環境委員会

2017-03-14 衆議院 全244発言

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会議録情報#0
平成二十九年三月十四日(火曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 平  将明君
   理事 石川 昭政君 理事 北川 知克君
   理事 高橋ひなこ君 理事 冨岡  勉君
   理事 福山  守君 理事 太田 和美君
   理事 福田 昭夫君 理事 江田 康幸君
      井上 貴博君    井林 辰憲君
      伊藤信太郎君    木村 弥生君
      小島 敏文君    佐々木 紀君
      助田 重義君    瀬戸 隆一君
      田中 和徳君    比嘉奈津美君
      藤原  崇君    堀井  学君
      前川  恵君    和田 義明君
      渡辺 孝一君    菅  直人君
      田島 一成君    細野 豪志君
      松田 直久君    斉藤 鉄夫君
      塩川 鉄也君    小沢 鋭仁君
      河野 正美君    玉城デニー君
    …………………………………
   環境大臣         山本 公一君
   環境副大臣        伊藤 忠彦君
   環境大臣政務官      比嘉奈津美君
   環境大臣政務官      井林 辰憲君
   政府特別補佐人
   (原子力規制委員会委員長)            田中 俊一君
   政府参考人
   (内閣府政策統括官)   平井 興宣君
   政府参考人
   (警察庁長官官房審議官) 白川 靖浩君
   政府参考人
   (外務省大臣官房審議官) 川崎 方啓君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議官)           板倉周一郎君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房原子力事故災害対処審議官)  平井 裕秀君
   政府参考人
   (資源エネルギー庁資源エネルギー政策統括調整官) 小澤 典明君
   政府参考人
   (環境省水・大気環境局長)            高橋 康夫君
   政府参考人
   (原子力規制庁次長)   荻野  徹君
   政府参考人
   (原子力規制庁長官官房緊急事態対策監)      大村 哲臣君
   政府参考人
   (原子力規制庁長官官房核物質・放射線総括審議官) 片山  啓君
   政府参考人
   (原子力規制庁長官官房審議官)          青木 昌浩君
   政府参考人
   (原子力規制庁原子力規制部長)          山田 知穂君
   政府参考人
   (防衛省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官)           齋藤 雅一君
   参考人
   (国立研究開発法人日本原子力研究開発機構理事長) 児玉 敏雄君
   環境委員会専門員     関  武志君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月十四日
 辞任         補欠選任
  井上 貴博君     瀬戸 隆一君
  白石  徹君     佐々木 紀君
  比嘉奈津美君     渡辺 孝一君
同日
 辞任         補欠選任
  佐々木 紀君     和田 義明君
  瀬戸 隆一君     井上 貴博君
  渡辺 孝一君     比嘉奈津美君
同日
 辞任         補欠選任
  和田 義明君     白石  徹君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 原子力利用における安全対策の強化のための核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出第一七号)
     ――――◇―――――
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平将明#1
