国の統治機構に関する調査会
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会
会議録情報#0
平成二十八年二月十日(水曜日)
午後一時開会
─────────────
委員氏名
会 長 山崎 力君
理 事 猪口 邦子君
理 事 島村 大君
理 事 渡邉 美樹君
理 事 長浜 博行君
理 事 倉林 明子君
井原 巧君
衛藤 晟一君
古賀友一郎君
酒井 庸行君
高橋 克法君
武見 敬三君
柘植 芳文君
堀井 巌君
足立 信也君
江田 五月君
風間 直樹君
浜野 喜史君
吉川 沙織君
秋野 公造君
新妻 秀規君
儀間 光男君
松田 公太君
山本 太郎君
荒井 広幸君
─────────────
委員の異動
一月四日
辞任 補欠選任
足立 信也君 津田弥太郎君
江田 五月君 水野 賢一君
風間 直樹君 田城 郁君
長浜 博行君 野田 国義君
浜野 喜史君 安井美沙子君
吉川 沙織君 石橋 通宏君
一月二十日
辞任 補欠選任
松田 公太君 柴田 巧君
二月九日
辞任 補欠選任
柘植 芳文君 石田 昌宏君
堀井 巌君 三木 亨君
石橋 通宏君 森本 真治君
二月十日
辞任 補欠選任
石田 昌宏君 柘植 芳文君
秋野 公造君 矢倉 克夫君
─────────────
出席者は左のとおり。
会 長 山崎 力君
理 事
猪口 邦子君
島村 大君
渡邉 美樹君
野田 国義君
新妻 秀規君
倉林 明子君
委 員
井原 巧君
石田 昌宏君
衛藤 晟一君
古賀友一郎君
酒井 庸行君
高橋 克法君
武見 敬三君
柘植 芳文君
三木 亨君
田城 郁君
津田弥太郎君
水野 賢一君
森本 真治君
安井美沙子君
秋野 公造君
矢倉 克夫君
柴田 巧君
儀間 光男君
山本 太郎君
荒井 広幸君
事務局側
第三特別調査室
長 宮崎 清隆君
参考人
政策研究大学院
大学教授 飯尾 潤君
同志社大学法学
部教授 勝山 教子君
─────────────
本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○参考人の出席要求に関する件
○政府参考人の出席要求に関する件
○国の統治機構等に関する調査
(「時代の変化に対応した国の統治機構の在り
方」のうち、二院制議会における今日の参議院
の役割(立法及び行政監視の活性化への視点)
)
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この発言だけを見る →午後一時開会
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委員氏名
会 長 山崎 力君
理 事 猪口 邦子君
理 事 島村 大君
理 事 渡邉 美樹君
理 事 長浜 博行君
理 事 倉林 明子君
井原 巧君
衛藤 晟一君
古賀友一郎君
酒井 庸行君
高橋 克法君
武見 敬三君
柘植 芳文君
堀井 巌君
足立 信也君
江田 五月君
風間 直樹君
浜野 喜史君
吉川 沙織君
秋野 公造君
新妻 秀規君
儀間 光男君
松田 公太君
山本 太郎君
荒井 広幸君
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委員の異動
一月四日
辞任 補欠選任
足立 信也君 津田弥太郎君
江田 五月君 水野 賢一君
風間 直樹君 田城 郁君
長浜 博行君 野田 国義君
浜野 喜史君 安井美沙子君
吉川 沙織君 石橋 通宏君
一月二十日
辞任 補欠選任
松田 公太君 柴田 巧君
二月九日
辞任 補欠選任
柘植 芳文君 石田 昌宏君
堀井 巌君 三木 亨君
石橋 通宏君 森本 真治君
二月十日
辞任 補欠選任
石田 昌宏君 柘植 芳文君
秋野 公造君 矢倉 克夫君
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出席者は左のとおり。
会 長 山崎 力君
理 事
猪口 邦子君
島村 大君
渡邉 美樹君
野田 国義君
新妻 秀規君
倉林 明子君
委 員
井原 巧君
石田 昌宏君
衛藤 晟一君
古賀友一郎君
酒井 庸行君
高橋 克法君
武見 敬三君
柘植 芳文君
三木 亨君
田城 郁君
津田弥太郎君
水野 賢一君
森本 真治君
安井美沙子君
秋野 公造君
矢倉 克夫君
柴田 巧君
儀間 光男君
山本 太郎君
荒井 広幸君
事務局側
第三特別調査室
長 宮崎 清隆君
参考人
政策研究大学院
大学教授 飯尾 潤君
同志社大学法学
部教授 勝山 教子君
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本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○参考人の出席要求に関する件
○政府参考人の出席要求に関する件
○国の統治機構等に関する調査
(「時代の変化に対応した国の統治機構の在り
方」のうち、二院制議会における今日の参議院
の役割(立法及び行政監視の活性化への視点)
)
─────────────
山
山崎力#1
○会長(山崎力君) ただいまから国の統治機構に関する調査会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、清水貴之君、横山信一君、行田邦子君、長浜博行君、江田五月君、足立信也君、風間直樹君、吉川沙織君、浜野喜史君、柘植芳文君及び堀井巌君が委員を辞任され、その補欠として儀間光男君、新妻秀規君、野田国義君、水野賢一君、津田弥太郎君、田城郁君、安井美沙子君、柴田巧君、森本真治君、石田昌宏君及び三木亨君が選任されました。
─────────────
この発言だけを見る →委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、清水貴之君、横山信一君、行田邦子君、長浜博行君、江田五月君、足立信也君、風間直樹君、吉川沙織君、浜野喜史君、柘植芳文君及び堀井巌君が委員を辞任され、その補欠として儀間光男君、新妻秀規君、野田国義君、水野賢一君、津田弥太郎君、田城郁君、安井美沙子君、柴田巧君、森本真治君、石田昌宏君及び三木亨君が選任されました。
─────────────
山
山崎力#2
○会長(山崎力君) まず、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
委員の異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
理事の選任につきましては、先例により、会長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →委員の異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
理事の選任につきましては、先例により、会長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
山
山
山崎力#4
○会長(山崎力君) この際、本調査会の三年目の調査について御報告いたします。
本調査会は、平成二十五年十一月に今期の調査テーマを「時代の変化に対応した国の統治機構の在り方」とすることに決定し、調査を進めております。
三年目の調査につきましては、理事懇談会等で協議いたしました結果、引き続き、本調査テーマの下、三年目は、「二院制議会における今日の参議院の役割」について調査を進めていくことになりました。
何とぞ委員各位の御協力をお願い申し上げます。
─────────────
この発言だけを見る →本調査会は、平成二十五年十一月に今期の調査テーマを「時代の変化に対応した国の統治機構の在り方」とすることに決定し、調査を進めております。
三年目の調査につきましては、理事懇談会等で協議いたしました結果、引き続き、本調査テーマの下、三年目は、「二院制議会における今日の参議院の役割」について調査を進めていくことになりました。
何とぞ委員各位の御協力をお願い申し上げます。
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山
山崎力#5
○会長(山崎力君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
国の統治機構等に関する調査のため、今期国会中、必要に応じ参考人の出席を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →国の統治機構等に関する調査のため、今期国会中、必要に応じ参考人の出席を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
山
山崎力#6
○会長(山崎力君) 御異議ないものと認めます。
なお、その日時及び人選等につきましては、これを会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →なお、その日時及び人選等につきましては、これを会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
山
山
山崎力#8
○会長(山崎力君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
国の統治機構等に関する調査のため、今期国会中、必要に応じ政府参考人の出席を求め、その説明を聴取することとし、その手続につきましては、これを会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →国の統治機構等に関する調査のため、今期国会中、必要に応じ政府参考人の出席を求め、その説明を聴取することとし、その手続につきましては、これを会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
山
山
山崎力#10
○会長(山崎力君) 国の統治機構等に関する調査を議題といたします。
「時代の変化に対応した国の統治機構の在り方」のうち、「二院制議会における今日の参議院の役割」について調査を行うに当たって、本日は「立法及び行政監視の活性化への視点」について参考人から意見を聴取いたします。
御出席いただいております参考人は、政策研究大学院大学教授飯尾潤君及び同志社大学法学部教授勝山教子君でございます。
この際、参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多用のところ本調査会に御出席いただきまして誠にありがとうございます。
皆様方から忌憚のない御意見をお述べいただき、調査の参考にいたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
議事の進め方でございますが、まず飯尾参考人、勝山参考人の順にお一人二十分程度で御意見をお述べいただき、その後、各委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、飯尾参考人からお願いいたします。飯尾参考人。
この発言だけを見る →「時代の変化に対応した国の統治機構の在り方」のうち、「二院制議会における今日の参議院の役割」について調査を行うに当たって、本日は「立法及び行政監視の活性化への視点」について参考人から意見を聴取いたします。
御出席いただいております参考人は、政策研究大学院大学教授飯尾潤君及び同志社大学法学部教授勝山教子君でございます。
この際、参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多用のところ本調査会に御出席いただきまして誠にありがとうございます。
皆様方から忌憚のない御意見をお述べいただき、調査の参考にいたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
議事の進め方でございますが、まず飯尾参考人、勝山参考人の順にお一人二十分程度で御意見をお述べいただき、その後、各委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、飯尾参考人からお願いいたします。飯尾参考人。
飯
飯尾潤#11
○参考人(飯尾潤君) 本日は、お招きいただきましてありがとうございます。大変、諸事多端な折でございますけれども、急がば回れということもございまして、このように参議院の議員の皆様が自分たちの在り方について考えてみようというのは大変貴重な機会だと思いまして、お招きいただきまして大変光栄だと思います。
ただ、時間がやや限られておりますので、先生方御自身のことについてやや断定的なことを申して失礼に当たるところもあるかもしれませんが、その点はお許しいただきまして、後ほどの質疑で疑義をお確かめいただければと存じます。
それでは、私は政治学を専門にしておりますので、参議院の役割について少し制度的な側面と実態をどのように考えるのかという点から考えを述べさせていただきます。レジュメをお配りしておりますので、それに沿ってでございますけれども。
まず、二院制という問題でございます。ちょっと前段の話でございますけれども、議院内閣制を日本は取っております。内閣総理大臣を基に内閣が成立しておりますが、一般的に政治学を申しますと、議院内閣制というのは、有権者は国会議員を選び、国会議員が首相あるいは内閣を選び、内閣は官僚たちをつくって行政をするという点では非常にシンプルな権限の連鎖があるというふうに政治学では考えております。
ところが、一つだけ例外がございます。二院制を取った場合においては、二院の関係の整理のいかんによってはこのデモクラシー、民主制の原理が貫徹しなくなるという問題が実は指摘されておりまして、多くの国で実は、歴史的には、二院を置いている国では様々な試みがされてきて、悩んでいる国もあるということでございます。
そういうときに、大問題からすると、そもそも二院制が定められた頃、大昔の頃でございますけれども、どういう考え方かというと、せっかく法律を作るのであればみんなの意見が一致するまで議論をすればよいという考え方でございます。ところが、実はこれが元々二院制にはあった考え方でございますが、後ほど御説明しますように、福祉国家化、行政国家化しますと法律の数が増えてきて、考えがまとまらなければ法律がなくてもいいではないかという考え方がなかなか通りにくくなる。もう日頃からするとそれはなかなか行政停滞するという問題があって、そういうことになってくると二院制の役割も少し変わってくるということでございます。そのことはちょっと後でもう一回戻りますので、布石のためにお話をいたしますが。
そう考えてもなお、現代、二院制を取るのはどういうわけだろうかといいますと、多くの場合は、日本の場合、衆議院ですが、下院とは違うタイプの上院、違う意見を代表させることによって、違うちょっと観点を導入しようということでございます。
代表的な例は連邦制を取っている国、多くの国では、現代の民主制の国では一人一票ということを前提にしておりますけれども、連邦制を取ると、連邦制を構成する各州というのは立派な国家でございますので、それの代表をそれぞれ大小にかかわらず選ぶというようなことをしている国があるのは御存じのとおりでございます。ただ、その場合においては、幾らかデモクラシーの原則は曲げられるというわけですね、小さな州の方がたくさん代表されるというようなことが起こってくる。そのときに、そのチェック機能はどこまでかということです。
