本の誇れる仕組みだというようなお話があったところでございますけれども、私も何かこの今回の法案見ておりますと、どうも経済界を中心にこの農協が、JAがスケープゴート的にやられたというような気がしてならない、本質的には結局何もないけれども、これだけやったというようなことを国民にアピールしているのかなと、そういう気がしているところでございますけれども、どういうところを今後農協は改革をすべきなのか、それから所得を増やすには、いわゆる農家のですね、どのような施策が必要とお考えになっているのか、お聞きしたいと思います。
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関英昭#23
○参考人(関英昭君) 私は農業経営等についてはよく分かりません。ただ、法制度の仕組みとして言えることは幾つかあります。
 一つは、定款の自由を認めたらよろしい。自由な活動がなければ、自由な所得、発想、その他もろもろは出てこない。したがって、先ほどのこのテンニースの一覧表でちょっと見ましたが、日本には場所のゲマインシャフト的な制約が物すごく強いと思います。したがって、農家の皆さん、その縛りがあるとすればやはり自由な活動についてはちょっと無理が来るかもしれません。例えばどういうことかといいますと、農家の皆さんの経済的な合理性という点ではちょっと遅れているような気がします、各農家そのものですね。経営的な感覚が弱い、合理的な性格が弱い、これは単に弱いと言って責めるんじゃなくて、やはり場所のゲマインシャフト的な昔からの習慣で、どうしてもそこから抜け切れないというのはあると思います。
 したがって、その辺の意識改革から変えていく必要がある。農業協同組合が中心となって、農家の組合員の皆さんそれぞれの意識改革をすることが重要かなと。そういう意味では、ICA原則の第五原則にあるように、組合員の教育、組合自身の教育、組合の役員、幹部の皆さん、職員の皆さんの教育、それが重要だと思います。
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野田国義#24
○野田国義君 ありがとうございました。
 それから、田代先生の方にお聞きしたいと思いますけれども、この二点目に書いてあります農業所得の増大、これが一番の目的ということにならなくてはいけない、この農協改革もですね。しかしながら、現実はならないということが今いろいろなところで論議をされているところでございます。
 そこで、私は民主党の立場から言わせてもらうならば、米の戸別所得補償が廃止をされ農業所得が減らしながらというようなことで書いておられますけれども、私もここの戸別所得補償、この間も地元、大規模農家の若い人たちと話してきましたけれども、非常に米価の下落で大変だったというような、この戸別所得補償があればよかったのにというような話も改めて聞いたところでございますけれども、だから、政権が替わってそういう政策の転換がある。早く法律にしておけばよかったんでしょうけれども、なかなか法律にすることができなかったということでありますけれども。
 田代先生が、今後本当に農業を生命産業、未来産業という形で伸ばしていかなくちゃいけないということでありますけれども、この農業所得を増大する、先ほどから論議されている農地バンクとかの、また推進委員とかそういう新しい仕組みをつくって大規模化という方向、これを恐らくみんな認めると思うんですね。しかしながら、これだけでは日本の農家所得を増大するには至らないと、ちょっと特殊な事情も日本独自のものもあるんではなかろうかと思いますけれども、その辺りのところをどうお考えになっているのか、お聞きしたいと思います。
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田代洋一#25
○参考人(田代洋一君) まず一般論として、今までの御議論を伺っても、いろいろ法律で決めるべきことと、それから政策努力なり、その地域の努力でやるべきことと、これはやっぱり分けて考えるべきだろうと。私は、女性の農業委員さんについても、これは先ほど関先生がおっしゃったように、女性の法律でもって枠を設けるだとか青年の枠を設けるだとかというのは果たして妥当なのか。やっぱり地域の努力、それから政府の努力、やっぱりお金も出すというようなことは必要なのかなというふうに思っているんですね。
 と同様に、この農業者の所得、農協組合員の所得増大ということを考えたときに、ちょっと専門的になりますけれども、やっぱり今一番問題なのは、直接販売だとか契約販売だとかということがいろいろ言われておりますけれども、同時に、従来高度成長期から担ってきた共同販売組織ですね、これやっぱりもうちょっと古くなっちゃっていて、おじいちゃんの代につくったもので、どうも今の若者には十分適していない、こういうところを組織革新していくというようなことが一つやっぱり農業所得の増大にはつながってくるだろうと。
 先日、福岡県の糸島農協さんなんか伺ったんですけれども、直売所でやっぱり三十億円から四十億円を上げているんですね。こういうところもやっぱりもう出てきているんですよね。だから、政府がとやかく言わなくてもそんなことはできるということだと思うんですね。
 最後に、この農業所得の増大という点なんですけれども、私は各党の先生方いらっしゃる中で、米戸別所得補償をちょっと持ち上げたようなんですけれども、一面では持ち上げますけれども、やっぱり半分は余り評価していないというところがあります。それはどういうことかというと、やっぱり米戸別所得補償だけをやると、業者はそれを見透かして、じゃ、米価下げたって所得補償でカバーしてもらえるんだろうと、こういう話になっちゃうんですね。
