厚生労働委員会

2019-11-22 衆議院 全269発言

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会議録情報#0
令和元年十一月二十二日(金曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 盛山 正仁君
   理事 後藤 茂之君 理事 新谷 正義君
   理事 冨岡  勉君 理事 長尾  敬君
   理事 平口  洋君 理事 小川 淳也君
   理事 大西 健介君 理事 高木美智代君
      あべ 俊子君    畦元 将吾君
      安藤 高夫君    上野 宏史君
      大岡 敏孝君    大串 正樹君
      大隈 和英君    神山 佐市君
      木村 哲也君    黄川田仁志君
      国光あやの君    小島 敏文君
      小林 鷹之君    後藤田正純君
      佐藤 明男君    塩崎 恭久君
      繁本  護君    白須賀貴樹君
      杉田 水脈君    田村 憲久君
      高木  啓君    高橋ひなこ君
      谷川 とむ君    野中  厚君
      船橋 利実君    堀内 詔子君
      三ッ林裕巳君    山田 美樹君
      和田 義明君    阿部 知子君
      池田 真紀君    稲富 修二君
      尾辻かな子君    岡本 充功君
      神谷  裕君    白石 洋一君
      中島 克仁君    西村智奈美君
      初鹿 明博君    山井 和則君
      柚木 道義君    早稲田夕季君
      伊佐 進一君    桝屋 敬悟君
      宮本  徹君    藤田 文武君
    …………………………………
   厚生労働大臣       加藤 勝信君
   内閣府副大臣       宮下 一郎君
   厚生労働副大臣      稲津  久君
   経済産業副大臣      松本 洋平君
   内閣府大臣政務官     藤原  崇君
   財務大臣政務官      井上 貴博君
   文部科学大臣政務官   佐々木さやか君
   厚生労働大臣政務官    小島 敏文君
   厚生労働大臣政務官    自見はなこ君
   政府参考人
   (内閣官房全世代型社会保障検討室次長)      河西 康之君
   政府参考人
   (内閣府子ども・子育て本部審議官)        藤原 朋子君
   政府参考人
   (外務省大臣官房審議官) 平野 隆一君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議官)           玉上  晃君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           辺見  聡君
   政府参考人
   (厚生労働省医政局長)  吉田  学君
   政府参考人
   (厚生労働省医薬・生活衛生局長)         樽見 英樹君
   政府参考人
   (厚生労働省労働基準局長)            坂口  卓君
   政府参考人
   (厚生労働省職業安定局長)            小林 洋司君
   政府参考人
   (厚生労働省雇用環境・均等局長)         藤澤 勝博君
   政府参考人
   (厚生労働省子ども家庭局長)           渡辺由美子君
   政府参考人
   (厚生労働省社会・援護局長)           谷内  繁君
   政府参考人
   (厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長)    橋本 泰宏君
   政府参考人
   (厚生労働省老健局長)  大島 一博君
   政府参考人
   (厚生労働省保険局長)  浜谷 浩樹君
   政府参考人
   (厚生労働省年金局長)  高橋 俊之君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議官)           中原 裕彦君
   厚生労働委員会専門員   吉川美由紀君
    ―――――――――――――
委員の異動
十一月二十二日
 辞任         補欠選任
  上野 宏史君     高木  啓君
  高橋ひなこ君     神山 佐市君
  三ッ林裕巳君     畦元 将吾君
  尾辻かな子君     早稲田夕季君
  初鹿 明博君     神谷  裕君
  山井 和則君     池田 真紀君
同日
 辞任         補欠選任
  畦元 将吾君     黄川田仁志君
  神山 佐市君     高橋ひなこ君
  高木  啓君     杉田 水脈君
  池田 真紀君     山井 和則君
  神谷  裕君     初鹿 明博君
  早稲田夕季君     尾辻かな子君
同日
 辞任         補欠選任
  黄川田仁志君     和田 義明君
  杉田 水脈君     上野 宏史君
同日
 辞任         補欠選任
  和田 義明君     野中  厚君
同日
 辞任         補欠選任
  野中  厚君     三ッ林裕巳君
    ―――――――――――――
十一月二十二日
 産後ケアセンターの設置の推進のための児童福祉法及び社会福祉法の一部を改正する法律案(阿部知子君外九名提出、第百九十六回国会衆法第四〇号)
は委員会の許可を得て撤回された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 産後ケアセンターの設置の推進のための児童福祉法及び社会福祉法の一部を改正する法律案(阿部知子君外九名提出、第百九十六回国会衆法第四〇号)の撤回許可に関する件
