環境委員会

2017-05-25 参議院 全186発言

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会議録情報#0
平成二十九年五月二十五日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十二日
    辞任         補欠選任
    渡辺美知太郎君     馬場 成志君
 五月二十三日
    辞任         補欠選任
     浜野 喜史君     川合 孝典君
     石井 苗子君     片山 大介君
 五月二十四日
    辞任         補欠選任
     馬場 成志君    渡辺美知太郎君
     川合 孝典君     浜野 喜史君
     長沢 広明君     里見 隆治君
     片山 大介君     石井 苗子君
 五月二十五日
    辞任         補欠選任
     世耕 弘成君     今井絵理子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         森 まさこ君
    理 事
                磯崎 仁彦君
                高橋 克法君
                芝  博一君
                石井 苗子君
    委 員
                今井絵理子君
                尾辻 秀久君
                鴻池 祥肇君
                佐藤 信秋君
                中川 雅治君
                二之湯武史君
                松山 政司君
               渡辺美知太郎君
                榛葉賀津也君
                浜野 喜史君
                柳田  稔君
                里見 隆治君
                若松 謙維君
                市田 忠義君
                武田 良介君
   国務大臣
       環境大臣     山本 公一君
   副大臣
       環境副大臣    関  芳弘君
   大臣政務官
       環境大臣政務官  比嘉奈津美君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        星   明君
   政府参考人
       経済産業大臣官
       房審議官     土田 浩史君
       経済産業省貿易
       経済協力局貿易
       管理部長     飯田 陽一君
       環境省自然環境
       局長       亀澤 玲治君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関
 する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
    ─────────────
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森まさこ#1
○委員長(森まさこ君) ただいまから環境委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、長沢広明君が委員を辞任され、その補欠として里見隆治君が選任されました。
    ─────────────
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森まさこ#2
○委員長(森まさこ君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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森まさこ#3
○委員長(森まさこ君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に石井苗子君を指名いたします。
    ─────────────
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森まさこ#4
○委員長(森まさこ君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、経済産業大臣官房審議官土田浩史君外二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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森まさこ#5
○委員長(森まさこ君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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森まさこ#6