 ですから、民主党のあのときの欠陥は、やっぱり最低価格保証、これどこの先進国もみんなやっているんですよね。政府による買上げで最低価格保証はしながら、要するに、そこをきちっとしながら戸別所得補償をやるということであればそういう問題が起きないんだけれども、そこがやっぱり半分しかできていなかったなという感じを私としては受けているんですね。
 ですから、やっぱりきちっとバケツの穴を埋めながら、同時に戸別所得補償をやるということが必要だったんじゃないのかなというふうに思うんですね。一歩前進ではあるけれども、十分ではなかったというふうに評価をしております。
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野田国義#26
○野田国義君 終わります。
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横山信一#27
○横山信一君 公明党の横山信一でございます。
 今日、三人の参考人から大変貴重なお話を伺いまして、大変に勉強になっているところでございます。
 まず最初に、伊藤参考人にお伺いをしたいと思いますが、先ほど来、質疑の中で出てきておりますけれども、女性の農業委員として活躍をされてきたその貴重なお話を聞けるというのは大変に光栄なことなんです。
 私は、地方創生を議論しているときに、この農協法とは違う地方創生を議論しているときに、やはり家族経営協定というのは非常に大事だということで、農村の若い人たち、特に女性にお嫁さんに来てもらうためにもこの家族経営協定は非常に大事だということで一度議論をさせていただいたことがあるんですが、伊藤さんの御自身の体験で教えていただきたいんですけれども、家族経営協定に取り組もうと思ったきっかけというのは何かあれば、また、どういうふうに御家族の皆さん方がじゃ、一緒にやっていこうというふうになったのかを教えていただきたいと思います。
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伊藤惠子#28
○参考人(伊藤惠子君) 私の場合は、長男の就農を機会に、普及所とかの勧めもあって始めました。
 そのときに決めたことは、私たち、若いときは給料というか、それがなかったんですね。本当に、月に一万円とかの小遣いでしか、その決まりがなくて、盆、正月にちょっと余計もらえるというようなあれだったんですけれども、それでは駄目だということで、まずは長男の、勤めていて就農したんですけれども、ある程度の給料をまず示しました。
 それと、あとは家族の役割ですね。それも常に、ふだんはやっていることなんですけれども、そのときに、私も農家レストランとかやっていましたので、私はそちらの方とか、農業の方は長男とお父さんが中心になってやるようなこととか、じゃ、おじいさん、おばあさんはどうするのかといったときに、おじいさん、おばあさんはとにかく家庭のことをやるということを決めて、両親にも給料を示したんです。そのときに両親が、私たちももらっていいのかとか、そういう感じであったんですね。すごく喜んでいました。
 長男がやっぱり、給料もだったんですけれども、それに、農家にはない、土日は休みだよということを入れました。最初の頃はお父さんも、農家の忙しいときに土日休みだって文書にはしてみたものの、やはり何だこの天気のいいのに出ていくのかというようなことを言っていたんですね。でもだんだんに、やはりああこれ協定で決めたんだから仕方ないというふうになってきまして、それと、あとは長男の方は、その決めた土日なんですけれども、やはりどんどん農業して年数、年数というかたってくると、やはり農家は天気が悪い日が休みであれなんであって、いい日はとにかくあれだっていうのを、やっぱり作業のやりくりでおのずと何かなってきたんですね。
 だから、ある程度、家族経営協定は非常に若い後継者にとってはいいことだと思っております。ただ、先ほども申しましたけれども、一部では、やっぱりそんな文書にしなくたって、ちゃんと母ちゃん財布持っているし、私たちもちゃんとやっているというようなことを言われます。でも、やっぱり、そうですね、絶対これは必要だと、これからの後継者を育成する上で、やっぱり農業にというか、農家にとっては非常に大事なことだと思っています。
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横山信一#29
○横山信一君 ありがとうございます。
 今後、女性の農業委員を増やしていく意味でも、やはり家族の中での女性の役割というのを明確にしておくということは大事だというふうに私も感じているところなのです。
 伊藤参考人の書かれた資料を読ませていただいたんですが、その中で、先ほど来も出てきておりましたけれども、農業委員会の会長さんのお勧めがあって初めて農業委員に出たというお話がございましたが、その会長さんが農業会議にも出られていたので、それで男女共同参画という概念を知っておられたと、そういうことが伊藤参考人が農業委員に出るきっかけになったというふうなことが書かれておりましたけれども。
 そういう意味で、やはり農業委員会の中心になられていく方たち、あるいはほかの農業委員の人たち、男性の農業委員の人たちも、やはりこの男女共同参画だとか、そういった中心になっていく人たちがそういう概念をしっかりと把握しておくことが大事だということも述べられておりますけれども、そういうやはり調整役としてなっておられる会長さんたちのその考え方というのが、伊藤参考人にとって実体験としてその男女共同参画が、知っていたから入れたという部分について、もう少しちょっとお話を聞かせていただければと思います。
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