 厚生労働関係の基本施策に関する件
 母子保健法の一部を改正する法律案起草の件
 産後ケア事業の推進に関する件
     ――――◇―――――
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盛山正仁#1
○盛山委員長 これより会議を開きます。
 厚生労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房全世代型社会保障検討室次長河西康之君、内閣府子ども・子育て本部審議官藤原朋子君、外務省大臣官房審議官平野隆一君、文部科学省大臣官房審議官玉上晃君、厚生労働省大臣官房審議官辺見聡君、医政局長吉田学君、医薬・生活衛生局長樽見英樹君、労働基準局長坂口卓君、職業安定局長小林洋司君、雇用環境・均等局長藤澤勝博君、子ども家庭局長渡辺由美子君、社会・援護局長谷内繁君、社会・援護局障害保健福祉部長橋本泰宏君、老健局長大島一博君、保険局長浜谷浩樹君、年金局長高橋俊之君、経済産業省大臣官房審議官中原裕彦君の出席を求め、説明を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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盛山正仁#2
○盛山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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盛山正仁#3
○盛山委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。繁本護君。
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繁本護#4
○繁本委員 おはようございます。自由民主党の繁本護でございます。
 きょうは、いろいろ質問したいことがたくさんありました。一般質疑でありますから、母子保健法の改正に向けた動きであるとか、あるいは、薬機法が先般通りましたけれども、お薬についてもいろいろ大きな課題があります。ただ、今、来年度の予算要求に向けた大事な予算フレームを議論する時期でありますので、きょうは、保育士の公定価格に関する質問を取り上げて、このためにお時間をいただきました。
 働き方改革は大事であります。私も、質問は、きょうは金曜日ですけれども、火曜日には出しているんですね。したがって、非常に中身のある御答弁を賜れると期待しながら、心を一つに頑張りたいと思います。ありがとうございます。
 さて、平成二十七年四月に子ども・子育て支援新制度が始まりまして五年を迎えて、今、公定価格を始めとする制度全般について見直しが始まっています。そして、十月からはいよいよ、消費税の税率アップを財源といたしました無償化が始まったところです。しかし、このような現状の中で、保育所の関係者からは、保育士不足が深刻だ、大変経営環境は厳しいといった状況にありますね。
 さて、一方において、政府の中からはいろいろ、財政審の声、あるいは予算折衝の声が聞こえてきますけれども、適正化の名のもとに、この公定価格を引き下げようじゃないか、そんな検討の声も聞こえてきております。
 さて、保育の無償化がこれから保育所の経営にどんな影響があるんだろうか、あるいは、現場の強い危機感と懸念を抱いた上での予算交渉がなされるのだろうかということについて質問しなければなりません。
 まず、保育の無償化の影響について取り上げたいと思います。
 現在、保育所の利用時間は、主にパートタイム就労を想定した一日八時間利用できる保育短時間と、主にフルタイム就労を想定した一日十一時間を利用できる保育標準時間の二つの区分がありまして、保護者の就労状況に応じて保育の時間の必要性をしっかり認定する仕組みになっております。そして、今回の無償化では、その必要性が認定されれば、保育標準時間、すなわち十一時間までの保育が無償化されることになっています。
 このため、本来これはあってはならぬのですが、そこまで長い時間預かってもらう必要がないじゃないかというような場合であっても、無償化されたんだから十一時間預かってもらおう、こういったモラルハザードが保護者の中に起きるのではないかといったことも実は懸念をされております。
 もし、こういう、あるべきではない、本当に必要でない長時間の保育をみんなが頼んだら、本当に保育を必要とする人が保育所を使えなくなるんですよ。こういうことはあってはならないし、一方において、保育所側からしてみれば、保育士の配置をふやさなければならない、また、それで勤務ローテーションをやりくりしなければならない、そして人件費も積んでいかなきゃならない、こういった問題が生じるんですね。
 こういうことを考えていくと、では、保育とは何なんだ。どういった人のために、何のための保育なんだといったことも考えていかなければならない、本質的な議論にもなってくるわけであります。
 さて、そこで、三歳から五歳までは無償化される保育でありますが、先ほど申し上げました、本当は必要がないような長時間保育が生じることがあってはならないと思うんですけれども、この点について、政府はどのように御認識され、対応されようとしておりますか、教えてください。
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藤原朋子#5
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 保育所における保育時間につきまして、委員からただいま二つの区分ということで御紹介いただきましたけれども、八時間を原則としつつ、始業、終業の時刻の違いですとか通勤時間なども考慮しまして十一時間の開所とするという従来からの考え方を踏襲いたしまして、新制度におきまして、就労の状況等の保育の必要性に応じまして、保育を利用することが可能な最大の時間の枠として、八時間又は十一時間としているところでございます。
