農林水産委員会

2016-05-11 衆議院 全179発言

⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

会議録情報#0
平成二十八年五月十一日(水曜日)
    午前十時開議
 出席委員
   委員長 小里 泰弘君
   理事 江藤  拓君 理事 小泉進次郎君
   理事 武部  新君 理事 宮腰 光寛君
   理事 簗  和生君 理事 岸本 周平君
   理事 小山 展弘君 理事 上田  勇君
      あべ 俊子君    青山 周平君
      井野 俊郎君    伊藤信太郎君
      今枝宗一郎君    加藤 寛治君
      勝沼 栄明君    金子万寿夫君
      北村 誠吾君    工藤 彰三君
      小島 敏文君    笹川 博義君
      助田 重義君    瀬戸 隆一君
      武井 俊輔君    中川 郁子君
      中谷 真一君    中村 裕之君
      西川 公也君    橋本 英教君
      比嘉奈津美君    藤井比早之君
      古川  康君    細田 健一君
      前川  恵君    宮路 拓馬君
      山本  拓君    吉川 貴盛君
      渡辺 孝一君    井出 庸生君
      金子 恵美君    佐々木隆博君
      篠原  豪君    田島 一成君
      福島 伸享君    村岡 敏英君
      横山 博幸君    稲津  久君
      佐藤 英道君    斉藤 和子君
      畠山 和也君    仲里 利信君
    …………………………………
   農林水産大臣       森山  裕君
   農林水産副大臣      伊東 良孝君
   農林水産大臣政務官    加藤 寛治君
   農林水産大臣政務官    佐藤 英道君
   政府参考人
   (内閣府規制改革推進室次長)           刀禰 俊哉君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房総括審議官)         大澤  誠君
   政府参考人
   (農林水産省生産局長)  今城 健晴君
   政府参考人
   (農林水産省経営局長)  奥原 正明君
   政府参考人
   (水産庁長官)      佐藤 一雄君
   政府参考人
   (海上保安庁警備救難部長)            秋本 茂雄君
   政府参考人
   (環境省大臣官房審議官) 早水 輝好君
   農林水産委員会専門員   石上  智君
    —————————————
委員の異動
五月十一日
 辞任         補欠選任
  あべ 俊子君     北村 誠吾君
  池田 道孝君     比嘉奈津美君
  勝沼 栄明君     笹川 博義君
  瀬戸 隆一君     中村 裕之君
  古川  康君     助田 重義君
  井出 庸生君     篠原  豪君
同日
 辞任         補欠選任
  北村 誠吾君     あべ 俊子君
  笹川 博義君     藤井比早之君
  助田 重義君     金子万寿夫君
  中村 裕之君     工藤 彰三君
  比嘉奈津美君     小島 敏文君
  篠原  豪君     井出 庸生君
同日
 辞任         補欠選任
  金子万寿夫君     武井 俊輔君
  工藤 彰三君     瀬戸 隆一君
  小島 敏文君     池田 道孝君
  藤井比早之君     青山 周平君
同日
 辞任         補欠選任
  青山 周平君     勝沼 栄明君
  武井 俊輔君     古川  康君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 漁業経営に関する補償制度の改善のための漁船損害等補償法及び漁業災害補償法の一部を改正する等の法律案(内閣提出第三六号)(参議院送付)
     ————◇—————
この発言だけを見る →
小里泰弘#1
