国の統治機構に関する調査会
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会
会議録情報#0
平成二十八年二月二十四日(水曜日)
午後一時開会
─────────────
委員の異動
二月二十三日
辞任 補欠選任
高橋 克法君 高野光二郎君
武見 敬三君 滝波 宏文君
─────────────
出席者は左のとおり。
会 長 山崎 力君
理 事
猪口 邦子君
島村 大君
渡邉 美樹君
野田 国義君
新妻 秀規君
倉林 明子君
委 員
井原 巧君
衛藤 晟一君
古賀友一郎君
酒井 庸行君
高野光二郎君
滝波 宏文君
柘植 芳文君
堀井 巌君
石橋 通宏君
田城 郁君
津田弥太郎君
水野 賢一君
安井美沙子君
秋野 公造君
柴田 巧君
儀間 光男君
山本 太郎君
事務局側
第三特別調査室
長 宮崎 清隆君
参考人
駒澤大学法学部
教授 大山 礼子君
政策研究大学院
大学教授 竹中 治堅君
─────────────
本日の会議に付した案件
○国の統治機構等に関する調査
(「時代の変化に対応した国の統治機構の在り
方」のうち、二院制議会における今日の参議院
の役割(参議院の目指すべき姿))
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この発言だけを見る →午後一時開会
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委員の異動
二月二十三日
辞任 補欠選任
高橋 克法君 高野光二郎君
武見 敬三君 滝波 宏文君
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出席者は左のとおり。
会 長 山崎 力君
理 事
猪口 邦子君
島村 大君
渡邉 美樹君
野田 国義君
新妻 秀規君
倉林 明子君
委 員
井原 巧君
衛藤 晟一君
古賀友一郎君
酒井 庸行君
高野光二郎君
滝波 宏文君
柘植 芳文君
堀井 巌君
石橋 通宏君
田城 郁君
津田弥太郎君
水野 賢一君
安井美沙子君
秋野 公造君
柴田 巧君
儀間 光男君
山本 太郎君
事務局側
第三特別調査室
長 宮崎 清隆君
参考人
駒澤大学法学部
教授 大山 礼子君
政策研究大学院
大学教授 竹中 治堅君
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本日の会議に付した案件
○国の統治機構等に関する調査
(「時代の変化に対応した国の統治機構の在り
方」のうち、二院制議会における今日の参議院
の役割(参議院の目指すべき姿))
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山
山崎力#1
○会長(山崎力君) ただいまから国の統治機構に関する調査会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日、高橋克法君及び武見敬三君が委員を辞任され、その補欠として高野光二郎君及び滝波宏文君が選任されました。
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この発言だけを見る →委員の異動について御報告いたします。
昨日、高橋克法君及び武見敬三君が委員を辞任され、その補欠として高野光二郎君及び滝波宏文君が選任されました。
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山
山崎力#2
○会長(山崎力君) 国の統治機構等に関する調査を議題といたします。
「時代の変化に対応した国の統治機構の在り方」のうち、「二院制議会における今日の参議院の役割」について調査を行うに当たって、本日は「参議院の目指すべき姿」について参考人から意見を聴取いたします。
御出席いただいております参考人は、駒澤大学法学部教授大山礼子君及び政策研究大学院大学教授竹中治堅君でございます。
この際、参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多用のところ本調査会に御出席いただきまして誠にありがとうございます。
皆様方から忌憚のない御意見をお述べいただき、調査の参考にいたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
議事の進め方でございますが、まず大山参考人、竹中参考人の順にお一人二十分程度で御意見をお述べいただき、その後、各委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、大山参考人からお願いいたします。大山参考人。
この発言だけを見る →「時代の変化に対応した国の統治機構の在り方」のうち、「二院制議会における今日の参議院の役割」について調査を行うに当たって、本日は「参議院の目指すべき姿」について参考人から意見を聴取いたします。
御出席いただいております参考人は、駒澤大学法学部教授大山礼子君及び政策研究大学院大学教授竹中治堅君でございます。
この際、参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多用のところ本調査会に御出席いただきまして誠にありがとうございます。
皆様方から忌憚のない御意見をお述べいただき、調査の参考にいたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
議事の進め方でございますが、まず大山参考人、竹中参考人の順にお一人二十分程度で御意見をお述べいただき、その後、各委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、大山参考人からお願いいたします。大山参考人。
大
大山礼子#3
○参考人(大山礼子君) 大山でございます。本日は、意見を述べる機会を与えていただきましてありがとうございます。
それでは、早速ですけれども、二枚物のレジュメを用意してございますので、それを御覧いただきまして話を聞いていただければと思います。
まず、テーマ、「参議院の目指すべき姿」ということですけれども、キャッチフレーズ的に一言で申し上げれば、拒否権の院から正論の院へということだと思います。拒否権の府という言い方もありますけれども、そういうことじゃないかと考えております。要するに、拒否権を行使することによって存在感を示すのではなくて、審議の内容、言論の力で独自性を発揮すべきでしょうと、こういうことでございます。これは当然のことですけれども。
そして、まずは「与野党対決一辺倒の衆議院とは異なる審議を」と書いておきました。日本の衆議院は、ちょっとよその国の下院と比べましても本当に与野党対決一辺倒でございまして、これ自体少しおかしいのですけれども、とかく下院、第一院というのはそういう傾向を持つのはやむを得ないところでございます。それに対しまして、上院、第二院である参議院では、そうではない、もう少し党派を離れた客観的、実質的な議論をしていただきたいと存じます。
そして、実は今でもなさっているわけでして、この調査会活動などはその最たるものだと思うんですけれども、こういう辺りをもうちょっと充実させていくことと、それから、残念だと思いますのは、せっかくいい審議されていますのに余り伝わっていないんですね。それをどうやって国民に伝えるかというようなことをこれからも考えていただくのがよろしいのではないかと思っております。
それからもう一つは、行政監視でございます。これも、議会というのは全体として行政を監視すべき立場でございます。国民代表でございますし、納税者代表でもありますので、そういう立場にいるわけですけれども、とかく衆議院ではどうしても与野党対立の文脈で審議を行いますので、客観的な行政監視というのができにくい。それに比べますと、参議院は政府からやや距離を置いた立場にいるという、これが利点になりますので、行政監視を活性化していただきたいと考えております。
予算関連法案を、言葉は悪いですけれども、人質に取るようなやり方ですとか、あるいは問責決議を乱発するというようなことがかつて見られたわけですけれども、こういったことは国民、有権者の信頼を損ねることにつながりかねないと存じます。
二番目の方に参ります。
私、前からこういうことを申し上げているんですけれども、実は、日本の参議院の権限というのは、国際比較の観点から見ましても、第二院としてはかなり強力でございます。強力なら独自性を発揮して審議できればよろしいんですけれども、実はそうなってはいなくて、権限の強さがかえって独自性の発揮を妨げている、独自性発揮の足かせになっているのではないかというふうに考える次第でございます。
権限の強さというのは、もう言うまでもなく事実上の拒否権を持っているということでございます。このことがあるために、参議院が独自性を発揮しまして独自の審議を展開しますと、政権の側から見ると自らの法案が通らないということになってしまいます。もちろん修正をされたり時間を掛けて審議することはよろしいんですけれども、ここで全部ブロックされてしまうというような事態は、やはりこれは政権としては避けたいことだと思います。そうなると、なるべく政府としては参議院に独自性を発揮させないようにしようと、こういうことになってしまいがちでございます。
それからもう一つのことは、これから竹中先生の御報告にもあるかと存じますけれども、権限が強いものですから、選挙制度については非常に厳格な人口比例原則の遵守が求められております。これは最近裁判所の方の判断が厳しくなっているわけですけれども、これも近年のねじれ国会等々で参議院の強さが認識されてきたことと無関係ではないと考えております。結局、参議院の強さが制度設計の自由度を低下させているという感じがいたします。
そうしますと、もっと自由な改革をするためには権限を見直すということが必要になるのではないでしょうか。抜本的には憲法改正も必要かと思いますけれども、少なくとも単年度適用の特例公債法案等々については衆議院の議決を優先するというようなことも考えるべきではないでしょうか。
ただ、もちろん、そういったことで参議院の権限を見直す場合には、当然のことですけれども、参議院の審議権を確保してきちんと審議をする時間を取る、こういった工夫も同時に必要になります。このことは、別に権限が少し引き下げられたとしましても、参議院が本当に国民にとって納得のできる審議を行っていればそれを無視することはできないはずでございますので、そういったところに力を発揮していただきたいと考えております。
以上が基本認識なんですけれども、結局独自性発揮のために一番簡単な方法は、議員の構成を変えるということでございます。そうしますと、選挙制度を変えることが早道でございますので、次の項目としまして、じゃ、どんなふうな改革が考えられるかということを、たたき台以前のものですけれども、何か議論のきっかけにしていただければと思いまして考えてまいりましたので、そのお話をしたいと思います。
選挙制度と申しましても非常に多種多様でございますので、どういうことを目標に選挙制度を変えていくかということによって議論の仕方が変わってまいります。ですけれども、ここでは、最近の議論で特に参議院の中でも御要望が強いように思います都道府県代表の確保ということを一つの目的とする、それからもう一つは、これは今回の御依頼を受けるときに事務方の方からもそういうお話あったんですけれども、もう少し女性議員を増やすにはどうしたらいいか、議員の多様化を図っていくにはどうしたらいいかと、この二つを優先課題とした場合にはどんなことが考えられるかというのを二つ考えてまいりましたので、二枚目の方に参りまして、そのお話をしたいと思います。
まず、これちょっと大胆な案の方からお話をしたいと思います。大胆なというのは、憲法を改正しないと難しい案ということになります。
A案でございますけれども、これは都道府県を全て二人区にして男女各一名を選出するというものです。お笑いになると思うんですけれども、これは実はフランスの県議会で同じことをやっております。そんなに絵空事ではないんですね。
具体的には、四十七掛ける二の九十四人の定数にするのでしたら、都道府県を二つのグループに分けて、三年ごとに半数の都道府県で選挙をすればいい。もし定数をその倍の百八十八にするのでしたら、三年ごとに全ての都道府県で二名を選挙すればいいということになります。男女はそれぞれ独立して立候補してもよろしいんですけれども、ペアで立候補しても構わない。ペアの場合は、同じ政党でもよろしいですが、立場の近い政党、これから連立を組んでいこうとする政党が選挙協力のような形でペアを組んでも構わない、そういう選挙でございます。
