法務委員会

2016-05-12 参議院 全164発言

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会議録情報#0
平成二十八年五月十二日(木曜日)
   午後一時三十分開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月十一日
    辞任         補欠選任
     真山 勇一君     小野 次郎君
 五月十二日
    辞任         補欠選任
     溝手 顕正君     大沼みずほ君
     柳本 卓治君     三木  亨君
     小野 次郎君     真山 勇一君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         魚住裕一郎君
    理 事
                西田 昌司君
                三宅 伸吾君
                有田 芳生君
                矢倉 克夫君
    委 員
                猪口 邦子君
                大沼みずほ君
                田中  茂君
                鶴保 庸介君
                牧野たかお君
                丸山 和也君
                三木  亨君
                江田 五月君
                小川 敏夫君
                加藤 敏幸君
                真山 勇一君
                仁比 聡平君
                谷  亮子君
       発議者      西田 昌司君
       発議者      矢倉 克夫君
       修正案提出者   西田 昌司君
       修正案提出者   矢倉 克夫君
   国務大臣
       法務大臣     岩城 光英君
   副大臣
       法務副大臣    盛山 正仁君
   大臣政務官
       法務大臣政務官  田所 嘉徳君
   最高裁判所長官代理者
       最高裁判所事務
       総局刑事局長   平木 正洋君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        櫟原 利明君
   法制局側
       第五部長     加藤 敏博君
   政府参考人
       警察庁長官官房
       審議官      斉藤  実君
       警察庁刑事局長  三浦 正充君
       法務省刑事局長  林  眞琴君
       法務省人権擁護
       局長       岡村 和美君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○人種等を理由とする差別の撤廃のための施策の
 推進に関する法律案(第百八十九回国会小川敏
 夫君外六名発議)(継続案件)
○政府参考人の出席要求に関する件
○本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消
 に向けた取組の推進に関する法律案(愛知治郎
 君外二名発議)
○刑事訴訟法等の一部を改正する法律案(第百八
 十九回国会内閣提出、衆議院送付)(継続案件
 )
    ─────────────
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魚住裕一郎#1
○委員長(魚住裕一郎君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、柳本卓治君及び溝手顕正君が委員を辞任され、その補欠として三木亨君及び大沼みずほさんが選任されました。
    ─────────────
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魚住裕一郎#2
○委員長(魚住裕一郎君) 人種等を理由とする差別の撤廃のための施策の推進に関する法律案を議題といたします。
 この際、仁比君から発言を求められておりますので、これを許します。仁比聡平君。
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仁比聡平#3
○仁比聡平君 私は、日本共産党を代表して、ヘイトスピーチ根絶に関するいわゆる野党案の質疑を突如終局し、直ちに採決に進もうとするこの委員会運営に強く反対の意見を表明するものです。
 我が党は、民族差別をあおるヘイトスピーチを根絶するために、立法措置を含めて政治が断固たる立場に立つことを求め、社会的包囲で孤立させる運動の発展に努力するとともに、立法措置の在り方については、国民の間に様々な意見がある中で、国会内外で大いに議論を尽くすことを通じた合意形成を大切にして審議に臨んできました。
 とりわけ、昨年八月の野党案の実質審議入り以降、今年三月に実現した参考人質疑、続けて行った川崎市桜本の現地視察など、当委員会の取組に当事者と国民の強い関心が寄せられてきましたが、ここにはヘイトスピーチ根絶の実りを上げるという国会の重い政治的責任が示されています。四月、いわゆる与党案が提出されたのは、何よりヘイトスピーチによる被害の深刻さと根絶を求める当事者と国民の声に与党も対応を迫られたからにほかなりません。