 保護者は、認定された八時間又は十一時間の枠の範囲で、就労の状況等に応じまして必要な時間の保育を利用するということが原則となります。
 今般の幼児教育、保育の無償化の施行後におきましても、この取扱いが変わるものではありませんので、保護者の理解が得られるよう、保育時間に係る制度の趣旨につきまして周知をしてまいりたいと考えております。
 また、委員から御指摘いただきましたように、無償化の施行後に保育時間の認定状況がどう変化するのか、こういったことについても状況を把握をしていきたいと考えております。
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繁本護#6
○繁本委員 そこはしっかり周知徹底を図っていただくとともに、自治体によっていろいろ運用が違うと聞いておりますよ。本当にこれが必要な保育時間ですかということを確認するために、就労を証明する書類を出してほしいというところもあれば、出さなくていいというところもあるようでありますし、基礎自治体によってさまざま手続も違いますから、そこも含めて、保護者の行動がこれからどうなるか、人間観察、モニタリングをしっかりやっていただきたいと思います。
 さて、次に、公定価格の算定方式についてお伺いをいたします。
 この公定価格は、現在、人件費、事業費、管理費等について、おのおのどれぐらいのお金が必要であるかということを費目ごとに積み上げる積み上げ方式となっていますね。
 ただ、一方、財務省の財政審においては、保育所等の収支差率が中小企業の平均を上回っていることなどを理由に、実態調査等に基づいて、人件費、事業費、管理費などを包括的に評価する包括方式に移行するべきであるというようなことも提案がなされております。
 そもそも、収支差率を、調査自体が異なる、全く分野の違う中小企業と比べること自体、余り意味がありません。しかも、最新の調査によると、保育所の収支差率は二・三%と、中小企業の三・一と比べても非常に下回っている。
 まず僕らがやるべきことは、公定価格を引き下げようということ、これありきの議論をすることではなくて、保育所の経営実態を正確に見きわめていかなければなりません。正確に見きわめようと思ったら、包括評価方式なんかだめなんですよ。しっかり事業費ごとにどれぐらい必要なんだということを積み上げていくことこそが大事なのであって、積み上げ方式を堅持していかなければならないんですよ。
 そもそも、子ども・子育て新制度、新プランが出てきたときに、一兆円のお金がかかるといって、今、〇・七しか手当てできていない。〇・三足りぬのですよ。こういう状況の中で包括方式をやったら、今言ってみれば買いたたかれている状況ですよ、市場の状況を評価して決めるなんという包括方式をやったら、適正な公定価格の設定ができるわけないじゃないですか。
 このことについて政府の御見解をお願い申し上げます。
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藤原朋子#7
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 現行の公定価格でございますけれども、人件費、事業費、管理費ごとに対象となる経費を費目を積み上げて金額を設定する積み上げ方式により算定してございます。
 現在、有識者、関係団体から構成される子ども・子育て会議におきまして、公定価格の算定方法を含めて、公定価格の見直しについて議論を行っているところでございます。
 この会議の中でも、積み上げ方式につきまして、人件費などの特定の経費に着目をして公定価格の充実を行うことができる、あるいは、今後さらなる質の向上を実施する際に円滑に実施ができるといった点から、積み上げ方式を維持することが適当なのではないかといった御意見もいただいているところでございます。
 いずれにいたしましても、公定価格の算定方法につきまして、保育関係者など、現場の御意見も丁寧に伺いながら検討を進めてまいります。
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繁本護#8
○繁本委員 子ども・子育て会議の中に我々と気持ちを同じにする委員がいて、積み上げ方式が適当でないかという発言があるということは、非常に我々は勇気を持ちますね。ぜひ声をよく聞いて考えていただきたい。
 さて、積み上げ方式を堅持する上においてもう一つ大事なことは、実態をよく見た上で積み上げていくということですよ。実態について少し見ていきましょう。
 公定価格の対象となります保育所、幼稚園、認定こども園の経営実態。まず、先ほどお話しいたしました収支差率ですけれども、前回調査が行われましたのが平成二十八年、今回が三十年ですね。それぞれ決算を見てみましたら、保育所は収支差率五・一%から二・三%で、二・八ポイント減っています。幼稚園は六・八%から三・八%ですから、マイナス三ポイントですね。認定こども園はもっとひどいですよ。九・〇%から二・〇%で、マイナス七ポイントとなっているんです。いずれも非常に収支差率は悪化している状況なんです。前回と今回の調査では若干やり方が違うところはあるんですけれども、この二年間で施設の経営が非常に厳しくなったということは御理解いただけるものだと思います。
 次に、職員の配置実態。ここが大事なんです、人件費にかかわりますから。保育所一施設当たりの保育士の配置人数、常勤換算で公定価格の基準では十二・三なんです。これに対して、実際にはこれよりも、ここを覚えておいてくださいね、四・四人多い十六・七人が配置されているんですよ。幼稚園、認定こども園については今みたいな数字は申し上げないけれども、同様に、実際には公定価格の基準以上にかなり多くの人が配置されているということは今回の経営実態調査でよくわかっているはずです。