これは利点が二つありまして、もちろん、地方代表議院としての独自性が非常に明確になるということです。それから、女性議員比率は必ず五〇%になります。これぐらいのことをやっていただきますと、それこそ十八歳、十九歳も含めて国民の関心がアップすることは間違いないので、余りに絵空事とお思いにならずに検討していただきたいと思います。
ただし、これはもちろん人口比例原則を無視した選挙制度でございますので、実現には、憲法を改正して参議院の権限も含めて二院制の在り方を抜本的に見直す必要がございます。
では次に、もうちょっと穏やかな、それでも結構ある意味過激でございますけれども、現行憲法下で実現可能ではないかと思われる案を御紹介したいと思います。
B案でございます。これは、拘束名簿式の比例代表と都道府県代表を併用するという案でございます。
どうするかといいますと、具体的に申し上げると、拘束名簿式の比例代表制に都道府県を単位とする小選挙区制を併用するわけです。小選挙区の候補者は全て比例代表との重複立候補者とします。そして、各名簿への議席配分は完全に比例代表によるんですけれども、先に小選挙区での候補者は当選になりますので、それの残りの数を名簿登載順で当選とするということになります。これ、計算の仕方は、連用制案がございますけれども、ああいった計算の仕方でもよろしいかと思います。もちろん、一人名簿を認めることも可能ですので、無所属の立候補も決して禁ずるものではございません。そして、この場合、比例代表を全国一区としますれば特に選挙権の平等の問題は生じないわけですけれども、幾つかのブロックに分けることももちろん可能だと思います。しかし、その場合は人口比例原則を守った定数配分が必要になります。
この案にはどういう利点があるかと申し上げますと、最初に書いておきましたのが言わばこの案のセールスポイントのようなものなんですけれども、選挙権の不平等の問題を生ずることなしに都道府県代表を確保できるのではないかということです。もちろん、これはある程度定数が多くなくてはいけません。こうなりますと、これも本当は憲法学者の方の御意見も伺わなくちゃいけませんけれども、結局、政党の議席配分は全く比例代表の方でやっておりますので、都道府県代表は比例代表で決まった当選者の中から、我々の都道府県はこの人を指名しますよと、そういう形になりますので、あるいは選挙権の不平等の問題をクリアできるのではないだろうかというふうに私は考えております。
それから、拘束名簿式というのは、これは議員の多様化を促進する効果が期待できます。これは諸外国の研究でも明らかですけれども、女性議員も拘束名簿式の場合には増える可能性が非常に高いと思います。
それから、現在の選挙制度の問題点を解消するという効果もございます。
一つは、非拘束名簿式の問題点でございます。これはいまだになかなか有権者の方々が理解してくださっておりません。それから、それ以外にも、例えば選挙費用の増大であるとか、政党の中で極端に個人票が少ない政党があった場合には本当に僅かな個人票で当選順位が決まってしまうといった問題もございます。こういった問題点を解消できるという利点がございます。それから、もう一つの選挙区選挙の方ですけれども、現在の参議院では小選挙区制と中選挙区制が混在しておりまして、このことの問題というのはいろんな識者の方が御指摘になっているとおりでございます。ですが、このように変えてしまえば、その問題点も解消できるということになります。
それから、これは実は後でお話しになる竹中先生が前から御指摘になっているところなんですけれども、現在の衆議院、参議院の選挙制度ですと、衆議院で多数を取った政党と参議院で過半数を取った政党が真っ向から対立するという事態が起きかねないわけですけれども、このように比例を中心とした、全体を比例で決めるという選挙制度にしてしまえばそういう事態は回避できるのではないかと思われます。
ただし、この案にも留意点がございまして、ある程度の定数がなければいけません。多分、現行定数がぎりぎりだと思います。ですので、定数削減ということは困難になろうかと思います。特に、半数改選というのを維持するのであれば、最低限現行定数ぐらいは必要、あるいはもうちょっと多い方がよろしいかもしれません。そういったことが留意点としてあるかと存じます。
以上、少し、今まで言われていないような提案ということで、今後の議論の活性化ということで考えてみましたので、御参考になれば幸いでございます。
以上で私の発言を終わります。
この発言だけを見る →それでは、早速ですけれども、二枚物のレジュメを用意してございますので、それを御覧いただきまして話を聞いていただければと思います。
まず、テーマ、「参議院の目指すべき姿」ということですけれども、キャッチフレーズ的に一言で申し上げれば、拒否権の院から正論の院へということだと思います。拒否権の府という言い方もありますけれども、そういうことじゃないかと考えております。要するに、拒否権を行使することによって存在感を示すのではなくて、審議の内容、言論の力で独自性を発揮すべきでしょうと、こういうことでございます。これは当然のことですけれども。
そして、まずは「与野党対決一辺倒の衆議院とは異なる審議を」と書いておきました。日本の衆議院は、ちょっとよその国の下院と比べましても本当に与野党対決一辺倒でございまして、これ自体少しおかしいのですけれども、とかく下院、第一院というのはそういう傾向を持つのはやむを得ないところでございます。それに対しまして、上院、第二院である参議院では、そうではない、もう少し党派を離れた客観的、実質的な議論をしていただきたいと存じます。
そして、実は今でもなさっているわけでして、この調査会活動などはその最たるものだと思うんですけれども、こういう辺りをもうちょっと充実させていくことと、それから、残念だと思いますのは、せっかくいい審議されていますのに余り伝わっていないんですね。それをどうやって国民に伝えるかというようなことをこれからも考えていただくのがよろしいのではないかと思っております。
それからもう一つは、行政監視でございます。これも、議会というのは全体として行政を監視すべき立場でございます。国民代表でございますし、納税者代表でもありますので、そういう立場にいるわけですけれども、とかく衆議院ではどうしても与野党対立の文脈で審議を行いますので、客観的な行政監視というのができにくい。それに比べますと、参議院は政府からやや距離を置いた立場にいるという、これが利点になりますので、行政監視を活性化していただきたいと考えております。
予算関連法案を、言葉は悪いですけれども、人質に取るようなやり方ですとか、あるいは問責決議を乱発するというようなことがかつて見られたわけですけれども、こういったことは国民、有権者の信頼を損ねることにつながりかねないと存じます。
二番目の方に参ります。
私、前からこういうことを申し上げているんですけれども、実は、日本の参議院の権限というのは、国際比較の観点から見ましても、第二院としてはかなり強力でございます。強力なら独自性を発揮して審議できればよろしいんですけれども、実はそうなってはいなくて、権限の強さがかえって独自性の発揮を妨げている、独自性発揮の足かせになっているのではないかというふうに考える次第でございます。
権限の強さというのは、もう言うまでもなく事実上の拒否権を持っているということでございます。このことがあるために、参議院が独自性を発揮しまして独自の審議を展開しますと、政権の側から見ると自らの法案が通らないということになってしまいます。もちろん修正をされたり時間を掛けて審議することはよろしいんですけれども、ここで全部ブロックされてしまうというような事態は、やはりこれは政権としては避けたいことだと思います。そうなると、なるべく政府としては参議院に独自性を発揮させないようにしようと、こういうことになってしまいがちでございます。
それからもう一つのことは、これから竹中先生の御報告にもあるかと存じますけれども、権限が強いものですから、選挙制度については非常に厳格な人口比例原則の遵守が求められております。これは最近裁判所の方の判断が厳しくなっているわけですけれども、これも近年のねじれ国会等々で参議院の強さが認識されてきたことと無関係ではないと考えております。結局、参議院の強さが制度設計の自由度を低下させているという感じがいたします。
そうしますと、もっと自由な改革をするためには権限を見直すということが必要になるのではないでしょうか。抜本的には憲法改正も必要かと思いますけれども、少なくとも単年度適用の特例公債法案等々については衆議院の議決を優先するというようなことも考えるべきではないでしょうか。
ただ、もちろん、そういったことで参議院の権限を見直す場合には、当然のことですけれども、参議院の審議権を確保してきちんと審議をする時間を取る、こういった工夫も同時に必要になります。このことは、別に権限が少し引き下げられたとしましても、参議院が本当に国民にとって納得のできる審議を行っていればそれを無視することはできないはずでございますので、そういったところに力を発揮していただきたいと考えております。
以上が基本認識なんですけれども、結局独自性発揮のために一番簡単な方法は、議員の構成を変えるということでございます。そうしますと、選挙制度を変えることが早道でございますので、次の項目としまして、じゃ、どんなふうな改革が考えられるかということを、たたき台以前のものですけれども、何か議論のきっかけにしていただければと思いまして考えてまいりましたので、そのお話をしたいと思います。
選挙制度と申しましても非常に多種多様でございますので、どういうことを目標に選挙制度を変えていくかということによって議論の仕方が変わってまいります。ですけれども、ここでは、最近の議論で特に参議院の中でも御要望が強いように思います都道府県代表の確保ということを一つの目的とする、それからもう一つは、これは今回の御依頼を受けるときに事務方の方からもそういうお話あったんですけれども、もう少し女性議員を増やすにはどうしたらいいか、議員の多様化を図っていくにはどうしたらいいかと、この二つを優先課題とした場合にはどんなことが考えられるかというのを二つ考えてまいりましたので、二枚目の方に参りまして、そのお話をしたいと思います。
まず、これちょっと大胆な案の方からお話をしたいと思います。大胆なというのは、憲法を改正しないと難しい案ということになります。
A案でございますけれども、これは都道府県を全て二人区にして男女各一名を選出するというものです。お笑いになると思うんですけれども、これは実はフランスの県議会で同じことをやっております。そんなに絵空事ではないんですね。
具体的には、四十七掛ける二の九十四人の定数にするのでしたら、都道府県を二つのグループに分けて、三年ごとに半数の都道府県で選挙をすればいい。もし定数をその倍の百八十八にするのでしたら、三年ごとに全ての都道府県で二名を選挙すればいいということになります。男女はそれぞれ独立して立候補してもよろしいんですけれども、ペアで立候補しても構わない。ペアの場合は、同じ政党でもよろしいですが、立場の近い政党、これから連立を組んでいこうとする政党が選挙協力のような形でペアを組んでも構わない、そういう選挙でございます。
これは利点が二つありまして、もちろん、地方代表議院としての独自性が非常に明確になるということです。それから、女性議員比率は必ず五〇%になります。これぐらいのことをやっていただきますと、それこそ十八歳、十九歳も含めて国民の関心がアップすることは間違いないので、余りに絵空事とお思いにならずに検討していただきたいと思います。
ただし、これはもちろん人口比例原則を無視した選挙制度でございますので、実現には、憲法を改正して参議院の権限も含めて二院制の在り方を抜本的に見直す必要がございます。
では次に、もうちょっと穏やかな、それでも結構ある意味過激でございますけれども、現行憲法下で実現可能ではないかと思われる案を御紹介したいと思います。
B案でございます。これは、拘束名簿式の比例代表と都道府県代表を併用するという案でございます。