アメリカのように、現在でも、まとまらなければ法律がなくてもいい、あるいは、予算案についてまとまらなければ政府を閉じてしまえばよいという考え方の国もあれば、いや、それは現実的でないのでそこは調整しよう、話合いをやろうという国もあれば、話合いがまとまらなかったときにおいてはどちらかの院を優越するということ、日本もその類型ではありますけれども、衆議院に、下院に優越を与えるというようなタイプのことはございます。
にもかかわらず、チェック機能というのはどういうことだろうかというと、やはり一つは、審議において採決の結果はともかくとして、様々な意見を検討した結果、その結論が出されるということは重要だろうということが一つ。あるいは、採決の結果はいずれ調整されてどこかのことになるとしても、修正ということもあるかもしれない。大枠のところでは意見は押し通すことがあっても、修正してより良いものにするということはあるかもしれないということが一般に二院制の意義として知られているわけでございます。ただ、これは国によっていろいろでございます。
ただ、日本の場合を見てみると、実は、後からお話をしますが、衆参は極めて似た状況、選挙制度も似ておりますし、それから議事手続も似ておりまして、そうすると衆議院は、大体どこの国でも下院の方は内閣を選出しますので与野党関係極めて厳しいんですね、そうすると、数の論理が働いて多数決でということになりがちでございます。
ところが、それで第二院はそうではないという、上院はそうではないという例も多いんですが、日本の場合は、実は参議院が衆議院に似ているという、まあ向こうが似ているという考え方もありますが、というために、ちょっと同じような数の論理が参議院にも働いてなかなか独自性が発揮できないということです。それを端的に示すのが、言葉はあれですが、いわゆるねじれと言われるのは、これは両院の多数派が異なる状況でございますが、そのときにこれは参議院の権限が非常に強く意識されるときです。
ところが、数年前までございましたが、そういうときに何を見るかというと、実は参議院は意外と審議がされなくなるというわけですね。なぜかというと、衆議院のものをそのまま参議院に持っていって、それでもめたりすると戻ってしまうからもう衆議院で修正をしてしまおうということ、しばしば行われたわけです。
意外と権限が強いときに参議院が機能をなかなか果たせない、自由な議論ができないというのは、ちょっと私にとってみれば参議院の機能を果たすという点では残念なことだというふうに考えております。そういう点では、参議院は衆議院と違うという場所になって、しかもその数の論理が余り出てこないという場所にする必要は、そういうことをしないとなかなか審議はできないんではないかというふうに考えます。
そのときに、まあ学者の議論ですが、ちょっとこれ古い政治学で、最近は実は違う言い方をすることが多いんですが、やや複雑ですので簡単にお話をいたしますと、国会を始めとする議会は世界中、大体二つの類型がございます。一つはアリーナ型議会といって与野党対決が非常に盛んだという議会、もう一つは変換型議会と言っておりますが、これは与野党横断合意型ということです。
実は、アリーナ型の方は非常に議会の公開が盛んでございまして、テレビなんかで中継する。逆に言うと、与野党横断合意型は委員会なんかはほとんど非公開にしておりまして、そこで与野党もう入り乱れて議論を尽くしてどんどん修正すると、こういう国会であります。あるいは、公開されているようでも、アメリカなんかもそうですが、非公式の協議会が多用されるという、それで何とかもう法案ずたずたになるまで修正して通していくと、こういうやり方でございます。
じゃ、日本はどちらかというと、御案内のように与野党対立型でございます。ただし、与野党対立型でそのまま二院制をやっていると、これなかなか大変なことになるということが今の話でございます。そういう点から考えると、何がポイントかというと、そこは変えられないとすると、その大枠のところは変わらないとして、じゃ、参議院に何ができるのかというと、もう少し具体的なところでちょっと違った問題があるというわけです。
日本は与野党対決型でございますが、実は最終的に普通、与野党対決型の国会を持っている国は、ほとんどの場合、採決をどんどん政府側がやってしまいます。ですから、法案の成立率非常に高いんですね。ところが、日本は、最近ちょっと高くなっておりますけれども、時期によっては法案の成立率高くないのは、実は会期不継続の原則を始めとする会期制の縛りがあって、審議未了、廃案ということが起こる、そういうタイプの国だからでございます。
そうすると、実は、審議はともかく、時間を使えば法案がブロックできてしまうという、野党に意外な権力ができてしまいまして、慎重審議を求めると表向きは言っているけど、実は廃案を狙うという作戦が取れてしまう。そのために、採決時期をめぐる攻防が非常に熱心になる。しかも、そういうことになると、政府側の、与野党対立でございますから、政府提出法案の審議を中心にして、しかも、それも質疑だということでございまして、自由討論なんかは余りできないという、これは政府側からすると、自由討議されると時間を取ってしまって自分の法案成立しなくなるものですから、自由討議じゃなくて、もう一生懸命大臣出ますから質疑にしてくださいと。野党側からすると、大臣が出てくると追及の場が出るものですから、まあそれでいいよということになりまして、立場の違う者同士が非常に質疑という形でやり取りをするということが特徴になっているというわけであります。ただ、こういうことを衆参共にやると、参議院の独自性というのはなかなか発揮できないという、先ほど申し上げたとおりでございます。
そういう点で、参議院のチェック機能とは何かというと、しばしば誤解されますけれども、法案を止めてしまうとか成立させないというようなことを中心にすると、チェックをやや超えておりまして共同責任になってしまうということからすると、チェックというと、まあ与野党対立を超えたチェック、与野党ということはあるけど、衆議院に対して、参議院議員の良識からすると、与党議員であっても政府議案をちょっと修正した方がいいんではないかと、野党の議員であっても、どうせ成立するのであればそれを前提に少し改良しようということをするということが恐らく参議院のチェック機能ということではないだろうかという点から考えると、大枠内での修正をするということをどう考えるかということでございます。
ただ、これなかなか容易ではないのは、修正してしまいますと、また例えば衆議院の先議ですと再び衆議院に戻っていく、時間が掛かるということを考えて、大体、普通、政府側はこれ嫌うわけでございます。もう大体参議院が会期末ぎりぎりに議論をしているところで修正されると、もう一回衆議院に行くものですから、そうすると成立しないと同様だということになってしまうということでございます。
そこで、二番目の点でございますが、審議活性化のために、大きな制度はこのままで審議活性化するためにはどういうことを考えるかというと、まずは審議時間の確保をしないといけない。それは、そのためには会期制のやや緩和。これは、野党側から見ると人質に取るということは難しくなることを意味しますけれども、参議院の審議を活性化するためには幾らかそういうことをやっていかないといけないということです。会期を長くするということもありですし、あるいは、継続された案件については今よりもそれまでの審議が生きるようなそういう考え方を取るとか、いろいろ考え方があり得ますが、そういうことをして、そうすると会期末になって時間がないからどんどん採決するということは避けられるということでございます。
それから二番目は、先ほどお話をしました、日本の場合、やや国会法は特別、諸外国に比べて非常に不思議なというのは、実は、衆参それぞれには議院の自律権があるのに、議事の基本は両方とも法律で決めてしまっているということでございます。
法律で決まってしまっているものですから、両方とも同じということになって似てしまう。そういう点でいうと、どこまでやるかは別ですけれども、国会法というのを両院関係調整法みたいにしておいて、それぞれの議院の、参議院とか衆議院の議事のやり方はそれぞれが議事規則で決めるというのがやり方で、そうすると、衆議院とは全然違うやり方を参議院が取ることができるというわけです。
これが、国会法がとりわけ参議院に負担を掛けているのは、参議院議員の皆さんは定数が少ないんです。そうすると、衆議院と同じやり方をしていると委員会を回すのが非常に大変になるという問題がありまして、少ない人数でも審議をするためには違うやり方を取るということも大切で、そのためには少しこのことを考える必要がございます。
それから三番目には、そうなってくると、人数が少ないということを考えれば、やはり重点的に同じように審議していては難しいかもしれない。
予算委員会は国会の華ではありますけれども、これは衆議院に優先が認められている分野。それに物すごい手間を掛けることがよいのかどうかということもあります。むしろ法案の審議を中心にして並行してでもやるということもあり得るかもしれません、衆議院とやり方を変えれば。あるいは、日常的立法、日切れ法案等については、もっと簡略化するということもあり得ます。そうすると、これを審議したいと参議院議員の方がお考えの議案については、少し重点的にやるということも考えられるのではないか。
それから最終的に、しばしば言われます両院協議会の活用ですが、与野党対立型では一般に両院協議会というのは御案内のとおり機能しないわけですね。両方の多数がぶつかったりするということです。
ですから、そういう点では、両院協議会を機能させようとすると与野党対立を緩和しないといけないということで、そうすると、衆議院の方は与野党対立強いから、議案に賛成した会派から全員出てくる、全員がそちらの会派だということはあるかもしれませんが、参議院は違うやり方を取るということで幾らか妥協を図るということがあり得るかもしれません。にもかかわらず、やはり両院協議会は、使われるというのは先ほどの参議院の役割と同じでございまして、大枠内の修正ぐらいしか両院協議会は使えないと。根本原則で対立しているものを両院協議会でということはなかなか難しいということがございます。
そこで、今お話をしたことは現在の制度を前提にするという改良策でございますが、これは憲法改正の課題にもなりますけれども、やっぱり衆参の権限再分配をして、より参議院は参議院らしくなることによって、少し役割を変えていくことによって問題を解決するということです。これ、しばしばどうもこの話をすると衆議院の優位と言われるわけですが、世の中バランスでございますから、衆議院の優越があれば参議院の優越がある分野もあるという、言わば衆参の取引みたいなことがないと成り立たないのではないかというふうに思います。
福祉国家、行政国家化のことはお話をしましたが、ここでポイントは、そういう法律は政府提出法案になるということなんです。
かつて二百年前の三権分立が熱心だった頃は、大体法律というのは余り日常生活と関係なかったものですからゆっくりやっておったんですが、ほとんどは、今、日常生活と関係するものは、実際に法律を実施する行政機関が立案しないとそういう具体的なことはできないということなんです。ということは、法律のかなりの部分が政府提出法案になるということでございますから、そういう点でいうと、政権運営に関わる責任と立法とが重なってくる分野について参議院がブロックしてしまうということは、実は、憲法上、衆議院の優越で内閣は成立しているのに、それが実は原則が崩れてくるということであります。
そういう点でいうと、そこに幾らか参議院、とりわけ参議院の野党側の自制が必要になってくるということでございます。しかしながら、これはなかなか、権限があれば使うものですから、ねじれてしまえばブロックする。これは、与野党立場を変えればどの党でも一緒だというのは、この十年間観察したところでございます。
そういう点でいうと、重大なことを申し上げますが、そうした立法、行政に必要なような立法については、参議院は幾らか権限を放棄するということが、実は参議院の審議を充実させる非常に重要な意味を持っている、ちょっと矛盾のようなことを言っております、ということでございます。
そのことは、御案内のように再議決要件の問題でございまして、再議決要件三分の二というのは、実はこれ、憲法の制定過程でもございますが、ややアメリカ流の考え方が入っておりまして、議院内閣制とは異質でございます。議院内閣制は過半数あれば内閣成立しているのに、三分の二がないと再議決ができない。たまたま今のように三分の二があるときもございますが、それはちょっと憲法上の矛盾がここに生じているために、政府は成立しているのに予算関連法案が通らないというのは、予算案について衆議院の優越を定めた日本国憲法の立法者の意思等とは反することが実際生じた。やや条文に問題があるというふうに考えざるを得ないわけであります。
ただ、そういうふうに考えると、条文に少々問題があっても、やはりここはお互い譲り合うと。再議決可能であっても参議院議決を尊重するというふうに衆議院がすれば、逆に言うと参議院の方もメンツも立って、参議院の方では重要な予算関連法案はブロックしないというようなこともあり得ると。そういう慣例をやっぱりつくり上げていくと。いずれその慣例が成立した上に、併せて憲法の条文を変えるということもあり得るだろうというふうに私など思っておりますけれども。
そういう点で考えますと、やはり参議院は法案成立、予算関連法案に限定してもいいかもしれませんが、まあまあいろいろこの区別が難しいと考えると、予算成立に関わる権限を放棄する。例えば、もう過半数で通ったものを否決することはしないとか、修正はしても審議未了にはしないとか、そういうことでございます。
しかしながら、これは取引でございます。その代わり参議院についてはこういう権限を、我々が衆議院の議決を尊重するんだから衆議院も参議院の議決を尊重してほしいという分野をつくるということでございます。
じゃ、どういう分野かということでございます。
実は、与野党対立でなくて、そうでないような処理が必要な分野はどんな分野があるか、これが参議院にとって非常に必要な分野だと考えていますが、一つは、立憲的保障と言っていますが、参議院議員は任期も固定で長いということからいうと、憲法というのは与野党を超えたゲームのルールでございますが、そのルールの守り手になるというのは一つでございます。これが与野党対立でなければ、お互いに立場は違ってもまあやっていこうということでございます。これは具体的に次に申し上げます。
それから、それと同様のことですが、そういう憲法に関わらなくても超党派で議論した方がいいよという人権問題みたいな問題は、例えば少数者の権利どうするのかというようなタイプのことは、そんな与野党でどうこうと争うものじゃなくて、みんなで知恵を集め、国民の意見も分かれてくるからじっくり議論をして、国民の理解を得た上で立法しようというようなことは参議院に非常に向いている分野でございます。
あるいは、選挙で多数を決めたからといって、結論が出るかどうか分からないような専門的な分野は、こういう調査会を開かれて、勉強されて、専門知識を身に付けられた参議院で議論をすると。そうすると、専門家の意見として衆議院はそれを尊重するというのもあり得るかもしれません。