 今求められているのは、ヘイトスピーチ根絶への一歩前進を実らせるために、より良い法案に向けた協議を尽くし、できる限り全会一致で成立させることであり、野党案の採決に臨むなら、改めて野党案に対する十分な質疑と野党案をたたき台にした協議を行うべきであります。
 野党案に対しては、ヘイトスピーチ規制への期待が寄せられる一方で、ヘイト根絶を求める市民、学者からも、禁止される不当な差別的言動について、嫌がらせ、迷惑を覚えさせるなどの定義の不明確さ、それが行政による差別の防止施策と相まって濫用される危険はないのかなどの疑問が示されてきました。
 どのような行為がなぜ許されないか、ヘイトスピーチの焦点を十分に議論し、定義として明確にすることが根絶の大きな力になるとともに、恣意的な解釈による濫用のおそれをなくすために重要です。その重要性については、昨年八月六日の私の質問に小川発議者が、そのとおりと答弁された上で、例えば不特定の者に対しての表現禁止など、法案作成の苦労話を語られたとおりです。
 この間の修正協議は、与党案をたたき台に、民進党と我が党の修正要求について附帯決議を含めできる限り全会派が一致できるよう行われてきました。野党案をたたき台にした協議は一切行われておらず、この間の修正協議を踏まえたとき、野党案の意味内容がどのようになるのか、その立法者意思は明確ではありません。にもかかわらず、昨日まで全く提案もされていなかった野党案の質疑終局、採決を強引に行うことは、政党間の信頼関係にも禍根を残すものです。
 以上の理由から、野党案の質疑終局には強く反対し、このまま採決に進むこととなれば、賛否を表明する前提を欠いている以上、残念ながら棄権せざるを得ません。
 改めて、できる限り全会一致で実りを上げるために必要な協議を求めて、意見の表明といたします。
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魚住裕一郎#4
○委員長(魚住裕一郎君) この際、お諮りいたします。
 本案に対する質疑を終局することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
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魚住裕一郎#5
○委員長(魚住裕一郎君) 多数と認めます。よって、本案に対する質疑は終局することに決定いたしました。
 本法律案は予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条の三の規定により、内閣から本法律案に対する意見を聴取いたします。岩城法務大臣。
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岩城光英#6
○国務大臣(岩城光英君) 本法律案につきましては、政府としては反対であります。
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魚住裕一郎#7
○委員長(魚住裕一郎君) これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
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魚住裕一郎#8
○委員長(魚住裕一郎君) 速記を起こしてください。
 御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 人種等を理由とする差別の撤廃のための施策の推進に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
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魚住裕一郎#9
○委員長(魚住裕一郎君) 少数と認めます。よって、本案は賛成少数により否決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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魚住裕一郎#10
○委員長(魚住裕一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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魚住裕一郎#11
○委員長(魚住裕一郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、法務省人権擁護局長岡村和美さんを政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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魚住裕一郎#12
○委員長(魚住裕一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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魚住裕一郎#13
○委員長(魚住裕一郎君) 本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律案を議題といたします。
 本案の修正について矢倉君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。矢倉克夫君。
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矢倉克夫#14