どうするかといいますと、具体的に申し上げると、拘束名簿式の比例代表制に都道府県を単位とする小選挙区制を併用するわけです。小選挙区の候補者は全て比例代表との重複立候補者とします。そして、各名簿への議席配分は完全に比例代表によるんですけれども、先に小選挙区での候補者は当選になりますので、それの残りの数を名簿登載順で当選とするということになります。これ、計算の仕方は、連用制案がございますけれども、ああいった計算の仕方でもよろしいかと思います。もちろん、一人名簿を認めることも可能ですので、無所属の立候補も決して禁ずるものではございません。そして、この場合、比例代表を全国一区としますれば特に選挙権の平等の問題は生じないわけですけれども、幾つかのブロックに分けることももちろん可能だと思います。しかし、その場合は人口比例原則を守った定数配分が必要になります。
この案にはどういう利点があるかと申し上げますと、最初に書いておきましたのが言わばこの案のセールスポイントのようなものなんですけれども、選挙権の不平等の問題を生ずることなしに都道府県代表を確保できるのではないかということです。もちろん、これはある程度定数が多くなくてはいけません。こうなりますと、これも本当は憲法学者の方の御意見も伺わなくちゃいけませんけれども、結局、政党の議席配分は全く比例代表の方でやっておりますので、都道府県代表は比例代表で決まった当選者の中から、我々の都道府県はこの人を指名しますよと、そういう形になりますので、あるいは選挙権の不平等の問題をクリアできるのではないだろうかというふうに私は考えております。
それから、拘束名簿式というのは、これは議員の多様化を促進する効果が期待できます。これは諸外国の研究でも明らかですけれども、女性議員も拘束名簿式の場合には増える可能性が非常に高いと思います。
それから、現在の選挙制度の問題点を解消するという効果もございます。
一つは、非拘束名簿式の問題点でございます。これはいまだになかなか有権者の方々が理解してくださっておりません。それから、それ以外にも、例えば選挙費用の増大であるとか、政党の中で極端に個人票が少ない政党があった場合には本当に僅かな個人票で当選順位が決まってしまうといった問題もございます。こういった問題点を解消できるという利点がございます。それから、もう一つの選挙区選挙の方ですけれども、現在の参議院では小選挙区制と中選挙区制が混在しておりまして、このことの問題というのはいろんな識者の方が御指摘になっているとおりでございます。ですが、このように変えてしまえば、その問題点も解消できるということになります。
それから、これは実は後でお話しになる竹中先生が前から御指摘になっているところなんですけれども、現在の衆議院、参議院の選挙制度ですと、衆議院で多数を取った政党と参議院で過半数を取った政党が真っ向から対立するという事態が起きかねないわけですけれども、このように比例を中心とした、全体を比例で決めるという選挙制度にしてしまえばそういう事態は回避できるのではないかと思われます。
ただし、この案にも留意点がございまして、ある程度の定数がなければいけません。多分、現行定数がぎりぎりだと思います。ですので、定数削減ということは困難になろうかと思います。特に、半数改選というのを維持するのであれば、最低限現行定数ぐらいは必要、あるいはもうちょっと多い方がよろしいかもしれません。そういったことが留意点としてあるかと存じます。
以上、少し、今まで言われていないような提案ということで、今後の議論の活性化ということで考えてみましたので、御参考になれば幸いでございます。
以上で私の発言を終わります。
山
竹
竹中治堅#5
○参考人(竹中治堅君) 竹中でございます。
今日は、国の統治機構に関する調査会にお招きくださいまして、とても光栄に感じております。大変勝手なことを言うかもしれませんが、一つの意見として参考にしていただければ、一研究者として、そして一国民としてとても光栄に感じる次第です。どうぞよろしくお願いいたします。
そして、何か今までにない改革案ということで大山先生がすばらしい案を出されて、自分もかなり考えてきたつもりなんですが、ちょっと大山先生には及ばないかもしれないなと思っているところでございますが、始めさせていただきます。
まず前提は、既に大山先生もさんざん強調されたことなんですけれども、参議院はとても強いということですね。参議院の目指すべき姿を考える前提として、参議院の独自性を考えなければならないと思っております。
日本は議院内閣制を取るということを習ってきているわけですが、その中でも、参議院は独特の地位があるということでございます。議院内閣制はどういうものかといえば、内閣の存立は議会の信任によると。要は、議会の多数派から支持を得られる人が首相になって、その首相になった人が内閣を構成する、そして内閣は議会を解散可能だし、議会は内閣不信任案を可決することができると、これが議院内閣制だと思うんですね。
この関係が実は日本国で成立しているのは衆議院と内閣の間だけでございまして、参議院と内閣の間にはそういう関係は全く存在していないわけですね。首相指名選挙というのはもちろんございますが、これは衆議院の議決が優先する、そして参議院議員の方々の任期は六年間保障されていますので解散がないと。
ですから、議院内閣制というのは、基本的には立法府の多数派が行政権をコントロールしておりますので、行政府と立法府が対立して国政が停滞するということはそもそも考えられていない制度だと私は理解しています。ただし、日本国の場合、日本の統治制度の中では内閣と参議院が、要は、内閣は必ずしも参議院の多数派によって支持されるということを保障している制度ではないわけですね。
憲法は、内閣と参議院の多数派が異なる場合に、要は、内閣が参議院の多数派によって支持されていない場合にどういう解決策を用意しているかというと、これは衆議院を参議院に優位させることによって解決しようとしているわけです。ただし、御案内のとおり、衆議院の参議院に対する優位性というものは極めて弱いわけですね。三分の二の再議決要件、そして三分の二が確保されている場合でも、御案内のとおり六十日ルールというものがございますので、再議決を使うのはかなり難しいということがございます。
なので、考え方によっては、参議院は解散されないので内閣の最重要法案を仮に否決した場合でもペナルティーはない、ペナルティーという言い方は変ですけれども。もし仮に衆議院が内閣の最重要法案を否決した場合には、内閣は解散・総選挙をすることによって国民に信を問えるわけですけれども、参議院に対してはそういう手段はなかなかないと。もちろん、小泉さんはいろいろなことを考えられて衆議院を解散したわけですけれども、それはやはり。ただし、参議院自体は解散されない、ペナルティーがない。ですから、考え方によっては参議院の方が衆議院よりも強いかもしれないと、その法案を否決するというか、法案をブロックするという意味においては参議院はより強いかもしれないということですね。
そして、予算や条約も衆議院が優位するわけですけれども、大体関連法案を伴っておりますので、ですから関連法案とセットじゃないと、予算が承認されても、あるいは条約が批准されても実際に執行はされないので、参議院はそこでも、予算や条約に対しても強い影響力を及ぼしていると。ですから、考え方によっては、首相を指名するという権限を除けばむしろ参議院の方が衆議院に優位しているぐらいの力を持っているというのが参議院の、これが現実だと思います。
なので、一九九九年以来、参議院は政権の構成にも強い影響力を及ぼしていると。これは今に始まった話じゃなくて、ワンマン首相と言われた吉田茂首相も、参議院で多数派の支持勢力を確保していなかったのでとても御苦労をされて、参議院で何とか多数派を組むために連立工作を参議院の少数政党に対して働きかけるという歴史的事実がありますので、これは今に始まったことではないということですね。
参議院の影響力を見る場合に、ともすれば参議院における法案審議というものが、世論というか我々一般のマスメディアなどでは注目されることが多いと思うんですが、この政策決定過程、政治過程全般について参議院の影響力というのは見るべきであろうというのが私の考えです。
そうしますと、では平成年間に、平成になってから参議院はどういう影響力を行使できたのかというと、多くの重要法案を否決したり、あるいは修正してきました。そして、先ほども少し申し上げましたけれども、政権の構成に大きな影響を与えております。これは、基本的には参議院で過半数を獲得するために組まれてきている連立内閣です。
そして、大山先生も既にお話しになりましたけれども、この平成、特に二〇〇〇年代に入ってからの特徴は、参議院の多数派と衆議院の多数派が異なる、そして、二大政党が衆参をまたぐ形で浸透しまして、自民党政権の福田、麻生内閣、自民党政権に対しては、参議院で民主党を中心とする野党が過半数を取ったことを利用して徹底的に政策立案を妨害すると。そして、そういうふうにやられたからというわけではないと思うんですが、今度は民主党政権に対して自民党と公明党はやはり多くの政策立案を妨げたということがございます。そして、さらに野田内閣に対しては、参議院で重要法案を、言い方は悪いかもしれませんが、人質に取って解散を要求すると。ということで、政権の命運すらも参議院が握るというような強い影響力を保持してきたわけです。
そして、第二次、第三次安倍内閣になってからは参議院はどういう影響力を及ぼしているかというと、一番顕著な例は、先般来注目されてきました集団的自衛権の行使に関する憲法解釈変更及び安保法制の内容について、これはもちろん、連立内閣の内部で公明党がより厳しい条件を求めたことによって、実際自民党が考えていたよりもより厳格な内容になったと私は理解しております。これも、公明党と自民党が何で連立内閣を組んでいるかといえば、それは大きな理由があるかもしれませんけれども、その最大の理由はやはり参議院で過半数を獲得することが目的なので、こういう形でもやはり参議院は影響力を行使しているんだというふうに理解するべきだと私は考えております。
基本的にこれまで参議院がどういう役割を果たしてきたかということをまとめますと、参議院は、内閣と衆議院が一体となって行う政策立案、特に立法を抑制してきたということで、その抑制すると同時に、一種の多様な意見も反映させてきたということだと思います。
これは、そもそも二院制を設けている目的は何かといえば、それは抑制と均衡、そして多様性の反映ということなので、その目的に沿う形で参議院は機能を果たしてきたと思うんですが、ともすれば、やはり特例公債法案を人質に取るとか重要法案を人質に取って解散を要求するとか、ここ近年ではやや行き過ぎていて、これは必ずしも国民の理解を得られるものではないのではないかと、これはもう大山先生が先ほどおっしゃったとおりでございまして、私もそのように考えております。
ということで、政策、要は参議院における法案審議だけを見ると必ずしも参議院の影響力というのは注目されないかもしれないですけれども、その全過程を見ることによって、参議院はとても強い影響力を果たしているということが分かるということです。
それでは、参議院はどういうことを目指すべきなのかというと、基本的には二院制の目的を果たすこと、これは抑制と均衡と多様な民意の反映ということだと思うんですが、やはりある程度影響を発揮しているということを国民に分かりやすく見せないと、参議院は何をやっているんですかということにやはりなってしまうので、この見える化ということが必要なのではないかと。
もちろん、政治家の方々、閣僚、首相は政治のプロですから、参議院の影響力を織り込んで、その前の、参議院の法案審議に至る前に、もう内閣の中で法案を準備する過程、それが駄目ならせめて衆議院で法案修正ということで、参議院に来る前に決着させようとする強いベクトルが働くわけだと思うんですね。ただ、一部の重要法案については、やはりある程度参議院で法案修正をしないと、国民にはやはり参議院が影響力を行使しているということは伝わらないんだと思うんですね。
私は参議院のことを研究しておりますと言いますが、多くの人は、そういう話を聞いて参議院って何やっているんですかと、大変失礼な言い方かもしれませんが、そういうことを言うわけですね。これは、もっと重要法案を、例えば安保法制だって参議院で修正というのが一面トップに飾るようなことが続けば、国民は、ああ、第二院はちゃんとチェックしておるじゃないかということになると思うんですが、そういうことを果たしていないということがあります。