あるいは、時間の掛かるもの。衆議院はどうしても次の選挙が、もう二年ぐらいで選挙があると気になってしまいますが、任期の長い六年任期であると、じっくり議論をしましょうという、こういう、この調査会なんかもそういう場だと思いますけど、そういう問題はもう衆議院じゃなくて参議院に任してほしいというのも一つであろうかというふうに思います。
じゃ、具体的にどういうことかというと、順番に、時間そろそろありませんが、お許しいただいて少しお話をいたしますと、参議院のみに付される立法以外の権限、例えば決算を、後からお話ありますが、決算、行政監視については、もう衆議院よりも参議院の権能を物すごく尊重するような立法の立て付けにするということ。あるいは、人事における独自の機能。国会承認人事っていろいろありますけれど、大体ほとんどは行政府が任命する人事についてです。行政府にそれを任命する人事を多数派を持っている衆議院が議論してもしようがないところがあって、例えば政治的中立を必要とされるようなそういう機関の人事については、実は行政府、政府と近いことが問題であるから、政府を離れて与野党の共通のそういう参議院が持つということです。
それから二番目は、先ほど御説明した立憲主義ですが、例えば日本国憲法を改正するとすると、憲法改正の発議は参議院だけが持つというのも一つの考え方でございます。
それから三番目は、参議院においては与野党対立でないんだから、与野党を超えて議員立法に熱心に取り組む、そういう議員立法については衆議院も尊重するということでございます。
さらに、そういう点でいうと、四番目、参議院については、こういう案件は参議院を尊重しよう、政府も、じゃ参議院先議に、政府案を参議院に出すから、参議院でどんな修正をされてももう政府も衆議院も受け取りますよ、御自由に修正してくださいと言って参議院に出されるというのは一つでございます。それは、先ほどの衆議院の議決を尊重する分野との取引ということになります。
申し上げたいのは、こうした日常的な国会運営ということを、衆議院とは違う国会運営をしているうちにこの両院の関係は新たなものになってきて、必要であれば憲法改正もあってもよいかもしれませんが、そういうことをしなければ、再びねじれたときには参議院無用論が出てきたり、あるいはねじれないと、誰も参議院に注目しないと参議院無用論が出てくると。どちらにしても困ったということをなくするためには、違うタイプの審議の工夫が必要ではないかというのが私の意見でございます。
以上でございます。どうもありがとうございました。
この発言だけを見る →ただ、時間がやや限られておりますので、先生方御自身のことについてやや断定的なことを申して失礼に当たるところもあるかもしれませんが、その点はお許しいただきまして、後ほどの質疑で疑義をお確かめいただければと存じます。
それでは、私は政治学を専門にしておりますので、参議院の役割について少し制度的な側面と実態をどのように考えるのかという点から考えを述べさせていただきます。レジュメをお配りしておりますので、それに沿ってでございますけれども。
まず、二院制という問題でございます。ちょっと前段の話でございますけれども、議院内閣制を日本は取っております。内閣総理大臣を基に内閣が成立しておりますが、一般的に政治学を申しますと、議院内閣制というのは、有権者は国会議員を選び、国会議員が首相あるいは内閣を選び、内閣は官僚たちをつくって行政をするという点では非常にシンプルな権限の連鎖があるというふうに政治学では考えております。
ところが、一つだけ例外がございます。二院制を取った場合においては、二院の関係の整理のいかんによってはこのデモクラシー、民主制の原理が貫徹しなくなるという問題が実は指摘されておりまして、多くの国で実は、歴史的には、二院を置いている国では様々な試みがされてきて、悩んでいる国もあるということでございます。
そういうときに、大問題からすると、そもそも二院制が定められた頃、大昔の頃でございますけれども、どういう考え方かというと、せっかく法律を作るのであればみんなの意見が一致するまで議論をすればよいという考え方でございます。ところが、実はこれが元々二院制にはあった考え方でございますが、後ほど御説明しますように、福祉国家化、行政国家化しますと法律の数が増えてきて、考えがまとまらなければ法律がなくてもいいではないかという考え方がなかなか通りにくくなる。もう日頃からするとそれはなかなか行政停滞するという問題があって、そういうことになってくると二院制の役割も少し変わってくるということでございます。そのことはちょっと後でもう一回戻りますので、布石のためにお話をいたしますが。
そう考えてもなお、現代、二院制を取るのはどういうわけだろうかといいますと、多くの場合は、日本の場合、衆議院ですが、下院とは違うタイプの上院、違う意見を代表させることによって、違うちょっと観点を導入しようということでございます。
代表的な例は連邦制を取っている国、多くの国では、現代の民主制の国では一人一票ということを前提にしておりますけれども、連邦制を取ると、連邦制を構成する各州というのは立派な国家でございますので、それの代表をそれぞれ大小にかかわらず選ぶというようなことをしている国があるのは御存じのとおりでございます。ただ、その場合においては、幾らかデモクラシーの原則は曲げられるというわけですね、小さな州の方がたくさん代表されるというようなことが起こってくる。そのときに、そのチェック機能はどこまでかということです。
アメリカのように、現在でも、まとまらなければ法律がなくてもいい、あるいは、予算案についてまとまらなければ政府を閉じてしまえばよいという考え方の国もあれば、いや、それは現実的でないのでそこは調整しよう、話合いをやろうという国もあれば、話合いがまとまらなかったときにおいてはどちらかの院を優越するということ、日本もその類型ではありますけれども、衆議院に、下院に優越を与えるというようなタイプのことはございます。
にもかかわらず、チェック機能というのはどういうことだろうかというと、やはり一つは、審議において採決の結果はともかくとして、様々な意見を検討した結果、その結論が出されるということは重要だろうということが一つ。あるいは、採決の結果はいずれ調整されてどこかのことになるとしても、修正ということもあるかもしれない。大枠のところでは意見は押し通すことがあっても、修正してより良いものにするということはあるかもしれないということが一般に二院制の意義として知られているわけでございます。ただ、これは国によっていろいろでございます。
ただ、日本の場合を見てみると、実は、後からお話をしますが、衆参は極めて似た状況、選挙制度も似ておりますし、それから議事手続も似ておりまして、そうすると衆議院は、大体どこの国でも下院の方は内閣を選出しますので与野党関係極めて厳しいんですね、そうすると、数の論理が働いて多数決でということになりがちでございます。
ところが、それで第二院はそうではないという、上院はそうではないという例も多いんですが、日本の場合は、実は参議院が衆議院に似ているという、まあ向こうが似ているという考え方もありますが、というために、ちょっと同じような数の論理が参議院にも働いてなかなか独自性が発揮できないということです。それを端的に示すのが、言葉はあれですが、いわゆるねじれと言われるのは、これは両院の多数派が異なる状況でございますが、そのときにこれは参議院の権限が非常に強く意識されるときです。
ところが、数年前までございましたが、そういうときに何を見るかというと、実は参議院は意外と審議がされなくなるというわけですね。なぜかというと、衆議院のものをそのまま参議院に持っていって、それでもめたりすると戻ってしまうからもう衆議院で修正をしてしまおうということ、しばしば行われたわけです。
意外と権限が強いときに参議院が機能をなかなか果たせない、自由な議論ができないというのは、ちょっと私にとってみれば参議院の機能を果たすという点では残念なことだというふうに考えております。そういう点では、参議院は衆議院と違うという場所になって、しかもその数の論理が余り出てこないという場所にする必要は、そういうことをしないとなかなか審議はできないんではないかというふうに考えます。
そのときに、まあ学者の議論ですが、ちょっとこれ古い政治学で、最近は実は違う言い方をすることが多いんですが、やや複雑ですので簡単にお話をいたしますと、国会を始めとする議会は世界中、大体二つの類型がございます。一つはアリーナ型議会といって与野党対決が非常に盛んだという議会、もう一つは変換型議会と言っておりますが、これは与野党横断合意型ということです。
実は、アリーナ型の方は非常に議会の公開が盛んでございまして、テレビなんかで中継する。逆に言うと、与野党横断合意型は委員会なんかはほとんど非公開にしておりまして、そこで与野党もう入り乱れて議論を尽くしてどんどん修正すると、こういう国会であります。あるいは、公開されているようでも、アメリカなんかもそうですが、非公式の協議会が多用されるという、それで何とかもう法案ずたずたになるまで修正して通していくと、こういうやり方でございます。
じゃ、日本はどちらかというと、御案内のように与野党対立型でございます。ただし、与野党対立型でそのまま二院制をやっていると、これなかなか大変なことになるということが今の話でございます。そういう点から考えると、何がポイントかというと、そこは変えられないとすると、その大枠のところは変わらないとして、じゃ、参議院に何ができるのかというと、もう少し具体的なところでちょっと違った問題があるというわけです。
日本は与野党対決型でございますが、実は最終的に普通、与野党対決型の国会を持っている国は、ほとんどの場合、採決をどんどん政府側がやってしまいます。ですから、法案の成立率非常に高いんですね。ところが、日本は、最近ちょっと高くなっておりますけれども、時期によっては法案の成立率高くないのは、実は会期不継続の原則を始めとする会期制の縛りがあって、審議未了、廃案ということが起こる、そういうタイプの国だからでございます。
そうすると、実は、審議はともかく、時間を使えば法案がブロックできてしまうという、野党に意外な権力ができてしまいまして、慎重審議を求めると表向きは言っているけど、実は廃案を狙うという作戦が取れてしまう。そのために、採決時期をめぐる攻防が非常に熱心になる。しかも、そういうことになると、政府側の、与野党対立でございますから、政府提出法案の審議を中心にして、しかも、それも質疑だということでございまして、自由討論なんかは余りできないという、これは政府側からすると、自由討議されると時間を取ってしまって自分の法案成立しなくなるものですから、自由討議じゃなくて、もう一生懸命大臣出ますから質疑にしてくださいと。野党側からすると、大臣が出てくると追及の場が出るものですから、まあそれでいいよということになりまして、立場の違う者同士が非常に質疑という形でやり取りをするということが特徴になっているというわけであります。ただ、こういうことを衆参共にやると、参議院の独自性というのはなかなか発揮できないという、先ほど申し上げたとおりでございます。
そういう点で、参議院のチェック機能とは何かというと、しばしば誤解されますけれども、法案を止めてしまうとか成立させないというようなことを中心にすると、チェックをやや超えておりまして共同責任になってしまうということからすると、チェックというと、まあ与野党対立を超えたチェック、与野党ということはあるけど、衆議院に対して、参議院議員の良識からすると、与党議員であっても政府議案をちょっと修正した方がいいんではないかと、野党の議員であっても、どうせ成立するのであればそれを前提に少し改良しようということをするということが恐らく参議院のチェック機能ということではないだろうかという点から考えると、大枠内での修正をするということをどう考えるかということでございます。
ただ、これなかなか容易ではないのは、修正してしまいますと、また例えば衆議院の先議ですと再び衆議院に戻っていく、時間が掛かるということを考えて、大体、普通、政府側はこれ嫌うわけでございます。もう大体参議院が会期末ぎりぎりに議論をしているところで修正されると、もう一回衆議院に行くものですから、そうすると成立しないと同様だということになってしまうということでございます。
そこで、二番目の点でございますが、審議活性化のために、大きな制度はこのままで審議活性化するためにはどういうことを考えるかというと、まずは審議時間の確保をしないといけない。それは、そのためには会期制のやや緩和。これは、野党側から見ると人質に取るということは難しくなることを意味しますけれども、参議院の審議を活性化するためには幾らかそういうことをやっていかないといけないということです。会期を長くするということもありですし、あるいは、継続された案件については今よりもそれまでの審議が生きるようなそういう考え方を取るとか、いろいろ考え方があり得ますが、そういうことをして、そうすると会期末になって時間がないからどんどん採決するということは避けられるということでございます。
それから二番目は、先ほどお話をしました、日本の場合、やや国会法は特別、諸外国に比べて非常に不思議なというのは、実は、衆参それぞれには議院の自律権があるのに、議事の基本は両方とも法律で決めてしまっているということでございます。
法律で決まってしまっているものですから、両方とも同じということになって似てしまう。そういう点でいうと、どこまでやるかは別ですけれども、国会法というのを両院関係調整法みたいにしておいて、それぞれの議院の、参議院とか衆議院の議事のやり方はそれぞれが議事規則で決めるというのがやり方で、そうすると、衆議院とは全然違うやり方を参議院が取ることができるというわけです。
これが、国会法がとりわけ参議院に負担を掛けているのは、参議院議員の皆さんは定数が少ないんです。そうすると、衆議院と同じやり方をしていると委員会を回すのが非常に大変になるという問題がありまして、少ない人数でも審議をするためには違うやり方を取るということも大切で、そのためには少しこのことを考える必要がございます。
それから三番目には、そうなってくると、人数が少ないということを考えれば、やはり重点的に同じように審議していては難しいかもしれない。
予算委員会は国会の華ではありますけれども、これは衆議院に優先が認められている分野。それに物すごい手間を掛けることがよいのかどうかということもあります。むしろ法案の審議を中心にして並行してでもやるということもあり得るかもしれません、衆議院とやり方を変えれば。あるいは、日常的立法、日切れ法案等については、もっと簡略化するということもあり得ます。そうすると、これを審議したいと参議院議員の方がお考えの議案については、少し重点的にやるということも考えられるのではないか。
それから最終的に、しばしば言われます両院協議会の活用ですが、与野党対立型では一般に両院協議会というのは御案内のとおり機能しないわけですね。両方の多数がぶつかったりするということです。