○矢倉克夫君 私は、ただいま議題となっております本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律案に対し、自由民主党及び公明党を代表いたしまして修正の動議を提出いたします。その内容は、お手元に配付されております案文のとおりであります。
 これより、その趣旨について御説明申し上げます。
 本法律案は、いわゆるヘイトスピーチの解消が喫緊の課題であることに鑑み、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組について、基本理念を定め、及び国等の責務を明らかにするとともに、基本的施策を定め、これを推進しようとするものであります。
 本法律案に対する本委員会での審議等を踏まえ、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の定義に「本邦外出身者を著しく侮蔑する」を加えるとともに、附則に検討条項を加える修正を行うため、本修正案を提出するものであります。
 以下、主な内容について御説明申し上げます。
 第一に、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の定義に「本邦外出身者を著しく侮蔑する」を加えることとしております。
 第二に、不当な差別的言動に係る取組については、この法律の施行後における本邦外出身者に対する不当な差別的言動の実態等を勘案し、必要に応じ、検討が加えられるものとすることとしております。
 以上が修正案の趣旨であります。
 何とぞ委員各位の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
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魚住裕一郎#15
○委員長(魚住裕一郎君) これより本案及び矢倉君提出の修正案について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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小川敏夫#16
○小川敏夫君 民進党・新緑風会の小川敏夫でございます。
 まず、この法案の条文についてお尋ねしたいので、法制局に質問させていただきます。
 この第二条に、「定義」と題して定義が記載してございます。「この法律において「本邦外出身者に対する不当な差別的言動」とは、」と始まります。そこで、その後ずっと続くんですが、この文章の結語としまして、「本邦外出身者を地域社会から排除することを煽動する不当な差別的言動をいう。」ということでこの定義の文章は締めてあります。
 そうしますと、この文章は、定義として、本邦外出身者に対する不当な差別的言動とは、結局、本邦外出身者を地域社会から排除することを扇動する不当な差別的言動をいうと、こういう文章になると思うんですが、これはいかがでございましょうか。
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加藤敏博#17
○法制局参事(加藤敏博君) 第二条の定義につきましては、この前、四月十九日の法務委員会におきまして法案発議者の矢倉先生の方から御答弁がございました。
 それによりますと、不当な差別的言動があることで地域社会を分断するようなことがあってはならないという理念の下で、まず大きなくくりとして、本邦の域外にある国又は地域の出身であることを理由として本邦外出身者を地域社会から排除することを扇動する不当な差別的言動、この部分を挙げましたというふうに御説明がございました。また、それを表す典型例として、生命等に危害を加える旨を告知するなどの部分を記載したものでありますという御説明がございました。
 発議者の御答弁でございますので、これに尽きるというふうに思っておりますが、御質問いただきましたので、若干敷衍して御説明を申し上げたいと思います。
 この法律案は、前文の第一段落の一番最後の部分でございますが、ヘイトスピーチにより、本邦外出身者が多大な苦痛を強いられるとともに、地域社会に深刻な亀裂を生じさせていると規定しております。この法律案は、このような事実認識を前提としているものでございます。
 このような事実認識を前提といたしまして、矢倉先生の御答弁にございましたとおり、地域社会を分断することがあってはならないという理念の下に、この第二条において、本邦外出身者に対する不当な差別的言動についての定義規定を設けたところでございます。
 このようなことから、この定義においては、大きなくくりのものとして、本邦外出身者を地域社会から排除することを扇動する差別的な言動という部分を規定したものでございます。その上で、本邦外出身者を地域社会から排除することを扇動する不当な差別的言動の典型と言える具体的な例として、本邦外出身者の生命等に危害を加える旨を告知すること、これを規定しております。また、先ほど御提案がなされました修正案におきまして、本邦外出身者を著しく侮蔑することを規定しております。
 なお、定義規定の前半の典型となる規定の具体例の一番最後に「など、」というふうに規定しております。これは、今申し述べました二つの典型的な具体例のほかに、本邦外出身者を排斥する旨を告知することなども当然この定義に入ってくるものと考えております。
 以上でございます。
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小川敏夫#18