○小里委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、参議院送付、漁業経営に関する補償制度の改善のための漁船損害等補償法及び漁業災害補償法の一部を改正する等の法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として農林水産省大臣官房総括審議官大澤誠君、生産局長今城健晴君、経営局長奥原正明君、水産庁長官佐藤一雄君、内閣府規制改革推進室次長刀禰俊哉君、海上保安庁警備救難部長秋本茂雄君、環境省大臣官房審議官早水輝好君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →
小里泰弘#2
○小里委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
この発言だけを見る →
小里泰弘#3
○小里委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。勝沼栄明君。
この発言だけを見る →
勝沼栄明#4
○勝沼委員 おはようございます。自由民主党の勝沼栄明でございます。
 本日は、質問の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。
 まず冒頭、先月十六日に発災いたしました熊本大地震によりお亡くなりになられた方々、御遺族、御友人、そして全ての被災された皆様に心からのお悔やみとお見舞いを申し上げます。
 来週には補正予算の審議がなされるわけでございますが、我々も、与野党関係なく、一致結束して復旧復興に邁進してまいると改めてお誓い申し上げます。
 また、特に私の地元は、ちょうど五年二カ月前の東日本大震災により甚大な被害を受けました石巻市、東松島市、女川町を含む地域でございます。発災直後より、熊本県、熊本市、そして八代市、そういった自治体の皆様を初め九州地方の皆様には、大変力強い御支援と継続的な御支援をいただいてまいりました。その恩返しではございませんが、やはり、五年二カ月の間に得られた知識、経験をしっかり生かして、そして地元のニーズに合致した御支援を確実に実行してまいりたいと思います。
 それでは、早速でございますが、質問に移らせていただきます。
 復旧復興に必要なもの、これは住まい、なりわい、コミュニティーと言われています。その中でも特に今回は、このなりわいの再建に資するであろう漁船損害等補償法及び漁業災害補償法の改正案についてお尋ねいたします。
 地元の話を再度させていただきたいのですが、私の地元は、良好な漁場に恵まれ、漁業が非常に盛んな地域でございます。三陸、金華山沖は、親潮と黒潮がぶつかる潮目がございますし、また三陸沿岸につながるリアス式海岸や多くの島々が点在しておりますので、そこが絶好の魚のすみかとなっておりまして、非常に豊富な種類の、また大変おいしい魚介類が水揚げされます。
 そこを五年二カ月前に東日本大震災の大津波が襲いました。漁業者の経営基盤たる漁船や養殖施設が大変多く失われた中で、漁船保険制度及び漁業共済制度による保険金の支払いは、被災された多くの漁業者の皆様の経営再建資金として大きな役割を果たしたのは言うまでもなく、大変感謝しているところでございます。
 さて、その漁船保険制度でございますが、今回の東日本大震災のときの対応を踏まえて、今回の法改正により、各地域ごとにある漁船保険組合及び全国団体でございます漁船保険中央会が統合一元化され、事業基盤の強固な組合を設立するとなっております。
 そこでお聞きしたいのですが、この漁船保険団体の統合一元化の必要性について改めてお伺いいたしたいと思います。
この発言だけを見る →
伊東良孝#5
○伊東副大臣 おはようございます。勝沼委員の御質問にお答えしてまいります。
 今委員からもお話ございましたが、平成二十三年三月に発生をいたしました東日本大震災におきましては、我が国の水産業に極めて甚大な被害が生じたところでありまして、特に漁船保険制度では五百四十九億円という多額の保険金が支払われたところでございます。
 これによりまして、漁業者の経営再建等に大きく寄与したことはもちろんでございますが、一方で、一部の漁船保険組合におきましては、組合の準備金だけでは保険金全額の支払いができない事態となったところでございました。これは岩手あるいは宮城で起こったことでございます。
 こうした中で、漁船保険団体におきましては、事業基盤の強化のために、漁船保険中央会及び四十五の漁船保険組合を一つに統合する動きが出てまいりました。具体的には、平成二十九年四月、来年四月の統合を目指して、全ての漁船保険団体で、平成二十五年五月から昨年二十七年六月にかけまして、組織統合一元化の決議がそれぞれの団体でなされたところでございます。