それから、やはり一層の政策立案、提言、多少センセーショナルな形でもいいかもしれません。調査会が三つありますから、そこを利用して国が抱える問題に関して積極的に提言されれば、やはり参議院の存在感というのは更に増すのではないかと思います。
そして、この抑制と均衡と多様な民意を反映させるために更に細かく見ていきたいんですが、まず考えるべきは、現行憲法の枠内で何ができるかということです。これは、やはり更なる選挙制度改革をする必要があるだろうと。
多くの参議院議員の方からすると、四・七五から三・〇まで行ったんだから、もうこれで十分ではないかと思われている方は多いかもしれないんですが、しかし、まだ較差は残っているわけですね。そして、多くの一人区があります。一人区があるので、今は必ずしもそうなっていませんけれども二大政党制が成立しやすくなって、二大政党制が成立しやすいがゆえに、参議院で強い勢力を取った野党第一党が、参議院で与党が過半数割れした場合にその状況を利用して次の総選挙で自分たちが政権を取れるように、有利な状況にするために徹底的に政権を追い込むというベクトルが働いてしまうので、やはり一人区は解消していくべきではないかと思っています。
そして、何よりも強調したいのが、先ほど来大山先生と私が言っていることなんですが、参議院が強いからこそ、そういう強い権限を有している院に代表される方々は平等原則を徹底する形で選出されるべきであると。なので、一票の価値の平等は原則として貫かれるべきで、三・〇二では不十分でありまして、これは限りなく一に近い数字に持っていくべきだろうということで、あと、衆議院の選挙制度との関係も考えるべきだと思っています。ですから、衆議院の小選挙は政権選択、参議院選挙は多様な民意を反映させるということですね。ですから、私がふさわしいと思うのは、ブロック別の大選挙区制にして、ブロックの定数をブロックごとにすれば、かなり一対一に近い一人一票の原則を貫く形で定数配分もできますし、大選挙区にすることによって中小政党も当選しやすくなるので、そこで多様な民意も反映させやすくなるのではないかということですね。
あともう一つは、これはもういろいろ改革案は既に出尽くしているなと思っているんですが、一つ言われていないことが両院協議会ですね。
これ、今の両院協議会だと、衆議院で賛成した側と参議院で反対した側から十対十ずつ出てきて、また三分の二以上の人が賛成しないと成案ができないので、これじゃ成案まとまるわけがないんですね。なので、両院協議会は、これは国会法で内容を規定できますので、両院協議会を全国会議員集会にしてしまうと。そうすると、衆議院と参議院で、基本的には多分衆議院の意見が通りやすくなるんですが、衆議院の間でもかなり意見が割れているような非常に競ったような状況ですと、参議院議員の方々がどう判断を下すかというのがその成案を取れるかどうかということに影響力を発揮できるので、これはちょうどバランスが取れた二院制、二院制の目的を考える上でバランスの取れた両院協議会になるのではないかなと考えております。
そして、憲法改正、もう今の現行憲法にとらわれず、憲法改正も考えて参議院のどういうことを目指すべきかと考えた場合に、まず一つは、六十日ルールの再検討が必要でしょう。これは、この目まぐるしく変わる今日、基本的に六十日ルールが使われる場合はどういうことが起きているかというと、六十日間法案がたなざらしにされる危険性がかなり多くて、そんなに待っていられないのではないかと、やはりこれは三十日ぐらいに短縮するべきではないかと。
それから、再議決要件をどう考えるかということがとても重要だと思います。三分の二の再議決要件を維持するのであれば、やはり平等原則は徹底していただきたいと。三分の二再議決要件を緩和して再議決要件を二分の一にするんだったら、最終的には、衆議院の選挙制度が最近進んでおりまして平等原則が徹底される方向に行っておりますから、民主主義の基本である多数決原理が働く衆議院の意見が最終的には通るということを前提とするならば、様々な選挙制度を考える、一人一票にとらわれず、定数較差にとらわれず様々な選挙制度を検討する余地が出てくるのではないかと。
一つは、大山先生もおっしゃっていたように、純粋な都道府県代表制にしてしまうということですね。それからもう一つは、年齢別選挙区制ということも可能なのではないかと。これは、ゼロ歳から十歳、十歳から二十歳、二十歳から三十歳、三十歳から四十歳、四十歳から五十歳、大体十歳置きに代表を決まった数を選ぶということでございます。日本はシルバーデモクラシーということが言われておりますけれども、このままいくと、高齢者の方々の方が未来を担う若者よりも多数になってしまうかもしれないということですね。それはやはりいろいろ問題が多いのではないかということで、各年代ごとに平等の発言権を認めるということも参議院で考えてもいいのではないかと思います。
そして最後に、憲法改正する場合には、日本の参議院の独自性を分かりにくくしているのはやはり参議院が首相指名選挙を行っているということだと思いますので、これはいっそ廃止してしまうということで参議院はもう内閣から独立しているんだということをより明確に、自らこの権限を手放すことによってというか、参議院の独立性というものがよりはっきりして、独立した立場から政策立案に関与するんだということを、参議院の独立宣言みたいなものかもしれませんけれども、そういう改正も考えていただいてもいいのではないかなと思いました。
以上、簡潔ではございますけれども、私の意見を述べさせていただきました。
どうもありがとうございました。
この発言だけを見る →今日は、国の統治機構に関する調査会にお招きくださいまして、とても光栄に感じております。大変勝手なことを言うかもしれませんが、一つの意見として参考にしていただければ、一研究者として、そして一国民としてとても光栄に感じる次第です。どうぞよろしくお願いいたします。
そして、何か今までにない改革案ということで大山先生がすばらしい案を出されて、自分もかなり考えてきたつもりなんですが、ちょっと大山先生には及ばないかもしれないなと思っているところでございますが、始めさせていただきます。
まず前提は、既に大山先生もさんざん強調されたことなんですけれども、参議院はとても強いということですね。参議院の目指すべき姿を考える前提として、参議院の独自性を考えなければならないと思っております。
日本は議院内閣制を取るということを習ってきているわけですが、その中でも、参議院は独特の地位があるということでございます。議院内閣制はどういうものかといえば、内閣の存立は議会の信任によると。要は、議会の多数派から支持を得られる人が首相になって、その首相になった人が内閣を構成する、そして内閣は議会を解散可能だし、議会は内閣不信任案を可決することができると、これが議院内閣制だと思うんですね。
この関係が実は日本国で成立しているのは衆議院と内閣の間だけでございまして、参議院と内閣の間にはそういう関係は全く存在していないわけですね。首相指名選挙というのはもちろんございますが、これは衆議院の議決が優先する、そして参議院議員の方々の任期は六年間保障されていますので解散がないと。
ですから、議院内閣制というのは、基本的には立法府の多数派が行政権をコントロールしておりますので、行政府と立法府が対立して国政が停滞するということはそもそも考えられていない制度だと私は理解しています。ただし、日本国の場合、日本の統治制度の中では内閣と参議院が、要は、内閣は必ずしも参議院の多数派によって支持されるということを保障している制度ではないわけですね。
憲法は、内閣と参議院の多数派が異なる場合に、要は、内閣が参議院の多数派によって支持されていない場合にどういう解決策を用意しているかというと、これは衆議院を参議院に優位させることによって解決しようとしているわけです。ただし、御案内のとおり、衆議院の参議院に対する優位性というものは極めて弱いわけですね。三分の二の再議決要件、そして三分の二が確保されている場合でも、御案内のとおり六十日ルールというものがございますので、再議決を使うのはかなり難しいということがございます。
なので、考え方によっては、参議院は解散されないので内閣の最重要法案を仮に否決した場合でもペナルティーはない、ペナルティーという言い方は変ですけれども。もし仮に衆議院が内閣の最重要法案を否決した場合には、内閣は解散・総選挙をすることによって国民に信を問えるわけですけれども、参議院に対してはそういう手段はなかなかないと。もちろん、小泉さんはいろいろなことを考えられて衆議院を解散したわけですけれども、それはやはり。ただし、参議院自体は解散されない、ペナルティーがない。ですから、考え方によっては参議院の方が衆議院よりも強いかもしれないと、その法案を否決するというか、法案をブロックするという意味においては参議院はより強いかもしれないということですね。
そして、予算や条約も衆議院が優位するわけですけれども、大体関連法案を伴っておりますので、ですから関連法案とセットじゃないと、予算が承認されても、あるいは条約が批准されても実際に執行はされないので、参議院はそこでも、予算や条約に対しても強い影響力を及ぼしていると。ですから、考え方によっては、首相を指名するという権限を除けばむしろ参議院の方が衆議院に優位しているぐらいの力を持っているというのが参議院の、これが現実だと思います。
なので、一九九九年以来、参議院は政権の構成にも強い影響力を及ぼしていると。これは今に始まった話じゃなくて、ワンマン首相と言われた吉田茂首相も、参議院で多数派の支持勢力を確保していなかったのでとても御苦労をされて、参議院で何とか多数派を組むために連立工作を参議院の少数政党に対して働きかけるという歴史的事実がありますので、これは今に始まったことではないということですね。
参議院の影響力を見る場合に、ともすれば参議院における法案審議というものが、世論というか我々一般のマスメディアなどでは注目されることが多いと思うんですが、この政策決定過程、政治過程全般について参議院の影響力というのは見るべきであろうというのが私の考えです。
そうしますと、では平成年間に、平成になってから参議院はどういう影響力を行使できたのかというと、多くの重要法案を否決したり、あるいは修正してきました。そして、先ほども少し申し上げましたけれども、政権の構成に大きな影響を与えております。これは、基本的には参議院で過半数を獲得するために組まれてきている連立内閣です。
そして、大山先生も既にお話しになりましたけれども、この平成、特に二〇〇〇年代に入ってからの特徴は、参議院の多数派と衆議院の多数派が異なる、そして、二大政党が衆参をまたぐ形で浸透しまして、自民党政権の福田、麻生内閣、自民党政権に対しては、参議院で民主党を中心とする野党が過半数を取ったことを利用して徹底的に政策立案を妨害すると。そして、そういうふうにやられたからというわけではないと思うんですが、今度は民主党政権に対して自民党と公明党はやはり多くの政策立案を妨げたということがございます。そして、さらに野田内閣に対しては、参議院で重要法案を、言い方は悪いかもしれませんが、人質に取って解散を要求すると。ということで、政権の命運すらも参議院が握るというような強い影響力を保持してきたわけです。
そして、第二次、第三次安倍内閣になってからは参議院はどういう影響力を及ぼしているかというと、一番顕著な例は、先般来注目されてきました集団的自衛権の行使に関する憲法解釈変更及び安保法制の内容について、これはもちろん、連立内閣の内部で公明党がより厳しい条件を求めたことによって、実際自民党が考えていたよりもより厳格な内容になったと私は理解しております。これも、公明党と自民党が何で連立内閣を組んでいるかといえば、それは大きな理由があるかもしれませんけれども、その最大の理由はやはり参議院で過半数を獲得することが目的なので、こういう形でもやはり参議院は影響力を行使しているんだというふうに理解するべきだと私は考えております。
基本的にこれまで参議院がどういう役割を果たしてきたかということをまとめますと、参議院は、内閣と衆議院が一体となって行う政策立案、特に立法を抑制してきたということで、その抑制すると同時に、一種の多様な意見も反映させてきたということだと思います。