○小川敏夫君 私の質問の趣旨は、法律の文章ですから、この法律を制定した意義とかそうしたことをお尋ねしているわけではなくて、むしろその法律を制定した意義からするとこの文章の定義が少し狭過ぎるのではないかと、こういう観点から質問しておるわけでございます。
 私があえて提案者でなくて法制局にお尋ねしたのも、この法律の文章として、結局は、その「「本邦外出身者に対する不当な差別的言動」とは、」という定義の、この文章の主語に対応する結論の言葉は「本邦外出身者を地域社会から排除することを煽動する不当な差別的言動」だと、このようになると。そうしますと、いわゆるここでいう差別的言動は、本邦外出身者を地域社会から排除する、それを扇動することが不当な差別的言動、この法律でいう不当な差別的言動なんだというふうに結論となるわけでありまして、それで、この本邦外出身者を地域社会から排除することを扇動する不当な差別的行為の理由として修飾語がいろいろ付いていると。
 ですから、この法律で、まさに「不当な差別的言動」と定義しているこの法律の適用範囲は、やはりこの文章においては、結論として「本邦外出身者を地域社会から排除することを煽動する不当な差別的言動」と、これだけを定義付けしているということになる。そうしますと、「本邦外出身者を地域社会から排除することを煽動する不当な差別的言動」、つまり地域社会から排除するという行為が言わば差別的言動であって、それに当たらない行為は差別的言動にはこの法文上は当たらないんじゃないかと、こういう観点から質問しておるわけであります。
 法務省のこれまでのヘイトスピーチを許さないという態様ですと、威嚇、排除、侮蔑という三つの類型をヘイトスピーチとして捉えて、それに対して言わば様々な施策を講じておるわけでありますが、この法律の第二条の「定義」ですと、結論的には、「地域社会から排除する」というこの排除だけをこの法律の対象としておって、威嚇すること、侮蔑すること、その行為自体はこの法律の適用対象には外れているのではないかと、こういう観点から質問しておるわけでございます。
 この文章の中に、確かに、「危害を加える旨を告知」し、また今回の修正で「本邦外出身者を著しく侮蔑する」という言葉が入りました。しかし、あくまでもこの言葉は結局はその理由の部分でしかないんで、この行為の態様としては結局、地域社会から排除することを扇動するという行為だけが対象となっているというふうにありますので、日本語の文章としてはあくまでも地域社会から排除する行為、これが対象なんだと。ですから、ただ単体として威嚇する行為、あるいは今回修正で入った著しく侮蔑する行為というものは、それ自体の単体の行為ではこの法律の対象から外れるのではないかと、このように思ったわけでございます。
 じゃ、提案者の方に私のその懸念について御説明していただければ。
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矢倉克夫#19
○矢倉克夫君 ありがとうございます。
 小川委員の御疑問は、この「定義」にある「排除すること」ということの意味内容はまさに言葉として出ていけという言葉だけに限定されているのではないかと、それであれば狭過ぎるのではないかという御議論であったかと思います。恐らく、今法務省が実態調査で、ヘイトスピーチの分類として、排斥する言論と危害を告知する言論と侮蔑する言論という形で分析をしたわけですけれども、小川議員の御議論は、そのうちの一番最初の排斥という言葉だけ、文字として出ていけという言葉だけがこれは定義として限定しているのではないかというような御疑問であるというふうに理解もいたしました。
 であれば、それはそういう意味ではございませんで、こちらはより広く、まさに地域で共生をしている人たち、その中にわあっと入っていってその人たちの人格もおとしめるような、そして、今法制局の方からもお話もありました多大な苦痛を強いて地域社会の共生に深刻な亀裂を生じさせるような、そして社会を分断させるようなことに向けられている言論、これを、そのような態様のものを広く捉えて地域社会から排除することを扇動するというふうに捉えています。
 表現の内容が直接的に出ていけという言葉かどうかという意味ではなくて、そういったものも含めて広い意味合いで捉えている。侮蔑の表現もそうですし、危害を告知するというような、まさに対象者に対しての人格というものを否定して、あなたたちは存在意義がないから出ていけと、こういったような許されないような言論、こういったものは許されないという理念の下で、そういったものを広く捉える包括的な概念としてこれは排除することを扇動するというふうに捉えて定義をしております。
 それで、先日も御説明したとおり、その典型例として、この「など、」で書かれている前に、当初は危害を告知する旨を、告知というのを挙げたわけですが、様々な御議論もいただいたその上で、さらにそれ以外に広がらず、これが典型例だということも明示する意味合いも込めて、今回、「本邦外出身者を著しく侮蔑する」という表現も修正として入れさせていただいたという趣旨でございます。
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小川敏夫#20