ですから、そういう点では、両院協議会を機能させようとすると与野党対立を緩和しないといけないということで、そうすると、衆議院の方は与野党対立強いから、議案に賛成した会派から全員出てくる、全員がそちらの会派だということはあるかもしれませんが、参議院は違うやり方を取るということで幾らか妥協を図るということがあり得るかもしれません。にもかかわらず、やはり両院協議会は、使われるというのは先ほどの参議院の役割と同じでございまして、大枠内の修正ぐらいしか両院協議会は使えないと。根本原則で対立しているものを両院協議会でということはなかなか難しいということがございます。
そこで、今お話をしたことは現在の制度を前提にするという改良策でございますが、これは憲法改正の課題にもなりますけれども、やっぱり衆参の権限再分配をして、より参議院は参議院らしくなることによって、少し役割を変えていくことによって問題を解決するということです。これ、しばしばどうもこの話をすると衆議院の優位と言われるわけですが、世の中バランスでございますから、衆議院の優越があれば参議院の優越がある分野もあるという、言わば衆参の取引みたいなことがないと成り立たないのではないかというふうに思います。
福祉国家、行政国家化のことはお話をしましたが、ここでポイントは、そういう法律は政府提出法案になるということなんです。
かつて二百年前の三権分立が熱心だった頃は、大体法律というのは余り日常生活と関係なかったものですからゆっくりやっておったんですが、ほとんどは、今、日常生活と関係するものは、実際に法律を実施する行政機関が立案しないとそういう具体的なことはできないということなんです。ということは、法律のかなりの部分が政府提出法案になるということでございますから、そういう点でいうと、政権運営に関わる責任と立法とが重なってくる分野について参議院がブロックしてしまうということは、実は、憲法上、衆議院の優越で内閣は成立しているのに、それが実は原則が崩れてくるということであります。
そういう点でいうと、そこに幾らか参議院、とりわけ参議院の野党側の自制が必要になってくるということでございます。しかしながら、これはなかなか、権限があれば使うものですから、ねじれてしまえばブロックする。これは、与野党立場を変えればどの党でも一緒だというのは、この十年間観察したところでございます。
そういう点でいうと、重大なことを申し上げますが、そうした立法、行政に必要なような立法については、参議院は幾らか権限を放棄するということが、実は参議院の審議を充実させる非常に重要な意味を持っている、ちょっと矛盾のようなことを言っております、ということでございます。
そのことは、御案内のように再議決要件の問題でございまして、再議決要件三分の二というのは、実はこれ、憲法の制定過程でもございますが、ややアメリカ流の考え方が入っておりまして、議院内閣制とは異質でございます。議院内閣制は過半数あれば内閣成立しているのに、三分の二がないと再議決ができない。たまたま今のように三分の二があるときもございますが、それはちょっと憲法上の矛盾がここに生じているために、政府は成立しているのに予算関連法案が通らないというのは、予算案について衆議院の優越を定めた日本国憲法の立法者の意思等とは反することが実際生じた。やや条文に問題があるというふうに考えざるを得ないわけであります。
ただ、そういうふうに考えると、条文に少々問題があっても、やはりここはお互い譲り合うと。再議決可能であっても参議院議決を尊重するというふうに衆議院がすれば、逆に言うと参議院の方もメンツも立って、参議院の方では重要な予算関連法案はブロックしないというようなこともあり得ると。そういう慣例をやっぱりつくり上げていくと。いずれその慣例が成立した上に、併せて憲法の条文を変えるということもあり得るだろうというふうに私など思っておりますけれども。
そういう点で考えますと、やはり参議院は法案成立、予算関連法案に限定してもいいかもしれませんが、まあまあいろいろこの区別が難しいと考えると、予算成立に関わる権限を放棄する。例えば、もう過半数で通ったものを否決することはしないとか、修正はしても審議未了にはしないとか、そういうことでございます。
しかしながら、これは取引でございます。その代わり参議院についてはこういう権限を、我々が衆議院の議決を尊重するんだから衆議院も参議院の議決を尊重してほしいという分野をつくるということでございます。
じゃ、どういう分野かということでございます。
実は、与野党対立でなくて、そうでないような処理が必要な分野はどんな分野があるか、これが参議院にとって非常に必要な分野だと考えていますが、一つは、立憲的保障と言っていますが、参議院議員は任期も固定で長いということからいうと、憲法というのは与野党を超えたゲームのルールでございますが、そのルールの守り手になるというのは一つでございます。これが与野党対立でなければ、お互いに立場は違ってもまあやっていこうということでございます。これは具体的に次に申し上げます。
それから、それと同様のことですが、そういう憲法に関わらなくても超党派で議論した方がいいよという人権問題みたいな問題は、例えば少数者の権利どうするのかというようなタイプのことは、そんな与野党でどうこうと争うものじゃなくて、みんなで知恵を集め、国民の意見も分かれてくるからじっくり議論をして、国民の理解を得た上で立法しようというようなことは参議院に非常に向いている分野でございます。
あるいは、選挙で多数を決めたからといって、結論が出るかどうか分からないような専門的な分野は、こういう調査会を開かれて、勉強されて、専門知識を身に付けられた参議院で議論をすると。そうすると、専門家の意見として衆議院はそれを尊重するというのもあり得るかもしれません。
あるいは、時間の掛かるもの。衆議院はどうしても次の選挙が、もう二年ぐらいで選挙があると気になってしまいますが、任期の長い六年任期であると、じっくり議論をしましょうという、こういう、この調査会なんかもそういう場だと思いますけど、そういう問題はもう衆議院じゃなくて参議院に任してほしいというのも一つであろうかというふうに思います。
じゃ、具体的にどういうことかというと、順番に、時間そろそろありませんが、お許しいただいて少しお話をいたしますと、参議院のみに付される立法以外の権限、例えば決算を、後からお話ありますが、決算、行政監視については、もう衆議院よりも参議院の権能を物すごく尊重するような立法の立て付けにするということ。あるいは、人事における独自の機能。国会承認人事っていろいろありますけれど、大体ほとんどは行政府が任命する人事についてです。行政府にそれを任命する人事を多数派を持っている衆議院が議論してもしようがないところがあって、例えば政治的中立を必要とされるようなそういう機関の人事については、実は行政府、政府と近いことが問題であるから、政府を離れて与野党の共通のそういう参議院が持つということです。
それから二番目は、先ほど御説明した立憲主義ですが、例えば日本国憲法を改正するとすると、憲法改正の発議は参議院だけが持つというのも一つの考え方でございます。
それから三番目は、参議院においては与野党対立でないんだから、与野党を超えて議員立法に熱心に取り組む、そういう議員立法については衆議院も尊重するということでございます。
さらに、そういう点でいうと、四番目、参議院については、こういう案件は参議院を尊重しよう、政府も、じゃ参議院先議に、政府案を参議院に出すから、参議院でどんな修正をされてももう政府も衆議院も受け取りますよ、御自由に修正してくださいと言って参議院に出されるというのは一つでございます。それは、先ほどの衆議院の議決を尊重する分野との取引ということになります。
申し上げたいのは、こうした日常的な国会運営ということを、衆議院とは違う国会運営をしているうちにこの両院の関係は新たなものになってきて、必要であれば憲法改正もあってもよいかもしれませんが、そういうことをしなければ、再びねじれたときには参議院無用論が出てきたり、あるいはねじれないと、誰も参議院に注目しないと参議院無用論が出てくると。どちらにしても困ったということをなくするためには、違うタイプの審議の工夫が必要ではないかというのが私の意見でございます。
以上でございます。どうもありがとうございました。
山
勝
勝山教子#13
○参考人(勝山教子君) 同志社大学の勝山でございます。
本日は、このような席で発言する機会を与えていただき、大変光栄に存じております。どうぞよろしくお願いいたします。
では、説明を早速始めさせていただきます。
まず最初に、参議院における行政監視の活性化というテーマをいただきましたので、特にその基本的な視点というのを少し考えるところをお話しさせていただきます。
今、飯尾先生からお話がありましたように、日本国憲法が定める議院内閣制においては、内閣総理大臣の指名、内閣不信任決議の規定にも見られますように、内閣は実質的には衆議院の多数派の支持に基づいて成立しているという存在です。したがって、その関係から当然衆議院の方では、政府・与党と野党との対決色というのが濃厚になってくるわけです。参議院が、特にその存在意義を発揮しつつ政府統制活動を行うという、そういう観点からすると、衆議院のような対決色一辺倒ではなく、そこから一歩距離を置いた客観的な立場から行政を監視する、そういう活動に力点を置いて活動を進めていくことが重要なのではないかというふうに思っているところです。
つまり、官僚の不正行為などを取り上げて、批判型、対決型で政府追及を行うような、そういう統制の仕方ではなく、レジュメにも挙げましたように、例えば法律の執行の適法性、妥当性、予算の適正処理、政策の有効性といった問題について客観的な基準が引き出せるような、そういう事項について客観的に評価、分析する。そして、それを基に行政の行為や事業の見直し等の必要があれば政府に対して説明を求めていく。そして、必要な場合には、そういった情報を集めて参議院の方から立法提案を行っていける、そういったような統制活動というのが重要になってくるのではないかというふうに考えているところです。
もちろん、こうした調査活動というのは、質疑で政府を追及するようなそういう華々しいような形のものではありませんので、注目を集めるものではありません。確かにうまみというものはないのかもしれませんが、長期的に考えれば、参議院の立案能力というのを非常に向上させる、そういった活動だというふうに思っております。特に情報が入手の点で若干与党には劣る野党にとっては、法案の起草に関する影響力であるとか政権担当能力を向上させる、そういったことにも役立っていくものだと思います。
こういった活動を通して衆議院とは違う参議院の存在意義というのを示していく、そういった方向性が取られるべきなのではないかというふうに考えているところです。
そこで、本日は、政府の統制手段の中から、レジュメにも挙げましたように、政策評価と法律の施行状況の調査を取り上げて、行政監視の活性化ということについて考えてみたいと思います。その上で、監視活動の仕組みづくり、どうやって効果的につくっていくのか、これも非常に大事なことですので、例を示しながら御説明申し上げたいと思っております。
まず最初に、政府統制における少数派の役割ですが、先ほど参議院では対決型姿勢ではなくというふうに申し上げまして、やや矛盾するところかとは思いますけれども、やはり政府統制という活動になりますと、野党側の役割、これが非常に重要になってくること、これは否めないところだと思います。現実問題として、与党議員は政府を困窮させるということ、これは望んでいませんので、やはり野党が積極的に関われるようなそういう仕組みづくり、これが大事なんだと思います。
そうした例として非常に有名なものにドイツの少数者調査権というものがあるわけなんですけれども、近年私が研究対象としておりますフランスの方でも少数派による調査委員会の設置要求権というようなものが制度化されていましたので、例としてそこに挙げさせていただきました。
フランスでこういう野党の権限強化ということが最近行われているわけなんですけれども、その背景には、二〇〇八年に憲法改正が行われまして、かなり大規模な改正でございまして、このときに憲法の条文の中に野党の権利を承認するというそういう規定が明記される、そういうことになりました。この今お話しさせてもらっている政府統制との関連からいえば、つまり、効果的に議会がその任務とする統制活動を行っていくためには野党の主導性を強めなければならないんだ、そのためには権限を付与しなければならないんだということが憲法で明文で確認されたというふうに考えることができるということです。
そのような観点から、日本の行政監視ということを、政府統制の仕組みを考える上でもやはり野党に積極的に関われるような、そういう仕組みづくりというのを模索していくべきだろうというふうには思っております。
次に、先ほど御指摘しました、参議院として、特に政策評価や法律施行調査といった、そういった客観的な視点から検討し得るような、そういう活動に取り組むべきだということを申し上げました。その点についてもう少しお話をさせていただきます。
この政策評価でありますとか法律の施行状況の調査というのは、元々立法者たる議員のそもそもの責務なんではないかというふうに私は思っているところです。といいますのも、政策の多くというのはもちろん政府・与党側から提示されてくるわけなんですけれども、その実施を最終的にオーソライズしているのは議院ですから、参議院も衆議院も、その後の結果についてはそれを監視し、もし自分たちがオーソライズした内容と違うものであればそれについて是正を図っていくような、そういう活動をするということは元々の職務だというふうに考えているところであります。
それに加えまして、こういった政策評価、法律施行調査というものは、元々の法律、自分たちが制定した法律の目的が何であったのか、法律に規定された条文に何が書いてあったのかというような比較的政策論争とは別の客観的な基準によって判断が下されるということが可能になるものですから、そういった意味では対決色が弱い統制活動に位置付けられるんではないかというふうに思っております。
先ほども申し上げましたように、こういった形の情報を収集していくことによって、今後、もしかしたら提出されるかもしれない法案に対する資料を十分に整え、議員の審議能力、立案能力というのを高めていく、そういう非常に重要な活動だというふうに思っているところです。
次に、そうであれば、ではその活動を、そうした政策評価であるとか法律の施行調査又は広く政府統制という形の活動をどのように効果的に行うのか、仕組みづくりも重要になってくるところですので、次にこの点についてお話をさせていただきます。
レジュメのところには、フランスで、やはり先ほど紹介しました、二〇〇八年の憲法改正を受けまして下院に設置された公共政策評価・統制委員会の内容をお示ししております。
このときの憲法改正では、先ほどは野党の権利を保障するという条文が盛り込まれたのだということを御紹介しましたけれども、それと同時に、憲法条文の中にまた別に議会の任務として、立法だけではなく、政府活動の統制、公共政策の評価、これも議会の任務なのだと、憲法上の任務なのだというふうに規定されたところです。非常に大事だという、そういうことがここでも確認されているということです。
その上で、その憲法改正を受けまして、政策を評価する、そういうための機関として新しく公共政策評価委員会というものが設置されたわけですが、この組織を見ますと、組織方法や活動方法について非常に注目されるところがあるということで、ここではこれを紹介させていただきます。