○委員長(森まさこ君) 絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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中川雅治#7
○中川雅治君 自由民主党の中川雅治でございます。
 地球は、約四十六億年前に誕生したと言われております。この地球で最初の原始生命体ができたのは、約四十億年前と考えられております。現在、地球上には三千万種とも推定される生物が存在していますが、これらの生命は、約四十億年の歴史を経て、様々な環境に適応して進化してきたものであります。私たちは生物の多様性がもたらす恵みを享受することにより生存しているわけですが、生物多様性の保全の重要性そのものについて、国民の理解は進んでいるとはいえ、十分ではないと思います。
 今回の種の保存法の改正案の審議に当たって、まず、生物多様性の意義、その保全の重要性について環境大臣の見解をお伺いしたいと思います。
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山本公一#8
○国務大臣(山本公一君) 生物多様性は、食料や水の供給、気候の安定など人間の生活を支える様々な恵みをもたらすものであります。
 生物多様性を構成する生物種は、一度失えば取り戻すことは不可能であります。そのため、自然の恵みを損なうことなく将来にわたり享受するために、生物多様性を保全することが極めて重要であると考えております。
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中川雅治#9
○中川雅治君 ありがとうございます。
 環境省が作成しているレッドリストは、本年三月に見直しが行われるとともに、新たに海洋生物も対象としたレッドリストも公表され、現在、合計して三千六百九十種もの絶滅危惧種が選定されております。このレッドリストにおける絶滅危惧種に指定されても特に法律上の効果が生ずるわけではなくて、法的な規制の対象となるのは種の保存法に定める国内希少野生動植物種に指定されている種に限られるわけでございます。
 前回の種の保存法改正時の附帯決議において、国内希少野生動植物種の指定種数の大幅増加の目標が盛り込まれておりますが、前回改正時の附帯決議を踏まえた国内希少野生動植物種の指定状況について説明をお願いいたします。あわせて、種の保存法の国内希少野生動植物種の数がなぜ絶滅危惧種の数と比較すると大幅に少ないのか、その理由についても説明をお願いいたします。
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亀澤玲治#10
○政府参考人(亀澤玲治君) お答えいたします。
 前回、平成二十五年の種の保存法の改正時に八十九種であった国内希少野生動植物種については、そのときの附帯決議におきまして、二〇二〇年、平成三十二年までに三百種追加指定するという目標が示されたところであり、その後、二十六年度から二十八年度の三年間で、年に約四十種ずつ、合計で百十九種を追加指定する等、目標達成に向けて着実に指定作業を進めております。
 環境省といたしましては、数多くある絶滅危惧種の中でも特に捕獲圧、採集圧が存在するなど、種の保存法に基づいて国内希少野生動植物種に指定することによって保全上の効果が見込まれる種について優先順位を付けて指定を進めております。
 指定に当たっての具体的な作業としては、当該種の最新の分布状況等を調査した上で、専門家の意見を聴くことや土地所有者を始めとする関係者との調整を丁寧に進める必要があるため、絶滅危惧種の種数と比較すると、法律に基づく国内希少野生動植物種の種の数は少なくなっているというのが実情でございます。
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中川雅治#11
○中川雅治君 国内希少野生動植物種の指定に当たっては、捕獲や譲渡し等が禁止されるため、関係者との丁寧な調整が求められるわけでございますが、一方で、前回改正時の附帯決議を踏まえ、着実に指定種数が増加しているということが分かりました。引き続き、目標達成に向けて種指定を確実に進めることが重要であるというように思います。
 そのような中で、今回の改正案においては、捕獲や譲渡し等が一律に禁止される現行の国内希少野生動植物種制度とは別に、販売、頒布目的のための捕獲や譲渡し等のみを規制する特定第二種国内希少野生動植物種という新たな種指定制度の創設が提案されております。
 附帯決議を踏まえて現行の国内希少野生動植物種の指定が進展している状況にもかかわらず新たな制度が提案されているわけですが、改めてその意義や必要性を説明していただきたいと思います。
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関芳弘#12