これは、そもそも二院制を設けている目的は何かといえば、それは抑制と均衡、そして多様性の反映ということなので、その目的に沿う形で参議院は機能を果たしてきたと思うんですが、ともすれば、やはり特例公債法案を人質に取るとか重要法案を人質に取って解散を要求するとか、ここ近年ではやや行き過ぎていて、これは必ずしも国民の理解を得られるものではないのではないかと、これはもう大山先生が先ほどおっしゃったとおりでございまして、私もそのように考えております。
ということで、政策、要は参議院における法案審議だけを見ると必ずしも参議院の影響力というのは注目されないかもしれないですけれども、その全過程を見ることによって、参議院はとても強い影響力を果たしているということが分かるということです。
それでは、参議院はどういうことを目指すべきなのかというと、基本的には二院制の目的を果たすこと、これは抑制と均衡と多様な民意の反映ということだと思うんですが、やはりある程度影響を発揮しているということを国民に分かりやすく見せないと、参議院は何をやっているんですかということにやはりなってしまうので、この見える化ということが必要なのではないかと。
もちろん、政治家の方々、閣僚、首相は政治のプロですから、参議院の影響力を織り込んで、その前の、参議院の法案審議に至る前に、もう内閣の中で法案を準備する過程、それが駄目ならせめて衆議院で法案修正ということで、参議院に来る前に決着させようとする強いベクトルが働くわけだと思うんですね。ただ、一部の重要法案については、やはりある程度参議院で法案修正をしないと、国民にはやはり参議院が影響力を行使しているということは伝わらないんだと思うんですね。
私は参議院のことを研究しておりますと言いますが、多くの人は、そういう話を聞いて参議院って何やっているんですかと、大変失礼な言い方かもしれませんが、そういうことを言うわけですね。これは、もっと重要法案を、例えば安保法制だって参議院で修正というのが一面トップに飾るようなことが続けば、国民は、ああ、第二院はちゃんとチェックしておるじゃないかということになると思うんですが、そういうことを果たしていないということがあります。
それから、やはり一層の政策立案、提言、多少センセーショナルな形でもいいかもしれません。調査会が三つありますから、そこを利用して国が抱える問題に関して積極的に提言されれば、やはり参議院の存在感というのは更に増すのではないかと思います。
そして、この抑制と均衡と多様な民意を反映させるために更に細かく見ていきたいんですが、まず考えるべきは、現行憲法の枠内で何ができるかということです。これは、やはり更なる選挙制度改革をする必要があるだろうと。
多くの参議院議員の方からすると、四・七五から三・〇まで行ったんだから、もうこれで十分ではないかと思われている方は多いかもしれないんですが、しかし、まだ較差は残っているわけですね。そして、多くの一人区があります。一人区があるので、今は必ずしもそうなっていませんけれども二大政党制が成立しやすくなって、二大政党制が成立しやすいがゆえに、参議院で強い勢力を取った野党第一党が、参議院で与党が過半数割れした場合にその状況を利用して次の総選挙で自分たちが政権を取れるように、有利な状況にするために徹底的に政権を追い込むというベクトルが働いてしまうので、やはり一人区は解消していくべきではないかと思っています。
そして、何よりも強調したいのが、先ほど来大山先生と私が言っていることなんですが、参議院が強いからこそ、そういう強い権限を有している院に代表される方々は平等原則を徹底する形で選出されるべきであると。なので、一票の価値の平等は原則として貫かれるべきで、三・〇二では不十分でありまして、これは限りなく一に近い数字に持っていくべきだろうということで、あと、衆議院の選挙制度との関係も考えるべきだと思っています。ですから、衆議院の小選挙は政権選択、参議院選挙は多様な民意を反映させるということですね。ですから、私がふさわしいと思うのは、ブロック別の大選挙区制にして、ブロックの定数をブロックごとにすれば、かなり一対一に近い一人一票の原則を貫く形で定数配分もできますし、大選挙区にすることによって中小政党も当選しやすくなるので、そこで多様な民意も反映させやすくなるのではないかということですね。
あともう一つは、これはもういろいろ改革案は既に出尽くしているなと思っているんですが、一つ言われていないことが両院協議会ですね。
これ、今の両院協議会だと、衆議院で賛成した側と参議院で反対した側から十対十ずつ出てきて、また三分の二以上の人が賛成しないと成案ができないので、これじゃ成案まとまるわけがないんですね。なので、両院協議会は、これは国会法で内容を規定できますので、両院協議会を全国会議員集会にしてしまうと。そうすると、衆議院と参議院で、基本的には多分衆議院の意見が通りやすくなるんですが、衆議院の間でもかなり意見が割れているような非常に競ったような状況ですと、参議院議員の方々がどう判断を下すかというのがその成案を取れるかどうかということに影響力を発揮できるので、これはちょうどバランスが取れた二院制、二院制の目的を考える上でバランスの取れた両院協議会になるのではないかなと考えております。
そして、憲法改正、もう今の現行憲法にとらわれず、憲法改正も考えて参議院のどういうことを目指すべきかと考えた場合に、まず一つは、六十日ルールの再検討が必要でしょう。これは、この目まぐるしく変わる今日、基本的に六十日ルールが使われる場合はどういうことが起きているかというと、六十日間法案がたなざらしにされる危険性がかなり多くて、そんなに待っていられないのではないかと、やはりこれは三十日ぐらいに短縮するべきではないかと。
それから、再議決要件をどう考えるかということがとても重要だと思います。三分の二の再議決要件を維持するのであれば、やはり平等原則は徹底していただきたいと。三分の二再議決要件を緩和して再議決要件を二分の一にするんだったら、最終的には、衆議院の選挙制度が最近進んでおりまして平等原則が徹底される方向に行っておりますから、民主主義の基本である多数決原理が働く衆議院の意見が最終的には通るということを前提とするならば、様々な選挙制度を考える、一人一票にとらわれず、定数較差にとらわれず様々な選挙制度を検討する余地が出てくるのではないかと。
一つは、大山先生もおっしゃっていたように、純粋な都道府県代表制にしてしまうということですね。それからもう一つは、年齢別選挙区制ということも可能なのではないかと。これは、ゼロ歳から十歳、十歳から二十歳、二十歳から三十歳、三十歳から四十歳、四十歳から五十歳、大体十歳置きに代表を決まった数を選ぶということでございます。日本はシルバーデモクラシーということが言われておりますけれども、このままいくと、高齢者の方々の方が未来を担う若者よりも多数になってしまうかもしれないということですね。それはやはりいろいろ問題が多いのではないかということで、各年代ごとに平等の発言権を認めるということも参議院で考えてもいいのではないかと思います。
そして最後に、憲法改正する場合には、日本の参議院の独自性を分かりにくくしているのはやはり参議院が首相指名選挙を行っているということだと思いますので、これはいっそ廃止してしまうということで参議院はもう内閣から独立しているんだということをより明確に、自らこの権限を手放すことによってというか、参議院の独立性というものがよりはっきりして、独立した立場から政策立案に関与するんだということを、参議院の独立宣言みたいなものかもしれませんけれども、そういう改正も考えていただいてもいいのではないかなと思いました。
以上、簡潔ではございますけれども、私の意見を述べさせていただきました。
どうもありがとうございました。
山
山崎力#6
○会長(山崎力君) ありがとうございました。
以上で参考人からの意見聴取は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行います。
質疑及び答弁の際は、挙手の上、会長の指名を受けてから着席のまま御発言いただくようお願いいたします。
また、質疑者には、その都度質問に対する答弁者を明示していただくようお願いいたします。
なお、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られますよう、答弁を含めた時間がお一人十五分以内となるよう御協力をお願いいたします。
それでは、質疑のある方は挙手をお願いいたします。
井原巧君。
この発言だけを見る →以上で参考人からの意見聴取は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行います。
質疑及び答弁の際は、挙手の上、会長の指名を受けてから着席のまま御発言いただくようお願いいたします。
また、質疑者には、その都度質問に対する答弁者を明示していただくようお願いいたします。
なお、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られますよう、答弁を含めた時間がお一人十五分以内となるよう御協力をお願いいたします。
それでは、質疑のある方は挙手をお願いいたします。
井原巧君。
井
井原巧#7
○井原巧君 大山、竹中両先生、本当に貴重な御意見ありがとうございました。
多分多くの議員の皆さん方が我が意を得たりというか、いつもそういうふうに感じているんだよと思う人もたくさんいらっしゃると思うんですが、しかしながら、その理想と現実のギャップにそれぞれが悩んでいて、こういう調査会の議題にもなっているのではないかなというふうに思っております。
私も、地方の議会から今度首長をして国政の方に参画したんですけれども、基本的に憲法では、やっぱり二院制にすることによってその異質性を発揮して、国民の多様な意見をできる限り吸い上げていくということ。やっぱりその議院内閣制、まあ憲法でどういうふうに参議院が入っていったかはちょっと私分かりませんが、基本的に議院内閣制というのは衆議院と内閣の中に成り立っているものだから、それに対して、権力の暴走じゃないけれども、慎重審議を求める上での二院制の必要性とか、そういうことを理念としては求められていると、こういうふうには思うんです。
だけれども、ですから行政府側というか内閣側からいえば、よくよく参議院なんか要らねえやという意見が出るのは、意外と権力側から出るのは、私も首長していましたから、うっとうしいやつはやっぱりいない方がいいわけですよ。すっと決まる方が楽ですからね。だから、そういう意見である参議院不要論というのもあるけれども、そういう意見ということになれば、逆に言うと、政権側から見るとうっとうしいということは民主主義から見るとひょっとしたら了とするところなのかも分からないと、そういうふうには思ってはおりますけれども。
ただ、その多くの議員の皆さん方がジレンマ抱えているというのは、そういう求められているものと、しかし現実に、一つは政党政治というのが完全に今根付いちゃって、地方議会から始まって、基本的に全て政党で選挙をやっていくので、私たち参議院の人間も衆議院の人間も実は同じ支持母体に支えられて選挙を戦ってきているということなんですね。ですから、その異質性を発揮したり、あるいは内閣と距離を置いてというのは、理念としてはよく分かるんだけれども、現実の話として、同じ政党の中で生きているという現実があります。
ですから、さっき竹中先生が見える化という話をされましたけれども、なぜ見えないかというと、やっぱり政党政治の中で、実は両院、真ん中の中央塔から向こうにはお互いが入れないように完全にセパレートされている割には、ちょっとそこ行くと、党本部に行くと、衆議院と参議院が一緒に席を並べて同じ部会の中で政策立案にまさに責任を持って関わっているわけなので、党議拘束というか、自然として、議会に上がってくるときには、それぞれ政党政治という矛盾の中でどうしてもその審議が衆参共に単調にならざるを得ないという、こういうジレンマが一つあります。
もう一つは、やっぱり選挙ですね。これは竹中先生が、限りなくやっぱり一票の較差、一、二という話と、大山先生は、また憲法改正も含めた、強い参議院を少し弱くする代わりにもう少し参議院の選出方法をという話、両方されたんですけど、実際今の憲法下の中で、極めて法の下の平等を実現しようとしたら、ほぼ衆議院と参議院、もうまさに類似の選挙制度に近づきつつあるというか、特に参議院の方なんかは、各県代表がありましたけれども、複数区は一人区かあるいは東京のような大選挙区か、両極端に今後なっていくと考えると、選挙制度自体が衆参共に類似の形に、本当に似通ってきていますから、参議院だけでこれ改革できる問題ではないというふうにも思ったりするわけですけれども、二院制の異質性を担保していく上で、その理想と政党政治、あるいは今の選挙制度についての先生の御見解を、大きい意味でありますけれども、お聞かせいただけたらと、両先生にお願いしたいと思います。