まず、この組織を設計するに当たって何に注目したかというと、フランスがそれまで行ってきた、フランスの議会が行ってきたことに対する反省に基づいて設計されていたというところです。政策評価といいましても、新しく二〇〇八年の憲法を受けてこの機関が設置されたわけなんですが、もちろんそれ以前からフランスの議会も政策評価活動というのは行ってきていたところです。
ところが、その当時、以前はどういう形でやっていたかといいますと、各常任委員会がそれぞれ個別に所管事項について政策評価的なことを調査を行ったり又は一定の重要事項についてはそれ専門の政策評価組織というものを両院合同の機関として設けたりして活動を行ってきたわけです。ただ、総じて期待に応えることができなかったということから、それ以前の、それまでのこうした組織の活動方法の反省点というのを列挙しながら、二度とそれにはならないぞという形でつくられたというところです。
では、以前の組織、組織方法、活動方法に何が問題があったかということを御紹介しますと、まず失敗の原因として第一に挙げられたのが、多くの場合これが、両院合同の組織、政策評価のための専門組織というのが両院合同でつくられていたというところで、日本にもありますように、やはりねじれ現象になった場合には全く機能しないということがあったというところです。
第二番目の点としましては、やはり政策評価であるとかいった問題については議院の力だけで行っていくことは非常に大変であると。したがって、外部組織の専門家に要請を求めるのが一番効率的な方法なんですけれども、それ以前は、以前はそういった外部に対しての支援要請を行わなかったということです。
第三の点として挙げられますのが、こうした政策評価であるとか立法の施行調査であるとかいったことというのは、政府に対する質疑で華々しく責任追及するというあのような姿からすると、そうではなくて、調査活動をやっていくということですから非常に地味であって、余り、とはいえ、労力が掛かるということ。まあ議院としてもそういった活動に余り積極的ではなかったということも挙げられています。
また、反対派、野党側の役割を、特に積極的な役割というのを認めていたものでもなかったので、そういう仕組みも組み込まれていなかったということ、それから、それまで常任委員会であるとか各種政策評価の専門組織がそれぞれで行っていたその評価活動、これに連携を持たせなかったという、そういった失敗原因というのが挙げられていたところです。
そこで、新たに設置された公共政策評価・統制委員会というのは、こういった点を改めて、参考にしながら、反省を踏まえてつくられた、そういったものです。
まず、レジュメにお示ししましたように、調査事項ですけれども、従来、常任委員会が、その壁となっていた省庁別の所管という限界、これを取り払いまして、横断的、総合的な調査を行うことができるというような形にしております。これは、こちらの参議院の調査会であるとか行政監視委員会であるとかいったところもやはり同様にそのような観点から行っているというふうに存じております。
さらに、注目されるのが、フランスのこの公共政策評価・統制委員会の組織方法及び活動方法です。
組織方法のところですが、お手元のレジュメに構成員となる者を列挙して記載させていただいております。これを見ますと、議長が委員長になりまして、そして各常任委員長も全員入る、各種評価局長も全員入るんだと、その他政策評価に携わる組織の長であるとか会派の長も入ってくると、そういった者で構成されておりまして、実はこの組織というのは、議院が行う統制、評価の活動を総体的に、総合して全体としてのプログラムを調整する、そういう評価・統制活動も取りまとめていく、そういう機関として設置されているということです。
さらに、この機関の活動方法ですけれども、先ほど言いましたように、政策評価を行うなんということになりますと、技術的、専門的な知識というのが非常に必要になってきますし、労力的にも議院だけで行うというのはなかなか限界があるところですので、外部に対しても協力を求めるということを自由に行っていくと、かなりの予算措置も付けられています。
また、この委員会のメンバーだけで調査を行うというのではなく、調査対象となっている事項の関連常任委員会の委員、専門性を持つ委員を招いてきて実際には調査を主導してもらうというようなことをしております。例えば、ほかの委員会が行った法律の実施の施行調査などに関する評価報告なんというのは、やはり全てここの委員会に提出されて集められるというようなことになっているところです。
このような形で、この組織を中心としまして議院の内外の機関と連携を持たせながら組織的に調査活動を進めていくという、そういう手法を取っているということが非常に注目されることなんだというふうに思います。
さらに、重要なことなんですけれども、調査活動というのは地道なものではありますけれども、やはり調査するだけに終わるのではなくて、報告書に取りまとめて、それをホームページに掲載して国民にその情報を提供するという、そういったことも行われているところです。
時間がかなり少なくなってしまいましたが、もう一点、申し訳ないんですけれども、一点追加させていただきますと、この組織の非常に最も注目される点として最後に一つだけお示しさせていただきます。
この組織の調査活動の方法としまして、実際には二名の議員が指名をされまして調査の報告者として活動を進めていくということになっているんですが、この二名のうち一名は必ず野党議員でなければならないということになっておりまして、与野党議員二名が共同で調査を進め、そして、最終的にはこの二人が議論を重ねて一つの報告書を作成するという、そういう形を取っているところです。
もちろん、見解も対立する議員ですので一つの報告書にまとめることにはなかなか難しいところがあるんですけれども、協力を与野党議員が行って議論を重ねるうちに最終的に合意形成がなされることが多いというふうにされるところです。ですので、こういった与野党議員二名のペア方式によって最終的に取りまとめられた調査結果というのは非常に客観的、公正的、中立な内容のものとなっており、非常に信頼の置ける資料として議院に蓄積されていくということになっております。
この形を見ますと、実は、言ってみれば政府統制というのは、実際は政府・与党対野党というような、そういう対立図式を描きがちなんですが、この形の統制方法というのは政府・与党対野党ではなくて、与党と野党が一体となって議院として内閣に対立軸として存在し、そして統制を行っていくという、そういう形のものであって、非常に、参議院の一体的な形で政府に対抗していくというような、そういう仕組みづくりにも参考になるのではないかというふうに思い、挙げさせていただいたところです。
済みません、かなりお時間を超過してしまいましたけれども、以上で説明を終わらせていただきます。
この発言だけを見る →本日は、このような席で発言する機会を与えていただき、大変光栄に存じております。どうぞよろしくお願いいたします。
では、説明を早速始めさせていただきます。
まず最初に、参議院における行政監視の活性化というテーマをいただきましたので、特にその基本的な視点というのを少し考えるところをお話しさせていただきます。
今、飯尾先生からお話がありましたように、日本国憲法が定める議院内閣制においては、内閣総理大臣の指名、内閣不信任決議の規定にも見られますように、内閣は実質的には衆議院の多数派の支持に基づいて成立しているという存在です。したがって、その関係から当然衆議院の方では、政府・与党と野党との対決色というのが濃厚になってくるわけです。参議院が、特にその存在意義を発揮しつつ政府統制活動を行うという、そういう観点からすると、衆議院のような対決色一辺倒ではなく、そこから一歩距離を置いた客観的な立場から行政を監視する、そういう活動に力点を置いて活動を進めていくことが重要なのではないかというふうに思っているところです。
つまり、官僚の不正行為などを取り上げて、批判型、対決型で政府追及を行うような、そういう統制の仕方ではなく、レジュメにも挙げましたように、例えば法律の執行の適法性、妥当性、予算の適正処理、政策の有効性といった問題について客観的な基準が引き出せるような、そういう事項について客観的に評価、分析する。そして、それを基に行政の行為や事業の見直し等の必要があれば政府に対して説明を求めていく。そして、必要な場合には、そういった情報を集めて参議院の方から立法提案を行っていける、そういったような統制活動というのが重要になってくるのではないかというふうに考えているところです。
もちろん、こうした調査活動というのは、質疑で政府を追及するようなそういう華々しいような形のものではありませんので、注目を集めるものではありません。確かにうまみというものはないのかもしれませんが、長期的に考えれば、参議院の立案能力というのを非常に向上させる、そういった活動だというふうに思っております。特に情報が入手の点で若干与党には劣る野党にとっては、法案の起草に関する影響力であるとか政権担当能力を向上させる、そういったことにも役立っていくものだと思います。
こういった活動を通して衆議院とは違う参議院の存在意義というのを示していく、そういった方向性が取られるべきなのではないかというふうに考えているところです。
そこで、本日は、政府の統制手段の中から、レジュメにも挙げましたように、政策評価と法律の施行状況の調査を取り上げて、行政監視の活性化ということについて考えてみたいと思います。その上で、監視活動の仕組みづくり、どうやって効果的につくっていくのか、これも非常に大事なことですので、例を示しながら御説明申し上げたいと思っております。
まず最初に、政府統制における少数派の役割ですが、先ほど参議院では対決型姿勢ではなくというふうに申し上げまして、やや矛盾するところかとは思いますけれども、やはり政府統制という活動になりますと、野党側の役割、これが非常に重要になってくること、これは否めないところだと思います。現実問題として、与党議員は政府を困窮させるということ、これは望んでいませんので、やはり野党が積極的に関われるようなそういう仕組みづくり、これが大事なんだと思います。
そうした例として非常に有名なものにドイツの少数者調査権というものがあるわけなんですけれども、近年私が研究対象としておりますフランスの方でも少数派による調査委員会の設置要求権というようなものが制度化されていましたので、例としてそこに挙げさせていただきました。
フランスでこういう野党の権限強化ということが最近行われているわけなんですけれども、その背景には、二〇〇八年に憲法改正が行われまして、かなり大規模な改正でございまして、このときに憲法の条文の中に野党の権利を承認するというそういう規定が明記される、そういうことになりました。この今お話しさせてもらっている政府統制との関連からいえば、つまり、効果的に議会がその任務とする統制活動を行っていくためには野党の主導性を強めなければならないんだ、そのためには権限を付与しなければならないんだということが憲法で明文で確認されたというふうに考えることができるということです。
そのような観点から、日本の行政監視ということを、政府統制の仕組みを考える上でもやはり野党に積極的に関われるような、そういう仕組みづくりというのを模索していくべきだろうというふうには思っております。
次に、先ほど御指摘しました、参議院として、特に政策評価や法律施行調査といった、そういった客観的な視点から検討し得るような、そういう活動に取り組むべきだということを申し上げました。その点についてもう少しお話をさせていただきます。
この政策評価でありますとか法律の施行状況の調査というのは、元々立法者たる議員のそもそもの責務なんではないかというふうに私は思っているところです。といいますのも、政策の多くというのはもちろん政府・与党側から提示されてくるわけなんですけれども、その実施を最終的にオーソライズしているのは議院ですから、参議院も衆議院も、その後の結果についてはそれを監視し、もし自分たちがオーソライズした内容と違うものであればそれについて是正を図っていくような、そういう活動をするということは元々の職務だというふうに考えているところであります。
それに加えまして、こういった政策評価、法律施行調査というものは、元々の法律、自分たちが制定した法律の目的が何であったのか、法律に規定された条文に何が書いてあったのかというような比較的政策論争とは別の客観的な基準によって判断が下されるということが可能になるものですから、そういった意味では対決色が弱い統制活動に位置付けられるんではないかというふうに思っております。
先ほども申し上げましたように、こういった形の情報を収集していくことによって、今後、もしかしたら提出されるかもしれない法案に対する資料を十分に整え、議員の審議能力、立案能力というのを高めていく、そういう非常に重要な活動だというふうに思っているところです。
次に、そうであれば、ではその活動を、そうした政策評価であるとか法律の施行調査又は広く政府統制という形の活動をどのように効果的に行うのか、仕組みづくりも重要になってくるところですので、次にこの点についてお話をさせていただきます。
レジュメのところには、フランスで、やはり先ほど紹介しました、二〇〇八年の憲法改正を受けまして下院に設置された公共政策評価・統制委員会の内容をお示ししております。
このときの憲法改正では、先ほどは野党の権利を保障するという条文が盛り込まれたのだということを御紹介しましたけれども、それと同時に、憲法条文の中にまた別に議会の任務として、立法だけではなく、政府活動の統制、公共政策の評価、これも議会の任務なのだと、憲法上の任務なのだというふうに規定されたところです。非常に大事だという、そういうことがここでも確認されているということです。
その上で、その憲法改正を受けまして、政策を評価する、そういうための機関として新しく公共政策評価委員会というものが設置されたわけですが、この組織を見ますと、組織方法や活動方法について非常に注目されるところがあるということで、ここではこれを紹介させていただきます。
まず、この組織を設計するに当たって何に注目したかというと、フランスがそれまで行ってきた、フランスの議会が行ってきたことに対する反省に基づいて設計されていたというところです。政策評価といいましても、新しく二〇〇八年の憲法を受けてこの機関が設置されたわけなんですが、もちろんそれ以前からフランスの議会も政策評価活動というのは行ってきていたところです。
ところが、その当時、以前はどういう形でやっていたかといいますと、各常任委員会がそれぞれ個別に所管事項について政策評価的なことを調査を行ったり又は一定の重要事項についてはそれ専門の政策評価組織というものを両院合同の機関として設けたりして活動を行ってきたわけです。ただ、総じて期待に応えることができなかったということから、それ以前の、それまでのこうした組織の活動方法の反省点というのを列挙しながら、二度とそれにはならないぞという形でつくられたというところです。
では、以前の組織、組織方法、活動方法に何が問題があったかということを御紹介しますと、まず失敗の原因として第一に挙げられたのが、多くの場合これが、両院合同の組織、政策評価のための専門組織というのが両院合同でつくられていたというところで、日本にもありますように、やはりねじれ現象になった場合には全く機能しないということがあったというところです。