○平委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、原子力利用における安全対策の強化のための核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、参考人として国立研究開発法人日本原子力研究開発機構理事長児玉敏雄君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として内閣府政策統括官平井興宣君、警察庁長官官房審議官白川靖浩君、外務省大臣官房審議官川崎方啓君、文部科学省大臣官房審議官板倉周一郎君、経済産業省大臣官房原子力事故災害対処審議官平井裕秀君、資源エネルギー庁資源エネルギー政策統括調整官小澤典明君、環境省水・大気環境局長高橋康夫君、原子力規制庁次長荻野徹君、原子力規制庁長官官房緊急事態対策監大村哲臣君、原子力規制庁長官官房核物質・放射線総括審議官片山啓君、原子力規制庁長官官房審議官青木昌浩君、原子力規制庁原子力規制部長山田知穂君、防衛省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官齋藤雅一君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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平将明#2
○平委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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平将明#3
○平委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。石川昭政君。
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石川昭政#4
○石川委員 おはようございます。自由民主党の石川昭政でございます。
 本日は質疑に立たせていただきます。
 その前に、東日本大震災から六年経過したわけでございます。この間、福島原発事故を経験しまして、新しい新規制基準を決め、その後、その適合性審査、再稼働と、この日本の原子力規制は目まぐるしく変わってまいりました。
 その間、責任者として田中委員長には、原子力規制庁の発足からこの日本の原子力規制の新たな信頼回復への道をずっと率いてこられたわけですけれども、その六年間を振り返りまして、田中委員長の率直な御感想をまず冒頭お伺いしたいと思います。
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田中俊一#5
○田中政府特別補佐人 福島第一原子力発電所の事故、これは原子力についての国民の信頼を完全に失墜させたということが、私どもが最初に発足時に肝に銘じたことであります。ですから、この信頼回復をいかにするか、いかにどういうことをどうすればいいのかということを一番心がけました。
 もちろん、規制基準をきちっと新しくして、事故防止に努めるということは当然のことでありますけれども、そのプロセスも重要であるということで、透明性それから中立性、それから、判断は科学的、技術的なベースで行うということで、ほぼ全ての議論の過程は、全部プロセスは皆さんに、国民の目から見えるようにしてまいりました。
 事業者に対しても、そういうことで、事業者の方も多分最初は相当戸惑いがあったと思いますけれども、それも含めてだんだんそういったスタイルが定着してきていると思います。
 しかし、まだ、これで十分ということはありませんので、今回の法律改正もお願いしているように、今後とも引き続き安全確保に努めてまいりたいというふうに考えております。
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石川昭政#6
○石川委員 国会としてもやはり責任があると思います。規制庁のみならず、我々は国民の負託を受けてさまざまな原子力の問題に取り組んでいるわけでございますので、しっかりここは国民の信頼回復を得るまで、規制庁それから原子力事業者、こういったところとしっかり同じ目標に向けて頑張っていきたい、このようにまず冒頭申し上げたいというふうに思います。
 それでは、質問に入らせていただこうと思います。
 くしくも、先ほど委員長が、十分ではないけれども取り組みを進めてきたと。私は、そのとおりだと思っております。日本の原子力規制の体系が、やはり国際基準、IAEAの安全基準から、比較すると、若干整合性がとれていない部分というのがございます。その整合性をとれていない部分を早くその水準に引き上げるようにということで、その改善を求めてまいりました。
 そして、今回の改正は、IRRSの勧告がベースになっていると私は承知をしております。
 具体的にはどこがそうかと申しますと、二〇一六年、IRRSのレビューによると、以下のように指摘をされております。
 政府は、効率的で、パフォーマンスベースの、より規範的でない、リスク情報を活用した原子力安全と放射線安全の規制を行えるよう、規制委員会がより柔軟に対応できるように、規制委員会の検査官がいつでも全ての施設と活動にフリーアクセスできる公式の権限を持てるように検査制度を改善、簡素化すべきだということを勧告の九の中で受けてまいりました。