 これを踏まえまして、国といたしましても、南海トラフ地震などの将来予測される大災害に備え、組織統合一元化を通じた事業基盤の強化が実現できるよう、今般、制度改正により措置することとしたところでございます。
 以上でございます。
この発言だけを見る →
勝沼栄明#6
○勝沼委員 ありがとうございます。
 今回、不幸にも熊本大地震も発生し、近年の状況を見ますと、我が国においては、いつどこで自然災害が発生するかわからない状況がございます。
 また、今、副大臣の御答弁にもございましたように、今後南海トラフ地震なども心配される中で、万が一つ大規模な災害が起こった場合、漁業者の方々は大きな損害をこうむることになると思います。そういった場合に、本当にしっかりと保険金を払ってもらえるだろうかという御懸念もあると思うんです。
 しかし、今回の法改正により、保険の元受けたる漁船保険組合の事業基盤が強固になれば、全国の漁業者の皆様に一つの安心を与えることができ、そして漁業に打ち込んでいただけるのかなと思っております。
 それでは次に、統合一元化された組織についてお聞きしたいと思います。
 統合一元化された組織については、事業基盤が強固になることは今お話ししたようによいことだと思いますが、同時に、事業の円滑な実施を確保しつつ、組織の業務の合理化、スリム化もあわせて行うべきと思うのですが、実際、今回の統合一元化により、こういった組織の合理化、スリム化は果たして行われるのでしょうか。ぜひお答えいただきたいと思います。
この発言だけを見る →
佐藤一雄#7
○佐藤政府参考人 勝沼先生の御質問にお答えいたします。
 先ほど副大臣の方から御答弁ございましたように、今回の組織統合一元化の主目的でございますが、大規模災害が発生した場合であっても保険金支払いが可能となるよう、財政基盤を強化して、将来にわたって事業基盤を安定させるといったことが主目的であるわけでございます。
 他方、組織体制の見直しが行われる中で業務の効率化が図られ、これによりまして、経費の削減など必要とされる合理化は当然ながら行われるもの、このように考えているところでございます。
 なお、現在の漁船保険組合につきましては、統合後の組合の支所として存続いたしまして、現状どおり職員が配置される見込みとなっておりまして、これによりまして組織統合後も円滑に事業を実施することが可能、このように考えているところでございます。
この発言だけを見る →
勝沼栄明#8
○勝沼委員 ありがとうございます。
 今御答弁いただきましたように、組織の統合一元化をしっかりした体制で、漁船保険事業を実施していただきたいと思います。
 次に、漁船保険の填補範囲の拡大についてお聞きいたします。
 今回の法改正において、これまで填補対象としてこなかった拿捕、抑留等による油濁損害等によって生じた損害賠償費用や積み荷損害も填補対象とするとされておりますが、実は、漁期にロシア水域でサンマ漁をするサンマ漁船が私の地元にも三隻ございますので、ロシア当局に臨検や拿捕されるリスクがございます。
 ですから、拿捕、抑留等により損害を補償する制度は私個人としても必要と考えておりますけれども、なぜ今回の改正でそのように填補対象を拡大する必要が生じたのでしょうか。拡大の必要性について改めてお伺いいたしたいと思います。
この発言だけを見る →
佐藤一雄#9
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
 近年、ロシア国境警備隊によります銃撃事件、あるいはミクロネシア及びブラジルにおけます拿捕事件が発生するといったようなことで、拿捕、抑留等により生じる損害のリスクが一定程度存在しておるところでございます。
 また、国際的な環境保護意識の高まりの中から、拿捕、抑留等を原因とする油濁損害等であっても、船主に対しまして損害賠償費用が求められているところでございます。
 さらに、これら費用を填補する保険への加入を義務づける国際条約、いわゆるバンカー条約、こういったものが発効したことから、条約締結国へ入出港するためには、これら費用を填補する保険への加入が必要となっているところでございます。
 しかしながら、現在の漁船損害等補償制度におきましては、この拿捕、抑留等を原因といたしました油濁損害等の賠償費用や積み荷損害を填補する仕組みが存在しておりません。