○副大臣(関芳弘君) 現行の国内希少野生動植物種制度につきましては、その指定に伴いまして捕獲の禁止などの規制を課しているところでございます。他方で、特に里地里山など身近な自然に生息、生育いたします昆虫類や魚類等、この種につきましては、環境教育や調査研究、保全活動等のための捕獲が必要となる場合がございます。
 一律に厳しい規制を課しております現行の種指定ではそうした活動の支障になることから、指定に対する研究者の理解が得にくいという課題がございます。例えばゲンゴロウでございますが、このような昆虫類につきましては、種を識別するために実際に個体を捕獲等しなければならないことが多くございます。現行の規制では事前の許可手続が必要となるために、分布状況が集まらない等のおそれがございます。
 今回の法改正によりまして、こうした厳しい規制がなじまない里地里山などの種につきましては、販売又は頒布目的での捕獲及び譲渡し等のみを規制する特定第二種国内希少野生動植物種制度、これを創設いたします。これによりまして、種の保存のための行為規制と環境教育や調査研究、また保全活動等の推進を両立させていきたいと、そのように考えているところでございます。
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中川雅治#13
○中川雅治君 特定第二種国内希少野生動植物種制度は、従来は種の保存法の対象とはなりにくかった里地里山に分布する種についても今後は積極的に保全の取組を進めていくということで、意義のある改正案だと思います。従来は身近な生き物であったゲンゴロウやメダカなども今やレッドリストに掲載される絶滅危惧種でありまして、里地里山の生き物の保全はより積極的に推進していく必要があると感じております。是非、積極的な絶滅危惧種の保全施策を進めてほしいと思います。
 保全施策を進めていく上で、適切な目標設定とその定期的な見直しは不可欠だと思いますが、特定第二種国内希少野生動植物種は今後どのように指定を進めていく方針でしょうか。既存の国内希少野生動植物種の今後の指定方針と併せて説明していただければと思います。
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亀澤玲治#14
○政府参考人(亀澤玲治君) お答えいたします。
 まず、二〇二〇年までにつきましては、前回法改正時の附帯決議で三百種の追加指定が目標として示されておりますので、この三百種については、現行カテゴリーの国内希少野生動植物種として追加指定することにまずは注力したいというふうに考えております。
 その後の二〇二一年以降につきましては、現行カテゴリーの国内希少野生動植物種について引き続き指定を進めるとともに、今回指定を考えております特定第二種国内希少野生動植物種の指定も推進する考えでありまして、二〇二一年から二〇三〇年までの十年間で現行カテゴリーで百五十種、特定第二種国内希少野生動植物種で百五十種の合わせて三百種を更に追加指定することを新たに目標としたいと考えておりまして、前回の改正時の八十九種と合わせますと、二〇三〇年までにおよそ七百種の指定をしたいというふうに考えているところでございます。
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中川雅治#15
○中川雅治君 二〇三〇年までに合計で七百種の指定を目指すとのことであります。種の指定は大変重要ですが、一方で、里地里山の絶滅危惧種については指定後の適切な保全対策の実施が極めて重要であると思います。
 種の保存法においては、指定後の保全対策として保護増殖事業及び生息地等保護区という枠組みがありますが、これらの制度の概要と現在の運用状況を説明していただきたいと思います。
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亀澤玲治#16
○政府参考人(亀澤玲治君) 御指摘のとおり、種の保存法に基づき国内希少野生動植物種に指定した種につきましては、必要に応じて保護増殖事業の実施や生息地等保護区の指定を行うことができます。
 保護増殖事業につきましては、捕獲等及び譲渡し等の規制だけでは保全することが難しく、特に生息環境の改善や野生復帰等の事業の実施が必要な種を対象として、保護増殖事業計画に基づいてそれらの事業を実施するものでございます。現在、二百八種の国内希少野生動植物種のうち、トキやツシマヤマネコ等六十三種を対象として実施をしております。
 また、生息地等保護区につきましては、生息・生育地が限られている種や捕獲等及び譲渡し等の規制だけでは保全することが難しい種について、指定による保全効果を考慮した上で、その種が良好に生息している場所等を指定しております。生息地等保護区の区域内は、工作物の新設や土地の形質変更等の行為が規制をされます。現在、ミヤコタナゴやハナシノブ等の七種を対象に九地区、八百八十五ヘクタールを指定しているところでございます。
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中川雅治#17