 実は、二〇〇七年の、前回のIRRSのレビューにおいても類似の指摘がなされております。このように、IAEAから繰り返し日本の原子力の検査制度に対して改善の勧告が出されてきているわけでございます。
 それに対して、日本政府は、規制当局には、もっと迅速に対応してほしいと改善を求めてまいりました。そして、今回、その今回のIRRSのレビュー、勧告、提言を受けての法改正につながっているわけだと思いますけれども、IAEAが定めるこの国際基準と整合性がとれているのか、田中委員長の認識をお伺いします。
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田中俊一#7
○田中政府特別補佐人 私ども、発足時から、国際基準と整合性をとるということを非常に大きな課題と認識しまして、準備もありましたけれども、二〇一六年の一月にIRRSのミッションを受け入れて、私どもの規制の新しい規制体系について評価をしていただきました。
 その中で、特に御指摘を受けましたのは、新しい規制基準の審査、このことについては相当きちっと国際基準に沿ってきている、しかし、今後、原子炉が稼働した場合の安全確保という点では、検査制度をもっときちっと見直す必要があるという御指摘を受けました。
 これは、先生御指摘のように、二〇〇七年にもIRRSミッションを受け入れていますけれども、言葉で申し上げますと、柔軟性を持った規制検査プロセスを構築すべきであり、検査官のフリーアクセス権限を確保するなど、検査制度の改善をすべきという、二〇〇七年、二〇一六年とも共通の御指摘を受けています。
 これは、これまでの制度では、検査というのは、時期とか検査の対象、それから検査の種類が細分化されて、一言で申し上げますと、チェックシート方式みたいになっているということで、柔軟性が低いということでした。
 それで、私どもとしては、事業者のあらゆる保安活動の状況を切れ目なく監視できるようにすること、それから、事業者の保安活動の水準を総合的に評価して、その結果に応じて柔軟に検査の頻度や内容を設定するということで、IRRSから指摘されました、いつでも何でもチェックできるような検査制度を導入するということで、重要度に応じた柔軟性の高い検査ができるようにということを目指して、今回法改正に臨んでおります。
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石川昭政#8
○石川委員 委員長おっしゃりましたけれども、重要度の高いものを重点的に審査する、これは非常に重要なポイントだと思います。
 不十分ではありますけれども、徐々に国際基準に近づいているということは、一定の前進が見られると思います。そこは私は大いに評価したいと思いますけれども、原子力規制に対する信頼回復というのはそれだけでは果たせないわけでございます。委員長として、国際水準との整合性を高める努力を引き続きやっていただかなければならないと思います。
 そして次に、現在、検査制度の改定の検討が進んできたわけでございます。その検討チームの過程をたどってみますと、アメリカの原子炉監督プロセス、リアクター・オーバーサイト・プロセスというのがあるんですけれども、これを参考に、土台にしているということが見てとれます。
 そのROP、略してROPのポイントというのは、一義的に安全確保の責任が事業者にあるということを徹底しなさいということが一つと、もう一つは、パフォーマンスベース、そしてリスク情報を活用しなさい、この二点であります。
 これまで国は、事業者に対する規制、監督を強化してミスや事故を防ごうとしてきたわけでございます。しかし、これからは監督型の規制に変更するわけでございます。そうなりますと、当然、今後は、原子力規制庁と原子力事業者が取り組むさまざまな検査が入り組んでいたということでございますけれども、その整理をいたしまして、役割分担を明確に線引きしなければならない。
 また、原子力事業者に安全を守る一義的責任が移るわけでございますので、事業者の主体性という観点では、事業者みずからがリスクを低減し安全性を高めるような自主性も尊重しなければならないというふうに思います。
 それについては、事業者間のお互いのピアレビューというのも私は有効だと思います。アメリカには、原子力発電運転協会、略してINPOというものがありますけれども、それがそうした役割を果たしているというふうに聞いております。日本の原子力事業者でつくる原子力安全推進協議会、JANSIといいますけれども、ここにも私は一定の役割を果たすよう促す必要があるだろうと思います。
 そこでお伺いしますけれども、これまでの方針を大きく転換して、原子力事業者みずから検査する仕組みに変更する意図、それから、あわせまして、これまで行われてきた各種の検査の見直しが行われるわけでございますけれども、どのような合理化が図れるのか、この二点をお伺いしたいと思います。