○小川敏夫君 この差別的言動に対処しようというお気持ちは共通していると思うんですよ。ただ、もっと分かりやすく言いますと、要するに、危害を加える旨を告知するとか本邦外出身者を著しく侮蔑する行為、これが地域社会を分断するような、地域社会から排除するという意味を当然包含するものなんだからこの表現で足りているという御趣旨に私は今の答弁を理解したんですが、しかし、どうでしょう、例えばこういう言動をする人物が、いや、地域社会から排除する気持ちなんか更々ないんだよ、どうぞその地域にいてください、私はただ嫌がらせをしたいんだと、そのつもりだけでやっているとしたら、地域社会から排除するという意思が全くないという、ただ困らせてやろう、嫌がらせしてやろうというような意味で侮蔑したり危害を加える旨を言ったような場合にはこの法律からは外れちゃうんじゃないかと、そういう意味で私はこの文章上ちょっと心配していますんで。
 ですから、いや、そういうものも当然、もう社会の常識的な解釈から入るんだということであるならそれが望ましいんでありまして、是非、そういうことも入るんであればそういうことも入るということを明確に御答弁いただければと思います。
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矢倉克夫#21
○矢倉克夫君 やはりこの定義に入るかどうかの判断は、当然ですけど、その言論を言っている人間に解釈の権限があるわけではありませんで、その人たちが、いや、嫌がらせ目的だからといってその解釈が正当になる、そんなものでは当然ございません。そうではなくて、やはり前後の文脈等もしっかりと含めた上で、まさに先生おっしゃった一般の解釈の下でこれに該当するかどうかというところであります。先生の御趣旨のとおりのものは含まれ得るというふうに理解もしております。
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小川敏夫#22
○小川敏夫君 終わります。
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有田芳生#23
○有田芳生君 民進党・新緑風会の有田芳生です。
 二〇一三年をピークにしまして日本中で差別の扇動であるヘイトスピーチが吹き荒れてまいりました。それから三年近くがたちましたけれども、例えば今年の四月二十九日、大阪梅田のヨドバシカメラ前で、やはりヘイトスピーチを目的とした、平和の日というくくりで街宣活動が行われました。それは、平和の日という、これはヘイトスピーチやるときには、例えば四月十七日、岡山では、拉致問題をテーマにして実際にはもうヘイトスピーチばかり語っているという異常な状況がずっと続いてまいりました。
 しかし、四月二十九日、梅田のヨドバシカメラ前で行われたその街宣においては、ある人物、具体的に言いますと、京都朝鮮第一初級学校を襲撃し、徳島県教組を襲撃し、ロート製薬に抗議に行き強要罪で逮捕され、一年六か月の実刑判決を受けた人物が出所をしてまいりまして、そのヨドバシカメラ前での街宣活動に参加をしておりました。その彼がマイクを持って大きな声で在日コリアンの排斥を語り出したときに、周りにいた主催者がその発言を止め始めた。こんなことはこれまでありませんでした。これは、ヘイトスピーチの現場で戦い続けた方々、あるいは被害当事者たちの戦い、あるいはそれを支えた地道な専門家の方々、その大きな戦いがやはりそういう成果を生んだんだろうと私は判断をしております。
 もちろん、大阪はヘイトスピーチ条例が制定されましたし、この四月二十九日というのは、与党法案が四月八日に提出をされて私たちが法務委員会でずっと議論をしてきた、そうした影響もやはりそういう差別をする人物たちにも深い影響を与え始めたんだと、私はそのように理解をしております。
 そこで、この与党法案について具体的に質問をいたします。
 まず、法務大臣にお伺いをいたしますけれども、ヘイトスピーチって何ですか。
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岩城光英#24
○国務大臣(岩城光英君) ヘイトスピーチの概念ですが、これは必ずしも確立されたものではございませんが、法務省の人権擁護機関におきましては、特定の民族や国籍の人々を排斥する不当な差別的言動を念頭に置いて、これらが許されないものであるとする啓発活動を行っております。
 また、昨年度、法務省が公益財団法人人権教育啓発推進センターに委託して実施した調査におきましては、一般的にいわゆるヘイトスピーチと指摘されることの多い内容として、一つに、特定の民族や国籍に属する集団を一律に排斥するもの、二つに、特定の民族や国籍に属する集団の生命、身体等に危害を加えるもの、三つに、特定の民族や国籍に属する集団を蔑称で呼ぶなどして殊更に誹謗中傷するものという三つの類型があることを念頭に調査が実施されました。
 ヘイトスピーチの対象とされている方々などに御協力いただいた聞き取り調査におきましても、多くの方々がヘイトスピーチと聞いてイメージするものとしてこれらの内容を中心に挙げられていたものと承知をしております。
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有田芳生#25
○有田芳生君 次に、提案者にお聞きをしますけれども、国際人権法においては定義はされていないんだけれども、ヘイトスピーチを規制するということは三つの条約で明らかになっております。具体的に言えば、人種差別撤廃条約、ジェノサイド禁止条約、そして自由権規約です。
 ヘイトスピーチの本質というのは国籍でくくるものではなくて民族である、私はそう理解しておりますし、国際人権法の観点からいってもそのようにこれまで認識をされてまいりましたけれども、そこでお聞きをしたいんですが、本与党の法案では本邦外出身者に狭められておりますけれども、その理由はどういうことなんでしょうか。
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矢倉克夫#26