○中川雅治君 保護増殖事業につきましては、予算や人員の制約もあり、また生息地等保護区につきましては、行為規制が掛かるということで土地所有者等との調整も必要になると思われるわけでございます。ですから、こうした制度の運用を進めていくのはなかなか大変で簡単なことではないと私も十分承知しております。
 本年一月に出ました中央環境審議会の答申におきまして、次のような指摘がなされております。「生息地等保護区は、現在、全国でわずか九地区の指定にとどまっている。」、「国内希少野生動植物種の指定種数と比較すると生息地等保護区の指定数は大幅に少ない。特に、二次的自然については、厳格な行為規制よりも人の管理を継続することが重要である場合も多く、比較的規制が弱い監視地区の指定でも一定の効果がある。そのため、生息地等保護区の指定については、これまでの管理地区を中心とした指定とあわせて、監視地区のみの指定も積極的に推進し、それにより生息地等の維持・管理を促進することが求められる。」、こう指摘されているわけでございます。
 この指摘につきまして、環境省はどのように対応されるのでしょうか。
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亀澤玲治#18
○政府参考人(亀澤玲治君) 国内希少野生動植物種について、捕獲等の行為規制によって個体を保護したとしても、その生息地等が失われれば種の保存を図ることは困難であります。そのため、生息地等保護区を指定することによってその生息地等を守っていくことは、種の保存にとって重要であるというふうに考えております。
 一方で、生息地等保護区は規制が厳しいというイメージがあり、指定に向けた調整の段階で地元の理解が得られにくいという側面もあります。とりわけ、里地里山などの二次的自然に生息する種の生息地等につきましては、草刈りや水路の泥上げなど日常的な維持管理行為を継続することが必要な場合もありますので、そうした行為の妨げにならない、規制の緩やかな監視地区だけの生息地等保護区の指定についても今後積極的に推進してまいりたいと思います。
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中川雅治#19
○中川雅治君 また、中央環境審議会の答申におきましては、「近年、土地の所有者の所在が把握できないため、保護増殖事業の実施に支障が生じているケースが確認されている。今後、所有者の所在の把握が難しい土地が更に増加する中で、そうした場所での保護増殖事業の進め方を検討する必要がある。」と指摘されておりますが、この点についてはどのように対応されるんですか。
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亀澤玲治#20
○政府参考人(亀澤玲治君) お答えいたします。
 国内希少野生動植物種の保全を効果的に進めるためには、種の指定後、保護増殖事業を着実に実施していくことが重要と考えております。
 一方で、土地所有者が把握できないために、その土地へ立ち入って枝払いを行うなどの保護増殖事業の実施に生じた例が実際にあるということを踏まえまして、今回の改正案では、所有者不明の土地であっても、一定の手続を踏んだ上で保護増殖事業の推進のために必要な木の伐採ですとか外来種の捕獲等が実施できるよう措置したいというふうに考えております。
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中川雅治#21
○中川雅治君 いずれにせよ、指定種の保全を適切に進めるという観点からは、保護増殖事業や生息地等保護区を積極的に進めることは重要なことであります。保護増殖事業の実施及び生息地等保護区の指定について、環境省の今後の方針を改めて説明していただきたいと思います。
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亀澤玲治#22
○政府参考人(亀澤玲治君) 委員御指摘のとおり、国内希少野生動植物種の保全を効果的に進めるためには、種の指定後、生息地等保護区の指定や保護増殖事業の実施等を着実に進めていくことが重要と考えております。
 生息地等保護区につきましては、指定により土地利用に係る行為規制が掛かるため、土地所有者等、利害関係者の理解や同意が必要です。このため、指定に向けた手続は丁寧に進める必要があると考えておりますが、今後は、監視地区のみの指定も含めまして積極的に指定を推進していきたいというふうに考えております。また、保護増殖事業につきましても、種指定の推進に合わせて、計画の新規策定及び事業の実施を着実に進めてまいります。
 なお、本改正案をお認めいただいた際には、新たな生息地等保護区の指定や保護増殖事業の実施等を着実に進めていくためにも、必要な人員と予算の確保に努めていきたいというふうに考えております。
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中川雅治#23