この発言だけを見る →多分多くの議員の皆さん方が我が意を得たりというか、いつもそういうふうに感じているんだよと思う人もたくさんいらっしゃると思うんですが、しかしながら、その理想と現実のギャップにそれぞれが悩んでいて、こういう調査会の議題にもなっているのではないかなというふうに思っております。
私も、地方の議会から今度首長をして国政の方に参画したんですけれども、基本的に憲法では、やっぱり二院制にすることによってその異質性を発揮して、国民の多様な意見をできる限り吸い上げていくということ。やっぱりその議院内閣制、まあ憲法でどういうふうに参議院が入っていったかはちょっと私分かりませんが、基本的に議院内閣制というのは衆議院と内閣の中に成り立っているものだから、それに対して、権力の暴走じゃないけれども、慎重審議を求める上での二院制の必要性とか、そういうことを理念としては求められていると、こういうふうには思うんです。
だけれども、ですから行政府側というか内閣側からいえば、よくよく参議院なんか要らねえやという意見が出るのは、意外と権力側から出るのは、私も首長していましたから、うっとうしいやつはやっぱりいない方がいいわけですよ。すっと決まる方が楽ですからね。だから、そういう意見である参議院不要論というのもあるけれども、そういう意見ということになれば、逆に言うと、政権側から見るとうっとうしいということは民主主義から見るとひょっとしたら了とするところなのかも分からないと、そういうふうには思ってはおりますけれども。
ただ、その多くの議員の皆さん方がジレンマ抱えているというのは、そういう求められているものと、しかし現実に、一つは政党政治というのが完全に今根付いちゃって、地方議会から始まって、基本的に全て政党で選挙をやっていくので、私たち参議院の人間も衆議院の人間も実は同じ支持母体に支えられて選挙を戦ってきているということなんですね。ですから、その異質性を発揮したり、あるいは内閣と距離を置いてというのは、理念としてはよく分かるんだけれども、現実の話として、同じ政党の中で生きているという現実があります。
ですから、さっき竹中先生が見える化という話をされましたけれども、なぜ見えないかというと、やっぱり政党政治の中で、実は両院、真ん中の中央塔から向こうにはお互いが入れないように完全にセパレートされている割には、ちょっとそこ行くと、党本部に行くと、衆議院と参議院が一緒に席を並べて同じ部会の中で政策立案にまさに責任を持って関わっているわけなので、党議拘束というか、自然として、議会に上がってくるときには、それぞれ政党政治という矛盾の中でどうしてもその審議が衆参共に単調にならざるを得ないという、こういうジレンマが一つあります。
もう一つは、やっぱり選挙ですね。これは竹中先生が、限りなくやっぱり一票の較差、一、二という話と、大山先生は、また憲法改正も含めた、強い参議院を少し弱くする代わりにもう少し参議院の選出方法をという話、両方されたんですけど、実際今の憲法下の中で、極めて法の下の平等を実現しようとしたら、ほぼ衆議院と参議院、もうまさに類似の選挙制度に近づきつつあるというか、特に参議院の方なんかは、各県代表がありましたけれども、複数区は一人区かあるいは東京のような大選挙区か、両極端に今後なっていくと考えると、選挙制度自体が衆参共に類似の形に、本当に似通ってきていますから、参議院だけでこれ改革できる問題ではないというふうにも思ったりするわけですけれども、二院制の異質性を担保していく上で、その理想と政党政治、あるいは今の選挙制度についての先生の御見解を、大きい意味でありますけれども、お聞かせいただけたらと、両先生にお願いしたいと思います。
大
大山礼子#8
○参考人(大山礼子君) まず、政党政治のジレンマということをおっしゃったんですけれども、それは確かにそのとおりだと思いますが、実は日本のように国会の審議が党派対立一辺倒という国は余りないんです。党派対決的な審議もあるけれども、そうではなくて、もう少し超党派的な審議もするというところの方が多くございます。ですので、その辺は、今までの、特に五五年体制以降の日本の審議というものがもう皆様の常識になってしまっているんですけれども、その辺をもう少し問い直してみる必要があるかと思います。
それから、党議拘束の話もございましたけれども、それも結局、参議院の権限が強いので、参議院の中で独自の審議をされると収拾が付かなくなるので党議拘束を前もって掛けておこうということになる、そうすると見える化ができないと、こういう話だと思うんですね。ですから、どちらが先かということでいうと、やはり権限の見直しによってその辺も変えてくる余地があると思います。
それからもう一つは、今までのお話に出てこなかった論点なんですけれども、私は、参議院で実質的な審議ができない、修正なんかができないということは、一つは国会法の問題があると思っています。と申し上げるのは、要するに、今は内閣提出法案について内閣自身が修正する場合に国会側の許可が要ります、御承知のとおり。しかも、最初に審議をした、多くの場合、衆議院で先議をするわけですが、そこが可決をした後、次の参議院に送られてきた後は、全く内閣は自分の出した法案なのに修正できなくなります。こうなりますと、実質的に参議院の中で内閣と参議院の議員がいろいろと議論をして法案をもう少し変えていこうということができないんですね。だから、その辺の議事手続の問題も考えていただく必要があるかと思います。
それからもう一つの方は、投票価値の平等の要請があるので両院が類似してくるという話だったと思いますけれども、これもやはり権限の強さと関係があるので、投票価値の平等は守っていても結構いろんなことが考えられる、私がさっき申し上げたB案の方は投票価値の平等は守るというつもりで作りましたので、いろんなことを考えられると思います。それが自由に発想できないのは、やはりなるべく衆参同じにしておいた方がいいだろうという要請があるためなので、そちらを併せて、権限の問題を併せて考えていかないとなかなか難しいのではないかと考えております。
以上でございます。
この発言だけを見る →それから、党議拘束の話もございましたけれども、それも結局、参議院の権限が強いので、参議院の中で独自の審議をされると収拾が付かなくなるので党議拘束を前もって掛けておこうということになる、そうすると見える化ができないと、こういう話だと思うんですね。ですから、どちらが先かということでいうと、やはり権限の見直しによってその辺も変えてくる余地があると思います。
それからもう一つは、今までのお話に出てこなかった論点なんですけれども、私は、参議院で実質的な審議ができない、修正なんかができないということは、一つは国会法の問題があると思っています。と申し上げるのは、要するに、今は内閣提出法案について内閣自身が修正する場合に国会側の許可が要ります、御承知のとおり。しかも、最初に審議をした、多くの場合、衆議院で先議をするわけですが、そこが可決をした後、次の参議院に送られてきた後は、全く内閣は自分の出した法案なのに修正できなくなります。こうなりますと、実質的に参議院の中で内閣と参議院の議員がいろいろと議論をして法案をもう少し変えていこうということができないんですね。だから、その辺の議事手続の問題も考えていただく必要があるかと思います。
それからもう一つの方は、投票価値の平等の要請があるので両院が類似してくるという話だったと思いますけれども、これもやはり権限の強さと関係があるので、投票価値の平等は守っていても結構いろんなことが考えられる、私がさっき申し上げたB案の方は投票価値の平等は守るというつもりで作りましたので、いろんなことを考えられると思います。それが自由に発想できないのは、やはりなるべく衆参同じにしておいた方がいいだろうという要請があるためなので、そちらを併せて、権限の問題を併せて考えていかないとなかなか難しいのではないかと考えております。
以上でございます。
竹
竹中治堅#9
○参考人(竹中治堅君) 竹中でございます。
見える化の話ですけれども、確かに内閣側からすると、不測の事態が起きることを避けるために党議拘束を掛けてしまって、もう全部事前に分かるようにしたいという希望が働くと思うんですね。ただ、それはやはり、党の中で参議院議員の方々が主張されて、ここは参議院で修正させてほしいということまで織り込んだような形でしないと、国民の間でやはり、まあ全部の法案に対してそうする必要はないと思うんですが、特に注目度が高い法案に関してはある程度そういう話を付けておいてでも、実質的には参議院のために修正するような、修正があらかじめ必要になるような話はやはり参議院できっちりとした方がいいのではないかと。なかなか難しいかもしれないですけれども、そういうことを党内で働きかけていただくのがいいのではないかなと思います。
それからもう一つは、先ほどの一票の平等原則を徹底すると衆参両院同じような選挙制度になるという話がありましたけれども、私は必ずしもそうではないと思っております。要は、参議院の方がどうしても選挙区のサイズが大きいので、仮に小選挙区になったとしても、小さな単位で選ばれている、小さな地域から選ばれている衆議院議員の方々に比べたら、やはりどうしてもその個々の参議院議員の方が考えられる利益や権利というものは違ったものになると思うので、そこは多様性が反映されると。あと、それから、東京や大阪など大きなところで中選挙区制がどんどん広がっていけば、そこではまた、小選挙区で吸い上げられない少数政党というか少数意見がそこでは反映されるようになるので、やはり、それは多様性がそこでは確保されるので、別に一人一票原則を衆参両院で徹底しても、そこで反映される意見というのは異なるものになるのではないかと考えております。
この発言だけを見る →見える化の話ですけれども、確かに内閣側からすると、不測の事態が起きることを避けるために党議拘束を掛けてしまって、もう全部事前に分かるようにしたいという希望が働くと思うんですね。ただ、それはやはり、党の中で参議院議員の方々が主張されて、ここは参議院で修正させてほしいということまで織り込んだような形でしないと、国民の間でやはり、まあ全部の法案に対してそうする必要はないと思うんですが、特に注目度が高い法案に関してはある程度そういう話を付けておいてでも、実質的には参議院のために修正するような、修正があらかじめ必要になるような話はやはり参議院できっちりとした方がいいのではないかと。なかなか難しいかもしれないですけれども、そういうことを党内で働きかけていただくのがいいのではないかなと思います。
それからもう一つは、先ほどの一票の平等原則を徹底すると衆参両院同じような選挙制度になるという話がありましたけれども、私は必ずしもそうではないと思っております。要は、参議院の方がどうしても選挙区のサイズが大きいので、仮に小選挙区になったとしても、小さな単位で選ばれている、小さな地域から選ばれている衆議院議員の方々に比べたら、やはりどうしてもその個々の参議院議員の方が考えられる利益や権利というものは違ったものになると思うので、そこは多様性が反映されると。あと、それから、東京や大阪など大きなところで中選挙区制がどんどん広がっていけば、そこではまた、小選挙区で吸い上げられない少数政党というか少数意見がそこでは反映されるようになるので、やはり、それは多様性がそこでは確保されるので、別に一人一票原則を衆参両院で徹底しても、そこで反映される意見というのは異なるものになるのではないかと考えております。
井
井原巧#10
○井原巧君 ありがとうございました。
次に、これは私は決して賛成じゃないんですけれども、こういう意見があったということなんですけれども、よく二院制、参議院不要論ということがあって、私は前職は市長で、たまたま平成の大合併のときの市長だったんですけれども、地方が国に対して、デフレの不況下もありましたけれども、様々不満が噴出しているようなときで、地域主権という言葉が躍ったり、国と地方の協議の場という言葉が躍ったりした頃に、ちょうど五十歳以下の若手の市長で全国青年市長会というのがあって、七十数市ありまして、私そのちょうど会長をしていたんですね。だから、時があたかもそのときは維新ブームの頃で、ある大きな政令指定都市のある市長さんから何度か接触があって、井原さん、政党に一緒に加わらぬかという話は何度もいただきました。