第二番目の点としましては、やはり政策評価であるとかいった問題については議院の力だけで行っていくことは非常に大変であると。したがって、外部組織の専門家に要請を求めるのが一番効率的な方法なんですけれども、それ以前は、以前はそういった外部に対しての支援要請を行わなかったということです。
第三の点として挙げられますのが、こうした政策評価であるとか立法の施行調査であるとかいったことというのは、政府に対する質疑で華々しく責任追及するというあのような姿からすると、そうではなくて、調査活動をやっていくということですから非常に地味であって、余り、とはいえ、労力が掛かるということ。まあ議院としてもそういった活動に余り積極的ではなかったということも挙げられています。
また、反対派、野党側の役割を、特に積極的な役割というのを認めていたものでもなかったので、そういう仕組みも組み込まれていなかったということ、それから、それまで常任委員会であるとか各種政策評価の専門組織がそれぞれで行っていたその評価活動、これに連携を持たせなかったという、そういった失敗原因というのが挙げられていたところです。
そこで、新たに設置された公共政策評価・統制委員会というのは、こういった点を改めて、参考にしながら、反省を踏まえてつくられた、そういったものです。
まず、レジュメにお示ししましたように、調査事項ですけれども、従来、常任委員会が、その壁となっていた省庁別の所管という限界、これを取り払いまして、横断的、総合的な調査を行うことができるというような形にしております。これは、こちらの参議院の調査会であるとか行政監視委員会であるとかいったところもやはり同様にそのような観点から行っているというふうに存じております。
さらに、注目されるのが、フランスのこの公共政策評価・統制委員会の組織方法及び活動方法です。
組織方法のところですが、お手元のレジュメに構成員となる者を列挙して記載させていただいております。これを見ますと、議長が委員長になりまして、そして各常任委員長も全員入る、各種評価局長も全員入るんだと、その他政策評価に携わる組織の長であるとか会派の長も入ってくると、そういった者で構成されておりまして、実はこの組織というのは、議院が行う統制、評価の活動を総体的に、総合して全体としてのプログラムを調整する、そういう評価・統制活動も取りまとめていく、そういう機関として設置されているということです。
さらに、この機関の活動方法ですけれども、先ほど言いましたように、政策評価を行うなんということになりますと、技術的、専門的な知識というのが非常に必要になってきますし、労力的にも議院だけで行うというのはなかなか限界があるところですので、外部に対しても協力を求めるということを自由に行っていくと、かなりの予算措置も付けられています。
また、この委員会のメンバーだけで調査を行うというのではなく、調査対象となっている事項の関連常任委員会の委員、専門性を持つ委員を招いてきて実際には調査を主導してもらうというようなことをしております。例えば、ほかの委員会が行った法律の実施の施行調査などに関する評価報告なんというのは、やはり全てここの委員会に提出されて集められるというようなことになっているところです。
このような形で、この組織を中心としまして議院の内外の機関と連携を持たせながら組織的に調査活動を進めていくという、そういう手法を取っているということが非常に注目されることなんだというふうに思います。
さらに、重要なことなんですけれども、調査活動というのは地道なものではありますけれども、やはり調査するだけに終わるのではなくて、報告書に取りまとめて、それをホームページに掲載して国民にその情報を提供するという、そういったことも行われているところです。
時間がかなり少なくなってしまいましたが、もう一点、申し訳ないんですけれども、一点追加させていただきますと、この組織の非常に最も注目される点として最後に一つだけお示しさせていただきます。
この組織の調査活動の方法としまして、実際には二名の議員が指名をされまして調査の報告者として活動を進めていくということになっているんですが、この二名のうち一名は必ず野党議員でなければならないということになっておりまして、与野党議員二名が共同で調査を進め、そして、最終的にはこの二人が議論を重ねて一つの報告書を作成するという、そういう形を取っているところです。
もちろん、見解も対立する議員ですので一つの報告書にまとめることにはなかなか難しいところがあるんですけれども、協力を与野党議員が行って議論を重ねるうちに最終的に合意形成がなされることが多いというふうにされるところです。ですので、こういった与野党議員二名のペア方式によって最終的に取りまとめられた調査結果というのは非常に客観的、公正的、中立な内容のものとなっており、非常に信頼の置ける資料として議院に蓄積されていくということになっております。
この形を見ますと、実は、言ってみれば政府統制というのは、実際は政府・与党対野党というような、そういう対立図式を描きがちなんですが、この形の統制方法というのは政府・与党対野党ではなくて、与党と野党が一体となって議院として内閣に対立軸として存在し、そして統制を行っていくという、そういう形のものであって、非常に、参議院の一体的な形で政府に対抗していくというような、そういう仕組みづくりにも参考になるのではないかというふうに思い、挙げさせていただいたところです。
済みません、かなりお時間を超過してしまいましたけれども、以上で説明を終わらせていただきます。
山
山崎力#14
○会長(山崎力君) ありがとうございました。
以上で参考人からの意見聴取は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行います。
質疑及び答弁の際は、挙手の上、会長の指名を受けてから着席のまま御発言いただくようお願いいたします。
また、質疑者には、その都度答弁者を明示していただくようお願いいたします。
なお、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られますよう、答弁を含めた時間がお一人十五分以内となるよう御協力をお願いいたします。
それでは、質疑のある方は挙手をお願いいたします。
島村大君。
この発言だけを見る →以上で参考人からの意見聴取は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行います。
質疑及び答弁の際は、挙手の上、会長の指名を受けてから着席のまま御発言いただくようお願いいたします。
また、質疑者には、その都度答弁者を明示していただくようお願いいたします。
なお、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られますよう、答弁を含めた時間がお一人十五分以内となるよう御協力をお願いいたします。
それでは、質疑のある方は挙手をお願いいたします。
島村大君。
島
島村大#15
○島村大君 自民党の島村です。
本日は、飯尾参考人、勝山参考人、お忙しい中、御貴重な御意見をいただき本当にありがとうございました。
トップバッターですので、本来であれば総論を聞こうと思ったんですけど、ちょっと変更させていただきまして、飯尾参考人に教えていただきたいと思います。
先ほど、参議院の立法過程における審議活性化について多方面からお話しいただきまして、本当に感謝しております。資料をいただきましたように、二院制と我が国における議会審議の特性、それから二番目として審議活性化のための工夫の余地等は詳しく教えていただきまして、三番目の衆参の権限再分配と参議院の優越分野の確立についてのところから大分はしょったと思うので、その辺からちょっと教えていただきたいんですけど。
一番ちょっと私が飯尾参考人のお話聞きまして非常に興味を持ったところは、やはり参議院は法案成立に関してある程度権限を放棄する、放棄して、その代わり独自の権限を得るべきではないかということで、例えば予算に関しても少し放棄して修正並びに審議拒否はしないとか、またその分、権限を得るところで、対立しない分野で、例えば基本法や議員立法、そして決算、行政監視、人事における等々の機能を強化するべきではないかというお話を聞いたんですけど、ここを少し深掘りしていただいて、もう少し教えていただきたいと思います。
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トップバッターですので、本来であれば総論を聞こうと思ったんですけど、ちょっと変更させていただきまして、飯尾参考人に教えていただきたいと思います。
先ほど、参議院の立法過程における審議活性化について多方面からお話しいただきまして、本当に感謝しております。資料をいただきましたように、二院制と我が国における議会審議の特性、それから二番目として審議活性化のための工夫の余地等は詳しく教えていただきまして、三番目の衆参の権限再分配と参議院の優越分野の確立についてのところから大分はしょったと思うので、その辺からちょっと教えていただきたいんですけど。
一番ちょっと私が飯尾参考人のお話聞きまして非常に興味を持ったところは、やはり参議院は法案成立に関してある程度権限を放棄する、放棄して、その代わり独自の権限を得るべきではないかということで、例えば予算に関しても少し放棄して修正並びに審議拒否はしないとか、またその分、権限を得るところで、対立しない分野で、例えば基本法や議員立法、そして決算、行政監視、人事における等々の機能を強化するべきではないかというお話を聞いたんですけど、ここを少し深掘りしていただいて、もう少し教えていただきたいと思います。
飯
飯尾潤#16
○参考人(飯尾潤君) ありがとうございます。少々時間配分を間違えまして、大変失礼いたしました。
今の島村議員の御質問でございますが、これをどうするかは選択の問題でございますけれども、基本的には予算関連法案というのは、基本的な部分で通るか通らないかというのは衆議院を尊重すると。逆に言うと、ほかの法案についても、日常行政に関わることは衆議院の方を尊重するけれども、例えば基本的人権に関わるとか非常に長期的な外交とかそういう方針に関わる問題であるとか、そういう問題についてはやはり参議院の方をちょっと尊重してほしい。逆に言うと、衆議院が参議院の意見を尊重しないのであると衆議院の方の優先権を尊重するというわけにもいかないということだし、ですから、衆議院ではしばしば多数決に持ち込まれるということはあるけれども、まあ参議院では与野党協力して慎重審議をしようと。
ただ、慎重審議をするためのちょっとブロックになっているのは会期制なものですから、先ほどもお話が出ましたように、少しその時間をつくるということを工夫をしないと、これ、だけど政府側が一方的に不利になるということではいけませんので、そのバランスを取るのがどうだろうかということでございまして、これはなかなか考え方が、どれぐらいの範囲、予算関連法案だけ優先するのか、もう法案は全て大体優先するけどその代わりに修正案を聞いてもらおうというふうにする、あるいはその代わりにその法案以外のことをどうするかということを考えるかということで、逆に言いますと、今お話をしたのは、参議院の審議は採決以外の部分を重視するということが、やはりどうしても日本の国会、採決が中心になってしまっていまして、それが衆議院でありますので、採決以外の部分をちょっと充実させると。結論は同じでも、恐らくどうせ通るとしても、参議院の審議があったから違う側面が明らかになったというふうなことも含めて、こういうちょっとこの権限をということを申したわけでございます。
この発言だけを見る →今の島村議員の御質問でございますが、これをどうするかは選択の問題でございますけれども、基本的には予算関連法案というのは、基本的な部分で通るか通らないかというのは衆議院を尊重すると。逆に言うと、ほかの法案についても、日常行政に関わることは衆議院の方を尊重するけれども、例えば基本的人権に関わるとか非常に長期的な外交とかそういう方針に関わる問題であるとか、そういう問題についてはやはり参議院の方をちょっと尊重してほしい。逆に言うと、衆議院が参議院の意見を尊重しないのであると衆議院の方の優先権を尊重するというわけにもいかないということだし、ですから、衆議院ではしばしば多数決に持ち込まれるということはあるけれども、まあ参議院では与野党協力して慎重審議をしようと。
ただ、慎重審議をするためのちょっとブロックになっているのは会期制なものですから、先ほどもお話が出ましたように、少しその時間をつくるということを工夫をしないと、これ、だけど政府側が一方的に不利になるということではいけませんので、そのバランスを取るのがどうだろうかということでございまして、これはなかなか考え方が、どれぐらいの範囲、予算関連法案だけ優先するのか、もう法案は全て大体優先するけどその代わりに修正案を聞いてもらおうというふうにする、あるいはその代わりにその法案以外のことをどうするかということを考えるかということで、逆に言いますと、今お話をしたのは、参議院の審議は採決以外の部分を重視するということが、やはりどうしても日本の国会、採決が中心になってしまっていまして、それが衆議院でありますので、採決以外の部分をちょっと充実させると。結論は同じでも、恐らくどうせ通るとしても、参議院の審議があったから違う側面が明らかになったというふうなことも含めて、こういうちょっとこの権限をということを申したわけでございます。
島
島村大#17
○島村大君 ありがとうございます。非常に分かりやすい御回答をいただき、本当にありがとうございます。
としますと、例えば我々も与党、野党分かれていますし、党に入っているわけですよね。そうしますと、その各党の中での衆議院、参議院がいるわけですけど、この関係はどういうふうに今後、その話合いとかそういうのはどうお考えなんでしょうか。そこをちょっと基本的なことで教えていただきたい。
この発言だけを見る →としますと、例えば我々も与党、野党分かれていますし、党に入っているわけですよね。そうしますと、その各党の中での衆議院、参議院がいるわけですけど、この関係はどういうふうに今後、その話合いとかそういうのはどうお考えなんでしょうか。そこをちょっと基本的なことで教えていただきたい。
飯
飯尾潤#18
○参考人(飯尾潤君) ありがとうございます。
ちょっとこれは長くなると思って今日お話をしなかったのでございますが、実は、日本国憲法上議院内閣制を取っているのに上院が強いという、そのことはもう政治家の皆さんは実は肌で感じておられて、戦後長らく、実はこれ自由民主党が政権時代でございますけれども、衆参の問題を党内で処理するということをしてこられました。つまり、党議拘束を掛ける国会に法案が出る前に問題を処理してしまうということを長年やってこられた。実は、そのことが日本の国会の審議のやや空洞化を招いた、とりわけ参議院の議事の空洞化を招いた側面があると。ですから、もしもそうだとすると、これは衆議院側からいうと参議院議員が心配で仕方がないということでございます。