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田中俊一#9
○田中政府特別補佐人 今回の法改正では、まず検査制度の抜本的見直し、先ほど申し上げましたけれども、まず、先生御指摘のように、安全の確保の第一義的責任は事業者にある、このことをきちっと定着させるということが大事だと思っております。
 そのために、まず、検査すべき項目等については規則等で私どもから提示しますけれども、基本的には、事業者に、原子力施設の基準適合性をみずから検査する、その義務を果たしていただく。その一方で、私ども原子力規制委員会としては、事業者の行っている全ての保安活動の状況を監視して安全上の重要性から評価していくということで、事業者と規制機関のそれぞれの責任、役割を明確にして、事業者が安全確保の水準の維持向上に主体的に取り組めるようにする、それから、そういった意欲を高めていただくということを考えております。
 安全性の確保の上で重要性の高い事象を優先的に対応するということですので、単に今までのように基準を満たせばいいということではなくて、施設の一層の安全性向上がもたらされるということを期待していますし、そのように方向づけていきたい、運用していきたいと考えております。
 それから、先ほどJANSIのことにも言及されましたけれども、INPOはアメリカは相当歴史を持って、非常に大きな権限を持っております。まさに事業者間のピアレビューというのが非常に機能的に働いているというのを承知しております。
 事故の後、JANSIという組織が我が国でもできました。来週にもまたJANSIと意見交換をすることにしておりますが、JANSIの役割というのは非常に重要だということを私どももJANSIの方にも伝えて、ぜひ事業者間のピアレビューを積極的にやっていただいて安全確保に努めていただくというふうに考えております。
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山田知穂#10
○山田政府参考人 お尋ねの合理化に関してでございますけれども、検査を実施する現場では、例えば現行の保安検査というものと定期安全管理審査、これについては、事業者の品質保証体制をチェックするということで、制度上、若干重複した形になっております。また、使用前検査というものでも品質保証の体制を見るということになってございますので、今回制度を見直させていただくことによってこれらが一本化した検査となりますので、複雑かつ細分化されていた検査が合理化されるものというふうに考えてございます。
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石川昭政#11
○石川委員 ありがとうございます。
 次に、フリーアクセスについてお伺いしたいと思います。
 先日、アメリカのNRCで研修中の原子力規制庁の検査官にお越しをいただきまして、自民党でお話をお伺いしました。
 常駐のアメリカの検査官は、四つのリージョンに所属をして発電所に常駐している。ヘッドクオーターでは、その常駐している検査官からの問い合わせ、情報提供、共同調査など、技術面でもサポート体制が整っているということでございました。現地駐在の検査官は、朝六時ごろからもう活動を開始して、発電所内を巡視していろいろなパラメーターをチェックして回る。一年の四半期で約五十サンプルもこの検査を行っているということでございました。
 発電所内各所へのフリーアクセスというのは当然でありますけれども、私が聞いていて感心したのは、情報へのフリーアクセスなんですね。これも担保されているということでした。事業者のイントラにも自由にアクセスできているということが、聞いていて非常にすばらしいなと思いました。
 そして、今回の改正におきまして、検査活動について法律的にフリーアクセスが担保されることになりますけれども、このメリットというのはどこにあるのか、お伺いしたいと思います。
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山田知穂#12
○山田政府参考人 現行の検査制度では、法律で定められた、定期に行う、対象を特定した検査の際にはいわゆるフリーアクセスが可能でございますけれども、法律上は、定められた検査期間に実施するもののみその対象となってございますので、検査期間外においては、事業者の協力を得て施設の現場の状況を巡視する等の対応をしているところでございます。