○中川雅治君 次に、今回の改正案の柱の一つであります動物園、水族館、植物園の認定制度の創設について伺います。
 トキやライチョウ、ツシマヤマネコを始めとした絶滅危惧種の一部の種については、動植物園等の協力を得て生息域外保全や野生復帰の取組が進められていると承知しております。例えば、トキについては、一度は野生で絶滅したものの、飼育下での繁殖と生息環境の改善等に関係者が連携して取り組み、平成二十年より佐渡での放鳥が開始され、現在では二百羽以上のトキが佐渡で生息しているとのことであります。このように、絶滅危惧種の生息域外保全は重要な取組であり、トキの野生復帰に当たっては、東京都の動物園が果たしてきた役割が大きいと聞いております。
 しかしながら、動植物園等の種の保存等に対する役割を認める制度が存在せず、生息域外保全等の取組はそれぞれの個別の動植物園等の自主的な協力に頼っているというのが現状であります。現行法では動植物園等の間で繁殖等のために個体を移動する際に譲渡し等の許可手続が必要でありまして、この手続の緩和を要望する声も強いと聞いております。
 野生動植物種の生息状況等の悪化に伴い、生息域外保全が必要な種の数は増大の一途にあります。生息域外保全を政府の力だけで実施することは限界があり、今後、関連団体等と密接に連携し、取組を促進していくことが重要になっていると思います。その意味で、今回の種の保存法改正案において、希少種の保護増殖という点で、適切な施設及び能力を有する動植物園等を認定する制度を創設することとしているのは、時宜を得たものであるというふうに思います。
 そこで、環境大臣はどのような観点で動植物園等を認定するのか、そして全国に動植物園等は幾つあり、そのうちの何割ぐらいを認定する想定なのか、お伺いいたします。
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亀澤玲治#24
○政府参考人(亀澤玲治君) 動植物園等からの認定申請があれば、希少種の飼育、栽培等の計画が適切か、あるいは適切な能力や経験のある職員の数が十分か、また計画に沿った取組を進めることが可能な施設を有しているかといった観点で審査をすることを想定をしております。また、希少種の繁殖への貢献、繁殖させた個体を野生復帰に活用するなど、野生の生息・生育状況の維持改善への貢献といった観点についても考慮することを考えております。
 また、全国には現在およそ七百程度の動植物園等があるというふうに考えております。そのうち、この認定制度の対象となる動植物園等につきましては、国内希少野生動植物種又は国際希少野生動植物種を飼育、栽培しており、かつ望ましい取組を実施している園館ということになりますが、実際の申請受付及び審査を実施してみないと分かりませんが、動植物園等全体のうち、おおむね一割程度になるのではないかというふうに想定しているところでございます。
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中川雅治#25
○中川雅治君 この認定制度が十分に機能するためには、認定を得た動植物園等にメリットがある、そして動植物園等が積極的にこの認定の申請をするような状況になるということが重要だと、大事だというふうに思います。この点についての環境省の考えをお聞かせいただきたいと思います。
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亀澤玲治#26
○政府参考人(亀澤玲治君) 御指摘のとおり、今回の改正で創設いたします動植物園等の認定制度が十分に機能するためには、動植物園等に認定を受けるメリットを感じてもらうことが重要であるというふうに考えております。
 この点につきましては、認定を受けることにより希少種の生息域外保全への積極的な貢献や環境省との連携など、動物園等の公的な位置付けの明確化をアピールできるというメリットや、それを通じた社会的な認知度の向上等が期待できるといったメリットがあるというふうに考えております。さらに、認定された動植物園等については、法指定種の譲渡し等の規制が適用除外となるため、手続のための事務処理が不要となることから、繁殖等のための個体の移動をタイムリーかつスムーズに行うことができるようになるという実務的なメリットも大きいというふうに考えております。さらに、認定を受けた動植物園等については、希少種の生息域外保全の取組に対する効果的な支援の在り方について今後検討してまいりたいと思います。
 このように、動植物園等が認定を受けるメリットは十分にあるというふうに考えております。
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中川雅治#27
○中川雅治君 これから申し上げることは、質問ということではなくて、私の提言としてお聞きいただければと思うんですが、博物館法に登録博物館という制度がございます。一定の要件を満たす博物館が登録博物館になるわけです。登録要件としては、館長、学芸員の必置とか、年間百五十日以上の開館など、幾つかの要件があるわけですけれども、この博物館法上の登録博物館、公立で五百八十六、私立で現在三百九あると、こういうことですね。