ただし、逆に言うと、先ほどのような権限再分配があるとすると、与党側であっても参議院議員についてはちょっと自由にさせてよということがあるということでございまして、そうすると、ちょっと党内で、まあ、それは否決まではしないけど修正ぐらいはさせてほしいということを与党側の参議院議員の皆さんは与党側の衆議院議員の皆さんと議論をするということがやっぱりあってしかるべきかなというふうに思いますし、逆に言うと、野党側の議員の皆さんも、衆議院では徹底抗戦をして反対しているんだけどもう参議院では協力することになっているから、そういうことから考えるとこれぐらい歩み寄ることはちょっと参議院だから許してほしいということは、野党側の方は党内でまた議論するということ、両方相まってちょっと参議院は違うことができるよと。とてもじゃないけどまとまらないものが参議院に行くとまとまったということを見ると国民の方も理解をするということではないでしょうか。
この発言だけを見る →ちょっとこれは長くなると思って今日お話をしなかったのでございますが、実は、日本国憲法上議院内閣制を取っているのに上院が強いという、そのことはもう政治家の皆さんは実は肌で感じておられて、戦後長らく、実はこれ自由民主党が政権時代でございますけれども、衆参の問題を党内で処理するということをしてこられました。つまり、党議拘束を掛ける国会に法案が出る前に問題を処理してしまうということを長年やってこられた。実は、そのことが日本の国会の審議のやや空洞化を招いた、とりわけ参議院の議事の空洞化を招いた側面があると。ですから、もしもそうだとすると、これは衆議院側からいうと参議院議員が心配で仕方がないということでございます。
ただし、逆に言うと、先ほどのような権限再分配があるとすると、与党側であっても参議院議員についてはちょっと自由にさせてよということがあるということでございまして、そうすると、ちょっと党内で、まあ、それは否決まではしないけど修正ぐらいはさせてほしいということを与党側の参議院議員の皆さんは与党側の衆議院議員の皆さんと議論をするということがやっぱりあってしかるべきかなというふうに思いますし、逆に言うと、野党側の議員の皆さんも、衆議院では徹底抗戦をして反対しているんだけどもう参議院では協力することになっているから、そういうことから考えるとこれぐらい歩み寄ることはちょっと参議院だから許してほしいということは、野党側の方は党内でまた議論するということ、両方相まってちょっと参議院は違うことができるよと。とてもじゃないけどまとまらないものが参議院に行くとまとまったということを見ると国民の方も理解をするということではないでしょうか。
島
島村大#19
○島村大君 ありがとうございます。
そうしますと、国民は、衆議院を選ぶ場合、参議院、もちろん我々も選挙をやっているわけですけど、衆参が決めることが別になりますと、国民はどの票をどのようにして、例えば、同じ党として例えば我々自民党なら自民党を応援する場合に、衆議院の選挙と参議院の選挙をどのように国民は考えて投票すればよろしいことになるんでしょうかね。
この発言だけを見る →そうしますと、国民は、衆議院を選ぶ場合、参議院、もちろん我々も選挙をやっているわけですけど、衆参が決めることが別になりますと、国民はどの票をどのようにして、例えば、同じ党として例えば我々自民党なら自民党を応援する場合に、衆議院の選挙と参議院の選挙をどのように国民は考えて投票すればよろしいことになるんでしょうかね。
飯
飯尾潤#20
○参考人(飯尾潤君) すばらしい御質問でございまして、実はこのことがポイントでございます。
実は、先ほど申しましたように、役割が違うということなのに役割が変えられない理由の大きなところは、どちらも同じような選挙をしてしまって、とりわけ与野党の対立するようなタイプの選挙をしてしまっていることが問題でございまして、与野党対立あるいは政党間の競争が表に出ないような選挙ということがないかということです。
ところが、選挙ということをやりますと、必ず政党というものがないと選挙はできません。そこで、実は世の中のどこの国も苦労はするので、例えばそういうときには任命制とかにしているんですけれども、直接選挙をするときには、もうこれは解決できないということを諦めて上院に解散権を入れるということが一つですけど、私は、日本の場合は解散権を入れるのではなくて、選挙のときに、これは与野党対立ではないから人物本位で選ぶんだというタイプの選挙に移行するか、あるいは、これは受け入れ難いかもしれませんが、任期を長くして再選を不可能にするというのもございます。そうすると、もう次の選挙を考えませんものですから、党の言うことを聞かなくても怖くないといって皆さん好きにされる。この場合はもう随分長い任期、十年とか、こういう任期になるということもあり得ますが、これなかなか政治学上難問でございまして十分なお答えはできませんが、ヒントだけでございます。
この発言だけを見る →実は、先ほど申しましたように、役割が違うということなのに役割が変えられない理由の大きなところは、どちらも同じような選挙をしてしまって、とりわけ与野党の対立するようなタイプの選挙をしてしまっていることが問題でございまして、与野党対立あるいは政党間の競争が表に出ないような選挙ということがないかということです。
ところが、選挙ということをやりますと、必ず政党というものがないと選挙はできません。そこで、実は世の中のどこの国も苦労はするので、例えばそういうときには任命制とかにしているんですけれども、直接選挙をするときには、もうこれは解決できないということを諦めて上院に解散権を入れるということが一つですけど、私は、日本の場合は解散権を入れるのではなくて、選挙のときに、これは与野党対立ではないから人物本位で選ぶんだというタイプの選挙に移行するか、あるいは、これは受け入れ難いかもしれませんが、任期を長くして再選を不可能にするというのもございます。そうすると、もう次の選挙を考えませんものですから、党の言うことを聞かなくても怖くないといって皆さん好きにされる。この場合はもう随分長い任期、十年とか、こういう任期になるということもあり得ますが、これなかなか政治学上難問でございまして十分なお答えはできませんが、ヒントだけでございます。
島
島村大#21
○島村大君 ありがとうございます。人物本位というのが非常に私の心に響きまして、ああ、人間形成が必要だなということです。ありがとうございます。
さて、次に、勝山参考人に教えていただきたいと思います。
私もちょっと勉強不足また理解不足もありまして、今回のフランスの行政統制についてお話ししていただいたんですけど、このお話にありました公共政策評価・統制委員会というんですか、これに関しまして、先ほどのお話ですと、今まで従来の議会による政策評価活動が必ずしもうまく機能しなかった反省に立って設置されたというふうにお聞きしたんですけど、いわゆる反省の下に置かれてこの統制強化のための取組について、これを例えば我が国のところに入れた場合に特に一番参考になるもの、また取り入れるべきものはどのようなものが一番だと思っているか、教えていただきたいと思います。
この発言だけを見る →さて、次に、勝山参考人に教えていただきたいと思います。
私もちょっと勉強不足また理解不足もありまして、今回のフランスの行政統制についてお話ししていただいたんですけど、このお話にありました公共政策評価・統制委員会というんですか、これに関しまして、先ほどのお話ですと、今まで従来の議会による政策評価活動が必ずしもうまく機能しなかった反省に立って設置されたというふうにお聞きしたんですけど、いわゆる反省の下に置かれてこの統制強化のための取組について、これを例えば我が国のところに入れた場合に特に一番参考になるもの、また取り入れるべきものはどのようなものが一番だと思っているか、教えていただきたいと思います。
勝
勝山教子#22
○参考人(勝山教子君) ありがとうございます。
私としましては、この組織の中で特に注目に値する、参考にできる、すべきなのではないかと思うところは、まずは、組織的な体系的な一つの統制を取りまとめるような形の組織をつくっていって、いわゆる常任委員会の個別に分断されがちなそういう調査活動をしておりますと、せっかく時間掛けて調査したんだけれども、なかなかうまくほかに利用できないというようなことが出てきますので、それはやはり効果を高めるという点では、一つ全体を取りまとめていくそういう組織をつくっていくというのは非常に参考になるのではないかというふうに思っています。
そして、もう一点は、最後にちょっと時間切れで申し訳なかったんですけれども、与野党が二名で、二名ではなくてもいいんですけれども、与野党で共同で調査を行っていって、そして最終的に一つの報告書を取りまとめていくという、こういう形のものが非常に、いわゆる客観的な事実、客観的な評価に基づいて政府統制を行っていけるという、そういうものにつながるだろうというふうに思っておりまして、憲法の観点からいいましても、政府に対して統制を行っていけるのは議院全体という、一丸となった議院が政府を統制するという、そういう構図ですから、こういった与野党対決型の調査方法ではなくて、与野党が共同で政府の監視を行っていくという、そういう仕組みづくり、非常に参考になると思いました。
この発言だけを見る →私としましては、この組織の中で特に注目に値する、参考にできる、すべきなのではないかと思うところは、まずは、組織的な体系的な一つの統制を取りまとめるような形の組織をつくっていって、いわゆる常任委員会の個別に分断されがちなそういう調査活動をしておりますと、せっかく時間掛けて調査したんだけれども、なかなかうまくほかに利用できないというようなことが出てきますので、それはやはり効果を高めるという点では、一つ全体を取りまとめていくそういう組織をつくっていくというのは非常に参考になるのではないかというふうに思っています。
そして、もう一点は、最後にちょっと時間切れで申し訳なかったんですけれども、与野党が二名で、二名ではなくてもいいんですけれども、与野党で共同で調査を行っていって、そして最終的に一つの報告書を取りまとめていくという、こういう形のものが非常に、いわゆる客観的な事実、客観的な評価に基づいて政府統制を行っていけるという、そういうものにつながるだろうというふうに思っておりまして、憲法の観点からいいましても、政府に対して統制を行っていけるのは議院全体という、一丸となった議院が政府を統制するという、そういう構図ですから、こういった与野党対決型の調査方法ではなくて、与野党が共同で政府の監視を行っていくという、そういう仕組みづくり、非常に参考になると思いました。
島
島村大#23
○島村大君 ありがとうございます。
与野党共に国民のために政府に対して必要なものはしっかりと言っていけるような対応をできれば一番いいということでよろしいんでしょうか。
たくさん御質問の方もいらっしゃると思うので、ここで終わりにさせていただきます。
ありがとうございました。
この発言だけを見る →与野党共に国民のために政府に対して必要なものはしっかりと言っていけるような対応をできれば一番いいということでよろしいんでしょうか。
たくさん御質問の方もいらっしゃると思うので、ここで終わりにさせていただきます。
ありがとうございました。
山
野
野田国義#25
○野田国義君 民主党の野田国義でございます。
飯尾先生、それから勝山先生の方にちょっとお聞きしたいと思います。
私、衆議院も経験させていただきまして、参議院とどこが違うかと、よく議員からもあるいは地元の方々からも聞かれるんですが、一番の違いを私が感じるところは金曜日の風景でございまして、本当に、衆議院におりますと、みんなかばんを持ち込んでいつ抜け出すかとタイミングを計っておりまして、本当に、常在戦場と申しますか、選挙選挙と、それが一番だと、まず勝ち残らなくてはいけないと、その辺りが違うんじゃないですかとよくお答えするわけであります。
その中で経験したことでもありますけれども、ねじれ国会、二〇一一年ですか、ちょうど三年前ですか、民主党が負けて、そこで、参議院の方がねじれたということでございまして、今ちょうど特例公債法案が、昨日ですか衆議院の方に出されたということでございますけれども、このことですごくもめました。結果的には、八月の二十六日ですか、八月の二十六日に成立をしたというような結果で、やっぱりこれはもう先ほど飯尾先生がおっしゃったねじれ国会のたまものであると、人質に取られてということでございまして。
本来だったら、本当は当然政策政策と、今日も衆議院で政治とお金の審議が行われております、自民党の議員さんが政策をやろうじゃないかとおっしゃっていた。しかし、当時のことを思い出すと、とてもそんなことじゃなかったと、もっとひどかったんじゃないかと私は思っております。政策どころじゃなかったということですね。
そこで、そうすると、今の逆に政局というか、この政治の形態を見てみますと、一強多弱と言われますように、今はもう自民党さんが両方圧倒的な多数を取っておるものですから、何事もなく通っていくような状況にあるということで、参議院においては、よく言われておりましたように、政局の参議院とか、以前はですね、それもないような状況になっております。
そこで、そういった二つの現象が、現実、政権交代ということが日本で起こりました。しかしながら、そういう二つの現象が起こっております。だから、ここをどう捉え、変えていくかということが、私、現実的な二つのこの事例じゃなかろうかなと思っておるところでございまして、その辺りのところのねじれの感想、それからどう解決していったらいいのかということを飯尾先生、それから、よかったら勝山先生の方もお答えいただければ有り難いなと思います。
この発言だけを見る →飯尾先生、それから勝山先生の方にちょっとお聞きしたいと思います。
私、衆議院も経験させていただきまして、参議院とどこが違うかと、よく議員からもあるいは地元の方々からも聞かれるんですが、一番の違いを私が感じるところは金曜日の風景でございまして、本当に、衆議院におりますと、みんなかばんを持ち込んでいつ抜け出すかとタイミングを計っておりまして、本当に、常在戦場と申しますか、選挙選挙と、それが一番だと、まず勝ち残らなくてはいけないと、その辺りが違うんじゃないですかとよくお答えするわけであります。
その中で経験したことでもありますけれども、ねじれ国会、二〇一一年ですか、ちょうど三年前ですか、民主党が負けて、そこで、参議院の方がねじれたということでございまして、今ちょうど特例公債法案が、昨日ですか衆議院の方に出されたということでございますけれども、このことですごくもめました。結果的には、八月の二十六日ですか、八月の二十六日に成立をしたというような結果で、やっぱりこれはもう先ほど飯尾先生がおっしゃったねじれ国会のたまものであると、人質に取られてということでございまして。
本来だったら、本当は当然政策政策と、今日も衆議院で政治とお金の審議が行われております、自民党の議員さんが政策をやろうじゃないかとおっしゃっていた。しかし、当時のことを思い出すと、とてもそんなことじゃなかったと、もっとひどかったんじゃないかと私は思っております。政策どころじゃなかったということですね。
そこで、そうすると、今の逆に政局というか、この政治の形態を見てみますと、一強多弱と言われますように、今はもう自民党さんが両方圧倒的な多数を取っておるものですから、何事もなく通っていくような状況にあるということで、参議院においては、よく言われておりましたように、政局の参議院とか、以前はですね、それもないような状況になっております。