 つまり、現場では、公定価格基準どおりの保育士さんでは足りひんのです、全然。公定価格基準以上の保育士を雇用、配置することで、何とか園の体制を維持しようとしているんです。
 さらに、現在の労働市場を見てきたら、今、圧倒的に日本全体で人手不足です。とりわけ保育士さんは人手不足なんです。
 直近の有効求人倍率を見ますと、これは九月の数字だけれども、全職種の有効求人倍率が一・五九なんです。ところが、保育士さんに限ってみたら二・九四なんですよ。こんなに開きがあるんですよ。一年間、一月一日から十二月三十一日まで、押しなべて保育士の有効求人倍率の方が高くなっているんですよ。
 保育士の賃金を見てみますと、年収はだんだんふえていっています。政府もいろんな加算をやってくれて処遇改善に努力していただいていることは認めます。ただ、依然として、保育士と全産業の月額賃金の平均を見てみたら、十万円近く保育士さんの方が低くなっているんです。
 このように、保育士が今不足しているのは、保育士が我が国の未来を担う大切な子供たちの命を預かっているという責任ある仕事であるにもかかわらず、その処遇が低いんです。
 現在の公定価格の水準で、どうやったら保育士の処遇を全産業の平均並みに引き上げることができるんですか。公定価格を保育士の配置に合わせて、いや、公定価格以上に上げていかないことには、人手不足は解消できないことはおろか、質的な向上も図れないんです。
 今の実態を私はるる申し上げましたけれども、ここで政府に聞きたいんです。実態調査で、今、どれぐらいの人が必要だ、張りついているということがわかったわけですから、それを仮に公定価格で実現したらどれぐらいの予算が必要でありましょうか。お答えください。
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藤原朋子#9
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 委員から御指摘のございました、実際の配置数に合わせて公定価格を算定した場合の追加所要額につきましては、政府としては試算したものはございません。
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繁本護#10
○繁本委員 政府においては試算していないということでありますが、実は、私、少し努力をいたしまして、極めてラフな計算をいたしてみました。
 今、保育所一施設当たり、公定価格基準よりも実際には四・四人多く配置されていることはわかりましたよね。全国にある保育所の数が大体二万三千カ所なんですよ。公定価格における保育士一人当たりの年間の人件費は三百八十九万円なんです。これをちょうど三つ掛け算したら、さて幾らになるか。四千七億円なんです。ラフな計算で約四千億円になるんですよ。追加的な経費があと四千億なければ、実態に合わせた保育士の配置は本来できないんですよ。
 じゃ、今どうなっているかということを我々はよくよく認識しなければなりません。
 保育士の年収に関して言えば、公定価格上の年収は三百八十九万ですけれども、先ほどこれが三百五十八万であるということは申し上げました。年収でも三十一万円の開きがあります。公定価格が十分でない中で、公定価格基準以上の保育士を雇用し、賃金が支払われているということは、言ってみれば、公定価格の範囲の中でたくさんの保育士さんを雇って、一人当たりの給料を薄まきにしているということしか考えられないわけですよね。
 ですから、現在、子ども・子育て会議において公定価格の見直しの検討が行われており、来年四月からいよいよ新しい公定価格が始まります。私の試算、これは極めてラフな試算でありますけれども、四千億足りないんですよ、四千億。来年度の公定価格の設定に当たっては、いろいろな細々とした議論はあるんですけれども、まずフレームが足りない。四千億足りない。ただでさえ三千億足りないことを、確信犯的にこの新制度は外しているんです。ですから、予算要求をとにかく頑張っていかなきゃならぬのですよ。
 このことについて、政府はどのように認識し、これからの予算要求においてどう力を入れて頑張っていくのか、御答弁ください。
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藤原朋子#11
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 委員御指摘ございましたように、先月公表いたしました経営実態調査の速報値でございますけれども、保育所における保育士の配置状況は、公定価格上の算定人数十二・三人に対しまして、実際の配置数が十六・七人となっているなど、保育の現場においては、基準を超えた職員配置に取り組んでいただいているものと承知をしてございます。
 その背景につきましては、地方自治体独自の事業により配置をされている職員が含まれるということもありましょうし、各施設において、保育士の負担軽減ですとか保育の質の向上などの観点から、配置の充実に取り組んでいただいているという経営努力があらわれているというふうに考えてございます。
 国といたしましても、こういった実態をきちんと認識しつつ、保育士の配置の改善を図っていくということは重要な課題と考えておりまして、平成二十七年度からは三歳児に対する配置を二十対一から十五対一に改善するための加算を設けているほか、一歳児に対する職員配置、六対一から五対一への改善、あるいは、四、五歳児の職員配置の改善として三十対一から二十五対一への改善、こういったことも引き続きの検討課題、検討事項というふうになってございます。保育のさらなる質の向上のため、これらの実施に必要となる安定的な財源の確保に努力をしていきたいと考えております。