 今回の法改正による検査制度の見直しによりまして、検査期間等に左右されることなく、事業者の保安活動に対する包括的な検査を行うことができるようになりますので、日常的に法律に基づく検査の実施が可能となるということから、いつでもフリーアクセスをする権限を有するため、検査に必要となる情報を随時入手することができるようになりますので、事業者の日々の保安活動の状態をしっかりと監視することができるようになるものというふうに考えてございます。
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石川昭政#13
○石川委員 原発は十三カ月に一回定期点検があって、その際にしか検査ができないというような今まで硬直的な検査だったのが、これからはいつでもどこでもということで、安全性の検査が向上するというふうに私は評価をしております。
 ここで問題なのは、やはりその検査官が同じリスクに対する尺度を持っていませんと、現場の安全性の検査というのはうまく進まないと私は思いますし、事業者から検査官に対する信頼感というのはできないだろうと思います。
 そこでお伺いしますが、検査官に統一の評価基準を習得させるために能力向上はどのように取り組んでいく方針なのか、お伺いしたいと思います。
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荻野徹#14
○荻野政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、新たな検査制度に対応するには、これを担う組織体制をしっかりと整えた上で、規制を担う人材育成策を強化いたしまして、特に検査官を中心とした職員の能力、専門性を高める、その品質を確保するということが非常に大事なことでございます。
 原子力規制庁といたしましては、検査官の力量向上に必要な知識、技能の習得ができるように、アメリカのNRCの検査官訓練制度を参考といたしまして研修体系を充実し、同じような質の検査官を確保するという観点から、資格を認定するための新たな研修プログラムといったものを整備すべく現在準備に着手をしております。
 そのため、現在の取り組みでございますけれども、原子力規制委員会に施設等機関として研修のために置かれております原子力安全人材育成センターというものがございますけれども、そこの組織体制を見直しまして、専門分野ごとに検査官等の指導を、上級の指導を行う職員を増員するでありますとか、それから、プラントシミュレーターがあるわけでございますけれども、それを用いた訓練をさらに充実するために、その研修のための新たな課を設置するといったような抜本的な強化を図ることとしております。
 それから、先ほど御紹介いただきましたように、昨年七月から一年間、アメリカNRCに原子力規制庁の職員五名を派遣しております。
 派遣された職員は、NRCの職員用の訓練研修センターで研修をすることはもとより、各発電所に常駐している常駐検査官という方々がおられるわけですけれども、その常駐検査官に同行して、実際の検査に同行して検査の実態を肌身で感じてくる。それから、おっしゃったように、リージョン、ブロックごとに地方局というところがありまして、そこでいろいろな評価等のための会議が開かれるわけでございますけれども、そういった会議にも実際に参加をするといったことで、米国の制度はもとより、その実際の運用あるいは実際の職員の訓練、研修の実施のプロセスなどを広範また具体的に習得しつつあるところでございます。
 こういった派遣の成果につきましては、現在整備中の研修プログラムにも反映いたしますし、さらに、こういった研修プログラムをさらに充実するために、引き続きこういったNRCへの派遣も、少なくとも来年度についてはお願いをするということで準備をしております。
 こういった取り組みによりまして、検査官の能力の向上、質の均一化といったことに努めてまいりたいと考えております。
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石川昭政#15
○石川委員 先ほど御紹介したアメリカのROPが成功をおさめているのも、この検査プログラムがどの事業者に対しても公平で一貫性があるために成功しているということでございますので、ここだけは非常に重要だと思っております。
 次の質問に移りたいと思います。
 今回の炉規法の改正で新設をされた第六十二条二の二についてお伺いしたいと思います。
 これは、国際原子力機関、IAEAの全般的安全要件、GSRパート1で掲げられておりますように、等級別扱い、グレーデッドアプローチが重要な規制指針となっております。その観点で、今回日本に初めて等級別扱いが条文になったということは非常に私は高く評価したいと思います。
 そこでお伺いしますけれども、この第六十二条二の二を新設した意義、それから、「安全上の特性に応じ、」というふうに書いておりますけれども、この意味についてお伺いしたいと思います。