そこで、そういった二つの現象が、現実、政権交代ということが日本で起こりました。しかしながら、そういう二つの現象が起こっております。だから、ここをどう捉え、変えていくかということが、私、現実的な二つのこの事例じゃなかろうかなと思っておるところでございまして、その辺りのところのねじれの感想、それからどう解決していったらいいのかということを飯尾先生、それから、よかったら勝山先生の方もお答えいただければ有り難いなと思います。
飯
飯尾潤#26
○参考人(飯尾潤君) 御質問ありがとうございます。
大変大きなお話でございまして、お答えも難しいのでございますが、実は、先ほど御説明したことも、当然でございますが御質問のその二つの事例を念頭に置いたものでございます。
いわゆるねじれということになると、やはり数の論理が出てくると。自民党、公明党が野党のときでございましたが、民主党が野党のときも、ねじれればそれはブロックされるということ。やはり、どちらがどういうお立場であってもそうなってしまうということは残念なことでございまして、やはり憲法の民主制ということからいうと、衆議院の総選挙で勝利した政権が政権を運営をするということを余り邪魔するということはよろしくないだろうという点でいうと、そういう場合においては、予算関連法案であるとか、今御紹介あったような法案は、やはり衆議院の決定を尊重するという慣行を成立させなければいけない。
ただし、幾ら政権であっても、少しそれは難しい、政権だけで進めてはいけない問題があるかもしれない。例えば、基本的人権の保障であったり、憲法の原則を守るということであったり、そういう問題については、少数者であっても参議院はやはりそのとりでになるということ。そういうときには、議会の議決をするのは多数決によるという原則をちょっと外してみるということでいうと、やはり違う姿が出てくるということであれば、やはり参議院にもいい点。
ただし、これが、与党が言うんだから野党が反対するというふうに少数者の権利を使われてはこれはなかなか成り立たないので、与野党とも、参議院議員として共通の立場で慎重に審議を求めるであるとかいうふうなことをやり取りしていくというその段階で国民にとっては安心感を与えるというふうなことですので、これはやはり、先ほどバランス、権限の削減、それと独自の優越する分野のバランスだと申し上げましたが、まさにこの両方の場合についてもこのバランスということが言えるんじゃないかというのが私の考えでございます。
この発言だけを見る →大変大きなお話でございまして、お答えも難しいのでございますが、実は、先ほど御説明したことも、当然でございますが御質問のその二つの事例を念頭に置いたものでございます。
いわゆるねじれということになると、やはり数の論理が出てくると。自民党、公明党が野党のときでございましたが、民主党が野党のときも、ねじれればそれはブロックされるということ。やはり、どちらがどういうお立場であってもそうなってしまうということは残念なことでございまして、やはり憲法の民主制ということからいうと、衆議院の総選挙で勝利した政権が政権を運営をするということを余り邪魔するということはよろしくないだろうという点でいうと、そういう場合においては、予算関連法案であるとか、今御紹介あったような法案は、やはり衆議院の決定を尊重するという慣行を成立させなければいけない。
ただし、幾ら政権であっても、少しそれは難しい、政権だけで進めてはいけない問題があるかもしれない。例えば、基本的人権の保障であったり、憲法の原則を守るということであったり、そういう問題については、少数者であっても参議院はやはりそのとりでになるということ。そういうときには、議会の議決をするのは多数決によるという原則をちょっと外してみるということでいうと、やはり違う姿が出てくるということであれば、やはり参議院にもいい点。
ただし、これが、与党が言うんだから野党が反対するというふうに少数者の権利を使われてはこれはなかなか成り立たないので、与野党とも、参議院議員として共通の立場で慎重に審議を求めるであるとかいうふうなことをやり取りしていくというその段階で国民にとっては安心感を与えるというふうなことですので、これはやはり、先ほどバランス、権限の削減、それと独自の優越する分野のバランスだと申し上げましたが、まさにこの両方の場合についてもこのバランスということが言えるんじゃないかというのが私の考えでございます。
勝
勝山教子#27
○参考人(勝山教子君) ねじれ国会の際なんですけれども、確かに、政党の対立図式という、そういうところで考えてみると、もう既に法案が提出される前から結論は決まっているわけですから、どうしても進まないということになってしまうわけだと思います。
ただ、例えば、国会の審議の仕方を変えることによって政党の対決色というのを薄めていって、合意するところは野党側もこの法案に合意するんだというような、そういうやり方もあるんではないかなと思っているところです。
例えば、法案の審議におきまして、今のような質疑形式のような形でいくのではなくて、例えば委員会であれば、委員の間で自由討議を行っていって、政党の観点から離れた形で法案の内容を精査していくことによって、また政党対立とは別の結論に持っていくということもあり得るんではないかなと思いまして、そういうことも一つの方策かと思っております。
この発言だけを見る →ただ、例えば、国会の審議の仕方を変えることによって政党の対決色というのを薄めていって、合意するところは野党側もこの法案に合意するんだというような、そういうやり方もあるんではないかなと思っているところです。
例えば、法案の審議におきまして、今のような質疑形式のような形でいくのではなくて、例えば委員会であれば、委員の間で自由討議を行っていって、政党の観点から離れた形で法案の内容を精査していくことによって、また政党対立とは別の結論に持っていくということもあり得るんではないかなと思いまして、そういうことも一つの方策かと思っております。
野
野田国義#28
○野田国義君 それから、役割分担、これ両先生とも一緒かと思います、衆参の。その中で、役割分担をするということになりますと、どうしてもその選出方法、ここを僕は抜本的に変えないことには、今みたいな形で、衆議院と同じような形というか、選挙区と比例の方で選ばれてくるということになりますとなかなかできないんじゃなかろうかなと思っておりまして、よく知事や地方の市町村長なんかを入れたらどうだとか、いろいろそういった案も出ておるようでございますけれども、その辺りのところをどう思っていらっしゃるか。
それからもう一つは、これは執行部、いわゆる総理、大臣、私も思うんです、これは自民党さんが今もうおっしゃっていると思いますけれども、与党になるとどうしても時間が縛られると。また、逆に衆議院と同じようなことを二回参議院でも繰り返さなくてはいけないということで、余計に時間が縛られるというこの問題ですね。この問題も何とか解決をしないと本来の仕事というものができないということもよく分かりますので、この二点について何か解決方法があればなと思っておるんですが、いかがでしょうか。
この発言だけを見る →それからもう一つは、これは執行部、いわゆる総理、大臣、私も思うんです、これは自民党さんが今もうおっしゃっていると思いますけれども、与党になるとどうしても時間が縛られると。また、逆に衆議院と同じようなことを二回参議院でも繰り返さなくてはいけないということで、余計に時間が縛られるというこの問題ですね。この問題も何とか解決をしないと本来の仕事というものができないということもよく分かりますので、この二点について何か解決方法があればなと思っておるんですが、いかがでしょうか。
飯
飯尾潤#29
○参考人(飯尾潤君) ありがとうございます。
先ほど時間がなくて、ややレジュメに書いたのに省略した選挙の話でございますが。
まず、おっしゃることはもっともでございまして、ただし、選出のやり方から入るのではなくて、権限に合わせてということだと思います。大前提でございます、最近、最高裁判所の判決もございますけれども、なぜ最高裁判所が参議院にまで人口比例を非常に厳しく言うかというと、それはまさにねじれ国会で権限が強いことが分かったからでございますね。政権が立ち行かないということまであるような強いところが一票の格差があるということではおかしいではないかということです。ですから、これをひっくり返すわけでございます。
つまり、やはり権限、政府が成立するのはそれは民主主義で成立するけれども、チェック機関というのはちょっと別の観点ですよということであれば、別に人口比例を厳しく言わなくてもよろしいということ、まずこのことですね。権限を手放さなければ、やっぱりその可能性は出ないと思います。
じゃ、それを手放してどういうことがいいのかというと、衆議院の方はやはり政権の安定ということから考えるとどうしても多数代表的になります。そう考えたら、それをバランスを取るためには参議院は少数代表的だということになりますので、少数者がたくさん出てくるような選挙制度を考えるということ。これはなかなか、世の中の選挙制度はいろいろ考えても難しいことは多いのでございますが、そういうことを考える。
ただし、そのときも大前提、少数代表にすると過半数を取れる政党がなくなるということが参議院では起こりますから、それでも法案がちゃんと困らないようにするためには、衆議院の優越を強めるとか参議院では与野党でもう衆議院で通ったものをブロックしないとかいう慣例ができるとか、そのことなしに選挙だけ変えても、どんな選挙制度、逆に言うと、よその国は任命制もございます。しかし、任命されると任命してくれた人の意向を聞くものですから、任命をしても時の政府がやっぱり自分の考えの近い人を任命したりして、だからやっぱり権限の方を変えないとどんな選び方をしてもこの問題は解決できない。まず権限の方を解決して、その次に、じゃ、選挙制度を選ぶ自由度が広がったら、そうすると衆議院とは違うようなタイプの選挙制度を選ばれるというのがいいのではないかというのが第一でございます。
第二の問題でございますけれども、基本的には、内閣総理大臣、大臣等がこれほど国会に出席している国は非常にまれでございます。これはなぜかというと、議院内閣制諸国では大体本会議中心でございまして、本会議にしか来ないわけでございますが、日本は戦後改革でアメリカ流のやり方をやるという委員会中心になったので、そうすると、委員会に呼ぶということになるとこれ大変になっているということでございます。
しかも、もう一つの特徴がございまして、日本の国会では質疑が中心になっているものですから、議員間討論ということを、多くの国ではほんの短い間だけ政府側から出てきて、あとは議員間討論が中心だという国が大半を占めております。そうすると、そういうことから考えると、与野党対立を旨とする衆議院は、それは衆議院議員も大臣多いこともありますから、総理大臣、大臣は出てくるけれども、参議院は、それはもういいから自分たちで議員間の討論をするよということはあり得るかなと。そういうことにするとやはり随分合理化してくるということです。
まあ、そのことは、先ほどお話しになったように、選挙のたびに大臣追及するという機会を放棄されるということと裏腹ではございますが、もう金曜日になってもかばんを持ってということでないとすると、そういうことをしてから議員同士でじっくり話し合えば折り合いの付くことも出てくるということではないだろうかというふうに思います。
以上でございます。
この発言だけを見る →先ほど時間がなくて、ややレジュメに書いたのに省略した選挙の話でございますが。
まず、おっしゃることはもっともでございまして、ただし、選出のやり方から入るのではなくて、権限に合わせてということだと思います。大前提でございます、最近、最高裁判所の判決もございますけれども、なぜ最高裁判所が参議院にまで人口比例を非常に厳しく言うかというと、それはまさにねじれ国会で権限が強いことが分かったからでございますね。政権が立ち行かないということまであるような強いところが一票の格差があるということではおかしいではないかということです。ですから、これをひっくり返すわけでございます。
つまり、やはり権限、政府が成立するのはそれは民主主義で成立するけれども、チェック機関というのはちょっと別の観点ですよということであれば、別に人口比例を厳しく言わなくてもよろしいということ、まずこのことですね。権限を手放さなければ、やっぱりその可能性は出ないと思います。
じゃ、それを手放してどういうことがいいのかというと、衆議院の方はやはり政権の安定ということから考えるとどうしても多数代表的になります。そう考えたら、それをバランスを取るためには参議院は少数代表的だということになりますので、少数者がたくさん出てくるような選挙制度を考えるということ。これはなかなか、世の中の選挙制度はいろいろ考えても難しいことは多いのでございますが、そういうことを考える。
ただし、そのときも大前提、少数代表にすると過半数を取れる政党がなくなるということが参議院では起こりますから、それでも法案がちゃんと困らないようにするためには、衆議院の優越を強めるとか参議院では与野党でもう衆議院で通ったものをブロックしないとかいう慣例ができるとか、そのことなしに選挙だけ変えても、どんな選挙制度、逆に言うと、よその国は任命制もございます。しかし、任命されると任命してくれた人の意向を聞くものですから、任命をしても時の政府がやっぱり自分の考えの近い人を任命したりして、だからやっぱり権限の方を変えないとどんな選び方をしてもこの問題は解決できない。まず権限の方を解決して、その次に、じゃ、選挙制度を選ぶ自由度が広がったら、そうすると衆議院とは違うようなタイプの選挙制度を選ばれるというのがいいのではないかというのが第一でございます。
第二の問題でございますけれども、基本的には、内閣総理大臣、大臣等がこれほど国会に出席している国は非常にまれでございます。これはなぜかというと、議院内閣制諸国では大体本会議中心でございまして、本会議にしか来ないわけでございますが、日本は戦後改革でアメリカ流のやり方をやるという委員会中心になったので、そうすると、委員会に呼ぶということになるとこれ大変になっているということでございます。
しかも、もう一つの特徴がございまして、日本の国会では質疑が中心になっているものですから、議員間討論ということを、多くの国ではほんの短い間だけ政府側から出てきて、あとは議員間討論が中心だという国が大半を占めております。そうすると、そういうことから考えると、与野党対立を旨とする衆議院は、それは衆議院議員も大臣多いこともありますから、総理大臣、大臣は出てくるけれども、参議院は、それはもういいから自分たちで議員間の討論をするよということはあり得るかなと。そういうことにするとやはり随分合理化してくるということです。
まあ、そのことは、先ほどお話しになったように、選挙のたびに大臣追及するという機会を放棄されるということと裏腹ではございますが、もう金曜日になってもかばんを持ってということでないとすると、そういうことをしてから議員同士でじっくり話し合えば折り合いの付くことも出てくるということではないだろうかというふうに思います。
以上でございます。