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繁本護#12
○繁本委員 独自に取り組んでいただいている経営実態とぺろっとおっしゃるんだけれども、これがどれぐらい厳しいかということをまず認識していただいた上で、財源のことについては今フロアからもいろいろなアイデアが出されておりますけれども、財源が大事なんです。とにかく枠を、フレームを確保していきましょう。
 次に進みます。
 さて、保育所の土曜日の開所について公定価格の減額を検討しているという話を聞いております。保育所は、原則として土曜日も開かなければならない。土曜日は、平日と比較すると利用する子供の数は少ない、そして、それをお世話する保育士さんの数も少ない、こういったことを理由に、公定価格を土曜日について減らしたらどうかということを議論されているということは承知をしております。
 確かに、土曜日は今申し上げたとおりです。とはいいながらも、保育所は、一日十一時間、土曜日を含んだら、月、火、水、木、金、土の六日間、一週間で六十六時間という長時間の開所が求められているのが実態です。
 一方において、保育士さんは一人当たり一週間に、一日で八時間だから、八掛ける五で四十時間ということですよね。そのギャップがある中で、週六十六時間の開所体制を、勤務ローテーションを組んでいかないといけないわけですよ。この勤務ローテーションを組んでいくことが、そして、そのために保育士さんを確保することが今非常に難しいんです。そして、保育士さんに賃金を払うことも非常に難しいというのが園の経営者から聞いている切実な声なんですね。
 現場からは、公定価格の水準で何とかぎりぎりやっていると。ぎりぎりできているかどうかも本当はわかりません。できていないところもあるかもしれません。六十六時間開所体制はとても維持できない、難しいというふうな声が上がっています。
 こうした現状を考えたら、土曜日の利用実態と土曜日の公定価格がどうかということをピンポイントで議論することが、僕は積み上げ方式が大事だと言いましたから、それは一つ意味があることかもしれないけれども、全体でフレームが足りないという大きな議論をしている中で、土曜日だけ着目して公定価格を下げていかなあかんというような方に議論が行ってはとんでもないことになりますよ。
 政府の見解を、この土曜日開所の減額についてお答えをお願いします。
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藤原朋子#13
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 保育所は、原則として土曜日を含む週六日の開所が求められております。委員から御紹介があったとおりでございます。公定価格におきましては、週当たり六十六時間、年間三百日までの利用に対応して、開所に係る費用を積算しております。
 また、利用希望がないなどの理由によりまして土曜日に開所しない保育所につきましては、月の全ての土曜日に閉所しているというような場合には、固定経費にも配慮しつつ、土曜日の開所に係る費用を減額をする仕組みを設けてございます。
 平成三十年三月における土曜日の開所の実態の調査の結果でございますけれども、現状といたしましては、約九割の施設で全ての土曜日に開所しておりまして、残りの約一割の施設では開所していない日があるという状況、また、土曜日に開所している場合に、利用児童数は平日の約三割、職員数については平日の約五割にとどまるといったことがわかってきております。
 公定価格におきまして、土曜日の開所に係る運営や利用の実態に応じてきめ細かに減額をする仕組みを導入してはどうかというふうなことを求める意見も確かにあるところでございます。
 しかしながら、他方で、今年度の経営実態調査の速報結果では、保育所においては、公定価格上の算定人数を上回る、基準を超える保育士等が配置されていること、それから、保育所の収支差率が二・三%と前回調査時から低下をしているといったこともございますので、そうしたことから、減額の仕組みの導入については、保育所の運営全体に与える影響から、慎重な意見といったものもあるということでございます。
 委員の御指摘も含めまして、保育所の運営状況や土曜日における保育所の開所実態も踏まえて、また、現場の御意見も丁寧に伺いながら、検討を進めてまいりたいと思っております。
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繁本護#14
○繁本委員 御答弁ありがとうございました。
 そうなんですよ。保育所の運営全体に与える影響というものが最も大事な論点でありまして、土曜日だけどうのこうのというのは、それ自体、この局面においては余り意味がありません。したがいまして、運営全体をよくよく考えていただきたいと思います。
 さて、現在、政府、自治体において、一刻も早く待機児童を解消するべく、あらゆる政策を総動員して保育の受皿整備を進めているところでありまして、保育の量的な拡充については、ここ数年で飛躍的に進んでまいりました。その一方で、保育士が不足する中で、急速な量的拡充を、逆に、園の数を大きくしてきた結果、保育の質に対する懸念が広がっているということも言えるのが事実であります。この量的な拡充と質的な向上というものを車の両輪として、より一層取り組んでいく必要があるわけであります。
 さて、現在、保育士不足により、人件費は大きく上がっております。多くの保育所は、先ほど来申し上げているとおり、経営はぎりぎりです。このままでは保育の現場は崩壊をしてしまいます。
 実際、賃金が低いですから、私の選挙区においても、一人、二人がお給料が少ないからもう無理です、やめますとかということじゃなくて、最近では一斉にやめるんですよ、一斉に。集団でやめるんですよ。処遇のいいところに一斉に移ろうとする、そんな行動も見受けられるんですよ。そうしたら、一斉に抜けられたら保育所は運営できませんよ。目の前に運動会がある、お祭りがある、音楽会があるというときに、そんなことが起きたらどうなりますか。こういう状況をよくよく考えていただきたいと思います。