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田中俊一#16
○田中政府特別補佐人 御指摘のように、原子力施設は、非常に、同じ原子炉でも、原子力施設でも、さまざまなリスクの程度、いろいろなところが相当違いがあります。IAEAの国際的な標準となっている文書では、そういった中でグレーデッドアプローチ、要するにリスクの程度に応じた規制をすることが重要であるという御指摘があります。
 それで、原子力規制委員会では、新たな知見に基づいて、より高い安全性を確保すべく規制基準の策定等を進めておりますけれども、その際に、原子力施設の特性を考慮し、加えて、事業者が規制で要求される内容や規制の判断に対する予見性が高まるよう、明確な基準とするよう努めております。これはまだ不十分だという御指摘もありますので、今後もこれを継続して改善していく考えであります。
 こうしたグレーデッドアプローチの考え方を含めて、原子力利用における安全に関する最新の知識をベースに、原子力施設の安全性の特性に応じた規制基準をさらに明確化を図るように努めていきたいというふうに考えております。
 今回の法改正後においては、原子力施設の安全性の特性に応じて規制基準の策定を進めているところでありますけれども、基準の見直し、策定等の際においても、引き続き、今回の法改正の趣旨を踏まえて、規制基準の解釈、ガイドなどの文書の充実を図って、よりわかりやすく、より安全性の向上に役立つような努力をしてまいりたいと思っております。
 この一環として、既に、京都大学あるいは近畿大学における小型の試験炉については、グレーデッドアプローチの考え方を明確化し、昨年十一月に基準解釈の改正等も行っております。
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石川昭政#17
○石川委員 ありがとうございます。
 次に、今回の改正によりまして、日本にパフォーマンスベースによるリスク情報の活用の導入ということが決まりました。今回、改正によりまして、規制庁として、事業者とこの共通認識をどのように形成していくのか、お伺いしたいと思います。
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山田知穂#18
○山田政府参考人 今回の検査制度の見直しに当たりましては、まず、検査の現場で実際に検査をする際には、規制側が、どういうことを事業者が実施することが安全を高める上で大事かということを共通認識を持ちながら検査していくことが非常に大事だというふうに考えてございます。
 したがいまして、制度の詳細の検討、今検討の場を事業者も参加してもらった形で開催をしておりますけれども、そこの場で十分議論した上で、被規制者と規制側が、どういう制度にするのかというのを共通認識を持ちながら、今検討を進めてございます。
 今後も引き続き、そういった場を活用しながら、両者の理解がずれないような形で詳細な制度設計をしてまいりたいというふうに考えてございます。
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石川昭政#19
○石川委員 事業者と規制当局と見解が異なることが多々ございますので、ぜひ、そこはしっかりコミュニケーションをとって、お互いに評価を下すような、そういう明確な手続をぜひ構築していただきたいと思います。
 次に、総合的な評定についてお伺いしたいと思います。検査結果の評定区分ルールですね。
 きょう、お手元にカラーの資料をお配りしております。これは、アメリカのNRCの公式サイトで公表されております。原子力施設を検査した結果、このように色分けをして公表しているわけでございます。
 縦軸にプラントの名前が並んでおります。横軸に起きた事象が七つ並んでおります。こういった形で色分けをして、黄色ですと若干リスクが高いとか、グリーンであればリスクは若干高いけれども性能上は問題がないとか、いろいろな色分けをして、こうやってわかりやすく公表しているわけでございます。また、この公表に当たっては、セキュリティー情報も含まれるわけですので、情報公開には一定の配慮が必要だろうと私は思っております。
 今回、検査結果を公表するということでございますが、このルールはどのようなものになるのか、お伺いしたいと思います。
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山田知穂#20
○山田政府参考人 検査結果の公表についてのお尋ねでございますけれども、他の事業者における指摘事項からみずからの取り組みの改善を図るといった、事業者の自主的な継続的改善につなげるためにも、原子力規制検査の結果や評定の結果については公表することの意義が大きいというふうに考えてございます。