 このため、本法案によりまして、拿捕、抑留等によって生じた損害の填補対象を拡大することとした、こういう次第でございます。
この発言だけを見る →
勝沼栄明#10
○勝沼委員 ありがとうございます。
 次に、漁業共済制度についてでございます。
 また地元の話で恐縮でございますけれども、私の地元の牡鹿半島では大変ギンザケの養殖が盛んでございます。養殖共済の対象となり得るギンザケのマーケットは、宮城県全体で約二十二億円と言われているうち、その二十一億円を占めております。したがって、非常になじみのある制度でございます。
 今回、この養殖共済において全員加入制度を撤廃するとのことですが、撤廃する理由として、全員加入が義務づけられているために他の方の事情で共済に本当に入りたい人が入れない、そういったことがあると聞いております。確かに、養殖共済への加入を希望される漁業者が共済に入れないのは問題であり、その解決は必要であると思うのですが、そこでお聞きしたいと思います。
 そもそも、なぜ養殖共済において全員加入制度が措置されたのでしょうか。また、なぜ今回この全員介入の原則をなくしても問題にならないのか、御説明いただきたいと思います。
この発言だけを見る →
佐藤一雄#11
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
 この養殖共済におきましては、地域漁協内の養殖業者の全員から申し込みがあった場合のみ加入ができまして、一人でも申し込みをしない方がいた場合には地域漁協内の全員が加入できないという、いわゆる全員加入制度を導入しているところでございます。
 この制度につきましては、台風等によりまして漁場の混乱の際に、共済加入者が共済未加入者の損害を自己の損害と偽って保険金を不正に受領するといったこと、すなわち損害のつけかえを防止するために導入されたものでございます。
 しかしながら、この全員加入制度は、加入したい方が他の方の事情で加入できないということになりますことから、過度な規制となっているとの指摘がなされているところでございます。
 こうした中、近年では養殖施設の堅牢化に伴いまして、漁場の混乱が起こらなくなってきておりまして、全員加入制度を維持する必要がなくなってきたことから、今回廃止することとしたところでございます。
この発言だけを見る →
勝沼栄明#12
○勝沼委員 ありがとうございます。
 最後に、特定養殖共済における掛金補助制度の改正について質問をさせていただきます。
 またまた地元の話で恐縮でございますが、東松島市において、私のところはノリの養殖が非常に盛んでございまして、ちなみに皇室にも御献上されている非常においしいノリでございますが、これも、宮城県全体で共済対象が約二十七億円のマーケットがありますけれども、そのうち十七億円を占めております。大変盛んに行われております。
 今回の改正により、特定養殖共済では、掛金補助制度により高率の国庫補助を得やすくなる、そういったことでございますが、この高率の国庫補助を得るのは特定養殖業者の中でも漁業依存度が高い業者さんだけで、漁業依存度が低い業者さんは対象とならない、そう聞いております。確かに、高率の国庫補助を受けるべき意欲ある特定養殖業者がその制度を十分に利用できていないとしたら、それは大変問題でありますけれども、今回の特定養殖業者から漁業依存度が低い業者さんを除くことについては、漁業依存度をどのように設定するかが非常に重要になってくると思います。
 では、この漁業依存度の具体的要件について、どのように設定するのか、お伺いいたします。
この発言だけを見る →
佐藤一雄#13
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
 先生今御指摘のこの掛金補助制度におけます漁業依存度の低い者の要件でございますが、これにつきまして、既に漁獲共済におきましては、政令によりまして、漁業従事日数を要件といたしまして、一年のうち九十日に満たない漁業者を漁業依存度の低い者としているところでございまして、今般、この特定養殖共済におきましても同様の日数要件を導入することを検討しているところでございます。
 さらに、この日数要件に加えまして、より正確に漁業依存度を判断する観点から、新しく生産金額に関する要件を加えることを検討しているところでございます。
 なお、これらの要件を追加するに当たりましても、我が国の養殖業は地域によってさまざまでございますから、地域の事情を十分勘案しながら検討することとしているところでございます。