 きょう私がるる申し上げたようなぎりぎりの経営であるとか保育の実態を考えたら、公定価格のプラス改定が必要不可欠と考えます。
 更に言うと、子ども・子育て支援新制度の実施に当たっては、子ども・子育て支援の量的拡充と質的な向上を実現するために、先ほど申し上げました一兆円の財源が必要とされてきました。そして、消費税増税により〇・七分の七千億を確保して、残りの三千億については安定財源を確保していくということが宿題になっています。しかし、先ほどの私の試算では、公定価格上の年収からかけ離れた保育士の処遇を改善するだけでも約四千億足りません。
 子ども・子育て支援の予算全体が大きく足りない状況を考えると、本来議論するべきことは、公定価格を包括的に評価して決めていくとか、あるいは土曜日の公定価格を減らしていきましょうとか、そんな細々とした議論ではないんです。もっと大きいフレームで予算を獲得していくということが一丁目一番地なわけであります。
 さて、本日はさまざまな観点から公定価格に関して質問をさせていただきましたけれども、公定価格の見直しの一番の眼目は少子化対策であるとも言えます。私はそう考えるんですね。
 実際、自民党のいろいろな検討会議の中でも、人口減少対策会議の中に公定価格というものの検討委員会を組んでいるんですが、私は公定価格を引き上げようと言ってきていますけれども、この目的は、単に、保育士の適正配置をする、そして経営を安定化するといったことだけではありません。そうしたことを通じて、子供たちを安心して預けることのできる環境をつくらなければならない、そして、質の高い保育と教育を提供する環境を整えていかなければならない。そして、将来の日本を支える人材、子供たちを育成していくことが非常に大事なんです。
 今申し上げたことは、都市部であろうが地方部であろうが離島部であろうが関係ないんです。日本全国どこでも、地域格差をなくして、今申し上げたようなことを実現していかなければならないというふうに私は考えます。
 公定価格の引上げに向けて、保育の重要性、そして今申し上げた質の向上、人口減少の対策といった観点からも、ぜひここで厚生労働大臣と内閣府の藤原大臣政務官に御意見、お言葉を頂戴したいと思います。よろしくお願い申し上げます。
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藤原崇#15
○藤原大臣政務官 ありがとうございました。
 委員御指摘のとおり、少子化の傾向に歯どめをかけるということが喫緊の課題でありますとともに、我が国の将来を担う子供たちの幼児教育、保育の質の向上を図るということは大変重要な意義があると考えております。
 この公定価格については、委員御指摘のとおり、今まさに作業中でありますが、内閣府としても、現場の実態、関係者の御意見を丁寧に伺いつつ、厚労省としっかり連携をしながら適切に対応してまいりたいと思っております。
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加藤勝信#16
○加藤国務大臣 今委員御指摘のように、少子化も進んでいく中で保育の質の向上を図っていくということは、一つは、やはり、子供さんの生涯にわたる人格形成の基礎を担うという大変重要な役割を幼児教育あるいは保育は担っているということ、それからもう一つは、安心して子育てをできる環境をつくっていくことに資するということでありますから、これは大変重要な意味もあります。
 私どもとしても、待機児童の解消という意味における先ほど言った量の拡大と、そして質の向上、これはまさに、車の両輪というか、同時に進めていかなければならない。実際、これまでも、三歳児に対する保育士の配置、二十対一を十五対一、これは加算という形ではありますけれども、実施をさせていただいているところであります。
 今後とも、財源を確保しなければ何もできませんので、そこをどうやっていくのかということを踏まえながらも、保育所の運営状況、現場の実態、今いろいろお話もありました。基本は内閣府が予算を要求する立場でありますけれども、保育行政を担う厚労省としても一緒になって取り組んでいきたいというふうに思います。
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繁本護#17
○繁本委員 御答弁ありがとうございました。
 きょうは、無償化がスタートいたしまして、その後の影響と公定価格のこれからの議論のあり方について、純然たる保育所に焦点を絞って御質問をさせていただいたつもりでありますけれども、実は、子ども・子育て支援の新制度に移行していない例えば私立の幼稚園においても、預かり保育という形でこれがかかわってくるわけでありますが、やはり同様に、無償化が始まったことで、預かり保育においても同様の懸念があるということを、ここで最後に申し上げておかなければならないというふうに思います。
 ソサエティー五・〇という、今の保育所や幼稚園に通う子供たちが実際我々のように社会に出て大人になって働く時代を想像すると、今の仕事の半分がなくなるとも言われているし、今以上の創造力であるとか、あるいは人間的な豊かさであるとか、情操、気持ちの面での豊かさとか、そういったことが求められるんですね。
 三つ子の魂百までとは言いませんけれども、それだけではないんですけれども、やはり、子供たちを将来の日本を担っていただける大切な宝物としてお預かりをする保育所、幼稚園、認定こども園の現場の声を聞いて予算要求を力強く頑張っていただきますようお願い申し上げまして、質問を終わります。
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盛山正仁#18