 ただ、こういった検査結果の中身につきましてはセキュリティーに係るものもございますので、そういったものについては十分注意をした形で公表を進めていきたいというふうに考えてございますが、詳細については、現在さらに検討を続けていきたいというふうに考えてございます。
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石川昭政#21
○石川委員 それでは、最後に二問お伺いして終わろうと思います。
 この検査の中でもし不適切事例が見つかった場合に、アメリカでは、軽微なふぐあいの場合は、その事業者が持つ是正措置プログラム、CAPで事業者において措置を行うというふうに整理をされております。これについて、今回の制度改正においてどのように事業者に対して是正を求めていくのか。
 もう一点。評定結果を次回の検査に反映するということがうたわれております。次回、頑張った事業者に対してどのようなメリットがあるのか。どのようなメリットを与えていくかということが非常にインセンティブが働くと思いますので、これについてあわせてお伺いしたいと思います。
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山田知穂#22
○山田政府参考人 法律上の措置命令や重点的な追加検査を要しないような検査の指摘事項に関しては、指摘の趣旨を明確にした上で、事業者がみずから不適切な事案の内容に対応して改善を図ることを念頭に、原子力規制委員会としては、今先生御指摘のございましたROPと同様に、事業者の改善活動、これが適切に遂行されるかどうかを監視していくということを進めてまいりたいというふうに考えてございます。
 それから、検査の結果のフィードバックについてでございますけれども、これは、パフォーマンスベースというのは、事業者の安全に対する取り組みの状態に応じて規制の関与の程度を変えていくという効率化を図る、さらに、効率化できた分についてはより安全上メリットのあるところにその資源を配分していくという考え方でございますので、そういったような取り組みをすることによって、事業者にとっては、事業者のパフォーマンスがよければ検査についての負担が若干軽くなるということもあるというような形での制度運用を考えてまいりたいというふうに考えてございます。
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石川昭政#23
○石川委員 では、そこをしっかりやっていただくことをお願い申し上げて、私の質疑を終わります。
 ありがとうございました。
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平将明#24
○平委員長 次に、塩川鉄也君。
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塩川鉄也#25
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 原子炉等規制法について質問をいたします。
 きょうは、検査制度の見直しの部分について質問をさせていただきます。
 今回の検査制度の見直しは、国と事業者とが行っている現在の原子力施設の検査の仕組みを、事業者みずからが検査することを義務づける仕組みに改めるというものであります。事業者に検査を任せ、国はその検査をチェックする、原子力施設の安全確保に対する事業者の一義的な責任を明確化するというものとされております。
 しかし、これまで原子力事業者が行ってきたことは何なのか、このことを振り返る必要はあると思います。原発に係るトラブル隠し、記録改ざんを繰り返してきた、あの福島の原発事故を起こした東電はどうだったか。
 資料をお配りしておりますけれども、東電における過去の事故隠し、あるいはトラブル隠しという事例が紹介をされているものであります。
 写真がみんな頭を下げている写真ばかりですけれども、これは日経ビジネスの二〇一一年の四月二十五日ですから、あの原発事故の直後に出された特集記事であります。
 左上の写真は、二〇〇二年、原発のトラブル隠しが発覚をしたということで、この際に南直哉社長ら歴代首脳が一斉に辞任に追い込まれた。これは、福島第一、第二、柏崎刈羽原発を点検したアメリカの技術者の告発で、シュラウド、炉心隔壁にひび割れがあったという記録を改ざんしていたということが発覚をしたものだったわけであります。
 左下に甘利大臣の写真がありますけれども、二〇〇七年の二月に、原発の検査データの改ざんが行われたということで釈明をするものでありますし、真ん中の写真は、その直後、二〇〇七年の三月に、福島第一原発の三号機で一九七八年に臨界事故が起きていた、このことを隠蔽していた、極めて重大な問題だったわけであります。