○矢倉克夫君 ありがとうございます。
 まず、先ほど有田先生が冒頭でお話をいただいた事案、まさに我々も、まず回答に入る前にちょっと一言だけ。
 私たちが目指しているのは、このような言論、対抗言論も許されないような気勢でわあっとやってくる言論、抵抗も発言も許されないような形で大勢でわあっとやるような言論はこれは許されないと、そういうような理念をつくる。多くの人は、それは悪いものだけど声を上げられなかったけど、それを上げてもらうような形で理念として掲げて、そういう社会をつくっていかなければいけないんじゃないかという思いでこの法律を今作らせていただいているところであります。
 そういう意味でも、有田先生始めこの問題に尽力をされた方々の努力がどんどん社会に普及をしているというところであり、改めて有田先生のこれまでの活動に敬意を表したいというふうに思います。
 その上で、本邦外出身者に狭めた理由ということでありますが、こちらは経緯に少し関わるところもありますので。私も公明党でありますけど、公明党も、一昨年にはこのヘイトスピーチに関してのプロジェクトチームをつくって、昨年の七月に内閣の方に対案を提出をいたしました、提言もいたした。すぐに予算措置をとって実態調査をしていただいたわけで、私も、八月にはこの場でヘイトスピーチに特化した形での理念法というような話もしたところであります。
 そのときにやはり注意をしたことは、一つは表現の自由なんですけど、もう一つは、理念法である以上、国民全体の一体の意思としてこのような社会は許されないという意思を発現しなければいけない、そのためには全体の意思としての理念というものがしっかりと確認できるような形のものがまず大事であるというところであります。
 その意味で立法事実というところを捉えたところ、ちょうど京都朝鮮第一初級学校事件で、やはりまさに地域社会で本邦外出身者の方々がその出身というものを理由にして差別をされている、このようなものは表現の自由の範囲外でもあり、法の保護にも値しないというような事実もあった、立法事実があったというところであります。ですので、理念を掲げる上ではまず立法事実があるところをしっかりとこれは明記をしていこうというところで、本邦外出身者という言葉をこれは付けさせていただいた。
 ただ、あくまでこのような分断を生むような言論というものは許されないし、そのようなものは金輪際なくしていくような社会をつくっていこうという理念を我々高らかに宣言しようとしているところであります。この趣旨からも、ここでこういうような言葉が書かれているから、それ以外のものは、じゃ、許されているというような趣旨を当然出しているわけではございません。一つの立法事実として全体でしっかりと共有できるところをこれ明記をした、その意味でのこの文言を設けさせていただいたわけですが、それ以外のところが許されるというところではないというところをあらかじめ申し上げておきたいというふうに思います。
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有田芳生#27
○有田芳生君 差別者団体、在特会などが例えば一番注目を最初に受けたのは、二〇〇九年、カルデロンちゃん一家排撃事件でした。これは、在留資格がない御両親の下で娘さんが生まれまして、御両親はフィリピンに帰らざるを得なかったんですけれども、カルデロンちゃんは中学に通っていたところに、差別者団体、在特会たちがヘイトスピーチを子供たちに向けて始めた、それが注目をされた最初なんですけれども。
 もちろん、これまで東京の新大久保、大阪の鶴橋、あるいは川崎の桜本地区へのヘイトスピーチもずっと続いているという異常な状況があったんだけれども、在日コリアンの人たちだけではなくてオーバーステイの人たち、あるいは難民の人たち、そういう人たちへも攻撃が続けられてきました。あるいは、奈良の水平社博物館への攻撃が二〇一一年にありました。この間、四月二十五日に高松高裁で、徳島県教組襲撃事件については、これは拉致問題なんかも利用していたヘイトスピーチでしたけれども、高松高裁では、人種差別的行為というふうに控訴審判決で認定をされております。つまりは、在日コリアンだけではなくて、水平社博物館などなど様々な対象に対してヘイトスピーチが行われております。
 人権擁護局長にお聞きをします。
 アイヌ民族に対するヘイトスピーチというものもこの数年間ずっと、今でも続いておりますけれども、その実態、把握されていますでしょうか。
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岡村和美#28
○政府参考人(岡村和美君) 法務省においてその実態を網羅的に把握しているとは言い難いところではございますが、内閣官房アイヌ総合政策室が平成二十七年に行いましたアイヌの人々千人を対象とする調査の報告書においては、ネット上でアイヌに対するデマや偏見が見かけられる、心の奥底の本音なのだろう、あるいは、銭湯でアイヌが入った後の湯には入らないでと言っているのを聞いたことがありましたなどの記載がございます。
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有田芳生#29
○有田芳生君 提案者にお聞きします。
 今、人権擁護局長が実態調査の中から語ってくれたアイヌ民族へのヘイトスピーチ、あるいは難民、あるいはオーバーステイの人たち、そういう人たちへの差別の扇動攻撃というのは、与党法案から判断をしてもこれは許されないという理解でよろしいですね。
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