その理念は、全国の首長とか知事が今度の参議院選挙に立候補して、そしてその過半数を取って、参議院を廃止することをしようじゃないかと、それに是非加わってほしいというのでかなり何度か接触もされたんですけれども、そういう、参議院を不要というよりは、どちらかというと衆議院を強くして、参議院の方は、まあ言うなればちょっとドイツみたいな方式だと思うんですけれども、間接選挙みたいな感じで、重要広範とか大事な決められたものだけは両院で審議する、そうじゃないときは衆だけでやって、参議院の方は兼務というか、首長さんとか知事さんとか、そういう有識者が間接で加わっていくような制度にしようという趣旨でそういうお誘いだったと思うんですけれども。
まあ、そんなにうまくいくとは思いませんけれども、そういう、二院制の上院をそういうふうに間接選挙で選ぶような、軟らかいというか弱い二院制ということについての両先生の御意見、いただけたらというふうに思います。
この発言だけを見る →次に、これは私は決して賛成じゃないんですけれども、こういう意見があったということなんですけれども、よく二院制、参議院不要論ということがあって、私は前職は市長で、たまたま平成の大合併のときの市長だったんですけれども、地方が国に対して、デフレの不況下もありましたけれども、様々不満が噴出しているようなときで、地域主権という言葉が躍ったり、国と地方の協議の場という言葉が躍ったりした頃に、ちょうど五十歳以下の若手の市長で全国青年市長会というのがあって、七十数市ありまして、私そのちょうど会長をしていたんですね。だから、時があたかもそのときは維新ブームの頃で、ある大きな政令指定都市のある市長さんから何度か接触があって、井原さん、政党に一緒に加わらぬかという話は何度もいただきました。
その理念は、全国の首長とか知事が今度の参議院選挙に立候補して、そしてその過半数を取って、参議院を廃止することをしようじゃないかと、それに是非加わってほしいというのでかなり何度か接触もされたんですけれども、そういう、参議院を不要というよりは、どちらかというと衆議院を強くして、参議院の方は、まあ言うなればちょっとドイツみたいな方式だと思うんですけれども、間接選挙みたいな感じで、重要広範とか大事な決められたものだけは両院で審議する、そうじゃないときは衆だけでやって、参議院の方は兼務というか、首長さんとか知事さんとか、そういう有識者が間接で加わっていくような制度にしようという趣旨でそういうお誘いだったと思うんですけれども。
まあ、そんなにうまくいくとは思いませんけれども、そういう、二院制の上院をそういうふうに間接選挙で選ぶような、軟らかいというか弱い二院制ということについての両先生の御意見、いただけたらというふうに思います。
竹
竹中治堅#11
○参考人(竹中治堅君) 私、確かにドイツの例は承知しておりますけれども、ドイツは連邦制を取っているので、日本とはやはり権限が違うと思うんですね。ですから、そういう国で間接的な形で第二院というか連邦参議院議員を選ぶというのと、日本のようにそこまで徹底した地方分権していない国では、やっぱり直接で選ぶということでよろしいんじゃないかと。
ただ、一つあるのは、あの維新さんの話を聞いていたときに、首長と参議院議員の兼職は認めてもいいんじゃないかなというのは思いましたね。これは、ちょっと私、憲法の規定なのか法律の規定なのかどこなのか分かりませんけれども、それは認めるというのはあり得べしなのではないかと思いました。
以上です。
この発言だけを見る →ただ、一つあるのは、あの維新さんの話を聞いていたときに、首長と参議院議員の兼職は認めてもいいんじゃないかなというのは思いましたね。これは、ちょっと私、憲法の規定なのか法律の規定なのかどこなのか分かりませんけれども、それは認めるというのはあり得べしなのではないかと思いました。
以上です。
大
大山礼子#12
○参考人(大山礼子君) それも憲法改正を含む問題なので、かなり実現は難しいと思いますけれども、地方代表議員のようなことを構想するというのは、それはもちろんあり得る話だと思います。ですけれども、大改革の一環としてということだと思います。
私は、参議院不要論というのは、ねじれのときにどうも弊害が大きいから不要だというような話の文脈で出てきたような気がしております。そういうことであれば、もうちょっと小さな改革で改善できることがいろいろあるわけでございまして、何も不要論を持ち出さなくてもいいのではないかなというのが私の率直な感想です。
この発言だけを見る →私は、参議院不要論というのは、ねじれのときにどうも弊害が大きいから不要だというような話の文脈で出てきたような気がしております。そういうことであれば、もうちょっと小さな改革で改善できることがいろいろあるわけでございまして、何も不要論を持ち出さなくてもいいのではないかなというのが私の率直な感想です。
井
井原巧#13
○井原巧君 両先生、本当にありがとうございました。
五十分までということなんですけれども、私も決して賛成ではないんですけれども、感想としては、やっぱりこの統治機構については、参議院の改革も必要なんだけど、やっぱり両院での本当に深化させた審議をこの時代だからこそやっぱりしなければならないと、そういう感想をもって質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。
この発言だけを見る →五十分までということなんですけれども、私も決して賛成ではないんですけれども、感想としては、やっぱりこの統治機構については、参議院の改革も必要なんだけど、やっぱり両院での本当に深化させた審議をこの時代だからこそやっぱりしなければならないと、そういう感想をもって質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。
山
石
石橋通宏#15
○石橋通宏君 民主党・新緑風会の石橋通宏です。
両参考人、今日は本当に貴重な御意見をいただきまして、大変ありがとうございました。
事前にいただきました資料も含めていろいろと読ませていただきまして、大変参考になる勉強をさせていただいたと思っております。その理解を深めさせていただく、さらには確認も込めて質問を幾つかさせていただきたいと思います。
両参考人とも、参議院の権限というのが実はかなり強力であって、強力であるがために人口比例原則若しくは一票の価値の平等性の確保、必要であると、そのために何らかの制度改正、改革が必要なのではないかという御意見で、おおむね方向性としては一致されているのかなというふうに思っておりますが。
まず、大山参考人に確認をさせていただきたいのですが、とすると、現行の制度上、この一票の価値の平等性の確保、それから我々が考えている多様な民意の反映ですね、特に選挙制度を考える上でこれ重要な点だと思いますが、現行の制度上は一票の価値の平等性の確保と多様な民意の反映、両立できていないというお考えであるということでよろしいのか、だから改革が必要なのか、その辺ちょっとお考えを改めてお聞かせをいただければと思います。
この発言だけを見る →両参考人、今日は本当に貴重な御意見をいただきまして、大変ありがとうございました。
事前にいただきました資料も含めていろいろと読ませていただきまして、大変参考になる勉強をさせていただいたと思っております。その理解を深めさせていただく、さらには確認も込めて質問を幾つかさせていただきたいと思います。
両参考人とも、参議院の権限というのが実はかなり強力であって、強力であるがために人口比例原則若しくは一票の価値の平等性の確保、必要であると、そのために何らかの制度改正、改革が必要なのではないかという御意見で、おおむね方向性としては一致されているのかなというふうに思っておりますが。
まず、大山参考人に確認をさせていただきたいのですが、とすると、現行の制度上、この一票の価値の平等性の確保、それから我々が考えている多様な民意の反映ですね、特に選挙制度を考える上でこれ重要な点だと思いますが、現行の制度上は一票の価値の平等性の確保と多様な民意の反映、両立できていないというお考えであるということでよろしいのか、だから改革が必要なのか、その辺ちょっとお考えを改めてお聞かせをいただければと思います。
大
大山礼子#16
○参考人(大山礼子君) 投票価値の平等は、最高裁にも指摘されているとおり実現できていないわけですよね。従来は衆議院よりは裁判所側の基準も緩かった時期がございますけれども、これだけ権限が強いことが認識されてくるとなかなかそうでは通らなくなってくるというのが現状で、これは権限を変えない以上は対応しなくてはいけないことだと思います。
そして、多様な民意の反映の方ですけれども、これもいろいろな政治力学で衆参同じような選挙制度になっていますので、衆議院と違う多様な民意の反映という意味では、全然できていないわけではないですけれども、もうちょっと工夫の余地はあるかもしれません。そういうふうに思っております。
この発言だけを見る →そして、多様な民意の反映の方ですけれども、これもいろいろな政治力学で衆参同じような選挙制度になっていますので、衆議院と違う多様な民意の反映という意味では、全然できていないわけではないですけれども、もうちょっと工夫の余地はあるかもしれません。そういうふうに思っております。
石
石橋通宏#17
○石橋通宏君 ありがとうございます。後ほどちょっともう少し更問いをさせていただければと思いますが。
竹中参考人には、今のような観点、つまり、多様な民意の反映、そして一票の価値の平等性含めて、今定数削減ということが非常に言われているわけですが、一方で、逆に本当に今の定数が適正なのかどうかという議論もあります。我々も考えております。竹中参考人はどういうふうにお考えでしょうか。
むしろ、日本は人口比で国会議員の数は少ないという御意見も強くあります。この点について、この問題考える上で、選挙制度の改革を考える上で、竹中参考人御自身は、これ定数という観点からどのようにお考えですか。やっぱり削減していく方向で考えるべきなのか、この二つを考えたときには、むしろより多い人数を確保すべきなのではないかという意見に対してどのようにお考えかということです。よろしくお願いします。
この発言だけを見る →竹中参考人には、今のような観点、つまり、多様な民意の反映、そして一票の価値の平等性含めて、今定数削減ということが非常に言われているわけですが、一方で、逆に本当に今の定数が適正なのかどうかという議論もあります。我々も考えております。竹中参考人はどういうふうにお考えでしょうか。
むしろ、日本は人口比で国会議員の数は少ないという御意見も強くあります。この点について、この問題考える上で、選挙制度の改革を考える上で、竹中参考人御自身は、これ定数という観点からどのようにお考えですか。やっぱり削減していく方向で考えるべきなのか、この二つを考えたときには、むしろより多い人数を確保すべきなのではないかという意見に対してどのようにお考えかということです。よろしくお願いします。
竹
竹中治堅#18
○参考人(竹中治堅君) 結論からいえば、私は、国会議員の数をやみくもに減らせばいいという考えは反対で、増やすことも考えていいんじゃないかと。
要は、イギリスは、これは人口十万人当たり一人ぐらいいるわけですね。日本は、衆議院議員が小選挙区では四十万人当たり一人ぐらいですから、そうするとやっぱり国会議員と国民の間の距離がどうしてもできてしまうと思うんですね。ですから、参議院議員を含めたとしても、もうちょっと数は、人口比で見た場合にはイギリスに比べたら国会議員一人当たりの人口というのは多いわけですから。
特に、これは参議院の選挙制度、参議院選挙制度改革の話にもつながってくるんですが、どうしても都道府県代表を確保したいということであれば、参議院議員の定数を増やすということによって問題の解決、一人一票の原則を確保するという改革案は僕は全然いいと思いますね。
ですから、だからそのためにはやっぱり、ちょっと長くなって恐縮なんですが、多くの人たちと話すと、でも、じゃ、国会議員ってどういう仕事をしているのか見えないということが大体その反論として来るので、やっぱり国民ともうちょっと接触する機会を増やすほかはないんじゃないかなと思います。