この発言だけを見る →
勝沼栄明#14
○勝沼委員 ありがとうございました。
 いろいろ、短い時間でございますが、お聞きいたしました。
 いずれにしましても、保険制度も共済制度も、やはり漁業者の皆様に安心感とやる気を与えて、なおかつ現場の皆様が非常に使いやすく、わかりやすい制度でなければならないと思っております。
 今回の改正、非常にいいものだと個人的に思いますが、決してこれで満足することなく、私もしっかり現場を見て回って、状況ですとか漁業者の皆様の思いとかもしっかり受けとめて、それを伝えてまいりますので、この改正に満足することなく、常に改善を目指していただいて、ほかにもいろいろ漁業が抱えている問題、資源管理の問題とかいろいろございますけれども、水産日本、その復活のために、私も一議員としてしっかり地元の代表として努力して邁進してまいりますので、ぜひ行政府におかれましてもしっかりとした漁業行政を行っていただきたいと思います。
 以上で終わります。ありがとうございました。
この発言だけを見る →
小里泰弘#15
○小里委員長 次に、北村誠吾君。
この発言だけを見る →
北村誠吾#16
○北村(誠)委員 本日は質問の機会をお与えいただき、ありがとうございます。長崎四区選出の北村誠吾でございます。
 漁船損害等補償法及び漁業災害補償法改正案につきましては、委員各位既に御承知のとおり、去る四月六日、参議院本会議において全会一致で可決をなされ、我が院での審議を待っておるというふうな状況で、先ほど答弁にもありましたとおり、平成二十九年四月にこれを実施するという決議も、関係の団体におかれまして、組織統合についての決議ということでなされております。
 また、熊本、大分の震災に、我々は、九州は一つの気持ちで、党派を超えてこの対策、対応に取り組んでいるところでありますが、この被災地の水産関係の皆さん方の分野においても復興復旧への勇気と意欲をかき立てるためにも、本院での審議を促進し、これの成案を見ることを心から期待し、お願いを申し上げたいと思い、質問をさせていただきます。
 私の地元長崎県も大変漁業の盛んなところであります。漁船漁業また魚類養殖など、多岐にわたって頑張っておるところです。今般の改正におきましては、漁船保険及び漁業共済制度の見直しを行う、大変かかわりが深いものでございます。
 このため、法律改正によって漁業者にどういうメリットがあるのか、使いやすい制度となるのかという点について、さきの質問者に重複する部分もあるかもしれませんが、漁業者のメリットという点について、あるいは使いやすい仕組みということについてお答えをいただきたいというふうに思います。
 なお、近年の漁業者、漁船員の減少や高齢化、あるいは漁業経営環境の悪化、これに加えて、先ほどお話もありましたとおり、東日本の大震災においては甚大な被害をこうむっておりますし、我が国の水産業をめぐる情勢は一層厳しいという認識をせざるを得ません。こういう状況の中で、これまで漁船保険制度及び漁業共済制度が極めて重要な役割を果たしてきました。
 この役割について、今回法律改正をいたすことの意義、また、この改正によって期待される効果についてどうお考えなのかをお伺いしたいというふうに思います。水産庁長官にお願いします。
この発言だけを見る →
佐藤一雄#17
○佐藤政府参考人 北村先生の御質問にお答えいたします。
 今回の法改正の意義、また、これにより期待される効果ということでございますが、漁船損害等補償制度、そして漁業災害補償制度につきましては、先生既に御案内のとおり、いずれも漁業や漁船に生じた不慮の事故等による損害を填補する制度でございまして、漁業の再生産の確保及び漁業経営の安定に重要な役割を果たしてきたところであるわけでございます。
 他方、漁船損害等補償制度につきましては、先ほど先生の方からお話ございましたが、東日本大震災の際、一部の組合では準備金だけでは保険金全額の支払いができなかったという教訓がございまして、この教訓を生かしまして南海トラフ地震等に備える必要があるといったような事情。また、漁業災害補償制度につきましては、タイ、ハマチといったような養殖共済におきまして、地域漁協内の全員が加入しないと共済に加入できないといったような課題があるところでございます。
 こうしたことから、今般、大震災、大災害時の保障の充実、安定、そして意欲ある漁業者の経営の安定を図るため、所要の法律改正を行うこととしたところでございます。