 それで、登録博物館になりますと、標本等として用いる物品の輸入などについて関税が免除されると。それから、都道府県民税、市町村民税、事業所税、不動産取得税、固定資産税、都市計画税が免除されるんですね。地方公共団体が設置している登録博物館、これは元々もうこういった税は非課税でありますから、私立の登録博物館はこういった税制上のメリットがあると。それから、登録博物館の設置主体が公益法人であれば、もちろんいろいろ要件はありますけれども、寄附をしたり、あるいは相続財産を寄附をするというようなときに、その譲渡所得税とかあるいは相続税が免除されると、こういう制度にもなっているわけです。
 いろいろ要件がありますから、登録博物館になれば全てというわけではないんですけれども、いずれにしても税制上のメリットというものが登録博物館の場合にはあるわけですね。ですから、今回創設される動物園、水族館、植物園を対象とした認定制度をこれから育てていくには、税制上の優遇措置や財政的な支援措置が受けられるような仕組みを将来的につくっていくということが大事ではないかというふうに思います。
 続いて、国際希少野生動植物種に関する流通管理の強化についてお伺いします。
 拡大する種の絶滅を食い止めることは国際的な課題となっていますが、野生動植物種が絶滅や減少の危機に瀕している原因としては、原産国における生息地の減少や劣化等のほかに、商業取引を目的とした過度な捕獲や採取が挙げられます。そのため、ワシントン条約の附属書Ⅰ掲載種については、国際取引を規制するのはもちろんですが、国内取引についても適切に規制することが重要であります。この点、ワシントン条約の附属書Ⅰ掲載種については、種の保存法に基づく国際希少野生動植物種として指定されているため、その個体等を譲り渡す際には環境大臣への登録が義務付けられていると承知しております。
 今回の改正では、国際希少野生動植物種の登録制度について、有効期限の新設と個体識別措置の追加が提案されていますが、これらの意義についてお伺いいたします。
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亀澤玲治#28
○政府参考人(亀澤玲治君) お答えいたします。
 登録を受けた国際希少野生動植物種の個体等を占有しなくなった場合には登録票の返納が義務付けられていることから、生きている個体が死亡した場合には、原則として、例えば剥製にする場合等を除いて、登録票は返納することになります。
 しかしながら、法施行時以降の累計で、生きている個体の登録数が二十六万件以上あるにもかかわらず、その登録数の返納数は七千六百件程度、全体の三%未満にとどまっており、寿命が長い種もあるとはいえ明らかに返納数が少ない状況というふうに考えております。また、登録した個体が死亡したにもかかわらず、その登録票を別途違法に入手した別の個体の登録票として不正に流用した事件も発生をしております。
 こうしたことから、定期的にその状態を確認する必要がある生きた個体については、一定期間で登録を失効させる有効期間の設定や、登録票と登録個体との関係を照合するための個体識別措置の導入を図ることとしており、これにより登録票の不正利用を防止することが可能になるというふうに考えております。
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中川雅治#29
○中川雅治君 ワシントン条約の関係では、昨年秋に開催された締約国会議における象牙に関する決議が社会的にも大きな注目を集めました。決議では、象牙の密猟や違法取引に寄与する国内市場の閉鎖が求められたと認識しています。
 我が国の国内市場に対しては様々な批判があったように記憶しておりますが、私は、決議にもあるとおり、我が国の国内市場が密猟や違法取引に寄与していないという点が極めて重要であると考えております。私は、象牙は印章を始め様々な製品に伝統的に用いられてきており、国際社会の理解も得た上で厳格に管理した市場を引き続き維持すべきであると考えます。
 ただ、五月十八日の参議院環境委員会で坂元雅行参考人は、改正案には、国内象牙市場閉鎖、つまり象牙の国内取引禁止に向けた規制強化は一切含まれておりません、むしろ、象牙市場をこれまでどおり維持し、象牙の製造、販売を制約しないようにしながら象牙を扱う業者への監督を強め、緊張感を持って業務に励んでもらおうというのがその内容です、これでは到底国際的な理解は得られず、日本は条約決議の全会一致採択に参加しながらそれに違反しているというそしりを受けるおそれがあると言わざるを得ませんと述べられております。
 そこで、我が国の国内市場が原産国における象の密猟や違法取引に寄与している可能性について伺いたいと思います。また、あわせて、今回の改正法案は決議を踏まえた対応として十分なものとなっているのかについて政府の見解をお伺いいたします。
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