この発言だけを見る →要は、イギリスは、これは人口十万人当たり一人ぐらいいるわけですね。日本は、衆議院議員が小選挙区では四十万人当たり一人ぐらいですから、そうするとやっぱり国会議員と国民の間の距離がどうしてもできてしまうと思うんですね。ですから、参議院議員を含めたとしても、もうちょっと数は、人口比で見た場合にはイギリスに比べたら国会議員一人当たりの人口というのは多いわけですから。
特に、これは参議院の選挙制度、参議院選挙制度改革の話にもつながってくるんですが、どうしても都道府県代表を確保したいということであれば、参議院議員の定数を増やすということによって問題の解決、一人一票の原則を確保するという改革案は僕は全然いいと思いますね。
ですから、だからそのためにはやっぱり、ちょっと長くなって恐縮なんですが、多くの人たちと話すと、でも、じゃ、国会議員ってどういう仕事をしているのか見えないということが大体その反論として来るので、やっぱり国民ともうちょっと接触する機会を増やすほかはないんじゃないかなと思います。
石
石橋通宏#19
○石橋通宏君 ありがとうございます。
その辺、非常に大事な御意見だと思いますので、我々もその辺を踏まえた議論というのは必要だというふうに思っております。
その上で、大山参考人に、先ほどの御意見の関連も含めて、現行の非拘束名簿式比例代表全国区制について若干意見は述べていただいておりますが、これ、多様な民意の反映という観点から、私は現行の制度、比例代表全国、私自身がその選出であるということも含めて、かなり民意の反映という、多様な選挙制度が衆参両院全体で盛り込まれている。つまり、比例も、衆議院のブロック制と選挙制度の違う比例代表の全国であるということは、かなり意味を持っているのではないかと私自身思っております。
改めて、この非拘束式の名簿方式で現下やっている全国比例、これ、先生が指摘された分かりにくさとかいうこと以上に、多様な民意の反映という観点からどのようにお考えですか。
この発言だけを見る →その辺、非常に大事な御意見だと思いますので、我々もその辺を踏まえた議論というのは必要だというふうに思っております。
その上で、大山参考人に、先ほどの御意見の関連も含めて、現行の非拘束名簿式比例代表全国区制について若干意見は述べていただいておりますが、これ、多様な民意の反映という観点から、私は現行の制度、比例代表全国、私自身がその選出であるということも含めて、かなり民意の反映という、多様な選挙制度が衆参両院全体で盛り込まれている。つまり、比例も、衆議院のブロック制と選挙制度の違う比例代表の全国であるということは、かなり意味を持っているのではないかと私自身思っております。
改めて、この非拘束式の名簿方式で現下やっている全国比例、これ、先生が指摘された分かりにくさとかいうこと以上に、多様な民意の反映という観点からどのようにお考えですか。
大
大山礼子#20
○参考人(大山礼子君) 一つは、比例代表の選挙区の大きさの話がありますよね。それと拘束名簿式か非拘束名簿式かと、二つ論点があると思います。
前者の方でいいますと、確かにおっしゃるとおり、衆議院の比例代表の選挙区は比例代表をやるにはちょっと小さ過ぎます。ですので、全国を一区にしている方が、定数が多い方が多様な民意の反映ができる。これは確かで、今もその効果はあると思います。
じゃ、拘束名簿と非拘束名簿とどちらが多様な民意を反映できるかということですけれども、これはなかなか議論のあるところだと思いますけれども、私は必ずしも非拘束名簿の方が多様な民意を反映できるとは思いません。なぜかというと、拘束名簿というのは、それこそ男性、女性交互にするとか、いろんなことができます。かつては少数民族代表の方を一位にしたとか、いろいろなやり方がありましたけれども、非拘束にしてしまうとなかなかそういうことができない。ある意味、多様な民意の反映が難しくなる可能性もあると考えています。
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じゃ、拘束名簿と非拘束名簿とどちらが多様な民意を反映できるかということですけれども、これはなかなか議論のあるところだと思いますけれども、私は必ずしも非拘束名簿の方が多様な民意を反映できるとは思いません。なぜかというと、拘束名簿というのは、それこそ男性、女性交互にするとか、いろんなことができます。かつては少数民族代表の方を一位にしたとか、いろいろなやり方がありましたけれども、非拘束にしてしまうとなかなかそういうことができない。ある意味、多様な民意の反映が難しくなる可能性もあると考えています。
石
石橋通宏#21
○石橋通宏君 大変参考になる御意見をいただきまして、ありがとうございました。
その意味で、再度、大山参考人に。
二つの改革試案を提示をしていただいております。逆に、今の多様な民意の反映という観点からいきますと、先生が提案をされた二つの試案、とりわけ都道府県二人区案、これは多様な民意の反映になるんでしょうか。
一方で、これ、例えばペアのということになりますと、ペアでやると同じ政党が独占する可能性、危険性が高まるのではないかと思ったりもしますが、そうすると逆に多様性と反するのではないかというふうにも思いますけれども、この点について、民意の多様性と、この先生の都道府県二人区案、とりわけペア制、どう両立するんでしょうか。
この発言だけを見る →その意味で、再度、大山参考人に。
二つの改革試案を提示をしていただいております。逆に、今の多様な民意の反映という観点からいきますと、先生が提案をされた二つの試案、とりわけ都道府県二人区案、これは多様な民意の反映になるんでしょうか。
一方で、これ、例えばペアのということになりますと、ペアでやると同じ政党が独占する可能性、危険性が高まるのではないかと思ったりもしますが、そうすると逆に多様性と反するのではないかというふうにも思いますけれども、この点について、民意の多様性と、この先生の都道府県二人区案、とりわけペア制、どう両立するんでしょうか。
大
大山礼子#22
○参考人(大山礼子君) 多様性という言葉もいろいろ解釈があるわけで、政党を、いろいろな政党から出してくるというのも一つの多様性ですし、議員構成、議員の属性が、いろいろな多様な人、人材が出てくるという多様性もございます。二人区でもし男女ペア制になりましたら、こういうのが日本でできたら本当に画期的ですけれども、後者の方の、議員構成の属性の多様性というのは非常に貢献すると思います。
この発言だけを見る →石
石橋通宏#23
○石橋通宏君 私も、多様性、民意のというときには、やっぱり国民の多様な意見、つまり国民の中には、それは地域性もあれば、職域もあれば、多様な国民のいろいろな意見があります。それをどううまく国会に代表制として反映するのかということが問われていると思います。だから、衆議院と参議院と異なる制度を使う、衆議院にはない全国比例というものを先ほど先生も言われたとおり採用すると。それによって、小選挙区や衆議院側では代表され得ないかもしれない国民の意見を参議院の全国比例という制度で代表として国会に送ってくるということ、そこに私はすごく大きな意義があると思っています。
それが、じゃ、果たして都道府県二人区案にしたときに、むしろ政党的な政治に逆に縛られてしまって多様な民意の反映にならないのではないかなというふうに私自身は考えたものですから、今のようなちょっと質問をさせていただいたところです。
もし御意見があれば、大山参考人。
この発言だけを見る →それが、じゃ、果たして都道府県二人区案にしたときに、むしろ政党的な政治に逆に縛られてしまって多様な民意の反映にならないのではないかなというふうに私自身は考えたものですから、今のようなちょっと質問をさせていただいたところです。
もし御意見があれば、大山参考人。
大
大山礼子#24
○参考人(大山礼子君) 今のお返事、ちょっと補足したいんですけれども、おっしゃることよく分かりました。結局、今の衆議院の小選挙区中心の選挙制度を維持しているときに参議院を二人区にしたら、おっしゃるとおりだと思います。ですけど、もうちょっと両方総合的に考えまして、例えば衆議院の方をもう少し比例代表中心の方にするというようなことであれば、こういう考え方も成り立つのかなというのが私の感じでございます。
この発言だけを見る →石
石橋通宏#25
○石橋通宏君 ありがとうございました。
これは、先ほど井原委員も言われましたとおり、やっぱり衆参両院で全体的な制度設計考えるべきなんだろうなというのは私も同意をさせていただきます。
あと、竹中参考人が年齢別の選挙区制ということを提案をされております。大変興味深い考えだなということを思う一方で、これも法の下の平等を考えたときに、果たしてそれを踏み込めるのだろうかということが考えるわけですが、これやはり年齢別選挙区制やるということになりますと、憲法改正含めた抜本的なその対応が必要だという理解でよろしいでしょうか。
この発言だけを見る →これは、先ほど井原委員も言われましたとおり、やっぱり衆参両院で全体的な制度設計考えるべきなんだろうなというのは私も同意をさせていただきます。
あと、竹中参考人が年齢別の選挙区制ということを提案をされております。大変興味深い考えだなということを思う一方で、これも法の下の平等を考えたときに、果たしてそれを踏み込めるのだろうかということが考えるわけですが、これやはり年齢別選挙区制やるということになりますと、憲法改正含めた抜本的なその対応が必要だという理解でよろしいでしょうか。
竹
竹中治堅#26
○参考人(竹中治堅君) 年齢別選挙区を設ける場合には憲法改正が必要でしょう。かつ、やはり参議院の権限を、この三分の二再議決要件を見直して二分の一にして、最終的には衆議院の意見が通るようにする、通るんだからそこでは平等原則を緩和してもいいということが必要だと。まあ憲法改正が必要であるということです。
この発言だけを見る →石
竹
竹中治堅#28
○参考人(竹中治堅君) 私が考えているのは、ゼロ歳から九歳、十歳から十九歳と、十歳ごとに代表を送れるようにするということで、そして十八歳以下は親権者が代理行使すると、選挙権をですね。そういうことをイメージしております。
この発言だけを見る →石
石橋通宏#29
○石橋通宏君 ありがとうございます。興味深いお考えだと思います。またいろいろと議論を深めていければと思いますが。
あと、最後、若干時間がありますので大山参考人に。
実は私ども、超党派の議員連盟がございまして、まさにクオータ制の導入含めていろいろと議論をさせていただき、提言もさせていただいているところですけれども、一つの考えとして、例えば現行制度の枠内でどこまで男女の、クオータ制に近いより公正な比の代表制が確保できるのかというところで、先ほどの比例代表全国の名簿を、例えば各政党が二つ名簿を用意をして、その二つの名簿を、例えばそこに一つを男性にし、一つを女性にし、そこから比例で交互に代表が選ばれるという方式にしてはどうか。
それをすると、例えば今、竹中参考人が年齢別とおっしゃいましたが、一つの名簿を一定の年齢層を中心にして、もう一方の名簿を若年層中心にするとか、その政党ごとに独自に工夫をした形の名簿代表制反映意見というものをむしろ色を出すことができるのではないかと、そういう議論をさせていただいておりますけれども、この点について、もし、大山参考人、御意見があればお聞かせをください。
この発言だけを見る →あと、最後、若干時間がありますので大山参考人に。
実は私ども、超党派の議員連盟がございまして、まさにクオータ制の導入含めていろいろと議論をさせていただき、提言もさせていただいているところですけれども、一つの考えとして、例えば現行制度の枠内でどこまで男女の、クオータ制に近いより公正な比の代表制が確保できるのかというところで、先ほどの比例代表全国の名簿を、例えば各政党が二つ名簿を用意をして、その二つの名簿を、例えばそこに一つを男性にし、一つを女性にし、そこから比例で交互に代表が選ばれるという方式にしてはどうか。
それをすると、例えば今、竹中参考人が年齢別とおっしゃいましたが、一つの名簿を一定の年齢層を中心にして、もう一方の名簿を若年層中心にするとか、その政党ごとに独自に工夫をした形の名簿代表制反映意見というものをむしろ色を出すことができるのではないかと、そういう議論をさせていただいておりますけれども、この点について、もし、大山参考人、御意見があればお聞かせをください。