 さらに、その右上の写真は、二〇〇七年の十二月に、柏崎刈羽原発周辺の活断層について隠蔽していたことを謝罪するということで、右下は福島第一原発事故のことであります。
 最初に大臣と田中規制委員長にお尋ねしたいんですけれども、このように東電が、事故、トラブル、その隠蔽を行ってきたということを繰り返しているわけであります。こういう事故やトラブルにかかわる隠蔽が多過ぎるんじゃないのかと。東電がこのように原発に係る事故、トラブル隠し、記録改ざんを重ねてきたことについて、率直にどのように受けとめておられるのか、その認識についてそれぞれお尋ねしたいと思います。
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田中俊一#26
○田中政府特別補佐人 先生御指摘のように、この東京電力の体質とも言えるような隠蔽体質ということについては、私どもも非常に深刻に受けとめております。
 ですから、こういったことが克服できるかどうかということが、今後、東京電力がきちっと原子力施設を運転するに値するかどうかというところの判断の大きな要素になるというふうに認識しております。
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山本公一#27
○山本(公)国務大臣 先生御指摘の過去の東京電力のさまざまなことについて、私も遺憾に存じております。
 そういう意味において、今回の法改正がある意味で行われていくんじゃないかというふうに考えております。
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塩川鉄也#28
○塩川委員 その関係についても後でお尋ねしたいと思うんですが、田中委員長がお話されましたように、この隠蔽体質を深刻に受けとめている、それが克服できるかどうかというのが、こういった原子力施設の運営者としてのあり方がまさに問われているということであります。
 私、この二〇〇二年のシュラウドのひび割れデータの改ざん事件のときに、当時、経済産業委員会の委員でありまして、この問題も取り上げたことがあります。極めて重大だったということを思い起こしたところです。
 このシュラウドのひび割れデータの改ざん事件は、さかのぼる一九八六年に、GE、ゼネラル・エレクトリックの子会社GEIの検査技術者で東電の原発の自主点検を担当していたケイ・スガオカ氏が、東電福島第一原発で蒸気乾燥器の取りつけが百八十度逆向きだったことや、炉心シュラウドにひび割れが多数存在することを報告したわけです。
 シュラウドというのが、ステンレス製の筒で、原子炉内の構造物や機器を支える役割を果たしており、シュラウドが壊れると機器が落下をし、原子炉制御不能の大事故に至るという重要な部位であります。しかし、スガオカ氏は、東電から、取りつけ方向間違いの記述は削除せよ、ひび割れのビデオは消去せよと求められてそれに従ったということでした。
 スガオカ氏は二〇〇〇年にこのことを通産省に内部告発をしましたが、スガオカ氏が告発したのは二件だけでしたが、その後の調査で、福島第一原発、福島第二原発において二十九件のトラブル隠しが判明をしました。
 この一連の点検データ改ざん事件の記録を見ると、かかわった東電の社員は約百人に上り、本社原子力管理部の幹部、取締を含む数名と三つの原子力発電所の現場担当者など社員三十名から四十名が組織的に行っていた。原子力安全・保安院によれば、自主点検報告書の虚偽記載は、一九八七年から九五年に二十九件、シュラウドのひび割れなど記載しなかったケースが九件、法令違反が多数ありました。保安院が東電となれ合いになって、事実を知った後も隠蔽に加担したことも明らかになりました。さらに、上記の問題の真相究明の過程で、福島第一原発での格納容器の密閉性試験の際に検査データを改ざんしていたことも発覚をしたわけであります。
 委員長にお尋ねしますが、このような絶え間のないトラブル、事故の隠蔽体質のもとで安全対策がおろそかになった、このことが二〇一一年の東電の原発事故につながったんじゃないでしょうか。
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田中俊一#29
○田中政府特別補佐人 二〇一三年の大事故、その背景には先生御指摘のようないろいろな要素があると思いますが、それがつながったかということになりますと、またいろいろ事故調査等、国会事故調あるいは政府事故調、いろいろな御指摘がありますので、そういったこと全体を踏まえて判断する必要があるんだと思います。
 ただ、先生御指摘のような、安全文化といいますか、そういった安全確保に対する欠如というか、そういうのは確かにあったんだろうというふうには思います。
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