○盛山委員長 次に、高木美智代君。
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高木美智代#19
○高木(美)委員 おはようございます。公明党の高木美智代でございます。
 本日、私は、遺骨収集をめぐる諸問題につきまして、遺骨収集について質問をさせていただきたいと思います。
 遺骨収集につきましては、厚労省のこれまでのずさんな対応への批判のみならず、諸外国の遺骨収集の現場からも懸念の声が寄せられております。その現状を踏まえまして、我が党の太田昭宏全国議員団会議議長、また秋野公造参議院議員、そして私とで、関係者や専門家に話を聞き、解決策を検討してまいりました。
 そして、その結果、このままでは現地の鑑定に対して国民やまた関係する諸外国から信頼を得ることは困難である、このように考えまして、その解決策を携えて、十月十七日、加藤大臣に緊急申入れをさせていただいたところでございます。
 本日、私は、かつて加藤大臣のもとで遺骨収集を担当していた副大臣といたしましても、遺骨収集をめぐる諸事案を見抜けなかったことへの反省も込めまして、大臣に御提案申し上げたいと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
 平成二十八年十二月、アメリカの国防総省捕虜・身元不明者調査局、DPAAといいますが、中央身元鑑定研究所を総理が訪問されました。当時の防衛大臣、また外務大臣も同行され、参考になるということで後に河野外務大臣も訪問されております。お手元の資料にあるとおりでございます。
 そこで、まず大臣、このDPAAの存在を大臣は御存じでしょうか。
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加藤勝信#20
○加藤国務大臣 DPAAは、米国が関与した過去の紛争における捕虜又は行方不明者に係る調査を目的とした機関で、第二次大戦以降、近年の紛争に至るまでの米国の戦没者の遺骨収集をまさに専門にやっている機関ということでありまして、私も、その存在を注目していかなきゃならない。特に、法医学、人類学、考古学など、関連する学問分野の研究者がチームを組んで、専門、先端的にと言っていいんでしょうかね、やっておられる。
 その取組の仕方、大変重要だと思っておりますので、私自身も、これは本部そのものはワシントンなんですけれども、今おっしゃられた中央身元鑑定研究所はハワイにありますけれども、少なくとも、その研究所においてどういうことがされているのか、実際に見に行かせていただきたいという希望は持っております。
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高木美智代#21
○高木(美)委員 ありがとうございます。もう私の方から重ねてこのDPAAの説明を申し上げる必要はないと思っております。
 それで、このDPAA中央身元鑑定研究所は、日本の行方不明者、戦没者の方の遺骨も含めて鑑定する組織でございます。ぜひ大臣に近いうちにお越しいただきたいと思っております。
 今、遺骨収集をめぐりまして、フィリピンまたシベリアなどにつきまして、厚労省が遺骨取り違えに対応せず放置していたとか、また、鑑定に疑義があるなど、これまで本委員会でもたび重なる質問があったところでございます。それは、私は、とりもなおさず、鑑定が曖昧だからこの問題が後を絶たない。したがいまして、科学的鑑定をグローバルスタンダードで確立していくには、アメリカのDPAAは非常に参考になると思いますけれども、重ねて大臣のお気持ちを伺いたいと思います。
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加藤勝信#22
○加藤国務大臣 遺骨の収集に関して、今委員からも御指摘をいただきましたように、これまでも日本人ではないということが指摘されながら、長年にわたって放置をされてきた、そしてそれに対して適切な対応をとってこなかった、そのことが遺骨収集に対する信頼を大きく毀損して、特に遺族の方々あるいは協力した相手国との信頼関係、こういったことも揺るがす事態だということ、我々もこの事態を大変危機的なものだという思いで受けとめなければならないと思っております。
 そういう中で、先般も、委員始め御党からも御提言というかを頂戴したところでありますけれども、いずれにしても、参考になるべきもの、また、あるいは我々に力をかしていただけるもの、こういった意味において、このDPAAは大変協力関係をとるべき機関だというふうに思っております。
 御承知のように、本年四月にも、両国の戦没者の遺骨の所在や両国の遺骨収集活動の計画についての情報交換、あるいは遺骨のDNA鑑定等の技術についての情報交換を内容とする協力覚書も締結をしたところでありますので、締結したところに終わらず、そうした協力関係をつくりながら、そしてそれを一つの範としながら、我が国のこうした遺骨収集あるいは鑑定のありよう、こういったこともしっかり考えていかなければならないというふうに思っております。
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高木美智代#23
○高木(美)委員 ありがとうございます。
 今大臣は、今の状況は危機的状況だとおっしゃっておられました。
 そこで、厚労省に伺います。専門家の話では、法医人類学者、また形質人類学者の方が目視で判定できるのは、人か動物か、七十年以上経過しているかどうか、また、男性か女性か、子供か老人か、こういった分類と聞いております。多くの遺骨の中から目視で日本兵、日本人と鑑定できるのかどうか、審議官の答弁を求めます。
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辺見聡#24