 これによりまして、漁業者のセーフティーネットの充実が図られ、安心して漁業に従事していただけるようになるもの、このように考えているところでございます。
この発言だけを見る →
北村誠吾#18
○北村(誠)委員 ありがとうございます。
 保険金の支払いに支障が出ないようにというふうなことで、財政基盤を強化する目的、そういうことで、現在、各地域ごとに漁船保険組合が設立されておりまして、それぞれの地域で、密着した形で漁船保険に関する業務を行ってまいりました。
 これが全国に一つの規模の大きな組合になるということでありますが、そういうことになりますと、統合一元化によって地域のそれぞれの実情に応じたきめ細かいサービスというものが行われなくなり、行き届かないというふうなことになりやしないかというおそれを持ちますが、どういった体制でその業務をきめ細かく行っていくつもりかを教えてください。
この発言だけを見る →
佐藤一雄#19
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
 先ほど勝沼先生の御質問に答えたところでもございますが、組織統合一元化後におきましても、現在の各都道府県にございます漁船保険組合につきましては、統合された組合の支所として、地域の漁業者の保険の引き受けを行うことを予定しているところでございます。
 このため、例えば、同一組織のもとで支所間の連携によります事故査定の迅速化が図られるなど、これまで以上に地域の実情に応じたサービスを実施することが可能ではないか、このように考えているところでございます。
この発言だけを見る →
北村誠吾#20
○北村(誠)委員 今回のこの改正案につきましては、十分な保険金の支払い能力を有することが設立認可のための要件というふうにお聞きしていますが、いつ発生するかわからない例えば南海トラフ地震等にも備えるんだということであれば、この設立認可の要件ということで、どのような考え方に基づいてその要件を定めようとしているのかについてお尋ねをします。
この発言だけを見る →
佐藤一雄#21
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
 今回の改正におきましては、組合の事業基盤を強化するものでございまして、新組合の設立認可要件といたしまして、東日本大震災級の大規模な事故が発生しても組合が確実に保険金の支払いを行うことができる資産の額を保有していることを基準とすることとしているところでございます。
 この具体的な資産の額でございますが、未曽有の大災害が発生した場合でも保険金の支払いが可能となるよう、監査法人の報告書も踏まえつつ設定することとしておりまして、具体的には、全国組合の場合には約三百五十億円となるものと試算しているところでございます。
この発言だけを見る →
北村誠吾#22
○北村(誠)委員 ありがとうございます。
 統合によってサービスは低下しない、漁業者にもちゃんとメリットがあるということは、説明でわかったようなつもりになります。
 自然災害はいつ発生するかわからないわけですから、災害に備えるということは大変重要なことですから、ぜひそれらのことについて再認識をした上で事業を具体化していただきたい。
 次に、漁業共済制度についてお尋ねをいたします。
 今回の改正で特定養殖共済について見直しを行うということでありますけれども、漁業者はどういったことで困っているのか、漁業者にとっていい制度になるのか、特定養殖共済の見直しによるメリットということについてはどうお考えなのかをお尋ねします。
この発言だけを見る →
佐藤一雄#23
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
 ノリあるいはホタテといった特定養殖共済におきましては、地域漁協内で同じ特定養殖業を営む者の三分の二以上から共済の加入申し込みがあり、その後、地域漁協内の全員が加入した場合に、二分の一の掛金補助の国庫補助を受けられることになっているところでございます。
 他方、近年では、年金受給者等の漁業依存度の低い方がこの共済に加入しないといったようなことによりまして、加入を特に推進すべき漁業依存度の高い方が二分の一の国庫補助を得られないケースがふえてきているところでございます。