○辺見政府参考人 お答え申し上げます。
 戦没者の遺骨収集事業につきましては、我が国の戦没者の遺骨収集を目的として行っているところでございまして、収容に際しましては、御遺骨の形質のみならず、歴史的背景、史実ですとか部隊記録、現地証言などに加えまして遺留品等の有無から我が国の戦没者であるということを判定しているところでございます。
 骨の形質の鑑定につきましては、こうした歴史的背景や遺留品の有無といった状況証拠に加えて近年取り組んでいるものでございまして、御指摘の性別や年齢に加えまして、頭蓋骨の形状、例えば頬骨の突出ぐあい、鼻ですとか歯の形態、歯科治療痕などからの判断ですとか、当時の日本人男性、現地住民との身長差などから祖先集団というものを判定するほか、銃創などの外傷によって当時の死亡状況等を推定して、判定を行っていただいているところでございます。
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高木美智代#25
○高木(美)委員 そこで、目視の限界なのですが、目視で、例えばこれはアジア系だ、モンゴロイドと判定をしても、韓国と日本、そしてまた台湾、非常に似た骨の形質があると聞いております。したがいまして、目視でこれはモンゴロイドと判定をしても、日本人であるかどうかはわからない、モンゴロイド・イコール日本人ではないわけでございます。これを決めつけるのは、私はまずいのではないかと考えます。
 したがって、今審議官から答弁がありました、遺留品が日本兵、日本の部隊のものだから日本人、こう決めつけて焼骨を行っているわけですけれども、厚労省はそもそも、朝鮮、台湾出身の軍人軍属の内訳を一体どのように把握しているのでしょうか。
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辺見聡#26
○辺見政府参考人 お答え申し上げます。
 さきの大戦で死亡した朝鮮半島や台湾出身の軍人軍属につきましては、厚生労働省保管資料である留守名簿や履歴原表等から把握しておりまして、旧日本軍の軍人軍属には、朝鮮半島出身の方約二万二千人や、台湾出身の方約三万人といったアジアの方々も含まれていると承知しているところでございます。
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高木美智代#27
○高木(美)委員 数字をもう一度よく確認していただきたいのですが、平成二十一年に閣議決定された答弁書におきましては、朝鮮半島出身軍人軍属の合計は二十四万三千九百十二人、また、台湾出身軍人軍属の合計は二十万七千百八十三人であること、これを認めております。第二次世界大戦におきまして、これだけの本当に多くの人数の方たちが、軍人軍属合わせて多くの方たちが、現地を離れ、出身地を離れ、そして御自分たちが望みもしない、そういう異国の地で亡くなっていかれた、こういう経緯があります。
 大日本帝国は、多民族国家でございました。朝鮮半島出身、台湾出身等の軍人軍属がともに戦場で戦い、また、さらには満州国軍、南京政府軍、あるいはインドネシア郷土防衛義勇軍、またビルマ独立義勇軍、インド国民軍なども日本軍とともに同じ戦場で戦い、傷つき、亡くなられているわけでございます。
 これらの方々の遺骨もモンゴロイドとして混在しているのではありませんか。重ねて答弁を求めます。
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辺見聡#28
○辺見政府参考人 お答え申し上げます。
 遺骨収集の過程におきまして、我が国の戦没者ではない現地住民の方などの遺骨が発見された場合には、現地政府機関に引き渡すなどの対応を行ってきているところでございます。遺留品等から、朝鮮半島出身の戦没者であるといったようなことなど、他国の戦没者であると思われる遺骨を発見した場合には、同様に現地政府機関に通報し、適切に対応していくということになります。
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高木美智代#29
○高木(美)委員 ただいまの審議官の答弁でも、やはり目視での限界ということを私は改めて確認をする思いでございます。
 したがいまして、日本人と見られる、そのように確認をしたとしても、先ほど申し上げたように、さまざまな多民族の方たちがかかわっている。しかも、モンゴロイド、アジア、この中で国まで細かく判定をしていくのはなかなか難しいということを重ねて申し上げたいと思います。
 キリバス共和国のタラワ島、ここでも、アメリカによる上陸作戦の際に、約千二百名の韓国人徴集兵及び労働者の方たちがタラワにいたという事実が記録に残されております。したがって、日本人以外のアジア系の人々がいたことが指摘をされているわけでございまして、今これほどシベリアまたフィリピンの遺骨収集で問題になっていることや、また、終戦からしばらくの間はこうした目視のやり方でやるしかない、こういうやむを得ない間は別といたしまして、今現在は科学的鑑定ができる時代になりました。そのことを踏まえますと、今までと同じ鑑定のやり方というのを抜本的に変えていくことが大切と考えます。
 したがいまして、これまでのような取り違え等の間違いを起こさないためにも、今、ここで一旦、鑑定の後に焼骨、鑑定をするまでは焼骨をしない、それをそのまま日本に持って帰ってきて適切に鑑定を行う。そして、その上で、異国の方たちのものとわかった場合には丁寧に再び速やかにお返しする、これが重要かと思います。
 そこで、大事なことは、いま一度、焼骨をやるのをおとめになってはいかがかと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
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