 このため、今般の改正によりまして、漁業依存度の低い方を除く地域漁協内の全員が共済に加入すれば二分の一の補助が受けられることとし、これによりまして、漁業を主たる生活基盤とする漁業者がこの高率補助のメリットを享受できるようにすることとしたところでございます。
この発言だけを見る →
北村誠吾#24
○北村(誠)委員 次に、養殖共済について質問させていただきます。
 今回の改正によりまして、養殖共済の対象としてこなかった内水面養殖業を新たに対象とすると聞いております。内水面養殖のうち、今回はまずウナギ養殖業を共済の対象にするということでありますけれども、ウナギ以外にも、アユ、ニジマスあるいはコイ、チョウザメ、そういったものが陸上で内水面の養殖に類するものとして今後盛んになることが熱心な取り組みによって予想されます。
 また、この内水面養殖業の中には、海面ではなくて陸上の人工の池でヒラメやトラフグを養殖する、あるいは、いそのアワビやウニを陸上で養殖するということも含まれるのではないかと私は思ったりするのですけれども、現在はそれぞれいろいろな養殖の形態がありまして、我が県でもトラフグやヒラメは陸上で養殖が行われています。
 そこで質問でありますが、ウナギ養殖以外の内水面あるいは陸上養殖、これらについての共済対象への追加ということについては今後どのようにお考えかということをお尋ねしたいと思います。水産庁長官、よろしくお願いします。
この発言だけを見る →
佐藤一雄#25
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
 養殖共済への魚種の追加に当たりましては、まず、その共済ニーズがあるといったこと、そして、妥当な掛金水準で保険設計ができること、そして、損害の現場確認など漁協の協力体制が確保されており、客観的な損害査定ができるといったこと、こういった要件を満たして保険設計が可能となったものから順次追加することとしているところでございます。
 今回追加を予定しておりますウナギにつきましては、まず、近年、稚魚であるシラスウナギの高騰やその供給量の減少によりまして、事故が起きた場合の経営への影響が非常に大きくなっておりまして、共済創設の要望が特に強くなっているところでございます。
 また、ウナギの生産金額でございますが、約五百億円と十分な保険母集団を確保ができるような水準になっておりまして、妥当な掛金水準での保険設計が可能となっている、このような状況にございます。
 また、共済団体と養鰻漁協との間で事務処理につきまして協力体制が確保されることとなったことから、今回追加することとしたものでございます。
 今先生からございましたウナギ以外の魚種につきましてですが、これらの要件のいずれかを満たしていないことから、今般の改正においてはウナギのみの追加となりますが、当然、今後、ウナギ以外の魚種がこれらの要件を満たした場合には順次追加に向けた検討を行っていきたい、このように考えているところでございます。
この発言だけを見る →
北村誠吾#26
○北村(誠)委員 それぞれに御答弁ありがとうございます。
 私は、漁船保険及び共済というものがいかに漁業関係者にとって大事なものであるかということを常に感じておる者の立場から、答弁を求めず、感謝の気持ちを述べさせていただきたいと思うのであります。
 近年、漁船漁業に従事するため漁船員になる人たちが非常に少なくなって、漁船漁業は大いにピンチの状態でありますが、一つには、やはり漁船漁業の海難事故等々の危険性など、若い方々、若くない方々も、なかなか、船に乗って沖へ出ていこうというふうなことについては、おかの仕事と違って危険度が高いということで、従事者の確保に苦労しています。
 そういう中で、漁船の不幸な事故が立て続けに起きた時期がございましたが、このとき、遠洋まき網漁船の多数の乗組員が乗り込んだまま出漁したその当日、不幸にして高波で沈没してしまう、転覆、沈没という事故が起きました。会社も家族もその捜索のために大変な心労をいたしましたが、結果として、政府の真摯な取り組みによって、漁船保険の制度、仕組みを用いて捜索を完璧に行うというふうなことが実現をし、海底八十八メートルのところから台船を用いて完全に台船上に引き揚げて、行方不明の全ての船員の捜索を完璧に行うことができ、かつ、どうしても最後の最後の一人の乗組員だけは行方不明のままで捜し当てることができなかった。
 しかし、これまで我が国においては、漁船の乗組員は、海難事故に遭遇したときには、本人も家族も、船を墓場として諦めざるを得ないというふうなことで漁船の乗組員は仕事をしてきたという伝統的な考え方があったと私は聞き及んでおりますけれども、それを保険の仕組みによって、またサルベージの技術の進歩によってそういう捜索が行われ、保険の仕組みが有効に活用されて、このようなことで漁船の乗組員も大事にされるんだというふうなことで、浜においてもそういう方々の家族あるいは就労したいと望む人が大事にされる漁船員、乗組員、漁業者、漁業関係者。漁師になろうという呼びかけに応えてくれる人たちもわずかではあってもこういうことでふえてくるというふうなことに大いに期待をしていますから、この仕組みが一日も早く改良、改善されて、法案の成立ということにつながりますことを御期待申し上げ、委員各位の御協力をお願い申し上げまして、終わります。
 ありがとうございました。
この発言だけを見る →
小里泰弘#27
○小里委員長 次に、上田勇君。
この発言だけを見る →
上田勇#28
○上田委員 公明党の上田勇でございます。
 きょうは、まず、法案に対する質問の前に、G7農業大臣会合についてお伺いしたいというふうに思います。
 四月の二十三、二十四日、新潟市でG7の農業大臣会合が開催をされ、森山大臣も御出席をされ、大変に御苦労さまでございました。
 このG7の農業大臣会合は、世界の食料安全保障と栄養について、持続可能な農業政策の観点から幅広い分野についての議論がなされた、意義は非常に大きな会合だったというふうに理解をしております。その会合で採択をされた宣言の中には、食料安全保障についても盛り込まれております。
 ただ、これは、食料安全保障ということを考えると、G7の国々を考えますと、アメリカ、フランス、カナダといった国々というのは食料の純輸出国でありますし、それ以外のイギリス、ドイツ、イタリアも食料自給率はいずれも六割超ということで、我が国に比べれば全然高い国々でありますし、EU全体で見ればほぼ自給しているというのが状況だというふうに考えています。
 我が国は、そういう意味では、食料自給率が低く、農林水産物の大幅な純輸入国でありますので、G7の中では特殊な存在とも言えるんじゃないかというふうに思います。
 ただ、世界的には、我が国のように食料の純輸入国というのもたくさんあるわけでありますので、G7という枠組みの中で、我が国としては、食料を海外に依存している、そうした国々の立場を代表するというような役割も期待をされているんじゃないかというふうに思います。
 そこで、大臣に、我が国のそうした立場からどのような主張をされてこられたのか、また、それが今回、この会合の中でどういうふうに生かされてきたのか、御報告いただければというふうに思います。
この発言だけを見る →
森山裕#29
○森山国務大臣 上田委員にお答えをいたします。
 委員御指摘のとおり、先月の二十三日と二十四日に新潟でG7農業大臣会合を開催いたしました。
 改めて、御協力をいただいた新潟県、新潟市、また関係者の皆さん、ボランティアの皆さんに感謝を申し上げたいと思っております。
 この会合におきましては、農業を取り巻く新たな課題に対応して、G7そして世界の食料安全保障をどのように強化していくのかについて包括的な議論を行ったところであります。
 会合の場で私からは、農業者の高齢化、農村のコミュニティー活動の停滞、新興国の所得向上等に伴う食料需要の変化等、新たにG7共通の課題が発生をしていること、そうした中で、我が国の食料の自給率は三九%と低く、これらの課題に対処し、次世代に豊かな食と農村を継承していく必要があること、このため、人材力の強化等を含めた産業政策と農村コミュニティーを活性化するための地域政策とを車の両輪として農政を進めていく必要があることを主張いたしました。
 こうした問題設定は、各国からも、我々の共通点に目を向けることができたとの評価をいただき、議論の結果である新潟宣言でも、食料安全保障の強化を図る観点から、新規就農と女性の参画の促進等を図り、農村地域の活性化と農業者の所得向上の双方を進めていくこと、技術開発等により生産性の向上を図るとともに食料供給システムの強化、改善を図ること、気候変動に対処して持続可能な農林水産業を確立することにつき、G7が認識を共有し、課題の解決に向けて連帯して取り組んでいくという形で反映されたところであり、いい方向づけができたのではないかと考えております。
 以上でございます。
この発言だけを見る →
← 戻る